JP6936663B2 - 余韻性付与香気成分の探索方法 - Google Patents

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本発明は、飲料に余韻性香気を付与する香気成分の探索方法に関する。
また、本発明は当該探索方法に基づいて、飲料に余韻性香気を付与する香料組成物とその製造方法、並びに当該香料組成物を添加した余韻性香気が付与された飲料、特にコーヒー飲料、茶飲料及びビールテイスト飲料に関する。
近年、消費者の嗜好性が多様化したことに伴い、各種各様の商品開発が望まれている。特に、飲料業界はそうした傾向が強く、消費者の嗜好に合うバラエティーに富んだ飲料の開発・販売が強く要望されている。こうした要望に伴って、飲料の一原料素材である香料組成物においても、従来にない新しい製品開発に期待が寄せられている。
飲料用の香料組成物に関しては、嗜好性の高いユニークな香気を有することに加え、最近では飲料を飲む際だけでなく、飲んだ後に口中に残る馥郁とした香りを付与するような新規な香料開発が求められている。例えば、飲んだ後に口中に残る馥郁とした香りは、香りの余韻ともいい、コーヒーや茶飲料などの嗜好飲料、さらにはビールなどのアルコール飲料において非常に重要な要素である。
焙煎嗜好飲料へ「余韻」を付与する添加剤としては、ワインラクトンを含んでなる焙煎嗜好飲料の改善剤が提案されている(特許文献1)。
また、茶飲料においては、イソオイゲノールを含有する茶飲料の香味改善剤が、茶飲料の華やかさをともなった余韻、旨味と滋味の濃厚感呈味の複雑さを増加させることが提案されている(特許文献2)。
さらに、容器詰茶飲料においては、香気成分としてヨノン類とピラジン類を特定比率で含有し、かつ特定の微粒子を含有することで、高級緑茶のような甘い香りや、飲み応えと余韻を感じさせることが提案されている(特許文献3)。
またさらに、ビールテイスト飲料への余韻性付与については、2−アセチル−2−チアゾリンを使用することが提案されている(特許文献4)。
一方、飲食品一般に用いられる技術としては、S−(4−メチル−2−ペンタノン−4−イル)グルタチオンまたはS−(4−メチル−2−ペンタノン−4−イル)システインが、口腔中で酵素分解により徐々に香気を発生することにより持続性香気付与剤として機能し、飲食物の良質な香気の持続性を向上させ、所謂余韻を感じさせることが提案されている(特許文献5)。
しかしながら、上記の余韻性向上のための技術は、研究者の深い経験と試行錯誤により見出されたものであり、誰でもが容易に見出すことは困難であった。
香気成分の特性を評価する方法としては、例えば、香気を発する香料化合物を含有する飲食品の飲食中に口から鼻に抜けて鼻より排出される飲食時間0〜t1の香気成分及び飲食時間0〜t2(t1<t2)の香気成分をそれぞれ捕集し、時間0〜t1の香気成分量を、ガスクロマトグラフを用いて測定したときのピーク面積値をA1、時間0〜t2の香気成分量を、ガスクロマトグラフを用いて同様の条件で測定したときのピーク面積値をA2としたとき、A2/A1<t2/t1である香料化合物を飲食開始時の拡散性香気を発現する初発性香料化合物として位置づけ、一方、A2/A1>t2/t1である香料化合物を、長期持続性香気を発現する持続性香料化合物として位置づけることを特徴とする飲食品用香料化合物の香気発現特性の評価方法(特許文献6)や、固形状又は液状食品に含まれる香気成分の香気発現特性の評価方法であって、温度が50〜70℃である固形状又は液形状食品を飲食後に口腔内から鼻腔内に抜けて鼻孔より排出される咀嚼時間0〜t間の呼気を捕集して当該呼気中の香気成分Aをガスクロマトグラフィーで測定したときの香気成分Aのピーク面積値をa1とし、一方、前記固形状又は液形状食品の温度を0〜10℃に変更する以外は同様の条件で捕集した呼気中の香気成分Aを同様の条件にてガスクロマトグラフィーで測定したときの香気成分Aのピーク面積値をa2としたとき、a1/a2が1.3以上である場合に香気成分Aをホット飲食品特有の拡散性香気成分として位置付けることを特徴とする香気成分の香気発現特性の評価方法(特許文献7)などが提案されているが、飲食品の経時的な風味の変化に寄与する香気成分の探索方法としては改善の余地があった。
特開2009−296951号公報 特開2015−057980号公報 特開2016−039789号公報 特開2016−086792号公報 特開2011−094044号公報 特開2009−031138号公報 特開2016−045156号公報
Flavours and Fragrances, pp. 171-182, 1997
本発明の課題は、従来の評価方法における問題点を改善し、飲んだ後に口中に残る馥郁とした香りを付与するために有用な余韻性付与香気成分と、そうした香りの余韻に寄与しない香気成分とを簡便、客観的かつ効率的に分別し、有用な余韻性付与香気成分を容易に探索できる方法を提供することである。
さらに、当該探索方法に基づいて、飲料に余韻性を付与する香料組成物とその製造方法、並びに当該香料組成物を添加した余韻性香気が付与された飲料、特にコーヒー飲料、茶飲料及びビールテイスト飲料を提供することでもある。
本発明者らは、上述した課題を解決するために、飲料、特にコーヒー、茶飲料(紅茶、緑茶など)、さらにはビールテイスト飲料などを対象に、飲料に含まれる各種香気成分の発現特性について詳細に検討した。
飲料を飲用中に口腔内から鼻腔内に抜ける香気が、人間が知覚する香りに最も近く、知覚する香りの強さは口腔内から鼻腔内に抜ける香気成分濃度に比例する関係にあることが報告されている(非特許文献1)。
そこで、本発明者らは、口腔内から鼻腔内に抜ける口腔内香気成分を捕集して測定すれば実際の感覚に最も近い分析が可能となり、香気成分の新たな探索手法を構築できると発想した。
具体的には、口腔から鼻腔を経て鼻孔から排出される呼気に含まれる香気成分を多孔性樹脂吸着剤に吸着させ、その吸着成分を加熱脱着法により抽出してガスクロマトグラフィーで測定することで低濃度の香気成分までも正確に測定することが可能となる。
なお、前掲特許文献6の評価方法は、同様の考え方に基づくものであり、チューインガム用の香料化合物に関して、口腔での香気の発現特性(初発性と持続性)を簡便、客観的かつ効率的に評価する方法である。また前掲特許文献7の評価方法も、同様の考え方に基づくものであり、飲食品用の香料化合物に関して、口腔での香気の発現特性(ホット感)を簡便、客観的かつ効率的に評価する方法である。
上記の発想に基づき、まず通常のコーヒーメーカーで淹れるようなコーヒー、具体的には粉砕したコーヒー豆をコーヒーフィルターに載せその上から温水を注いで作るコーヒー抽出液(以下「ドリップコーヒー」と記載)をサンプルとして、被験者が飲用した後に鼻孔から排出されるコーヒー香気成分の測定を行い、多くのデータを収集して解析した。
その結果、測定結果の再現性については、飲用後、1呼吸目、並びに2呼吸目及び3呼吸目に鼻腔から排出されるドリップコーヒーの香気成分をガスクロマトグラフィー(GC)にて測定したときのピーク面積値に再現性があり、さらに、これらのピーク面積値の比率に被験者間のバラツキがほとんど無いことを確認した。
飲料を飲用した後に被験者の口から抜けて鼻より排出される香気成分量をガスクロマトグラフィーにて測定して得られるピーク面積値の比は、目的とする香料組成物を調合する際の各香気成分の数値化された指標として利用することができる。
つまり、ピーク面積値の比は、口腔における飲料香気成分の発現特性を表し、このピーク面積比に基づいて各種香気成分を調合することで、余韻性香気を付与するような飲料用の香料組成物の提供が可能となるのである。そして、本発明者らはこの手法がドリップコーヒーのみならず、茶類(紅茶、緑茶など)やビールテイスト飲料など、余韻性を重視する飲料一般に応用できることをも見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
〔1〕飲料に含まれる余韻性付与香気成分の探索方法であって、
飲料を飲用後に口腔内から鼻腔内に抜けて鼻孔より排出される1回目の呼気を捕集して当該呼気中の香気成分Aをガスクロマトグラフィーで測定したときの香気成分Aのピーク面積値をa1とし、
一方、前記飲料を飲用後に口腔内から鼻腔内に抜けて鼻孔より排出される2回目及び3回目の呼気を捕集して当該呼気中の香気成分Aを同様の条件にてガスクロマトグラフィーで測定したときの香気成分Aのピーク面積値をa2としたとき、
a2/a1が1.5以上である香気成分Aを飲料の余韻性付与香気成分とすることを特徴とする余韻性付与香気成分の探索方法。
〔2〕捕集した呼気を多孔性樹脂吸着剤で吸着処理し、吸着した成分を加熱脱着法により抽出してガスクロマトグラフィーに導入し測定する前記探索方法。
〔3〕前記探索方法で探索された余韻性付与香気成分を含有することを特徴とする飲料用香料組成物。
〔4〕香料化合物総量のうち余韻性付与香気成分の含有量合計が10質量%以上を占めることを特徴とする前記飲料用香料組成物。
〔5〕飲料が、コーヒー飲料、茶飲料又はビールテイスト飲料であることを特徴とする前記飲料用香料組成物。
〔6〕前記飲料用香料組成物を0.0001質量%〜10質量%添加したことを特徴とする余韻性香気が付与された飲料。
〔7〕前記飲料用香料組成物を0.0001質量%〜10質量%添加したことを特徴とする余韻性香気が付与されたコーヒー飲料、茶飲料又はビールテイスト飲料。
〔8〕前記探索方法で余韻性付与香気成分であると位置付けられた成分を添加することを特徴とする、余韻性が付与された飲料用香料組成物の製造方法。
本発明の探索方法によれば、飲料において好ましい余韻性香気の発現を再現するために有用な香料成分を、従来のようにフレーバリストの経験と試行錯誤に頼ることなく簡便、客観的かつ効率的に探索することができる。
また、本発明の評価方法に基づき評定された好ましい余韻性香気を付与することに優れた香料成分を使用することによって、馥郁とした香りと口中に残る余韻性香気を付与できる飲料用香料組成物、当該香料組成物が配合されたコーヒー、並びに紅茶、緑茶等の茶飲料や、ビールテイスト飲料などを効率的に製造することができる。
以下、本発明を実施の形態に即して詳細に説明する。
〔1〕余韻性付与香気成分の探索方法
(1)呼気の捕集方法
コーヒー、紅茶、烏龍茶、緑茶、ココア、レモネードや甘酒などの飲料は口腔内での滞留時間が非常に短いため、前掲の特許文献6のように、時間単位で捕集することは適当でない。飲料については、被験者が飲用後に口腔内から鼻腔内に抜けて鼻孔より排出される1〜n回の呼気総量を捕集する。呼気の回数は飲料の種類や温度によるが、例えば、コーヒーについては多くとも1〜10回までの呼気総量が捕集の対象となるが、実際には飲用後1〜3回目での呼気の捕集が重要である。
なお、被験者が安静時の通常の呼吸状態、座位姿勢での呼気を捕集することが好ましく、呼吸回数は10〜20回/分が好適である。
また、飲用する量は、通常の飲用で容器から口腔内に注がれる量すなわち一口分、具体的には10〜50mLが好適である。
(2)吸着剤処理
ガスクロマトグラフィーに注入し測定する前の処理として、捕集した呼気を多孔性樹脂吸着剤で吸着処理し、吸着した成分を加熱脱着法により抽出することが香気成分の検出感度向上の観点から好ましい。
具体的には、被験者の鼻孔より排出される呼気をポンプで吸引しながら多孔性樹脂吸着剤が充填されたガラス管に導入して吸着処理を行い、吸着された香気成分を窒素パージしてから加熱脱着法(TDU/CIS)により抽出してガスクロマトグラフィー測定の対象とする。
多孔性樹脂吸着剤としては、2,6−ジフェニル−p−フェニレンオキシドをベースとする弱極性のポーラスポリマービーズ、例えばジーエルサイエンス株式会社製の「TENAX TA」を例示することができる。
(3)ガスクロマトグラフィーによる測定
捕集した呼気又は吸着剤処理して得られた抽出成分をガスクロマトグラフィーの試料注入部からカラムに導入する。質量分析計を装備したガスクロマトグラフィーを使用すれば効率的な測定を行うことができ、そのような装置として例えば、アジレント・テクノロジー株式会社製の「GC6890NネットワークGC」を例示することができる。
試験飲料における1回目の呼気を測定したときのピーク面積値をa1とし、同一の条件で2回目及び3回目を併せた呼気を測定したときのピーク面積値をa2とする。
特定の香気成分について、ガスクロマトグラフィー測定によって得られた二つのピーク面積値の比(a2/a1)が、その香気成分の余韻性香気をもたらす優れた香気の発現特性に直結すると仮定し、各成分の官能における余韻性香気の評価を併せて検討した。
本発明者らは、そのピーク面積比(a2/a1)の値と、試験飲料特有の口中に残る馥郁とした香り、すなわち余韻性香気との関係について多数の実験データを収集して詳細に検討した。その結果、上記評価方法におけるピーク面積比1.5の香気成分が飲料に余韻性香気を付与するか否かの境界値として適切であり、ピーク面積比が1.5以上の飲料香気成分を余韻性付与香気成分と特定した。従って、当該探索方法によるピーク面積比が1.5未満の飲料香気成分は、余韻性香気の付与に大きく関与しない香気成分と特定することができる。
〔2〕飲料用香料組成物
本発明の飲料用香料組成物は、前述の探索方法により飲料に余韻性を付与する香気成分として位置付けられた成分を必須成分として添加する香料組成物である。
香料組成物中において、飲料に余韻性香気を付与する香気成分の含有量合計は、その目的、飲料素材あるいは香料組成物の種類によって異なるものの、一般的には、溶剤などを除く有効香料成分の総量の10質量%以上であることが好ましく、特に30質量%〜90質量%であることが好ましい。10質量%未満では飲料に余韻性が十分感じられない場合があり、一方90質量%を超えた場合は飲料に余韻性は感じられるが、香気のバランスが崩れて違和感を生じる可能性がある。
本発明の飲料用香料組成物には、飲料に優れた余韻性香気を付与する香気成分の他に、オレンジ、レモン、アップル、バナナ、ミント、バニラなどから得られる従来公知の食品用天然香料成分等を必要に応じて適宜配合することができる。
本発明の飲料用香料組成物は、果実飲料、紅茶飲料、緑茶飲料、ウーロン茶飲料のような茶飲料類、酒類、乳飲料類、炭酸飲料類のような飲料類に用いられるほか、当該飲料の風味が付与される、アイスクリーム類、シャーベット類、アイスキャンディー類のような冷菓類、ヨーグルト類、チーズ類のような発酵乳製品、和洋菓子類、焼菓子類、ジャム類、チューインガム類、パン類、プリン類、ゼリー類、ババロア類、ムース類のようなデザート類、各種インスタント食品類、各種スナック食品類、パン類や麺類、おにぎりや総菜類、冷凍食品などに添加することができる。なかでも、コーヒー飲料、各種茶飲料、ココア飲料などの嗜好飲料や、ビールテイストアルコール飲料、ビールテイストノンアルコール飲料などのビール様飲料に添加することで、優れた余韻性香気が付与されるように香気の発現が制御された飲料を提供することができる。
本発明の飲料用香料組成物の飲料への添加量は、一般的には0.0001質量%〜10質量%、好ましくは0.001質量%〜1.0質量%である。
〔3〕コーヒー飲料用香料組成物
本発明のコーヒー飲料用香料組成物は、本発明の探索方法により、a2/a1が1.5以上の値を示す香気成分を10質量%以上、好ましくは30質量%〜90質量%含有するものであり、当該香気成分としては、例えば3−ヒドロキシ−2−ブタノン、2−エチル−3−メチルピラジン、2,6−ジメチルピラジン、2−エチルピラジン、2,5−ジメチルピラジン、2−メチルピラジン、2,3−ジメチルピラジン、2−アセチルフラン、フルフリルピロール、2−メトキシフェノールが挙げられる。
本発明のコーヒー飲料用香料組成物には、前記の飲料に優れた余韻性香気を付与する香気成分の他に、バニラ、ミルク、チコリなどから得られる従来公知の食品用天然香料成分等を配合することができる。
本発明のコーヒー飲料用香料組成物を、コーヒー風味を有する飲料に添加する場合の添加量は0.0001質量%〜10質量%、好ましくは0.001質量%〜1.0質量%である。
コーヒー風味を有する飲料としては、コンビニエンスストア等の店舗や自動販売機で販売される、缶入り、プラスチック容器入り、瓶入り、紙パック入りのブラックコーヒー、ミルクや砂糖入りのコーヒー飲料、カフェオレ、カフェラテ、コーヒー牛乳などを例示できる。その他に、当該飲料の風味が付与されるコーヒーゼリー、コーヒーケーキ、コーヒー味の豆乳などに添加することもできる。
〔4〕茶飲料用香料組成物
本発明の茶飲料用香料組成物は、本発明の探索方法により、a2/a1が1.5以上の値を示す香気成分を10質量%以上、好ましくは30質量%〜90質量%含有するものであり、当該香気成分としては、例えば紅茶飲料においてはβ−ダマセノン、リナロール、シス−リナロールオキサイド、β−イオノン、トランス−リナロールオキサイドが挙げられる。
本発明の茶飲料用香料組成物には、前記の飲料に優れた余韻性香気を付与する香気成分の他に、ジャスミン、ナツメグ、バニラなどから得られる従来公知の食品用天然香料成分等を配合することができる。
本発明の茶飲料用香料組成物を、茶風味を有する飲料に添加する場合の添加量は0.0001質量%〜10質量%、好ましくは0.001質量%〜1.0質量%である。
茶風味を有する飲料としては、例えば紅茶風味であればコンビニエンスストア等の店舗や自動販売機で販売される、缶入り、プラスチック容器入り、瓶入り、紙パック入りの無糖紅茶飲料、ミルクや砂糖入りの紅茶飲料、紅茶オレ、紅茶ラテ、紅茶牛乳などを例示できる。その他に、当該飲料の風味が付与される紅茶ゼリー、紅茶ケーキ、紅茶味の豆乳などに添加することもできる。
〔5〕ビールテイスト飲料用香料組成物
本発明のビールテイスト飲料用香料組成物は、本発明の探索方法により、a2/a1が1.5以上の値を示す香気成分を10質量%以上、好ましくは30質量%〜90質量%含有するものであり、当該香気成分としては、例えば2−フェニルエチルアルコールが挙げられる。
本発明のビールテイスト飲料用香料組成物には、前記の飲料に優れた余韻性香気を付与する香気成分の他に、ホップ、麦芽、柑橘果実などから得られる従来公知の食品用天然香料成分等を配合することができる。
本発明のビールテイスト飲料用香料組成物を、ビール風味を有する飲料に添加する場合の添加量は0.0001質量%〜10質量%、好ましくは0.001質量%〜1.0質量%である。
なお、本発明でいうビールテイスト飲料とはビール風味を有する飲料をいい、アルコール飲料及びノンアルコール飲料を含む。具体的には、発酵ビール風味飲料や非発酵ビール風味飲料及びこれらの飲料に柑橘系風味などの風味を加味した飲料をいう。
次に、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
熟練した被験者がドリップコーヒーを一口で30mL飲用し、飲み込んだ後に鼻孔より排出される1呼吸目の呼気をポンプで吸引して捕集し、100mgの多孔性樹脂吸着剤(ジーエルサイエンス株式会社製「TENAX TA」)で吸着処理した。
次いで、この吸着剤に吸着された香気成分を、窒素パージ(100ml/分、30分間)してから、加熱脱着法(TDU/CIS)により抽出し、質量分析計を装備したガスクロマトグラフ(アジレント・テクノロジー株式会社製「GC6890NネットワークGC」)へ導入し、ドリップコーヒーを飲用した場合の各香気成分のピーク面積値(a1)を測定した。
<測定条件>
TDU(Twister Desorption Unit)
加熱脱着温度 280℃
加熱脱着時間 3分間
昇温条件 20℃ - 280℃, 720℃/min
Split比 splitless
CIS(Cooled Injection System)
トラップ温度 -150℃
昇温条件 -150℃ - 260℃ (3min hold), 720℃/min
Split比 splitless
GC (Gas Chromatograph)
Column : DB-WAX (0.25mm i.d.×30m, film thickness 0.25μm)
Carrier gas : He (1.0mL/min)
Oven temp. : 30℃(3min hold) – 120℃, 3℃/min. - 230℃, 5℃/min.
Detector : MS(アジレント・テクノロジー株式会社製「5975B inert XL」)
さらに、飲用後の2回目と3回目を併せた呼気の各香気成分のピーク面積値(a2)を同様の方法で測定した。
次いで、1回目の呼気から検出された香気成分のピーク面積値(a1)、並びに2回目と3回目を併せた呼気から検出された香気成分のピーク面積値(a2)から、それぞれの香気成分のピーク面積比(a2/a1)を算出して表1に示すとともに、香気成分の香気特性を評価した。なお、算出したピーク面積比は、同じ測定を4回繰り返した測定値の平均値である。
Figure 0006936663
[試験例1]
香気特性の評価は、ドリップコーヒーを水で2倍に希釈したブラックコーヒーに、表1に記載した香気成分を1成分ずつ添加してその効果を確認した。
評価は熟練したパネル5名により、香気の余韻特性を評価した。その結果、表1に示されたとおり、当該探索方法におけるピーク面積値が1.5以上の香気成分を添加した場合にドリップコーヒーの好ましい余韻性がより強く感じられた。
こうした傾向は、香気成分を捕集する呼吸数を1呼吸目並びに2〜3呼吸目に分けた場合以外においても当てはまり、ピーク面積比(a2/a1)が大きいほどその効果は顕著に感じられた。
[参考例1]
下記表2の処方に従って、当該探索方法によるピーク面積比(a2/a1)が1.5未満を示し、ドリップコーヒーの好ましい香りの余韻性につながる香気特性の認められなかった各種香気成分を常法により混合してコーヒー飲料用香料組成物を調製した。
Figure 0006936663
[実施例2]
下記表3の処方に従って、当該評価方法によるピーク面積比(a2/a1)が1.5以上を示したドリップコーヒーの好ましい余韻性香気の発現に優れた各種香気成分を常法により混合してコーヒーに余韻性香気を付与する香料組成物を調製した。
Figure 0006936663
[実施例3〜8]
下記表4の処方に従って、表2のコーヒー用香料組成物、表3のコーヒーに余韻性香気を付与する香料組成物を常法により混合して、実施例3〜8の香料組成物を調製した。
Figure 0006936663
[実施例9〜14]
ドリップコーヒーを水で2倍に希釈したブラックコーヒーに、実施例3〜8で調製した香料組成物を0.1質量部添加し、よく撹拌して実施例9〜14のブラックコーヒーを調製した。
[試験例2]
実施例9〜14の香料組成物を添加したブラックコーヒーについて5名の熟練したパネリストにより香気を7段階で評価した。評価基準は以下のとおりであり、表5にはパネリスト5人の単純平均値を記載した。ブラックコーヒーに余韻性香気を付与する香気成分を含まない参考例1の香料組成物が付香されたブラックコーヒーを対照とし、余韻特性の評価を4.0の点数に設定し、各パネリストはそれを基準に実施例9〜14を比較評価する方法を採用した。結果を表5に示した。
評価点1:非常に弱い
同 2:かなり弱い
同 3:少し弱い
同 4:どちらとも言えない
同 5:少し強い
同 6:かなり強い
同 7:非常に強い
Figure 0006936663
表5の結果から、パネリストの全員が対照品と比べて、実施例9〜14の方が、ドリップコーヒーの好ましい余韻性香気が強く感じられたと評価し、さらに、実施例10〜14の方がよりドリップコーヒーらしい香気のボリュームが強まったと評価した。
[実施例15]
被験者が紅茶抽出液を一口で30mL飲用した後、1回目の呼気を捕集した場合の香気成分のピーク面積値(a1)、並びに2回目と3回目を併せた呼気を捕集した場合の香気成分のピーク面積値(a2)を測定し、それぞれの香気成分のピーク面積比(a2/a1)を算出し、表6に示すとともに、各香気成分の余韻特性を評価した。なお、算出したピーク面積比は、同じ測定を4回繰り返した測定値の平均値である。
Figure 0006936663
[試験例3]
香気特性の評価は、紅茶抽出液に、表6に記載した香気成分を1成分ずつ添加してその効果を確認した。
その結果、当該探索方法におけるピーク面積値が1.5以上の香気成分を添加した場合に紅茶の好ましい余韻性がより強く感じられた。こうした傾向は、香気成分を捕集する呼吸数を1呼吸目並びに2〜3呼吸目に分けた場合以外においても当てはまり、ピーク面積比(a2/a1)が大きいほどその効果は顕著に感じられた。
[実施例16]
被験者がビールを一口で30mL飲用した後、1回目の呼気を捕集した場合の香気成分のピーク面積値(a1)、並びに2回目と3回目を併せた呼気を捕集した場合の香気成分のピーク面積値(a2)を測定し、それぞれの香気成分のピーク面積比(a2/a1)を算出し、表7に示すとともに、各香気成分の余韻特性を評価した。なお、算出したピーク面積比は、同じ測定を4回繰り返した測定値の平均値である。
Figure 0006936663
[試験例4]
香気特性の評価は、市販のビールテイスト飲料に、表7に記載した香気成分を1成分ずつ添加してその効果を確認した。
その結果、当該探索方法におけるピーク面積値が1.5以上の香気成分を添加した場合にビールの好ましい余韻性がより強く感じられた。こうした傾向は、香気成分を捕集する呼吸数を1呼吸目並びに2〜3呼吸目に分けた場合以外においても当てはまることを確認した。
本発明によれば、飲料に余韻性を付与するために有用な余韻性付与香気成分を簡便、客観的かつ効率的に判別できる探索方法を提供することができる。

Claims (6)

  1. 飲料に含まれる余韻性付与香気成分の探索方法であって、
    飲料を飲用後に口腔内から鼻腔内に抜けて鼻孔より排出される1回目の呼気を捕集して当該呼気中の香気成分Aをガスクロマトグラフィーで測定したときの香気成分Aのピーク面積値をa1とし、
    一方、前記飲料を飲用後に口腔内から鼻腔内に抜けて鼻孔より排出される2回目及び3回目の呼気を捕集して当該呼気中の香気成分Aを同様の条件にてガスクロマトグラフィーで測定したときの香気成分Aのピーク面積値をa2としたとき、
    a2/a1が1.5以上である香気成分Aを飲料の余韻性付与香気成分とすることを特徴とする余韻性付与香気成分の探索方法。
  2. 捕集した呼気を多孔性樹脂吸着剤で吸着処理し、吸着した成分を加熱脱着法により抽出してガスクロマトグラフィーに導入し測定する請求項1に記載の探索方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の探索方法で探索された余韻性付与香気成分を10質量%以上含有する飲料用香料組成物を0.0001質量%〜10質量%添加することを特徴とする、飲料への余韻性香気付与方法。
  4. 余韻性付与香気成分が3−ヒドロキシ−2−ブタノン、2−エチル−3−メチルピラジン、2,5−ジメチルピラジン、2,6−ジメチルピラジン、2−エチルピラジン、2−メチルピラジン、2,3−ジメチルピラジン、2−アセチルフラン、フルフリルピロール及び2−メトキシフェノールからなる群より選ばれた少なくとも1種であり、飲料がコーヒー飲料であることを特徴とする、請求項3記載の飲料への余韻性香気付与方法。
  5. 余韻性付与香気成分がβ−ダマセノン、リナロール、シス−リナロールオキサイド、β−イオノン及びトランス−リナロールオキサイドからなる群より選ばれた少なくとも1種であり、飲料が紅茶飲料であることを特徴とする、請求項3記載の飲料への余韻性香気付与方法。
  6. 余韻性付与香気成分が2−フェニルエチルアルコールであり、飲料がビールテイスト飲料
    であることを特徴とする、請求項3記載の飲料への余韻性香気付与方法。
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