JP2008106612A - ディーゼルエンジンのグロープラグ制御装置 - Google Patents

ディーゼルエンジンのグロープラグ制御装置 Download PDF

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尚俊 白橋
Tsunehiro Mori
恒寛 森
Takeshi Matsubara
武史 松原
Takeshi Inasumi
健 稲角
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Abstract

【課題】インジェクタとグロープラグが配設されたディーゼルエンジンにおいて、インジェクタの個体差や経年変化にかかわらず、グロープラグの通電時間を制御することにより、燃料の着火性の向上だけでなく、ノック音の発生を抑制できるようにする。
【解決手段】インジェクタ5毎に燃料噴射量の必要量に対するずれ量を検出する検出手段12,13と、該検出したずれ量を学習値として設定し、該学習値に基づいて燃料噴射量の値を増減補正する学習補正手段23と、学習補正手段23により燃料噴射量を所定量以上増量するように学習値が設定された気筒についてグロープラグ6の着火促進作用を拡大するグロープラグ通電制御手段23とから構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ディーゼルエンジンのグロープラグ制御装置に関し、ディーゼルエンジンの技術分野に属する。
一般に、ディーゼルエンジンは、冷却した状態では燃料が着火しにくく、失火しやすいという問題がある。このような問題を解決する手段としてグロープラグという熱源が挙げられ、このグロープラグが燃焼室内の空気温度を高めると共に、燃焼室内に噴射された燃料の着火源となって、燃料の着火性の向上と、失火の低減を図っている。
しかし前記グロープラグを用いた場合でも着火が不安定となり、再失火することがある。このような再失火に対処する技術として、例えば特許文献1にはエンジン回転数の変化から失火を検知し、失火が検知された気筒について、グロープラグを通電するようにしたものが開示されている。この方法によれば、グロープラグに通電することにより、吸入空気が所定温度に加熱され、再失火が防止されて始動性が向上する。
特開2003−225540号公報
ところで、ディーゼルエンジンでは、失火が生じると、ノック音が発生することがあるが、前記特許文献1に記載のものでは、失火後にグロープラグを通電するので、このノック音を根本的に解決することができないという問題がある。
ここで、失火の原因としては、燃料噴射弁の個体差や経年変化等による燃料噴射量のバラツキ、特に目標燃料噴射量に対する実噴射量の不足が関係している。
失火が発生すると、エンジンに回転変動が発生することから、燃料噴射量のバラツキ(不足)を、この回転変動により検出することができる。そこで、本願発明者たちは、例えば一定時間経過毎に、この回転変動が一定範囲内に収まるように各気筒の燃料噴射量(開弁時間)を増減補正して、一定範囲内に収まったときの増減補正量、すなわち目標噴射量と補正前の噴射量とのずれ量(差)を学習値として記憶し、以降、この学習値分を補正前の噴射量に加算して或いは減じて噴射することにより、失火を防止するようにしている。
しかし、燃料噴射弁の噴射状態には、前述のように使用に伴って経年変化するので、前記学習値を更新した後でも噴射量がばらついて(不足して)、失火が発生することがあり、ノック音の発生を十分に抑制することができないことがわかった。
そこで、本発明は、グロープラグが配設されたディーゼルエンジンにおいて、燃料噴射弁の個体差や経年変化にかかわらず、燃料の着火性を向上させてノック音の発生を抑制することができるようにすることを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、気筒毎に燃料噴射弁と該燃料噴射弁から噴射させた燃料の着火を促進するグロープラグとが配設されたディーゼルエンジンのグロープラグ制御装置であって、前記燃料噴射弁毎に燃料噴射量の必要量に対するずれ量を検出する検出手段と、該検出手段により該検出されたずれ量を学習値として設定し、該学習値に基づいて燃料噴射量を増減補正する学習補正手段と、前記学習補正手段により燃料噴射量を所定量以上増量するように前記学習値が設定された気筒についてグロープラグの着火促進作用を拡大するグロープラグ通電制御手段とを有することを特徴とする。
次に、本願の請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記グロープラグ通電制御手段は、エンジン始動開始後エンジン温度が第1の所定温度になるまでグロープラグに通電するものであって、前記燃料噴射量を所定量以上増量するように学習値が設定された気筒について、前記エンジン温度を前記第1の所定温度より高い第2の所定温度に設定することを特徴とする。
さらに、本願の請求項3に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記グロープラグ通電制御手段は、エンジン始動開始後第1の所定時間経過するまでグロープラグに通電するものであって、前記燃料噴射量を所定量以上増量するように学習値が設定された気筒について、該グロープラグの通電時間を前記第1の所定時間より長い第2の所定時間に設定することを特徴とする。
また、本願の請求項4に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記グロープラグ通電制御手段は、エンジン温度が前記第2の所定温度以上になった場合は、前記燃料噴射量を所定量以上増量するように学習値が設定された場合であっても、グロープラグの通電条件の変更を禁止することを特徴とする。
以上のように構成したことにより、本願各請求の発明によれば、次の効果が得られる。
まず、請求項1に記載の発明によれば、燃料噴射量の必要量に対するずれ量から設定された学習値に基づいて、着火性の悪い気筒が予測され、該気筒についてグロープラグの着火促進作用が拡大されることとなる。従って、燃料噴射弁の個体差や経年変化にかかわらず、該気筒の着火性が向上し、確実にノック音の発生を抑制することができる。
また、請求項2に記載の発明によれば、前記燃料噴射量を所定量以上増量するように学習値が設定された気筒のみについて、前記エンジン温度が第1の所定温度より高い第2の所定温度に達するまでグロープラグに通電するため、全ての気筒に対してグロープラグに通電する場合に比べて電力消費を低減することができる。また、設定された学習値に基づいてグロープラグ通電制御手段が、グロープラグの通電条件を変更するので、着火性が向上されて確実にノック音の発生を抑制することができる。
さらに、請求項3に記載の発明によれば、前記燃料噴射量を所定量以上増量するように学習値が設定された気筒のみについて、前記エンジン温度が第1の所定温度より高い第2の所定温度に達する第2の所定時間が経過するまでグロープラグに通電するため、前記請求項2と同様の作用・効果を得ることができる。
また、請求項4に記載の発明によれば、前記燃料噴射量を所定量以上増量するように学習値が設定された場合であっても、エンジン温度が前記第2の所定温度以上になった場合は、グロープラグの通電をしなくても、燃料の良好な着火性を確保することができるので、無駄なグロープラグの通電を抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の実施の形態におけるエンジン制御系の全体構成を示している。この実施の形態は車両に搭載される直列4気筒ディーゼルエンジンに本発明を適用したもので、このディーゼルエンジンのエンジン本体1は、図の面に対し垂直方向に直列配置で4個の気筒2が設けられ、各気筒2には往復移動可能にピストン3が装着され、それらピストン3の上面には燃焼室凹部4が形成されている。そして、ピストン3の圧縮上死点付近で各燃焼室凹部4に臨む気筒上部の略中央には、気筒2の中心軸に沿う配置で、下部先端に噴射ノズルを有する電磁式のインジェクタ(燃料噴射弁)5が配設されている。また、各気筒2には、ピストン3の圧縮上死点付近で燃焼室凹部4に上部斜め側方から臨む位置にグロープラグ6が配設されている。
各気筒2のインジェクタ5は、燃料をインジェクタ5の開弁圧(噴射圧)以上の高圧状態で蓄えて分配するコモンレール7に、気筒毎の分岐管8を介してそれぞれ接続されている。各インジェクタ5は、通電により電磁力で燃料通路を開くことで燃圧により噴射ノズルの芯弁が開作動し、コモンレール7から供給される高圧の燃料を、噴射ノズル先端の複数の噴孔から燃焼室凹部4に向け気筒2内に直接噴射供給する。インジェクタ5の燃料噴射量は通電時間で制御する。コモンレール7は高圧燃料供給管9を介して燃料供給ポンプ10に接続されている。
また、エンジン本体1には、クランク軸11の回転角度を検出するクランク角センサ12と、冷却水温度(エンジン水温)を検出するエンジン水温センサ13が設けられている。
クランク角センサ12は、図示しないが、被検出用プレートの外周部全周に亘って等間隔(例えば15゜間隔)に形成された歯(突起部)の通過に対応して電磁ピックアップがパルス信号を出力する。
吸気通路14には、吸気シャッタ弁18が設けられ、エンジン運転状態に応じて全閉から全開までの任意の状態に保持する。なお、吸気シャッタ弁18は、全閉状態でも空気が流入するように設定されている。
また、サージタンク15と各気筒2の吸気ポート16を接続する分岐通路17には、開閉駆動される負圧作動式のスワール制御弁19が配設されている。
また、排気通路20から排気の一部を吸気通路14の吸気シャッタ弁18下流に還流させる排気還流通路(以下EGR通路という)21が設けられ、このEGR通路21の途中には、開度調節可能な負圧作動式の排気還流量調節弁(以下EGR弁という)22が配置されている。このEGR弁22は、EGR通路21の通路断面積をリニアに変化させ、吸気通路14に還流される排気の流量を調節する。
各気筒のインジェクタ5、吸気シャッタ弁18、スワール制御弁19、EGR弁22等の作動は、いずれもコントロールユニット(Electronic Control Unit:以下ECUという)23によって制御する。そのため、ECU23には、クランク角センサ12の出力信号、エンジン水温センサ13の出力信号およびアクセル24の開度を検出するアクセル開度センサ25からのアクセル開度信号等が入力される。
ECU23は、アクセル開度等に基づいて目標燃料噴射量を決定し、通電制御によりインジェクタ5による燃料噴射量および噴射時期をエンジンの運転状態に応じて制御するとともに、燃料供給ポンプ10の制御によってコモンレール圧すなわち燃料の噴射圧を制御し、吸気シャッタ弁18およびEGR弁22の制御により吸入空気量を調節することで、気筒2内の平均的な空気過剰率を制御する。
具体的には、燃料噴射制御については、予めエンジンの目標トルク及び回転数の変化に応じて決定した基本的な燃料噴射量のマップをECU23のメモリに格納しておいて、アクセル開度センサ25の出力信号に基づいて求めた目標トルクと、クランク角センサ12の出力信号に基づいて求めたエンジン回転数とに基づいて、エンジンの要求出力に対応する基本的な燃料噴射量を前記燃料噴射量マップから読み込み、その基本的な燃料噴射量をエンジン水温等に応じて補正し、目標噴射量とする。また、同様のマップから噴射時期の制御データを読み込み、燃料噴射制御を行う。
ここで、前記噴射量マップは、エンジンが高負荷域にあるときにはインジェクタ5により燃料を圧縮上死点(TDC)近傍で一括して噴射(メイン噴射)させ、一方、エンジンが低負荷ないし中負荷域にあるときには、メイン噴射に先立ってパイロット噴射を行うものとして、インジェクタ5により、所定量(例えばメイン噴射の10〜40%)の燃料を圧縮行程でパイロット噴射させ、また、エンジン高負荷側ほど、燃料噴射量の増量に対応するようにメイン噴射の開始時期を進角させる設定とされる。
本実施の形態では、前記燃料噴射制御に加え、インジェクタ5の個体差や経年変化によるバラツキに影響されることなく安定したパイロット噴射を行うことができるよう、各気筒2のインジェクタ5の微小噴射量域での燃料噴射量に対する通電時間の特性を学習する制御を行う。
この学習制御は、図2に示すフローチャートにより実行する。以下、図2のフローチャートに基づいて前記多段噴射法による学習制御の具体的な処理を説明する。
このフローチャートの処理は、IGスイッチON100回毎あるいは車両走行距離10000km毎にスタートし、スタートすると、ステップS101で、学習実行判定および分割噴射の段数判定を行う。すなわち、例えば水温60〜85℃で、外気温度0〜35℃で、アイドル判定後40秒経過という条件のAND成立時に学習実行と判定し、分割噴射を例えば4段で行うとして、その4段の分割噴射が可能かどうかを判定する。
そして、学習実行と判定し、且つ、実行予定の段数が可能であると判定すると、ステップS102に進んで、燃焼を安定させるよう、燃焼に係わる各種デバイスの設定を固定する。すなわち、EGR弁22、吸気シャッタ弁18およびスワール制御弁19の制御を停止し、VGT(不図示のバリアブルジオメトリーターボ過給機)の目標過給圧を固定する。そして、まずステップS103で一番目の気筒(#1)を規定すると共にステップS104で一段目の目標レール圧(噴射圧)を規定する。また、ステップS105で、学習対象とする気筒(#n)について、各噴射段の通電時間と噴射タイミングを固定する。
そして、ステップS106で、目標アイドル回転数を設定し、次いで、ステップS107で、燃料噴射量(通電時間)の調整によるアイドルスピードコントロール(ISC)によってエンジンの回転数を安定化させるとともに、回転速度(角速度)変動が各気筒均等になるように燃料噴射量を調整する(気筒間補正)。
そして、ステップS108で、回転数および気筒間変動が安定するのを待つために、規定時間または規定サイクルが経過したか否かを見て、経過していなかったらステップS107に戻り、経過したら次のステップS109へ進む。
そして、ステップS109へ進むと、回転数および気筒間変動が安定した状態における調整後の燃料噴射量と調整前の燃料噴射量との差を第1段目の噴射段の学習値Tq(指示値)として更新記憶する。これで、その気筒の学習が噴射圧1段階について終了する。
そして、ステップS110へ進み、コモンレール圧(噴射圧)が3段階完了したか否かを見て、完了していないときは、ステップS111で段数を1段上げてステップS105へ戻る。そして、目標レール圧を変えてステップS109までの処理を繰り返す。
さらに、レール圧3段階が完了すれば、ステップS112へ進み、4気筒全部について学習が完了したか否かを見て、完了していなければ、ステップS113で気筒番号を1つ上げてステップS104へ戻る。そして、対象気筒を変えてステップS110までの処理を繰り返す。この処理が完了すれば、この制御を終了する。なお、前記実施の形態では、気筒番号を♯1から1つずつ上げて学習していったが、それに限らず、学習する気筒を任意の順序で行ってもよい。
次に、この学習制御の結果に基づいて行われ、さらに燃料の着火性の向上、燃焼性の向上を図ってノック音の発生を抑制し、安定した燃焼状態を得るための、グロープラグ6の通電制御について述べる。
例えば直列4気筒ディーゼルエンジンを使用し、前記学習制御を行うと、一例として図3に示すような学習前後における噴射量の変化が見られた。該学習制御において、請求項1における必要量としての目標噴射量が設定される(噴射量を示す単位mmは、図中ではmm3と記す)。しかし、インジェクタ5の個体差等により、各気筒は目標噴射量を中心にして所定の範囲、たとえば±0.5mmの範囲で噴射量がばらつく。図からわかるように、♯3と♯4の気筒が噴射量を増量するように補正されているため噴射しにくい気筒であり、特に♯3が最も噴射しにくい気筒である。本実施の形態では、学習前後の噴射量のずれ量即ち学習値が増量する方向に所定量(所定量の具体的な値については図4を参照して後述する)以上となっている気筒(以後、グロープラグ通電制御気筒という)、図3の場合は♯3の気筒について他の気筒よりさらに多くのグロープラグ通電制御を行うことにより、グロープラグ6の着火促進作用を拡大して前記課題を達成する。
ここで、本願発明者らによる実験の結果、正常なインジェクタは、図4に示すように、白丸印で示すように、噴射圧力が35MPaにおいて噴射量の学習補正量が±1.5mm(図中ではmm3と記す)/stの範囲にあり、噴射圧力が140MPaにおいて噴射量の学習補正量が±2.5mm/stの範囲にあることがわかった。そこで、本実施の形態では、実験誤差等を考慮し、噴射量の学習補正量が前記値の2倍以上増量側にある気筒、即ち、図中の黒丸印で示すように、噴射圧力が35MPaにおいて学習補正量が3.0mm/st以上であり、噴射圧力が140MPaにおいて学習補正量が5.0mm/st以上の気筒、つまり図中のハッチングを施した範囲に噴射量の学習補正量がある気筒を、前述のグロープラグ通電制御気筒とする。つまり所定量は、学習補正量の2倍の量としている。なお、これらの値及び所定量は一例であり、エンジン毎に適切な量を設定すればよい。
以下に、ECU23によるグロープラグ6の通電制御について図5を参照して説明する。
まず、ステップS201において、ECU23はグロープラグ通電制御に使用する信号データを読み込む。信号データとしては、エンジン水温、エンジン回転数、燃料噴射量の各データがある。次に、ステップS202でエンジン始動後か否かを判断し、エンジン始動後でないときは、ステップS203に進み、全気筒のグロープラグ6を通電して発熱させ、燃焼室内の空気を加熱する。そして、その後ステップS201に戻って制御を継続する。
これに対して、ステップS202で肯定判断の場合は、ステップS204で現在のエンジン水温が第1の所定温度であるα未満(例えば、40℃未満)であるか否かを判断し、全ての気筒共通のグロープラグ6の通電が必要か否かを判断する。ここで肯定判断、即ちエンジン水温がα未満であると判断した場合は、全ての気筒の暖機が不十分であるため、ステップS203に進んで、全気筒のグロープラグ6の通電を継続する。
一方、ステップS204で否定判断、即ちエンジン温度がα以上であると判断し、全ての気筒共通のグロープラグ6の通電が不要と判断した場合は、ステップS205で前記グロープラグ通電制御気筒が有るか否かを判断し、グロープラグ通電制御気筒がないと判断した場合は、全ての気筒において燃料が正常に噴射され、良好な着火・燃焼が行われているので、ステップS206に進んで全気筒のグロープラグ6の通電を停止し、その後ステップS201に戻って制御を継続する。
ステップS205で肯定判断した場合は、グロープラグ通電制御気筒に対して着火促進作用を拡大するため、他の気筒より高温になるまでグロープラグ通電制御をする必要がある。そこでステップS207に進んで、現在のエンジン水温が第2の所定温度β未満(例えば、50℃未満)であるか否かを判断する。ステップS207で肯定判断した場合は、ステップS208に進んでグロープラグ通電制御気筒のみにグロープラグ6を通電する。その後エンジン水温が第2の所定温度β以上になるまでステップS201に戻って該グロープラグ通電制御気筒の制御を継続する。
これに対して、ステップS207で現在のエンジン水温が第2の所定温度β以上であると判断した場合は、グロープラグ通電制御気筒であっても燃料が良好に燃焼できる温度にエンジンが温まっており、燃料の着火性は確保できているので、グロープラグ通電制御気筒のみに更にグロープラグ6に通電制御する必要はなく、ステップS206に進んで全気筒のグロープラグ6の通電を停止し、その後ステップS201に戻って制御を継続する。
以上説明したように、本実施の形態に係るグロープラグ6の通電制御によれば、まずグロープラグ6の通電制御を全気筒について行い、エンジン水温が第1の所定温度αより高くなった後は、グロープラグ通電制御気筒のみについて第1の所定温度αより高い第2の所定温度βになるまでグロープラグ6の通電制御を行うので、電力消費を抑制することができ、また、グロープラグ通電制御気筒がグロープラグ6により加熱されて着火性が促進されるため、ノック音の発生も確実に抑制することができる。
次に、前記グロープラグ6の通電制御の他の実施形態について図6を参照して説明する。なお、図5に示す前記実施形態と同一のステップについては詳細な説明を省略する。
まず、ステップS301(図5のステップS201と同一)において、エンジン水温データ等をECU23で読み込み、ステップS302(図5のステップS202と同一)でエンジン始動後か否かを判断し、始動後でないときはステップS303(図5のステップS203と同一)に進み、全気筒のグロープラグ6を通電して発熱させ、燃焼室内の空気を加熱する。そして、その後ステップS301に戻って制御を継続する。
これに対し、ステップS302で肯定判断の場合は、ステップS304で始動時のエンジン水温がγ未満(例えば、10℃未満)であるか否かを判断し、エンジン水温がγ以上であるときは、ステップS305(図5のステップS206と同一)に進んで全気筒のグロープラグ6の通電を停止し、その後ステップS301に戻って制御を継続する。
ステップS304で肯定判断した場合は、更にステップS306で全ての気筒共通のグロープラグ6の通電が第1の所定時間行われたか否かを判断する。ここで第1の所定時間は、エンジン水温が所定温度(例えば40℃)になる全ての気筒共通のグロープラグ通電制御時間である。このステップS306で全気筒共通のグロープラグ通電制御時間が第1の所定時間未満であると判断した場合、全ての気筒の暖機が不十分であると判断し、ステップS303に進んで、全気筒のグロープラグ6を通電し、その後ステップS301に戻って制御を継続する。
一方、ステップS306で肯定判断、即ちグロープラグ通電制御時間が第1の所定時間以上の場合、エンジン水温が所定値以上であると判断し、全ての気筒共通のグロープラグ6の通電制御が不要と判断した場合は、ステップS307で前記グロープラグ通電制御気筒が有るか否かを判断し、グロープラグ通電制御気筒がないと判断した場合は、全ての気筒において燃料が正常に噴射され、良好な着火・燃焼が行われているので、ステップS305に進んで全気筒のグロープラグ6の通電を停止し、その後ステップS301に戻って制御を継続する。
ステップS307で肯定判断した場合は、グロープラグ通電制御気筒に対して着火促進作用を拡大するため、他の気筒より高温になるまでグロープラグ制御をする必要がある。ここでステップS308に進んで、グロープラグ通電制御気筒のみにグロープラグ6を通電する。その後該グロープラグ通電制御気筒へのグロープラグ6の通電が第2の所定時間行われたか否かを判断する。ここで第2の所定時間は、エンジン水温が第2の所定温度(例えば50℃)になる全ての気筒共通のグロープラグ通電制御時間である。ステップS308で否定判断した場合は、ステップS309に進んでグロープラグ通電制御気筒のみにグロープラグ6を通電する。その後第2の所定時間が経過するまでステップS301に戻って該グロープラグ通電制御気筒の制御を継続する。
ステップS308で肯定判断した場合は、グロープラグ通電制御気筒であっても燃料が良好に燃焼できる温度にエンジンの水温が上昇していると判断し、燃料の着火性は確保できているので、グロープラグ通電制御気筒のみに更にグロープラグ6に通電する必要はなく、ステップS305に進んでグロープラグ通電制御気筒のグロープラグ6の通電を停止し、その後ステップS301に戻って制御を継続する。
以上説明したように、本実施の形態に係るグロープラグ6の通電制御によれば、まずグロープラグ6の通電制御を全気筒について行い、第1の所定時間が経過した後は、グロープラグ通電制御気筒のみについて第1の所定時間より長い第2の所定時間になるまでグロープラグ6の通電制御を行うので、電力消費を抑制することができ、また、グロープラグ通電制御気筒が他の気筒より長時間グロープラグ6により加熱されて着火性が促進されるため、ノック音の発生も確実に抑制することができる。
以上のように、本発明によれば、インジェクタとグロープラグが配設されたディーゼルエンジンにおいて、インジェクタの個体差や経年変化による噴射量のバラツキがある場合でも、燃料の着火性を向上させて、ノック音の発生を抑制することができるから、ディーゼルエンジンの燃焼制御技術の産業分野で好適に利用される可能性がある。
本発明の実施の形態に係るエンジン制御系の全体構成図である。 本発明の実施の形態に係る学習制御のフローチャートである。 学習制御前後の燃料噴射量の変化を気筒毎に示した説明図である。 グロープラグ通電制御気筒を規定するためのインジェクタの噴射圧力に対する噴射量の補正量を示す図である。 グロープラグ通電制御を示すフローチャートである。 グロープラグ通電制御の他の実施の形態を示すフォローチャートである。
符号の説明
2 気筒
5 インジェクタ(燃料噴射弁)
6 グロープラグ
12 クランク角センサ(検出手段)
13 エンジン水温センサ(検出手段)
23 ECU(学習補正手段、グロープラグ通電制御手段)

Claims (4)

  1. 気筒毎に燃料噴射弁と該燃料噴射弁から噴射させた燃料の着火を促進するグロープラグとが配設されたディーゼルエンジンのグロープラグ制御装置であって、
    前記燃料噴射弁毎に燃料噴射量の必要量に対するずれ量を検出する検出手段と、
    該検出手段により該検出されたずれ量を学習値として設定し、該学習値に基づいて燃料噴射量を増減補正する学習補正手段と、
    前記学習補正手段により燃料噴射量を所定量以上増量するように前記学習値が設定された気筒についてグロープラグの着火促進作用を拡大するグロープラグ通電制御手段とを有することを特徴とするグロープラグ制御装置。
  2. 前記請求項1に記載の発明において、
    前記グロープラグ通電制御手段は、エンジン始動開始後エンジン温度が第1の所定温度になるまでグロープラグに通電するものであって、前記燃料噴射量を所定量以上増量するように学習値が設定された気筒について、前記エンジン温度を前記第1の所定温度より高い第2の所定温度に設定することを特徴とするグロープラグ制御装置。
  3. 前記請求項1に記載の発明において、
    前記グロープラグ通電制御手段は、エンジン始動開始後第1の所定時間経過するまでグロープラグに通電するものであって、前記燃料噴射量を所定量以上増量するように学習値が設定された気筒について、該グロープラグの通電時間を前記第1の所定時間より長い第2の所定時間に設定することを特徴とするグロープラグ制御装置。
  4. 前記請求項1に記載の発明において、
    前記グロープラグ通電制御手段は、エンジン温度が前記第2の所定温度以上になった場合は、前記燃料噴射量を所定量以上増量するように学習値が設定された場合であっても、グロープラグの通電条件の変更を禁止することを特徴とするグロープラグ制御装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012112266A (ja) * 2010-11-22 2012-06-14 Mitsubishi Motors Corp 内燃機関の加熱制御装置
JP2014092051A (ja) * 2012-11-01 2014-05-19 Mazda Motor Corp エンジンの燃料噴射制御装置

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