JP2004204707A - 車両制御装置及びその車両制御装置を備えたハイブリッド車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】ノッキングの発生を回避すると共に燃費の向上を図る。
【解決手段】エンジン1の運転状態が初期状態Aである高水温制御中に、車両要求出力として高負荷出力が要求された結果、運転状態を最終状態Cへ移行させる場合、制御装置は運転状態を過渡状態Bへ一旦移行させる。このとき、不足する出力はモータージェネレータによって補う。そして、冷却水温が低温になった後、制御装置は運転状態を過渡状態Bから最終状態Cへ移行させる。
【選択図】 図3
【解決手段】エンジン1の運転状態が初期状態Aである高水温制御中に、車両要求出力として高負荷出力が要求された結果、運転状態を最終状態Cへ移行させる場合、制御装置は運転状態を過渡状態Bへ一旦移行させる。このとき、不足する出力はモータージェネレータによって補う。そして、冷却水温が低温になった後、制御装置は運転状態を過渡状態Bから最終状態Cへ移行させる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関等のエンジンと他の動力源を備えた車両において、エンジンと他の動力源との出力分担を制御する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の動力源として利用される内燃機関等の熱機関(以下、エンジンと呼ぶ。)には、一般に、エンジンと熱交換器とを含んだ所定経路内で冷却水を循環させてエンジンを冷却する水冷装置が設けられている。この水冷装置を用いて、エンジンの負荷が低負荷時には冷却水の水温を高くする高水温制御を実行する一方、エンジンの負荷が高負荷時には冷却水の水温を低くする低水温制御を実行することがある。
【0003】
しかし、冷却水の水温が高水温である場合に加速等によってエンジンの負荷が低負荷から高負荷へ切り替わり、制御状態が高水温制御から低水温制御へ移行しても、冷却水の水温は直ちに変化しないので、冷却水の水温が高水温で且つエンジンの負荷が高負荷となることがある。このような状態では、ノッキングが発生してドライバビリティが損なわれる。そこで、高水温制御から低水温制御へ移行する移行期間において、エンジンの点火時期を遅角させることによりノッキングを防止する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−288138号公報(図3)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、エンジンの点火時期を遅角させると、エンジントルク及びエンジン効率が低下するという問題があった。また、点火時期を遅角させても、冷却水の水温が高水温で高負荷となることに変りがないので、過渡的なノッキングが発生する可能性がある。
【0006】
そこで、本発明は、低負荷から高負荷に変化した場合にノッキングを防止しつつエンジン効率を向上できる車両制御装置等を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る車両制御装置は、燃料の燃焼によって作動する一動力源としてのエンジンと他の動力源とを備え、前記エンジンと前記他の動力源とを使い分けて走行可能である共に冷却水により前記エンジンを冷却する車両に用いられるものであって、冷却水温が高温状態であるか低温状態であるかを判定する判定手段と、前記高温状態において前記エンジンに対する要求出力が所定の低負荷領域から所定の高負荷領域に変化した場合、実際に前記エンジンから取り出す実運転出力が前記要求出力よりも低くなるように前記エンジンを運転すると共に前記要求出力の不足分を補うように前記他の動力源から取り出す出力を増加させる処理を実行する出力制御手段とを備えることにより、上述した課題を解決する(請求項1)。
【0008】
この発明によれば、冷却水温が高温状態にあるとき要求出力が高負荷領域になっても他の動力源から取り出す出力を増加させるから、エンジンの負荷を軽減してノッキングの発生を防止することができ、さらに、エンジンの点火時期を遅らせる必要もないのでエンジン効率を向上させることができる。加えて、エンジンの出力の不足分については他の動力源からの出力で補償することができる。冷却水温は、実測した冷却水温に基づいて判定しても、あるいは、冷却水温の状態を推定可能な何等かの制御パラメータに基づいて判定してもよい。また、高温状態は冷却水温がある範囲を持った高温域に含まれていればよく、低温状態は冷却水温がある範囲を持った低温域に含まれていればよい。
【0009】
また、前記判定手段は、実測された前記冷却水の温度に基づいて前記冷却水温が前記高温状態であるか前記低温状態であるかを判定し、前記出力制御手段は、前記冷却水温が前記低温状態となった後、前記実運転出力を増加させることが好ましい(請求項2)。この場合には、実測された冷却水の温度に基づいて状態が判定される。冷却水温が低温状態になると実運転出力を増加させるから、高温状態から低温状態へ移行した後にエンジン効率が高い状態でエンジンを運転することができる。
【0010】
また、上述した車両制御装置は、前記低負荷領域において前記冷却水の温度を高くする高温制御と前記高負荷領域において前記冷却水の温度を低くする低温制御とを実行すると共に、前記高温制御中に前記要求出力が前記高負荷領域となった場合、制御状態を前記高温制御から前記低温制御へ移行させる冷却水温制御手段を備え、前記判定手段は、前記冷却水の制御状態が前記高温制御であるとき前記高温状態であると判定し、前記冷却水の制御状態が前記低温制御であるとき前記低温状態であると判定し、前記出力制御手段は、前記高温状態である前記高温制御中に前記要求出力が前記低負荷領域から前記高負荷領域に変化した場合、前記冷却水の温度が所定の低温域となるまでの移行期間は、前記実運転出力が前記要求出力よりも低くなるように前記エンジンを運転すると共に前記要求出力の不足分を補うように前記他の動力源から取り出す出力を増加させ、前記冷却水の温度が前記低温域となった後に前記実運転出力を増加させる処理を実行することが好ましい(請求項3)。
【0011】
この場合には、エンジンの運転状態に応じて高温制御と低温制御が実行されるから、エンジン効率とドライバビリティとを両立させることができる。高温制御から低温制御に切り替えても冷却水温は直ちに低下しないが、冷却水温が低温域となるまでの移行期間においては、他の動力源から取り出す出力を増加させるので、エンジンの負荷を軽減してノッキングの発生を防止するとともにエンジン効率を向上させることができる。さらに、移行後には実運転出力を増加させる処理を実行するから、エンジンを高負荷領域で運転させることができ、エンジン効率を向上させることができる。
【0012】
前記出力制御手段は、前記移行期間において、前記高温制御と前記低温制御との境界条件となるように前記エンジンの運転状態を制御することが好ましい(請求項4)。冷却水温が高い状態でエンジンの負荷を大きくすると、ノッキング等が発生してエンジン効率が低下するが、エンジン効率は高負荷の方がよい。従って、冷却水温が低温域となるまでの移行期間は、ノッキングが発生しない範囲でエンジンからできるだけ出力を取り出すことが望ましい。高温制御と低温制御との境界は、冷却水温が高温域でノッキングの発生せずかつエンジンから出力を最大に取り出すことができる運転状態である。従って、高温制御と低温制御との境界条件となるようにエンジンの運転状態を制御することによって、エンジン効率を大幅に向上させることができる。
【0013】
上述した車両制御装置において、前記他の動力源は蓄電器からの電力によって駆動され、前記蓄電器の充電容量が高充電状態か低充電状態かを判定する充電容量判定手段を備え、前記出力制御手段は、前記移行期間において、前記蓄電器の充電容量が前記高充電状態であれば、前記実運転出力が前記要求出力よりも低くなるように前記エンジンを運転すると共に前記要求出力の不足分を補うように前記他の動力源から取り出す出力を増加させ、前記蓄電器の充電容量が前記低充電状態であれば、前記実運転出力が前記要求出力となるように前記エンジンを運転する処理を実行することが好ましい(請求項5)。この場合には、充電容量が低充電状態である場合には、他の動力源の出力を増加させることができないので、そのような場合には、エンジンから要求出力を取り出すようにした。
【0014】
上述した車両制御装置において、前記高温制御中は、前記蓄電器の充電容量が前記低温制御中と比較して大きくなるように前記蓄電器への充電を制御する充電制御手段を備えることが好ましい(請求項6)。この場合には、冷却水温度が高い状態で蓄電器への充電量を大きくすることによって、高負荷要求出力時に備えて他の動力源から出力を取り出す準備をすることができる。従って、蓄電器の充電容量が低充電状態となる頻度を低減することができる。なお、前記出力制御手段は、ノッキング防止の観点より、前記移行期間において、前記蓄電器の充電容量が前記低充電状態であれば、前記実運転出力が前記要求出力となるように前記エンジンを運転すると共に前記エンジンの点火時期を遅らせる処理を実行してもよい。
【0015】
また、上述した車両が、前記エンジンと熱交換器とを含んだ所定経路内で冷却水を循環させて前記エンジンを冷却するのであれば、前記冷却水温制御手段は、前記移行期間において、前記冷却水の循環流量を前記高温制御中の前記冷却水の循環流量より大きくなるように制御することが好ましい(請求項7)。この場合、冷却水の循環流量を増加させて熱交換器における放熱を促進し、短時間で冷却水温を下げることができる。
【0016】
次に、本発明に係るハイブリッド車両は、燃料の燃焼によって作動する一動力源としてのエンジンと、他の動力源と、前記エンジンと熱交換器とを含んだ所定経路内で冷却水を循環させて前記エンジンを冷却する冷却手段と、前記冷却水の状態が高温状態であるか低温状態であるかを判定する判定手段と、前記高温状態において前記エンジンに対する要求出力が所定の低負荷領域から所定の高負荷領域に変化した場合、実際に前記エンジンから取り出す実運転出力が前記要求出力よりも低くなるように前記エンジンを運転すると共に前記要求出力の不足分を補うように前記他の動力源から取り出す出力を増加させる処理を実行する出力制御手段とを備えることにより、上述した課題を解決する(請求項8)。
【0017】
このハイブリッド車両によれば、冷却水温が高温状態にあるとき要求出力が高負荷領域になっても他の動力源から取り出す出力を増加させるから、エンジンの負荷を軽減してノッキングの発生を防止することができ、さらに、エンジンの点火時期を遅らせる必要もないのでエンジン効率を向上させることができる。加えて、エンジンの出力の不足分については他の動力源からの出力で補償することができる。
【0018】
なお、本発明において冷却水の用語は広義に解されるべきであり、水そのものに限定されることなく、エンジンから熱を奪って熱交換器にて熱を放出する熱媒体としての機能を奏する各種の流体が冷却水の範囲に含まれる。熱交換器は、熱交換能力を有する限り熱交換能力の大小を問わずその範囲に含まれる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態に係る車両制御装置が組み込まれたハイブリッド車両の要部を示す概略図である。内燃機関であるガソリンエンジン1と、2台のモータージェネレータ(MG)2、3とは、それぞれの出力軸が駆動制御手段たる動力分割機構4に接続されている。動力分割機構4には遊星歯車機構等を用いることができる。動力分割機構4を制御することにより、エンジン1、MG2、MG3のそれぞれの接続状態が切り替えられる。動力分割機構4の出力は伝達機構5を介して駆動輪6に伝えられる。MG2及びMG3はインバータ7を介してバッテリ8に接続されている。
【0020】
冷却水循環経路12には、エンジン1の冷却手段として電動式のウォーターポンプ(W/P)10及び熱交換器としてのラジエータ11が設けられている。冷却水循環経路12で冷却水を循環させつつ冷却水がエンジン1から奪った熱をラジエータ11で放熱することによりエンジン1が冷却される。なお、ウォーターポンプ10は冷却水を循環させることができる限り様々な態様で設けられてよい。例えば、冷却水循環経路12から車両のヒータコア(不図示)に冷却水を分配するための流路に電動式のウォーターポンプが設けられてもよい。その場合にはヒータコアが電動式のウォーターポンプに対応する熱交換器として機能する。
【0021】
ウォーターポンプ10の動作は駆動回路14を介して制御装置15により制御される。制御装置15はマイクロプロセッサとRAM、ROM等の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成され、種々のセンサの出力信号を参照しつつ所定のプログラムに従って駆動系全体の駆動状態やエンジン1の燃料噴射装置(不図示)による燃料噴射の制御等を実行する。制御装置15が参照するセンサは必要に応じて適宜定めてよいが、本実施形態に関連して参照されるセンサとしては、エンジン1の冷却水の水温(冷却水温)に対応した信号を出力する水温センサ16と、エンジン1のスロットルバルブの開度に対応した信号を出力するスロットル開度センサ17と、車速に対応した信号を出力する車速センサ18と、バッテリ8の充電容量(SOC)を検出するSOCセンサ19とが挙げられる。これらのセンサ16〜19以外にも制御装置15が種々のセンサ類を参照して各種の制御を実行してよいことは勿論である。
【0022】
図1のハイブリッド車両では、主として電動機として機能するMG3とエンジン1とのそれぞれの駆動力配分が動力分割機構4により制御されて最適な運転が行われる。例えば、エンジン1の効率が良い負荷領域では、エンジン1の駆動力を機械的に駆動輪6に伝達する運転モードが用いられる。低負荷領域では、エンジン1の効率が低下する負荷領域ではエンジン1を停止してMG3の動力のみを利用する運転モードが用いられる。さらに、エンジン1だけではトルクが不足する場合はMG3によりアシストして駆動輪6を駆動する運転モードが用いられる。また、バッテリ8の蓄電量が不足しているときは、エンジン1でMG2を駆動して発電しつつ、MG3により駆動輪6を駆動する運転モードが用いることもできる。
【0023】
エンジン1の始動及びその停止を上記のように切り替えるため、制御装置15は、エンジン要求出力Peを繰り返し演算する。エンジン要求出力Peはエンジン1から取り出すことが予定される出力であって、実際にエンジン1から取り出す実運転出力PEとは異なる。図2はその制御装置15によるエンジン要求出力Peの演算方法を示している。制御装置15は、スロットル開度センサ17及び車速センサ18の出力信号に基づいてアクセル開度と車速とを取得し、制御装置15のROMに記録されたマップを参照してアクセル開度及び車速に対応した出力軸トルク(伝達機構5に出力されるべきトルク)を求める。また、制御装置15はSOCセンサ19の出力信号に基づいて要求発電量を求める。そして、要求発電量と各種の補機類(A/C)の要求とを参照して出力軸トルクを補正することにより、エンジン要求出力Peを求める。なお、エンジン要求出力Peの演算方法は公知のハイブリッド車両で実行されている通りでよく、その細部は必要に応じて種々変更してよい。
【0024】
また、制御装置15は、エンジン効率の観点より冷却水温を制御する。具体的には、エンジン1の負荷が低い低負荷領域では冷却水温の目標値を所定の高温域に設定する高水温制御が実行される一方、エンジン1の負荷が高い高負荷領域では冷却水温の目標値を所定の低温域に設定する低水温制御が実行される。いずれの制御においても冷却水温が目標値に維持されるように、ウォーターポンプ10の循環流量がフィードバック制御される。
【0025】
図3にエンジン1の出力特性と水温制御との関係を示す。同図に示すように、エンジントルクTeとエンジン回転数Neとの積(エンジン出力)が比較的大きい領域では低水温制御がなされ、エンジントルクTeとエンジン回転数Neとの積が比較的小さい領域では高水温制御がなされる。即ち、エンジン1の運転状態に応じて低水温制御と高水温制御とか切り替わる。低水温制御領域と高水温制御領域とは、境界特性Qによって区別される。このような水温制御を行うことにより、エンジン負荷が小さいときには、冷却を弱めてエンジン1の熱損失、フリクション損失、及びウォーターポンプ10の駆動による損失等を低減する一方、エンジン負荷の大きいときには、冷却を促進してノッキングを回避してエンジン1のドライバビリティを高めることができる。
【0026】
以上のハイブリッド車両において、例えば、エンジン1の運転状態を図3に示す初期状態Aから最終状態Cに変更する場合には、それに伴って冷却水温の制御も高水温制御から低水温制御に切り替わる必要がある。しかし、水温の変化は応答性が悪いので制御が開始されても冷却水温は直ちには変化しない。従って、エンジン1からエンジン要求出力Peを取り出すと、冷却水温が高い高温状態でエンジン1の負荷が高負荷となりノッキング等が発生しエンジン効率及びドライバビリティが低下するおそれがある。
【0027】
そこで、本実施形態にあっては、エンジン1の運転状態を初期状態Aから最終状態Cへ移行させる場合に、運転状態を初期状態Aから、一旦、境界特性Q上の過渡状態Bへ移行させる。そして、冷却水温が高温域から低温域に低下した後、運転状態を過渡状態Bから最終状態Cへ移行させている。図4はそのような制御を実現するために制御装置15が実行する負荷分担制御ルーチンを示している。この負荷分担制御ルーチンは車両のイグニッションキーがオンしている場合に所定の周期で繰り返し実行される。
【0028】
図4の負荷分担制御ルーチンにおいて、制御装置15は、現在の制御状態が高水温制御中でかつエンジン要求出力Peが高負荷判定出力値PeHIより大きいか否かを判定する(ステップS1)。
【0029】
ステップS1の条件が成立する場合、制御装置15は、ステップS2に進み、モータージェネレータ3による出力のアシストが可能であるか否かを判定する。具体的には、制御装置15は、SOCセンサ19の出力信号に基づいてバッテリ8の充電容量SOCを検知し、検知した充電容量SOCと閾値との比較に基づいて出力のアシストが可能であるか否を判定する。
【0030】
出力のアシストが可能である場合には、制御装置15は、冷却水温が目標低水温値を上回るか否かを判定する(ステップS3)。ステップS3の条件が成立する場合には、制御装置15は、実運転出力PEをPe1に設定し、モータージェネレータ3のアシストパワーPmをPm=Pe−Pe1に設定し、ウォーターポンプ10の循環流量を増加させる(ステップS4)。
【0031】
設定値Pe1は、現在の実運転出力PEからエンジン要求出力Peまでの値であればよい。例えば、設定値Pe1は、図3に示す範囲W内に設定してもよいし、あるいは、低水温制御領域であってもエンジン要求出力Peより低い値であればよい。範囲Wは、高水温制御領域であるから、エンジン1の運転状態が当該範囲内であれば、冷却水温が高温域にあってもノッキングが発生することがないので、エンジン効率を向上させることができる。また、設定値Pe1が低水温制御領域であってもエンジン要求出力Peより低い値であれば、ノッキングが発生する可能性を低減させることができるから、エンジン効率を向上させることができる。
【0032】
この例では、実運転出力PEの設定値Pe1を境界特性Q上に設定してある。一般にエンジンの効率はエンジンの負荷が高くなる程、向上する。一方、高水温制御領域では、冷却水温が高温域にあってもノッキングを確実に防止することができる。従って、高水温制御領域と低水温制御領域との境界でエンジン1を運転することにより、ノッキングを確実に防止しつつエンジン効率を向上させることができる。
【0033】
実運転出力PEの設定値Pe1は、境界特性Q上のエンジントルクTeとエンジン回転数Neとの積に基づいて与えられる。例えば、図3に示すように初期状態Aから最終状態Cへ移行させる場合には、過渡状態Bとしてエンジン回転数NeをNeaのまま維持すると共にエンジントルクTeをTebに設定する。これにより、実運転出力PEはPe1(=Teb×Nea)となる。
【0034】
このように実運転出力PEを設定すると、エンジン要求出力Peをエンジン1で総てまかなうことはでず、エンジン要求出力Peに対して不足分(Pe−Pe1)が発生する。しかし、不足分についてはモータージェネレータ3のアシストパワーPmによって補うことができるので、エンジン要求出力Peを満たすことができる。
【0035】
ステップS4におけるウォーターポンプ10の循環流量を増加させる制御等によって、冷却水温が低下して目標低温値を下回る場合には、ステップS3の条件が不成立となり、処理がステップS5に進む。ステップS5の処理では、実運転出力PEがエンジン要求出力Peに設定され、モータージェネレータ3によるアシストパワーPmがPm=0に設定され、さらにウォーターポンプ10による循環流量が通常の流量に調整される。図3に示す例では、運転状態が過渡状態Bから最終状態Cへ移行する。この場合、制御装置15は、エンジン回転数NeがNecとなり、かつエンジントルクTeがTecとなるように燃料噴射量や点火時期等を制御する。
【0036】
即ち、エンジン要求出力Peが高負荷領域となった場合には、冷却水温が目標低水温値(低温域)まで下がるまでの期間、モータージェネレータ3によるアシストによって不足する出力を補償する一方、冷却水温が目標低水温値まで下がった後は、エンジン1から出力を取り出すようにしている。これにより、ノッキングの発生を防止しつつ、エンジン効率を向上させることができる。
【0037】
なお、ステップS1の条件が不成立の場合には、制御装置15は、実運転出力PEをエンジン要求出力Peに設定して、エンジン1の出力によって駆動力をまかなう(ステップS6)。また、バッテリ8の充電容量SOCが閾値を下回る場合には、ステップS2の条件は不成立となり、処理はステップS7に進む。この場合には、モータージェネレータ3によって出力を補償することはできないので、制御装置15は、実運転出力PEをエンジン要求出力Peに設定し、ウォーターポンプ10の循環流量を増加させ、点火時期を遅角させる。この場合には、エンジン1から必要な駆動力を取り出すが、点火時期を遅角させるので、ノッキングを回避することができる。
【0038】
ステップS7が実行される頻度を減らすため、高水温制御が実行されている期間にあっては、高負荷要求に備えてバッテリ8の充電容量SOCを充分確保しておくことが望ましい。図5はそのような制御を実現するために制御装置15が実行するバッテリ充電要求制御ルーチンを示している。
【0039】
まず、制御装置15は、高水温制御中か否かを判定する(ステップS11)。高水温制御中であれば、第1充電マップspchg1_mapに基づいて、バッテリ充電要求Pe_chgが算出される(ステップS12)。一方、高水温制御中でなければ、即ち、低水温制御中であれば第2充電マップspchg2_mapに基づいて、バッテリ充電要求Pe_chgが算出される(ステップS13)。
【0040】
図6は第1充電マップspch1_map及び第2充電マップspch2_mapの記憶内容を示すグラフである。このグラフの横軸は充電容量SOCの最大容量に対する割合をパーセントで表している。また、充電容量SOCが大きくバッテリ充電要求Pe_chgの値がマイナスとなっている部分は放電を意味する。点線は第1充電マップspch1_mapの記憶内容を示す一方、実線は第2充電マップspch2_mapの記憶内容を示す。このグラフから明らかなように第1充電マップspch1_mapを採用すると、第2充電マップspch2_mapを採用する場合に比較して、短時間で大きな電気エネルギーをバッテリ8に蓄電することが可能となる。上述したように高水温制御中には第1充電マップspchg1_mapが選択されるから、低水温制御中と比較してバッテリ8の充電容量SOCを高く維持することが可能となる。
【0041】
このように本実施形態にあっては、運転状態を過渡状態Bに移行させて、モータージェネレータ3から出力を取り出す可能性の高い高水温制御中にバッテリ8の充電容量SOCを高く維持するから、高負荷要求に備えてバッテリ8の充電容量SOCを充分確保することができる。
【0042】
以上の実施形態では、図4の負荷分担制御ルーチンを制御装置15が実行することにより、制御装置15が本発明の判定手段、出力制御手段、冷却水温制御手段、及び充電容量判定手段としてそれぞれ機能する。また、図5のバッテリ充電要求制御ルーチンを制御装置15が実行することにより、制御装置15が本発明の充電制御手段として機能する。また、上記の実施形態においては、モータージェネレータ3が他の動力源として設けられているが、他の動力源としてはこれに限らず種々の手段が利用されてよい。
【0043】
本発明は上述した実施形態に限定されることなく、種々の形態にて実施してよい。例えば、制御装置15は、エンジン1の運転状態に応じて高水温制御と低水温制御と各々実行したが水温制御は必須ではない。冷却水温度が所定温度より高い状態で車両要求出力が高負荷となった場合には、冷却水温度が自然に低温になるまでの期間、モータージェネレータ3等の他の動力源が出力を取り出し、冷却水温度が所定温度より下がった後、エンジン1から高負荷出力を取り出すようにしてもよい。
【0044】
また、冷却水から熱を放出させる処理はウォーターポンプ10の駆動に限らず、ラジエータ11の電動ファンの駆動によっても実現できるし、上記のように暖房用のヒータコアを利用して冷却水から熱を放出させてもよい。その他にも、冷却水から熱を放出させてその温度を低下させ得る各種の処理を実行してよい。
【0045】
本発明において、冷却水温度は水温センサ16によって直接的に検出する場合に限らず、冷却水温度に関連する各種の物理量のセンサによる測定値又は演算値に基づいて冷却水温度を判別してよい。
【0046】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の車両制御装置によれば、冷却水の温度が高温状態で要求出力が高負荷となった場合に、冷却水の温度が低温域になるまでは、他の動力源の出力を増加させてエンジンの負荷を軽減させたので、ノッキングを回避しつつエンジン効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両制御装置が組み込まれた車両の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1の制御装置15による車両要求出力の演算方法を示す説明図である。
【図3】エンジン1の出力特性と水温制御との関係を示す説明図である。
【図4】負荷分担制御における制御装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】バッテリ充電要求制御における制御装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】第1充電マップspch1_map及び第2充電マップspch2_mapの記憶内容を示すグラフである。
【符号の説明】
1 エンジン
2 モータージェネレータ
3 モータージェネレータ(他の動力源)
8 バッテリ(蓄電器)
10 ウォーターポンプ
11 ラジエータ(熱交換器)
12 冷却水循環経路(所定経路)
15 制御装置
16 水温センサ
17 スロットル開度センサ
18 車速センサ
19 SOCセンサ
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関等のエンジンと他の動力源を備えた車両において、エンジンと他の動力源との出力分担を制御する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の動力源として利用される内燃機関等の熱機関(以下、エンジンと呼ぶ。)には、一般に、エンジンと熱交換器とを含んだ所定経路内で冷却水を循環させてエンジンを冷却する水冷装置が設けられている。この水冷装置を用いて、エンジンの負荷が低負荷時には冷却水の水温を高くする高水温制御を実行する一方、エンジンの負荷が高負荷時には冷却水の水温を低くする低水温制御を実行することがある。
【0003】
しかし、冷却水の水温が高水温である場合に加速等によってエンジンの負荷が低負荷から高負荷へ切り替わり、制御状態が高水温制御から低水温制御へ移行しても、冷却水の水温は直ちに変化しないので、冷却水の水温が高水温で且つエンジンの負荷が高負荷となることがある。このような状態では、ノッキングが発生してドライバビリティが損なわれる。そこで、高水温制御から低水温制御へ移行する移行期間において、エンジンの点火時期を遅角させることによりノッキングを防止する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−288138号公報(図3)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、エンジンの点火時期を遅角させると、エンジントルク及びエンジン効率が低下するという問題があった。また、点火時期を遅角させても、冷却水の水温が高水温で高負荷となることに変りがないので、過渡的なノッキングが発生する可能性がある。
【0006】
そこで、本発明は、低負荷から高負荷に変化した場合にノッキングを防止しつつエンジン効率を向上できる車両制御装置等を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る車両制御装置は、燃料の燃焼によって作動する一動力源としてのエンジンと他の動力源とを備え、前記エンジンと前記他の動力源とを使い分けて走行可能である共に冷却水により前記エンジンを冷却する車両に用いられるものであって、冷却水温が高温状態であるか低温状態であるかを判定する判定手段と、前記高温状態において前記エンジンに対する要求出力が所定の低負荷領域から所定の高負荷領域に変化した場合、実際に前記エンジンから取り出す実運転出力が前記要求出力よりも低くなるように前記エンジンを運転すると共に前記要求出力の不足分を補うように前記他の動力源から取り出す出力を増加させる処理を実行する出力制御手段とを備えることにより、上述した課題を解決する(請求項1)。
【0008】
この発明によれば、冷却水温が高温状態にあるとき要求出力が高負荷領域になっても他の動力源から取り出す出力を増加させるから、エンジンの負荷を軽減してノッキングの発生を防止することができ、さらに、エンジンの点火時期を遅らせる必要もないのでエンジン効率を向上させることができる。加えて、エンジンの出力の不足分については他の動力源からの出力で補償することができる。冷却水温は、実測した冷却水温に基づいて判定しても、あるいは、冷却水温の状態を推定可能な何等かの制御パラメータに基づいて判定してもよい。また、高温状態は冷却水温がある範囲を持った高温域に含まれていればよく、低温状態は冷却水温がある範囲を持った低温域に含まれていればよい。
【0009】
また、前記判定手段は、実測された前記冷却水の温度に基づいて前記冷却水温が前記高温状態であるか前記低温状態であるかを判定し、前記出力制御手段は、前記冷却水温が前記低温状態となった後、前記実運転出力を増加させることが好ましい(請求項2)。この場合には、実測された冷却水の温度に基づいて状態が判定される。冷却水温が低温状態になると実運転出力を増加させるから、高温状態から低温状態へ移行した後にエンジン効率が高い状態でエンジンを運転することができる。
【0010】
また、上述した車両制御装置は、前記低負荷領域において前記冷却水の温度を高くする高温制御と前記高負荷領域において前記冷却水の温度を低くする低温制御とを実行すると共に、前記高温制御中に前記要求出力が前記高負荷領域となった場合、制御状態を前記高温制御から前記低温制御へ移行させる冷却水温制御手段を備え、前記判定手段は、前記冷却水の制御状態が前記高温制御であるとき前記高温状態であると判定し、前記冷却水の制御状態が前記低温制御であるとき前記低温状態であると判定し、前記出力制御手段は、前記高温状態である前記高温制御中に前記要求出力が前記低負荷領域から前記高負荷領域に変化した場合、前記冷却水の温度が所定の低温域となるまでの移行期間は、前記実運転出力が前記要求出力よりも低くなるように前記エンジンを運転すると共に前記要求出力の不足分を補うように前記他の動力源から取り出す出力を増加させ、前記冷却水の温度が前記低温域となった後に前記実運転出力を増加させる処理を実行することが好ましい(請求項3)。
【0011】
この場合には、エンジンの運転状態に応じて高温制御と低温制御が実行されるから、エンジン効率とドライバビリティとを両立させることができる。高温制御から低温制御に切り替えても冷却水温は直ちに低下しないが、冷却水温が低温域となるまでの移行期間においては、他の動力源から取り出す出力を増加させるので、エンジンの負荷を軽減してノッキングの発生を防止するとともにエンジン効率を向上させることができる。さらに、移行後には実運転出力を増加させる処理を実行するから、エンジンを高負荷領域で運転させることができ、エンジン効率を向上させることができる。
【0012】
前記出力制御手段は、前記移行期間において、前記高温制御と前記低温制御との境界条件となるように前記エンジンの運転状態を制御することが好ましい(請求項4)。冷却水温が高い状態でエンジンの負荷を大きくすると、ノッキング等が発生してエンジン効率が低下するが、エンジン効率は高負荷の方がよい。従って、冷却水温が低温域となるまでの移行期間は、ノッキングが発生しない範囲でエンジンからできるだけ出力を取り出すことが望ましい。高温制御と低温制御との境界は、冷却水温が高温域でノッキングの発生せずかつエンジンから出力を最大に取り出すことができる運転状態である。従って、高温制御と低温制御との境界条件となるようにエンジンの運転状態を制御することによって、エンジン効率を大幅に向上させることができる。
【0013】
上述した車両制御装置において、前記他の動力源は蓄電器からの電力によって駆動され、前記蓄電器の充電容量が高充電状態か低充電状態かを判定する充電容量判定手段を備え、前記出力制御手段は、前記移行期間において、前記蓄電器の充電容量が前記高充電状態であれば、前記実運転出力が前記要求出力よりも低くなるように前記エンジンを運転すると共に前記要求出力の不足分を補うように前記他の動力源から取り出す出力を増加させ、前記蓄電器の充電容量が前記低充電状態であれば、前記実運転出力が前記要求出力となるように前記エンジンを運転する処理を実行することが好ましい(請求項5)。この場合には、充電容量が低充電状態である場合には、他の動力源の出力を増加させることができないので、そのような場合には、エンジンから要求出力を取り出すようにした。
【0014】
上述した車両制御装置において、前記高温制御中は、前記蓄電器の充電容量が前記低温制御中と比較して大きくなるように前記蓄電器への充電を制御する充電制御手段を備えることが好ましい(請求項6)。この場合には、冷却水温度が高い状態で蓄電器への充電量を大きくすることによって、高負荷要求出力時に備えて他の動力源から出力を取り出す準備をすることができる。従って、蓄電器の充電容量が低充電状態となる頻度を低減することができる。なお、前記出力制御手段は、ノッキング防止の観点より、前記移行期間において、前記蓄電器の充電容量が前記低充電状態であれば、前記実運転出力が前記要求出力となるように前記エンジンを運転すると共に前記エンジンの点火時期を遅らせる処理を実行してもよい。
【0015】
また、上述した車両が、前記エンジンと熱交換器とを含んだ所定経路内で冷却水を循環させて前記エンジンを冷却するのであれば、前記冷却水温制御手段は、前記移行期間において、前記冷却水の循環流量を前記高温制御中の前記冷却水の循環流量より大きくなるように制御することが好ましい(請求項7)。この場合、冷却水の循環流量を増加させて熱交換器における放熱を促進し、短時間で冷却水温を下げることができる。
【0016】
次に、本発明に係るハイブリッド車両は、燃料の燃焼によって作動する一動力源としてのエンジンと、他の動力源と、前記エンジンと熱交換器とを含んだ所定経路内で冷却水を循環させて前記エンジンを冷却する冷却手段と、前記冷却水の状態が高温状態であるか低温状態であるかを判定する判定手段と、前記高温状態において前記エンジンに対する要求出力が所定の低負荷領域から所定の高負荷領域に変化した場合、実際に前記エンジンから取り出す実運転出力が前記要求出力よりも低くなるように前記エンジンを運転すると共に前記要求出力の不足分を補うように前記他の動力源から取り出す出力を増加させる処理を実行する出力制御手段とを備えることにより、上述した課題を解決する(請求項8)。
【0017】
このハイブリッド車両によれば、冷却水温が高温状態にあるとき要求出力が高負荷領域になっても他の動力源から取り出す出力を増加させるから、エンジンの負荷を軽減してノッキングの発生を防止することができ、さらに、エンジンの点火時期を遅らせる必要もないのでエンジン効率を向上させることができる。加えて、エンジンの出力の不足分については他の動力源からの出力で補償することができる。
【0018】
なお、本発明において冷却水の用語は広義に解されるべきであり、水そのものに限定されることなく、エンジンから熱を奪って熱交換器にて熱を放出する熱媒体としての機能を奏する各種の流体が冷却水の範囲に含まれる。熱交換器は、熱交換能力を有する限り熱交換能力の大小を問わずその範囲に含まれる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態に係る車両制御装置が組み込まれたハイブリッド車両の要部を示す概略図である。内燃機関であるガソリンエンジン1と、2台のモータージェネレータ(MG)2、3とは、それぞれの出力軸が駆動制御手段たる動力分割機構4に接続されている。動力分割機構4には遊星歯車機構等を用いることができる。動力分割機構4を制御することにより、エンジン1、MG2、MG3のそれぞれの接続状態が切り替えられる。動力分割機構4の出力は伝達機構5を介して駆動輪6に伝えられる。MG2及びMG3はインバータ7を介してバッテリ8に接続されている。
【0020】
冷却水循環経路12には、エンジン1の冷却手段として電動式のウォーターポンプ(W/P)10及び熱交換器としてのラジエータ11が設けられている。冷却水循環経路12で冷却水を循環させつつ冷却水がエンジン1から奪った熱をラジエータ11で放熱することによりエンジン1が冷却される。なお、ウォーターポンプ10は冷却水を循環させることができる限り様々な態様で設けられてよい。例えば、冷却水循環経路12から車両のヒータコア(不図示)に冷却水を分配するための流路に電動式のウォーターポンプが設けられてもよい。その場合にはヒータコアが電動式のウォーターポンプに対応する熱交換器として機能する。
【0021】
ウォーターポンプ10の動作は駆動回路14を介して制御装置15により制御される。制御装置15はマイクロプロセッサとRAM、ROM等の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成され、種々のセンサの出力信号を参照しつつ所定のプログラムに従って駆動系全体の駆動状態やエンジン1の燃料噴射装置(不図示)による燃料噴射の制御等を実行する。制御装置15が参照するセンサは必要に応じて適宜定めてよいが、本実施形態に関連して参照されるセンサとしては、エンジン1の冷却水の水温(冷却水温)に対応した信号を出力する水温センサ16と、エンジン1のスロットルバルブの開度に対応した信号を出力するスロットル開度センサ17と、車速に対応した信号を出力する車速センサ18と、バッテリ8の充電容量(SOC)を検出するSOCセンサ19とが挙げられる。これらのセンサ16〜19以外にも制御装置15が種々のセンサ類を参照して各種の制御を実行してよいことは勿論である。
【0022】
図1のハイブリッド車両では、主として電動機として機能するMG3とエンジン1とのそれぞれの駆動力配分が動力分割機構4により制御されて最適な運転が行われる。例えば、エンジン1の効率が良い負荷領域では、エンジン1の駆動力を機械的に駆動輪6に伝達する運転モードが用いられる。低負荷領域では、エンジン1の効率が低下する負荷領域ではエンジン1を停止してMG3の動力のみを利用する運転モードが用いられる。さらに、エンジン1だけではトルクが不足する場合はMG3によりアシストして駆動輪6を駆動する運転モードが用いられる。また、バッテリ8の蓄電量が不足しているときは、エンジン1でMG2を駆動して発電しつつ、MG3により駆動輪6を駆動する運転モードが用いることもできる。
【0023】
エンジン1の始動及びその停止を上記のように切り替えるため、制御装置15は、エンジン要求出力Peを繰り返し演算する。エンジン要求出力Peはエンジン1から取り出すことが予定される出力であって、実際にエンジン1から取り出す実運転出力PEとは異なる。図2はその制御装置15によるエンジン要求出力Peの演算方法を示している。制御装置15は、スロットル開度センサ17及び車速センサ18の出力信号に基づいてアクセル開度と車速とを取得し、制御装置15のROMに記録されたマップを参照してアクセル開度及び車速に対応した出力軸トルク(伝達機構5に出力されるべきトルク)を求める。また、制御装置15はSOCセンサ19の出力信号に基づいて要求発電量を求める。そして、要求発電量と各種の補機類(A/C)の要求とを参照して出力軸トルクを補正することにより、エンジン要求出力Peを求める。なお、エンジン要求出力Peの演算方法は公知のハイブリッド車両で実行されている通りでよく、その細部は必要に応じて種々変更してよい。
【0024】
また、制御装置15は、エンジン効率の観点より冷却水温を制御する。具体的には、エンジン1の負荷が低い低負荷領域では冷却水温の目標値を所定の高温域に設定する高水温制御が実行される一方、エンジン1の負荷が高い高負荷領域では冷却水温の目標値を所定の低温域に設定する低水温制御が実行される。いずれの制御においても冷却水温が目標値に維持されるように、ウォーターポンプ10の循環流量がフィードバック制御される。
【0025】
図3にエンジン1の出力特性と水温制御との関係を示す。同図に示すように、エンジントルクTeとエンジン回転数Neとの積(エンジン出力)が比較的大きい領域では低水温制御がなされ、エンジントルクTeとエンジン回転数Neとの積が比較的小さい領域では高水温制御がなされる。即ち、エンジン1の運転状態に応じて低水温制御と高水温制御とか切り替わる。低水温制御領域と高水温制御領域とは、境界特性Qによって区別される。このような水温制御を行うことにより、エンジン負荷が小さいときには、冷却を弱めてエンジン1の熱損失、フリクション損失、及びウォーターポンプ10の駆動による損失等を低減する一方、エンジン負荷の大きいときには、冷却を促進してノッキングを回避してエンジン1のドライバビリティを高めることができる。
【0026】
以上のハイブリッド車両において、例えば、エンジン1の運転状態を図3に示す初期状態Aから最終状態Cに変更する場合には、それに伴って冷却水温の制御も高水温制御から低水温制御に切り替わる必要がある。しかし、水温の変化は応答性が悪いので制御が開始されても冷却水温は直ちには変化しない。従って、エンジン1からエンジン要求出力Peを取り出すと、冷却水温が高い高温状態でエンジン1の負荷が高負荷となりノッキング等が発生しエンジン効率及びドライバビリティが低下するおそれがある。
【0027】
そこで、本実施形態にあっては、エンジン1の運転状態を初期状態Aから最終状態Cへ移行させる場合に、運転状態を初期状態Aから、一旦、境界特性Q上の過渡状態Bへ移行させる。そして、冷却水温が高温域から低温域に低下した後、運転状態を過渡状態Bから最終状態Cへ移行させている。図4はそのような制御を実現するために制御装置15が実行する負荷分担制御ルーチンを示している。この負荷分担制御ルーチンは車両のイグニッションキーがオンしている場合に所定の周期で繰り返し実行される。
【0028】
図4の負荷分担制御ルーチンにおいて、制御装置15は、現在の制御状態が高水温制御中でかつエンジン要求出力Peが高負荷判定出力値PeHIより大きいか否かを判定する(ステップS1)。
【0029】
ステップS1の条件が成立する場合、制御装置15は、ステップS2に進み、モータージェネレータ3による出力のアシストが可能であるか否かを判定する。具体的には、制御装置15は、SOCセンサ19の出力信号に基づいてバッテリ8の充電容量SOCを検知し、検知した充電容量SOCと閾値との比較に基づいて出力のアシストが可能であるか否を判定する。
【0030】
出力のアシストが可能である場合には、制御装置15は、冷却水温が目標低水温値を上回るか否かを判定する(ステップS3)。ステップS3の条件が成立する場合には、制御装置15は、実運転出力PEをPe1に設定し、モータージェネレータ3のアシストパワーPmをPm=Pe−Pe1に設定し、ウォーターポンプ10の循環流量を増加させる(ステップS4)。
【0031】
設定値Pe1は、現在の実運転出力PEからエンジン要求出力Peまでの値であればよい。例えば、設定値Pe1は、図3に示す範囲W内に設定してもよいし、あるいは、低水温制御領域であってもエンジン要求出力Peより低い値であればよい。範囲Wは、高水温制御領域であるから、エンジン1の運転状態が当該範囲内であれば、冷却水温が高温域にあってもノッキングが発生することがないので、エンジン効率を向上させることができる。また、設定値Pe1が低水温制御領域であってもエンジン要求出力Peより低い値であれば、ノッキングが発生する可能性を低減させることができるから、エンジン効率を向上させることができる。
【0032】
この例では、実運転出力PEの設定値Pe1を境界特性Q上に設定してある。一般にエンジンの効率はエンジンの負荷が高くなる程、向上する。一方、高水温制御領域では、冷却水温が高温域にあってもノッキングを確実に防止することができる。従って、高水温制御領域と低水温制御領域との境界でエンジン1を運転することにより、ノッキングを確実に防止しつつエンジン効率を向上させることができる。
【0033】
実運転出力PEの設定値Pe1は、境界特性Q上のエンジントルクTeとエンジン回転数Neとの積に基づいて与えられる。例えば、図3に示すように初期状態Aから最終状態Cへ移行させる場合には、過渡状態Bとしてエンジン回転数NeをNeaのまま維持すると共にエンジントルクTeをTebに設定する。これにより、実運転出力PEはPe1(=Teb×Nea)となる。
【0034】
このように実運転出力PEを設定すると、エンジン要求出力Peをエンジン1で総てまかなうことはでず、エンジン要求出力Peに対して不足分(Pe−Pe1)が発生する。しかし、不足分についてはモータージェネレータ3のアシストパワーPmによって補うことができるので、エンジン要求出力Peを満たすことができる。
【0035】
ステップS4におけるウォーターポンプ10の循環流量を増加させる制御等によって、冷却水温が低下して目標低温値を下回る場合には、ステップS3の条件が不成立となり、処理がステップS5に進む。ステップS5の処理では、実運転出力PEがエンジン要求出力Peに設定され、モータージェネレータ3によるアシストパワーPmがPm=0に設定され、さらにウォーターポンプ10による循環流量が通常の流量に調整される。図3に示す例では、運転状態が過渡状態Bから最終状態Cへ移行する。この場合、制御装置15は、エンジン回転数NeがNecとなり、かつエンジントルクTeがTecとなるように燃料噴射量や点火時期等を制御する。
【0036】
即ち、エンジン要求出力Peが高負荷領域となった場合には、冷却水温が目標低水温値(低温域)まで下がるまでの期間、モータージェネレータ3によるアシストによって不足する出力を補償する一方、冷却水温が目標低水温値まで下がった後は、エンジン1から出力を取り出すようにしている。これにより、ノッキングの発生を防止しつつ、エンジン効率を向上させることができる。
【0037】
なお、ステップS1の条件が不成立の場合には、制御装置15は、実運転出力PEをエンジン要求出力Peに設定して、エンジン1の出力によって駆動力をまかなう(ステップS6)。また、バッテリ8の充電容量SOCが閾値を下回る場合には、ステップS2の条件は不成立となり、処理はステップS7に進む。この場合には、モータージェネレータ3によって出力を補償することはできないので、制御装置15は、実運転出力PEをエンジン要求出力Peに設定し、ウォーターポンプ10の循環流量を増加させ、点火時期を遅角させる。この場合には、エンジン1から必要な駆動力を取り出すが、点火時期を遅角させるので、ノッキングを回避することができる。
【0038】
ステップS7が実行される頻度を減らすため、高水温制御が実行されている期間にあっては、高負荷要求に備えてバッテリ8の充電容量SOCを充分確保しておくことが望ましい。図5はそのような制御を実現するために制御装置15が実行するバッテリ充電要求制御ルーチンを示している。
【0039】
まず、制御装置15は、高水温制御中か否かを判定する(ステップS11)。高水温制御中であれば、第1充電マップspchg1_mapに基づいて、バッテリ充電要求Pe_chgが算出される(ステップS12)。一方、高水温制御中でなければ、即ち、低水温制御中であれば第2充電マップspchg2_mapに基づいて、バッテリ充電要求Pe_chgが算出される(ステップS13)。
【0040】
図6は第1充電マップspch1_map及び第2充電マップspch2_mapの記憶内容を示すグラフである。このグラフの横軸は充電容量SOCの最大容量に対する割合をパーセントで表している。また、充電容量SOCが大きくバッテリ充電要求Pe_chgの値がマイナスとなっている部分は放電を意味する。点線は第1充電マップspch1_mapの記憶内容を示す一方、実線は第2充電マップspch2_mapの記憶内容を示す。このグラフから明らかなように第1充電マップspch1_mapを採用すると、第2充電マップspch2_mapを採用する場合に比較して、短時間で大きな電気エネルギーをバッテリ8に蓄電することが可能となる。上述したように高水温制御中には第1充電マップspchg1_mapが選択されるから、低水温制御中と比較してバッテリ8の充電容量SOCを高く維持することが可能となる。
【0041】
このように本実施形態にあっては、運転状態を過渡状態Bに移行させて、モータージェネレータ3から出力を取り出す可能性の高い高水温制御中にバッテリ8の充電容量SOCを高く維持するから、高負荷要求に備えてバッテリ8の充電容量SOCを充分確保することができる。
【0042】
以上の実施形態では、図4の負荷分担制御ルーチンを制御装置15が実行することにより、制御装置15が本発明の判定手段、出力制御手段、冷却水温制御手段、及び充電容量判定手段としてそれぞれ機能する。また、図5のバッテリ充電要求制御ルーチンを制御装置15が実行することにより、制御装置15が本発明の充電制御手段として機能する。また、上記の実施形態においては、モータージェネレータ3が他の動力源として設けられているが、他の動力源としてはこれに限らず種々の手段が利用されてよい。
【0043】
本発明は上述した実施形態に限定されることなく、種々の形態にて実施してよい。例えば、制御装置15は、エンジン1の運転状態に応じて高水温制御と低水温制御と各々実行したが水温制御は必須ではない。冷却水温度が所定温度より高い状態で車両要求出力が高負荷となった場合には、冷却水温度が自然に低温になるまでの期間、モータージェネレータ3等の他の動力源が出力を取り出し、冷却水温度が所定温度より下がった後、エンジン1から高負荷出力を取り出すようにしてもよい。
【0044】
また、冷却水から熱を放出させる処理はウォーターポンプ10の駆動に限らず、ラジエータ11の電動ファンの駆動によっても実現できるし、上記のように暖房用のヒータコアを利用して冷却水から熱を放出させてもよい。その他にも、冷却水から熱を放出させてその温度を低下させ得る各種の処理を実行してよい。
【0045】
本発明において、冷却水温度は水温センサ16によって直接的に検出する場合に限らず、冷却水温度に関連する各種の物理量のセンサによる測定値又は演算値に基づいて冷却水温度を判別してよい。
【0046】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の車両制御装置によれば、冷却水の温度が高温状態で要求出力が高負荷となった場合に、冷却水の温度が低温域になるまでは、他の動力源の出力を増加させてエンジンの負荷を軽減させたので、ノッキングを回避しつつエンジン効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両制御装置が組み込まれた車両の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1の制御装置15による車両要求出力の演算方法を示す説明図である。
【図3】エンジン1の出力特性と水温制御との関係を示す説明図である。
【図4】負荷分担制御における制御装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】バッテリ充電要求制御における制御装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】第1充電マップspch1_map及び第2充電マップspch2_mapの記憶内容を示すグラフである。
【符号の説明】
1 エンジン
2 モータージェネレータ
3 モータージェネレータ(他の動力源)
8 バッテリ(蓄電器)
10 ウォーターポンプ
11 ラジエータ(熱交換器)
12 冷却水循環経路(所定経路)
15 制御装置
16 水温センサ
17 スロットル開度センサ
18 車速センサ
19 SOCセンサ
Claims (8)
- 燃料の燃焼によって作動する一動力源としてのエンジンと他の動力源とを備え、前記エンジンと前記他の動力源とを使い分けて走行可能である共に冷却水により前記エンジンを冷却する車両に用いられる車両制御装置において、
冷却水温が高温状態であるか低温状態であるかを判定する判定手段と、
前記高温状態において前記エンジンに対する要求出力が所定の低負荷領域から所定の高負荷領域に変化した場合、実際に前記エンジンから取り出す実運転出力が前記要求出力よりも低くなるように前記エンジンを運転すると共に前記要求出力の不足分を補うように前記他の動力源から取り出す出力を増加させる処理を実行する出力制御手段と、
を備えたことを特徴とする車両制御装置。 - 前記判定手段は、実測された前記冷却水の温度に基づいて前記冷却水温が前記高温状態であるか前記低温状態であるかを判定し、
前記出力制御手段は、前記冷却水温が前記低温状態となった後、前記実運転出力を増加させることを特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。 - 前記低負荷領域において前記冷却水の温度を高くする高温制御と前記高負荷領域において前記冷却水の温度を低くする低温制御とを実行すると共に、前記高温制御中に前記要求出力が前記高負荷領域となった場合、制御状態を前記高温制御から前記低温制御へ移行させる冷却水温制御手段を備え、
前記判定手段は、前記冷却水の制御状態が前記高温制御であるとき前記高温状態であると判定し、前記冷却水の制御状態が前記低温制御であるとき前記低温状態であると判定し、
前記出力制御手段は、前記高温状態である前記高温制御中に前記要求出力が前記低負荷領域から前記高負荷領域に変化した場合、前記冷却水の温度が所定の低温域となるまでの移行期間は、前記実運転出力が前記要求出力よりも低くなるように前記エンジンを運転すると共に前記要求出力の不足分を補うように前記他の動力源から取り出す出力を増加させ、前記冷却水の温度が前記低温域となった後に前記実運転出力を増加させる処理を実行する
ことを特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。 - 前記出力制御手段は、前記移行期間において、前記高温制御と前記低温制御との境界条件となるように前記エンジンの運転状態を制御することを特徴とする請求項2に記載の車両制御装置。
- 前記他の動力源は蓄電器からの電力によって駆動され、
前記蓄電器の充電容量が高充電状態か低充電状態かを判定する充電容量判定手段を備え、
前記出力制御手段は、前記移行期間において、前記蓄電器の充電容量が前記高充電状態であれば、前記実運転出力が前記要求出力よりも低くなるように前記エンジンを運転すると共に前記要求出力の不足分を補うように前記他の動力源から取り出す出力を増加させ、前記蓄電器の充電容量が前記低充電状態であれば、前記実運転出力が前記要求出力となるように前記エンジンを運転する処理を実行する
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の車両制御装置。 - 前記高温制御中は、前記蓄電器の充電容量が前記低温制御中と比較して大きくなるように前記蓄電器への充電を制御する充電制御手段を備える
ことを特徴とする請求項5に記載の車両制御装置。 - 前記車両は、前記エンジンと熱交換器とを含んだ所定経路内で冷却水を循環させて前記エンジンを冷却するものであり、
前記冷却水温制御手段は、前記移行期間において、前記冷却水の循環流量を前記高温制御中の前記冷却水の循環流量より大きくなる処理を実行することを特徴とする請求項3乃至6のうちいずれか1項に記載の車両制御装置。 - 燃料の燃焼によって作動する一動力源としてのエンジンと、
他の動力源と、
前記エンジンと熱交換器とを含んだ所定経路内で冷却水を循環させて前記エンジンを冷却する冷却手段と、
前記冷却水の状態が高温状態であるか低温状態であるかを判定する判定手段と、
前記高温状態において前記エンジンに対する要求出力が所定の低負荷領域から所定の高負荷領域に変化した場合、実際に前記エンジンから取り出す実運転出力が前記要求出力よりも低くなるように前記エンジンを運転すると共に前記要求出力の不足分を補うように前記他の動力源から取り出す出力を増加させる処理を実行する出力制御手段と、
を備えたことを特徴とするハイブリッド車両。
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