JP2007285238A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】オイル希釈発生時にエミッション特性の悪化を防止することが可能な内燃機関の制御装置を提供する。【解決手段】燃料によるオイル希釈が検出された場合には、吸気バルブ開弁時期をATDC30°以前にすることで、吸気バルブ遅開きが禁止される。さらに、吸気バルブの作用角を増大させて、吸気バルブ閉弁時期をBBDC30°以降にすることで、吸気バルブ早閉じが禁止される。かかる吸気バルブ遅開き及び早閉じを禁止することで、オイル希釈検出時の筒内負圧の発生を抑制する。【選択図】図2
Description
本発明は、内燃機関の制御装置に係り、特に、オイル希釈発生時に筒内負圧の発生を抑制する制御装置に関する。
減速時に、可変動弁機構により吸気バルブの開弁特性を制御することで、筒内負圧の上昇によるオイル上がりの発生を防止する装置が知られている。
しかしながら、上記特許文献1には、減速時のオイル上がりの防止について記載されているだけであり、燃料によるオイル希釈が発生した場合については何ら記載されていない。
ところで、燃料によるオイル希釈が発生した場合にオイル上がりが生じると、燃焼室壁面に付着したオイルから気化した燃料が燃焼室内で燃焼してしまう場合がある。また、燃焼室壁面に付着した燃料を含むオイルに火炎が伝搬して、燃料と共にオイルが燃焼してしまう場合もある。このような場合には、空燃比が目標値(ストイキ)よりも大幅にリッチ側にシフトしてしまう。そうすると、エミッション特性の悪化を招来する可能性がある。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、オイル希釈発生時にエミッション特性の悪化を防止することが可能な内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、可変動弁機構を有する内燃機関の制御装置であって、 吸気バルブの開弁特性を変更可能な可変動弁機構と、 燃料によるオイル希釈を検出するオイル希釈検出手段と、 前記オイル希釈が検出された場合に、前記可変動弁機構を用いて前記吸気バルブの開弁特性を変更することで、筒内で発生する負圧を抑制する筒内負圧抑制手段とを備えたことを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、 前記筒内負圧抑制手段は、吸気バルブ開弁時期を第1所定時期以前にすることで、該吸気バルブ開弁時期が該第1所定時期よりも遅くされる吸気バルブ遅開きを禁止する遅開き禁止手段を有することを特徴とする。
また、第3の発明は、第1の発明において、 前記筒内負圧抑制手段は、吸気バルブ閉弁時期を第2所定時期以降にすることで、該吸気バルブ閉弁時期が該第2所定時期よりも早くされる吸気バルブ早閉じを禁止する早閉じ禁止手段を有することを。
また、第4の発明は、第1の発明において、排気バルブの開弁特性を変更可能な第2可変動弁機構を更に備え、 前記筒内負圧抑制手段は、 吸気バルブ閉弁時期を第2所定時期以降にすることで、該吸気バルブ閉弁時期が該第2所定時期よりも早くされる吸気バルブ早閉じを禁止する早閉じ禁止手段と、 前記吸気バルブの作用角が小さい場合には、前記第2可変動弁機構を用いて排気バルブ閉弁時期を吸気バルブ開弁時期以降とする排気バルブ遅閉じ手段とを有することを特徴とする。
第1の発明によれば、オイル希釈が検出された場合に、筒内で発生する負圧が抑制されるため、オイル上がりが防止される。これにより、筒内で過剰の燃料が燃焼してエミッション特性が悪化するという事態を回避することができる。
第2の発明によれば、吸気バルブ遅開きが禁止されるため、筒内で発生する負圧が抑制される。これにより、オイル希釈検出時にオイル上がりが防止される。
第3の発明によれば、吸気バルブ早閉じが禁止されるため、筒内で発生する負圧が抑制される。これにより、オイル希釈検出時にオイル上がりが防止される。
第4の発明によれば、吸気バルブ早閉じが禁止されると共に、排気バルブが遅閉じにされる。これにより、オイル希釈検出時にオイル上がりが防止される。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
実施の形態1.[システムの構成] 図1は、本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための図である。本実施の形態1のシステムは、内燃機関1を備えている。内燃機関1は、複数の気筒2を有している。図1には、複数気筒のうちの1気筒のみを示している。
内燃機関1は、内部にピストン4を有するシリンダブロック6を備えている。ピストン4は、クランク機構を介してクランク軸8と接続されている。クランク軸8の近傍には、クランク角センサ10が設けられている。クランク角センサ10は、クランク軸8の回転角度(クランク角)を検出するように構成されている。
シリンダブロック6の底部には、オイル12を貯留するオイルパン14が設けられている。オイルパン14には、オイル12の粘度μを検出するオイル粘度センサ16と、オイル12の温度Toを検出するオイル温度センサ18とが設けられている。
シリンダブロック6の上部にはシリンダヘッド20が組み付けられている。ピストン4上面からシリンダヘッド20までの空間は燃焼室22を形成している。シリンダヘッド20には、燃焼室22内に直接燃料を噴射するインジェクタ24が設けられている。また、シリンダヘッド20には、燃焼室22内の混合気に点火する点火プラグ26が設けられている。
シリンダヘッド20は、燃焼室22と連通する吸気ポート28を備えている。吸気ポート28と燃焼室22との接続部には吸気バルブ30が設けられている。吸気バルブ30は、可変動弁機構32に接続されている。可変動弁機構32は、吸気バルブ30の開弁特性(開閉弁時期,作用角)を変更可能に構成されている。
吸気ポート28には、吸気通路34が接続されている。吸気通路34の途中にはサージタンク36が設けられている。サージタンク36の上流にはスロットルバルブ38が設けられている。スロットルバルブ38は、スロットルモータ39により駆動される電子制御式のバルブである。スロットルバルブ38は、アクセル開度センサ42により検出されるアクセル開度AAに基づいて駆動されるものである。スロットルバルブ38の近傍には、スロットル開度TAを検出するスロットル開度センサ40が設けられている。スロットルバルブ38の上流には、エアフロメータ44が設けられている。エアフロメータ44は吸入空気量Gaを検出するように構成されている。エアフロメータ44の上流にはエアクリーナ46が設けられている。
また、シリンダヘッド20は、燃焼室22と連通する排気ポート48を備えている。排気ポート48と燃焼室22との接続部には排気バルブ50が設けられている。排気バルブ50は、可変動弁機構52に接続されている。可変動弁機構52は、排気バルブ50の開弁特性(開閉弁時期,作用角)を変更可能に構成されている。排気ポート50には排気通路54が接続されている。排気通路54には、排気ガスを浄化する触媒56が設けられている。触媒56の上流には、排気空燃比を検出する空燃比センサ58が設けられている。
また、本実施の形態のシステムは、制御装置としてのECU(Electronic Control Unit)60を備えている。ECU60の出力側には、インジェクタ24、点火プラグ26、可変動弁機構32,52、スロットルモータ39等が接続されている。ECU60の入力側には、クランク角センサ10、オイル粘度センサ16、オイル温度センサ18、スロットル開度センサ40、アクセル開度センサ42、エアフロメータ44、空燃比センサ58等が接続されている。ECU60は、各センサの出力に基づいて、燃料噴射制御や点火時期制御のような内燃機関全体の制御を実行する。また、ECU60は、排気空燃比に基づいて、燃料噴射量を増減補正する空燃比フィードバック制御を実行する。 また、ECU60は、クランク角センサ6の出力に基づいて、機関回転数NEを算出する。また、ECU60は、アクセル開度AAやスロットル開度TA等に基づいて、内燃機関1に要求される機関負荷KLを算出する。また、ECU60は、運転状態(NE,KL)に応じて、燃焼室22内に吸入される空気量(筒内吸入空気量)を算出し、該筒内吸入空気量を実現させるべく吸気バルブ30の開弁特性の目標値を決定し、該目標値を実現するための可変動弁機構32の制御量を決定する。
[実施の形態1の特徴] 上記システムにおいて、インジェクタ24から筒内に噴射された燃料の一部が、燃焼室22の壁面に付着したオイルに取り込まれる、いわゆるオ
イル希釈が発生する場合がある。燃料を取り込んだオイルは、ピストンリングの背面、摺動面を介して、オイルパン14に戻る。また、筒内に大きな負圧が生じると、いわゆるオイル上がりが生じてしまう。オイル上がりとは、ピストンリングの背面、摺動面を介して燃焼室22の内部や壁面にオイルが流れ込む状態のことをいう。 オイル希釈発生時に大きな筒内負圧が生じ、これによりオイル上がりが生じると、燃焼室22の余熱により燃焼室壁面のオイルから気化し、この気化した燃料が燃焼室22内で燃焼してしまう場合がある。なお、オイルに比して燃料の方が気化しやすい。また、燃焼室壁面に付着した燃料を含むオイルに火炎が伝搬して、燃料と共にオイルが燃焼してしまう場合もある。このような場合には、燃焼室22内で燃焼する燃料量が過剰となってしまい、空燃比が目標値(ストイキ)よりも大幅にリッチ側にシフトしてしまう。そうすると、エミッション特性の悪化を招来する可能性がある。
イル希釈が発生する場合がある。燃料を取り込んだオイルは、ピストンリングの背面、摺動面を介して、オイルパン14に戻る。また、筒内に大きな負圧が生じると、いわゆるオイル上がりが生じてしまう。オイル上がりとは、ピストンリングの背面、摺動面を介して燃焼室22の内部や壁面にオイルが流れ込む状態のことをいう。 オイル希釈発生時に大きな筒内負圧が生じ、これによりオイル上がりが生じると、燃焼室22の余熱により燃焼室壁面のオイルから気化し、この気化した燃料が燃焼室22内で燃焼してしまう場合がある。なお、オイルに比して燃料の方が気化しやすい。また、燃焼室壁面に付着した燃料を含むオイルに火炎が伝搬して、燃料と共にオイルが燃焼してしまう場合もある。このような場合には、燃焼室22内で燃焼する燃料量が過剰となってしまい、空燃比が目標値(ストイキ)よりも大幅にリッチ側にシフトしてしまう。そうすると、エミッション特性の悪化を招来する可能性がある。
そこで、本実施の形態1では、オイル希釈が発生した場合には、オイル上がりを防止すべく、吸気バルブ開弁特性を制御することにより、筒内負圧の発生を抑制する。図2は、本実施の形態1において、筒内負圧抑制時の吸気バルブ開弁特性を示す図である。図2には、本実施の形態1に対する比較例として、通常時の吸気バルブ開弁特性を破線で併せて示している。
先ず、比較例である通常時の吸気バルブ開弁特性によれば、吸気バルブ開弁時期が上死点よりも大幅に遅くされている。例えば、吸気バルブ開弁時期がATDC50°にされている。このような吸気バルブ遅開きの場合には、吸気バルブ30が開弁される前にピストン4が下がるため、大きな筒内負圧が生じてしまう。このように大きな筒内負圧が生じた状態で吸気バルブを開弁すると、吸気行程における筒内温度を上昇させることができ、圧縮端温度を上昇させることができる。このため、良好な燃焼状態を得ることができるものの、大きな筒内負圧により上述のオイル上がりが生じてしまう。
これに対して、本実施の形態1では、吸気バルブ遅開きを禁止することで、筒内負圧を抑制する。具体的には、吸気バルブ開弁時期をATDC30°以前にする。図3は、本実施の形態1において、吸気バルブ開弁時期を設定するためにECU60が記憶しているマップの一例を示す図である。図3に示すマップでは、オイル希釈量との関係で、吸気バルブ開弁時期が定められている。該マップによれば、オイル希釈が発生した場合には、吸気バルブ開弁時期がATDC30°以前に設定される。図3に示すように、オイル希釈量(後述)が所定値Aよりも多い場合には、吸気バルブ開弁時期が上死点に設定される。また、オイル希釈量が所定値A以下である場合には、オイル希釈量が少ないほど、吸気バルブ開弁時期がATDC30°に近い時期にされる。図2に示す例では、通常時の吸気バルブ開弁時期を進角させることで、筒内負圧抑制時の吸気バルブ開弁時期が上死点にされている。
ところで、吸気バルブが小作用角である場合には、吸気バルブ開弁時期を上死点に進角させると、吸気バルブ閉弁時期が下死点よりも大幅に早い時期(例えば、BBDC50°)になってしまう。このような吸気バルブ早閉じの場合には、吸気バルブ30が閉弁された後にピストン4が下がるため、すなわち、筒内に空気が吸入されないままピストン4が下がるため、大きな筒内負圧が生じてしまう。
そこで、本実施の形態1では、吸気バルブ早閉じをさらに禁止することで、筒内負圧を抑制する。具体的には、吸気バルブ30の作用角を増大させて、吸気バルブ閉弁時期をBBDC30°以降にする。図4は、本実施の形態1において、吸気バルブ閉弁時期を設定するためにECU60が記憶しているマップの一例を示す図である。図4に示すマップでは、オイル希釈量との関係で、吸気バルブ閉弁時期が定められている。該マップによれば、オイル希釈が発生した場合には、吸気バルブ閉弁時期がBBDC30°以降に設定される。具体的には、オイル希釈量が所定値Aよりも多い場合には、吸気バルブ閉弁時期が下死点に設定される。また、オイル希釈量が所定値A以下である場合には、オイル希釈量が少ないほど、吸気バルブ閉弁時期がBBDC30°に近い時期にされる。図2に示す例では、通常時の吸気バルブ作用角を増大させることで、筒内負圧抑制時の吸気バルブ閉弁時期が下死点にされている。
本実施の形態1によれば、オイル希釈が発生した場合には、吸気バルブ30の遅開き及び早閉じを禁止することで、筒内負圧の発生が抑制される。これにより、オイル上がりの発生が防止されるため、空燃比が目標値(ストイキ)よりも大幅にリッチ側にシフトするという事態を回避することができる。よって、オイル希釈発生時であっても、エミッション特性の悪化を防止することができる。
[実施の形態1における具体的処理] 図5は、本実施の形態1において、ECU60が実行するルーチンを示すフローチャートである。本ルーチンは、所定の間隔毎に起動されるものである。
図5に示すルーチンによれば、先ず、機関回転数NE、機関負荷KL、現在のオイル粘度μ及びオイル温度Toを取得する(ステップ100)。次に、上記ステップ100で取得された機関回転数NEと機関負荷KLとに基づき、通常時の吸気バルブ30の目標開閉弁時期(目標バルブタイミング)と目標作用角とを設定する(ステップ102)。このステップ102では、ECU60内に予め記憶されたマップを参照して、内燃機関1の運転状態(NE,KL)に応じた吸気バルブの目標開閉弁時期及び目標作用角が設定される。例えば、このステップ102では、図2に破線で示すような通常時の吸気バルブ開弁特性が設定される。
次に、上記ステップ100で取得されたオイル粘度μ及びオイル温度Toに基づいて、オイル希釈が発生したか否かを判別する(ステップ102)。ここで、ECU60は、オイル希釈が発生していないときのオイル粘度の適正値をオイル温度毎に定めたマップを予め記憶している。ECU60は、このマップを参照して現在のオイル温度Toでのオイル粘度の適正値を読み出し、この適正値と現在のオイル粘度μとを比較することで、オイル希釈が発生したか否かを判別することができる。具体的には、オイル希釈が発生するとオイル粘度が低下するため、上記適正値よりも現在のオイル粘度μが所定値以上低い場合には、オイル希釈が発生していると判別することができる。また、ECU60は、上記適正値と現在のオイル粘度μとの差が大きいほど、オイルに希釈された燃料量(以下「オイル希釈量」という。)が多いと算出することができる。この算出されたオイル希釈量は、後述するステップ106及び110の処理に用いられる。
上記ステップ102でオイル希釈が発生していないと判別された場合には、筒内負圧を抑制する必要がないため、可変動弁機構32を駆動して、吸気バルブ30を上記ステップ102で設定された目標開閉弁時期及び目標作用角のように駆動する(ステップ112)。図2に破線で示す通常時の例では、筒内の燃焼温度を上昇させるべく、吸気バルブ開弁時期が遅くされると共に、吸気バルブ作用角が小作用角に設定されている。その後、本ルーチンを一旦終了する。
一方、上記ステップ102でオイル希釈が発生していると判別された場合には、先ず、図3に示すマップを参照して、ATDC30°以前で、オイル希釈量に応じた吸気バルブ30の目標開弁時期を求める(ステップ106)。さらに、上記ステップ102で設定された目標開弁時期を本ステップ106で求めた目標開弁時期に変更する(ステップ106)。このステップ106の処理によれば、筒内負圧を抑制するのに好適な吸気バルブ目標開弁時期に変更され、吸気バルブ遅開きが禁止される。
次に、上記ステップ102で設定された吸気バルブ30の目標作用角が小作用角であるか否かを判別する(ステップ108)。このステップ108では、例えば、目標作用角が180°よりも小さいか否かが判別される。このステップ108で目標作用角が小作用角ではないと判別された場合、つまり、目標作用角が180°以上である場合には、吸気バルブ開弁時期を上死点付近にしても吸気バルブ早閉じとはならない。よって、この場合は、上記ステップ112の処理に移行する。
一方、上記ステップ108で目標作用角が小作用角であると判別された場合には、先ず、図4に示すマップを参照して、BBDC30°以降で、オイル希釈量に応じた吸気バルブ30の目標閉弁時期を求める(ステップ110)。さらに、上記ステップ102で設定された目標閉弁時期を本ステップ110で求めた目標閉弁時期となるように、吸気バルブの目標作用角を増大させる(ステップ110)。このステップ110の処理によれば、筒内負圧を抑制するのに好適な吸気バルブ30の目標作用角及び目標閉弁時期に変更され、吸気バルブ早閉じが禁止される。
その後、可変動弁機構32を駆動して、吸気バルブ30を上記設定された目標値のように駆動する(ステップ110)。 本ルーチンが再度起動され、オイル希釈が発生したと判別された場合には、筒内負圧の発生を抑制すべく、吸気バルブ目標開弁時期がATDC30°以前に変更される。さらに、吸気バルブ30の目標作用角が小作用角である場合には、目標作用角が増大され、目標閉弁時期がBBDC30°以降に変更される。その後、可変動弁機構32を駆動することで、吸気バルブ30が駆動される。
以上説明したように、図5に示すルーチンによれば、オイル希釈が発生した場合には、吸気バルブ目標開弁時期がATDC30°以前に設定されると共に、目標閉弁時期がBDDC30°以降に設定される。すなわち、吸気バルブ遅開き及び早閉じを禁止することにより、筒内負圧の発生が抑制される。よって、オイル希釈発生時にオイル上がりの発生を防止することができるため、オイルに取り込まれた燃料が燃焼室22内で燃焼するという事態を回避することができる。このため、空燃比が目標値(ストイキ)よりも大幅にリッチ側にシフトするという事態を回避することができるため、オイル希釈が発生した場合であってもエミッション特性の悪化を防止することができる。
ところで、本実施の形態1では、オイル粘度及びオイル温度に基づいてオイル希釈が発生しているか否かを判別しているが、オイル希釈の判別手法はこれに限られない。オイル希釈が発生すると筒内燃料量が不足し空燃比がリーンになるため、空燃比フィードバック制御により燃料が大幅に増量補正される。運転状態に応じて燃料補正量の適正値(適正範囲)が定められたマップをECU60内に予め記憶しておき、該マップから読み出された適正値と実際の燃料補正量との差分に基づいて、オイル希釈が発生したか否かを判別することができる。更に、この差分によりオイル希釈量を算出することもできる。
また、本実施の形態1では、図3及び図4に示すマップを参照してオイル希釈量に基づいて吸気バルブの目標開閉弁時期を変更しているが、オイル希釈発生時には必ず吸気バルブの目標開弁時期を上死点に設定すると共に目標閉弁時期を下死点に設定するようにしてもよい。目標閉弁時期を下死点にすることで、実圧縮比を高めることができるため、良好な燃焼状態を得ることができる。よって、冷間時のように燃焼条件が厳しい場合には、オイル希釈発生時に吸気バルブ目標閉弁時期を下死点にするようにすることが望ましい。
さらに、本実施の形態1では、オイル希釈発生時の吸気バルブ開弁時期の最進角時期を上死点としているが、上死点よりも早い時期に設定してもよい。また、オイル希釈発生時の吸気バルブ閉弁時期の最遅角時期を下死点としているが、下死点よりも遅い時期に設定してもよい。この場合にも、オイル希釈発生時に筒内負圧を抑制できるため、上記実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態1では、オイル希釈発生時に吸気バルブの目標開弁時期を
変更した後に目標作用角及び目標閉弁時期を変更しているが、この順番に限られない。例えば、図4を参照して先に吸気バルブの目標閉弁時期を変更した後に、目標作用角が小さい場合には図3を参照して目標開弁時期を求め、目標作用角を増大させることで目標開弁時期を変更するようにしてもよい。この場合にも、上記実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
変更した後に目標作用角及び目標閉弁時期を変更しているが、この順番に限られない。例えば、図4を参照して先に吸気バルブの目標閉弁時期を変更した後に、目標作用角が小さい場合には図3を参照して目標開弁時期を求め、目標作用角を増大させることで目標開弁時期を変更するようにしてもよい。この場合にも、上記実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態1では、目標作用角が小さい場合には、オイル希釈発生時に目標作用角を増大させているが、これにより機関出力トルクが増大してしまう場合がある。この場合には、機関出力トルクを抑えるべく、点火時期を遅角する点火時期制御や、スロットル開度を小さくするスロットル開度制御を併せて行うようにしてもよい。
また、図2には、吸気バルブ目標作用角が小作用角であり目標開弁時期が上死点よりも大幅に遅い場合に、目標開弁時期を進角させると共に目標作用角を増大させることで、オイル希釈発生時の筒内負圧が抑制されている。本発明が適用されるのは、かかる場合に限られない。図6は、本実施の形態1の変形例において、筒内負圧抑制時の吸気バルブ開弁特性を示す図である。図6には、通常時の吸気バルブ開弁特性を破線で併せて示している。この通常時の吸気バルブ開弁特性によれば、吸気バルブ開弁時期が上死点にされているものの、閉弁時期が下死点よりも大幅に早い時期(例えば、BBDC50°)にされている。このような吸気バルブ早閉じの場合には、ポンプ損失を低減できるものの、大きな筒内負圧が生じてしまう。そこで、かかる場合にも、オイル希釈発生時に吸気バルブ目標閉弁時期を下死点付近にすべく、吸気バルブ目標作用角を増大させる。これにより、オイル希釈発生時に筒内負圧が抑制されるため、上記実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
尚、本実施の形態1においては、可変動弁機構32が第1の発明における「可変動弁機構」に、オイル粘度センサ16が第1の発明における「オイル希釈検出手段」に、ATDC30°が第2の発明における「第1所定時期」に、BBDC30°が第3の発明における「第2所定時期」に、それぞれ相当している。また、本実施の形態1においては、ECU60が、ステップ106,110及び112の処理を実行することにより第1の発明における「筒内負圧抑制手段」が、ステップ106の処理を実行することにより第2の発明における「遅開き禁止手段」が、ステップ110の処理を実行することにより第3の発明における「早閉じ禁止手段」が、実現されている。
実施の形態2. 次に、図6及び図7を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態2のシステムは、図1に示すハードウェア構成を用いて、ECU60に、後述する図7に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。
[実施の形態2の特徴] 上記実施の形態1では、オイル希釈発生時に筒内負圧を抑制すべく、吸気バルブの開弁時期がATDC30°以前にされると共に、閉弁時期がBBDC30°以降にされている。 また、上記実施の形態1では、吸気バルブ目標作用角が小作用角である場合には、吸気バルブ開閉弁時期を上記のように変更するために、通常時の目標作用角を増大させている(図5のステップ110を参照)。すなわち、筒内負圧抑制時の吸気バルブ目標作用角は、内燃機関1の運転状態(NE,KL)に基づいて設定された吸気バルブ目標作用角よりも大きくされることとなる。そうすると、機関出力トルクが増大してしまう場合がある。良好なドライバビリティを得るべく、点火時期を遅角することで機関出力トルクを抑制する方法が考えられるが、排気温度が上昇するため触媒56を劣化させてしまう可能性がある。
そこで、本実施の形態2では、オイル希釈発生時に、吸気バルブ目標作用角を増大させることなく、筒内負圧を抑制する。図7は、本実施の形態2において、筒内負圧抑制時の吸気バルブ及び排気バルブ開弁特性を示す図である。図7には、内燃機関1の運転状態(NE,KL)に基づいて設定される通常時の吸気バルブ開弁特性を破線で併せて示している。
この通常時の吸気バルブ開弁特性によれば、吸気バルブ開弁時期が上死点にされているものの、閉弁時期が下死点よりも大幅に早い時期(例えば、BBDC50°)にされている。このような吸気バルブ早閉じの場合には、ポンプ損失を低減できるものの、大きな筒内負圧が生じてしまう。このため、オイル希釈発生時にオイル上がりが発生してしまい、エミッション特性の悪化を招来する可能性がある。
これに対して、本実施の形態2では、上記実施の形態1と同様に吸気バルブ閉弁時期をBBDC30°以降に設定すると共に、排気バルブ閉弁時期を吸気バルブ開弁時期以降に設定する。すなわち、吸気バルブ早閉じが禁止されると共に、排気バルブ遅閉じにより吸気及び排気バルブが共に閉弁されるバルブオーバーラップ期間が確保される。排気バルブ遅閉じにより、吸気バルブ作用角を増大させずに、筒内負圧を抑制することができる。このため、機関出力トルクの変動を抑制することができる。
[実施の形態2における具体的処理] 図8は、本実施の形態2において、ECU60が実行するルーチンを示すフローチャートである。本ルーチンは、所定の間隔毎に起動されるものである。 図8に示すルーチンによれば、先ず、図5に示すルーチンと同様に、機関回転数NE、機関負荷KL、現在のオイル粘度μ及びオイル温度Toを取得する(ステップ100)。その後、通常時の吸気バルブ30の目標開閉弁時期(目標バルブタイミング)と目標作用角とを設定する(ステップ102)。
次に、図5に示すルーチンと同様に、オイル希釈が発生したか否かを判別する(ステップ104)。このステップ104でオイル希釈が発生していると判別された場合には、先ず、図4に示すマップを参照して、オイル希釈量に応じた吸気バルブ目標閉弁時期を求める(ステップ114)。さらに、上記ステップ102で設定された吸気バルブ目標閉弁時期を遅角補正することで、本ステップ114で求めた目標閉弁時期に変更する(ステップ114)。このステップ114の処理によれば、筒内負圧を抑制するのに好適な吸気バルブ目標閉弁時期に変更され、吸気バルブ早閉じが禁止される。
次に、図5に示すルーチンのステップ108と同様に、上記ステップ102で設定された吸気バルブ目標作用角が小作用角であるか否かを判別する(ステップ116)。このステップ116で吸気バルブ目標作用角が小作用角であると判別された場合には、上記実施の形態1のように目標作用角を変更するのではなく、排気バルブ目標閉弁時期を遅角補正するか、若しくは、排気バルブ目標作用角を増大補正することで、排気バルブ目標閉弁時期を吸気バルブ目標開弁時期以降に変更する(ステップ118)。
その後、可変動弁機構32,52を駆動して、吸気及び排気バルブ30,50をそれぞれ上記設定された目標値のように駆動する(ステップ112)。
以上説明したように、図8に示すルーチンによれば、オイル希釈が発生した場合には、吸気バルブ目標閉弁時期がBDDC30°以降に設定されることで、吸気バルブ早閉じが禁止される。さらに、吸気バルブ作用角が小作用角である場合には、排気バルブ閉弁時期が吸気バルブ開弁時期以降にされる。これにより、筒内負圧が抑制されるため、オイル希釈発生時にオイル上がりの発生を防止することができ、上記実施の形態1と同様に、エミッション特性の悪化を防止することができる。 さらに、上記実施の形態1とは異なり、吸気バルブ30の目標作用角が小作用角である場合には、作用角を増大させずに、排気バルブ遅閉じにより筒内負圧が抑制される。これにより、機関出力トルクの変動を抑制することができる。
尚、本実施の形態2においては、可変動弁機構52が第4の発明における「第2可変動弁機構」に、BBDC30°が第4の発明における「第2所定時期」に、それぞれ相当している。また、本実施の形態2においては、ECU60が、ステップ114の処理を実行することにより第4の発明における「早閉じ禁止手段」が、ステップ118の処理を実行することにより第4の発明における「排気バルブ遅閉じ手段」が、それぞれ実現されている。
1 内燃機関 2 気筒 4 ピストン 14 オイルパン 16 オイル粘度センサ 18 オイル温度センサ 22 燃焼室 24 インジェクタ 30 吸気バルブ 32 可変動弁機構 50 排気バルブ 52 可変動弁機構 56 触媒 58 空燃比センサ 60 ECU
Claims (4)
- 可変動弁機構を有する内燃機関の制御装置であって、 吸気バルブの開弁特性を変更可能な可変動弁機構と、 燃料によるオイル希釈を検出するオイル希釈検出手段と、 前記オイル希釈が検出された場合に、前記可変動弁機構を用いて前記吸気バルブの開弁特性を変更することで、筒内で発生する負圧を抑制する筒内負圧抑制手段とを備えたことを特徴とする内燃機関の制御装置。
- 請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、 前記筒内負圧抑制手段は、吸気バルブ開弁時期を第1所定時期以前にすることで、該吸気バルブ開弁時期が該第1所定時期よりも遅くされる吸気バルブ遅開きを禁止する遅開き禁止手段を有することを特徴とする内燃機関の制御装置。
- 請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、 前記筒内負圧抑制手段は、吸気バルブ閉弁時期を第2所定時期以降にすることで、該吸気バルブ閉弁時期が該第2所定時期よりも早くされる吸気バルブ早閉じを禁止する早閉じ禁止手段を有することを特徴とする内燃機関の制御装置。
- 請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、 排気バルブの開弁特性を変更可能な第2可変動弁機構を更に備え、 前記筒内負圧抑制手段は、 吸気バルブ閉弁時期を第2所定時期以降にすることで、該吸気バルブ閉弁時期が該第2所定時期よりも早くされる吸気バルブ早閉じを禁止する早閉じ禁止手段と、 前記吸気バルブの作用角が小さい場合には、前記第2可変動弁機構を用いて排気バルブ閉弁時期を吸気バルブ開弁時期以降とする排気バルブ遅閉じ手段とを有することを特徴とする内燃機関の制御装置。
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JP2006115143A JP2007285238A (ja) | 2006-04-19 | 2006-04-19 | 内燃機関の制御装置 |
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JP2010037992A (ja) * | 2008-08-01 | 2010-02-18 | Toyota Motor Corp | 内燃機関 |
JP2010185306A (ja) * | 2009-02-10 | 2010-08-26 | Toyota Motor Corp | 内燃機関の制御装置 |
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2006
- 2006-04-19 JP JP2006115143A patent/JP2007285238A/ja active Pending
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