JP2006250047A - ディーゼル機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 パイロット噴射の効果をより高めることのできるディーゼル機関の燃料噴射制御装置を提供する。
【解決手段】 ディーゼル機関10の燃料噴射制御装置は、主噴射に先立ち行われるパイロット噴射を複数回行う。上記パイロット噴射のうちで最初に行われるパイロット噴射の噴射時期をディーゼル機関10の温度が低いときほど遅角側に補正する。
【選択図】 図1

Description

本発明は主噴射に先立ち行われるパイロット噴射を複数回行うディーゼル機関の燃料噴射制御装置に関する。
ディーゼル機関においては、筒内に噴射された燃料が急激に燃焼されることにともない発生する騒音、いわゆるディーゼルノック音を低減させるべく、主噴射に先立ち少量の燃料を噴射するパイロット噴射が行われている。こうしたパイロット噴射を行えば、噴射された少量の燃料が着火状態となって筒内温度が高められているところへ主噴射が行われるため、主噴射燃料が噴射されてから着火に至るまでの期間、すなわち着火遅れ期間が短縮されるようになり、燃焼が緩やかに進行することとなる。このため、主噴射燃料が急激に燃焼されることにともない発生する騒音を抑制することができる。
またこうしたパイロット噴射においては、例えば特許文献1に示されるように、パイロット噴射燃料を複数回に分割して噴射することで、分割されて噴射されたパイロット噴射燃料をそれぞれ十分に燃焼させて主噴射の着火遅れ期間を短縮させるようにしているものがある(特許文献1参照)。
特開平11−93735
ところが、機関温度が低い場合には、図12に示されるようにパイロット噴射を複数回(この場合は2回)行うと、特に最初に噴射される燃料を十分に燃焼させることができない。これは最初のパイロット噴射が行われるときは、筒内の空気があまり圧縮されておらず機関温度が低いこととも相まって筒内温度が低くなるためである。したがって、上述したパイロット噴射の効果を十分に得ることができないおそれがあった。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、パイロット噴射の効果をより高めることのできるディーゼル機関の燃料噴射制御装置を提供することにある。
以下、上記目的を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、主噴射に先立ち行われるパイロット噴射を複数回行うディーゼル機関の燃料噴射制御装置において、前記パイロット噴射のうちで最初に行われるパイロット噴射の噴射時期を機関温度が低いときほど遅角側に補正することをその要旨とする。
上記構成によれば、複数回行われるパイロット噴射のうちで最初に行われるパイロット噴射の噴射時期が機関温度の低いときほど遅角側に補正される。換言すれば、機関温度が低いときほど筒内の空気がより圧縮されるのを待って、すなわち筒内温度がより高くなるのを待ってパイロット噴射が行われる。このため、機関温度が低い場合であっても最初に行われるパイロット噴射の燃料が十分に燃焼されるようになる。したがって、パイロット噴射の効果をより高めることができる。
パイロット噴射が複数回行われる場合、最初に行われるパイロット噴射から最後に行われるパイロット噴射までの期間のうちで、特に前半の期間に行われるパイロット噴射の燃料は、機関温度が低い場合には十分に燃焼させることができないことがある。
この点請求項2に記載の発明によれば、最初に行われるパイロット噴射から最後に行われるパイロット噴射までの期間のうちで前半の期間に行われるパイロット噴射の噴射時期が機関温度の低いときほど遅角側に補正される。このため、機関温度が低い場合であっても前半の期間に行われるパイロット噴射の燃料が十分に燃焼されるようになる。
前半の期間に行われるパイロット噴射においては、より早い時期に行われるパイロット噴射ほど噴射時の筒内温度が低いため、同パイロット噴射された燃料が十分に燃焼されない。
この点請求項3に記載の発明によれば、前半の期間に行われるパイロット噴射のうちでより早い時期に行われるパイロット噴射ほど、すなわち噴射時の筒内温度が低いために噴射される燃料が燃焼されにくいパイロット噴射ほど、噴射時期の遅角補正量が大きくされる。このため、前半に行われるパイロット噴射の噴射時期をより好適に設定することができる。
なお、こうしたパイロット噴射の噴射時期の遅角量は、当該パイロット噴射の前後に噴射される他のパイロット噴射の噴射時期を追い越さない大きさにする必要がある。
ディーゼル機関では、機関温度が低いときほどパイロット噴射が行われてから同噴射燃料が着火に至るまでの期間、すなわちパイロット噴射の着火遅れ期間が長くなる。このため、パイロット噴射を複数回行うと、特に最後にパイロット噴射された燃料の燃焼時期が遅れ、主噴射時において燃焼途上となってしまうため、主噴射時の筒内温度を十分に高めることができない。
この点請求項4に記載の発明によれば、複数回行われるパイロット噴射のうちで最初に行われるパイロット噴射の噴射時期が機関温度の低いときほど遅角側に補正されるとともに、最後に行われるパイロット噴射の噴射時期が機関温度の低いときほど進角側に補正される。このため、機関温度が低い場合であっても、最初に行われるパイロット噴射の燃料が十分に燃焼されるようになる。またパイロット噴射の着火遅れ期間が長い場合であっても、最後に行われるパイロット噴射の噴射時期が主噴射の噴射時期に対して早められることにより、主噴射時の筒内温度を十分に高めることができるようになる。したがって、パイロット噴射の効果をより高めることができる。
パイロット噴射が複数回行われる場合、機関温度が低いときほどパイロット噴射の着火遅れ期間が長くなるため、最初に行われるパイロット噴射から最後に行われるパイロット噴射までの期間のうちで、特に後半の期間に行われるパイロット噴射の燃焼時期が遅れてしまい、主噴射時の筒内温度を十分に高めることができないことがある。
この点請求項5に記載の発明によれば、最初のパイロット噴射から最後のパイロット噴射までの期間のうちで前半の期間に行われるパイロット噴射の噴射時期が機関温度の低いときほど遅角側に補正されるとともに、後半の期間に行われるパイロット噴射時期が機関温度の低いときほど進角側に補正される。このため、機関温度が低い場合であっても、前半の期間にパイロット噴射された燃料が十分に燃焼されるようになる。またパイロット噴射の着火遅れ期間が長い場合であっても、後半の期間に行われるパイロット噴射の噴射時期が主噴射の噴射時期に対して早められることにより、主噴射時の筒内温度を十分に高めることができるようになる。
後半の期間に行われるパイロット噴射においては、遅い時期に行われるパイロット噴射ほど主噴射との間隔が短いため、機関温度が低い場合には主噴射時において燃焼途上となりやすい。
この点請求項6に記載の発明によれば、前半の期間に行われるパイロット噴射のうちでより早い時期に行われるパイロット噴射ほどその噴射時期の遅角補正量が大きくされるとともに、後半の期間に行われるパイロット噴射のうちでより遅い時期に行われるパイロット噴射ほどその噴射時期の進角補正量が大きくされる。このため、パイロット噴射の噴射時期をより好適に設定することができる。
なお、この場合もパイロット噴射の噴射時期の遅角量を、当該パイロット噴射の前後に噴射される他のパイロット噴射の噴射時期を追い越さない大きさにする必要がある。
請求項7に記載の発明は、主噴射に先立ち行われるパイロット噴射を複数回行うディーゼル機関の燃料噴射制御装置において、機関温度が低いときほど前記パイロット噴射の噴射時期を最初のパイロット噴射から最後のパイロット噴射までの期間の中央に近づけるように補正することをその要旨とする。
上記構成によれば、機関温度の低いときほど複数回行われるパイロット噴射の噴射時期が最初のパイロット噴射から最後のパイロット噴射までの期間の中央に近づけられるように補正される。このため、機関温度が低い場合であっても、上記期間の中央よりも前半の期間に行われるパイロット噴射の燃料が十分に燃焼されるようになる。またパイロット噴射の着火遅れ期間が長くなったとしても、上記期間の中央よりも後半の期間に行われるパイロット噴射の噴射時期が主噴射の噴射時期に対して早められることにより、主噴射時の筒内温度を十分に高めることができるようになる。したがって、パイロット噴射の効果をより高めることができる。
また、請求項8に記載されるように、主噴射に先立ち行われるパイロット噴射を複数回行うディーゼル機関の燃料噴射制御装置において、前記パイロット噴射のうちで最初に行われるパイロット噴射について機関の暖機完了前における噴射時期を暖機完了後における噴射時期よりも遅角側に補正するといった構成を採用することができる。
また、請求項9に記載されるように、主噴射に先立ち行われるパイロット噴射を複数回行うディーゼル機関の燃料噴射制御装置において、前記パイロット噴射のうちで最初に行われるパイロット噴射について機関の暖機完了前における噴射時期を暖機完了後における噴射時期よりも遅角側に補正するとともに、前記パイロット噴射のうちで最後に行われるパイロット噴射について機関の暖機完了前における噴射時期を暖機完了後における噴射時期よりも進角側に補正するといった構成を採用することができる。
さらに、請求項10に記載されるように、主噴射に先立ち行われるパイロット噴射を複数回行うディーゼル機関の燃料噴射制御装置において、前記パイロット噴射について機関の暖機完了前における噴射時期を暖機完了後における噴射時期よりも、最初のパイロット噴射から最後のパイロット噴射までの期間の中央に近づけるように補正するといった構成を採用することができる。
これら請求項8〜10に記載の上記構成によれば、暖機完了後に対して機関温度が低くなる暖機完了前において、パイロット噴射の効果をより高めることができる。
主噴射時の筒内温度を高めておくためには機関温度が低いときほどパイロット噴射によって多くの熱量を供給する必要がある。
この点請求項11に記載の発明によれば、パイロット噴射のうちで最後に行われるパイロット噴射の噴射量が機関温度の低いときほど増量補正される。このため、機関温度が低い場合であっても、最後に行われるパイロット噴射、すなわち主噴射の噴射時期に最も近い時期に行われるパイロット噴射の噴射量が増量されることで、主噴射時に要求される熱量を効率的に確保することができる。
また、特に請求項4〜10に記載される構成においては、機関温度が低いときほど最後に行われるパイロット噴射の噴射時期が進角側に補正される。このため、筒内温度の上昇時期が進角された分だけ早くなってしまい、主噴射時にはすでに筒内温度が低下しはじめてしまうおそれがある。この点においても上記構成によれば、主噴射時に筒内温度が低下しはじめたとしても、最後に行われるパイロット噴射の噴射量が増量されているため筒内温度をより高い温度に維持しておくことができる。
請求項12に記載の発明は、請求項1〜10に記載のディーゼル機関の燃料噴射制御装置において、最初に行われるパイロット噴射から最後に行われるパイロット噴射までの期間のうちで後半の期間に行われるパイロット噴射の噴射量を機関温度が低いときほど増量補正することをその要旨とする。
上記構成によれば、パイロット噴射のうちで後半の期間に行われるパイロット噴射の噴射量が機関温度の低いときほど増量補正される。このため、機関温度が低い場合であっても、複数回行われるパイロット噴射のうちで後半の期間に行われるパイロット噴射、すなわち主噴射の噴射時期に近い時期に行われるパイロット噴射の噴射量が増量されることで、主噴射時の筒内温度を十分高い温度に維持しておくことができる。
具体的には、請求項13に記載されるように、後半の期間に行われるパイロット噴射のうちでより遅い時期に行われるパイロット噴射ほど噴射量の増量補正量を多くするといった態様を採用することができる。この場合、主噴射の噴射時期に近い時期に行われるパイロット噴射ほど噴射量の増量補正量が多くされるため、主噴射時の筒内温度をさらに高い状態に維持することができる。
<第1実施形態>
本発明にかかるディーゼル機関の燃料噴射制御装置を具体化した第1実施形態について、図1〜図4を参照して詳細に説明する。
図1に示されるように、本実施形態のディーゼル機関の燃料噴射制御装置は、ディーゼル機関10、電子制御装置20、及び各種センサ30により構成されている。
ディーゼル機関10の各気筒には、高圧燃料を燃焼室内に直接噴射するための燃料噴射弁12がそれぞれ備えられている。図示しない燃料タンクに貯蔵される燃料は、燃料ポンプによってコモンレールに圧送され、同コモンレールから高圧燃料管を介して燃料噴射弁12へと供給される。
各種センサ30としては、水温センサ32、クランク角センサ34、吸入空気量センサ36、およびアクセル開度センサ38を備えている。水温センサ32は機関温度の代表値としての冷却水温度THwを検出するためのものである。クランク角センサ34はディーゼル機関の出力軸であるクランクシャフトの回転角度位置を検出するためのものである。吸入空気量センサ36は吸気通路を介してディーゼル機関に供給される吸入空気量を検出するためのものである。アクセル開度センサ38はアクセル操作量を検出するためのものである。
上記各種センサ30はディーゼル機関10の運転状態を随時検出するとともに、同検出結果を電子制御装置20に対して出力する。電子制御装置20は機関運転状態に基いてディーゼル機関10の燃料噴射制御を行う。具体的には、電子制御装置20は入力された上記検出結果に基いて燃料の噴射時期および噴射量を算出し、算出された結果に基づいてディーゼル機関10の燃料噴射弁12の開閉制御を行う。
本実施形態では、複数回行われるパイロット噴射の一例として同量のパイロット噴射を2回行うものを採用しており、最初に行われるパイロット噴射を第1パイロット噴射と称するとともに、その後に行われるパイロット噴射を第2パイロット噴射と称することにする。
以下に、第1パイロット噴射の噴射時期tP1および第2パイロット噴射の噴射時期tP2を設定する手順について、図2のフローチャート、および図3のマップを参照して説明する。このフローチャートに示される一連の処理は、電子制御装置20により機関運転中において所定の周期をもって繰り返し実行される。
図2に示されるように、この一連の処理ではまず、水温センサ32から出力される冷却水温度THwが機関温度の代表値として読み込まれる(ステップ100)。冷却水温度THwが読み込まれると、図3に示されるマップに従い、同温度THwに基いて第1パイロット噴射の噴射時期tP1および第2パイロット噴射の噴射時期tP2が設定される(ステップ110)。
図3に示されるように、冷却水温度THwが80度よりも低いとき、すなわち機関の暖機が完了していないときには、第1パイロット噴射の噴射時期tP1は同温度THwが低くなるほど遅角側に設定される。すなわち、本実施形態においては暖機完了後の第1パイロット噴射の噴射時期を基準として、冷却水温度THwの低下に対して遅角補正量ΔtP1が直線的に増加するようになっている。これに対して、第2パイロット噴射の噴射時期tP2は同温度THwが低くなるほど進角側に設定される。すなわち、本実施形態においては暖機完了後の第2パイロット噴射の噴射時期を基準として、冷却水温度THwの低下に対して進角補正量ΔtP2が直線的に増加するようになっている。具体的には、暖機が完了していない0度のときにおける第1パイロット噴射の噴射時期tP1の遅角補正量ΔtP1の大きさは、第2パイロット噴射の噴射時期tP2の進角補正量ΔtP2の大きさと等しくなっている。なお、このようにパイロット噴射の噴射時期を進角側または遅角側に設定する場合には、実験等により求められる最適な特性曲線を採用することが望ましい。
一方、冷却水温度THwが80度以上のとき、すなわち機関の暖機が完了しているときには、第1パイロット噴射の噴射時期tP1および第2パイロット噴射の噴射時期tP2は同温度THwによらずそれぞれ一定の値となっている。このようにして冷却水温度THwに基いて第1パイロット噴射の噴射時期tP1および第2パイロット噴射の噴射時期tP2が設定された後、この一連の処理は一旦終了される。
以上説明した制御に基く各燃料噴射の噴射態様について、図4を参照して説明する。
図4は、第1パイロット噴射、第2パイロット噴射および主噴射におけるそれぞれの噴射時期と噴射率との関係を示すタイムチャートである。なお、実線で示されるものは、冷却水温度THwが80度の場合、すなわち機関の暖機が完了している場合における各噴射の噴射時期と噴射率との関係を示している。一方、破線で示されるものは、冷却水温度THwが0度の場合、すなわち機関の暖機が完了していない場合における第1パイロット噴射および第2パイロット噴射の噴射時期と噴射率との関係を示している。
図4に示されるように、機関の暖機完了前における第1パイロット噴射の噴射時期は、遅角側にΔtP1だけ補正されることでtP1+ΔtP1となる。また機関の暖機完了前における第2パイロット噴射の噴射時期は、進角側にΔtP2だけ補正されることでtP2−ΔtP2となる。
<実施形態の効果>
以上詳述したように、本実施形態のディーゼル機関の燃料噴射制御装置によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(1)第1パイロット噴射の噴射時期tP1を冷却水温度THwが低いときほど遅角側に補正するとともに、第2パイロット噴射の噴射時期tP2を冷却水温度THwが低いときほど進角側に補正する。換言すれば、機関温度が低いときほど筒内の空気がより圧縮されるのを待って、すなわち筒内温度がより高くなるのを待って第1パイロット噴射が行われる。このため、機関温度が低い場合であっても最初に行われる第1パイロット噴射の燃料が十分に燃焼されるようになる。また第2パイロット噴射の着火遅れ期間が長い場合であっても、第2パイロット噴射の噴射時期tP2が主噴射の噴射時期tMに対して早められることにより、主噴射時の筒内温度を十分に高めることができるようになる。したがって、第1パイロット噴射および第2パイロット噴射の効果をより高めることができる。
<第2実施形態>
本発明にかかるディーゼル機関の燃料噴射制御装置を具体化した第2実施形態について、図5〜図7を参照して説明する。
本実施形態では、パイロット噴射の噴射量の総量は第1実施形態と等しくなってはいるものの、以下の点が第1実施形態と異なっている。すなわち、本実施形態ではパイロット噴射が4回行われる点、および第1,第2パイロット噴射の噴射量が第1実施形態において説明した第1パイロット噴射の半分の大きさである点が第1実施形態と異なっている。また第3,第4パイロット噴射の噴射量が第1実施形態において説明した第2パイロット噴射の半分の大きさとなっている点が第1実施形態と異なっている。なお、ディーゼル機関の燃料噴射制御装置は第1実施形態と同様のものを採用しており、図1に示される構成を備えている。
以下に、第1〜第4パイロット噴射の噴射時期tP1〜tP4を設定する手順について、図5のフローチャート、および図6のマップを参照して説明する。
図5に示されるように、この一連の処理においてもまず、電子制御装置20によって水温センサ32から出力される冷却水温度THwが機関温度の代表値として読み込まれる(ステップ200)。冷却水温度THwが読み込まれると、図6に示されるマップに従い、同温度THwに基いて第1〜4パイロット噴射の噴射時期tP1〜tP4が設定される(ステップ210)。
本実施形態においては、図6に示されるように、最初に行われる第1パイロット噴射の噴射時期tP1から最後に行われる第4パイロット噴射の噴射時期tP4までの期間のうちの前半の期間に第1,第2パイロット噴射が行われるとともに、上記期間のうちの後半の期間に第3,第4パイロット噴射が行われる。
図6に示されるように、冷却水温度THwが80度よりも低いとき、すなわち機関の暖機が完了していないときには、上記前半の期間に行われる第1,2パイロット噴射の噴射時期tP1,tP2は同温度THwが低くなるほど遅角側に設定される。すなわち、本実施形態においては暖機完了後の第1,2パイロット噴射の噴射時期を基準として、冷却水温度THwの低下に対して遅角補正量ΔtP1,ΔtP2が直線的に増加するようになっている。これに対して、第3,4パイロット噴射の噴射時期tP3,tP4は同温度THwが低くなるほど進角側に設定される。すなわち、本実施形態においては暖機完了後の第3,4パイロット噴射の噴射時期を基準として、冷却水温度THwの低下に対して進角補正量ΔtP3,ΔtP4が直線的に増加するようになっている。図6に示されるように、暖機が完了していない0度のときにおける第1パイロット噴射の噴射時期tP1の遅角補正量ΔtP1は、第2パイロット噴射の噴射時期tP2の遅角補正量ΔtP2に比べて大きくなっている。また、暖機が完了していない0度のときにおける第4パイロット噴射の噴射時期tP4の進角補正量ΔtP4は、第3パイロット噴射の噴射時期tP3の進角補正量ΔtP3に比べて大きくなっている。なお、このようにパイロット噴射の噴射時期を進角側または遅角側に設定する場合には、実験等により求められる最適な特性曲線を採用することが望ましい。
一方、冷却水温度THwが80度以上のとき、すなわち機関の暖機が完了しているときには、第1〜4パイロット噴射の噴射時期tP1〜tP4は同温度THwによらずそれぞれ一定の値となっている。このようにして冷却水温度THwに基いて上記第1〜4パイロット噴射の噴射時期tP1〜tP4が設定された後、この一連の処理は一旦終了される。
以上説明した制御に基く各燃料噴射の噴射態様について、図7を参照して説明する。
図7は、第1〜4パイロット噴射、および主噴射におけるそれぞれの噴射時期と噴射率との関係を示すタイムチャートである。なお、実線で示されるものは、冷却水温度THwが80度の場合、すなわち、機関の暖機が完了している場合における各噴射の噴射時期と噴射率との関係を示している。一方、破線で示されるものは、冷却水温度THwが0度の場合、すなわち機関の暖機が完了していない場合における第1〜4パイロット噴射の噴射時期と噴射率との関係を示している。
図7に示されるように、機関の暖機完了前における第1,2パイロット噴射の噴射時期は、ともに遅角側にΔtP1,ΔtP2ずつ補正されることで、それぞれtP1+ΔtP1,tP2+ΔtP2となる。特に早い時期に行われる第1パイロット噴射の遅角補正量ΔtP1は、第2パイロット噴射の遅角補正量ΔtP2よりも大きくなっている。また機関の暖機完了前における第3,4パイロット噴射の噴射時期は、ともに進角側にΔtP3,ΔtP4ずつ補正されることで、それぞれtP3−ΔtP3,tP4―ΔtP4となる。特に遅い時期に行われる第4パイロット噴射の進角補正量ΔtP4は、第3パイロット噴射の進角補正量ΔtP3よりも大きくなっている。
<実施形態の効果>
以上詳述したように、本実施形態のディーゼル機関の燃料噴射制御装置によれば、以下に列記する効果が得られるようになる。
(1)第1パイロット噴射から第4パイロット噴射までの期間のうちで前半の期間に行われる第1,2パイロット噴射の噴射時期tP1,tP2を冷却水温度THwが低いときほど遅角側に補正するとともに、後半の期間に行われる第3,4パイロット噴射の噴射時期tP3,tP4を冷却水温度THwが低いときほど進角側に補正する。換言すれば、機関温度が低いときほど筒内の空気がより圧縮されるのを待って、すなわち筒内温度がより高くなるのを待って第1,2パイロット噴射が行われる。このため、機関温度が低い場合であっても前半の期間に行われる第1,2パイロット噴射の燃料が十分に燃焼されるようになる。また機関温度が低くパイロット噴射の着火遅れ期間が長くなる場合であっても、後半の期間に行われる第3,4パイロット噴射の噴射時期tP3,tP4が主噴射の噴射時期tMに対して早められることにより、主噴射時の筒内温度を十分に高めることができるようになる。したがって、第1〜4パイロット噴射の効果をより高めることができる。
(2)前半の期間に行われる第1,2パイロット噴射においては、より早い時期に行われる第1パイロット噴射は、第2パイロット噴射よりも噴射時の筒内温度が低いときに噴射されるため、同第1パイロット噴射における燃料は燃焼されにくい。また、後半に行われる第3,4パイロット噴射においては、第4パイロット噴射は、第3パイロット噴射よりも主噴射との間隔が短いため、機関温度が低い場合には主噴射時において燃焼途上となりやすい。
この点本実施形態によれば、前半の期間に行われる第1,2パイロット噴射のうちでより早い時期に行われる第1パイロット噴射は、第2パイロット噴射よりも噴射時期の遅角補正量が大きくされる。また、後半の期間に行われる第3,4パイロット噴射のうちでより遅い時期に行われる第4パイロット噴射は、第3パイロット噴射よりも噴射時期の進角補正量が大きくされる。このため、第1〜4パイロット噴射の噴射時期をより適切に設定することができる。
<第3実施形態>
本発明にかかるディーゼル機関の燃料噴射制御装置を具体化した第3実施形態について、図8〜図11を参照して説明する。
本実施形態では、第2実施形態と同様にパイロット噴射が4回行われるものではあるが、冷却水温度THwが低い場合であっても第2パイロット噴射の噴射時期tP2を補正しない点、冷却水温度THwが低くなるほど第3,4パイロット噴射での燃料噴射量を増量補正する点が第2実施形態と異なっている。なお、ディーゼル機関の燃料噴射制御装置は、第1,2実施形態と同様のものを採用しており、図1に示される構成を備えている。
以下に、第1〜第4パイロット噴射の噴射時期tP1〜tP4を設定する手順について、図8のフローチャート、および図9のマップを参照して説明し、第3,4パイロット噴射の噴射量vP3,vP4を設定する手順について図10のマップを参照して説明する。
図8に示されるように、この一連の処理においてもまず、電子制御装置20によって水温センサ32から出力される冷却水温度THwが機関温度の代表値として読み込まれる(ステップ300)。冷却水温度THwが読み込まれると、図9に示されるマップに従い、同温度THwに基いて第1〜4パイロット噴射の噴射時期tP1〜tP4が設定される(ステップ310)。
本実施形態においては、図9に示されるように、最初に行われる第1パイロット噴射の噴射時期tP1から最後に行われる第4パイロット噴射の噴射時期tP4までの期間の中央となる時期に第2パイロット噴射が行われる。
図9に示されるように、冷却水温度THwが80度よりも低いとき、すなわち機関の暖機が完了していないときには、最初に行われる第1パイロット噴射の噴射時期tP1は同温度THwが低くなるほど遅角側に設定される。すなわち、本実施形態においては暖機完了後の第1パイロット噴射の噴射時期を基準として、冷却水温度THwの低下に対して遅角補正量ΔtP1が直線的に増加するようになっている。また、上記期間の後半に行われる第3,4パイロット噴射の噴射時期tP3,tP4は同温度THwが低くなるほど進角側に設定される。すなわち、本実施形態においては暖機完了後の第3,4パイロット噴射の噴射時期を基準として、冷却水温度THwの低下に対して進角補正量ΔtP3,ΔtP4が直線的に増加するようになっている。図9に示されるように、暖機が完了していない0度のときにおける第4パイロット噴射の噴射時期tP4の進角補正量ΔtP4は、第3パイロット噴射の噴射時期tP3の進角補正量ΔtP3に比べて大きくなっている。これに対して、第2パイロット噴射の噴射時期tP2は、冷却水温度THwが低いときであっても噴射時期が進角または遅角補正されない。
一方、冷却水温度THwが80度以上のとき、すなわち機関の暖機が完了しているときには、第1〜4パイロット噴射の噴射時期tP1〜tP4は同温度THwによらずそれぞれ一定の値となっている。
次に、図10に示されるマップに従い、冷却水温度THwに応じて第3,4パイロット噴射の噴射量が設定される(ステップ320)。
図10に示されるように、冷却水温度THwが80度よりも低いときには、第3,4パイロット噴射の噴射量は冷却水温度THwが低くなるほど増量側に設定される。すなわち、本実施形態においては暖機完了後の第3,4パイロット噴射の噴射時期を基準として、冷却水温度THwの低下に対して増量補正量ΔvP3,ΔvP4が直線的に増加するようになっている。特により遅い時期に行われる第4パイロット噴射の増量補正量ΔvP4は、第3パイロット噴射の増量補正量ΔvP3よりも大きくなっている。
なお、このように冷却水温度に基いてパイロット噴射の噴射時期を進角側または遅角側に設定する場合や、噴射量の増量側に設定する場合には、実験等により求められる最適な特性曲線を採用することが望ましい。
一方、冷却水温度THwが80度以上のとき、すなわち機関の暖機が完了しているときには、第3,4パイロット噴射の噴射量は同温度THwによらずそれぞれ一定となっている。このようにして冷却水温度THwに基いて上記第1〜4パイロット噴射の噴射時期tP1〜tP4および第3,4パイロット噴射の噴射量vP3,vP4が設定された後、この一連の処理は一旦終了される。
以上説明した制御に基く各燃料噴射の噴射態様について、図11を参照して説明する。
図11は、第1〜4パイロット噴射、および主噴射におけるそれぞれの噴射時期と噴射率との関係を示すタイムチャートである。なお、実線で示されるものは、冷却水温度THwが80度の場合、すなわち機関の暖機が完了している場合における各噴射の噴射時期と噴射率との関係を示している。一方、破線で示されるものは、冷却水温度THwが0度の場合、すなわち機関の暖機が完了していない場合における各パイロット噴射の噴射時期と噴射率との関係を示している。
図11に示されるように、機関の暖機完了前における第1パイロット噴射の噴射時期は遅角側にΔtP1だけ補正されることでtP1+ΔtP1となる。また機関の暖機完了前における第3,4パイロット噴射の噴射時期は、ともに進角側にΔtP3,ΔtP4ずつ補正されることで、それぞれtP3−ΔtP3,tP4−ΔtP4となる。特に遅い時期に行われる第4パイロット噴射の進角補正量ΔtP4は、第3パイロット噴射の進角補正量ΔtP3よりも大きくなっている。また、第3,4パイロット噴射の噴射量は、ともにΔvP3,ΔvP4ずつ増量補正されることで、それぞれvP3+ΔvP3,ΔvP4+ΔvP4となる。特に遅い時期に行われる第4パイロット噴射の増量補正量ΔvP4は、第3パイロット噴射の増量補正量ΔvP3よりも多くなっている。
一方、第2パイロット噴射の噴射時期tP2は冷却水温度THwが低い場合であっても補正されない.このため、図11においては機関の暖機完了後の噴射時期を示す実線と、機関の暖機完了前の噴射時期を示す破線とが重なり合っている。
<実施形態の効果>
以上詳述したように、本実施形態のディーゼル機関の燃料噴射制御装置によれば、以下に列記する効果が得られるようになる。
(1)主噴射時の筒内温度を高めておくためには、機関温度が低いときほどパイロット噴射によってより多くの熱量を供給する必要がある。
この点本実施形態によれば、冷却水温度THwの低いときほどパイロット噴射のうちで後半の期間に行われる第3,4パイロット噴射の噴射量が増量補正される。このため、冷却水温度THwが低い場合であっても、後半の期間に行われる第3,4パイロット噴射、すなわち主噴射の噴射時期tMに近い時期に行われるパイロット噴射の噴射量が増量されることで、主噴射時の筒内温度をより高い温度に維持しておくことができる。
また、上記実施形態においては、冷却水温度THwが低いときほど後半の期間に行われる第3,4パイロット噴射の噴射時期tP3,tP4が進角側に補正される。このため、筒内温度の上昇時期が進角された分だけ早くなってしまい、主噴射時にはすでに筒内温度が低下しはじめてしまうおそれがある。この点においても本実施形態によれば、主噴射時に筒内温度が低下しはじめたとしても、後半の期間に行われるパイロット噴射の噴射量が増量されているため筒内温度をより高い温度に維持しておくことができる。
(2)後半の期間に行われる第3,4パイロット噴射のうちでより遅い時期に行われる第4パイロット噴射の増量補正量が第3パイロット噴射の増量補正量よりも多くなっている。このため、主噴射時の筒内温度をさらに高い状態に維持することができる。
(3)冷却水温度THwの低いときほど4回行われるパイロット噴射の噴射時期が最初に行われる第1パイロット噴射から最後に行われる第4パイロット噴射までの期間の中央、すなわち第2パイロット噴射の噴射時期tP2に近づけられるように補正される。このため、冷却水温度THwが低い場合であっても、上記期間の中央よりも前半の期間に行われる第1パイロット噴射の燃料が十分に燃焼されるようになる。またパイロット噴射の着火遅れ期間が長くなったとしても、上記期間の中央よりも後半の期間に行われる第3,4パイロット噴射の噴射時期tP3,tP4が主噴射の噴射時期tMに対して早められることにより、主噴射時の筒内温度を十分に高めることができるようになる。したがって、パイロット噴射の効果をより高めることができる。
<変更例>
なお、上記実施の形態は、以下のように変更して実施することもできる。
・上記燃料噴射制御を機関回転数が低いときに限り行うようにしてもよい。また上記燃料噴射制御を機関の負荷が低いときに限り行うようにしてもよい。この場合、機関回転数が高いときや、機関の負荷が高いとき、すなわち上記燃料噴射制御をせずともパイロット噴射の効果をより高めることのできるときには、不要な燃料噴射制御を行わなくても済む。
・通常、機関温度が低いときにはフリクションが増大するため、機関温度が高いときと同じ大きさの機関トルクを得ようとすると主噴射の噴射量vMを増量する必要がある。ところが、主噴射の噴射量vMのみを増量した場合には、主噴射燃料が急激に燃焼し、こうした急激な燃焼にともなって燃焼騒音が増大してしまうおそれがある。この点、上記実施形態に例示したパイロット噴射の増量補正に加えて、要求される主噴射の増量補正量ΔvMの一部を、パイロット噴射の増量補正に充ててもよい。これにより、主噴射のみを増量させる場合に比べて上記燃焼騒音を低く抑えることができるとともに、要求される機関トルクを得ることができるようになる。
・上記パイロット噴射の増量補正の態様は、第3実施形態に例示されるものに限られない。例えば第3実施形態と同様にパイロット噴射が4回行われる場合において、第3,4パイロット噴射の増量補正量を等しくするようにしてもよい。
・上記増量補正の対象となるパイロット噴射は、第3実施形態に例示した第3,4パイロット噴射に限られない。パイロット噴射に要求される熱量が更に大きくなった場合には、後半の期間に行われるパイロット噴射を増量補正することに加えて前半の期間に行われるパイロット噴射を増量するようにしてもよい。
・パイロット噴射の噴射時期を進角側または遅角側に補正して設定することのみによって主噴射時の筒内温度を十分高めておくことができる場合には、たとえ機関温度が低い場合であってもパイロット噴射を増量補正しなくてもよい。この場合、不要な燃料消費を抑制することができる。
・パイロット噴射の噴射時期および噴射量を補正する態様は、上述したように冷却水温度THwが80度よりも低いことを条件に行うものに限られない。例えば、冷却水温度THwが80度以上である場合においてもパイロット噴射の噴射時期補正および増量補正を行うようにしてもよい。要するに、機関温度が低いときほど上述した補正量を大きくするものであればよい。
・上記各実施形態では、機関温度が低くなることに応じて各種補正を実行したが、暖機完了後に対して機関温度が低くなる暖機完了前において、これらの各種補正を行ってもよい。
・パイロット噴射の噴射時期の進角補正量および遅角補正量は、先の実施形態に例示されるものに限られない。例えばパイロット噴射が前半の期間と後半の期間にそれぞれ2回ずつ行われる場合において、前半の期間に行われる第1パイロット噴射の遅角補正量の大きさと第2パイロット噴射の遅角補正量の大きさとを等しくしてもよい。また後半の期間に行われる第3パイロット噴射の進角補正量の大きさと第4パイロット噴射の遅角補正量の大きさとを等しくしてもよい。ただし、こうしたパイロット噴射の噴射時期の遅角補正量または進角補正量は、当該パイロット噴射の前後に噴射される他のパイロット噴射の噴射時期を追い越さない大きさにする必要がある。
・上記複数回行われるパイロット噴射において、すべてのパイロット噴射の噴射時期を進角側または遅角側に補正して設定する必要はない。例えば最初のパイロット噴射と最後のパイロット噴射についてのみ噴射時期の補正をしてもよい。
・最初のパイロット噴射の噴射時期を遅角側に補正して設定することのみによって複数回行われるパイロット噴射を十分に燃焼させることができるのであれば、たとえ機関温度が低い場合であっても最後のパイロット噴射の噴射時期を進角補正させなくてもよい。
・本発明にかかるパイロット噴射の回数は先の実施形態に例示した回数に限られない。例えばパイロット噴射が3回、あるいは5回以上行われるものであってもよい。要するに主噴射に先立って複数回のパイロット噴射が行われるディーゼル機関の燃料噴射制御装置であればよい。
本発明にかかるディーゼル機関の燃料噴射制御装置の第1実施形態について、その構成を示すブロック図。 同実施形態におけるパイロット噴射の噴射時期を設定する処理手順を示すフローチャート。 冷却水温度とパイロット噴射の噴射時期との関係を示すマップ。 パイロット噴射および主噴射の噴射態様を示すタイムチャート。 本発明の第2実施形態におけるパイロット噴射の噴射時期を設定する処理手順を示すフローチャート。 冷却水温度とパイロット噴射の噴射時期との関係を示すマップ。 パイロット噴射および主噴射の噴射態様を示すタイムチャート。 本発明の第3実施形態におけるパイロット噴射の噴射時期を設定する処理手順を示すフローチャート。 冷却水温度とパイロット噴射の噴射時期との関係を示すマップ。 冷却水温度とパイロット噴射の噴射量との関係を示すマップ。 パイロット噴射および主噴射の噴射態様を示すタイムチャート。 従来のディーゼル機関の燃料噴射制御装置におけるパイロット噴射およびお主噴射の噴射態様を示すタイムチャート。
符号の説明
10…ディーゼル機関、12…燃料噴射弁、20…電子制御装置、30…各種センサ、32…水温センサ、34…クランク角センサ、36…吸入空気量センサ、38…アクセル開度センサ

Claims (13)

  1. 主噴射に先立ち行われるパイロット噴射を複数回行うディーゼル機関の燃料噴射制御装置において、
    前記パイロット噴射のうちで最初に行われるパイロット噴射の噴射時期を機関温度が低いときほど遅角側に補正する
    ことを特徴とするディーゼル機関の燃料噴射制御装置。
  2. 最初に行われるパイロット噴射から最後に行われるパイロット噴射までの期間のうちで前半の期間に行われるパイロット噴射の噴射時期を機関温度が低いときほど遅角側に補正する請求項1に記載のディーゼル機関の燃料噴射制御装置。
  3. 前記前半の期間に行われるパイロット噴射のうちでより早い時期に行われるパイロット噴射ほどその噴射時期の遅角補正量を大きくする請求項2に記載のディーゼル機関の燃料噴射制御装置。
  4. 主噴射に先立ち行われるパイロット噴射を複数回行うディーゼル機関の燃料噴射制御装置において、
    前記パイロット噴射のうちで最初に行われるパイロット噴射の噴射時期を機関温度が低いときほど遅角側に補正するとともに、最後に行われるパイロット噴射の噴射時期を機関温度が低いときほど進角側に補正する
    ことを特徴とするディーゼル機関の燃料噴射制御装置。
  5. 最初に行われるパイロット噴射から最後に行われるパイロット噴射までの期間のうちで前半の期間に行われるパイロット噴射の噴射時期を機関温度が低いときほど遅角側に補正するとともに、後半の期間に行われるパイロット噴射の噴射時期を機関温度が低いときほど進角側に補正する請求項4に記載のディーゼル機関の燃料噴射制御装置。
  6. 前記前半の期間に行われるパイロット噴射のうちでより早い時期に行われるパイロット噴射ほどその噴射時期の遅角補正量を大きくするとともに、前記後半の期間に行われるパイロット噴射のうちでより遅い時期に行われるパイロット噴射ほどその噴射時期の進角補正量を大きくする請求項5に記載のディーゼル機関の燃料噴射制御装置。
  7. 主噴射に先立ち行われるパイロット噴射を複数回行うディーゼル機関の燃料噴射制御装置において、
    機関温度が低いときほど前記パイロット噴射の噴射時期を最初に行われるパイロット噴射から最後に行われるパイロット噴射までの期間の中央に近づけるように補正する
    ことを特徴とするディーゼル機関の燃料噴射制御装置。
  8. 主噴射に先立ち行われるパイロット噴射を複数回行うディーゼル機関の燃料噴射制御装置において、
    前記パイロット噴射のうちで最初に行われるパイロット噴射について機関の暖機完了前における噴射時期を暖機完了後における噴射時期よりも遅角側に補正する
    ことを特徴とするディーゼル機関の燃料噴射制御装置。
  9. 主噴射に先立ち行われるパイロット噴射を複数回行うディーゼル機関の燃料噴射制御装置において、
    前記パイロット噴射のうちで最初に行われるパイロット噴射について機関の暖機完了前における噴射時期を暖機完了後における噴射時期よりも遅角側に補正するとともに、前記パイロット噴射のうちで最後に行われるパイロット噴射について機関の暖機完了前における噴射時期を暖機完了後における噴射時期よりも進角側に補正する
    ことを特徴とするディーゼル機関の燃料噴射制御装置。
  10. 主噴射に先立ち行われるパイロット噴射を複数回行うディーゼル機関の燃料噴射制御装置において、
    前記パイロット噴射について機関の暖機完了前における噴射時期を暖機完了後における噴射時期よりも、最初に行われるパイロット噴射から最後に行われるパイロット噴射までの期間の中央に近づけるように補正する
    ことを特徴とするディーゼル機関の燃料噴射制御装置。
  11. 前記パイロット噴射のうちで最後に行われるパイロット噴射の噴射量を機関温度が低いときほど増量補正する請求項1〜10に記載のディーゼル機関の燃料噴射制御装置。
  12. 最初に行われるパイロット噴射から最後に行われるパイロット噴射までの期間のうちで後半の期間に行われるパイロット噴射の噴射量を機関温度が低いときほど増量補正する請求項1〜10に記載のディーゼル機関の燃料噴射制御装置。
  13. 前記後半の期間に行われるパイロット噴射のうちでより遅い時期に行われるパイロット噴射ほど噴射量の増量補正量を多くする請求項12に記載のディーゼル機関の燃料噴射制御装置。
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