ここで、コミュニケーションシート式車両が利用されるシーンでは、コミュニケーションシート式車両の他、歩行者も存在する。コミュニケーションシート式車両は、歩行者より車両後方向に見た車両の前壁の面積が大きい。そのため、コミュニケーションシート式車両の進行方向にいる歩行者は、コミュニケーションシート式車両から圧迫感を感じる場合がある。そこで、このようなコミュニケーションシート式車両は、進行方向にいる歩行者に対して与える圧迫感が少ない外形形状であることが求められている。
また、コミュニケーションシート式車両には、老人が乗車する場合がある。また、コミュニケーションシート式車両には、乗客が車いすで乗り込む場合がある。また、コミュニケーションシート式車両には、荷物を積んだ台車を載せる場合がある。そこで、コミュニケーションシート式車両は、キャビン空間を広く確保して、キャビン空間の快適性を維持することが求められている。
本発明は、キャビン空間の快適性を維持しつつ、進行方向にいる歩行者に対する圧迫感を抑えることができるコミュニケーションシート式車両を提供することを目的とする。
本願発明者らは、外形形状が箱型の車両について検討した。箱型の車両は車両の容積が比較的小さい割に、車体の進行方向の前壁がほぼ鉛直に設けられている。つまり、箱型の車両は、車両後方向に見た車両の前壁の面積が大きい。そのため、外形形状が箱型の車両の進行方向にいる歩行者は、車両から圧迫感を感じる場合があることに本願発明者らは気付いた。
本願発明者らは、検討を重ねた結果、進行方向にいる歩行者の視線の高さの車両の車両前後方向(進行方向)の長さがこの圧迫感と関係していることに気付いた。そこで、本願発明者らは、進行方向である車両前後方向の前方向にいる歩行者の視線の高さにある車両の前壁の形状について検討した。そして、本願発明者らは、前壁の車両上部にある前壁上部および車両中間部にある前壁中間部を、前壁の車両下部にある前壁車両下部より車両前後方向の後方向に配置した。これにより、進行方向にいる歩行者の視線の高さにある車両上部及び車両中間部の車両前後方向の長さが車両下部の前後方向の長さよりも短くなる。そのため、コミュニケーションシート式車両が進行方向にいる歩行者に与える圧迫感を低減できることがわかった。
ここで、前壁の前壁上部および前壁中間部を前壁下部より後方向に配置すると、キャビン空間の車両上部にあるキャビン空間上部および車両中間部にあるキャビン空間中間部も小さくなる。キャビン空間上部およびキャビン空間中間部が小さくなると、通常は、キャビン空間の快適性が低下すると考えられる。そこで、本願発明者らは、キャビン空間の快適性について詳細に検討した。
コミュニケーション式シート車両では、車両内部の乗客同士が顔を見ながら会話できるような位置に乗客を着座可能にコミュニケーションシートが配置される。コミュニケーションシート式車両では、乗客同士が顔を見ながら会話できるような位置に着座する。コミュニケーションシート式車両の場合、キャビン空間の快適性には、コミュニケーションシートに着座した乗客の視線の高さにあるキャビン空間上部の寄与度が高いことに気付いた。キャビン空間上部およびキャビン空間中間部が小さくなったとしても、キャビン空間上部がキャビン空間中間部より大きければ、キャビン空間の快適性を維持できる。つまり、車両前後方向において、前壁上部および前壁中間部を前壁下部より後方向に配置したとしても、キャビン空間上部がキャビン空間中間部より大きければ、コミュニケーションシートに着座した乗客の視線の高さに位置するキャビン空間上部が広い。そのため、キャビン空間の快適性を維持できる。
さらに、車両前後方向において、車両の前壁中間部を前壁上部より後方向に配置し、前壁車両上部より低い位置に上方向を向く車両前後方向長さの大きい前上向き面を形成することで、進行方向にいる歩行者が車両の前壁に形成された前上向き面を見下ろすようになる。つまり、進行方向にいる歩行者の視線の高さにある車両の前壁がより後方向に位置している印象を進行方向にいる歩行者に与えることができることがわかった。これにより、コミュニケーションシート式車両が進行方向にいる歩行者に与える圧迫感をより低減できることがわかった。
以上から、車両前後方向において、コミュニケーションシート式車両の前壁上部および前壁中間部を前壁下部より後方向に配置することで、コミュニケーションシート式車両が進行方向にいる歩行者に与える圧迫感を低減することができる。また、車両前後方向において、コミュニケーションシート式車両の前壁中間部を前壁上部より後方向に配置し、前壁上部より低い位置に上方向を向く前後方向長さの大きい前上向き面を形成することで、コミュニケーションシート式車両が進行方向にいる歩行者に与える圧迫感をより低減することができる。そして、車両前後方向において、コミュニケーションシート式車両のキャビン空間上部を、キャビン空間中間部より前方向に配置することで、乗客に対するキャビン空間の快適性を維持できる。
(1)本発明のコミュニケーションシート式車両は、車両前部に設けられ、乗員を収容するキャビン空間を車両内部に配置する前壁と、前記車両内部に配置され、着座した複数の乗客が同じ方向にしか向かない状態で固定されたシートアセンブリを含まず、着座した複数の乗客同士が姿勢を変化させることなく顔を見ながら会話できるような位置に乗客を着座可能に構成されたコミュニケーションシートと、2つの前輪および前記2つの前輪より車両前後方向の後方向にある2つの後輪を含む4つの車輪と、を備え、車両前後方向の前方向を進行方向として走行可能なコミュニケーションシート式車両であって、前記前壁は、車両前後方向において、車両上部にある前壁上部の前端および車両下部にある前壁下部の前端が、車両中間部にある前壁中間部の後端より前方向に位置し、車両前後方向において、前記前壁下部の前端と同じか前記前壁下部の前端より後方向であって、前記2つの前輪の前端と同じか前記2つの前輪の前端より前方向にその前端が位置し、かつ、前記前壁上部の前端と同じか前記前壁上部の前端より後方向であって、前記前壁中間部の後端と同じか前記前壁中間部の後端より前方向にその後端が位置し、前記前壁上部より下方向に配置された前上向き面を有し、前記キャビン空間は、車両前後方向において、車両上部にあるキャビン空間上部の前端が、車両中間部にあるキャビン空間中間部の前端より前方向に位置するように構成されることを特徴とする。
この構成によると、コミュニケーションシート式車両は、前壁と、コミュニケーションシートと、4つの車輪と、を備える。前壁は、車両前部に設けられる。前壁は、車両内部を形成する。キャビン空間は、車両内部に設けられる。キャビン空間は、乗客を収容する。コミュニケーションシートは、乗客同士が顔を見ながら会話できるような位置に乗客を着座可能に構成される。コミュニケーションシートは、複数の乗客がシートに着座可能に構成されたシートである。コミュニケーションシートは、一人の乗客が着座してもよいし、複数の乗客が着座してもよい。コミュニケーションシートは、着座した複数の乗客が向かい合う状態と、着座した複数の乗客が同じ方向に向く状態とに変化できるシートであってもよい。但し、コミュニケーションシートには、着座した複数の乗客が同じ方向にしか向かない状態で固定されたシートは含まれない。コミュニケーションシートは、車両内部に配置される。コミュニケーションシートは、キャビン空間を形成してもよい。コミュニケーションシートは、キャビン空間内に配置されてもよい。4つの車輪は、2つの前輪と2つの後輪を含む。2つの後輪は、2つの前輪より車両前後方向の後方向にある。コミュニケーションシート式車両は、車両前後方向の前方向を進行方向として走行可能である。進行方向は、通常使用時に車輪の回転によりコミュニケーションシート式車両が進む方向であり、一時的にコミュニケーションシート式車両が進む方向は含まない。コミュニケーションシート式車両がスイッチバック可能車両(Bi-directional vehicle)の場合は、進行方向は、車両前後方向の後方向に変更可能である。
前壁は、車両前後方向において、前壁上部の前端および前壁下部の前端が、前壁中間部の後端より前方向に位置する。前壁上部は、車両上部にある前壁の一部分である。前壁中間部は、車両中間部にある前壁の一部分である。前壁下部は、車両下部にある前壁の一部分である。前壁は、前壁上部、前壁中間部および前壁下部からなる。ここで、コミュニケーションシート式車両の前壁とは、車両前後方向において、コミュニケーションシート式車両の前端部にある外壁を意味する。外壁とは、車両内部と車両外部とを仕切る部材である車体カバー、窓、ドア等が含まれる。これにより、コミュニケーションシート式車両の進行方向にいる歩行者の視線の高さの車両の車両前後方向の長さが短くなる。そのため、コミュニケーションシート式車両が進行方向にいる歩行者に与える圧迫感を低減できる。
また、車両前後方向において、前壁車両上部が前壁車両中間部より前方向に位置しているが、キャビン空間の車両上部にあるキャビン空間上部の前端が、キャビン空間の車両中間部にあるキャビン空間中間部の前端より前方向に位置している。つまり、車両前部において、キャビン空間上部がキャビン空間中間部より大きく、コミュニケーションシートに着座した乗客の視線の高さに位置するキャビン空間上部が広くなる。そのため、キャビン空間の快適性を維持できる。
さらに、車両の前壁は前上向き面を有する。この前上向き面の前端は、前壁下部の前端と同じか前壁下部の前端より後方向であって、2つの前輪の前端と同じか2つの前輪の前端より前方向に位置する。また、この前上向き面の後端は、前壁上部の前端と同じか前壁上部の前端より後方向であって、前壁中間部の後端と同じか前壁中間部の後端より前方向に位置する。また、この前上向き面は、前壁上部より下方向に配置される。したがって、この前上向き面は、車両の前壁上部より低い位置に配置され、車両前後方向の長さが長い。つまり、車両前後方向において、前壁中間部が前壁上部より後方向に配置され、前壁の車両上部より低い位置に上方向を向く車両前後方向の長さの長い前上向き面が形成される。これにより、進行方向にいる歩行者が車両の前壁に形成された前上向き面を見下ろすようになる。つまり、進行方向にいる歩行者の視線の高さにある前壁がより後方向に位置している印象をコミュニケーションシート式車両の進行方向にいる歩行者に与えることができる。そのため、コミュニケーションシート式車両が進行方向にいる歩行者に与える圧迫感をより低減できる。
以上から、本発明のコミュニケーションシート式車両は、キャビン空間の快適性を維持しつつ、歩行者に対する圧迫感を抑えることができる。
(2)本発明の1つの観点によると、本発明のコミュニケーションシート式車両は、上記(1)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記前壁は、車両前後方向において、前記前壁上部の前端が、前記前壁下部の前端より後方向に位置することが好ましい。
この構成によると、車両上下方向に見て、前上向き面の少なくとも一部が前壁上部と重ならない。そのため、前上向き面より上方向の空間がより開放され、車両の前壁上部が前壁下部に対して、より後方向に位置している印象を進行方向にいる歩行者に与えることができる。これにより、コミュニケーションシート式車両が進行方向にいる歩行者に与える圧迫感をさらに低減できる。
以上から、本発明のコミュニケーションシート式車両は、キャビン空間の快適性を維持しつつ、歩行者に対する圧迫感を抑えることができる。
(3)本発明の1つの観点によると、本発明のコミュニケーションシート式車両は、上記(1)または(2)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記コミュニケーションシートは、着座したときの乗客が車両前方向を向く後シートアセンブリ、着座したときの乗客が車両後方向を向く前シートアセンブリ、着座したときの乗客が車両左方向を向く右シートアセンブリ、および着座したときの乗客が車両右方向を向く左シートアセンブリの少なくともいずれかの2つ以上のシートを含むことが好ましい。
この構成によると、コミュニケーションシートに、着座した複数の乗客が同じ方向にしか向かない状態で固定されたシートアセンブリは含まれない。つまり、コミュニケーションシートは、乗客同士が顔を見ながら会話できるような位置に乗客を着座可能に構成される。
(4)本発明の1つの観点によると、本発明のコミュニケーションシート式車両は、上記(1)〜(3)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記コミュニケーションシートは、6人以下の乗客が着座可能に構成されることが好ましい。
この構成によると、キャビン空間の快適性を維持しつつ、コミュニケーションシート式車両に乗車した乗客が、乗客同士が顔を見ながら会話できるようにコミュニケーションシートに着座することができる。
(5)本発明の1つの観点によると、本発明のコミュニケーションシート式車両は、上記(1)〜(4)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記進行方向は、車両前後方向の後方向に変更可能であることが好ましい。
この構成によると、コミュニケーションシート式車両は、進行方向を車両前後方向の後方向に変更可能である。つまり、コミュニケーションシート式車両が、車輪の逆回転により、進行方向を変更可能であるスイッチバック可能車両であってもよい。
(6)本発明の1つの観点によると、本発明のコミュニケーションシート式車両は、上記(1)〜(5)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記キャビン空間を形成する車両後部に設けられた後壁を更に有し、前記後壁は、車両前後方向において、車両上部にある後壁上部の後端および車両下部にある後壁下部の後端が、車両中間部にある後壁中間部の前端より後方向に位置し、車両前後方向において、前記後壁下部の後端と同じか前記後壁下部の後端より前方向であって、前記2つの後輪の後端と同じか前記2つの後輪の後端より後方向にその後端が位置し、かつ、前記後壁上部の後端と同じか前記後壁上部の後端より前方向であって、前記後壁中間部の前端と同じか前記後壁中間部の前端より後方向にその前端が位置し、前記後壁上部より下方向に配置された後上向き面を有し、前記キャビン空間は、車両前後方向において、前記キャビン空間上部の後端が、前記キャビン空間中間部の後端より後方向に位置するように構成されることが好ましい。
この構成によると、コミュニケーションシート式車両は、後壁を有する。
コミュニケーションシート式車両の後壁は、車両前後方向において、車両上部にある後壁上部の後端および車両下部にある後壁下部の後端が、車両中間部にある後壁中間部の前端より後方向に位置する。後壁上部は、車両上部にある後壁の一部分である。後壁中間部は、車両中間部にある後壁の一部分である。後壁下部は、車両下部にある後壁の一部分である。後壁は、後壁上部、後壁中間部および後壁下部からなる。ここで、コミュニケーションシート式車両の後壁とは、車両前後方向において、コミュニケーションシート式車両の後端部にある外壁を意味する。これにより、車両前後方向の後方向にいる歩行者の視線の高さの車両の車両前後方向の長さが短くなる。そのため、コミュニケーションシート式車両が車両前後方向の後方向にいる歩行者に与える圧迫感を低減できる。
また、車両前後方向において、後壁上部が後壁中間部より後方向に位置しているが、キャビン空間上部の後端が、キャビン空間中間部の後端より後方向に位置している。つまり、キャビン空間上部がキャビン空間の車両中間部より大きく、コミュニケーションシートに着座した乗客の視線の高さに位置するキャビン空間上部が広い。そのため、コミュニケーションシートに着座した乗客の視線の高さのキャビン空間の車両前後方向の大きさを維持して、キャビン空間の快適性を維持できる。
さらに、車両の後壁は後上向き面を有する。この後上向き面の後端は、後壁下部の後端と同じか後壁下部の後端より前方向であって、2つの後輪の後端と同じか2つの後輪の後端より後方向に位置する。また、この後上向き面の前端は、後壁上部の後端と同じか後壁上部の後端より前方向であって、後壁中間部の前端と同じか後壁中間部の前端より後方向に位置する。また、この後上向き面は、後壁上部より下方向に配置される。したがって、この後上向き面は、後壁上部より低い位置に配置され、車両前後方向の長さが長い。つまり、車両前後方向において、後壁中間部が後壁上部より前方向に配置され、後壁上部より低い位置に上方向を向く車両前後方向の長さの長い後上向き面が形成される。これにより、車両前後方向の後方向にいる歩行者が車両の後壁に形成された後上向き面を見下ろすようになる。つまり、車両前後方向の後方向にいる歩行者の視線の高さにある後壁がより前方向に位置している印象を車両前後方向の後方向にいる歩行者に与えることができる。そのため、コミュニケーションシート式車両が車両前後方向の後方向にいる歩行者に与える圧迫感をより低減できる。
なお、例えば、前壁および後壁が、車両前後方向の前壁と後壁との間を通り車両前後方向に垂直な平面に対して面対称な形状であってよい。また、例えば、コミュニケーションシート式車両は、車両前後方向の後方向に見た前壁と車両前後方向の前方向に見た後壁が同じ形状である。
これにより、進行方向が車両前後方向の後方向に変更された場合であっても、コミュニケーションシート式車両が進行方向にいる歩行者に与える圧迫感を低減できる。
(7)本発明の1つの観点によると、本発明のコミュニケーションシート式車両は、上記(6)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記後壁は、車両前後方向において、前記後壁上部の後端が、前記後壁下部の後端より前方向に位置することが好ましい。
この構成によると、車両上下方向に見て、後上向き面の少なくとも一部が後壁上部と重ならない。そのため、後上向き面より上方向の空間がより開放され、車両の後壁上部が後壁下部に対して、より前方向に位置している印象を車両前後方向の後方向にいる歩行者に与えることができる。これにより、コミュニケーションシート式車両が車両前後方向の後方向にいる歩行者に与える圧迫感をさらに低減できる。
以上から、本発明のコミュニケーションシート式車両は、キャビン空間の快適性を維持しつつ、歩行者に対する圧迫感を抑えることができる。
(8)本発明の1つの観点によると、本発明のコミュニケーションシート式車両は、上記(1)〜(7)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記コミュニケーションシートは、乗客が着座するシート部を含み、前記コミュニケーションシート式車両は、車両内部に、前記シート部を構成可能に形成されたシートをさらに有することが好ましい。
この構成によると、コミュニケーションシートは、乗客が着座するためのシート部を含む。シートは、車両内部に、シート部を構成可能に形成される。シートは、例えば、乗客が着座可能な着座状態で固定されてシート部が構成される。また、シートは、例えば、乗客が着座可能な着座状態と、乗客が着座できない収納状態(非着座状態)との間で揺動可能に形成される。具体的には、例えば、シートは、バックレストや車両内部の壁面に対して、揺動可能に形成される。そして、シートの収納状態では、シートおよびバックレストや車両内部の壁面が向かい合うように配置される。また、シートは、例えば、着座状態または収納状態からシートを取り外した取り外し状態へ着脱可能に形成される。シートの収納状態または取り外し状態では、シートは車両内部にシート部を構成しない。乗客がキャビン空間に乗り降りする際に、シートが収納状態または取り外し状態であれば、キャビン空間が広くなり、乗り降りのしやすさが向上する。また、荷物をキャビン空間に乗せる際に、シートが収納状態または取り外し状態であれば、キャビン空間が広くなり、多くの荷物を載せることができる。そして、キャビン空間の快適性をより確実に維持することができる。なお、シートの着座状態では、車両上下方向に見たシートの面積が最大になる。また、シートの収納状態では、シートの着座状態と比較して、車両上下方向に見たシートの面積が小さくなる。また、シートの取り外し状態では、車両上下方向に見たシートの面積が最小の0になる。つまり、シートは、車両上下方向に見たシートの面積が変更できるように構成される。
(9)本発明の1つの観点によると、本発明のコミュニケーションシート式車両は、上記(1)〜(8)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記コミュニケーションシートは、乗客が姿勢を保つためのバックレスト部を含み、前記コミュニケーションシート式車両は、車両内部に前記バックレスト部を構成可能に形成されたバックレストをさらに有することが好ましい。
この構成によると、コミュニケーションシートは、乗客が姿勢を保つためのバックレスト部を含む。バックレストは、車両内部に、バックレスト部を構成可能に形成される。バックレストは、例えば、乗客が姿勢を保つことができる姿勢保持状態で固定されてバックレスト部が構成される。バックレストの姿勢保持状態では、乗客は、バックレスト部にもたれかかることができる。バックレストの収納状態(非姿勢保持状態)では、乗客は、バックレスト部にもたれかかることができない。また、バックレストは、例えば、バックレスト部が構成される取り付け状態と、バックレスト部が構成されない収納状態との間で揺動可能に形成される。具体的には、例えば、バックレストは、シートに対して、揺動可能に形成される。そして、バックレストの収納状態では、バックレストが揺動されて、バックレストとシートとが向かい合うように配置される。また、バックレストは、例えば、バックレスト部が構成された取り付け状態からバックレスト部が構成されない取り外し状態へ着脱可能に形成される。バックレストがバックレスト部を構成していると、乗客がコミュニケーションシートに着座した際に、乗客がバックレストに姿勢を保つことにより乗客の背中が支えられ、乗客が快適さを感じることができる。そして、キャビン空間の快適性をより確実に維持することができる。
(10)本発明の1つの観点によると、本発明のコミュニケーションシート式車両は、上記(1)〜(9)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記コミュニケーションシート式車両は、少なくとも一部が前記コミュニケーションシートの前端より前方向に配置された前格納スペースを構成する前荷物デッキ、または、少なくとも一部が前記コミュニケーションシートの後端より後方向に配置された後格納スペースを構成する後荷物デッキの少なくともいずれかを車両内部にさらに備えることが好ましい。
この構成によると、コミュニケーションシート式車両は、前格納スペースを構成する前荷物デッキまたは後格納スペースを構成する後荷物デッキの少なくともいずれかをさらに備える。前格納スペースは、車両内部であって、少なくとも一部がコミュニケーションシートの前端より前方向に配置される。後格納スペースは、車両内部であって、少なくとも一部がコミュニケーションシートの後端より後方向に配置される。前格納スペースおよび後格納スペースに荷物などを格納することにより、キャビン空間を広く使うことができる。つまり、キャビン空間以外の空間を利用して、キャビン空間の快適性をより確実に維持することができる。
(11)本発明の1つの観点によると、本発明のコミュニケーションシート式車両は、上記(9)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記コミュニケーションシート式車両は、少なくとも一部が前記コミュニケーションシートの前端より前方向に配置された前格納スペースを構成する前荷物デッキ、または、少なくとも一部が前記コミュニケーションシートの後端より後方向に配置された後格納スペースを構成する後荷物デッキの少なくともいずれかを車両内部にさらに備え、前記バックレストは、前記前格納スペースまたは前記後格納スペースの前記少なくともいずれかを開閉可能に構成されることが好ましい。
この構成によると、コミュニケーションシート式車両は、前格納スペースを構成する前荷物デッキまたは後格納スペースを構成する後荷物デッキの少なくともいずれかをさらに備える。前格納スペースは、車両内部であって、少なくとも一部がコミュニケーションシートの前端より前方向に配置される。後格納スペースは、車両内部であって、少なくとも一部がコミュニケーションシートの後端より後方向に配置される。バックレストは、車両前後方向に見た面積が変更可能に構成される。また、バックレストは、例えば、姿勢保持状態と、乗客が姿勢を保持できない収納状態との間で車両前後方向に見た面積が変更可能に形成される。ここで、バックレストの姿勢保持状態では、車両前後方向に見たバックレストの面積が最大になる。バックレストの収納状態では、バックレストの姿勢保持状態と比較して、車両前後方向に見たバックレストの面積が小さくなる。具体的には、例えば、バックレストは、シートに対して、揺動可能に形成される。そして、バックレストの収納状態では、バックレストが揺動されて、バックレストおよびシートが向かい合うように配置される。また、バックレストは、例えば、姿勢保持状態または収納状態からバックレストを取り外した取り外し状態へ着脱可能に形成される。ここで、バックレストの取り外し状態では、車両前後方向に見たバックレストの面積が最小の0になる。コミュニケーションシート式車両が前格納スペースを有する場合、バックレストは、前格納スペースが閉じている閉状態と、前格納スペースが開いている開状態との間で変更可能に形成される。具体的には、バックレストは、シートに対して、揺動可能に形成されて収納状態になる。または、バックレストは、前格納スペースが閉じている閉状態となるバックレストの姿勢保持状態から前格納スペースが開いている開状態となるバックレストの取り外し状態へ着脱可能に形成される。前格納スペースの開状態では、バックレストが収納状態または取り外し状態である。また、前格納スペースの閉状態では、バックレストが姿勢保持状態である。前格納スペースの開状態において、乗客が前格納スペースを利用することができる。前格納スペースに乗客の荷物などを格納することにより、キャビン空間を広く使うことができる。
コミュニケーションシート式車両が後格納スペースを有する場合、バックレストは、後格納スペースが閉じている閉状態と、後格納スペースが開いている開状態との間で変更可能に形成される。具体的には、バックレストは、シートに対して、揺動可能に形成されて収納状態になる。または、バックレストは、後格納スペースが閉じている閉状態となるバックレストの姿勢保持状態から後格納スペースが開いている開状態となるバックレストの取り外し状態へ着脱可能に形成される。後格納スペースの開状態では、バックレストが収納状態または取り外し状態である。また、後格納スペースの閉状態では、バックレストが姿勢保持状態である。後格納スペースの開状態において、乗員が後格納スペースを利用することができる。後格納スペースに乗員の荷物などを格納することにより、キャビン空間を広く使うことができる。
このように、キャビン空間以外の空間を利用して、キャビン空間の快適性をより確実に維持することができる。
(12)本発明の1つの観点によると、本発明のコミュニケーションシート式車両は、上記(1)〜(11)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記コミュニケーションシート式車両は、前記コミュニケーションシートに着座した乗客が前記キャビン空間から車両外部の外部空間を視認可能に構成された少なくとも一つの窓をさらに備えることが好ましい。
この構成によると、コミュニケーションシート式車両は、窓を有する。窓はコミュニケーションシートに着座した乗客がキャビン空間から車両外部の外部空間を視認可能に構成される。そのため、乗客が開放感を感じる。乗客が開放感を感じることにより、キャビン空間の快適性をより確実に維持することができる。
本発明の1つの観点によると、本発明のコミュニケーションシート式車両は、上記(12)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記コミュニケーションシート式車両は、前記窓の上方向または前記窓の上縁であって車両外面に設けられたバイザーをさらに備えることが好ましい。
この構成によると、コミュニケーションシート式車両は、バイザーを備える。バイザーは、窓の上方向または窓の上縁であって車両外面に設けられる。バイザーが窓への雨や日差しなどの侵入を抑えるため、キャビン空間の快適性をより確実に維持することができる。なお、車両外面とは、車両を形成する面のうちの、車両外部の外部空間にさらされる面である。
(13)本発明の1つの観点によると、本発明のコミュニケーションシート式車両は、上記(1)〜(12)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記コミュニケーションシート式車両は、前記キャビン空間に乗客を乗降可能に構成された乗降口を、車両左部、車両右部、車両前部、または車両後部の少なくともいずれかにさらに備えることが好ましい。
この構成によると、乗降口が車両左部、車両右部、車両前部、または車両後部の少なくともいずれか1カ所に構成される。つまり、乗客がキャビン空間に乗り降りしやすい場所に、乗降口を構成することができる。乗客が乗り降りをスムーズに行うことにより、キャビン空間の快適性をより確実に維持することができる。
(14)本発明の1つの観点によると、本発明のコミュニケーションシート式車両は、上記(13)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記コミュニケーションシート式車両は、前記乗降口を開閉可能に構成されたドアをさらに備えることが好ましい。
この構成によると、ドアにより乗降口が開閉される。乗客が乗り降りしない場合に、ドアを閉状態にすることができる。ドアを閉状態にすることにより、乗客の足元が開放されず、キャビン空間の快適性を維持することができる。
本発明の1つの観点によると、本発明のコミュニケーションシート式車両は、上記(14)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記ドアは、車両外面に沿ってスライド可能に構成されたスライドドアであることが好ましい。
この構成によると、ドアは、スライドドアであり、車両外面に沿ってスライドする。つまり、キャビン空間内にドアが進入しない。そのため、乗客がキャビン空間を広く使うことができ、キャビン空間の快適性を維持することができる。
(15)本発明の1つの観点によると、本発明のコミュニケーションシート式車両は、上記(1)〜(14)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記コミュニケーションシート式車両は、前記4つの車輪の少なくとも一つに駆動力を付与する駆動源と、前記4つの車輪の少なくとも一つを操舵する操舵機構と、前記駆動源と前記操舵機構を自動的に制御する自動運転制御装置をさらに備えることが好ましい。
この構成によると、コミュニケーションシート式車両は、駆動源と、操舵機構と、自動運転制御装置と、をさらに備える。駆動源は、4つの車輪の少なくとも一つに駆動力を付与する。操舵機構は、4つの車輪の少なくとも一つを操舵する。駆動源と操舵機構は、自動運転制御装置により自動的に制御される。コミュニケーションシート式車両は、自動走行可能である。つまり、ステアリングホイールやペダル等をキャビン空間内に配置しなくてよい。そのため、キャビン空間がより広く確保されるため、キャビン空間の快適性を維持することができる。
<コミュニケーションシートの定義>
本発明において、コミュニケーションシートは、乗客同士が顔を見ながら会話できるような位置に乗客を着座可能に構成される。コミュニケーションシートは、複数の乗客が着座可能に構成される。コミュニケーションシートは、例えば、乗客が対面可能に配置された2列のシートアセンブリを含む。コミュニケーションシートは、例えば、L字状に配置されたシートアセンブリを含む。コミュニケーションシートは、例えば、コの字状(C字状)に配置されたシートアセンブリを含む。コミュニケーションシートは、例えば、四角状に配置されたシートアセンブリを含む。コミュニケーションシートは、一人の乗客が着座してもよいし、複数の乗客が着座してもよい。コミュニケーションシートは、着座した乗客同士が顔を見ながら会話してもよいし、しなくてもよい。コミュニケーションシートは、着座した複数の乗客が向かい合う状態と、着座した複数の乗客が同じ方向に向く状態とに変化できるシートアセンブリを含んでもよい。但し、コミュニケーションシートには、着座した複数の乗客が同じ方向にしか向かない状態で固定されたシートアセンブリは含まれない。なお、コミュニケーションシートは、着座した乗客同士が顔を見ながら会話できるように、着座可能な乗客の最大数が6人以下であることが好ましい。ここでいう着座可能な乗客の最大数に含まれる乗客は、平均的な身長の大人である。また、コミュニケーションシート式車両は、個人所有の車両でもよいし、公共で利用される車両でもよい。
<進行方向の定義>
本発明において、コミュニケーションシート式車両の進行方向とは、基本的に、車両前後方向の前方向である。コミュニケーションシート式車両の進行方向とは、通常使用時に車輪の回転によりコミュニケーションシート式車両が進む方向であり、一時的な車輪の逆回転によりコミュニケーションシート式車両が進む方向は含まない。コミュニケーションシート式車両がスイッチバック可能車両(Bi-directional vehicle)の場合は、コミュニケーションシート式車両の進行方向は、通常使用時の車輪の回転の方向を逆回転の方向変更することにより車両前後方向の後方向に変更可能である。なお、コミュニケーションシート式車両は、公道または私道を走行してもよいし、道路ではない走行路を走行してもよい。
<コミュニケーションシート式車両の前壁および後壁の定義>
本発明において、コミュニケーションシート式車両の前壁は、車両前後方向において、コミュニケーションシート式車両の前端部にある外壁の前面である。つまり、コミュニケーションシート式車両の前壁は、車両前後方向の厚みを含まない。コミュニケーションシート式車両の前壁の前上向き面は、前壁の車両下部の前端と同じか前壁の車両下部の前端より後方向であって、前輪の前端と同じか前輪の前端より前方向にその前端が位置し、かつ、前壁の車両上部の前端と同じか車両上部の前端より後方向であって、前壁の車両中間部の後端と同じか車両中間部の後端より前方向にその後端が位置する外壁面である。そして、前上向き面は、車両前後方向に沿って形成されて、前上向き面より上方向に開放された空間を有する外壁面である。本発明において、コミュニケーションシート式車両の後壁は、車両前後方向において、コミュニケーションシート式車両の後端部にある外壁の前面である。つまり、コミュニケーションシート式車両の後壁は、車両前後方向の厚みを含まない。コミュニケーションシート式車両の後壁の後上向き面は、後壁の下部の後端と同じか後壁の下部の後端より前方向であって、後輪の後端と同じか後輪の後端より後方向にその後端が位置し、かつ、後壁の上部の後端と同じか上部の後端より前方向であって、後壁の中間部の前端と同じか中間部の前端より後方向にその前端が位置する外壁面である。そして、後上向き面は、車両前後方向に沿って形成されて、後上向き面より上方向に開放された空間を有する外壁面である。
本発明において、車両前後方向の後方向に見たコミュニケーションシート式車両の前壁と車両前後方向の前方向に見たコミュニケーションシート式車両の後壁が同じ形状とは、車両前後方向の後方向に見たコミュニケーションシート式車両の前壁の外形形状と車両前後方向の前方向に見たコミュニケーションシート式車両の後壁の外形形状が同じかほぼ同じであること意味する。本発明において、コミュニケーションシート式車両の前壁および後壁が、車両前後方向の前壁と後壁との間を通り車両前後方向に垂直な平面に対して面対称な形状であるとは、コミュニケーションシート式車両の前壁および後壁の外形形状が、車両前後方向の前壁と後壁との間を通り車両前後方向に垂直な平面に対して面対称かほぼ面対称である形状を意味する。
<コミュニケーションシート式車両の車両上部、車両中間部、車両下部の定義>
本発明において、コミュニケーションシート式車両の車両上部は、コミュニケーションシート式車両を車両上下方向に3等分した場合の最も上の部分である。コミュニケーションシート式車両の車両中間部は、コミュニケーションシート式車両を車両上下方向に3等分した場合の真ん中の部分である。コミュニケーションシート式車両の車両下部は、コミュニケーションシート式車両を車両上下方向に3等分した場合の最も下の部分である。
<キャビン空間の定義>
本発明において、キャビン空間は、乗客を収容する空間であって、車両内部にある。キャビン空間は、車体カバー、車両内部のコミュニケーションシート、窓、ドア等で形成される。車体カバーは、例えば、車両外部の外壁および車両内部の内壁に含まれる。なお、コミュニケーションシート式車両が窓を含む場合、窓にガラス等がはめ込まれているか否かに関わらず、窓を形成する面より車両内部をキャビン空間とし、窓を形成する面より車両外部を外部空間とする。また、コミュニケーションシート式車両がドアを有するか否かに関わらず、乗降口を形成する面より車両内部をキャビン空間とし、乗降口を形成する面より車両外部を外部空間とする。なお、キャビン空間は、平均的な身長の大人の乗客が直立状態で立つことができない高さであり、且つ、平均的な身長の大人の乗客がコミュニケーションシートに着座可能な状態な高さであることが好ましい。コミュニケーションシート式車両の容積を小さくしつつ、キャビン空間を広く確保することができる。
<コミュニケーションシート式車両の車両前部、車両後部、車両左部、車両右部の定義>
本発明において、コミュニケーションシート式車両の車両前部とは、車両前後方向において車両を2等分した際の前の部分である。コミュニケーションシート式車両の車両後部とは、車両前後方向において車両を2等分した際の後の部分である。コミュニケーションシート式車両の車両左部とは、車両左右方向において車両を2等分した際の左の部分である。コミュニケーションシート式車両の車両右部とは、車両左右方向において車両を2等分した際の右の部分である。
<車輪の定義>
本発明において、車輪とは、タイヤと、タイヤを保持するホイール本体とを含む。前輪は、車両前後方向において、車両の前部に配置された車輪である。後輪は、車両前後方向において、車両の後部に配置された車輪である。
<ドアの定義>
本発明において、ドアとは、乗降口を開閉するために動く部材であって、車両に取り付けられたレール等のドアの付属部品を含まない。また、本発明において、ドアは、スライドドア、ヒンジドア、スイングドア、グライドドア等を含む。本発明において、スライドドアは、車両外面に沿ってスライド可能なドアである。
<駆動源の定義>
本発明において、駆動源は、4つの車輪の少なくとも2つに駆動力を付与する。駆動源は、モータやエンジン等である。
<操舵機構の定義>
本発明において、操舵機構は、4つの車輪の少なくとも2つを操舵する機構である。操舵機構は、例えば、ステアリングホイールの回転により、4つの車輪の少なくとも2つを操舵する機構である。操舵機構は、例えば、自動運転制御装置により、4つの車輪の少なくとも2つを操舵する機構である。操舵機構は、2つの前輪を操舵してもよいし、2つの後輪を操舵する機構であってもよい。また、操舵機構は、2つの前輪と2つの後輪をそれぞれ操舵する機構であってもよい。
<その他の用語の定義>
本発明において、ある部品の端部とは、部品の端とその近傍部とを合わせた部分を意味する。
本明細書において、特に限定しない限り、直線Aの直線Bに対する傾斜角度とは、直線Aと直線Bのなす角度のうち、小さい方の角度である。この定義は、「直線」に限らず「方向」にも適用される。
本明細書において、特に限定しない限り、直線Aの直線Bのなす角度とは、直線Aと直線Bのなす角度のうち、小さい方の角度である。この定義は、「直線」に限らず「方向」にも適用される。
本発明および本明細書において、A方向に沿った直線とは、A方向と平行な直線に限らない。A方向に沿った直線とは、特に限定しない限り、A方向を示す直線に対して−45°以上+45°以下の範囲内で傾斜している直線を含む。同様の定義が、「沿った」を用いた他の表現にも適用される。「沿った」を用いた他の表現とは、例えば、「A方向に沿った方向」や、「複数のBがA方向に沿って配列される」や、「1つのBがA方向に沿っている」等である。なお、A方向は、特定の方向を指すものではない。A方向を、水平方向や前後方向に置き換えることができる。
本発明および本明細書において、AとBがX方向に並ぶとは、以下の状態を指す。X方向と直交するいずれの方向にAとBを見た場合であっても、X方向を示す任意の直線または曲線がAとBの両方を通る。また、A全体がBとX方向に並ぶとは、A全体がBとX方向に向かい合っていることを指す。つまり、X方向に見て、A全体がBと重なる状態を指す。全体を一部に言い換えてもよい。
本発明および本明細書において、Y方向に見てAとBがX方向に並ぶとは、以下の状態を指す。Y方向にAとBを見たときに、X方向を示す任意の直線または曲線がAとBの両方を通る。Y方向とは異なるW方向にAとBを見たとき、AとBがX方向に並んでいなくてもよい。Y方向に見て、A全体がBとX方向に並ぶとは、Y方向に見て、A全体がBとX方向に向かい合っているように見えることをいう。全体を一部に言い換えてもよい。
なお、上述の2つの定義において、AとBは、接触していてもよい。また、AとBは、離れていてもよい。AとBの間に、Cが存在していてもよい。
本発明および本明細書において、AがBより前方向にあるとは、特に限定しない限り、以下の状態を指す。Aが、Bの最前端を通り前後方向に直交する平面の前方向にある。AとBは、前後方向に並んでいてもよく、並んでいなくてもよい。Bが前後方向に直交する平面または直線の場合、Bの最前端を通る平面とは、Bを通る平面のことである。Bが前後方向の長さが無限の直線または平面である場合、Bの最前端は特定されない。前後方向の長さが無限の直線または平面とは、前後方向に平行な直線または平面に限らない。
なお、Bについて同じ条件の元、AがBより後方向にあるという表現にも、同様の定義が適用される。また、Bについて同様の条件の元、AがBより上方向または下方向にある、AがBより右方向または左方向にあるという表現にも、同様の定義が適用される。
本発明および本明細書において、Bが前後方向の長さが無限の平面の場合、AがBより前方向にあるとは、以下の状態を指す。Bによって仕切られる2つの空間のうち、前方向の空間内に、Aが存在する。
なお、Bについて同じ条件の元、AがBより後方向にあるという表現にも、同様の定義が適用される。また、Bについて同様の条件の元、AがBより上方向または下方向にある、AがBより右方向または左方向にあるという表現にも、同様の定義が適用される。
本発明および本明細書において、前後方向と異なるX方向に見て、Bが前後方向の長さが無限の直線の場合に、X方向に見て、AがBより前方向にあるとは、以下の状態を指す。X方向に見て、Bによって仕切られる2つの領域のうち、前方の領域に、Aが存在する。BはX方向に見て直線であれば、3次元において平面であってもよい。
なお、Bおよび見る方向について同じ条件の元、AがBより後方向にあるという表現にも、同様の定義が適用される。また、Bおよび見る方向について同様の条件の元、任意の方向に見て、AがBより上方向または下方向にある、AがBより右方向または左方向にあるという表現にも、同様の定義が適用される。
本発明および本明細書において、AがBの前方向にあるとは、特に限定しない限り、以下の状態を指す。Aの後面の少なくとも一部が、Bの前面の少なくとも一部と前後方向に向かい合う。さらに、Bの最前端がAの最前端より後方向で、かつ、Bの最後端がAの最後端より前方向にある。Aの後面とは、Aを後ろから見た時に見える面のことである。Aの後面は、連続した1つの面であってもよく、連続しない複数の面で構成されてもよい。Bの前面の定義も同様である。
なお、AがBの後方向にある、AがBの上方向または下方向にある、AがBの右方向または左方向にあるという表現にも、同様の定義が適用される。
本発明および本明細書において、前後方向と異なる方向であるX方向に見て、AがBの前方向にあるとは、特に限定しない限り、以下の状態を指す。X方向に見て、Aの後端の少なくとも一部が、Bの前端の少なくとも一部と前後方向に向かい合う。さらに、Bの最前端がAの最前端より後方向で、かつ、Bの最後端がAの最後端より前方向にある。X方向とは異なるY方向からAとBを見たとき、Aの後端の少なくとも一部が、Bの前端の少なくとも一部と前後方向に向かい合っていなくてよい。
なお、任意の方向に見て、AがBの後方向にある、AがBの上方向または下方向にある、AがBの右方向または左方向にあるという表現にも、同様の定義が適用される。
本明細書において、Aが、BとCとの間に配置されるとは、特に限定しない限り、以下の状態を指す。任意の直線が、BとAとCをこの順で通る。つまり、BとAとCが、任意の直線の方向にこの順で並んでいる。
本発明において、含む(including)、有する(comprising)、備える(having)およびこれらの派生語は、列挙されたアイテムおよびその等価物に加えて追加的アイテムをも包含することが意図されて用いられている。
本発明において、取り付けられた(mounted)、接続された(connected)、結合された(coupled)、支持された(supported)という用語は、広義に用いられている。具体的には、直接的な取付、接続、結合、支持だけでなく、間接的な取付、接続、結合および支持も含む。さらに、接続された(connected)および結合された(coupled)は、物理的又は機械的な接続/結合に限られない。それらは、直接的なまたは間接的な電気的接続/結合も含む。
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語および科学用語を含む)は、本発明が属する当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
一般的に使用される辞書に定義された用語のような用語は、関連する技術および本開示の文脈における意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、理想化されたまたは過度に形式的な意味で解釈されることはない。
本明細書において、「好ましい」という用語は非排他的なものである。「好ましい」は、「好ましいがこれに限定されるものではない」ということを意味する。本明細書において、「好ましい」と記載された構成は、少なくとも、上記(1)の構成により得られる上記効果を奏する。また、本明細書において、「してもよい」という用語は非排他的なものである。「してもよい」は、「してもよいがこれに限定されるものではない」という意味である。本明細書において、「してもよい」と記載された構成は、少なくとも、上記(1)の構成により得られる上記効果を奏する。
特許請求の範囲において、ある構成要素の数を明確に特定しておらず、英語に翻訳された場合に単数で表示される場合、本発明は、この構成要素を、複数有していてもよい。また本発明は、この構成要素を1つだけ有していてもよい。
本発明では、上述した好ましい構成を互いに組み合わせることを制限しない。本発明の実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、以下の説明に記載されたまたは図面に図示された構成要素の構成および配置の詳細に制限されないことが理解されるべきである。本発明は、後述する実施形態以外の実施形態でも可能である。本発明は、後述する実施形態に様々な変更を加えた実施形態でも可能である。また、本発明は、後述する変形例を適宜組み合わせて実施することができる。
本発明のコミュニケーションシート式車両によると、キャビン空間の快適性を維持しつつ、進行方向にいる歩行者に対する圧迫感を抑えることができる。
以下、本発明の実施形態について図1を参照しつつ説明する。本発明の本実施形態の説明において、前後方向、左右方向、上下方向とは、それぞれ、車両前後方向、車両左右方向、車両上下方向のことである。また、本願の各図中の矢印F、矢印B、矢印U、矢印D、矢印L、矢印Rは、それぞれ、前方向、後方向、上方向、下方向、左方向、右方向を表している。
図1に示すように、コミュニケーションシート式車両1は、前壁10と、コミュニケーションシート20と、4つの車輪3と、を備える。
前壁10は、キャビン空間12を形成する。キャビン空間12は、乗客を収容する車両内部に設けられる。つまり、キャビン空間12は、乗客を収容する車両内部の空間である。前壁12は、車両前部に設けられる。
コミュニケーションシート20は、乗客同士が顔を見ながら会話できるような位置に乗客を着座可能に構成される。例えば、コミュニケーションシート20は、着座した複数の乗客が対面するように配置された2列のシートアセンブリ20f、20bにより構成される。コミュニケーションシート20は、複数の乗客が着座可能に構成される。コミュニケーションシート20は、一人の乗客が着座してもよいし、複数の乗客が着座してもよい。コミュニケーションシート20は、車両内部に配置される。コミュニケーションシート20は、キャビン空間12を形成する。キャビン空間12は、前壁10およびコミュニケーション20よりも車両前後方向の後方向の車両内部に配置される。
4つの車輪3は、2つの前輪3fと2つの後輪3bを含む。2つの後輪3bは、2つの前輪3fより車両前後方向の後方向にある。コミュニケーションシート式車両1は、4つの車輪3が回転することによって走行する。コミュニケーションシート式車両1は、車両前後方向の前方向を進行方向として走行可能である。進行方向は、通常使用時に車輪3の回転によりコミュニケーションシート式車両1が進む方向であり、一時的な車輪3の逆回転によりコミュニケーションシート式車両1が進む方向は含まない。2つの前輪3fは、車両左部にある左前輪と、車両右部にある右前輪とを含む。2つの後輪3bは、車両左部にある左後輪と、車両右部にある右後輪とを含む。
前壁10は、前壁上部10a、前壁中間部10bおよび前壁下部10cからなる。前壁上部10aは、車両上部にある前壁10の一部分である。前壁中間部10bは、車両中間部にある前壁10の一部分である。前壁下部10cは、車両下部にある前壁19の一部分である。前壁10は、車両前後方向において、前壁上部10aの前端10afおよび前壁下部10cの前端10cfが、前壁中間部10bの後端10bbより前方向に位置する。なお、図1では、前壁上部10aの前端10afを通り、車両上下方向に平行な平面を直線L11で示している。前壁下部10cの前端10cfを通り、車両上下方向に平行な平面を直線L12で示している。前壁中間部10bの後端10bbを通り、車両上下方向に平行な平面を直線L14で示している。つまり、車両前後方向において、直線L11および直線L12は、直線L14より前方向に位置する。
ここで、コミュニケーションシート式車両1の前壁上部10aは、コミュニケーションシート式車両1を車両上下方向に3等分した場合の最も上に含まれる前壁10の一部分である。コミュニケーションシート式車両1の前壁中間部10bは、コミュニケーションシート式車両1を車両上下方向に3等分した場合の真ん中に含まれる前壁10の一部分である。コミュニケーションシート式車両1の前壁下部10cは、コミュニケーションシート式車両1を車両上下方向に3等分した場合の最も下に含まれる前壁10の一部分である。なお、図1では、直線L21および直線L22を、コミュニケーションシート式車両1を車両上下方向に3等分する直線として示している。直線L21および直線L22は、車両上下方向に垂直でありかつ車両前後方向に平行な直線である。また、直線L21は、直線L22より車両上下方向の上方向に位置する。コミュニケーションシート式車両1の前壁10は、車両上下方向において、直線L21を通る平面および直線L22を通る平面で、前壁上部10a、前壁中間部10b、および、前壁下部10cに3等分される。
コミュニケーションシート式車両1の前壁10は、前上向き面11を有する。前上向き面11の前端11fは、車両前後方向において、前壁下部10cの前端10cfと同じか前壁下部10cの前端10cfより後方向であって、2つの前輪3fの前端と同じか2つの前輪3fの前端より前方向に位置する。前上向き面11の後端11bは、車両前後方向において、前壁上部10aの前端10afと同じか前壁上部10aの前端10afより後方向であって、前壁中間部10bの後端10bbと同じか前壁中間部10bの後端10bbより前方向に位置する。また、前上向き面11は、車両前後方向において、前壁上部10aより下方向に配置される。図1では、前上向き面11の前端11fは、車両前後方向において、前壁下部10cの前端10cfと同じであって、2つの前輪3fの前端より前方向に位置する。前上向き面11の後端11bは、車両前後方向において、前壁上部10aの前端10afより後方向であって、前壁中間部10bの後端10bbと同じ位置に位置する。なお、図1では、2つの前輪3fの前端を通り、車両上下方向に平行な平面を直線L13で示している。前壁10の前上向き面11の前端11fを通り、車両上下方向に平行な平面を直線L15で示している。前壁10の前上向き面11の後端11bを通り、車両上下方向に平行な平面を直線L16で示している。つまり、図1では、車両前後方向において、直線L15は、直線L12と同じであって、直線L13より前方向に位置する。車両前後方向において、直線L16は、直線L11より後方向であって、直線L14と同じ位置に位置する。
また、キャビン空間12は、キャビン空間上部、キャビン空間中間部およびキャビン空間下部からなる。車両前後方向において、キャビン空間上部の前端12ffが、キャビン空間中間部の前端12fcより前方向に位置している。図1では、キャビン空間上部の前端12ffは、前壁10にある。キャビン空間中間部の前端12fcは、コミュニケーションシート20にある。なお、図1では、キャビン空間12のキャビン空間上部の前端12ffを通り、車両上下方向に平行な平面を直線Lcf1で示している。また、キャビン空間12のキャビン空間中間部の前端12fcを通り、車両上下方向に平行な平面を直線Lcf2で示している。つまり、図1では、直線Lcf1は、直線Lcf2より前方向に位置する。ここで、キャビン空間12のキャビン空間上部は、コミュニケーションシート式車両1を車両上下方向に3等分した場合の最も上に含まれるキャビン空間12の一部分である。キャビン空間12のキャビン空間中間部は、コミュニケーションシート式車両1を車両上下方向に3等分した場合の真ん中に含まれるキャビン空間12の一部分である。キャビン空間12のキャビン空間下部は、コミュニケーションシート式車両1を車両上下方向に3等分した場合の最も下に含まれるキャビン空間12の一部分である。
本実施形態のコミュニケーションシート式車両1はこのような構成を有することで、以下の効果を有する。
コミュニケーションシート式車両1の前壁10は、車両前後方向において、前壁上部10aの前端10afが、前壁下部10cの前端10cfより後方向、かつ、前壁中間部10bの後端10bbより前方向に位置する。これにより、コミュニケーションシート式車両1の進行方向にいる歩行者の視線の高さの車両1の車両前後方向の長さが短くなる。そのため、コミュニケーションシート式車両1が進行方向にいる歩行者に与える圧迫感を低減できる。
また、車両前後方向において、車両1の前壁10の前壁上部10aおよび前壁中間部10bが前壁下部10cより後方向に位置しているが、キャビン空間12のキャビン空間上部の前端12ffが、キャビン空間12のキャビン空間中間部の前端12fcより前方向に位置している。つまり、車両前部において、キャビン空間上部がキャビン空間中間部より大きく、コミュニケーションシート20に着座した乗客の視線の高さに位置するキャビン空間上部が広くなる。そのため、キャビン空間12の快適性を維持できる。
さらに、車両1の前壁10は前上向き面11を有する。この前上向き面11の前端11fは、車両前後方向において、前壁下部10cの前端10cfと同じか前壁下部10cの前端10cfより後方向であって、2つの前輪3fの前端と同じか2つの前輪3fの前端より前方向に位置する。また、この前上向き面11の後端11bは、車両前後方向において、前壁上部10aの前端10afと同じか前壁上部10aの前端10afより後方向であって、前壁中間部10bの後端10bbと同じか前壁中間部10bの後端10bbより前方向に位置する。また、前上向き面11は、車両上下方向において、前壁上部10aより下方向に配置される。したがって、この前上向き面11は、車両1の前壁上部10aより低い位置に配置され、車両前後方向の長さが長い。
つまり、車両前後方向において、車両1の前壁中間部10bが前壁上部10aより後方向に配置され、車両1の前壁上部10aより低い位置に上方向を向く車両前後方向の長さの長い前上向き面11が形成される。これにより、進行方向にいる歩行者が車両1の前壁10に形成された前上向き面11を見下ろすようになる。つまり、進行方向にいる歩行者の視線の高さにある前壁10がより後方向に位置している印象をコミュニケーションシート式車両1の進行方向にいる歩行者に与えることができる。そのため、コミュニケーションシート式車両1が進行方向にいる歩行者に与える圧迫感をより低減できる。
以上から、本発明のコミュニケーションシート式車両1は、キャビン空間12の快適性を維持しつつ、歩行者に対する圧迫感を抑えることができる。
(実施形態の具体例1)
次に、上述した本発明の実施形態の具体例1について図2〜図7を用いて説明する。なお、以下の説明では、上述した本発明の実施形態と同じ部位についての説明は省略する。基本的に、本発明の実施形態の具体例1は、上述した本発明の実施形態の特徴を全て有している。
以下の説明において、特に限定が無い限り、前後方向とは、車両前後方向のことである。車両前後方向の前方向とは、コミュニケーションシート式車両101の進行方向のことである。以下の説明において、車両左右方向とは、車両の左右方向のことである。車両の左右方向とは、コミュニケーションシート式車両101の進行方向を前方向とした場合の左右方向のことである。車両の左右方向は、コミュニケーションシート式車両101の車幅方向でもある。以下の説明において、特に限定が無い限り、車両上下方向とは、車両の上下方向のことである。車両の上下方向とは、コミュニケーションシート式車両101を水平な路面に直立させた状態における上下方向である。各図に示す矢印F、矢印B、矢印U、矢印D、矢印L、矢印Rは、それぞれ、前方向、後方向、上方向、下方向、左方向、右方向を表している。
図2に示すように、コミュニケーションシート式車両101は、コミュニケーションシート120と、4つの車輪103と、駆動源105と、操舵機構106と、制動機構107と、自動運転制御装置108と、前壁110と、車体フレーム130と、車体カバー170と、を備える。
コミュニケーションシート120は、乗客同士が顔を見ながら会話できるような位置に乗客を着座可能に構成される。コミュニケーションシート120は、着座した複数の乗客が対面するように配置されたフロントシートアセンブリ120fおよびリアシートアセンブリ120bを有する。フロントシートアセンブリ120fおよびリアシートアセンブリ120bは、車両前後方向に並んで配置される。フロントシートアセンブリ120fは、リアシートアセンブリ120bより車両前後方向の前方向に配置される。フロントシートアセンブリ120fは、着座したときの乗客が車両後方向を向くシートアセンブリである。リアシートアセンブリ120bは、着座したときの乗客が車両前方向を向くシートアセンブリである。コミュニケーションシート120は、シート121とバックレスト122を有する。コミュニケーションシート120は、複数の乗客が着座可能に構成される。フロントシートアセンブリ120fは、2人以下の乗客が着座可能に構成される。リアシートアセンブリ120bは、2人以下の乗客が着座可能に構成される。つまり、コミュニケーションシート120は、4人以下の乗客が着座可能に構成される。なお、コミュニケーションシート120は、一人の乗客が着座してもよいし、複数の乗客が着座してもよい。
コミュニケーションシート120は、乗客が着座するためのシート部121aを有する。シート121は、車両内部にシート部121aを構成する。シート121は、バックレスト122に対して、着座状態から収納状態まで揺動可能に構成される。シート121は、フロントシート121fおよびリアシート121rを有する。フロントシート121fは、フロントシートアセンブリ120fに含まれる。リアシート121rは、リアシートアセンブリ120bに含まれる。フロントシート121fは、図2に示す着座状態において、車両前後方向の後方向から前方向に向かって、車両上下方向の上方向、下方向、上方向の順に傾斜するように構成される。リアシート121rは、図2に示す着座状態において、車両前後方向の前方向から後方向に向かって、車両上下方向の上方向、下方向、上方向の順に傾斜するように構成される。これにより、乗客がシート121に深く腰掛けることができ、キャビン空間112を広く使うことができる。着座状態は、図2で示す状態であり、シート121によりシート部121aが構成されて、乗客が着座可能な状態である。シート121は、着座状態において、車両前後方向に沿って配置される。シート121は、図5に示す収納状態において、車両上下方向に沿って配置される。シート121の収納状態は、図5で示す状態であり、シート121によりシート部121aが構成されず、乗客が着座できない状態で収納された状態である。シート121の収納状態では、シート121とバックレスト122とが向かい合うように配置される。シート121の収納状態では、シート121の着座状態と比較して、車両上下方向に見たシート121の面積が小さくなる。具体的には、シート121は、バックレスト122に対して、揺動可能に形成される。シート121の揺動中心である回転軸121bは、車体フレーム130に固定される。より詳細には、図6に示すように、シート121は、着座状態から収納状態まで矢印の方向に揺動可能である。シート121は、例えば、回転軸121bに弾性部材を有し、手動により、着座状態から所定の角度まで持ち上げると、弾性部材の弾性力により、収納状態になるように構成される。
図2および図5に示すように、コミュニケーションシート120は、乗客が姿勢を保つためのバックレスト部122aを有する。バックレスト122は、車両内部にバックレスト部122aを構成する。バックレスト122は、固定されてバックレスト部122aが構成される。バックレスト122は、車両上下方向に沿って配置される。バックレスト122は、フロントバックレスト122fおよびリアバックレスト122rを有する。フロントバックレスト122fは、フロントシートアセンブリ120fに含まれる。リアバックレスト122rは、リアシートアセンブリ120bに含まれる。フロントバックレスト122fは、車両上下方向の上方向に向かって、車両前後方向の前方向に傾斜するように構成される。リアバックレスト122rは、車両上下方向の上方向に向かって、車両前後方向の後方向に傾斜するように構成される。これにより、バックレスト122が背中を伸ばした状態の乗客の背面を支えることができ、キャビン空間112を広く使うことができる。背面部材122は、車体フレーム130に固定される。
図2に示すように、4つの車輪103は、2つの前輪103fと2つの後輪103bを含む。進行方向は、車両前後方向の前方向である。進行方向は、通常使用時に車輪103の回転によりコミュニケーションシート式車両101が進む方向であり、一時的にコミュニケーションシート式車両101が進む方向は含まない。コミュニケーションシート式車両101は、進行方向を車輪103の逆回転により車両前後方向の後方向に変更して走行することができる。つまり、コミュニケーションシート式車両101は、スイッチバック可能車両である。2つの前輪103fは、車両左部にある左前輪103flと、車両右部にある右前輪103frとを含む。2つの後輪103bは、車両左部にある左後輪103blと、車両右部にある右後輪103brとを含む。
駆動源105は、4つの車輪103の少なくとも一つに駆動力を付与する。コミュニケーションシート式車両101は、4つの車輪103が回転することによって走行する。駆動源105は、駆動モータとバッテリとを含む。コミュニケーションシート式車両101は、例えば電動車であり、駆動モータは電気モータである。駆動モータは、バッテリに接続される。バッテリは、コミュニケーションシート式車両101を駆動する電力を駆動モータに供給する。駆動モータは、2つの後輪103bを駆動する。駆動モータは、後輪103bを双方向に回転させることができる。駆動源105は、車体フレーム130に支持される。駆動源105は、自動運転制御装置108から出力された指令に基づいて制御される。
操舵機構106は、4つの車輪103の少なくとも一つを操舵する。操舵機構106の操舵により、コミュニケーションシート式車両101の進行方向が車両左右方向に変更される。操舵機構106は、2つの前輪103fおよび2つの後輪103bを操舵する。操舵機構106は、左前輪103flおよび右前輪103frを車両前後方向に対してそれぞれ所定の舵角で操舵するように構成される。左前輪103flおよび右前輪103frは、操舵機構106により車両左右方向に揺動される。操舵機構106は、左後輪103blおよび右後輪103brを車両前後方向に対してそれぞれ所定の舵角で操舵するように構成される。左後輪103blおよび右後輪103brは、操舵機構106により車両左右方向に揺動される。コミュニケーションシート式車両101の進行方向は、車両左右方向に揺動された2つの前輪103fおよび2つの後輪103bの向きによって決まる。操舵機構106は、車体フレーム130に支持される。操舵機構106は、自動運転制御装置108から出力された指令に基づいて制御される。
制動機構107は、4つのディスクブレーキ装置で構成される。4つのディスクブレーキ装置は、4つの車輪103にそれぞれ設けられる。4つのディスクブレーキ装置は、4つの車輪103をそれぞれ制動する。ディスクブレーキ装置は、車輪103とともに回転する金属製の円盤と、円盤の車両左右方向の左方向および右方向に配置されたパッドとを有する。ディスクブレーキ装置は、円盤をパッドで左方向および右方向から挟み込むことによって、車輪103を制動する。制動機構107は、車体フレーム130に支持される。制動機構107は、自動運転制御装置108から出力された指令に基づいて制御される。
自動運転制御装置108は、駆動源105と、操舵機構106と、制動機構107とに接続される。自動運転制御装置108は、車体フレーム130に支持される。自動運転制御装置108は、制御パネル109と通信可能に構成される。制御パネル109は、キャビン空間112内に配置される。キャビン空間112は、乗客を収容する車両内部の空間であり、車体カバー170により形成される。制御パネル109は、電子計算機である。なお、制御パネル109は、車両内部のインナーカバー179に対して、着脱可能であってもよい。自動運転制御装置108は、駆動信号、制動信号、操舵信号を、制御パネル109から受信する。駆動信号は、コミュニケーションシート式車両101を駆動源105により駆動するための信号である。制動信号は、コミュニケーションシート式車両101を制動機構107により制動するための信号である。操舵信号は、コミュニケーションシート式車両101を操舵機構106より操舵するための信号である。駆動信号は、制御パネル109で入力された加速指示に基づいて生成された信号であってもよい。制動信号は、制御パネル109で入力された減速指示に基づいて生成された信号であってもよい。駆動信号および制動信号は、制御パネル109で入力された目標速度に基づいて生成された信号であってもよい。操舵信号は、制御パネル109で入力された回転角指示に基づいて生成された信号であってもよい。自動運転制御装置108は、駆動源105と、操舵機構106と、制動機構107とに、駆動信号、制動信号、操舵信号に基づく指令を出力する。
図2および図3に示すように、車体フレーム130は、天井フレーム131と、床フレーム136と、前H型フレーム141と、後H型フレーム146とを有する。車体フレーム130は、例えば、金属で形成される。車体フレーム130は、その前部を車両前後方向の後方向に見た形状とその後部を車両前後方向の前方向に見た形状が同じである。また、車体フレーム130は、車両前後方向のその前端とその後端との間を通り車両前後方向に垂直な平面に対して面対称な形状に形成される。本具体例では、車体フレーム130は、車両前後方向のその中央を通り車両前後方向に垂直な平面に対して面対称な形状に形成される。
天井フレーム131は、車両左右方向に並んで配置される天井右フレーム133および天井左フレーム134と、車両前後方向に並んで配置される2本の天井横フレーム132と、を有する。2本の天井横フレーム132は、天井前フレーム132fおよび天井後フレーム132rを有する。天井前フレーム132fは、天井後フレーム132rより車両前後方向の前方向に配置される。天井前フレーム132fは、天井右フレーム133および天井左フレーム134のそれぞれの前端部をつなぐ。天井後フレーム132rは、天井右フレーム133および天井左フレーム134のそれぞれの後端部をつなぐ。天井フレーム131の前端部および後端部は、下方向に傾斜して形成される。天井フレーム131の前端部は、前H形フレーム141に接続される。天井フレーム131の後端部は、後H形フレーム146に接続される。
前H形フレーム141は、車両左右方向に並んで配置される2本の前柱142と、2本の前柱142に車両左右方向の端部が接続される前中間横フレーム143とを有する。2本の前柱142は、左前柱142lおよび右前柱142rを有する。左前柱142lは、右前柱142rより車両左右方向の左方向に配置される。後H形フレーム146は、図示しないが、前H形フレーム141と同様に、車両左右方向に並んで配置される2本の後柱と、2本の後柱に車両左右方向の端部が接続される後中間横フレームとを有する。
床フレーム136は、車両左右方向の辺の長さが車両前後方向の辺の長さより短い長方形に形成される。床フレーム136は、天井フレーム131の下方向に配置される。床フレーム136には、前H形フレーム141の2本の前柱142の下端部が接続される。床フレーム136には、後H形フレーム146の2本の後柱の下端部が接続される。
図2〜図4に示すように、車体カバー170は、フロントカバー171fと、リヤカバー171bと、2つの前輪サイドカバー175fと、2つの後輪サイドカバー175bと、屋根カバー176と、サイドカバー177と、床カバーであるフロアデッキ178と、インナーカバー179とを有する。車体カバー170は、車両内部に乗客を収容するキャビン空間112を形成する。車体カバー170は、車両前後方向の後述する前壁110と後述する後壁118の間を通り車両前後方向に垂直な平面に対して面対称な形状に形成される。本具体例では、車体カバー170は、車両前後方向のその中央を通り車両前後方向に垂直な平面に対して面対称な形状に形成される。車体カバー170は、例えば、合成樹脂で形成される。車体カバー170は、車体フレーム130に支持される。車体カバー170は、車体フレーム130を覆う。車体カバー170は、車体フレーム130の上部を、車両内部および車両外部から覆う。また、車体カバー170は、車体フレーム130の下部を、車両内部から覆うとともに、車両外部から覆う。フロントカバー171fは、車両前後方向の前方向および後方向から前H型フレーム141を覆う。リヤカバー171bは、車両前後方向の前方向および後方向から後H型フレーム146を覆う。前輪サイドカバー175fは、2つの前輪103fの外面を車両左右方向の左方向および右方向から覆う。後輪サイドカバー175bは、2つの後輪103bの外面を車両左右方向の左方向および右方向から覆う。屋根カバー176は、天井フレーム131を車両上下方向の上および下から覆う。フロアデッキ178は、床フレーム136の上面を車両上下方向の上から覆う。サイドカバー177は、右サイドカバー177rと、左サイドカバー177lとを有する。コミュニケーションシート式車両101の乗客が視認できる形状は、車両前後方向の前壁110と後壁118の間を通り車両前後方向に垂直な平面に対して面対称な形状である。本具体例では、コミュニケーションシート式車両101は、車両前後方向のその中央を通り車両前後方向に垂直な平面に対して面対称な形状である。なお、コミュニケーションシート式車両101の乗客が視認できる形状とは、コミュニケーションシート式車両101の外形形状と、キャビン空間112の形状である。
車体カバー170は、その車両左右方向の左部または右部の少なくともいずれか一方に乗降口182を有する。図2では、車体カバー170は、その車両左部に乗降口182を有する。
図3に示すように、フロントカバー171fは、屋根カバー176およびサイドカバー177より前方向に配置される。フロントカバー171fは、その一部が、2つの前輪103fより上方向に配置される。フロントカバー171fは、フロントカバー下部171faと、フロントカバー中間下部171fbと、フロントカバー中間部171fcと、フロントカバー上部171fdと、2つの前輪フロントカバー部171feとを有する。フロントカバー下部171faと、フロントカバー中間下部171fbと、フロントカバー中間部171fcと、フロントカバー上部171fdと、2つの前輪フロントカバー部171feは、部分的または全体的に一体で形成されてもよいし、それぞれ別体で形成されてもよい。
フロントカバー下部171faは、2つの前輪103fの前方向に配置される。フロントカバー下部171faは、車両上下方向に沿って配置される。フロントカバー下部171faは、その左部およびその右部が、2つの前輪フロントカバー部171feにそれぞれ接続される。フロントカバー下部171faは、2つの前輪フロントカバー部171feの間に、車両左右方向に沿って配置される。フロントカバー下部171faは、車両左右方向の中央部が左右端部より前方向に位置するように湾曲している。フロントカバー下部171faは、車両上下方向の中央部が上下端部より前方向に位置するように湾曲している。フロントカバー下部171faの前端は、2つの前輪フロントカバー部171feの前端より前方向に突出している。
フロントカバー中間下部171fbは、フロントカバー下部171faに接続され、フロントカバー下部171faの上方向に配置される。フロントカバー中間下部171fbは、フロントカバー下部171faより後方向に配置される。フロントカバー中間下部171fbは、フロントカバー中間部171fcに接続され、フロントカバー中間部171fcの下方向に配置される。フロントカバー中間部171fcは、フロントカバー下部171faの後方向に配置される。フロントカバー中間下部171fbは、車両前後方向に沿って配置される。フロントカバー中間下部171fbは、フロントカバー下部171faからフロントカバー中間部171fcに向かって上方向に傾斜している。フロントカバー中間下部171fbは、その左部およびその右部が、2つの前輪フロントカバー部171feにそれぞれ接続される。
フロントカバー中間部171fcは、フロントカバー中間下部171fbに接続され、フロントカバー中間下部171fbの上方向に配置される。フロントカバー中間部171fcは、車両上下方向に沿って配置される。
フロントカバー上部171fdは、フロントカバー中間部171fcに接続され、フロントカバー中間部171fcより上方向に配置される。フロントカバー上部171fdは、車両上下方向に沿って配置される。フロントカバー上部171fdは、フロントカバー中間部171fcより前方向に配置される。フロントカバー上部171fdは、その左部およびその右部が、2つの前輪フロントカバー部171feにそれぞれ接続される。フロントカバー上部171fdは、車両左右方向の中央部が左右端部より前方向になるように湾曲している。フロントカバー上部171fdは、フロントカバー窓171foを有する。フロントカバー窓171foは、コミュニケーションシート120のバックレスト122より上方向に配置される。フロントカバー窓171foは、コミュニケーションシート120に着座した乗客の腰の高さより高い位置に形成される。フロントカバー窓171foは、少なくとも一部が、コミュニケーションシート120に着座した乗客の視線の高さの位置に形成される。フロントカバー窓171foは、コミュニケーションシート120に着座した乗客が車両内部のキャビン空間112から車両外部の外部空間を視認可能に構成される。なお、フロントカバー窓171foは、常にキャビン空間112と外部空間とを連通させる開口した窓であってもよい。また、フロントカバー窓171foは、開いたときにのみキャビン空間112と外部空間とを連通させる開閉可能な窓であってもよい。また、フロントカバー窓171foは、開閉不能な嵌め殺し窓(fixed window)であってもよい。フロントカバー窓171foが開閉可能な窓または嵌め殺し窓の場合、フロントカバー窓171foには、透明なガラスや合成樹脂、ビニールシート等がはめ込まれる。フロントカバー窓171foが、常に開口した窓または開閉可能な窓の場合、キャビン空間112に外部空間の空気が入り込み、キャビン空間112の快適性を向上することができる。また、フロントカバー窓171foが開閉可能な窓または嵌め殺し窓の場合、キャビン空間112内に雨や風が入り込まず、キャビン空間112の快適性を向上することができる。
2つの前輪フロントカバー部171feは、2つの前輪103fの前方向に配置され、前から2つの前輪103fの前部の一部を覆う。2つの前輪フロントカバー部171feは、2つの前輪103fの上方向に配置され、上から2つの前輪103fの前部の一部を覆う。2つの前輪フロントカバー部171feは、2つの前輪103fに沿って湾曲して形成される。2つの前輪フロントカバー部171feは、2つの前輪サイドカバー175fにそれぞれ接続される。
図4に示すように、リヤカバー171bは、屋根カバー176およびサイドカバー177より後方向に配置される。リヤカバー171bは、後輪103bの上方向に配置される。リヤカバー171bは、リヤカバー下部171baと、リヤカバー中間下部171bbと、リヤカバー中間部171bcと、リヤカバー上部171bdと、2つの後輪リヤカバー部171beとを有する。リヤカバー171bは、リヤカバー下部171baと、リヤカバー中間下部171bbと、リヤカバー中間部171bcと、リヤカバー上部171bdと、2つの後輪リヤカバー部171beは、部分的にまたは全体的に一体で形成されてもよいし、それぞれ別体で形成されてもよい。
リヤカバー下部171baは、2つの後輪103bの後方向に配置される。リヤカバー下部171baは、車両上下方向に沿って配置される。リヤカバー下部171baは、その左部およびその右部が、2つの前輪リヤカバー部171beにそれぞれ接続される。リヤカバー下部171baは、2つの後輪リヤカバー部171beの間に、車両左右方向に沿って配置される。リヤカバー下部171baは、車両左右方向の中央部が左右端部より後方向に位置するように湾曲している。リヤカバー下部171baは、車両上下方向の中央部が上下端部より後方向に位置するように湾曲している。リヤカバー下部171baの後端は、2つの後輪リヤカバー部171beの後端より後方向に突出している。
リヤカバー中間下部171bbは、リヤカバー下部171baに接続され、リヤカバー下部171baの上方向に配置される。リヤカバー中間下部171bbは、少なくとも一部がリヤカバー下部171baより後方向に配置される。リヤカバー中間下部171bbは、リヤカバー中間部171bcに接続され、リヤカバー中間部171bcの下方向に配置される。リヤカバー中間部171bcは、リヤカバー下部171baの前方向に配置される。リヤカバー中間下部171bbは、車両前後方向に沿って配置される。リヤカバー中間下部171bbは、リヤカバー下部171baからリヤカバー中間部171bcに向かって上方向に傾斜している。リヤカバー中間下部171bbは、その左部およびその右部が、2つの後輪リヤカバー部171beにそれぞれ接続される。
リヤカバー中間部171bcは、リヤカバー中間下部171bbに接続され、リヤカバー中間下部171bbの上方向に配置される。リヤカバー中間部171bcは、車両上下方向に沿って配置される。
リヤカバー上部171bdは、リヤカバー中間部171bcに接続され、リヤカバー中間部171bcより上方向に配置される。リヤカバー上部171bdは、車両上下方向に沿って配置される。リヤカバー上部171bdは、一部がリヤカバー中間部171bcより後方向に配置される。リヤカバー上部171bdは、その左部およびその右部が、2つの後輪リヤカバー部171beにそれぞれ接続される。リヤカバー上部171bdは、車両左右方向の中央部が左右端部より後方向になるように湾曲している。リヤカバー上部171bdは、リヤカバー窓171boを有する。リヤカバー窓171boは、コミュニケーションシート120のバックレスト122より上方向に配置される。リヤカバー窓171boは、コミュニケーションシート120に着座した乗客の腰の高さより高い位置に形成される。リヤカバー窓171boは、少なくとも一部が、コミュニケーションシート120に着座した乗客の視線の高さの位置に形成される。リヤカバー窓171boは、コミュニケーションシート120に着座した乗客が車両内部のキャビン空間112から車両外部の外部空間を視認可能に構成される。リヤカバー窓171boは、常にキャビン空間112と外部空間とを連通させる開口した窓であってもよい。また、リヤカバー窓171boは、開いたときにのみキャビン空間112と外部空間とを連通させる開閉可能な窓であってもよい。また、リヤカバー窓171boは、開閉不能な嵌め殺し窓(fixed window)であってもよい。リヤカバー窓171boが開閉可能な窓または嵌め殺し窓の場合、リヤカバー窓171boには、透明なガラスや合成樹脂、ビニールシート等がはめ込まれる。リヤカバー窓171boが、常に開口した窓または開閉可能な窓の場合、キャビン空間112に外部空間の空気が入り込み、キャビン空間112の快適性を向上することができる。また、リヤカバー窓171boが開閉可能な窓または嵌め殺し窓の場合、キャビン空間112内に雨や風が入り込まず、キャビン空間112の快適性を向上することができる。
2つの後輪リヤカバー部171beは、2つの後輪103bの上方向に配置され、上から2つの後輪103bの一部を覆う。2つの後輪リヤカバー部171beは、2つの後輪103bに沿って湾曲して形成される。2つの後輪リヤカバー部171beは、2つの後輪サイドカバー175bにそれぞれ接続される。
図2および図3に示すように、2つの前輪サイドカバー175fは、右前輪サイドカバー175frおよび左前輪サイドカバー175flを有する。2つの前輪サイドカバー175fは、2つの前輪103fの車両左右方向の左方向および右方向に配置される。右前輪サイドカバー175frは、右前輪103frの右方向に配置される。左前輪サイドカバー175flは左前輪103flの左方向に配置される。2つの前輪サイドカバー175fは、2つの前輪103fの一部を左および右から覆う。2つの前輪サイドカバー175fは、2つの前輪103fに沿って湾曲して形成される。
2つの後輪サイドカバー175bは、右後輪サイドカバー176brおよび左後輪サイドカバー176blを有する。2つの後輪サイドカバー175bは、2つの後輪103bの車両左右方向の左方向および右方向に配置される。右後輪サイドカバー175brは、右後輪103brの右方向に配置される。左後輪サイドカバー175blは、左後輪103blの左方向に配置される。2つの後輪サイドカバー175bは、2つの後輪103bの一部を左および右から覆う。2つの後輪サイドカバー175bは、2つの後輪103bに沿って湾曲して形成される。
図2および図4に示すように、屋根カバー176は、フロントカバー171fに接続され、フロントカバー171fの後方向に配置される。屋根カバー176は、リヤカバー171bに接続され、リヤカバー171bの前方向に配置される。屋根カバー176は、サイドカバー177に接続され、サイドカバー177の上方向に配置される。屋根カバー176は、略平面状に形成される。
サイドカバー177は、フロントカバー171fに接続され、フロントカバー171fの後方向に配置される。サイドカバー177は、リヤカバー171bに接続され、リヤカバー171bの前方向に配置される。サイドカバー177は、屋根カバー176に接続され、屋根カバー176の下方向に配置される。サイドカバー177は、右サイドカバー177rと、左サイドカバー177lとを有する。
図5に示すように、右サイドカバー177rは、右窓177roを有する。右窓177roは、上辺が下辺より長い台形状に形成される。右窓177roは、右サイドカバー177rの上部に配置される。右窓177roは、コミュニケーションシート120のシート121より上方向に配置される。右窓177roは、コミュニケーションシート120に着座した乗客の腰の高さより高い位置に形成される。右窓177roは、コミュニケーションシート120に着座した乗客の視線の高さの位置に形成される。右窓177roは、コミュニケーションシート120に着座した乗客が車両内部のキャビン空間112から車両外部の外部空間を視認可能に構成される。右窓177roは、常にキャビン空間と外部空間とを連通させる開口した窓である。コミュニケーションシート式車両101は、右サイドカバー177rの右窓177roの下枠の前後方向中央部に非常ボタン180を有する。非常ボタン180は、キャビン空間112と車両外部の外部空間とのほぼ境界に配置されている。非常ボタン180は、下方向に押し込まれることで操作される。非常ボタン180は、コミュニケーションシート式車両101の車両内部のキャビン空間112にいる乗客が操作することができる。もしくは、非常ボタン180は、コミュニケーションシート式車両101の車両外部の外部空間にいる歩行者等が右窓177roから手を入れて操作することができる。非常ボタン180が操作すると、コミュニケーションシート式車両101は走行を停止する。
左サイドカバー177lは、左窓177loと、ドア181と、を有する。なお、具体例1のコミュニケーションシート式車両101は、道路内の車両左右方向の左部を通行することを想定している。左窓177loは、左サイドカバー177lの上部に配置される。左窓177loは、ドア181が閉状態の際(図2参照)、上辺が下辺より長い台形状に形成される。左窓177loは、コミュニケーションシート120の座面部材121より上方向に配置される。左窓177loは、少なくとも一部が、コミュニケーションシート120に着座した乗客の腰の高さより高い位置に形成される。左窓177loは、少なくとも一部が、コミュニケーションシート120に着座した乗客の視線の高さの位置に形成される。左窓177loは、コミュニケーションシート120に着座した乗客が車両内部のキャビン空間112から車両外部の外部空間を視認可能に構成される。左窓177loは、常にキャビン空間と外部空間とを連通させる開口した窓である。
ドア181は、左サイドカバー177lの車両左右方向の中央の下部に配置される。ドア181は、前ドア181fおよび後ドア181bを有する。前ドア181fは、コミュニケーションシート式車両101の車両前後方向の中央より前方向に配置される。後ドア181bは、コミュニケーションシート式車両101の車両前後方向の中央より後方向に配置される。前ドア181fおよび後ドア181bは、スライドドアである。前ドア181fおよび後ドア181bは、車両前後方向にスライドして、乗降口182を開閉可能に構成される。乗降口182は、図5の二点鎖線で示される領域である。前ドア181fおよび後ドア181bは、閉状態の際に(図2参照)、前ドア181fの後端と後ドア181bの前端が接触するように構成される。前ドア181fおよび後ドア181bは、開状態の際に(図5参照)、乗降口182からキャビン空間112に乗り降り可能に構成される。前ドア181fは、閉状態から開状態になる際に、前方向にスライドされる。前ドア181fは、開状態から閉状態になる際に、後方向にスライドされる。後ドア181bは、閉状態から開状態になる際に、後方向にスライドされる。後ドア181bは、開状態から閉状態になる際に、前方向にスライドされる。
コミュニケーションシート式車両101は、車両外面において、4つの開ボタン183a、183b、183c、183dを有する。開ボタン183a、183bは、車両外面に設けられる。開ボタン183c、183dは、車両内面に設けられる。なお、車両外面とは、コミュニケーションシート式車両101を形成する面のうちの、車両外部の外部空間に露出する面である。なお、車両内面とは、コミュニケーションシート式車両101を形成する面のうち、車両内部のキャビン空間112に対向する面である。開ボタン183a、183bは、ドア181の外面に配置される。開ボタン183c、183dは、キャビン空間112に面している。なお、ドア181の外面とは、ドア181を形成する面のうちの、車両外部の外部空間に露出する面である。開ボタン183c、183dは、ドア181の内面に配置される。なお、ドア181の内面とは、ドア181を形成する面のうちの、車両内部のキャビン空間112に対向する面である。開ボタン183a、183cは、前ドア181fに配置される。開ボタン183b、183dは、後ドア181bに配置される。開ボタン183aおよび開ボタン183cは、一般乗客用のボタンである。開ボタン183aおよび開ボタン183cは、ボタンが押されることにより、前ドア181fおよび後ドア181bが開状態になる。開ボタン183bおよび開ボタン183dは、特別乗客用のボタンである。開ボタン183bおよび開ボタン183dは、ボタンが押されることにより、前ドア181fおよび後ドア181bを開状態になると共に、コミュニケーションシート式車両101の車両高が低なる。コミュニケーションシート式車両101の車両高が低くなるとは、詳細には、少なくとも、車体フレーム130と車体カバー170が下降する。なお、開ボタン183aおよび開ボタン183cが特別乗客用のボタンであって、開ボタン183bおよび開ボタン183dが一般乗客用のボタンであってもよい。また、コミュニケーションシート式車両101は、車両内面設けられた1つの閉ボタン183eを有する。閉ボタン183eは、右窓170roの下方向にある後述するインナーカバー179に配置される。閉ボタン183eは、キャビン空間112に面している。閉ボタン183eが押されることにより、前ドア181fおよび後ドア181bを閉状態になる。なお、閉ボタン183eが押された時点で、コミュニケーションシート式車両101の車両高が走行時の高さより低い場合は、閉ボタン183eが操作されると、前ドア181fおよび後ドア181bが閉状態になると共に、コミュニケーションシート式車両101の車両高が走行時の高さになる。前ドア181fおよび後ドア181bの外面に配置された開ボタン183a、183bは、コミュニケーションシート式車両101の車両外部の外部空間にいる歩行者等が操作することができる。前ドア181fおよび後ドア181bの内面に配置された開ボタン183c、183dおよびインナーカバー179に配置された閉ボタン183eは、キャビン空間112にいる乗客が操作することができる。なお、前ドア181fおよび後ドア181bの内面に配置された開ボタン183c、183dが操作された場合、センサで人等を検出しなくなった後または所定時間経過後に、前ドア181fおよび後ドア181bが自動的に閉状態になる。
図2および図4に示すように、コミュニケーションシート式車両101は、バイザー184を備える。バイザー184は、車両外面における左窓177loおよび右窓177roの上縁に設けられる。なお、バイザー184は、車両外面における左窓177loおよび右窓177roの上方向の位置に設けられてもよい。
図5および図6に示すように、フロアデッキ178は、屋根カバー176より下方向に配置される。フロアデッキ178は、車両内部の床部を構成する。フロアデッキ178には、乗客の足や車いすや荷物が置かれる。
インナーカバー179は、屋根カバー176より下方向に配置される。インナーカバー179は、車両内部の壁部を構成する。インナーカバー179は、フロアデッキ178より上方向に配置され、フロアデッキ178に接続される。インナーカバー179における右窓170roの上方向には、制御パネル109が配置される。なお、インナーカバー179は、2つのトレー部(荷物デッキ)179aを有する。2つの荷物デッキ179aは、前荷物デッキ179afおよび後荷物デッキ179arを有する。前荷物デッキ179afは、フロントシート121fより上方向に配置される。前荷物デッキ179afは、フロントバックレスト122fより前方向であってフロントカバー窓171foより後方向に配置される。後荷物デッキ179arは、リアシート121rより上方向に配置される。後荷物デッキ179arは、リアバックレスト122rより後方向であってリヤカバー窓171boより前方向に配置される。前荷物デッキ179afは、その上面より上方向に前収納スペースを構成する前荷物デッキである。後荷物デッキ179arは、その上面より上方向に後収納スペースを構成する後荷物デッキである。前収納スペースおよび後収納スペースは、車両内部の空間である。2つの荷物デッキ179aは、乗客の荷物等が載置可能に構成される。
車体カバー170は、車両内部に乗客を収容するキャビン空間112を形成する。なお、車体カバー170には、後述する前壁110および後壁118が含まれる。また、ドア181およびコミュニケーションシート120も、車両内部に乗客を収容するキャビン空間112を形成する。より詳細には、キャビン空間112は、車体カバー170およびドア181より車両内部に形成される。また、キャビン空間112は、車両内部において、コミュニケーションシート120のフロントバックレスト122fより後方向かつリアバックレスト122rより前方向の空間を含む。また、キャビン空間112は、車両内部において、2つの荷物デッキ179aより上方向の空間を含む。
コミュニケーションシート式車両101の前壁110は、車両前後方向において、コミュニケーションシート式車両1の前端部にある外壁の前面である。コミュニケーションシート式車両101の後壁118は、車両前後方向において、コミュニケーションシート式車両1の後端部にある外壁の後面である。なお、コミュニケーションシート式車両101の前壁110と後壁118は、車両前後方向の前壁110と後壁118の間を通り車両前後方向に垂直な平面に対して面対称な形状である。車体カバー170の前端部は、コミュニケーションシート式車両101の前壁110を構成する。また、車体カバー170の後端部は、コミュニケーションシート式車両101の後壁118を構成する。
図2に示すように、コミュニケーションシート式車両101の前壁110は、前壁上部110a、前壁中間部110bおよび前壁下部110cからなる。前壁110は、車両前後方向において、前壁上部110aの前端110afが、前壁部110cの前端110cfより後方向、かつ、前壁中間部110bの後端110bbより前方向に位置する。なお、図2では、前壁上部110aの前端110afを通り、車両上下方向に平行な平面を直線L111で示している。前壁下部110cの前端110cfを通り、車両上下方向に平行な平面を直線L112で示している。前壁中間部110bの後端110bbを通り、車両上下方向に平行な平面を直線L114で示している。つまり、車両前後方向において、直線L111は、直線L112より後方向、かつ、直線L114より前方向に位置する。
車両前後方向において、前壁中間部110bの後端110bbは、2つの前輪103fの前端より後方向に位置する。なお、図2では、2つの前輪103fの前端を通り、車両上下方向に平行な平面を直線L113で示している。つまり、車両前後方向において、直線L114は、直線L113より後方向に位置する。図2では、車両前後方向において、前壁上部110aの前端110afは、2つの前輪103fの前端より前方向に位置する。つまり、車両前後方向において、直線L111は、直線L113より前方向に位置する。なお、車両前後方向において、前壁上部110aの前端110afは、2つの前輪103fの前端と同じか2つの前輪103fの前端より後方向に位置してもよい。つまり、車両前後方向において、直線L111は、直線L113と同じ位置であってもよく、直線L113より後方向に位置してもよい。
コミュニケーションシート式車両101の前壁110の前壁上部110aは、コミュニケーションシート式車両101を車両上下方向に3等分した場合の最も上に含まれる前壁110の一部分である。コミュニケーションシート式車両101の前壁110の前壁中間部110bは、コミュニケーションシート式車両101を車両上下方向に3等分した場合の真ん中に含まれる前壁110の一部分である。コミュニケーションシート式車両101の前壁110の前壁下部110cは、コミュニケーションシート式車両101を車両上下方向に3等分した場合の最も下に含まれる前壁110の一部分である。なお、図2では、直線L121および直線L122を、コミュニケーションシート式車両101を車両上下方向に3等分する直線として示している。直線L121および直線L122は、車両上下方向に垂直でありかつ車両前後方向に平行な直線である。また、直線L121は、直線L122より車両上下方向の上方向に位置する。コミュニケーションシート式車両101の前壁110は、車両上下方向において、直線L121を通る平面および直線L122を通る平面で、車両上部110a、車両中間部110b、および、車両下部110cに3等分される。
コミュニケーションシート式車両101の前壁110は、前上向き面111を有する。前壁110の前上向き面111は、車両前後方向に沿って形成される外壁面である。フロントカバー171fおよび2つの前輪サイドカバー175fは、前壁110の前上向き面111を構成する。
前上向き面111の前端111fは、車両前後方向において、前壁下部110cの前端110cfと同じか車両下部110cの前端110cfより後方向であって、2つの前輪103fの前端と同じか2つの前輪103fの前端より前方向に位置する。前上向き面111の後端111bは、車両前後方向において、前壁上部110aの前端110afと同じか前壁上部110aの前端110afより後方向であって、前壁中間部110bの後端110bbと同じか前壁中間部110bの後端110bbより前方向に位置する。図2では、車両前後方向において、前上向き面111の前端111fは、前壁下部110cの前端110cfと同じであって、2つの前輪103fの前端より前方向に位置する。前上向き面111の後端111bは、車両前後方向において、前壁上部110aの前端110afより後方向であって、前壁中間部110bの後端110bbと同じ位置に位置する。前上向き面111の前端111fは、車両前後方向において、前壁上部110aの前端110afより前方向に位置する。また、前上向き面111は、車両上下方向において、前壁上部110aより下方向に配置される。なお、図2では、前壁110の前上向き面111の前端111fを通り、車両上下方向に平行な平面を直線L115で示している。前壁110の前上向き面111の後端111bを通り、車両上下方向に平行な平面を直線L116で示している。つまり、図2では、車両前後方向において、直線L115は、直線L112と同じであって、直線L113より前方向に位置する。車両前後方向において、直線L116は、直線L111より後方向であって、直線L114と同じ位置に位置する。車両前後方向において、直線L115は、直線L111より前方向に位置する。
キャビン空間112は、車両前後方向において、キャビン空間上部の前端112ffが、キャビン空間中間部の前端112fcより前方向に位置している。図2では、キャビン空間上部の前端112ffは、フロントカバー171aにある。キャビン空間中間部の前端112fcは、前荷物デッキ179afにある。なお、キャビン空間上部の前端112ffを通り、車両上下方向に平行な平面を直線Lcf11で示している。また、キャビン空間中間部の前端112fcを通り、車両上下方向に平行な平面を直線Lcf12で示している。つまり、図2では、車両前後方向において、直線Lcf11は、直線Lcf12より前方向に位置する。ここで、キャビン空間上部は、コミュニケーションシート式車両101を車両上下方向に3等分した場合の最も上に含まれるキャビン空間112の一部分である。キャビン空間中間部は、コミュニケーションシート式車両101を車両上下方向に3等分した場合の真ん中に含まれるキャビン空間112の一部分である。なお、図2では、車両前後方向において、キャビン空間上部の前端112ffおよび前壁上部110aの前端110afが、同じ位置であるように模式的に示している。実際は、車両前後方向において、キャビン空間上部の前端112ffは、フロントカバー171fの厚みだけ、前壁上部110aの前端110afより後方向に位置する。
コミュニケーションシート式車両101の後壁118は、後壁上部118a、後壁中間部118bおよび後壁下部118cからなる。後壁118は、車両前後方向において、後壁上部118aの後端118abが、後壁下部118cの後端118cbより前方向、かつ、後壁中間部118bの前端118bfより後方向に位置する。なお、図2では、後壁上部118aの前端118abを通り、車両上下方向に平行な平面を直線L131で示している。後壁下部118cの前端118cbを通り、車両上下方向に平行な平面を直線L132で示している。後壁中間部118bの後端118bfを通り、車両上下方向に平行な平面を直線L134で示している。つまり、車両前後方向において、直線L131は、直線L132より前方向、かつ、直線L134より後方向に位置する。
後壁中間部118bの前端118bfは、2つの後輪103bの後端より前方向に位置する。なお、図2では、2つの後輪103bの前端を通り、車両上下方向に平行な平面を直線L133で示している。つまり、車両前後方向において、直線L134は、直線L133より前方向に位置する。図2では、後壁上部118aの後端118abは、2つの後輪103bの後端より後方向に位置する。つまり、車両前後方向において、直線L131は、直線L133より後方向に位置する。なお、車両前後方向において、後壁上部118aの後端118abは、2つの後輪103bの後端と同じか2つの後輪103bの後端より前方向に位置してもよい。つまり、車両前後方向において、直線L131は、直線L133と同じ位置であってもよく、直線L133より前方向に位置してもよい。
コミュニケーションシート式車両101の後壁上部118aは、コミュニケーションシート式車両101を車両上下方向に3等分した場合の最も上に含まれる後壁118の一部分である。コミュニケーションシート式車両101の後壁中間部118bは、コミュニケーションシート式車両101を車両上下方向に3等分した場合の真ん中に含まれる後壁118の一部分である。コミュニケーションシート式車両101の後壁下部118cは、コミュニケーションシート式車両101を車両上下方向に3等分した場合の最も下に含まれる後壁118の一部分である。なお、図2では、直線L121および直線L122を、コミュニケーションシート式車両101を車両上下方向に3等分する直線として示している。コミュニケーションシート式車両101の後壁118は、車両上下方向において、直線L121を通る平面および直線L122を通る平面で、車両上部118a、車両中間部118b、および、車両下部118cに3等分される。
コミュニケーションシート式車両101の後壁118は、後上向き面119を有する。後壁118の後上向き面119は、車両前後方向に沿って形成される外壁面である。リヤカバー171bおよび2つの後輪サイドカバー175bは、後壁118の後上向き面119を構成する。
後上向き面119の後端119bは、車両前後方向において、後壁下部118cの後端118cbと同じか後壁後端118cbより前方向であって、2つの後輪103bの後端と同じか2つの後輪103bの後端より後方向に位置する。後上向き面119の前端119fは、車両前後方向において、後壁上部118aの後端118abと同じか後壁上部118aの後端118abより前方向であって、後壁中間部118bの前端118bfと同じか後壁中間部118bの前端118bfより後方向に位置する。図2では、車両前後方向において、後上向き面119の後端119bは、後壁下部118cの後端118cbと同じであって、2つの後輪103bの後端より後方向に位置する。後上向き面119の前端119fは、車両前後方向において、後壁上部118aの後端118abより前方向であって、後壁中間部118bの前端118bfと同じ位置に位置する。後上向き面119の後端119bは、車両前後方向において、後壁上部118aの後端118abより前方向に位置する。また、後上向き面119は、車両上下方向において、後壁118の車両上部118aより下方向に配置される。なお、図2では、後壁118の後上向き面119の後端119bを通り、車両上下方向に平行な平面を直線L135で示している。後壁110の後上向き面119の前端119fを通り、車両上下方向に平行な平面を直線L136で示している。つまり、図2では、車両前後方向において、直線L135は、直線L132と同じであって、直線L133より後方向に位置する。車両前後方向において、直線L136は、直線L131より前方向であって、直線L134と同じ位置に位置する。車両前後方向において、直線L135は、直線L131より後方向に位置する。
キャビン空間112は、車両前後方向において、キャビン空間上部の後端112bbが、キャビン空間中間部の後端112bcより後方向に位置している。図2では、キャビン空間上部の後端112bbは、リヤカバー171bにある。キャビン空間中間部の後端112bcは、後荷物デッキ179arにある。なお、キャビン空間上部の後端112bbを通り、車両上下方向に平行な平面を直線Lcb11で示している。また、キャビン空間中間部の前端112bcを通り、車両上下方向に平行な平面を直線Lcb12で示している。つまり、図2では、車両前後方向において、直線Lcb11は、直線Lcb12より前方向に位置する。なお、図2では、車両前後方向において、キャビン空間上部の後端112bbおよび後壁上部118aの後端118abが、同じ位置であるように模式的に示している。実際は、車両前後方向において、キャビン空間上部の後端112bbは、リヤカバー171bの厚みだけ、後壁上部118aの後端118abより前方向に位置する。
図7に示すように、コミュニケーションシート式車両101は、スロープ部材136aを有する。スロープ部材136aは、コミュニケーションシート式車両101の走行時に、ドア181の車両左右方向の右方向のキャビン空間112内に収納される。具体的には、スロープ部材136aは、車両前後方向に並んだ2つの板状部材からなる。スロープ部材136aの2つの板状部材は、スロープ部材136aの収納状態において、前ドア181fと後ドア181bの内面に沿ってそれぞれ配置される。各板状部材は、二つ折り等に折り畳まれた状態でドア181の内面に沿って配置されてもよい。スロープ部材136aは、コミュニケーションシート式車両101の停止時に開ボタン183bまたは開ボタン183dが操作されると、収納状態(図示せず)から図7に示す使用状態に変更される。使用状態のスロープ部材136aは、乗降口182から地面に向かって傾斜して設置される。つまり、図7の使用状態のスロープ部材136aは、車両左右方向における左端部が地面に設置される。そして、スロープ部材136aは、乗降口182と地面とをつなぐように設けられる。スロープ部材136aは、傾斜した状態で設置される。図7に示す使用状態のスロープ部材136aは、車両左右方向における右端部がフロアデッキ178の高さになるように、乗降口182に設置される。この際、コミュニケーションシート式車両101は、その車両高が走行時の車両高より低くなるように制御される。つまり、コミュニケーションシート式車両101の乗降口182は、その高さが走行時の高さより低くなるように制御される。これにより、乗客、台車、車椅子等の乗り降りがよりスムーズにできる。スロープ部材136aは、図7の使用状態の時に閉ボタン183eが操作されると、図7に示す使用状態から収納状態に変更される。この際、コミュニケーションシート式車両101は、その車両高が走行時の車両高と同じ高さになるように制御される。つまり、コミュニケーションシート式車両101の乗降口182は、その高さが走行時の高さと同じになるように制御される。なお、開ボタン183aまたは開ボタン183cが操作された場合は、スロープ部材136aを構成する2つの板状部材は、前ドア181fおよび後ドア181bと一体的に車両前後方向にスライドする。スロープ部材136aが収納状態の時に閉ボタン183eが操作された場合は、スロープ部材136aを構成する2つの板状部材は、前ドア181fおよび後ドア181bと一体的に車両前後方向にスライドする。スロープ部材136aは、フロアデッキ178と地面との段差を解消するために用いられる。スロープ部材136aにより、乗客、台車、車椅子等が乗り降りをスムーズに行うことができる。乗客、台車、車椅子等が乗り降りをスムーズに行うことにより、キャビン空間112の快適性をより確実に維持することができる。スロープ部材136aの幅W102は、乗降口182の幅W101と同じかそれより短い長さである。なお、スロープ部材136aの幅W102は、乗降口182の幅W101と同じ長さであることが好ましい。スロープ部材136aの幅がより広い方が、乗客、台車、車椅子等の乗り降りがスムーズにできるからである。スロープ部材136aは幅方向の両端部に突起部を有し、スロープ部材136aの両端部がL字状になるように形成されていることが好ましい。台車、車椅子等の乗り降りをガイドすることができるからである。スロープ部材136aは、上面に滑り止めのための突起加工が施されていることが好ましい。乗客、台車、車椅子等の乗り降りがスムーズにできるからである。なお、図7に示すように、コミュニケーションシート式車両101の停止時であって、乗客、台車、車椅子等が乗り降りする際に、シート121は、収納状態に配置されることが好ましい。これにより、キャビン空間112を広く使うことができ、乗客、台車、車椅子等が乗り降りをスムーズに行うことができる。
本発明の実施形態の具体例1のコミュニケーションシート式車両101は、上述した本発明の実施形態のコミュニケーションシート式車両1の効果に加えて、以下の効果を奏する。
コミュニケーションシート式車両101の前壁110は、車両前後方向において、その前壁上部110aの前端110afが、前壁下部110cの前端110cfより後方向に位置する。これにより、車両上下方向に見て、前上向き面111の少なくとも一部が前壁上部110aと重ならない。そのため、前上向き面111より上方向の空間がより開放され、車両101の前壁上部110aが前壁下部110cに対してより後方向に位置している印象を、進行方向にいる歩行者に与えることができる。これにより、コミュニケーションシート式車両101が進行方向にいる歩行者に与える圧迫感をさらに低減できる。
コミュニケーションシート120は、着座した複数の乗客が対面するように配置された2列のフロントシートアセンブリ120fおよびリアシートアセンブリ120bを有する。フロントシートアセンブリ120fは、着座したときの乗客が車両後方向を向く前シートである。リアシートアセンブリ120bは、着座したときの乗客が車両前方向を向く後シートである。コミュニケーションシート120に、着座した複数の乗客が同じ方向にしか向かない状態で固定されたシートは含まれない。つまり、コミュニケーションシート120は、乗客同士が顔を見ながら会話できるような位置に乗客を着座可能に構成される。
コミュニケーションシート120は、4人以下の乗客が着座可能に構成される。キャビン空間112の快適性を維持しつつ、コミュニケーションシート式車両101に乗車した乗客が、乗客同士が顔を見ながら会話できるようにコミュニケーションシート120に着座することができる。
コミュニケーションシート式車両101は、車輪103の逆回転により、進行方向を車両前後方向の後方向に変更可能である。コミュニケーションシート式車両101の車体カバー170の形状は、車両前後方向において対称になるように形成される。車体フレーム130の形状は、車両前後方向において対称になるように形成される。つまり、コミュニケーションシート式車両101が、車輪103の回転の方向を変更させることにより、進行方向を変更可能であるスイッチバック可能車両である。
ここで、コミュニケーションシート式車両101は、後壁118を有する。コミュニケーションシート式車両101の後壁118は、車両前後方向において、後壁上部118aの後端118abおよび後壁下部118cの後端118cbが、後壁中間部118bの前端118bfより後方向に位置する。これにより、車両前後方向の後方向にいる歩行者の視線の高さの車両の車両前後方向の長さが短くなる。そのため、コミュニケーションシート式車両101が車両前後方向の後方向にいる歩行者に与える圧迫感を低減できる。
また、車両前後方向において、後壁上部118aが後壁中間部118bより後方向に位置しているが、キャビン空間112のキャビン空間上部の後端112bbが、キャビン空間中間部の後端112bcより後方向に位置している。つまり、キャビン空間上部がキャビン空間中間部より大きく、コミュニケーションシート120に着座した乗客の視線の高さに位置するキャビン空間上部が広い。そのため、コミュニケーションシート120に着座した乗客の視線の高さのキャビン空間112の車両前後方向の大きさを維持して、キャビン空間112の快適性を維持できる。
さらに、車両101の後壁118は後上向き面119を有する。この後上向き面119の後端119bは、車両前後方向において、後壁下部118cの後端118cbと同じか後壁下部118cの後端118cbより前方向であって、2つの後輪103bの後端と同じか2つの後輪103bの後端より後方向に位置する。また、この後上向き面119の前端119fは、車両前後方向において、後壁上部118aの後端118abと同じか後壁上部118aの後端118abより前方向であって、後壁中間部118bの前端118bfと同じか後壁中間部118bの前端118bfより後方向に位置する。また、この後上向き面119は、車両上下方向において、後壁上部118aより下方向に配置される。したがって、この後上向き面119は、後壁118の車両上部118aより低い位置に配置され、車両前後方向の長さが長い。つまり、車両前後方向において、後壁中間部118bが後壁118の後壁上部118aより前方向に配置され、後壁上部118aより低い位置に上方向を向く車両前後方向の長さの長い後上向き面119が形成される。これにより、車両前後方向の後方向にいる歩行者が車両の後壁118に形成された後上向き面119を見下ろすようになる。つまり、車両前後方向の後方向にいる歩行者の視線の高さにある後壁118がより前方向に位置している印象を車両前後方向の後方向にいる歩行者に与えることができる。そのため、コミュニケーションシート式車両101が車両前後方向の後方向にいる歩行者に与える圧迫感をより低減できる。なお、具体例1では、コミュニケーションシート式車両101の形状は、前壁110と後壁118は、車両前後方向の前壁110と後壁118の間を通り車両前後方向に垂直な平面に対して面対称な形状になるように形成される。また、コミュニケーションシート式車両101の前壁110と後壁118は、車両前後方向の前壁110と後壁118の間を通り車両前後方向に垂直な平面に対して面対称な形状である。これにより、進行方向が車両前後方向の後方向に変更された場合であっても、コミュニケーションシート式車両101が進行方向にいる歩行者に与える圧迫感を低減できる。
後壁118は、車両前後方向において、後壁上部118aの後端118abが、後壁下部118cの後端118cbより前方向に位置する。これにより、車両上下方向に見て、後上向き面119の少なくとも一部が後壁上部118aと重ならない。そのため、後上向き面119より上方向の空間がより開放され、車両101の後壁上部118aが後壁下部118cに対してより前方向に位置している印象を、車両前後方向の後方向にいる歩行者に与えることができる。これにより、コミュニケーションシート式車両101が車両前後方向の後方向にいる歩行者に与える圧迫感をさらに低減できる。以上から、本発明のコミュニケーションシート式車両101は、キャビン空間112の快適性を維持しつつ、歩行者に対する圧迫感を抑えることができる。
コミュニケーションシート120は、乗客が着座するためのシート121を含む。シート121は、キャビン空間112にシート部121aを構成可能に形成される。シート121は、シート部121aが構成される着座状態と、シート部121aが構成されない収納状態との間で揺動可能に形成される。具体的には、シート121は、バックレスト部122aを構成するバックレスト122に対して、揺動可能に形成される。そして、シート121の収納状態では、シート121が揺動されて、シート121とバックレスト122とが向かい合うように配置される。このように、乗客がキャビン空間112に乗り降りする際に、シート121がシート部121aを構成しなければ、キャビン空間112が広くなる。また、荷物をキャビン空間112に乗せる際に、シート121がシート部121aを構成しなければ、キャビン空間112が広くなり、多くの荷物を載せることができる。そして、キャビン空間112の快適性をより確実に維持することができる。
コミュニケーションシート120は、乗客が姿勢を保つためのバックレスト部122aを含む。バックレスト122は、乗客を収容する車両内部のキャビン空間112に、バックレスト部122aを構成可能に形成される。バックレスト122は、乗客が姿勢を保つことができる姿勢保持状態で固定されてバックレスト部122aが構成される。バックレスト122がバックレスト部122aを構成していると、乗客がコミュニケーションシート120に着座した際に、乗客の背中が支えられ、乗客が快適さを感じることができる。そして、キャビン空間112の快適性をより確実に維持することができる。
キャビン空間112と車両外部の外部空間とを連通させるフロントカバー窓171fo、リヤカバー窓171bo、右窓177ro、および、左窓177loを備える。フロントカバー窓171fo、リヤカバー窓171bo、右窓177ro、および、左窓177loは、コミュニケーションシート120に着座した乗客がキャビン空間112から車両外部の外部空間を視認可能に構成されている。そのため、乗客が開放感を感じる。乗客が開放感を感じることにより、キャビン空間の快適性をより確実に維持することができる。
乗降口182が車両左部に構成される。コミュニケーションシート式車両101が、道路内の車両左右方向の左部を通行する場合、対向車両がコミュニケーションシート式車両101の車両左右方向の右方向を通過する。つまり、乗客がキャビン空間112に乗り降りしやすい場所に、乗降口182を構成することができる。乗客が乗り降りをスムーズに行うことにより、キャビン空間112の快適性をより確実に維持することができる。
ドア181により乗降口182が開閉される。乗客が乗り降りしない場合に、ドア181を閉状態にすることができる。ドア181を閉状態にすることにより、乗客の足元が開放されず、キャビン空間112の快適性を維持することができる。
ドア181は、スライドドアであり、車両外面に沿ってスライドする。つまり、キャビン空間112内にドア181が進入しない。そのため、乗客がキャビン空間112を広く使うことができ、キャビン空間112の快適性を維持することができる。
コミュニケーションシート式車両101は、駆動源105と、操舵機構106と、自動運転制御装置108と、をさらに備える。駆動源105は、4つの車輪103の少なくとも一つに駆動力を付与する。操舵機構106は、4つの車輪103の少なくとも一つを操舵する。駆動源105と操舵機構106は、自動運転制御装置108により自動的に制御される。コミュニケーションシート式車両101は、自動走行可能である。つまり、ステアリングホイールやペダル等をキャビン空間112内に配置しなくてよい。そのため、乗客がキャビン空間112を広く使うことができ、キャビン空間112の快適性を維持することができる。
コミュニケーションシート式車両101は、バイザー184を備える。バイザー184は、左窓177loおよび右窓177roの上縁であって車両外面に設けられる。バイザー184が左窓177loおよび右窓177roへの雨や日差しなどの侵入を抑えるため、キャビン空間112の快適性をより確実に維持することができる。
(実施形態の具体例2)
次に、上述した本発明の実施形態の具体例1について図8を用いて説明する。なお、以下の説明では、上述した本発明の実施形態と同じ部位についての説明は省略する。基本的に、本発明の実施形態の具体例2は、上述した本発明の実施形態および具体例1の特徴を全て有している。本発明の実施形態の具体例1と同じ部材については、同じ符号を付して、その説明を省略する。
具体例2のコミュニケーションシート式車両201は、具体例1で上述のフロントカバー171fのフロントカバー下部171faおよびリヤカバー171bのリヤカバー下部171baの形状が異なる。つまり、コミュニケーションシート式車両201は、具体例1で上述の前壁210および後壁218の形状が異なる。そして、キャビン空間212が、具体例1のキャビン空間112と異なる。
図8に示すように、フロントカバー271fのフロントカバー下部271faは、2つの前輪103fの前方向に配置される。フロントカバー下部271faは、車両上下方向に沿って配置される。フロントカバー下部271faは、その左部およびその右部が、2つの前輪フロントカバー部171feにそれぞれ接続される。フロントカバー下部271faは、2つの前輪フロントカバー部171feの間に、車両左右方向に沿って配置される。フロントカバー下部271faは、車両左右方向の中央部が左右端部より前方向に位置するように湾曲している。フロントカバー下部271faは、車両上下方向の中央部が上下端部より前方向に位置するように湾曲している。車両前後方向において、フロントカバー下部271faの前端は、2つの前輪フロントカバー部171feの前端と同じか後方向に配置される。
リヤカバー271bのリヤカバー下部271baは、2つの後輪103bの後方向に配置される。リヤカバー下部271baは、車両上下方向に沿って配置される。リヤカバー下部271baは、その左部およびその右部が、2つの前輪リヤカバー部171beにそれぞれ接続される。リヤカバー下部271baは、2つの後輪リヤカバー部171beの間に、車両左右方向に沿って配置される。リヤカバー下部271baは、車両左右方向の中央部が左右端部より後方向になるように湾曲している。リヤカバー下部271baは、車両上下方向の中央部が上下端部より後方向に位置するように湾曲している。リヤカバー下部271baの後端は、車両前後方向において、2つの後輪リヤカバー部171beの後端と同じか前方向に配置される。
図8に示すように、コミュニケーションシート式車両201の前壁210は、車両前後方向において、前壁上部210aの前端210afが、前壁下部210cの前端210cfより後方向、かつ、前壁中間部210bの後端210bbより前方向に位置する。なお、図8では、前壁上部210aの前端210afを通り、車両上下方向に平行な平面を直線L211で示している。前壁下部210cの前端210cfを通り、車両上下方向に平行な平面を直線L212で示している。前壁中間部210bの後端210bbを通り、車両上下方向に平行な平面を直線L214で示している。つまり、車両前後方向において、直線L211は、直線L212より後方向、かつ、直線L214より前方向に位置する。
前壁中間部210bの後端210bbは、2つの前輪103fの前端より後方向に位置する。なお、図8では、2つの前輪103fの前端を通り、車両上下方向に平行な平面を直線L213で示している。つまり、車両前後方向において、直線L214は、直線L213より後方向に位置する。図8では、車両前後方向において、前壁上部210aの前端210afは、2つの前輪103fの前端より後方向に位置する。つまり、車両前後方向において、直線L211は、直線L213より後方向に位置する。なお、車両前後方向において、前壁上部210aの前端210afは、2つの前輪103fの前端と同じか2つの前輪103fの前端より前方向に位置してもよい。つまり、車両前後方向において、直線L211は、直線L213と同じ位置であってもよく、直線L213より前方向に位置してもよい。
コミュニケーションシート式車両201の前壁上部210aは、コミュニケーションシート式車両201を車両上下方向に3等分した場合の最も上の前壁210の一部分である。コミュニケーションシート式車両201の前壁中間部210bは、コミュニケーションシート式車両201を車両上下方向に3等分した場合の真ん中の前壁210の一部分である。コミュニケーションシート式車両201の前壁下部210cは、コミュニケーションシート式車両201を車両上下方向に3等分した場合の最も下の前壁210の一部分である。なお、図8では、直線L221および直線L222を、コミュニケーションシート式車両201を車両上下方向に3等分する直線として示している。直線L221および直線L222は、車両上下方向に垂直でありかつ車両前後方向に平行な直線である。また、直線L221は、直線L222より車両上下方向の上方向に位置する。コミュニケーションシート式車両201の前壁210は、車両上下方向において、直線L221を通る平面および直線L222を通る平面で、前壁上部210a、前壁中間部210b、および、前壁下部210cに3等分される。
コミュニケーションシート式車両201の前壁210は、前上向き面211を有する。前壁210の前上向き面211は、車両前後方向に沿って形成される外壁面である。フロントカバー271fおよび2つの前輪サイドカバー175fは、前壁210の前上向き面211を構成する。
前上向き面211の前端211fは、車両前後方向において、前壁下部210cの前端210cfと同じか前壁下部210cの前端210cfより後方向であって、2つの前輪103fの前端と同じか2つの前輪103fの前端より前方向に位置する。前上向き面211の後端211bは、車両前後方向において、前壁上部210aの前端210afと同じか前壁上部210aの前端210afより後方向であって、前壁中間部210bの後端210bbと同じか前壁中間部210bの後端210bbより前方向に位置する。図8では、前上向き面211の前端211fは、車両前後方向において、前壁下部210cの前端210cfより後方向であって、2つの前輪103fの前端より前方向に位置する。前上向き面211の後端211bは、車両前後方向において、前壁上部210aの前端210afより後方向であって、前壁中間部210bの後端210bbと同じ位置に位置する。前上向き面211の前端211fは、車両前後方向において、前壁上部210aの前端210afより前方向に位置する。また、前上向き面211は、車両前後方向において、前壁上部210aより下方向に配置される。なお、図8では、前壁210の前上向き面211の前端211fを通り、車両上下方向に平行な平面を直線L215で示している。前壁210の前上向き面211の後端211bを通り、車両上下方向に平行な平面を直線L216で示している。つまり、図8では、車両前後方向において、直線L215は、直線L212より後方向であって、直線L213より前方向に位置する。車両前後方向において、直線L216は、直線L211より後方向であって、直線L214と同じ位置に位置する。車両前後方向において、直線L215は、直線L211より前方向に位置する。
キャビン空間212は、車両前後方向において、キャビン空間上部の前端212ffが、キャビン空間中間部の前端212fcより前方向に位置している。図8ではキャビン空間上部の前端212ffは、フロントカバー271fにある。キャビン空間中間部の前端212fcは、前荷物デッキ179afにある。ここで、キャビン空間上部は、コミュニケーションシート式車両201を車両上下方向に3等分した場合の最も上に含まれるキャビン空間212の一部分である。キャビン空間中間部は、コミュニケーションシート式車両201を車両上下方向に3等分した場合の真ん中に含まれるキャビン空間212の一部分である。なお、図8では、車両前後方向において、キャビン空間上部の前端212ffおよび前壁上部210aの前端210afが、同じ位置であるように模式的に示している。実際は、車両前後方向において、キャビン空間上部の前端212ffは、フロントカバー271fの厚みだけ、前壁上部210aの前端210afより後方向に位置する。
また、コミュニケーションシート式車両201の後壁218は、車両前後方向において、後壁上部218aの後端218abが、後壁下部218cの後端218cbより前方向、かつ、後壁中間部218bの前端218bfより前方向に位置する。
車両前後方向において、後壁中間部218bの前端218bfは、2つの後輪103bの後端より前方向に位置する。なお、図8では、2つの後輪103bの後端を通り、車両上下方向に平行な平面を直線L225で示している。図8では、車両前後方向において、後壁上部218aの後端218abは、2つの後輪103bの後端より前方向に位置する。なお、車両前後方向において、後壁上部218aの後端218abは、2つの後輪103bの後端と同じか2つの後輪103bの後端より後方向に位置してもよい。
コミュニケーションシート式車両201の後壁上部218aは、コミュニケーションシート式車両201を車両上下方向に3等分した場合の最も上の後壁218の一部分である。コミュニケーションシート式車両201の後壁中間部218bは、コミュニケーションシート式車両201を車両上下方向に3等分した場合の真ん中の後壁218の一部分である。コミュニケーションシート式車両201の後壁下部218cは、コミュニケーションシート式車両201を車両上下方向に3等分した場合の最も下の後壁218の一部分である。コミュニケーションシート式車両201の後壁218は、車両上下方向において、直線L221を通る平面および直線L222を通る平面で、上部218a、中間部218b、および、下部218cに3等分される。
コミュニケーションシート式車両201の後壁218は、後上向き面219を有する。後壁218の後上向き面219は、車両前後方向に沿って形成される外壁面である。リヤカバー271bおよび2つの後輪サイドカバー175bは、後壁218の後上向き面219を構成する。
後上向き面219の後端219bは、車両前後方向において、後壁下部218cの後端218cbと同じか、後壁下部218cの後端218cbより前方向であって、2つの後輪103bの後端と同じか、2つの後輪103bの後端より後方向に位置する。後上向き面219の後端219bは、車両前後方向において、後壁上部218aの前端218abと同じか後壁上部218aの後端218abより前方向であって、後壁中間部218bの前端218bfと同じか後壁中間部218bの前端218bfより後方向に位置する。図8では、車両前後方向において、後上向き面219の後端219bは、後壁下部218cの後端218cbより前方向であって、2つの後輪103bの後端より後方向に位置する。車両前後方向において、後上向き面219の前端219fは、後壁上部218aの後端218abより前方向であって、後壁中間部218bの前端218bfと同じ位置に位置する。後上向き面219の後端219bは、車両前後方向において、後壁上部218aの後端218abより後方向に位置する。また、後上向き面219は、車両上下方向において、後壁上部218aより下方向に配置される。
キャビン空間212は、車両前後方向において、キャビン空間上部の後端212bbが、キャビン空間中間部の後端212bcより後方向に位置している。図8ではキャビン空間上部の後端212bbは、リヤカバー271bにある。キャビン空間中間部の後端212bcは、後荷物デッキ179arにある。なお、車両前後方向において、キャビン空間上部の後端212bbおよび後壁上部218aの後端218abが、同じ位置であるように模式的に示している。実際は、車両前後方向において、キャビン空間上部の後端212bbは、リヤカバー271bの厚みだけ、後壁上部218aの後端210abより前方向に位置する。
コミュニケーションシート式車両201の前壁210と後壁218は、車両前後方向の前壁210と後壁218の間を通り車両前後方向に垂直な平面に対して面対称な形状である。
本発明の実施形態の具体例2のコミュニケーションシート式車両201は、上述した本発明の実施形態の具体例1のコミュニケーションシート式車両101の効果に加えて、以下の効果を奏する。
車両前後方向において、フロントカバー下部271faの前端は、2つの前輪フロントカバー部171feの前端と同じか後方向に配置される。これにより、コミュニケーションシート式車両201の前壁210の下部210cの車両前後方向の大きさが小さくなる。そのため、コミュニケーションシート式車両201が進行方向にいる歩行者に与える圧迫感をより低減できる。
また、車両前後方向において、リヤカバー下部271baの後端は、2つの後輪リヤカバー部171beの後端と同じか前方向に配置される。これにより、コミュニケーションシート式車両201の後壁218の下部218cの車両前後方向の大きさが小さくなる。そのため、コミュニケーションシート式車両201が進行方向を車両前後方向の後方向に変えた場合でも、車両前後方向の後方向にいる歩行者に与える圧迫感をより低減できる。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能である。以下、本発明の実施形態の変更例について説明する。
本発明の具体例において、駆動源は、2つの後輪を駆動する。しかしながら、本発明の駆動源は、2つの前輪を駆動してもよい。本発明の駆動源は、複数の車輪の少なくとも2つの車輪を駆動してもよい。本発明の具体例において、駆動源は、電気モータおよびバッテリを含む駆動モータである。しかし、本発明の駆動源は、ガソリン等を用いるエンジンであってもよい。
本発明の具体例において、制動機構は、ディスクブレーキ装置で構成される。しかし、本発明の制動機構は、駆動モータによる回生ブレーキとディスクブレーキ装置を併用するものであってもよい。また、本発明の制動機構は、ドラムブレーキ装置等で構成されてもよい。
本発明の具体例において、操舵機構は、2つの前輪を操舵して、コミュニケーションシート式車両の進行方向を制御する。しかしながら、本発明の操舵機構は、2つの後輪を操舵して、コミュニケーションシート式車両の進行方向を制御してもよい。本発明の操舵機構は、複数の車輪の少なくとも2つの車輪を操舵して、コミュニケーションシート式車両の進行方向を制御してもよい。
本発明の実施形態および具体例において、コミュニケーションシートは、フロントシートアセンブリおよびリアシートアセンブリの前後2列のシートアセンブリを備えている。しかしながら、本発明のコミュニケーションシートは、乗客同士が顔を見ながら会話できるような位置に乗客を着座可能に構成されればよい。本発明のコミュニケーションシートは、後シートアセンブリ、前シートアセンブリ、右シートアセンブリ、および、左シートアセンブリの少なくともいずれかの2つ以上のシートアセンブリを含んでいればよい。右シーアセンブリトは、着座したときの乗客が車両左方向を向くシートアセンブリである。左シートアセンブリは、着座したときの乗客が車両右方向を向くシートアセンブリである。コミュニケーションシートは、例えば、前シーアセンブリトおよび右シートアセンブリ、前シートアセンブリおよび左シートアセンブリ、後シートアセンブリおよび右シートアセンブリ、後シートアセンブリおよび左シートアセンブリ、のいずれかで構成されるL字状に配置されたシートアセンブリを含んでよい。コミュニケーションシートは、例えば、前シートアセンブリと右シートアセンブリと左シートアセンブリ、前シートアセンブリと左シートアセンブリと後シートアセンブリ、後シートアセンブリと右シートアセンブリと左シートアセンブリ、後シートアセンブリと右シートアセンブリと前シートアセンブリ、のいずれかで構成されるコの字状(C字状)に配置されたシートアセンブリを含んでよい。コミュニケーションシートは、例えば、後シートアセンブリ、前シートアセンブリ、右シートアセンブリ、および、左シートアセンブリの全てで構成される四角状に配置されたシートアセンブリを含んでよい。
本発明の実施形態および具体例において、コミュニケーションシートは、乗客が姿勢を保つためのバックレストを有する。しかしながら、コミュニケーションシートは、バックレストを有さなくてもよい。
本発明の具体例において、操舵機構は自動運転制御装置により制御される。しかしながら、本発明の操舵機構は、ステアリングホイールを備え、乗客がステアリングホイールを操作することによって制御されるものであってもよい。ステアリングホイールは、円状部材で形成されて乗客により回転操作されるものもよいし、レバーで形成されて乗客により方向入力操作されるものでもよい。また、本発明のコミュニケーションシート式車両は、自動運転モードと手動運転モードのいずれかで操舵されるものであってもよい。自動運転モードでは、操舵機構は自動運転制御装置により制御される。手動運転モードでは、操舵機構は乗客がステアリングホイールを操作することによって制御される。さらに、操舵機構は、着脱可能なステアリングホイールを有してもよい。そして、手動運転モードで走行される場合にステアリングホイールを取り付け、自動運転モードで走行される場合にステアリングホイールを取り外すものであってもよい。
本発明の具体例において、駆動源および制動機構は自動運転制御装置により制御される。しかしながら、本発明のコミュニケーションシート式車両は、アクセルペダル、ブレーキペダル、クラッチペダルを備えてよい。駆動源は、乗客がアクセルペダルまたはクラッチペダルを操作することによって、制御されるものであってよい。なお、クラッチペダルは備えなくてもよい。制動機構は、乗客がブレーキペダルを操作することによって、制御されるものであってよい。また、本発明のコミュニケーションシート式車両は、自動運転モードと手動運転モードのいずれかで走行されてもよい。自動運転モードでは、自動運転制御装置によって、コミュニケーションシート式車両の走行が制御される。手動運転モードでは、乗客がアクセルペダルおよびブレーキペダルを操作することによって、コミュニケーションシート式車両の走行が制御される。
本発明の具体例において、シートは、例えば、回転軸が弾性部材を有し、手動により、着座状態から所定の角度まで持ち上げると、弾性部材の弾性力により、収納状態になるように構成される。しかしながら、本発明のシートは、着座状態と収納状態との間の任意の位置で停止可能にその回転軸が構成されてもよい。また、シートは、弾性部材により、通常は収納状態であり、乗客が着座する際に手動で着座状態に揺動させるものであってもよい。
本発明の具体例において、シートは、乗客が着座可能な着座状態と、乗客が着座できない収納状態との間で揺動可能に形成される。しかしながら、本発明のシートは、乗客が着座するシート部が固定して構成されてもよい。つまり、本発明のシートは、シート部が構成されない収納状態を構成されなくてもよい。
本発明の具体例において、シートは、シート部が構成される着座状態と、シート部が構成されない収納状態との間で揺動可能に形成される。しかしながら、本発明のシートは、シート部が構成された着座状態からシート部が構成されない取り外し状態へ着脱可能に形成されるものであってもよい。
本発明の具体例において、バックレストは、車体フレームに固定されている。しかしながら、本発明のコミュニケーションシート式車両は、車両内部であって、キャビン空間の外に配置された格納スペースをさらに備えてもよい。そして、本発明のバックレストは、格納スペースを開閉可能に構成されてもよい。例えば、図4の二点鎖線に示すように、コミュニケーションシート式車両101は、2つの格納スペース123(前格納スペース123fおよび後格納スペース123r)を有してよい。前格納スペース123fは、前荷物デッキ123fdにより構成される。前荷物デッキ123fdは、車両前後方向において、一部が、フロントシートアセンブリ120fのフロントバックレスト122fの前端より前方向に配置される。前荷物デッキ123fdは、前荷物デッキ179afより車両上下方向の下方向に配置される。また、後格納スペース123rは、後荷物デッキ123rdにより構成される。後荷物デッキ123rdは、車両前後方向において、一部が、リアシートアセンブリ120bのリアバックレスト122rの後端より後方向に配置される。後荷物デッキ123rdは、後荷物デッキ179arより車両上下方向の下方向に配置される。本発明のバックレストは、例えば図4に示すバックレスト122のように、格納スペースを開閉可能に構成されていてもよい。つまり、バックレストは、車両前後方向に見た面積が変更可能に構成される。また、バックレストは、例えば、姿勢保持状態と、乗客が姿勢を保持できない収納状態との間で車両前後方向に見た面積が変更可能に形成される。ここで、バックレストの姿勢保持状態では、車両前後方向に見たバックレストの面積が最大になる。バックレストの収納状態では、バックレストの姿勢保持状態と比較して、車両前後方向に見たバックレストの面積が小さくなる。バックレストの収納状態では、バックレストが揺動されて、バックレストおよびシートが向かい合うように配置される。また、バックレストは、例えば、姿勢保持状態または収納状態からバックレストを取り外した取り外し状態へ着脱可能に形成される。ここで、バックレストの取り外し状態では、車両前後方向に見たバックレストの面積が最小の0になる。バックレストは前格納スペースまたは後格納スペースが閉じている閉状態と、前格納スペースまたは後格納スペースが開いている開状態との間で変更可能に形成される。バックレストは、シート部を構成するシートに対して、揺動可能に形成される。そして、バックレストの開状態では、バックレストが揺動されており、格納スペースが開口される。バックレストが開状態から揺動されて閉状態となると、格納スペースが閉じられる。また、バックレストは、例えば、バックレスト部が構成された閉状態からバックレスト部が構成されない開状態へ着脱可能に形成される。具体的には、バックレストの開状態では、バックレストが取り外されて、格納スペースが開口する。バックレストの開状態では、バックレストが取り付けられており、格納スペースが閉じている。バックレストの開状態において、乗客が格納スペースを利用して、格納スペースに荷物などを格納することができる。これにより、乗客の荷物などがキャビン空間内に置かれる場合と比較して、キャビン空間のうち、乗客が乗り降りする際に使用することができる空間が広くなる。そして、乗り降りのしやすさを向上させることができる。なお、本発明のコミュニケーションシート式車両は、前格納スペースを開閉可能なバックレストと、後格納スペースを開閉可能なバックレストの両方を備えていてもよい。格納スペースは、前格納スペースまたは後格納スペースのいずれかのみでもよい。さらに、格納スペースは、車両前部および車両後部だけでなく、車両左部または車両右部の車両内部に備えてもよい。そして、格納スペースは、バックレストによって開閉可能に構成されていなくてもよい。
本発明の具体例において、自動運転制御装置は、制御パネルと通信可能に構成されて、各種信号を制御パネルから受信するように構成される。しかしながら、本発明の制御パネルは、電子計算機である端末であって、タブレット端末や携帯端末等であってもよい。端末は、コミュニケーションシート式車両の車両内部に配置されてもよいし、コミュニケーションシート式車両の車両外部に配置されてもよい。
本発明の具体例において、自動運転制御装置は、端末と通信可能に構成されて、各種信号を端末から受信するように構成される。しかしながら、本発明の自動制御車両は、端末と通信可能に構成されなくてよい。この場合、例えば、自動運転制御装置は、駆動源と、操舵機構と、制動機構とに出力する指令を、車両の位置に関連する情報と対応付けて、予め記憶しておく。
本発明の具体例において、コミュニケーションシート式車両は、非常ボタンを有する。しかしながら、本発明のコミュニケーションシート式車両は、非常ボタンを有さなくてもよい。
本発明の具体例において、コミュニケーションシート式車両は、ドアを有する。しかしながら、本発明のコミュニケーションシート式車両は、ドアを有さなくてもよい。
本発明の具体例において、ドアはスライドドアである。しかしながら、本発明のドアは、ヒンジドア、スイングドア、グライドドア等であってもよい。
本発明の具体例において、コミュニケーションシート式車両は、ドアの外面に設けられる2つの開ボタンと、ドアの内面に設けられる2つの開ボタンを有する。しかしながら、本発明の開ボタンは、ドア以外の車体カバーの外面に配置されてもよい。また、本発明の開ボタンは、ドア以外の車体カバーの内面に配置されてもよい。また、本発明のコミュニケーションシート式車両は、5つ以上の開ボタンを有してもよい。また、本発明のコミュニケーションシート式車両は、1〜3個の開ボタンのみを有してもよい。また、本発明の具体例において、車両内面に1つの閉ボタンが配置される。しかしながら、本発明の閉ボタンは、2つ以上配置されてもよい。本発明のドアは、乗客が制御パネルやその他の携帯端末を操作することで、開閉してもよい。本発明のコミュニケーションシート式車両は、開閉ボタンは有さなくてよい。本発明のドアは、乗客の操作によらずに開閉してもよい。例えば、ドアは、自動運転制御装置により、コミュニケーションシート式車両が走行を停止している間に開状態になるように制御されてもよい。また、ドアは、自動運転制御装置により、コミュニケーションシート式車両が走行している間に閉状態になるように制御される。
本発明の具体例において、開ボタンは、一般乗客用の開ボタンと特別乗客用の開ボタンを有する。しかしながら、本発明のコミュニケーションシート式車両は、一般乗客用の開ボタンのみを有してもよい。この場合は、本発明のコミュニケーションシート式車両は、スロープを有さなくてよい。さらに、本発明のコミュニケーションシート式車両は、いずれかの開ボタンが押されても、車両高を走行時の車両高と変わらないように構成されてもよい。また、本発明のコミュニケーションシート式車両は、特別乗客用の開ボタンのみを有してもよい。
本発明の具体例において、スロープ部材は、コミュニケーションシート式車両の走行時に、ドアの内面に沿って収納される。しかしながら、本発明のスロープ部材は、床フレームに沿うように床フレームの下方向に収納可能に構成されてもよい。この場合、スロープ部材の奥行きは、床フレームの車両左右方向の長さと同じかそれより短い長さで形成される。スロープ部材を床フレームの下方向に収納した際に、コミュニケーションシート式車両の走行の邪魔にならないからである。スロープ部材の突起部の高さは、床フレームと地面との間の高さより短い。スロープ部材を床フレームの下方向に収納するためである。
本発明の具体例において、コミュニケーションシート式車両は、バイザーを備える。しかしながら、本発明のコミュニケーションシート式車両は、バイザーを備えなくてよい。
本発明の具体例において、乗降口が、車体カバーの車両左右方向の左部に形成される。しかしながら、本発明のコミュニケーションシート式車両は、乗降口が、車体カバーの車両前後方向の前部と後部および車両左右方向の左部と右部のいずれか少なくとも1カ所に形成されていればよい。例えば、コミュニケーションシート式車両が、道路内の車両左右方向の右部を通行する場合、対向車両がコミュニケーションシート式車両の左方向を通過する。この場合、乗客がキャビン空間に乗り降りしやすい車体カバーの車両左右方向の右部に、乗降口を構成することが好ましい。また、例えば、コミュニケーションシート式車両が、狭い道路内を通行する場合、コミュニケーションシート式車両の車両左右方向に乗り降りすることが難しい場合がある。この場合、乗客がキャビン空間に乗り降りしやすい車体カバーの車両前後方向の前部および後部の少なくともいずれかに、乗降口を形成することが好ましい。
本発明の実施形態および具体例において、車体フレームは、その前部を車両前後方向の後方向に見た形状とその後部を車両前後方向の前方向に見た形状が同じである。また、本発明の具体例において、車体フレームは、車両前後方向の中央を通り車両前後方向に垂直な平面に対して面対称な形状に形成される。しかしながら、本発明において、上記車両前後方向に垂直な平面は、車体フレームの前端と後端との間を通れば、車体フレームの中央を通らなくてもよい。また、車体フレームの前後方向の後部の形状は、どのような形状であってもよい。例えば、車体フレームの前後方向の後部の形状は、箱型の形状であってもよい。
本発明の実施形態および具体例において、コミュニケーションシート式車両は、進行方向を車両前後方向の後方向に変更して走行することができる。つまり、コミュニケーションシート式車両は、車輪の逆回転により進行方向を変更可能な車両である。ここで、本発明の具体例において、コミュニケーションシート式車両の車体カバーは、車両前後方向の中央を通り車両前後方向に垂直な平面に対して面対称な形状に形成される。しかしながら、本発明において、上記車両前後方向に垂直な平面は、車両前後方向の前壁と後壁との間を通れば、車両前後方向の車体カバーの中央を通らなくてもよい。また、本発明の具体例において、コミュニケーションシート式車両は、車両前後方向の中央を通り車両前後方向に垂直な平面に対して面対称な形状に形成される。しかしながら、本発明において、上記車両前後方向に垂直な平面は、車両前後方向の前壁と後壁の間を通れば、車両前後方向のコミュニケーションシート式車両の中央を通らなくてもよい。また、本発明のコミュニケーションシート式車両が進行方向を逆向きの方向に変更して走行する場合において、その車体カバーは、車両前後方向の前壁と後壁の間を通り車両前後方向に垂直な平面に対して面対称な形状で形成されることが好ましい。または、本発明のコミュニケーションシート式車両が進行方向を逆向きの方向に変更して走行する場合において、その車体カバーは、その前部を車両前後方向の後方向に見た形状と車両前後方向の前方向に見た形状が同じであることが好ましい。しかしながら、コミュニケーションシート式車両は、進行方向を逆向きの方向に変更できなくてよい。この場合において、本発明のコミュニケーションシート式車両の車体カバーは、車両前後方向の前壁と後壁の間を通り車両前後方向に垂直な平面に対して面対称な形状、または、その前部を車両前後方向の後方向に見た形状と車両前後方向の前方向に見た形状が同じでなくてもよい。
本発明の実施形態および具体例において、車体カバーは、車両前後方向の前壁と後壁の間を通り車両前後方向に垂直な平面に対して面対称な形状で形成される。つまり、車体カバーに含まれるフロントカバーとリヤカバーは、車両前後方向の前壁と後壁の間を通り車両前後方向に垂直な平面に対して面対称な形状で形成される。しかしながら、本発明の車体カバーは、車両前後方向の前壁と後壁の間を通り車両前後方向に垂直な平面に対して面対称な形状で形成されなくてよい。なお、この場合において、コミュニケーションシート式車両は、進行方向を車両前後方向の後方向に変更できないことが好ましい。車体カバーの後部の形状は、どのような形状であってもよい。例えば、本発明のコミュニケーションシート式車両は、前壁と後壁とが対称な形状または同じ形状に形成されていなくてもよい。また、例えば、本発明のコミュニケーションシート式車両は、右部と左部とが対称な形状または同じ形状に形成されていなくてもよい。具体的には、車体カバーの後部の形状は、箱型の形状であってもよい。ここで、具体例を、図9に示すコミュニケーションシート式車両301に基づいて、説明する。図9に示すコミュニケーションシート式車両301は、図1に示すコミュニケーションシート式車両の変形例である。基本的に、本発明の実施形態の変形例は、上述した図1に示す本発明の実施形態の特徴を全て有している。コミュニケーションシート式車両301の前壁10の形状は、図1の実施形態に示すコミュニケーションシート式車両1の前壁10の形状と同じである。コミュニケーションシート式車両301のキャビン空間12は、図1の実施形態に示すコミュニケーションシート式車両1のキャビン空間12と同じである。コミュニケーションシート式車両301の後壁18の形状は、図1の実施形態に示すコミュニケーションシート式車両1の後壁の形状と異なる。コミュニケーションシート式車両301の後壁18は、車両上下方向に沿って平面状に形成される。
本発明の実施形態および具体例において、コミュニケーションシート式車両の前壁は、車両前後方向において、前上向き面の後端が、前壁上部の前端より後方向であって、前壁中間部の後端と同じ位置に位置する。しかしながら、本発明のコミュニケーションシート式車両の前壁は、車両前後方向において、前上向き面の後端が、前壁上部の前端より後方向であって、前壁中間部の後端より前方向に位置してもよい。具体例を、図10に示すコミュニケーションシート式車両401に基づいて、説明する。図10に示すコミュニケーションシート式車両401は、図1に示すコミュニケーションシート式車両の変形例である。基本的に、本発明の実施形態の変形例は、上述した図1に示す本発明の実施形態の特徴を全て有している。本発明の実施形態の具体例1と同じ部材については、同じ符号を付して、その説明を省略する。コミュニケーションシート式車両401の前壁410および後壁418の形状は、図1の実施形態に示すコミュニケーションシート式車両1の前壁10および後壁の形状と異なる。つまり、コミュニケーションシート式車両401の前壁410の前壁中間部410bの形状が、図1の実施形態に示すコミュニケーションシート式車両1の前壁10の前壁中間部10bの形状と異なる。コミュニケーションシート式車両401の前壁410は、前壁中間部410bの後端410bbの位置が、図1の実施形態に示すコミュニケーションシート式車両1の前壁中間部10bの後端10bbの位置と異なる。なお、コミュニケーションシート式車両401のキャビン空間12は、図1の実施形態に示すコミュニケーションシート式車両1のキャビン空間12と同じである。
図10に示すコミュニケーションシート式車両401の前壁410は、車両前後方向において、前壁上部10aの前端10afが、前壁下部10cの前端10cfより後方向、かつ、前壁中間部410bの後端410bbより前方向に位置する。なお、図10では、前壁中間部410bの後端410bbを通り、車両上下方向に平行な平面を直線L414で示している。つまり、車両前後方向において、直線L11は、直線L12より後方向、かつ、直線L414より前方向に位置する。車両前後方向において、前上向き面11の前端11fは、前壁下部10cの前端10cfと同じであって、2つの前輪3fの前端より前方向に位置する。車両前後方向において、前上向き面11の後端11bは、前壁上部10aの前端10afより後方向であって、前壁中間部410bの後端410bbより前方向に位置する。つまり、図10では、車両前後方向において、直線L15は、直線L12と同じであって、直線L13より前方向に位置する。車両前後方向において、直線L16は、直線L11より後方向であって、直線L414より前方向に位置する。コミュニケーションシート式車両401の車両前後方向の後方向に見た前壁410および車両前後方向の前方向に見た後壁418の形状はほぼ同じであるため、後壁418の説明を省略する。なお、コミュニケーションシート式車両401の車両前後方向の後方向に見た前壁410および車両前後方向の前方向に見た後壁418の形状は同じでなくてもよい。つまり、車両前後方向の前方向に見た後壁418の形状は、上述の車両前後方向の後方向に見た前壁410の形状と異なってもよい。
本発明の実施形態および具体例において、コミュニケーションシート式車両の前壁について、車両前後方向において、前上向き面の後端は、前壁上部の前端より後方向であって、前壁中間部の後端と同じ位置に位置する。しかしながら、本発明のコミュニケーションシート式車両の前壁は、車両前後方向において、前上向き面の後端が、前壁上部の前端と同じ位置であって、前壁中間部の後端より前方向に位置してもよい。具体例を、図11に示すコミュニケーションシート式車両501に基づいて、説明する。図11に示すコミュニケーションシート式車両501は、図1に示すコミュニケーションシート式車両の変形例である。基本的に、本発明の実施形態の変形例は、上述した図1に示す本発明の実施形態の特徴を全て有している。本発明の実施形態の具体例1と同じ部材については、同じ符号を付して、その説明を省略する。コミュニケーションシート式車両501の前壁510および後壁518の形状は、図1の実施形態に示すコミュニケーションシート式車両1の前壁10および後壁の形状と異なる。つまり、コミュニケーションシート式車両501の前壁上部510aおよび前壁中間部510bの形状が、図1の実施形態に示すコミュニケーションシート式車両1の前壁上部10aおよび前壁中間部10bの形状と異なる。コミュニケーションシート式車両501の前壁510は、車両前後方向において、前壁上部510aの前端510afの位置が、図1の実施形態に示すコミュニケーションシート式車両1の前壁上部10aの前端10afの位置と異なる。コミュニケーションシート式車両501の前壁510は、車両前後方向において、前壁中間部510bの後端510bbの位置が、図1の実施形態に示すコミュニケーションシート式車両1の前壁10の中間部10bの後端10bbの位置と異なる。コミュニケーションシート式車両501の前壁510は、車両前後方向において、前上向き面511の後端511bの位置が、図1の実施形態に示すコミュニケーションシート式車両1の前上向き面11の後端11bの位置と異なる。
図11に示すコミュニケーションシート式車両501の前壁510は、車両前後方向において、前壁上部510aの前端510afが、前壁下部10cの前端10cfより後方向、かつ、前壁中間部510bの後端510bbより前方向に位置する。なお、図11では、前壁上部510aの前端510afを通り、車両上下方向に平行な平面を直線L511で示している。前壁中間部510bの後端510bbを通り、車両上下方向に平行な平面を直線L514で示している。つまり、車両前後方向において、直線L511は、直線L12より後方向、かつ、直線L514より前方向に位置する。前上向き面511の前端511fは、車両前後方向において、前壁下部10cの前端10cfと同じであって、2つの前輪3fの前端より前方向に位置する。前上向き面411の後端511bは、車両前後方向において、前壁上部510aの前端510afと同じ位置であって、前壁中間部510bの後端510bbより前方向に位置する。なお、図11では、前壁510の前上向き面511の前端511fを通り、車両上下方向に平行な平面を直線L515で示している。前壁510の前上向き面511の後端511bを通り、車両上下方向に平行な平面を直線L516で示している。つまり、図11では、車両前後方向において、直線L515は、直線L12と同じであって、直線L13より前方向に位置する。車両前後方向において、直線L516は、直線L511と同じであって、直線L514より前方向に位置する。図11に示すコミュニケーションシート式車両501の前壁510は、キャビン空間512を、以下のように構成している。キャビン空間512は、車両前後方向において、キャビン空間上部の前端512ffが、キャビン空間中間部の前端512fcより前方向に位置している。なお、図11では、車両前後方向において、キャビン空間上部の前端512ffおよび前壁上部510aの前端510afが、同じ位置であるように模式的に示している。実際は、車両前後方向において、キャビン空間上部の前端512ffは、前壁510の厚みだけ、前壁上部510aの前端510afより後方向に位置する。また、図11では、キャビン空間中間部の前端512fcは、コミュニケーションシート20の前シート20fのバックレストの後面にある。コミュニケーションシート式車両501の車両前後方向の後方向に見た前壁510および車両前後方向の前方向に見た後壁518の形状は、ほぼ同じであるため、後壁518の説明を省略する。なお、コミュニケーションシート式車両501の車両前後方向の後方向に見た前壁510および車両前後方向の前方向に見た後壁518の形状は同じでなくてもよい。つまり、車両前後方向の前方向に見た後壁518の形状は、上述の車両前後方向の後方向に見た前壁510の形状と異なってもよい。
本発明の実施形態および具体例において、コミュニケーションシート式車両の前壁の前上向き面の前端は、車両前後方向において、前壁下部の前端と同じであって、前輪の前端より前方向に位置する。しかしながら、本発明のコミュニケーションシート式車両の前壁の前上向き面の前端は、車両前後方向において、前壁下部の前端より後方向であって、前輪の前端より前方向に位置してもよい。具体例を、図12に示すコミュニケーションシート式車両601に基づいて、説明する。図12に示すコミュニケーションシート式車両601は、図1に示すコミュニケーションシート式車両の変形例である。基本的に、本発明の実施形態の変形例は、上述した図1に示す本発明の実施形態の特徴を全て有している。本発明の実施形態の具体例1と同じ部材については、同じ符号を付して、その説明を省略する。コミュニケーションシート式車両601の前壁610および後壁618の形状は、図1の実施形態に示すコミュニケーションシート式車両1の前壁10および後壁の形状と異なる。つまり、コミュニケーションシート式車両601の前壁中間部610bの形状が、図1の実施形態に示すコミュニケーションシート式車両1の前壁中間部の形状と異なる。コミュニケーションシート式車両601の前壁下部610cの形状が、図1の実施形態に示すコミュニケーションシート式車両1の前壁下部10cの形状と異なる。コミュニケーションシート式車両601の前壁610は、前壁下部610cの前端610cfの位置が、図1の実施形態に示すコミュニケーションシート式車両1の前壁下部10cの前端10cfの位置と異なる。なお、コミュニケーションシート式車両601のキャビン空間12は、図1の実施形態に示すコミュニケーションシート式車両1のキャビン空間12と同じである。
図12に示すコミュニケーションシート式車両601の前壁610は、車両前後方向において、前壁上部10aの前端10afが、前壁下部610cの前端610cfより後方向、かつ、前壁中間部610bの後端10bbより前方向に位置する。なお、図10では、前壁下部610cの前端610cfを通り、車両上下方向に平行な平面を直線L612で示している。つまり、車両前後方向において、直線L11は、直線L612より後方向、かつ、直線L14より前方向に位置する。車両前後方向において、前上向き面11の前端11fは、前壁下部610cの前端610cfより後方向であって、2つの前輪3fの前端より前方向に位置する。前上向き面11の後端11bは、車両前後方向において、前壁上部10aの前端10afより後方向であって、前壁中間部10bの後端10bbと同じ位置である。つまり、図10では、車両前後方向において、直線L15は、直線L612より後方向であって、直線L13より前方向に位置する。車両前後方向において、直線L16は、直線L11より後方向であって、直線L414と同じ位置である。コミュニケーションシート式車両601の車両前後方向の後方向に見た前壁610および車両前後方向の前方向に見た後壁618の形状はほぼ同じであるため、後壁618の説明を省略する。なお、コミュニケーションシート式車両601の車両前後方向の後方向に見た前壁610および車両前後方向の前方向に見た後壁618の形状は同じでなくてもよい。つまり、車両前後方向の前方向に見た後壁618の形状は、上述の車両前後方向の後方向に見た前壁610の形状と異なってもよい。
本発明の実施形態および具体例において、コミュニケーションシート式車両の前壁の前上向き面の前端は、車両前後方向において、前壁下部の前端と同じであって、前輪の前端より前方向に位置する。そして、前上向き面の後端は、車両前後方向において、前壁上部の前端より後方向であって、前壁中間部の後端と同じ位置に位置する。しかしながら、本発明のコミュニケーションシート式車両の前壁は、車両前後方向において、前上向き面の前端が、前壁下部の前端より後方向であって、前輪の前端より前方向に位置してもよい。そして、本発明のコミュニケーションシート式車両の前壁の前上向き面の後端は、車両前後方向において、前壁上部の前端より後方向であって、前壁中間部の後端より前方向に位置してもよい。具体例を、図13に示すコミュニケーションシート式車両701に基づいて、説明する。図13に示すコミュニケーションシート式車両701は、図1に示すコミュニケーションシート式車両の変形例である。基本的に、本発明の実施形態の変形例は、上述した図1に示す本発明の実施形態の特徴を全て有している。本発明の実施形態の具体例1と同じ部材については、同じ符号を付して、その説明を省略する。コミュニケーションシート式車両701の前壁710および後壁718の形状は、図1の実施形態に示すコミュニケーションシート式車両1の前壁10および後壁の形状と異なる。つまり、コミュニケーションシート式車両701の前壁中間部710bの形状が、図1の実施形態に示すコミュニケーションシート式車両1の前壁中間部の形状と異なる。コミュニケーションシート式車両701の前壁下部710cの形状が、図1の実施形態に示すコミュニケーションシート式車両1の前壁下部10cの形状と異なる。コミュニケーションシート式車両701の前壁710は、前壁中間部710bの後端710bbの位置が、図1の実施形態に示すコミュニケーションシート式車両1の前壁中間部10bの後端10bbの位置と異なる。コミュニケーションシート式車両701の前壁710は、前壁下部710cの前端710cfの位置が、図1の実施形態に示すコミュニケーションシート式車両1の前壁下部10cの前端10cfの位置と異なる。なお、コミュニケーションシート式車両701のキャビン空間12は、図1の実施形態に示すコミュニケーションシート式車両1のキャビン空間12と同じである。
図13に示すコミュニケーションシート式車両701の前壁710は、車両前後方向において、前壁上部10aの前端10afが、前壁下部710cの前端710cfより後方向、かつ、前壁中間部710bの後端710bbより前方向に位置する。なお、図13では、前壁中間部710bの後端710bbを通り、車両上下方向に平行な平面を直線L714で示している。前壁下部710cの前端710cfを通り、車両上下方向に平行な平面を直線L712で示している。つまり、車両前後方向において、直線L11は、直線L712より後方向、かつ、直線L714より前方向に位置する。前上向き面11の前端11fは、車両前後方向において、前壁下部710cの前端710cfより後方向であって、2つの前輪3fの前端より前方向に位置する。前上向き面11の後端11bは、車両前後方向において、前壁上部10aの前端10afより後方向であって、前壁中間部710bの後端710bbより前方向に位置する。つまり、図13では、車両前後方向において、直線L15は、直線L712より後方向であって、直線L13より前方向に位置する。車両前後方向において、直線L16は、直線L11より後方向であって、直線L714より前方向に位置する。コミュニケーションシート式車両701の車両前後方向の後方向に見た前壁710および車両前後方向の前方向に見た後壁718の形状は、ほぼ同じであるため、後壁718の説明を省略する。なお、コミュニケーションシート式車両701の車両前後方向の後方向に見た前壁710および車両前後方向の前方向に見た後壁718の形状は、同じでなくてもよい。つまり、車両前後方向の前方向に見た後壁718の形状は、上述の車両前後方向の後方向に見た前壁710の形状と異なってもよい。
本発明の実施形態および具体例において、コミュニケーションシート式車両の前壁の前上向き面の前端は、車両前後方向において、前壁の下部の前端と同じであって、前輪の前端より前方向に位置する。しかしながら、本発明のコミュニケーションシート式車両の前壁の前上向き面の前端は、車両前後方向において、前壁下部の前端より後方向であって、前輪の前端と同じ位置であってもよい。具体例を、図14に示すコミュニケーションシート式車両801に基づいて、説明する。図14に示すコミュニケーションシート式車両801は、図1に示すコミュニケーションシート式車両の変形例である。基本的に、本発明の実施形態の変形例は、上述した図1に示す本発明の実施形態の特徴を全て有している。本発明の実施形態の具体例1と同じ部材については、同じ符号を付して、その説明を省略する。コミュニケーションシート式車両801の前壁810および後壁818の形状は、図1の実施形態に示すコミュニケーションシート式車両1の前壁10および後壁の形状と異なる。つまり、コミュニケーションシート式車両801の前壁中間部810bの形状が、図1の実施形態に示すコミュニケーションシート式車両1の前壁中間部10bの形状と異なる。コミュニケーションシート式車両801の前壁下部810cの形状が、図1の実施形態に示すコミュニケーションシート式車両1の前壁下部10cの形状と異なる。コミュニケーションシート式車両801の前壁810は、前壁下部810cの前端810cfの位置が、図1の実施形態に示すコミュニケーションシート式車両1の前壁下部10cの前端10cfの位置と異なる。コミュニケーションシート式車両801の前壁810は、前上向き面811の前端811fの位置が、図1の実施形態に示すコミュニケーションシート式車両1の前壁10の前上向き面11の前端11fの位置と異なる。なお、コミュニケーションシート式車両801のキャビン空間12は、図1の実施形態に示すコミュニケーションシート式車両1のキャビン空間12と同じである。
図14に示すコミュニケーションシート式車両801の前壁810は、車両前後方向において、前壁上部10aの前端10afが、前壁下部810cの前端810cfより後方向、かつ、前壁中間部810bの後端10bbより前方向に位置する。なお、図14では、前壁下部810cの前端810cfを通り、車両上下方向に平行な平面を直線L812で示している。つまり、車両前後方向において、直線L11は、直線L812より後方向、かつ、直線L14より前方向に位置する。前上向き面811の前端811fは、車両前後方向において、前壁下部810cの前端810cfより後方向であって、2つの前輪3fの前端と同じ位置である。車両前後方向において、前上向き面811の後端11bは、前壁上部10aの前端10afより後方向であって、前壁中間部810bの後端10bbと同じ位置である。なお、図14では、前壁810の前上向き面811の前端811fを通り、車両上下方向に平行な平面を直線L815で示している。つまり、図14では、車両前後方向において、直線L815は、直線L812より後方向であって、直線L13と同じ位置である。車両前後方向において、直線L16は、直線L11より後方向であって、直線L14と同じ位置である。コミュニケーションシート式車両801の車両前後方向の後方向に見た前壁810および車両前後方向の前方向に見た後壁818の形状は、ほぼ同じであるため、後壁818の説明を省略する。なお、コミュニケーションシート式車両801の車両前後方向の後方向に見た前壁810および車両前後方向の前方向に見た後壁818の形状は同じでなくてもよい。つまり、車両前後方向の前方向に見た後壁818の形状は、上述の車両前後方向の後方向に見た前壁810の形状と異なってもよい。
本発明の実施形態および具体例において、コミュニケーションシート式車両の前壁の前上向き面の後端は、車両前後方向において、前壁上部の前端より後方向であって、前壁中間部の後端と同じ位置に位置する。そして、前上向き面の前端は、車両前後方向において、前壁下部の前端と同じであって、前輪の前端より前方向に位置する。しかしながら、本発明のコミュニケーションシート式車両の前壁の前上向き面の後端は、車両前後方向において、前壁上部の前端と同じ位置であって、前壁中間部の後端より前方向に位置してもよい。そして、前上向き面の前端は、車両前後方向において、前壁下部の前端より後方向であって、前輪の前端より前方向に位置してもよい。具体例を、図15に示すコミュニケーションシート式車両901に基づいて、説明する。図15に示すコミュニケーションシート式車両901は、図1に示すコミュニケーションシート式車両の変形例である。基本的に、本発明の実施形態の変形例は、上述した図1に示す本発明の実施形態の特徴を全て有している。本発明の実施形態の具体例1と同じ部材については、同じ符号を付して、その説明を省略する。コミュニケーションシート式車両901の前壁910および後壁918の形状は、図1の実施形態に示すコミュニケーションシート式車両1の前壁10および後壁の形状と異なる。つまり、コミュニケーションシート式車両901の前壁910の前壁上部910a、前壁中間部910bおよび前壁下部910cの形状が、図1の実施形態に示すコミュニケーションシート式車両1の前壁10の前壁上部10a、前壁中間部10bおよび前壁下部10cの形状と異なる。コミュニケーションシート式車両901の前壁910は、前壁上部910aの前端910afの位置が、図1の実施形態に示すコミュニケーションシート式車両1の前壁上部10aの前端10afの位置と異なる。コミュニケーションシート式車両901の前壁910は、車両前後方向において、前壁中間部910bの後端910bbの位置が、図1の実施形態に示すコミュニケーションシート式車両1の前壁中間部10bの後端10bbの位置と異なる。コミュニケーションシート式車両901の前壁910は、前壁下部910cの前端910cfの位置が、図1の実施形態に示すコミュニケーションシート式車両1の前壁下部10cの前端10cfの位置と異なる。コミュニケーションシート式車両401の前壁910は、前上向き面911の前端911fおよび後端911bの位置が、図1の実施形態に示すコミュニケーションシート式車両1の前壁10の前上向き面11の前端11fおよび後端11bの位置と異なる。
図15に示すコミュニケーションシート式車両901の前壁910は、車両前後方向において、前壁上部910aの前端910afが、前壁下部910cの前端910cfより後方向、かつ、前壁中間部910bの後端910bbより前方向に位置する。なお、図15では、前壁上部910aの前端910afを通り、車両上下方向に平行な平面を直線L911で示している。前壁中間部910bの後端910bbを通り、車両上下方向に平行な平面を直線L914で示している。前壁下部910cの前端910cfを通り、車両上下方向に平行な平面を直線L912で示している。つまり、車両前後方向において、直線L911は、直線L912より後方向、かつ、直線L914より前方向に位置する。前上向き面911の前端911fは、車両前後方向において、前壁下部910cの前端910cfより後方向であって、2つの前輪3fの前端より前方向に位置する。前上向き面911の後端911bは、車両前後方向において、前壁上部910aの前端910afと同じ位置であって、前壁中間部910bの後端910bbより前方向に位置する。なお、図15では、前壁910の前上向き面911の前端911fを通り、車両上下方向に平行な平面を直線L915で示している。前壁910の前上向き面911の後端911bを通り、車両上下方向に平行な平面を直線L916で示している。つまり、図15では、車両前後方向において、直線L915は、直線L912より後方向であって、直線L13より前方向に位置する。車両前後方向において、直線L916は、直線L911と同じであって、直線L914より前方向に位置する。コミュニケーションシート式車両901の車両前後方向の後方向に見た前壁910および車両前後方向の前方向に見た後壁918の形状は、ほぼ同じであるため、後壁918の説明を省略する。なお、コミュニケーションシート式車両901の車両前後方向の後方向に見た前壁910および車両前後方向の前方向に見た後壁918の形状は、同じでなくてもよい。つまり、車両前後方向の前方向に見た後壁918の形状は、上述の車両前後方向の後方向に見た前壁910の形状と異なってもよい。
また、図15に示すコミュニケーションシート式車両901の前壁910は、キャビン空間912を、以下のように構成している。キャビン空間912は、車両前後方向において、キャビン空間上部の前端912ffが、キャビン空間中間部の前端912fcより前方向に位置している。なお、図15では、車両前後方向において、キャビン空間上部の前端912ffおよび前壁上部910aの前端910afが、同じ位置であるように模式的に示している。実際は、車両前後方向において、キャビン空間上部の前端112ffは、前壁910の厚みだけ、前壁上部910aの前端910afより後方向に位置する。また、図15では、キャビン空間中間部の前端912fcは、コミュニケーションシート20の前シート20fのバックレストの後面にある。
本発明の実施形態および具体例において、コミュニケーションシート式車両の前壁は、車両前後方向において、前壁上部の前端が、前壁下部の前端より後方向に位置する。しかしながら、本発明のコミュニケーションシート式車両の前壁は、車両前後方向において、前壁上部の前端が、前壁下部の前端と同じか、前壁下部の前端より前方向に位置してもよい。
本発明の具体例において、コミュニケーションシート式車両のコミュニケーションシートは、着座可能な乗客の最大数が4人である。しかしながら、本発明のコミュニケーションシート式車両のコミュニケーションシートは、着座可能な乗客の最大数が2人以上6人以下であってよい。