JP6828646B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関するものである。
内燃機関では、実空燃比が目標空燃比となるように燃料噴射量を補正する空燃比制御が行われている。また、複数の気筒を備える内燃機関では、気筒間における空燃比のばらつき、いわゆる空燃比インバランスが起きることがあり、こうした空燃比インバランスの発生は排気の浄化性能等に少なからず影響を与える。なお、こうした空燃比インバランスとしては、複数の気筒のうちの一部の気筒の空燃比が他の気筒の空燃比よりもリッチ側にずれているリッチインバランスと、複数の気筒のうちの一部の気筒の空燃比が他の気筒の空燃比よりもリーン側にずれているリーンインバランスとが存在する。
ここで、リッチインバランスが起きると気筒内から排出される水素の濃度が高くなることがあり、この場合には、実空燃比を検出する空燃比センサの出力値が実空燃比に応じた出力値よりもリッチ側にずれてしまうことが知られている。こうした空燃比センサの誤検出が起きると、空燃比制御を通じて燃料噴射量が減量補正されてしまい、実空燃比はリーン側にずれてしまうようになる。
そこで、特許文献1に記載の装置では、リッチインバランスが起きている場合、空燃比センサによって検出される実空燃比の単位時間当たりの変化量が増大することを利用して、同変化量に基づき空燃比補正値を設定するようにしている。そして、この空燃比補正値にて目標空燃比を補正することにより同目標空燃比をリッチ側に変更することにより、上述した実空燃比のリーンずれを抑えるようにしている。
また、特許文献2に記載の装置では、複数の気筒のうちで空燃比のリーンずれが起きている気筒の燃料噴射量を機関出力軸の回転変動値に基づいて増量することにより、リーンインバランスの発生時においてリーンずれが起きている気筒の空燃比を改善するようにしている。
特開2013−160060号公報 特開2013−122214号公報
ところで、リッチインバランスが起きている場合に生じる上記実空燃比の単位時間当たりの変化量の増大は、リッチインバランスの発生時だけではなく、リーンインバランスの発生時にも生じる。そのため、上記特許文献1に記載の装置では、リーンインバランスの発生時にも上記リッチ化制御を通じて目標空燃比がリッチ化される可能性があり、この場合には、気筒から排出される未燃燃料の量が増大するおそれがある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、気筒から排出される未燃燃料の量を抑えることのできる内燃機関の制御装置を提供することにある。
上記課題を解決する内燃機関の制御装置は、複数の気筒と、前記気筒毎に設けられて燃料を噴射する燃料噴射弁と、排気通路に設けられた排気浄化用の触媒と、前記触媒よりも上流の実空燃比を検出する空燃比センサとを備える内燃機関に適用される制御装置であって、前記実空燃比が目標空燃比となるように前記気筒毎に設けられた各燃料噴射弁の燃料噴射量を補正する空燃比制御と、複数の気筒のうちで空燃比のリーンずれが起きている気筒の燃料噴射量を機関出力軸の回転変動値に基づいて増量する処理を予め定められた所定期間の間実行する気筒別燃料増量制御と、前記空燃比センサによって検出される実空燃比の単位時間当たりの変化量に基づいて設定される空燃比補正値にて前記目標空燃比を補正することにより同目標空燃比をリッチ側に補正するリッチ化制御とを実行する。そして、この制御装置は、前記気筒別燃料増量制御による燃料噴射量の増量履歴があるときには、同増量履歴がないときに比べて前記リッチ化制御による前記目標空燃比の補正度合を少なくする。
同構成によれば、所定期間の間実行される気筒別燃料増量制御が終了すると、それまで当該気筒別燃料増量制御の実行を通じて抑えられていたリーンインバランスが発生するようになる。そのため、空燃比センサによって検出される実空燃比の単位時間当たりの変化量が増大するようになり、同変化量に基づく空燃比補正値の設定が上記リッチ化制御を通じて行われることにより、そのままでは目標空燃比がリッチ側に補正されてしまう。この点、同構成では、気筒別燃料増量制御による燃料噴射量の増量履歴があるときには、同増量履歴がないときに比べて、リッチ化制御による目標空燃比の補正度合が少なくされる。そのため、気筒別燃料増量制御の実行を通じて抑えられていたリーンインバランスが発生するようになったとしても、リッチ化制御による目標空燃比のリッチ化は抑えられるようになる。従って、気筒内の空燃比のリッチ化も抑えられるようになり、これにより気筒から排出される未燃燃料の量を抑えることができるようになる。
内燃機関の制御装置を具体化した一実施形態にあって、これが適用される内燃機関の構造を示す模式図。 空燃比インバランスが起きているときの空燃比の変動を示すタイムチャート。 リーンインバランスが起きているときのクランクシャフトの回転時間を示すグラフ。 同実施形態のおける気筒別燃料増量制御の処理手順を示すフローチャート。 同実施形態において空燃比補正値による目標空燃比の補正可否を判定するための処理手順を示すフローチャート。
以下、内燃機関の制御装置を具体化した一実施形態について、図1〜図5を参照して説明する。なお、この制御装置は、複数の気筒を備える、いわゆる多気筒内燃機関に適用される装置であり、本実施形態の内燃機関11は、第1気筒#1〜第4気筒#4といった4つの気筒が直列に配列された直列4気筒エンジンとなっている。
図1に示すように、内燃機関11の各気筒12内にはピストン13が備えられている。ピストン13は、内燃機関11の機関出力軸であるクランクシャフト15にコネクティングロッド14を介して連結されており、コネクティングロッド14によりピストン13の往復運動がクランクシャフト15の回転運動に変換される。
各気筒12内にあってピストン13の上方には燃焼室16が区画形成されており、この燃焼室16内に向けて燃料を噴射する燃料噴射弁17が設けられている。燃料噴射弁17には、周知の燃料供給機構を通じて所定の高圧燃料が供給される。そして、この燃料噴射弁の開弁動作により、燃料が燃焼室16内に直接噴射供給されて、いわゆる筒内噴射が行われる。
また、燃焼室16には、燃料と空気とからなる混合気に対して点火を行う点火プラグ18が取り付けられている。この点火プラグ18による混合気への点火タイミングは、点火プラグ18の上方に設けられたイグナイタ19によって調整される。なお、本実施形態における各気筒の点火順序は、第1気筒#1→第3気筒#3→第4気筒#4→第2気筒#2の順となっている。
燃焼室16には、吸気通路20及び排気通路21が連通されている。吸気通路20には燃焼室16に導入される空気量を調量するスロットルバルブ(図示略)が設けられている。
排気通路21の途中には、混合気の空燃比が所定範囲内の値となっているときに浄化機能を発揮する触媒100が設けられている。より詳細には、混合気の空燃比が理論空燃比となっているときに、触媒100では排気中の有害成分(主にHC、CO、NOx)が効果的に浄化される。
排気通路21において、触媒100よりも上流側の部位には、触媒100よりも上流側の実空燃比である上流側実空燃比AFfに応じた出力値V1を出力する上流側センサ35が設けられている。上流側センサ35は、周知の空燃比センサであり、排気中の酸素濃度と密接な関係にある混合気の空燃比に比例した大きさの出力値V1を出力する。つまり、混合気の空燃比がリッチからリーンへと変化するにつれて、上流側センサ35の出力値V1は徐々に大きくなっていく。
排気通路21において、触媒100よりも下流側の部位には、触媒100よりも下流側の実空燃比である下流側実空燃比AFrに応じた出力値V2を出力する下流側センサ36が設けられている。下流側センサ36は、周知の酸素センサであり、混合気の空燃比が理論空燃比よりもリッチであるときには1ボルト程度の出力電圧が得られ、混合気の空燃比が理論空燃比よりもリーンであるときには0ボルト程度の出力電圧が得られる。また、この下流側センサ36は、理論空燃比近傍を境にして出力電圧が急変する特性を有している。
内燃機関11の各種制御は、制御装置30によって行われる。制御装置30は、機関制御に係る各種処理を実施する中央演算処理装置(CPU)、制御用のプログラムや機関制御に必要な情報を記憶するメモリ、燃料噴射弁17の駆動回路やイグナイタ19等の駆動回路等を備えて構成されている。
制御装置30には、上記上流側センサ35や下流側センサ36の他にも、機関運転状態を検出する各種のセンサが接続されている。例えばクランク角センサ31によってクランクシャフト15のクランク角が検出され、これに基づいて機関回転速度NEが算出される。またアクセルセンサ33によって、アクセルペダルの操作量であるアクセル操作量ACCPが検出される。また、エアフロメータ34によって吸入空気量GAが検出される。そして、制御装置30は、これら各種センサの検出信号によって把握される内燃機関11の運転状態に応じて、燃料噴射制御、空燃比制御、点火時期制御をはじめとする各種制御を実施する。
また、制御装置30によって上記空燃比制御が行われることにより、触媒100による排気の浄化が適切に行われる。なお、本実施形態の空燃比制御において、上流側実空燃比AFfの目標空燃比である上流側目標空燃比AFfpや、下流側実空燃比AFrの目標空燃比である下流側目標空燃比AFrpは、基本的に理論空燃比が設定される。
この空燃比制御は、上流側センサ35の出力値V1が上流側目標空燃比AFfpに対応した出力値となるように燃料噴射量を補正するメインフィードバック補正と、下流側センサ36の出力値V2が下流側目標空燃比AFrpに対応した出力値となるようにメインフィードバック補正にて補正された燃料噴射量を補正するサブフィードバック補正とで構成されている。なお、上記「上流側目標空燃比AFfpに対応した出力値」とは、上流側目標空燃比AFfpと上流側実空燃比AFfとが一致しているときの上流側センサ35の出力値V1のことをいう。また、上記「下流側目標空燃比AFrpに対応した出力値」とは、下流側目標空燃比AFrpと下流側実空燃比AFrとが一致しているときの下流側センサ36の出力値V2のことをいう。
このメインフィードバック補正は、触媒100の上流側に設けられた上流側センサ35の出力値V1に基づき、気筒毎に設けられた各燃料噴射弁17から噴射される燃料噴射量Qを補正することにより、上流側センサ35によって検出される上流側実空燃比AFfは上流側目標空燃比AFfpに近づくように制御される。メインフィードバック補正では、上流側実空燃比AFfと上流側目標空燃比AFfpとの偏差、予め実験的に求められた比例ゲイン、積分ゲイン、及び微分ゲインから、比例項や、学習値としての積分項及び微分項がそれぞれ算出される。そして、現在設定されている燃料噴射量に対する補正値を比例項、積分項、及び微分項の和から算出するPID制御が実施される。なお、メインフィードバック補正は、比例項及び積分項に基づいて補正量を算出するPI制御などのフィードバック制御でもよい。
サブフィードバック補正は、触媒100の下流側に設けられた下流側センサ36の出力値V2に基づき、メインフィードバック補正により算出される補正値をさらに補正する制御である。本実施形態では、制御装置30は、下流側センサ36の出力値V2と、下流側目標空燃比AFrpに対応した下流側センサ36の出力値とが一致するように、それら各出力値の偏差に基づいてPID制御、あるいはPI制御などのフィードバック制御が実行される。
また、制御装置30は、内燃機関11の各気筒間において空燃比のばらつきが生じていないか、つまり空燃比インバランスが生じていないかどうかを監視している。より詳細には、そうした空燃比インバランスの度合を示す指標値であるインバランス率BRを把握するようにしている。このインバランス率BRは、全気筒のうちである気筒が空燃比ずれを起こしている場合に、その空燃比ずれを起こしている気筒の空燃比がどれくらいの割合で、空燃比ずれを起こしていない気筒の空燃比(本実施形態では理論空燃比)からずれているかを示す値である。
図2は、直列4気筒エンジンの全気筒において燃焼が一巡する1サイクル(720°CA)毎の空燃比の変動を示しており、特に、ある気筒の燃料噴射量を意図的にずらして、空燃比インバランスを発生させた場合に、上流側センサ35によって検出される上流側実空燃比AFfの変動態様を示す。なお、図3に示す実線L1は、空燃比インバランスが発生していないときの上流側実空燃比AFfの変動を示す。また、二点鎖線L2は、ある気筒の燃料噴射量を所定量だけ増量してリッチインバランスを発生させたときの上流側実空燃比AFfの変動を示す。
この図2において実線L1で示すように、上流側実空燃比AFfは、内燃機関11の1サイクルを1周期として、周期的な変動を繰り返す。そして、二点鎖線L2に示すように、リッチインバランスが発生して気筒間の空燃比に違いが生じると、1サイクル内での上流側実空燃比AFfの変動量は大きくなる。つまり、1サイクル内における上流側実空燃比AFfのリーンピークとリッチピークとの間において、当該上流側実空燃比AFfの単位時間当たりにおける変化量が大きくなる。以下、こうした上流側実空燃比AFfの単位時間当たりにおける変化量を「単位変化量」という。この上流側実空燃比AFfの単位変化量は、リッチインバランスの度合が大きいときほど大きくなることが知られている。なお、図2には、リッチインバランスが起きているときの上流側実空燃比AFfの変動態様を例示しているが、リーンインバランスが起きているときもリッチインバランスが起きているときと同様に、上流側実空燃比AFfの変動量が大きくなることが知られている。
そこで、本実施形態では、上流側実空燃比AFfの単位変化量に基づき、インバランス率BRを算出するようにしている。より詳細には、上述した上流側実空燃比AFfの単位変化量を検出し、その検出された単位変化量に基づき、当該単位変化量が大きいときほどインバランス率BRの値が大きくなるようにしている。
ところで、上述したように、リッチインバランスが発生すると、気筒内から排出される水素の濃度が高くなるために、上流側センサ35が水素を検出してしまい、上流側センサ35の出力値V1は、上流側実空燃比AFfに応じた出力値よりもリッチ側にずれてしまう。このようにして上流側センサ35の出力値V1がリッチ側にずれてしまうと、上記空燃比制御を通じて燃料噴射量が減量補正されるため、上流側実空燃比AFfはリーン側にずれてしまい、触媒100の排気浄化性能が低下してしまう。
そこで、制御装置30は、上流側実空燃比AFfの単位変化量に基づいて設定される空燃比補正値FHにて上流側目標空燃比AFfpを補正することにより、上流側目標空燃比AFfpをリッチ側に変更するリッチ化制御を実行する。この空燃比補正値FHは、上流側目標空燃比AFfpをリッチ側に補正する値であって、空燃比補正値FHが大きいほど、上流側目標空燃比AFfpのリッチ側への補正量は多くされる。そして、空燃比補正値FHは、上流側実空燃比AFfの単位変化量が大きいときほど大きい値となるように算出される。なお、インバランス率BRに基づき、同インバランス率BRが大きいときほど空燃比補正値FHは大きい値となるように当該空燃比補正値FHを算出してもよい。
このリッチ化制御の実行により、上流側目標空燃比AFfpがリッチ側に補正されると、空燃比制御により補正される燃料噴射量Qは、そうした上流側目標空燃比AFfpのリッチ側への補正前と比較して増量される。こうした燃料噴射量Qの増量により、上流側実空燃比AFfのリーンずれが抑えられるようになるため、触媒100の排気浄化性能の低下が抑制される。
また、制御装置30は、内燃機関11の各気筒間においてリーンインバランスが生じていないかどうかを監視している。より詳細には、そうしたリーンインバランスの度合を示す指標値であるリーンインバランス率LBRを把握するようにしている。このリーンインバランス率LBRは、全気筒のうちである気筒がリーンずれを起こしている場合に、そのリーンずれを起こしている気筒の空燃比がどれくらいの割合で、空燃比ずれを起こしていない気筒の空燃比(本実施形態では理論空燃比)からずれているかを示す値である。
リーンずれが起きている気筒で発生する出力トルクは、空燃比ずれを起こしていない他の気筒の出力トルクと比較して小さくなる。そのため、リーンずれが起きている気筒では、他の気筒と比較して、混合気の点火後における機関回転速度の上昇が遅くなり、クランクシャフト15の回転変動が大きくなる傾向がある。そこで、本実施形態では、こうした原理に基づき、リーンずれが起きている気筒を特定するとともにリーンインバランス率LBRを把握するようにしている。
図3に、例えば第1気筒#1にリーンずれが起きている場合のクランクシャフト15の回転時間を示す。なお、この回転時間とは、各気筒において圧縮上死点を含む一定の角度だけクランクシャフト15が回転するのに要する時間であり、図3においては第1気筒#1の回転時間を「T1」、第3気筒#3の回転時間を「T3」にて示している。
この図3に示すように、第1気筒#1にリーンずれが起きている場合、第1気筒#1において点火が行われた後の機関回転速度の上昇は他の気筒と比べて遅くなるため、第1気筒#1の回転時間T1は他の気筒の回転時間よりも長くなる。従って、第1気筒#1の回転時間T1から、次に点火が行われる第3気筒#3の回転時間T3を減じた値であって、第1気筒#1の回転変動の度合を示す回転変動値ΔT1は、第1気筒#1のリーンずれの度合が大きいときほど大きくなる。
ちなみに、第3気筒#3の回転時間T3から、次に点火が行われる第4気筒#4の回転時間を減じた値は、第3気筒#3の回転変動の度合を示す回転変動値ΔT3になる。また、第4気筒#4の回転時間から、次に点火が行われる第2気筒#2の回転時間を減じた値は、第4気筒#4の回転変動の度合を示す回転変動値ΔT4になる。そして、第2気筒#2の回転時間から、次に点火が行われる第1気筒#1の回転時間T1を減じた値は、第2気筒#2の回転変動の度合を示す回転変動値ΔT2になる。
このように、点火順序において隣り合う各気筒の回転時間の差であって気筒毎に求められる回転変動値ΔTに基づき、複数の気筒のうちでリーンずれが起きている気筒を特定することができるとともに、リーンインバランス率LBRも把握することができる。
ここで、本実施形態では、機関の冷間始動が開始されると、予め定められた所定期間Pの間は点火時期を遅角補正することにより、触媒100の早期暖機を図るようにしている。この点火時期の遅角補正中は、機関の出力トルクが小さくなるため、そうした遅角補正中にリーンインバランスが起きていると、機関の出力トルクがさらに小さくなり、場合によっては失火が起きるおそれがある。
そこで、本実施形態の制御装置30は、リーンずれが起きている気筒の燃料噴射量を回転変動値ΔTに基づいて増量する処理を上記所定期間Pの間実行することにより、リーンずれが起きている気筒の空燃比を改善して出力トルクの低下を抑える気筒別燃料増量制御を行う。
図4に、そうした気筒別燃料増量制御の処理手順を示す。なお、この処理は、上記所定期間Pの間、制御装置30によって繰り返し実行される。
本処理が開始されるとまず、上述した気筒毎の回転変動値ΔTが算出される(S100)。
次に、気筒毎に求められる回転変動値ΔTに基づき、リーンずれが起きている気筒のリーンインバランス率LBRが算出される。(S110)。このステップS110では、回転変動値ΔTが正の値であってその絶対値が大きいときほど、リーンインバランス率LBRの値は大きくなるように当該リーンインバランス率LBRは算出される。
次に、リーンインバランス率LBRに基づいてリーンずれしているリーン気筒の燃料増量が実行される(S120)。このステップS120では、上記燃料噴射量Qを増量補正するための燃料増量値αが算出される。この燃料増量値αは、リーンインバランス率LBRが大きいときほど大きい値に設定される値であって、同燃料増量値αが大きいほど燃料噴射量Qの増量補正量は多くなる。そして、リーン気筒の燃料噴射量Qが燃料増量値αによって増量補正されることにより、リーン気筒の燃料増量が実行される。なお、所定期間Pが経過して気筒別燃料増量制御が終了すると、燃料増量値αは初期値に設定されることにより、リーン気筒の燃料噴射量は、燃料増量値αによって増量される前の燃料噴射量に戻される。
次に、燃料増量値αが判定値A以上であるか否かが判定される(S130)。判定値Aは、次に説明する値となっている。
すなわち、所定期間Pの間実行される気筒別燃料増量制御が終了すると、それまで当該気筒別燃料増量制御の実行を通じて抑えられていたリーンインバランスが発生するようになる。そのため、上流側実空燃比AFfの単位変化量が増大するようになり、同単位変化量に基づく空燃比補正値FHの設定が上記リッチ化制御を通じて行われることにより、上流側目標空燃比AFfpはリッチ側に補正される。このようにして上流側目標空燃比AFfpがリッチ側に補正されると、リーンずれを起こしていない気筒の空燃比が理論空燃比よりもリッチ化し、気筒から排出される未燃燃料の量が増大するおそれがある。
ここで、燃料増量値αの値が小さい場合には、気筒別燃料増量制御の実行を通じて抑えられていたリーンインバランスが発生するようになったとしても、リーンインバランス率LBRは小さい状態となっているため、上流側実空燃比AFfの単位変化量もそれほど増大しない。そのため、リッチ化制御を通じて上流側目標空燃比AFfpがリッチ側に補正されてもその補正量はそれほど大きくはなく、気筒から排出される未燃燃料の増大も許容範囲内に収まる可能性が高い。一方、燃料増量値αの値が大きい場合には、気筒別燃料増量制御の実行を通じて抑えられていたリーンインバランスが発生するようになったときに、リーンインバランス率LBRは大きい状態になっている。そのため、上流側実空燃比AFfの単位変化量も増大するようになり、リッチ化制御を通じて上流側目標空燃比AFfpがリッチ側に補正されるときの補正量も大きくなる。従って、この場合には、気筒から排出される未燃燃料の増大が許容範囲を超える可能性がある。
そこで、上記判定値Aとしては、燃料増量値αが判定値A以上であることに基づき、気筒から排出される未燃燃料の増大が許容範囲を超える可能性があることを的確に判定することができるように、その値の大きさは設定されている。
そして、燃料増量値αが判定値A以上であるときには(S130:YES)、燃料増量履歴フラグを「1」に設定して(S140)、本処理を一旦終了する。また、燃料増量値αが判定値A未満であるときには(S130:NO)、現在の燃料増量履歴フラグの値を変更することなく保持して(S150)、本処理を一旦終了する。燃料増量履歴フラグは初期値が「0」となっており、例えば内燃機関11の始動時等には初期値に設定される。そして、この燃料増量履歴フラグは、リーンずれを起こしている気筒の燃料噴射量が判定値A以上に設定された燃料増量値αによって増量された履歴があるか否かを示すフラグになっている。つまり、燃料増量履歴フラグが「1」に設定されている場合には、そうした燃料噴射量の増量履歴があることを示し、燃料増量履歴フラグが「0」に設定されている場合には、そうした燃料噴射量の増量履歴が無いことを示す。
また、制御装置30は、機関運転中において図5に示す処理手順を繰り返し実行する。
図5に示す処理が開始されると、まず、燃料増量履歴フラグが「1」であるか否かが判定される(S200)。そして、燃料増量履歴フラグが「1」であるときには(S200:YES)、空燃比補正値FHによる上流側目標空燃比AFfpの補正が禁止される(S210)。つまり上記リッチ化制御による上流側目標空燃比AFfpのリッチ化が禁止されて、本処理は一旦終了される。
一方、燃料増量履歴フラグが「0」であるときには(S200:NO)、空燃比補正値FHによる上流側目標空燃比AFfpの補正が許可される(S220)。つまり上記リッチ化制御による上流側目標空燃比AFfpのリッチ化が許可されて、本処理は一旦終了される。
以上説明した本実施形態によれば、次の作用効果を得ることができる。
(1)上述したように、所定期間Pの間実行される気筒別燃料増量制御が終了すると、それまで当該気筒別燃料増量制御の実行を通じて抑えられていたリーンインバランスが発生するようになる。そのため、上流側実空燃比AFfの単位変化量が増大するようになり、同単位変化量に基づく空燃比補正値FHの設定が上記リッチ化制御を通じて行われることにより、そのままでは上流側目標空燃比AFfpがリッチ側に補正される。この点、本実施形態では、燃料増量履歴フラグが「1」に設定されており(図5のS200:YES)、気筒別燃料増量制御による燃料噴射量の増量履歴があるときには、同増量履歴がないときに比べてリッチ化制御による上流側目標空燃比AFfpの補正度合が少なくされる。より詳細には、気筒別燃料増量制御による燃料噴射量の増量履歴があるときには、空燃比補正値FHによる上流側目標空燃比AFfpの補正が禁止される(S210)。そのため、気筒別燃料増量制御の実行を通じて抑えられていたリーンインバランスが発生するようになったとしても、リッチ化制御による上流側目標空燃比AFfpのリッチ化は抑えられるようになる。従って、気筒内の空燃比のリッチ化も抑えられるようになり、これにより気筒から排出される未燃燃料の量を抑えることができるようになる。
(2)燃料増量値αが判定値A以上であるか否かが判定される(図4のS130)。そのため、リッチ化制御を通じた上流側目標空燃比AFfpのリッチ化によって気筒から排出される未燃燃料の増大が許容範囲を超える可能性があるか否かを適切に判定することができる。
(3)燃料増量値αが判定値A以上である場合に(図4のS130:YES)、燃料増量履歴フラグを「1」に設定している(図4のS140)。従って、リッチ化制御を通じた上流側目標空燃比AFfpのリッチ化によって気筒から排出される未燃燃料の増大が許容範囲を超える可能性がある場合には、リッチ化制御による上流側目標空燃比AFfpのリッチ化を適切に禁止することができる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することもできる。
・リーンインバランス率LBRに基づいて燃料増量値αを算出したが、これに代えてリーン気筒の回転変動値ΔTに基づき、同回転変動値ΔTが大きいときほど燃料増量値αは大きい値に設定されるようにしてもよい。
・図4に示したステップS130では、燃料増量値αと判定値Aとを比較した。これに代えて、判定値Aに相当するリーンインバランス率LBRを予め求めておき、ステップS130では、ステップS110で算出されたリーンインバランス率LBRが判定値Aに相当するリーンインバランス率LBR以上であるか否かを判定する。そして、ステップS110で算出されたリーンインバランス率LBRが判定値Aに相当するリーンインバランス率LBR以上である場合にはステップS140の処理を実行する。一方、ステップS110で算出されたリーンインバランス率LBRが判定値Aに相当するリーンインバランス率LBR未満である場合にはステップS150の処理を実行するようにしてもよい。
・先の図5に示した一連の処理手順では、燃料増量履歴フラグが「1」である場合に、つまり気筒別燃料増量制御による燃料噴射量の増量履歴がある場合には、空燃比補正値FHによる上流側目標空燃比AFfpの補正を禁止した。この他、そうした補正の禁止に代えて、気筒別燃料増量制御による燃料噴射量の増量履歴があるときには、同増量履歴がないときに比べて空燃比補正値FHが小さくなるように空燃比補正値FHを設定してもよい。例えば、図5に示した一連の処理手順において、燃料増量履歴フラグが「1」である場合には(S200:YES)、上流側実空燃比AFfの単位変化量に基づいて算出されている現在の空燃比補正値FHが小さくなるように同空燃比補正値FHを変更する。つまり上流側目標空燃比AFfpのリッチ側への補正量が小さくなるように当該空燃比補正値FHを変更する。そして、その変更後の空燃比補正値FHによる上流側目標空燃比AFfpの補正を許可するようにしてもよい。
また、この変形例の場合には、リーンインバランス率LBRが大きいほど、あるいはリーン気筒の回転変動値ΔTが大きいほど、あるいはリーン気筒の燃料増量値αが大きいほど、空燃比補正値FHの値が小さくなるように当該空燃比補正値FHを可変設定してもよい。
こうした変形例でも、気筒別燃料増量制御による燃料噴射量の増量履歴があるときには、同増量履歴がないときに比べてリッチ化制御による上流側目標空燃比AFfpの補正度合は少なくなる。そのため、気筒別燃料増量制御の実行を通じて抑えられていたリーンインバランスが発生するようになったとしても、リッチ化制御による上流側目標空燃比AFfpのリッチ化は抑えられるようになる。従って、この場合でも、気筒内の空燃比のリッチ化も抑えられるようになり、これにより気筒から排出される未燃燃料の量を抑えることができる。
・先の図4のステップS130では、燃料増量値αが判定値A以上であるか否かを判定したが、この判定に代えて、リーン気筒の燃料増量を実行しているか否かを判定する。そして、リーン気筒の燃料増量を実行している場合にはステップS140の処理を行い、リーン気筒の燃料増量を実行していない場合にはステップS150の処理を行うようにしてもよい。なお、リーン気筒の燃料増量を実行しているか否かの判定は、例えば燃料増量値αの値等に基づいて判定することができる。こうした変形例でも、上記(1)に記載の作用効果を得ることができる。
・クランクシャフト15の回転変動を把握するために、上記実施形態では気筒毎に上記回転変動値ΔTを算出するようにしたが、他の態様でそうしたクランクシャフト15の回転変動を算出してもよい。
・上記気筒別燃料増量制御が実行される上記所定期間Pは、冷間始動時における点火時期の遅角補正の実行期間であった。この他、気筒別燃料増量制御を実行することが好ましい他の期間において当該気筒別燃料増量制御を実行してもよい。
・内燃機関11は直列4気筒エンジンであったが、他の気筒数や気筒配列を有するエンジンでもよい。
11…内燃機関、12…気筒、13…ピストン、14…コネクティングロッド、15…クランクシャフト、16…燃焼室、17…燃料噴射弁、18…点火プラグ、19…イグナイタ、20…吸気通路、21…排気通路、30…制御装置、31…クランク角センサ、33…アクセルセンサ、34…エアフロメータ、35…上流側センサ、36…下流側センサ、100…触媒。

Claims (1)

  1. 複数の気筒と、前記気筒毎に設けられて燃料を噴射する燃料噴射弁と、排気通路に設けられた排気浄化用の触媒と、前記触媒よりも上流の実空燃比を検出する空燃比センサとを備える内燃機関に適用されて、前記実空燃比が目標空燃比となるように前記気筒毎に設けられた各燃料噴射弁の燃料噴射量を補正する空燃比制御と、複数の気筒のうちで空燃比のリーンずれが起きている気筒の燃料噴射量を機関出力軸の回転変動値に基づいて増量する処理を予め定められた所定期間の間実行する気筒別燃料増量制御と、前記空燃比センサによって検出される実空燃比の単位時間当たりの変化量に基づいて設定される空燃比補正値にて前記目標空燃比を補正することにより同目標空燃比をリッチ側に補正するリッチ化制御と、を実行する制御装置であって、
    前記気筒別燃料増量制御による燃料噴射量の増量履歴があるときには、同増量履歴がないときに比べて前記リッチ化制御による前記目標空燃比の補正度合を少なくする
    内燃機関の制御装置。
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