JP2944552B2 - 消音装置 - Google Patents
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- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
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Description
ダクト中を伝播するファン騒音を消音するなど、風路の
伝播音を消音する消音装置に関する。
中に配備したグラスウール等の吸音材により音エネルギ
を吸収して消音する吸音型と、風路への共鳴器の付設や
風路の急拡大により音波の干渉や反射を利用して消音す
るリアクタンス型とがある。
開平1−296040号公報に見られるように、風路に
消音対象波長のほぼ1/2の長さで風路長手方向に延び
る共振隘路を形成するとともに、この共振隘路の両端部
に消音対象周波数又はその近傍値で共振する共鳴室を設
けるものも提案されている。
エネルギの吸収による消音であることから、風路長さ、
風路の形状、風路の端部反射特性などの風路構造上の音
響特性の影響をあまり受けることなく安定した消音効果
を得られるものの、低周波域の音については、効率良く
吸音できず満足な消音効果を得られない問題があった。
とする場合、風路中に配備する吸音材の量及び吸音面積
を大きくしなければならず、風路の通風抵抗が大きくな
って送風圧力損失が大きくなる問題もあった。
ついても高い消音効果を得ることができ、また、通風抵
抗の増大も少ないものの、干渉や反射などの音波特性を
利用した消音であって音エネルギの吸収(すなわち吸
音)はほとんどないため、消音効果は上記の如き風路構
造上の音響特性に依存し、風路構造上の音響特性によっ
て消音効果に大きな差異を生じる。この為、満足な消音
効果を得るには装置設計において風路全体の音響特性を
把握することが必要になるが、現実には風路全体の音響
特性を厳密に把握することは難しく、この点で実用にお
いて満足な消音効果を得ることが難しい問題があった。
は、合理的な消音方式の採用により、低周波域の音につ
いても高い消音効果を得ることができ、また、通風抵抗
の増大も少なく、しかも、風路構造上の音響特性の影響
を受けることなく高い消音効果を安定的に得ることがで
きる消音装置を提供する点にある。
向の上手側位置に、消音対象周波数帯域で共鳴する上手
側共鳴器の共鳴口を開口させ、かつ、風路における音伝
播方向の下手側位置に、消音対象周波数帯域で共鳴する
下手側共鳴器の共鳴口を開口させることにより、これら
共鳴器の反射作用をもって、これら上手側共鳴器の共鳴
口と下手側共鳴器の共鳴口との間で消音対象周波数帯域
の音を行き来させ、これにより、音源側から伝播する消
音対象周波数帯域の音を捕捉する形態にする。
との共鳴口間隔を、音源側からの伝播音と下手側共鳴器
からの反射音との干渉で消音対象周波数帯域の音圧が増
大する位置に上手側共鳴器の共鳴口が臨む間隔にするこ
とで、上記の如き共鳴口間での音の行き来と相まって、
消音対象周波数帯域の音エネルギが上手側共鳴器の共鳴
口位置に効果的に集中するようにする。
抵抗成分による吸音性(すなわち、音エネルギの吸収
性)を備える共鳴器にすることにより、上記の如き音エ
ネルギの集中状態において、上手側共鳴器に消音対象周
波数帯域の音を効果的に吸収させ、これにより、消音対
象周波数帯域の音を効率良く消音する。
を効果的に集中させた状態で、その音エネルギを吸収さ
せるから、消音形態としては音エネルギの吸収による消
音でありながら、中高周波域の音のみならず低周波域の
音についても高い消音効果を得ることができる。
から、風路長さ、風路の形状、端部反射特性などの風路
構造上の音響特性の影響を受け難く、安定した消音効果
を得ることができ、風路全体の音響特性の厳密な把握が
不要になる点で装置設計が容易になる。
吸音材を大きな吸音面積を確保して風路中に配備すると
いった必要がなく、共鳴器を配備するだけの構造である
から、通風抵抗の増大を伴うことがなく送風圧力損失の
増大を回避できる。
鳴器Yの配設部における音の伝播形態を模式的に示すも
のであり、図中、Sは音源側からの伝播音、Sγ,S
α,Sτは各共鳴器X,Yでの反射音,吸収音,透過音
を示す。
鳴器を0.1〜6.0のインピーダンス抵抗値R[Z1/Z
0] を示す共鳴器にする。
発明の実施例として、上手側共鳴器と下手側共鳴器との
共鳴口間隔Lを、消音対象音の波長λtの1/4にした
場合(L=λt/4)のデータを示すが、このデータか
らも判るように、上手側共鳴器のインピーダンス抵抗値
R[Z1/Z0] が0.1〜6.0の範囲であれば、消音対象
音に対し装置全体として0.3以上の吸収率A2 (吸音
率)を得ることができ、吸音による高い消音効果を確実
に得ることができる。
共鳴器のインピーダンス抵抗値R[Z2/Z0] が0.001
の場合、グラフg2は下手側共鳴器のインピーダンス抵
抗値R[Z2/Z0] が1.0の場合、グラフg3は上手側共
鳴器のインピーダンス抵抗値R[Z1/Z0] と下手側共鳴器
のインピーダンス抵抗値R[Z2/Z0] が等しい場合であ
る。
々の単体インピーダンス、Z0は風路の特性インピーダン
スであり、風路に装備した状態での上手側共鳴器及び下
手側共鳴器夫々のインピーダンスZ1/Z0, Z2/Z0は、実部
としてのインピーダンス抵抗値Rと、虚部としてのリア
クタンス成分Jとの和として次式で示される。 Z1/Z0=R[Z1/Z0] +J[Z1/Z0], Z2/Z0=R[Z2/Z0]
+J[Z2/Z0]
鳴器を0.5〜2.0のインピーダンス抵抗値R[Z1/Z
0] を示す共鳴器にする。
に、上手側共鳴器のインピーダンス抵抗値R[Z1/Z0] が
0.5〜2.0の範囲であれば、消音対象音に対し極大
値ないし極大値に近い吸収率A2 を得ることができ、吸
音による消音を一層効果的なものにすることができる。
鳴器を、上手側共鳴器とほぼ同等のインピーダンス抵抗
値を示す共鳴器にすることにより、前述の如く、消音対
象周波数帯域の音を上手側共鳴器と下手側共鳴器との共
鳴口間で行き来させる状態において、下手側共鳴器を上
手側共鳴器とともに同等の吸音性をもって消音対象周波
数帯域の音に対し吸収作用させる。
の吸音性(音エネルギの吸収性)を高くして風路構造上
の音響特性の影響を一層受け難くしながら、吸音による
高い消音効果を得ることができる。
ぼ同等のインピーダンス抵抗値を示す共鳴器にする場
合、前述の図2におけるグラフg3に示されるように、
極力高い吸収率A2 を得る上で、上手側共鳴器及び下手
側共鳴器をともに0.7ないしその近傍のインピーダン
ス抵抗値R[Z1/Z0] ,R[Z2/Z0] を示す共鳴器にするこ
とが好ましい。
鳴器を、上手側共鳴器よりも低いインピーダンス抵抗値
を示す共鳴器にすることにより、下手側共鳴器での吸音
を抑止した状態で、消音対象周波数の音を高い反射率で
下手側共鳴器の共鳴口から上手側共鳴器の共鳴口の側へ
反射させるようにし、これにより、上手側共鳴器と下手
側共鳴器との共鳴口間での音の行き来において、消音対
象周波数帯域の音エネルギを上手側共鳴器の共鳴口位置
に集中させる効果を高める。
側共鳴器での消音対象周波数帯域の音の吸音を一層効果
的にすることができ、これにより、吸音による消音効果
を高めることができる。
も低いインピーダンス抵抗値を示す共鳴器にする場合、
前述の図2におけるグラフg1,g2に示されるよう
に、極力高い吸収率A2 を得る上で、上手側共鳴器を
1.0ないしその近傍のインピーダンス抵抗値R[Z1/Z
0] を示す共鳴器にすることが好ましい。
鳴器を、インピーダンス抵抗値がほぼ0の共鳴器にする
ことにより、下手側共鳴器からの反射による前記の集中
効果を最大限に発揮させ、これにより、上記した請求項
5記載の発明の作用・効果を最も顕著に得られるように
する。
鳴器及び下手側共鳴器夫々の共鳴室に吸音材を充填する
ことにより、これら上手側共鳴器及び下手側共鳴器の夫
々にインピーダンス抵抗成分による吸音性を備えさせ
る。
来において、上手側共鳴器及び下手側共鳴器の夫々を消
音対象周波数帯域の音に対し吸音作用させるにあたり、
吸音材充填により各共鳴器に吸音性を備えさせるから、
その充填量の調整や吸音材の材質選定などにより、上手
側共鳴器及び下手側共鳴器夫々のインピーダンス抵抗値
を容易に調整でき、この抵抗値調整をもって、装置全体
としての消音特性を所望のものに容易に調整することが
できる。
鳴器の共鳴室に吸音材を充填することにより、上手側共
鳴器にインピーダンス抵抗成分による吸音性を備えさ
せ、これに対し、下手側共鳴器の共鳴室を吸音材が非充
填の空状態にすることにより、下手側共鳴器を上手側共
鳴器よりもインピーダンス抵抗値の低いものにする。
5又は6記載の発明を容易に実施でき、また、上手側共
鳴器に対する吸音材充填量の調整や充填吸音材の材質選
定などにより上手側共鳴器のインピーダンス抵抗値を調
整して、装置全体の消音特性を容易に調整することがで
きる。
鳴器と下手側共鳴器との共鳴口間隔Lを、消音対象周波
数帯域における特定周波数の音の波長λに対し、 L=(2n−1)・λ/4 (nは自然数)……………イ式 で与えられる値にする。
鳴器との共鳴口間隔Lを変化させた場合に、装置全体と
しての消音対象音の吸収率A2 がどのように変化するか
を示すが、このデータからも判るように、上手側共鳴器
と下手側共鳴器との共鳴口間隔Lが、消音対象音の波長
λに対し上記(イ式)で与えられる間隔のとき、音源側
からの伝播音と下手側共鳴器からの反射音との干渉によ
る上手側共鳴器の共鳴口位置での消音対象音の音圧増大
(すなわち、前述の如きの音エネルギの集中)が最大に
なり、装置全体としての消音対象音の吸収率A2 が極大
値を示す。
との共鳴口間隔Lを、消音対象周波数帯域における特定
周波数の音の波長λに対し、上記(イ式)で与えられる
間隔にすれば、消音対象周波数帯域の音を効果的に消音
できる。
共鳴器のインピーダンス抵抗値R[Z1/Z0] が1.00
で、下手側共鳴器のインピーダンス抵抗値R[Z2/Z0] が
0.01の場合を示し、グラフgbは上手側共鳴器のイ
ンピーダンス抵抗値R[Z1/Z0]及び下手側共鳴器のイン
ピーダンス抵抗値R[Z2/Z0] がともに1.00の場合を
示す。
の特定周波数として、消音対象周波数帯域における中心
周波数を採用することにより、消音対象周波数帯域の帯
域中のおける吸収率A2 の偏りを防止し、これにより、
消音対象周波数帯域の全体について極力均等な消音効果
を得られるようにする。
側共鳴器と下手側共鳴器との共鳴口間隔Lを、前記のイ
式においてn=1で与えられる値にすることにより、そ
の共鳴口間隔を極力小さくして装置をコンパクトにしな
がら、高い消音効果を得られるようにする。
対象周波数帯域で共鳴する3以上の共鳴器の共鳴口を、
風路における音伝播方向で間隔を隔てて風路に開口さ
せ、これら3以上の共鳴器の群中に、前記上手側共鳴器
と前記下手側共鳴器との関係となる共鳴器対を複数対存
在させ、これにより、これら共鳴器対の夫々が奏する前
述の如き消音効果が相まってより高い消音効果を得られ
るようにする。
存在形態としては、一つの上手側共鳴器に対し複数の下
手側共鳴器が存在するような形態、また、一つの共鳴器
対において下手側共鳴器となるものが他の共鳴器対にお
いて上手側共鳴器となるような形態、あるいは、これら
両方の形態が組み合わさった形態など、種々の形態が可
能である。
上手側共鳴器と前記下手側共鳴器との関係となる共鳴器
対の複数を、それらの上手側共鳴口及び下手側共鳴口の
夫々が風路の周方向に分散して位置する状態に設け、こ
れにより、これら共鳴器対の夫々が奏する前述の如き消
音効果が相まってより高い消音効果を得られるようにす
る。
口及び下手側共鳴口の夫々を風路の周方向に分散させて
位置させることにより、風路の断面方向における消音効
果の偏りを防止し、風路断面積が大きな風路についても
高い消音効果を確実に得られるようにする。
を形成する管体とこの管体の周部を囲う壁体との間に両
端閉塞の環状室を形成するとともに、この環状室を風路
に連通させる孔を管体に形成することにより、その環状
室を共鳴室とし、かつ、その孔を共鳴口とする共鳴器を
形成する。そして、この共鳴器を管体の長手方向に並設
することにより、前記上手側共鳴器と前記下手側共鳴器
との関係の共鳴器対を形成する。
る管体に対し共鳴器を外嵌状態で一体形成する共鳴器装
備形態となることから、例えば、共鳴室形成容器を管路
を介して風路に接続する形態などに比べ、装置の全体構
造をシンプルにして装置の製作及び施設を容易にするこ
とができ、また、装置耐久性にも優れたものとすること
ができる。
に介装する消音器を示し、両端部を対象ダクトに対する
接続端として内部を風路Fとする管体1を、外管状の壁
体2により囲い、これら管体1と壁体2との間に形成さ
れる環状空間の両端部を端板3により閉塞し、さらに、
この環状空間を中間仕切板4により仕切って、二つの環
状室5a,5bを形成してある。
通させる孔6a,6bの夫々を、風路周方向に等間隔に
配置して8個ずつ管体1に形成し、これにより、各環状
室5a,5bにおいて各孔6a,6bに対応位置する部
分の夫々を共鳴室sx,sy(すなわち、風路周方向に
並ぶ8室ずつの共鳴室)とし、かつ、各孔6a,6bの
夫々を共鳴口px,pyとする構造で、風路Fにおける
音伝播方向の上手側位置で風路Fに共鳴口pxを開口さ
せる上手側共鳴器Xと、風路Fにおける音伝播方向の下
手側位置で風路Fに共鳴口pyを開口させる下手側共鳴
器Yとの共鳴器対の8対を風路周方向に並設した形態と
してある。
下手側共鳴器Yとの共鳴口間隔Lは、音源側からの伝播
音と下手側共鳴器Yからの反射音との干渉で消音対象周
波数帯域の音圧が増大する位置に上手側共鳴器Xの共鳴
口pxが臨む間隔にしてあり、具体的には、共鳴口間隔
Lを極力小さくしながら上記の音圧増大を最大にし得る
間隔として、消音対象周波数帯域における中心周波数f
tの音の波長λtに対し、L=λt/4となる間隔にし
てある。
として作用する前記環状室5a,5bの夫々には吸音材
Gとしてグラスウールを充填し、この充填においてグラ
スウールの充填量を調整することにより、上手側共鳴器
X及び下手側共鳴器Yの夫々が所定のインピーダンス抵
抗値を示して、インピーダンス抵抗成分による吸音性を
示すようにしてある。
て、1/1オクターブ63Hz帯を消音対象周波数帯域
とし、各部の寸法を共鳴口間隔L=1360mm(中心
周波数ft=63Hz)、各環状室5a,5bの長さM
1,M2=850mm、管体1の直径D1=300m
m、壁体2の直径D2=600mm、各共鳴口px,p
yの直径d1,d2=40mmとしたときの消音特性を
示す。
上手側共鳴器Xのインピーダンス抵抗値とリアクタンス
成分、R[Z2/Z0] ,J[Z2/Z0] は下手側共鳴器Yのイン
ピーダンス抵抗値とリアクタンス成分である。
収率、R2 は装置全体としての反射率、T2 は装置全体
としての透過率である。
さを0.1〜5mまで0.1mピッチで変更したときの
挿入損失の度数分布(棒グラフ)と累積度数(曲線グラ
フ)を示し、図中のMeanは平均減音量、SDは標準
偏差、Maxは最大減音量、Minは最小減音量を示
す。なお、挿入損失=10Log(Wo/Wi)であ
り、Woは消音器のない場合における風路開放端での放
音パワー、Wiは消音器を介装した場合の風路開放端で
の放音パワーである。
施形態で示した消音器と基本構造は同じものにおいて、
上手側共鳴器Xは、前述と同様、その共鳴室sxとして
作用する環状室5aへのグラスウール充填によりインピ
ーダンス抵抗値を調整するのに対し、下手側共鳴器Y
は、その共鳴室syとして作用する環状室5bを吸音材
非充填の空状態にした消音器を示す。
いて、1/1オクターブ63Hz帯を消音対象周波数帯
域とし、各部の寸法を共鳴口間隔L=1360mm(中
心周波数ft=63Hz)、各環状室5a,5bの長さ
M1,M2=850mm、管体1の直径D1=300m
m、壁体2の直径D2=600mm、上手側共鳴口px
の直径d1=28mm、下手側共鳴口pyの直径d2=
60mmとしたときの消音特性を示す。なお、表示形態
は前述の図7〜図9と同様である。
X及び下手側共鳴器Yとして、共鳴室形成容器7a,7
bを管路8a,8bを介して風路Fに接続する形式の共
鳴器を用いた消音器を示し、上手側共鳴器Xと下手側共
鳴器Yとの共鳴口px,pyの間隔Lは、前述の第1及
び第2実施形態と同様、消音対象周波数帯域における中
心周波数ftの音の波長λtに対し、L=λt/4とな
る間隔にしてある。
には吸音材Gとしてグラスウールを充填し、この充填に
おいてグラスウールの充填量を調整することにより、上
手側共鳴器X及び下手側共鳴器Yの夫々が所定のインピ
ーダンス抵抗値を示して、インピーダンス抵抗成分によ
る吸音性を示すようにしてある。
いて、1/1オクターブ63Hz帯を消音対象周波数帯
域とし、各部の寸法を共鳴口間隔L=1360mm(中
心周波数ft=63Hz)、各共鳴室sx,syの容積
V1,V2=10リットル、各首部(管路8a,8b)
の長さH1,H2=65mm、各首部(管路8a,8
b)の直径d1,d2=50mmとしたときの消音特性
を示す。
施形態で示した消音器と基本構造は同じものにおいて、
上手側共鳴器Xは、前述と同様、その共鳴室sxへのグ
ラスウール充填によりインピーダンス抵抗値を調整する
のに対し、下手側共鳴器Yは、その共鳴室syを吸音材
非充填の空状態にした消音器を示す。
いて、1/1オクターブ63Hz帯を消音対象周波数帯
域とし、各部の寸法を共鳴口間隔L=1360mm(中
心周波数ft=63Hz)、各共鳴室sx,syの容積
V1,V2=10リットル、上手側共鳴器Xの首部(管
路8a)の長さH1=65mm、下手側共鳴器Yの首部
(管路8b)の長さH2=40mm、各首部(管路8
a,8b)の直径d1,d2=50mmとしたときの消
音特性を示す。
消音器に対する比較例として、図23〜図25は、上述
の第4実施形態で下手側共鳴器Yとして用いた共鳴器B
(共鳴室の容積=10リットル、首部の長さ=40m
m、首部の直径=50mm、グラスウール充填無し)
を、図22に示す如く、共鳴口pの間隔L=1360m
mで音伝播方向に並設したものにおいて、1/1オクタ
ーブ63Hz帯を消音対象周波数帯域としたときの消音
特性を示す。なお、図23において、R[ZB1/Z0],J[Z
B1/Z0]は上手側に位置する共鳴器Bのインピーダンス抵
抗値とリアクタンス成分、R[ZB2/Z0],J[ZB2/Z0]は下
手側に位置する共鳴器Bのインピーダンス抵抗値とリア
クタンス成分である。
形態で下手側共鳴器Yとして用いた共鳴器B(共鳴室の
容積=10リットル、首部の長さ=40mm、首部の直
径=50mm、グラスウール充填無し)を、図26に示
す如く、音伝播方向で等位置に共鳴口pが位置する状態
に並列配置したものにおいて、1/1オクターブ63H
z帯を消音対象周波数帯域としたときの消音特性を示
す。なお、図27において、R[ZB/Z0] ,J[ZB/Z0] は
一方の共鳴器Bのインピーダンス抵抗値とリアクタンス
成分、R[ZB'/Z0],J[ZB'/Z0]は他方の共鳴器Bのイン
ピーダンス抵抗値とリアクタンス成分である。
3実施形態で上手側共鳴器X及び下手側共鳴Yとして用
い、また、前述の第4実施形態で上手側共鳴器Xとして
用いた共鳴器A(共鳴室の容積=10リットル、首部の
長さ=65mm、首部の直径=50mm、グラスウール
充填有り)を、図30に示す如く、音伝播方向で等位置
に共鳴口pが位置する状態に並列配置したものにおい
て、1/1オクターブ63Hz帯を消音対象周波数帯域
としたときの消音特性を示す。なお、図31において、
R[ZA/Z0] ,J[ZA/Z0] は一方の共鳴器Aのインピーダ
ンス抵抗値とリアクタンス成分、R[ZA'/Z0],J[ZA'/Z
0]は他方の共鳴器Aのインピーダンス抵抗値とリアクタ
ンス成分である。
判るように、前述の第1〜第4実施形態の消音器によれ
ば、吸音による高い消音効果を得ることができ、また、
挿入損失のバラツキが小さいことから、風路長さ、風路
の形状、端部反射特性などの風路構造上の音響特性の影
響を受け難く、安定した消音効果を得られることが判
る。
態を列記する。前述の第1及び第2実施形態では、上手
側共鳴器Xと下手側共鳴器Yとの関係となる共鳴器対の
複数を、それらの上手側共鳴口px及び下手側共鳴口p
yの夫々が風路Fの周方向に分散して位置する状態に設
ける例を示したが、図34に示す如く、消音対象周波数
帯域で共鳴する3以上の共鳴器K1,K2,K3の共鳴
口pを、風路Fにおける音伝播方向で間隔を隔てて風路
Fに開口させ、これら3以上の共鳴器K1,K2,K3
の群中に、前記上手側共鳴器Xと前記下手側共鳴器Yと
の関係となる共鳴器対を複数対存在させるようにしても
よい。
態としては、一つの上手側共鳴器Xに対し複数の下手側
共鳴器Yが存在するような形態、また、一つの共鳴器対
において下手側共鳴器Yとなるものが他の共鳴器対にお
いて上手側共鳴器Xとなるような形態、あるいは、これ
ら両方の形態が組み合わさった形態など、種々の形態が
可能である。
間隔L1,L2は、夫々、消音対象周波数帯域における
特定周波数(例えば中心周波数)の音の波長λに対し、
L1,L2=(2n−1)・λ/4 (nは自然数)で
与えられる値ないしその近傍値にするのが望ましい。
鳴器Xと下手側共鳴器Yとの共鳴口間隔Lを、消音対象
周波数帯域における中心周波数ftの音の波長λtに対
し、L=λt/4で与えられる値にしたが、これに限ら
ず、上手側共鳴器Xと下手側共鳴器Yとの共鳴口間隔L
は、音源側からの伝播音と下手側共鳴器Yからの反射音
との干渉で消音対象周波数帯域の音圧が増大する位置に
上手側共鳴器Xの共鳴口pxが臨む間隔であればよく、
好ましくは、消音対象周波数帯域における特定周波数f
の音の波長λに対し、 L=(2n−1)・λ/4 (nは自然数) で与えられる値ないしその近傍値、また、その特定周波
数fとして消音対象周波数帯域の中心周波数ftを採用
した値にするのがよい。
sx,syに吸音材Gを充填して、それら共鳴器X,Y
のインピーダンス抵抗値R[Z1/Z0] ,R[Z2/Z0] を調整
する場合、吸音材Gとしては、グラスウールに限らずロ
ックウールやウレタンフォームなど吸音性を有する種々
の材質のものを適用でき、また、吸音材充填によらず共
鳴器の形状や構造上の細工により、それら共鳴器X,Y
のインピーダンス抵抗値R[Z1/Z0] ,R[Z2/Z0] を調整
するようにしてもよい。
具体的形状、構造は、前述の各実施形態で示した形状、
構造に限らず、種々の形状、構造を採用できる。
伝播方向とは同じ向きであってもよく、また、逆向きで
あってもよい。
限定されるものではなく、どのような目的の風路であっ
てもよい。
グラフ
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Claims (14)
- 【請求項1】 風路における音伝播方向の上手側位置
に、消音対象周波数帯域で共鳴する上手側共鳴器の共鳴
口を開口させ、 前記風路における音伝播方向の下手側位置に、消音対象
周波数帯域で共鳴する下手側共鳴器の共鳴口を開口さ
せ、 これら上手側共鳴器と下手側共鳴器との共鳴口間隔を、
音源側からの伝播音と前記下手側共鳴器からの反射音と
の干渉で消音対象周波数帯域の音圧が増大する位置に前
記上手側共鳴器の共鳴口が臨む間隔にし、 前記上手側共鳴器を、インピーダンス抵抗成分による吸
音性を備える共鳴器にしてある消音装置。 - 【請求項2】 前記上手側共鳴器を0.1〜6.0のイ
ンピーダンス抵抗値を示す共鳴器にしてある請求項1記
載の消音装置。 - 【請求項3】 前記上手側共鳴器を0.5〜2.0のイ
ンピーダンス抵抗値を示す共鳴器にしてある請求項2記
載の消音装置。 - 【請求項4】 前記下手側共鳴器を、前記上手側共鳴器
とほぼ同等のインピーダンス抵抗値を示す共鳴器にして
ある請求項1〜3のいずれか1項に記載の消音装置。 - 【請求項5】 前記下手側共鳴器を、前記上手側共鳴器
よりも低いインピーダンス抵抗値を示す共鳴器にしてあ
る請求項1〜3のいずれか1項に記載の消音装置。 - 【請求項6】 前記下手側共鳴器を、インピーダンス抵
抗値がほぼ0の共鳴器にしてある請求項1〜3のいずれ
か1項に記載の消音装置。 - 【請求項7】 前記上手側共鳴器及び前記下手側共鳴器
夫々の共鳴室に吸音材を充填してある請求項1〜5のい
ずれか1項に記載の消音装置。 - 【請求項8】 前記上手側共鳴器の共鳴室に吸音材を充
填し、前記下手側共鳴器の共鳴室を、吸音材が非充填の
空状態にしてある請求項5又は6記載の消音装置。 - 【請求項9】 前記上手側共鳴器と前記下手側共鳴器と
の共鳴口間隔Lを、消音対象周波数帯域における特定周
波数の音の波長λに対し、 L=(2n−1)・λ/4 (nは自然数)……………(イ)式 で与えられる値にしてある請求項1〜8のいずれか1項
に記載の消音装置。 - 【請求項10】 前記特定周波数として、消音対象周波
数帯域における中心周波数を採用してある請求項9記載
の消音装置。 - 【請求項11】 前記上手側共鳴器と前記下手側共鳴器
との共鳴口間隔Lを、前記の(イ)式においてn=1で
与えられる値にしてある請求項9又は10記載の消音装
置。 - 【請求項12】 消音対象周波数帯域で共鳴する3以上
の共鳴器の共鳴口を、前記風路における音伝播方向で間
隔を隔てて前記風路に開口させ、 これら3以上の共鳴器の群中に、前記上手側共鳴器と前
記下手側共鳴器との関係となる共鳴器対を複数対存在さ
せてある請求項1〜11のいずれか1項に記載の消音装
置。 - 【請求項13】 前記上手側共鳴器と前記下手側共鳴器
との関係となる共鳴器対の複数を、それらの上手側共鳴
口及び下手側共鳴口の夫々が前記風路の周方向に分散し
て位置する状態に設けてある請求項1〜12のいずれか
1項に記載の消音装置。 - 【請求項14】 前記風路を形成する管体とこの管体の
周部を囲う壁体との間に両端閉塞の環状室を形成すると
ともに、この環状室を前記風路に連通させる孔を前記管
体に形成して、前記環状室を共鳴室とし、かつ、前記孔
を共鳴口とする共鳴器を形成し、 この共鳴器を前記管体の長手方向に並設して、前記上手
側共鳴器と前記下手側共鳴器との関係の共鳴器対を形成
してある請求項1〜13のいずれか1項に記載の消音装
置。
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1997
- 1997-01-21 JP JP9008195A patent/JP2944552B2/ja not_active Expired - Fee Related
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