JP6936918B2 - 防音構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の共鳴構造を用いて高い吸収を実現することができる防音構造体に関する。
従来、ダクト、換気リーブ、及びマフラー等の通気性の確保を前提とした構造物は、気体、及び/又は熱と同時に音も通過させてしまうことから、騒音対策が求められる場合がある。そのため、ダクト、及び換気フリーブ等、特に騒音性の機械に取り付けられる用途においては、ダクト、及び換気リーブ等の構造を工夫することにおいての防音が必要となる。一般に、ピーク音を静音化する場合、所望の周波数で高い透過損失を得るためには、共鳴型の防音構造体(ヘルムホルツ共鳴器、気柱共鳴筒、及び膜振動型構造体等の共鳴体)をダクト、及び換気リーブ等に置いたり、取り付けたりすることが対策の一つとして考えられる(特許文献1、2参照)。
このため、特許文献1に記載の吸音構造のように、ダクト内に、異なる吸音ピーク周波数を持つ複数の吸音体を配置することにより、異なる騒音周波数帯域があっても、吸音効果を高めることができる。
これに対し、特許文献2に記載の消音装置は、風路における音伝播方向の上手側位置、及び下手側位置に、消音対象周波数帯域で共鳴する上手側、及び下手側の2つの共鳴器の共鳴口をそれぞれ開口させ、2つの共鳴器の共鳴口の間隔を、音源側からの伝播音と下手側共鳴器からの反射音との干渉で消音対象周波数帯域の音圧が増大する位置に上手側共鳴器の共鳴口が臨む間隔にし、上手側共鳴器を、インピーダンス抵抗成分による吸音性を備える共鳴器にしてある。また、上手側共鳴器と下手側共鳴器との共鳴口間隔Lを、消音対象周波数帯域における特定周波数の音の波長λに対し、式L=(2n−1)・λ/4(nは自然数)で与えられる値にしてある。
これにより、特許文献2に記載の消音装置は、低周波域の音についても高い消音効果を得ることができ、また、通風抵抗の増大も少なく、しかも、風路構造上の音響特性の影響を受けることなく高い消音効果を安定的に得ることができる。
特開2016−170194号公報 特許2944552号公報
ところで、特許文献1に記載の吸音構造では、ダクト内において、異なる騒音周波数帯域を異なる吸音ピーク周波数を持つ複数の吸音体によって吸音しているが、吸音体間の間隔などを全く配慮しておらず、より高い最適な吸音効果を達成できていない。
また、特許文献2に記載の消音装置では、共鳴器が2つあり、下手側共鳴器からの反射波と入射波の干渉により音圧が高いところに上手側共鳴器を置く、としているが、その明確な範囲が規定されていない。
特に、2つの共鳴器の間隔を(2n-1)λ/4としている(請求項9参照)が、この条件のみが必ずしも高い吸収率を発現する条件ではないことが我々の検討から分かった。
即ち、高い吸収を得るためには、共鳴器のインピーダンスに応じて、置くべき適切な間隔が存在するものの、特許文献2では、共鳴器のインピーダンスZi、及び共鳴器の間隔Lと吸収率Aの関係性が規定されておらず、高い吸収を得る、インピーダンス、及び共鳴器間隔と吸収率との厳密な解析式が明確ではない、という課題がある。
本発明者らは、特許文献2の技術の本質を確かめるために、図17に示す消音装置50において、ダクト52の内径を変えて、後述する伝達マトリックスで導出した理論式を用いて理論計算を行った。
図17に示す消音装置50は、断面積Sのダクト52の管壁52aに両共鳴口56aと56bが間隔Lとなるように,2つの同じ形状のヘルムホルツ型の共鳴器54aと54bを配置したものである。
ここで、先行技術例1では、ダクト52の内径を3cmΦ、断面積を707mmとし、先行技術例2では、ダクト52の内径を4cmΦ、断面積を1257mmとし、先行技術例3では、ダクト52の内径を9cmΦ、断面積を6362mmとした。
その他の各種パラメータでは、同じ構造の2つの共鳴器54a、及び54bの共鳴口56a、及び56bの面積Snを49mm、共鳴口56a、及び56bの首の長さl1を5mm、共鳴器54a、及び54bの内部中空空間58a、及び58bの内容積V1を4000mmとした。
ここで、X軸を周波数(Hz)とし、Y軸を2つの共鳴器54a、及び54bの共鳴口56a、及び56b間の距離(間隔)L(m)として、吸収率を計算した。その結果、図18〜図20に、吸収率を濃度で表す2次元グラフを示す。
なお、図21〜図23に示すグラフの実線、及び破線は、それぞれ、先行技術例1〜3における共鳴器54a、及び54bの単一構造のインピーダンス実部(特許文献2でいうところのインピーダンス抵抗)、及びインピーダンス虚部(リアクタンス成分)をそれぞれ規格化して示している。インピーダンス値(合成音響インピーダンスZc)は、後述するヘルムホルツ型の共鳴器54a、又は54bのインピーダンスZの式(8)を後述する式(17)に代入して求めることができる。Z.reが、インピーダンス値のインピーダンス実部(インピーダンス抵抗)、Z.imが、インピーダンス値のインピーダンス虚部(リアクタンス成分)であり、Z.re/Z0、及びZ.im/Z0は、それぞれインピーダンス実部Z.re、及びインピーダンス虚部Z.imを管路のインピーダンスZ0で除して無次元化した値である。
ここで、共鳴周波数、即ち、インピーダンス実部が極小値をとる1760Hz前後の周波数において、先行技術例における共鳴器54a、及び54bは、インピーダンス実部の値は、0.1〜6.0の間の値となる、即ち先行技術2の請求項2の要件を満たすように設計されている。
図18〜図20から明らかにように、ピーク周波数は約1760Hz前後であった。このとき、波長λは0.195(m)、λ/4に相当する長さは0.049(m)である。内径9cmΦのダクト52の風路の先行技術例3の場合は、共鳴器54a、及び54bの共鳴口56a、及び56b間の間隔が(2n−1)λ/4で概ね高い吸収率が得られている。しかしながら、内径4cmΦのダクト52の風路の先行技術例2、及び内径3cmΦのダクト52の風路の先行技術例1の場合では、L=(2n−1)λ/4なる周波数で、吸収が最も高くなっているわけではないことが分かった。
特許文献2では、サイドブランチ型共鳴器からの反射のみを考慮している。しかしながら、ダクトなど、後から構造を組み込む必要がある場合において、サイドブランチ型とするのは、(例えば、後から工事等が必要となることから)困難な場合があり、その場合は組み込み型とする必要がある。
しかしながら、組み込み型の場合は、共鳴構造の反射のみならず、構造を挿入したことで生じる不風路面積の不連続断面からの反射が大きくなってしまう。
また、特許文献2には、吸収率を高めるには、2つの共鳴器の間隔LをL=(2n−1)λ/4とした場合に、消音対象音の吸収率A2が極大値を示すことが記載されている。
つまり、高い吸収を出すには、少なくとも対象音の波長の4分の1程度の長さが必須となってしまうため、小型化には適さない。
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を克服し、複数の共鳴構造を用いて高い吸収を実現することができる防音構造体を提供することにある。
具体的には、本発明の目的は、複数の共鳴構造を用いた場合に、高い吸収を得るためのインピーダンス、及び共鳴器間隔と吸収率の関係を規定することができ、高い吸収率を発現するための条件を得ることができ、その結果、小型で高い吸収を得ることができる防音構造体を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の防音構造体は、断面積Sの開口管路を構成する開口部材と、開口管路内部に少なくとも2つ設置された音波に対する共鳴構造とを有する防音構造体であって、共鳴構造の導波路順方向に対する開口管路内の断面積Si(i=1、2、………、iは番号が若い方が上手側である)、及び幅di(i=1、2、………)は0であり、共鳴構造のうち少なくとも2つの共鳴構造は、間隔L(L>0)だけ離れて設置されており、間隔Lだけ離れて設置されている2つの共鳴構造の各々のインピーダンスをZi(i=1、2)と定義し、2つの共鳴構造とそれらの間隔、導波路順方向の断面積変化、及び2つの共鳴構造を考慮した合成音響インピーダンスをZcと定義するとき、下記式(2)で与えられる理論吸収値Atが最大となる共鳴周波数f0において、下記式(1)の条件を満足する。
At(f0,L,S,Si,di,Zi)>0.75 ………(1)
ここで、L>0、S>0、Si(i=1、2)>0、di(i=1、2)>0、
かつ、f,L,S,Si,di,Zi(i=1、2)を代表してxで表す時、
At(x)=1−|(Zc(x)−Z0)/(Zc(x)+Z0)|
−|2/(Ac(x)+Bc(x)/Z0+Z0Cc(x)+Dc(x))| ………(2)
ここで、合成音響インピーダンスZc(x)は、下記式(3)で定義される。
Figure 0006936918
また、Z0は、Zair/S(=Z0)(Sは管路断面積)で表わされる開口管路の音響インピーダンスである。
また、Zairは、空気の音響インピーダンスであり、Zair=ρcで与えられる。ρは空気の密度(例えば、1.205kg/m(常温(20°)))、cは音速(343m/sec(常温(20°)))である。
また、Ac(x)、Bc(x)、Cc(x)、及びDc(x)は、合成伝達マトリクスの要素であり、下記式(4)で定義される。Tcは、2つの共鳴構造の合成伝達マトリクスである。
Figure 0006936918
また、T(i=1,2)は、2つの共鳴構造の各々の共鳴構造に相当する伝達マトリックスであり、下記式(5)で定義される。
Figure 0006936918
また、Tdi/2は、2つの共鳴構造の各々の共鳴構造の距離に相当する伝達マトリックスであり、下記式(6)で定義される。
Figure 0006936918
また、TL−d1/2−d2/2は、2つの共鳴構造の距離に相当する伝達マトリックスであり、下記式(7)で定義される。
Figure 0006936918
但し、kは波数であり、k=2π/λ=2πC/fで与えられる。ここで、λは波長、fは周波数である。
ここで、2つの共鳴構造の導波路順方向の上手側に位置する共鳴構造の共鳴周波数は、下手側に位置する共鳴構造の共鳴周波数と異なるように設定されていることが好ましい。
また、2つの共鳴構造の導波路順方向の上手側に位置する共鳴構造の共鳴周波数は、下手側に位置する共鳴構造の共鳴周波数よりも高いことが好ましい。
また、間隔Lは、共鳴周波数f0の波長をλ(f0)とする時、L<λ(f0)/4であることが好ましい。
また、2つの共鳴構造は、一体であることが好ましい。
また、少なくとも2つの共鳴構造は、3つ以上の共鳴構造であることが好ましい。
また、少なくとも2つの共鳴構造の少なくとも1つの共鳴構造は、ヘルムホルツ共振構造であることが好ましい。
また、少なくとも2つの共鳴構造の少なくとも1つの共鳴構造は、膜型共鳴構造であることが好ましい。
また、少なくとも2つの共鳴構造の少なくとも1つの共鳴構造は、気柱共鳴構造であることが好ましい。
また、開口管路の断面積Sが、上記(1)を満足する周波数の波長λ(f0)に対して、S<π(λ/2)を満足することが好ましい。
本発明によれば、複数の共鳴構造を用いて高い吸収を実現することができる。
本発明によれば、複数の共鳴構造を用いた場合に、高い吸収を得るためのインピーダンス、及び共鳴器間隔と吸収率の関係を規定することができ、高い吸収率を発現するための条件を得ることができ、その結果、小型で高い吸収を得ることができる。
本発明の一実施形態に係る防音構造体の一例を模式的に示す断面図である。 図1に示す防音構造体の模式的断面図におけるダクト、及び共鳴器の各部のサイズを表す記号を示す説明図である。 図2に示す防音構造体に用いられるヘルムホルツ型の共鳴器を模式的に示す断面図である。 本発明の他の実施形態に係る防音構造体に用いられる膜型共鳴構造の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の他の実施形態に係る防音構造体に用いられる気柱共鳴構造の一例を模式的に示す断面図である。 図3Cに示す気柱共鳴構造用いる、本発明の他の実施形態に係る防音構造体の一例を模式的に示す断面図である。 図3Cに示す気柱共鳴構造用いる、本発明の他の実施形態に係る防音構造体の他の一例を模式的に示す断面図である。 ダクト内に2つの共鳴構造を設置した場合の吸収率の変化を示すグラフである。 図1に示す防音構造体の2つの共鳴構造に相当する伝達マトリクス、及び距離に相当する伝達マトリクスを説明する説明図である。 特許文献2に記載の消音装置の2つの共鳴構造の配置を説明する説明図である。 本発明の防音構造体の2つの共鳴構造の配置を説明する説明図である。 本発明の他の実施形態に係る防音構造体の一例を模式的に示す断面図である。 比較例1−2、及び1−3の防音構造体を模式的に示す断面図である。 参考例1、及び2の防音構造体を模式的に示す断面図である。 参考例3の防音構造体を模式的に示す断面図である。 実施例1の防音構造体と、比較例1−1、及び1−2の防音構造体との理論吸収値と周波数の関係を示すグラフである。 実施例2の防音構造体と、比較例2の防音構造体との理論吸収値と周波数の関係を示すグラフである。 実施例1の防音構造体と、比較例1−1、及び1−2の防音構造体との吸収率と周波数の関係を示すグラフである。 実施例2の防音構造体と、比較例2の防音構造体との吸収率と周波数の関係を示すグラフである。 従来技術(特許文献2)の一例の防音構造体を模式的に示す断面図である。 従来技術の他の一例(先行技術例1)の防音構造体の周波数、間隔、及び吸収率の関係を示す2次元グラフである。 従来技術の他の一例(先行技術例2)の防音構造体の周波数、間隔、及び吸収率の関係を示す2次元グラフである。 従来技術の他の一例(先行技術例3)の防音構造体の周波数、間隔、及び吸収率の関係を示す2次元グラフである。 従来技術の他の一例(先行技術例1)の防音構造体の共鳴構造の単一構造のインピーダンス実部、及び虚部と周波数との関係を示す2次元グラフである。 従来技術の他の一例(先行技術例2)の防音構造体の共鳴構造の単一構造のインピーダンス実部、及び虚部と周波数との関係を示す2次元グラフである。 従来技術の他の一例(先行技術例3)の防音構造体の共鳴構造の単一構造のインピーダンス実部、及び虚部と周波数との関係を示す2次元グラフである。
以下に、本発明に係る防音構造体を添付の図面に示す好適実施形態を参照して詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施形態に基づいてなされるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本発明の一実施態様の防音構造体は、断面積Sの開口管路と、開口管路内部に少なくとも2つ設置された音波に対する共鳴構造とを有する防音構造体であって共鳴構造の導波路順方向に対する開口管路内の断面積Si(i=1、2、………、iは番号が若い方が上手側である)、及び幅di(i=1、2、………)は0であり、共鳴構造のうち少なくとも2つの共鳴構造は、間隔L(L>0)だけ離れて設置されており、間隔Lだけ離れて設置されている2つの共鳴構造の各々のインピーダンスをZi(i=1、2)と定義し、2つの共鳴構造とそれらの間隔、導波路順方向の断面積変化、及び2つの共鳴構造を考慮した合成音響インピーダンスをZcと定義するとき、下記式(2)で与えられる理論吸収値Atが最大となる共鳴周波数f0において、下記式(1)の条件を満足する。ここで、共鳴構造とは、可聴域の任意の周波数の音波に対して共鳴する構造をいい、共鳴するとは、後述する実施例において規定する4マイク音響管測定において共鳴吸収ピークを発現することをいう。また、導波路とは、音波が伝播して行く通路をいい、導波路順方向とは、音波が伝播して行く方向(音伝播方向)、又は音波が進行して行く方向(音の進行方向)いう。
At(f0,L,S,Si,di,Zi)>0.75 ………(1)
ここで、L>0、S>0、Si(i=1、2)>0、di(i=1、2)>0、
かつ、f,L,S,Si,di,Zi(i=1、2)を代表してxで表す時、
At(x)=1−|(Zc(x)−Z0)/(Zc(x)+Z0)|
−|2/(Ac(x)+Bc(x)/Z0+Z0Cc(x)+Dc(x))| ………(2)
本発明においては、複数の共鳴構造を用いた際に、高い吸収を実現するための構造を規定することができる。
また、本発明においては、高い吸収を得るための条件を得ることができる。即ち、反射波および透過波を抑制することにより、高い吸収を得ることができる。具体的には、伝達マトリクスの理論解析から、2つ以上の共鳴構造を同時に開口管路に設置した場合における理論吸収値を得て、高い吸収を得るための設計条件を規定することができる。
また、2つの共鳴構造の2つの共鳴周波数をずらすことにより、小型化を実現することができる。
また、本発明においては、吸収率が高くなるパラメータ範囲を厳密な解析解として与えることができる。
また、本発明においては、不連続断面からの反射も考慮に入れた、高い吸収を与える構造パラメータ範囲を規定することができる。
まず、本発明に係る防音構造体について詳細に説明する。
(防音構造体)
図1は、本発明の一実施形態に係る防音構造体の一例を模式的に示す断面図である。
図1に示す防音構造体10は、開口部材である断面円形の円管状の管体12と、管体12の開口管路12a内に間隔Lを開けて設置される共鳴構造14(14a、及び14b)とを有する。ここで、2つの共鳴構造14a、及び14bは、開口管路12a内に導波路順方向(音波の進行方向)に対して平行な位置(開口断面12bに対しては90°傾けた位置)、又は平行な位置から所定角度、例えば±45°傾けた位置に設置され、管体12内の開口管路12aに気体が通過する通気孔16となる領域を設けた状態で配置した構造を有する。
本発明では、開口部材の開口断面は、開口部材(管体)における導波路順方向(音波の進行方向)に垂直な管体の開口管路の断面の面積と定義する。また、共鳴構造の導波路順方向に対する開口管路内の断面積は、開口部材(管体)内における導波路順方向ベクトルに直交する平面を考え、当該平面が共鳴構造と交わる面であると定義する。
また、2つの共鳴構造の間隔Lは、共鳴構造における音波入射面の中心間の距離と定義する。音波入射面の中心とは、例えばヘルムホルツ構造であれば共鳴穴の中心、膜構造であれば膜面の中心、気柱共鳴構造であれば、孔部の中心である。
図1、及び図2に示す防音構造体10においては、管体12内の開口管路12aに2つの共鳴構造14a、及び14bが設置されているが、本発明はこれに限定されず、3つ以上の共鳴構造14が設置されていても良い。3つ以上の共鳴構造14が設置される場合においても、その内の少なくとも2つの共鳴構造14は、図1に示す2つの共鳴構造14a、及び14bのように対をなし、後述する本発明の要件を満たす必要がある。
ところで、図1に示す防音構造体10においては、2つの共鳴構造14a、及び14bのそれぞれの共鳴周波数は、特に制限的ではなく、防音対象物に応じて決定されるものであれば良い。ここで、2つの共鳴構造14a、及び14bの共鳴周波数は、異なっていることが好ましいが、後述する本発明の要件を満たせば、同じであっても良い。
なお、本発明の防音構造体10が防音のために適用される防音対象物は、特に制限的ではなく、どのようなものであっても良いが、例えば複写機、送風機、空調機器、換気扇、ポンプ類、発電機、及びダクト、その他にも塗布機、回転機、及び搬送機など音を発するさまざまな種類の製造機器等の産業用機器、自動車、電車、及び航空機等の輸送用機器、並びに冷蔵庫、洗濯機、乾燥機、テレビジョン、コピー機、電子レンジ、ゲーム機、エアコン、扇風機、PC、掃除機、及び空気清浄機等の一般家庭用機器等を挙げることができる。
(開口部材)
ここで、管体12は、気体の通過を遮断する物体の領域内に形成される開口部材であるが、管体12の管壁は、気体の通過を遮断する物体、例えば2つの空間を隔てる物体等の壁を構成し、管体12の内部は、気体の通過を遮断する物体の一部の領域に形成された開口管路12aを構成する。
開口断面12bは、管体12の軸方向に直交する管体12の開口管路12aの断面ということができる。なお、管体12内を進行する音波は、管体12の軸方向に沿って進行するので、開口断面12bは、導波路順方向(音波の進行方向)に垂直な管体12の開口管路12aの断面ということもできる。
なお、本発明において、開口部材は、気体の通過を遮断する物体の領域内に形成される開口を有するものであり、2つの空間を隔てる壁に設けられることが好ましい。
ここで、開口管路等の開口が形成される領域を持ち、気体の通過を遮断する物体とは、2つの空間を隔てる部材、及び壁等を言い、部材としては、ダクト、又はスリーブ等の管体、及び筒状体等の部材を言い、壁としては、例えば家、ビル、又は工場等の建造物の構造体を構成する固定壁、建造物の部屋内に配置され、部屋内を仕切る固定間仕切り(パーティション)等の固定壁、及び建造物の部屋内に配置され、部屋内を仕切る可動間仕切り(パーティション)等の可動壁等を言う。
本発明の開口部材は、ダクト、又はスリーブ等の管体、筒状体であっても良いし、ルーバ、又はガラリ等の換気孔、窓等を取り付けるための開口を持つ壁自体であっても良いし、壁に取り付けられる窓枠等の取付枠等であっても良い。
なお、本発明の開口部材の開口の形状は、断面形状で、図示例では円形であるが、本発明においては、共鳴構造を開口内に配置できれば、特に制限的ではなく、例えば正方形、長方形、ひし形、又は平行四辺形等の他の四角形、正三角形、2等辺三角形、又は直角三角形等の三角形、正五角形、又は正六角形等の正多角形を含む多角形、若しくは楕円形等であっても良いし、不定形であっても良い。
開口部材のサイズは、特に制限的ではなく、開口部材の用途に応じて適切なサイズとすれば良いが、例えば吸音したい周波数の音波の波長をλとする時、開口断面の面積Sは、S<π(λ/2)を満足することが好ましい、この理由は、この条件を満足しない周波数においては、管路断面方向に空間モード(横モード)が形成され、平面波が維持されなくなるためである。
また、本発明の開口部材の材料としては、特に制限的ではなく、アルミニウム、チタン、マグネシウム、タングステン、鉄、スチール、クロム、クロムモリブデン、ニクロムモリブデン、及びこれらの合金等の金属材料、アクリル樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリアミドイド、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリサルフォン、ポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラート、ポリイミド、及びトリアセチルセルロース等の樹脂材料、炭素繊維強化プラスチック(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastics)、カーボンファイバ、及びガラス繊維強化プラスチック(GFRP:Glass Fiber Reinforced Plastics)、並びに建造物の壁材と同様なコンクリート、及びモルタル等の壁材等を挙げることができる。
次に、本発明に係る共鳴構造について説明する。
(共鳴構造)
図1に示す共鳴構造14(14a、14b)は、音波に対して共鳴するヘルムホルツ共振構造20(20a、20b)である。
ヘルムホルツ共振構造20(20a、20b)は、図1、図2、及び図3Aに示すように、外部と連通する共鳴穴22(22a、22b)、及び内部の中空空間24(24a、24b)を持つ筺体26(26a、26b)からなる共鳴体であり、ヘルムホルツ共振器、又はヘルムホルツ共鳴器ともいう。
図1、及び図2に示すように、ヘルムホルツ共振構造20a、及び20bは、その共鳴穴22a、及び22bが管体12の開口管路12a内の導波路順方向(音波の進行方向)に沿って平行に配置されるようにそれぞれ設置される。
ここでは、ヘルムホルツ共振構造20(20a、20b)、共鳴穴22(22a、22b)、中空空間24(24a、24b)、及び筺体26(26a、26b)は、区別が必要な場合には、ヘルムホルツ共振構造20a、及び20b、共鳴穴22a、及び22b、中空空間24a、及び24b、並びに筺体26a、及び26bとして、それぞれを区別して説明するが、区別の必要がない場合には、区別せずに、ヘルムホルツ共振構造20、共鳴穴22、中空空間24、及び筺体26として説明する。
ここで、ヘルムホルツ共振構造20は、筺体26内に共鳴空間となる中空空間24を有する。共鳴穴22は、筺体26の上部に所定長さで設けられ、筺体26の内部の中空空間24と外部とを連通する。
また、図1に示す例では、筺体26は、平面視長方形の直方体形状であり、共鳴空間である中空空間24も同様に、平面視長方形の直方体形状である。なお、筺体26の形状は、内部に中空空間24を形成でき、ヘルムホルツ共振構造20を管体12の開口管路12a内に配置できれば、どのような形状でも良い。例えば、筺体26の断面形状は、本発明においては、特に制限的ではなく、例えば、平面形状で、正方形、長方形、ひし形、又は平行四辺形等の他の四角形、正三角形、2等辺三角形、又は直角三角形等の三角形、正五角形、又は正六角形等の正多角形を含む多角形、若しくは円形、又は楕円形等であっても良いし、不定形であっても良い。
なお、中空空間24の形状も、特に制限的ではなく、筺体26の形状と同じであることが好ましいが、異なっていても良い。
筺体26の材料は、硬い材料が好ましいが、特に制限的ではない。筺体26の材料は、上述の防音対象物に適用する際に適した強度を持ち、防音対象物の防音環境に対して耐性があれば、特に制限的ではなく、防音対象物及びその防音環境に応じて選択することができる。例えば、筺体26の材料としては、アルミニウム、チタン、マグネシウム、タングステン、鉄、スチール、クロム、クロムモリブデン、ニクロムモリブデン、及びこれらの合金等の金属材料、アクリル樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリアミドイミド、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリサルフォン、ポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラート、ポリイミド、及びトリアセチルセルロース等の樹脂材料、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)、カーボンファイバ、並びにガラス繊維強化プラスチック(GFRP)等を挙げることができる。
また、筺体26の材料としてこれらの複数種の材料を組み合わせて用いてもよい。
なお、筺体26の中空空間24内には、従来公知の吸音材を配置してもよい。
筺体26のサイズ(平面視)は、筺体26の外側表面間のサイズと定義できるが、特に制限的ではない。筺体26のサイズは、例えば、図2、及び図3Aに示すように、筺体26が直方体形状であり、ヘルムホルツ共振構造20が管体12の開口管路12a内に導波路順方向(音波の進行方向)に沿って平行に設置されている時、導波路順方向に沿った幅dと、導波路順方向に直交する側面の面積S(高さ×奥行)とで表すことができる。
ここで、筺体26の幅dは、筐体26の共鳴周波数に対応する波長をλとするとき、λ/2≦dであることが好ましく、λ/4≦dであることがより好ましい。
また、筺体26の側面の面積Sは、管体12の開口断面12の1%〜99%であることが好ましく、5%〜50%であることがより好ましい。
なお、ヘルムホルツ共振構造20を構成する筐体26は、中空空間24を形成する有底枠体からなる筺体本体の上面に、共鳴穴22が穿孔された筺体上部を接着して、又は固定具を用いて固定することにより、製造することができる。
共鳴穴22は、断面円形であることが好ましいが、特に限定されず、断面形状が正方形などの多角形であっても良い。
共鳴穴22の断面サイズ(断面積)Sn、及び軸方向の長さlは、特に制限的ではないが、共に、ヘルムホルツ共振構造20の共鳴周波数を決めるパラメータになるものであるので、必要な共鳴周波数に応じて決めることができる。
ここで、ヘルムホルツ共振構造20のインピーダンスZは、Fundamentals of Physical Acoustics, Wiley-Interscience(2000)を参考に、下記式(8)で与えられる。
Figure 0006936918
ρは、空気の密度(1.205kg/m(常温20°))であり、Cは音速(343m/sec)である。kは、波数(k=2π/λ=2πC/f:λ波長、f:周波数)である。Snは共鳴穴22の軸方向に垂直な断面積(ヘルムホルツのネックの断面積)、lcは共鳴穴22の軸方向長さ(ヘルムホルツのネック長さ)、Vcは筺体26の共鳴空間となる中空空間(ヘルムホルツ内部空間)24の体積である。
また、ヘルムホルツ共鳴周波数fhは、Cを音速とし、Snを共鳴穴22の軸方向に垂直な断面積とし、lcを共鳴穴22の軸方向長さ(開口端補正した値)とし、Vcを筺体26の共鳴空間となる中空空間24の体積とする時、下記式(15)で与えられる。
fh=(C/2π)・{Sn/(lc・Vc)}1/2 …(15)
したがって、必要なヘルムホルツ共鳴周波数fhが決っている時には、上記式(15)を満たすように、共鳴穴22の断面積Sn、共鳴穴22の長さlc、及び筺体26の中空空間24の体積Vcを適切に選択すればよい。
ところで、上述したように、図1に示す防音構造体10においては、2つの共鳴構造14a、及び14bであるヘルムホルツ共振構造20a、及び20bのヘルムホルツ共鳴周波数fhは異なっていることが好ましい。したがって、ヘルムホルツ共振構造20a、及び20bにおいて、共鳴穴22の断面積Sn、共鳴穴22の長さlc、及び筺体26の中空空間24の体積Vcを変えることにより、上記式(15)によって定まるヘルムホルツ共鳴周波数fhを変更すればよい。
図1に示す防音構造体10は、共鳴構造14(14a、及び14b)として、ヘルムホルツ共振構造20(20a、及び20b)を用いるものであるが、本発明はこれに限定されず、いかなる共鳴構造を用いても良い。例えば、共鳴構造14として、ヘルムホルツ共振構造20の代わりに、図3Bに示す膜型共鳴構造30を用いても良いし、図3Cに示す気柱共鳴構造40を用いても良い。なお、複数の共鳴構造14を用いる場合には、図3Aに示すヘルムホルツ共振構造20、図3Bに示す膜型共鳴構造30、及び図3Cに示す気柱共鳴構造40をそれぞれ単独で複数用いても良いが、混合して用いても良い。
図3Bに示す膜型共鳴構造30は、枠32と、枠32の孔部34の開口を覆うように枠32の一端側に固定される膜36とを有し、枠32と膜36によって膜36の背面空間38を形成する。
なお、本発明の防音構造体10においては、複数の膜型共鳴構造30は、その膜36が管体12の開口管路12a内の導波路順方向(音波の進行方向)に沿って平行に配置されるようにそれぞれ設置される。
枠32は、孔部34を囲む囲み部33aと、孔部34の一方の開口に対向する底部33bによって構成される有底枠である。
枠32は、孔部34を覆うように膜36を固定し、かつ支持するためのもので、この枠32に固定された膜36の膜振動の節となるものである。したがって、枠32は、膜36に比べて、剛性が高く、具体的には、単位面積当たりの質量及び剛性は、共に高いことが好ましい。
図3Bに示す枠32は、底部33bを持ち、一方のみが開放された開口を持つ孔部34を備える有底枠であるが、本発明はこれに限定されず、両方に開放された開口を持つ孔部34を備える囲み部33aのみを有する枠であっても良い。この囲み部33aのみの枠である場合には、他方の開口には、膜36と同様の膜を有するものであっても良いし、枠材料と同様な材料の背面板を有するものであっても良い。
なお、枠32は、膜36の全周を抑えることができるように膜36を固定できる閉じた連続した形状であることが好ましいが、本発明は、これに限定されず、枠32が、これに固定された膜36の膜振動の節となるものであれば、一部が切断され、不連続な形状であっても良い。即ち、枠32の役割は、膜36を固定し支持して膜振動を制御することにあるため、枠32に小さな切れ目が入っていても、接着していない部位が存在していても効果を発揮する。
また、枠32の孔部34の形状は、平面形状で、正方形であることが好ましいが、本発明においては、特に制限的ではなく、例えば、長方形、ひし形、又は平行四辺形等の他の四角形、正三角形、2等辺三角形、又は直角三角形等の三角形、正五角形、又は正六角形等の正多角形を含む多角形、若しくは円形、又は楕円形等であっても良いし、不定形であっても良い。なお、枠32の孔部34の端部は、閉塞されておらず、そのまま外部に開放されている。この開放された孔部34の端部に孔部34を覆うように膜36が枠32に固定される。
図3Bでは、枠32の孔部34は、その端部が、閉塞されておらず、そのまま外部に開放されているが、孔部34の両方の端部が外部に開放され、一方の端部が背面板等の部材で閉塞されていてもよい。
また、枠32のサイズaは、平面視のサイズであり、その孔部34のサイズに枠32の両幅を加えたものとして定義できるが、枠32の幅は小さいので、孔部34のサイズとすることもできる。枠32のサイズaは、枠32の形状が円形、又は正方形のような正多角形の場合には、その中心を通る対向する辺間の距離、又は円相当直径と定義することができ、多角形、楕円、又は不定形の場合には、円相当直径と定義することができる。本発明において、円相当直径及び半径とは、それぞれ面積の等しい円に換算した時の直径及び半径である。
このような枠32のサイズaは、特に制限的ではなく、本発明の防音構造体10が防音のために適用される上述の防音対象物に応じて設定すればよい。
例えば、枠32のサイズaは、特に制限的ではないが、例えば、0.5mm〜300mmであることが好ましく、1mm〜100mmであることがより好ましく、10mm〜50mmであることが最も好ましい。
ここで、枠32の厚さは、囲み部33aの厚さということができ、枠32の孔部34の深さdとして定義できるので、以下では、孔部34の深さdとする。
枠32の厚さd、即ち孔部34の深さdは、特に制限的ではないが、膜36の振動の共鳴周波数に影響を与えるので、共鳴周波数に応じて設定しても良いし、例えば、孔部34のサイズに応じて設定しても良い。
孔部34の深さdは、0.5mm〜200mmであることが好ましく、0.7mm〜100mmであることがより好ましく、1mm〜50mmであることが最も好ましい。
また、枠32の幅は、枠32を構成する部材の厚さということができるが、膜36を固定することができ、膜36を確実に支持できれば、特に制限的ではない。枠32の幅は、例えば、枠32のサイズaに応じて設定することができる。ここで、枠32の底部33bの厚さも、枠32の幅と同様に定義することができる。
例えば、枠32の幅は、枠32のサイズaが、0.5mm〜50mmの場合には、0.5mm〜20mmであることが好ましく、0.7mm〜10mmであることがより好ましく、1mm〜5mmであることが最も好ましい。
また、枠32の幅は、枠32のサイズaが、50mm超、300mm以下の場合には、1mm〜100mmであることが好ましく、3mm〜50mmであることがより好ましく、5mm〜20mmであることが最も好ましい。
なお、枠32の幅が、枠32のサイズaに対して比率が大きくなりすぎると、全体に占める枠32の部分の面積率が大きくなり、デバイス(共鳴構造14)が重くなる懸念がある。一方、上記比率が小さくなりすぎると、その枠32部分において接着剤などによって膜36を強く固定することが難しくなってくる。
枠32の材料は、膜36を支持でき、上述した防音対象物に適用する際に適した強度を持ち、防音対象物の防音環境に対して耐性があれば、特に制限的ではなく、防音対象物、及びその防音環境に応じて選択することができる。例えば、枠32の材料としては、筺体26の材料と同様な材料を用いることができる。
また、枠32の材料としてこれらの複数種の材料を組み合わせて用いてもよい。
また、枠32の孔部34内には、従来公知の吸音材を配置してもよい。
吸音材を配置することで、吸音材による吸音効果により、遮音特性をより向上できる。また、吸音材としては、特に限定はなく、ウレタン板、及び不織布等の種々の公知の吸音材が利用可能である。なお、筺体26の中空空間24内に吸音材を配置した場合も、同様である。
以上のように、本発明の共鳴構造14(ヘルムホルツ共振構造20、又は膜型共鳴構造30)内に、又は共鳴構造14と共に、公知の吸音材を組み合わせて用いることにより、本発明の共鳴構造14による防音効果と、公知の吸音材による吸音効果との両方の効果を得ることができる。
膜36は、枠32の内部の孔部34を覆い、且つ枠32に抑えられるように固定されるもので、外部からの音波に対応して膜振動することにより音波のエネルギを吸収、もしくは反射して防音するものである。即ち、枠32と膜36とは、膜型共鳴体を構成するものであると言える。
ところで、膜36は、枠32を節とし、膜振動する必要があるので、枠32に確実に抑えられるように固定され、音波のエネルギを吸収して、もしくは反射して防音する必要がある。このため、膜36は、可撓性のある弾性材料製であることが好ましい。
このため、膜36は、枠32の孔部34の形状に孔部34の外側の枠32の幅(囲み部33aの幅)を加えた外側形状を有する。
また、膜36の(外側形状の)サイズは、枠32に確実に固定されて、振動膜として機能する必要があるので、孔部34のサイズより大きい必要がある。なお、膜36の(外側形状の)サイズは、孔部34のサイズに孔部34の両側の枠32の囲み部33aの幅を加えた枠32のサイズaより大きくても良いが、この大きい部分は、振動膜としての機能もなく、膜36を固定する機能もないので、枠32のサイズa以下であることが好ましい。
また、膜36の厚さは、音波のエネルギを吸収して防音するために膜振動することができれば、特に制限的ではないが、揺れが最も大きい振動モードを高周波側に得るためには厚く、低周波側に得るためには薄くすることが好ましい。例えば、図3Aに示す膜36の厚さは、本発明では、枠32のサイズa、又は孔部34のサイズ、したがって膜36のサイズに応じて設定することができる。
例えば、膜36の厚さは、孔部34のサイズLが0.5mm〜50mmの場合には、0.001mm(1μm)〜5mmであることが好ましく、0.005mm(5μm)〜2mmであることがより好ましく、0.01mm(10μm)〜1mmであることが最も好ましい。
また、膜36の厚さは、孔部34のサイズLが、50mm超、300mm以下の場合には、0.01mm(10μm)〜20mmであることが好ましく、0.02mm(20μm)〜10mmであることがより好ましく、0.05mm(50μm)〜5mmであることが最も好ましい。
なお、膜36の厚さは、1つの膜36で厚さが異なる場合などは、平均厚さで表すことが好ましい。
ここで、膜型共鳴構造30のインピーダンスZは、J. Sound Vib. (1969)10(3),411-423、及びThe 22th international congress on Sound and Vibration(Florence, Italy 12-16 July 2015)予稿集 LOW-FREQUENCY SOUND ABSORPTION USING A FLEXIBLE THIN METAL PLATE AND A LAYER OF POLYURETHANE FOAM (1258)を参考に、下記式(9)で与えられる。
Figure 0006936918
但し、Dは、膜36の曲げ硬さであり、下記式(10)で与えられる。
Figure 0006936918
但し、ωは角周波数、aは、枠32の一辺の長さ、Ai、及びBi(i=1、2、……)は、正方形の膜36のインピーダンス定数、Eは、膜36のヤング率、σは、膜36のポアソン比、hは、膜36の厚み、gは、減衰定数、ρsは膜36の面密度である。
ここで、正方形膜の場合Ai、及びBiは決まっており、文献から以下の値を用いることができる。
Ai=2.02、Bi=2.64×10
減衰定数は、経験的に決定されるが、例えば、g=0.04という値を用いることができる。また、dは、背面空気層の長さである。
また、本発明の共鳴構造14である膜型共鳴構造30の枠32に固定された膜36は、共鳴構造14の構造において、誘起可能な最も低次(1次)の振動モードの周波数である最低次の共鳴周波数(第1共鳴周波数)を持つものである。
また、枠32及び膜36からなる膜型共鳴構造30である共鳴構造14における、即ち枠32に抑えられるように固定された膜36に対して音波が膜面に平行に入射する場合の共鳴周波数は、音波が膜振動を最も揺らすところで、その周波数で共鳴構造側に音が引き込まれ、最も大きい吸収ピークを発現する(即ち、吸収率が極大となる)周波数である。また、最低次の共鳴周波数は、枠32と膜36からなる膜型共鳴構造30によって決まる、膜振動が最も低次の振動モードを発現する第1共鳴周波数である。
枠32に固定された膜36の最低次の共鳴周波数(例えば、剛性則に従う周波数領域と質量に従う周波数領域との境界が最も低次の第1共振(共鳴)周波数となる)は、人間の音波の感知域に相当する10Hz〜100000Hzであることが好ましく、人間の音波の可聴域である20Hz〜20000Hzであることがより好ましく、40Hz〜16000Hzであることが更により好ましく、100Hz〜12000Hzであることが最も好ましい。
ここで、本発明の共鳴構造14である膜型共鳴構造30において、枠32及び膜36からなる構造における膜36の共振周波数、例えば最低次の共鳴周波数は、共鳴構造14の枠32の幾何学的形態、例えば枠32の形状及び寸法(サイズ)と、共鳴構造14の膜36の剛性、例えば膜36の厚さ及び可撓性と膜36の背面空間38の体積によって定めることができる。
例えば、膜36の振動モードを特徴づけるパラメータとしては、同種材料の膜36の場合は、膜36の厚み(t)と孔部34のサイズ(L)の2乗との比、例えば、正四角形の場合には一辺の大きさとの比[L/t]を用いることができ、この比[L/t]が等しい場合には、上記振動モードが同じ周波数、即ち同じ共振周波数となる。即ち、比[L/t]を一定値にすることにより、スケール則が成立し、適切なサイズを選択することができる。
また、膜36のヤング率は、膜36が音波のエネルギを吸収、もしくは反射して防音するために膜振動することができる弾性を有していれば、特に制限的ではないが、膜36の振動モードを高周波側に得るためには大きく、低周波側に得るためには小さくすることが好ましい。例えば、膜36のヤング率は、本発明では、枠32(孔部34)のサイズ、即ち膜のサイズに応じて設定することができる。
例えば、膜36のヤング率は、1000Pa〜3000GPaであることが好ましく、10000Pa〜2000GPaであることがより好ましく、1MPa〜1000GPaであることが最も好ましい。
また、膜36の密度も、音波のエネルギを吸収、もしくは反射して防音するために膜振動することができるものであれば、特に制限的ではなく、例えば、5kg/m〜30000kg/mであることが好ましく、10kg/m〜20000kg/mであることがより好ましく、100kg/m〜10000kg/mであることが最も好ましい。
膜36の材料は、膜状材料、又は箔状材料にした際に、上述した防音対象物に適用する際に適した強度を持ち、防音対象物の防音環境に対して耐性があり、膜36が音波のエネルギを吸収、もしくは反射して防音するために膜振動することができるものであれば、特に制限的ではなく、防音対象物及びその防音環境などに応じて選択することができる。例えば、膜36の材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、アクリル(PMMA)、ポリアミドイド、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリサルフォン、ポリブチレンテレフタレート、トリアセチルセルロース、ポリ塩化ビニリデン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、芳香族ポリアミド、シリコーン樹脂、エチレンエチルアクリレート、酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリメチルペンテン、又はポリブテン等の膜状にできる樹脂材料、アルミニウム、クロム、チタン、ステンレス、ニッケル、スズ、ニオブ、タンタル、モリブデン、ジルコニウム、金、銀、白金、パラジウム、鉄、銅、又はパーマロイ等の箔状にできる金属材料、紙、又はセルロースなどその他繊維状の膜になる材質、不織布、ナノサイズのファイバーを含むフィルム、薄く加工したウレタン、又はシンサレートなどのポーラス材料、もしくは薄膜構造に加工したカーボン材料など、薄い構造を形成できる材質、又は構造等を挙げることができる。
また、膜36は、枠32の孔部34の開口を覆うように枠32に固定される。
枠32への膜36の固定方法は、特に制限的ではなく、膜36を枠32に膜振動の節となるように固定できればどのようなものでも良く、例えば、接着剤を用いる方法、又は物理的な固定具を用いる方法などを挙げることができる。
接着剤を用いる方法は、接着剤を枠32の孔部34を囲む表面上に塗布し、その上に膜36載置し、膜36を接着剤で枠32に固定する。接着剤としては、例えば、エポキシ系接着剤(アラルダイト(登録商標)(ニチバン社製)等)、シアノアクリレート系接着剤(アロンアルフア(登録商標)(東亜合成社製)など)、又はアクリル系接着剤等を挙げることができる。
物理的な固定具を用いる方法としては、枠32の孔部34を覆うように配置された膜36を枠32と棒等の固定部材との間に挟み、固定部材をネジ、又はビス等の固定具を用いて枠32に固定する方法等を挙げることができる。
なお、膜型共鳴構造30は、枠32と膜36とを別体として構成し、膜36を枠32に固定した構造であるが、これに限定されず、同じ材料からなる膜36と枠32が一体化した構造であっても良い。
本発明の共鳴構造14として、図3Cに示す気柱共鳴構造40を用いることもできる。
気柱共鳴構造40は、一端側に外側に開放された開口42を有し、他端側に閉塞された底面44を有する管状体46からなる気柱共鳴管である。
なお、本発明の防音構造体に用いられる気柱共鳴構造は、一端が開放され、他端が閉塞された管状体、例えば閉管であっても、両端が開放された管状体、例えば、開管であっても良い。このように、気柱共鳴構造は、閉管、又は開管からなる気柱共鳴管によって構成することができる。
このような気柱共鳴管40の管状体46の構造は、長さ、及び形状は異なるが、膜型共鳴構造30の枠32と同様な構成とすることができ、同様の材料を用いることができる。
なお、図4Aに示す防音構造体10は、2つの気柱共鳴管40(40a、及び40b)を、その開口42(42a、及び42b)が管体12の開口管路12a内の導波路順方向(音波の進行方向)に沿って隣接して同一線上に並ぶようにそれぞれ設置したものである。一方、図4に示す防音構造体10Cは、2つの気柱共鳴管40(40a、及び40b)を、その開口42(42a、及び42b)が管体12の開口管路12a内の導波路順方向(音波の進行方向)に沿って上下に隣接して平行に配置されるようにそれぞれ設置したものである。即ち、本発明の防音構造体においては、複数の気柱共鳴構造40は、その開口42が管体12の開口管路12a内の導波路順方向(音波の進行方向)に沿って隣接して平行に配置されるように、それぞれ設置される。
なお、管状体46(気柱共鳴管)の長さdは、図3Cに示すように、管状体46の開口42の平面の中心と、管状体46の底面44との距離であると定義される。
ここで、気柱共鳴構造のインピーダンスZは、ARCHITECTURAL ACCOUSTICS、 SECOND EDITION、ACADEMIC PRESS (2014)のp308を参考に、下記式(11)で与えられる。
Figure 0006936918
但し、qは、伝搬定数であり、下記式(12)で与えられる。
Figure 0006936918
但し、kは、波数(k=2π/λ=2πC/f:λ波長)、fは、周波数、aは、気柱共鳴管の半径、ρ0は、空気の密度、Cは、音速、dは、管の長さである。
ここで、上記式(11)の虚部が0となるような周波数が共鳴周波数である。
本発明の防音構造体10、及びこれに用いられる共鳴構造14は、基本的に以上のように、構成される。
以下では、本発明の防音構造体10の防音原理となる理論について説明する。
まず、開口部材(管体12)の開口管路12a内における共鳴構造14の設置間隔によって吸収率が高くなったり低くなったりする。
例えば、図5は、それぞれ単独で設置した場合の2つの共鳴構造14の吸収率を実線で示し、2つの共鳴構造14を、隣接間隔を変えて設置した場合の合成吸収率を点線で示している。
図5に示すように、共鳴構造14を2つ設置した場合には、その置き方、又は2つの共鳴構造14の共鳴周波数によって高い吸収を発現できる場合とそうでない場合(即ち、1つ置いた場合よりも吸収が低くなってしまう場合)がある。
これは、図6に示すように、第1の共鳴構造14aと第2の共鳴構造14bとのそれぞれからの反射波(図6中下側の2つの反射波)、及び断面積が不連続となる界面からの反射波(図6中上側の4つの反射波)が存在することに起因する。反射波が強めあうような場合は、反射が大きくなり、その分吸収率が低くなってしまう。
高い吸収を得るためには反射率、及び透過率を同時に低くなるように設計する必要がある。
これを実現するためには、それぞれの共鳴器のインピーダンス、及び間隔を含めた伝達マトリクスの概念に基づいて理論を考察する必要がある。
以下に、その理論に基づく発明の構成について説明する。
本発明の防音構造体10においては、図2に示すように、管体12の断面積をS、複数の共鳴構造14の断面積をSi、それらの幅をdi、隣接する2つの共鳴構造14の間隔をL、それらのインピーダンスをZiと定義し、隣接する2つの共鳴構造14の合成音響インピーダンスをZcと定義する時、下記式(2)で与えられる理論吸収値Atが最大となる共鳴周波数f0において、下記式(1)式の条件を満足する。
At(f0,L,S,Si,di,Zi)>0.75 ………(1)
ここで、L>0、S>0、Si>0、di>0、i=1、2
At(f,L,S,Si,di,Zi)=1−|(Zc(f,L,S,Si,di,Zi)−Z0)/(Zc(f,L,S,Si,di,Zi)+Z0)|−|2/(Ac(f,L,S,Si,di,Zi)+Bc(f,L,S,Si,di,Zi)/Z0+Z0Cc(f,L,S,Si,di,Zi)+Dc(f,L,S,Si,di,Zi))| ………(2)
なお、上記式(2)は、「f,L,S,Si,di,Zi(i=1、2)」を代表してxで表す時、
At(x)=1−|(Zc(x)−Z0)/(Zc(x)+Z0)|
−|2/(Ac(x)+Bc(x)/Z0+Z0Cc(x)+Dc(x))|
として表すことができる。
断面積Sは、管体12の開口断面12bの面積である。
共鳴構造14には、ヘルムホルツ共振構造20、膜型共鳴構造30、及び気柱共鳴構造が含まれている。
複数の共鳴構造14の断面積Siは、共鳴構造14の導波路順方向に対する開口管路12a内の断面積であり、導波路順方向(音波の進行方向)に垂直な共鳴構造14の側面の面積である。なお、iは、1、2、……、で表され、複数の共鳴構造14の上手側、即ち音源に近い方からの順番を示す。
複数の共鳴構造14の幅diは、共鳴構造14の導波路順方向に沿った開口管路12a内の長さであり、導波路順方向(音波の進行方向)に平行な共鳴構造14の側面の長さである。
複数の共鳴構造14には、隣接する2つの共鳴構造14があるが、それらの2つの共鳴構造14の間隔Lは、2つの共鳴構造14の共鳴部分の中心間の導波路順方向に沿った(音波の進行方向に平行な)距離である。例えば、2つの共鳴構造14がヘルムホルツ共振構造20の場合には、共鳴穴22の中心間の距離である。また、2つの共鳴構造14が膜型共鳴構造30の場合には、膜36の中心間の距離である。また、2つの共鳴構造14が気柱共鳴構造の場合には、気柱共鳴管の開放端の中心間の距離である。
なお、合成音響インピーダンスZcは、隣接する2つの共鳴構造14とそれらの間隔L、導波路の断面積の変化、及び隣接する2つの共鳴構造14を考慮して得られるものである。
ここで、共鳴周波数f0における理論吸収値At(f0,L,S,Si,di,Zi)について考察する。まず、共鳴構造が1つだけの場合は、伝達マトリクスは下記式(16)のように記述出来る。
Figure 0006936918
ここで、Z1は、共鳴構造のインピーダンスである。このとき、Zcを下記式(3)に基づいて記述すると、
Zc = Z0Z1/(Z0+Z1) ……(17)
となる。後述する下記式(18)に基づいて、反射係数rc、及び透過係数tcを記述すると、以下のように表すことができる。
rc = (Zc−Z0)/(Zc+Z0)
= Z0/(2Z1+Z0)
tc = 2Z1/(Z0+2Z1)
従って吸収率は、
A = 1−|rc|−|rc|
= 1−|Z0/(2Z1+Z0)|−|2Z1/(Z0+2Z1)|
= 4Z0Z1/(Z0+2Z1)
となる。このとき、Z0は、管路のインピーダンス(定数)であるため、Z1の値に依存して吸収値が決定される。上式より、Aは、Z1=Z0/2の場合に、最大値0.5を取り、これを超過することは無いことが上記の導出式から理論的に示される。即ち、共鳴構造が1つの場合には、吸収率が50%が最大であることが分かる。
ここで、2つの構造を設置した場合、1つの構造では、最大で50%の音を吸収し残りの50%を透過したとし、更に、2つ目の共鳴構造でも最大吸収率である50%を吸収したとすると、
A=1−(0.5×(1−0.5))=0.75
となる、即ち、波動性を考慮せずに単純に計算した場合の単純理論吸収限界値Asは、75%が最大であることが分かる。しかしながら、2つの共鳴構造、及びその間の距離を考慮した合成音響インピーダンスから吸収率を導出した理論吸収値Atは、ここで求めた単純理論吸収限界値Asの最大値である75%を超過する吸収率を得ることができることに特徴がある。
ところで、上記式(2)の合成音響インピーダンスZc(x)は、下記式(3)で定義される。
Figure 0006936918
また、上記式(2)のZ0は、Zair/S(=Z0)(Sは管路断面積)で表わされる開口管路の音響インピーダンスである。
また、Zairは、空気の音響インピーダンスであり、Zair=ρCで与えられる。
ρは空気の密度(例えば、1.205kg/m(常温(20°)))、Cは音速(343m/sec(常温(20°))である。
また、上記式(2)、及び(3)のAc(x)、Bc(x)、Cc(x)、及びDc(x)は、伝達マトリクスの要素であり、下記式(4)で定義される。
Figure 0006936918
Tcは、2つの共鳴構造14の伝達マトリクスである。
また、T(i=1,2)は、2つの共鳴構造14の各々の共鳴構造に相当する伝達マトリックスであり、下記式(5)で定義される。
Figure 0006936918
また、Tdi/2は、2つの共鳴構造14の各々の共鳴構造14の距離に相当する伝達マトリックスであり、下記式(6)で定義される。
ここで、Ziは、共鳴構造14のインピーダンスZであり、共鳴構造14がヘルムホルツ共振構造20の場合には、上記式(8)によって与えられ、膜型共鳴構造30の場合には、上記式(9)によって与えられ、気柱共鳴構造の場合には、上記式(11)によって与えられる。
Figure 0006936918
また、TL−d1/2−d2/2は、2つの共鳴構造14の距離に相当する伝達マトリックスであり、下記式(7)で定義される。
Figure 0006936918
但し、kは波数であり、k=2π/λ=2πC/fで与えられる。ここで、λは波長、fは周波数である。
上記式(5)〜(7)を上記式(4)に代入することにより、上記式(4)から、関数Ac(x)、Bc(x)、Cc(x)、及びDc(x)の式を求めることができる。
こうして得られた関数Ac(x)、Bc(x)、Cc(x)、及びDc(x)を、上記式(3)に代入することにより、合成音響インピーダンスZc(x)の式を求めることができる。
また、こうして得られた合成音響インピーダンスZc(x)の式と、得られたAc(x)、Bc(x)、Cc(x)、及びDc(x)の式とを、上記式(2)に代入することにより、理論吸収値At(x)(=At(f,L,S,Si,di,Zi))の式を求めることができる。
こうして求められた上記式(2)に示す理論吸収値At(f,L,S,Si,di,Zi)の式から、間隔L、断面積S、断面積Si(i=1,2)、及び幅di(i=1,2)を定め、周波数f、及びZi(i=1,2)を変化させて、理論吸収値At(f,L,S,Si,di,Zi)が最大値を求め、その時の周波数をf0として求めることができる。
更に、本発明の防音構造体10の防音原理となる理論について説明する。
例えば、伝達マトリクスTc、インピーダンスZcに対する反射係数rc、及び透過係数tcは、それぞれ下記式(13)、及び(14)によって表される。
Figure 0006936918
Figure 0006936918
ここで、反射率R、透過率T、及び吸収率Aは、以下のように表すことができる。
反射率R=|rc|
透過率T=|tc|
吸収率A=1−R−T ……(18)
ここで、吸収を高くするためには、|rc|、及び|tc|を小さくすることが必要となる
上述した合成音響インピーダンスZcの式(3)を上記式(18)に代入することにより、上記式(2)のAt(理論吸収値)を求めることができる。ここに、Atは、x、したがってf、L、S、Si、di、及びZi(iは共鳴体の番号)の解析解として導くことができる。
即ち、上記式(2)のAt(理論吸収値)式は、共鳴構造14のインピーダンス、及び共鳴構造14の断面に起因する導波路断面の面積不連続による反射をも考慮した吸収の式であり、この値が高くなるようにf、L、S、Si、di、及びZiの各値を設計することが高い吸収を得ることと同義となる。
吸収率は、単一構造では、理論上50%を超過することはない。50%吸収する構造を2つ置いた場合には、音波の波動性を無視して、単純計算すれば構造を直列に配置した場合において、75%となる。
本発明は、防音構造体において、この値を超える高い吸収を発現するパラメータを規定する。こうして求められた上記式(2)の理論吸収値At(f0,L,S,Si,di,Zi)が、0.75より大きい時、本発明の防音構造体10を得ることができる。
さらに、音源上手側の共鳴周波数が、下手側の共鳴周波数よりも低い場合には、間隔Lをλ/4より小さい範囲において、高い吸収を得ることが可能となる。
これは、音が下手側の共鳴周波数と上手側の共鳴周波数が異なり、特に下手側の共鳴周波数が低い場合には、下手側の共鳴周波数以外の音が、下手側に到達した際に、インピーダンスの虚部が0ではないことから位相が付与されて反射されるためである。
これに対し、特許文献2に記載の先行技術では、上手側構造のインピーダンス抵抗(インピーダンス実部)、及び下手側構造のインピーダンス抵抗(インピーダンス実部)のみで議論をしており、虚部に関する記述が無い。
上記理論式(2)の導出において示した通り、高い吸収を得るためには反射率を小さくすると同時に透過率を小さくしなければならない。
即ち、上手側共鳴構造のマトリクス、上手側と下手側の距離に相当するマトリクス、及び下手側インピーダンス構造のマトリクスの夫々を考慮したマトリクスTcの各成分Ac、Bc、Cc、Dc、及び合成音響インピーダンスZcから反射係数rc、及び透過係数tcを求めることが必須であり、上手側構造のインピーダンス抵抗、及び下手側構造のインピーダンス抵抗の値を規定するだけでは、高い吸収率を得られるとは限らない。
図7に示すように、特許文献2に記載の先行技術では、入射音と反射音の干渉で音圧が高くなる位置に上手側共鳴器を置く。即ち、高い吸収を得る場合には、上手側と下手側の間隔が(2n−1)λ/4となることが好ましいとしている。
一方、本発明においては、図8に示すように、また、上述したように、上手側の共鳴周波数と、下手側の共鳴周波数が異なるものを採用することにより、反射波の位相を変調し、L<λ/4でも高い吸収を持たせることができる。即ち、高い吸収をより小型の防音構造体によって実現できる。
一方、上述した先行技術では、上手側共鳴器、下手側共鳴器のインピーダンス抵抗(インピーダンス実部)について、規定はしているものの、位相差を付けるのに必要なリアクタンス成分(インピーダンス虚部)についての規定はない。このため、高い吸収をより小型の防音構造体によって実現できない。
防音構造体の小型化には、反射波に位相を付与するインピーダンスの虚部が上手側と異なること、即ち、共鳴周波数が異なることがキーとなる。
以上から、導波路順方向(音の伝播、又は進行方向)の上手側の共鳴構造14aの共鳴周波数が、下手側の共鳴構造14bの共鳴周波数よりも高いことが好ましい。これが、反射波位相を変化させ、小型化させる条件となる。
また、上手側の共鳴構造14aと下手側の共鳴構造14bとの間隔Lが、共鳴周波数f0の波長をλ(f0)とするとき、L<λ(f0)/4となることが好ましい。これにより、防音構造体10の小型化を図ることができる。
また、防音構造体10の管体12の開口管路12aの断面積Sが、上記式(1)を満足する周波数の波長λ(f0)に対して、S<π(λ/2)を満足することが好ましい。その理由は、この条件を満足しない場合には、開口管路の断面方向に空間モード(横モード)が形成され、平面波として伝播しなくなり、その結果、本発明の理論式が適用できなくなるためである。
また、図9に示す防音構造体10Aのように、図1に示す2つのヘルムホルツ共振構造20aと20bとを一体化して、一体化筺体26cに2つのヘルムホルツ共振構造20cと20dを有する一体化共鳴構造21としても良い。即ち、2つの共鳴構造14aと14bとして、一体化共鳴構造21の2つのヘルムホルツ共振構造20cと20dを用いても良い。ここで、2つのヘルムホルツ共振構造20c、及び20dは、それぞれ共鳴穴22a、及び22b、並びに中空空間24a、及び24bを有するものである。なお、2つのヘルムホルツ共振構造20c、及び20dは、一体化されていることを除いて、図1に示すヘルムホルツ共振構造20a、及び20bと同様の構成を有するものである。更に、3以上の共鳴構造を一体型にしても良い。
即ち、少なくとも2つの共鳴構造、したがって複数の共鳴構造を一体型にしても良い。
これにより、図6に示すような多数の不連続断面を減らすことができ、よけいな反射波を少なくし、設計をより簡易にすることができる。
本発明の防音構造体を実施例に基づいて具体的に説明する。
(実施例1)
まず、図1に示す本発明の防音構造体10を実施例1として作製した。
図1に示すように、実施例1の防音構造体10においては、2つの共鳴構造14a、及び14bとして、それそれ、ヘルムホルツ共振構造20a、及び20bを用い、管体12の開口管路12a内に所定の間隔Lを空けて設置した。
当該実施例1の防音構造体10の各種パラメータは以下の通りであった。
管体12の開口断面12bの断面積S=1257[mm
隣接する2つの共鳴構造14の間隔L=17[mm]
共鳴構造14a(ヘルムホルツ共振構造20a)の断面積S1=648[mm
共鳴構造14b(ヘルムホルツ共振構造20b)の断面積S2=648[mm
共鳴構造14a(ヘルムホルツ共振構造20a)の幅d1=14[mm]
共鳴構造14b(ヘルムホルツ共振構造20b)の幅d2=14[mm]
ヘルムホルツ共振構造20aの共鳴穴22aの断面積Sn1=49.0[mm
ヘルムホルツ共振構造20bの共鳴穴22bの断面積Sn2=45.5[mm
ヘルムホルツ共振構造20aの共鳴穴22aの長さl1=5[mm]
ヘルムホルツ共振構造20bの共鳴穴22bの長さl2=5[mm]
ヘルムホルツ共振構造20aの中空空間24aの体積V1=4000[mm
ヘルムホルツ共振構造20bの中空空間24bの体積V2=4000[mm
(比較例1−1)
実施例1と同様の構成を有する防音構造体を比較例1−1の防音構造体とした。比較例1−1の防音構造体の各種パラメータは、以下の通りであった。
管体の開口断面の断面積S=1257[mm
隣接する2つの共鳴構造の間隔L=17[mm]
上手側共鳴構造(ヘルムホルツ共振構造)の断面積S1=648[mm
下手側共鳴構造(ヘルムホルツ共振構造)の断面積S2=648[mm
上手側共鳴構造(ヘルムホルツ共振構造)の幅d1=14[mm]
下手側共鳴構造(ヘルムホルツ共振構造)の幅d2=14[mm]
上手側ヘルムホルツ共振構造の共鳴穴の断面積Sn1=49.0[mm
下手側ヘルムホルツ共振構造の共鳴穴の断面積Sn2=49.0[mm
上手側ヘルムホルツ共振構造の共鳴穴の長さl1=5[mm]
下手側ヘルムホルツ共振構造の共鳴穴の長さl2=5[mm]
上手側ヘルムホルツ共振構造の中空空間の体積V1=4000[mm
下手側ヘルムホルツ共振構造の中空空間の体積V2=4000[mm
即ち、比較例1−1は、2つのヘルムホルツ共振構造の共鳴穴の断面積Sn1、及びSn2を同じ49.0[mm]とした点で、実施例1と異なっていた。
(比較例1−2)
図10に示すように、管体62の開口管路62a内において、共鳴構造として2つのヘルムホルツ共振構造64a、及び64bを上下に設置して、比較例1−2の防音構造体60とした。なお、管体62、及びヘルムホルツ共振構造64a、及び64bは、それぞれ管体12、及びヘルムホルツ共振構造20a、及び20bと同様の構成を有するものであった。
比較例1−2の防音構造体60の各種パラメータは、以下の通りであった。
管体の開口断面の断面積S=1257[mm
2つのヘルムホルツ共振構造64aと64bの間隔L=0[mm]
下側ヘルムホルツ共振構造64aの断面積S1=378[mm
上側ヘルムホルツ共振構造64bの断面積S2=378[mm
下側ヘルムホルツ共振構造64aの幅d1=24[mm]
上側ヘルムホルツ共振構造64bの幅d2=24[mm]
下側ヘルムホルツ共振構造64aの共鳴穴66aの断面積Sn1=49.0[mm
上側ヘルムホルツ共振構造64bの共鳴穴66bの断面積Sn2=45.5[mm
下側ヘルムホルツ共振構造64aの共鳴穴66aの長さl1=5[mm]
上側ヘルムホルツ共振構造64bの共鳴穴66bの長さl2=5[mm]
下側ヘルムホルツ共振構造64aの中空空間68aの体積V1=4000[mm
上側ヘルムホルツ共振構造64bの中空空間68bの体積V2=4000[mm
即ち、比較例1−2は、2つのヘルムホルツ共振構造64aと64bの間隔Lと、それらの断面積S1とS2とが、実施例1と異なっていた。
(比較例1−3)
図10に示す防音構造体60において、2つのヘルムホルツ共振構造64a、及び64bの共鳴穴66a、及び66bの断面積Sn1、及びSn2を同じとした点以外は、比較例1−2と同様な構成として、比較例1−3の防音構造体60とした。
比較例1−3の防音構造体60の各種パラメータは、以下の通りであった。
管体の開口断面の断面積S=1257[mm
2つのヘルムホルツ共振構造64aと64bの間隔L=0[mm]
下側ヘルムホルツ共振構造64aの断面積S1=378[mm
上側ヘルムホルツ共振構造64bの断面積S2=378[mm
下側ヘルムホルツ共振構造64aの幅d1=24[mm]
上側ヘルムホルツ共振構造64bの幅d2=24[mm]
下側ヘルムホルツ共振構造64aの共鳴穴66aの断面積Sn1=49.0[mm
上側ヘルムホルツ共振構造64bの共鳴穴66bの断面積Sn2=49.0[mm
下側ヘルムホルツ共振構造64aの共鳴穴66aの長さl1=5[mm]
上側ヘルムホルツ共振構造64bの共鳴穴66bの長さl2=5[mm]
下側ヘルムホルツ共振構造64aの中空空間68aの体積V1=4000[mm
上側ヘルムホルツ共振構造64bの中空空間68bの体積V2=4000[mm
(実施例2)
図1に示す防音構造体10において、2つのヘルムホルツ共振構造20a、及び20bの間隔Lと、それらの断面積S1とS2とを変えた点以外は、実施例1と同様な構成として、実施例2の防音構造体10とした。
当該実施例2の防音構造体10の各種パラメータは以下の通りであった。
管体12の開口断面12bの断面積S=1257[mm
隣接する2つの共鳴構造14の間隔L=70[mm]
共鳴構造14a(ヘルムホルツ共振構造20a)の断面積S1=648[mm
共鳴構造14b(ヘルムホルツ共振構造20b)の断面積S2=648[mm
共鳴構造14a(ヘルムホルツ共振構造20a)の幅d1=14[mm]
共鳴構造14b(ヘルムホルツ共振構造20b)の幅d2=14[mm]
ヘルムホルツ共振構造20aの共鳴穴22aの断面積Sn1=45.5[mm
ヘルムホルツ共振構造20bの共鳴穴22bの断面積Sn2=49.0[mm
ヘルムホルツ共振構造20aの共鳴穴22aの長さl1=5[mm]
ヘルムホルツ共振構造20bの共鳴穴22bの長さl2=5[mm]
ヘルムホルツ共振構造20aの中空空間24aの体積V1=4000[mm
ヘルムホルツ共振構造20bの中空空間24bの体積V2=4000[mm
即ち、実施例2は、2つのヘルムホルツ共振構造20aと20bの間隔Lが実施例1より長くなり、それらの共鳴穴22aと22bの断面積Sn1とSn2が、実施例1とは逆になっていた。
(比較例2)
実施例2と同様の構成を有する防音構造体を比較例2の防音構造体とした。比較例2の防音構造体の各種パラメータは、以下の通りであった。
管体の開口断面の断面積S=1257[mm
隣接する2つの共鳴構造の間隔L=70[mm]
上手側共鳴構造(ヘルムホルツ共振構造)の断面積S1=648[mm
下手側共鳴構造(ヘルムホルツ共振構造)の断面積S2=648[mm
上手側共鳴構造(ヘルムホルツ共振構造)の幅d1=14[mm]
下手側共鳴構造(ヘルムホルツ共振構造)の幅d2=14[mm]
上手側ヘルムホルツ共振構造の共鳴穴の断面積Sn1=49.0[mm
下手側ヘルムホルツ共振構造の共鳴穴の断面積Sn2=49.0[mm
上手側ヘルムホルツ共振構造の共鳴穴の長さl1=5[mm]
下手側ヘルムホルツ共振構造の共鳴穴の長さl2=5[mm]
上手側ヘルムホルツ共振構造の中空空間の体積V1=4000[mm
下手側ヘルムホルツ共振構造の中空空間の体積V2=4000[mm
即ち、比較例2は、2つのヘルムホルツ共振構造の共鳴穴の断面積Sn1、及びSn2を同じ49.0[mm]とした点で、実施例2と異なっていた。
(参考例1)
図11に示すように、管体62の開口管路62a内において、共鳴構造として単一のヘルムホルツ共振構造64を設置した以外は、実施例1、及び比較例1と同様にして、参考例1の防音構造体70とした。
参考例1の防音構造体70の各種パラメータは、以下の通りであった。
管体62の開口断面の断面積S=1257[mm
ヘルムホルツ共振構造64の断面積S1=648[mm
ヘルムホルツ共振構造64の幅d1=14[mm]
ヘルムホルツ共振構造64の共鳴穴66の断面積Sn1=49.0[mm
ヘルムホルツ共振構造64の共鳴穴66の長さl1=5[mm]
ヘルムホルツ共振構造64の中空空間68の体積V1=4000[mm
即ち、参考例1は、実施例1、及び比較例1の上手側ヘルムホルツ共振構造(20a)のみを設置したものと言える。
(参考例2)
図11に示す防音構造体70において、単一のヘルムホルツ共振構造64の共鳴穴66の断面積を変えた以外は、参考例1と同様にして、参考例2の防音構造体70とした。
参考例2の防音構造体70の各種パラメータは、以下の通りであった。
管体62の開口断面の断面積S=1257[mm
ヘルムホルツ共振構造64の断面積S2=648[mm
ヘルムホルツ共振構造64の幅d2=14[mm]
ヘルムホルツ共振構造64の共鳴穴66の断面積Sn2=45.5[mm
ヘルムホルツ共振構造64の共鳴穴66の長さl1=5[mm]
ヘルムホルツ共振構造64の中空空間68の体積V1=4000[mm
即ち、参考例2は、実施例1、及び比較例1の下手側ヘルムホルツ共振構造(20b)のみを設置したものと言える。
(参考例3)
図12に示すように、管体62の開口管路62a内において、共鳴構造として機能することの無い単なる直方体形状の2つの障害物を、間隔を開けて設置した以外は、実施例1、と同様にして、参考例3の構造体80とした。
参考例3の構造体80の各種パラメータは、以下の通りであった。
管体62の開口断面の断面積S=1257[mm
隣接する2つの障害物82aと82bの間隔L=17[mm]
障害物82aの断面積S1=648[mm
障害物82bの断面積S2=648[mm
障害物82aの幅d1=14[mm]
障害物82bの幅d2=14[mm]
このような構成を有する実施例1、及び2、比較例1−1、1−2、1−3、及び2、並びに参考例1、2、及び3の防音構造体(10、60、70)について、理論計算に基づいた上記式(2)を数値的に計算することで理論吸収値At(f0)を求めた。
また、実施例1、及び2、比較例1−1、1−2、1−3、及び2、並びに参考例1、2、及び3の防音構造体(10、60、70)の音響特性を4マイク法でそれぞれ測定した。このようにして測定した吸収率のスペクトルから、最大値を抽出して、最大吸収率を求めた。
なお、音響測定は、内径8cmの音響管を用い、以下のようにして行った。
音響特性は、アルミニウム製音響管(管体)に4つのマイクロフォンを用いて伝達関数法による測定を行った。この手法は「ASTM E2611-09: Standard Test Method for Measurement of Normal Incidence Sound Transmission of Acoustical Materials Based on the Transfer Matrix Method」に従うものである。音響管としては、例えば日東紡音響エンジニアリング株式会社製のWinZacと同一の測定原理であるものとして、アルミニウム製の管体を用いた。管体の内部にスピーカ(図示せず)を収納した円筒状の函体(図示せず)を配置し、函体(図示せず)に管体を載置した。スピーカ(図示せず)から所定音圧の音を出力し、4本のマイクロフォンで測定した。この方法で広いスペクトル帯域において音響透過損失を測定することができる。例えば、実施例1の防音構造体10を音響管となる管体の所定測定部位に配置して、100Hz〜4000Hzの範囲で音響吸収率測定を行った。
実施例1、及び2、比較例1−1、1−2、1−3、及び2、並びに参考例1、2、及び3の防音構造体の理論吸収値At(f0)の計算結果、及び最大吸収率を測定した結果を表1、及び表2に示す。また、実施例1、及び2、比較例1−1、1−2、1−3、及び2の理論吸収値、及び実験で求めた吸収率を図13〜図16に示す。
Figure 0006936918
Figure 0006936918
以上の表1〜表2、及び図13〜図16に示す結果から、本発明の上記式(1)の条件を満たす実施例1、2においては、上記式(1)を満足しない比較例1−1〜1−3、比較例2、及び参考例1〜3の場合に比べて、高い最大吸収率を得られることが分かった。
以上より、本発明の有効性が示された。
また、間隔を空けて設置された2つの共鳴構造の共鳴周波数が異なる実施例1は、共鳴口間隔が17mmであり、共鳴周波数1711Hzの波長のλ/4よりも小さく、即ち小型化できることが分かった。
以上から、本発明の効果は明らかである。
本発明の防音構造体は、複写機、送風機、空調機器、換気扇、ポンプ類、発電機、及びダクト、その他にも塗布機、回転機、及び搬送機など音を発するさまざまな種類の製造機器等の産業用機器、自動車、電車、及び航空機等の輸送用機器、並びに冷蔵庫、洗濯機、乾燥機、テレビジョン、コピー機、電子レンジ、ゲーム機、エアコン、扇風機、PC、掃除機、及び空気清浄機等の一般家庭用機器等に用いることができる。
以上、本発明の防音構造体についての種々の実施形態及び実施例を挙げて詳細に説明したが、本発明は、これらの実施形態及び実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良又は変更をしてもよいのはもちろんである。
10、10A、10B、10C、60,70 防音構造体
12、62 管体
12a、62a 開口管路
12b、62b 開口断面
14、14a、14b 共鳴構造
16 通気孔
20、20a、20b、20c、20d、64、64a、64b ヘルムホルツ共振構造
21 一体化共鳴構造
22、22a、22b、66、66a、66b 共鳴穴
24、24a、24b、68、68a、68b 中空空間
26、26a、26b 筺体
26c 一体化筺体
30 膜型共鳴構造
32 枠
33a 囲み部
33b 底部
34 孔部
36 膜
38 背面空間
40、40a、40b 気柱共鳴構造
42、42a、42b 開口
44、44a、44b 底面
46、46a、46b 管状体
50 消音装置
52 ダクト
52a 管壁
54a、54b 共鳴器
56a、56b 共鳴口
58a58b 内部中空空間
80 構造体
82 障害物

Claims (10)

  1. 断面積Sの開口管路を構成する開口部材と、前記開口管路内部に少なくとも2つ設置された音波に対する共鳴構造とを有する防音構造体であって
    前記共鳴構造の導波路順方向に対する開口管路内の断面積Si(i=1、2、………、iは番号が若い方が上手側である)、及び幅di(i=1、2、………)は0であり、
    前記共鳴構造のうち少なくとも2つの共鳴構造は、間隔L(L>0)だけ離れて設置されており、
    前記間隔Lだけ離れて設置されている前記2つの共鳴構造の各々のインピーダンスをZi(i=1、2)と定義し、
    前記2つの共鳴構造とそれらの間隔、導波路順方向の断面積変化、及び前記2つの共鳴構造を考慮した合成音響インピーダンスをZcと定義するとき、
    下記式(2)で与えられる理論吸収値Atが最大となる共鳴周波数f0において、下記式(1)の条件を満足する防音構造体。
    At(f0,L,S,Si,di,Zi)>0.75 ………(1)
    ここで、L>0、S>0、Si(i=1、2)>0、di(i=1、2)>0、
    かつ、f,L,S,Si,di,Zi(i=1、2)を代表してxで表す時、
    At(x)=1−|(Zc(x)−Z0)/(Zc(x)+Z0)|
    −|2/(Ac(x)+Bc(x)/Z0+Z0Cc(x)+Dc(x))| ………(2)
    ここで、合成音響インピーダンスZc(x)は、下記式(3)で定義される。
    Figure 0006936918
    また、Z0は、Zair/S(=Z0)(Sは管路断面積)で表わされる開口管路の音響インピーダンスである。
    また、Zairは、空気の音響インピーダンスであり、Zair=ρcで与えられる。ρは空気の密度、cは音速である。
    また、Ac(x)、Bc(x)、Cc(x)、及びDc(x)は、合成伝達マトリクスの要素であり、下記式(4)で定義される。Tcは、前記2つの共鳴構造の合成伝達マトリクスである。
    Figure 0006936918
    また、T(i=1,2)は、前記2つの共鳴構造の各々の共鳴構造に相当する伝達マトリックスであり、下記式(5)で定義される。
    Figure 0006936918
    また、Tdi/2は、前記2つの共鳴構造の各々の共鳴構造の距離に相当する伝達マトリックスであり、下記式(6)で定義される。
    Figure 0006936918
    また、TL−d1/2−d2/2は、前記2つの共鳴構造の距離に相当する伝達マトリックスであり、下記式(7)で定義される。
    Figure 0006936918
  2. 前記2つの共鳴構造の導波路順方向の上手側に位置する共鳴構造の共鳴周波数は、下手側に位置する共鳴構造の共鳴周波数と異なるように設定されている請求項1に記載の防音構造体。
  3. 前記2つの共鳴構造の導波路順方向の上手側に位置する共鳴構造の共鳴周波数は、下手側に位置する共鳴構造の共鳴周波数よりも高い請求項1、又は2に記載の防音構造体。
  4. 前記間隔Lは、前記共鳴周波数f0の波長をλ(f0)とする時、L<λ(f0)/4である請求項1〜3のいずれか1項に記載の防音構造体。
  5. 前記2つの共鳴構造は、一体である請求項1〜4のいずれか1項に記載の防音構造体。
  6. 前記少なくとも2つの共鳴構造は、3つ以上の共鳴構造である請求項1〜5のいずれか1項に記載の防音構造体。
  7. 前記少なくとも2つの共鳴構造の少なくとも1つの共鳴構造は、ヘルムホルツ共振構造である請求項1〜6のいずれか1項に記載の防音構造体。
  8. 前記少なくとも2つの共鳴構造の少なくとも1つの共鳴構造は、膜型共鳴構造である請求項1〜6のいずれか1項に記載の防音構造体。
  9. 前記少なくとも2つの共鳴構造の少なくとも1つの共鳴構造は、気柱共鳴構造である請求項1〜6のいずれか1項に記載の防音構造体。
  10. 前記開口管路の断面積Sが、上記(1)を満足する周波数の波長λ(f0)に対して、
    S<π(λ/2)
    を満足する請求項1〜9のいずれか1項に記載の防音構造体。
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