JP2023157676A - 香料組成物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】作製した香料組成物を賦香した飲食品を喫食又は喫飲した時に、分析対象物の喫食時又は喫飲時の感覚を想起させる事ができるような香料組成物の製造方法であり、ヒトを使って得た科学的、客観的なデータに基づいて香気成分配合量を調整するという香料組成物の製造方法を提供すること。【解決手段】分析対象物のレトロネーザルアロマ(RA)についてGC分析を行う工程1と、GC分析の結果からRA中の複数の香気成分の検出割合tを算出して、香気成分を含有する第1香料組成物を得る工程2と、第1香料組成物を含有するモデル飲食品1を調製する工程3と、モデル飲食品1を喫食又は喫飲する際に得られるRAについてGC分析を行う工程4と、工程4のGC分析の結果から工程4のRA中の複数の香気成分の検出割合1を算出する工程5と、検出割合1を検出割合tに近づけるように第1香料組成物の組成を調整し、第2香料組成物を得る工程6と、工程3~6を繰り返し行い、検出割合tと一致する香気バランスを有する最終香料組成物を得る工程7と、を有する、香料組成物の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、香料組成物の製造方法に関する。
消費者の飲食品に対する嗜好の多様化により、嗜好の多様性に応えるような飲食品の開発が求められている。また、本物の飲食品を喫食、喫飲している時の感覚を再現できるような香料組成物の開発が求められている。このような時代の流れに伴い、従来品には存在しない特性を有した香料組成物の開発が課題となっている。
従来、飲食品用の香料組成物は、飲食品の香気分析結果等を参考にしながら、香料組成物の評価に熟練したフレーバリストの経験、感性に基づいて開発されている。飲食品の香料分析は、例えば、飲食品のヘッドスペースを漂う香気成分を、吸着剤を用いて捕集して濃縮する方法や、飲食品から有機溶剤で香気成分を抽出した後、蒸留処理等によって香気成分を濃縮する方法により、香気濃縮物を作製し、ガスクロマトグラフィー分析を行うことで、香気成分情報を取得することができる。
このような飲食品用の香料組成物に関する従来技術として、分析対象物の飲食品を喫食又は喫飲した時に鼻から抜ける呼気であるレトロネーザルアロマに着目する方法が知られている。例えば、特許文献1~2は、呼気に含まれる香気成分を、ガスクロマトグラフィー等を用いて分析し、香気発現特性を評価する方法や、ユニークな特徴づけをするための香気成分を探索する方法を開示している。特許文献3は、飲料喫飲後の唾液に残存した香気成分を「残り香」と定義し、残り香で特徴的な香気成分群を配合した香料組成物を添加することで、飲料にボリューム感を付与する方法が提案されている。特許文献4は、基剤に人工唾液を含有する口腔内モデル環境溶液と、人工唾液を含有しない非口腔内環境溶液に香料組成物を投入し、揮散する香気成分をそれぞれ捕集して成分分析し、両者の差異から補正値を算出して香料組成物の組成比を補正する香料の調合方法を開示している。
特開2016-045156号公報 特開2019-045243号公報 特開2018-072210号公報 特開2007-236233号公報
しかしながら、上述したような従来の方法では、香料組成物を添加する加工食品は、分析対象物の物性とは大きく異なっていることが多く、分析対象物に内在している香気組成を再現した香料組成物を作製しても、それを賦香した飲食品を喫食した際に分析対象物を喫食しているような感覚を想起させることは困難である。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、作製した香料組成物を賦香した飲食品を喫食又は喫飲した時に、分析対象物の喫食時又は喫飲時の感覚を想起させる事ができるような香料組成物の製造方法であり、ヒトを使って得た科学的、客観的なデータに基づいて香気成分配合量を調整するという香料組成物の製造方法を提供することを解決すべき課題としている。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、香料組成物を添加した加工食品の喫食又は喫飲時のレトロネーザルアロマの香気バランスを、分析対象物を喫食又は喫飲した時のレトロネーザルアロマの香気バランスに合致させることで、分析対象物の飲食品を喫食又は喫飲した時の香味を想起させることができると発想し、レトロネーザルアロマに含まれる複数の香気成分を分析比較及び調合することで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記<1>~<4>に関するものである。
<1>分析対象物を喫食又は喫飲する際に得られるレトロネーザルアロマについてガスクロマトグラフィー分析を行う工程(1)と、
工程(1)のガスクロマトグラフィー分析の結果から工程(1)のレトロネーザルアロマに含まれる複数の香気成分の検出割合tを算出して、前記香気成分を含有する第1の香料組成物を得る工程(2)と、
前記第1の香料組成物を含有するモデル飲食品1を調製する工程(3)と、
前記モデル飲食品1を喫食又は喫飲する際に得られるレトロネーザルアロマについてガスクロマトグラフィー分析を行う工程(4)と、
工程(4)のガスクロマトグラフィー分析の結果から工程(4)のレトロネーザルアロマに含まれる複数の香気成分の検出割合1を算出する工程(5)と、
前記検出割合1を前記検出割合tに近づけるように前記第1の香料組成物の組成を調整し、第2の香料組成物を得る工程(6)と、
工程(3)~(6)と同様の操作を繰り返し行い、前記検出割合tと一致する香気バランスを有する最終香料組成物を得る工程(7)と、
を有する、香料組成物の製造方法。
<2>工程(1)のレトロネーザルアロマについてガスクロマトグラフィーオルファクトメトリー分析を行い、認識される香気成分を前記第1の香料組成物に含有させる工程を有する、<1>に記載の香料組成物の製造方法。
<3>前記ガスクロマトグラフィーオルファクトメトリー分析が、アロマ・エキストラクト・ダイリューション・アナリシス法を用いて香気強度を調整する工程を含む、<2>に記載の香料組成物の製造方法。
<4>工程(1)及び(4)において、前記レトロネーザルアロマを吸着剤に吸着させ、前記吸着したレトロネーザルアロマを脱着させる工程を有する、<1>~<3>のいずれか1つに記載の香料組成物の製造方法。
本発明の香料組成物の製造方法によって、作製した香料組成物を賦香した飲食品を喫食又は喫飲した時に、分析対象物の喫食時又は喫飲時の感覚を想起させる事ができるような香料組成物の製造方法であり、ヒトを使って得た科学的、客観的なデータに基づいて香気成分配合量を調整することができる。
以下、本発明について詳述するが、これらは望ましい実施態様の一例を示すものであり、本発明はこれらの内容に特定されるものではない。
本発明の香料組成物の製造方法は、以下の工程(1)~工程(7)を有する。
[工程(1)]
工程(1)では、分析対象物を喫食又は喫飲する際に得られるレトロネーザルアロマ(Retronasal Aroma)についてガスクロマトグラフィー分析を行う。なお、分析対象物を喫食又は喫飲する前又は後に、ブランクの呼気を分析し、その結果を後述の工程(2)で差し引くことができる。
分析対象物としては、例えば、飲食品等が挙げられる。飲食品は、固形食品であっても飲料であってもよく、その種類は限定されない。具体的には、例えば、桃、リンゴ、葡萄、苺、マンゴー、パイナップル、洋ナシ、梨、キウイ、イチジク、オレンジ、レモン、メロン、スイカ、マスカットなどのフルーツ類;人参、胡瓜、大根、とうもろこしなどの野菜類;ステーキ、焼き肉、ハンバーグ、ハム、などの調理及び加工された肉類;焼き魚、貝の蒸し煮、刺身などの調理された魚介類;アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、氷菓、ヨーグルト、プリン、ゼリー、デイリーデザートなどのデザート類;キャラメル、キャンディー、錠菓、クラッカー、ビスケット、クッキー、パイ、チョコレート、スナック、チューインガムなどの菓子類;あんこ、饅頭、団子、外郎などの和菓子類;味噌汁、和風スープ、洋風スープなどのスープ類;ジャム類;スパイス、風味調味料類;各種インスタント飲料類;各種インスタント食品類;炭酸飲料、清涼飲料、果汁飲料、乳飲料、乳酸菌飲料、ドリンク剤、豆乳、コーヒー、茶飲料などの飲料類;ビール、チューハイ、カクテルドリンク、発泡酒、果実酒、薬味酒などのアルコール飲料類;ビーフシチュー、クリームシチューなどのシチュー類、デミグラスソース、オイスターソース、トマトソース、タルタルソースなどのソース類;ごはん、パン、パスタ、カレーライス、ハヤシライス等を挙げることができる。
レトロネーザルアロマとは、詳しくは飲食品等の分析対象物を喫食又は喫飲する際に、口腔内から鼻腔に抜け前鼻孔から排出される呼気に含まれる香り成分であり、実際に飲食品等の分析対象物を喫食又は喫飲する際にヒトが感じられる風味に密接に関連している。
レトロネーザルアロマを得る方法としては特に限定されないが、例えば、鼻孔より排出された香気成分を吸着剤を用いて捕集する方法等が挙げられる。このとき、レトロネーザルアロマを吸着剤に吸着させ、吸着したレトロネーザルアロマを脱着させる工程を更に設ける。なお、脱着の方法は特に限定されない。
香気成分の吸着剤としては、例えば、2,6-ジフェニル-p-フェニレンオキシドをベースとする弱極性のポーラスポリマービーズ等の多孔性樹脂吸着剤が挙げられる。
ガスクロマトグラフィー(GC;Gas Chromatography)分析は、分析対象(呼気の様な気体)に含まれる各成分を同定、定量する分析方法であり、一般的なガスクロマトグラフ装置を用いて実施可能である。なお、ガスクロマトグラフ装置と質量分析装置の組み合わせにより実施されるガスクロマトグラフィー質量分析(GC/MS;Gas Chromatography /Mass Spectrometry)は、好適に用いられる。
また、工程(1)のレトロネーザルアロマについて、ガスクロマトグラフィーオルファクトメトリー(GC/O;Gas Chromatography / Olfactometry)分析を行い、認識される香気成分を後述の第1の香料組成物に含有させることが好ましい。
GC/Oは、ガスクロマトグラフィー分析に、人の鼻による官能を組み合わせる分析手法である。GC/Oの導入により、実際に分析対象物を喫食又は喫飲時に感じられる風味により近い香気成分の情報を得ることが期待できる。つまり、GC/Oを用いることによって、分析対象物が、ガスクロマトグラフィー分析やガスクロマトグラフィー質量分析では検知し難い微量な香気成分を含む場合において、人が微量な香気成分を検知し、補うことも可能となる。
また、GC/Oが、捕集した香気成分の量を段階的に調整するアロマ・エキストラクト・ダイリューション・アナリシス(AEDA;Aroma Extract Dilution Analysis)法を用いて香気強度を調整する工程を含んでもよい。
アロマ・エキストラクト・ダイリューション・アナリシス法は、A倍(Aは任意の数、n=1、2、3・・・)に試料を希釈してGC/Oを繰り返し行い、分析者の鼻でにおいが感じられなくなる倍率であるFD(Flavor Dilution)ファクターを求める手法である。FDファクターが高い成分ほど、試料の香気に寄与していると評価される。
[工程(2)]
工程(2)では、工程(1)のガスクロマトグラフィー分析の結果から工程(1)のレトロネーザルアロマに含まれる複数の香気成分の検出割合tを算出して、前記香気成分を含有する第1の香料組成物を得る。
ガスクロマトグラフィー分析の結果は、レトロネーザルアロマに含まれる各香気成分のエリア、すなわち香気成分のピークの積分面積の形式で得られる。各香気成分のエリアから各香気成分の検出割合tを算出できる。検出割合tを質量%に換算し、換算した質量%(含有量)を持つ各香気成分を混合することにより、第1の香料組成物とすることもできるが、第1の香料組成物は、工程(1)のレトロネーザルアロマで検出された香気成分群を含有すればよく、特に限定されない。
[工程(3)]
工程(3)では、第1の香料組成物を含有するモデル飲食品1を調製する。
モデル飲食品1における第1の香料組成物の含有量は特に限定されないが、例えば、0.0001~10質量%、好ましくは0.001~1.0質量%である。
また、モデル飲食品1は、第1の香料組成物以外にも、分析対象物の香味を再現するために種々の化合物を含有することができる。モデル飲食品1の調製方法は、特に限定されない。
なお、モデル飲食品1は、固形食品であってもよいし、飲料であってもよい。
[工程(4)]
工程(4)では、モデル飲食品1を喫食又は喫飲する際に得られるレトロネーザルアロマについてガスクロマトグラフィー分析を行う。なお、モデル飲食品1を喫食又は喫飲する前又は後に、ブランクの呼気を分析し、その結果を後述の工程(5)で差し引くことができる。
すなわち、本発明によれば、作製した第1の香料組成物を用いて完成品としての飲食品を得るのではなく、モデル飲食品1について試験者が再び喫食又は喫飲し、得られるレトロネーザルアロマを分析する。
レトロネーザルアロマ及びガスクロマトグラフィー分析については、工程(1)で説明したとおりである。
[工程(5)]
工程(5)では、工程(4)のガスクロマトグラフィー分析の結果から工程(4)のレトロネーザルアロマに含まれる複数の香気成分の検出割合1を算出する。
工程(4)のガスクロマトグラフィー分析の結果は、工程(4)のレトロネーザルアロマに含まれる各香気成分のエリア、すなわち香気成分のピークの積分面積の形式で得られる。各香気成分のエリアから各香気成分の検出割合1を算出できる。
[工程(6)]
工程(6)では、検出割合1を上記検出割合tに近づけるように第1の香料組成物の組成を調整し、第2の香料組成物を得る。
工程(6)においては、検出割合t、すなわち分析対象物由来のレトロネーザルアロマの各香気成分のバランスを参照しながら、第1の香料組成物の各香気成分において量が足りない成分を増加させ、量が過剰な成分を減少させる等の調整を行う。このような調整を経て得られる第2の香料組成物を賦香した飲食品は、第1の香料組成物を賦香した飲食品に比べて元来の分析対象物により近い香味を有することとなる。
[工程(7)]
工程(7)では、工程(3)~(6)と同様の操作を繰り返し行い、検出割合tと一致する香気バランスを有する最終香料組成物を得る。
第2の香料組成物に基づいて再度工程(3)~(6)と同様の操作を繰り返し、第3の香料組成物、更には第4の香料組成物、第5の香料組成物・・の作製を経て、得られた香料組成物の香気バランスが工程(1)により得られる各香気成分の香気バランスと一致する場合、この得られた香料組成物を最終香料組成物とする。
第2の香料組成物の香気バランスが、分析対象物由来のレトロネーザルアロマの香気バランスと一致する場合は、これでプロセスを終了する。なお、工程(7)での「一致」とは、完全な一致のみならず、通常の消費者が納得できる程度に分析対象物の香味と最終香料賦香飲食品の香味が一致している場合も含む。
このようにして、フレーバリストの感覚に頼りすぎることなく、マトリックスの異なる香料賦香飲食品においても、その飲食品を喫飲、喫食した際に、分析対象物を喫食した時の香味を想起させる香料組成物を作製することができる。
本発明の香料組成物の製造方法により製造された香料組成物、及びこれを含有する飲食品は、ターゲットとする分析対象物を喫食又は喫飲した際の香味バランスを再現できているか否かを客観的に評価したうえで、製造している。この手法であれば、熟練したフレーバリストでなくても、分析対象物喫食時の香味を、異なるマトリックスの飲食品(加工飲食品)で比較的容易に再現する事が可能となる。
次に、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]飲料向けリンゴ様香料組成物の製造
<りんご喫食時の呼気捕集>
香気捕集直前に内部標準物質(Nonan-5-one)を香気成分吸着剤(TENAX TA:ゲステル社製)に添加し、一口大にカットしたりんご喫食時及び嚥下後1呼吸目の呼気をエアーポンプで吸引して、香気成分吸着剤に吸着させた。GC/MS用に3回、GC/O用に1回香気捕集した。また、りんご喫食時間と同時間、口腔内に何も入れていない状態で被験者の呼気を捕集し、ブランクの呼気とした。GC/MS用に1回、GC/O用に1回香気捕集した。
<りんご喫食時の呼気のGC/MSによる香気分析>
香気成分吸着剤は、窒素パージ(100mL/分、30分間)してから、Thermal Desorption Unit (TDU)にて加熱脱着後、質量分析計を装備したガスクロマトグラフ(アジレント・テクノロジー株式会社製「GC6890NGC」)へ導入し、りんご喫食時およびブランクの呼気のGC/MS分析を行い、各香気成分のピーク面積値を得た。
[測定機器条件]
TDU(Thermal Desorption Unit)
加熱脱着温度 250℃
加熱脱着時間 5分間
昇温条件 30℃ -250℃, 720℃/分
CIS(Cooled Injection System)
トラップ温度 10℃
昇温条件 10℃ -150℃, 960℃/分 -250℃,720℃/分(15分 hold)
GC(Gas Chromatography)
Column BC-WAX(ジーエルサイエンス株式会社製、0.25mm i.d.×50m, film thickness 0.15μm)
Oven temp.40℃ -200℃,4℃/分 -230℃,20℃/分
Detector MS(アジレント・テクノロジー株式会社製「5977A」)
<りんご喫食時の呼気のGC/Oによる香気分析>
香気成分吸着剤は、窒素パージ(100mL/分、30分間)してから、香気成分をジーエルサイエンス社製ポータブル・サーマル・ディソーバー「Handy TD TD265」でGC-Oポートを装備したガスクロマトグラフへ導入し、りんご喫食時の呼気、及びブランクの呼気のGC/O分析を行った。その結果、GC/O分析のみで検出した香気成分はなかった。
[測定機器条件]
TDU(Thermal Desorption Unit)
加熱脱着温度 250℃
加熱脱着時間 1.5分間
昇温条件 40℃-250℃, 2700℃/分
CIS(Cooled Injection System)
トラップ温度 10℃
昇温条件 10℃ -150℃, 960℃/分 -250℃, 720℃/分(15分 hold)
GC(Gas Chromatography)
Column BC-WAX(ジーエルサイエンス株式会社製、0.25mm i.d.×50m, film thickness 0.15μm)
Oven temp. 70℃ -230℃
Detector FID(アジレント・テクノロジー株式会社製「7980A」)
<第1の香料組成物(リンゴフレーバーA)の作製>
りんご喫食時の呼気の各化合物のGC/MS解析で検出した、各香気成分のエリア値と内部標準物質として使用したNonan-5-oneのエリア値から内標比を算出した。次にブランクの呼気で同様に内標比を算出し、りんご喫食時の内標比から差し引いた。その値を各香気成分のりんご喫食時のレトロネーザルアロマの内標比とした。次にこの内標比からトータルを100%とする検出割合tを算出した。その後この検出割合tを質量%に換算し、溶剤で希釈して第1の香料組成物(リンゴフレーバーA)の処方とした。(表1)
<モデルリンゴ飲料1の作製>
旬の時期に購入した市販のりんごの糖酸分析を実施し、その結果を元に糖酸比を調整した飲料生地を作製した。そこに、第1の香料組成物(リンゴフレーバーA)を0.1質量%賦香したモデルリンゴ飲料1を作製した。また、ブランク測定用に無賦香の飲料を作製した。
<モデルリンゴ飲料1喫飲時の呼気捕集>
りんご喫食時と同様の手法で、モデルリンゴ飲料1及びブランク飲料喫飲時の呼気を捕集した。モデルリンゴ飲料1で3回捕集し、ブランク飲料で1回捕集した。
<モデルリンゴ飲料1喫飲時の呼気のGC/MSによる香気分析>
りんご喫食時の呼気と同様の手法、分析条件でモデルリンゴ飲料1及びブランク飲料喫飲時の呼気のGC/MS分析を行った。
<検出割合1の算出>
<第1の香料組成物(リンゴフレーバーA)の作製>と同様の手法で算出したモデルリンゴ飲料1喫飲時のレトロネーザルアロマの内標比からトータルを100%とする検出割合1を算出した。
<検出割合比較及び官能評価>
表1に示すように、りんご喫食時のレトロネーザルアロマの検出割合tとモデルリンゴ飲料1喫飲時のレトロネーザルアロマの検出割合1を比較すると香気バランスが大きく異なっていた。
また、モデルリンゴ飲料1を喫飲した結果、りんご果実喫食時のフレッシュな香味は不足していた。
<第2の香料組成物(リンゴフレーバーB)の作製>
検出割合1を検出割合tに近づけるために、モデルリンゴ飲料1喫飲時のレトロネーザルアロマの内標比と処方(%)から検量線を作製し、りんご喫食時のレトロネーザルアロマの内標比から第2の香料組成物(リンゴフレーバーB)の処方(%)を算出した(表1)。
<モデルリンゴ飲料2の作製>
上述の飲料生地に、第2の香料組成物(リンゴフレーバーB)を0.1質量%賦香したモデルリンゴ飲料2を作製した。また、ブランク測定用に無賦香の飲料を作製した。
<モデルリンゴ飲料2喫飲時の呼気捕集>
モデルリンゴ飲料1と同様の手法で、モデルリンゴ飲料2及びブランク飲料喫飲時の呼気捕集を行った。
<モデルリンゴ飲料2喫飲時の呼気のGC/MSによる香気分析>
モデルリンゴ飲料1喫飲時の呼気と同様の手法、分析条件でモデルリンゴ飲料2及びブランク飲料喫飲時の呼気のGC/MS分析を行った。
<検出割合2の算出>
検出割合1と同様の手法で算出したモデルリンゴ飲料2喫飲時のレトロネーザルアロマの内標比からトータルを100%とする検出割合2を算出した。
<検出割合比較及び官能評価>
表1に示すように、りんご喫食時のレトロネーザルアロマの検出割合tとモデルリンゴ飲料2喫飲時のレトロネーザルアロマの検出割合2を比較すると香気バランスが若干異なっていた。
また、モデルリンゴ飲料2を喫飲した結果、モデルリンゴ飲料1と比べるとりんご果実喫食時の甘さを伴うフレッシュな香味は上がっているが、まだ不足していた。
<第3の香料組成物(リンゴフレーバーC)の作製>
検出割合2を検出割合tに近づけるために、モデルリンゴ飲料1及びモデルリンゴ飲料2喫飲時のレトロネーザルアロマの内標比と処方(%)から検量線を作製し、りんご喫食時のレトロネーザルアロマの内標比から第3の香料組成物(リンゴフレーバーC)の処方(%)を算出した(表1)。
<モデルリンゴ飲料3の作製>
上述の飲料生地に、第3の香料組成物(リンゴフレーバーC)を0.1質量%賦香したモデルリンゴ飲料3を作製した。また、ブランク測定用に無賦香の飲料を作製した。
<モデルリンゴ飲料3喫飲時の呼気捕集>
モデルリンゴ飲料1喫飲時と同様の手法で、モデルリンゴ飲料3及びブランク飲料喫飲時の呼気捕集を行った。
<モデルリンゴ飲料3喫飲時の呼気のGC/MSによる香気分析>
モデルリンゴ飲料1喫飲時の呼気と同様の手法、分析条件でモデル飲料3及びブランク飲料喫飲時の呼気のGC/MS分析を行った。
<検出割合3の算出>
検出割合1と同様の手法で算出したモデルリンゴ飲料3喫飲時のレトロネーザルアロマの内標比からトータルを100%とする検出割合3を算出した。
<検出割合比較及び官能評価>
表1に示すように、りんご喫食時のレトロネーザルアロマの検出割合tとモデルリンゴ飲料3喫飲時のレトロネーザルアロマの検出割合3を比較すると香気バランスが類似していた。
また、モデルリンゴ飲料3を喫飲した結果、りんご果実喫食時の甘さを伴うフレッシュでみずみずしい香味を想起させた。
<専門パネルによる官能評価>
まず、専門パネル4名によりりんご喫食時の香味を官能評価した。次に、モデルリンゴ飲料3及びモデルリンゴ飲料1喫飲時の香味を官能評価した。モデルリンゴ飲料3及びモデルリンゴ飲料1は、どちらの香料を添加しているかは被験者には開示せず、3桁のランダムな数値を付与して提示した。
その結果、モデルリンゴ飲料3はモデルリンゴ飲料1に比べて、りんご果実喫食時の香味を想起させると全員が回答した。
Figure 2023157676000001
[実施例2]飲料向けブドウ様香料組成物の製造
<ぶどう喫食時の呼気捕集>
りんごと同様の手法でぶどう喫食時の呼気を捕集した。
<ぶどう喫食時の呼気のGC/MSによる香気分析>
りんご喫食時の呼気と同様の分析条件で、ぶどう喫食時及びブランクの呼気のGC/MS分析を行った。
<ぶどう喫食時の呼気のGC/Oによる香気分析>
りんご喫食時の呼気と同様の分析条件で、ぶどう喫食時及びブランクの呼気のGC/O分析を行った。その結果、ぶどう喫食時の呼気でGC/MSでは検出されなかった香気成分の存在とその匂い強度を確認した。
<第1の香料組成物(ブドウフレーバーA)の作製>
りんごと同様の手法でぶどう喫食時のレトロネーザルアロマの内標比を算出し、次にこの内標比からトータルを100%とする検出割合tを算出した。その後この検出割合tを質量%に換算し、そこにGC/O分析のみで検出した成分を加えて更に溶剤で適度に希釈して第1の香料組成物(ブドウフレーバーA)の処方とした。GC/O分析のみで検出した成分の処方の割合は、GC/MSで検出した香気成分の中で処方値が最低の値と同じ割合とした(表2)。
<モデルブドウ飲料1の作製>
旬の時期に購入した市販のぶどうの糖酸分析を実施し、その結果を元に糖酸比を調整した飲料生地を作製した。そこに、第1の香料組成物(ブドウフレーバーA)を0.1質量%賦香したモデルブドウ飲料1を作製した。また、ブランク測定用に無賦香の飲料を作製した。
<モデルブドウ飲料1喫飲時の呼気捕集>
モデルリンゴ飲料1と同様の手法でモデルブドウ飲料1喫飲時の呼気をGC/MS用に3回、GC/O用に1回捕集した。またブランク飲料を用いて同様の手法でGC/MS用に1回、GC/O用に1回捕集した。
<モデルブドウ飲料1喫飲時の呼気のGC/MSによる香気分析>
ぶどう喫食時の呼気と同様の手法、分析条件でモデルブドウ飲料1及びブランク飲料喫飲時の呼気のGC/MS分析を行った。
<モデルブドウ飲料1喫飲時の呼気のGC/Oによる香気分析>
ぶどう喫食時の呼気と同様の手法、分析条件でモデルブドウ飲料1及びブランク飲料喫飲時の呼気のGC/O分析を行った。その結果、モデルブドウ飲料1喫飲時の呼気でGC/O分析のみで検出した成分の存在と、ぶどう喫食時の呼気と同等の匂い強度である事を確認した。
<検出割合1の算出>
<第1の香料組成物(ブドウフレーバーA)の作製>と同様の手法で算出したモデルブドウ飲料1喫飲時のレトロネーザルアロマの内標比からトータルを100%とする検出割合1を算出した。
<検出割合比較及び官能評価>
表2に示すように、ぶどう喫食時のレトロネーザルアロマの検出割合tとモデルブドウ飲料1喫飲時のレトロネーザルアロマの検出割合1を比較すると香気バランスが大きく異なっていた。
また、モデルブドウ飲料1を喫飲した結果、ぶどう果実喫食時のフレッシュな香味は不足していた。
<第2の香料組成物(ブドウフレーバーB)の作製>
検出割合1を検出割合tに近づけるために、モデルブドウ飲料1喫飲時のレトロネーザルアロマの内標比と処方(%)から検量線を作製し、ぶどう喫食時のレトロネーザルアロマの内標比から各香気成分の配合量を算出し、そこにGC/O分析のみで検出した成分を前回と同割合で加え第2の香料組成物(ブドウフレーバーB)の処方(%)とした(表2)。
<モデルブドウ飲料2の作製>
上述の飲料生地に、第2の香料組成物(ブドウフレーバーB)を0.1質量%賦香したモデルブドウ飲料2を作製した。また、ブランク測定用に無賦香の飲料を作製した。
<モデルブドウ飲料2喫飲時の呼気捕集>
モデルブドウ飲料1と同様の手法で、モデルブドウ飲料2及びブランク飲料喫飲時の呼気捕集を行った。
<モデルブドウ飲料2喫飲時の呼気のGC/MSによる香気分析>
モデルブドウ飲料1喫飲時の呼気と同様の手法、分析条件でモデルブドウ飲料2及びブランク飲料喫飲時の呼気のGC/MS分析を行った。
<モデルブドウ飲料2喫飲時の呼気のGC/Oによる香気分析>
モデルブドウ飲料1喫飲時の呼気と同様の手法、分析条件でモデルブドウ飲料2及びブランク飲料喫飲時の呼気のGC/O分析を行った。その結果、モデルブドウ飲料2喫飲時の呼気で、GC/O分析のみで検出した成分の存在と、ぶどう喫食時の呼気と同等の匂い強度である事を確認した。
<検出割合2の算出>
検出割合1と同様の手法で算出したモデルブドウ飲料2喫飲時のレトロネーザルアロマの内標比からトータルを100%とする検出割合2を算出した。
<検出割合比較及び官能評価>
表2に示すように、ぶどう喫食時のレトロネーザルアロマの検出割合tとモデルブドウ飲料2喫飲時のレトロネーザルアロマの検出割合2を比較すると香気バランスが若干異なっていた。
また、モデルブドウ飲料2を喫飲した結果、モデルブドウ飲料1と比べると、ぶどう果実喫食時の甘さを伴うフレッシュな香味は上がっているが、まだ不足していた。
<第3の香料組成物(ブドウフレーバーC)の作製>
検出割合2を検出割合tに近づけるために、モデルブドウ飲料1及びモデルブドウ飲料2喫飲時のレトロネーザルアロマの内標比と処方(%)から検量線を作製し、ぶどう喫食時のレトロネーザルアロマの内標比から各香気成分の配合量を算出し、そこにGC/O分析のみで検出した成分を前回と同割合で加え、第3の香料組成物(ブドウフレーバーC)の処方(%)とした。(表2)
<モデルブドウ飲料3の作製>
上述の飲料生地に、第3の香料組成物(ブドウフレーバーC)を0.1質量%賦香したモデルブドウ飲料3を作製した。また、ブランク測定用に無賦香の飲料を作製した。
<モデルブドウ飲料3喫飲時の呼気捕集>
モデルブドウ飲料1と同様の手法で、モデルブドウ飲料3及びブランク飲料喫飲時の呼気捕集を行った。
<モデルブドウ飲料3喫飲時の呼気のGC/MSによる香気分析>
モデルブドウ飲料1の呼気と同様の手法、分析条件でモデルブドウ飲料3及びブランク飲料喫飲時の呼気のGC/MS分析を行った。
<モデルブドウ飲料3喫飲時の呼気のGC/Oによる香気分析>
モデルブドウ飲料1の呼気と同様の手法、分析条件でモデルブドウ飲料3及びブランク飲料喫飲時の呼気のGC/O分析を行った。その結果、モデルブドウ飲料3喫飲時の呼気でGC/O分析のみで検出した成分の存在と、ぶどう喫食時の呼気と同等の匂い強度である事を確認した。
<検出割合3の算出>
検出割合1と同様の手法で算出したモデルブドウ飲料3喫飲時のレトロネーザルアロマの内標比からトータルを100%とする検出割合3を算出した。
<検出割合比較及び官能評価>
表2に示すように、ぶどう喫食時のレトロネーザルアロマの検出割合tとモデルブドウ飲料3喫飲時のレトロネーザルアロマの検出割合3を比較すると香気バランスが類似していた。
また、モデルブドウ飲料3を喫飲した結果、ぶどう果実喫食時の繊維感と甘さを伴うフレッシュでみずみずしい香味を想起させた。
<専門パネルによる官能評価>
まず、専門パネル4名によりぶどう喫食時の香味を官能評価した。次に、モデルブドウ飲料3及びモデルブドウ飲料1喫飲時の香味を官能評価した。モデルブドウ飲料3及びモデルブドウ飲料1は、どちらの香料を添加しているかは被験者には開示せず、3桁のランダムな数値を付与して提示した。
その結果、モデルブドウ飲料3はモデルブドウ飲料1に比べて、ぶどう果実喫食時の香味を想起させると全員が回答した。
Figure 2023157676000002
[実施例3]飲料向けモモ様香料組成物の製造
<桃喫食時の呼気捕集>
りんごと同様の手法で桃喫食時の呼気を捕集した。
<桃喫食時の呼気のGC/MSによる香気分析>
りんご喫食時の呼気と同様の分析条件で、桃喫食時及びブランクの呼気のGC/MS分析を行った。
<桃喫食時の呼気のGC/Oによる香気分析>
りんご喫食時の呼気と同様の分析条件で、桃喫食時及びブランクの呼気のGC/O分析を行った。その結果、桃喫食時の呼気でGC/MSでは検出されなかった香気成分の存在とその匂い強度を確認した。
<第1の香料組成物(モモフレーバーA)の作製>
りんごと同様の手法で桃喫食時のレトロネーザルアロマの内標比を算出し、次にこの内標比からトータルを100%とする検出割合tを算出した。その後、この検出割合tを質量%に換算し、そこにGC/O分析のみで検出した成分を加えて更に溶剤で適度に希釈し、第1の香料組成物(モモフレーバーA)の処方とした。GC/O分析のみで検出した成分の処方の割合は、GC/MSで検出された香気成分の中で処方値が最低の値と同じ割合とした。(表3)
<モデルモモ飲料1の作製>
旬の時期に購入した市販の桃の糖酸分析を実施し、その結果を元に糖酸比を調整した飲料生地を作製した。そこに、第1の香料組成物(モモフレーバーA)を0.1質量%賦香したモデルモモ飲料1を作製した。また、ブランク測定用に無賦香の飲料を作製した。
<モデルモモ飲料1喫飲時の呼気捕集>
モデルブドウ飲料1と同様の手法でモデルモモ飲料1及びブランク飲料喫飲時の呼気捕集を行った。
<モデルモモ飲料1喫飲時の呼気のGC/MSによる香気分析>
桃喫食時の呼気と同様の手法、分析条件でモデルモモ飲料1及びブランク飲料喫飲時の呼気のGC/MS分析を行った。
<モデルモモ飲料1喫飲時の呼気のGC/Oによる香気分析>
桃喫食時の呼気のGC/Oと同様の手法、分析条件でモデルモモ飲料1及びブランク飲料喫飲時の呼気のGC/O分析を行った。その結果、モデルモモ飲料1喫飲時の呼気でGC/O分析のみで検出した成分の存在と、桃喫食時の呼気と同等の匂い強度である事を確認した。
<検出割合1の算出>
<第1の香料組成物(モモフレーバーA)の作製>と同様の手法で算出したモデルモモ飲料1喫飲時のレトロネーザルアロマの内標比からトータルを100%とする検出割合1を算出した。
<検出割合比較及び官能評価>
表3に示すように、桃喫食時のレトロネーザルアロマの検出割合tとモデルモモ飲料1喫飲時のレトロネーザルアロマの検出割合1を比較すると香気バランスが大きく異なっていた。
また、モデルモモ飲料1を喫飲した結果、桃果実喫食時のフレッシュな香味は不足していた。
<第2の香料組成物(モモフレーバーB)の作製>
検出割合1を検出割合tに近づけるために、モデルモモ飲料1喫飲時の内標比と処方(%)から検量線を作製し、桃喫食時の内標比から各香気成分の配合量を算出し、そこにGC/O分析のみで検出した成分を前回と同割合で加え、第2の香料組成物(モモフレーバーB)の処方(%)とした。(表3)
<モデルモモ飲料2の作製>
上述の飲料生地に、第2の香料組成物(モモフレーバーB)を0.1質量%賦香したモデルモモ飲料2を作製した。また、ブランク測定用に無賦香の飲料を作製した。
<モデルモモ飲料2喫飲時の呼気捕集>
モデルモモ飲料1と同様の手法で、モデルモモ飲料2及びブランク飲料喫飲時の呼気捕集を行った。
<モデルモモ飲料2喫飲時の呼気のGC/MSによる香気分析>
モデルモモ飲料1喫飲時の呼気と同様の手法、分析条件でモデルモモ飲料2及びブランク飲料喫飲時の呼気のGC/MS分析を行った。
<モデルモモ飲料2喫飲時の呼気のGC/Oによる香気分析>
モデルモモ飲料1喫飲時の呼気と同様の手法、分析条件でモデルモモ飲料2及びブランク飲料喫飲時の呼気のGC/O分析を行った。その結果、モデルモモ飲料2喫飲時の呼気で、GC/O分析のみで検出した成分の存在と、桃喫食時の呼気と同等の匂い強度である事を確認した。
<検出割合2の算出>
検出割合1と同様の手法で算出したモデルモモ飲料2喫飲時のレトロネーザルアロマの内標比からトータルを100%とする検出割合2を算出した。
<検出割合比較及び官能評価>
表3に示すように、桃喫食時のレトロネーザルアロマの検出割合tとモデルモモ飲料2喫飲時のレトロネーザルアロマの検出割合2を比較すると香気バランスが若干異なっていた。
また、モデルモモ飲料2を喫飲した結果、モデルモモ飲料1と比べると桃果実喫食時のフレッシュな香味は上がっているが、まだ不足していた。
<第3の香料組成物(モモフレーバーC)の作製>
検出割合2を検出割合tに近づけるために、モデルモモ飲料1喫飲時及びモデルモモ飲料2喫飲時の内標比と処方(%)から検量線を作製し、桃喫食時の内標比から各香気成分の配合量を算出し、そこにGC/O分析のみで検出した成分を前回と同割合で加え、第3の香料組成物(モモフレーバーC)の処方(%)とした。(表3)
<モデルモモ飲料3の作製>
上述の飲料生地に、第3の香料組成物(モモフレーバーC)を0.1質量%賦香したモデルモモ飲料3を作製した。また、ブランク測定用に無賦香の飲料を作製した。
<モデルモモ飲料3喫飲時の呼気捕集>
モデルモモ飲料1と同様の手法で、モデルモモ飲料3及びブランク飲料喫飲時の呼気捕集を行った。
<モデルモモ飲料3喫飲時の呼気のGC/MSによる香気分析>
モデルモモ飲料1喫飲時の呼気と同様の手法、分析条件でモデルモモ飲料3及びブランク飲料喫飲時の呼気のGC/MS分析を行った。
<モデルモモ飲料3喫飲時の呼気のGC/Oによる香気分析>
モデルモモ飲料1喫飲時の呼気と同様の手法、分析条件でモデルモモ飲料3及びブランク飲料喫飲時の呼気のGC/O分析を行った。その結果、モデルモモ飲料3喫飲時の呼気でGC/O分析のみで検出した成分の存在と、桃喫食時の呼気と同等の匂い強度である事を確認した。
<検出割合3の算出>
検出割合1と同様の手法で算出したモデルモモ飲料3喫飲時のレトロネーザルアロマの内標比からトータルを100%とする検出割合3を算出した。
<検出割合比較及び官能評価>
表3に示すように、桃喫食時のレトロネーザルアロマの検出割合tとモデルモモ飲料3喫飲時のレトロネーザルアロマの検出割合3を比較すると香気バランスが類似していた。
また、モデルモモ飲料3を喫飲した結果、桃果実喫食時のとろっとした果肉感を伴うフレッシュでみずみずしい香味を想起させた。
<専門パネルによる官能評価>
まず、専門パネル4名により桃喫飲時の香味を官能評価した。次に、モデルモモ飲料3及びモデルモモ飲料1喫飲時の香味を官能評価した。モデルモモ飲料3及びモデルモモ飲料1は、どちらの香料を添加しているかは被験者には開示せず、3桁のランダムな数値を付与して提示した。
その結果、モデルモモ飲料3はモデルモモ飲料1に比べて、桃果実喫食時の香味を想起させると全員が回答した。
Figure 2023157676000003
[実施例4]飲料向けイチゴ様香料組成物の製造
<いちご喫食時の呼気捕集>
りんごと同様の手法でいちご喫食時の呼気を捕集した。
<いちご喫食時の呼気のGC/MSによる香気分析>
りんご喫食時の呼気と同様の分析条件で、いちご喫食時及びブランクの呼気のGC/MS分析を行った。
<いちご喫食時の呼気のGC/Oによる香気分析>
りんご喫食時の呼気と同様の分析条件で、いちご喫食時及びブランクの呼気のGC/O分析を行った。その結果、いちご喫食時の呼気でGC/MSでは検出されなかった香気成分の存在とその匂い強度を確認した。
<第1の香料組成物(イチゴフレーバーA)の作製>
りんごと同様の手法でいちご喫食時のレトロネーザルアロマの内標比を算出し、次にこの内標比からトータルを100%とする検出割合tを算出した(表4)。その後、この検出割合tを質量%に換算し、そこにGC/O分析のみで検出した成分を加えて更に溶剤で適度に希釈し第1の香料組成物(イチゴフレーバーA)の処方とした。GC/O分析のみで検出した成分の処方の割合は、GC/MSで検出された香気成分の中で処方値が最低の値と同じ割合とした。
<モデルイチゴ飲料1の作製>
旬の時期に購入した市販のいちごの糖酸分析を実施し、その結果を元に糖酸比を調整した飲料生地を作製した。そこに、第1の香料組成物(イチゴフレーバーA)を0.1質量%賦香したモデルイチゴ飲料1を作製した。このモデルイチゴ飲料1は含硫化合物の香りが強く喫飲に不適であった。
<モデルイチゴ飲料2の作製>
イチゴフレーバーAの代わりに、いちご喫食時の呼気解析によって検出された香気成分を含有した表4に示す第2の香料組成物(イチゴフレーバーB)を使用した。上述の飲料生地に、第2の香料組成物(イチゴフレーバーB)を0.1質量%賦香したモデルイチゴ飲料2を作製した。また、ブランク測定用に無賦香の飲料を作製した。
<モデルイチゴ飲料2喫飲時の呼気捕集>
モデルブドウ飲料1と同様の手法で、モデルイチゴ飲料2及びブランク飲料喫飲時の呼気捕集を行った。
<モデルイチゴ飲料2喫飲時の呼気のGC/MSによる香気分析>
いちご喫食時の呼気と同様の手法、分析条件でモデルイチゴ飲料2及びブランク飲料喫飲時の呼気のGC/MS分析を行った。
<モデルイチゴ飲料2喫飲時の呼気のGC/Oによる香気分析>
いちご喫食時の呼気と同様の手法、分析条件でモデルイチゴ飲料2及びブランク飲料喫飲時の呼気のGC/O分析行った。その結果、モデルイチゴ飲料2喫飲時の呼気でGC/O分析のみで検出した成分の存在が確認できなかった。
<検出割合2の算出>
<第1の香料組成物(イチゴフレーバーA)の作製>と同様の手法で算出したモデルイチゴ飲料2喫飲時のレトロネーザルアロマの内標比からトータルを100%とする検出割合2を算出した。
<検出割合比較及び官能評価>
表4に示すように、いちご喫食時のレトロネーザルアロマの検出割合tとモデルイチゴ飲料2喫飲時のレトロネーザルアロマの検出割合2を比較すると香気バランスが大きく異なっていた。
また、モデルイチゴ飲料2を喫飲した結果、いちご果実喫食時のフレッシュな香味は不足していた。
<第3の香料組成物(イチゴフレーバーC)の作製>
検出割合2を検出割合tに近づけるために、モデルイチゴ飲料2喫飲時のレトロネーザルアロマの内標比と処方(%)から検量線を作製し、いちご喫食時のレトロネーザルアロマの内標比から各香気成分の配合量を算出し、そこにGC/O分析のみで検出した成分を前回よりも多い割合で加え、第3の香料組成物(イチゴフレーバーC)の処方(%)とした。(表4)
<モデルイチゴ飲料3の作製>
上述の飲料生地に、第3の香料組成物(イチゴフレーバーC)を0.1質量%賦香したモデルイチゴ飲料3を作製した。また、ブランク測定用に無賦香の飲料を作製した。
<モデルイチゴ飲料3喫飲時の呼気捕集>
モデルイチゴ飲料2と同様の手法で、モデルイチゴ飲料3及びブランク飲料喫飲時の呼気捕集を行った。
<モデルイチゴ飲料3喫飲時の呼気のGC/MSによる香気分析>
モデルイチゴ飲料2喫飲時の呼気と同様の手法、分析条件でモデルイチゴ飲料3及びブランク飲料喫飲時の呼気のGC/MS分析を行った。
<モデルイチゴ飲料3喫飲時の呼気のGC/Oによる香気分析>
モデルイチゴ飲料2喫飲時の呼気と同様の手法、分析条件でモデルイチゴ飲料3及びブランク飲料喫飲時の呼気のGC/O分析を行った。その結果、モデルイチゴ飲料3喫飲時の呼気で、GC/O分析のみで検出した成分の存在と、いちご喫食時の呼気と同等の匂い強度である事を確認した。
<検出割合3の算出>
検出割合2と同様の手法で算出したモデルイチゴ飲料3喫飲時のレトロネーザルアロマの内標比からトータルを100%とする検出割合3を算出した。
<検出割合比較及び官能評価>
表4に示すように、いちご喫食時のレトロネーザルアロマの検出割合tとモデルイチゴ飲料3喫飲時のレトロネーザルアロマの検出割合3を比較すると香気バランスが若干異なっていた。
また、モデルイチゴ飲料3を喫飲した結果、モデルイチゴ飲料2と比べると果実喫食時の甘さを伴うフレッシュな香味は上がっているが、まだ不足していた。
<第4の香料組成物(イチゴフレーバーD)の作製>
検出割合3を検出割合tに近づけるために、モデルイチゴ飲料2及びモデルイチゴ飲料3喫飲時のレトロネーザルアロマの内標比と処方(%)から検量線を作製し、いちご喫食時のレトロネーザルアロマの内標比から各香気成分の配合量を算出し、そこにGC/O分析のみで検出した成分を前回と同割合で加え、第4の香料組成物(イチゴフレーバーD)の処方(%)とした。(表4)
<モデルイチゴ飲料4の作製>
上述の飲料生地に、第4の香料組成物(イチゴフレーバーD)を0.1質量%賦香したモデルイチゴ飲料4を作製した。また、ブランク測定用に無賦香の飲料を作製した。
<モデルイチゴ飲料4喫飲時の呼気捕集>
モデルイチゴ飲料2と同様の手法で、モデルイチゴ飲料4及びブランク飲料喫飲時の呼気捕集を行った。
<モデルイチゴ飲料4喫飲時の呼気のGC/MSによる香気分析>
モデルイチゴ飲料2喫飲時の呼気と同様の手法、分析条件でモデルイチゴ飲料4及びブランク飲料喫飲時の呼気のGC/MS分析を行った。
<モデルイチゴ飲料4喫飲時の呼気のGC/Oによる香気分析>
モデルイチゴ飲料2喫飲時の呼気と同様の手法、分析条件でモデルイチゴ飲料4及びブランク飲料喫飲時の呼気のGC/O分析を行った。その結果、モデルイチゴ飲料4喫飲時の呼気でGC/O分析のみで検出した成分の存在と、いちご喫食時の呼気と同等の匂い強度である事を確認した。
<検出割合4の算出>
検出割合2と同様の手法で算出したモデルイチゴ飲料4喫飲時のレトロネーザルアロマの内標比からトータルを100%とする検出割合4を算出した。
<検出割合比較及び官能評価>
表4に示すように、いちご喫食時のレトロネーザルアロマの検出割合tとモデルイチゴ飲料4喫飲時のレトロネーザルアロマの検出割合4を比較すると香気バランスが類似していた。
また、モデルイチゴ飲料4を喫飲した結果、いちご果実喫食時の甘さを伴うフレッシュでみずみずしい香味を想起させた。
<専門パネルによる官能評価>
まず、専門パネル4名によりいちご喫食時の香味を官能評価した。次に、モデルイチゴ飲料4及びモデルイチゴ飲料2喫飲時の香味を官能評価した。モデルイチゴ飲料4及びモデルイチゴ飲料2は、どちらの香料を添加しているかは被験者には開示せず、3桁のランダムな数値を付与して提示した。
その結果、モデルイチゴ飲料4はモデルイチゴ飲料2に比べて、いちご果実喫食時の香味を想起させると全員が回答した。
Figure 2023157676000004
[実施例5]グミ向けイチゴ様香料組成物の製造
ターゲットとなるいちご喫食時のレトロネーザルアロマの検出割合tは、実施例4(飲料向けイチゴ様香料組成物の製造)に示した手法で得た。
<第1の香料組成物(イチゴフレーバーE)の作製>
イチゴ飲料で開発したイチゴフレーバーDをもとに、全体の力価を強めたイチゴフレーバーEを作製した。(表5)
<モデルイチゴグミ1の作製>
一般的なグミの生地処方に、第1の香料組成物(イチゴフレーバーE)を0.2質量%賦香したモデルイチゴグミ1を作製した。また、ブランク測定用に無賦香のグミを作製した。
<モデルイチゴグミ1喫食時の呼気捕集>
いちご喫食時と同様の手法でモデルイチゴグミ1及びブランクグミ喫食時の呼気を捕集した。
<モデルイチゴグミ1喫食時の呼気のGC/MSによる香気分析>
いちご喫食時の呼気と同様の手法、分析条件でモデルイチゴグミ1及びブランクグミ喫食時の呼気のGC/MS分析を行った。
<モデルイチゴグミ1喫食時の呼気のGC/Oによる香気分析>
いちご喫食時の呼気と同様の手法、分析条件でモデルイチゴグミ1及びブランクグミ喫食時の呼気のGC/O分析行った。その結果、モデルイチゴグミ1喫食時の呼気でGC/MSでは検出されなかった香気成分の存在を確認した。匂い強度はいちご喫食時の呼気と比較して強い事を確認した。
<検出割合1の算出>
いちご喫食時の呼気と同様の手法で算出したモデルイチゴグミ1喫食時のレトロネーザルアロマの内標比からトータルを100%とする検出割合1を算出した。
<検出割合比較及び官能評価>
表5に示すように、いちご喫食時のレトロネーザルアロマの検出割合tとモデルイチゴグミ1喫食時のレトロネーザルアロマの検出割合1を比較すると香気バランスが大きく異なっていた。
また、モデルイチゴグミ1を喫食した結果、いちご果実喫食時のフレッシュな香味は不足していた。
<第2の香料組成物(イチゴフレーバーF)の作製>
検出割合1を検出割合tに近づけるために、モデルイチゴグミ1喫食時のレトロネーザルアロマの内標比と処方(%)から検量線を作製し、いちご喫食時のレトロネーザルアロマの内標比から各香気成分の配合量を算出し、そこにGC/O分析のみで検出した成分を前回よりも少ない割合で加え、第2の香料組成物(イチゴフレーバーF)の処方(%)とした。(表5)
<モデルイチゴグミ2の作製>
上述のグミ生地に、第2の香料組成物(イチゴフレーバーF)を0.2質量%賦香したモデルイチゴグミ2を作製した。また、ブランク測定用に無賦香のグミを作製した。
<モデルイチゴグミ2喫食時の呼気捕集>
モデルイチゴグミ1と同様の手法で、モデルイチゴグミ2及びブランクグミ喫食時の呼気捕集を行った。
<モデルイチゴグミ2喫食時の呼気のGC/MSによる香気分析>
モデルイチゴグミ1喫食時の呼気と同様の手法、分析条件でモデルイチゴグミ2及びブランクグミ喫食時の呼気のGC/MS分析を行った。
<モデルイチゴグミ2喫食時の呼気のGC/Oによる香気分析>
モデルイチゴグミ1喫食時の呼気と同様の手法、分析条件でモデルイチゴグミ2及びブランクグミ喫食時の呼気のGC/O分析を行った。その結果、モデルイチゴグミ2喫食時の呼気でGC/O分析のみで検出した成分の存在と、いちご喫食時の呼気と同等の匂い強度である事を確認した。
<検出割合2の算出>
検出割合1と同様の手法で算出したモデルイチゴグミ2喫食時のレトロネーザルアロマの内標比からトータルを100%とする検出割合2を算出した。
<検出割合比較及び官能評価>
表5に示すように、いちご喫食時のレトロネーザルアロマの検出割合tとモデルイチゴグミ2喫食時のレトロネーザルアロマの検出割合2を比較すると香気バランスが若干異なっていた。
また、モデルイチゴグミ2を喫食した結果、モデルイチゴグミ1と比べると果実喫食時の甘さを伴うフレッシュな香味は上がっているが、まだ不足していた。
<第3の香料組成物(イチゴフレーバーG)の作製>
検出割合2を検出割合tに近づけるために、モデルイチゴグミ1及びモデルイチゴグミ2喫食時のレトロネーザルアロマの内標比と処方(%)から検量線を作製し、いちご喫食時のレトロネーザルアロマの内標比から各香気成分の配合量を算出し、そこにGC/O分析のみで検出した成分を前回と同割合で加え、第2の香料組成物(イチゴフレーバーG)の処方(%)とした。(表5)
<モデルイチゴグミ3の作製>
上述のグミ生地に、第3の香料組成物(イチゴフレーバーG)を0.2質量%賦香したモデルイチゴグミ3を作製した。また、ブランク測定用に無賦香のグミを作製した。
<モデルイチゴグミ3喫食時の呼気捕集>
モデルイチゴグミ1と同様の手法で、モデルイチゴグミ3及びブランクグミ喫食時の呼気捕集を行った。
<モデルイチゴグミ3喫食時の呼気のGC/MSによる香気分析>
モデルイチゴグミ1喫食時の呼気と同様の手法、分析条件でモデルイチゴグミ3及びブランクグミ喫食時の呼気のGC/MS分析を行った。
<検出割合3の算出>
検出割合1と同様の手法で算出したモデルイチゴグミ3喫食時のレトロネーザルアロマの内標比からトータルを100%とする検出割合3を算出した。
<モデルイチゴグミ3喫食時の呼気のGC/Oによる香気分析>
モデルイチゴグミ1喫食時の呼気と同様の手法、分析条件でモデルイチゴグミ3及びブランクグミ喫食時の呼気のGC/O分析を行った。その結果、モデルイチゴグミ3喫食時の呼気でGC/O分析のみで検出した成分の存在と、いちご喫食時の呼気と同等の匂い強度である事を確認した。
<検出割合比較及び官能評価>
表5に示すように、いちご喫食時のレトロネーザルアロマの検出割合tとモデルイチゴグミ3喫食時のレトロネーザルアロマの検出割合3を比較すると香気バランスが類似していた。
また、モデルイチゴグミ3を喫食した結果、いちご果実喫食時の甘さを伴うフレッシュでみずみずしい香味を想起させた。
<専門パネルによる官能評価>
まず、専門パネル4名によりいちご喫食時の香味を官能評価した。次に、モデルイチゴグミ3及びモデルイチゴグミ1喫食時の香味を官能評価した。モデルイチゴグミ3及びモデルイチゴグミ1は、どちらの香料を添加しているかは被験者には開示せず、3桁のランダムな数値を付与して提示した。
その結果、モデルイチゴグミ3はモデルイチゴグミ1に比べて、いちご果実喫食時の香味を想起させると全員が回答した。
Figure 2023157676000005

Claims (4)

  1. 分析対象物を喫食又は喫飲する際に得られるレトロネーザルアロマについてガスクロマトグラフィー分析を行う工程(1)と、
    工程(1)のガスクロマトグラフィー分析の結果から工程(1)のレトロネーザルアロマに含まれる複数の香気成分の検出割合tを算出して、前記香気成分を含有する第1の香料組成物を得る工程(2)と、
    前記第1の香料組成物を含有するモデル飲食品1を調製する工程(3)と、
    前記モデル飲食品1を喫食又は喫飲する際に得られるレトロネーザルアロマについてガスクロマトグラフィー分析を行う工程(4)と、
    工程(4)のガスクロマトグラフィー分析の結果から工程(4)のレトロネーザルアロマに含まれる複数の香気成分の検出割合1を算出する工程(5)と、
    前記検出割合1を前記検出割合tに近づけるように前記第1の香料組成物の組成を調整し、第2の香料組成物を得る工程(6)と、
    工程(3)~(6)と同様の操作を繰り返し行い、前記検出割合tと一致する香気バランスを有する最終香料組成物を得る工程(7)と、
    を有する、香料組成物の製造方法。
  2. 工程(1)のレトロネーザルアロマについてガスクロマトグラフィーオルファクトメトリー分析を行い、認識される匂いの香気成分を前記第1の香料組成物に含有させる工程を有する、請求項1に記載の香料組成物の製造方法。
  3. 前記ガスクロマトグラフィーオルファクトメトリー分析が、アロマ・エキストラクト・ダイリューション・アナリシス法を用いて香気強度を調整する分析を含む、請求項2に記載の香料組成物の製造方法。
  4. 工程(1)において、前記レトロネーザルアロマを吸着剤に吸着させ、前記吸着したレトロネーザルアロマを脱着させる工程を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の香料組成物の製造方法。
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