JP7064307B2 - 通気管路 - Google Patents
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Description
本発明の目的は、音を低減するための構造を通気管路に設置するにあたり、通気管路の形状を考慮せずにこの構造を設置する場合に比べ、通気管路における音の低減度合いを高めることにある。
請求項2に記載の発明は、前記第1の通気管路の前記吸気口と前記第1の部分の間の内面に配置され、前記吸気口からの空気を前記内面から離れた位置に案内する空気案内部材を有する請求項1に記載の通気管路である。
請求項3に記載の発明は、2以上の開口の間を音が通る第1の通気管路であり、第1の断面積となる第1の部分と、断面積が前記第1の断面積よりも大きい第2の断面積となる第2の部分と、および、前記第1の部分と前記第2の部分とを接続する傾斜した内面を有する第3の部分とを有する第1の通気管路と、前記第1の通気管路の前記第1の部分の内側に位置する開口部を有し、前記開口部より受け入れた音を内部で反射させた上で前記開口部から音を出す第2の通気管路と、を備え、前記第2の通気管路が、共鳴周波数fr[Hz]を有し、前記第1の通気管路の透過損失スペクトルに関して透過損失が極小となり、かつ前記共鳴周波数frより小さい周波数のうち、最も大きい周波数fma[Hz]において、前記第2の通気管路の前記開口部と、前記開口部から、前記周波数fmaにおいて音の流れる方向と同方向の側で最も近い音圧の極大値となる前記第1の通気管路の位置との距離をLa1とし、周波数fmaにおける波長をλfmaとする場合に、下記式(2)を満たす通気管路である。0 ≦ La1 ≦ λfma/4 ・・・(2)
請求項4に記載の発明は、2以上の開口の間を音が通る第1の通気管路であり、第1の断面積となる第1の部分と、断面積が前記第1の断面積よりも大きい第2の断面積となる第2の部分と、および、前記第1の部分と前記第2の部分とを接続する傾斜した内面を有する第3の部分とを有する第1の通気管路と、前記第1の通気管路の前記第1の部分の内側に位置する開口部を有し、前記開口部より受け入れた音を内部で反射させた上で前記開口部から音を出す第2の通気管路と、を備え、前記第2の通気管路が、共鳴周波数fr[Hz]を有し、前記第1の通気管路の透過損失スペクトルに関して透過損失が極小となり、かつ前記共鳴周波数frより大きい周波数のうち、最も小さい周波数fmb[Hz]において、前記第2の通気管路の前記開口部と、前記開口部から前記周波数fmbにおいて音の流れる方向と同方向の側で最も近い音圧の極大値となる前記第1の通気管路の位置との距離をLa2とし、周波数fmbにおける波長をλfmbとするとき、下記式(4)を満たす通気管路である。λfmb/4 ≦ La2 ≦ λfmb/2 ・・・(4)
請求項2の発明によれば、空気案内部材がない場合に比べ、吸気口からの空気が第2の通気管路に直接向かうことをより抑制することができる。
請求項3の発明によれば、0≦La1≦λfma/4という関係を満たさない場合に比べ、通気管路における音の低減度合いを高めることができる。
請求項4の発明によれば、λfmb/4≦La2≦λfmb/2という関係を満たさない場合に比べ、通気管路における音の低減度合いを高めることができる。
図1は、廃棄処理装置の構成を示した図である。
廃棄処理装置3には、装置本体3Aが設けられている。さらに、この装置本体3Aの上部には、廃棄される紙媒体14が載せられる媒体積載部13が設けられている。
なお、本実施形態では、媒体積載部13にて紙媒体14の処理が行われる場合を一例に説明するが、本実施形態の廃棄処理装置3は、紙媒体14に限らず、DVD(Digital Versatile Disc)やCD(Compact Disc)などの他の種類の記録媒体の廃棄処理も行える。
さらに、廃棄処理装置3には、媒体積載部13上の紙媒体14を送り出す送り出しロール11a、11bが設けられている。さらに、送り出しロール11a、11bにより送り出された紙媒体14を、廃棄処理部4へ搬送する搬送ロール15a、15bが設けられている。
なお、本実施形態では、通気管路100を空気(気体の一例)が流れる場合を説明するが、通気管路100には、空気以外の他の気体を流してもよい。
本実施形態の廃棄処理装置3では、上記の通り、装置本体3Aの後ろ側に、通気管路100が設けられている。より具体的には、本実施形態では、装置本体3Aの後ろ側に、管状部材(排気ダクト)110が取り付けられており、この管状部材110の内部が、通気管路100となっている。
さらに、本実施形態では、装置本体3Aの内部に、部分的な通気管路である本体内通気管路90(第4の部分的な通気管路の一例)が設けられ、この本体内通気管路90は、通気管路100に接続されている。
本実施形態では、廃棄処理装置3から排出される空気が、通気管路100を通ることで、この空気に含まれる浮遊物が除去される。また、空気が通気管路100を通ることで、廃棄処理装置3から出る音(騒音)が小さくなる(詳細は後述)。
本実施形態の通気管路100を用いると、雑音(500-3000Hzの周波数)の消音を行える。また、意図的でなく自然発生的に発生する音の消音を行える。具体的には、例えば、モータ音、移動する部品の摩擦音、衝突音などの消音を行える。
また、本明細書における「消音」とは、音を消すという概念のみではなく、音を小さくするという概念も含む。
本実施形態では、上記のとおり、管状部材110の内部が通気管路100となっている。この通気管路100は、第1の通気管路210と、第2の通気管路220とにより構成されている。
第1の通気管路210は、管状部材110の上端部に位置する吸気口111から、管状部材110の下端部に位置する排気口112にかけて形成されている。
第2の通気管路220をこのように箱体300により構成し、また、この箱体300が直方体状であると、箱体300を製造しやすくなり、第2の通気管路220の設置を行いやすくなる。
第1の通気管路210は、上下方向に沿うように配置されるとともに、排気口112が鉛直方向下向きとなるように配置されている。
排気口112が鉛直方向下向きとなるように配置されていると、排気口112から漏れた音が地面や床の方向へ行きやすく、排気口112の周辺の音が大きくなりにくい。
本実施形態では、後述するように、第1の通気管路210と第2の通気管路220とによりダクトカップリングモードが形成される。これにより、第1の通気管路210内に音が閉じ込められるようになり、第1の通気管路210の排気口112から出る音が小さくなる。
言い換えると、第1の通気管路210は、第1の断面積となる第1の部分210Aと、断面積がこの第1の断面積よりも大きい第2の断面積となる第2の部分210Bとを備える。
なお、第1の通気管路210の形状によっては、第1の通気管路210内の場所に応じて、空気の流れ方向が異なることも想定される。この場合は、空気の流速が最も大きくなる、空気の流れの主要な方向を、空気の流れ方向とする。
なお、本実施形態では、第1の通気管路210内における空気の流れ方向と、第1の通気管路210の延び方向(軸方向)と概ね一致しており、上記「断面積」は、第1の通気管路210の延び方向と直交する面のおける断面積とも言える。
第3の部分210Cは、第1の通気管路210の軸方向(第1の通気管路210を流れる空気の流れ方向)に対して傾斜した内面210Eを有する。より具体的には、空気の流れ方向における下流側に向かうに従い、第3の部分210Cの幅を拡げる内面210Eを有する。
なお、第1の通気管路210の軸方向(第1の通気管路210を流れる空気の流れ方向)に対する内面210Eの傾斜角度θは、60°以下とすることが好ましい。
ここで、傾斜した内面210Eを設けず、図3-2(通気管路100の他の構成例を示した図)に示すように、第1の通気管路210の断面積(断面)が不連続に変化する場合、第1の通気管路210の断面積が不連続に変化する箇所で、音響インピーダンスが不連続となるため、この断面積が不連続に変化する箇所にて、音波の反射が起こる。付言すると、第1の通気管路210の断面積が不連続に変化する場合、外部につながる排気口112と、断面積が不連続となる箇所の二箇所で、音波の反射が強くなる系となる。
この場合、反射箇所が二つあることになり、反射の腹節が、単一の反射箇所が存在する系の場合に比べて複雑となり、腹と節の音圧差が小さくなってしまう場合が多い。
これに対し、本実施形態のように、傾斜した内面210Eが設けられ、第1の通気管路210の断面積が次第に変化する場合(第1の通気管路210の内面210Eが連続変化面となる場合)、インピーダンスが急激に変化することが抑制される(音響インピーダンスが連続的に変化する)。この場合、連続変化面での音波の反射(傾斜した内面210Eが設けられている箇所での音波の反射)が起きにくくなり、音波の反射が大きくなる箇所は、外部につながる排気口112のみとなる。そして、この場合、腹と節がはっきり現れるようになる。
また、第1の通気管路210の断面積が不連続に変化する場合、断面積が不連続となる箇所にて渦が発生するなどして、空気が円滑に流れにくくなるおそれもある。これに対し、本実施形態のように、第1の通気管路210の断面積が連続的に変化する場合、渦の発生が抑えられ、空気がより円滑に流れるようになる。
また、第1の部分210Aの断面積は、排気口112の面積よりも小さくなっている。言い換えると、本実施形態では、排気口112の面積が、第1の部分210Aの断面積よりも大きくなっている。
本実施形態では、第1の通気管路210のうちの、第1の部分210Aが設けられている箇所の断面積が、第1の通気管路210の断面積の中で最小となっている。
本実施形態では、第1の通気管路210に、断面積が小さい第1の部分210Aを形成し、そこに第2の通気管路220を設けることで、第2の通気管路220の開口部310により多くの音が集まるようにし、開口部310における集音性を向上させている。
また、本実施形態のように、断面積が小さい第1の部分210Aを形成し、そこに箱体300(第2の通気管路220)を設置する場合、断面積が大きい部分に箱体300を設置する場合に比べ、箱体300の小型化を図れるようになる。
例えば、第2の部分210Bや第3の部分210Cでは、ウレタンなどにより構成される多孔質状の吸音部材の、広い面積に亘っての配置を行えるようになる。これにより、吸音効果を高められる。
また、第3の部分210Cでは、第1の通気管路210の内面が傾斜しており(傾斜した内面210Eが設けられており)、第1の部分210Aと第2の部分210Bとの間のギャップで反射する音が低減される。
具体的には、例えば、箱体300の本体部分は、第3の部分210C側にあってもよい。より具体的には、図3では、開口部310よりも図中上側方向に箱体300が延びているが、開口部310よりも図中下側方向に箱体300が延びているように、箱体300を設置してもよい。
なお、箱体300の全長(第1の通気管路210における空気の流れ方向における全長、第1の通気管路210の延び方向における全長)は、消音しようとする音の周波数によって変わり、周波数の各々に対応させて複数の箱体300を設置する場合には、全長が互いに異なる複数の箱体300を設置する。
また、本実施形態では、装置本体3Aからの空気が、第2の部分210Bを通過する。第2の部分210Bには、フィルタ113が設けられており、このフィルタ113により、空気に含まれる浮遊物(粉体)や臭気が除去される。
ここで、第2の部分210Bの断面積は、第1の部分210Aの断面積よりも大きく、第2の部分210Bでは、第1の部分210Aに比べ、空気の流速が小さくなる。これにより、空気の流速が大きい場合に比べ、フィルタ113による浮遊物や臭気の除去がより効果的に行われる。
本実施形態では、廃棄処理装置3の奥行方向においても、第1の通気管路210の幅が部分的に拡がっている。具体的には、第2の部分210B、第3の部分210Cにて、第1の通気管路210の幅が拡がっている。
また、図4に示すように、箱体300(第2の通気管路220)は、第1の通気管路210の内側に配置されている。これにより、管状部材110の外周面から第2の通気管路220が突出することが抑制される。
より具体的には、第2の通気管路220の本体部分(開口部310以外の部分)については、第1の通気管路210よりも外側(管状部材110の外周面よりも外側)に設けてもよい。
このように、第2の通気管路220の外面が、第1の通気管路210の内面210Xに接合される構成であると、第1の通気管路210の内面210Xに、第2の通気管路220が寄せられた形となり、第1の通気管路210における空気の流れがより円滑となる(第1の通気管路210における流路抵抗が小さくなる)。
さらに、図4に示すように、箱体300は、第1の通気管路210の内面210Xに沿うように設けられている。言い換えると、第2の通気管路220は、第1の通気管路210の内面210Xに沿うように設けられている。
付言すると、本実施形態では、第2の通気管路220が、第1の通気管路210の内面210Xに沿って配置されており、これにより、第1の通気管路210の断面積が大きくなり(第2の通気管路220が占める面積が小さくなり)、流路抵抗が小さくなる。
具体的には、第1の部分210Aは、第1の通気管路210の延び方向(空気の流れ方向)と交差(直交)する方向に幅を有している。そして、第2の通気管路220は、第1の部分210Aの幅方向における一端210Sから他端210Tにかけて配置されている。
これにより、本実施形態では、第2の通気管路220が、第1の部分210Aの幅方向における一部の領域にのみ設けられている場合や、開口部310の長手方向の長さが、一端210Sから他端210Tまでの距離の90%よりも小さくなっている場合に比べ、開口部310を通じて第2の通気管路220の内部に音が入りやすくなる。
ここで、「同等」とは、開口部310の長軸の長さが、一端210Sと他端210Tとの間の距離の90%以上となることを意味する。
このように、開口部310の長手方向が、第1の通気管路210における空気の流れ方向と交差している場合、開口部310の長手方向が、第1の通気管路210における空気の流れ方向に沿っている場合に比べ、消音効果が高くなり、第1の通気管路210から出る音が小さくなる。
なお、本実施形態では、開口部310が長方形状となっているが、長方形状に限らず、楕円形などの他の形状としてもよい。
さらに、図4に示すように、箱体300は、互いに対向する関係にあり且つ同じ大きさの第5側壁305、第6側壁306を備える。言い換えると、本実施形態の箱体300は、互いに対向する3組の側壁を有する。
そして、本実施形態では、この3組の側壁のうちの最も大きい面積を有する1組の側壁(第5側壁305、第6側壁306)の各々が、第1の通気管路210の内面に沿っている。言い換えると、第1の通気管路210における空気の流れ方向に沿っている。
さらに、この第5側壁305と対向する関係の第6側壁306が、第1の通気管路210の内面210X(図4参照)に接合されている。
この構成例では、断面積が小さい第1の部分210Aが、断面積が大きい第2の部分210Bよりも、第1の通気管路210の排気口112に近い側に設けられている。
そして、上記と同様、第1の部分210Aに、第2の通気管路220および第2の通気管路220の開口部310が設けられ、また、第2の部分210Bに、フィルタ113が設けられている。
この構成例でも、開口部310への集音性能が高くなる第1の部分210Aに開口部310が位置し、さらに、空気の流速が小さくなる第2の部分210Bに、フィルタ113が設置されている。
上記では、第1の通気管路210が、鉛直方向に沿うように配置された場合を説明したが、第1の通気管路210は、水平方向に沿って配置したり、水平方向および鉛直方向に対して傾くように配置したりしてもよい。言い換えると、第1の通気管路210の排気口112が横方向(鉛直方向と交差する方向)を向いたり、上方向を向いたりするように、第1の通気管路210を配置してもよい。
図6にて示す構成例では、第1の通気管路210は、水平方向に沿って配置され、排気口112が、横方向を向いている。
第1の壁部210Gは、吸気口111の対向箇所にその一部が位置し排気口112に向かって延びるように形成されている。また、第2の壁部210Hは、第1の壁部210Gの対向箇所に位置している。
付言すると、この構成例では、第1の通気管路210の内面210Xの一部(符号6Aで示す部分)が、第1の通気管路210の吸気口111に対向している。
さらに、吸気口111に対向するこの一部に連続する、内面210Xのうちの排気口112側に位置する部分(符号6Aで示す部分よりも排気口112側に位置する部分)(符号6Bで示す部分)が、第2の通気管路220の開口部310に対向している。
付言すると、本実施形態では、第1の通気管路210は、L字状となっており、曲がっている。そして、この曲がっている部分の内側(曲がっている部分の半径方向における内側)に、第2の通気管路220が設けられた形となり、第1の通気管路210の空気の流れの抵抗が大きくなることが抑制される。
さらに、空気が加熱されている場合には、第1の壁部210G側に箱体300が設けられていると、箱体300が昇温し、箱体300が、例えば、熱に弱い材料で形成されていると、箱体300が変形したりするおそれがある。
これに対し、この構成例のように、第2の壁部210H側に、箱体300が設けられていると、第1の壁部210G側に箱体300が設けられている場合に比べ、箱体300の昇温が抑制される。
なお、多孔質材400は、第2の壁部210H側に設けてもよいし、第1の壁部210G側および第2の壁部210H側の両側に設けてもよい。また、第1の通気管路210の内面の全面に亘って、多孔質材400を設置してもよい。
なお、この2つの箱体300の各々が有する開口部310は、上記と同様、第1の通気管路210の第1の部分210Aに位置している。
本実施形態では、この空気案内部材600により、箱体300の側方に向かって空気が移動するようになり、空気が箱体300に直接向かうことが抑制される。これにより、空気の流れが箱体300により規制されることが抑制され、第1の通気管路210にて、空気がより円滑に移動する。
また、第2の通気管路220は、箱体300に限らず、筒状体などの内部空間を利用して形成してもよい。
なお、以下の説明では、図6にて示した通気管路100と同様の構成を有する通気管路100における消音の原理を説明するが、図3~5にて示した通気管路100においても、同様に、以下で説明する消音の原理によって消音がなされる。
また、図7では、管状部材110のうちの、排気口112が設けられている側をストレート状にし、上記第1の部分210A、第2の部分210B、第3の部分210Cなどの図示を省略している。また、図7では、箱体300(第2の通気管路220)を一つのみ設置している。
また、図8は、図7にて示した通気管路100の模式的な斜視図であり、図9は、箱体300の模式的な斜視図である。
直管部16の一方の端部に、排気口112が設けられ、他方の端部は、屈曲部18に接続されている。屈曲部18の一方の端部には、吸気口111が設けられ、他方の端部は、直管部16の他方の端部に接続されている。
第2の通気管路220(箱体300)は、直管部16の内部に、かつ直管部16の底面16a上に配置される。また、第2の通気管路220は、直方体形状をなす。さらに、第2の通気管路220は、気柱共鳴体として機能する。このように、第2の通気管路220は、音波(入射音)に対する共鳴体であることが好ましい。
本実施形態では、L字状で筒形状の第1の通気管路210、及び第2の通気管路220からなる構造を用い、(1)第1の通気管路210の固有の共鳴モード、及び(2)第2の通気管路220の開口部310の位置、更には、(3)第2の通気管路220の背面長さ(背面距離)を最適化して配置している。
本実施形態では、このように非共鳴のピークを発現することができ、共鳴起因の透過損失のみならず、非共鳴の透過損失を発現することで、広い帯域の透過損失を得られるようになる。
図10A及び図10Bは、図7にて示した通気管路100にて形成される、異なる周波数の定在波を示す模式的断面図である。図10C及び図10Dは、それぞれ図10A及び図10Bに示す通気管路100の排気口(開口端)112からの距離と、周波数の定在波の音圧分布との関係を示すグラフである。図11は、図10A及び図10Bに示す通気管路100の透過損失と周波数との関係を示すグラフである。
図10A及び図10Bに示すように、第1の通気管路210の吸気口111に設置された音源26から伝搬される音は、矢印aで示す方向に流れ、第1の通気管路210の直管部16の排気口112から放射される。排気口112から放射された音は、第1の通気管路210の外部に設置されたマイクロホン28などの測定装置で測定されるものとする。
即ち、第1の通気管路210そのものが、音の選択フィルタのように振る舞い、フィルタ性能が第1の通気管路210によって決まる。
なお、本実施形態においては、マイクロホン28にて、音圧の絶対値を、第1の通気管路210の導波路に沿って測定した際に、音圧の絶対値が極大となる位置(場所)を音圧の腹Aと定義し、音圧の絶対値が極小となる位置(場所)を音圧の節Nと定義する。
ここで、第1の通気管路210だけで形成されていた、第1の通気管路210に特有の安定なモードが、第2の通気管路220が設置された場合には状況が変化する。そして、第1の通気管路210と第2の通気管路220とにより生じる安定なモードであるダクトカップリングモードが形成され、このダクトカップリングモードにより、音が閉じ込められるようになる。
更に、本実施形態では、第2の通気管路220に入った音の再放射音が、第1の通気管路210の中で戻る音と強めあいの干渉をすることで、第1の通気管路210の排気口112側に音がさらに出ていきにくくなる効果も発現する。
第2の通気管路220に入射した音(入射音)に対して、第2の通気管路220から再放射される音(再放射音)の入射音に対する位相差θ1[rad.]と定義し、第1の通気管路210内に形成される音圧の少なくとも一つ以上の極大値に対して、第2の通気管路220の開口部310又は放射面の位置と音圧が極大値となる第1の通気管路210の位置との距離をLとし、入射および再放射音の波長をλとし、位相差θ2[rad.]=2π×2L/λ[rad.]と定義するとき、下記式(1)を満足することが必要である。
|θ1-θ2|≦π/2[rad.] ・・・(1)
なお、位相差θ1の取り得る範囲を0~2πとするということは、もし、位相差θ1が0~2πの範囲外の場合、例えばθ1=θs+2nπ(ただし、0≦θs≦2π、n:整数)の場合であっても、θ1は、θsと見做すということ、即ち、本実施形態においては、全てθ1=θsと同義である。
なお、以下では、位相差の単位[rad.]については省略する。
また、音の波長は、第1の通気管路210内において音圧分布を形成する音の波長を言い、例えば、第1の通気管路210の大きさ及び形と対応したある特定の周波数又は波長の音の波長であることが好ましく、第1の通気管路210の内部で一様かつ安定な定在波(即ち、モード)を形成し、このようなモードを形成する音の波長であることが好ましい。
また、本実施形態では、第2の通気管路220の開口部310の位置とは、開口部310の重心位置を言い、第2の通気管路220の放射面の位置とは、放射面の重心位置を言う。
この原理について、図12を参照して詳細に説明する。
図12は、本実施形態の原理を説明する模式的断面図である。
図12に示すように、本実施形態では、第2の通気管路220が存在する場合、第1の通気管路210を流れる音波は、第2の通気管路220に入る音(入射音)と、そのまま第1の通気管路210を流れていく音(透過音)とに分離される。
また、第2の通気管路220の背面長さ又は背面距離dは、開口部310の開口面の重心位置である開口部310の位置Opから、第2の通気管路220の端部(第1の通気管路210における空気の流れ方向における端部)までの長さであると定義される。
なお、図12においては、第1の通気管路210の排気口112と音圧が極大値を取る第1の通気管路210内の位置(例えば、腹Aの位置)との間の距離をLxと定義し、第1の通気管路210の排気口112と第2の通気管路220の開口部310の位置Opとの間の距離をLbと定義する時、距離Lは、距離Lbと距離Lxとの差(L=Lb-Lx)として与えられる。なお、距離Lは、第1の通気管路210を流れる音が往復する距離の半分と言える。
また、本実施形態においては、音圧が極大値となる第1の通気管路210の位置は、第1の通気管路210によって形成される音の定在波の腹Aであることが好ましい。
また、後述するように、第1の通気管路210が共鳴を有し、共鳴が起こる周波数fmにおいて上記式(1)を満足することが好ましい。
また、上記式(1)を満足する音波の周波数において透過損失が極大となることが好ましい。
この透過損失が大きい状態は、|θ1-θ2|=0の場合に最も大きくなり、そこからずれるに従って透過損失は小さくなっていく。
このため、|θ1-θ2|の値は、π/2以下(即ち、|θ1-θ2|≦π/2)に限定する必要がある。
具体的には、第2の通気管路220が、共鳴周波数fr[Hz]を有し、第1の通気管路210の透過損失スペクトルに関して透過損失が極小となる周波数fm1、fm2、fm3、…(図11参照)の中の、共鳴周波数frより小さい周波数のうち、最も大きい周波数fma[Hz]において、第2の通気管路220の開口部310と、開口部310の位置Opから周波数fmaにおいて音の流れる方向と同方向の側で最も近い音圧の極大値(例えば、腹A)となる第1の通気管路210の位置との距離をLa1とし、周波数fmaにおける波長をλfmaとするとき、下記式(2)を満足することが必要である。
0 ≦ La1 ≦ λfma/4 ・・・(2)
この原理について図13を参照して詳細に説明する。
図13は、消音(防音)原理を説明する模式的断面図である。
図13においても、上述したように、音源26の音が第1の通気管路210の内部を流れる時、第2の通気管路220に開口部310から入って再び開口部310から放射される音(再放射音)の位相差θ1と、そのまま第1の通気管路210を流れて第2の通気管路220の開口部310の位置(例えば、中心位置)Opに戻ってきた音の位相差θ2との差が小さい時、第1の通気管路210の内部に音が留まりやすくなり、透過損失が増加する。
また、本実施形態の吸気口111、排気口112のように、開口が複数存在する場合であって、騒音源等の音源26が通気管路の内部に存在しない場合には、複数の開口の各々で計測用マイクロホンを用いて音圧を測定し、音圧の大きい開口から小さい開口に向かう方向と定義できる。
また、騒音源の音源26が通気管路の内部にある場合には、音源26から開口の各々に向かう方向と定義できる。
したがって、第2の通気管路220の開口部310の位置Opと音圧が極大値を取る第1の通気管路210内の位置(例えば、腹Aの位置)との間の距離La1は、音圧が極大値を取る第1の通気管路210内の位置(例えば、腹Aの位置)と音圧が極小値を取る第1の通気管路210内の位置(例えば、節Nの位置)との間の距離であるλfma/4以下である。
即ち、本実施形態において、共鳴周波数frより低周波側の周波数fmaの音の消音効果を高くするためには、距離La1は、0以上、かつλfma/4以下に限定され、上記式(2)を満足する。
以上から、第2の通気管路220の開口部310の位置Opは、節Nの位置と異なる位置(節Nではない位置)にあることが好ましい。
本実施形態において、距離La1を上記式(2)に限定する理由は、以下の通りである。
まず、低周波側の周波数fmaは、第2の通気管路220の共鳴周波数よりも低い周波数であるから、周波数fmaにおいて、位相差θ1(=2d×2π/λfma)はπよりも小さくなる。一方で、距離La1を往復することにより生じる位相差θ2は、距離La1=λfma/4のときに、π(=2La1×2π/λfma)となる。θ1はπより小さいため、|θ1-θ2|の値を0に近づけるためには、La1≦λ/4とする必要がある。
d < λfma/4 ・・・(3)
第2の通気管路220に開口部310から入って再び開口部310から放射される音は、背面長さdを往復することになる。第2の通気管路220内に入った音が往復する距離d分の位相差θ1と、第1の通気管路210を流れる音が往復する距離La1分の位相差θ2との差は小さいことから、La1が上記式(2)を満足する以上、第2の通気管路220の背面長さdは、上記式(3)を満足することが好ましいと言える。これが、背面長さdを上記式(3)に限定する理由である。
第1の通気管路210の排気口112は、音圧が極大値を取る第1の通気管路210内の位置(例えば、腹Aの位置)から見て、音圧が極小値を取る位置(例えば、節の位置)に近い側にあるが、その位置に達しているわけではない。このため、第1の通気管路210の排気口112と音圧が極大値を取る第1の通気管路210内の位置(例えば、腹Aの位置)との間の距離Lxは、λfma/2より短い。即ち、Lx<λfma/2である。
Lb=La1+Lx<λfma/4+λfma/2=3λfma/4<となり、Lb<λfmaとなる。
即ち、第1の通気管路210の排気口112から第2の通気管路220の開口部310の位置Opまでの距離は、λfmaより短い。したがって、第2の通気管路220の開口部310は、第1の通気管路210の排気口112から波長λfma以内に設置されていることが好ましいと言える。これが、その理由である。
具体的には、第2の通気管路220が、共鳴周波数fr[Hz]を有し、第1の通気管路210の透過損失スペクトルに関して透過損失が極小となる周波数fm1、fm2、fm3、…(図11参照)の中の、共鳴周波数frより大きい周波数のうち、最も小さい周波数fmb[Hz]において、第2の通気管路220の開口部310と、開口部310の位置Opから周波数fmbにおいて音の流れる方向と同方向の側で最も近い音圧の極大値(例えば、腹A)となる第1の通気管路210の位置との距離をLa2とし、周波数fmbにおける波長をλfmbとするとき、下記式(4)を満足することが好ましい。
λfmb/4 ≦ La2 ≦ λfmb/2 ・・・(4)
この原理について図14を参照して詳細に説明する。
図14は、消音原理を説明する模式的断面図である。
図14に示す構成においても、上述したように、音源26の音が第1の通気管路210の内部を流れるとき、第2の通気管路220に開口部310から入って再び開口部310から放射される音(再放射音)の位相差θ1と、そのまま第1の通気管路210を流れて第2の通気管路220の開口部310の位置(例えば、中心位置)Opに戻ってきた音(透過音が反射されて戻ってきた音)の位相差θ2との差が小さいとき、第1の通気管路210の内部に音が留まりやすくなり、透過損失が増加する。
したがって、第2の通気管路220の開口部310の位置Opと音圧が極大値を取る第1の通気管路210内の位置(例えば、腹Aの位置)との間の距離La2は、音圧が極大値を取る第1の通気管路210内の位置(例えば、腹Aの位置)と音圧が極小値を取る第1の通気管路210内の位置(例えば、節Nの位置)との距離であるλfmb/4以上である。
即ち、本実施形態において、共鳴周波数frより高周波側の周波数fmbの音の消音効果を高くするためには、距離La2は、λfmb/4以上、かつλfmb/2以下に限定され、上記式(4)を満足する。
以上から、第2の通気管路220の開口部310の位置Opは、節Nの位置と異なる位置(節Nでない位置)にあることが好ましい。
本実施形態において、距離La2を上記式(4)に限定する理由は、以下の通りである。
まず、高周波側の周波数fmbは、第2の通気管路220の共鳴周波数よりも高い周波数であるから、周波数fmbにおいて、位相差θ1(=2d×2π/λfmb)はπよりも大きくなる。
一方、距離La2がλ/2より大きくなると、隣の音圧の腹を超えてしまうため、上記で定義していた音圧の極大値の位置が変わる。これに起因して、これまで定義していたLa2はλfmb /4より小さくなってしまうことから不適となるためLa2≦λ/2である必要がある。
第1の通気管路210の排気口112は、音圧が極大値を取る第1の通気管路210内の位置(例えば、腹Aの位置)から見て、音圧が極小値を取る位置(例えば、節の位置)に近い側にあるが、その位置に達しているわけではない。このため、第1の通気管路210の排気口112と音圧が極大値を取る第1の通気管路210内の位置(例えば、腹Aの位置)との間の距離Lxは、λfmb/2より短い。即ち、Lx<λfmb/2である。
Lb=La2+Lx<λfmb/2+λfma/2=λfmbとなり、Lb<λfmbとなる。
したがって、第2の通気管路220の開口部310は、第1の通気管路210の排気口112から波長λfmb以内に設置されていることが好ましいと言える。これが、その理由である。
図13にて示した実施形態、図14にて示した実施形態においては、第2の通気管路220の開口部310は、節Nではない位置に配置であることが好ましい。ここで、節Nではない位置とは、節Nを除いて、節Nからλfma/8、又はλfmb/8程度離れていることを意味する。
また、第1の通気管路210の断面形状も特に制限的ではなく、どのような形状であっても良い。例えば、第1の通気管路210の断面形状としては、正方形、正三角形、正五角形、又は正六角形等の正多角形であってもよい。
産業用機器としては、例えば複写機、送風機、空調機器、換気扇、ポンプ類、及び発電機、その他にも塗布機、回転機、及び搬送機など音を発する様々な種類の製造機器等が挙げられる。輸送用機器としては、例えば自動車、電車、及び航空機等が挙げられる。一般家庭用機器としては、例えば冷蔵庫、洗濯機、乾燥機、テレビジョン、コピー機、電子レンジ、ゲーム機、エアコン、扇風機、PC、掃除機、及び空気清浄機等が挙げられる。
吸音材としては、特に限定はなく、公知の吸音材が利用可能である。例えば、発泡ウレタン、軟質ウレタンフォーム、木材、セラミックス粒子焼結材、フェノールフォーム等の発泡材料および微小な空気を含む材料;グラスウール、ロックウール、マイクロファイバ(3M社製シンサレートなど)、フロアマット、絨毯、メルトブローン不織布、金属不織布、ポリエステル不織布、金属ウール、フェルト、インシュレーションボードおよびガラス不織布等のファイバおよび不織布類材料;木毛セメント板;シリカナノファイバなどのナノファイバ系材料;石膏ボード;種々の公知の吸音材が利用可能である。
また、例えば、貫通孔径が0.1~50μm程度で厚みが1~50μm、開口率0.01~0.3程度の微細貫通孔を有する金属膜で、開口部310の開口面が覆われた構成としてもよい。
第1の通気管路210、第2の通気管路220を形成するための材料としては、例えば、アルミニウム、チタン、マグネシウム、タングステン、鉄、スチール、クロム、クロムモリブデン、ニクロムモリブデン、及び、これらの合金等の金属材料、アクリル樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリアミドイド、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリサルフォン、ポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラート、ポリイミド、及び、トリアセチルセルロース等の樹脂材料、並びに、炭素繊維強化プラスチック(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastic)、カーボンファイバ、及び、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP:Glass Fiber Reinforced Plastic)等が挙げられる。
また、これらの材料の複数種を組み合わせて用いてもよい。
第1の通気管路210と第2の通気管路220とが一体成型される場合には、第1の通気管路210、第2の通気管路220を形成するための材料は、同じであることが好ましい。
また、第2の通気管路220の開口部310は、図16(通気管路100の他の構成例を示した図)に示すように、第2の通気管路220の端部であって、第1の通気管路210の排気口112側に位置する端部に設けてもよい。
第2の通気管路220のような気柱共鳴管からなる構造は、開口部310と閉空間とを持ち、気柱筒のような構成となっている。
このような気柱共鳴管の構造は、気柱共鳴現象を起こすことが一般的に知られている。本実施形態のように、気柱共鳴管の構造が、第1の通気管路210内に設置されている場合には、共鳴周波数において透過損失が増大する。
これにより、(i)気柱共鳴による透過損失増大、(ii)ダクトカップリングモードによる透過損失増大、という異なる原理に基づく2つ以上の透過損失の増大を発現させるようになり、結果として、広い帯域の透過損失を稼げるようになる。
Claims (4)
- 2以上の開口の間を音が通る第1の通気管路であり、吸気口と、排気口と、第1の断面積となる第1の部分と、断面積が前記第1の断面積よりも大きい第2の断面積となり、前記第1の部分よりも前記排気口に近い第2の部分と、および、前記第1の部分と前記第2の部分とを接続する傾斜した内面を有する第3の部分とを有する第1の通気管路と、
前記第1の通気管路の前記第1の部分の内側に位置する開口部を有し、前記開口部より受け入れた音を内部で反射させた上で前記開口部から音を出す第2の通気管路と、
を備え、
前記第1の通気管路の前記吸気口と前記第1の部分の間が曲がっており、前記第2の通気管路は前記第1の通気管路の曲がりにおける内側の壁部に設けられている通気管路。 - 前記第1の通気管路の前記吸気口と前記第1の部分の間の内面に配置され、前記吸気口からの空気を前記内面から離れた位置に案内する空気案内部材を有する請求項1に記載の通気管路。
- 2以上の開口の間を音が通る第1の通気管路であり、第1の断面積となる第1の部分と、断面積が前記第1の断面積よりも大きい第2の断面積となる第2の部分と、および、前記第1の部分と前記第2の部分とを接続する傾斜した内面を有する第3の部分とを有する第1の通気管路と、
前記第1の通気管路の前記第1の部分の内側に位置する開口部を有し、前記開口部より受け入れた音を内部で反射させた上で前記開口部から音を出す第2の通気管路と、
を備え、
前記第2の通気管路が、共鳴周波数fr[Hz]を有し、
前記第1の通気管路の透過損失スペクトルに関して透過損失が極小となり、かつ前記共鳴周波数frより小さい周波数のうち、最も大きい周波数fma[Hz]において、
前記第2の通気管路の前記開口部と、前記開口部から、前記周波数fmaにおいて音の流れる方向と同方向の側で最も近い音圧の極大値となる前記第1の通気管路の位置との距離をLa1とし、周波数fmaにおける波長をλfmaとする場合に、下記式(2)を満たす通気管路。
0 ≦ La1 ≦ λfma/4 ・・・(2) - 2以上の開口の間を音が通る第1の通気管路であり、第1の断面積となる第1の部分と、断面積が前記第1の断面積よりも大きい第2の断面積となる第2の部分と、および、前記第1の部分と前記第2の部分とを接続する傾斜した内面を有する第3の部分とを有する第1の通気管路と、
前記第1の通気管路の前記第1の部分の内側に位置する開口部を有し、前記開口部より受け入れた音を内部で反射させた上で前記開口部から音を出す第2の通気管路と、
を備え、
前記第2の通気管路が、共鳴周波数fr[Hz]を有し、
前記第1の通気管路の透過損失スペクトルに関して透過損失が極小となり、かつ前記共鳴周波数frより大きい周波数のうち、最も小さい周波数fmb[Hz]において、
前記第2の通気管路の前記開口部と、前記開口部から前記周波数fmbにおいて音の流れる方向と同方向の側で最も近い音圧の極大値となる前記第1の通気管路の位置との距離をLa2とし、周波数fmbにおける波長をλfmbとするとき、下記式(4)を満たす通気管路。
λfmb/4 ≦ La2 ≦ λfmb/2 ・・・(4)
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