JP6939199B2 - 燃料噴射制御装置 - Google Patents
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Description
決定部は、インジェクタからエンジンへの燃料噴射を開始するタイミングである噴射開始タイミングを決定する。
、算出部により算出された噴射時間の間、インジェクタから燃料を噴射させる。判定部は、算出部がセンサ信号の電圧値の検出を実施してから噴射時間の算出を開始するまでの間に動作する。そして、判定部は、前記検出値が、ノイズが重畳されたセンサ信号の電圧値であるノイズ重畳値であるか否かを判定する。そして更に、算出部は、判定部により前記検出値がノイズ重畳値であると判定された場合に、前記検出値を用いずに噴射時間を算出する。
尚、この欄及び特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
[1.構成]
図1に示すように、実施形態の燃料噴射制御装置としての電子制御装置(以下、ECU1)には、クランクセンサ3と、カムセンサ4と、複数のインジェクタ5と、燃圧センサ6と、が接続されている。ECUは、「Electronic Control Unit」の略である。更に、ECU1には、インジェクタ5以外の電気負荷として、例えば複数のイグナイタ7が接続されている。
マイコン11は、プログラムを実行するCPU13と、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ(以下、メモリ)14と、を備える。尚、マイコン11が行う各種処理は、CPU13が非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより実現される。この例では、メモリ14が、プログラムを格納した非遷移的実体的記録媒体に該当する。また、このプログラムが実行されることで、プログラムに対応する方法が実行される。一方、ECU1を構成するマイコンの数は1つでも複数でも良い。また、マイコン11の機能の一部又は全部について、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現しても良い。例えば、マイコン11の機能の一部又は全部がハードウェアである電子回路によって実現される場合、その電子回路は多数の論理回路を含むデジタル回路、又はアナログ回路、あるいはこれらの組合せによって実現しても良い。
波形整形回路21は、クランクセンサ3及びカムセンサ4からの各パルス信号を波形整形してマイコン11に入力させる。クランクセンサ3から波形整形回路21を介してマイコン11に入力されるパルス信号のことを、以下では、クランク信号という。
ルであるが、ローレベルであっても良い。
次に、マイコン11が燃料噴射制御のために実行する処理について、図2〜図4のフローチャートを用いて説明する。以下では、何れか1つのインジェクタ5を対象として説明するが、他のインジェクタ5についても同様である。
マイコン11は、図2に示す時間同期処理を一定の所定時間毎に実行する。
図2に示すように、マイコン11は、時間同期処理を開始すると、S110にて、A/D変換器22に燃圧センサ信号をA/D変換させる。A/D変換器22による燃圧センサ信号のA/D変換は、燃圧センサ信号の電圧値を検出することに相当する。
マイコン11は、S150では、噴射開始タイミングを算出するための最新の制御情報を取得し、その取得した制御情報を用いて噴射開始タイミングを算出する。噴射開始タイミングとしては、例えば、インジェクタ5からの燃料噴射を開始すべきクランク位置が算出される。噴射開始タイミングを算出するための制御情報としては、例えば、エンジンの回転速度(即ち、エンジン回転数)や吸入空気量等がある。マイコン11は、例えばクランク信号の立ち上がりエッジの時間間隔(即ち、10°CA分の時間)を逐次計測しており、その時間間隔に基づいてエンジン回転数を算出する。
マイコン11は、図3のクランク同期処理を、クランク軸8が所定角度回転する毎(以下、所定角度毎)に実行する。その所定角度は、本実施形態では30°であるが、30°以外であっても良い。
の、両方において、A/D変換される。そして、所定時間毎のAD値と、所定角度毎のAD値とのうち、最新のものから所定数のAD値を対象として平均値が算出される。
マイコン11は、図2のS150で算出された噴射開始タイミングが到来すると、図4の噴射開始タイミング処理を実行する。例えば、マイコン11は、所定角度毎のクランク同期処理のうち、噴射開始タイミングの直前に起動されたクランク同期処理にて、クランク位置が噴射開始タイミングとしてのクランク位置になるまでの時間を、最新のエンジン回転数に基づき算出する。そして、その算出した時間を、噴射開始タイミング処理を起動するためのタイマ部分にセットする。タイマ部分は、セットされた時間が経過したことを検知して噴射開始タイミング処理を起動させる。
また、マイコン11は、上記S330にて、平均値とADbとの差が所定値以上であると判定した場合には、ADbがノイズ重畳値であると判断して、S350に進む。ここで言うノイズ重畳値とは、ノイズが重畳された燃圧センサ信号の電圧値のことである。
マイコン11は、S360では、当該マイコンにおいて前述の噴射信号を出力するために備えられている信号出力部に指令を与えて、今回の噴射開始タイミングに対応する気筒の噴射信号をアクティブレベルにさせる。更に、マイコン11は、S360では、信号出力部に、S340とS350との何れかで算出された噴射時間をセットし、その後、当該噴射開始タイミング処理を終了する。
マイコン11では、各気筒の点火タイミングをエンジン回転数やノッキングの有無等に基づいて算出する処理も行われる。更に、マイコン11では、各気筒について、算出された点火タイミングの所定時間前に前述の点火制御信号をアクティブレベルにすると共に、点火タイミングが到来すると、その点火制御信号をアクティブレベルから非アクティブレベルにして、点火プラグから火花を発生させる出力処理も行われる。
図2〜図4の処理による作用例を、図5を用いて説明する。
図5では、時刻t1〜t7の各々が、時間同期処理の実行タイミングであり、時刻t11,t12の各々が、クランク同期処理の実行タイミングであり、時刻t21が、第3気筒の噴射開始タイミングである。そして、図5及び以下の説明では、時間同期処理とクランク同期処理との各々で取得されるAD値を、ADaと記載している。また、図5において、「第1気筒点火」の段(即ち、3段目)に示される波形の立ち下がりタイミングは、第1気筒の点火タイミングである。
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果を奏する。
〈1〉マイコン11は、図4のS310,S320で取得したADbがノイズ重畳値であるか否かを、図4のS330にて判定する。そして、マイコン11は、ADbがノイズ重畳値であると判定した場合には、図4のS350にて、そのADbを用いずに噴射時間を算出する。このため、噴射時間の算出にノイズ重畳値が用いられてしまうことを抑制することができる。よって、燃料噴射量の制御精度の低下を抑制することができる。
/D変換)を実施する。このため、マイコン11において、燃圧センサ信号の電圧値を検出するための特別なトリガを発生させる必要がない。尚、マイコン11は、所定時間毎のタイミングと、所定角度毎のタイミングとの、両方ではなく、一方だけで、燃圧センサ信号の電圧値の検出を実施しても良い。
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
Claims (3)
- インジェクタ(5)からエンジンへの燃料噴射を開始するタイミングである噴射開始タイミングを決定するように構成された決定部(11,S150)と、
前記インジェクタに供給される燃料の圧力を検出するセンサ(6)から出力されるセンサ信号であって、前記燃料の圧力に応じた電圧のセンサ信号の電圧値を、前記決定部により決定された噴射開始タイミングにて検出し、該検出した電圧値である検出値を用いて、前記決定された噴射開始タイミングからの燃料噴射の継続時間である噴射時間を算出するように構成された算出部(11,22,S310,S320,S540,S350)と、
前記決定された噴射開始タイミングが到来すると、前記算出部により算出された噴射時間の間、前記インジェクタから燃料を噴射させるように構成された噴射実施部(11,S360)と、
前記算出部が前記電圧値の検出を実施してから前記噴射時間の算出を開始するまでの間に動作し、前記検出値が、ノイズが重畳された前記センサ信号の電圧値であるノイズ重畳値であるか否かを判定するように構成された判定部(11,S330)と、
前記センサ信号の電圧値を、前記噴射開始タイミングとは別の所定のタイミングであって、少なくとも前記噴射開始タイミングの前に複数回発生するタイミング毎に検出する検出部(11,22,S110,S120,S210,S220)と、を備え、
前記判定部は、
前記噴射開始タイミングの前に前記検出部により検出された少なくとも1つの前記電圧値から定められる基準値と、前記検出値との差が、所定値以上であるか否かを判定し、前記差が前記所定値以上であれば、前記検出値が前記ノイズ重畳値であると判定するように構成され、
前記算出部は、
前記判定部により前記検出値が前記ノイズ重畳値であると判定された場合に、前記検出値を用いずに、前記噴射開始タイミングの前に前記検出部により検出された複数の前記電圧値のうち、前記噴射開始タイミングの直前に検出された電圧値以外の1つの電圧値を用いて、前記噴射時間を算出する(S350)ように構成されている、
燃料噴射制御装置。 - 請求項1に記載の燃料噴射制御装置であって、
前記基準値は、
前記噴射開始タイミングの前に前記検出部により検出された複数の前記電圧値を平均化した値である、
燃料噴射制御装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の燃料噴射制御装置であって、
前記検出部が前記電圧値を検出する前記所定のタイミングは、
一定時間間隔のタイミングと、前記エンジンのクランク軸(8)が所定角度回転する毎のタイミングとの、両方又は一方である、
燃料噴射制御装置。
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