JP6764301B2 - 多気筒エンジン冷却装置 - Google Patents
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Description
ところで、近年、燃費性能の向上などを目的として、多気筒エンジンにおいて、複数のシリンダの中の一部を休止させて動作させる気筒停止技術が研究されている(特許文献1)。
また、特許文献1では、複数のシリンダを、休止可能気筒と連続作動気筒とに分けて、休止している休止可能気筒に対して冷却水を循環させないようにしている。
たとえば、休止し続けるシリンダは、燃焼が長期間行われないことにより温度が低下し得る。また、連続稼働し続けるシリンダとの間で大きな温度差を生じ得る。そして、たとえば稼働に適した温度以下まで冷えてしまうと、再稼働する際に、エンジンの熱効率が低下してしまう。また、連続稼働し続けるシリンダとの間でたとえばフリクションロスのアンバランスなどが生じ易い。アンバランスが生じると、ノッキングやエンジンの振動が大きくなる。また、エンジン寿命も短くなる可能性がある。
しかも、更に第一冷却路と第二冷却路との間を連結冷却路により連結し、制御部は、前記第一循環経路、前記第二循環経路および前記連結冷却路での冷却水の流れを制御する。よって、たとえば第一グループのシリンダを稼働して第二グループのシリンダを休止する状況において、第二循環経路での循環を停止したまま連結冷却路を開くことにより、稼働しているシリンダを冷却する第一循環経路で循環している冷却水を第二冷却路へ供給することができる。この場合、第二グループのシリンダは、第一グループのシリンダにより加熱された冷却水が供給されることにより、暖められる。このように第一冷却路と第二冷却路との間を連結冷却路により連結して冷却水を行き来できるようにすることで、エンジン本体の温度バランスは改善され、休止している第二グループのシリンダは、稼働していた場合と同様の状態から再稼働することが可能になる。再稼働によるフリクションロスのアンバランスやノッキングの発生を抑制し、エンジン振動の増大を抑制できる。
自動車1は、乗員室のシート6に着座した運転手による手動運転操作により、またはナビゲーション装置51の生成経路などに基づく自動運転装置52による自動運転制御により走行する。また、手動運手中には、自動運転装置52は、運転支援制御を実施する。
また、車体2の前面には、ラジエタ27を冷却する外気を取り込むための通気グリル7が形成される。また、通気グリル7を塞ぐように可動可能なシャッタ8が設けられる。
また、エンジン制御部18は、4つのインジェクタ17から同じ量の燃料を噴射させるのではなく、4つのインジェクタ17から異なる量の燃料を噴射させることもできる。具体的にはたとえば、4つのインジェクタ17の一部から燃料を噴射させるとともに、残りのインジェクタ17からの燃料噴射を休止させる。このように複数のシリンダ12の一部を休止状態にしながら稼働することで、燃料の総噴出量を抑えて、燃費を向上させることができる。燃料を噴出しないインジェクタ17が設けられたシリンダ12は、燃焼をしない休止状態となる。これに対し、燃料が噴出されるインジェクタ17が設けられたシリンダ12は、燃焼をする連続稼働状態となる。
たとえば、休止し続けるシリンダ12は、燃焼が長期間行われないことにより温度が低下し得る。また、連続稼働し続けるシリンダ12との間で大きな温度差を生じ得る。そして、たとえば稼働に適した温度以下まで冷えてしまうと、再稼働する際に、エンジンの熱効率が低下してしまう。また、連続稼働し続けるシリンダ12との間でたとえばフリクションロスのアンバランスなどが生じ易い。アンバランスが生じると、ノッキングやエンジンの振動が大きくなる。また、エンジン寿命も短くなる可能性がある。
このように多気筒エンジン4では、一部の気筒を休止させた場合の特性の劣化を抑制することが求められている。
また、図3のエンジン本体11において、図示左側から一番目のシリンダ12と三番目のシリンダ12は、休止せずに連続的に稼動できる。二番目のシリンダ12および四番目のシリンダ12は、休止可能である。以下、連続稼働される複数のシリンダ12を第一グループとし、休止可能な複数のシリンダ12を第二グループとする。
第一循環経路21では、熱交換器22、第一ポンプ23、各シリンダ12の周囲に冷却水を流す複数の第一冷却路24、がその順番で環状に連結される。第一循環経路21は、エンジン本体11と熱交換器22との間で冷却水を循環させる。
第二循環経路26では、ラジエタ27、第二ポンプ28、各シリンダ12の周囲に冷却水を流す複数の第二冷却路29、がその順番で環状に連結される。第二循環経路26は、エンジン本体11とラジエタ27との間で冷却水を循環させる。
また、第一循環経路21と第二循環経路26とは、複数の連結冷却路31により連結される。各連結冷却路31は、第一冷却路24と第二冷却路29との間を連結する。各連結冷却路31の両端それぞれは、開閉バルブ32により、第一冷却路24または第二冷却路29の端部と連結される。
また、図3下側の連結冷却路31には、連結ポンプ33が設けられる。なお、連結ポンプ33は、図3上側の連結冷却路31にも設けられてよい。
そして、冷却系制御部36は、これら各部からの情報に基づいて、冷却水の流れを制御し、エンジン本体11の冷却を制御する。
図4は、一部のシリンダ12を稼働させてエンジンを始動した直後での冷却水の循環経路の切り替え状態の説明図である。
図5は、図4の後に、エンジン始動後に冷却水が温まった状態での冷却水の循環経路の切り替え状態の説明図である。
図6は、図5の後に、すべてのシリンダ12を稼働させた状態での冷却水の循環経路の切り替え制御状態の説明図である。
なお、図4から図6では、冷却水が循環している流路を実線で示し、循環していない流路を破線で示している。
そして、冷却系制御部36は、エンジン始動直後には、開閉バルブ32によりすべての連結冷却路31を閉じたまま、第一循環経路21で冷却水を循環させる。第二循環経路26では、冷却水を循環させない。
これにより、第一循環経路21内の冷却水は、第一循環経路21内で順願する。可動しているシリンダ12を冷却水で冷却できる。また、必要に応じて、熱交換器22は冷却水から熱を回収する。
これにより、第一グループのシリンダ12および第二グループのシリンダ12を含むすべてのシリンダ12が稼働している場合には、第一循環経路21、第二循環経路26および連結冷却路31の全体において、冷却水が循環する。第一循環経路21で循環する冷却水の一部は、連結冷却路31を通じて第二循環経路26に流れる。また、第二循環経路26で循環する冷却水の一部は、連結冷却路31を通じて第一循環経路21に流れる。エンジン本体11で発生する熱は、冷却水によりラジエタ27および熱交換器22へ伝達され、外部へ放出される。エンジンがフル稼働している場合でも、好適な温度範囲に収まるように、エンジン本体11の全体を冷却できる。
2…車体
3…車輪
4…多気筒エンジン
6…シート
7…通気グリル
8…シャッタ
11…エンジン本体
12…シリンダ
13…ピストン
14…フライホイール
15…出力軸
16…コンロッド
17…インジェクタ
18…エンジン制御部
20…多気筒エンジン冷却装置
21…第一循環経路
22…熱交換器
23…第一ポンプ
24…第一冷却路
26…第二循環経路
27…ラジエタ
28…第二ポンプ
29…第二冷却路
31…連結冷却路
32…開閉バルブ
33…連結ポンプ
36…冷却系制御部
39…追加冷却路
51…ナビゲーション装置
52…自動運転装置
53…シリンダ別温度センサ
54…冷却路別温度センサ
55…タイマ
Claims (4)
- 複数のシリンダの一部を休止状態にしながら稼働可能なエンジン本体とラジエタとの間で冷却水を循環させて前記エンジン本体を冷却する多気筒エンジン冷却装置であって、
前記エンジン本体において一部である第一グループの前記シリンダの周囲に冷却水を流す第一冷却路を用いて、前記エンジン本体に冷却水を循環させる第一循環経路と、
前記エンジン本体において残りの一部または全部である第二グループの前記シリンダの周囲に冷却水を流す第二冷却路を用いて、前記エンジン本体に冷却水を循環させる第二循環経路と、
前記第一冷却路と前記第二冷却路との間を連結する連結冷却路と、
前記第一循環経路、前記第二循環経路および前記連結冷却路での冷却水の流れを制御する制御部と、
を有し、
前記制御部は、
前記第一グループのシリンダを稼働して前記第二グループのシリンダを休止する状況において、前記第二循環経路での循環を停止したまま前記連結冷却路を開き、前記第一循環経路で循環している冷却水を前記第二冷却路へ供給する、
多気筒エンジン冷却装置。 - 複数のシリンダの一部を休止状態にしながら稼働可能なエンジン本体とラジエタとの間で冷却水を循環させて前記エンジン本体を冷却する多気筒エンジン冷却装置であって、
前記エンジン本体において一部である第一グループの前記シリンダの周囲に冷却水を流す第一冷却路を用いて、前記エンジン本体に冷却水を循環させる第一循環経路と、
前記エンジン本体において残りの一部または全部である第二グループの前記シリンダの周囲に冷却水を流す第二冷却路を用いて、前記エンジン本体に冷却水を循環させる第二循環経路と、
前記第一冷却路と前記第二冷却路との間を連結する連結冷却路と、
前記第一循環経路、前記第二循環経路および前記連結冷却路での冷却水の流れを制御する制御部と、
を有し、
前記制御部は、
前記第二グループのシリンダを休止させたまま前記第一グループのシリンダを稼働してエンジンを始動する場合、
エンジン始動直後には、前記連結冷却路を閉じたまま前記第一循環経路で冷却水を循環させ、
その後に、閉じていた前記第二循環経路での循環を停止したまま前記連結冷却路を開いて前記第一循環経路で循環している冷却水を前記第二冷却路へ供給する、
多気筒エンジン冷却装置。 - 複数のシリンダの一部を休止状態にしながら稼働可能なエンジン本体とラジエタとの間で冷却水を循環させて前記エンジン本体を冷却する多気筒エンジン冷却装置であって、
前記エンジン本体において一部である第一グループの前記シリンダの周囲に冷却水を流す第一冷却路を用いて、前記エンジン本体に冷却水を循環させる第一循環経路と、
前記エンジン本体において残りの一部または全部である第二グループの前記シリンダの周囲に冷却水を流す第二冷却路を用いて、前記エンジン本体に冷却水を循環させる第二循環経路と、
前記第一冷却路と前記第二冷却路との間を連結する連結冷却路と、
前記第一循環経路、前記第二循環経路および前記連結冷却路での冷却水の流れを制御する制御部と、
を有し、
熱交換器が、前記第一循環経路および前記第二循環経路の中の前記第一循環経路に設けられ、
前記ラジエタは、前記第一循環経路および前記第二循環経路の中の前記第二循環経路に設けられる、
多気筒エンジン冷却装置。 - 複数のシリンダの一部を休止状態にしながら稼働可能なエンジン本体とラジエタとの間で冷却水を循環させて前記エンジン本体を冷却する多気筒エンジン冷却装置であって、
前記エンジン本体において一部である第一グループの前記シリンダの周囲に冷却水を流す第一冷却路を用いて、前記エンジン本体に冷却水を循環させる第一循環経路と、
前記エンジン本体において残りの一部または全部である第二グループの前記シリンダの周囲に冷却水を流す第二冷却路を用いて、前記エンジン本体に冷却水を循環させる第二循環経路と、
前記第一冷却路と前記第二冷却路との間を連結する連結冷却路と、
前記第一循環経路、前記第二循環経路および前記連結冷却路での冷却水の流れを制御する制御部と、
を有し、
前記連結冷却路に設けられ、前記第一冷却路と前記第二冷却路との間で冷却水を強制的に流すポンプ、を有する、
多気筒エンジン冷却装置。
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