JP2014092051A - エンジンの燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】パルス幅に対する燃料噴射量特性の学習の機会を少なくすることなく、正確な学習値が得られるようにする。
【解決手段】安定燃焼判定手段により気筒内が燃料の安定燃焼が可能な状態にあると判定されたとき(ステップS3の判定がYESであるとき)においては、所定の学習実行条件が成立したとき(ステップS4の判定がYESであるとき)、燃料噴射量特性の学習を実行する(ステップS5)一方、安定燃焼判定手段により気筒内が燃料の安定燃焼が可能な状態にはないと判定されたとき(ステップS3の判定がNOであるとき)においては、安定燃焼状態移行手段による上記燃料の安定燃焼が可能な状態への移行動作後でかつ上記所定の学習実行条件が成立したとき(ステップS8の判定がYESであるとき)に、燃料噴射量特性の学習を実行する(ステップS9)学習実行手段を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、エンジンの燃料噴射弁より噴射される燃料噴射量を、該燃料噴射弁のアクチュエータの駆動回路に付与する噴射信号のパルス幅によって制御するとともに、該パルス幅に対する燃料噴射量特性を学習する、エンジンの燃料噴射制御装置に関する技術分野に属する。
一般に、燃料噴射弁より噴射される燃料噴射量は、該燃料噴射弁のアクチュエータの駆動回路に付与する噴射信号のパルス幅(パルス時間)によって決まる。しかし、燃料噴射弁の初期ばらつきや長期の使用に伴う劣化等の影響により、上記駆動回路に同じパルス幅の噴射信号を付与しても、所望の燃料噴射量が得られない可能性がある。そこで、従来より、エンジンのアイドル運転(アイドル安定状態)時に、噴射信号のパルス幅に対する燃料噴射量特性を学習するようにした噴射制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−254139号公報
ところで、上記従来例のようにパルス幅に対する燃料噴射量特性の学習を実行する場合、正確な学習値を得るためには、エンジンの気筒内が、上記燃料噴射量特性の学習実行時に燃料噴射弁より噴射される燃料の安定燃焼が可能な状態にあることが必要になる。例えば、エンジン冷却水の温度が第1所定温度以上でかつ外気温度が第2所定温度以上であるとき、気筒内が、燃料の安定燃焼が可能な状態(高温状態)にあると判断することができる。
そこで、エンジン冷却水の温度や外気温度等から、気筒内が、上記燃料の安定燃焼可能状態にあるか否かを判定して、気筒内が上記燃料の安定燃焼可能状態にあるときのみに、上記燃料噴射量特性の学習を実行するようにすることが考えられる。
しかし、気筒内が上記燃料の安定燃焼可能状態にあるときのみに、上記燃料噴射量特性の学習を実行しようとすると、その学習が殆ど行われない場合がある。すなわち、上記特許文献1のようにエンジンのアイドル運転時に燃料噴射量特性の学習を実行する場合には、燃料噴射量特性の学習実行時に燃料噴射弁より噴射される燃料噴射量は、無負荷でエンジンを回転させるのに必要な量であるため、非常に少ない量であり、特に低圧縮比や小排気量のエンジンでは、燃料噴射量がより一層少なくなる。このため、上記学習の機会が非常に少なくなる。また、そのエンジンが搭載された車両が寒冷地や高地で使用される場合には、燃料がより一層着火し難くなり、気筒内が上記燃料の安定燃焼可能状態になることが殆どなく、上記学習が殆ど行われなくなる。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、パルス幅に対する燃料噴射量特性の学習の機会を少なくすることなく、正確な学習値が得られるようにすることにある。
上記の目的を達成するために、本発明では、エンジンの燃料噴射弁より噴射される燃料噴射量を、該燃料噴射弁のアクチュエータの駆動回路に付与する噴射信号のパルス幅によって制御するとともに、該パルス幅に対する燃料噴射量特性を学習する、エンジンの燃料噴射制御装置を対象として、予め決められた出力条件が成立したときに、上記燃料噴射量特性の学習実行要求を出力する学習実行要求出力手段と、上記学習実行要求出力手段により上記学習実行要求が出力されたときに、上記エンジンの気筒内が、上記燃料噴射量特性の学習実行時に上記燃料噴射弁より噴射される燃料の安定燃焼が可能な状態にあるか否かを判定する安定燃焼判定手段と、上記安定燃焼判定手段により上記気筒内が上記燃料の安定燃焼が可能な状態にはないと判定されたときに、上記気筒内を上記燃料の安定燃焼が可能な状態に移行させる安定燃焼状態移行手段と、上記安定燃焼判定手段により上記気筒内が上記燃料の安定燃焼が可能な状態にあると判定されたときにおいては、所定の学習実行条件が成立したときに、上記燃料噴射量特性の学習を実行する一方、上記気筒内が上記燃料の安定燃焼が可能な状態にはないと判定されたときにおいては、上記安定燃焼状態移行手段による上記燃料の安定燃焼が可能な状態への移行動作後でかつ上記所定の学習実行条件が成立したときに、上記燃料噴射量特性の学習を実行する学習実行手段とを備えている構成とした。
上記の構成により、出力条件が成立したとき(例えば、エンジンが搭載された車両の走行距離が、予め決められた学習実行間隔になるような距離に達したときや、車両の出荷時や点検時に作業者により操作されるスイッチがONになったとき等)、学習実行要求出力手段により燃料噴射量特性の学習実行要求が出力され、この学習実行要求の出力を受けて、安定燃焼判定手段が、エンジンの気筒内が、燃料噴射量特性の学習実行時に燃料噴射弁より噴射される燃料の安定燃焼が可能な状態にあるか否かを判定する。安定燃焼判定手段は、例えば、エンジン冷却水の温度が第1所定温度以上でかつ外気温度が第2所定温度以上であるとき、気筒内が、燃料の安定燃焼が可能な状態にあると判定し、エンジン冷却水の温度が上記第1所定温度未満であるか、又は、外気温度が上記第2所定温度未満であるとき、気筒内が、燃料の安定燃焼が可能な状態にはないと判定する。
安定燃焼判定手段により気筒内が燃料の安定燃焼が可能な状態にはないと判定されたときには、安定燃焼状態移行手段が、気筒内を燃料の安定燃焼が可能な状態に移行させる。安定燃焼状態移行手段は、例えば、エンジンの吸気弁の開弁時期を可変とする可変タイミング機構の作動を制御したり、エンジン冷却水の流れを制御する水流制御手段の作動を制御したりすることで、気筒内の温度を上昇させる。
そして、安定燃焼判定手段により気筒内が燃料の安定燃焼が可能な状態にあると判定されたときにおいては、学習実行手段が、所定の学習実行条件が成立したとき(例えば、上記車両の車速が0となったとき(エンジンがアイドル運転状態となったとき)等)、上記燃料噴射量特性の学習を実行する。また、学習実行手段は、安定燃焼判定手段により気筒内が燃料の安定燃焼が可能な状態にはないと判定されたときにおいては、安定燃焼状態移行手段による燃料の安定燃焼が可能な状態への移行動作後でかつ所定の学習実行条件が成立したときに、燃料噴射量特性の学習を実行する。
したがって、気筒内が燃料の安定燃焼が可能な状態にあるときには、所定の学習実行条件が成立したとき、燃料噴射量特性の学習が実行されるとともに、気筒内が燃料の安定燃焼が可能な状態にないときであっても、安定燃焼状態移行手段により燃料の安定燃焼が可能な状態へ移行され、その移行動作後でかつ上記所定の学習実行条件が成立したとき、燃料噴射量特性の学習が実行される。よって、燃料噴射量特性の学習の機会を少なくすることなく、正確な学習値が得られるようになる。
上記エンジンの燃料噴射制御装置において、上記安定燃焼状態移行手段は、上記エンジンの吸気弁の開閉時期を可変とする可変タイミング機構の作動を制御して、上記吸気弁の開弁時期を上記気筒内のピストンの吸気上死点後の所定のタイミングまで遅角させることで、上記気筒内を上記燃料の安定燃焼が可能な状態に移行させるように構成されている、ことが好ましい。
このことで、吸気弁の開弁時期の遅角により気筒内に吸入される吸入空気の流速が速くなり、その運動エネルギーが熱エネルギーに変換されて気筒内の温度が上昇する。これにより、気筒内を燃料の安定燃焼が可能な状態(高温状態)に容易にかつ早期に移行させることができる。
上記所定のタイミングは、上記可変タイミング機構により可能な最遅角のタイミングである、ことが好ましい。
このことにより、吸気弁の開弁時期を、吸入空気の流速を最も速くすることができるタイミングまで遅角させることができ、気筒内の温度を効率良く上昇させることができる。
上記エンジンの燃料噴射制御装置において、上記安定燃焼状態移行手段は、エンジン冷却水の流れを制御する水流制御手段の作動を制御することで、上記気筒内を上記燃料の安定燃焼が可能な状態に移行させるように構成されている、ことが好ましい。
こうすることで、気筒内の熱がエンジン冷却水(気筒壁面)に奪われることによる冷却損失を低下させるようにすることができ、これにより、気筒内の温度を上昇させて、気筒内を燃料の安定燃焼が可能な状態(高温状態)に移行させることができる。
上記のように水流制御手段の作動を制御する場合、上記安定燃焼状態移行手段は、エンジン冷却水の流れを制御する水流制御手段の作動を制御することで、上記エンジン冷却水の、上記エンジンのシリンダブロックへの流入量、及び、上記エンジン冷却水の循環経路の少なくとも一方の調整によって、上記気筒内を上記燃料の安定燃焼が可能な状態に移行させるように構成されている、ことが好ましい。
このことにより、冷却損失の低下により気筒内の温度を容易に上昇させることができて、気筒内を燃料の安定燃焼が可能な状態(高温状態)に容易に移行させることができる。
以上説明したように、本発明のエンジンの燃料噴射制御装置によると、安定燃焼判定手段により気筒内が燃料の安定燃焼が可能な状態にあると判定されたときにおいては、所定の学習実行条件が成立したとき、燃料噴射量特性の学習を実行する一方、安定燃焼判定手段により気筒内が燃料の安定燃焼が可能な状態にはないと判定されたときにおいては、安定燃焼状態移行手段による上記燃料の安定燃焼が可能な状態への移行動作後でかつ上記所定の学習実行条件が成立したときに、燃料噴射量特性の学習を実行する学習実行手段を備えたことにより、エンジンが搭載された車両が、安定燃焼判定手段により気筒内が燃料の安定燃焼が可能な状態にあると判定され難い環境下(寒冷地や高地)にあっても、燃料噴射量特性の学習を実行することができ、よって、燃料噴射量特性の学習の機会を少なくすることなく、正確な学習値が得られるようになる。
本発明の実施形態に係る燃料噴射制御装置としてのエンジン制御器により燃料噴射が制御される燃料噴射弁が設けられたエンジンを示す概略図である。 エンジン冷却水の循環経路を示す図である。 エンジン制御器における学習実行要求出力部、安定燃焼判定部、安定燃焼状態移行部及び学習実行部による一連の制御動作を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る燃料噴射制御装置としてのエンジン制御器100により燃料噴射が制御される燃料噴射弁33が設けられたエンジン1を概略的に示す。エンジン制御器100は、エンジン1に付随する様々なアクチュエータを、様々なセンサからの信号に基づき制御する。尚、本実施形態では、エンジン1がディーゼルエンジンである場合について説明するが、ガソリンエンジンであってもよい。
エンジン1は、自動車等の車両に搭載され、その出力軸は、図示しないが、変速機を介して駆動輪に連結されている。エンジン1の出力が駆動輪に伝達されることによって、車両が推進する。エンジン1は、シリンダブロック12と、その上に載置されるシリンダヘッド13とを備えており、シリンダブロック12の内部に複数(本実施形態では、4つ)の気筒11(シリンダ)が形成されている(図1では、1つのみ示す)。シリンダブロック12及びシリンダヘッド13の内部には、図示は省略するがエンジン冷却水が流れるウォータージャケットが設けられている。
各気筒11内には、ピストン15が摺動自在にそれぞれ嵌挿されており、このピストン15の頂面の中心部には、リエントラント形燃焼室17を形成する凹状のキャビティ15aが形成されている。
図1には1つのみ示すが、気筒11毎に2つの吸気ポート18がシリンダヘッド13に形成され、それぞれがシリンダヘッド13の下面に開口することで燃焼室17に連通している。同様に、気筒11毎に2つの排気ポート19がシリンダヘッド13に形成され、それぞれがシリンダヘッド13の下面に開口することで燃焼室17に連通している。吸気ポート18は、気筒11内に導入される新気が流れる吸気通路(図示省略)に接続されている。この吸気通路には、吸気流量を調整するスロットル弁20が介設しており、エンジン制御器100からのスロットル開度信号を受けて、スロットル弁20の開度が調整される。一方、排気ポート19は、各気筒11からの既燃ガス(排気ガス)が流れる排気通路(図示省略)に接続されている。排気通路には、図示は省略するが、1つ以上の触媒コンバータを有する排気ガス浄化システムが配置される。
シリンダヘッド13には、吸気弁21及び排気弁22が、それぞれ吸気ポート18及び排気ポート19を燃焼室17から遮断(閉)することができるように配設されている。吸気弁21は吸気弁駆動機構により、排気弁22は排気弁駆動機構により、それぞれ駆動される。吸気弁21及び排気弁22は所定のタイミングで往復動して、それぞれ吸気ポート18及び排気ポート19を開閉し、気筒11内のガス交換を行う。吸気弁駆動機構及び排気弁駆動機構は、図示は省略するが、それぞれ、クランクシャフトに駆動連結された吸気カムシャフト及び排気カムシャフトを有し、これらのカムシャフトはクランクシャフトの回転と同期して回転する。
上記吸気弁駆動機構は、吸気カムシャフトのクランクシャフトに対する回転位相を所定の角度範囲内で連続的に変更可能な可変タイミング機構(Variable Valve Timing:VVT)23を含んで構成されている。このVVT23により、吸気弁21の開閉時期が可変となる。VVT23は、エンジン制御器100からの位相角信号を受けて、吸気弁21の開弁時期が所望のタイミングになるようにアクチュエータが駆動されて、上記回転位相が変更されるようになっている。尚、上記吸気弁駆動機構に、VVT23と共に、弁リフト量を連続的に変更可能なリフト可変機構(CVVL(Continuous Variable Valve Lift))を設けるようにしてもよい。また、上記排気弁駆動機構にも、上記VVT23と同様の可変タイミング機構を設けて、排気弁の開閉時期を可変とするようにしてもよい。
本実施形態では、シリンダヘッド13における各気筒11の中心軸上に、気筒11内(燃焼室17内)に燃料を直接噴射する燃料噴射弁33が配設されている。この燃料噴射弁33は、例えばブラケットを使用する等の周知の構造でシリンダヘッド13に取付固定されている。燃料噴射弁33の先端は、燃焼室17の天井部の中心に臨んでいる。
燃料噴射弁33は、詳細な図示は省略するが、気筒11内に燃料を噴射する燃料噴射ノズルと、この燃料噴射ノズルのノズルニードルを開弁方向に駆動する電磁弁等のアクチュエータと、上記ノズルニードルを閉弁方向に付勢するスプリング等の付勢手段とを有する電磁式燃料噴射弁である。
燃料供給システム34は、燃料噴射弁33のアクチュエータを駆動するための駆動回路と、燃料噴射弁33に燃料を供給する燃料供給系とを備えている。エンジン制御器100は、所定のタイミングで、燃料噴射弁33より噴射すべき燃料噴射量に応じたパルス幅(パルス時間)を有する噴射信号を上記駆動回路に出力することで、該駆動回路を介して上記アクチュエータを作動させて、所望量の燃料を気筒11内に噴射させる。このようにエンジン制御器100は、燃料噴射弁33より噴射される燃料噴射量を、燃料噴射弁33のアクチュエータの駆動回路に付与する噴射信号のパルス幅によって制御する。このパルス幅が大きいほど、上記ノズルニードルの開弁時間が長くなって、燃料噴射量が多くなる。
上記燃料供給系には、図示省略の高圧燃料ポンプやコモンレールが設けられており、その高圧燃料ポンプは、低圧燃料ポンプを介して燃料タンクより供給されてきた燃料をコモンレールに圧送し、このコモンレールは、その圧送された燃料を、所定の燃料圧力で蓄える。そして、燃料噴射弁33が作動する(上記ノズルニードルが開弁する)ことによって、上記コモンレールに蓄えられている燃料が上記燃料噴射ノズルから噴射される。上記高圧燃料ポンプは、プランジャー式のポンプであって、エンジン1の回転部材(例えばカムシャフト)によって駆動されて、燃料噴射弁33に上記コモンレールを介して燃料を供給する。
上記コモンレールで蓄えられる所定の燃料圧力(つまり、上記高圧燃料ポンプから燃料噴射弁33に供給される燃料圧力)は、上記高圧燃料ポンプに設けられた調圧弁によって調整可能になっている。この調圧弁は、電磁弁で構成されていて、エンジン制御器100により作動制御される。すなわち、エンジン制御器100が弁制御信号を出力すると、調圧弁は、上記駆動回路とは別の不図示の電気回路を介して、その弁制御信号の電流に応じた開度になるように作動する。この調圧弁の開度に応じて、上記燃料圧力が決まる。
エンジン制御器100は、周知のマイクロコンピュータをベースとするコントローラであって、プログラムを実行する中央演算処理装置(CPU)と、例えばRAMやROMにより構成されてプログラム及びデータを格納するメモリと、電気信号の入出力をする入出力(I/O)バスと、を備えている。
エンジン制御器100は、少なくとも、エアフローセンサ71からの吸気流量に関する信号、クランク角センサ72からのクランク角パルス信号、アクセル・ペダルの踏み込み量を検出するアクセル開度センサ73からのアクセル開度信号、車速センサ74からの車速信号、エンジン冷却水の温度を検出する水温センサ75からの水温信号、及び、上記車両周囲の外気温度を検出する外気温センサ76からの外気温信号をそれぞれ受ける。エンジン制御器100は、これらの入力信号に基づいて、例えば、所望のスロットル開度信号、噴射信号、点火信号、位相角信号等といった、エンジン1の制御パラメーターを計算する。そして、エンジン制御器100は、それらの信号を、スロットル弁20(スロットル弁20を動かすスロットルアクチュエータ)、燃料供給システム34(上記駆動回路及び上記電気回路)、VVT23(VVT23を駆動するアクチュエータ)等に出力する。
上記燃料噴射弁33より噴射される燃料噴射量は、上記噴射信号のパルス幅によって一律に決まるのが理想であるが、実際には、上記駆動回路に同じパルス幅の噴射信号を付与しても、燃料噴射弁33の初期ばらつきや長期の使用に伴う劣化等の影響によりばらつく。そこで、エンジン制御器100は、上記噴射信号のパルス幅に対する燃料噴射量特性を学習(補正)するようにしている。
エンジン制御器100は、上記学習を実行するために、学習実行要求出力部100a(学習実行要求出力手段)と、安定燃焼判定部100b(安定燃焼判定手段)と、安定燃焼状態移行部100c(安定燃焼状態移行手段)と、学習実行部100d(学習実行手段)とを有している。
学習実行要求出力部100aは、予め決められた出力条件が成立したときに、上記パルス幅に対する燃料噴射量特性の学習実行要求を出力する。上記出力条件が成立したときとは、例えば、上記車両の走行距離が、予め決められた学習実行間隔になるような距離に達したときや、上記車両の出荷時や点検時に作業者により操作されるスイッチ(車両の乗員が容易には操作できない箇所に設けられている)がONになったとき、後述の第2噴射補正量が所定閾値を超えたとき等である。
安定燃焼判定部100bは、上記学習実行要求出力部100aにより学習実行要求が出力されたときに、この出力を受けて、エンジン1の気筒11内が、上記燃料噴射量特性の学習実行時に燃料噴射弁33より噴射される燃料の安定燃焼が可能な状態にあるか否かを判定する。本実施形態では、水温センサ75により検出されたエンジン冷却水の温度が第1所定温度以上でかつ外気温センサ76により検出された外気温度が第2所定温度以上であるとき、気筒11内が上記燃料の安定燃焼可能状態にあると判定し、水温センサ75によるエンジン冷却水の温度が上記第1所定温度未満であるか、又は、外気温センサ76による外気温度が上記第2所定温度未満であるとき、気筒11内が上記燃料の安定燃焼可能状態にはないと判定する。すなわち、後述の如く、エンジン1のアイドル運転時に上記燃料噴射量特性の学習を実行することになるが、上記エンジン冷却水の温度が第1所定温度以上でかつ上記外気温度が第2所定温度以上であれば、アイドル運転時の非常に少ない燃料噴射量であっても、気筒11内は、その燃料が確実に燃焼するような高温状態にあると判断することができ、気筒11内が上記燃料の安定燃焼可能状態にあると判定する。上記第1及び第2所定温度は、予め実験等により設定しておく。
安定燃焼状態移行部100cは、上記安定燃焼判定部100bにより気筒11内が上記燃料の安定燃焼可能状態にはないと判定されたときに、気筒11内を上記燃料の安定燃焼可能状態に強制的に移行させる。
具体的には、安定燃焼状態移行部100cは、VVT23の作動を制御して、吸気弁21の開弁時期を気筒11内のピストン15の吸気上死点後の所定のタイミング(例えば、吸気上死点後40°CA〜60°CA)まで遅角させることで、気筒11内を上記燃料の安定燃焼可能状態に強制的に移行させるように構成されている。すなわち、吸気弁21の開弁時期の遅角により気筒11内に吸入される吸入空気の流速が速くなり、その運動エネルギーが熱エネルギーに変換されて気筒11内の温度が上昇する。これにより、気筒11内を上記燃料の安定燃焼可能状態(高温状態)に容易にかつ早期に移行させることができる。上記所定のタイミングは、吸入空気の流速を最も速くする観点から、VVT23により可能な最遅角のタイミングであることが好ましい。この最遅角のタイミングは、通常、吸気上死点後40°CA以上となっている。
また、本実施形態では、安定燃焼状態移行部100cは、エンジン冷却水の流れを制御する水流制御手段としての後述の第1〜第3水流制御弁51〜53の開閉作動を制御することで、気筒11内を上記燃料の安定燃焼可能状態に強制的に移行させるように構成されている。
ここで、エンジン冷却水の流れについて図2により説明する。エンジン冷却水の循環経路としては、ウォーターポンプ41から、シリンダブロック12(詳細には、シリンダブロック12内に設けられたウォータージャケット)、シリンダヘッド13(詳細には、シリンダヘッド13内に設けられたウォータージャケット)、エクスターナル部品43(EGR弁やターボチャージャー等)、及び、ラジエータ44を順に通って、ウォーターポンプ41に戻る第1循環経路と、ウォーターポンプ41から、シリンダブロック12、シリンダヘッド13、及び、ラジエータ44を順に通って、ウォーターポンプ41に戻る第2循環経路と、ウォーターポンプ41から、シリンダブロック12、シリンダヘッド13、及び、エクスターナル部品43を順に通って、ラジエータ44をバイパスしてウォーターポンプ41に戻る第3循環経路と、ウォーターポンプ41から、シリンダブロック12及びシリンダヘッド13を順に通って、ラジエータ44をバイパスしてウォーターポンプ41に戻る第4循環経路と、ウォーターポンプ41から、シリンダブロック12、オイルクーラー46、及び、トランスミッションオイル(ATF)を冷却するATF冷却部47を順に通って、ウォーターポンプ41に戻る第5循環経路とがある。
上記第1循環経路におけるエクスターナル部品43とラジエータ44との間の中間部分には、上記第2〜第4循環経路と共通する共通流路が存在する。エクスターナル部品43からの流路とシリンダヘッド13からの流路とが合流して上記共通流路となる。また、上記共通流路から、ラジエータ44へ向かう流路とウォーターポンプ41へ向かう流路とに分岐する。上記水温センサ75は、上記第2及び第4循環経路におけるシリンダヘッド13と上記共通流路との間の流路に配設されている。
上記第1及び第3循環経路におけるエクスターナル部品43と上記共通流路との間の流路には、第1水流制御弁51が配設され、上記第1及び第2循環経路における上記共通流路とラジエータ44との間の流路には、第2水流制御弁52が配設され、上記第5循環経路におけるシリンダブロック12とオイルクーラー46との間の流路には、第3水流制御弁53が配設されている。
エンジン制御器100は、上記第1〜第3水流制御弁51〜53の開閉作動を制御することで、上記エンジン冷却水のシリンダブロック12への流入量、及び、上記エンジン冷却水の循環経路の少なくとも一方を調整する。本実施形態では、後述の如く、エンジン冷却水の循環経路の調整により、エンジン冷却水のシリンダブロック12への流入量も調整されるようになっている。尚、第1〜第3水流制御弁51〜53は、開状態(開度100%)又は閉状態(開度0%)しかとり得ないものであるが、その開度を0%から100%までの間で連続的に調整できるものであってもよく、その開度の調整によって、エンジン冷却水のシリンダブロック12への流入量を調整してもよい。
第1〜第3水流制御弁51〜53は、通常状態では、開状態にある。そして、安定燃焼状態移行部100cは、気筒11内を上記燃料の安定燃焼可能状態に移行させる際、第1〜第3水流制御弁51〜53の全てを閉状態にして、エンジン冷却水の循環経路を上記第4経路のみとする。これにより、シリンダブロック12(本実施形態では、シリンダブロック12及びシリンダヘッド13)に流入するエンジン冷却水は、ラジエータ44を経由しないため、気筒11内の熱がエンジン冷却水(気筒壁面)に奪われることによる冷却損失が低下する。また、エンジン冷却水の循環経路を上記第4経路のみとすることで、エンジン冷却水のシリンダブロック12への流入量が、上記燃料の安定燃焼可能状態に移行させる前の状態(第1〜第3水流制御弁51〜53の全てが閉状態にある通常状態)に比べて少なくなる。このことからも、冷却損失が低下する。この結果、気筒11内の温度が上昇して、気筒11内が上記燃料の安定燃焼可能状態(高温状態)に移行する。
尚、本実施形態では、VVT23による吸気弁21の開弁時期の遅角、及び、エンジン冷却水の循環経路の調整の両方によって、気筒11内を上記燃料の安定燃焼可能状態に移行させるようにしているが、いずれか一方のみよって、気筒11内を上記燃料の安定燃焼可能状態に移行させるようにしてもよい。
上記安定燃焼判定部100bにより気筒11内が上記燃料の安定燃焼可能状態にあると判定されたときにおいては、学習実行部100dは、所定の学習実行条件が成立したときに、上記燃料噴射量特性の学習を実行する。上記所定の学習実行条件が成立したときとは、本実施形態では、車両の車速が0となったとき、つまりエンジン1がアイドル運転状態になったときである。車両の車速が0となりかつエンジン回転数の変動量が所定値以下となったときを、上記所定の学習実行条件が成立したときとするのがより好ましい。
一方、安定燃焼判定部100bにより気筒11内が上記燃料の安定燃焼可能状態にはないと判定されたときにおいては、学習実行部100dは、安定燃焼状態移行部100cによる上記燃料の安定燃焼可能状態への移行動作後(本実施形態では、後述の如く、安定燃焼状態移行部100cにより気筒11内が上記燃料の安定燃焼可能状態に移行されたと判定された後)でかつ上記所定の学習実行条件が成立したときに、上記燃料噴射量特性の学習を実行する。
上記燃料噴射量特性の学習は、以下のようにして行う。すなわち、各気筒11毎に、燃料噴射弁33より、燃料をn回(nは2以上)に均等に分割噴射して(所定量/nに対応するパルス幅でもって噴射して)、トータルで上記所定量(アイドル運転に必要な量)の燃料を噴射する。そして、エンジン制御器100が、クランク角センサ72により、各気筒11の燃焼行程毎の回転速度変動(最高回転速度と最低回転速度との差)を検出する。そして、全気筒11の回転速度変動の平均値を算出した後、各気筒11毎に、各気筒11毎の回転速度変動の検出値と全気筒11の回転速度変動の平均値との差である偏差に対応する噴射量であって各気筒11間の回転速度変動を平滑化するための第1噴射補正量を算出する。また、エンジン1のアイドル運転時における平均回転速度を目標回転速度に合わせるための第2噴射補正量を算出する。上記第1噴射補正量と上記第2噴射補正量とを加えた値をnで割って得られた噴射量をパルス幅に換算して、このパルス幅を学習値とする。
上記学習値は、各気筒11において、予め決められた複数の燃料圧力毎に求められ、各気筒11において燃料圧力と学習値との関係を示すマップが、エンジン制御器100の上記メモリに記憶される(学習実行毎に更新される)。
或る気筒11において燃料噴射弁33より燃料を噴射する際には、その気筒11における該噴射時の燃料圧力に対応する学習値をマップより求める。その噴射時の燃料圧力が、上記マップの相隣接する2つの燃料圧力の間にある場合には、2点補間により学習値を算出する。
燃料噴射弁33より燃料を噴射する際の燃料噴射量がQである場合、上記マップより求めた学習値に係数kを掛けた値を、燃料噴射量Qに対応するパルス幅に加えて得られたパルス幅を、燃料噴射弁33のアクチュエータの駆動回路に付与する。上記係数は、燃料噴射量Qが第1所定量以下の場合には、1とし、燃料噴射量Qが上記第1所定量よりも大きく第2所定量(第1所定量よりも大きい量)以下の場合には、1から0まで線形的に変化し、燃料噴射量Qが上記第2所定量よりも大きい場合には、0とする。すなわち、燃料噴射量Qが、上記燃料噴射量特性の学習実行時に燃料噴射弁33より噴射される燃料噴射量と同程度に少ない量では、上記学習値をそのまま付加するが、燃料噴射量Qが上記第2所定量よりも多い場合には、上記学習値を付加しなくても、燃料噴射量自体が多いので、大きな誤差にはならない。燃料噴射量Qが上記第1所定量よりも多くかつ上記第2所定量以下の場合には、誤差の程度を考慮して、燃料噴射量Qが大きいほど係数を小さくする。
学習後のアイドル運転時における各気筒11毎の分割噴射に係るパルス幅は、各気筒11におけるアイドル運転時における燃料圧力に対応する上記学習値に係数k(当該分割噴射に係る燃料噴射量では、上記係数は1になる)を掛けた値を、分割噴射に係る燃料噴射量(上記所定量/n)に対応するパルス幅に加えて得られたパルス幅となる。これにより、学習後のアイドル運転時における各気筒11毎の分割噴射量は、上記所定量に、当該気筒11の第1噴射補正量と全気筒11で一律の第2噴射補正量とを付加した値をnで割った値となり、各気筒11間の回転速度変動が平滑化するとともに、平均回転速度が目標回転速度に一致することになる。
ここで、エンジン制御器100における学習実行要求出力部100a、安定燃焼判定部100b、安定燃焼状態移行部100c及び学習実行部100dによる一連の制御動作について、図3のフローチャートに基づいて説明する。
最初のステップS1で、学習実行要求出力部100aが、上記出力条件が成立したか否かを判定し、このステップS1の判定がNOであるときには、ステップS1の動作を繰り返す一方、ステップS1の判定がYESであるときには、ステップS2に進んで、学習実行要求出力部100aが、パルス幅に対する燃料噴射量特性の学習実行要求を出力し、しかる後にステップS3に進む。
上記ステップS3では、安定燃焼判定部100bが、水温センサ75により検出されたエンジン冷却水の温度が第1所定温度以上でかつ外気温センサ76により検出された外気温度が第2所定温度以上であるか否か(気筒11内が、上記燃料噴射量特性の学習実行時に燃料噴射弁33より噴射される燃料の安定燃焼が可能な状態にあるか否か)を判定する。
上記ステップS3の判定がYESであるとき、つまり、安定燃焼判定部100bが、気筒11内が上記燃料の安定燃焼可能状態にあると判定したときには、ステップS4に進んで、学習実行部100dが、上記所定の学習実行条件が成立したか否かを判定する。このステップS4の判定がNOであるときには、ステップS4の動作を繰り返す一方、ステップS4の判定がYESであるときには、ステップS5に進んで、学習実行部100dが、上記燃料噴射量特性の学習を実行し、学習実行完了後にリターンする。
一方、上記ステップS3の判定がNOであるとき、つまり、安定燃焼判定部100bが、気筒11内が上記燃料の安定燃焼可能状態にはないと判定したときには、安定燃焼状態移行部100cが、気筒11内を上記燃料の安定燃焼可能状態に移行させる動作を実行する。すなわち、安定燃焼状態移行部100cは、VVT23の作動を制御して、吸気弁21の開弁時期を気筒11内のピストン15の吸気上死点後の上記所定のタイミングまで遅角させるとともに、第1〜第3水流制御弁51〜53の開閉作動を制御して、エンジン冷却水の循環経路を上記第4経路のみとする。
次のステップS7で、安定燃焼状態移行部100cが、気筒11内が上記燃料の安定燃焼可能状態に移行されたか否かを判定する。この判定は、安定燃焼判定部100bによる判定とは異なり、エンジン冷却水の温度が、予め上記第1所定温度よりも高い値に設定された設定温度以上となったときに、気筒11内が上記安定燃焼可能状態に移行されたと判定する。或いは、上記安定燃焼可能状態への移行動作の開始から、エンジン冷却水の温度が上記設定温度になるような時間(実験によって予め調べておく)が経過したとき、気筒11内が上記安定燃焼可能状態に移行されたと判定する。上記設定温度は、外気温センサ76により検出された外気温度が上記第2所定温度よりも低くても、気筒11内の温度が、上記設定温以上であれば、気筒11内が上記燃料の安定燃焼可能状態にあると言えるような温度である。
上記ステップS7の判定がNOであるときには、ステップS6に戻る一方、ステップS7の判定がYESであるときには、ステップS8に進む。
上記ステップS8では、上記ステップS4と同様に、学習実行部100dが、上記所定の学習実行条件が成立したか否かを判定する。このステップS8の判定がNOであるときには、ステップS8の動作を繰り返す一方、ステップS8の判定がYESであるときには、ステップS9に進んで、上記燃料噴射量特性の学習を実行する。この学習実行の間も、安定燃焼状態移行部100cによる上記安定燃焼可能状態への移行動作は継続している。
次のステップS10では、学習実行完了後に、安定燃焼状態移行部100cが、上記安定燃焼可能状態への移行動作を終了し、しかる後にリターンする。
したがって、本実施形態では、学習実行部100dは、安定燃焼判定部100bにより気筒11内が上記燃料の安定燃焼可能状態にあると判定されたときにおいては、上記所定の学習実行条件が成立したとき、上記燃料噴射量特性の学習を実行する。一方、安定燃焼判定部100bにより気筒11内が上記燃料の安定燃焼可能状態にはないと判定されたときにおいては、安定燃焼状態移行部100cが、気筒11内を上記燃料の安定燃焼可能状態に移行させる。そして、学習実行部100dは、安定燃焼状態移行部100cにより気筒11内が上記燃料の安定燃焼可能状態に移行されたと判定された後でかつ上記所定の学習実行条件が成立したとき、上記燃料噴射量特性の学習を実行する。この結果、上記車両が、安定燃焼判定部100bにより気筒11内が上記燃料の安定燃焼可能状態にあると判定され難い環境下(寒冷地や高地)にあっても、上記燃料噴射量特性の学習を実行することができる。よって、上記燃料噴射量特性の学習の機会を少なくすることなく、正確な学習値が得られる。
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、請求の範囲の主旨を逸脱しない範囲で代用が可能である。
上述の実施形態は単なる例示に過ぎず、本発明の範囲を限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって定義され、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明は、エンジンの燃料噴射弁より噴射される燃料噴射量を、該燃料噴射弁のアクチュエータの駆動回路に付与する噴射信号のパルス幅によって制御するとともに、該パルス幅に対する燃料噴射量特性を学習する、エンジンの燃料噴射制御装置に有用である。
1 エンジン
23 可変タイミング機構
33 燃料噴射弁
51 第1水流制御弁(水流制御手段)
52 第2水流制御弁(水流制御手段)
53 第3水流制御弁(水流制御手段)
100 エンジン制御器(燃料噴射制御装置)
100a 学習実行要求出力部(学習実行要求出力手段)
100b 安定燃焼判定部(安定燃焼判定手段)
100c 安定燃焼状態移行部(安定燃焼状態移行手段)
100d 学習実行部(学習実行手段)

Claims (5)

  1. エンジンの燃料噴射弁より噴射される燃料噴射量を、該燃料噴射弁のアクチュエータの駆動回路に付与する噴射信号のパルス幅によって制御するとともに、該パルス幅に対する燃料噴射量特性を学習する、エンジンの燃料噴射制御装置であって、
    予め決められた出力条件が成立したときに、上記燃料噴射量特性の学習実行要求を出力する学習実行要求出力手段と、
    上記学習実行要求出力手段により上記学習実行要求が出力されたときに、上記エンジンの気筒内が、上記燃料噴射量特性の学習実行時に上記燃料噴射弁より噴射される燃料の安定燃焼が可能な状態にあるか否かを判定する安定燃焼判定手段と、
    上記安定燃焼判定手段により上記気筒内が上記燃料の安定燃焼が可能な状態にはないと判定されたときに、上記気筒内を上記燃料の安定燃焼が可能な状態に移行させる安定燃焼状態移行手段と、
    上記安定燃焼判定手段により上記気筒内が上記燃料の安定燃焼が可能な状態にあると判定されたときにおいては、所定の学習実行条件が成立したときに、上記燃料噴射量特性の学習を実行する一方、上記気筒内が上記燃料の安定燃焼が可能な状態にはないと判定されたときにおいては、上記安定燃焼状態移行手段による上記燃料の安定燃焼が可能な状態への移行動作後でかつ上記所定の学習実行条件が成立したときに、上記燃料噴射量特性の学習を実行する学習実行手段とを備えていることを特徴とするエンジンの燃料噴射制御装置。
  2. 請求項1記載のエンジンの燃料噴射制御装置において、
    上記安定燃焼状態移行手段は、上記エンジンの吸気弁の開閉時期を可変とする可変タイミング機構の作動を制御して、上記吸気弁の開弁時期を上記気筒内のピストンの吸気上死点後の所定のタイミングまで遅角させることで、上記気筒内を上記燃料の安定燃焼が可能な状態に移行させるように構成されていることを特徴とするエンジンの燃料噴射制御装置。
  3. 請求項2記載のエンジンの燃料噴射制御装置において、
    上記所定のタイミングは、上記可変タイミング機構により可能な最遅角のタイミングであることを特徴とするエンジンの燃料噴射制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載のエンジンの燃料噴射制御装置において、
    上記安定燃焼状態移行手段は、エンジン冷却水の流れを制御する水流制御手段の作動を制御することで、上記気筒内を上記燃料の安定燃焼が可能な状態に移行させるように構成されていることを特徴とするエンジンの燃料噴射制御装置。
  5. 請求項4記載のエンジンの燃料噴射制御装置において、
    上記安定燃焼状態移行手段は、エンジン冷却水の流れを制御する水流制御手段の作動を制御することで、上記エンジン冷却水の、上記エンジンのシリンダブロックへの流入量、及び、上記エンジン冷却水の循環経路の少なくとも一方の調整によって、上記気筒内を上記燃料の安定燃焼が可能な状態に移行させるように構成されていることを特徴とするエンジンの燃料噴射制御装置。
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