JP5979030B2 - 可変気筒エンジン - Google Patents

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Description

本発明は、複数の気筒を備えるとともに、そのうちの一部の気筒を休止させる減筒運転が可能な可変気筒エンジンに関する。
上記のような可変気筒エンジンとして、例えば下記特許文献1のものが知られている。具体的に、この特許文献1では、減筒運転への移行時に、休止すべき気筒の吸気弁のリフト動作を停止させる等の制御が実行される。このため、特許文献1のエンジンには、吸気弁を停止させるための機構(弁停止機構)が備えられているが、当該機構は油圧式であるため、エンジンの冷却水温が低いときには、油圧制御用のオイルの粘度が高くなる等の理由により、休止気筒の吸気弁を停止させるのに要する時間(弁停止機構の動作所要時間)が長くなり、減筒運転への移行が円滑に行われないことがある。
そこで、下記特許文献1では、減筒運転の要求があったときに、エンジンの冷却水温が予め定められた下限温度と比較され、冷却水温が下限温度以下であることが確認された場合には、吸気弁の作用角が縮小されて、カムのベース円区間(同一吸気弁が閉弁してから開弁するまでの区間)が長く設定される。これにより、エンジンの冷却水温が低い条件であっても、ベース円区間が経過するまでの間に吸気弁の停止動作が完了し、減筒運転への移行が円滑に行われるので、減筒運転の機会が増えて、燃費性能がより改善される。
特開2010−270701号公報
一方、上記特許文献1において、エンジンの冷却水温が下限値よりも高いときには、吸気弁の作用角を縮小する制御は行われず、吸気弁のリフト特性は通常通りに設定される。しかしながら、この状態で減筒運転をしているときに、エンジンの負荷が相対的に高まり、稼動気筒の負担が増大した場合には、稼動気筒の温度が上昇して異常燃焼が起きるおそれがある。このような異常燃焼を回避するには、減筒運転を行う上限の負荷を低く設定するか、もしくは、異常燃焼が起きないように点火時期を大幅にリタード(遅角)させればよいが、これに伴って燃費の改善効果が減殺されるので、好ましくない。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、燃費性能に優れた減筒運転をより広範な負荷域で実行することが可能な可変気筒エンジンを提供することを目的とする。
上記課題を解決するためのものとして、本願の第1の発明は、複数の気筒を有するエンジン本体と、エンジン本体を冷却する冷却機構と、冷却機構を制御するとともに上記気筒の稼動数を運転状態に応じて変更可能な制御手段とを備えた可変気筒エンジンであって、上記制御手段は、エンジンの部分負荷域に設定された減筒運転領域において気筒の稼動数を減らすとともに、この減筒運転領域内の高負荷側に設定された第1減筒領域では、上記減筒運転領域内の低負荷側に設定された第2減筒領域に比べて、上記冷却機構の冷却能力を高く設定し、上記減筒運転領域は、エンジン回転速度が予め定められた第1基準速度以上の領域に設定され、上記第1基準速度よりも低速側に位置する低速全筒領域での運転時、上記制御手段は、上記第1減筒領域よりも上記冷却機構の冷却能力を低く設定する、ことを特徴とするものである(請求項1)。
上記第1の発明によれば、気筒の稼動数を減らす減筒運転領域の中でも負荷の高い第1減筒領域で、冷却機構の冷却能力が高められてエンジン本体の温度が下げられるので、第1減筒領域に対応する負荷がある程度高くても、ノッキング(未燃焼のエンドガスが自着火する異常燃焼)の防止のために点火タイミングを大幅にリタードさせる必要がなく、燃費性能に優れた減筒運転をより高負荷側まで継続して実行することができる。
例えば、高負荷側の第1減筒領域で仮に冷却能力が高められなかったとすると、稼動気筒の温度が上昇し、ノッキングが発生するおそれがある。これを回避するには、第1減筒運転領域の上限の負荷を下げて減筒運転領域を狭めるか、またはノッキングを回避するために点火タイミングを大幅にリタードさせればよいが、これでは燃費改善効果が充分に得られなくなる。
これに対し、上記第1の発明のように、高負荷側の第1減筒領域において冷却能力を高めるようにした場合には、点火タイミングのリタード量を減らしてもノッキングが起きなくなるので、点火タイミングを相対的にアドバンス(進角)させることができ、より少ない燃料の噴射量で同等のトルクを得ることができるようになる。これにより、燃費性能に優れた減筒運転をより高負荷側まで継続して実行することができ、燃費性能を充分に向上させることができる。
さらに、上記第1の発明では、上記減筒運転領域よりも低速側の低速全筒領域で、上記第1減筒領域よりも冷却機構の冷却能力が低くされるので、エンジン回転速度が低いために気筒内での混合気の流動性が悪くなり易い条件下において、エンジン本体が無用に冷却されることがなく、HCの発生量が増大するのを防止することができる。
本願の第2の発明は、複数の気筒を有するエンジン本体と、エンジン本体を冷却する冷却機構と、冷却機構を制御するとともに上記気筒の稼動数を運転状態に応じて変更可能な制御手段とを備えた可変気筒エンジンであって、上記制御手段は、エンジンの部分負荷域に設定された減筒運転領域において気筒の稼動数を減らすとともに、この減筒運転領域内の高負荷側に設定された第1減筒領域では、上記減筒運転領域内の低負荷側に設定された第2減筒領域に比べて、上記冷却機構の冷却能力を高く設定し、上記減筒運転領域は、エンジン回転速度が予め定められた第2基準速度以下の領域に設定され、上記第2基準速度よりも高速側に位置する高速全筒領域での運転時、上記制御手段は、上記第1減筒領域のときと同様、上記冷却機構の冷却能力を高く設定する、ことを特徴とするものである(請求項)。
また、本願の第3の発明は、複数の気筒を有するエンジン本体と、エンジン本体を冷却する冷却機構と、冷却機構を制御するとともに上記気筒の稼動数を運転状態に応じて変更可能な制御手段とを備えた可変気筒エンジンであって、上記制御手段は、エンジンの部分負荷域に設定された減筒運転領域において気筒の稼動数を減らすとともに、この減筒運転領域内の高負荷側に設定された第1減筒領域では、上記減筒運転領域内の低負荷側に設定された第2減筒領域に比べて、上記冷却機構の冷却能力を高く設定し、上記減筒運転領域よりも高負荷側に位置する高負荷全筒領域での運転時、上記制御手段は、上記第1減筒領域のときと同様、上記冷却機構の冷却能力を高く設定する、ことを特徴とするものである(請求項)。
これらの第2および第3の発明のように、減筒運転領域よりも高速または高負荷側に設定された全筒運転の領域(高速全筒領域および高負荷全筒領域)において冷却機構の冷却能力を高めた場合には、上記各領域の中でも特に負荷が高いかまたは回転速度が高い領域(つまりノッキングが発生し易い領域)において、ノッキングの発生を確実に防止することができる。
ここで、高速全筒領域および高負荷全筒領域の中でもノッキングが発生し易い一部の領域でのみ冷却能力を高めることも考えられるが、このようにすると、例えばエンジンの運転ポイントが第1減筒領域から高速全筒領域または高負荷全筒領域へと移動したときに、冷却機構の冷却能力を頻繁に変化させる必要が生じ(例えば冷却能力を高→低→高と変化させる必要が生じ)、制御が煩雑になるだけでなく、応答性の面でも問題が生じる。これに対し、上記第2および第3の発明では、高速全筒領域および高負荷全筒領域では一律に冷却機構の冷却能力が高められるので、上記のような問題を回避しつつ、ノッキングの発生を確実に防止することができる。
上記エンジンが車両に搭載された車載用エンジンであり、かつ、上記エンジン本体の出力軸が、複数のギア段を有する変速機を介して車輪に連結されている場合、上記制御手段は、好ましくは、上記冷却機構の冷却能力を高める制御を、上記変速機のギア段が所定の段数以上のときにのみ実行する(請求項)。
この構成によれば、エンジン本体の温度が実際に低下するまでの遅れ時間を考慮した適正な条件下で無駄なく冷却能力を高めることができる。すなわち、変速機のギア段が低いときは、エンジンの運転ポイントの移動が激しく、また、すぐにシフトアップされる(変速段が高速ギア段に変更される)可能性がある。このため、ギア段が低いときに冷却能力を高めても、実際にエンジン本体の各気筒の温度が下がったときには、既に冷却能力を高める必要のない運転領域(例えば第2減筒領域または低速全筒領域)に運転ポイントが移動していることがあり得る。これに対し、上記構成では、冷却能力を高める制御を、変速機のギア段が高いとき(つまり運転ポイントの移動が緩やかで巡航状態に近いとき)にのみ許容するため、エンジン本体の温度が実際に低下するまでに多少の遅れ時間があっても、冷却能力を高める必要のない運転領域に運転ポイントが移動する前にエンジン本体の温度を充分に低下させられると考えられるので、冷却能力が高める制御が無駄になることがない。
本願の第4の発明は、複数の気筒を有するエンジン本体と、エンジン本体を冷却する冷却機構と、冷却機構を制御するとともに上記気筒の稼動数を運転状態に応じて変更可能な制御手段とを備えた可変気筒エンジンであって、上記制御手段は、エンジンの部分負荷域に設定された減筒運転領域において気筒の稼動数を減らすとともに、この減筒運転領域内の高負荷側に設定された第1減筒領域では、上記減筒運転領域内の低負荷側に設定された第2減筒領域に比べて、上記冷却機構の冷却能力を高く設定し、上記冷却機構、冷却水が循環する冷却水路と、冷却水を熱交換により冷却するラジエータと、冷却水の温度が予め設定された基準温度以上のときに開弁することにより、上記冷却水路を通じて上記ラジエータに流入する冷却水の流れを許容する切替弁とを備え上記制御手段は、上記基準温度を下げることにより上記冷却機構の冷却能力を高くする、ことを特徴とするものである(請求項)。
上記第4の発明によれば、切替弁が開弁する温度である基準温度を変化させるだけの簡単な構成で、冷却機構の冷却能力を適正に調整することができる。
以上説明したように、本発明によれば、燃費性能に優れた減筒運転をより広範な負荷域で実行することが可能な可変気筒エンジンを提供することができる。
本発明の一実施形態にかかる可変気筒エンジンの全体構成を示す平面図である。 上記エンジンの主要部分の断面図である。 上記エンジンの制御系を示すブロック図である。 上記エンジンの運転領域を制御の相違によって区分けしたマップである。 上記エンジンの運転中に実行される制御動作の手順を示すフローチャート(その1)である。 上記エンジンの運転中に実行される制御動作の手順を示すフローチャート(その2)である。 上記エンジンの燃費性能を説明するためのグラフである。
(1)エンジンの全体構成
図1および図2は、本発明の一実施形態にかかる可変気筒エンジンの構成を示す図である。これらの図に示されるエンジンは、走行用の動力源として車両に搭載される4サイクルの多気筒ガソリンエンジンである。具体的に、このエンジンは、直線状に並ぶ4つの気筒2を有する直列4気筒型のエンジン本体1と、エンジン本体1に空気を導入するための吸気通路20と、エンジン本体1で生成された排気ガスを排出するための排気通路25と、エンジン本体1を冷却する冷却機構30とを備えている。
エンジン本体1は、上記4つの気筒2が内部に形成されたシリンダブロック3と、シリンダブロック3の上部に設けられたシリンダヘッド4と、各気筒2に往復摺動可能に挿入されたピストン5とを有している。
ピストン5の上方には燃焼室10が形成されており、この燃焼室10には、ガソリンを主成分とする燃料が、後述するインジェクタ11からの噴射によって供給される。そして、噴射された燃料が燃焼室10で燃焼し、その燃焼による膨張力で押し下げられたピストン5が上下方向に往復運動するようになっている。
ピストン5は、エンジン本体1の出力軸であるクランク軸15とコネクティングロッド16を介して連結されており、上記ピストン5の往復運動に応じてクランク軸15が中心軸回りに回転するようになっている。
クランク軸15は、変速機40(図3)を介して図外の車輪と連結されている。変速機40は、複数のギア段(例えば前進6段、後退1段)を有する多段変速機であり、運転者により操作されるシフトレバーと連係されている。
シリンダブロック3には、クランク軸15の回転速度をエンジンの回転速度として検出するエンジン速度センサSN1が設けられている。
シリンダヘッド4には、燃焼室10に向けて燃料(ガソリン)を噴射するインジェクタ11と、インジェクタ11から噴射された燃料と空気との混合気に対し火花放電による点火エネルギーを供給する点火プラグ12とが、各気筒2につきそれぞれ1組ずつ設けられている。
当実施形態のような4サイクル4気筒のガソリンエンジンでは、各気筒2に設けられたピストン5がクランク角で180°(180°CA)の位相差をもって上下運動する。これに対応して、各気筒2での点火のタイミングも、180°CAずつ位相をずらしたタイミングに設定される。具体的には、図1の左側の気筒2から順に1番、2番、3番、4番気筒とすると、1番気筒→3番気筒→4番気筒→2番気筒の順に点火が行われる。
なお、詳細は後述するが、当実施形態のエンジンは、4つの気筒2のうちの2つを休止させ、残りの2つの気筒2のみを稼動させる運転、つまり減筒運転が可能な可変気筒エンジンである。このため、上記のような点火順序は、減筒運転ではない通常の運転時(4つの気筒2を全て稼動させる全筒運転時)のものである。一方、減筒運転時には、点火順序が連続しない2つの気筒において点火プラグ12の点火動作が禁止され、1つ飛ばしで点火が行われるようになる。
各気筒2の幾何学的圧縮比、つまり、ピストン5が下死点にあるときの燃焼室10の容積とピストン5が上死点にあるときの燃焼室10の容積との比は、ガソリンエンジンとしては高めの値である12以上に設定されている。
シリンダヘッド4には、吸気通路20から供給される空気を各気筒2の燃焼室10に導入するための吸気ポート6と、各気筒2の燃焼室10で生成された排気ガスを排気通路25に導出するための排気ポート7と、吸気ポート6の燃焼室10側の開口を開閉する吸気弁8と、排気ポート7の燃焼室10側の開口を開閉する排気弁9とが設けられている。なお、当実施形態では、1つの気筒2につき吸気弁8および排気弁9が2つずつ設けられている。
吸気弁8および排気弁9は、それぞれ、シリンダヘッド4に配設された一対のカムシャフト等を含む動弁機構18,19(図2)により、クランク軸15の回転に連動して開閉駆動される。
吸気弁8用の動弁機構18には、吸気弁8のリフト動作を気筒2ごとに個別に停止可能な弁停止機構部18aが組み込まれている。弁停止機構部18aは、吸気弁8のリフト動作を停止できるものであればその種類を問わないが、例えば、回転するカムに連動して揺動する入力アームと、入力アームの動きを吸気弁8に伝達する伝達アームと、これら入力アームと伝達アームとを連結する連結ピンとを備えたものを、上記弁停止機構部18aとして用いることができる。連結ピンは、例えば油圧により軸方向に進退駆動され、入力アームと伝達アームとを連結する突出位置と、両者の連結を解除する後退位置との間で移動可能である。連結ピンが突出位置にあるときは、この連結ピンを介して入力アームと伝達アームとが連結されているので、入力アームの動きが伝達アームに伝達され、吸気弁8のリフト動作が実行される。一方、連結ピンが後退位置に移動して入力アームと伝達アームとの連結が解除されると、入力アームの動きが伝達アームに伝達されなくなるので、吸気弁8のリフト動作が停止される。当実施形態では、このような構造の弁停止機構部18aが各気筒2につき1つずつ設けられることにより、各気筒2の吸気弁8のリフト動作が個別に停止可能とされている。
同様に、排気弁9用の動弁機構19には、排気弁9のリフト動作を気筒2ごとに個別に停止可能な弁停止機構部19aが組み込まれている。なお、弁停止機構部19aの具体的構成は上記吸気弁8用の弁停止機構部18aと同様であるので、その説明を省略する。
吸気通路20は、各気筒2の吸気ポート6と連通する4本の独立吸気通路21と、各独立吸気通路21の上流端部(吸入空気の流れ方向上流側の端部)に共通に接続されたサージタンク22と、サージタンク22から上流側に延びる1本の吸気管23とを有している。
吸気管23の途中部には、エンジン本体1に吸入される空気の流量を調節する開閉可能なスロットル弁24が設けられており、サージタンク22には、上記吸入空気の流量を検出するエアフローセンサSN2が設けられている。
排気通路25は、各気筒2の排気ポート7と連通する4本の独立排気通路26と、各独立排気通路26の下流端部(排気ガスの流れ方向下流側の端部)が1箇所に集合した集合部27と、集合部27から下流側に延びる1本の排気管28とを有している。
冷却機構30は、エンジン冷却用の冷却水を圧送する冷却水ポンプ31と、冷却水ポンプ31により圧送された冷却水が循環する冷却水路32と、冷却水を冷却するラジエータ33と、冷却水路32内の冷却水の流れを切り替える切替弁34と、冷却水の温度を検出する水温センサSN3とを備えている。
冷却水路32は、エンジン本体1から排出された冷却水をラジエータ33を通すことなく再びエンジン本体1に戻すための第1水路32aと、エンジン本体1から排出された冷却水をラジエータ33に導入するための第2水路32bと、ラジエータ33から排出された冷却水を第1水路32aの下流部に導入するための第3水路32cとを有している。第1水路32aの下流部を通ってエンジン本体1に導入された冷却水は、エンジン本体1のシリンダブロック3およびシリンダヘッド4の内部に形成された図略のウォータージャケット等を通過した後に、エンジン本体1から排出されて、切替弁34を通じて第1水路32aの上流部または第2水路32bに導出される。
冷却水ポンプ31は、例えばエンジン本体1のクランク軸15から駆動力を得て冷却水を圧送する機械式のポンプからなり、第3水路32cと第1水路32aとの合流部よりも下流側に位置するエンジン本体1の近傍部に設けられている。
ラジエータ33は、外気との熱交換により冷却水を冷却するものであり、車両の走行風があたるエンジンルーム内の所定位置に配設されている。例えば、車両がフロントエンジン方式の車両である場合、エンジンルームの前面に設けられたフロントグリルの後方にラジエータ33が配設されており、このフロントグリルに備わる空気導入口から導入される外気がラジエータ33に吹き付けられることにより、ラジエータ33内の冷却水が冷却される。
切替弁34は、例えばサーミスタを用いた電気検知式のサーモスタットからなり、第1水路32aと第2水路32bとの分岐部に設けられている。この切替弁34は、第2水路32bに流入する冷却水の流れを遮断する閉弁状態と、第2水路32bへの冷却水の流れを許容する開弁状態との間で切り替え可能である。
具体的には、水温センサSN3により検出される冷却水の温度が予め定められた基準温度未満であれば、切替弁34が閉弁される。このとき、冷却水は第1水路32aのみを循環するので、エンジン本体1で発生する熱によって冷却水の温度は徐々に上昇する。一方、冷却水の温度が基準温度以上になったときには、切替弁34が開弁されて、冷却水は第2水路32bにも流入するようになる。すなわち、エンジン本体1から導出された冷却水は、第1水路32aを循環するだけでなく、第2水路32bを通じてラジエータ33にも供給され、このラジエータ33で冷却された後に、第3水路32c等を通じて再びエンジン本体1へと戻される。このときの切替弁34の開度は連続的に変更することが可能であり、当該開度の設定により、ラジエータ33に流入する冷却水の流量が任意に調整される。切替弁34の開度が大きくされてラジエータ33への冷却水の流入量が増加すれば、それに伴って冷却能力が向上し、冷却水温が急速に低下することになる。
(2)制御系
次に、図3を用いて、エンジンの制御系について説明する。当実施形態のエンジンは、その各部がECU(エンジン制御ユニット)50によって統括的に制御される。ECU50は、周知のとおり、CPU、ROM、RAM等から構成されるマイクロプロセッサからなり、本発明にかかる制御手段に相当するものである。
ECU50には、各種センサからの情報が逐次入力される。具体的に、ECU50は、エンジンの各部に設けられた上記エンジン速度センサSN1、エアフローセンサSN2、および水温センサSN3と電気的に接続されている。また、当実施形態の車両には、ドライバーにより操作される図外のアクセルペダルの開度(アクセル開度)を検出するアクセル開度センサSN4と、変速機40の変速段を検出するシフトポジションセンサSN5とが設けられており、ECU50は、これらアクセル開度センサSN4およびシフトポジションセンサSN5とも電気的に接続されている。ECU50は、これらセンサSN1〜SN5からの入力信号に基づいて、エンジンの回転速度、吸入空気量、冷却水の温度、アクセル開度、変速機40のギア段といった種々の情報を取得する。
ECU50は、上記各センサ(SN1〜SN5)からの入力信号に基づいて種々の演算等を実行しつつ、エンジンの各部を制御する。すなわち、ECU50は、インジェクタ11、点火プラグ12、弁停止機構部18a,19a、スロットル弁24、および切替弁34と電気的に接続されており、上記演算の結果等に基づいて、これらの機器にそれぞれ駆動用の制御信号を出力する。
(3)運転状態に応じた制御
次に、図4〜図6を用いて、運転状態に応じたエンジン制御の具体的内容について説明する。
図4は、エンジンの負荷および回転速度を縦軸および横軸として表したエンジンの運転領域を制御の相違によって複数の領域に分けたマップである。このマップは、大きく分類して、エンジンの4つの気筒2のうちの2つを休止させる減筒運転が行われる減筒運転領域Aと、それ以外の(減筒運転を行わない)領域B1,B2,B3に分けられる。
減筒運転領域Aは、エンジン回転速度が予め設定された第1基準速度R1以上第2基準速度R2以下になる中間の速度域であって、かつエンジン負荷が予め定められた基準負荷L1以下になる部分負荷の領域に設定されている。
さらに、減筒運転領域Aは、基準負荷L1より低い負荷L2を境に、負荷L2以上の第1減筒領域A1と、負荷L2未満の第2減筒領域A2とに分割される。
また、減筒運転領域A以外の領域(つまり全気筒が稼動される全筒運転の領域)は、第1基準速度R1未満の速度域に設定された低速全筒領域B1と、第2基準速度R2を超える速度域に設定された高速全筒領域B2と、これら各領域B1,B2の間に位置しかつ基準負荷L1を超える領域に設定された高負荷全筒領域B3とに分割される。
ここで、低速全筒領域B1、高速全筒領域B2、および高負荷全筒領域B3でそれぞれ減筒運転を行わないのは、次のような理由による。
すなわち、エンジン回転速度が低い低速全筒領域B1で、仮に減筒運転が行われて稼動気筒が2つに減らされたとすると、稼動気筒間の燃焼間隔が長くなり過ぎて、エンジンの振動が増大してしまう。このような事情から、減筒運転領域Aの下限の回転速度である第1基準速度R1は、エンジンのアイドリング速度Rminよりも大きい値に設定する必要があり、その結果、両速度Rmin,R1の間の速度域に、全筒運転を行う低速全筒領域B1が設定されている。なお、第1基準速度R1は、エンジンの定格速度Rmaxの1/6程度に設定することができる。
一方、減筒運転領域Aでは、仮に同じ領域を全筒運転とした場合と異なり、稼動気筒においてほぼ2倍の燃料を噴射する必要があり、1つの稼動気筒あたりの負担が増大するので、不用意に減筒運転領域Aを拡大すると、特にその高負荷かつ高速側においてノッキング、つまり火炎伝播の途中で未燃焼のエンドガスが自着火する異常燃焼が起きる可能性が高くなる。これは、負荷が高まるほど燃料の噴射量が増える上に、回転速度が高まれば単位時間あたりの発生熱量が増えて、稼動気筒の温度が上昇するからである。このような事情から、減筒運転領域Aの上限の回転速度である第2基準速度R2と、減筒運転領域Aの上限の負荷である基準負荷L1とは、それぞれ、エンジンの定格速度Rmaxおよび最高負荷Lmaxよりも小さい値に設定する必要があり、その結果、定格速度Rmaxと第2基準速度R2との間、および最高負荷Lmaxと基準負荷L1との間に、それぞれ高速全筒領域B2および高負荷全筒領域B3が設定されている。なお、第2基準速度R2は、定格速度Rmaxの2/3程度に設定することができ、基準負荷L1は、最高負荷Lmaxの1/2程度に設定することができる。
次に、図5および図6のフローチャートを用いて、エンジンの運転中にECU50が行う制御動作について具体的に説明する。なお、これらのフローチャートに示す処理が実行される前提として、エンジンは温間状態にあり、よって冷却水の温度は所定値(例えば80℃)以上まで上昇しているものとする。
図5に示す処理がスタートすると、ECU50は、各種センサ値を読み込む処理を実行する(ステップS1)。すなわち、ECU50は、エンジン速度センサSN1、エアフローセンサSN2、水温センサSN3、アクセル開度センサSN4、およびシフトポジションセンサSN5からそれぞれの検出信号を読み込み、これらの信号に基づいて、エンジンの回転速度、吸入空気量、冷却水の温度、アクセル開度、変速機のギア段等の各種情報を取得する。
次いで、ECU50は、上記ステップS1で読み込んだ情報に基づいて、エンジンが減筒運転領域Aで運転されているか否かを判定する処理を実行する(ステップS2)。すなわち、ECU50は、エンジン速度センサSN1、エアフローセンサSN2、およびアクセル開度センサSN4等から得られる情報に基づいて、エンジンの負荷および回転速度を特定するとともに、両者の値から求まるエンジンの運転ポイントが、図4に示した減筒運転領域Aに含まれるか否かを判定する。
上記ステップS2でYESと判定されてエンジンが減筒運転領域Aで運転されていることが確認された場合、ECU50は、気筒の稼動数を減らす減筒運転を実行する(ステップS3)。すなわち、ECU50は、エンジン本体1の4つの気筒2のうちの2つが休止状態となる(残りの2つの気筒2のみが稼動する)ように、各気筒2のインジェクタ11、点火プラグ12、弁停止機構部18a,19aを制御する。より具体的には、休止気筒のインジェクタ11および点火プラグ12の作動を停止させるとともに、休止気筒の弁停止機構部18a,19aを駆動して吸気弁8および排気弁9のリフト動作を停止させる。これにより、休止気筒では、燃料噴射および点火が停止されて、燃焼が行われなくなる。なお、減筒運転では4つの気筒2のうちの2つが休止されるが、休止される気筒2の組み合わせは、点火順序が連続しないような組み合わせであり、例えば1番気筒と4番気筒の組、または2番気筒と3番気筒の組が、上記休止気筒として選ばれる。
上記のようにして減筒運転を開始した後、ECU50は、現在のエンジンの運転ポイントが、減筒運転領域Aの中でも相対的に負荷の高い第1減筒領域A1に含まれるか否かを判定する処理を実行する(ステップS4)。そして、このステップS4でYESと判定されて第1減筒領域A1での運転であることが確認された場合、ECU50は、さらに、現在の変速機40のギア段(ステップS1で取得)が予め定められた所定の段数未満であるか否かを判定する処理を実行する(ステップS5)。ここで、「所定の段数」としては、変速機40が有する複数のギア段の中でも高めの段数(少なくとも半分より上の段数)が設定される。例えば、変速機40が前進6段のものである場合には、所定の段数として「4」を設定することができる。このときは、ギア段が1〜3速のいずれかであれば上記ステップS5での判定がYESとなり、ギア段が4〜6速であれば上記ステップS5の判定がNOとなる。
上記ステップS5でYESと判定された場合、つまり、減筒運転領域Aの中でも高負荷側の第1減筒領域A1でエンジンが運転されておりかつ変速機40のギア段が所定の段数未満であることが確認された場合、ECU50は、冷却機構30の切替弁34が開弁される温度(ラジエータ33への冷却水の流入が許容される温度)である冷却水の基準温度として、予め定められたノーマル基準温度Thighを設定する処理を実行する(ステップS6)。なお、ノーマル基準温度Thighの値は、例えば88℃とすることができる。
次いで、ECU50は、エンジンの冷却水の温度(以下、冷却水温Twという)が、上記ステップS6で設定したノーマル基準温度Thighに維持されるように、切替弁34の開度を制御する処理を実行する(ステップS7)。具体的に、ECU50は、冷却水温Twがノーマル基準温度Thigh以上であれば切替弁34を開弁させ、冷却水温Twがノーマル基準温度Thigh未満であれば切替弁34を閉弁させというように、切替弁34の開度を制御する。これにより、冷却水温Twがノーマル基準温度Thigh以上のときにのみ冷却水がラジエータ33に流入して冷却されるので、冷却水温Twはノーマル基準温度Thighを大きく上回ることも下回ることもなく、その近傍値に維持される。
次いで、ECU50は、点火プラグ12の点火タイミングをMBTよりもリタード(遅角)させる処理を実行する(ステップS8)。すなわち、点火プラグ12の点火タイミングは、特に支障のない限り、最もトルクの出るタイミング(通常は圧縮上死点付近)であるMBTに設定されるが、ステップS8では、点火タイミングが上記MBTよりも所定のクランク角分だけ遅く設定される。
上記のように点火タイミングをリタードさせるのは、稼動気筒での異常燃焼を回避するためである。すなわち、気筒2の稼動数が減らされる減筒運転領域Aの中でも高負荷側に位置する第1減筒領域A1では、稼動気筒で最大限に近いトルクを稼ぐ必要があり、稼動気筒での発生熱量が大きいので、ノッキング(未燃焼のエンドガスが自着火する異常燃焼)が起き易い。そこで、このようなノッキングを回避するために、上記ステップS8では点火タイミングをリタードさせている。
次に、上記ステップS5でNOと判定された場合、つまり、第1減筒領域A1でエンジンが運転されておりかつ変速機40のギア段が所定の段数(例えば前進6段の場合は4速)以上であった場合の制御動作について説明する。この場合、ECU50は、冷却水の基準温度(切替弁34が開弁される温度)として、上記ノーマル基準温度Thighよりも低い値である低温基準温度Tlowを設定する処理を実行する(ステップS10)。なお、低温基準温度Tlowの値は、例えば78℃とすることができる。
次いで、ECU50は、現在のエンジンの冷却水温(ステップS1で取得)が、上記ステップS6で設定した低温基準温度Tlow以上であるか否かを判定する処理を実行する(ステップS11)。そして、ここでYESと判定されてTw≧Tlowであることが確認された場合に、切替弁34を開弁させて冷却水をラジエータ33に流入させる処理を実行する(ステップS12)。これにより、ラジエータ33で熱交換が行われて冷却水が冷却され、冷却水温Twが低下し始める。一方、冷却水温Twが低温基準温度Tlowを下回ると(ステップS11でNO)、切替弁34が閉じられるので、それ以上冷却は進行しなくなり、冷却水温Twは低温基準温度Tlowの近傍値に維持される。
ここで、上記ステップS12で開弁される切替弁34の開度は、冷却水温Twが低温基準温度Tlowに比べて高いほど大きく設定される。すなわち、実際の冷却水温Twと低温基準温度Tlowとの温度差(Tw−Tlow)が大きいほど、ラジエータ33に流入する冷却水の流量が多く設定され、冷却能力が高められる。これは、上記温度差が大きいほど冷却水温Twを素早く低下させて低温基準温度Tlowに近づけるためである。
例えば、上記ステップS11での判定の直前における冷却水温Twが、上述したノーマル基準温度Thighの近傍値であったと仮定する。この場合、上記ステップS11の判定では、冷却水温Twが低温基準温度Tlowよりも大幅に高いことになるので(例えばThigh=88℃、Tlow=78℃の場合は約10℃高いことになる)、上記ステップS12では、切替弁34の開度が充分に大きく設定される。これにより、冷却水のラジエータ33への流入量が増えて冷却能力が充分に高められるので、冷却水温Twが急速に低下してエンジン本体1の冷却が促進される。
上記のようにして冷却水を冷却した後、ECU50は、点火タイミングのリタード量を減少させる処理を実行する(ステップS13)。すなわち、上記ステップS8で既に説明したとおり、減筒運転領域Aの中でも高負荷側の第1減筒領域A1では、本来、ノッキングを回避するために点火タイミングのリタードが必要であるが、ここでは、エンジンの冷却水温Twが低温基準温度Tlowまで下げられるので(上記ステップS12)、ノッキングが起き易い環境が改善される。このため、点火タイミングのリタード量を減らしてもノッキングを回避できるようになり、リタード量を減少させる上記ステップS13の制御が可能になる。
次に、上記ステップS4でNOと判定された場合、つまり、減筒運転領域Aの中でも低負荷側の第2減筒領域A2でエンジンが運転されている場合の制御動作について説明する。この場合、ECU50は、冷却水の基準温度(切替弁34が開弁される温度)としてノーマル基準温度Thigh(例えば88℃)を設定するとともに、エンジンの冷却水温Twが上記ノーマル基準温度Thighに維持されるように切替弁34の開度を制御する処理を実行する(ステップS14,S15)。なお、点火タイミングはリタードされず、最もトルクの出るタイミングであるMBTに設定される。
次に、上記ステップS2でNOと判定された場合、つまり、減筒運転領域A以外の領域(低速、高速、高負荷の各全筒領域B1,B2,B3のいずれか)でエンジンが運転されている場合の制御動作について、図6を用いて説明する。この場合、ECU50は、4つの気筒2の全てを稼動させる全筒運転を実行する(ステップS20)。すなわち、ECU50は、エンジン本体1の全ての気筒2において燃料噴射および火花点火が行われるように各インジェクタ11および点火プラグ12を制御するとともに、全ての気筒2の吸排気弁8,9が駆動されるように各弁停止機構部18a,19aを一律に非作動とする。
次いで、ECU50は、上記ステップS1で取得した情報に基づき特定される現在のエンジンの運転ポイントが、低速全筒領域B1に含まれるか否かを判定する処理を実行する(ステップS21)。さらに、ECU50は、このステップS21でNOと判定されて低速全筒領域B1以外の全筒領域(高速全筒領域B2または高負荷全筒領域B3)での運転であることが確認された場合に、現在の変速機40のギア段(ステップS1で取得)が上述した所定の段数未満であるか否かを判定する処理を実行する(ステップS22)。
上記ステップS21,S22のいずれかでYESと判定された場合、つまり、低速全筒領域B1でエンジンが運転されているか、もしくは、変速機40のギア段が所定の段数未満でかつ高速全筒領域B2または高負荷全筒領域B3でエンジンが運転されていることが確認された場合、ECU50は、冷却水の基準温度(切替弁34が開弁される温度)としてノーマル基準温度Thigh(例えば88℃)を設定するとともに、エンジンの冷却水温Twが上記ノーマル基準温度Thighに維持されるように切替弁34の開度を制御する処理を実行する(ステップS23,S24)。
一方、上記ステップS22でNOと判定された場合、つまり、変速機40のギア段が所定の段数以上でかつ高速全筒領域B2または高負荷全筒領域B3でエンジンが運転されていることが確認された場合、ECU50は、冷却水の基準温度として、上記ノーマル基準温度Thighよりも低い値である低温基準温度Tlow(例えば78℃)を設定する処理を実行する(ステップS25)。そして、現在のエンジンの冷却水温が上記低温基準温度Tlow以上であるか否かを判定し、ここでYESと判定されてTw≧Tlowであることが確認された場合に、切替弁34を開弁させて冷却水をラジエータ33に流入させる処理を実行する(ステップS26,S27)。すなわち、切替弁34が開弁される温度である冷却水の基準温度を下げることにより、冷却機構30の冷却能力を高めて、エンジン本体1の冷却を促進する。
(4)作用等
以上説明したように、当実施形態のエンジンは、複数の(4つの)気筒2を有するエンジン本体1と、エンジン本体1を冷却する冷却機構30と、冷却機構30等を含むエンジンの各部を制御するECU50(制御手段)とを備える。ECU50は、エンジンの部分負荷域に設定された減筒運転領域Aで気筒2の稼動数を減らす減筒運転を実行するとともに、それ以外の運転領域(B1,B2,B3)で全ての気筒2を稼動させる全筒運転を実行する。特に、ECU50は、減筒運転領域A内の高負荷側に設定された第1減筒領域A1でエンジンが運転されており、かつ変速機40のギア段が所定の段数以上になっているときには(図5のステップS5でNO)、減筒運転領域A内の低負荷側に設定された第2減筒領域A2のときに比べて、冷却機構30の冷却能力を高める制御を実行する(ステップS10〜S12)。このような構成によれば、燃費性能に優れた減筒運転をより広範な負荷域で実行できるという利点がある。
すなわち、上記実施形態では、気筒2の稼動数を減らす減筒運転領域Aの中でも負荷の高い第1減筒領域A1で、冷却機構30の冷却能力が高められてエンジン本体1の温度が下げられるので、第1減筒領域A1に対応する負荷がある程度高くても、ノッキングの防止のために点火タイミングを大幅にリタードさせる必要がなく、燃費性能に優れた減筒運転をより高負荷側まで継続して実行することができる。
例えば、高負荷側の第1減筒領域A1で仮に冷却能力が高められなかったとすると、稼動気筒の温度が上昇し、ノッキングが発生するおそれがある。これを回避するには、第1減筒領域A1の上限の負荷(基準負荷L1)を下げて減筒運転領域Aを狭めるか、またはノッキングを回避するために点火タイミングを大幅にリタードさせればよいが、これでは燃費改善効果が充分に得られなくなる。
図7は、回転速度一定の条件下でエンジンを運転したときの正味燃料消費率(BSFC)と正味平均有効圧(BMEP)との関係を示すグラフであり、2気筒のみが稼動される減筒運転時の値を実線の波形で示し、4気筒全てが稼動される全筒運転時の値を一点鎖線の波形で示している。なお、縦軸の正味燃料消費率(BSFC)は、値が小さいほど燃費が良いことを表し、横軸の正味平均有効圧(BMEP)は、値が大きいほど負荷が高いことを表す。
図7のグラフから明らかなように、エンジンの部分負荷域で減筒運転を行うと、全筒運転のときよりも燃費が向上する。ただし、エンジン負荷が高くなると、減筒運転時の燃費は悪化に転じ、同じ条件で全筒運転を行った場合よりも燃費が悪くなる。同グラフでは、減筒運転のときの燃費(実線)と全筒運転のときの燃費とが逆転するときの負荷をL1としており、この負荷L1は、図4のマップに示した減筒運転領域Aの上限の負荷である基準負荷L1に対応している。これより低負荷側の負荷L2から上記基準負荷L1までの間の範囲では、冷却水温Twを上述した低温基準温度Tlowまで下げた場合の値を実線で示し、冷却水温Twを下げなかった場合(ノーマル基準温度Thighとした場合)の値を破線で示している。この実線と破線の分岐点の負荷L2は、図4のマップに示した第1減筒領域A1と第2減筒領域A2との境界の負荷L2に対応している。
上記負荷L2以上の範囲において、冷却水温Twが高い場合の燃費(破線)が、冷却水温Twが低い場合の燃費(実線)よりも悪いのは、ノッキング対策のために点火タイミングがリタードされていることに起因する。すなわち、点火タイミングがリタードされると、同じトルクを得るために(もしくは排気ガスの温度上昇を抑制するために)燃料噴射量を増大させて空燃比をリッチ化する必要が生じるので、燃費が悪化する。このように、冷却水温Twが高い条件下では、点火タイミングのリタードが不可避となって燃費が悪化するので、たとえ減筒運転を行ったとしても、上記基準負荷L1よりも低い負荷L1’で、全筒運転のときの燃費と逆転してしまう。
これに対し、負荷L2以上の範囲において冷却水温Twを低下させた場合(実線)には、点火タイミングのリタード量を減らしてもノッキングが起きないので、冷却水温Twが高い場合(破線)と比較して、点火タイミングを相対的にアドバンス(進角)させることができ、より少ない噴射量で同等のトルクを得ることができる。このことは、上記負荷L1’よりも高い負荷L1まで減筒運転を継続しても、全筒運転時に比べて良好な燃費が得られることを意味する。このような事情から、上記実施形態では、負荷L2からL1までの間(第1減筒領域A1)において、冷却機構30の冷却能力を高めて冷却水温Twを低下させつつ、減筒運転を実行しているのである。これにより、燃費性能に優れた減筒運転をより高負荷側まで継続して実行することができ、燃費性能を充分に向上させることができる。
特に、上記実施形態のエンジンは、各気筒2の幾何学的圧縮比が12以上とされており、ガソリンエンジンとしては高めの圧縮比に設定されているため、本来的にノッキングが起き易い。このため、上記のような冷却水温Twの制御を行う意味は大きく、高圧縮比化に伴う熱効率の向上と相俟って、より優れた燃費性能を得ることが可能になる。
また、上記実施形態では、たとえ第1減筒領域A1での運転であっても、変速機40のギア段が低いときには、上記冷却能力を高める制御が実行されないので、エンジン本体1の温度が実際に低下するまでの遅れ時間を考慮した適正な条件下で無駄なく冷却能力を高めることができる。すなわち、変速機40のギア段が低いときは、エンジンの運転ポイントの移動が激しく、また、すぐにシフトアップされる(変速段が高速ギア段に変更される)可能性がある。このため、ギア段が低いときに冷却能力を高めても、実際にエンジン本体1の各気筒2の温度が下がったときには、既に第1減筒領域A1以外の運転領域に移動していることがあり得るし、これでは冷却能力を高める意味がなくなってしまう。これに対し、上記実施形態のように、冷却能力を高める制御を、変速機40のギア段が高いとき、つまり、運転ポイントの移動が緩やかで(つまり巡航に近い状態で)直ちには第1減筒領域A1を外れないと予想されるときにのみ許容した場合には、エンジン本体1の温度が実際に低下するまでに多少の遅れ時間があっても、第1減筒領域A1での運転中にエンジン本体1の温度を充分に低下させられると考えられるので、冷却能力が高める制御が無駄になることがない。
なお、変速機40のギア段が低いときは、第1減筒領域A1であっても冷却能力が高められないので、エンジン本体1の温度が低下することはない。このため、ノッキング対策のために点火タイミングを充分にリタードする必要が生じる。ただしこの場合でも、第1減筒領域A1に留まる時間はごく僅かであるので、点火タイミングのリタードによる燃費の悪化は実質的な問題にならない。
また、上記実施形態において、減筒運転領域Aは、エンジン回転速度が予め定められた第1基準速度R1以上の領域に設定されており、この第1基準速度R1よりも低速側には、全筒運転を行う低速全筒領域B1が設定されている。そして、この低速全筒領域B1では、上述した第1減筒領域A1のときと比べて、冷却機構30の冷却能力が低く設定される(図6のステップS23,S24)。このような構成によれば、エンジン回転速度が低いために燃焼室10内での混合気の流動性が悪くなり易い条件下において、エンジン本体1が無用に冷却されることがなく、HCの発生量の増大を防止することができる。
すなわち、低速全筒領域B1のようにエンジン回転速度が低い領域では、ピストン5の移動速度が遅く、燃焼室10内での混合気の流動性が悪いため、燃料の気化・霧化にかかる時間が長くなり易い。このような条件下で、仮に冷却機構30の冷却能力を高めたとすると、エンジン本体1の温度が低下して、燃料の気化・霧化がますます阻害されることになり、HCの発生量が増大してしまう。これに対し、上記実施形態では、低速全筒領域B1で冷却機構30の冷却能力が低く設定されるので、上記のような事態を回避して、HCの発生量が増大するのを適正に防止することができる。
また、上記実施形態において、減筒運転領域Aは、エンジン回転速度が予め定められた第2基準速度R2以下で、かつエンジン負荷が予め定められた基準負荷L1以下の領域に設定されており、第2基準速度R2よりも低速側、および基準負荷L1よりも高負荷側には、それぞれ、全筒運転を行う高速全筒領域B2および高負荷全筒領域B3が設定されている。そして、これら高速全筒領域B2および高負荷全筒領域B3では、上述した第1減筒領域A1のときと同様、変速機40のギア段が所定の段数以上のときに限り冷却機構30の冷却能力が高く設定される(図6のステップS25〜S27)。このように、減筒運転領域Aよりも高速または高負荷側に設定された全筒運転の領域(高速全筒領域B2および高負荷全筒領域B3)において冷却機構30の冷却能力を高めた場合には、上記各領域B2,B3の中でも特に負荷が高いかまたは回転速度が高い領域(つまりノッキングが発生し易い領域)において、ノッキングの発生を確実に防止することができる。
ここで、高速全筒領域B2および高負荷全筒領域B3の中でもノッキングが発生し易い一部の領域でのみ冷却能力を高めることも考えられるが、このようにすると、例えばエンジンの運転ポイントが第1減筒領域A1から高速全筒領域B2または高負荷全筒領域B3へと移動したときに、冷却機構30の冷却能力を頻繁に変化させる必要が生じ(例えば冷却能力を高→低→高と変化させる必要が生じ)、制御が煩雑になるだけでなく、応答性の面でも問題が生じる。このような問題を考慮して、上記実施形態では、高速全筒領域B2および高負荷全筒領域B3では一律に冷却機構30の冷却能力を高めるようにしている。これにより、上記のような問題を回避しつつ、ノッキングの発生を確実に防止することができる。なお、変速機40のギア段が低いときに冷却能力を高める制御が禁止されるのは、上述した第1減筒領域A1のときと同様、低速ギア段のときはエンジンの運転ポイントの移動が激しく、すぐに別の運転領域に移行する可能性があるからである。ギア段が低いときは、点火タイミングの一時的なリタードによってノッキングを防止することになる。
また、上記実施形態において、冷却機構30は、冷却水が循環する冷却水路32と、冷却水を熱交換により冷却するラジエータ33と、冷却水の温度が予め設定された基準温度以上のときに開弁することにより、冷却水路32を通じてラジエータ33に流入する冷却水の流れを許容する切替弁34とを備えており、ECU50は、上述した冷却機構30の冷却能力を高める制御として、上記基準温度を下げる(Tlowに設定する)制御を実行する。このような構成によれば、切替弁34が開弁する温度である基準温度を変化させるだけの簡単な構成で、冷却機構30の冷却能力を適正に調整することができる。
なお、上記実施形態では、切替弁34が開弁する温度である基準温度を下げる(つまりラジエータ33への冷却水の流入をより低い温度条件から許可する)ことにより、冷却機構30の冷却能力を高めるようにしたが、冷却能力は、上記のような基準温度の変更によらない他の方法によっても高めることが可能である。例えば、ラジエータ33がフロントグリルの後方に配設されている場合、フロントグリルに備わる空気導入口の開口面積を可変とするいわゆるグリルシャッターを設け、このグリルシャッターを開閉してラジエータ33に吹き付けられる走行風の流量を変化させることにより、冷却能力を制御することが可能である。あるいは、冷却水ポンプ31として、電気モータで駆動される電動式のポンプを設け、電気モータの回転速度を調整して冷却水の流量を変化させることにより、冷却能力を制御するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、エンジン本体1の幾何学的圧縮比を12以上に設定したが、オクタン価(RON)が高いガソリンを燃料として用いる場合には、ノッキング等の異常燃焼が相対的に起き難くなるので、幾何学的圧縮比をさらに高く設定してもよい。具体的には、オクタン価が95以上のガソリンを燃料として用いる場合には、幾何学的圧縮比を13以上とすることができる。逆に、オクタン価が91以上95未満である場合には、やはり上記実施形態のように、幾何学的圧縮比を12以上とするのがよい。
1 エンジン本体
2 気筒
15 クランク軸(出力軸)
30 冷却機構
32 冷却水路
33 ラジエータ
34 切替弁
40 変速機
50 ECU(制御手段)
A 減筒運転領域
A1 第1減筒領域
A2 第2減筒領域
B1 低速全筒領域
B2 高速全筒領域
B3 高負荷全筒領域
R1 第1基準速度
R2 第2基準速度

Claims (5)

  1. 複数の気筒を有するエンジン本体と、エンジン本体を冷却する冷却機構と、冷却機構を制御するとともに上記気筒の稼動数を運転状態に応じて変更可能な制御手段とを備えた可変気筒エンジンであって、
    上記制御手段は、エンジンの部分負荷域に設定された減筒運転領域において気筒の稼動数を減らすとともに、この減筒運転領域内の高負荷側に設定された第1減筒領域では、上記減筒運転領域内の低負荷側に設定された第2減筒領域に比べて、上記冷却機構の冷却能力を高く設定し、
    上記減筒運転領域は、エンジン回転速度が予め定められた第1基準速度以上の領域に設定され、
    上記第1基準速度よりも低速側に位置する低速全筒領域での運転時、上記制御手段は、上記第1減筒領域よりも上記冷却機構の冷却能力を低く設定する、ことを特徴とする可変気筒エンジン。
  2. 複数の気筒を有するエンジン本体と、エンジン本体を冷却する冷却機構と、冷却機構を制御するとともに上記気筒の稼動数を運転状態に応じて変更可能な制御手段とを備えた可変気筒エンジンであって、
    上記制御手段は、エンジンの部分負荷域に設定された減筒運転領域において気筒の稼動数を減らすとともに、この減筒運転領域内の高負荷側に設定された第1減筒領域では、上記減筒運転領域内の低負荷側に設定された第2減筒領域に比べて、上記冷却機構の冷却能力を高く設定し、
    上記減筒運転領域は、エンジン回転速度が予め定められた第2基準速度以下の領域に設定され、
    上記第2基準速度よりも高速側に位置する高速全筒領域での運転時、上記制御手段は、上記第1減筒領域のときと同様、上記冷却機構の冷却能力を高く設定する、ことを特徴とする可変気筒エンジン。
  3. 複数の気筒を有するエンジン本体と、エンジン本体を冷却する冷却機構と、冷却機構を制御するとともに上記気筒の稼動数を運転状態に応じて変更可能な制御手段とを備えた可変気筒エンジンであって、
    上記制御手段は、エンジンの部分負荷域に設定された減筒運転領域において気筒の稼動数を減らすとともに、この減筒運転領域内の高負荷側に設定された第1減筒領域では、上記減筒運転領域内の低負荷側に設定された第2減筒領域に比べて、上記冷却機構の冷却能力を高く設定し、
    上記減筒運転領域よりも高負荷側に位置する高負荷全筒領域での運転時、上記制御手段は、上記第1減筒領域のときと同様、上記冷却機構の冷却能力を高く設定する、ことを特徴とする可変気筒エンジン。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の可変気筒エンジンにおいて、
    上記エンジンは車両に搭載された車載用エンジンであり、
    上記エンジン本体の出力軸は、複数のギア段を有する変速機を介して車輪に連結されており、
    上記制御手段は、上記冷却機構の冷却能力を高める制御を、上記変速機のギア段が所定の段数以上のときにのみ実行する、ことを特徴とする可変気筒エンジン。
  5. 複数の気筒を有するエンジン本体と、エンジン本体を冷却する冷却機構と、冷却機構を制御するとともに上記気筒の稼動数を運転状態に応じて変更可能な制御手段とを備えた可変気筒エンジンであって、
    上記制御手段は、エンジンの部分負荷域に設定された減筒運転領域において気筒の稼動数を減らすとともに、この減筒運転領域内の高負荷側に設定された第1減筒領域では、上記減筒運転領域内の低負荷側に設定された第2減筒領域に比べて、上記冷却機構の冷却能力を高く設定し、
    上記冷却機構は、冷却水が循環する冷却水路と、冷却水を熱交換により冷却するラジエータと、冷却水の温度が予め設定された基準温度以上のときに開弁することにより、上記冷却水路を通じて上記ラジエータに流入する冷却水の流れを許容する切替弁とを備え、
    上記制御手段は、上記基準温度を下げることにより上記冷却機構の冷却能力を高くする、ことを特徴とする可変気筒エンジン。
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