JP6847246B2 - 防音構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、管構造と構造体とを備える防音構造体に係る。詳しくは、本発明は、ダクト、マフラ、及び換気スリーブ等のような通気性の管構造において、通気性を維持しつつ、広い周波数帯域で音を低減して防音するための防音構造体に関する。
従来、ダクト、マフラ、及び換気スリーブ等の通気性の確保を前提とした構造物は、気体、風、又は熱と同時に音も通過させてしまうことから、騒音対策が求められる場合がある。そのため、ダクト、及びマフラ等のように、特に騒音性の機械に取り付けられる用途においては、ダクト、及びマフラの構造を工夫することによる防音が必要となる(特許文献1及び2参照)。
特許文献1に記載の技術は、拡張型消音器からなる排気消音装置に関するものであり、マフラが有する拡張室とアウトレットパイプとの長さが規定されている。この技術では、拡張室の長さLとアウトレットパイプの長さL2との間にL=2nL2の関係がある。この技術は、アウトレットパイプで規定される気柱共鳴を、拡張室の長さを上記関係にすることで、アウトレットパイプで気柱共鳴の生じる周波数の音を干渉効果により効果的に抑制する技術である。
特許文献2には、振動板を用いた共鳴構造の吸音体がダクト内に設置された吸音構造が開示されている。特許文献2に開示の技術では、振動板が共鳴(共振)する吸音ピーク周波数において最も高い吸音率を得るものである。したがって、特許文献2に記載の技術では、ダクト内に入射する音の騒音周波数帯域に合わせて、吸音体の吸音ピーク周波数を調整することができる。また、この技術では、ダクト内に入射する音の騒音周波数が複数の周波数帯域に渡る場合には、複数の周波数帯域に応じて、複数の吸音体をダクト内に設置している。
特開2005−171933号公報 特開2016−170194号公報
ところで、特許文献1に記載の技術では、高い防音効果が発現するのはアウトレットパイプの共鳴周波数付近に限定されてしまい、広い周波数帯域での防音効果が要求される場合には、適用することができないという問題があった。
また、特許文献2に開示の技術は、あくまで吸音体の振動版の共鳴による音の吸収を前提としており、ダクトのモード、及び吸音体の共鳴周波数以外の周波数の音の防音に関しては言及されていない。このため、この技術では、広い周波数帯域での防音効果が要求される場合に多数の吸音体が必要となる。しかしながら、この技術では、空間的な制約から、多くの防音部材をダクト内に設置することが困難な場合が多いという問題があるし、空間的な制約ない場合でも、ダクト内に多数の吸音体を設置すると、ダクト内の通気性の悪化、及び吸音構造の大型化等を招くという問題があった。
また、一般に所望の周波数で高い透過損失を得るためには、特許文献1及び2の技術のように、共鳴型の防音構造体(例えば、ヘルムホルツ共鳴器、気柱共鳴筒、又は膜振動型構造体等)を置いて、その共鳴周波数を防音することが対策の一つとして考えられる。
但し、特定の周波数に対しては、共鳴型の防音構造体は有効であるが、広帯域な防音を実現させる場合には、共鳴防音構造体は有効ではない。上述したように、共鳴型の防音構造体で広帯域な防音を実現させるためには、共鳴周波数の異なる多数の構造体を設置する必要があるという問題があった。
一方で、広い帯域での防音には、吸音材が有効な場合がある。しかしながら、例えばウレタンやグラスウールといった吸音材は高周波音には有効であるが、例えば2kHz以下の低周波音を広い帯域で消す場合には有効ではない。また、吸音材を用いる場合には、吸音性能はその体積に依存するため、吸音性能を向上させるには、より多くの吸音材を用いる必要があるが、これは通気性確保の観点から好適ではない場合がある。
一般的に、低い周波数の音を共鳴現象に基づいて吸音させる場合には、波長が長いためにそれに対応する防音構造のサイズが大きくなってしまう。これらは、ダクト、又はマフラの通気性を低減するというデメリットを生じてしまうという問題があった。
本発明は、上記従来技術の問題点及び課題を解決し、ダクト、又はマフラ等の管構造の気柱共鳴以外の周波数でも防音効果を発現し、小型で、広い帯域で高い透過損失を得ることができる防音構造体を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記目的に加え、複数の断面積からなる管構造から成る防音構造体であって、その管構造の断面積と、管構造内に設置された構造体の長さ、位置を適切に設計することにより、透過波を広い帯域で低減し、広い帯域で防音効果を得ることができる防音構造体を提供することを目的とする。
ここで、本発明において、「防音」とは、音響特性として、「遮音」と「吸音」の両方の意味を含むが、特に、「遮音」を言う。また、「遮音」は、「音を遮蔽する」ことを言う。即ち、「遮音」とは、「音を透過させない」ことを言う。したがって、「遮音」とは、音を「反射」すること(音響の反射)、及び音を「吸収」すること(音響の吸収)を含めて言う(三省堂 大辞林(第三版)、及び日本音響材料学会のウェブページのhttp://www.onzai.or.jp/question/soundproof.html、並びにhttp://www.onzai.or.jp/pdf/new/gijutsu201312_3.pdf参照)。
以下では、基本的に、「反射」と「吸収」とを区別せずに、両者を含めて「遮音」及び「遮蔽」と言い、両者を区別する時に、「反射」及び「吸収」と言う。
上記目的を達成するために、本発明の防音構造体は、第1管構造と、第1管構造に接続され、第1管構造とは断面積の異なる第2管構造とを有し、第2管構造から第1管構造に向かう方向を導波路順方向とする防音構造体であって、第1管構造の内部に、第1管構造の断面積よりも小さい断面積を有する構造体が設置されており、第1管構造内において安定な気柱共鳴モードを形成する周波数が連続して3つ以上あり、これらの連続する3つ以上の周波数の内の連続する3つの周波数を、iを整数としてf、fi+1、及びfi+2とし、初めに隣接する2つの周波数fとfi+1との中間の周波数をnを整数としてf、次に隣接する2つの周波数fi+1とfi+2との中間の周波数をfn+1とする時、第1管構造内に構造体が設置されていない場合に対する第1管構造内に構造体が設置されている場合の透過損失が、周波数f、及びfn+1において正であることを特徴とする。
ここで、第2管構造の断面積は、第1管構造の断面積より小さく、第1管構造の長さをL、断面積をSとし、導波路順方向の第1管構造の出口側空間の断面積をSoutとし、構造体の長さをd、導波路順方向に垂直な面の断面積S、導波路順方向の第1管構造の出口側開口端から構造体の設置位置までの距離をpとし、第1管構造と第2管構造の接合部側における、第1管構造の導波路順方向と逆方向に向かう音波を反射する、導波路順方向に垂直な面の断面積をSとし、音速をcとし、nを整数とし、第1管構造の長さLがL=nλ/2に該当する周波数fをfとし、f=nc/2Lで表される時、下記式(1)を満足する周波数が存在することが好ましい。
Figure 0006847246
ここで、X(f)は、下記式(2)〜(4)で表される。
Figure 0006847246
Figure 0006847246
Figure 0006847246
また、dSは、0.01×S1であり、
ρは、空気密度であり、kは、波数で2πf/cであり、jは虚数を表わす。
また、第1管構造の端部における断面の外縁を構成する線分の長さのうち最も長い線分長さをaとする時、第1管構造の長さLがL=(n+1)λ/2に該当する周波数であるfn+1は、fn+1<c/aを満足することが好ましい。
また、更に、下記式(5)を満足することが好ましい。
Figure 0006847246
また、透過損失をTLとする時、TLは、下記式(6)で表される。
TL=10log10(X(f)) …(6)
また、出口側空間の断面積Soutと第1管構造の断面積Sとの比Sout/Sは、10より大きいことが好ましい。
また、第2管構造は、第1管構造の端部に接続されていることが好ましい。
また、第1管構造と第2管構造とが直角に接続されていることが好ましい。
また、導波路順方向の第1管構造の出口側空間が開放空間であることが好ましい。
また、構造体が、音波に対する共鳴体であることが好ましい。
また、共鳴体は、気柱共鳴筒、ヘルムホルツ共鳴器、又は膜振動型構造体であることが好ましい。
本発明によれば、ダクト、又はマフラ等の管構造の気柱共鳴以外の周波数でも防音効果を発現し、小型で、広い帯域で高い透過損失を得ることができる。
また、本発明によれば、複数の断面積からなる管構造から成る防音構造体であって、その管構造の断面積と、管構造内に設置された構造体の長さ、位置を適切に設計することにより、透過波を広い帯域で低減し、広い帯域で防音効果を得ることができる。
本発明の一実施形態に係る防音構造体の一例を示す模式的断面図である。 図1に示す防音構造体の模式的斜視図である。 図1に示す防音構造体における防音原理を説明する説明図である。 本発明の防音原理を説明するための2つの管構造が直角に接続された防音構造体の模式的断面図である。 本発明の防音構造体における防音原理を説明するための音の周波数と透過損失との関係を示すグラフである。 本発明の防音原理を説明するための2つの管構造が直列接続された防音構造体の模式的断面図である。 本発明の実施例における測定系を説明するための模式的断面図である。 本発明の実施例1の透過損失と周波数との関係を示すグラフである。 本発明の比較例1−1の透過損失と周波数との関係を示すグラフである。 本発明の比較例1−2の透過損失と周波数との関係を示すグラフである。 本発明の比較例1−3の透過損失と周波数との関係を示すグラフである。 本発明の他の実施形態の防音構造体の一例の模式的斜視図である。 図12に示す防音構造体の共鳴体の一例の模式的断面図である。 図12に示す防音構造体の実施例2と上記実施例1との透過損失と周波数との関係を示すグラフである。 本発明の実施例1と実施例2との透過損失と周波数との関係のシミュレーション結果を示すグラフである。 本発明の他の実施形態の防音構造体の一例の模式的斜視図である。 図16に示す防音構造体の透過損失と周波数との関係を示すグラフである。
以下に、本発明に係る防音構造体を詳細に説明する。
本発明の防音構造体は、第1管構造と、第1管構造に接続され、第1管構造とは断面積の異なる第2管構造とを有し、第2管構造から第1管構造に向かう方向を導波路順方向とする防音構造体であって、第1管構造の内部に、第1管構造の断面積よりも小さい断面積を有する構造体が設置されており、第1管構造内において安定な気柱共鳴モードを形成する周波数が連続して3つ以上あり、これらの連続する3つ以上の周波数の内の連続する3つの周波数をiを整数としてf、fi+1、及びfi+2とし、初めに隣接する2つの周波数fとfi+1との中間の周波数をn、を整数としてf、次に隣接する2つの周波数fi+1とfi+2との中間の周波数をfn+1とする時、第1管構造内に構造体が設置されていない場合に対する第1管構造内に構造体が設置されている場合の透過損失が、周波数f、及びfn+1において正であることを特徴とする。
以下に、本発明に係る防音構造体を添付の図面に示す好適実施形態を参照して詳細に説明する。
以下では、2つの第1管構造及び第2管構造が互いに直角に接続された屈曲構造の管状構造体を用い、第1管構造の内部に構造体が配置されている場合を代表例として説明するが、本発明はこれに限定されないことは勿論である。
図1は、本発明の一実施形態に係る防音構造体の一例を模式的に示す断面図である。図2は、図1に示す防音構造体の模式的な斜視図である。
(防音構造体)
図1、及び図2に示す本発明の一実施形態の防音構造体10は、断面長方形状の第1管構造12と、第1管構造12に接続される断面長方形状の第2管構造14と、第1管構造12の内部に設置されている構造体16とを有する。ここで、第2管構造14は、第1管構造12とは断面積が異なる。第2管構造14の断面積Sinは、好ましくは、図1、及び図2に示すように、第1管構造の断面積Sよりも小さい。なお、第2管構造14の断面積Sinは、第1管構造の断面積Sよりも小さければ良く特に制限的ではないが、少なくとも10%であれば良い。
また、構造体16は第1管構造12の内部に設置されるので、構造体16の断面積Sは、第1管構造12の断面積Sよりも小さい。
第2管構造14は、第1管構造12の一方の端部に直角に接続されている。その結果、第1管構造12、及び第2管構造14は、屈曲構造のダクト、又はマフラ等の屈曲構造の管状構造体18を構成する。図1、及び図2では、第1管構造12は、管としての長さはLであり、管状構造体18の直管部を構成する。一方、第2管構造14は、直管部から屈曲する管状構造体18の屈曲部を構成する。なお、本発明において、屈曲するとは、図1に示すように、屈曲角がπ/2(90°)であるものに限定されず、5°以上の屈曲角を有するものであっても良い。
管状構造体18において、第1管構造12の一方の端部は第2管構造14に接続されているが、他方の端部は、開口端20を構成している。この開口端20は、断面積Soutの出口側空間22に接続されている。第2管構造14の一方の端部は第1管構造12の一方の端部に接続されており、他方の端部は開口端24を構成している。
本発明においては、音波は、第1管構造12の開口端20から出口側空間22に放射されるものであるが、本発明の防音構造体10の第1管構造12は、例えばダクト、又はマフラを構成するものであり、出口側空間22は、ダクト、又はマフラの出口となる室内空間、又は外部空間であるということができる。したがって、本発明においては、出口側空間22は、第1管構造12の開口端20によって構成される空間より大きい空間であることが好ましく、開放空間であることがより好ましい。例えば、出口側空間22の断面積Soutと第1管構造12の断面積Sとの比Sout/Sは、10より大きいことが好ましい。なお、出口側空間22が開放空間である場合、出口側空間22の断面積Soutと第1管構造12の断面積Sとの比Sout/Sが、10000以上であっても良い。
なお、本発明においては、管状構造体18の第1管構造12と第2管構造14とは、上述したように、別体を接続したものであっても良いし、一体であっても良い。即ち、管状構造体18は、一体成型されたものであっても良い。
本発明の防音構造体10においては、管状構造体18の第2管構造14から第1管構造12に向かう方向を導波路順方向dfとする。
管状構造体18は、特定の周波数において共鳴し、気柱共鳴体として機能する。
構造体16は、管状構造体18の第1管構造12の内部に、かつ第1管構造12の底面12a上に配置される。構造体16は、直方体形状をなす。構造体16は、第1管構造12の内部空間の断面積を変化させるためのものである。図1に示す例では、導波路順方向dfにおける構造体16の長さは、dである。構造体16は、第1管構造12の開口端20から、導波路順方向dfと逆方向に第1管構造12内に距離pだけ入った位置に配置される。
本発明の防音構造体10の管状構造体18のような管路においては、管路断面が異なる界面で音波の反射が起きる。そこで、本発明においては、構造体16を管状構造体18の第1管構造12の内部の適切な位置(例えば、図1に示す例では開口端20から距離pだけ入った位置)に配置することにより、導波路順方向dfに進行している音波に対する反射波の干渉を適切に制御することにより、広帯域な防音が実現することができる。
なお、構造体16は、導波路順方向dfに進行している音波に対する反射波を発現でき、反射波の干渉による広帯域な防音を実現できれば、音波に対する共鳴体であっても良いし、開口部を有する構造体であっても良い。
(防音構造体の防音原理)
図3に示すように、防音構造体10の管状構造体18の第1管構造12内に構造体16を配置することにより、第1管構造12の内部空間の断面積が、導波路順方向dfに対して構造体16の一方の端部(図3中左側の端部)及び構造体16の他方の端部(図3中右側の端部)において変化する。この場合、両方の端面は、管路断面が異なる界面となるので、この界面において、音に対するインピーダンスが変化し、導波路順方向dfに進行している音波に対する反射が起き、反射波b1及びb2が発生する。
また、第1管構造12の開口端20では、第1管構造12の断面積S1から出口側空間22の断面積Soutに変化する。このように、管路の断面積が変化すると、その界面である開口端20では、導波路順方向dfに進行している音波に対する反射が起き、反射波b3が発生する。
このように、発生した反射波b1、b2、及びb3が強めあうように干渉するような場合には、第1管構造12の開口端20から出口側空間22に放射される音波は減少する。その結果、本発明の防音構造体10は、入射音を防音することができる。
ところで、本発明の防音構造体10の防音原理を説明するために、まず、図4に示す管状構造体18のように、構造部が配置されていない第1管構造12単独の音響特性について説明する。
図4に示す管状構造体18のように、第1管構造12は、管の長さLによって、気柱共鳴管のように振る舞う。
例えば、管の長さLがL=(2n+1)λ/4(λは、音の波長、nは整数)を満足する周波数において、λ/4気柱共鳴が発現することから、出口側空間22に大きな音が放射される。
この周波数の音は、第1管構造12内で安定な共鳴モードを形成していることから、本発明の防音構造体10のように、第1管構造12の中に障害物となる構造体を設置した場合、大抵の場合、形成されていた安定な共鳴モードが乱されることから、構造体を任意の位置(例えば、適当な位置)に設置することによって音を減じることができる。
しかしながら、このような気柱共鳴のモードが最も発現しにくい周波数、例えば管の長さLがL=nλ/2に該当する周波数、又はその周辺の周波数領域においては、共鳴(モードの形成)が起こらない。
このような周波数f(=nc/(2L))(cは音速(m/s))、又はこの周波数域では、共鳴が起きていないため、任意の位置(例えば、適当な位置)に構造体を設置したとしても(そもそもモードが形成されていないため)、出口側空間に放射される音を確実に減じることはできない。例えば、このような周波数fでは、出口側空間22に放射される音が増幅されて大きくなる場合があるし、低減されて小さくなる場合もあり得る。このため、本発明の防音構造体10においては、構造体16の大きさ、及び構造体16を置く位置に関して適切な設計が必要となる。
例えば、図5は、図4に示す管状構造体18の第1管構造12の内部に障害物となる構造体を置いた場合の透過損失の概念を表す図である。即ち、本発明の防音構造体における防音原理を説明するための音の周波数と透過損失との関係を示すグラフを図5に示す。
図5に示すように、第1管構造12の管の長さLが、L=(2i+1)λ/4(i:整数)となる周波数fでは、上述したように、(2i+1)λ/4共鳴(いわゆるλ/4共鳴)が生じているため、第1管構造12内に構造体を置くことで、安定な共鳴モードが乱され、透過損失が増大する。ここでは、音の波長λは、λ=4L/(2i+1)と表されるため、周波数fは、f=(2i+1)c/(4L)で表される。ここで、cは、音速を表わす。なお、fi+1=(2(i+1)+1)c/(4L)=(2i+3)c/(4L)で表され、fi+2=(2(i+2)+1)c/(4L)=(2i+5)c/(4L)で表される。
しかしながら、図5に示すように、上述した気柱共鳴のモードが最も発現しにくい周波数f(=nc/(2L))を含む周辺領域の周波数においては、共鳴モードの形成が起こらないため、第1管構造12内に構造体を置くことで、音は増幅も低減もし得る。このように、周波数fの周辺領域の周波数では、確実に音を低減させることができない。また、周波数fn+1(=(n+1)c/(2L))の場合も同様である。
なお、図5に示すように、周波数fは、周波数fと周波数fi+1との中間の周波数であり、周波数fn+1は、周波数fi+1と周波数fi+2との中間の周波数である。
このため、本発明の防音構造体10において広帯域な防音を実現するには、第1管構造12の気柱共鳴のモードが最も発現しにくい周波数f及びfn+1において確実に音を低減させることができる第1管構造12内の位置に構造体16を配置する必要がある。
このため、まず、図6に示すような直線型構造の管状構造体26の場合の音響特性について考える。
管状構造体26は、第1管構造12の一方の端面の中心に第2管構造28の一方の端部が接続されており、直線型構造を形成している。管状構造体26においては、音が、第2管構造28の他方の端部の開口端30から入射し、第1管構造12と第2管構造28との接続部を経て、第1管構造12内を導波路順方向dfに進み、第1管構造12の他方の端部の開口端20から出口側空間22に透過して放射される。
ここで、第2管構造28の開口端30からの入射波Wi0とし、第1管構造12の開口端20から出口側空間22への透過波Wt0とする時、図6に示す第1管構造12の伝達マトリックスは、下記式(3)で表される。
Figure 0006847246
ここで、kは波数であり、k=2π/λ=2πf/cで表される。Lは第1管構造12の長さである。ρは空気の密度であり、例えば1.2(kg/m)である。cは音速であり、例えば343(m/s)である。Sは第1管構造12の断面積である。jは虚数を表わす。
上記式(3)から、Acoustics of Ducts and Mufflers second edition (M.L. Munjal著 WILEY社)の2.18を参考に、入射波のエネルギWi0と透過波のエネルギWt0との比率Wi0と/Wt0を計算すると、下記式(7)で表すことができる。ここで、Sinは第2管構造28の断面積であり、Soutは出口側空間の断面積である。なお、本発明において、出口側空間22が開放空間であり、出口側空間22の断面積Soutと第1管構造12の断面積Sとの比Sout/Sが、10000以上である場合には、出口側空間22の断面積Soutは、10000Sとして取り扱う。
Figure 0006847246
ここで、第1管構造12と第2管構造28の接合部側における、第1管構造12の導波路順方向と逆方向に向かう音波を反射する、導波路順方向に垂直な面の断面積をSとすると、Sinは、Sin=S−Sで表される。したがって、上記式(7)は、下記式(8)で表される。
Figure 0006847246
ところで、図4に示す屈曲構造の管状構造体18の場合、音は、第2管構造14の開口端24から入射し、第1管構造12と第2管構造28との接続部を経て、管構造1の端部、もしくは管構造2の端部において直角に屈曲し、第1管構造12内を導波路順方向dfに進み、第1管構造12の開口端20から出口側空間22に透過して放射される。したがって、第1管構造12における音の伝播は、図4に示す屈曲構造の管状構造体18の場合も、図6に示す直線型構造の管状構造体26の場合も類似している。
しかしながら、図4に示す屈曲構造の管状構造体18の場合の音響特性は、図6に示す直線型構造の管状構造体26の場合の音響特性と同一とは言えず、異なるため、上記式(8)をそのままでは成り立たない。
なお、本発明では、上述したように、屈曲構造とは、管構造1の導波路順方向ベクトルと管構造2の導波路順方向ベクトルとのなす角が5度以上の角度をなす場合を言い、直線型構造とは、管構造1の導波路順方向ベクトルと管構造2の導波路順方向ベクトルとのなす角が5度未満の場合を言う。
図4に示す屈曲構造の管状構造体18の場合にも、図4に示す第1管構造12の伝達マトリックスは、同様に上記式(3)で表され、この上記式(3)から入射波Wi0と透過波Wt0との比率Wi0と/Wt0を計算すると、同様に上記式(8)となる。
しかしながら、図4に示す屈曲構造の管状構造体18の場合には、第1管構造12と第2管構造28の接合部側における、第1管構造12の導波路順方向と逆方向に向かう音波を反射する、導波路順方向に垂直な面の断面積Sは、第1管構造12の断面積Sと等しくなり、S−S=0となるため、屈曲構造のような直線型構造でない場合を想定した補正項を導入する必要がある。
ここで、その補正項をdSとすると、入射波Wi0と透過波Wt0との比率Wi0と/Wt0は、下記式(9)で表すことができる。なお、補正項dSは、例えば、dS=0.01×Sとすることができる。
Figure 0006847246
ここで、図4に示す屈曲構造の管状構造体18の第1管構造12の内部に構造体16を配置して、図1に示す本発明の防音構造体10を構成した場合、音は、図4に示す屈曲構造の管状構造体18の場合と同様に伝播し、第1管構造12の開口端20から出口側空間22に透過して放射される。
ここで、第2管構造28の開口端30からの入射波Wi0とし、第1管構造12の開口端20から出口側空間22への透過波Wt1とする時、図1に示す第1管構造12の伝達マトリックスは、下記式(4)で表される。ここで、図1に示すように、Sは導波路順方向dfに垂直な構造体16の面積であり、dは構造体16の導波路順方向dfの長さであり、pは開口端20から構造体16までの距離である。
Figure 0006847246
上記式(4)から、入射波Wi0と透過波Wt1との比率Wi0と/Wt1を計算すると、下記式(10)で表すことができる。
Figure 0006847246
以上から、屈曲構造の管状構造体18の第1管構造12の内部に構造体16を配置しない場合に対する屈曲構造の管状構造体18の第1管構造12の内部に構造体16を配置して、図1に示す本発明の防音構造体10を構成した場合の透過損失TLは、下記式(11)で与えられる。
TL=10log10(Wt0/Wt1
=10log10(上記式(9)の右辺/上記式(10)の右辺)
…(11)
上記式(11)において、(上記式(9)の右辺/上記式(10)の右辺)=X(f)と置くと、透過損失TLは、TL=10log10(X(f))と表されるので、X(f)>1となれば、透過損失TLは、正(TL>0)となり、透過損失が発現し、防音効果が発現することが分かる。
ここで、X(f)は下記式(2)と表すことができる。
Figure 0006847246
このX(f)が、第1管構造12の内部に構造体16を配置した本発明の防音構造体10の透過損失を表わすパラメータである。
本発明の防音構造体10においては、X(f)の値が1より大きく(X(f)>1と)なるように、第1管構造12の内部に構造体16を配置することにより、広帯域の防音効果を発現させることができる。
ところで、上述した伝達マトリックスの式を導出する理論は、基本的に音波がダクト等の管構造の入口から出口に向かって、波の面が乱れることなく、真直ぐ進む平面波であるという仮定の下で成り立つものである。このように、平面波で音が流れていくというのを前提とした理論であるので、平面波で流れなくなるような状況になると、成り立たなくなる。
ここで、断面積がSの第1管構造12の中を音の平面波が導波路順方向dfに流れている時、導波路順方向dfと垂直な方向に表面のモードが立つ。例えば、第1管構造12の断面形状が長方形の場合、その長辺の長さをaとすると、aがnλ/2(nは自然数)、例えばλに対応するような周波数では、例えば共鳴を起こして音が全然出てこなくなることがある。この周波数は、第1管構造12の管路断面を音が平面波で流れなくなる周波数である。この周波数より高くなると、導波路順方向dfと垂直な方向に独立した定存波(モード)が発生することがあり、このようなモードが形成された場合には平面波として音が流れなくなるようになってしまう。
導波路に、完全に理想的な平面波を導入し、且つ導波路に散乱体等が無いというような場合のように、音源、及び計算モデルの設定の条件によっては、モードが発生しない場合もある。しかし、実際には、完全に理想的な平面波を導入するように音源を設定することは困難である。導波路断面が長方形の場合において、音源条件によらずに平面波として伝播しなくなる周波数の目安は、n=2に該当するc/aで与えられる。
したがって第1管構造12の管路断面を音が平面波で流れ、上記理論が成り立つ周波数をf、及びfn+1とすると、X(f)>1及びX(fn+1)>1であり、f<fn+1であるので、周波数fn+1は、c/aより小さい必要がある。
以上から、本発明においては、fn+1<c/aを満足する必要がある。
本発明においては、第1管構造12と第2管構造14を接続した管状構造体18は、少なくとも1つの第1管構造12の開口端20を有し、管形状を成すものであればどのようなものでも良く、多数の用途に用いられるものであれば良いが、通気性を有するものであることが好ましい。このため、管状構造体18は、両端(即ち、第1管構造12及び第2管構造14の各端部)が開口端となり、両側が解放されていることが好ましいが、管状構造体18の一端部が音源に取り付けられている場合には、もう1つの端部のみが解放され、開口端となっていても良い。
管状構造体18の管形状としては、図2に示すような断面長方形状の屈曲構造の屈曲管形状であっても良いが、特に制限的ではない。管状構造体18は、例えば、内部に構造体が配置されていれば、図6に示す直線型の管形状であっても良いが、管状構造体18は屈曲していることが好ましい。また、管状構造体18(即ち、第1管構造12及び第2管構造14)の断面形状も特に制限的ではなく、どのような形状であっても良い。例えば、第1管構造12、第2管構造14及び管状構造体18のそれぞれの断面形状としては、正方形、正三角形、正五角形、又は正六角形等の正多角形であっても良い。また、第1管構造12、第2管構造14及び管状構造体18のそれぞれの断面形状としては、二等辺三角形、及び直角三角形等を含む三角形、菱形、及び平行四辺形を含む四角形、五角形、又は六角形等の多角形であっても良いし、不定形であっても良い。また、第1管構造12、第2管構造14及び管状構造体18のそれぞれの断面形状としては、円形、又は楕円形であっても良い。また、第1管構造12、第2管構造14及び管状構造体18のそれぞれの断面形状は、管状構造体18の途中で変わっていても良い。また、第1管構造12の断面形状と第2管構造14の断面形状とは異なっていても良い。
なお、第1管構造12、及び第2管構造14の断面形状が多角形、円形、又は楕円形等の場合には、それらの断面形状に従って断面の面積を求めれば良い。しかしながら、断面形状が不定形であり、例えば、断面形状の外形に凹凸等がある場合には、凸部のピークを滑らかに結んだ曲線、又は凹部の谷を滑らかに結んだ曲線等によって断面形状を定め、その断面の面積を求めて、第1管構造12の断面積S、及び第2管構造14の断面積Sin等とすれば良い。なお、その断面形状が等価な円に近似できる場合には、等価円の面積を求めて断面積とすれば良い。
なお、出口側空間22の断面積Sout、構造体16の断面積S、第1管構造12と第2管構造28の接合部側において音波を反射する面の断面積をSについても同様に求めれば良い。
本発明の防音構造体10の用途としては、例えば、産業用機器、輸送用機器、又は一般家庭用機器等に直接的、又は間接的に取り付けて用いられるダクトやマフラ等を挙げることができる。産業用機器としては、例えば複写機、送風機、空調機器、換気扇、ポンプ類、及び発電機、その他にも塗布機、回転機、及び搬送機など音を発する様々な種類の製造機器等を挙げることができる。輸送用機器としては、例えば自動車、電車、及び航空機等を挙げることができる。一般家庭用機器としては、例えば冷蔵庫、洗濯機、乾燥機、テレビジョン、コピー機、電子レンジ、ゲーム機、エアコン、扇風機、PC、掃除機、及び空気清浄機等を挙げることができる。
本発明の防音構造体10の用途としては、特に、自動車用マフラ、複写機等の電子機器付属のダクト等の装置及び機器のダクト、換気スリーブ等の建築用、及び建材用ダクトを挙げることができる。
上述した例では、本発明の第1管構造12の内部に配置する構造体として、管路の断面の下方の一部を閉止し、管路の断面積を変化させて、反射波を発現させる直方体形状の構造体16を用いている。しかしながら、本発明はこれに限定されず、第1管構造12の管路の断面の少なくとも一部を閉止し、管路の断面積を変化させて、反射波を発現させることができれば、いかなる形状の構造体であっても良い。
また、本発明の防音構造体においては、管路の断面積を変化させて、反射波を発現させることができれば、複数の構造体16等を用いても良い。
更に、本発明の第1管構造12の内部に配置することにより、管路の断面積を変化させて、反射波を発現させると共に、第1管構造12内を導波路順方向dfに進行する音を打ち消したり、吸収したりすることにより、第1管構造12の開口端20から出口側空間22に放射される音を低減できれば、どのような構造体を用いても良い。例えば、構造体として、例えば、後述するヘルムホルツ共鳴器、気柱共鳴筒、又は膜振動型構造体等の共鳴型の防音構造体を用いることにより、共鳴周波数の音を特に効率よく防音すると共に、広帯域に防音することができる。
上述したように、構造体としてヘルムホルツ共鳴器、気柱共鳴筒、又は膜振動型構造体等の共鳴型の構造体である共鳴体を用いる場合、第1管構造12の断面のサイズに応じて、複数の共鳴体を用いても良い。
ここで、ヘルムホルツ共鳴器は、開口部を有する蓋と、開口部の背面の閉じられた背面空間とを有する。なお、ヘルムホルツ共鳴器の詳細については、後述する。
また、気柱共鳴筒は、1つの端面に沿って形成されるスリット状の開口部を有する筒状体、又は管状体である。
また、膜振動型構造体等の膜型共鳴体は、膜と閉じられた背面空間からなる共鳴体である。
本発明に用いられるヘルムホルツ共鳴器、気柱共鳴筒、及び膜振動型構造体等の膜型共鳴体は、特に制限的ではなく、従来公知のヘルムホルツ共鳴器、気柱共鳴筒、及び膜型共鳴体であれば良い。
また、構造体16と第1管構造12とが一体成型されていても良い。また、第1管構造12と第2管構造14とが一体成型されていても良い。
なお、構造体16を第1管構造12と一体成型する場合には、第1管構造12の底面12aを直方体形状に図2中上側に凹ませることにより、凹んだ直方体形状の底面12aからなる構造物によって構造体16を成形しても良い。
また、構造体16が、第1管構造12に対して着脱可能であっても良い。また、第2管構造14が、第1管構造12に対して着脱可能であっても良い。
例えば、図1に示す防音構造体10において、図示は省略されているが、構造体16の底部の外側面の少なくとも一部に磁石が固定され、第1管構造12の底部の内側面の対応する位置の少なくとも一部に極性の異なる磁石が固定され、極性の異なる1組の磁石同士が着脱可能に密着固定されることにより、構造体16等が、第1管構造12に対して着脱可能に固定されていても良い。もしくは、1組の磁石の代わりに、マジックテープ(登録商標)(クラレファスニング株製)等の面ファスナ、又は両面テープを用いて、構造体16が、第1管構造12に対して着脱可能に固定されていても良いし、両面テープを用いて両者が固定されていても良い。
なお、第1管構造12に対して着脱可能な第2管構造14の構造も同様である。
管状構造体18の第1管構造12及び第2管構造14、並びに構造体16等の材料は、防音対象物に適用する際に適した強度を持ち、防音対象物の防音環境に対して耐性があれば、特に制限的ではなく、防音対象物及びその防音環境に応じて選択することができる。例えば、第1管構造12及び第2管構造14、並びに構造体16等の材料としては、アルミニウム、チタン、マグネシウム、タングステン、鉄、スチール、クロム、クロムモリブデン、ニクロムモリブデン、及び、これらの合金等の金属材料、アクリル樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリアミドイド、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリサルフォン、ポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラート、ポリイミド、及び、トリアセチルセルロース等の樹脂材料、並びに、炭素繊維強化プラスチック(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastic)、カーボンファイバ、及び、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP:Glass Fiber Reinforced Plastic)等を挙げることができる。
また、これらの材料の複数種を組み合わせて用いてもよい。
なお、第1管構造12及び第2管構造14、並びに構造体16等の材料は、同じであっても良いし、異なっていても良い。構造体16と管状構造体18の第1管構造12とが一体成型されている場合には、第1管構造12及び構造体16等の材料は、同じであることが好ましい。
なお、構造体16の第1管構造12の内部への配置方法も、第1管構造12に対して構造体16を着脱可能に配置する場合も含めて、特に制限的ではなく、従来公知の方法を用いれば良い。
本発明の防音構造体を実施例に基づいて具体的に説明する。
(実施例1)
まず、図2に示す第1管構造12及び第2管構造14からなる直角接続屈曲構造の管状構造体18を用いて、管状構造体18の第1管構造12内に構造体16を配置して、図1に示す本発明の防音構造体10を作製した。
管状構造体18として、管状構造体18の第1管構造12の寸法が、88mm×163mm(断面)×394mm(長さ)であり、第2管構造14の寸法が、64mm×163mm(断面)×27.4mm(長さ)であるものを用いた。
第1管構造12の長さLは、実長0.394mに対して開口端補正分の0.0405mを足すことにより、0.435m(L=0.394m+0.0405m=0.435m)とした。
第1管構造12の断面積Sは、0.0143mであった(S=0.088m×0.163m=0.0143m)。また、第1管構造12と第2管構造28の接合部側において音波を反射する面の断面積をSは、断面積Sに等しく、0.0143mであった(S=S=0.0143m)。
また、構造体16として、その寸法が、20mm×163mm(断面)×40mm(長さ)であるものを用いた。
構造体16の長さdは、0.04mであり、断面積Sは、0.00326mであった(S=0.020m×0.163m=0.00326m)。
作製した防音構造体10の第1管構造12の開口端20を、図7に示すように、出口側空間22となる測定部屋32に接続した。
なお、測定部屋32の寸法は、10m×5m(断面)×15m(長さ)であった。
出口側空間22の断面積Soutは、50mであった(Sout=5m×10m=50m)。
防音構造体10の開口端20は、測定部屋32の断面の中央に配置した。
次に、図7に示すように、防音構造体10の管状構造体18に対して、音源34、及びマイクロホン36を配置した。音源34は、管状構造体18の第2管構造14の開口端24に密着させて配置した。計測用マイクロホン36は、測定部屋32内において、防音構造体10の管状構造体18の第1管構造12の開口端20から500mm離れた位置で、第1管構造12の底面12aから上側に500mm離れた位置に設置した。
このような位置に、音源34、及びマイクロホン36を配置し、図7に示すように、第1管構造12内に構造体16を設置した状態、及び構造体16を設置していない状態のそれぞれの場合において、音源34から音を発生させ、マイクロホン36によって音圧を測定した。これらの測定値から防音構造体10の透過損失を算出した。
ここで、構造体16を設置していない場合にマイクロホン36によって測定された音圧をp0とし、構造体16を設置した場合の音圧をp1とする時、透過損失TLは、TL=20log10(p0/p1)として求めることができる。
図7に示す防音構造体の構成において、第1管構造12内における構造体16の設置位置を変えて、第1管構造12の開口端20から構造体16の設置位置までの距離pを変えて、本発明の防音構造体10の実施例1、及び比較例1−1〜比較例1−3について、100Hzから2000Hzまでの周波数において、マイクロホン36による音圧測定を行い、音圧の測定値から防音構造体の透過損失を算出した。こうして、周波数100Hzから2000Hzまでの透過損失の実験値を求めた。実施例1、比較例1−1、比較例1−2、及び比較例1−3の距離pは、それぞれ0cm、8cm、12cm、及び16cmであった。
得られた実施例1、比較例1−1、比較例1−2、及び比較例1−3の実験値を、それぞれ図8〜図11に示す。
ここで、周波数の上限を2000Hzとしたのは、上記式(2)を算出する理論が成り立たつ周波数fn+1は、c/aより小さい必要があるからである。ここで、第1管構造12の断面の外縁を構成する線分の長さのうち最も長い線分長さaは、163mm=0.163mであり、音速cは343m/sであることから、c/a=343/0.163=2104Hzであり、fn+1<2104Hzであるからである。
一方、上記式(2)を用いて、本発明の防音構造体10の実施例1、及び比較例1−1〜比較例1−3について、100Hzから2000Hzまでの周波数において、計算により透過損失パラメータX(f)を求め、下記式(6)に従って、防音構造体の透過損失の理論値(理論計算値)を算出した。
TL=10log10(X(f)) …(6)
得られた実施例1、比較例1−1、比較例1−2、及び比較例1−3の理論値を、それぞれの実験値と共に、それぞれ、図8〜図11に示す。
また、実施例1、比較例1−1、比較例1−2、及び比較例1−3について、周波数400Hz、800Hz、1200Hz、及び1600Hzにおける透過損失パラメータX(f)の値を表1に示す。
なお、本実施例、及び比較例において、長さLの第1管構造12内において安定な気柱共鳴モードを発現し難い周波数fがnc/2Lで表される時、開口端補正したLが0.435m、cが343m/sであるので、nc/2L=343/(0.435×2)=394n(Hz)となる。
従って、周波数400Hz、800Hz、1200Hz、及び1600Hzは、それぞれ、nが、1、2、3、及び4の場合に該当する。
Figure 0006847246
表1の結果から、距離pが0cmである実施例1では、3つの互いに隣接する周波数f(=nc/2L)である400Hz、800Hz、及び1200Hzにおいて、透過損失パラメータX(f)が1より大きくなっており、上記式(6)から透過損失TLが正となることは明らかである。なお、これらの隣接する周波数の間の周波数は、f(=(2i+1)c/4L=(i+1/2)c/2L)として表すことができるので、長さLの第1管構造12内において安定な気柱共鳴モードを発現する周波数である。これらの周波数f(200Hz、600Hz、1000Hz、及び1400Hz、1800Hz)及びその近傍では、構造体16を第1管構造12内に配置することにより、安定な気柱共鳴モードが乱され、透過損失TLが生じるものと思われる。
したがって、実施例1では、広帯域な透過損失が得られていると言える。
このことは、図8に示す実験、及び理論計算からも、400Hz、800Hz、及び1200Hzにおいて、透過損失が正となっており、これらの周波数近傍の周波数においても、透過損失が正となっていることから、広帯域な透過損失が得られていることが分かる。
このように、実施例1では、連続する隣り合うfnにおいて透過損失が0より大きくなっているfnが存在しており、広帯域な透過損失が得られていることが確認されたことが分かる。
一方、表1の結果から明らかなように、距離pが8cmである比較例1−1では、400Hz、及び1600Hzでは、透過損失パラメータX(f)が1より大きくなっているが、隣接する800Hz、及び1200Hzでは、透過損失パラメータX(f)が1より小さくなっている。
同様に、距離pが12cmである比較例1−2では、400Hz、及び1200Hzでは、透過損失パラメータX(f)が1より大きくなっているが、隣接する800Hz、及び1600Hzでは、透過損失パラメータX(f)が1より小さくなっている。
また、同様に、距離pが20cmである比較例1−3では、800Hz、及び1600Hzでは、透過損失パラメータX(f)が1より大きくなっているが、隣接する400Hz、及び1200Hzでは、透過損失パラメータX(f)が1より小さくなっている。
以上の表1の結果から明らかなように、比較例1−1、1−2、及び1−3では、400Hz、800Hz、1200Hz及び1600Hzからなる2つ以上の連続する隣り合う周波数fにおいてX(f)が1以下となる周波数が存在し、広帯域な透過損失が得られていないことが分かる。
このことは、図9、図10、及び図11に示す実験、及び理論計算からも、比較例1−1、1−2、及び1−3では、400Hz、800Hz、1200Hz、及び1600Hzを含む周波数帯域において、透過損失が正となっている周波数領域と、透過損失が負となっている周波数領域とが交互にあらわれており、広帯域な透過損失が得られていないことが分かる。
このように、比較例1−1、1−2、及び1−3では、連続する隣り合うfnにおいて両者が同時に透過損失が正に(0より大きく)なっておらず、その結果、広帯域な透過損失が得られていないことが分かる。
以上の結果から、本発明の有効性が示されており、本発明の効果は、明らかである。
(実施例2)
図1に示す実施例1の防音構造体10の構造体16の代わりに、図12に示すように、共鳴構造体である4つのヘルムホルツ共鳴器38からなる構造体40に変更した以外は、実施例1と同様な構成を有する実施例2の防音構造体10aを作製した。
ヘルムホルツ共鳴器38は、図13に示すように、直方体形状の筐体38aの天板に相当する蓋38bの中心に円筒状の開口42を有し、筐体38aの内部には、開口42の背面となる閉じた背面空間44を有する。
ここで、図13に示すヘルムホルツ共鳴器38は、5mmの板材で構成され、筐体38aの外形寸法が、30mm×40mm(断面)×50mm(長さ)であり、開口42の直径が8mmであるものを用いた。また、背面空間44の寸法は、20mm×30mm(断面)×40mm(長さ)であった。
このヘルムホルツ共鳴器38は、700Hzに共鳴がある共鳴構造体であった。
したがって、構造体40の長さdは、0.05mであり、断面積Sは、0.00048mであった(S=0.030m×0.040m×4=0.0048m)。
図7に示す防音構造体10に代えて、図12に示す防音構造体10aを測定部屋32に取り付け、実施例2の防音構造体10aについて、実施例1と全く同様にして、100Hzから2000Hzまでの周波数において、マイクロホン36による音圧測定を行い、音圧の測定値から防音構造体の透過損失を算出した。こうして、周波数100Hzから2000Hzまでの透過損失の実験値を求めた。実施例2の距離pは、0cmであった。
得られた実施例2の実験値を、実施例1の実験値と共に、図14に示す。
一方、上記式(2)を用いて、本発明の実施例2の防音構造体10aについて、周波数400Hz、800Hz、1200Hz、及び1600Hzにおける透過損失パラメータX(f)の値(理論計算値)を求めた。その結果を表1に示す。
表1の結果から、実施例2では、実施例1と同様に、3つの互いに隣接する周波数f(=nc/2L)である400Hz、800Hz、及び1200Hzにおいて、透過損失パラメータX(f)が1より大きくなっており、上記式(6)から透過損失TLが正となることは明らかである。
したがって、実施例2では、実施例1と同様に、広帯域な透過損失が得られていると言える。
この結果は、図14に示す実験値からも明らかである。
更に、図14に示すように、共鳴体である構造体40を用いる実施例2の場合には、ヘルムホルツ共鳴器38の共鳴周波数である700Hz近傍で、共鳴構造体でない構造体16を用いる実施例1の場合に比較して、透過損失が向上していることが分かる。
図1に示す防音構造体10の実施例1、及び図12に防音構造体10aの実施例2における透過損失をCOMSOL MultiPhysics Ver5.3a音響モジュールを用いて、同時にシミュレートした。その結果が図15に示されている。
図15に示すシミュレーション結果から明らかなように、実施例2の場合の方が、ヘルムホルツ共鳴器38の共鳴周波数である700Hz近傍で、実施例1の場合に比較して、透過損失が向上していることが分かる。
以上から、第1管構造12内に配置する構造体は、ヘルムホルツ共鳴器38のような共鳴構造体であることが、防音の観点ではより有利であることが分かる。
(実施例3)
図1に示す実施例1の防音構造体10の屈曲構造の管状構造体18の代わりに、図16に示すように、第2管構造28を第1管構造12の開口端20と対向する壁面に接続した直線型構造の管状構造体26を用い、構造体16aを第1管構造12の底面12aを凹ませて構成した以外は、実施例1と同様な構成を有する実施例3の直線型構造の防音構造体11を作製した。
なお、図16に実施例3の防音構造体11は、図6に示す直線型構造の管状構造体26において、第1管構造12の開口端20側に構造体16aを構成したものとも言える。
なお、構造体16aは、図1に示す実施例1の防音構造体10の第1管構造12内の構造体16と全く同じ機能を有する。
実施例3の防音構造体11の第2管構造28の寸法は、30mm×30mm(断面)×64mm(長さ)であった。
また、構造体16aは、図1に示す実施例1の構造体16と同様に、その寸法は、20mm×163mm(断面)×40mm(長さ)であった。
構造体16aの長さdは、0.04mであり、断面積Sは、0.00326mであった。また、距離pは、0cmであった。
本発明の防音構造体11の実施例3について、上記式(2)を用いて、100Hzから2000Hzまでの周波数において、計算により透過損失パラメータX(f)を求め、下記式(6)に従って、防音構造体の透過損失の理論値(理論計算値)を算出した。
TL=10log10(X(f)) …(6)
得られた実施例3の理論値を、図17に示す。
また、実施例3について、周波数400Hz、800Hz、1200Hz、及び1600Hzにおける透過損失パラメータX(f)の値を表1に示す。
表1の結果から、実施例3では、実施例1及び2と同様に、3つの互いに隣接する周波数f(=nc/2L)である400Hz、800Hz、及び1200Hzにおいて、透過損失パラメータX(f)が1より大きくなっており、上記式(6)から透過損失TLが正となることは明らかである。
したがって、実施例3では、実施例1及び2と同様に、広帯域な透過損失が得られていると言える。
この結果は、図17に示すシミュレーション結果からも明らかである。
したがって、本発明の防音構造体は、屈曲構造ではなく、直線型構造であっても、広帯域な透過損失を実現することができる。
以上の実施例1〜3から、本発明の効果は明らかである。
以上、本発明の防音構造体について、種々の実施形態及び実施例を挙げて詳細に説明したが、本発明は、これらの実施形態及び実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良又は変更をしてもよいのはもちろんである。
本発明の防音構造体は、気体、風、又は熱と同時に音も通過させてしまうダクト、マフラ、及び換気スリーブ等のような通気性の管構造において、通気性を維持しつつ、広い周波数帯域で音を低減して防音する構造物として利用することができる。本発明の防音構造体は、特に騒音性の機械に取り付けられる用途に適している。
10、10a、11 防音構造体
12 第1管構造
12a 底面
14、28 第2管構造
16、16a、40 構造体
18、26 管状構造体
20、24、30 開口端
22 出口側空間
32 測定部屋
34 音源(スピーカ)
36 マイクロホン
38 ヘルムホルツ共鳴器
38a 筐体
38b 蓋
42 開口
44 背面空間
df 導波路順方向
b1、b2、b3 反射波

Claims (12)

  1. 第1管構造と、前記第1管構造と接続され、前記第1管構造とは面積の異なる第2管構造とを有し、前記第2管構造から前記第1管構造に向かう方向を導波路順方向とする防音構造体であって、
    前記第1管構造と前記第2管構造とが屈曲して接続されており、
    前記第1管構造の内部に、前記第1管構造の断面積よりも小さい断面積を有する構造体が設置されており、
    前記第1管構造内において安定な気柱共鳴モードを形成する周波数が連続して3つ以上あり、これらの連続する3つ以上の周波数の内の連続する3つの周波数を、iを整数としてf、fi+1、及びfi+2とし、初めに隣接する2つの周波数fとfi+1との中間の周波数を、nを整数としてf、次に隣接する2つの周波数fi+1とfi+2との中間の周波数をfn+1とする時、
    前記第1管構造内に前記構造体が設置されていない場合に対する前記第1管構造内に前記構造体が設置されている場合の透過損失が、周波数f、及びfn+1において正であることを特徴とする防音構造体。
  2. 第1管構造と、前記第1管構造と接続され、前記第1管構造とは面積の異なる第2管構造とを有し、前記第2管構造から前記第1管構造に向かう方向を導波路順方向とする防音構造体であって、
    前記第1管構造と前記第2管構造とが屈曲して接続されており、
    前記第1管構造の内部に、前記第1管構造の断面積よりも小さい断面積を有する構造体が設置されており、
    前記第1管構造内において安定な気柱共鳴モードを形成する周波数が連続して3つ以上あり、これらの連続する3つ以上の周波数の内の連続する3つの周波数を、iを整数としてf 、f i+1 、及びf i+2 とし、初めに隣接する2つの周波数f とf i+1 との中間の周波数を、nを整数としてf 、次に隣接する2つの周波数f i+1 とf i+2 との中間の周波数をf n+1 とする時、
    前記第1管構造内に前記構造体が設置されていない場合に対する前記第1管構造内に前記構造体が設置されている場合の透過損失が、周波数f 、及びf n+1 において正であり、
    前記第2管構造の断面積は、前記第1管構造の断面積より小さく、
    前記第1管構造の長さをL、断面積をSとし、前記導波路順方向の前記第1管構造の出口側空間の断面積をSoutとし、前記構造体の長さをd、前記導波路順方向に垂直な面の断面積S、前記導波路順方向の前記第1管構造の出口側開口端から前記構造体の設置位置までの距離をpとし、
    前記第1管構造と前記第2管構造の接合部側における、前記第1管構造の前記導波路順方向と逆方向に向かう音波を反射する、前記導波路順方向に垂直な面の断面積をSとし、音速をcとし、nを整数とし、
    前記第1管構造の長さLが、L=nλ/2に該当する周波数fをfとし、f=nc/2Lで表される時、
    下記式(1)を満足する周波数が存在する防音構造体。
    [数1]

    Figure 0006847246

    ここで、X(f)は、下記式(2)〜(4)で表される。
    [数2]

    Figure 0006847246

    [数3]

    Figure 0006847246

    [数4]

    Figure 0006847246

    また、dSは、0.01×S1であり、
    ρは、空気密度であり、kは、波数で2πf/cであり、jは虚数を表わす。
  3. 前記第1管構造の断面の外縁を構成する線分の長さのうち最も長い線分長さをaとする時、前記第1管構造の長さLが、L=(n+1)λ/2に該当する周波数であるfn+1は、fn+1<c/aを満足する請求項2に記載の防音構造体。
  4. 更に、下記式(5)を満足する請求項2、又は3に記載の防音構造体。
    [数5]

    Figure 0006847246
  5. 前記透過損失をTLとする時、TLは、下記式(6)で表される請求項2〜4のいずれか1項に記載の防音構造体。
    TL=10log10(X(f)) …(6)
  6. 前記出口側空間の断面積Soutと前記第1管構造の断面積Sとの比Sout/Sは、10より大きい請求項2〜5のいずれか1項に記載の防音構造体。
  7. 前記第1管構造と前記第2管構造とが屈曲して接続されている請求項2〜6のいずれか1項に記載の防音構造体。
  8. 前記第2管構造は、前記第1管構造の端部に接続されている請求項1〜のいずれか1項に記載の防音構造体。
  9. 前記第1管構造と前記第2管構造とが直角に接続されている請求項1〜のいずれか1項に記載の防音構造体。
  10. 前記導波路順方向の前記第1管構造の出口側空間が開放空間である請求項1〜のいずれか1項に記載の防音構造体。
  11. 前記構造体が、音波に対する共鳴体である請求項1〜10のいずれか1項に記載の防音構造体。
  12. 前記共鳴体は、気柱共鳴筒、ヘルムホルツ共鳴器、又は膜振動型構造体である請求項11に記載の防音構造体。
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