JP2002070596A - 内燃機関の吸気弁駆動制御装置 - Google Patents
内燃機関の吸気弁駆動制御装置Info
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Abstract
動角変更機構1と、吸気弁12の作動角の中心位相を変
化させる位相変更機構2と、を備える。作動角変更機構
1による吸気弁の開時期の変化量を、位相変更機構2に
よる吸気弁の開時期の変化量よりも大きく設定する。中
回転域から極低回転域への移行時のように、バルブオー
バーラップ量を減少させる場合、主として作動角変更機
構1により作動角を減少することにより、吸気弁12の
開時期を遅角化する。 【効果】 バルブオーバーラップ量を素早く低下させる
ことができる。バルブオーバーラップ量を十分に大きく
設定できる。
Description
角を変化させる作動角変更機構と、主に吸気弁の作動角
の中心位相を変化させる位相変更機構とを備えた内燃機
関の吸気弁駆動制御装置に関する。
リカ・新型車解説書には、クランクシャフトによって駆
動されるオイルポンプからの油圧に応じて高速用カムと
低速用カムとを切り換えることにより、吸気弁の作動角
を変更する作動角変更機構と、クランクシャフトと同期
して回転するカムプーリ(回転体)と吸気カムシャフト
とを相対回転させることにより、吸気弁の作動角の中心
位相を変更する位相変更機構とを備えた吸気弁駆動制御
装置が開示されている。
弁及び排気弁の双方が開弁するバルブオーバーラップ量
を十分に設けることにより、内部EGRを高め、ポンピ
ングロスをなくし、燃費性能や排気性能の向上を図りた
い。一方、アイドル等の極低回転域では、主に燃焼安定
性を確保するために、バルブオーバーラップ量を無くし
て残留ガスを解消する必要がある。従って、例えば中負
荷域から極低負荷域への急減速時には、バルブオーバー
ラップ量を速やかに減少させる必要がある。
低速域のように機関回転数が低くオイルポンプからの油
圧が低い状態の場合、作動角変更機構により作動角を切
り換えることが困難であり、上記の急減速時を考慮する
と、バルブオーバーラップ量をあまり大きく設定するこ
とができない。
たものであり、急減速時等にもバルブオーバーラップ量
を確実かつ迅速に低下させ得る吸気弁駆動制御装置を提
供することを一つの目的としている。
ーバーラップ量を十分に与えることができる吸気弁駆動
制御装置を提供することを他の目的としている。
吸気弁駆動制御装置は、主に吸気弁の作動角を変化させ
る作動角変更機構と、主に吸気弁の作動角の中心位相を
変化させる位相変更機構と、を有している。
動角変更機構による吸気弁の開時期の変化量を、位相変
更機構による吸気弁の開時期の変化量よりも大きく設定
したことを特徴としている。
ップ量を減少させる場合、主に作動角変更機構により吸
気弁の作動角を減少させることを特徴としている。
構及び位相変更機構の双方が機関油圧により駆動される
ことを特徴としている。
負荷域への移行時には、位相変更機構により中心位相を
変更する前に、作動角変更機構による作動角の減少を行
うことを特徴としている。
6に係る発明のように、クランクシャフトと連動して回
転する駆動軸と、この駆動軸の外周に回転可能に外嵌
し、バルブスプリング反力に抗して吸気弁を開閉させる
揺動カムと、に連携されている。この作動角変更機構
は、上記駆動軸に偏心して設けられた偏心カムと、この
偏心カムに回転可能に外嵌するリング状リンクと、上記
駆動軸と略平行に延びる制御軸と、この制御軸に偏心し
て設けられた制御カムと、この制御カムの外周に相対回
転可能に外嵌するとともに、一端が上記リング状リンク
の先端に連結されたロッカーアームと、このロッカーア
ームの他端と揺動カムとに連結されたロッド状リンク
と、を有している。
に係る発明のように、クランクシャフトと同期して回転
する回転体と上記駆動軸との間に設けられ、これら回転
体と駆動軸との相対回転位相を変化させる。
ラップ量が大きい中負荷域からの急減速時に、バルブオ
ーバーラップ量が大きく残されていると、燃焼安定性の
低下を招く虞があるため、速やかにバルブオーバーラッ
プ量を低下させる必要がある。
には、吸気弁の開時期を遅角化する必要があり、その手
法として、作動角変更機構により吸気弁の作動角を減少
する手法と、位相変更機構により吸気作動角の中心位相
を遅角化する手法とがある。
角変更機構が吸気弁のバルブスプリング反力を受ける構
造である一方、請求項7に係る発明のように位相変更機
構が駆動軸の平均フリクションを受ける構造で、かつ、
請求項4に係る発明のように、両機構ともに油圧駆動さ
れる構成の場合、作動角変更機構により作動角を減少さ
せた場合の吸気弁の開時期の遅角速度が、位相変更機構
により中心位相を遅角させた場合の吸気弁の開時期の遅
角速度に比してはるかに速い傾向にある。
時のように、吸気弁と排気弁とのバルブオーバーラップ
量を減少させる状況では、請求項2に係る発明のよう
に、主に作動角変更機構により吸気弁の作動角を減少さ
せることにより、吸気弁の開時期の遅角化を行う。これ
により、バルブオーバーラップ量を速やかに低減するこ
とができる。
更機構による吸気弁の開時期の変化量を相対的に大きく
設定することにより、上記のように急減速時等に素早く
低下させる必要があるバルブオーバーラップ量を十分に
大きく設定することが可能となる。この結果、内部EG
Rをより大きく使用することが可能となり、燃費性能の
向上等を図ることができる。
明によれば、バルブオーバーラップ量を十分に大きく設
定することができ、内部EGRを大きく使用することが
できるので、燃費性能の向上等を図ることができる。
ブオーバーラップ量を速やかに低下させることができる
ため、バルブオーバーラップ量を十分に大きく設定する
ことができ、内部EGRを大きく使用することができる
ので、燃費性能の向上等を図ることができる。
ともに油圧駆動されるため、構造の簡素化を図ることが
できる。
ら極低負荷域への移行時に、応答性の良い作動角変更機
構にエネルギー(油圧)が集中されるため、バルブオー
バーラップ量を更に迅速に低下させることができる。
は、揺動カムの駆動軸に対する軸心ズレを生じるおそれ
がなく、制御精度が向上する。また、揺動カムを支持す
る支軸を駆動軸と別個に設ける必要がないため、部品点
数,配置スペースの低減化を図ることができる。更に、
作動角変更機構の各部材の連結部が面接触となるため、
耐磨耗性に優れており、潤滑も行い易い。
御装置を、内燃機関の吸気弁12に適用した一実施例に
ついて、図面を参照して詳細に説明する。
置は、各気筒の一対の吸気弁12の作動角及びバルブリ
フト量を主に変化させる作動角変更機構1と、吸気弁1
2の作動角の中心位相(開時期又は閉時期の位相)を変
化させる位相変更機構2と、を有している。
構1について説明する。作動角変更機構1は、位相変更
機構2を介してクランクシャフトから回転動力が伝達さ
れる駆動軸13と、吸気弁12のバルブリフタ19を押
圧して吸気弁12をバルブスプリング反力に抗して開閉
させる揺動カム20と、を機械的に連携するリンク部材
25,18,26の姿勢を変化させることにより、吸気
弁12の作動角の中心角を略一定として、吸気弁12作
動角及びバルブリフト量を連続的に変化させる機能を有
している。
3に偏心して固定された偏心カム15と、この偏心カム
15の外周に相対回転可能に外嵌するリング状リンク2
5と、駆動軸13と略平行に気筒列方向へ延びる制御軸
16と、この制御軸16に偏心して固定された制御カム
17と、この制御カム17の外周に相対回転可能に外嵌
するとともに、一端18bがリング状リンク25の先端
25bに連結ピン21を介して相対回転可能に連結する
ロッカーアーム18と、このロッカーアーム18の他端
18cと揺動カム20とを機械的に連携するロッド状リ
ンク26と、を有している。
Yに対して所定量偏心しており、制御カム17の中心P
1は制御軸16の中心P2に対して所定量偏心してい
る。駆動軸13に外嵌する揺動カム20のジャーナル部
20bと制御軸16のジャーナル部とは、共通のボルト
14cによりシリンダヘッド11へ締結固定される一対
のブラケット14a,14bを介して回転可能に支持さ
れている。
考慮して、ほぼ吸気弁12の軸方向に沿うように配設さ
れており、その一端26aが連結ピン28を介してロッ
カーアーム18の他端18cに相対回転可能に連結され
るとともに、その他端26bが連結ピン29を介して揺
動カム20に相対回転可能に連結されている。
ャフトと連動して駆動軸13が回転すると、偏心カム1
5を介してリング状リンク25が実質的に並進移動し、
ロッカーアーム18及びロッド状リンク26を介して揺
動カム20が揺動して、吸気弁12が図外のバルブスプ
リングのバネ力に抗して開閉駆動される。
制御軸16を所定の制御範囲内で回動すると、ロッカー
アーム18の揺動中心となる制御カム17の中心位置P
1が制御軸中心P2回りに回転変化する。これにより、
ロッカーアーム18を含めたリンク機構25,18,2
6の姿勢が変化し、吸気弁12の作動角及びバルブリフ
ト量が、その位相が略一定のままで連続的に変化する。
吸気弁12を駆動する揺動カム20が、機関と連動して
回転する駆動軸13の外周に相対回転可能に外嵌してい
るため、揺動カム20の駆動軸13に対する軸心ズレを
生じるおそれがなく、制御精度が向上する。また、揺動
カム20を支持する支軸を駆動軸13と別個に設ける必
要がないため、部品点数,配置スペースの低減化を図る
ことができる。更に、各部材の連結部が面接触となって
いるため、耐磨耗性に優れており、潤滑も行い易い。
回転駆動するアクチュエータ30を示している。アクチ
ュエータ30のシリンダ39の内部は、ピストン32の
受圧部32aを挟んで第1油圧室33と第2油圧室34
とに画成されており、これら油圧室33,34の油圧に
応じてピストン32が進退駆動される。このピストン3
2の先端に設けられたピン32bは、制御軸16の一端
に固定されたディスク16aの径方向溝16bにスライ
ド可能に嵌合している。従って、ピストン32の移動に
応じて制御軸16が回動し、吸気弁12の作動角が変化
するようになっている。
ソレノイドバルブ31のスプール35の位置に応じて切
り換えられ、このソレノイドバルブ31は、エンジンコ
ントロールユニット(ECU)としての制御部3からの
出力信号によりON−OFF駆動(デューティー制御)
される。つまり、機関運転状態に応じて出力信号のデュ
ーティー比を変化させることにより、上記スプール35
の位置が切り換えられる。
持されている状態では、第1油圧室33に接続する第1
油路36と油圧ポンプ9とが連通し、第1油圧室33へ
油圧が供給されると共に、第2油圧室34に接続する第
2油路37とドレン油路38とが連通し、第2油圧室3
4がドレンされる。このため、アクチュエータ30のピ
ストン32は図の左側に押圧、移動される。
されている状態では、第1油路36とドレン油路38と
が連通して第1油圧室33がドレンされると共に、第2
油路37と油圧ポンプ9とが連通して第2油圧室34へ
油圧が供給される。このため、ピストン32は図の右側
に押圧、移動される。
ている状態では、第1油路36のポート部と第2油路3
7のポート部の双方がスプール35により閉塞される。
これにより、第1、第2油圧室33、34内の油圧が保
持(ロック)され、ピストン32がその位置に保持され
る。
ン32を任意の位置に移動、保持することにより、吸気
弁12の作動角を所定の制御範囲内で任意の作動角に変
更、保持することが可能で、油圧を利用した簡素な構造
でありながら、制御の自由度が非常に高い。
検出又は推定されるエンジン回転数、負荷、水温及び車
速等に応じて、上記の作動角変更機構1及び後述する位
相変更機構2の制御を行うほか、点火時期制御、燃料供
給量制御、過渡時補正制御やフェールセーフ制御等のエ
ンジン制御を行う。
更機構2について説明する。この位相変更機構2は、機
関のクランクシャフトと同期して回転駆動される回転体
たるタイミングプーリ40と、このタイミングプーリ4
0の内周側に相対回動可能に配設された駆動軸13と、
の相対回転位相を変化させることにより、吸気弁12の
作動角及びバルブリフト量が一定のままで吸気弁12の
作動角の中心位相を変化させる機能を有している。
の端部に固定されてタイミングプーリ40内に回転自在
に収容されたベーン41と、このベーン41を油圧によ
って正逆回動させる油圧回路と、を備えている。
うに、外周にタイミングチェーンが噛合する歯部42a
を有する回転部材42と、この回転部材42の前方に配
置されてベーン41を回転自在に収容したハウジング4
3と、このハウジング43の前端開口を閉塞する蓋体た
る円板状のフロントカバー44と、ハウジング43と回
転部材42との間に配置されてハウジング43の後端開
口を閉塞するほぼ円板状のリアカバー45とから構成さ
れ、これらのハウジング43,フロントカバー44,及
びリアカバー45は、ボルト46によって軸方向から一
体的に結合されている。
ボルト46が螺着する雌ねじ孔が前後方向へ貫通形成さ
れていると共に、内部中央位置に後述する通路構成用の
スリーブ47が嵌合する段差形状の嵌合孔48が形成さ
れている。さらに、前端面には、リアカバー45が嵌合
する円板状の嵌合溝49が形成されていると共に、嵌合
溝49の外周側所定位置に係合穴50が形成されてい
る。
れた円筒状を呈し、内周面の周方向の90°位置には4
つの隔壁部51が突設されている。この隔壁部51は、
横断面台形状を呈し、それぞれハウジング43の軸方向
に沿って延びており、各軸方向両側面がハウジング43
の軸方向両側面と略同一面に設定されていると共に、小
径ボルト46が貫通するボルト挿通孔52が軸方向へ貫
通形成されている。さらに、各隔壁部51の内周面中央
位置に軸方向に沿って切欠形成された保持溝51a内に
コ字形のシール部材53と、このシール部材53を内方
へ押圧する板ばね54とが嵌合保持されている。
なボルト挿通孔55が穿設されていると共に、ハウジン
グ43の各ボルト挿通孔52と対応する位置に4つのボ
ルト孔が穿設されている。
材42の嵌合溝49内に嵌合保持される円環部56を有
していると共に、その中央部に、スリーブ47の小径な
円環部56が嵌入する嵌入孔57が穿設され、さらにボ
ルト挿通孔52に対応する位置にボルト孔が同じく形成
されている。
れ、固定ボルト58によって駆動軸13の前端部に軸回
りに回転可能に固定されており、固定ボルト58が挿通
するボルト挿通孔41aを有する円環状の基部59と、
この基部59の外周面の周方向の90°位置に一体に設
けられた4つの羽根部60とを備えている。
ハウジング43の隣り合う隔壁部51間に配置されてい
る。各羽根部60の外周面の中央に形成された保持溝6
1には、ハウジング43の内周面に摺接するコ字形のシ
ール部材62と、このシール部材62を外方に押圧する
板ばね63とが夫々嵌着保持されている。
面との間には、それぞれ進角側油圧室64と遅角側油圧
室65が隔成されている(図7参照)。
45の係合穴50に対応した位置に摺動用孔66が軸方
向に沿って貫通形成されていると共に、側部に遅角側油
圧室65と摺動用孔66を連通する通孔67がほぼ周方
向に沿って穿設されている。
には、ロックピン68が摺動自在に設けられている。こ
のロックピン68は、中央の中径状の本体68aと、こ
の本体68aの一側に形成された小径な係合部68b
と、他側に形成された段差大径状のストッパ部68c
と、から構成されている。
aの外周面と摺動用孔66の内周面との間に、受圧室6
9が形成されていると共に、ロックピン68とフロント
カバー44との間に、ロックピン68をリアカバー45
の方向(図8,図9の右方向)へ付勢するばね部材たる
コイルスプリング70が弾装されており、ロックピン6
8の係合部68bは、ベーン41の最大遅角側の回動位
置において、リアカバー45の係合穴50内に挿入され
得るようになっている。
圧を給排する第1油圧通路71と、遅角側油圧室65に
対して油圧を給排する第2油圧通路72との2系統の油
圧通路を有し、両油圧通路71,72には、供給通路7
3とドレン通路74とが夫々通路切替用の電磁切替弁7
5を介して接続されている。
内から駆動軸13の軸心内部に形成された第1通路部7
1aと、固定ボルト58の内部軸線方向を通って頭部内
で分岐形成されて第1通路部71aと連通する第1油路
71bと、この頭部の小径な外周面とベーン41の基部
59のボルト挿通孔41aの内周面との間に形成されて
第1油路71bに連通する油室71cと、ベーン41の
基部59内にほぼ放射状に形成されて油室71cと各進
角側油圧室64とに連通する4本の分岐路71dとから
構成されている。
ド11内及び駆動軸13の内部に形成された第2通路部
72aと、スリーブ47の内部にほぼL字形状に折曲形
成されて第2通路部72aと連通する第2油路72b
と、回転部材42の嵌合孔の外周側孔縁に形成されて第
2油路72bと連通する4つの油通路溝72cと、リア
カバー45の周方向の約90°毎の位置に形成されて、
各油通路溝72cと遅角側油圧室65とに連通する4つ
の油孔72dとから構成されている。
って、内部の弁体(スプール)によって各油圧通路7
1,72と供給通路73,ドレン通路74とが選択的に
連通,遮断されるようになっており、このスプールの位
置が上記の制御部3からの制御信号(デューティー信
号)によって切り替え制御されるようになっている。
するクランク角センサや吸入空気量を検出するエアフロ
ーメータからの信号によって現在の運転状態を検出する
と共に、クランク角及びカム角センサからの信号によっ
てタイミングプーリと駆動軸13との相対回動位置を検
出している。
75の弁体(スプール)が図6の最も右側に保持される
(図6に示す状態)。この場合、供給通路73と第2油
圧通路72とが連通するとともに、ドレン通路74と第
1油圧通路71とが連通する。このため、油圧ポンプ9
から圧送された油圧は第2油圧通路72を通って遅角側
油圧室65に供給される一方、進角側油圧室64には、
機関停止時と同じく油圧が供給されず低圧状態に維持さ
れる。したがって、ベーン41は、図7に示すように各
羽根部60が進角側油圧室64側の各隔壁部51の一側
面に当接した最遅角位置の方向へ付勢され、吸気弁12
の作動角の中心位相が遅角側に駆動制御される。
ン41が図7に示す最遅角位置に保持されており、か
つ、遅角側油圧室65内の油圧が比較的低く、通孔67
から受圧室69へ供給される油圧よりもコイルスプリン
グ70のばね力が打ち勝っている状態では、図9に示す
ように、ロックピン68の係合部68bがリアカバー4
5の係合穴50内に係合した状態を維持する。したがっ
て、ベーン41は、この最遅角位置に安定かつ確実に保
持されて、遅角側油圧室65内の油圧の変動や駆動軸1
3に発生する正負の変動トルクによる揺動振動の発生を
防止でき、ひいては、ベーン41と隔壁部51との衝突
音を防止できる。一方、遅角側油圧室65内の油圧が高
くなると、同じく受圧室69内の油圧も高くなってロッ
クピン68はコイルスプリング70を圧縮変形させなが
らばね力に抗して後退動し、係合部68bが係合穴50
から抜け出して係合が解除される(図8参照)。このた
め、ベーン41は、自由な回動が許容されることにな
る。
側に保持された状態では、供給通路73と第1油圧通路
71とが連通し、ドレン通路74と第2油圧通路72と
が連通する。この結果、遅角側油圧室65内の油圧が第
2油圧通路72を通ってドレン通路74からオイルパン
内に戻されて遅角側油圧室65内が低圧になる一方、進
角側油圧室64内に油圧が第1油圧通路71を経由して
供給されて高圧となる。このため、ベーン41は図7に
示す位置から進角側(図7の時計方向)に回転し、吸気
弁12の作動角中心位相が進角側へ制御される。
置に保持された状態では、第1油圧通路71及び第2油
圧通路72の双方がスプールにより遮断される。この結
果、各油圧室33,34内の油圧が保持(ロック)され
て、ベーン41がその位置に保持され、吸気弁12の作
動角中心位相が保持される。
は、機関の運転状態に応じて電磁切替弁75のスプール
位置を切り換えることにより、ベーン41を所望の中間
位置に保持することが可能で、油圧を用いた簡素な構造
でありながら、吸気弁12の作動角中心位相を任意の位
相に変更,保持することができる。
1及び位相変更機構2を互いに干渉することなく配置す
ることができる。また、両変更機構1,2共に共通の油
圧ポンプ9からの機関油圧により駆動される構成である
ため、構成が簡素化される。
行時における吸気弁12及び排気弁の開閉時期を模式的
に示している。同図に示すように、この実施例では排気
弁の開時期が上死点付近に設定されている。
状態等の極低負荷域では、吸気弁12の開時期を上死点
後に、吸気弁閉時期を下死点前に設定している。また、
作動角変更機構1により吸気弁の作動角を最小作動角又
はその近傍に設定している。
燃焼を安定化させるために、バルブオーバーラップ量を
無くし(マイナスオーバーラップ化)、内部残留ガスを
抑制している。また、吸気弁開時期を上死点後とするこ
とにより吸気弁12の開弁直前の吸気ポートと筒内との
圧力差を大きくするとともに、バルブリフト量(作動
角)を小さくして吸入通路を小さくすることにより、筒
内への吸入流速を十分に速めて、燃料の霧化を促進し、
燃焼の安定化を図っている。更に、バルブリフト量を小
さくしてフリクションを低減化させている。
際((a)→(b))、先ず吸気開時期が排気閉時期と
ほぼ同等になるまで(バルブオーバーラップが生じるま
で)、主に位相変更機構2により作動角中心位相を進角
化する。これにより、吸気弁の開時期が上死点へ向けて
進角化され、主にポンプロスが低減される。また、吸気
弁閉時期が下死点から遠ざかるように進角化されて、吸
入空気量が適宜に調整される。
(c))、すなわちバルブオーバーラップ量が増加する
ような状況では、作動角変更機構1による作動角の増加
を優先的に行う。これにより、吸気弁開時期の進角化に
よりバルブオーバーラップ量が増加して内部EGR量が
増加するとともに、このバルブオーバーラップ量の増加
に伴う新気量の減少分を、吸気弁閉時期の遅角化により
適宜に補うことができる。つまり、作動角変更機構1の
みを増加させるだけで、必要な新気量と残ガス量の双方
を効率的に調整でき、燃費性能の大幅な向上を図ること
ができる。
い中負荷域から極低負荷域への急減速時((c)→
(a))には、燃焼安定性の低下を確実に防止するため
に、速やかにバルブオーバーラップ量を低下させる必要
がある。バルブオーバーラップ量を低下させるために
は、吸気弁12の開時期を遅角化する必要があり、その
手法として、作動角変更機構1により吸気弁12の作動
角を減少する手法と、位相変更機構2により吸気作動角
の中心位相を遅角化する手法とがある。
合、進角時には駆動軸13の平均フリクションに打ち勝
つエネルギーが必要であり、遅角時には上記の平均フリ
クションにアシストされるため、同じエネルギー(油圧
ポンプ9からの油圧)では、遅角速度が進角速度よりも
速い。しかしながら、作動角及びバルブリフト量が比較
的小さいような場合、駆動軸13の平均フリクションが
小さいため、遅角時にアシストされる力も小さく、上記
の遅角速度はあまり速くない。
化させる場合、作動角の増加,拡大時には吸気弁12の
バルブスプリング反力に打ち勝つエネルギーが必要であ
り、作動角の減少時にはバルブスプリング反力にアシス
トされる形となる。従って、作動角減少速度は、作動角
増加速度よりも速く、かつ、上記の位相変更機構2によ
る遅角速度と比べてもはるかに(例えば約3〜4倍)速
い傾向にある。
1が吸気弁12のバルブスプリング反力を受ける一方、
位相変更機構2が駆動軸13の平均フリクションを受け
る構造であり、かつ、両機構1,2ともに油圧駆動され
る構成の場合、作動角変更機構1により作動角を減少さ
せた場合の吸気弁12の開時期の遅角速度が、位相変更
機構2により中心位相を遅角させた場合の吸気弁12の
開時期の遅角速度に比して、はるかに速い傾向にある。
荷域から極低負荷域への移行時のように、バルブオーバ
ーラップ量を減少させる状況では、主に作動角変更機構
1により作動角を減少させることにより、吸気弁12の
開時期を遅角化させている。これにより、バルブオーバ
ーラップ量を迅速に低下させることができる。この結
果、バルブオーバーラップ量を十分に大きく設定するこ
とが可能となり、内部EGRをより大きく使用すること
ができ、燃費性能の向上等を図ることができる。
の開時期(及び閉時期)の変化量を、位相変更機構2に
よる吸気弁12の開時期(及び閉時期)の変化量よりも
大きく設定している。より具体的には、作動角変更機構
1の制御軸16を最大作動角位置から最小作動角位置ま
で移動した場合の吸気弁12の開時期(及び閉時期)の
変化量を、位相変更機構2のベーン41を最進角位置か
ら最遅角位置まで移動した場合の吸気弁12の開時期
(及び閉時期)の変化量よりも十分に大きく設定してい
る。
構1の変化量を相対的に大きく設定することにより、迅
速性が要求されるバルブオーバーラップ量の最大値を更
に大きく設定することが可能で、内部EGRを更に大き
く使用することができ、更なる燃費性能の向上等を図る
ことができる。
ラップ量を減少させる場合には、実際の作動角中心位相
が目標位相からずれている場合であっても、先ず作動角
変更機構1のみを優先的に稼動させて、作動角が目標値
になるまで、位相変更機構2による位相変更を行わず、
作動角変更機構1の駆動にエネルギー(油圧)を集中さ
せることにより、より素早くバルブオーバーラップ量を
低下,解消することができる。
る油圧ポンプ9の機関油圧は機関回転数に依存するた
め、極低回転域のように油圧が低い状態で、バルブリフ
ト量を低下させる場合、特に位相変更機構2による位相
変更の応答性が大きく低下するものの、上述したよう
に、作動角変更機構1により作動角を減少させる場合に
は、バルブスプリング反力がアシストされるため、低い
油圧でも十分に速い応答性を確保することができる。
制御装置を示す斜視対応図。
図。
ソレノイドバルブを示す構成図。
図。
Claims (7)
- 【請求項1】 主に吸気弁の作動角を変化させる作動角
変更機構と、主に吸気弁の作動角の中心位相を変化させ
る位相変更機構と、を有する内燃機関の吸気弁駆動制御
装置において、 作動角変更機構による吸気弁の開時期の変化量を、位相
変更機構による吸気弁の開時期の変化量よりも大きく設
定したことを特徴とする内燃機関の吸気弁駆動制御装
置。 - 【請求項2】 主に吸気弁の作動角を変化させる作動角
変更機構と、主に吸気弁の作動角の中心位相を変化させ
る位相変更機構と、を有する内燃機関の吸気弁駆動制御
装置において、 バルブオーバーラップ量を減少させる場合、主に作動角
変更機構により吸気弁の作動角を減少させることを特徴
とする内燃機関の吸気弁駆動制御装置。 - 【請求項3】 上記作動角変更機構による吸気弁の開時
期の変化量を、上記位相変更機構による吸気弁の開時期
の変化量よりも大きく設定したことを特徴とする請求項
2に記載の内燃機関の吸気弁駆動制御装置。 - 【請求項4】 上記作動角変更機構及び位相変更機構の
双方が機関油圧により駆動されることを特徴とする請求
項1〜3のいずれかに記載の内燃機関の吸気弁駆動制御
装置。 - 【請求項5】 中負荷域から極低負荷域への移行時に
は、位相変更機構により中心位相を変更する前に、作動
角変更機構による作動角の減少を行うことを特徴とする
請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関の吸気弁駆動
制御装置。 - 【請求項6】 上記作動角変更機構は、クランクシャフ
トと連動して回転する駆動軸と、この駆動軸の外周に回
転可能に外嵌し、バルブスプリング反力に抗して吸気弁
を開閉させる揺動カムと、に連携されており、 この作動角変更機構は、上記駆動軸に偏心して設けられ
た偏心カムと、この偏心カムに回転可能に外嵌するリン
グ状リンクと、上記駆動軸と略平行に延びる制御軸と、
この制御軸に偏心して設けられた制御カムと、この制御
カムの外周に相対回転可能に外嵌するとともに、一端が
上記リング状リンクの先端に連結されたロッカーアーム
と、このロッカーアームの他端と揺動カムとに連結され
たロッド状リンクと、を有していることを特徴とする請
求項1〜5のいずれかに記載の内燃機関の吸気弁駆動制
御装置。 - 【請求項7】 上記位相変更機構は、クランクシャフト
と同期して回転する回転体と上記駆動軸との間に設けら
れ、これら回転体と駆動軸との相対回転位相を変化させ
ることを特徴とする請求項6に記載の内燃機関の吸気弁
駆動制御装置。
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