JP6943143B2 - 産業車両用遠隔操作システム、産業車両、産業車両用遠隔操作プログラム及び産業車両用遠隔操作方法 - Google Patents

産業車両用遠隔操作システム、産業車両、産業車両用遠隔操作プログラム及び産業車両用遠隔操作方法 Download PDF

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Description

本発明は、産業車両用遠隔操作システム、産業車両、産業車両用遠隔操作プログラム及び産業車両用遠隔操作方法に関する。
特許文献1には、産業車両としてのフォークリフトを遠隔操作する遠隔操作装置としての遠隔制御装置が、フォークリフトに対して離れた位置からフォークリフトの荷役作業を遠隔操作する点について記載されている。
特開2002−104800号公報
ここで、遠隔操作装置を用いて産業車両を遠隔操作する構成においては、遠隔操作装置と産業車両との間で無線通信を行うことが考えられる。この場合、通信環境によっては通信遅延が生じ、産業車両の応答性が低下し得る。すると、操作性の低下等が懸念される。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、その目的は通信遅延に対応できる産業車両用遠隔操作システム、産業車両、産業車両用遠隔操作プログラム及び産業車両用遠隔操作方法を提供することである。
上記目的を達成する産業車両用遠隔操作システムは、無線通信を行う車両通信部を有する産業車両と、前記車両通信部と無線通信を行うリモート通信部を有し、前記産業車両を遠隔操作するのに用いられる遠隔操作装置と、を備え、前記遠隔操作装置は、前記産業車両の遠隔操作に用いられる遠隔操作信号を生成する信号生成処理を繰り返し実行する信号生成部を備え、前記リモート通信部は、前記信号生成部によって生成された前記遠隔操作信号を、前記車両通信部に順次送信するものであり、前記産業車両は、前記車両通信部によって受信された前記遠隔操作信号に基づいて動作するものであり、前記産業車両は、前記車両通信部が複数の前記遠隔操作信号を受信するのに要した受信期間と、前記複数の遠隔操作信号を生成するのに要した生成期間との差に対応した遅延時間を算出する遅延時間算出部と、前記遅延時間に基づいて通信遅延が生じているか否かの通信遅延判定を行う通信遅延判定部と、前記通信遅延判定により通信遅延が生じていると判定された場合に、通信遅延に対応した通信遅延対応制御を実行する通信遅延対応制御部と、を備えていることを特徴とする。
かかる構成によれば、信号生成部によって生成された遠隔操作信号は、リモート通信部から車両通信部に向けて送信され、車両通信部によって受信される。そして、産業車両は、当該遠隔操作信号に基づいて動作する。
かかる構成において、複数の遠隔操作信号に係る受信期間及び生成期間の差に対応した遅延時間に基づいて通信遅延判定が行われ、当該通信遅延判定によって通信遅延が生じていると判定された場合には、通信遅延対応制御が行われる。これにより、通信遅延に対応できる。
特に、本構成では、複数の遠隔操作信号に係る生成期間と受信期間との差に対応した遅延時間を用いて通信遅延判定が行われる。これにより、1つの遠隔操作信号のみで通信遅延判定を行う構成と比較して、通信遅延が生じているか否かの判定精度の向上を図ることができる。
また、通信遅延判定に用いられる信号として遠隔操作信号が採用されている。これにより、実際に遠隔操作に用いられる遠隔操作信号の遅延具合に基づいて通信遅延判定が行われるため、産業車両の応答性に対応した通信遅延判定を行うことができる。
上記産業車両用遠隔操作システムについて、前記遠隔操作信号は、当該遠隔操作信号の生成時刻が設定されたリモート時刻情報を含み、前記遠隔操作装置は、時刻を把握するリモート時刻把握部を備え、前記生成時刻は、前記リモート時刻把握部の把握結果に基づいて設定されるものであり、前記産業車両は、時刻を把握する車両時刻把握部と、前記車両時刻把握部の把握結果に基づいて、前記遠隔操作信号の受信時刻を把握する受信時刻把握部と、を備え、前記遅延時間算出部は、前記受信時刻把握部によって把握される前記受信時刻に基づく前記受信期間と、前記遠隔操作信号に含まれる前記リモート時刻情報の前記生成時刻に基づく前記生成期間との差に対応した前記遅延時間を算出するとよい。
かかる構成によれば、遅延時間は、受信時刻に基づく受信期間と遠隔操作信号に含まれるリモート時刻情報の生成時刻に基づく生成期間との差に対応したパラメータである。受信時刻は、車両時刻把握部を用いて把握されるものであり、生成時刻は、リモート時刻把握部を用いて把握されるものである。この場合、遅延時間は、時刻同士の差ではなく期間同士の差であるため、遅延時間に対する両時刻把握部の時刻のズレの影響は小さい。したがって、両時刻把握部の時刻のズレに起因する通信遅延の判定精度の低下を抑制できる。
上記産業車両用遠隔操作システムについて、前記遅延時間算出部は、前記車両通信部が前記遠隔操作信号を受信する度に、前記遠隔操作信号に含まれる前記リモート時刻情報の前記生成時刻と前記受信時刻把握部によって把握される前記受信時刻とに基づいて、前記遠隔操作信号の生成間隔及び受信間隔を把握する間隔把握部と、前記間隔把握部によって把握された前記生成間隔及び前記受信間隔に基づいて、1つあたりの前記遠隔操作信号に係る単位遅延時間を算出する単位遅延時間算出部と、前記単位遅延時間が算出される度に、当該単位遅延時間に基づいて前記遅延時間としての累積遅延時間を更新する累積遅延時間更新部と、を備え、前記通信遅延判定部は、前記累積遅延時間に基づいて前記通信遅延判定を行うとよい。
かかる構成によれば、車両通信部が遠隔操作信号を受信する度に、これまでの通信環境を踏まえた通信遅延判定が行われる。これにより、通信遅延判定を好適に行うことができ、通信遅延判定の精度向上及び通信遅延に対する応答性の向上を図ることができる。
上記産業車両用遠隔操作システムについて、前記遅延時間算出部は、前記遠隔操作信号に含まれる前記リモート時刻情報の前記生成時刻に基づいて、前記生成期間を把握する生成期間把握部と、前記受信時刻把握部によって把握される前記受信時刻に基づいて、前記受信期間を把握する受信期間把握部と、を備え、前記受信期間と前記生成期間とに基づいて前記遅延時間を算出するものであるとよい。
かかる構成によれば、比較的容易に遅延時間を算出できる。
上記産業車両用遠隔操作システムについて、前記産業車両は、前記遠隔操作信号を受信してから通信エラー期間以内に次の前記遠隔操作信号を受信しなかった場合には、通信エラーが発生したと判定する通信エラー判定部を備え、前記通信遅延判定部は、前記遅延時間が前記通信エラー期間よりも短い閾値遅延時間以上である場合に通信遅延が生じていると判定するとよい。
かかる構成によれば、1つの遠隔操作信号の送受信に基づいて遠隔操作信号の送受信が正常に行われているか否かを判定する通信エラーに関する判定と、複数の遠隔操作信号の送受信に基づいて通信遅延が発生しているか否かを判定する通信遅延判定との双方が行われる。これにより、遠隔操作信号の送受信ができない異常と、遠隔操作信号の送受信は行われているが継続的に遅延が生じている異常とを検知できる。特に、閾値遅延時間は通信エラー期間よりも短い。これにより、通信エラーとは判定されないが継続的に遠隔操作信号の送受信に遅延が生じている通信遅延を好適に検知できる。
上記産業車両用遠隔操作システムについて、前記遠隔操作装置は、前記遠隔操作信号を複数記憶可能なものであって、生成された前記遠隔操作信号が順次セットされる送信バッファを備え、前記リモート通信部は、前記遠隔操作信号を送信できる送信可能状態である場合に、前記送信バッファにセットされる前記遠隔操作信号を順次送信する一方、前記送信可能状態ではない場合には、前記送信可能状態となるまで、前記遠隔操作信号の送信を待機するものであるとよい。
かかる構成によれば、例えば他の通信の影響などによって送信可能状態ではない場合には、送信可能状態となるまで遠隔操作信号の送信が待機される。この場合であっても、遠隔操作信号は順次生成されるため、送信バッファには遠隔操作信号が順次セットされる。そして、送信可能状態となることに基づいて、遠隔操作信号が順次送信される。これにより、通信環境が混雑していることに起因して送信されない遠隔操作信号が発生することを抑制できる。
また、本構成によれば、仮に一時的に通信遅延が発生して送信可能状態ではなくなった場合、一時的に少数の遠隔操作信号が送信バッファにセットされる。その後、通信遅延が解消されて送信可能状態となることによって、送信可能状態ではない期間中にセットされた上記少数の遠隔操作信号が順次送信される。これにより、通信遅延が解消された後も含めた複数の遠隔操作信号の受信に要する受信期間は、全体として、上記複数の遠隔操作信号の生成に要する生成期間とほぼ同一又はそれに近い値となり得るため、通信遅延判定において通信遅延が発生していると判定されにくい。したがって、既に通信遅延が解消されているにも関わらず、通信遅延が発生していると誤判定されることを抑制できる。
上記産業車両用遠隔操作システムについて、前記通信遅延対応制御は、前記遠隔操作装置において通信遅延が発生している旨の報知を行う制御を含むとよい。
かかる構成によれば、操作者が通信遅延の発生を認識できるため、遠隔操作の一旦停止や他の通信の停止等、通信遅延に対応した行動を促すことができる。
上記産業車両用遠隔操作システムについて、前記通信遅延対応制御は、前記遠隔操作装置による遠隔操作を停止する遠隔操作停止制御を含むとよい。
かかる構成によれば、通信遅延が生じている状態で遠隔操作が継続されることを抑制でき、通信遅延に起因する誤操作を抑制できる。
上記産業車両用遠隔操作システムについて、前記通信遅延判定部は、前記遅延時間が第1閾値遅延時間以上である場合に通信遅延が生じていると判定し、前記通信遅延対応制御部は、前記遅延時間が前記第1閾値遅延時間よりも長い第2閾値遅延時間未満である場合には、前記通信遅延対応制御として、通信遅延が生じている旨の報知を行う一方、前記遠隔操作装置による遠隔操作を継続し、前記遅延時間が前記第2閾値遅延時間以上である場合には、前記通信遅延対応制御として、前記遠隔操作装置による遠隔操作を停止する遠隔操作停止制御を行うとよい。
かかる構成によれば、遅延時間が第2閾値遅延時間未満である場合には、通信遅延対応制御として警告報知が行われ、遅延時間が第2閾値遅延時間以上である場合には、通信遅延対応制御として遠隔操作停止制御が行われる。これにより、通信遅延具合に応じて、異なる通信遅延対応制御を実行できる。
特に、本構成によれば、遠隔操作が停止される前に警告報知が行われるため、操作者としては、遠隔操作が停止する前段階にて通信遅延を認識でき、当該通信遅延に対応できる。したがって、通信遅延に起因して遠隔操作が突然停止してしまうという操作者への不意打ちを回避できる。
上記産業車両用遠隔操作システムについて、前記リモート通信部及び前記車両通信部の無線通信形式はWi−Fiであるとよい。
かかる構成によれば、汎用の無線通信形式を用いて遠隔操作を実現できる。ここで、Wi−Fiは、汎用の無線通信形式であるため、他の通信と兼用され易い。このため、通信遅延が生じ易い。この点、本構成によれば、Wi−Fiを採用したことによって生じ易い通信遅延に対応できるため、Wi−Fiを用いた遠隔操作を好適に行うことができる。
上記目的を達成する産業車両は、遠隔操作に用いられる遠隔操作信号を繰り返し生成する遠隔操作装置に設けられたリモート通信部と無線通信を行うものであって前記リモート通信部から繰り返し送信される前記遠隔操作信号を受信する車両通信部を備え、前記遠隔操作信号に基づいて動作するものであって、前記車両通信部が複数の前記遠隔操作信号を受信するのに要した受信期間と、前記複数の遠隔操作信号を生成するのに要した生成期間との差に対応した遅延時間を算出する遅延時間算出部と、前記遅延時間に基づいて通信遅延が生じているか否かの通信遅延判定を行う通信遅延判定部と、前記通信遅延判定により通信遅延が生じていると判定された場合に、通信遅延に対応した通信遅延対応制御を実行する通信遅延対応制御部と、を備えていることを特徴とする。
上記目的を達成する産業車両用遠隔操作プログラムは、無線通信を行うものであって遠隔操作に用いられる遠隔操作信号を受信可能な車両通信部を有し、当該車両通信部によって受信された前記遠隔操作信号に基づいて動作する産業車両を、前記遠隔操作信号を生成する信号生成処理を繰り返し実行する信号生成部と、前記車両通信部と無線通信を行うものであって前記車両通信部に向けて前記遠隔操作信号を順次送信するリモート通信部と、を有する遠隔操作装置によって遠隔操作する産業車両用遠隔操作システムに用いられる産業車両用遠隔操作プログラムであって、前記産業車両を、前記車両通信部が複数の前記遠隔操作信号を受信するのに要した受信期間と、前記複数の遠隔操作信号を生成するのに要した生成期間との差に対応した遅延時間を算出する遅延時間算出部と、前記遅延時間に基づいて通信遅延が生じているか否かの通信遅延判定を行う通信遅延判定部と、前記通信遅延判定により通信遅延が生じていると判定された場合に、通信遅延に対応した通信遅延対応制御を実行する通信遅延対応制御部として機能させることを特徴とする。
上記目的を達成する産業車両用遠隔操作方法は、産業車両に設けられた車両通信部と無線通信を行うリモート通信部を備えた遠隔操作装置を用いて前記産業車両を遠隔操作するものであって、前記遠隔操作装置が前記産業車両の遠隔操作に用いられる遠隔操作信号を生成する信号生成処理を繰り返し実行する信号生成ステップと、前記リモート通信部が前記信号生成ステップによって生成された前記遠隔操作信号を前記車両通信部に順次送信する信号送信ステップと、前記産業車両が、前記車両通信部によって受信された前記遠隔操作信号に基づいて動作する駆動制御ステップと、前記産業車両が、前記車両通信部が複数の前記遠隔操作信号を受信するのに要した受信期間と、前記複数の遠隔操作信号を生成するのに要した生成期間との差に対応した遅延時間を算出する遅延時間算出ステップと、前記産業車両が、前記遅延時間に基づいて通信遅延が生じているか否かの通信遅延判定を行う通信遅延判定ステップと、前記産業車両が、前記通信遅延判定により通信遅延が生じていると判定された場合に、通信遅延に対応した通信遅延対応制御を実行する通信遅延対応制御ステップと、を備えていることを特徴とする。
上記各構成によれば、信号生成部によって生成された遠隔操作信号は、リモート通信部から車両通信部に向けて送信され、車両通信部によって受信される。そして、産業車両は、当該遠隔操作信号に基づいて動作する。
かかる構成において、複数の遠隔操作信号に係る受信期間及び生成期間の差に対応した遅延時間に基づいて通信遅延判定が行われ、当該通信遅延判定によって通信遅延が生じていると判定された場合には、通信遅延対応制御が行われる。これにより、通信遅延に対応できる。
特に、上記各構成では、複数の遠隔操作信号に係る生成期間と受信期間との差に対応した遅延時間を用いて通信遅延判定が行われる。これにより、1つの遠隔操作信号のみで通信遅延判定を行う構成と比較して、通信遅延が生じているか否かの判定精度の向上を図ることができる。
また、通信遅延判定に用いられる信号として遠隔操作信号が採用されている。これにより、実際に遠隔操作に用いられる遠隔操作信号の遅延具合に基づいて通信遅延判定が行われるため、産業車両の応答性に対応した通信遅延判定を行うことができる。
この発明によれば、通信遅延に対応できる。
産業車両用遠隔操作システムの概要図。 産業車両用遠隔操作システムの電気的構成を示すブロック図。 遠隔操作信号を説明するための概念図。 操作画像が表示された遠隔操作装置の正面図。 遠隔操作制御処理のフローチャート。 信号送信処理のフローチャート。 受信制御処理のフローチャート。 第1実施形態の通信遅延用処理のフローチャート。 遠隔操作信号の送受信状況を模式的に示すタイムチャート。 遠隔操作信号の送受信状況を模式的に示すタイムチャート。 第2実施形態の通信遅延用処理を示すタイムチャート。 遠隔操作信号の送受信状況を模式的に示すタイムチャート。 別例の通信遅延用処理のフローチャート。
(第1実施形態)
以下、産業車両用遠隔操作システム等の第1実施形態について説明する。
図1に示すように、産業車両用遠隔操作システム10は、産業車両としてのフォークリフト20と、フォークリフト20を遠隔操作するのに用いられる遠隔操作装置30と、を備えている。
フォークリフト20は、車輪21と、荷物の積み上げ又は積み降ろしを行う荷役装置としてのフォーク22と、を備えている。本実施形態のフォークリフト20は、運転者が着座して操縦することが可能に構成されている。フォーク22は、リフト動作、リーチ動作及びチルト動作が可能に構成されている。
なお、フォークリフト20は、例えばエンジンが搭載されたエンジンタイプであってもよいし、蓄電装置及び電動モータが搭載されたEVタイプであってもよいし、燃料電池及び電動モータが搭載されたFCVタイプであってもよい。また、フォークリフト20は、例えばエンジンと蓄電装置と電動モータとを有するHVタイプでもよい。
図2に示すように、フォークリフト20は、走行アクチュエータ23と、荷役アクチュエータ24と、これら走行アクチュエータ23及び荷役アクチュエータ24を制御する車両CPU25と、車両メモリ26と、車両状態検知部27と、を備えている。
走行アクチュエータ23は、フォークリフト20の走行に用いられるものであり、具体的には車輪21を回転駆動させるとともに、操舵角(進行方向)を変更する。なお、例えばフォークリフト20がエンジンタイプであれば、走行アクチュエータ23はエンジン及びステアリング装置等であり、例えばフォークリフト20がEVタイプであれば、走行アクチュエータ23は車輪21を回転駆動させる電動モータ及びステアリング装置等である。
荷役アクチュエータ24は、走行とは異なる動作に用いられるものであり、詳細にはフォーク22を駆動させるものである。例えば、荷役アクチュエータ24は、フォーク22を上下方向に移動させるリフト動作と、フォーク22を前後方向に移動させるリーチ動作と、フォーク22を傾けるチルト動作とを行う。
車両CPU25は、車両メモリ26に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することによって、フォークリフト20に設けられているステアリング装置や各種操作レバーが操作に対応させて走行アクチュエータ23及び荷役アクチュエータ24を制御する。つまり、本実施形態のフォークリフト20は、遠隔操作装置30を用いずに、フォークリフト20に設けられているステアリング装置や各種操作レバーにより運転することも可能となっている。車両CPU25は、車両ECUとも車両MPUとも言える。
車両状態検知部27は、フォークリフト20の状態を検知するものである。車両状態検知部27は、例えば現在のフォークリフト20の走行態様及びフォーク22の動作態様を検知するとともに、フォークリフト20の異常の有無を検知し、その検知結果である走行情報、動作情報及び異常情報が設定された検知信号を車両CPU25に向けて出力する。車両CPU25は、車両状態検知部27から入力される検知信号に基づいて、フォークリフト20の現在の状態を把握する。
なお、走行情報は、例えばフォークリフト20の走行速度、加速度及び操舵角に関する情報を含む。また、動作情報は、上下方向におけるフォーク22の位置(リフト位置)及びリフト動作中の場合にはその動作速度に関する情報と、前後方向におけるフォーク22の位置(リーチ位置)及びリーチ動作中の場合にはその動作速度に関する情報と、鉛直方向に対するフォーク22の傾斜角度及びチルト動作中の場合にはその動作速度に関する情報とを含む。
また、フォークリフト20の異常とは、例えば、走行アクチュエータ23又は荷役アクチュエータ24の異常や、車輪21の異常等がある。但し、フォークリフト20の異常は、これに限られず任意であり、例えばフォークリフト20が蓄電装置を有する構成においては、蓄電装置の異常等を含んでもよい。
遠隔操作装置30は、通信機能を有する操作端末である。遠隔操作装置30は、例えばスマートフォン又はタブレット端末といった汎用品である。但し、これに限られず、遠隔操作装置30は任意であり、例えばゲーム装置に用いられるコントローラ、携帯電話又はヴァーチャルリアリティ端末などでもよいし、遠隔操作のための専用品であってもよい。図1に示すように、本実施形態では、遠隔操作装置30は、一方を長手方向とし他方を短手方向とする矩形板状である。
図2に示すように、遠隔操作装置30は、タッチパネル31と、タッチセンサ32と、リモートCPU33と、リモートメモリ34と、姿勢検知部35と、リモート時刻把握部36と、を備えている。
図1に示すように、タッチパネル31は、遠隔操作装置30の一方の板面に形成されている。タッチパネル31は長手方向及び短手方向を有する矩形状であり、タッチパネル31の長手方向は遠隔操作装置30の長手方向と一致している。タッチパネル31は、所望の画像を表示させることが可能に構成されている。
ちなみに、遠隔操作装置30が横向きに把持された場合、タッチパネル31の短手方向は操作者から見て上下方向又は前後方向であり、タッチパネル31の長手方向は操作者から見て左右方向である。
なお、説明の便宜上、以降の説明では、タッチパネル31を視認できるように遠隔操作装置30が横向きに把持された場合において、操作者から見てタッチパネル31の上端側(図4における紙面上方向)を上方とし、操作者から見て下端側(図4における紙面下方向)を下方とする。
タッチセンサ32は、遠隔操作装置30に対する操作の一種である、タッチパネル31に対する入力操作(例えばタップやスライド操作)を検知するものである。詳細には、タッチセンサ32は、タッチパネル31に対して指が接触しているか否かを検知するとともに、指の接触が検知された場合にはその位置を検知する。そして、タッチセンサ32は、検知結果をリモートCPU33に出力する。これにより、リモートCPU33は、タッチパネル31に対する入力操作を把握できる。なお、タッチセンサ32の具体的な構成は任意であるが、例えば静電容量の変化に基づいて検出する静電容量式センサや圧力センサ等がある。
リモートCPU33は、リモートメモリ34に記憶されている各種プログラムを用いて各種処理を実行するものである。詳細には、リモートメモリ34には、タッチパネル31の画像制御に関するプログラムが記憶されており、リモートCPU33は、当該プログラムを読み出し実行することによってタッチパネル31の表示制御を行う。また、リモートCPU33は、タッチセンサ32及び姿勢検知部35から入力される信号に基づいて、遠隔操作装置30に対する各種操作を把握する。
姿勢検知部35は、遠隔操作装置30の姿勢を検知するものである。姿勢検知部35は、例えば3軸の加速度センサと3軸のジャイロセンサとを含み、これらのセンサから得られる情報に基づいて、遠隔操作装置30の向き及びその変化を検知する。
例えば、図1に示すように、遠隔操作装置30の長手方向の両端部が操作者によって把持されている場合においては、姿勢検知部35は、遠隔操作装置30の中心を通り当該遠隔操作装置30の厚さ方向に延びた第1中心線M1を第1回転軸とする回転操作(以降、単に「第1回転操作」という。)を検知する。更に姿勢検知部35は、遠隔操作装置30の中心を通り当該遠隔操作装置30の長手方向に延びた第2中心線M2を第2回転軸とする回転操作(以降、単に「第2回転操作」という。)を検知する。第1中心線M1(第1回転軸)と第2中心線M2(第2回転軸)とは互いに直交している。
第1回転操作方向は、遠隔操作装置30の厚さ方向を回転中心とする遠隔操作装置30の回転方向であり、第2回転操作方向は、遠隔操作装置30の長手方向を回転中心とする遠隔操作装置30の回転方向である。換言すれば、姿勢検知部35は、第1回転操作方向における遠隔操作装置30の回転位置の変化、及び、第2回転操作方向における遠隔操作装置30の回転位置の変化を検知するものである。
姿勢検知部35は、第1回転操作及び第2回転操作の少なくとも一方が行われているか否か、及び、両回転操作の少なくとも一方が行われている場合には当該回転操作の態様を検知し、その検知結果をリモートCPU33に出力する。これにより、リモートCPU33は、遠隔操作装置30に対する操作の一種である第1回転操作及び第2回転操作を把握できる。回転操作の態様とは、回転角度や回転速度などを含む。
リモート時刻把握部36は、現在時刻を把握するものであり、リモートCPU33に電気的に接続されている。これにより、リモートCPU33は、現在時刻を把握できる。なお、リモート時刻把握部36の具体的な構成は任意であり、独自に時刻をカウントするものであってもよいし、サーバ等の外部から時刻情報を取得するものであってもよい。
図2に示すように、遠隔操作装置30とフォークリフト20とは無線通信可能に構成されている。詳細には、遠隔操作装置30は、無線通信を行うリモート通信部40を有しており、フォークリフト20は、リモート通信部40と無線通信を行う車両通信部50を有している。
リモート通信部40及び車両通信部50は、無線通信を行う通信インターフェースであり、例えば1つ以上の専用のハードウェア回路、及び、コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って動作する1つ以上のプロセッサ(制御回路)の少なくとも一方によって実現されている。
リモート通信部40は、通信範囲内に登録済みのフォークリフト20が存在する場合には、当該フォークリフト20の車両通信部50との通信接続を確立する。これにより、遠隔操作装置30とフォークリフト20との間で信号のやり取りが可能となる。
本実施形態では、リモート通信部40及び車両通信部50間の無線通信形式は、Wi−Fi(換言すればIEEE802.11規格の無線LAN)である。両通信部40,50は、パケット通信によって信号の送受信を行う。
なお、Wi−Fiには、IEEE802.11aやIEEE802.11ac等といった複数の規格が存在するが、リモート通信部40及び車両通信部50間の無線通信形式は、上記複数の規格のうちいずれでもよい。
更に、リモート通信部40と車両通信部50との間の無線通信形式については、Wi−Fiに限られず、任意であり、例えばBluetooth(登録商標)及びZigbee(登録商標)等であってもよい。また、両通信部40,50間の信号の送受信は、パケット通信に限られず任意である。
リモート通信部40は、リモート無線CPU41と、リモート無線メモリ42と、当該リモート無線メモリ42に設けられた送信バッファ42aと、を備えている。
リモートCPU33とリモート通信部40とは電気的に接続されている。リモートCPU33は、フォークリフト20の遠隔操作に用いられる遠隔操作信号SGを生成し、当該遠隔操作信号SGをリモート通信部40に向けて出力する処理を繰り返し実行する。リモート無線CPU41は、遠隔操作信号SGがリモート通信部40に入力されたことに基づいて、当該遠隔操作信号SGを送信バッファ42aにセット(換言すれば格納又は保存)する。
また、リモート通信部40は、リモートCPU33によって生成された遠隔操作信号SGを、車両通信部50に向けて順次送信する。詳細には、リモート通信部40のリモート無線CPU41は、リモート無線メモリ42に記憶されている信号送信処理実行プログラム42bを読み出して信号送信処理を実行することにより、送信バッファ42aにセットされている遠隔操作信号SGを車両通信部50に向けて順次送信する。遠隔操作信号SGは、無線通信用規格に対応する信号であり、本実施形態ではWi−Fi規格に対応したパケット通信信号である。
図3に示すように、遠隔操作信号SGは、遠隔操作に関する各種情報が設定された信号であり、詳細には、リモート時刻情報Dtと、遠隔操作に関する情報として、走行操作に関する走行操作情報D1及び荷役操作に関する荷役操作情報D2とを含む。
リモート時刻情報Dtは、リモートCPU33によって遠隔操作信号SGが生成された時刻を示す情報である。なお、詳細については後述するが、リモート時刻情報Dtに設定されている時刻と、実際に遠隔操作信号SGが送信された時刻とは一致しない場合がある。
走行操作情報D1は、例えばフォークリフト20の走行速度が設定された走行速度情報Dvと、フォークリフト20の加速度が設定された加速度情報Dαと、フォークリフト20の操舵角が設定された操舵角情報Dθと、を有している。
荷役操作情報D2は、例えばリフト動作のストローク量が設定されたリフト情報Dfaと、リーチ動作のストローク量が設定されたリーチ情報Dfbと、チルト動作の傾斜角度が設定されたチルト情報Dfcと、を有している。
図2に示すように、フォークリフト20の車両通信部50は、時刻を把握する車両時刻把握部51と、信号変換部52と、車両無線CPU53と、車両無線メモリ54と、車両無線メモリ54に設けられた受信バッファ54aと、を備えている。
車両時刻把握部51は、リモート時刻把握部36とは別に設けられており、遠隔操作信号SGを受信した時刻を把握するのに用いられる。なお、車両時刻把握部51の具体的な構成は任意であり、独自に時刻をカウントするものであってもよいし、サーバ等の外部から時刻情報を取得するものであってもよい。また、リモート時刻把握部36と車両時刻把握部51とは、互いの時刻が一致しているのが好ましいが、一致していなくてもよい。
信号変換部52は、遠隔操作信号SGを車内通信用規格に対応した制御信号に変換するものである。本実施形態では、フォークリフト20の具体的な車内通信用規格はCAN規格である。すなわち、本実施形態では、制御信号はCAN信号である。但し、これに限られず、具体的な車内通信用規格は任意である。
制御信号には、リモート時刻情報Dt、走行操作情報D1及び荷役操作情報D2が設定されている。すなわち、信号変換部52は、遠隔操作信号SGに設定されているリモート時刻情報Dt及び両操作情報D1,D2を保持しつつ、無線通信規格に対応した遠隔操作信号SGを、車内通信用規格に対応した制御信号に変換するものである。
車両無線メモリ54には、遠隔操作信号SGに対応した受信制御処理を実行するための受信制御処理実行プログラム54bが記憶されている。
車両無線CPU53は、受信制御処理実行プログラム54bを読み出し、受信制御処理を実行することにより、遠隔操作信号SGの受信の有無を判定する。そして、車両無線CPU53は、車両通信部50によって遠隔操作信号SGが受信された場合には、信号変換部52を用いて、当該遠隔操作信号SGを、車両CPU25が認識可能な制御信号に変換し、その変換された制御信号を受信バッファ54aに保存するように構成されている。受信制御処理の詳細については後述する。
信号変換部52によって変換された制御信号を保存する記憶領域である受信バッファ54aは、1又は複数の制御信号を記憶可能に構成されている。受信バッファ54aに保存されている制御信号は、車両CPU25に送信されることによって消去される。
車両CPU25は、車両通信部50と電気的に接続されており、両者の間で信号のやり取りが可能となっている。車両CPU25は、受信バッファ54aに制御信号が保存されている場合には、当該制御信号に対応した態様でフォークリフト20(詳細には両アクチュエータ23,24)を駆動させる。これにより、フォークリフト20が、遠隔操作信号SGに設定された走行操作情報D1及び荷役操作情報D2に対応した動作を行う。
例えば、走行操作情報D1の各情報Dv,Dαが「0」以外の数値であり且つ荷役操作情報D2の各情報Dfa,Dfb,Dfcが「0」又は「null」である遠隔操作信号SGがリモート通信部40から送信されたとする。この場合、車両CPU25は、走行アクチュエータ23を制御することにより、走行速度情報Dvに設定されている走行速度となるように加速度情報Dαに設定されている加速度で加減速を行うとともに、操舵角情報Dθに設定されている操舵角となるようにフォークリフト20の操舵角を変更する。
また、例えばリフト情報Dfaが「0」以外の数値であり且つその他の情報が「0」又は「null」である遠隔操作信号SGがリモート通信部40から送信された場合には、車両CPU25は、リフト情報Dfaに設定されている数値のストローク量だけフォーク22が上下方向に移動するように荷役アクチュエータ24を制御する。
なお、リフト情報Dfaは、例えば正(+)又は負(−)の値を取り得る数値情報である。車両CPU25は、リフト情報Dfaが正の値である場合には、荷役アクチュエータ24(詳細にはリフト駆動部24a)を制御してリフト情報Dfaに設定されている数値のストローク量だけフォーク22を上方へ移動させる。一方、車両CPU25は、リフト情報Dfaが負の値である場合には、荷役アクチュエータ24(詳細にはリフト駆動部24a)を制御してリフト情報Dfaに設定されている数値のストローク量だけフォーク22を下方へ移動させる。リーチ情報Dfb及びチルト情報Dfcについても同様である。
以上のことから、遠隔操作装置30及びフォークリフト20(詳細には両通信部40,50)が通信可能な範囲内に配置されている場合には、両通信部40,50間で送受信される遠隔操作信号SGに基づいて、フォークリフト20の遠隔操作が行われる。
すなわち、産業車両用遠隔操作システム10は、遠隔操作信号SGを受信可能な車両通信部50を有し、当該遠隔操作信号SGに基づいて動作するフォークリフト20を、遠隔操作装置30によって遠隔操作するシステムである。当該遠隔操作装置30は、上記フォークリフト20を遠隔操作するために、遠隔操作信号SGを繰り返し生成する処理を実行するリモートCPU33と、生成された遠隔操作信号SGを順次送信するリモート通信部40と、を備えている。
遠隔操作装置30を用いたフォークリフト20の遠隔操作制御に係る詳細な構成について説明する。
図2に示すように、リモートメモリ34には、フォークリフト20の遠隔操作に関する各種処理を実行するためのリモート遠隔操作プログラム60が記憶されている。リモート遠隔操作プログラム60は、遠隔操作装置30を用いてフォークリフト20の遠隔操作を行うためのアプリケーションプログラムである。
リモート遠隔操作プログラム60は、遠隔操作装置30に対する操作に対応した遠隔操作を行うための遠隔操作制御処理を実行するのに用いられる遠隔操作制御処理実行プログラム60aを含む。遠隔操作制御処理は、遠隔操作信号SGの生成処理及び送信バッファ42aへのセット処理を含む。
リモートCPU33は、遠隔操作起動条件が成立した場合には、リモート遠隔操作プログラム60(遠隔操作アプリケーション)を起動させる。
本実施形態では、遠隔操作起動条件は遠隔操作装置30に対して起動操作が行われることである。起動操作とは、例えばタッチパネル31に遠隔操作アイコンが表示されている構成においては、当該遠隔操作アイコンに対する入力操作である。
但し、遠隔操作起動条件は、これに限られず任意であり、例えば遠隔操作装置30のリモート通信部40とフォークリフト20の車両通信部50との通信接続が確立したことでもよいし、両通信部40,50間の通信接続が確立した条件下において起動操作が行われることでもよい。なお、遠隔操作起動条件において、操作者の操作は必須ではない。
リモートCPU33は、リモート遠隔操作プログラム60の起動に伴い、まずリモート通信部40と通信可能な範囲内に通信接続が可能なフォークリフト20をサーチし、当該フォークリフト20が存在する場合には当該フォークリフト20の車両通信部50と通信接続を確立する。
その後、リモートCPU33は、タッチパネル31に操作画像G10を表示させる。操作画像G10は、リモート遠隔操作プログラム60に記憶されている。
図4に示すように、操作画像G10はタッチパネル31の全面に表示されている。タッチパネル31が長手方向及び短手方向を有する形状(詳細には矩形状)であることに対応させて、操作画像G10は、長手方向及び短手方向を有する形状(詳細には矩形状)である。
操作画像G10には、操作領域A1と、操作領域A1とは異なる位置に設けられた走行アイコンA2及び荷役アイコンA3とが表示されている。
操作領域A1は、操作画像G10における長手方向の両端部のうち一方の端部側に配置されている。操作領域A1は、両手で遠隔操作装置30を把持した場合に、左手の指(例えば親指)が自然と配置される位置に設けられている。操作領域A1内には、フォークリフト20の画像が表示されている。
走行アイコンA2は、操作画像G10内において、操作領域A1に対してタッチパネル31の短手方向に離間した位置に設けられている。すなわち、走行アイコンA2と操作領域A1とは短手方向に配列されている。
荷役アイコンA3は、操作画像G10の中央部に配置されている。荷役アイコンA3は、リフトアイコンA3aと、リーチアイコンA3bと、チルトアイコンA3cとを有している。各アイコンA3a〜A3cは、タッチパネル31の短手方向に離間して配列されている。なお、操作領域A1、及び、各アイコンA2,A3a〜A3cの形状や位置関係については、これに限られず、任意である。
本実施形態では、リモートCPU33は、各アイコンA2,A3a〜A3cのいずれかが入力操作(例えばタップ)されることにより選択され、その選択されたアイコンに対応した動作が、操作領域A1に対する操作態様に対応する態様で行われるように遠隔操作信号SGを生成する。例えば、走行アイコンA2が選択されている場合には、リモートCPU33は、操作領域A1に対する操作態様に対応する走行速度及び加速度で走行が行われるように遠隔操作信号SGを生成する。
本実施形態では、操作画像G10において選択されているアイコンは強調表示されている。例えば、走行アイコンA2が選択されている場合、図4に示すように、荷役アイコンA3よりも走行アイコンA2が強調表示されている。なお、操作領域A1内の画像は、動作(走行、リフト動作、リーチ動作、及びチルト動作)に応じて異なってもよい。
リモートCPU33は、タッチパネル31に操作画像G10を表示させた後は、遠隔操作制御処理実行プログラム60aを読み出し、遠隔操作制御処理を繰り返し実行することにより、遠隔操作装置30に対する操作者の操作に対応した遠隔操作信号SGを繰り返し生成する。
以下、図5を用いて遠隔操作制御処理について説明する。
図5に示すように、リモートCPU33は、まずステップS101にて、タッチセンサ32の検知結果及び姿勢検知部35の検知結果に基づいて、遠隔操作装置30に対する遠隔制御操作を把握する。本実施形態では、遠隔操作装置30に対する遠隔制御操作とは、タッチパネル31に対する入力操作及び第1回転操作である。
例えば、リモートCPU33は、タッチセンサ32の検知結果に基づいて、操作領域A1に対する入力操作の一種として、操作領域A1内に対する入力操作を契機とするスライド操作の有無を把握する。スライド操作とは、タッチパネル31に対して入力操作が行われている状態を維持しつつ当該入力操作が行われる位置が移動する一連の入力操作である。換言すれば、スライド操作は、入力操作位置が連続的に変化するタッチパネル31に対する入力操作とも言える。
詳細には、リモートCPU33は、最初に操作領域A1内に対して入力操作が行われ、その後も入力操作位置が連続している状態で当該入力操作が継続して行われている場合には、スライド操作が行われていると判定し、最初に入力操作が行われた位置である開始位置と現在入力操作が行われている位置との相対位置を把握する。
更に、リモートCPU33は、姿勢検知部35の検知結果に基づいて、第1回転操作が行われているか否か、及び第1回転操作が行われている場合にはその回転角度を把握する。
続くステップS102では、リモートCPU33は、ステップS101の把握結果に基づいて、走行操作情報D1を設定する。例えば、各アイコンA2,A3a〜A3cのうち走行アイコンA2が選択されている場合、リモートCPU33は、操作領域A1に対するスライド操作の操作態様に基づいて、走行速度情報Dv及び加速度情報Dαを設定し、第1回転操作の操作態様に基づいて操舵角情報Dθを設定する。
なお、走行操作情報D1の具体的な設定態様については任意である。例えば、リモートCPU33は、操作領域A1に対する入力操作を契機とするスライド操作のスライド方向に基づいて前進/後退を決定し、スライド操作のストローク量に対応させて走行速度及び加速度を異ならせてもよい。より具体的には、リモートCPU33は、タッチパネル31の短手方向におけるスライド操作の開始位置と現在位置との距離に応じて走行速度及び加速度が異なるように走行速度情報Dv及び加速度情報Dαを設定してもよい。また、リモートCPU33は、第1回転操作の操作角度が大きくなるほど操舵角が大きくなるように操舵角情報Dθを設定してもよい。
また、例えば各アイコンA2,A3a〜A3cのうち走行アイコンA2以外が選択されている場合、リモートCPU33は、走行停止に対応した走行操作情報D1を設定する。走行停止に対応した走行操作情報D1とは、例えば、走行速度情報Dv、加速度情報Dα及び操舵角情報Dθの全てに「0」が設定されている走行操作情報D1である。
その後、リモートCPU33は、ステップS103にて、ステップS101の把握結果に基づいて、荷役操作情報D2を設定する。
例えば、各アイコンA3a〜A3cのいずれかが選択されている場合、リモートCPU33は、選択されているアイコンに対応した荷役操作情報D2を設定する。例えば、リフトアイコンA3aが選択されている場合、リモートCPU33は、タッチパネル31に対する入力操作の操作態様、例えば操作領域A1に対する入力操作を契機とするスライド操作のスライド方向及びスライド量に応じてリフト動作の方向及びストローク量が異なるようにリフト情報Dfaを設定する。そして、リモートCPU33は、リーチ動作及びチルト動作が行われないように、リーチ情報Dfb及びチルト情報Dfcに「0」を設定する。
なお、リーチアイコンA3bが選択されている場合については、リーチ情報Dfbにタッチパネル31に対する入力操作の操作態様に対応した数値が設定され、その他の情報に「0」が設定される。また、チルトアイコンA3cが選択されている場合については、チルト情報Dfcにタッチパネル31に対する入力操作の操作態様に対応した数値が設定され、その他の情報に「0」が設定される。
また、各アイコンA2,A3a〜A3cのうち走行アイコンA2が選択されている場合、リモートCPU33は、荷役動作停止に対応した荷役操作情報D2を設定する。荷役動作停止に対応した荷役操作情報D2とは、例えば、リフト情報Dfa、リーチ情報Dfb及びチルト情報Dfcの全てに「0」が設定されている荷役操作情報D2である。
続くステップS104では、リモートCPU33は、リモート時刻把握部36の把握結果に基づいて現在の時刻を把握し、当該時刻をリモート時刻情報Dtに設定する。
以上のとおり、ステップS101〜S104の処理を行うことによって、リモート時刻情報Dt、走行操作情報D1及び荷役操作情報D2が設定された遠隔操作信号SGが生成される。この場合、リモート時刻情報Dtには、遠隔操作信号SGが生成された時刻である生成時刻taが設定される。ステップS101〜S104の処理は、遠隔操作信号SGの生成処理と言える。
なお、本実施形態では、ステップS101〜ステップS104の処理が「信号生成処理」及び「信号生成ステップ」に対応し、当該処理を実行するリモートCPU33が「信号生成部」に対応する。
その後、リモートCPU33は、ステップS105にて、生成された遠隔操作信号SGをリモート通信部40に設けられた送信バッファ42a(図2参照)にセット(換言すれば格納又は保存)させる処理を実行して、本遠隔操作制御処理を終了する。具体的には、リモートCPU33は、生成された遠隔操作信号SGをリモート通信部40に出力し、リモート通信部40のリモート無線CPU41は、リモートCPU33から出力された遠隔操作信号SGを送信バッファ42aにセットする。
ちなみに、本実施形態では、遠隔操作制御処理は、規定周期で実行されるものである。このため、遠隔操作信号SGは規定周期で定期的に生成され、送信バッファ42aにセットされる。すなわち、本実施形態では、遠隔操作信号SGの生成間隔δTaは一定(規定周期)である。
ここで、送信バッファ42aは、複数の遠隔操作信号SGを記憶できるように構成されている。詳細には、送信バッファ42aは、遠隔操作信号SGが記憶される記憶領域を複数有している。このため、遠隔操作信号SGが送信できない状態では、送信バッファ42aに遠隔操作信号SGが順次セットされ、複数の遠隔操作信号SGが送信を待機している状態となり得る。
リモート通信部40のリモート無線CPU41は、遠隔操作の実行中、信号送信処理を実行することにより、送信バッファ42aにセットされている遠隔操作信号SGを順次送信する。本実施形態では、信号送信処理が「信号送信ステップ」に対応する。
図6を用いて信号送信処理について説明する。
図6に示すように、リモート無線CPU41は、まずステップS201にて、送信バッファ42aに遠隔操作信号SGがセットされているか否かを判定する。リモート無線CPU41は、送信バッファ42aに遠隔操作信号SGがセットされていない場合には、遠隔操作信号SGがセットされるまで待機する。
リモート無線CPU41は、送信バッファ42aに遠隔操作信号SGがセットされたことに基づいて、ステップS201を肯定判定し、ステップS202に進む。ステップS202では、リモート無線CPU41は、現在遠隔操作信号SGを送信することができる状態である送信可能状態であるか否かを判定する。
ここで、送信可能状態について詳細に説明する。リモート通信部40と車両通信部50との無線通信は、他の機器の無線通信と兼用されている場合がある。例えば、リモート通信部40と車両通信部50との無線通信にWi−Fiが採用されている場合、他の機器の無線通信にも当該Wi−Fiが用いられる場合がある。この場合、同一の通信チャネルを用いて複数の機器間の信号のやり取りが行われることとなる。すると、通信環境としては、信号の送信待ちが発生する所謂混雑した状態となり得る。
なお、他の機器の無線通信とは、両通信部40,50以外の機器間同士の無線通信、リモート通信部40と車両通信部50以外の機器との無線通信、及び、車両通信部50とリモート通信部40以外の機器との無線通信を含む。また、1つの遠隔操作装置30(リモート通信部40)が複数のフォークリフト20(複数の車両通信部50)と無線通信を行う構成において他の機器の無線通信とは、リモート通信部40と今回の遠隔操作信号SGの送信対象となる車両通信部50とは別の車両通信部50との無線通信を含む。
かかる構成において、通信可能状態とは、遠隔操作信号SGの送信が他の信号の送受信に阻害されない状態であり、直ちに遠隔操作信号SGを送信できる状態である。換言すれば、通信可能状態とは、両通信部40,50間の無線通信に用いられる通信チャネルが空いている状態とも言える。
リモート無線CPU41は、ステップS202にて、送信可能状態でないと判定した場合には、送信可能状態となるまで待機する。そして、リモート無線CPU41は、送信可能状態となったことに基づいて、ステップS203にて遠隔操作信号SGを車両通信部50に向けて送信する。
ちなみに、送信バッファ42aに複数の遠隔操作信号SGがセットされている場合には、リモート無線CPU41は、複数の遠隔操作信号SGのうち古いもの、詳細には遠隔操作信号SGに設定されているリモート時刻情報Dtが最も前のものを送信する。そして、リモート無線CPU41は、送信済みの遠隔操作信号SGを送信バッファ42aから消去する。
すなわち、リモート無線CPU41は、他の通信によって遠隔操作信号SGを送信できない場合には送信可能状態となるまで待機し、送信可能状態となったことに基づいて遠隔操作信号SGを送信する。
ここで、遠隔操作信号SGの送信を待機している状態(以降、単に「送信待ち状態」ともいう。)であっても、遠隔操作信号SGは送信バッファ42aに順次セットされる。このため、送信待ち状態が発生すると、複数の遠隔操作信号SGが送信バッファ42aにセットされる。リモート無線CPU41は、送信バッファ42aに複数の遠隔操作信号SGがセットされている場合には、古い遠隔操作信号SGから順次送信する。これにより、通信環境に対応した遠隔操作信号SGの送信が行われる。
かかる構成においては、遠隔操作信号SGの送信間隔は、遠隔操作信号SGの生成間隔δTaよりも大きくなったり、小さくなったりする。例えば、通信待ち状態では、遠隔操作信号SGの送信間隔は大きくなる。また、通信待ち状態において複数の遠隔操作信号SGが送信バッファ42aにセットされ、その後通信待ち状態から送信可能状態となった場合、遠隔操作信号SGは生成間隔δTaよりも短い送信間隔で順次送信される。この場合、遠隔操作信号SGの送信間隔は、生成間隔δTaよりも短くなる。
なお、本実施形態では、リモート通信部40と車両通信部50との通信範囲、換言すればWi−Fiの通信範囲の上限は数十m〜数百mである。このため、伝搬に要する時間は比較的小さいため、遠隔操作信号SGの送信間隔と、遠隔操作信号SGの受信間隔との差は、比較的小さく、本実施形態では同一であるとする。
車両通信部50の車両無線CPU53は、リモート通信部40と通信接続が確立している場合には、リモート通信部40から送信される遠隔操作信号SGに対応するための受信制御処理を繰り返し実行している。当該受信制御処理について図7を用いて説明する。
図7に示すように、車両無線CPU53は、まずステップS301にて、遠隔操作信号SGを受信しているか否かを判定する。
車両無線CPU53は、リモート通信部40が遠隔操作信号SGを受信している場合には、ステップS304に進む一方、遠隔操作信号SGを受信していない場合には、ステップS302に進み、前回遠隔操作信号SGを受信してから通信エラー期間Teが経過しているか否かを判定する。通信エラー期間Teは、遠隔操作信号SGの生成間隔δTaよりも十分に長ければ任意である。
なお、遠隔操作の開始時であって、通信接続が確立してから車両通信部50が1度も遠隔操作信号SGを受信していない場合には、車両無線CPU53は、通信接続が確立してから通信エラー期間Teが経過しているか否かを判定する。
車両無線CPU53は、前回遠隔操作信号SGを受信してから(又は通信接続が確立してから)通信エラー期間Teが経過していない場合には、ステップS301に戻る。すなわち、車両無線CPU53は、前回遠隔操作信号SGを受信してから(又は通信接続が確立してから)通信エラー期間Teが経過するまで、遠隔操作信号SGが受信されるのを待機している。
車両無線CPU53は、通信エラー期間Teが経過した場合には、通信エラーが発生したと判定して、ステップS303にて、通信エラー対応処理を実行して、本受信制御処理を終了する。
通信エラー対応処理の詳細については任意であるが、例えば、車両無線CPU53は、通信エラー発生信号を車両CPU25に向けて出力し、車両CPU25は当該通信エラー発生信号が入力されたことに基づいて、フォークリフト20の動作を停止させる。また、車両無線CPU53は、リモート通信部40と再度通信接続が確立するまで、受信制御処理の実行を待機する。
なお、フォークリフト20の動作とは、遠隔操作の対象となる動作であれば任意であり、例えば走行やフォーク22の動作を含む。
図7に示すように、車両無線CPU53は、遠隔操作信号SGを受信したことに基づいて、ステップS304〜S307の処理を実行する。
まずステップS304では、車両無線CPU53は、今回受信した遠隔操作信号SGの生成時刻ta及び受信時刻tbを記憶させる。生成時刻taとは、遠隔操作信号SGのリモート時刻情報Dtに設定されている時刻である。
詳細には、車両無線メモリ54には、生成時刻taが記憶される生成時刻記憶部54cと、受信時刻tbが記憶される受信時刻記憶部54dとが設けられている(図2参照)。
生成時刻記憶部54cは、2つ以上の生成時刻taを記憶可能であり、少なくとも前回受信した遠隔操作信号SGの生成時刻taと、今回受信した遠隔操作信号SGの生成時刻taとを記憶している。
受信時刻記憶部54dは、2つ以上の受信時刻tbを記憶可能であり、少なくとも前回受信した遠隔操作信号SGの受信時刻tbと、今回受信した遠隔操作信号SGの受信時刻tbとを記憶している。
車両無線CPU53は、ステップS304では、今回受信した遠隔操作信号SGのリモート時刻情報Dtに基づいて、今回受信した遠隔操作信号SGの生成時刻taを把握し、当該生成時刻taと前回受信した遠隔操作信号SGの生成時刻taとが記憶されるように生成時刻記憶部54cの記憶情報を更新する。
更に、車両無線CPU53は、車両時刻把握部51の把握結果に基づいて、今回受信した遠隔操作信号SGの受信時刻tbを把握し、当該受信時刻tbと前回受信した遠隔操作信号SGの受信時刻tbとが記憶されるように受信時刻記憶部54dの記憶情報を更新する。
続くステップS305では、車両無線CPU53は、信号変換部52を用いて、遠隔操作信号SGを制御信号に変換させる。
そして、車両無線CPU53は、ステップS306にて、変換された制御信号を受信バッファ54aに順次保存する。
その後、車両無線CPU53は、ステップS307にて、通信遅延が生じているか否かの判定である通信遅延判定を含む通信遅延用処理を実行して、本受信制御処理を終了する。
図8を用いて通信遅延用処理について説明する。なお、実際には、通信遅延用処理は、遠隔操作が開始されてから(換言すれば通信接続が確立してから)、車両通信部50が2回以上遠隔操作信号SGを受信した場合に実行される。すなわち、車両無線CPU53は、遠隔操作が開始されてから車両通信部50が1回しか遠隔操作信号SGを受信していない場合には、通信遅延用処理を実行しないように構成されている。
図8に示すように、車両無線CPU53は、ステップS401にて、生成時刻記憶部54cに記憶されている2つの生成時刻ta、詳細には前回受信した遠隔操作信号SGのリモート時刻情報Dtの生成時刻taと今回受信した遠隔操作信号SGのリモート時刻情報Dtの生成時刻taとの差である生成間隔δTaを把握する。
続くステップS402では、車両無線CPU53は、受信時刻記憶部54dに記憶されている2つの受信時刻tb、詳細には前回受信した遠隔操作信号SGの受信時刻tbと今回受信した遠隔操作信号SGの受信時刻tbとの差である受信間隔δTbを把握する。
その後、車両無線CPU53は、ステップS403にて、生成間隔δTaと受信間隔δTbとに基づいて、1つあたりの遠隔操作信号SGに係る単位遅延時間δdを算出する。詳細には、車両無線CPU53は、受信間隔δTbから生成間隔δTaを差し引いた値を単位遅延時間δdとして算出する。単位遅延時間δdは、1つ(換言すれば1回)あたりの遠隔操作信号SGの送受信において生じた遅延時間である。
ここで、既に説明したとおり、遠隔操作信号SGの送信間隔、換言すれば遠隔操作信号SGの受信間隔δTbは、生成間隔δTaよりも長くなる場合もあり得るし、短くなる場合もあり得る。このため、単位遅延時間δdは、正の値もとり得るし、負の値もとり得る。詳細には、単位遅延時間δdは、遠隔操作信号SGの受信間隔δTbが生成間隔δTaよりも大きい場合には正の値となり、遠隔操作信号SGの受信間隔δTbが生成間隔δTaよりも小さい場合には負の値となる。
続くステップS404では、車両無線CPU53は、ステップS403にて算出された単位遅延時間δdを用いて累積遅延時間Tmを更新する。
累積遅延時間Tmとは、通信遅延か否かを判定するのに用いられるパラメータであり、複数回の遠隔操作信号SGの送信に係る通信遅延状況を把握するためのパラメータである。累積遅延時間Tmは、例えば遠隔操作の開始時(換言すれば通信接続の確立時)に初期値(例えば「0」)に設定され、通信遅延状況に応じて順次更新されるものである。
車両無線CPU53は、ステップS404では、例えば、現在の累積遅延時間Tmに対して単位遅延時間δdを加算又は減算することにより累積遅延時間Tmを更新する。この場合、単位遅延時間δdが正の値である場合には、累積遅延時間Tmは単位遅延時間δdの絶対値の分だけ加算されて増加することとなる。一方、単位遅延時間δdが負の値である場合には、累積遅延時間Tmは単位遅延時間δdの絶対値の分だけ減算されて減少する。
但し、累積遅延時間Tmは、「0」以上の実数であり、「0」よりも小さくなることはない。例えば、車両無線CPU53は、単位遅延時間δdが負の値であって、累積遅延時間Tmに対して単位遅延時間δdの絶対値の分だけ減算した場合に負の値となる場合には、累積遅延時間Tmを「0」にする。
その後、車両無線CPU53は、ステップS405にて、更新された累積遅延時間Tmが閾値遅延時間Tth以上であるか否かを判定する。閾値遅延時間Tthは、例えば遠隔操作信号SGの生成間隔δTaよりも長く、且つ、通信エラー期間Teよりも短く設定されている。ステップS405の判定処理が通信遅延判定に対応する。
車両無線CPU53は、累積遅延時間Tmが閾値遅延時間Tth未満である場合には、通信遅延が生じていないと判定し、そのまま通信遅延用処理を終了する。一方、車両無線CPU53は、累積遅延時間Tmが閾値遅延時間Tth以上である場合には、通信遅延が生じていると判定し、ステップS406にて通信遅延対応制御を実行して、本通信遅延用処理を終了する。
通信遅延対応制御の具体的な構成は任意であるが、例えば遠隔操作装置30にて通信遅延が発生している旨の報知が行われる制御を含む構成でもよい。例えば、車両無線CPU53は、通信遅延対応制御の一種として、警告通知信号をリモート通信部40に向けて送信する。リモートCPU33は、リモート通信部40が上記警告通知信号を受信したことに基づいて、操作者に対して通信遅延が生じている旨の警告報知を行う。なお、警告報知の一態様としては、例えば操作画像G10に通信遅延が生じている旨の警告表示を行うことが考えられる。
また、通信遅延対応制御は、例えば遠隔操作を停止する遠隔操作停止制御を含む構成でもよい。詳細には、車両無線CPU53は、再起動完了通知を受信するまで受信制御処理の実行を禁止する。更に、車両無線CPU53は、遠隔操作停止信号をリモート通信部40に向けて送信する。
リモートCPU33は、リモート通信部40が上記遠隔操作停止信号を受信したことに基づいて、遠隔操作を停止する。詳細には、リモートCPU33は、遠隔操作制御処理の実行を停止する。これにより、遠隔操作装置30に対する遠隔制御操作に基づく遠隔操作信号SGの生成が停止し、遠隔操作が停止される。
また、リモートCPU33は、操作者に対して通信遅延に基づき遠隔操作を停止した旨の停止報知を行う。なお、停止報知の一態様としては、例えば操作画像G10に、通信遅延に基づき遠隔操作を停止した旨を表示することが考えられる。
その後、リモートCPU33は、遠隔操作アプリケーションの再起動を行い、再起動が完了したことに基づいて、リモート通信部40を用いて再起動完了通知を車両通信部50に向けて送信する。
ちなみに、単位遅延時間δdを算出するのに用いられる生成間隔δTa及び受信間隔δTbがそれぞれリモート時刻情報Dtの生成時刻ta及び受信時刻tbに基づいて算出される点に着目すれば、単位遅延時間δd及び累積遅延時間Tmは、リモート時刻情報Dtの生成時刻ta及び受信時刻tbに基づいて算出されるとも言える。
ステップS401〜ステップS404の処理が「遅延時間算出ステップ」に対応し、当該処理を実行する車両無線CPU53が「遅延時間算出部」に対応する。ステップS405の処理が「通信遅延判定ステップ」に対応し、当該処理を実行する車両無線CPU53が「通信遅延判定部」に対応する。ステップS406の処理が「通信遅延対応制御ステップ」に対応し、当該処理を実行する車両無線CPU53が「通信遅延対応制御部」に対応する。
また、本実施形態では、受信制御処理実行プログラム54b、特に受信制御処理実行プログラム54bのうち通信遅延用処理の実行プログラムが「産業車両用遠隔操作システムに用いられる産業車両用遠隔操作プログラム」に対応する。
車両CPU25は、遠隔操作の実行中、車両メモリ26に設けられている遠隔操作駆動制御プログラム26a(図2参照)を読み出し、遠隔操作駆動制御プログラム26aを実行することにより、遠隔操作信号SGに対応した態様で各アクチュエータ23,24の駆動制御を行う。
詳細には、車両CPU25は、受信バッファ54aに制御信号が保存されているか否かを判定する。例えば、車両CPU25は、車両通信部50に向けて制御信号の要求信号を出力する。リモート通信部40は、当該要求信号が入力された場合、受信バッファ54aに制御信号が保存されているか否かを判定し、制御信号が保存されている場合には当該制御信号を車両CPU25に向けて出力する。
なお、受信バッファ54aに複数の制御信号が保存されている場合には、リモート通信部40は、最も古い制御信号、詳細にはリモート時刻情報Dtに最も古い時刻が設定された制御信号を出力する。
また、リモート通信部40は、車両CPU25からの要求に基づいて制御信号を出力した場合、受信バッファ54aから出力された制御信号を消去する。
車両CPU25は、受信バッファ54aに制御信号が保存されている場合、当該制御信号に含まれている操作情報D1,D2に基づいてアクチュエータ23,24を駆動制御する。
車両CPU25は、受信バッファ54aに制御信号が保存されているか否かの判定から各アクチュエータ23,24の駆動制御までの上記一連の制御を繰り返し実行する。これにより、受信バッファ54aに制御信号が保存される度に、当該制御信号(換言すれば遠隔操作信号SG)に対応した各アクチュエータ23,24の駆動制御が行われる。
なお、車両CPU25が遠隔操作駆動制御プログラム26aを実行するステップが「駆動制御ステップ」に対応する。また、遠隔操作駆動制御プログラム26aを実行する車両CPU25は、遠隔操作信号SGに基づいてフォークリフト20を動作させる駆動制御部とも言える。
次に本実施形態の作用について図9及び図10を用いて説明する。図9及び図10は、遠隔操作信号SGの送受信状況を模式的に示すタイムチャートである。ta1〜ta7は、遠隔操作装置30において遠隔操作信号SGが生成されたタイミング(時刻)を示し、tb1〜tb5は、車両通信部50が遠隔操作信号SGを受信したタイミング(時刻)を示す。また、図9及び図10において、送信可能状態を破線で示し、送信待ち状態をドットハッチで模式的に示す。
なお、説明の便宜上、ta1〜ta7のタイミングにて生成された遠隔操作信号SGをそれぞれ遠隔操作信号SG1〜SG7とし、遠隔操作信号SGの生成間隔δTaは同一とする。また、累積遅延時間Tmの初期値は「0」とする。
まず第1パターンについて図9を用いて説明する。
図9に示すように、ta1のタイミングにて第1遠隔操作信号SG1が生成され、当該第1遠隔操作信号SG1が送信バッファ42aにセットされる。ta1のタイミングにおいて通信環境は送信可能状態であるため、第1遠隔操作信号SG1はリモート通信部40によって遅延なく車両通信部50に向けて送信される。これにより、ta1のタイミングとほぼ同時であるtb1のタイミングにて、車両通信部50は第1遠隔操作信号SG1を受信し、当該タイミングにてフォークリフト20は第1遠隔操作信号SG1に基づく動作を行う。
同様に、ta2のタイミングにて第2遠隔操作信号SG2が生成され、当該第2遠隔操作信号SG2が送信バッファ42aにセットされる。ta2のタイミングにおいて通信環境は送信可能状態であるため、第2遠隔操作信号SG2は遅延なく送信される。これにより、ta2とほぼ同時であるtb2のタイミングにて、車両通信部50は第2遠隔操作信号SG2を受信し、当該タイミングにてフォークリフト20は第2遠隔操作信号SG2に基づく動作を行う。
この場合、第1遠隔操作信号SG1及び第2遠隔操作信号SG2における受信間隔δTbである第1受信間隔δTb1は生成間隔δTaと同一である。このため、第1遠隔操作信号SG1及び第2遠隔操作信号SG2に係る単位遅延時間δdである第1単位遅延時間δd1は「0」となる。したがって、累積遅延時間Tmは、「0」を維持する。
すなわち、通信環境が継続して送信可能状態である場合、遠隔操作信号SGは、送信バッファ42aにセットされる度に遅延なく送信されるため、単位遅延時間δdは「0」となる。このため、累積遅延時間Tmは変化しない。
その後、ta3のタイミングよりも前のタイミングにて、両通信部40,50以外の通信によって、通信環境が送信可能状態から送信待ち状態となったとする。
そして、ta3のタイミングにて第3遠隔操作信号SG3が生成され、当該第3遠隔操作信号SG3が送信バッファ42aにセットされる。ここで、ta3のタイミングにおいて通信環境は送信待ち状態であるため、第3遠隔操作信号SG3は送信されることなく待機する。
その後、ta4のタイミングよりも前に、通信環境が送信待ち状態から送信可能状態となることにより、第3遠隔操作信号SG3が送信され、tb3のタイミングにて、リモート通信部40は第3遠隔操作信号SG3を受信する。そして、tb3のタイミングにてフォークリフト20は第3遠隔操作信号SG3に基づく動作を行う。
この場合、第2遠隔操作信号SG2及び第3遠隔操作信号SG3における受信間隔δTbである第2受信間隔δTb2は、生成間隔δTaよりも長くなる。このため、第2遠隔操作信号SG2及び第3遠隔操作信号SG3に係る単位遅延時間δdである第2単位遅延時間δd2は正の値となる。そして、累積遅延時間Tmは、「0」に対して第2単位遅延時間δd2を加算した値、すなわち第2単位遅延時間δd2に更新される。
なお、第2受信間隔δTb2は、通信エラー期間Teよりも短いため、通信エラーとは判定されない。また、この段階では、累積遅延時間Tmは閾値遅延時間Tth未満であるとする。このため、通信遅延が生じていると判定されず、通常どおり遠隔操作が行われる。
その後、ta4のタイミングよりも前のタイミングにて、両通信部40,50以外の通信によって、通信環境が再度送信可能状態から送信待ち状態となったとする。
そして、ta4のタイミングにて第4遠隔操作信号SG4が生成され、当該第4遠隔操作信号SG4が送信バッファ42aにセットされる。ここで、ta4のタイミングにおいて通信環境は継続して送信待ち状態であるため、第4遠隔操作信号SG4は送信されることなく待機する。
続くta5のタイミングにて第5遠隔操作信号SG5が生成され、当該第5遠隔操作信号SG5が送信バッファ42aにセットされる。ここで、ta5のタイミングにおいて通信環境は継続して送信待ち状態であるため、第5遠隔操作信号SG5は送信されることなく待機する。
同様に、ta6のタイミングにて第6遠隔操作信号SG6が生成され、当該第6遠隔操作信号SG6が送信バッファ42aにセットされる。ここで、ta6のタイミングにおいて通信環境は継続して送信待ち状態であるため、第6遠隔操作信号SG6は送信されることなく待機する。
その後、ta7のタイミングよりも前に、通信環境が送信待ち状態から送信可能状態となる。これにより、送信バッファ42aにセットされている第4遠隔操作信号SG4〜第6遠隔操作信号SG6のうち最も古い第4遠隔操作信号SG4が送信され、tb4のタイミングにて、リモート通信部40が第4遠隔操作信号SG4を受信する。そして、当該タイミングにてフォークリフト20は第4遠隔操作信号SG4に基づく動作を行う。
この場合、第3遠隔操作信号SG3及び第4遠隔操作信号SG4における受信間隔δTbである第3受信間隔δTb3は、生成間隔δTaよりも長くなる。このため、第3遠隔操作信号SG3及び第4遠隔操作信号SG4に係る単位遅延時間δdである第3単位遅延時間δd3は正の値となる。そして、累積遅延時間Tmは、第3単位遅延時間δd3を加算した値、すなわち第2単位遅延時間δd2と第3単位遅延時間δd3との加算値に更新される。
なお、第3受信間隔δTb3は、通信エラー期間Teよりも短いため、通信エラーとは判定されない。また、この段階では、累積遅延時間Tmは閾値遅延時間Tth未満であるとする。このため、通信遅延が生じていると判定されず、通常どおり遠隔操作が行われる。
その後、ta7のタイミングよりも前のタイミングにて、両通信部40,50以外の通信によって、通信環境が再度送信可能状態から送信待ち状態となったとする。
そして、ta7のタイミングにて第7遠隔操作信号SG7が生成され、当該第7遠隔操作信号SG7が送信バッファ42aにセットされる。そして、ta7のタイミングよりも後に、通信環境が送信待ち状態から送信可能状態になることによって、第5遠隔操作信号SG5が送信される。これにより、tb5のタイミングにて、車両通信部50は第5遠隔操作信号SG5を受信し、当該タイミングにてフォークリフト20は第5遠隔操作信号SG5に基づく動作を行う。
この場合、第4遠隔操作信号SG4及び第5遠隔操作信号SG5における受信間隔δTbである第4受信間隔δTb4は、生成間隔δTaよりも長くなる。このため、第4遠隔操作信号SG4及び第5遠隔操作信号SG5に係る単位遅延時間δdである第4単位遅延時間δd4は正の値となる。但し、第4受信間隔δTb4は、通信エラー期間Teよりも短いため、通信エラーと判定されない。
そして、累積遅延時間Tmは、第4単位遅延時間δd4を加算した値、すなわち第2単位遅延時間δd2〜第4単位遅延時間δd4の加算値に更新される。
ここで、第4単位遅延時間δd4が加算されたことによって累積遅延時間Tmが閾値遅延時間Tth以上となったとする。この場合、通信遅延が生じていると判定され、通信遅延に対応した処理、例えば警告表示や遠隔操作停止が行われる。
かかる構成によれば、通信エラーは発生していないが、通信環境が混雑していることによって断続的に通信待ち状態となり通信遅延が生じている場合には、警告表示又は遠隔操作停止が行われる。これにより、遠隔操作装置30に対する遠隔制御操作に対するフォークリフト20の応答性が悪い状況下で遠隔操作が行われていることを操作者が把握できたり、そのような状況下での遠隔操作を停止したりすることができる。
次に第2パターンについて図10を用いて説明する。
図10に示すように、tb4のタイミングまでは、第1パターンと同様である。
ここで、第2パターンでは、tb4のタイミング以降、通信環境が送信可能状態であったとする。この場合、送信バッファ42aにセットされていた第5遠隔操作信号SG5及び第6遠隔操作信号SG6が順次送信され、tb5のタイミングにて第5遠隔操作信号SG5が受信され、tb6のタイミングにて第6遠隔操作信号SG6が受信される。
この場合、第4遠隔操作信号SG4及び第5遠隔操作信号SG5における受信間隔δTbである第4受信間隔δTb4は、生成間隔δTaよりも短くなる。このため、第4遠隔操作信号SG4及び第5遠隔操作信号SG5に係る単位遅延時間δdである第4単位遅延時間δd4は負の値となる。したがって、累積遅延時間Tmは減少する。
同様に、第5遠隔操作信号SG5及び第6遠隔操作信号SG6における受信間隔δTbである第5受信間隔δTb5は、生成間隔δTaよりも短くなる。このため、第5遠隔操作信号SG5及び第6遠隔操作信号SG6に係る単位遅延時間δdである第5単位遅延時間δd5は負の値となり、累積遅延時間Tmは減少する。
更に、ta7のタイミングにて第7遠隔操作信号SG7が生成され、当該第7遠隔操作信号SG7が送信バッファ42aにセットされる。ta7のタイミングにおいて通信環境は送信可能状態であるため、第7遠隔操作信号SG7は遅延なく送信される。これにより、ta7とほぼ同時であるtb7のタイミングにて、車両通信部50は第7遠隔操作信号SG7を受信する。この場合、第6遠隔操作信号SG6及び第7遠隔操作信号SG7における受信間隔δTbである第6受信間隔δTb6は、生成間隔δTaよりも短くなる。このため、第6遠隔操作信号SG6及び第7遠隔操作信号SG7に係る単位遅延時間δdである第6単位遅延時間δd6は負の値となる。したがって、累積遅延時間Tmは減少する。
かかる構成によれば、一時的に通信待ち状態が続いた後に、通信環境が改善されて通信可能状態となった場合には、送信待ちになっていた遠隔操作信号SGが順次送信される。この場合、生成間隔δTaよりも短い間隔で遠隔操作信号SGが送信されるため、累積遅延時間Tmは減少する。これにより、通信環境が改善された場合には、累積遅延時間Tmをリセットする(換言すれば「0」に近づける)ことができるため、一時的な通信待ち状態に起因して通信遅延が生じていると誤判定されることを抑制できる。
ちなみに、本実施形態では、遠隔操作信号SGを受信する度に、通信遅延が生じているか否かの通信遅延判定が行われる。
例えば、tb2のタイミングにて実行される通信遅延判定は、第1受信間隔δTb1と生成間隔δTaとから算出される累積遅延時間Tmに基づく判定である。この場合、2つの遠隔操作信号SG1,SG2を受信するのに要した期間である第1受信間隔δTb1が「受信期間」に相当し、2つの遠隔操作信号SG1,SG2を生成するのに要した期間である生成間隔δTaが「生成期間」に相当する。そして、tb2のタイミングにおける累積遅延時間Tmが「遅延時間」に相当する。
また、tb3のタイミングにて実行される通信遅延判定は、tb1のタイミングからtb3のタイミングまでの期間(両受信間隔δTb1,δTb2を合わせた期間)と、ta1のタイミングからta3のタイミングまでの期間(生成間隔δTaの2倍の値)とから算出される累積遅延時間Tmに基づく判定である。
この場合、第1遠隔操作信号SG1〜第3遠隔操作信号SG3を受信するのに要した期間であるtb1のタイミングからtb3のタイミングまでの期間が「受信期間」に相当し、第1遠隔操作信号SG1〜第3遠隔操作信号SG3を生成するのに要した期間であるta1のタイミングからta3のタイミングまでの期間が「生成期間」に相当する。そして、tb3のタイミングにおける累積遅延時間Tm(両単位遅延時間δd1,δd2を合わせた時間)が「受信期間」と「生成期間」との差に対応した「遅延時間」に相当する。
同様に、tb4のタイミングにて実行される通信遅延判定は、tb1のタイミングからtb4のタイミングまでの期間(各受信間隔δTb1〜δTb3を合わせた期間)と、ta1のタイミングからta4のタイミングまでの期間(生成間隔δTaの3倍の値)とから算出される累積遅延時間Tmに基づく判定である。
この場合、第1遠隔操作信号SG1〜第4遠隔操作信号SG4を受信するのに要した期間であるtb1のタイミングからtb4のタイミングまでの期間が「受信期間」に相当し、第1遠隔操作信号SG1〜第4遠隔操作信号SG4を生成するのに要した期間であるta1のタイミングからta4のタイミングまでの期間が「生成期間」に相当する。そして、tb4のタイミングにおける累積遅延時間Tm(各単位遅延時間δd1〜δd3を合わせた時間)が「受信期間」と「生成期間」との差に対応した「遅延時間」に相当する。
すなわち、本実施形態では、車両無線CPU53は、2以上の遠隔操作信号SGを受信するのに要した受信期間と、当該2以上の遠隔操作信号SGを生成するのに要した生成期間とに基づいて、累積遅延時間Tmを算出し、当該累積遅延時間Tmに基づいて、通信遅延が生じているか否かを判定している。そして、通信遅延の判定対象となる遠隔操作信号SGの数は、遠隔操作信号SGを受信する度に増加している。換言すれば、受信期間とは、ある遠隔操作信号SGを受信してから1又は複数回目の遠隔操作信号SGを受信するまでの期間であり、生成期間とは、上記ある遠隔操作信号SGが生成されてから上記1又は複数回目の遠隔操作信号SGが生成されるまでの期間とも言える。
以上詳述した本実施形態によれば以下の効果を奏する。
(1−1)産業車両用遠隔操作システム10は、車両通信部50を有するフォークリフト20と、車両通信部50と無線通信を行うリモート通信部40を有し、フォークリフト20を遠隔操作するのに用いられる遠隔操作装置30とを備えている。
遠隔操作装置30は、フォークリフト20の遠隔操作に用いられる遠隔操作信号SGを生成する信号生成処理(ステップS101〜S104)を繰り返し実行するリモートCPU33を備えている。リモート通信部40は、遠隔操作信号SGを車両通信部50に向けて順次送信する。フォークリフト20は、遠隔操作信号SGに基づいて動作する。
フォークリフト20(本実施形態では車両無線CPU53)は、複数の遠隔操作信号SGを受信するのに要した受信期間と、複数の遠隔操作信号SGを生成するのに要した生成期間との差に対応した遅延時間としての累積遅延時間Tmを算出する(ステップS401〜S404)。なお、本実施形態において、受信期間は、第1受信間隔δTb1、両受信間隔δTb1,δTb2の合算値、…、であり、生成期間は、生成間隔δTa、生成間隔δTaの2倍、…、である。
そして、車両無線CPU53は、累積遅延時間Tmに基づいて、通信遅延が生じているか否かの通信遅延判定を行い(ステップS405)、通信遅延が生じている判定する場合には、通信遅延に対応した通信遅延対応制御を実行する(ステップS406)。
かかる構成によれば、遠隔操作信号SGは、リモート通信部40から車両通信部50に向けて送信され、車両通信部50によって受信される。そして、フォークリフト20は、当該遠隔操作信号SGに基づいて動作する。
ここで、通信環境によっては、遠隔操作装置30にて生成された遠隔操作信号SGが遅れて車両通信部50に送信される場合がある。この場合、遠隔操作装置30への遠隔制御操作に対するフォークリフト20の応答性が低下し、操作性の低下等が懸念される。
これに対して、本実施形態では、通信遅延判定が行われ、当該通信遅延判定によって通信遅延が生じていると判定された場合には、通信遅延対応制御が行われる。これにより、通信遅延に対応できる。
特に、本実施形態では、複数の遠隔操作信号SGに係る生成期間と受信期間との差である累積遅延時間Tmを用いて通信遅延判定が行われることにより、1つの遠隔操作信号SGのみで通信遅延判定を行う構成と比較して、通信遅延が生じているか否かの判定精度の向上を図ることができる。
詳述すると、1つの遠隔操作信号SGの生成タイミングと受信タイミングとに基づいて通信遅延判定を行う構成においては、何らかの要因によって当該遠隔操作信号SGのみについて通信遅延が発生した場合に通信遅延が発生したと誤判定される不都合が懸念される。この点、本実施形態では、複数の遠隔操作信号SGに係る累積遅延時間Tmに基づいて通信遅延判定が行われるため、上記不都合を抑制でき、精度向上を図ることができる。
また、本実施形態では、通信遅延判定に用いられる信号として遠隔操作信号SGが採用されている。これにより、実際に遠隔操作に用いられる遠隔操作信号SGの遅延具合に基づいて通信遅延判定が行われるため、フォークリフト20の応答性に対応した通信遅延判定を行うことができる。
(1−2)遠隔操作信号SGは、当該遠隔操作信号SGが生成された時刻である生成時刻taが設定されたリモート時刻情報Dtを含む。リモートCPU33は、遠隔操作装置30に設けられたリモート時刻把握部36の把握結果に基づいて、リモート時刻情報Dtに生成時刻taを設定する(ステップS104)。
フォークリフト20(本実施形態では車両無線CPU53)は、車両時刻把握部51から把握される受信時刻tbに基づく受信期間と、遠隔操作信号SGに含まれるリモート時刻情報Dtの生成時刻taに基づく生成期間との差である累積遅延時間Tmを算出する。
かかる構成によれば、車両時刻把握部51の時刻と、リモート時刻把握部36の時刻とが異なっている場合であっても、通信遅延の判定精度が低下することを抑制できる。
詳述すると、仮に車両時刻把握部51に基づく遠隔操作信号SGの受信時刻tbから、リモート時刻把握部36に基づく遠隔操作信号SGの生成時刻taを差し引くことにより、単位遅延時間δd及び累積遅延時間Tmを算出する場合、両時刻把握部36,51の時刻のズレが単位遅延時間δd及び累積遅延時間Tmに含まれる。これにより、両時刻把握部36,51の時刻のズレに起因して通信遅延の判定精度が低下し得る。
これに対して、本実施形態では、累積遅延時間Tmは、車両時刻把握部51から把握される受信時刻tbに基づく受信期間と遠隔操作信号SGに含まれるリモート時刻情報Dtに基づく生成期間との差である。この場合、時刻同士の差ではなく期間同士の差であるため、累積遅延時間Tmに対する両時刻把握部36,51の時刻のズレの影響は小さい。したがって、両時刻把握部36,51の時刻のズレに起因する通信遅延の判定精度の低下を抑制できる。
(1−3)車両無線CPU53は、車両通信部50が遠隔操作信号SGを受信する度に、リモート時刻情報Dtの生成時刻taと受信時刻tbとに基づいて、生成間隔δTa及び受信間隔δTbを把握する(ステップS401及びステップS402)。そして、車両無線CPU53は、生成間隔δTa及び受信間隔δTbに基づいて、1つあたりの遠隔操作信号SGに係る遅延時間である単位遅延時間δdを算出し(ステップS403)、単位遅延時間δdが算出される度に当該単位遅延時間δdの累積値である累積遅延時間Tmを更新する(ステップS404)。
かかる構成によれば、遠隔操作信号SGを受信する度に、これまでの通信環境を踏まえた通信遅延判定が行われる。これにより、通信遅延判定の精度向上及び通信遅延に対する応答性の向上を図ることができる。
(1−4)フォークリフト20の車両無線CPU53は、遠隔操作信号SGを受信してから通信エラー期間Te以内に次の遠隔操作信号SGを受信しなかった場合には、通信エラーが発生したと判定する(ステップS302)。かかる構成において、通信遅延判定は、累積遅延時間Tmが閾値遅延時間Tth以上である場合に通信遅延が生じていると判定するものであり、閾値遅延時間Tthは通信エラー期間Teよりも短い。
かかる構成によれば、1つの遠隔操作信号SGの送受信に基づいて遠隔操作信号SGの送受信が正常に行われているか否かを判定する通信エラー判定と、複数の遠隔操作信号SGの送受信に基づいて通信遅延が発生しているか否かを判定する通信遅延判定との双方が行われる。これにより、遠隔操作信号SGの送受信ができない異常と、遠隔操作信号SGの送受信は行われているが継続的に遅延が生じている異常とを検知できる。
特に、閾値遅延時間Tthは通信エラー期間Teよりも短い。これにより、通信エラーとは判定されないが継続的に遠隔操作信号SGの送受信に遅延が生じている通信遅延を好適に検知できる。
(1−5)遠隔操作装置30のリモート通信部40は、遠隔操作信号SGを複数記憶可能な送信バッファ42aを備えている。リモートCPU33及びリモート無線CPU41は、生成された遠隔操作信号SGを送信バッファ42aに順次セットする。リモート通信部40は、遠隔操作信号SGが送信可能状態である場合に、送信バッファ42aにセットされている遠隔操作信号SGを順次送信する一方、送信可能状態ではない場合には、送信可能状態となるまで、遠隔操作信号SGの送信を待機する。
かかる構成によれば、仮に他の通信の影響などによって送信可能状態ではない場合、すなわち本実施形態において送信待ち状態である場合には、送信可能状態となるまで遠隔操作信号SGの送信が待機される。この場合であっても、遠隔操作信号SGは順次生成されるため、送信バッファ42aには遠隔操作信号SGが順次セットされる。そして、送信可能状態となることに基づいて、遠隔操作信号SGが順次送信される。これにより、送信待ち状態に起因して送受信されない遠隔操作信号SGが発生することを抑制でき、それを通じて遠隔制御操作に対してフォークリフト20が動作しないといったことを抑制できる。
また、本実施形態によれば、仮に一時的に通信遅延が発生して送信待ち状態となった場合、一時的に少数の遠隔操作信号SGが送信バッファ42aにセットされる。その後、通信遅延が解消され、送信待ち状態から送信可能状態となることによって、送信待ち状態中にセットされた少数の遠隔操作信号SGが順次送信される。これにより、通信遅延が解消された後を含めた複数の遠隔操作信号SGの受信に要する受信期間は、全体として、上記複数の遠隔操作信号SGの生成に要する生成期間とほぼ同一又はそれに近い値となる。したがって、既に通信遅延が解消されているにも関わらず、通信遅延が発生していると誤判定されることを抑制できる。
(1−6)通信遅延対応制御は、遠隔操作装置30において通信遅延が発生している旨の報知を行う制御を含んでもよい。かかる構成によれば、操作者が通信遅延の発生を認識できるため、遠隔操作の一旦停止や他の通信の停止等、通信遅延に対応した行動を操作者に促すことができる。
(1−7)通信遅延対応制御は、遠隔操作装置30による遠隔操作を停止する遠隔操作停止制御を含んでもよい。かかる構成によれば、通信遅延が生じている状態で遠隔操作が継続されることを抑制でき、通信遅延に起因する誤操作を抑制できる。
(1−8)両通信部40,50の無線通信形式はWi−Fiである。かかる構成によれば、汎用の無線通信形式を用いて遠隔操作を実現できる。
ここで、通常Wi−Fiの通信範囲は数十m〜数百m程度であり、遠隔操作信号SGの伝搬に要する期間は短い。一方、Wi−Fiは、汎用の無線通信形式であるため、他の通信と兼用され易い。このため、送信待ち状態が発生し易く、通信遅延が生じ易いという不都合が懸念される。この点、本実施形態では、通信遅延を早期に特定でき、当該通信遅延に対応できる。これにより、Wi−Fiを採用したことによって生じ易い上記不都合を抑制できる。
(1−9)産業車両用遠隔操作システム10のフォークリフト20は、遠隔操作に用いられる遠隔操作信号SGを受信可能な車両通信部50を有し、当該車両通信部50によって受信された遠隔操作信号SGに基づいて動作する。産業車両用遠隔操作システム10は、上記フォークリフト20を、遠隔操作信号SGを生成する信号生成処理を繰り返し実行するリモートCPU33と、生成された遠隔操作信号SGを車両通信部50に向けて順次送信するリモート通信部40とを備えた遠隔操作装置30によって遠隔操作する。
上記産業車両用遠隔操作システム10に用いられる産業車両用遠隔操作プログラムとしての受信制御処理実行プログラム54bは、フォークリフト20(詳細には車両無線CPU53)にて通信遅延用処理を実行させるものである。当該通信遅延用処理は、累積遅延時間Tmを算出する処理、通信遅延判定を行う処理、及び通信遅延対応制御を行う処理を含む。これにより、車両無線CPU53を、遅延時間算出部、通信遅延判定部、及び通信遅延対応制御部として機能させることができ、(1−1)等の効果を奏する。
(1−10)産業車両用遠隔操作方法は、遠隔操作装置30(詳細にはリモートCPU33)が遠隔操作信号SGを生成する信号生成処理を繰り返し実行する信号生成ステップと、リモート通信部40が生成された遠隔操作信号SGを順次送信する信号送信ステップとを備えている。
また、産業車両用遠隔操作方法は、フォークリフト20が遠隔操作信号SGに基づいて動作する駆動制御ステップと、フォークリフト20(詳細には車両無線CPU53)が累積遅延時間Tmを算出するステップS401〜S404と、通信遅延判定を行うステップS405と、通信遅延対応制御を行うステップS406を含む。これにより、(1−1)等の効果を奏する。
(第2実施形態)
本実施形態では、通信遅延用処理が第1実施形態と異なっている。本実施形態の通信遅延用処理について図11を用いて説明する。
図11に示すように、車両無線CPU53は、ステップS501にて、遠隔操作信号SGの受信回数のカウント中か否かを判定する。詳細には、車両無線メモリ54には、遠隔操作信号SGの受信回数のカウント中か否かを判定するためのカウント中フラグが記憶されるカウント中フラグ記憶領域が設けられている。車両無線CPU53は、ステップS501では、カウント中フラグがセットされているか否かを判定する。
車両無線CPU53は、カウント中フラグがセットされていない場合、カウント中ではないとして、ステップS501を否定判定し、遠隔操作信号SGの受信回数のカウントを開始する。
詳細には、車両無線CPU53は、ステップS502にて、カウント中フラグをカウント中フラグ記憶領域にセットする。
その後、車両無線CPU53は、ステップS503にて、カウント開始契機となった遠隔操作信号SG(詳細には今回受信した遠隔操作信号SG)に含まれるリモート時刻情報Dtに基づいて、カウント開始契機となった遠隔操作信号SGの生成時刻taを生成時刻記憶部54cに記憶させる。
続くステップS504では、車両無線CPU53は、カウント開始契機となった今回受信した遠隔操作信号SGの受信時刻tbを受信時刻記憶部54dに記憶させる。
そして、車両無線CPU53は、ステップS505にて、遠隔操作信号SGの受信回数をカウントする受信カウンタCxを「1」加算して、本通信遅延用処理を終了する。受信カウンタCxは、車両無線メモリ54に設けられており、カウント開始時には初期値として「0」に設定されている。
図11に示すように、車両無線CPU53は、既にカウント中である場合、詳細にはカウント中フラグがセットされている場合には、ステップS501を肯定判定し、ステップS506に進む。ステップS506では、車両無線CPU53は、受信カウンタCxを「1」加算する。
続くステップS507では、車両無線CPU53は、受信カウンタCxが閾値Cth以上であるか否かを判定する。
閾値Cthは、2以上の自然数であれば任意である。受信カウンタCxは、遠隔操作信号SGを受信する度に「1」加算される値であることを考慮すると、ステップS507の処理は、遠隔操作信号SGの受信回数のカウントを開始してから閾値Cthの数だけ遠隔操作信号SGを受信したか否かを判定する処理と言える。
車両無線CPU53は、受信カウンタCxが閾値Cth未満である場合には、そのまま本通信遅延用処理を終了する一方、受信カウンタCxが閾値Cth以上である場合には、ステップS508〜S513にて、複数(Cth)の遠隔操作信号SGの生成/受信に係る累積遅延時間Tmの算出及び通信遅延判定を行う。
具体的には、車両無線CPU53は、ステップS508にて、今回受信した遠隔操作信号SG、すなわちカウント開始契機の遠隔操作信号SGを含めてカウントを開始してからCth回目に受信した遠隔操作信号SGのリモート時刻情報Dtに基づいて、Cth回目に受信した遠隔操作信号SGの生成時刻taを生成時刻記憶部54cに記憶させる。なお、Cth回目に受信した遠隔操作信号SGとは、通信遅延判定契機の遠隔操作信号SGとも言える。
そして、車両無線CPU53は、ステップS509にて、生成時刻記憶部54cの記憶情報に基づいて、生成期間Tamを算出する。詳細には、車両無線CPU53は、Cth回目に受信した遠隔操作信号SGの生成時刻taから、カウント開始契機となった遠隔操作信号SGの生成時刻ta(換言すれば1回目に受信した遠隔操作信号SGの生成時刻ta)を差し引いた値を生成期間Tamとして算出する。
続くステップS510では、車両無線CPU53は、今回受信した遠隔操作信号SG、すなわちCth回目に受信した遠隔操作信号SGの受信時刻tbを受信時刻記憶部54dに記憶させる。
そして、車両無線CPU53は、ステップS511にて、受信時刻記憶部54dの記憶情報に基づいて、受信期間Tbmを算出する。詳細には、車両無線CPU53は、Cth回目に受信した遠隔操作信号SGの受信時刻tbから、カウント開始契機となった遠隔操作信号SGの受信時刻tb(換言すれば1回目に受信した遠隔操作信号SGの受信時刻tb)を差し引いた値を受信期間Tbmとして算出する。
その後、車両無線CPU53は、ステップS512にて、受信期間Tbmから生成期間Tamを差し引いて累積遅延時間Tmを算出し、ステップS513にて、累積遅延時間Tmが閾値遅延時間Tth以上であるか否かを判定する。
車両無線CPU53は、累積遅延時間Tmが閾値遅延時間Tth以上である場合には、通信遅延が発生している判定し、ステップS514にて通信遅延対応制御を実行して、本通信遅延用処理を終了する。
一方、車両無線CPU53は、累積遅延時間Tmが閾値遅延時間Tth未満である場合には、通信遅延が発生していないと判定する。この場合、車両無線CPU53は、ステップS515にて、受信カウンタCxを初期値である「0」に設定し、ステップS516にてカウント中フラグを消去して、本通信遅延用処理を終了する。これにより、ステップS515及びステップS516の処理を実行した通信遅延用処理に対して次の通信遅延用処理にて、再度受信回数のカウントが開始される。すなわち、累積遅延時間Tmの算出及び通信遅延判定は、繰り返し実行される。
本実施形態の作用について図12を用いて説明する。なお、説明の便宜上、tb1のタイミングから受信回数のカウントが開始され、閾値Cthは「5」とする。
図12に示すように、tb1のタイミングから遠隔操作信号SGの受信回数のカウントが開始される。この場合、第1遠隔操作信号SG1の生成時刻ta(ta1のタイミング)が生成時刻記憶部54cに記憶され、第1遠隔操作信号SG1の受信時刻tb(tb1のタイミング)が受信時刻記憶部54dに記憶される。
その後、第2遠隔操作信号SG2〜第5遠隔操作信号SG5の送受信が行われ、5回目の遠隔操作信号SGである第5遠隔操作信号SG5が受信されたtb5のタイミングにて、生成期間Tam及び受信期間Tbmの算出と、累積遅延時間Tmの算出とが行われ、当該累積遅延時間Tmが閾値遅延時間Tth以上であるか否かの通信遅延判定が行われる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(2−1)車両無線CPU53は、遠隔操作信号SGに含まれるリモート時刻情報Dtの生成時刻taに基づいて、生成期間Tamを把握する。詳細には、車両無線CPU53は、カウント開始契機となった遠隔操作信号SGのリモート時刻情報Dtの生成時刻ta及び複数回目に受信した遠隔操作信号SG(通信遅延判定契機の遠隔操作信号SG)のリモート時刻情報Dtの生成時刻taに基づいて生成期間Tamを算出する。
また、車両無線CPU53は、遠隔操作信号SGの受信時刻tbに基づいて、受信期間Tbmを把握する。詳細には、車両無線CPU53は、カウント開始契機となった遠隔操作信号SGの受信時刻tb及び複数回目に受信した遠隔操作信号SGの受信時刻tbに基づいて受信期間Tbmを算出する。
そして、車両無線CPU53は、受信期間Tbmから生成期間Tamを差し引いて累積遅延時間Tmを算出し、当該累積遅延時間Tmに基づいて通信遅延判定を行う。これにより、比較的容易に累積遅延時間Tmを算出でき、(1−1)等の効果を奏する。特に、本実施形態によれば、遠隔操作信号SGを受信する度に通信遅延判定を行う必要がないため、通信遅延判定に起因する処理負荷の軽減を図ることができる。
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 遅延時間(累積遅延時間Tm)は、受信期間(第1実施形態ではδTb1,δTb1+δTb2,δTb1+δTb2+δTb3,…、第2実施形態では受信期間Tbm)から、生成期間(第1実施形態ではδTa,2δTa,3δTa,…、第2実施形態では生成期間Tam)を差し引いた差そのものであったが、これに限られない。遅延時間は、上記差に対応していればよく、例えば当該差に対して所定の補正をした値でもよい。換言すれば、遅延時間は、受信期間と生成期間との差そのものを含む、当該差に対応する時間のパラメータであればよい。
また、車両無線CPU53は、結果として累積遅延時間Tmを算出することができればよく、第2実施形態のように直接的に生成期間Tam及び受信期間Tbmを算出しなくてもよい。例えば、第1実施形態のように、車両無線CPU53は、単位遅延時間δdを算出し、複数の遠隔操作信号SGに係る遅延時間である累積遅延時間Tmを累積的に算出してもよいし、他の手法を用いて複数の遠隔操作信号SGに係る遅延時間を算出してもよい。
○ 通信遅延対応制御の具体的態様は、各実施形態に限られず任意であり、例えば警告報知と遠隔操作停止制御とを組み合わせてもよい。
例えば、図13に示すように、車両無線CPU53は、ステップS404の処理の実行後、ステップS601にて、通信遅延判定として、累積遅延時間Tmが第1閾値遅延時間Tth1以上であるか否かを判定する。車両無線CPU53は、累積遅延時間Tmが第1閾値遅延時間Tth1未満である場合には、通信遅延が発生していないと判定して、そのまま本通信遅延用処理を終了する一方、累積遅延時間Tmが第1閾値遅延時間Tth1以上である場合には、通信遅延が発生していると判定し、ステップS602に進む。
車両無線CPU53は、ステップS602では、累積遅延時間Tmが第1閾値遅延時間Tth1よりも長い第2閾値遅延時間Tth2以上であるか否かを判定する。そして、車両無線CPU53は、累積遅延時間Tmが第2閾値遅延時間Tth2未満である場合には、ステップS603にて警告報知を行い、遠隔操作を継続して本通信遅延用処理を終了する。一方、車両無線CPU53は、累積遅延時間Tmが第2閾値遅延時間Tth2以上である場合には、ステップS604にて遠隔操作停止制御を行い、本通信遅延用処理を終了する。
かかる構成によれば、累積遅延時間Tmが第1閾値遅延時間Tth1以上且つ第2閾値遅延時間Tth2未満である場合には、通信遅延対応制御として警告報知が行われ、累積遅延時間Tmが第2閾値遅延時間以上である場合には、通信遅延対応制御として遠隔操作停止制御が行われる。これにより、通信遅延具合に応じて、異なる通信遅延対応制御を実行できる。
特に、本別例によれば、遠隔操作が停止される前に警告報知が行われるため、操作者としては、遠隔操作が停止する前段階にて通信遅延を認識でき、当該通信遅延に対応できる。したがって、通信遅延に起因して遠隔操作が突然停止してしまうという操作者への不意打ちを回避できる。
また、通信遅延対応制御は、警告報知及び遠隔操作停止制御の少なくとも一方を含むものでもよい。
○ 通信遅延対応制御は、警告報知や遠隔操作停止制御に限られず、任意であり、例えば両通信部40,50が遠隔操作信号SGを送受信する通信チャネルを複数有している場合には、通信遅延対応制御は、通信チャネルの変更でもよい。
○ 警告報知は、フォークリフト20にて行われてもよい。要は、警告報知は、遠隔操作装置30及びフォークリフト20の少なくとも一方で行われるとよい。また、遠隔操作装置30及びフォークリフト20以外のものを用いて警告報知が行われてもよい。
○ 遠隔操作信号SGは、遠隔操作中、繰り返し生成されればよく、生成間隔δTaは一定である必要はない。生成間隔δTaは、処理内容等によって変動してもよい。
○ 第2実施形態において、車両無線CPU53は、遠隔操作信号SGを受信する度に通信遅延判定を行ってもよい。この場合、車両無線CPU53は、例えば今回受信した遠隔操作信号SGと、それより前に受信した複数(Cth−1)の遠隔操作信号SGに係る生成期間Tamと受信期間Tbmとに基づいて累積遅延時間Tmを算出し、当該累積遅延時間Tmに基づいて通信遅延判定を行ってもよい。
○ リモートCPU33は、遠隔操作装置30に対する遠隔制御操作に基づいて遠隔操作信号SGを生成することができれば、その具体的な制御態様については各実施形態のものに限定されず任意である。
例えば、リモートCPU33は、スライド操作のスライド方向やスライド量ではなく、タッチパネル31における現在入力操作が行われている位置の座標に基づいて各操作情報D1,D2を設定してもよい。
また、例えば、遠隔操作装置30に、タッチパネル31に代えて専用のボタンが設けられている場合には、遠隔操作装置30に対する遠隔制御操作として、タッチパネル31に対する入力操作に代えて又は加えて、上記専用のボタンの操作を採用してもよい。
すなわち、遠隔制御操作は、タッチパネル31に対する入力操作や第1回転操作に限られず、任意であり、例えば第2回転操作であってもよいし、タッチパネル31に対する入力操作、第1回転操作及び第2回転操作のうち少なくとも1つであってもよい。
また、走行操作情報D1及び荷役操作情報D2の具体的な構成は任意であり、例えば走行速度情報Dv及び加速度情報Dαのいずれか一方を省略してもよい。
○ 累積遅延時間Tmの算出態様は、各実施形態に限られず任意である。
○ 通信遅延判定は、累積遅延時間Tmに基づいて行われればよく、累積遅延時間Tmと閾値遅延時間Tthとの比較に限られない。例えば、第1実施形態において、通信遅延判定は、更新されたときの累積遅延時間Tmの変化量が徐々に大きくなることに基づいて通信遅延が発生している判定してもよい。
○ リモート時刻情報Dtには、生成時刻taが設定されていたが、これに限られず、例えば前回の遠隔操作信号SGが生成されてから今回の遠隔操作信号SGが生成されるまでの期間が設定されていてもよい。この場合、遠隔操作装置30は、リモート時刻把握部36に代えて、上記期間を測定する測定部を備えていてもよい。
○ 車両通信部50は、車両時刻把握部51に代えて、前回の遠隔操作信号SGを受信してから新たに遠隔操作信号SGを受信するまでの期間を測定する測定部を備えていてもよい。すなわち、時刻を把握することは必須ではない。
○ 第1実施形態において、車両無線CPU53は、3つ以上の遠隔操作信号SGを受信するのに要した受信期間と、当該3つ以上の遠隔操作信号SGを生成するのに要した生成期間とに基づいて、累積遅延時間Tmを算出し、当該累積遅延時間Tmに基づいて、通信遅延が生じているか否かを判定してもよい。
○ 閾値遅延時間Tthは、通信エラー期間Teと同一であってもよいし、通信エラー期間Teよりも長くてもよい。閾値遅延時間Tthが通信エラー期間Teよりも長い場合、自ずと3回以上の遠隔操作信号SGの送受信に基づいて通信遅延判定が行われることとなる。
○ 通信エラー判定を省略してもよい。
○ 信号送信処理の実行主体は、リモート無線CPU41に限られず、遠隔操作装置30に設けられているものであれば任意であり、例えばリモートCPU33でもよい。また、送信バッファ42aは、リモートメモリ34に設けられていてもよい。要は、遠隔操作装置30としては、遠隔操作信号SGを繰り返し生成し、生成された遠隔操作信号SGを送信バッファ42aにセットし、通信可能状態となった場合にセットされた遠隔操作信号SGを順次送信するように構成されていればよい。
○ 各実施形態では、車両無線CPU53が受信制御処理を実行する構成であったが、これに限られず、車両CPU25が受信制御処理を実行してもよい。また、車両時刻把握部51は、車両通信部50が備えている必要はなく、フォークリフト20が備えていればよい。すなわち、受信制御処理の実行主体は、フォークリフト20に設けられているものであれば任意である。
○ 各実施形態では、リモート無線CPU41が信号送信処理を実行することにより、リモート通信部40が送信バッファ42aにセットされている遠隔操作信号SGを順次送信する構成となっていたが、これに限られない。リモート通信部40は、上記のように遠隔操作信号SGを順次送信できるように構成されていれば、上記のようなソフトウェアによって実現されている構成に限られず、専用回路等のハードウェアによって実現されていてもよい。
同様に、車両通信部50は、受信制御処理を実行するというソフトウェアによって構成されているものに限られず、専用回路等のハードウェアによって上記受信制御処理と同等の動作が行われるように構成されていてもよい。
○ 送信バッファ42aと受信バッファ54aとの記憶容量は異なっていてもよい。例えば、受信バッファ54aは、1つの制御信号を記憶可能なものであってもよい。この場合、車両無線CPU53は、遠隔操作信号SGを受信する度に、当該遠隔操作信号SGを変換して得られる制御信号が保存されるように受信バッファ54aの情報を更新してもよい。
○ 遠隔操作制御処理等の具体的な制御態様は、遠隔操作信号SGの生成と送受信とが行われれば、各実施形態のものに限られず、任意である。
○ 各実施形態では、フォークリフト20の遠隔操作対象は、走行及び荷役動作であったが、これに限られず、いずれか一方でもよい。また、遠隔操作対象として、その他の動作を採用してもよい。
○ 産業車両は、フォークリフト20に限られず任意であり、フォーク22以外の動作対象物を有するものでもよい。
○ 遠隔操作制御処理実行プログラム60a及び受信制御処理実行プログラム54bなどの遠隔操作に係る実行プログラムが記憶された記憶媒体でもよい。
○ 遠隔操作装置30(例えばリモート無線CPU41)が累積遅延時間Tmの算出、通信遅延判定及び通信遅延対応制御を含む通信遅延用処理を実行してもよい。この場合、フォークリフト20の車両無線CPU53は、受信期間を特定するための情報(例えば受信時刻tb)が設定された特定信号をリモート通信部40に向けて送信し、リモート無線CPU41は、上記特定信号に含まれる情報に基づいて、受信期間(受信間隔δTb)を把握し、累積遅延時間Tmを算出するとよい。なお、本別例においては、遠隔操作信号SGからリモート時刻情報Dtを省略してもよい。
また、例えば、車両無線CPU53は、車両通信部50が遠隔操作信号SGを受信した場合には、受信したことを示す返信信号をリモート通信部40に向けて送信してもよい。この場合、車両無線CPU53は、上記返信信号に受信期間を特定するための情報を設定し、当該情報が含まれた返信信号をリモート通信部40に向けて送信してもよい。これにより、リモート無線CPU41は、返信信号に含まれる情報に基づいて、受信期間(受信間隔δTb)を把握でき、累積遅延時間Tmを算出できる。
なお、言うまでもないが、遠隔操作装置30が通信遅延用処理を実行する場合、フォークリフト20に代えて遠隔操作装置30が、生成時刻記憶部54c及び受信時刻記憶部54d等、必要な構成を有する。
○ フォークリフト20が、生成時刻が設定された車両状態信号を繰り返し生成する信号生成部と、その生成された車両状態信号がセットされる送信バッファと、を備え、車両通信部50が送信バッファにセットされている車両状態信号を順次送信するように構成されていてもよい。そして、遠隔操作装置30が、リモート通信部40によって受信された上記車両状態信号の受信時刻に基づく受信期間と、車両状態信号に設定されている生成時刻に基づく生成期間との差に対応した累積遅延時間を算出し、通信遅延判定を行ってもよい。
すなわち、通信遅延判定の実行主体は、フォークリフト20に限られず、遠隔操作装置30でもよいし、それ以外の専用の装置でもよい。また、通信遅延判定に用いられる信号は、両通信部40,50間で送受信されるものであれば、遠隔操作信号SGに限られず、任意であり、例えば上記車両状態信号でもよいし、通信遅延判定用の信号でもよい。なお、車両状態信号とは、フォークリフト20の状態(例えば走行速度や異常の有無等)を示す信号である。
○ 各実施形態及び各別例を適宜組み合わせてもよい。
次に、上記各実施形態及び各別例から把握できる技術的思想又は好適な一例について以下に記載する。
(イ)信号生成部は、遠隔操作装置に対する遠隔制御操作に対応した遠隔操作信号を生成するとよい。
なお、遠隔操作装置に対する遠隔制御操作は、任意であるが、例えば遠隔操作装置に設けられた入力部(例えばタッチパネル31や操作ボタン等)に対する操作、又は遠隔操作装置の回転操作等が考えられる。
(ロ)産業車両は、無線通信用の遠隔操作信号を車内通信用の制御信号に変換する信号変換部と、制御信号に基づいて産業車両を駆動制御する駆動制御部とを備えているとよい。なお、各実施形態では、車両CPU25が「駆動制御部」に対応する。
(ハ)無線通信を行う車両通信部を有する産業車両と、前記車両通信部と無線通信を行うリモート通信部を有し、前記産業車両を遠隔操作するのに用いられる遠隔操作装置と、を備えている産業車両用遠隔操作システムであって、前記遠隔操作装置又は前記産業車両は、前記遠隔操作装置による前記産業車両の遠隔操作が行われている状況において信号を繰り返し生成する信号生成部を備え、前記リモート通信部及び前記車両通信部は、前記信号生成部によって生成された信号の送信及び受信を行うものであり、前記産業車両用遠隔操作システムは、前記車両通信部が複数の前記信号を受信するのに要した受信期間と、前記複数の信号を生成するのに要した生成期間との差に対応した遅延時間を算出する遅延時間算出部と、前記遅延時間に基づいて通信遅延が生じているか否かの通信遅延判定を行う通信遅延判定部と、前記通信遅延判定により通信遅延が生じていると判定された場合に、通信遅延に対応した通信遅延対応制御を実行する通信遅延対応制御部と、を備えていることを特徴とする産業車両用遠隔操作システム。
(ニ)無線通信を行う車両通信部を有する産業車両を遠隔操作するのに用いられる遠隔操作装置であって、前記産業車両の遠隔操作に用いられる遠隔操作信号を生成する信号生成処理を繰り返し実行する信号生成部と、前記信号生成部によって生成された前記遠隔操作信号を、無線通信によって前記車両通信部に順次送信するリモート通信部と、を備え、前記産業車両は、前記車両通信部によって受信された前記遠隔操作信号に基づいて動作するものであり、前記遠隔操作装置は、前記車両通信部が複数の前記遠隔操作信号を受信するのに要した受信期間と、前記複数の遠隔操作信号を生成するのに要した生成期間との差に対応した遅延時間を算出する遅延時間算出部と、前記遅延時間に基づいて通信遅延が生じているか否かの通信遅延判定を行う通信遅延判定部と、前記通信遅延判定により通信遅延が生じていると判定された場合に、通信遅延に対応した通信遅延対応制御を実行する通信遅延対応制御部と、を備えていることを特徴とする遠隔操作装置。
10…産業車両用遠隔操作システム、20…フォークリフト、22…フォーク、25…車両CPU、30…遠隔操作装置、36…リモート時刻把握部、40…リモート通信部、41…リモート無線CPU、42…リモート無線メモリ、42a…送信バッファ、42b…信号送信処理実行プログラム、50…車両通信部、51…車両時刻把握部、52…信号変換部、53…車両無線CPU、54…車両無線メモリ、54a…受信バッファ、54b…受信制御処理実行プログラム、54c…生成時刻記憶部、54d…受信時刻記憶部、SG…遠隔操作信号、Dt…リモート時刻情報、ta…生成時刻、tb…受信時刻、δTa…生成間隔、δTb…受信間隔、δd…単位遅延時間、Tm…累積遅延時間(遅延時間)、Tth…閾値遅延時間、Tth1…第1閾値遅延時間、Tth2…第2閾値遅延時間、Tam…生成期間、Tbm…受信期間、Te…通信エラー期間。

Claims (13)

  1. 無線通信を行う車両通信部を有する産業車両と、
    前記車両通信部と無線通信を行うリモート通信部を有し、前記産業車両を遠隔操作するのに用いられる遠隔操作装置と、
    を備えている産業車両用遠隔操作システムであって、
    前記遠隔操作装置は、前記産業車両の遠隔操作に用いられる遠隔操作信号を生成する信号生成処理を繰り返し実行する信号生成部と、時刻を把握するリモート時刻把握部と、を備え、
    前記リモート通信部は、前記信号生成部によって生成された前記遠隔操作信号を、前記車両通信部に順次送信するものであり、
    前記産業車両は、前記車両通信部によって受信された前記遠隔操作信号に基づいて動作するものであり、
    前記産業車両は、
    前記車両通信部が複数の前記遠隔操作信号を受信するのに要した受信期間と、前記複数の遠隔操作信号を生成するのに要した生成期間との差に対応した遅延時間を算出する遅延時間算出部と、
    前記遅延時間に基づいて通信遅延が生じているか否かの通信遅延判定を行う通信遅延判定部と、
    前記通信遅延判定により通信遅延が生じていると判定された場合に、通信遅延に対応した通信遅延対応制御を実行する通信遅延対応制御部と、
    を備え
    前記遠隔操作信号は、当該遠隔操作信号の生成時刻が設定されたリモート時刻情報を含み、
    前記生成時刻は、前記リモート時刻把握部の把握結果に基づいて設定されるものであり、
    前記産業車両は、
    時刻を把握する車両時刻把握部と、
    前記車両時刻把握部の把握結果に基づいて、前記遠隔操作信号の受信時刻を把握する受信時刻把握部と、
    を備え、
    前記遅延時間算出部は、前記受信時刻把握部によって把握される前記受信時刻に基づく前記受信期間と、前記遠隔操作信号に含まれる前記リモート時刻情報の前記生成時刻に基づく前記生成期間との差に対応した前記遅延時間を算出するものであり、
    前記遅延時間算出部は、
    前記車両通信部が前記遠隔操作信号を受信する度に、前記遠隔操作信号に含まれる前記リモート時刻情報の前記生成時刻と前記受信時刻把握部によって把握される前記受信時刻とに基づいて、前記遠隔操作信号の生成間隔及び受信間隔を把握する間隔把握部と、
    前記間隔把握部によって把握された前記生成間隔及び前記受信間隔に基づいて、1つあたりの前記遠隔操作信号に係る単位遅延時間を算出する単位遅延時間算出部と、
    前記単位遅延時間が算出される度に、当該単位遅延時間に基づいて前記遅延時間としての累積遅延時間を更新する累積遅延時間更新部と、
    を備え、
    前記通信遅延判定部は、前記累積遅延時間に基づいて前記通信遅延判定を行う産業車両用遠隔操作システム。
  2. 無線通信を行う車両通信部を有する産業車両と、
    前記車両通信部と無線通信を行うリモート通信部を有し、前記産業車両を遠隔操作するのに用いられる遠隔操作装置と、
    を備えている産業車両用遠隔操作システムであって、
    前記遠隔操作装置は、前記産業車両の遠隔操作に用いられる遠隔操作信号を生成する信号生成処理を繰り返し実行する信号生成部を備え、
    前記リモート通信部は、前記信号生成部によって生成された前記遠隔操作信号を、前記車両通信部に順次送信するものであり、
    前記産業車両は、前記車両通信部によって受信された前記遠隔操作信号に基づいて動作するものであり、
    前記産業車両は、
    前記車両通信部が複数の前記遠隔操作信号を受信するのに要した受信期間と、前記複数の遠隔操作信号を生成するのに要した生成期間との差に対応した遅延時間を算出する遅延時間算出部と、
    前記遅延時間に基づいて通信遅延が生じているか否かの通信遅延判定を行う通信遅延判定部と、
    前記通信遅延判定により通信遅延が生じていると判定された場合に、通信遅延に対応した通信遅延対応制御を実行する通信遅延対応制御部と、
    を備え、
    前記通信遅延判定部は、前記遅延時間が第1閾値遅延時間以上である場合に通信遅延が生じていると判定し、
    前記通信遅延対応制御部は、
    前記遅延時間が前記第1閾値遅延時間よりも長い第2閾値遅延時間未満である場合には、前記通信遅延対応制御として、通信遅延が生じている旨の報知を行う一方、前記遠隔操作装置による遠隔操作を継続し、
    前記遅延時間が前記第2閾値遅延時間以上である場合には、前記通信遅延対応制御として、前記遠隔操作装置による遠隔操作を停止する遠隔操作停止制御を行う産業車両用遠隔操作システム。
  3. 前記産業車両は、前記遠隔操作信号を受信してから通信エラー期間以内に次の前記遠隔操作信号を受信しなかった場合には、通信エラーが発生したと判定する通信エラー判定部を備え、
    前記通信遅延判定部は、前記遅延時間が前記通信エラー期間よりも短い閾値遅延時間以上である場合に通信遅延が生じていると判定する請求項1または請求項2に記載の産業車両用遠隔操作システム。
  4. 前記遠隔操作装置は、前記遠隔操作信号を複数記憶可能なものであって、生成された前記遠隔操作信号が順次セットされる送信バッファを備え、
    前記リモート通信部は、前記遠隔操作信号を送信できる送信可能状態である場合に、前記送信バッファにセットされる前記遠隔操作信号を順次送信する一方、前記送信可能状態ではない場合には、前記送信可能状態となるまで、前記遠隔操作信号の送信を待機するものである請求項1〜のうちいずれか一項に記載の産業車両用遠隔操作システム。
  5. 前記通信遅延対応制御は、前記遠隔操作装置において通信遅延が発生している旨の報知を行う制御を含む請求項1〜のうちいずれか一項に記載の産業車両用遠隔操作システム。
  6. 前記通信遅延対応制御は、前記遠隔操作装置による遠隔操作を停止する遠隔操作停止制御を含む請求項1〜のうちいずれか一項に記載の産業車両用遠隔操作システム。
  7. 前記リモート通信部及び前記車両通信部の無線通信形式はWi−Fiである請求項1〜のうちいずれか一項に記載の産業車両用遠隔操作システム。
  8. 遠隔操作に用いられる遠隔操作信号を繰り返し生成する遠隔操作装置に設けられたリモート通信部と無線通信を行うものであって前記リモート通信部から繰り返し送信される前記遠隔操作信号を受信する車両通信部を備え、前記遠隔操作信号に基づいて動作する産業車両であって、
    前記車両通信部が複数の前記遠隔操作信号を受信するのに要した受信期間と、前記複数の遠隔操作信号を生成するのに要した生成期間との差に対応した遅延時間を算出する遅延時間算出部と、
    前記遅延時間に基づいて通信遅延が生じているか否かの通信遅延判定を行う通信遅延判定部と、
    前記通信遅延判定により通信遅延が生じていると判定された場合に、通信遅延に対応した通信遅延対応制御を実行する通信遅延対応制御部と、
    を備え
    前記遠隔操作信号は、当該遠隔操作信号の生成時刻が設定されたリモート時刻情報を含み、
    前記遠隔操作装置は、時刻を把握するリモート時刻把握部を備え、
    前記生成時刻は、前記リモート時刻把握部の把握結果に基づいて設定されるものであり、
    前記産業車両は、
    時刻を把握する車両時刻把握部と、
    前記車両時刻把握部の把握結果に基づいて、前記遠隔操作信号の受信時刻を把握する受信時刻把握部と、
    を備え、
    前記遅延時間算出部は、前記受信時刻把握部によって把握される前記受信時刻に基づく前記受信期間と、前記遠隔操作信号に含まれる前記リモート時刻情報の前記生成時刻に基づく前記生成期間との差に対応した前記遅延時間を算出するものであり、
    前記遅延時間算出部は、
    前記車両通信部が前記遠隔操作信号を受信する度に、前記遠隔操作信号に含まれる前記リモート時刻情報の前記生成時刻と前記受信時刻把握部によって把握される前記受信時刻とに基づいて、前記遠隔操作信号の生成間隔及び受信間隔を把握する間隔把握部と、
    前記間隔把握部によって把握された前記生成間隔及び前記受信間隔に基づいて、1つあたりの前記遠隔操作信号に係る単位遅延時間を算出する単位遅延時間算出部と、
    前記単位遅延時間が算出される度に、当該単位遅延時間に基づいて前記遅延時間としての累積遅延時間を更新する累積遅延時間更新部と、
    を備え、
    前記通信遅延判定部は、前記累積遅延時間に基づいて前記通信遅延判定を行う産業車両。
  9. 遠隔操作に用いられる遠隔操作信号を繰り返し生成する遠隔操作装置に設けられたリモート通信部と無線通信を行うものであって前記リモート通信部から繰り返し送信される前記遠隔操作信号を受信する車両通信部を備え、前記遠隔操作信号に基づいて動作する産業車両であって、
    前記車両通信部が複数の前記遠隔操作信号を受信するのに要した受信期間と、前記複数の遠隔操作信号を生成するのに要した生成期間との差に対応した遅延時間を算出する遅延時間算出部と、
    前記遅延時間に基づいて通信遅延が生じているか否かの通信遅延判定を行う通信遅延判定部と、
    前記通信遅延判定により通信遅延が生じていると判定された場合に、通信遅延に対応した通信遅延対応制御を実行する通信遅延対応制御部と、
    を備え、
    前記通信遅延判定部は、前記遅延時間が第1閾値遅延時間以上である場合に通信遅延が生じていると判定し、
    前記通信遅延対応制御部は、
    前記遅延時間が前記第1閾値遅延時間よりも長い第2閾値遅延時間未満である場合には、前記通信遅延対応制御として、通信遅延が生じている旨の報知を行う一方、前記遠隔操作装置による遠隔操作を継続し、
    前記遅延時間が前記第2閾値遅延時間以上である場合には、前記通信遅延対応制御として、前記遠隔操作装置による遠隔操作を停止する遠隔操作停止制御を行う産業車両。
  10. 無線通信を行うものであって遠隔操作に用いられる遠隔操作信号を受信可能な車両通信部と、時刻を把握する車両時刻把握部と、を有し、当該車両通信部によって受信された前記遠隔操作信号に基づいて動作する産業車両を、前記遠隔操作信号を生成する信号生成処理を繰り返し実行する信号生成部と、時刻を把握するリモート時刻把握部と、前記車両通信部と無線通信を行うものであって前記車両通信部に向けて前記遠隔操作信号を順次送信するリモート通信部と、を有する遠隔操作装置によって遠隔操作する産業車両用遠隔操作システムに用いられる産業車両用遠隔操作プログラムであって、
    前記産業車両を、
    前記車両時刻把握部の把握結果に基づいて、前記遠隔操作信号の受信時刻を把握する受信時刻把握部と、
    前記車両通信部が複数の前記遠隔操作信号を受信するのに要した受信期間と、前記複数の遠隔操作信号を生成するのに要した生成期間との差に対応した遅延時間を算出する遅延時間算出部と、
    前記遅延時間に基づいて通信遅延が生じているか否かの通信遅延判定を行う通信遅延判定部と、
    前記通信遅延判定により通信遅延が生じていると判定された場合に、通信遅延に対応した通信遅延対応制御を実行する通信遅延対応制御部と、として機能させるものであり、
    前記遠隔操作信号は、当該遠隔操作信号の生成時刻が設定されたリモート時刻情報を含み、
    前記生成時刻は、前記リモート時刻把握部の把握結果に基づいて設定されるものであり、
    前記遅延時間算出部は、前記受信時刻把握部によって把握される前記受信時刻に基づく前記受信期間と、前記遠隔操作信号に含まれる前記リモート時刻情報の前記生成時刻に基づく前記生成期間との差に対応した前記遅延時間を算出するものであり、
    前記遅延時間算出部は、
    前記車両通信部が前記遠隔操作信号を受信する度に、前記遠隔操作信号に含まれる前記リモート時刻情報の前記生成時刻と前記受信時刻把握部によって把握される前記受信時刻とに基づいて、前記遠隔操作信号の生成間隔及び受信間隔を把握する間隔把握部と、
    前記間隔把握部によって把握された前記生成間隔及び前記受信間隔に基づいて、1つあたりの前記遠隔操作信号に係る単位遅延時間を算出する単位遅延時間算出部と、
    前記単位遅延時間が算出される度に、当該単位遅延時間に基づいて前記遅延時間としての累積遅延時間を更新する累積遅延時間更新部と、
    を備え、
    前記通信遅延判定部は、前記累積遅延時間に基づいて前記通信遅延判定を行う産業車両用遠隔操作プログラム。
  11. 無線通信を行うものであって遠隔操作に用いられる遠隔操作信号を受信可能な車両通信部を有し、当該車両通信部によって受信された前記遠隔操作信号に基づいて動作する産業車両を、前記遠隔操作信号を生成する信号生成処理を繰り返し実行する信号生成部と、前記車両通信部と無線通信を行うものであって前記車両通信部に向けて前記遠隔操作信号を順次送信するリモート通信部と、を有する遠隔操作装置によって遠隔操作する産業車両用遠隔操作システムに用いられる産業車両用遠隔操作プログラムであって、
    前記産業車両を、
    前記車両通信部が複数の前記遠隔操作信号を受信するのに要した受信期間と、前記複数の遠隔操作信号を生成するのに要した生成期間との差に対応した遅延時間を算出する遅延時間算出部と、
    前記遅延時間に基づいて通信遅延が生じているか否かの通信遅延判定を行う通信遅延判定部と、
    前記通信遅延判定により通信遅延が生じていると判定された場合に、通信遅延に対応した通信遅延対応制御を実行する通信遅延対応制御部と、として機能させるものであり、
    前記通信遅延判定部は、前記遅延時間が第1閾値遅延時間以上である場合に通信遅延が生じていると判定し、
    前記通信遅延対応制御部は、
    前記遅延時間が前記第1閾値遅延時間よりも長い第2閾値遅延時間未満である場合には、前記通信遅延対応制御として、通信遅延が生じている旨の報知を行う一方、前記遠隔操作装置による遠隔操作を継続し、
    前記遅延時間が前記第2閾値遅延時間以上である場合には、前記通信遅延対応制御として、前記遠隔操作装置による遠隔操作を停止する遠隔操作停止制御を行う産業車両用遠隔操作プログラム。
  12. 時刻を把握する車両時刻把握部を有する産業車両に設けられた車両通信部と無線通信を行うリモート通信部と、時刻を把握するリモート時刻把握部と、を備えた遠隔操作装置を用いて前記産業車両を遠隔操作する産業車両用遠隔操作方法であって、
    前記遠隔操作装置が前記産業車両の遠隔操作に用いられる遠隔操作信号を生成する信号生成処理を繰り返し実行する信号生成ステップと、
    前記リモート通信部が前記信号生成ステップによって生成された前記遠隔操作信号を前記車両通信部に順次送信する信号送信ステップと、
    前記産業車両が、前記車両通信部によって受信された前記遠隔操作信号に基づいて動作する駆動制御ステップと、
    前記産業車両が、前記車両通信部が複数の前記遠隔操作信号を受信するのに要した受信期間と、前記複数の遠隔操作信号を生成するのに要した生成期間との差に対応した遅延時間を算出する遅延時間算出ステップと、
    前記産業車両が、前記遅延時間に基づいて通信遅延が生じているか否かの通信遅延判定を行う通信遅延判定ステップと、
    前記産業車両が、前記通信遅延判定により通信遅延が生じていると判定された場合に、通信遅延に対応した通信遅延対応制御を実行する通信遅延対応制御ステップと、
    前記産業車両が、前記車両時刻把握部の把握結果に基づいて、前記遠隔操作信号の受信時刻を把握する受信時刻把握ステップと、
    を備え
    前記遠隔操作信号は、当該遠隔操作信号の生成時刻が設定されたリモート時刻情報を含み、
    前記生成時刻は、前記リモート時刻把握部の把握結果に基づいて設定されるものであり、
    前記遅延時間算出ステップは、前記受信時刻把握ステップによって把握される前記受信時刻に基づく前記受信期間と、前記遠隔操作信号に含まれる前記リモート時刻情報の前記生成時刻に基づく前記生成期間との差に対応した前記遅延時間を算出するものであり、
    前記遅延時間算出ステップは、
    前記車両通信部が前記遠隔操作信号を受信する度に、前記遠隔操作信号に含まれる前記リモート時刻情報の前記生成時刻と前記受信時刻把握ステップによって把握される前記受信時刻とに基づいて、前記遠隔操作信号の生成間隔及び受信間隔を把握する間隔把握ステップと、
    前記間隔把握ステップによって把握された前記生成間隔及び前記受信間隔に基づいて、1つあたりの前記遠隔操作信号に係る単位遅延時間を算出する単位遅延時間算出ステップと、
    前記単位遅延時間が算出される度に、当該単位遅延時間に基づいて前記遅延時間としての累積遅延時間を更新する累積遅延時間更新ステップと、
    を備え、
    前記通信遅延判定ステップは、前記累積遅延時間に基づいて前記通信遅延判定を行う産業車両用遠隔操作方法。
  13. 産業車両に設けられた車両通信部と無線通信を行うリモート通信部を備えた遠隔操作装置を用いて前記産業車両を遠隔操作する産業車両用遠隔操作方法であって、
    前記遠隔操作装置が前記産業車両の遠隔操作に用いられる遠隔操作信号を生成する信号生成処理を繰り返し実行する信号生成ステップと、
    前記リモート通信部が前記信号生成ステップによって生成された前記遠隔操作信号を前記車両通信部に順次送信する信号送信ステップと、
    前記産業車両が、前記車両通信部によって受信された前記遠隔操作信号に基づいて動作する駆動制御ステップと、
    前記産業車両が、前記車両通信部が複数の前記遠隔操作信号を受信するのに要した受信期間と、前記複数の遠隔操作信号を生成するのに要した生成期間との差に対応した遅延時間を算出する遅延時間算出ステップと、
    前記産業車両が、前記遅延時間に基づいて通信遅延が生じているか否かの通信遅延判定を行う通信遅延判定ステップと、
    前記産業車両が、前記通信遅延判定により通信遅延が生じていると判定された場合に、通信遅延に対応した通信遅延対応制御を実行する通信遅延対応制御ステップと、
    を備え、
    前記通信遅延判定ステップは、前記遅延時間が第1閾値遅延時間以上である場合に通信遅延が生じていると判定し、
    前記通信遅延対応制御ステップは、
    前記遅延時間が前記第1閾値遅延時間よりも長い第2閾値遅延時間未満である場合には、前記通信遅延対応制御として、通信遅延が生じている旨の報知を行う一方、前記遠隔操作装置による遠隔操作を継続し、
    前記遅延時間が前記第2閾値遅延時間以上である場合には、前記通信遅延対応制御として、前記遠隔操作装置による遠隔操作を停止する遠隔操作停止制御を行う産業車両用遠隔操作方法。
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