JP4844522B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、内燃機関の運転状態を制御する制御装置に関し、特に、内燃機関の始動時に吸入空気量、点火時期等の制御を行う制御装置に関する。
従来、例えば特許文献1(特開平5−195855号公報)に開示されているように、内燃機関のアイドル運転時に点火時期を制御する構成とした制御装置が知られている。この種の従来技術による内燃機関の制御装置は、アイドル運転時の機関回転数を検出しつつ、その検出結果に応じて点火時期を進角または遅角させる。
これにより、従来技術では、機関回転数がアイドル時の目標回転数となるようにフィードバック制御する。また、従来技術では、点火時期だけでなく、吸入空気量を補正することによっても機関回転数を制御するようにしている。
特開平5−195855号公報
上述した従来技術では、アイドル運転時に点火時期等を制御することにより、機関回転数のフィードバック制御を行う構成としている。この場合、内燃機関においては、始動時にも点火時期の補正等を行うことにより、機関回転数を目標回転数までスムーズに上昇させたいという要求がある。
しかしながら、例えば内燃機関の温度が低い冷間始動時などには、従来技術のような点火時期の補正を行うと、機関回転数が目標回転数に向けて上昇する途中で単位時間当たりの上昇率が変化することがある。このような上昇率の変化は、例えば運転者からみて2段階の加速として感じられるため、始動時の運転フィーリング(回転数の吹上がり感)を悪化させるという問題がある。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、内燃機関の始動時に機関回転数の上昇率を安定させることができ、運転フィーリングを向上させることが可能な内燃機関の制御装置を提供することを目的としている。
第1の発明は、内燃機関の吸入空気量を変化させる空気量可変手段と、
内燃機関の機関回転数に応じた信号を出力する回転信号出力手段と、
前記回転信号出力手段の出力信号を用いて前記機関回転数の単位時間当たりの変化に対応する加速度パラメータを算出する回転変化算出手段と、
内燃機関が始動してから少なくとも前記機関回転数が定常状態となるまでの間に、前記機関回転数と前記加速度パラメータとに応じて前記空気量可変手段を駆動し、吸入空気量を補正する空気量補正手段と、
前記空気量補正手段によって吸入空気量が補正されたときに、当該補正量と前記機関回転数とに応じて内燃機関の点火時期を補正する点火時期補正手段と、
を備えることを特徴とする。
第2の発明によると、前記空気量補正手段は、前記加速度パラメータが小さくなるにつれて、前記吸入空気量を減少方向に補正する減少補正量を増やす構成とし、前記点火時期補正手段は、前記減少補正量が増えるにつれて、点火時期を進角方向に補正する進角補正量を増やす構成としている。
第3の発明によると、前記空気量補正手段は、前記機関回転数が低くなるにつれて、前記吸入空気量を減少方向に補正する減少補正量を増やす構成とし、前記点火時期補正手段は、前記減少補正量が増えるにつれて、点火時期を進角方向に補正する進角補正量を増やす構成としている。
第4の発明は、内燃機関の吸入空気量を変化させる空気量可変手段と、
内燃機関の機関回転数に応じた信号を出力する回転信号出力手段と、
前記回転信号出力手段の出力信号を用いて前記機関回転数の単位時間当たりの変化に対応する加速度パラメータを算出する回転変化算出手段と、
内燃機関が始動してから少なくとも前記機関回転数が定常状態となるまでの間に、前記機関回転数と前記加速度パラメータとに応じて前記空気量可変手段を駆動し、吸入空気量を補正する空気量補正手段と、
内燃機関の点火時期が設定されるときに、前記加速度パラメータを減少させないような点火時期の設定可能範囲を上限値及び下限値として与える点火時期範囲設定手段と、
点火時期が前記上限値と前記下限値との間に収まるように当該点火時期を補正する点火時期補正手段と、
を備えることを特徴とする。
第5の発明によると、前記点火時期補正手段は、前記上限値と前記下限値との差分である点火時期の設定可能範囲が最低必要範囲よりも狭いときに、点火時期の上限値を増大させる範囲拡張手段を備える構成としている。
第1の発明によれば、例えば冷間始動時や重質燃料の使用時などに、機関回転数が上昇し難い場合には、この状態が機関回転数や加速度パラメータに反映される。内燃機関が始動してから機関回転数が安定するまでの間において、このような状態が生じたときには、空気量補正手段によって吸入空気量を補正することができる。
この場合、空気量補正手段は、機関回転数と加速度パラメータとに応じて吸入空気の補正量を決定し、吸入空気量を減少方向に補正することにより、吸気負圧を増大させることができる。この結果、減圧沸騰効果等によって噴射燃料の気化が促進されるので、混合気の空燃比をリッチ側に補正することができ、機関回転数を円滑に上昇させることができる。また、例えば軽質燃料等が原因で機関回転数が想定以上に上昇した場合には、空気量補正手段によって吸入空気量を増大させる補正を行うこともできる。
一方、点火時期補正手段は、空気量補正手段による吸入空気の補正量と、機関回転数とに応じて点火時期を進角または遅角させることにより、吸入空気の補正によるトルクの変化を打消すことができる。この結果、内燃機関の始動時には、空気量補正手段によって機関回転数を上昇させつつ、点火時期補正手段によって機関回転数の上昇率に変曲点が生じるのを抑えることができる。従って、例えば冷間始動時や重質燃料の使用時にも、機関回転数の上昇率を安定させ、機関回転数を段差なくスムーズに上昇させることができる。これにより、2段加速等を回避して運転フィーリングを向上させることができる。
第2の発明によれば、加速度パラメータが小さいときには、混合気の空燃比がリーンであるためにトルクが不足していると判断することができる。このため、空気量補正手段は、加速度パラメータが小さくなるにつれて、吸入空気量を減少方向に補正し、吸気負圧を増大させることができる。この結果、減圧沸騰効果等によって噴射燃料の気化を促進し、混合気の空燃比をリッチ側に補正することができ、機関回転数をスムーズに上昇させることができる。
また、吸入空気の減少補正量が大きい場合には、その分だけトルクが低下することになる。この場合、点火時期補正手段は、吸入空気の減少補正量が増えるにつれて、点火時期を進角方向に補正することができる。これにより、点火時期を進角した分だけトルクを増大させることができ、吸入空気の補正によるトルクの低下を補償することができる。
第3の発明によれば、内燃機関の冷間始動時や重質燃料の使用時等において、機関回転数が低いときには、噴射燃料の気化を促進し、その燃焼状態を改善するのが好ましい。このため、空気量補正手段は、機関回転数が低くなるにつれて、吸入空気量を減少方向に補正し、吸気負圧を増大させることができる。この結果、第2の発明と同様に、噴射燃料の気化を促進し、機関回転数をスムーズに上昇させることができる。このとき、点火時期補正手段は、点火時期を進角方向に補正することにより、吸入空気の補正によるトルクの低下を補償することができる。
第4の発明によれば、空気量補正手段は、第1の発明と同様に、機関回転数と加速度パラメータとに応じて、吸入空気量を補正することができ、これによって機関回転数を円滑に上昇させることができる。一方、点火時期範囲設定手段は、加速度パラメータを減少させないような点火時期の設定可能範囲を上限値及び下限値として与えることができる。そして、点火時期補正手段は、これらの上限値と下限値との間に点火時期が収まるように、点火時期を補正することができる。
即ち、ある時点での加速度パラメータに応じて上限値と下限値が定められたときに、点火時期がこれらの上限値と下限値との間に収まるように補正を行えば、次回の加速度パラメータを前回の加速度パラメータ以上の大きさに保持することができる。この結果、内燃機関の始動時には、空気量補正手段によって機関回転数を上昇させつつ、点火時期補正手段によって機関回転数の上昇率に変曲点が生じるのを抑えることができる。従って、例えば冷間始動時や重質燃料の使用時にも、機関回転数の上昇率を安定させ、運転フィーリングを向上させることができる。
第5の発明によれば、点火時期とトルクとの関係を示す特性線において、最大トルクを与えるMBTに近い領域では、点火時期に対するトルクの変化が小さくなる。このため、点火時期の補正によってトルクを変化させようとすると、より広い点火時期の設定可能範囲が必要となる場合がある。
そこで、範囲拡張手段は、点火時期の設定可能範囲が最低必要範囲よりも狭いときに、点火時期の上限値を増大させる。これにより、点火時期をMBTに近い領域で制御する場合には、必要に応じて点火時期の設定可能範囲を拡張することができる。このため、点火時期補正制御を行うときには、点火時期の設定可能範囲を十分に確保することができ、所望のトルクを安定的に得ることができる。
実施の形態1.
[実施の形態1の構成]
以下、図1乃至図5を参照しつつ、本発明の実施の形態1について説明する。まず、図1は、実施の形態1のシステム構成を説明するための全体構成図を示している。本実施形態のシステムは、多気筒型の内燃機関10を備えている。また、内燃機関10の各気筒12内には、ピストン14がそれぞれ往復動可能に設けられている。これらのピストン14は、各気筒12内に燃焼室16をそれぞれ形成している。また、各ピストン14は、内燃機関10のクランク軸18に連結されている。
各気筒12には、内燃機関10の吸入空気が流通する吸気通路20と、排気ガスが流通する排気通路22とが接続されている。また、吸気通路20には、吸入空気の流量(吸入空気量)を検出するエアフローメータ24と、空気量可変手段としてのスロットルバルブ26とが設けられている。スロットルバルブ26は、例えば電子制御式のバルブによって構成され、アクセル開度等に基づいてスロットルモータ28により駆動される。そして、スロットルバルブ26は、エアフローメータ24の下流側で吸気通路20を開,閉し、吸気通路20を流れる吸入空気の流量を変化させるものである。
また、吸気通路20には、スロットルバルブ26の下流に位置して、吸気ポートに燃料を噴射する燃料噴射弁30が配置されている。一方、各気筒12には、燃焼室16内の混合気に点火する点火プラグ32が設けられている。また、各気筒12には、吸気通路20を燃焼室16に対して開,閉する吸気バルブ34と、排気通路22を燃焼室16に対して開,閉する排気バルブ36とが設けられている。
また、内燃機関10には、回転信号出力手段としての回転センサ38が設けられている。この回転センサ38は、クランク軸18の回転に同期した信号(内燃機関10の機関回転数Neに対応した信号)を出力するものである。
また、本実施の形態のシステムは、内燃機関10の運転状態を制御するためのECU(Electronic Control Unit)40を備えている。ECU40は、例えばROM、RAM等の記憶回路を備えたマイクロコンピュータによって構成されている。そして、ECU40の入力側には、上述したエアフローメータ24、回転センサ38等に加えて、内燃機関10の冷却水温度を検出する水温センサ、アクセル開度を検出するアクセル開度センサ、排気ガスの空燃比を検出する空燃比センサ等を含むセンサ系統が接続されている。
ECU40の出力側には、スロットルモータ28、燃料噴射弁30、点火プラグ32等を含めて各種のアクチュエータが接続されている。そして、ECU40は、内燃機関10の運転状態をセンサ系統によって検出しつつ、各アクチュエータを駆動することによって運転制御を行う。
この場合、ECU40は、運転者のアクセル開度等に応じてスロットルバルブ26を開,閉し、その開度に応じて吸気通路20に流入する吸入空気量をエアフローメータ24によって検出する。そして、吸入空気量等に応じて燃料噴射量を演算し、この演算結果に応じた量の燃料を燃料噴射弁30から噴射させる。
また、ECU40は、内燃機関10の運転状態等に応じて各気筒12の点火時期を可変に設定する。そして、回転センサ38の出力信号を用いてクランク軸18の回転角(クランク角)を検出し、このクランク角が所望の点火時期となったときには、点火プラグ32によって点火を行う。また、内燃機関10の始動時には、以下に示すように、ECU40によって始動時の制御が実施される。
(始動時の制御)
まず、図2は、始動時の機関回転数、スロットル開度、点火時期及び吸気管圧を示すタイムチャートである。一般に、内燃機関10の冷間始動時等には、噴射燃料が気化し難いために、機関回転数Neが円滑に上昇しないことがある。この状態を、単に点火時期の補正等により改善しようとしても、図2(a)中に細線で示す比較例のように、機関回転数Neの上昇率が途中で変化する変曲点が生じ、運転フィーリングが悪化し易い。
このため、本実施の形態では、図2中の(b),(c)に示すように、内燃機関10が始動されてから少なくとも機関回転数Neが定常状態(例えば、アイドル回転数に達した状態)となるまでの間に、後述の空気量補正制御と、点火時期補正制御とを実行する。これにより、本実施の形態では、図2(a)中に太線で示すように、始動時の機関回転数Neを円滑に上昇させつつ、変曲点が生じるのを回避することができる。
また、これらの補正制御には、クランク軸18の回転数(機関回転数Ne)と、クランク軸18が回転するときの角加速度Wsとが用いられる。このため、ECU40は、回転センサ38の出力信号を用いて、機関回転数Neと角加速度Wsとを算出する。ここで、角加速度Wsとは、クランク軸18の回転速度の変動状態を表すものであり、例えば特開2004−92603号公報等に記載された公知の方法によって算出される。
本実施の形態では、機関回転数Neの単位時間当たりの変化を表す加速度パラメータの一例として、角加速度Wsを用いている。なお、本発明における加速度パラメータは、角加速度Wsに限定されるものではない。次に、個々の補正制御について説明する。
(空気量補正制御)
空気量補正制御の目的は、主として、機関回転数Neをスムーズに上昇させることである。このため、空気量補正制御では、機関回転数Neと、角加速度Wsとを用いて予め設定されたマップデータを参照し、適切な空気補正量Ad(Ws,Ne)を算出する。そして、制御時点での吸入空気量が空気補正量Ad(Ws,Ne)の分だけ補正されるように、スロットルモータ28を駆動し、スロットルバルブ26の開度を調整する(図2(b)参照)。
図3は、上述した空気補正量Ad(Ws,Ne)のマップデータのうち、吸入空気量を減少方向に補正するときに用いられる減少補正量のマップデータを示している。なお、空気補正量Ad(Ws,Ne)のマップデータは、ECU40に予め記憶されている。
この図3に示すように、空気補正量(減少補正量)Ad(Ws,Ne)は、機関回転数Neが低くなるにつれて、増大するように設定されている。何故なら、内燃機関の冷間始動時や重質燃料の使用時等において、機関回転数Neが低いときには、噴射燃料の気化を促進し、その燃焼状態を改善するのが好ましい。
このため、空気量補正制御では、スロットルバルブ26を絞ることにより、吸入空気量を前記空気補正量Ad(Ws,Ne)分だけ減少させ、吸気負圧を増大させることができる。この結果、減圧沸騰効果等によって噴射燃料の気化を促進し、混合気の空燃比をリッチ側に補正することができ、機関回転数Neを円滑に上昇させることができる。
また、空気補正量Ad(Ws,Ne)は、角加速度Wsが小さくなるにつれて、増大するように設定されている。ここで、角加速度Wsは、一般的に知られているように、内燃機関のトルクの指標となるものである。このため、角加速度Wsが小さいときには、混合気の空燃比がリーンであるためにトルクが不足していると判断し、空気補正量Ad(Ws,Ne)に対応する分だけスロットルバルブ26を絞る。この結果、前述したように、減圧沸騰効果等によって噴射燃料の気化を促進し、機関回転数Neを円滑に上昇させることができる。
(点火時期補正制御)
点火時期補正制御の目的は、主として、空気量補正制御によって生じるトルク変動を抑えることである。内燃機関のトルクは、吸入空気量によって補正するよりも、点火時期によって補正した方が、より精密な補正を行うことができる。このため、点火時期補正制御は、空気量補正制御によって機関回転数Neを上昇させるときに、上昇率に変曲点が生じないように、トルク変動をより精密に補正する。
具体的に述べると、点火時期補正制御では、空気補正量Ad(Ws,Ne)と、機関回転数Neとを用いて予め設定されたマップデータを参照し、点火時期補正量SAr(Ne,Ad)を算出する。そして、制御時点での点火時期を、点火時期補正量SAr(Ne,Ad)の分だけ補正する(図2(c)参照)。
図4は、上述した点火時期補正量SAr(Ne,Ad)のマップデータのうち、点火時期を進角方向に補正するときに用いられる進角補正量のマップデータを示している。なお、点火時期補正量SAr(Ne,Ad)のマップデータは、ECU40に予め記憶されている。また、このマップデータは、例えば空気補正量Ad(Ws,Ne)と、機関回転数Neと、点火時期の補正を開始してからの時間とに応じて、各時点での点火時期補正量SAr(Ne,Ad)が設定される3次元マップとなっている。
この図4中の(1)と(3)(または(2)と(4))を比較すると判るように、点火時期補正量(進角補正量)SAr(Ne,Ad)は、空気補正量Ad(Ws,Ne)が大きくなるにつれて、増大するように設定されている。何故なら、空気補正量Ad(Ws,Ne)が大きい場合には、スロットルバルブ26が補正によって大きく絞られており、その分だけトルクが低下することになる。
このため、点火時期補正制御では、空気補正量Ad(Ws,Ne)に応じて点火時期補正量SAr(Ne,Ad)を増大させ、点火時期を進角側に補正する。これにより、点火時期を進角した分だけトルクを増大させることができ、吸入空気の補正によるトルクの低下を補償することができる。この結果、空気量補正制御によって生じるトルクの変化を点火時期補正制御によって打消すことができ、機関回転数Neが上昇しているときに、その上昇率に変曲点が生じるのを抑えることができる。
また、図4中の(1)と(2)(または(3)と(4))を比較すると判るように、点火時期補正量SAr(Ne,Ad)は、機関回転数Neが低いほど、増大するように設定されている。この場合、機関回転数Neが低いときには、トルクが不足し易いので、点火時期を進角させることによってトルクを増大させることができる。
[実施の形態1を実現するための具体的な処理]
図5は、本実施の形態のシステム動作を実現するために、ECU40が実行するルーチンのフローチャートである。なお、図5に示すルーチンは、一定の時間毎に繰返し実行されるものとする。
まず、ECU40は、ステップ100において、空気量補正制御と点火時期補正制御とを実行するための条件が成立しているか否かを判定する。この条件の一例としては、内燃機関10を始動してから機関回転数Neが定常状態(例えば、アイドル回転数に達した状態)となる前であるか否か、などである。そして、ステップ100で「YES」と判定したときには、ステップ102に移る。また、ステップ100で「NO」と判定したときには、空気量補正制御と点火時期補正制御とを行うことなく、リターンする。
次に、ステップ102では、回転センサ38の出力信号を用いて、機関回転数Neと、角加速度Wsとを演算する。また、ステップ104では、これらの機関回転数Neと角加速度Wsとを用いて図3のマップデータを参照することにより、空気補正量Ad(Ws,Ne)を取得する。そして、ステップ106では、スロットルモータ28によってスロットルバルブ26の開度を調整し、吸入空気量を空気補正量Ad(Ws,Ne)の分だけ補正する。
次に、ステップ108では、機関回転数Neと、空気補正量Ad(Ws,Ne)とを用いて図4のマップデータを参照することにより、点火時期補正量SAr(Ne,Ad)を取得する。そして、ステップ110では、点火時期を点火時期補正量SAr(Ne,Ad)分だけ補正し、その後にリターンする。
上述したように、本実施の形態によれば、例えば冷間始動時や重質燃料の使用時などに、機関回転数が上昇し難い場合には、この状態が機関回転数Neや角加速度Wsに反映される。内燃機関10が始動してから機関回転数が安定するまでの間において、このような状態が生じたときには、空気量補正制御によって吸入空気量を補正することができる。
この場合、空気量補正制御では、機関回転数Neと角加速度Wsとに応じて空気補正量Ad(Ws,Ne)を決定することができ、この空気補正量Ad(Ws,Ne)に応じて機関回転数を円滑に上昇させることができる。また、例えば軽質燃料等が原因で機関回転数が想定以上に上昇した場合にも、空気量補正制御によって同様の補正を行うことができる。
一方、点火時期補正制御では、空気補正量Ad(Ws,Ne)と、機関回転数Neとに応じて点火時期を進角または遅角させることにより、吸入空気の補正によるトルクの変化を打消すことができる。この結果、内燃機関10の始動時には、空気量補正制御によって機関回転数を上昇させつつ、点火時期補正制御によって機関回転数の上昇率に変曲点が生じるのを抑えることができる。従って、例えば冷間始動時や重質燃料の使用時にも、機関回転数の上昇率を安定させ、機関回転数を段差なくスムーズに上昇させることができる。これにより、2段加速等を回避して運転フィーリングを向上させることができる。
実施の形態2.
次に、図6乃至図9を参照しつつ、本発明の実施の形態2による内燃機関の制御装置について説明する。なお、本実施の形態では、前記実施の形態1(図1)と同様のシステム構成を用いている。
[実施の形態2の特徴部分]
(点火時期の上限値と下限値の設定)
本実施の形態では、実施の形態1と同様の空気量補正制御を実行する。しかし、点火時期補正制御では、角加速度Wsに応じて点火時期の設定可能範囲を定める構成としている。即ち、点火時期補正制御では、角加速度Wsに応じてマップデータを参照することにより、点火時期の上限値Lut(Ws)と下限値Li(Ws)とをそれぞれ設定する。
そして、点火時期補正制御では、通常の点火時期制御によって設定される点火時期が上限値Lut(Ws)と下限値Li(Ws)との間に収まるように、点火時期を補正する。ここで、上限値Lut(Ws)と下限値Li(Ws)とは、角加速度Wsを減少させないような点火時期の設定可能範囲を与えるものである。
即ち、ある時点での角加速度Ws1に応じて上限値Lut(Ws1)と下限値Li(Ws1)が定められたときに、点火時期が上限値Lut(Ws1)と下限値Li(Ws1)との間に収まるように補正を行えば、次回の角加速度Ws2を、前回の角加速度Ws1以上の大きさに保持することができる。
図6は、上述した上限値Lut(Ws)のマップデータを示している。このマップデータは、例えば実験等によって求められ、ECU40に予め記憶されている。また、下限値Li(Ws)は、ある時点の角加速度に対して次回の角加速度が、少なくとも所定の増加分ΔWだけ増えるような値として算出される。
この場合、ECU40は、ある時点の角加速度Wsに対して、予め記憶された増加分ΔWを加算することにより、次回の角加速度下限値Ws′(=Ws+ΔW)を求める。そして、この角加速度下限値Ws′を与えるような点火時期を、下限値Li(Ws)として設定するものである。
このように、本実施の形態による点火時期補正制御では、角加速度Wsを減少させないような上限値Lut(Ws)と下限値Li(Ws)とを用いて、点火時期を常に適切な範囲に保持することができる。これにより、角加速度Wsをスムーズに増大させることができる。このため、点火時期補正制御によって角加速度Wsが急変したり、これに伴って機関回転数Neの上昇率やトルクに段差が生じるのを回避することができる。
(設定可能範囲の拡張)
また、本実施の形態では、上限値Lut(Ws)と下限値Li(Ws)とによって定められる点火時期の設定可能範囲が狭い場合に、必要に応じて上限値Lut(Ws)を増大させ、設定可能範囲を拡張させる構成としている。図7は、内燃機関のトルクと点火時期との関係を示す特性線L上に、点火時期の設定可能範囲を記載したものである。
この図7から判るように、トルクの特性線Lは、最大トルクを与えるMBTよりも進角側において、点火時期がMBTに近づくにつれて増大している。しかし、特性線Lの勾配は、点火時期がMBTに近づくにつれて緩やかになっている。つまり、MBTに近い領域では、点火時期に対するトルクの変化が小さくなるから、点火時期の補正によってトルクを変化させようとすると、より広い点火時期の設定可能範囲が必要となる場合がある。
このため、点火時期補正制御では、個々の上限値Lut(Ws)において最低限必要となる設定可能範囲を、最低必要範囲Dw(Lut)として算出する。図8は、ECU40に予め記憶された最低必要範囲Dw(Lut)のマップデータを示している。
そして、下限値Li(Ws)に最低必要範囲Dw(Lut)を加算した加算値(Li+Dw)が上限値Lut(Ws)よりも大きいときには、この加算値(Li+Dw)を新たな上限値LU(以下、最終上限値LUと称す)として設定する。即ち、ECU40は、点火時期の設定可能範囲が最低必要範囲Dw(Lut)よりも狭いときに、上限値Lut(Ws)を最終上限値LUに置換える。そして、通常の点火時期制御によって設定される点火時期が、下限値Li(Ws)と最終上限値LUとの間に収まるように、点火時期を補正するものである。
これにより、点火時期をMBTに近い領域で制御する場合には、図7中に点線で示すように、必要に応じて点火時期の設定可能範囲を拡張することができる。このため、点火時期補正制御を行うときには、点火時期の設定可能範囲を十分に確保することができ、所望のトルクを安定的に得ることができる。
[実施の形態2を実現するための具体的な処理]
図9は、本実施の形態のシステム動作を実現するために、ECU40が実行するルーチンのフローチャートである。なお、図9に示すルーチンは、一定の時間毎に繰返し実行されるものとする。
まず、ステップ200〜206では、実施の形態1のステップ100〜106と同様の処理を行う。そして、ステップ208では、角加速度Wsを用いて図6のマップデータを参照することにより、上限値Lut(Ws)を取得する。また、ステップ210では、前述したように、角加速度Wsを用いて、次回の角加速度が少なくとも所定の増加分ΔWだけ増えるように、下限値Li(Ws)を算出する。
次に、ステップ212では、上限値Lut(Ws)を用いて図8のマップデータを参照することにより、最低必要範囲Dw(Lut)を取得する。そして、ステップ214では、下限値Li(Ws)と最低必要範囲Dw(Lut)との加算値(Li+Dw)が上限値Lut(Ws)よりも大きいか否かを判定する。
ステップ214で「YES」と判定したときには、上限値Lut(Ws)によって定められる点火時期の設定可能範囲が、最低必要範囲Dw(Lut)よりも狭くなっている。このため、ステップ216では、加算値(Li+Dw)を最終上限値LUとして設定し、設定可能範囲を拡張する。
一方、ステップ214で「NO」と判定したときには、上限値Lut(Ws)によって定められる点火時期の設定可能範囲が十分に広い。このため、ステップ218では、上限値Lut(Ws)を最終上限値LUとして設定する。
そして、ステップ220では、通常の点火時期制御によって設定される点火時期が最終上限値LUと下限値Li(Ws)との間に収まるように、点火時期を補正し、その後にリターンする。
このように、本実施の形態によれば、点火時期補正制御を行うときには、角加速度Wsを減少させないような点火時期の設定可能範囲を上限値Lut(Ws)及び下限値Li(Ws)として得ることができる。そして、点火時期補正制御では、これらの上限値Lut(Ws)と下限値Li(Ws)との間に点火時期が収まるように、点火時期を補正することができる。この結果、点火時期に応じて角加速度Wsをスムーズに増大させることができる。
従って、空気量補正制御によって機関回転数を上昇させつつ、点火時期補正制御によって機関回転数の上昇率に変曲点が生じるのを抑えることができ、実施の形態1とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
なお、前記実施の形態1,2では、図5及び図9中のステップ102,202が回転変化算出手段の具体例を示し、ステップ104,106,204,206が空気量補正手段の具体例を示している。また、実施の形態2では、図9中のステップ208,210が請求項1における点火時期範囲設定手段の具体例を示し、ステップ212〜216が請求項2における範囲拡張手段の具体例を示している。また、ステップ220は、請求項1における点火時期補正手段の具体例を示している。
また、実施の形態では、加速度パラメータとして角加速度Wsを用いるものとした。しかし、本発明の加速度パラメータは、機関回転数またはトルクの単位時間当たりの変化を表すものであればよく、角加速度Wsに限定されるものではない。即ち、本発明では、加速度パラメータとして、例えば単位時間当たりの機関回転数の変化量、単位時間当たりのトルクの変化量等を用いる構成としてもよい。
本発明の実施の形態1によるシステム構成を示す全体構成図である。 内燃機関の始動時における機関回転数、スロットル開度、点火時期及び吸気管圧を示すタイムチャートである。 空気補正量のマップデータを示す説明図である。 点火時期補正量のマップデータを示す説明図である。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態2において、点火時期の上限値のマップデータを示す説明図である。 内燃機関のトルクと点火時期との関係を示す特性線と、点火時期の設定可能範囲とを示す説明図である。 点火時期の最低必要範囲のマップデータを示す説明図である。 本発明の実施の形態2において実行されるルーチンのフローチャートである。
符号の説明
10 内燃機関
12 気筒
14 ピストン
16 燃焼室
18 クランク軸
20 吸気通路
22 排気通路
24 エアフローメータ
26 スロットルバルブ(空気量可変手段)
28 スロットルモータ
30 燃料噴射弁
32 点火プラグ
34 吸気バルブ
36 排気バルブ
38 回転センサ(回転信号出力手段)
40 ECU
Ws 角加速度(加速度パラメータ)
Ne 機関回転数
Ad(Ws,Ne) 空気補正量
SAr(Ne,Ad) 点火時期補正量
Lut(Ws) 上限値
Li(Ws) 下限値
Dw(Lut) 最低必要範囲
LU 最終上限値

Claims (2)

  1. 内燃機関の吸入空気量を変化させる空気量可変手段と、
    内燃機関の機関回転数に応じた信号を出力する回転信号出力手段と、
    前記回転信号出力手段の出力信号を用いて前記機関回転数の単位時間当たりの変化に対応する加速度パラメータを算出する回転変化算出手段と、
    内燃機関が始動してから少なくとも前記機関回転数が定常状態となるまでの間に、前記機関回転数と前記加速度パラメータとに応じて前記空気量可変手段を駆動し、吸入空気量を補正する空気量補正手段と、
    内燃機関の点火時期が設定されるときに、前記加速度パラメータを減少させないような点火時期の設定可能範囲を上限値及び下限値として与える点火時期範囲設定手段と、
    点火時期が前記上限値と前記下限値との間に収まるように当該点火時期を補正する点火時期補正手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記点火時期補正手段は、前記上限値と前記下限値との差分である点火時期の設定可能範囲が最低必要範囲よりも狭いときに、点火時期の上限値を増大させる範囲拡張手段を備えてなる請求項に記載の内燃機関の制御装置。
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