JP2009250164A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】この発明は、出力トルクと点火時期の関係を表す出力特性データを実機の状態に合わせて補正し、点火時期制御を高い精度で実行することを目的とする。
【解決手段】アイドル運転時には、出力トルクと点火時期との関係を表す出力特性データを実機の状態に合わせて補正するためのデータ補正制御を実施する。データ補正制御では、点火時期を遅角側と進角側とに変化させ、遅角側と進角側の両方で実際の出力トルクを取得する。そして、これらのトルク取得値と、出力特性データから得られたトルクとのずれ量を算出し、ずれ量に応じて出力特性データを補正する。これにより、出力特性データのずれを遅角側と進角側の両方で検出し、補正することができる。従って、出力特性データ全体を高い精度で実機の状態に合わせることができ、実機の経時変化等を確実に補償することができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、内燃機関の運転状態を制御するのに好適に用いられる制御装置に関し、特に、点火時期の進角及び遅角を行うことが可能な内燃機関の制御装置に関する。
従来、例えば特許文献1(特開平11−343915号公報)に開示されているように、内燃機関の点火時期を制御する構成とした制御装置が知られている。この種の従来技術による内燃機関の制御装置は、例えば始動時に触媒温度を上昇させるために、出力トルクが最大となる点火時期(MBT:Minimum spark advance for Best Torque)に対して実際の点火時期を遅角させるようにしている。
ここで、出力トルクと点火時期との関係を表す出力特性データは、制御装置に予め記憶されている。制御装置は、この出力特性データを参照しつつ点火時期を制御することにより、内燃機関の運転状態に応じて適切な出力トルクを発生したり、触媒の加温やノッキングの回避等を行う。
特開平11−343915号公報 特開平11−107838号公報
上述した従来技術では、制御装置に予め記憶された出力特性データを参照しつつ、点火時期を制御する構成としている。しかしながら、出力トルクと点火時期との関係は、点火プラグのくすぶり状態や気筒内の環境等に応じて変化する傾向があり、また経時劣化等によっても変化し易い。このため、従来技術では、実機の挙動と出力特性データとの間にずれが生じ、点火時期制御を精度よく行うのが難しいという問題がある。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、実機の状態に合わせて出力トルクと点火時期との関係を適切に補正することができ、点火時期制御を高い精度で実行することが可能な内燃機関の制御装置を提供することを目的としている。
第1の発明は、内燃機関の出力トルクと点火時期との関係を表す出力特性データが予め記憶されたデータ記憶手段と、
内燃機関の運転中に前記出力特性データを補正するために、前記出力トルクが最大となる点火時期を基準として実際の点火時期を遅角側と進角側に変化させる点火時期可変手段と、
前記点火時期可変手段により設定された前記進角側と遅角側の点火時期において、内燃機関が出力する実際の出力トルクをそれぞれ取得するトルク取得手段と、
前記進角側と遅角側の点火時期における実際の出力トルクと、前記出力特性データから得た出力トルクとのずれ量に応じて前記出力特性データを補正するデータ補正手段と、
を備えることを特徴とする。
第2の発明によると、第1の発明において、
前記点火時期可変手段は、ある更新タイミングで設定した点火時期に対して進角・遅角の極性が逆で出力トルクが等しくなる他の点火時期を前記出力特性データにより算出し、当該算出値を次の更新タイミングの点火時期として用いる構成としている。
第3の発明によると、第1または第2の発明において、前記点火時期可変手段は、前記点火時期を進角側に変化させる進角動作と、前記点火時期を遅角側に変化させる遅角動作とを、前記点火時期の更新タイミングが到来する毎に交互に実行する構成としている。
第4の発明によると、第1または第2の発明において、
前記点火時期可変手段は、前記点火時期を進角側に変化させる進角動作と、前記点火時期を遅角側に変化させる遅角動作のうち何れか一方の動作を、前記点火時期の更新タイミングが到来する毎にランダムに選択して実行する構成としている。
第5の発明は、第1乃至第4の発明の何れかにおいて、
内燃機関にノッキングが発生し易い条件となったときに、前記点火時期可変手段により点火時期が少なくとも進角側に設定されるのを禁止する進角禁止手段を備える構成としている。
第6の発明は、第1乃至第5の発明の何れかにおいて、
前記データ補正手段により前記出力特性データを補正するときに、最新の更新タイミングで得られた補正量と過去の補正量との間で移動平均を算出し、当該移動平均のサンプル数を内燃機関の燃焼安定度に応じて変化させる移動平均手段を備える構成としている。
第7の発明は、第1乃至第6の発明の何れかにおいて、
前記データ補正手段により前記出力特性データを補正するときに、内燃機関の稼働履歴に応じて補正量のゲインを変化させるゲイン可変手段を備える構成としている。
第8の発明は、第1乃至第7の発明の何れかにおいて、
内燃機関の機関回転数に応じて点火時期を変化させることにより前記機関回転数をフィードバック制御する回転数制御手段を備え、
前記点火時期可変手段、前記トルク取得手段及び前記データ補正手段は、前記機関回転数のフィードバック制御中に前記出力特性データの補正を行う構成としている。
第1の発明によれば、実トルクに対する出力特性データのずれ量は、遅角側と進角側のうち一方の領域だけに着目すると、比較的小さいことが多い。これに対し、点火時期可変手段は、MBTを基準として点火時期を遅角側と進角側に変化させることができ、トルク取得手段は、遅角側と進角側とに離れた2点の点火時期において、出力トルクのずれ量をそれぞれ検出することができる。これにより、データ補正手段は、遅角側と進角側の両方で出力特性データのずれを補正することができ、遅角側から進角側にわたる広い範囲で出力特性データを実機の状態に合わせることができる。
つまり、遅角側と進角側のうち一方のずれ量だけを用いる場合と比較して、出力特性データの全体を高い精度で補正することができる。このため、出力特性データの補正精度を向上させることができ、実機の経時変化等を確実に補償することができる。従って、点火時期制御においては、例えば点火時期をMBTの近傍で正確に制御することができ、これにより運転効率を高め、燃費性能を向上させることができる。また、各気筒の出力トルクを正確に制御して揃えることが可能となり、気筒間のトルクばらつき等を低減させることができる。
第2の発明によれば、点火時期可変手段は、遅角側と進角側の点火時期として、MBTに対して進角・遅角の方向(極性)が逆となり、かつ出力特性データから得られる出力トルクが等しい2つの点火時期を選択することができる。これにより、出力特性データの補正を行うときには、点火時期を遅角側と進角側との間で大きく変化させたとしても、これに伴う出力トルクの変動を可能な限り抑えることができる。従って、出力特性データの補正を実行しながらも、トルク変動を小さくして運転性を良好に保持することができる。
第3の発明によれば、点火時期可変手段は、点火時期を遅角側と進角側との間で交互に変化させることができる。これにより、遅角側でのトルク検出と進角側でのトルク検出とを時間的に近いタイミングで行うことができる。即ち、これらの検出タイミングでは、点火時期以外の条件や外乱の状態を出来るだけ揃えることができる。このため、ほぼ同一条件で検出した遅角側と進角側の出力トルクを用いて補正を正確に行うことができ、運転状態の変動等により補正精度が低下するのを回避することができる。
第4の発明によれば、点火時期可変手段は、点火時期を遅角側と進角側との間でランダムに変化させることができる。これにより、各気筒で生じる出力トルクの確率的な変動を進角・遅角のランダムな変化により打消すことができる。従って、確率的な変動による補正の誤差を抑えることができ、出力特性データの補正を正確に行うことができる。
第5の発明によれば、ノッキングが発生し易い状況では、点火時期を進角させると更に発生を誘発する虞れがある。このため、進角手段は、ノッキングが発生し易い条件が成立したときに、少なくとも点火時期の進角を禁止することができる。これにより、ノッキングが発生し難い場合にのみ、データ補正を安定的に行うことができる。
第6の発明によれば、移動平均手段は、出力特性データの補正に用いられる補正量の移動平均をとることができる。そして、移動平均のサンプル数を内燃機関の燃焼安定度に応じて変化させることができる。これにより、例えば冷間始動時等のように燃焼状態が不安定なときには、移動平均のサンプル数を大きな値に設定することができ、トルク変動が補正量に与える影響を移動平均により軽減することができる。
また、暖機後等のように燃焼状態が安定したときには、移動平均のサンプル数を小さな値に設定することができ、出力トルクのずれを補正量に速やかに反映させることができる。これにより、燃焼状態の偶発的な変動等が原因で過剰な補正が行われるのを避けることができ、データ補正を安定的に行うことができる。
第7の発明によれば、ゲイン可変手段は、例えば内燃機関の稼働履歴が短いか、または長期となったときに補正量のゲインを増大させることができる。即ち、例えば初期状態では、内燃機関の各部が馴染んでいく過程でトルクの出力特性が比較的大きく変化する。また、稼働履歴が長期になった場合にも、各種部品の寿命等により機関の安定性が低下し、出力特性が変化し易くなる。これらの場合には、補正量のゲインを増大させることができるから、出力特性が大きく変化した場合でも、その特性データを速やかに補正することができる。
また、稼働履歴が中間程度である場合には、各部品が適度に馴染んだ安定期となり、出力特性の変化が小さくなるので、補正量のゲインを小さくすることができる。これにより、安定期には過剰な補正を防止することができる。従って、内燃機関の稼動履歴に応じて出力特性データの補正量を適度に調整することができる。
第8の発明によれば、機関回転数のフィードバック制御中に出力特性データの補正を行うことができる。ここで、回転数のフィードバック制御中には、内燃機関が比較的安定した定常状態で運転されているため、点火時期を変更しても、運転性や排気エミッションに影響しにくい。このため、運転状態を悪化させることなく、点火時期を広範囲に変化させることができ、出力特性データの補正を正確に行うことができる。
実施の形態1.
[実施の形態1の構成]
以下、図1乃至図4を参照しつつ、本発明の実施の形態1について説明する。まず、図1は、実施の形態1のシステム構成を説明するための全体構成図を示している。本実施形態のシステムは、多気筒型の内燃機関10を備えている。また、内燃機関10の各気筒12内には、ピストン14がそれぞれ往復動可能に設けられている。これらのピストン14は、各気筒12内に燃焼室16をそれぞれ形成している。また、各ピストン14は、内燃機関10のクランク軸18に連結されている。
各気筒12には、内燃機関10の吸入空気が流通する吸気通路20と、排気ガスが流通する排気通路22とが接続されている。また、吸気通路20には、吸入空気の流量(吸入空気量)を検出するエアフローメータ24と、空気量可変手段としてのスロットルバルブ26とが設けられている。スロットルバルブ26は、例えば電子制御式のバルブによって構成され、アクセル開度等に基づいてスロットルモータ28により駆動される。そして、スロットルバルブ26は、エアフローメータ24の下流側で吸気通路20を開,閉し、吸気通路20を流れる吸入空気の流量を変化させるものである。
また、吸気通路20には、スロットルバルブ26の下流に位置して、吸気ポートに燃料を噴射する燃料噴射弁30が配置されている。一方、各気筒12には、燃焼室16内の混合気に点火する点火プラグ32が設けられている。また、各気筒12には、吸気通路20を燃焼室16に対して開,閉する吸気バルブ34と、排気通路22を燃焼室16に対して開,閉する排気バルブ36とが設けられている。
また、内燃機関10には、回転信号出力手段としての回転センサ38が設けられている。この回転センサ38は、クランク軸18の回転に同期した信号(内燃機関10の機関回転数Neに対応した信号)を出力するものである。
また、本実施の形態のシステムは、内燃機関10の運転状態を制御するためのECU(Electronic Control Unit)40を備えている。ECU40は、例えばROM、RAM等の記憶回路を備えたマイクロコンピュータにより構成されている。ECU40の入力側には、上述したエアフローメータ24、回転センサ38等に加えて、内燃機関10の冷却水温度を検出する水温センサ、アクセル開度を検出するアクセル開度センサ、排気ガスの空燃比を検出する空燃比センサ等を含むセンサ系統が接続されている。
ECU40の出力側には、スロットルモータ28、燃料噴射弁30、点火プラグ32等を含めて各種のアクチュエータが接続されている。そして、ECU40は、内燃機関の運転状態をセンサ系統により検出しつつ、各アクチュエータを駆動することにより運転制御を行う。即ち、ECU40は、運転者のアクセル開度等に応じてスロットルバルブ26を開,閉しつつ、エアフローメータ24により検出した吸入空気量に応じて燃料噴射弁30から燃料を噴射させる。
また、ECU40は、例えば内燃機関の機関回転数、負荷状態等に応じて適切な点火時期を算出し、目標の点火時期が到来したときに、点火プラグ32により点火を行う。この点火時期制御では、図2に示す出力特性データが必要に応じて用いられる。この出力特性データは、内燃機関の出力トルクと点火時期との関係を表す基準データであり、データ記憶手段としてのECU40に予め記憶されている。
また、ECU40は、内燃機関がアイドル運転状態であるときに、点火時期を制御することで機関回転数をフィードバック制御する回転数フィードバック制御(回転数F/B制御)を行う。この回転数F/B制御では、アイドル運転時の目標回転数と実際の機関回転数との差分(偏差)に応じて点火時期を進角または遅角させる。このため、ECU40には、図3に示すデータが予め記憶されている。このデータは、回転数F/B制御において、回転数の偏差に応じて点火時期を設定するためのものである。
一方、上述した点火時期制御において、出力トルクと点火時期との関係は、点火プラグのくすぶり状態や気筒内の環境、あるいは経時劣化等によって変化し易い。この結果、図2に示すように、予め記憶された基準の出力特性データ(実線)と、実際のトルクの出力特性(点線)との間には、ずれが生じることがある。このため、本実施の形態では、以下に述べるデータ補正制御を実行し、実機の状態に合わせて前記出力特性データを補正する構成としている。
(データ補正制御)
この補正制御では、まず、MBTを基準として点火時期を遅角側と進角側に変化させ、これらの遅角側と進角側の点火時期において内燃機関の実際の出力トルク(実トルク)を検出する。そして、実トルクの検出値と、前記出力特性データから得た出力トルクとのずれ量に応じて、出力特性データを補正するものである。この補正は、各気筒毎にそれぞれ個別に実施される。
ここで、出力トルクの検出には、例えばクランク軸18の回転速度の変動状態を表す角加速度が用いられる。角加速度は、内燃機関の出力トルクに応じて増減するものであり、例えば特開2004−92603号公報等に記載された公知の方法により算出される。ECU40は、回転センサ38の出力信号を用いて角加速度を算出し、その算出値から出力トルクを取得する。なお、本実施の形態では、角加速度に応じて出力トルクを検出するものとしたが、本発明におけるトルクの検出方法は、これに限定されるものではない。
図2に示すように、実トルクに対する出力特性データのずれ量は、遅角側と進角側のうち一方の領域だけに着目すると、比較的小さいことが多い。また、遅角側の領域では、進角側と比べてずれ量が小さいことがある。このため、本実施の形態では、MBTを挟んで遅角側と進角側とに離れた2点の点火時期において、出力トルクのずれ量をそれぞれ検出し、出力特性データのずれを全体的に把握するようにしている。
これにより、遅角側と進角側の両方で出力特性データのずれを補正することができ、遅角側から進角側にわたる広い範囲で出力特性データを実機の状態に合わせることができる。つまり、遅角側と進角側のうち一方のずれ量だけを用いる場合と比較して、出力特性データの全体を高い精度で補正することができ、補正精度を向上させることができる。
また、データ補正制御中には、点火時期の更新タイミングが到来する毎に、点火時期を遅角側と進角側との間(例えば、図2中の点火時期A,Bの間)で交互に変化させ、それぞれの点火時期でトルクの検出を行う。これにより、遅角側でのトルク検出と進角側でのトルク検出とを時間的に近いタイミングで行うことができる。即ち、これらの検出タイミングでは、点火時期以外の条件や外乱の状態を出来るだけ揃えることができる。このため、ほぼ同一条件で検出した遅角側と進角側の出力トルクを用いて補正を正確に行うことができ、運転状態の変動等により補正精度が低下するのを回避することができる。
さらに、トルク検出を行う遅角側と進角側の点火時期としては、前述の点火時期A,Bに示すように、MBTに対して進角・遅角の方向(極性)が逆となり、かつ出力特性データから得られる出力トルクが等しい2つの点火時期が用いられる。即ち、補正制御中には、例えばある更新タイミングで点火時期をAに設定し、この点火時期Aで出力トルクを検出した後に、点火時期Aに対して進角・遅角の極性が逆で出力トルクが等しくなる点火時期Bを求める。この場合、点火時期Bは、点火時期Aに応じて出力特性データから得ることができる。
そして、次の更新タイミングでは、点火時期をAからBに変更し、新たに設定した点火時期Bにおける出力トルクを検出する。これにより、データ補正制御中には、点火時期を遅角側と進角側との間で大きく変化させたとしても、これに伴う出力トルクの変動を可能な限り抑えることができる。従って、データ補正制御を実行しながらも、トルク変動を小さくして運転性を良好に保持することができる。
上述のように、遅角側と進角側の点火時期で出力トルクをそれぞれ検出した後には、これらの点における出力トルクと、出力特性データから得た出力トルクとのずれ量を算出する。そして、2点でのずれ量に応じて、例えば図2中に点線で示す実トルクの特性線を、点火時期の軸方向(横軸方向)に伸縮させるような補正演算を実施する。この補正演算により、実トルクの特性線は、初期状態の出力特性データ(実線)に対して少なくとも相似形となるか、好ましくは一致するように補正される。
このように、データ補正制御によれば、出力特性データのずれを遅角側と進角側の両方で検出し、補正することができる。これにより、遅角側から進角側に至る出力特性データ全体を高い精度で実機の状態に合わせることができ、実機の経時変化等を確実に補償することができる。このため、内燃機関の運転時には、実機の状態が反映された正確な出力特性データを用いて点火時期を制御することができる。
従って、点火時期制御においては、例えば点火時期をMBTの近傍で正確に制御することができ、これにより運転効率を高め、燃費性能を向上させることができる。また、各気筒の出力トルクを正確に制御して揃えることが可能となり、気筒間のトルクばらつき等を低減させることができる。
(補正量の移動平均処理)
また、上記補正演算は、データ補正制御の実行中に必要に応じて複数回繰返される。このため、本実施の形態では、燃焼状態の偶発的な変動等が原因で過剰な補正が行われるのを避けるために、最終的な補正量を移動平均により算出する構成としている。具体的には、最新の更新タイミングで得られた補正量と過去の補正量との間で移動平均を算出し、当該移動平均のサンプル数を内燃機関の燃焼安定度に応じて変化させるものである。
つまり、冷間始動時等のように燃焼状態が不安定なときには、移動平均のサンプル数を例えば15等の大きな値に設定する。これにより、燃焼状態が不安定で出力トルクのばらつきが大きい場合でも、このばらつきが補正量に与える影響を移動平均により軽減することができ、補正量を安定させることができる。
また、暖機後等のように燃焼状態が安定したときには、移動平均のサンプル数を例えば5程度の小さな値に設定する。更に言えば、例えば温度が高くなるにつれて、移動平均のサンプル数を小さくする構成としてもよい。これにより、燃焼状態が安定したときには、出力トルクのずれを補正量に速やかに反映させることができる。
(補正量のゲイン調整処理)
さらに、出力トルクのばらつき易さは、例えば内燃機関の稼動履歴(例えば内燃機関の使用時間や、これを搭載した車両の走行距離等)によっても変化する。即ち、例えば内燃機関が出荷されて間もない初期状態では、個々の部品が十分に馴染んでいない。このため、トルクの出力特性は、各部品が馴染んでいく過程で比較的大きく変化する。また、ある程度の使用時間が経過した後には、各部品が馴染むことにより出力特性が安定期となり、大きな変化は生じなくなる。一方、稼働履歴が長期になると、各種部品の寿命等により機関の安定性が低下し、出力特性も再び変化し易くなる。
このため、本実施の形態では、内燃機関の稼動履歴をECU40により積算、記憶しておき、出力特性データを補正する補正量のゲイン(重み係数)を、稼動履歴に応じて変化させる構成としている。より詳しく述べると、例えば初期状態においては、同一条件下において補正量が増大するようにゲインを大きな値に設定し、安定期にはゲインを小さくする。また、稼動履歴が長期になったときには、再びゲインを増大させる。なお、ゲインは、補正実施後の1トリップ毎に変化させてもよい。
この構成によれば、例えば初期状態や稼動履歴が長期となった場合には、補正量のゲインを増大させることができる。このため、出力特性が大きく変化した場合でも、その特性データを速やかに補正することができる。また、安定期には、補正量のゲインを減少させることができるから、過剰な補正を防止することができる。従って、稼動履歴に応じて補正量を適度に調整することができる。
また、内燃機関の燃焼状態に関連する部品(例えば燃料噴射弁30、点火プラグ32等)が修理、交換された場合にも、トルクの出力特性が変化し易い。そこで、この場合には、当該部品の修理、交換等を想定して予め設定された補正係数を読出し、この補正係数を前記稼動履歴に反映させる構成としてもよい。これにより、内燃機関の稼動履歴や部品の状態に応じて、補正量のゲインを更にきめ細かく調整することができる。
(データ補正制御の実行タイミング)
上述したデータ補正制御は、アイドル運転時の回転数F/B制御中に実施される。回転数F/B制御中には、内燃機関が比較的安定した定常状態で運転されているため、点火時期を変更しても、運転性や排気エミッションに影響しにくい。このため、データ補正制御により点火時期を広範囲に変化させることができ、運転状態を悪化させることなく、出力特性データの補正を正確に行うことができる。
また、例えば内燃機関が高温状態である場合のように、ノッキングが発生し易い条件が成立したときには、データ補正制御が禁止される。この場合、ノッキングが発生し易い状況では、点火時期を進角させると更に発生を誘発する虞れがあるので、少なくとも点火時期の進角を禁止するものである。従って、ノッキングが発生し難い場合にのみ、データ補正制御を安定的に行うことができる。
[実施の形態1を実現するための具体的な処理]
図4は、本実施の形態のシステム動作を実現するために、ECU40が実行するルーチンのフローチャートである。なお、図4に示すルーチンは、各気筒毎にそれぞれ個別に実行され、また一定の時間毎に繰返し実行されるものとする。
まず、データ補正制御を開始する前には、アイドル運転時の回転数F/B制御中であるか否かを判定する(ステップ100)。また、例えば内燃機関の冷却水温を検出することにより、ノッキングが発生し易い条件(例えば、高水温等)が不成立であるか否かを判定する(ステップ102)。これら2つのステップで判定条件が不成立のときには、そのままリターンする。
また、ステップ100,102の両方で判定条件が成立したときには、回転数F/B制御により点火時期を算出する(ステップ104)。即ち、機関回転数とアイドル目標回転数との偏差に応じて図3のマップデータを参照し、設定すべき点火時期を求める。なお、データ補正制御を連続的に実施しているときには、前回の更新タイミングでデータ補正制御に用いられた点火時期が、そのままステップ104で算出される点火時期となる。
次に、前記点火時期の符号を反転させることにより、今回の更新タイミングで用いる点火時期を算出する(ステップ106)。ここで、点火時期の符号とは、例えばMBTよりも進角側をプラスとし、MBTよりも遅角側をマイナスとするものである。これにより、データ補正制御中には、点火時期がMBTを中心として進角側と遅角側との間で交互に変化する。なお、後述の変形例では、ステップ106の()内に記載したように、点火時期の符号をランダムに変化させる。
ここで、点火時期に対する出力トルクの特性線は、図2に示すように、MBTを中心としてほぼ対称に近い形状となっている。このため、MBTを中心として定められた点火時期の符号を反転させれば、進角・遅角の極性が逆で出力トルクがほぼ等しい他の点火時期を容易に得ることができる。
次に、上述の手順で設定した点火時期が到来したときには、気筒内の混合気に点火を行う(ステップ108)。そして、点火した気筒の燃焼行程で生じる角加速度を算出し、算出結果に応じて実トルクを取得する(ステップ110)。上記ステップ100〜110の処理が何回か繰返されることにより、遅角側と進角側の両方で実トルクの取得が済んだときには、これらの実トルクと、出力特性データから得られた発生予想トルクとの差分を算出する(ステップ112)。
次に、上記2つの差分に基づいて出力特性データの暫定補正量を算出する。そして、この暫定補正量に対して、前述の移動平均処理とゲイン調整処理とを施すことにより、最終的な補正量を算出する(ステップ116,118)。さらに、最終的な補正量を用いて出力特性データを補正することにより、実機の状態を出力特性データに反映させる(ステップ120)。従って、実機の経時変化等により出力特性が変化しても、この変化を補正により吸収することができる。
なお、実施の形態では、図4中に示すステップ106が点火時期可変手段の具体例を示している。また、ステップ110はトルク取得手段の具体例を示し、ステップ120はデータ補正手段の具体例を示している。また、ステップ102は、進角禁止手段の具体例を示し、ステップ116は移動平均手段の具体例を示し、ステップ118はゲイン可変手段の具体例を示している。一方、図3は回転数制御手段による制御の具体例を示している。
また、実施の形態では、データ補正制御中に点火時期を遅角側と進角側との間で交互に変化させる構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、遅角側の点火時期と進角側の点火時期とで少なくとも一回ずつ出力トルクのずれ量を検出できればよいものであり、これらの検出を行うためにどのように点火時期を変化させるかを限定するものではない。
このため、例えば図4中のステップ106に変形例として記載したように、点火時期を遅角側と進角側に変化させる順序をランダムに設定し、この設定を各気筒毎に個別に行う構成としてもよい。この結果、各気筒で生じる出力トルクの確率的な変動を進角・遅角のランダムな変化により打消すことができる。従って、確率的な変動による補正の誤差を抑えることができ、出力特性データの補正を正確に行うことができる。
また、実施の形態では、アイドル運転時の回転数F/B制御中にデータ補正制御を行う構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば始動時に点火時期を遅角させる触媒暖機制御の実行中にデータ補正制御を行う構成としてもよい。この触媒暖機制御では、点火時期を遅角領域で徐々に変化させるので、その途中で点火時期を進角側と遅角側とに変化させてデータ補正制御を実行すればよい。
また、実施の形態では、回転センサ38の出力を用いて角加速度を検出し、角加速度から出力トルクを取得する構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えばトルクセンサ等により出力トルクを直接検出する構成としてもよい。また、角加速度以外のパラメータ(例えば機関回転数やトルクの単位時間当たりの変化を表すパラメータ)を検出し、このパラメータから出力トルクを取得する構成としてもよい。
本発明の実施の形態1によるシステム構成を示す全体構成図である。 内燃機関の出力トルクと点火時期との関係を示す出力特性データの特性線図である。 アイドル運転中の回転数フィードバック制御において、回転数の偏差と点火時期との関係を示す特性線図である。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。
符号の説明
10 内燃機関
12 気筒
14 ピストン
16 燃焼室
18 クランク軸
20 吸気通路
22 排気通路
24 エアフローメータ
26 スロットルバルブ
28 スロットルモータ
30 燃料噴射弁
32 点火プラグ
34 吸気バルブ
36 排気バルブ
38 回転センサ
40 ECU(データ記憶手段)

Claims (8)

  1. 内燃機関の出力トルクと点火時期との関係を表す出力特性データが予め記憶されたデータ記憶手段と、
    内燃機関の運転中に前記出力特性データを補正するために、前記出力トルクが最大となる点火時期を基準として実際の点火時期を遅角側と進角側に変化させる点火時期可変手段と、
    前記点火時期可変手段により設定された前記進角側と遅角側の点火時期において、内燃機関が出力する実際の出力トルクをそれぞれ取得するトルク取得手段と、
    前記進角側と遅角側の点火時期における実際の出力トルクと、前記出力特性データから得た出力トルクとのずれ量に応じて前記出力特性データを補正するデータ補正手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記点火時期可変手段は、ある更新タイミングで設定した点火時期に対して進角・遅角の極性が逆で出力トルクが等しくなる他の点火時期を前記出力特性データにより算出し、当該算出値を次の更新タイミングの点火時期として用いる構成としてなる請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記点火時期可変手段は、前記点火時期を進角側に変化させる進角動作と、前記点火時期を遅角側に変化させる遅角動作とを、前記点火時期の更新タイミングが到来する毎に交互に実行する構成としてなる請求項1または2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記点火時期可変手段は、前記点火時期を進角側に変化させる進角動作と、前記点火時期を遅角側に変化させる遅角動作のうち何れか一方の動作を、前記点火時期の更新タイミングが到来する毎にランダムに選択して実行する構成としてなる請求項1または2に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 内燃機関にノッキングが発生し易い条件となったときに、前記点火時期可変手段により点火時期が少なくとも進角側に設定されるのを禁止する進角禁止手段を備えてなる請求項1乃至4のうち何れか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記データ補正手段により前記出力特性データを補正するときに、最新の更新タイミングで得られた補正量と過去の補正量との間で移動平均を算出し、当該移動平均のサンプル数を内燃機関の燃焼安定度に応じて変化させる移動平均手段を備えてなる請求項1乃至5のうち何れか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  7. 前記データ補正手段により前記出力特性データを補正するときに、内燃機関の稼働履歴に応じて補正量のゲインを変化させるゲイン可変手段を備えてなる請求項1乃至6のうち何れか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  8. 内燃機関の機関回転数に応じて点火時期を変化させることにより前記機関回転数をフィードバック制御する回転数制御手段を備え、
    前記点火時期可変手段、前記トルク取得手段及び前記データ補正手段は、前記機関回転数のフィードバック制御中に前記出力特性データの補正を行う構成としてなる請求項1乃至7のうち何れか1項に記載の内燃機関の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011253491A (ja) * 2010-06-04 2011-12-15 Toshiba Corp プラント異常検知装置,プラント異常検知装置方法,およびプログラム
JP2018003635A (ja) * 2016-06-28 2018-01-11 ダイハツ工業株式会社 内燃機関の制御装置

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