JP2004293486A - エンジンの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】排気浄化装置が目詰まりし、排圧が上昇した状態における学習精度低下の抑制、燃費悪化の抑制することにある。
【解決手段】1気筒毎に1サイクル当たり複数の噴射段に分割して燃料を噴射すると共に、分割された噴射段の内、少なくとも最小噴射量となる噴射段の通電時間を調整して所定の安定燃焼が得られるよう制御する燃焼状態制御手段と、所定の安定燃焼を得るのに必要な1サイクル当たりの燃料噴射量を設定する必要燃料噴射量設定手段と、燃焼状態制御手段により所定の安定燃焼が得られた時の最小噴射量となる噴射段の通電時間を、必要燃料噴射量設定手段により設定された必要燃料噴射量から割り出した噴射段の噴射量に対応する通電時間の学習値として記憶更新する学習手段とを備え、学習手段は、排圧パラメータが所定値以上である時、学習手段による学習値の記憶更新を抑制するよう構成される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、メイン噴射に先立ってパイロット噴射を行う等、燃料を分割して噴射するエンジンの制御装置に関し、特に、微少の燃料を安定して噴射できるようにするためのエンジンの制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、エンジンにおいては、インジェクタによる燃料噴射を、1気筒毎に1サイクル当たり複数段に分割して噴射する技術が知られている。
例えば、吸気ポートに燃料を噴射するポート噴射式ガソリンエンジンにおいては、1気筒毎に1サイクル当たり複数段に分割噴射することによって燃料の気化・霧化の向上を図ったり、筒内に直接燃料を噴射する筒内噴射式ガソリンエンジンにおいては、吸気行程と圧縮行程とにそれぞれ燃料を噴射して弱成層燃焼を行う等種々の分割噴射が行われている。
また、ディーゼルエンジンにおいても、メイン噴射に先立ってパイロット噴射を行うことにより、着火安定性及び燃焼性を向上させ、失火防止や燃焼騒音の低減を図ることが行われている。
【0003】
このように、分割噴射を行うエンジンにおいては、1回当たりの噴射量が少なくなり、インジェクタの微少噴射領域を使用することになるため、インジェクタの固体差や経年変化によるバラツキの影響が問題になる。
例えば、後者のパイロット噴射を行うディーゼルエンジンにおいては、メイン噴射の噴射量及びパイロット噴射の噴射量をインジェクタの通電時間によって制御する場合、インジェクタには固体差や、経年変化によって、通電時間と燃料噴射量との対応関係にバラツキがあり、特に、微少噴射領域で噴射するパイロット噴射は、固体差や経年変化によるバラツキの影響が大きくなるため、燃料を安定させて燃焼させることが難しい。また、パイロット噴射以外の分割噴射を行うディーゼルエンジンにおいても同様で、微少噴射量領域で固体差や経年変化によるバラツキの影響を受けることなく安定して燃料を噴射することは難しいものである。
【0004】
そこで、このようなインジェクタの微少噴射領域におけるバラツキの問題に対しては、最小通電時間を学習することで解決しようとすることが考えられている。
例えば、下記特許文献1には、1気筒毎に1サイクル当たり複数段に分割しての燃料を噴射する分割噴射において、分割噴射により所定の安定した燃焼状態が得られた時の少なくとも最小噴射量となる噴射段の通電時間を、所定の燃焼状態を得るのに必要な1サイクル当たりの燃料噴射量から割り出した当該噴射段の噴射量に対する通電時間の学習値として記憶更新することが開示されている。
このような先行技術によれば、インジェクタの固体差や経年変化によるバラツキの影響を受けることなく微少量の燃料を安定して噴射することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開2003−27995号公報
【0006】
一方、エンジンにおいては、排気通路に排気浄化装置、例えば、三元触媒や、NOx吸蔵触媒を配設し、排気浄化を行うことが行われている。
また、ディーゼルエンジンにおいては、排気ガス中に含まれる排気微粒子(カーボン)を大気に放出しないよう排気通路に配設したパティキュレートフィルタにより排気微粒子を捕集することが行われている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、後者のパティキュレートフィルタ等の排気浄化装置を備えたものにおいて、前者の学習制御を適用するようにした場合、パティキュレータフィルタ等の排気浄化装置が詰まった状態において、学習が行われると、学習値の精度が低下するとともに、燃費が悪化するという問題が生じる。
つまり、単に、上記二つの先行技術を組合わせた場合、学習値は、排気浄化装置の詰まりが考慮されないため、例えば、パティキュレートフィルタを備え、パティキュレートフィルタに捕集された排気微粒子量が多い場合、パティキュレータフィルタが詰まった状態となり、パティキュレータフィルタでの排圧が上昇するため、内部EGR量が増加して燃焼状態が悪化する。
従って、燃焼状態を考慮して学習する学習制御においては、本来考慮すべきインジェクタの固体差、経年変化に起因する燃焼状態以外、内部EGR量が過剰となって燃焼効率が極度に低下することに起因する燃焼状態までも加味されることになるため、学習値がインジェクタの固体差、経年変化に対応する値以上に燃料噴射量増加方向に補正され、学習精度が低下するとともに、燃費悪化を生じる。
【0008】
本発明は、以上のような課題に勘案してなされたもので、その目的は、排気浄化装置が目詰まりし、排圧が上昇した状態における学習精度低下の抑制、燃費悪化の抑制可能なエンジンの制御装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明にあってはその解決手法として次のようにしてある。すなわち、本発明の第1の構成において、通電時間の調整により燃料噴射量を制御する電磁式の燃料噴射弁と、
1気筒毎に1サイクル当たり複数の噴射段に分割して燃料を噴射するとともに、分割された噴射段の内、少なくとも最小噴射量となる噴射段の通電時間を調整することで所定の安定した燃焼状態が得られるように制御する燃焼状態制御手段と、
所定の安定した燃焼状態を得るのに必要な1サイクル当たりの燃料噴射量を設定する必要燃料噴射量設定手段と、
上記燃焼状態制御手段により所定の安定した燃焼状態が得られた時の最小噴射量となる噴射段の通電時間を、上記必要燃料噴射量設定手段により設定された必要燃料噴射量から割り出した当該噴射段の噴射量に対応する通電時間の学習値として記憶更新する学習手段とを備えたエンジンの制御装置において、
排気通路内の排圧に関連する排圧パラメータ値を検出する排圧関連パラメータ検出手段を備え、
上記学習手段は、上記排圧関連パラメータ検出手段により検出された排圧パラメータが所定値以上である時、上記学習手段による学習値の記憶更新を抑制するよう構成してある。
本発明の第1の構成によれば、排圧パラメータ値が所定値以上である時、学習値の記憶更新が抑制されるため、排圧が上昇して内部EGR量が増加している状態での学習値の記憶更新が抑制され、学習精度の低下抑制、燃費悪化抑制を図ることができる。
【0010】
本発明の第2の構成において、通電時間の調整により燃料噴射量を制御する電磁式の燃料噴射弁と、
1気筒毎に1サイクルの間に後段噴射の前に後段噴射より噴射量の少ない前段噴射を行う分割噴射手段と、
該分割噴射手段により噴射される前段噴射と後段噴射とを合計した合計噴射量を後段噴射だけで噴射した時に失火する限界噴射時期まで後段噴射の噴射時期を遅らせた状態で、気筒毎の前段噴射と後段噴射との合計噴射量を一定に保ったまま前段噴射のための通電時間を調整することで、前段噴射の失火限界の通電時間を検出する失火限界検出手段と、
該失火限界検出手段により検出された前段噴射の失火限界の通電時間に基づいて前段噴射のための通電時間下限値の学習値として記憶更新する学習手段とを備えたエンジンの制御装置において、
排気通路内の排圧に関連する排圧パラメータ値を検出する排圧パラメータ検出手段を備え、
上記学習手段は、上記排圧検出手段により検出された排圧パラメータ値が所定値以上である時、上記学習手段による学習値の記憶更新を抑制するよう構成してある。
本発明の第2の構成によれば、排圧パラメータ値が所定値以上である時、学習値の記憶更新が抑制されるため、排圧が上昇して内部EGR量が増加している状態での学習値の記憶更新が抑制され、学習精度の低下抑制、燃費悪化抑制を図ることができる。
【0011】
本発明の第3の構成において、上記排気微粒子捕集手段の上流側または下流側の排気通路内における排圧を検出する排圧検出手段或いは上記排気微粒子捕集手段に捕集された排気微粒子量を検出する排気微粒子量検出手段とを備え、
上記排圧パラメータ値検出手段は、上記排圧検出手段或いは排気微粒子量検出手段により構成してある。
本発明の第3の構成によれば、排気微粒子捕集手段の上流側または下流側の排気通路内における排圧、或いは排気微粒子量に捕集された排気微粒子量に基づき、排圧パラメータ値を検出することができる。
【0012】
本発明の第4の構成において、上記学習手段は、予め設定された学習実行間隔毎に学習値の記憶更新を行うとともに、上記排圧検出手段により検出された排圧パラメータ値が所定値以上になり、上記学習手段による学習値の記憶更新が抑制された時は、その後新たな学習値が記憶更新されるまでは一時的に学習実行間隔を短くするよう構成してある。
通常、学習値は、所定の学習実行間隔毎、例えば、所定走行距離毎に新しく算出され、算出された新たな学習値が前回の学習値に変えて記憶更新される。これによって、経年変化に伴う燃料噴射弁の特性の変化を補正することができるものである。
ところが、この学習実行間隔が経過して新たな学習更新タイミングになった時、排気微粒子量が多く学習値の更新ができないと、経年変化によって燃料噴射弁の特性が変化している可能性が高いにも拘わらず、次の学習更新タイミングまで学習値を更新することができないことになる。
本発明の第4の構成によれば、排圧検出手段により検出された排圧パラメータ値が所定値以上になり、学習手段による学習値の記憶更新が抑制された時は、その後新たな学習値が記憶更新されるまでは一時的に学習実行間隔を短くされるため、次の学習値が更新されるまでの間隔が短くされ、学習値を可及的速やかに更新することができる。
【0013】
本発明の第5の構成において、上記学習手段により学習値の記憶更新が抑制された継続回数を計数する学習抑制回数計数手段と、
上記排気微粒子捕集手段に捕集された排気微粒子量が許容値以上になった時、当該排気微粒子捕集手段に捕集された排気微粒子を燃焼除去する再生制御を実行する再生手段とを備え、
該再生手段は、上記学習抑制回数計数手段により学習値の記憶更新が抑制された継続回数が所定回数以上になった時、排気微粒子量が上記許容値以下であっても再生制御を開始し、少なくとも排気パラメータ値が上記所定値より小さくなるまでは再生制御を継続するよう構成してある。
学習実行間隔が経過して新たな学習更新タイミングになった時、排気微粒子量が多く学習の更新ができない場合、学習実行間隔を短くしたとしても、排気微粒子量が許容値に達した後排気微粒子の再生が行われ、排圧が学習可能な所定値以下にならない限り、学習値の更新は行われない。
従って、ドライバーの運転によっては排気微粒子量がなかなか許容値にまで達せず、長期間学習値の更新が行われないことが考えられる。
本発明の第5の構成によれば、学習値の記憶更新が抑制された継続回数が所定回数以上になった時、排気微粒子量が許容値以下であっても再生制御を開始し、少なくとも排気パラメータ値が上記所定値より小さくなるまでは再生制御が継続されるため、排圧が学習可能な排圧まで低下され、学習値を可及的に速やかに更新される。
【0014】
本発明の第6の構成において、上記排気微粒子捕集手段に捕集された排気微粒子量が許容値以上になった時、当該排気微粒子捕集手段に捕集された排気微粒子を燃焼除去する再生制御を実行する再生手段を備え、
該再生手段は、上記学習手段による学習値の記憶更新が抑制された時は、排気微粒子量が上記許容値以下であっても再生制御を開始し、少なくとも排気パラメータ値が上記所定値より小さくなるまでは再生制御を継続するよう構成してある。
本発明の第6の構成によれば、学習値の記憶更新が抑制された時は、排気微粒子量が上記許容値以下であっても再生制御を開始し、少なくとも排気パラメータ値が上記所定値より小さくなるまでは再生制御が継続されるため、排圧が学習可能な排圧まで低下され、学習値を可及的に速やかに更新される。
【0015】
【発明の効果】
本発明によれば、排気浄化装置が目詰まりし、排圧が上昇した状態における学習精度低下の抑制、燃費悪化の抑制を行うことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に関する全体構成図を示しており、1は4気筒ディーゼルエンジンであり、そのディーゼルエンジン1には、吸気通路2、排気通路3が接続されている。
吸気通路2には、その上流側から下流側に向かって順次エアクリーナ4、エアフローセンサ5、VGTターボ過給機(バリアブルジオメトリーターボ)6のブロア6a、インタークーラ7、吸気絞り弁8、吸気温度センサ9、吸気圧力センサ10が配設されている。
排気通路3には、その上流側から下流側に向かって順次VGTターボ過給機(バリアブルジオメトリーターボ)6のタービン6b、タービン6bに流入する排気ガス流速を制御する可動ベーン6c、排気絞り弁11、酸化触媒12、パティキュレートフィルタ13が配設されている。
パティキュレートフィルタ13の上下流には、排気圧力センサ14、15が配設されており、各排気圧力センサ14と15との差圧に基づいてパティキュレートフィルタ13に捕集された排気微粒子量を検出するよう構成されている。
尚、パティキュレートフィルタ13は、捕集された排気微粒子量が飽和量に達すると、排気微粒子が燃焼除去されるよう構成されている。例えば、バーナ(不図示)による燃焼や、主噴射の後の排気行程等において後噴射を行い、その後噴射された燃料を酸化触媒12で酸化させて排気温度を上昇(例えば、300℃以上に上昇)させることによって、排気微粒子が燃焼除去される。
また、吸気通路2と排気通路3とを接続する排気ガス還流通路16が設けられており、その排気ガス還流通路16の途中には負圧アクチュエータ式の排気ガス還流弁17が配設されている。
18は燃料噴射ポンプであり、燃料タンク(図示省略)からの燃料を蓄圧手段としてのコモンレール19に供給する。
コモンレール19は、各気筒の燃焼室1aに配設された燃料噴射弁20(図1では1つのみ図示)に接続されるとともに、そのコモンレール19には、燃料噴射圧センサ21と、コモンレール19内に蓄圧された燃料の圧力が許容圧力以上になった時開弁し、燃料タンク側に燃料をリリーフするための安全弁22が設けられている。
上記燃料噴射弁20は、通電により電磁力で燃料通路を開くことで燃圧により針弁が開作動し、コモンレール19から供給される高圧の燃料を燃焼室1aに直接供給する電磁式であって、燃料噴射量は、通電時間の調整によって制御される。
また、23はエンジン回転数を検出するためのクランク角センサ、24はエンジン水温を検出するためのエンジン水温センサ、25はアクセルペダル(不図示)の開度を検出するためのアクセル開度センサである。
尚、クランク角センサ23は、図示しないが、クランク軸端部に設けた被検出用プレートと、その外周に相対向するように配置された電磁ピックアップとからなり、被検出用プレートの外周部全周に亘って等間隔(例えば、15°CA間隔)に形成された歯(突起部)の通過に対応してパルス信号を出力する。
【0017】
30は、CPU、RAM、ROM、インターフェイス等からなるコントロールユニットであって、エアフローセンサ5、吸気温度センサ9、吸気圧力センサ10、排気圧力センサ14、15、クランク角センサ23、エンジン水温センサ24、アクセル開度センサ25等の各種センサにより検出された信号が入力されるようになっており、検出された各信号に基づいてVGTターボ過給機(バリアブルジオメトリーターボ)6の可動ベーン6c、吸気絞り弁8、排気絞り弁11、排気ガス還流弁17、燃料噴射弁20等各種アクチュエータを制御する。
以下、第1実施形態に関する燃料噴射弁20による燃料噴射制御について、説明する。
【0018】
燃料噴射制御は、予めエンジンの目標トルク及びエンジン回転数に応じて決定した基本的な燃料噴射量マップをECU57のメモリに格納しておいて、アクセル開度センサの出力信号に基づいて求めた目標トルクと、クランク角センサ23の出力信号に基づいて求めたエンジン回転数とに基づいて、エンジンの要求出力に対応する基本的な燃料噴射量を上記燃料噴射量マップから読み込み、その基本的な燃料噴射量をエンジン水温や過給圧等に応じて補正する。また、同様のマップから噴射時期の制御データを読み込む。
【0019】
ここで、上記燃料噴射量マップは、エンジンが高負荷域にあるときには燃料噴射弁20により燃料を圧縮上死点(TDC)近傍で一括して噴射(メイン噴射)させ、一方、エンジンが低負荷ないし中負荷域にあるときには、メイン噴射(後段噴射)に先立ってパイロット噴射(前段噴射)を行うものとして、燃料噴射弁20により、所定量(例えばメイン噴射の10〜40%)の燃料を圧縮行程でパイロット噴射させ、また、エンジン高負荷側ほど、燃料噴射量の増量に対応するようにメイン噴射の開始時期を進角させる設定とされる。
【0020】
また、この第1の実施の形態では、燃料噴射弁20の個体差や経年変化によるバラツキに影響されることなく安定したパイロット噴射を行うことができるよう、多段噴射法により、各気筒2の燃料噴射弁20の微小噴射量域での燃料噴射量に対する通電時間(mmsec)の特性を学習する制御を行う。
【0021】
すなわち、アイドル運転状態において、所定の学習開始トリガーにより学習開始を判定し、1気筒毎に1サイクル当たり複数の噴射段に均等に分割して燃料を噴射する分割噴射に強制移行する。この学習開始判定は、テスト端子ONを学習の開始トリガーとして強制学習開始とするとともに、IG(イグニッション)スイッチONの回数100回毎あるいは車両走行距離10000km毎(但し、学習が全ての設定噴射圧、全ての気筒について終了するまでは、IG及びマイレッジの再カウントを始めない。)に、水温60〜85℃で、外気温度0〜35℃で、アイドル判定後40秒経過という条件のAND成立を開始トリガーとして学習開始と判定する。水温60〜85℃、外気温度0〜35℃の条件は、水温60℃未満あるいは85℃超、外気温度0℃未満あるいは35℃超では、失火条件が変わると考えられるためである。また、アイドル判定後40秒経過は、アイドル運転が安定していることを条件とするためである。また、上述の条件が成立したとしも、排圧が所定値以上の場合は、学習は開始されない。これは、パティキュレートフィルタ13に排気微粒子量が大量に捕集され、排圧が上昇することによって内部EGR量が増加し、燃焼状態が悪化して学習値がずれることを抑制するためである。
【0022】
そして、アイドル運転状態において、例えば図2に示すように、第1気筒(#1)、第3気筒(#3)、第4気筒(#4)、第2気筒(#2)の点火順にそれぞれ例えば3段の分割噴射を行い、所定の安定した燃焼状態が得られるまで、各気筒2の燃料噴射弁20毎に噴射段1段当たりのの通電時間を調整(補正)する。そして、所定の安定した燃焼状態が得られた時の各気筒2の第1段の噴射の通電時間を、各燃料噴射弁20の噴射量に対応する通電時間の学習値として更新記憶する。
【0023】
この学習した通電時間は、所定の安定した燃焼状態を得るのに必要な1サイクル当たりの燃料噴射量(必要噴射量)を噴射段の数で等分した噴射量に対応する通電時間である。そして、トータルの必要噴射量はエンジン仕様等によって(パワステ、エアコン等の負荷についても加味する必要がある)略一義的に決まるから、それが例えば6mm/strで、分割噴射の段数が3であれば、その6mm/strを3分割した2mm/strが噴射段1段毎の噴射量と予測でき、したがって、その噴射量2mm/strに対応する通電時間を学習したことになる。
【0024】
こうして、各気筒2について、噴射段数が2〜5段のいずれか(好ましくは少なくとも4段)の分割噴射を行って、噴射段1段毎の噴射量に対する通電時間を学習し、また、噴射圧(コモンレール圧)を、実用域の異なる複数の噴射圧である例えば35Mpa、55Mpa、85Mpaと所定回数変化させて、それぞれの噴射圧について同様の処理を行うことにより、各燃料噴射弁20について、図3に示すような特性、すなわち、噴射圧毎の、噴射段1段当たりの通電時間(分割噴射量指示値)と噴射量との対応関係を学習できる。
【0025】
各気筒2毎に複数の噴射圧について、それぞれ噴射段数を変えて学習した結果は、補間により、学習対象から外れた周囲の噴射量に対する通電時間の学習値に反映させ、図3に示すような特性を学習する。
【0026】
噴射圧の変化による学習結果の変化は、図4に示すように気筒毎にそれぞれ異なる。また、同一噴射圧で気筒毎に学習した結果を周囲に反映させた特性傾向は、図5に示すように気筒毎にそれぞれ異なる。
【0027】
また、前記のとおり噴射圧は異なる複数の噴射圧となるよう所定回数変化させるが、その際、それら異なる複数の噴射圧毎に予め設定された基本通電時間との偏差を求め、その偏差を補正値として学習値を更新記憶するとともに、前記補正値を周囲の噴射圧における学習値の更新記憶に反映させる。例えば、図6に示すように、学習結果であるTq(通電時間と噴射量との特性)の学習値を、予め定めたベースTqマップの基準値(0μsec)との偏差として記憶し、その値に基づいて、直線補間により、学習対象から外れた噴射圧に対するTq学習値に反映させる。但し、図6に示すように、実際に学習した噴射圧の下限以下(35MPa以下)と、上限以上(85Mpa以上)へは外挿せず、その下限および上限における補正値を持ち続ける。
【0028】
こうして、テスト端子ONか、IGスイッチON100回毎あるいは車両走行距離10000km毎に各気筒2の燃料噴射弁20の微小噴射量域での通電時間に対する通電時間の特性を学習し、その結果に基づいて常時はパイロット噴射を行う。それにより、安定したパイロット噴射が可能となる。例えば、1サイクル当たりの必要噴射量が6mm/strで、それを3分割で噴射して学習した場合、気筒2毎に噴射段1段毎の噴射量と考えられる2mm/strを噴射するのに必要なTq学習値(指令値)が分かるので、ベースTqマップ上での2mm/str時Tq値との差を補正値として、以降のパイロット噴射のTq指令値に±補正する。それによって、噴射量2mm/strのパイロット噴射を安定化させることができる。
【0029】
この第1実施形態の多段噴射法による学習制御は、図7に示すフローチャートにより実行する。以下、図7のフローチャートに基づいて前記多段噴射法による学習制御の具体的な処理を説明する。
【0030】
このフローチャートの処理は、テスト端子ONか、IGスイッチON100回毎あるいは車両走行距離10000km毎にスタートし、スタートすると、ステップS1乃至S3で、学習実行可能な条件にあるか否か判定する。
具体的には、まず、ステップS1で、学習条件が成立しているか否か判定する。例えば、水温60〜85℃で、外気温度0〜35℃で、アイドル判定後40秒経過という条件のAND成立時に学習実行と判定する。
次に、ステップS2では、排気圧力センサ14により検出された排圧が所定値以下であるか否か判定する。ここで、所定値とは、パティキュレートフィルタ13に排気微粒子が大量に捕集され、燃焼状態に影響を与える程度の値として設定されている。
最後に、ステップS3では、運転状態に応じて設定された異なる回数(2〜5段)の多段噴射の内、4段の分割噴射が可能な運転状態かどうかを判定し、これら全ての条件が成立した時、ステップS4以降の処理に進み、学習が行われる。
【0031】
ステップS4では、燃焼を安定させるよう、燃焼に係わる各種デバイスの設定を固定する。すなわち、EGR弁17、吸気絞り弁8の制御を停止し、VGT目標過給圧を固定する。そして、目標レール圧(噴射圧)を例えば3段階のいずれかに固定する。また、所定の順番に学習対象とする気筒(#n)について、各噴射段の通電時間であるQ指示値(分割噴射量指示値)を固定し、各段の噴射タイミングを固定し、また、各噴射段に対して、燃料噴射弁20の開閉による圧力波の影響を考慮して各段の噴射を均等化するためのインターバル補正を織り込む。
【0032】
そして、ステップS5で、目標アイドル回転数を設定し、次いで、ステップS6で、燃料噴射量(通電時間)の調整によるアイドルスピードコントロール(ISC)によってエンジンの回転数を安定化させるとともに、回転速度(角速度)変動が各気筒均等になるように燃料噴射量を調整する(気筒間補正)。例えば、回転速度(角速度)変動が一番大きい気筒と一番小さい気筒の平均値相当になるよう、燃料噴射量を調整する。
【0033】
そして、ステップS6で、回転数および気筒間変動が安定するのを待つために、規定時間または規定サイクルが経過したか否かを見て、経過していなかったらステップS6に戻り、経過したら次のステップS7へ進む。
【0034】
そして、ステップS7へ進むと、回転数および気筒間変動が安定した状態でのステップS6による気筒間補正後の第1段目の噴射段のTq学習値(指示値)を更新記憶する。これで、その気筒の学習が噴射圧1段階について終了する。
【0035】
そして、ステップS8へ進み、レール圧(噴射圧)が3段階完了したか否かを見て、完了していないときは、ステップS4へ戻る。そして、目標レール圧を変えてステップS7までの処理を繰り返す。学習の順番は、噴射圧の低い方からの順番とするのがよい。
【0036】
そして、レール圧3段階が完了すれば、ステップS9へ進み、4気筒全部について学習が完了したか否かを見て、完了していなければ、ステップS4へ戻り、対象気筒を変えてステップS8までの処理を繰り返す。そして、完了すれば、この制御を終了する。
【0037】
なお、このフローチャートによる学習制御は、分割噴射を例えば3段とか4段とかに固定して行う例であって、段数を変える場合には改めてフローを開始する必要があるが、同一フローの処理の中で分割噴射の段数を順次変化させるような制御とすることも可能である。
【0038】
また、前記第1実施形態では、分割噴射の各段の噴射量の設定を均一なものとしたが、各噴射段の噴射量の設定は差異があってもよく、その場合、少なくとも最小噴射量となる噴射段の通電時間を学習することで、微小噴射量域での安定した噴射のための通電時間を学習することができる。
【0039】
以上のように、第1実施形態によれば、パティキュレートフィルタ13に排気微粒子が大量に捕集され、燃焼状態に影響を与える所定値以上に排圧が上昇した時、学習値の記憶更新が抑制されるため、学習精度の低下抑制と、燃費悪化抑制とを図ることができる。
【0040】
(第2実施形態)
第2実施形態は、燃料噴射弁20の個体差や経年変化によるバラツキに影響されることなく安定したパイロット噴射を行うことができるよう、失火検出法によってパイロット噴射の下限値(失火限界の通電時間)を学習する制御を行うものである。エンジン制御系の全体構造は、前記第1実施形態に係る図1のものと同様であり、基本的な制御も前記第1実施形態で説明したものと同様である。また、エンジンが高負荷域にあるときには燃料噴射弁20により燃料を圧縮上死点(TDC)近傍で一括して噴射(メイン噴射)させ、一方、エンジンが低負荷ないし中負荷域にあるときには、メイン噴射に先立って所定量(例えば、メイン噴射の10〜40%)の燃料を圧縮行程でパイロット噴射させ、また、エンジン高負荷側ほど、燃料噴射量の増量に対応するようにメイン噴射の開始時期を進角させる点も前記第1実施形態と同様である。
【0041】
この第2実施形態において、失火検出法による学習制御は、アイドル運転状態において実行するもので、所定の学習開始トリガーにより学習開始を判定する。
この学習開始判定は、前記第1実施態様の多段噴射法と同様、テスト端子ONを学習の開始トリガーとして強制学習開始とするとともに、IG(イグニッション)スイッチONの回数100回毎あるいは車両走行距離10000km毎(但し、学習が全ての設定噴射圧、全ての気筒について終了するまでは、IG及びマイレッジの再カウントを始めない。)に、水温60〜85℃で、外気温度0〜35℃で、アイドル判定後40秒経過という条件のAND成立を開始トリガーとして学習開始と判定するものである。また、上述の条件が成立したとしも、排圧が所定値以上の場合は、学習は開始されない。これは、パティキュレートフィルタ13に排気微粒子量が大量に捕集され、排圧が上昇することによって内部EGR量が増加し、燃焼状態が悪化して学習値がずれることを抑制するためである。
【0042】
そして、アイドル運転状態において、例えば図8に示すように、第1気筒(#1)、第3気筒(#3)、第4気筒(#4)、第2気筒(#2)の点火順にそれぞれパイロット噴射とメイン噴射とからなる燃料噴射を行いつつ、1気筒毎にメイン噴射の噴射量とパイロット噴射の噴射量とを合計した噴射量(必要噴射量)をメイン噴射だけで噴射した時に失火する限界噴射時期までメイン噴射の噴射時期をリタードさせ(図8に矢印▲1▼で示す)、次いで、そのリタードした状態で、1サイクル毎のトータルの噴射量は変えずに、メイン噴射とパイロット噴射とに分け、パイロット噴射のための通電時間を変化(漸減あるいは漸増)させて(図8に矢印▲2▼で示す)、パイロット噴射の失火限界の通電時間を検出し、その検出したパイロット噴射の失火限界の通電時間に基づいてパイロット噴射のための通電時間下限値の学習値を更新記憶する。
【0043】
なお、この場合の噴射時期のリタードは、学習対象とする気筒(図8においては#1)のみのリタード(図8の矢印▲1▼)でもよいし、全気筒をリタードさせるのでもよい(図8に矢印▲1▼’で示す)。学習するレール圧(噴射圧)は、例えば35Mpa、55Mpa、85Mpaの3水準とするが、85Mpaとかの高い噴射圧については、エンジン音が大きくなっユーザー(ドライバー)の違和感を与える恐れがあるため、全気筒についてリタードさせ、半失火させることによって、音を抑えるようにするのがよい。
【0044】
この第2実施形態において、失火限界は、エンジンの回転速度変動(角速度変動)によって検出する。具体的には、全気筒をリタードさせる例について説明すると、例えば図9に示すように、学習対象の気筒が#4である場合に、#1、#3、#4、#2の点火順にそれぞれパイロット噴射とメイン噴射とからなる燃料噴射を行い、その噴射時期を、必要噴射量をメイン噴射だけで噴射した時に失火する限界噴射時期までリタードさせて、その状態で、#4のみ、パイロット噴射の噴射量を小さくするようパイロット噴射の通電時間(パルス幅)を漸減させ、学習対象とした気筒(#4)のについて、クランク角センサ23の被検出用プレートの外周部に形成された15゜CA(クランク角)間隔の歯のうち、例えば、着火順序が当該学習対象気筒(#4)の直前の気筒(#3)の上死点(TDC)位置を検出した7歯目の通過時間と、上死点後(ATDC)105゜CAを検出した2歯目の通過時間との時間差から算出した値を、回転速度差(回転速度差4)に対応する回転速度時間差(回転速度時間差4)すなわち回転速度変動として、その値が所定値以上となった時の当該学習対象気筒(#4)のパイロット噴射の通電時間を、失火限界と判定する。
【0045】
回転速度変動による失火限界の検出は、このように回転速度差(回転速度時間差)が所定値(絶対値)以上であるかどうかを判定することで可能であり、検出した失火限界の通電時間もしくは、その通電時間に燃焼安定性を考慮して所定の通電時間を加算した通電時間を制御の下限値として学習する。この方法を図10にaで示す。aは、回転速度差を本来の失火限界回転速度差よりも安定して燃焼する図10の下方側に設定し、その時の通電時間を制御の下限値として学習するものである。また、他の気筒との回転速度差を見て判定してもよい。例えば、#1を検出しているときは#4を、#3を検出しているときは#2を見る。また、図10にbで示すように、失火の変曲点を見つけて、その変曲点から所定量下方(回転変動差が小さく安定して着火する側)にbを設定し、その時の通電時間を制御の下限値として学習することもできる。
【0046】
そして、噴射圧(コモンレール圧)を、実用域の異なる複数の噴射圧である例えば35Mpa、55Mpa、85Mpaと所定回数変化させて、それぞれの噴射圧について同様の処理を行う。また、各噴射圧で気筒毎に学習した結果を周囲に反映させる。圧力は低いほうからの順番とする。
【0047】
噴射圧の変化による学習結果の変化は、例えば図11に示すように、気筒毎にそれぞれ異なる。また、同一噴射圧で気筒毎に学習した結果を周囲に反映させた特性傾向は、図12に示すように気筒毎にそれぞれ異なる。
【0048】
こうした制御で各気筒を順次学習する。その学習の順序は、学習中の気筒と、その次ぎに学習する気筒との点火順序が隣接したのでは、角速度変動の影響を受けて後の気筒が失火し、失火が連続してエンストの恐れがあるため、#1、#2、#4、#3の順番に各気筒の学習を行うようにするのがよい。
【0049】
こうして、テスト端子ONか、IGスイッチON100回毎あるいは車両走行距離10000km毎に各気筒2の燃料噴射弁20の微小噴射量域での通電時間に対する通電時間の特性を学習し、その結果に基づいてパイロット噴射を行う。それにより、安定したパイロット噴射が可能となる。
【0050】
この第2実施形態の失火検出法による学習制御は、図13に示すフローチャートにより実行する。以下、図13のフローチャートに基づいて前記失火検出法による学習制御の具体的な処理を説明する。
【0051】
このフローチャートの処理は、テスト端子ONか、IGスイッチON100回毎あるいは車両走行距離10000km毎にスタートし、スタートすると、ステップS10、S11で、学習実行判定を行う。
具体的には、まず、ステップS10で、学習条件が成立しているか否か判定する。例えば、水温60〜85℃で、外気温度0〜35℃で、アイドル判定後40秒経過という条件のAND成立時に学習実行と判定する。
次に、ステップS11では、排気圧力センサ14により検出された排圧が所定値以下であるか否か判定する。ここで、所定値とは、パティキュレートフィルタ13に排気微粒子が大量に捕集され、燃焼状態に影響を与える程度の値として設定されている。そして、これら二つの条件が共に成立した時、ステップS12以降の処理に進み、学習が行われる。
【0052】
そして、ステップS12では、燃焼を安定させるよう、燃焼に係わる各種デバイスの設定を固定する。すなわち、EGR弁17、吸気絞り弁8の制御を停止し、VGT目標過給圧を固定する。そして、目標レール圧(噴射圧)を例えば3段階のいずれかに固定する。また、所定の順番に学習対象とする気筒(#n)について、パイロット噴射の通電時間であるQ指示値(パイロット噴射指示値)を固定し、メイン噴射タイミングを固定し、また、燃料噴射弁20の開閉による圧力波の影響を考慮するためのパイロットインターバルを固定する。そして、目標アイドル回転数を設定する。
【0053】
次いで、ステップS13で、学習対象気筒(#n)についてのみ、噴射タイミングを変更(失火限界手前までリタード)して固定し、それに合わせてメイン噴射タイミングおよびパイロットインターバルを変更して固定する。ここで、学習対象気筒(#n)の噴射タイミングおよびパイロットインターバルは、実際にパイロット噴射がゼロになると必ず失火する条件で設定する。その条件はレール圧によって異なるものである。また、この時、他の気筒の噴射タイミングおよびパイロットインターバルも同様に変更することも可能である。
【0054】
そして、ステップS14で、燃料噴射量(通電時間)の調整によるアイドルスピードコントロール(ISC)によってエンジンの回転数を安定化させるとともに、回転速度(角速度)変動が各気筒均等になるように燃料噴射量を調整する(気筒間補正)。その際、気筒間補正の補正量はメイン噴射の通電時間(Q指示値)にのみ反映する。
【0055】
そして、ステップS15で、気筒間補正の学習を一旦停止する。各燃料噴射弁20への補正値は保持する。
【0056】
そして、ステップS16で、学習対象気筒(#n)について、パイロット噴射の通電時間(Q指示値)を徐々に減らしていき、減らした分だけメイン噴射の通電時間(Qmain)を増やす。
【0057】
そして、ステップS17で、学習対象気筒(#n)について、回転速度を規定回数計算し、ステップS208で、回数速度差が閾値を越えた回数が規定回数以上かどうかで失火を判定する。ここでは、回数速度差が閾値を越えた回数が規定回数以上のときに失火と見なすのであり、ステップS208の判定で、失火と判定しなかった時は、ステップS206へ戻り、ステップs207までの処理を繰り返す。
【0058】
そして、ステップS18で失火と判定した時は、ステップS19で、その失火し始めたと時のパイロット噴射の通電時間(TQ)を更新記録する。
【0059】
そして、ステップS20で、その失火し始めたと時のパイロット噴射の通電時間(TQ)に所定の余裕代(α)を持たせて、学習対象気筒(#n)のパイロット噴射通電時間(TQ)を固定する。但し、パイロット噴射のQ指示値は、安定して噴ける値にしてから学習を開始できるよう、前回の学習値に対する反映量に所定のガード(例えば前回学習値+0.5)をかける。これで、その学習対象気筒(#n)の学習が噴射圧1段階について終了する。
【0060】
そして、ステップS21へ進み、レール圧(噴射圧)が3段階完了したか否かを見て、完了していないときは、ステップS12へ戻る。そして、目標レール圧を変えてステップS21までの処理を繰り返す。学習の順番は、噴射圧の低い方からの順番とするのがよい。
【0061】
そして、レール圧3段階が完了すれば、ステップS22へ進み、4気筒全部について学習が完了したか否かを見て、完了していなければ、ステップS12へ戻り、対象気筒を変えてステップS21までの処理を繰り返す。
【0062】
そして、全気筒完了すれば、ステップステップS23で、通常の条件に戻して、ISCおよび気筒間補正の制御を実行し、補正量はメイン噴射の噴射指示値Qのみ反映する。そして制御を終了する。
【0063】
なお、この第2実施形態では、パイロット噴射とメイン噴射の噴射量の合計を一定としてパイロット噴射量の変化に伴いメイン噴射量を変化させているが、メイン噴射量を一定としてパイロット噴射量のみを変化させる方法も可能である。
【0064】
以上のように、第2実施形態によれば、パティキュレートフィルタ13に排気微粒子が大量に捕集され、燃焼状態に影響を与える所定値以上に排圧が上昇した時、学習値の記憶更新が抑制されるため、学習精度の低下抑制と、燃費悪化抑制とを図ることができる。
【0065】
以上、多段噴射法による第1実施形態および失火検出法による第2実施形態について説明したが、いずれの場合についても該当する事項として、さらに次の点に留意が必要である。
【0066】
a.学習するレール圧(噴射圧)によって、学習に最適な噴射タイミング、インターバル等の要求が異なるため、噴射タイミング、インターバル等の設定は学習するレール圧に対して個々別々に決めるようにするのがよい。
【0067】
b.各噴射圧、各気筒の学習が終了して次の噴射圧、気筒の学習に移る前に、学習結果を復習するルーチンを設け、各噴射圧、各気筒の学習終了後毎回、10サイクル程度は学習結果を反映した運転を実施し、失火確認0回であれば次の学習を開始するようにするのがよい。
【0068】
c.次の▲1▼〜▲3▼を学習の禁止条件とし、学習中それらの条件に該当した時は、直ちに学習を中止し、次に学習条件が成立するまで学習しないようにするのがよい。
▲1▼図7のフローチャートのS101および図13のフッローチャートのS201で説明した学習実行判定の条件を逸脱した場合
▲2▼アイドル判定から外れた場合
▲3▼図7のフローチャートのS105あるいは図13のフッローチャートのS208の判定がNOの場合のルーチンが10回以上回ってしまった場合(この場合は、直ちに学習を中止し、次のIGONまで学習しない。)
【0069】
d.途中で学習を停止しても、次回に、停止したところから開始できるよう、気筒別圧力別学習終了フラグを設定するのがよい。
【0070】
(第3実施形態)
第3実施形態は、第1実施形態、第2実施形態における学習実行間隔及びパティキュレートフィルタ13の再生制御を変更する例を示し、具体的には、次のとおりである。
学習実行間隔については、パティキュレートフィルタ13に排気微粒子が大量に捕集され、燃焼状態に影響を与える所定値以上に排圧が上昇し学習値の記憶更新が抑制された時、学習実行間隔(IGスイッチON100回毎あるいは車両走行距離10000km毎)を短くして、学習値の記憶更新をし易くする例を示す。
また、パティキュレートフィルタ13の再生制御については、上述のように学習実行間隔を短くしても所定回数継続して学習値の記憶更新がなされない場合、パティキュレートフィルタ13に捕集された排気微粒子量が許容値以下であっても強制的に排気微粒子を燃焼させて再生し、排圧を学習可能な排圧以下まで低下させ、確実に学習値の記憶更新が行える例を示す。
尚、第3実施形態では、上述の学習条件間隔IGスイッチON100回毎あるいは車両走行距離10000km毎の内、後者の車両走行距離10000km毎にのみ学習を行い、排圧上昇に伴い学習値の記憶更新が抑制された時は、車両走行距離10000km毎から車両走行距離100km毎にその間隔を短くして学習値を記憶更新する例として説明する。
以下、図14、図15、図16に基づいて説明する。
【0071】
図14に示すフローチャートは、所定時間毎に処理され、本処理によって設定された学習間隔、車両走行距離10000km毎あるいは車両走行距離100km毎に、図7あるいは図13で示した学習値を算出するためのフローチャートをスタートさせる。
まず、ステップS30では、排気圧力センサ14により検出された排圧が所定値以下であるか否か判定する。ここで、所定値とは、パティキュレートフィルタ13に排気微粒子が大量に捕集され、燃焼状態に影響を与える程度の値として設定されている。
【0072】
ステップS30でYESと判定された時、つまり、排圧が低く、学習値への影響がない場合、ステップS31に進み、学習実行間隔Aを10000kmに設定する。
また、ステップS30でNOと判定された時、つまり、排圧が高く、学習値への影響が懸念される場合、ステップS32に進み、学習実行間隔Aを100kmと短い値に設定する。
【0073】
ステップS33では、走行距離をカウントし、続く、ステップS34ではステップS33でカウントされた走行距離が、ステップS31、S32のいずれかで設定された学習実行間隔Aに達したか否か判定する。
また、ステップS34でNOと判定された時は、学習値更新すべき走行距離に達していないことから、ステップS35乃至S39の処理をバイパスする。
【0074】
ステップS34でYESと判定された時、つまり、カウントされた走行距離が学習実行間隔Aに達した場合、ステップS35に進み、図7、図13で示す学習処理実行指令を出力し、ステップS36でカウントされた走行距離をリセットする。
【0075】
ステップS37では、設定された学習実行間隔Aが短い間隔100kmであつたか否か判定する。
ステップS37でYESと判定された時は、ステップS38に進み、短い学習実行間隔Aでの学習指令回数C(学習指令の継続回数)をカウントする。
また、ステップS37でNOと判定された時は、学習指令回数Cを0にリセットしてリターンする。
【0076】
次に、図15に基づいてパティキュレートフィルタ13の再生処理について、説明する。
尚、パティキュレートフィルタ13の再生方法は、種々あるものの、本実施形態では、燃料噴射弁20から噴射される噴射形態の変更によって行われる例を示す。具体的には、主噴射の後の排気行程等において後噴射を行い、その後噴射された燃料を酸化触媒12で酸化させて排気温度を上昇(例えば、300℃以上に上昇)させることによって、排気微粒子が燃焼除去される。
【0077】
図15のステップS40において、パティキュレートフィルタ13に捕集された排気微粒子量が許容値αに達したか否か判定する。
ここで、排気微粒子量は、各排気圧力センサ14と15との差圧に基づいて検出される。
【0078】
ステップS40でYESと判定された時は、ステップS41に進み、燃料噴射弁20から、主噴射に加え後噴射を行い、排気微粒子を燃焼除去することによってパティキュレートフィルタ13の再生を開始し、続く、ステップS42で排気微粒子量が略0近傍の値βより小さくなったと判定されるまで再生を継続し、排気微粒子量が略0近傍の値βより小さくなった時、ステップS43で再生を終了する。
【0079】
また、ステップS40でNOと判定された時、つまり、パティキュレートフィルタ13に捕集された排気微粒子量が許容値にまで達してない場合、ステップS44に進む。
ステップS44では、図14のフローチャートにおいてカウントされた学習間隔が短くされた状態での学習指令回数Cが所定回数γ以上か否か判定する。
ステップS44でYESと判定された時、つまり、学習間隔Aを短くしているにも関わらず、学習値の記憶更新が行われず、学習値がずれている状態が続いている場合、許容値αに達していない場合であってもステップS41に進み、強制的に再生処理を行う。
また、ステップS44でNOと判定された時は、再生処理行うことなくリターンする。
【0080】
以上のように、第3実施形態によれば、排圧が高い場合学習実行間隔Aが短くされるため、学習実行間隔が経過して新たな学習更新タイミングになった時に、排気微粒子量が多く排圧が高くて学習値の更新ができない場合であっても、次の学習値が更新されるまでの学習実行間隔Aが短くされ、学習値を可及的速やかに更新することができる。
【0081】
また、学習実行間隔Aを短くしても、その後パテキュレートフィルタ13の再生処理が行われ、学習が抑制される所定値よりも排圧が低下しない限り学習値の記憶更新は行われない。
つまり、図16に示すように、学習が抑制される所定値は、再生処理が開始される許容値αよりも小さい値a相当の値(排圧は、排気微粒子量に依存しているため、排気微粒子量を示す図16に表す)とされており、排圧がa以上になった後、排気微粒子量が許容値αに達するまでの期間は、ドライバーの運転に依存するため、負荷の低い走行が継続されると、排気微粒子量がなかなか許容値αまで達しない場合がある。
しかしながら、第3実施形態によれば、学習値の記憶更新が抑制された継続回数が所定回数γ以上になった時、排気微粒子量が許容値以下α以下であっても再生制御を開始し、所定値aより小さい排気微粒子量が略0となるまでは再生制御が継続されるため、排圧が学習可能な排圧まで低下され、学習値を可及的に速やかに更新することができる。
尚、第3実施形態では、排気微粒子量が略0になるまで再生処理を継続する例を示したが、少なくとも学習の抑制が解除される所定値aよりも若干小さくなるまで再生が継続されればよい。
【0082】
(第4実施形態)
第4実施形態は、第1実施形態、第2実施形態におけるパティキュレートフィルタ13の再生制御を変更する例を示し、具体的には、次のとおりである。
第4実施形態では、排圧が所定値以上になり、一度でも学習値の記憶更新が抑制された時は、パティキュレートフィルタ13に捕集された排気微粒子量が許容値α以下であっても、強制的に再生処理を開始する例を示す。
以下、図17に基づいて説明する。
【0083】
図17のステップS50において、パティキュレートフィルタ13に捕集された排気微粒子量が許容値αに達したか否か判定する。
ここで、排気微粒子量は、各排気圧力センサ14と15との差圧に基づいて検出される。
【0084】
ステップS50でYESと判定された時は、ステップS51に進み、燃料噴射弁20から、主噴射に加え後噴射を行い、排気微粒子を燃焼除去することによってパティキュレートフィルタ13の再生を開始し、続く、ステップS52で排気微粒子量が略0近傍の値βより小さくなったと判定されるまで再生を継続し、排気微粒子量が略0近傍の値βより小さくなった時、ステップS53で再生を終了する。
【0085】
また、ステップS50でNOと判定された時、つまり、パティキュレートフィルタ13に捕集された排気微粒子量が許容値にまで達してない場合、ステップS54に進む。
ステップS54では、排圧が所定値a以上か否か判定する。
ステップS54でYESと判定された時、つまり、排圧が所定値a以上で、学習値の記憶更新が抑制されている場合、許容値αに達していない場合であってもステップS51に進み、強制的に再生処理を行う。
また、ステップS54でNOと判定された時は、再生処理行うことなくリターンする。
【0086】
以上のように、実施形態4によれば、排圧が所定値a以上になり、学習値の記憶更新が抑制された時は、排気微粒子量が許容値以下α以下であっても再生制御を開始し、所定値aより小さい排気微粒子量が略0となるまでは再生制御が継続されるため、排圧が学習可能な排圧まで低下され、学習値を可及的に速やかに更新することができる。
尚、第4実施形態では、排気微粒子量が略0になるまで再生処理を継続する例を示したが、少なくとも学習の抑制が解除される所定値aよりも若干小さくなるまで再生が継続されればよい。
【0087】
尚、本実施形態では、本発明をディーゼルエンジンに適用する例を示したが、その他ポート噴射型ガソリンや、筒内噴射式ガソリンエンジンに適用することもできる。
【0088】
また、本実施形態では、排気浄化装置としてパティキュレートフィルタ13の例を示したが、その他、排気ガスの空燃比が理論空燃比よりもリーンの時NOxを吸収し、排気ガスの空燃比がリッチになるにつれてNOxを放出するNOx吸蔵触媒や、排気ガスの空燃比が略理論空燃比の時、HC、CO、NOxを浄化する三元触媒に適用することもできる。
【0089】
また、本実施形態では、前段噴射と後段噴射の例として、ディーゼルエンジンのパイロット噴射とメイン噴射との例を示したが、その他、筒内噴射式ガソリンエンジンにおいて、少量の燃料を噴射する吸気行程噴射(前段噴射)と主燃料となる燃料を噴射する圧縮行程噴射(後段噴射)とに分割して噴射する等、ガソリンエンジンの分割噴射にも適用することもできる。
【0090】
また、本実施形態では、燃料噴射用の燃料噴射弁として、電磁式の燃料噴射弁以外に、ピエゾ素子をアクチュエータとした燃料噴射弁等を使用したデーゼルエンジンにも適用できる。
【0091】
また、本実施形態は、パイロット噴射に限らず、例えば、低速低負荷時に略均等に2分割、3分割等の噴射を行う分割噴射等、多様な分割噴射に広く適用することができる。
【0092】
また、本実施形態では、パティキュレートフィルタ13に捕集された排気微粒子量を、パティキュレートフィルタ13の上下にそれぞれ配置された排気圧力センサ14、15の排圧差に基づいて検出する例を示したが、その他、上流側の圧力センサ14を廃止し、上流側の排圧は、エンジン回転数やエンジン負荷の運転状態に基づいて推定し、推定された排圧と下流側で検出された排圧との排圧差に基づいて検出するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に関する全体構成図。
【図2】実施形態1に関する学習時の噴射形態の説明図。
【図3】実施形態1に関する分割噴射時の態様変化及び噴射圧の変化による学習制御の説明図。
【図4】実施形態1に関する噴射圧の変化による気筒毎の学習結果の比較を示すグラフ。
【図5】実施形態1に関する同一噴射圧での気筒毎の学習結果の比較を示すグラフ。
【図6】実施形態1に関する学習結果の反映方法ほ示すグラフ。
【図7】実施形態1に関する学習制御のフローチャート。
【図8】実施形態2に関する学習時の噴射形態の説明図。
【図9】実施形態2に関する学習制御を説明するためのタイムチャート。
【図10】実施形態2に関する学習制御のための失火判定を説明するグラフ。
【図11】実施形態2に関する噴射圧の変化による気筒毎の学習値の変化を示すグラフ。
【図12】実施形態2に関する気筒毎の学習結果を示すグラフ。
【図13】実施形態2に関する学習制御のフローチャート。
【図14】実施形態3に関する学習制御のフローチャート。
【図15】実施形態3に関する再生制御のフローチャート。
【図16】実施形態3に関するタイムチャート。
【図17】実施形態4に関する学習制御のフローチャート。
【符号の説明】
1:ディーゼルエンジン
3:排気通路
13:パティキュレートフィルタ(排気微粒子捕獲手段)
14、15:排気圧力センサ
20:燃料噴射弁
30:コントロールユニット

Claims (6)

  1. 通電時間の調整により燃料噴射量を制御する電磁式の燃料噴射弁と、
    1気筒毎に1サイクル当たり複数の噴射段に分割して燃料を噴射するとともに、分割された噴射段の内、少なくとも最小噴射量となる噴射段の通電時間を調整することで所定の安定した燃焼状態が得られるように制御する燃焼状態制御手段と、
    所定の安定した燃焼状態を得るのに必要な1サイクル当たりの燃料噴射量を設定する必要燃料噴射量設定手段と、
    上記燃焼状態制御手段により所定の安定した燃焼状態が得られた時の最小噴射量となる噴射段の通電時間を、上記必要燃料噴射量設定手段により設定された必要燃料噴射量から割り出した当該噴射段の噴射量に対応する通電時間の学習値として記憶更新する学習手段とを備えたエンジンの制御装置において、
    排気通路内の排圧に関連する排圧パラメータ値を検出する排圧関連パラメータ検出手段を備え、
    上記学習手段は、上記排圧関連パラメータ検出手段により検出された排圧パラメータが所定値以上である時、上記学習手段による学習値の記憶更新を抑制することを特徴とするエンジンの制御装置。
  2. 通電時間の調整により燃料噴射量を制御する電磁式の燃料噴射弁と、
    1気筒毎に1サイクルの間に後段噴射の前に後段噴射より噴射量の少ない前段噴射を行う分割噴射手段と、
    該分割噴射手段により噴射される前段噴射と後段噴射とを合計した合計噴射量を後段噴射だけで噴射した時に失火する限界噴射時期まで後段噴射の噴射時期を遅らせた状態で、気筒毎の前段噴射と後段噴射との合計噴射量を一定に保ったまま前段噴射のための通電時間を調整することで、前段噴射の失火限界の通電時間を検出する失火限界検出手段と、
    該失火限界検出手段により検出された前段噴射の失火限界の通電時間に基づいて前段噴射のための通電時間下限値の学習値として記憶更新する学習手段とを備えたエンジンの制御装置において、
    排気通路内の排圧に関連する排圧パラメータ値を検出する排圧パラメータ検出手段を備え、
    上記学習手段は、上記排圧検出手段により検出された排圧パラメータ値が所定値以上である時、上記学習手段による学習値の記憶更新を抑制することを特徴とするエンジンの制御装置。
  3. 排気通路に設けられ、排気ガス中の排気微粒子を捕集する排気微粒子捕集手段と、
    該排気微粒子捕集手段の上流側または下流側の排気通路内における排圧を検出する排圧検出手段或いは上記排気微粒子捕集手段に捕集された排気微粒子量を検出する排気微粒子量検出手段を備え、
    上記排圧パラメータ値検出手段は、上記排圧検出手段或いは排気微粒子量検出手段により構成されることを特徴とする請求項1または2に記載のエンジンの制御装置。
  4. 上記学習手段は、予め設定された学習実行間隔毎に学習値の記憶更新を行うとともに、上記排圧検出手段により検出された排圧パラメータ値が所定値以上になり、上記学習手段による学習値の記憶更新が抑制された時は、その後新たな学習値が記憶更新されるまでは一時的に学習実行間隔を短くするよう構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載のエンジンの制御装置。
  5. 上記学習手段により学習値の記憶更新が抑制された継続回数を計数する学習抑制回数計数手段と、
    上記排気微粒子捕集手段に捕集された排気微粒子量が許容値以上になった時、当該排気微粒子捕集手段に捕集された排気微粒子を燃焼除去する再生制御を行う再生手段とを備え、
    該再生手段は、上記学習抑制回数計数手段により学習値の記憶更新が抑制された継続回数が所定値以上になった時、排気微粒子量が上記許容値以下であっても再生制御を開始し、少なくとも排気パラメータ値が上記所定値より小さくなるまでは再生制御を継続するよう構成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載のエンジンの制御装置。
  6. 上記排気微粒子捕集手段に捕集された排気微粒子量が許容値以上になった時、当該排気微粒子捕集手段に捕集された排気微粒子を燃焼除去する再生制御を行う再生手段を備え、
    該再生手段は、上記学習手段により学習値の記憶更新が抑制された時は、排気微粒子量が上記許容値以下であっても再生制御を開始し、少なくとも排圧パラメータ値が上記所定値よりも小さくなるまでは再生制御を継続するよう構成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載のエンジンの制御装置。
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