JP2010116779A - 内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents

内燃機関のバルブタイミング制御装置 Download PDF

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保 東藤
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Abstract

【課題】機関の良好な始動性を確保しつつ始動後のバルブタイミング制御応答性の向上を図り得るバルブタイミング制御装置を提供する。
【解決手段】シリンダ部材41の内部に摺動自在に設けられたピストン42に、2つの円筒部材45の第1ヘリカル内歯とフロントプレート7の第2ヘリカル内歯に噛合する第1,第2ヘリカル外歯を有する歯車構成体48を連結し、コイルスプリング43によってピストンが最大一方向に移動した際にベーン部材3の2つのベーン15b、15cを、円筒部材に設けられた両カム部49によって挟持状態に保持して最進角と最遅角の間の位置に保持し、これによって、始動性を向上させる。また、ピストン前端側の受圧室55に、始動時に予め作動油を供給しておいて、バルブタイミング制御時の応答性を向上させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の吸気弁あるいは排気弁の開閉時期を運転状態に応じて可変にするバルブタイミング制御装置に関する。
従来のバルブタイミング制御装置(VTC)としては、以下の特許文献1に記載されたヘリカル式VTCとベーン式VTCの2つのタイプを直列に組み合わせたものが知られている。
このバルブタイミング制御装置は、機関を停止させた際には、クランクシャフトによって回転駆動するタイミングスプロケットに対してカムシャフトの相対回転位相を、前記ヘリカル式VTCによって進角側で停止させると共に、前記ベーン式VTCによって遅角側で停止させることによって、機関始動時の吸気弁のバルブタイミングを最進角位置と最遅角位置の間に制御し、機関始動後は遅角側に制御するようになっている。
これによって、機関の良好な始動性が得られると共に、アイドリング時の燃費の向上が図れるようになっている。
特開平11−343818号公報
しかしながら、前記従来のバルブタイミング制御装置にあっては、バルブタイミング制御装置としてベーン式VTCの他に、ヘリカル式VTCを併用しているが、このヘリカル式VTCは、各ヘリカル歯の噛み合い移動時の比較的大きな摩擦抵抗などによって作動応答性が低下する。この結果、機関始動後における所望のバルブタイミング制御位置に速やかに作動させることができないおそれがある。
本発明は、前記従来のバルブタイミング制御装置の技術的課題に鑑みて案出されたもので、請求項1に記載の発明は、クランクシャフトによって回転駆動され、内周側から内方へ突出するシューを有するハウジングと、カムシャフトに固定され、前記ハウジング内に相対回転自在に配置されると共に、前記シューとの間に進角側流体室と遅角側流体室とを隔成するベーンを有するベーン部材と、前記進角側流体室と遅角側流体室に流体を選択的に給排する流体給排手段と、前記ハウジング内に回動自在に設けられ、該回動することによって前記ハウジングに対して前記ベーン部材を相対回転させる回動部材と、前記カムシャフトの軸方向に移動可能に設けられ、該カムシャフト軸方向の移動に伴って前記回動部材を回動させるピストンと、前記ピストンを移動方向の一方側に付勢して、前記回動部材の一部を前記ベーン部材に接近する方向へ移動させる付勢部材と、前記ピストンを前記付勢部材に抗して前記移動方向の他方側に移動させて前記回動部材の一部をベーン部材に対して離間する方向へ移動させる解除手段と、を備えたことを特徴としている。
請求項6に記載の発明は、クランクシャフトによって回転駆動され、内周側から内方へ突出するシューを有するハウジングと、カムシャフトに固定され、前記ハウジング内に相対回転自在に配置されると共に、前記シューとの間に進角側流体室と遅角側流体室とを隔成するベーンを有するベーン部材と、前記進角側流体室と遅角側流体室に流体を選択的に給排する流体給排手段と、前記ハウジング内に周方向へ移動自在に設けられ、該周方向の移動によって前記ハウジングに対して前記ベーン部材を相対回転させるラック部材と、前記カムシャフトの軸方向に移動可能に設けられ、該カムシャフト軸方向の移動に伴って前記ラック部材を移動させるピストンと、前記ピストンを移動方向の一方側に付勢して、前記ラック部材を前記ベーン部材に接近させる方向に移動させる付勢部材と、前記ピストンを前記付勢部材に抗して前記移動方向の他方側に移動させて前記ラック部材をベーン部材に対して離間する方向へ移動させる解除手段と、を備えたことを特徴としている。
この発明によれば、機関停止時には、付勢部材の付勢力によってピストンを一方側に付勢することにより、回動部材の一部がベーン部材を押圧して最進角位置と最遅角位置の間の位置に保持する。
このため、前記ベーン部材を介して前記カムシャフトがハウジングに対して機関始動に適した僅かに進角側の位置に回転保持されて、これにより、良好な始動性を確保することが可能になる。
また、機関始動初期には、例えば前記進角側流体室あるいは遅角側流体室に選択的に供給された流体圧によって前記ピストンを前記付勢部材の付勢力に抗して他方側に移動させると、回動部材が前述とは逆の方向へ回転する。
これによって、前記ベーン部材は、前記付勢部材による回動部材の一方向の回転位置規制が解除されて、ベーン部材の正逆自由な回転作動が得られる。
よって、前記進角側流体室あるいは遅角側流体室への流体の給排制御によってベーン部材を進角側あるいは遅角側へ速やかに回転させることが可能になり、始動後におけるベーン部材の速やかな回転に伴って、バルブタイミング制御応答性が向上する。
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の回動機構の一部をハウジングの内周面を周方向に移動可能なラック部材によって構成したもので、機関停止時には、前記付勢部材によるピストンの一方側への移動に伴って回動機構を介して前記ラック部材を一方向へ移動させることにより、前記ベーン部材を最進角位置と最遅角位置の間に強制的に回転させる。これにより、良好な機関始動性が得られる。
また、機関始動後にあっては、前述のような流体圧によってピストンが付勢部材の付勢力に抗して他方向へ移動することによって、ラック部材による規制が解除されて、ベーン部材の自由な回転が得られる。
以下、本発明に係る内燃機関のバルブタイミング制御装置の実施例を図面に基づいて詳述する。なお、本実施例では吸気弁側に適用したものを示しているが、排気弁側に適用することも可能である。
前記バルブタイミング制御装置は、図1及び図2に示すように、機関のクランクシャフトによってタイミングチェーンを介して回転駆動されるハウジング1と、該ハウジング1に対して相対回転可能に設けられて、図外の吸気弁をバルブスプリングのばね力に抗して開作動させるカムシャフト2と、該カムシャフト2の端部に固定されてハウジング1内に回転自在に収容されたベーン部材3と、該ベーン部材3を油圧によって正逆回転させる流体給排手段である油圧回路4と、を備えている。
前記ハウジング1は、クランクシャフトから直接回転力が伝達されるリア側のタイミングスプロケット5と、該タイミングスプロケット5の前端側に配置された円筒状のハウジング本体6と、該ハウジング本体6の前端開口を閉塞する円板状のフロントカバー7と、から構成され、これらタイミングスプロケット5とハウジング本体6及びフロントカバー6は、図外の3本の小径ボルトによってカムシャフト2の軸方向から一体的に共締め固定されている。
前記ハウジング本体6は、回転軸方向の前後両端が開口形成された円筒状を呈し、内周面の周方向のほぼ120°位置に3つの隔壁であるシュー8が内方に向かって突設されている。この各シュー8は、一つは横断面ほぼ台形状を呈し、他の2つは異形矩形状に形成されて、それぞれハウジング本体6の軸方向に沿って設けられて、その軸方向の両端縁がハウジング本体6の両端縁と同一面になっていると共に、所定位置に前記各ボルトの軸部が挿通する3つのボルト挿通孔8aが軸方向へ貫通形成されている。
さらに、各シュー8は、それぞれの内端面が前記ベーン部材3の後述するベーンロータの外形に沿って円弧状に形成されていると共に、各内端面の高位部位置に軸方向に沿って切欠形成された保持溝内に、コ字形のシール部材9と該シール部材9を内方へ押圧する図外のバックアップスプリングである湾曲状板ばねが嵌合保持されている。
また、前記2つのシュー8の一側面及びこれに円周方向から対向する他側面には、図2に示すように、後述するカム部を嵌合支持するほぼ半円弧状の嵌合溝10、11が軸方向に沿ってそれぞれ貫通状態に形成されている。
タイミングスプロケット5は、円盤状に形成され、後端側外周に前記タイミングチェーンが噛合する歯車部12が一体に設けられていると共に、前端部に前記ハウジング本体6のリア側開口を閉塞する円盤状のリアプレート13を一体に有している。
このリアプレート13のほぼ中央位置には、カムシャフト2に回転支持される軸受孔13aが軸方向に貫通形成されていると共に、リアプレート13の外周部に、前記各ボルトの先端部が螺着する図外の3つの雌ねじ孔が形成されている。また、このリアプレート13の半径方向のほぼ中央位置には、小径な圧入用孔13bが軸方向に貫通形成されている。
なお、前記歯車部12が対応する内周側には、軽量化を図るために円環状の空間部12aが形成されている。
前記フロントカバー7は、薄肉な円盤プレート状に形成されて、中央に比較的大径な支持孔7aが穿設されていると共に、外周部に前記ハウジング本体6の各ボルト挿通孔8aに対応する位置に図外の3つのボルト孔が穿設されている。
前記カムシャフト2は、機関のシリンダヘッドの上端部に図外のカム軸受を介して回転自在に支持され、外周面所定位置に図外の吸気弁を例えば直動式のバルブリフターを介して開作動させるカムが一体に設けられている。
前記ベーン部材3は、焼結合金材で一体に形成され、中央にボルト挿通孔14aを有する円環状のベーンロータ14と、該ベーンロータ14の外周面の周方向の所定角度位置に一体に設けられた3つのベーン15a〜15cと、を備えている。
前記ベーンロータ14は、前端側に一体に形成された前記環状突部14bが前記フロントカバー6の支持孔7aに回転自在に支持されている一方、後端側に形成された円筒状溝14cに前記カムシャフト2の先端部が嵌合している。
また、ベーン部材3は、前記ベーンロータ14の内部中央の軸方向に形成されたボルト挿通孔14aに軸方向から挿通したカムボルト51によってカムシャフト2の前端部に軸方向から固定されている。
前記各ベーン15a〜15cは、側面からみて比較的細長い長方体形状に形成され、図2図中左側の一つのベーン15aに対して2つのベーン15b、15cは約135°の角度位置に配置されている。
また、各ベーン15a〜15cは、各シュー8の間に配置されていると共に、図3にも示すように、各外端面の軸方向に細長い保持溝15dが形成されて、この各保持溝15d内に前記ハウジング本体6の内周面に摺接するコ字形のシール部材16及び該シール部材16をハウジング本体6の内周面方向に押圧するバックアップスプリングである湾曲状の板ばね16aが夫々嵌着保持されている。
また、この各ベーン15a〜15cの両側面と各シュー8の両側面との間には、それぞれ3つの進角側流体室である進角側油圧室17と遅角側流体室である遅角側油圧室18がそれぞれ隔成されている。
前記油圧回路4は、図2に示すように、前記各進角側油圧室17に対して作動油の油圧を給排する第1油圧通路19と、前記各遅角側油圧室18に対して作動油の油圧を給排する第2油圧通路20と、の2系統の油圧通路を有し、この両油圧通路19,20には、供給通路21とドレン通路22とが夫々第1流体切換弁である電磁切換弁23を介して接続されている。前記供給通路21には、オイルパン24内の油を圧送する一方向のオイルポンプ25が設けられている一方、ドレン通路22の下流端がオイルパン24に連通している。
前記第1油圧通路19は、図2及び図4にも示すように、機関のシリンダブロックCB内に形成された前記供給通路21と適宜連通し、前記カムシャフト2の端部内に軸方向に沿って形成された図外の油通路と、前記ロータ14の内部にほぼ放射状に形成されて前記油通路と各進角側油圧室17とを連通する3本の分岐路19aとを備えている。
一方、第2油圧通路20は、同じく前記供給通路21と適宜連通し、カムシャフト2の端部内に軸方向に沿って形成された図外の油通路と、前記ロータ14の内部にほぼL字形状に折曲形成されて、前記油通路と各遅角側油圧室18と連通する3本の第2油路20aとを備えている。
前記電磁切換弁23は、図2及び図4に示すように、4ポート2位置型であって、内部の弁体が各油圧通路19、と供給通路21及びドレン通路22とを相対的に切り換え制御するようになっていると共に、コントロールユニット26からの制御信号によって切り換え作動されるようになっている。
すなわち、電磁切換弁23は、シリンダブロックCBの側壁内部に形成された弁保持穴27内に挿通固定された有底円筒状のバルブボディ28と、該バルブボディ28内の弁孔29に軸方向へ摺動自在に設けられたスプール弁30と、前記バルブボディ28の後端部に固定されて、前記スプール弁30の摺動位置を制御するソレノイド31と、前記スプール弁30をソレノイド31方向へ付勢するコイルばね32と、を備えている。
前記バルブボディ28は、周壁の軸方向のほぼ中央位置に前記供給通路21に連通する供給孔28aが径方向に沿って貫通形成されていると共に、該供給孔28aと対向する周壁の供給孔28aを挟んだ両側に前記第1油圧通路19と連通する第1油孔28bと第2油圧通路20と連通する第2油孔28cがそれぞれ貫通形成されている。また、前記供給孔28aの両側部には、前記ドレン通路22と連通する一対の第1,第2ドレン孔28d、28eが貫通形成されており、この各ドレン孔28d、28eは、前記スプール弁30の軸方向の移動位置に応じて前記弁孔29を介して前記第1油孔28bと第2油孔28cにそれぞれ適宜連通するようになっている。なお、バルブボディ28の底壁には、スプール弁30の軸方向のスムーズな移動を確保する小径な通孔28fが穿設されている。
前記スプール弁30は、図4、図5A〜Dに示すように、弁軸の外周中央寄りに3つの弁部(ランド部)30a〜30cが形成されていると共に、弁軸の軸方向の前後両端部側にスプール弁30を弁孔29内で摺動案内する円柱状のガイド部30d、30eが形成されている。中央の薄肉円盤状の第1弁部30aは、スプール弁30の軸方向の移動位置に応じて前記供給孔28aと第1油孔28bとを連通させるか、あるいは遮断し、この第1弁部30aの図4中、左側に形成された円柱状の第2弁部30bは、移動位置に応じて前記第1油孔28bと第1ドレン孔28dとを連通させるか、あるいは第1油孔28bを閉止するようになっている。前記第1弁部aを挟んだ第2弁部30bと反対側に形成された円柱状の第3弁部30cは、移動位置に応じて前記第2油孔28cと第2ドレン孔28eとを連通させるか、あるいは第2油孔28cを閉止するようになっている。
前記第1弁部30aは、外周にオリフィス状の複数の連通溝30fが軸方向に沿って切欠形成され、前記第1油孔28bを閉止した際に、前記各供給孔28aから弁孔29内に流入した流体である作動油を、前記各連通溝30fを通過させて前記第1油孔28dから前記各進角側油圧室17に供給するようになっている。この各連通溝30fから各進角側油圧室17に供給された作動油は、各連通溝30fの絞り作用によってベーン部材3を回転させるだけの高い油圧を発生させることはなく各進角側油圧室17内に満たされるだけである。
前記第2弁体bと第3弁体30cは、図5Cに示すように、スプール弁30の軸方向のほぼ中央移動位置では、前記第1油孔28bと第2油孔28cの両方をほぼ同時に閉止して、各進角側、遅角側油圧室17,18内の作動油圧を保持するようになっている。また、スプール30のガイド部30dの外周部に軸方向に沿って溝30gが形成されている。
前記ソレノイド31は、内部に図外のコイルヨークや電磁コイルなどの一般的な部品が収容配置されて、前記コントロールユニット26から電磁コイルへの通電制御によってスプール弁30を軸方向の移動位置を連続的に制御するようになっている。電磁コイルへの通電はオン、オフ及びオンの場合に通電量が制御されるようになっている。
前記コイルばね32は、前記ソレノイド31の電磁コイルへの非通電時に、前記スプール弁30を最大左方向へ付勢するようになっており、スプール弁30のこの移動位置では、図4及び図5Aに示すように、第1弁部aが第1油孔28bを閉止するようになっている(第4ポジション)。
前記コントロールユニット26は、機関回転数を検出する図外のクランク角センサや吸入空気量を検出するエアフローメータ、機関水温センサ、アクセル開度センサ、スロットル開度センサ、車速センサなどからの検出信号によって現在の運転状態を検出すると共に、クランク角及びカム角センサからの信号によってハウジング1とカムシャフト2との相対回転位置を検出している。
そして、前記ベーン部材3は、機関停止時や始動時から始動後において、制御手段によってその回転位置が規制あるいは規制が解除されるようになっている。前記制御手段は、図1及び図2に示すように、ベーン部材3に対して進角側と遅角側からそれぞれ作動する2つの作動機構によって形成されており、以下では説明の便宜上、主に進角側の作動機構について説明する。
すなわち、前記作動機構は、前記ハウジング1の内部に設けられて、機関の停止時にハウジング1に対して前記ベーン部材3を強制的に相対回転させて所定位置に規制する回動機構40と、前記フロントプレート7の前端側に回転自在に設けられたシリンダ部材41と、該シリンダ部材41内にカムシャフト2の軸方向へ移動可能に設けられて、該軸方向の移動に伴い前記回動機構40を回動させるピストン42と、該ピストン42を軸方向の前方に付勢して、前記回動機構40の一部をベーン部材3に当接させる方向へ回動させる付勢部材である全部で6つのコイルスプリング43と、前記ピストン42を各コイルスプリング43のばね力に抗して後方に移動させて、前記回動機構40の一部によるベーン部材3の回転位置規制を、油圧を介して解除する解除機構44と、を備えている。
前記回動機構40は、前記ハウジング1のシュー8内に各嵌合溝10,11を介して貫通保持されて、内周面に第1ヘリカル内歯45aが形成された回動部材である円筒部材45と、前記フロントプレート7の前記円筒部材45と同軸上の位置に貫通形成されて、内周に第2ヘリカル内歯46aが形成された歯部形成孔46と、該歯部形成孔46と円筒部材45内を軸方向から貫通配置された作動ロッド47と、該作動ロッド47の前記ピストン42側の端部外周に回転自在に支持された円筒状の歯車構成体48と、を備えている。
前記円筒部材45は、両端部がこれらに対応する前記フロントプレート7の内側面に突設された円筒状の軸受7bとリアプレート13の対向する内端面に形成された円環溝状の軸受13cにそれぞれ回転自在に支持されている。また、円筒部材45の外周面の軸方向のほぼ中央位置には、回動部材の一部であるカム部49が一体に設けられている。
このカム部49は、図2に示すように、それぞれが前記各円筒部材45の外周面からほぼ接線方向に沿って突設されて、前記進角側油圧室17と遅角側油圧室18の内部にそれぞれ臨んで配置されており、各ベーン15b、15cに対向する各先端部一側面49aが所定角度で湾曲状に折曲形成されて、該各一側面49aが進角側油圧室17と遅角側油圧室18で各ベーン15b、15cの対向面に当接可能になっている。
前記作動ロッド47は、一端部が前記ピストン42に形成された固定用孔42aに圧入結合され、他端部が前記リアプレート13の圧入用孔13bに圧入固定された円筒状のガイド部材50に軸方向へ摺動自在に保持されている。また、この作動ロッド47は、軸方向のほぼ中央位置に歯車構成体48の図1中、右方向の移動位置を規制するフランジ部47aが一体に形成されている。
前記歯車構成体48は、前記作動ロッド47の外周面で回転自在に支持されており、前記リアプレート13側の一端部に形成された短尺な大径部48aと、該大径部48aに一体に形成されて、前記ピストン42方向に延びる小径部48bとから構成されている。前記大径部48aは、外端面に前記作動ロッド47のフランジ部47aに回転摺動自在に嵌合しつつ軸方向一方側の移動が規制される嵌合溝が形成されている一方、前記小径部48bは、先端縁が前記ピストン42の内端面に回転摺動可能に当接して軸方向他方側の移動が規制されている。
また、前記大径部48aの外周面には、前記円筒部材45の第1ヘリカル内歯45aに噛み合う第1ヘリカル外歯48cが形成されていると共に、小径部48bの外周面には、前記フロントプレート7の第2ヘリカル内歯46aと噛み合う第2ヘリカル外歯48dがそれぞれ形成されている。前記第1ヘリカル内外歯45a、48cと第2ヘリカル内外歯46a、48dとは歯筋のねじれ角方向がそれぞれ逆になっている。
なお、前記小径部48bの大径部48との結合箇所の外周面には、ギアの噛み合い干渉を防止するための、円環状の逃げ部48eが形成されている。
前記シリンダ部材41は、横断面ほぼコ字形状の有底円筒状に形成されて、円筒状外周壁の開放側一端部41aの外周面に円環状突起41bが一体に形成されていると共に、この突起41bを介して前記ハウジング本体6のフロントプレート7から前方へ突出した円筒部6aをかしめことによって該円筒部6aにカシメ固定されている。また、底壁のほぼ中央に比較的大径な保持孔41cが貫通形成されており、この保持孔41cに挿通されたほぼ円柱状の通路構成部52を介して前記カムボルト51によってベーン部材3と一緒にカムシャフト2の端部に軸方向から共締め固定されている。
前記ピストン42は、円環状に形成されて外周に設けられたシールリング54を介してシリンダ部材41内を軸方向へ液密的に摺動自在に収容されており、前端面(受圧面)42b側には後述の油圧給排回路から油圧が給排される受圧室55が形成されている。
なお、このピストン42は、受圧室55と反対側の空間部(ばね収容室)が前記突起41bとフロントプレート7との間に形成された環状孔と、前記開放側一端部41a及び円筒部6aの直径方向に穿設された径方向孔とによって外気と連通していることから、これらによって軸方向のスムーズな移動が確保されるようになっている。
前記6つのコイルスプリング43は、ピストン42に対する安定した付勢力を付与するために、ピストン42の円周方向のほぼ120°の等間隔位置にそれぞれ一対ずつ配置されている。また、各コイルスプリング43の両端部が前記フロントプレート7の外側面とピストン42の後端面にそれぞれ形成された円形状の保持溝内に位置決めされつつ弾接保持されて、前記ピストン42を受圧室55の容積を短縮させる前方側へ付勢している。そして、例えば機関停止時には、このコイルスプリング43のばね力によってピストン42を介して前記回動機構40の両カム部49、49を互いに各ベーン15b、15cに当接する方向へ回転させるようになっている。
前記解除機構44は、前記受圧室55と油圧給排回路とから構成され、この油圧給排回路は、図1〜図3に示すように、前記1つのベーン15bの内部径方向に形成された油通路孔56と、前記通路構成部52のベーンロータ14側の後端面に形成されて、前記油通路孔56の一端部が接続された環状通路57と、前記通路構成部52内に形成されて、一端部が前記環状通路57に接続されている一方、他端部が前記受圧室55に接続された油孔58と、から構成されている。
前記油通路孔56は、図3に示すように、他端部が前記ベーン15b先端の保持溝15dに接続されており、この保持溝15dは、シール部材16を介して前記進角側油圧室17と遅角側油圧室18の両方に適宜連通するようになっている。前記環状通路57は、その開口端が前記ベーンロータ14の前端面によって閉止されてシール性を確保している。
以下、機関始動時から始動後、さらには停止までの一連の動作を図6〜図8に基づいて説明する。
図7に示すように、まず、機関の停止状態から、イグニッションスイッチをオン操作してスタータモータを回転させ、クランキングが開始されて完爆後のアイドリング運転に移行すると、この始動開始時点では、コントロールユニット26から電磁切換弁26の電磁コイルへの通電がいまだ遮断されて非通電状態になっている。したがって、スプール弁30は図5Aに示すように、コイルばね32のばね力によって左方向へ最大に移動して、第1弁部30aが供給孔28aと第1油孔28bとの連通を遮断すると共に、第3弁部30cが第2油孔28cと第2ドレン孔28eとを連通している。
この時点ではオイルポンプ25が作動して供給通路21に作動油が圧送されるが、前記第1弁部30aによる供給孔28aと第1油孔28bとの連通が遮断されていることから、作動油は各連通溝30fを通って第1油孔28bから第1油通路19を経由して各進角側油圧室17内に流入する。しかし、前記作動油の油圧は十分に低いことから、ベーン部材3を回転させるまでには至らず各進角側油圧室17に作動油が供給されるのみとなる。
また、同時に前記各進角側油圧室17に供給された作動油は、前記ベーン15bの保持溝15dから油通路孔56、環状通路57及び油孔58を通って受圧室55に供給されるが、これも僅かに流入量であるからピストン42をコイルスプリング43のばね力に抗して右方向へ移動させるまでに至らない。
したがって、ベーン部材3は、図6Bに示すように、後述する機関が停止した際の作動状態が維持されて、両カム部49,49によって各ベーン15b、15cが互いに挟持される方向へ押圧されて最進角側と最遅角側の間の位置に保持されている(図7のa領域…原点領域)。
その後、アイドリング運転が進んで所定時間が経過して暖機運転状態になると、コントロールユニット26から前記電磁コイルに高電流が通電される。すると、スプール弁30が、図5Dに示すように、コイルばね32のばね力に抗して最大右方向に移動する(第2ポジション)。
これにより、第1油孔28bと第1ドレン孔28dが弁孔29を介して連通して各進角側油圧室17の作動油をオイルパン24内に排出すると共に、供給孔28aと第2油孔28cが弁孔29を介して連通して各遅角側油圧室18に作動油圧が供給される。
同時に前記一つの遅角側油圧室18内の作動油は、図3の一点鎖線で示すように、シール部材16が進角側油圧室17側に移動して隙間を形成することから、この隙間と前記保持溝15dから油通路孔56、環状通路57及び油孔58を通って受圧室55に供給され、この受圧室55内の油圧が上昇してピストン42を作動ロッド47と共にコイルスプリング43のばね力に抗して右方向へ移動させる。
そうすると、前記ピストン42の移動に伴って歯車構成体48が、各第1、第2ヘリカル内外歯45a、48c、46a、48dの噛み合いを維持しつつ右方向(リアプレート13側)へ移動する。
これによって、前記第2ヘリカル内外歯46a、48dの噛み合い移動により歯車構成体48が一方向への回転力が発生すると同時に、これと歯筋が逆の第1ヘリカル内外歯45a、48cの噛み合い移動によって前記円筒部材45に歯車構成体48の回転方向とは逆の回転力が作用する。
したがって、進角側と遅角側の各円筒部材45、45は、それぞれ図6Bに示す位置から各カム部49,49が互いに離間する方向への回転力が付与されて、該各カム部49,49を図6Aに示す最大左右方向に回転させる。よって、ベーン部材3は、各カム部49,49によって維持されていた回転位置規制が解除されると同時に、各遅角側油圧室18内の油圧上昇に伴って図6Aの実線位置まで最大左方向へ回転する。
かかるアイドリング運転時は、ハウジング1とカムシャフト2との相対回転位相が最遅角側に変換される(図7のb領域)。この結果、吸気弁のバルブタイミングが最遅角側に制御されて、機関のポンピング損失が低減されることから、燃費の向上と機関回転の安定化が図れる。
その後、定常運転に移行すると、図7に示すように従来と同じ制御が行われ、例えば中回転中負荷に移行した場合は、これを検出したコントロールユニット26から電磁コイルに対する通電量が低電流に制御されると、スプール弁30は、図5Bに示すように、コイルスプリング32のばね力との関係で軸方向の左方向へ移動して(第1ポジション)、各弁部30a〜30cが供給孔28aと第1油孔28bを連通させると共に、供給孔28aと第2油孔28cとの連通を遮断しつつ該第2油孔28cと第2ドレン孔28eとを連通させる。
これによって、各遅角側油圧室18内の作動油がオイルパン24内に排出されると共に、供給通路21に圧送された作動油が各油孔28a、28b及び弁孔29を通って第1油通路19から各進角側油圧室17に供給される。これにより、この内部油圧の上昇に伴ってベーン部材3を図6Aの二点鎖線で示すように、ハウジング1の回転方向と同方向に回転させて、ハウジング1とカムシャフト2の相対回転位相を最大進角側に変換する。
この結果、吸気弁のバルブタイミングが最大進角側に制御されることから、機関出力や燃費の向上などが図れる。
ここで、前記受圧室55には、一つの進角側油圧室17から前記油圧給排回路を通って常時高油圧が供給されていることから、ピストン42が図1中、最大右方向へ移動した状態が維持されている。このため、各カム部49、49は、図6Aに示すように、円筒部材48などの作動によって各ベーン15b、15cから離間された回転位置、つまり回転規制が解除された状態になって、前記ベーン部材3の自由回転が確保されていることから、前記最進角側への回転制御を速やかに行うことができる。また、遅角側への回転制御も同様に速やかに行うことができる。
また、前記コントロールユニット26からの電磁コイルへの通電量を所定の通電量に一定に制御することによって、スプール弁30を図5Cに示すように、軸方向の中間位置に保持する(第3ポジション)。
これによって、第2、第3弁部30b、30cが、前記供給孔28aと第1油孔28b、第2油孔28cとの連通を遮断すると共に、第1、第2ドレン孔28d、28eと第1,第2油孔28b、28cとの連通を遮断する。
このため、各進角側油圧室17と各遅角側油圧室18への作動油の供給や排出が停止されて、ベーン部材3を所定の回転位置に保持する。したがって、ハウジング1とカムシャフト2が所望の相対回転位置に保持することができ、吸気弁のバルブタイミング制御を所望の位相に固定することが可能になる。
この中間保持制御は、特に、前述したアイドリング運転中などの一定回転を継続する機関運転の場合に有効である。
次に、機関を停止する際の作動について、図5〜図7及び図8のフローチャートに基づいて説明すると、まず、図8のステップ1ではアイドリング運転状態でサイドブレーキを引いてブレーキスイッチがオンになったか否かを判断する。ここで、オンになっていないと判断した場合はリターンするが、オンになったと判断した場合(図7のトリガーP点)は、ステップ2に移行する。
ここでは、アイドリング運転になっているか否かを判断し、なっていないと判断した場合はリターンするが、アイドリング運転になっていると判断した場合は停止の準備をしているとしてステップ3に移行する。
このステップ3では、イグニッションスイッチをオフ操作して、前記電磁コイルへの通電を遮断する処理を行う。電磁コイルへの通電を遮断すると、前記スプール弁30は、図5Aに示すように、コイルばね32のばね力によって最大左方向に移動して各遅角側油圧室18内の作動油を第2油通路20やドレン通路22などを介してオイルパン24内に排出すると共に、各進角側油圧室17への作動油の供給を遮断する。
ここで、前述したように、各連通溝30fを介して第1油通路19から各進角側油圧室17に少量の作動油が供給されると共に、各進角側油圧室17から前記受圧室55に供給されるが、この油圧によってピストン42がコイルスプリング43のばね力に抗して右方向へ移動されることはない。
したがって、前記回転機構40の円筒部材48などによって各カム部49,49が、図6Bに示すように、各ベーン15b、15c側に回動して各先端面49a、49aが両ベーン15b、15cの外側面に当接して挟み込むように保持する。これによって、ベーン部材3は、最進角側と最遅角側の間の位置にロック状態に位置決め保持される。
その後、ステップ4では、所定時間だけ現在の状態を維持する。これは、エンジンオイルの粘度によって前記各カム部49,49によるベーン部材3の挟持動作が異なるため、エンジンオイルの油温をパラメータにした待ち時間とすることによって各カム部49,49の確実な挟持動作時間を確保したものである。この所定時間経過後に、ステップ5において機関の停止処理を行う(図7のc領域)。
以上のように、本実施形態では、前記機関始動時には、ベーン部材3が両カム部49、49によって最進角側と最遅角側の間の僅かに進角側の位置で保持されていることから、良好な始動性が得られる。
また、機関始動初期においては、両カム部49、49によるベーン部材3に対する回転規制を速やかに解除して自由な回転を確保するため、以後のバルブタイミング制御応答性が向上する。
しかも、かかる解除時には、前述したように、予め受圧室55内に一つの進角側油圧室17から油圧給排回路を介して作動油が供給されて作動油が満たされた状態にあることから、機関運転状態の変化に応じて前記ピストン42をコイルスプリング43のばね力に抗して速やかにハウジング1方向へ移動させることができることから、前記回動機構40の作動応答性も良好になり、各カム部49,49によるベーン部材3に対する規制解除作用を一層速やかに行うことができる。
このため、前記各進角側油圧室17や各遅角側油圧室18への作動油の供給に伴ってハウジング1に対するベーン部材3の相対回転位相の制御応答性を向上させることが可能になる。
なお、機関の再始動及びアイドリング運転時には、前述した一連の制御を繰り返すが、エンジンオイルの温度状態によって、図7のd領域及びe領域に示すような短時間で両カム部49,49によるベーン部材3の挟持作用(原点位置)及びアイドリング運転への復帰が速やかに行われる。
また、前記回動機構40では2段のヘリカル歯を組み合わせているが、1段でも良く、この場合は、固定側のヘリカル歯と出力側のヘリカル歯との噛み合いにおいて、どちらかがねじれ角度をもたないスプライン嵌合とし、また、フロントプレート7のヘリカル内歯と歯車構成体48のヘリカル外歯との噛み合いを廃止して、ピストン42に対して歯車構成体48を固定し、このヘリカル外歯と円筒部材45のヘリカル内歯との噛み合いのみとすることも可能である。
また、前記機関停止時の他の制御例として、図9に示すように、図8のステップ2のアイドリング運転中か否かの判断で、アイドリング運転中であると判断した場合は、ステップ6において、ベーン部材3を先に最進角側と最遅角側の間の位置に回転制御して一応原点位置に復帰させてから、ステップ3で電磁コイルへの通電を遮断することも可能である。これによって、ベーン部材3の原点位置復帰を早めることが可能になる。
また、この制御方法によれば、前記各連通溝30fを通過した低油圧が進角側油圧室17に予め供給されているため、電磁コイルへの通電がなくともカムシャフト2に発生する正負の交番トルクによってベーン部材3が遅角側に大きく回転することがないことから、前記原点復帰への作動が早くなると共に、作動を確実に完了させることができる。
また、この実施形態では、前記歯車構成体48を大径部と小径部の二段型とし、大径部の内部に嵌合溝を設け、ここに作動ロッド47のフランジ部47aを嵌合させるようにしたが、このように二段型に形成した理由は、前記フランジ部47aを内部に収容させることにより、歯車構成体48の軸方向のストロークをできるかぎり大きく取れるようにしたためである。
〔第2の実施形態〕
図10及び図11は第2の実施形態を示し、ハウジング1などの基本構造は第1の実施形態と同様であるが、特に回転機構60の回転部材としてラック・ピニオン機構を利用したものである。
すなわち、前記回動機構60は、前記ハウジング1のシュー8内に各嵌合溝10,11を介して貫通保持されて、内周面に第1ヘリカル内歯61aが形成された円筒状の出力歯車部材61と、前記フロントプレート7の内側面に複数のロケートピン63によって位置決めされ、前記出力歯車部材61と同軸上の位置に配置されて、内周に第2ヘリカル内歯62aが形成された固定歯車部材62と、基端部がタイミングスプロケット5の壁部に形成された固定用孔5aに圧入固定されて、前記出力歯車部材61と同軸上に配置された内部中空状のガイドロッド64と、一端部の内部に形成されたガイド孔65aに前記ガイドロッド64の先端部64aが挿通して回転自在でかつ軸方向に摺動自在にガイドされる円筒状の歯車構成体65と、前記ハウジング本体6の外周面の周方向に沿って摺動可能に配置され、前記出力部材61の回転に伴って摺動する一対のラック部材66と、を備えている。
前記出力歯車部材61は、段差径状に形成されて、小径端部が前記リアプレート13の内端面に形成された支持孔13c内に嵌合して回転自在に支持されていると共に、一方の軸方向の位置決めがされている。また、この出力歯車部材61の大径端部の外周には、前記ラック部材66の内面に形成されたラック噛み合い部であるラック歯66aに噛合する出力噛み合い部であるピニオンギア61bが形成されている。
また、この出力歯車部材61の外周面の一部には、図2に示すように、ほぼ接線方向に沿って切りかかれた切欠溝61cが形成されている。この切欠溝61cは、最進角側への回転時及び最遅角側への回転時にピニオンギア61bが対向するベーン15b、15cの側面に干渉するのを防止するようになっている。
前記固定歯車部材62は、前記複数のロケートピン63によって非回転状態に保持され、段差径状に形成されて、その小径部の先端面が前記出力部材61の大径端部の外端面に当接して、該出力部材61とともにフロントプレート7とリアプレート13との間に互いに軸方向から位置決めされている。
前記歯車構成体65は、小径な他端部65bが前記ピストン42の後端面に形成された保持穴42cに回転自在に支持されていると共に、該他端部65b
の内部軸方向に形成された固定用孔65cに、前記ピストン42の通孔に固定されたピン67の軸部が圧入されて、該ピン67によってピストン42に軸方向から連結されている。
また、この歯車構成体65は、一端部に有する大径部の外周には、前記出力部材61の第1ヘリカル内歯61aに噛合する第1ヘリカル外歯65dが形成されていると共に、軸方向のほぼ中央に有する大径部の外周には、前記固定歯車部材62の第2ヘリカル内歯62aに噛合する第2ヘリカル外歯65eが形成されている。なお、前記タイミングスプロケット5には、前記歯車構成体65の軸方向のスムーズな移動を確保するための空気孔5bが軸方向に貫通形成されている。
そして、前記第1ヘリカル内外歯61a、65dと第2ヘリカル内外歯62a、65eとは歯筋のねじれ角方向がそれぞれ逆になっている。
前記各ラック部材66は、図10に示すようにハウジング本体6の軸方向に所定幅を持ち、図11にも示すように、所定幅ハウジング本体6の円弧状内周面に沿って所定長さの円弧状に形成されていると共に、前記ハウジング本体6の内周面に形成されたガイド溝6aに沿って円周方向へ摺動自在に保持されている。また、この各ラック部材66は、機関停止時において互いに各ベーン15b、15cに接近する方向へ移動すると、その長手方向の先端部66bが各ベーン15b、15cの外周側側面に形成された嵌合溝15d、15eにそれぞれ嵌合するようになっている。
その他、前記ピストン42や複数のコイルスプリング43及び油圧給排回路などの構成は第1の実施形態と同様である。
したがって、この実施形態によれば、機関停止時には、前記各コイルスプリング43のばね力によってピストン42が図10に示す最大左方向に付勢され、これによって、歯車構成体65が図示の最大左位置に保持されている。
この時点では、前記両ラック部材66,66が、前記歯車構成体65の回転により前記第1ヘリカル内外歯61a、65dと第2ヘリカル内外歯62a、65eと噛み合い回転を得て、図11の実線で示すように各先端部66b、66bが各ベーン15b、15cの嵌合溝15d、15eに嵌合して該両ベーン15b、15cを挟持状態に保持する。つまり、最進角側と最遅角側の間の位置に保持される。
そして、機関が始動されると、その始動初期には、前記第1の実施形態と同じように、電磁切換弁23の作動によってオイルポンプ25から圧送された作動油がスプール弁30の各連通溝30fを通って各進角側油圧室17に供給されると共に、油圧給排回路を介して受圧室55にも僅かに供給されて、ピストン42の移動準備を行う。
その後、アイドリング運転に移行すると、電磁切換弁23の切り換え作動によって、各進角側油圧室17内の作動油が排出されると共に、各遅角側油圧室18に作動油が供給される。この各遅角側油圧室18に供給された作動油は、同じく油圧給排回路から前記受圧室55内に供給され、この油圧によりピストン42を図10の位置からコイルスプリング43のばね力に抗して右方向へ押圧する。
これにより、前記歯車構成体65が回転しながら右方向へ移動して、前記第1ヘリカル内外歯61a、65dと第2ヘリカル内外歯62a、65eの噛み合いを得ながら各出力歯車部材61、61を互いに反対方向に回転させる。
したがって、各ピニオンギア61b、61と噛み合っているラック歯66a、66aを介して各ラック部材66,66を互いに反対方向、つまり各ベーン15b15cから離間する方向に移動する。
よって、ベーン部材3に対する回転規制が速やかに解除されて、該ベーン部材3の自由な回転が確保されることから、該ベーン部材3は各遅角側油圧室18の油圧上昇にしたがって最遅角側に回転する。この結果、吸気弁はそのバルブタイミングが最遅角側に制御されて、燃費の向上などが図れる。
また、定常運転に移行した場合は、第1の実施形態の場合と同様に、コントロールユニット26からの電磁切換弁23に対する制御電流によって適宜機関運転状態に応じたバルブタイミングに制御される。
また、機関停止時には、図8や図9に記載したフローチャートに基づいた処理が行われると共に、両ラック部材66,66によって両ベーン15b、15cを挟持状態に保持して始動に適した所定のバルブタイミングに設定する。
したがって、この実施形態も第1の実施形態と同様に、機関の良好な始動が得られると共に、始動時には予め受圧室55に作動油が供給されることから、次のバルブタイミング制御応答性の向上が図れる。
〔第3の実施形態〕
図12は第3の実施形態を示し、基本構造はラック部材を用いた第1、第2の実施形態と同じであって、この基本構造に、前記受圧室55内の作動油を速やかに排出するための排出回路70を設けたものである。
すなわち、前記ドレン通路22と受圧室55を接続する排出通路71が設けられていると共に、該排出通路71の途中に前記排出通路71を開閉する第2流体切換弁である電磁開閉弁72(OSV)が設けられている。この電磁開閉弁72は、前記コントロールユニット26からの制御信号によって電磁コイルに通電して前記排出通路71を開閉する弁体を有し、機関停止時に排出通路71を開いて受圧室55内の作動油を強制的に排出するようになっている。
以下、図13に基づいて機関停止時のコントロールユニット26による制御を説明すると、まず、ステップ11では、アイドリング運転状態でサイドブレーキを引いてブレーキスイッチがオンになったか否かを判断する。ここで、オンになっていないと判断した場合はリターンするが、オンになったと判断した場合は、ステップ12に移行する。
ここでは、アイドリング運転になっているか否かを判断し、なっていないと判断した場合はリターンするが、アイドリング運転になっていると判断した場合は停止の準備をしているとしてステップ13に移行する。
このステップ13では、イグニッションスイッチをオフ操作して、前記電磁切換弁23の電磁コイルへの通電を遮断する処理を行う。電磁コイルへの通電を遮断した場合の前記スプール弁30の作動は、前述した通りである。
次に、ステップ14では、前記電磁開閉弁72へ通電して開弁させて排出通路71を連通させる。
ステップ15では、タイマーによって排出通路71の連通を所定時間維持する。これによって、受圧室55内の作動油は、排出通路71から速やかに排出されることから、ピストン42はコイルスプリング43のばね力によって最大左方向へ速やかに移動する。
ステップ16では、電磁開閉弁72への通電を遮断する処理を行い、続いてステップ17において内燃機関の作動を停止させる。
このように、機関停止時には、受圧室55内の作動油を速やかに排出することから、ピストン42を介して回動機構40の作動性が良好となり、各ラック部材66,66によるベーン部材3の始動に適したバルブタイミング制御を迅速に行うことが可能になる。この結果、例えばエンスト後の機関再始動性が良好になる。
〔第4の実施形態〕
図14は第4の実施形態を示し、第2の実施形態における受圧室55への作動油の給排を行う油圧給排回路を廃止して、前記受圧室55には独立した油圧回路80によって作動油圧を給排するようにしたものである。
つまり、前記供給通路21と受圧室55とを接続する給排通路81が設けられていると共に、この給排通路81の途中に第2電磁切換弁82(OSV)が設けられている。この第2電磁切換弁82は、2ポート1位置タイプであって、前記給排通路81の連通を前記供給通路21かドレン通路22に切り換え制御するようになっている。
以下、図15に基づいて機関停止時のコントロールユニット26による制御を説明すると、まず、ステップ21では、アイドリング運転状態でサイドブレーキを引いてブレーキスイッチがオンになったか否かを判断する。ここで、オンになっていないと判断した場合はリターンするが、オンになったと判断した場合は、ステップ22に移行する。
ここでは、アイドリング運転になっているか否かを判断し、なっていないと判断した場合はリターンするが、アイドリング運転になっていると判断した場合は停止の準備をしているとしてステップ23に移行する。
このステップ23では、イグニッションスイッチをオフ操作して、前記電磁切換弁23の電磁コイルへの通電を遮断する処理を行う。電磁コイルへの通電を遮断した場合の前記スプール弁30の作動は、前述した通りである。
次に、ステップ24では、前記第2電磁切換弁82への通電も遮断する。これによって、給排通路81が供給通路21との連通が遮断されると共に、ドレン通路22と連通する。したがって、受圧室55内の作動油は、オイルパン24内へ速やかに排出され、ピストン42を介して回動機構40によるベーン部材3の回転規制が速やかに行われる。
その後、ステップ25において、油温との関係で時間が設定されるタイマーによって前記排出状態を所定時間待つ。これによってエンジンオイルの粘性による影響を回避できる。次に、ステップ26で内燃機関の駆動を停止させる処理を行う。
次に、図16のフローチャートに基づいて機関始動時の制御について説明すると、ステップ31では、イグニッションスイッチをオンしたか否かを判断し、いまだオンしていない場合は終了するが、オンしたと判断した場合は、初爆を経てアイドリング運転状態となり、オイルポンプ25の吐出量が安定したところでステップ32に移行する。
ステップ32では、バルブタイミングの制御開始が可能か否かを、機関回転数を検出するクランク角センサの情報信号に基づいて判断する。
制御開始可能であると判断した場合は、ステップ33において第2電磁切換弁82に通電して給排通路81とドレン通路22との連通を遮断すると共に、供給通路21と連通させる。これによって、受圧室55には、オイルパン24内の作動油が直接的に供給されることから、ピストン42の移動応答性も高くなり、したがって、ベーン部材3の回動機構40による回転規制を速やかに解除することができる。よって、エンストによる再始動時に有利になる。
ステップ33では、タイマーによってこの状態を所定時間継続する。これは、エンジンオイルの粘性の程度によっては立ち上がりが遅くなる場合もあるので、検出された油温に応じてタイマーの設定時間を決定している。
その後、ステップ34において電磁切換弁23に通電してバルブタイミング制御を開始する。
本発明は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、例えば前記コイルスプリング43の数やばね荷重などは任意に設定することも可能である。
また、ベーン部材3のベーン15の数は3枚に限定されるものではなく、装置の大きさや仕様によってさらに増加し、あるいは削減することも可能である。
本発明の第1実施形態におけるバルブタイミング制御装置の縦断面図である。 図1のA−A線断面図である。 本実施形態の要部拡大断面図である。 本実施形態に供される電磁切換弁の縦断面図である。 A〜Dは電磁切換弁の作動状態を示す縦断面図である Aはベーン部材が最遅角側に回転制御された状態を示し、Bは最遅角側と最進角側の間に回転規制された状態を示す図1のA−A線断面図である。 本実施形態における機関運転状態に応じた制御特性図である。 本実施形態における機関停止時の制御フローチャート図である。 本実施形態における機関停止時の他の制御フローチャート図である。 第2の実施形態に係るバルブタイミング制御装置の縦断面図である。 図10のB−B線断面図である。 第3の実施形態を示す概略図である。 本実施形態における機関停止時の制御フローチャート図である。 第4の実施形態を示す概略図である。 本実施形態における機関停止時の制御フローチャート図である。 本実施形態における機関始動時の制御フローチャート図である。
符号の説明
1…ハウジング
2…カムシャフト
3…ベーン部材
4…油圧回路
5…タイミングスプロケット
6…ハウジング本体
7…フロントカバー
8…シュー
13…リアカバー
14…ベーンロータ
15a〜15c…ベーン
16…シール部材
17…進角側油圧室(進角側流体室)
18…遅角側油圧室(遅角側流体室)
40・60…回動機構
41…シリンダ部材
42…ピストン
43…コイルスプリング(付勢部材)
45…円筒部材(回動部材)
45…第1ヘリカル内歯
46…歯部形成孔
46a…第2ヘリカル内歯
47…作動ロッド
48…歯車構成体
48c…第1ヘリカル外歯
48d…第2ヘリカル外歯
49…カム部(回動部材の一部)
55…受圧室
56…油通路孔
58…油孔
61…出力歯車部材
61a…第1ヘリカル内歯
61b…ピニオンギア
62…固定歯車部材
62a…第2ヘリカル内歯
65…歯車構成体
65d…第1ヘリカル外歯
65e…第2ヘリカル外歯
66…ラック部材
66a…ラック歯

Claims (21)

  1. クランクシャフトによって回転駆動され、内周側から内方へ突出するシューを有するハウジングと、
    カムシャフトに固定され、前記ハウジング内に相対回転自在に配置されると共に、前記シューとの間に進角側流体室と遅角側流体室とを隔成するベーンを有するベーン部材と、
    前記進角側流体室と遅角側流体室に流体圧を選択的に給排する流体給排手段と、
    前記ハウジング内に回動自在に設けられ、該回動することによって前記ハウジングに対して前記ベーン部材を相対回転させる回動部材と、
    前記カムシャフトの軸方向に移動可能に設けられ、該カムシャフト軸方向の移動に伴って前記回動部材を回動させるピストンと、
    前記ピストンを移動方向の一方側に付勢して、前記回動部材の一部を前記ベーン部材に接近する方向へ移動させる付勢部材と、
    前記ピストンを前記付勢部材に抗して前記移動方向の他方側に移動させて前記回動部材の一部をベーン部材に対して離間する方向へ移動させる解除手段と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
    前記回動部材は、前記ベーン部材に当接可能なカム部を有することを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  3. 請求項1に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置おいて、
    前記解除手段は、前記ピストンに連係されて、外周に第1ヘリカル外歯を有する歯車構成体を有すると共に、前記回動部材の内周に前記第1ヘリカル外歯と噛合する第1へリカル内歯を有することを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  4. 請求項3に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
    前記歯車構成体は、回転可能に設けられると共に、外周の前記第1ヘリカル外歯と異なる位置に該第1ヘリカル外歯と歯筋が逆方向に傾斜した第2ヘリカル外歯を有し、
    前記ハウジングに、前記第2ヘリカル外歯と噛み合う第2ヘリカル内歯を一体的に設けたことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  5. 請求項1に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
    前記ピストンは、流体圧力によって前記付勢部材の付勢力に抗して移動されることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  6. クランクシャフトによって回転駆動され、内周側から内方へ突出するシューを有するハウジングと、
    カムシャフトに固定され、前記ハウジング内に相対回転自在に配置されると共に、前記シューとの間に進角側流体室と遅角側流体室とを隔成するベーンを有するベーン部材と、
    前記進角側流体室と遅角側流体室に流体圧を選択的に給排する流体給排手段と、
    前記ハウジング内に周方向へ移動自在に設けられ、該周方向の移動によって前記ハウジングに対して前記ベーン部材を相対回転させるラック部材と、
    前記カムシャフトの軸方向に移動可能に設けられ、該カムシャフト軸方向の移動に伴って前記ラック部材を移動させるピストンと、
    前記ピストンを移動方向の一方側に付勢して、前記ラック部材を前記ベーン部材に接近させる方向に移動させる付勢部材と、
    前記ピストンを前記付勢部材に抗して前記移動方向の他方側に移動させて前記ラック部材をベーン部材に対して離間する方向へ移動させる解除手段と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  7. 請求項6に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
    前記ピストンに連係されて、外周に第1ヘリカル外歯を有する歯車構成体を有すると共に、前記第1ヘリカル外歯と噛合する第1へリカル内歯を有し、外周に出力噛み合い部が設けられ、前記歯車構成体の軸方向の移動に伴って回転する回転部材と、
    前記ラック部材に設けられ、前記出力噛み合い部と噛み合って前記回転部材の回転に伴い前記ラック部材を周方向に移動させるラック噛み合い部と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  8. 請求項7に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
    前記歯車構成体は、回転可能に設けられると共に、外周の前記第1ヘリカル外歯と異なる位置に前記第1ヘリカル外歯とは歯筋が逆方向に傾斜した第2ヘリカル外歯を有し、
    前記ハウジングに、前記第2ヘリカル外歯と噛み合う第2ヘリカル内歯を一体的に設けたことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  9. 請求項6に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
    前記ピストンは、流体圧力によって前記付勢部材の付勢力に抗して移動されることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  10. 請求項6に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
    前記ピストンが前記解除手段によって解除されない状態における前記歯車構成体は、前記ベーン部材と対向する側が平面状に切欠形成されていることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  11. クランクシャフトによって回転駆動され、内周側から内方へ突出するシューを有するハウジングと、
    カムシャフトに固定され、前記ハウジング内に相対回転自在に配置されると共に、前記シューとの間に進角側流体室と遅角側流体室とを隔成するベーンを有するベーン部材と、
    前記ベーン部材の前記ハウジングに対する周方向への移動を内燃機関の停止時に周方向両側から強制的に挟持する一対の挟持部材と、
    機関の始動後に前記挟持部材の挟持状態を解除する解除機構と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  12. 請求項11に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
    前記一対の挟持部材は、前記進角側流体室と遅角側流体室の最も外周側の位置に配置されていることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  13. 請求項11に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
    前記解除機構によって解除されていない状態では、前記ベーン部材が前記ハウジングに対して最進角側と最遅角側の間の位置に位置するように前記挟持部材によって移動されることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  14. 請求項11に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
    前記ベーン部材は、外周部に複数のベーンを有し、前記一対の挟持部材のそれぞれが、それぞれ別個のベーンに当接するように構成されていることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  15. クランクシャフトによって回転駆動され、内周側から内方へ突出するシューを有するハウジングと、
    カムシャフトに固定され、前記ハウジング内に相対回転自在に配置されると共に、前記シューとの間に進角側流体室と遅角側流体室とを隔成するベーンを有するベーン部材と、
    前記進角側流体室と遅角側流体室に流体圧を選択的に給排する第1流体切換弁と、
    前記ハウジングに対する前記ベーン部材を機関の停止時に回転一方向に付勢する付勢部材と、
    前記付勢部材のベーン部材に対する回転一方向の付勢力を流体圧によって解除する解除機構と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  16. 請求項15に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
    前記解除機構への流体圧の給排を制御する第2流体切換弁を備えたことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  17. 請求項16に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
    前記第1流体切換弁は、流体圧を連続的に変更するように構成され、前記第2流体切換弁は、流体圧をオン、オフ的に変更するように構成されていることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  18. 請求項15に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
    前記解除機構に対する流体圧の給排は、前記第1流体切換弁によって行うことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  19. 請求項18に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
    前記第1流体切換弁は電流を通電することによって駆動され、
    前記進角側流体室へ流体を供給し、前記遅角側流体室の流体を排出する第1ポジションと、
    前記遅角側流体室へ流体を供給し、前記進角側流体室の流体を排出する第2ポジションと、
    前記進角側流体室と遅角側流体室の流体圧力を保持する第3ポジションと、
    前記第1ポジションよりも前記神格流体圧室側への供給面積が小さい状態で前記進角側流体室へ流体を供給し、前記遅角側流体室の流体を排出する第4ポジションと、
    にそれぞれ切り換え可能に構成され、
    非通電状態では、前記第4ポジションに切り換えられた状態を維持することを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  20. 請求項19に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
    前記第4ポジションでは、前記解除機構が作動しない流体圧力が供給されるだけの供給面積となっていることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  21. 請求項15に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
    機関停止の兆候を検出した場合に、前記付勢部材による付勢力で前記ベーン部材を停止させる位置に予め作動するように前記第1流体切換弁を制御し、その後に機関を停止させたことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012026271A (ja) * 2010-07-20 2012-02-09 Mikuni Corp バルブタイミング変更装置
JP2012246899A (ja) * 2011-05-31 2012-12-13 Mikuni Corp バルブタイミング変更装置
JP2013087688A (ja) * 2011-10-18 2013-05-13 Mikuni Corp バルブタイミング変更装置

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