JP2020089322A - 飲食品の濃厚感付与増強剤 - Google Patents

飲食品の濃厚感付与増強剤 Download PDF

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Abstract

【課題】飲食品が有している好ましい自然な香味をベースに濃厚感を付与増強することができる濃厚感付与増強剤の提供。【解決手段】3−メチル−2(5H)−フラノンを有効成分として含有する、濃厚感付与増強剤。3−メチル−2(5H)−フラノンを0.1ppb〜20質量%含有する濃厚感付与増強剤。有効成分として4−ビニルグアイアコールを、1×10−3ppt〜20質量%、さらに含有する、前記濃厚感付与増強剤。【選択図】なし

Description

本発明は、3−メチル−2(5H)−フラノンを有効成分とする、あるいは4−ビニルグアイアコールの双方を有効成分として含有する、飲食品の濃厚感付与増強剤の製造方法、濃厚感が付与増強された飲食品、濃厚感が付与増強された飲食品の製造方法、飲食品の濃厚感付与増強方法に関する。
本発明によれば、3−メチル−2(5H)−フラノンを飲食品に添加することで、あるいは3−メチル−2(5H)−フラノンと共に4−ビニルグアイアコールを飲食品に添加することで、濃厚感が付与増強された飲食品を提供することができる。
なお、本明細書において特に明記しない限り、濃度の単位(%、ppm、ppb、ppt)は、質量基準である。
一般に飲食品の味と香気は食欲の増進や減退に大きく影響するため、その香味は各種栄養成分と同様に食生活において重要な要素と考えられる。
特に、近年、一層美味しい飲食品を追求するグルメ志向、高級品志向、そして低カロリーの飲食品を求める健康志向の風潮の中で、飲食品が有する好ましい自然な甘さ、コク、ボリューム感、重厚感、果汁感、果実感などといった濃厚な風味(濃厚感)を付与増強することは重要な課題である。
上記課題を解決する方法として、これまで以下の方法が提案されている。
例えば、ビセニン−2を用いることにより、果実風味の無果汁飲料や、果汁含量の低い果汁飲料に対し、高果汁飲料のような風味、コク、ボリューム感、濃厚感などの果汁感を付与する方法である(特許文献1)。
また、焙煎コーヒーを水、極性有機溶媒又はこれらの混合物で抽出して得られる抽出物を分画処理して得られた分画分子量10000以上の画分を用いて、乳、乳製品、乳若しくは乳製品を含有する飲食物又は乳製品代用品の香味を損なわずに「こく」やボリューム感を付与・増強する方法も提案されている(特許文献2)。
さらに、桜の葉を、5〜99.5(w/w)%のエタノール水溶液の存在下で、液化状態又は亜臨界もしくは超臨界状態の二酸化炭素で抽出することによって得られる抽出物を用いて、飲食品もしくは飲食品に含まれる香料の香味に華やかさ、甘さ、ボリューム感などを付与するとともに、より自然で天然らしい、好ましいものに変える方法(特許文献3)なども提案されている。
上記のように、飲食品に好ましい香味を付与又は増強する方法が提案されているが、いずれも特定の飲食品に関するものであり、不特定多数の飲食品に適用可能という汎用性に乏しい点で使いづらいという問題点、あるいは、製法が複雑であるためコスト的に不利であるという問題点がある。
そこで、多種多様な飲食品に適用可能で汎用性に優れ、自然で好ましい濃厚な香味を付与でき、製造コスト的に有利な濃厚感付与増強剤の提供が要望されている。
一方、2−メルカプト−3−メチル−1−ブタノールを有効成分とする濃厚感付与増強剤(特許文献4)が提案されている。この発明によれば、調理した肉や玉ねぎ様の強い香気を有する2−メルカプト−3−メチル−1−ブタノールを、飲食品本来の香味を変化させない程度の量を添加することにより、飲食品に好ましい濃厚感を付与、増強することができる。
特開2006−238829号公報 特開2008−54507号公報 特開2015−42148号公報 特許第6255132号公報
J.Sci.Food Agric.,Vol.79,pp.104−110(1996) 日本食品科学工学会誌,Vol.45,pp.323−329(1998) 香料,No.256,pp.51−56(2012) J.Agric.Food Chem.,Vol.61, pp.3396−3402(2013)
本発明が解決しようとする課題は、飲食品が有している好ましい自然な香味をベースに濃厚感を付与増強することができる濃厚感付与増強剤、及び当該濃厚感付与増強剤を含有する飲食品、並びに、飲食品に当該濃厚感付与増強剤を添加することにより濃厚感を改善する方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、味噌等の香気成分として報告されてはいるものの、香気が強くないことから香料素材として有用な成分とはみなされていなかった3−メチル−2(5H)−フラノンを極微量の濃度で添加することで、飲食品の製品設計(原材料や製法など)を大きく変更することなく、簡便に濃厚感を付与増強できることを見い出し、本発明の完成に至った。
すなわち本発明は、以下に示すとおりのものである。
〔1〕3−メチル−2(5H)−フラノンを有効成分として含有することを特徴とする、濃厚感付与増強剤。
〔2〕濃厚感付与増強剤中に3−メチル−2(5H)−フラノンを0.1ppb〜20質量%含有することを特徴とする、前記濃厚感付与増強剤。
〔3〕有効成分として4−ビニルグアイアコールをさらに含有することを特徴とする、前記濃厚感付与増強剤。
〔4〕濃厚感付与増強剤中に4−ビニルグアイアコールを1×10-3ppt〜20質量%含有することを特徴とする、前記濃厚感付与増強剤。
〔5〕前記濃厚感付与増強剤を含有することを特徴とする飲食品。
〔6〕3−メチル−2(5H)−フラノンの含有量が0.1ppt〜200ppmであることを特徴とする、前記飲食品。
〔7〕4−ビニルグアイアコールを1×10-6ppt〜200ppm含有することを特徴とする、前記飲食品。
〔8〕前記飲食品がフルーツ風味飲食品、嗜好飲料、乳風味飲食品、菓子、調理加工食品であることを特徴とする、前記飲食品。
〔9〕飲食品に、3−メチル−2(5H)−フラノンを添加することを特徴とする、飲食品の濃厚感付与増強方法。
〔10〕飲食品中の3−メチル−2(5H)−フラノンの濃度が、0.1ppt〜200ppmになるように添加することを特徴とする、前記飲食品の濃厚感付与増強方法。
〔11〕さらに4−ビニルグアイアコールを添加することを特徴とする、前記飲食品の濃
厚感付与増強方法。
〔12〕飲食品中の4−ビニルグアイアコールの濃度が1×10-6ppt〜200ppmになるように添加することを特徴とする、前記濃厚感付与増強方法。
〔13〕前記飲食品が、フルーツ風味飲食品、嗜好飲料、乳風味飲食品、菓子、調理加工食品であることを特徴とする、前記濃厚感付与増強方法。
本発明の濃厚感増強剤及び付与剤は飲食品が有している好ましい甘さ、コク、ボリューム感、果汁感、果実感といった濃厚な風味を付与増強する効果を有する。また、類似構造を持つ化合物に比べて、飲食品にカラメル様の香味を付与することがないので、多くの飲食品に幅広く使用でき、汎用性が高い。
本発明の濃厚感付与増強剤はそのもの自体の香気は強くないが、濃厚感付与増強剤としては非常に高い力価を有する。従って、濃厚感付与増強剤それ自体が有する匂いや味の特徴が感知されない程度の極微量の添加量においても、飲食品が有している好ましい甘さ、コク、ボリューム感、果汁感、果実感などといった濃厚な風味を付与増強する効果を有する。また、極微量の添加量で高い効果を発揮することができるので、コスト的にも有利である。
さらに、各種の飲料や食品に幅広く利用できるので汎用性が高く、飲料メーカーや加工食品メーカーにとって利便性が高い。
具体的には、果実風味の無果汁飲料や、果汁飲料といったフルーツ風味飲食品に対し、自然な香味、コク(深みのある濃厚な味わい)、ボリューム、果実感、果汁感、混濁感、本物感や自然な果実風味などを付与増強することができる。
また、乳や乳製品、若しくは乳製品を含有する飲食品、乳製品代用品といった乳風味飲食品に対し、乳本来の独特な好ましい香味やコク、ボリューム感を付与することができる。
さらに、コーヒー、ココア、茶飲料等の嗜好飲料に対して、豆や茶葉等が本来有している特有の自然で好ましい香味やふくらみなどを付与することができる。
調理加工食品、特に、シチュー、カレー、ソースといった煮込み料理の豊かな味わい、すなわち、おいしさの厚み、広がり、持続性、まろやかさを増強することができる。
各種の飲料、食品それぞれの特性に対応した濃厚感、すなわち、自然な甘さ、コク、ボリューム感、重厚感、果汁感、果実感、本物感や自然な果実風味などの濃厚な風味を付与増強することができる点で優れている。
〔A〕濃厚感付与増強剤
(1)濃厚感
本発明の濃厚感付与増強剤が増強する対象である濃厚感は、一般に、濃厚な味わい、味が濃いこと、こってりしていることを意味するが、食品香料の専門家であるフーレーバリスト(Flavorist;食品香料を調香する調香師)が連想する語を列挙すると、飲食品の有している好ましい自然な甘さ、コク、ボリューム感、重厚感、果汁感、果実感、ジューシー感、熟感などといった呈味感である。つまり、濃厚感は、飲食品のおいしさの向上、本物感や自然な果実風味に寄与する味覚の一要素であると言える。
例えば、果実味の無果汁飲料や、果汁飲料といったフルーツ風味飲食品に関しては、自然な香味、コク、ボリューム、果実感、果汁感、混濁感、本物感や自然な果実風味などである。
また、乳や乳製品、若しくは乳製品を含有する飲食物、乳製品代用品といった乳風味飲
食品においては、乳本来の独特な好ましい香味や「こく」(深みのある濃厚な味わい)、ボリューム感、こってり感である。
また、コーヒー、ココア、茶飲料(緑茶、ウーロン茶、紅茶など)等の嗜好飲料においては、豆や茶葉等が本来有している特有の自然で好ましい香味やふくらみ、豊潤さ、ボリューム感、コク、深み、コーヒー豆感をもたらすような香気や呈味である。
一方、食品においては、調理加工食品、例えば、クリームシチューやビーフシチューなどのシチュー類;カレー;ミートソース、ドミグラスソース、ホワイトソース、トマトソースなどのソース類といった、複数の食材を使い、煮込み、味付けなどの調理加工を行った食品(洋食、和食を問わない)が呈する濃厚、豊かな味わい、おいしさの厚み、まろやかさ、各種食材から滲み出た呈味物質が混ざって醸し出される煮込み感である。
(2)必須有効成分
本発明の濃厚感付与増強剤に含まれる必須有効成分は、下記の構造を有する3−メチル−2(5H)−フラノンである。
Figure 2020089322
3−メチル−2(5H)−フラノンは、沸点が98℃/20mmHgの無色の液体であり、カラメル様の甘い香りを有する(非特許文献1)。また、味噌、カツオだし汁、醤油などの香気成分であることが報告されているが(非特許文献2〜4)、香料としての力価が強くないことから、香料素材として実際にはほとんど使用されておらず、飲食品に添加することで濃厚感を付与増強する効果については、全く知られていなかった。
有効成分の3−メチル−2(5H)−フラノンは、化学的に合成することもできるが、東京化成工業株式会社、シグマアルドリッチジャパン合同会社等から市販品を入手することもできる。
3−メチル−2(5H)−フラノンは、下記構造式(1)の4−メチル−2(5H)−フラノン、構造式(2)の5−メチル−2(3H)−フラノン、構造式(3)の4−ヒドロキシ−2,5−ジメチル−3(2H)−フラノン、構造式(4)の5−エチル−3−ヒドロキシ−4−メチル−2(5H)−フラノンと構造が近似する。
構造式(1)〜(4)の化合物はいずれも甘いカラメル様の香気を有する香料素材としてよく知られた物質であり、飲食品に甘い香味を付与する目的で汎用されている。これらの化合物は、後述の試験例で検証するように、着香料としての力価が格段に高いにもかかわらず、本願発明の有効成分である3−メチル−2(5H)−フラノンのような飲食品に濃厚感を付与・増強する効果をほとんど発揮できないことは予想外であった。
Figure 2020089322
本発明の濃厚感付与増強剤は、有効成分である3−メチル−2(5H)−フラノンに各種溶媒を添加することによって調製することができる。
濃厚感付与増強剤の調製に使用する溶媒は、特に限定されるものではないが、水、エタノール、プロパノール、ブタノールなどの脂肪族アルコール、グリセリン、プロピレングリコールなどの多価アルコールの他、トリアセチン、トリエチルシトレート、食用油脂、中鎖脂肪酸トリグリセリドなどを、単独又は混合して使用することができる。
濃厚感付与増強剤に含まれる3−メチル−2(5H)−フラノンの量は、特に限定されるものではないが、好ましくは0.1ppb〜20質量%、より好ましくは1ppb〜10質量%、さらに好ましくは10ppb〜5質量%である。
(3)付加的有効成分
本発明の濃厚感付与増強剤は、必須有効成分である上記の3−メチル−2(5H)−フラノンに加え、さらに付加的有効成分として4−ビニルグアイアコールを併用することができる。
4−ビニルグアイアコールは4−ビニル−2−メトキシフェノールとも呼ばれる化合物であり、スパイシー、クローブ様の香気を有し、食品用香料として使用されている化合物である。入手方法としては、市販品を適宜購入して使用することができる。
濃厚感付与増強剤に含まれる4−ビニルグアイアコールの量は、特に限定されるものではないが、好ましくは1×10-3ppt〜20質量%、より好ましくは0.01ppt〜10質量%、さらに好ましくは0.01ppt〜1質量%である。
3−メチル−2(5H)−フラノンと4−ビニルグアイアコールを併用することによって、それぞれ単独使用した場合よりも高い濃厚感付与増強効果が認められる。
(4)付加的成分
さらに、本発明の濃厚感付与増強剤は、上記の有効成分である3−メチル−2(5H)−フラノン及び4−ビニルグアイアコールの他に、必要に応じて、飲食品用の各種香料などを付加的成分として適宜配合することができる。
例えば、「特許庁公報 周知慣用技術集(香料)第II部 食品用香料」(平成12(2000)年1月14日発行、日本国特許庁)等に記載された香料原料(精油、エッセンス、コンクリート、アブソリュート、エキストラクト、オレオレジン、レジノイド、回収フレーバー、炭酸ガス抽出精油、合成香料)、各種植物エキス、酸化防止剤等が例示され、それぞれ本発明の効果を損なわない量で濃厚感付与増強剤に配合することができる。
〔B〕濃厚感付与増強剤の適用
(1)対象となる飲食品
濃厚感付与増強の対象となる飲食品としては、例えば、ニアウォーター、無果汁炭酸飲料、果汁入り飲料、果汁入り炭酸飲料、果汁飲料、野菜飲料、スポーツドリンク、乳飲料、乳性飲料、乳酸菌飲料、乳酸菌飲料、コーヒー飲料、 緑茶、紅茶、ウーロン茶等の飲料を挙げることができる。
さらに、チューハイ、カクテル飲料、リキュール、果実酒などのアルコール系飲料(酒類)を挙げることができる。
上記の他、アイスクリーム、シャーベットなどの冷菓類;栄養食品、ヨーグルト、ゼリー、プリンなどのデザート類;スナック類;クッキー、ケーキ、チョコレート、チューイングガム、キャンディーなどの菓子類;ラムネ菓子、タブレットなどの錠菓類;マーガリンなどの油脂、加工クリーム;パン用プレミックスやケーキ用プレミックス、調理用プレミックスなどのプレミックス製品;スープ、スープの素、カレールウ、シチュールウ、レトルト食品や冷凍食品、チルド食品、缶詰などの調理加工食品、ドレッシングやソース、たれなどの調味料、などを挙げることができる。
中でも、消費者が濃厚な風味を期待するような飲料や食品が好ましく、フルーツ風味飲食品、嗜好飲料、乳風味飲食品、調理加工食品が好適である。
本発明においてフルーツ風味飲食品とは、ピーチ、マンゴー、パイナップル、バナナなどのトロピカル系、ストロベリー、ブルーベリーなどのベリー系、オレンジ、レモン、グレープフルーツなどの柑橘系、マスカット、コンコードなどのグレープ系、アップルなどの、果実風味を有するフルーツ風味飲食品であり、果汁の有無や果汁含有量、炭酸の有無を問わない。フルーツ風味飲料がより好ましい。
本発明において嗜好飲料とは、栄養摂取の目的よりも嗜好を充足させることを目的とする飲料である。本発明で好適な対象となる嗜好飲料は、苦味や渋味を有する飲料であり、具体的には、紅茶、日本茶(緑茶)、中国茶(烏龍茶、ジャスミン茶、プーアル茶)、マテ茶、ルイボス茶などの茶飲料や、コーヒー飲料、ココア飲料などを指す。
本発明において乳風味飲食品とは、牛乳や、生クリーム、発酵乳、粉乳等の乳製品を含有する飲食品であれば特に限定されるものではなく、例えば、乳飲料、乳性飲料、乳酸菌飲料、冷菓、デザートなどが挙げられる。乳風味飲料がより好ましい。
本発明において調理加工食品とは、複数の食材を使い、煮込み、味付けなどの調理加工を行った食品(洋食、和食を問わない)であり、例えば、クリームシチューやビーフシチューなどのシチュー類;カレー;ミートソース、ドミグラスソース、ホワイトソース、トマトソースなどのソース類といった煮込み料理が挙げられる。
(2)添加量
本発明の濃厚感付与増強剤を飲食品に添加する場合、その添加量は、必須有効成分である3−メチル−2(5H)−フラノンの飲食品中での含有量に基づき決定することが好ましい。
3−メチル−2(5H)−フラノンの飲食品中での含有量は、特に限定されるものではなく、対象となる飲食品にもよるが、0.1ppt〜200ppmであり、好ましくは1ppt〜100ppmであり、さらに好ましくは10ppt〜50ppmである。
3−メチル−2(5H)−フラノンの飲食品中での含有量が0.1pptより少ないと、濃厚感を付与増強する効果に乏しく、一方、200ppmより多くなると、3−メチル−2(5H)−フラノン自体の香味が感じられるようになり、飲食品本来の香味が損なわれる恐れがある。
3−メチル−2(5H)−フラノンの添加によって、飲食品それぞれの特性に応じた濃厚感の付与増強を図るためには、以下の添加量範囲が好ましい。
コーヒー飲料においては、0.01ppb〜100ppmであり、最適添加量は1ppb〜10ppmである。
コーヒー飲料以外の飲料においては、0.1ppt〜100ppmであり、最適添加量は1ppt〜10ppmである。
菓子においては、1ppt〜200ppmであり、最適添加量は10ppt〜100ppmである。
調理加工食品においては、0.1ppb〜200ppmであり、最適添加量は10ppb〜100ppmである。
3−メチル−2(5H)−フラノンと組み合わせて使用される4−ビニルグアイアコールの飲食品中での含有量も特に限定されるものではなく、対象となる飲食品にもよるが、好ましくは1×10-6ppt〜200ppm、より好ましくは1×10-5ppt〜10ppmである。
4−ビニルグアイアコールの飲食品中での含有量が1×10-6ppt未満の場合は、濃厚感を付与増強する効果に乏しく、一方、200ppmより多いと、4−ビニルグアイアコールのスパイシーな香味が感じられるようになり、3−メチル−2(5H)−フラノンとの併用による濃厚感増強効果が却って損なわれる傾向となる。
4−ビニルグアイアコールの添加によって、飲食品それぞれの特性に応じた濃厚感の付与増強を図るためには、以下の添加量範囲が好ましい。
コーヒー飲料においては、1ppt〜200ppmであり、最適添加量は100ppt〜10ppmである。
コーヒー飲料以外の飲料においては、1×10-6 ppt〜10ppmであり、最適添加量は1×10-5 ppt〜1ppmである。
菓子においては、1×10-6 ppt〜10ppmであり、最適添加量は1×10-5 ppt〜1ppmである。
調理加工食品においては、0.02ppm〜5ppmであり、最適添加量は0.1ppm〜0.5ppmである。
なお、乳又はクリーム入りコーヒー飲料やコーヒー味アイスクリームのようにコーヒーとそれ以外の飲食品の組み合わせの場合は、それぞれの好適な添加量範囲が重複する範囲
が好ましい。
3−メチル−2(5H)−フラノンと4−ビニルグアイアコールの配合比率は特に限定されるものではなく、対象となる飲食品にもよるが、好ましくは1:1×10-10〜1:1、好ましくは1:0.0001〜1:1、さらに好ましくは1:0.001〜1:0.1である。
4−ビニルグアイアコールの添加によって、飲食品それぞれの特性に応じた濃厚感の付与増強を図るためには、3−メチル−2(5H)−フラノンと4−ビニルグアイアコールは以下の配合比率とするのが好ましい。
コーヒー飲料においては、1:0.0001〜1:1であり、好ましくは1:0.01〜1:1である。
コーヒー飲料以外の飲料においては、1:1×10-10〜1:1×10-5であり、好ましくは1:1×10-9〜1:10-7である。
菓子においては、1:0.0001〜1:1であり、好ましくは1:0.001〜1:0.1である。
調理加工食品においては、1:0.0001〜1:1であり、好ましくは1:0.01〜1:1である。
次に、製造例、試験例、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記の製造例、試験例、実施例に限定されるものではない。
(1)適正添加量の確認
〔試験例1〕
市販のインスタントコーヒー2gを熱湯140mLに溶解し、ブラックコーヒー飲料を調製した。このブラックコーヒー飲料に3−メチル−2(5H)−フラノンを表2記載の濃度になるように添加し、評価サンプルであるコーヒー飲料を作製し、3−メチル−2(5H)−フラノン無添加のコーヒー飲料を対照として、熟練した専門パネル3名による濃厚感についての評価を行った。
評価結果を表2に示した。ここで、官能評価結果は、以下の表1に記載の基準で採点したパネルの平均点である。
Figure 2020089322
Figure 2020089322
表2より、3−メチル−2(5H)−フラノンをコーヒー飲料に0.01ppb〜100ppm添加することで、無添加品と比較して濃厚感が感じられ(評価点2〜4)、0.01ppb〜10ppmで異味・異臭なく添加効果が感じられ(評価点3又は4)、1ppb〜10ppmで濃厚感を十分に付与し、香味を増強することができた。
〔試験例2〕
市販のオレンジ果汁飲料(オレンジ果汁30%含有)に3−メチル−2(5H)−フラノンを添加し評価サンプルであるオレンジ果汁飲料を作製した。このオレンジ果汁飲料について試験例1と同じ基準で専門パネルによる濃厚感の評価を行った。結果を表3に示した。
Figure 2020089322
表3より、3−メチル−2(5H)−フラノンをオレンジ果汁飲料に0.0001ppb添加すると濃厚感が感じられ(評価点2)、0.001ppb以上の添加で十分な濃厚感付与・増強効果が感じられた(評価点3又は4)。
(2)各種飲料における効果
〔試験例3〕
市販の各種飲料に3−メチル−2(5H)−フラノンを添加し、試験例1と同じ基準で3名の専門パネルによる評価を行った。結果を表4に示した。
Figure 2020089322
いずれの飲料も3−メチル−2(5H)−フラノンを0.01〜10ppb添加すると果汁感、クリーム感などの濃厚感が強くなる効果がみられ、好ましくない味やにおいが抑制される傾向がみられた。
(3)菓子用香料への添加効果
〔試験例4〕
3−メチル−2(5H)−フラノンを0.1質量%添加したバニラ香料(小川香料株式会社製)を、市販のショートニングに3−メチル−2(5H)−フラノンの含有量が1ppmとなるように配合し、よく撹拌後均一にして評価サンプルを調製した。ミルク、緑茶香料を配合した3−メチル−2(5H)−フラノン1ppm含有ショートニングの評価サンプルも同様に調製した。
さらに3−メチル−2(5H)−フラノンを添加した各種香料を配合したマーガリン、準チョコレート、水あめの評価サンプルを調製し、試験例1と同様の基準で6名の専門パネルによる評価を行った。結果を表5に示した。
Figure 2020089322
表5より、いずれの評価生地及び香調においても乳感、果肉感等の濃厚感を付与、増強する効果がみられた。
(4)調理加工食品用香料への添加効果
〔試験例5〕
3−メチル−2(5H)−フラノンを0.1質量%添加した表6記載の各種調理食品系香料(小川香料株式会社製)を、湯に3−メチル−2(5H)−フラノンの含有量が2ppmとなるように配合し、よく撹拌後均一にして評価サンプルを調製した。試験例1と同様の基準で4名の専門パネルによる評価を行った。結果を表6に示した。
Figure 2020089322
表6より、いずれの香料でもコク味、油脂感等の濃厚感を付与、増強する効果がみられた。
(5)構造近似化合物との比較
〔試験例6〕
市販のオレンジ果汁(果汁100%)に3−メチル−2(5H)−フラノン及び構造が類似する他のフラノン類を10ppb、100ppb添加して評価サンプルであるオレンジ果汁飲料を作製した。このオレンジ果汁飲料について試験例1と同じ基準で専門パネルによる濃厚感の評価を行った。結果を表7に示した。
Figure 2020089322
3−メチル−2(5H)−フラノンは異味異臭を付与することなく濃厚感を付与する効果が高いのに対し、他のフラノン類は濃厚感を付与する効果が弱く、また、フラノン類自体のハーブ様、シュガー様の香味が異味異臭として感じられる場合もみられた。
〔試験例7〕
市販の各種飲料に3−メチル−2(5H)−フラノン及び構造が類似する他のフラノン類を10ppb添加し、専門パネルによる評価を行った。結果を表8に示した。
Figure 2020089322
表8から、他のフラノン類が各種飲料にカラメル様の香味を付与し、飲料本来のフレッシュな香味が弱まる傾向があるのに対し、3−メチル−2(5H)−フラノンはフレッシュ感を損なうことなく果汁感、乳感等を高める効果を有していた。
(6)4−ビニルグアイアコールとの併用
〔試験例8〕
市販のブラックコーヒー、果汁100%オレンジジュース、果汁100%グレープジュ
ース、牛乳に3−メチル−2(5H)−フラノン、4−ビニルグアイアコールをそれぞれ所定量添加したサンプル、及び3−メチル−2(5H)−フラノンと4−ビニルグアイアコールを所定量併用したサンプルを作製した。無添加品(両有効成分とも無添加)を対象にそれぞれのサンプルを3名の専門パネルで評価した結果を表10に示した。ここで、官能評価結果は、以下の表9に記載の基準で採点したパネルの平均点である。
Figure 2020089322
Figure 2020089322
表10より、ブラックコーヒーでは4−ビニルグアイアコールのみを添加したサンプルは深煎り感、ロースト感、黒々しさが感じられたが、苦味が強くなった。一方、3−メチル−2(5H)−フラノンと4−ビニルグアイアコールを併用すると、3−メチル−2(5H)−フラノン単独の場合よりも深煎りのシャープなコーヒー感やボリュームが増し、濃厚感がより強く感じられた。
果汁100%オレンジジュースでは4−ビニルグアイアコールのみを添加したサンプルは渋み、苦味が感じられ、やや焼けた印象となった。一方、3−メチル−2(5H)−フラノンと4−ビニルグアイアコールを併用すると、3−メチル−2(5H)−フラノン単独の場合よりも立体的な果汁感が感じられ、濃厚感がより強く感じられた。
果汁100%グレープジュースでは4−ビニルグアイアコールのみを添加したサンプルは熟感が感じられるものの、渋みが強くなり、皮や種のイメージが強まった。一方、3−メチル−2(5H)−フラノンと4−ビニルグアイアコールを併用すると、3−メチル−
2(5H)−フラノン単独の場合よりも立体感のある果汁感が感じられ濃厚感がより強く感じられた。
牛乳では4−ビニルグアイアコールのみを添加したサンプルは雑味が感じられるだけであったが、3−メチル−2(5H)−フラノンと4−ビニルグアイアコールを併用すると、3−メチル−2(5H)−フラノン単独の場合よりも乳感が強く、後半にのびのある濃厚感が感じられた。
〔試験例9〕
バニラ香料(小川香料株式会社製)に3−メチル−2(5H)−フラノンを0.1質量%、4−ビニルグアイアコールを0.001質量%、3−メチル−2(5H)−フラノンを0.1質量%及び4−ビニルグアイアコールを0.001質量%それぞれ添加したバニラ香料3品を作製し、市販のショートニングに0.1質量%ずつ添加して3種の評価用サンプルを調製した。
緑茶香料、チョコレート香料(いずれも小川香料株式会社製)についても同様に3品の評価サンプルを調製した。無添加品(両有効成分とも無添加)を対象にそれぞれのサンプルを3名の専門パネルで評価した結果を表11に示した。
官能評価結果は、表9に記載の基準で採点したパネルの平均点である。
Figure 2020089322
表11より、4−ビニルグアイアコールのみを添加したバニラ香料は3−メチル−2(5H)−フラノンのみを添加した場合に比べてスモーク感が感じられたが、3−メチル−2(5H)−フラノンと4−ビニルグアイアコールを併用すると、3−メチル−2(5H)−フラノン単独の場合よりも立体感(本物らしさ)がより強く感じられた。
3−メチル−2(5H)−フラノンのみを添加した緑茶香料は無添加の場合に比べ柔らかい甘さが付与されたが、4−ビニルグアイアコールを併用すると3−メチル−2(5H)−フラノン単独の場合よりも濃厚な抹茶感が強く感じられた。
3−メチル−2(5H)−フラノンのみを添加したチョコレート香料は無添加の場合に比べカカオの厚みが強くなったが、4−ビニルグアイアコールを併用するとカカオの黒さ(カカオらしい香味)が感じられ、3−メチル−2(5H)−フラノン単独の場合よりも立体感(本物らしさ)がより強く感じられるようになった。
〔試験例10〕
チキン香料(小川香料株式会社製)に3−メチル−2(5H)−フラノンを0.2質量%、4−ビニルグアイアコールを0.01質量%、3−メチル−2(5H)−フラノンを0.2質量%及び4−ビニルグアイアコールを0.01質量%それぞれ添加した香料3品を作製し、これらを湯に0.1質量%ずつ添加して3種の評価用サンプルを調製した。ポ
ーク香料(小川香料株式会社製)についても同様に3品の評価サンプルを調製した。また、鰹節香料(小川香料株式会社製)に3−メチル−2(5H)−フラノンを0.2質量%、4−ビニルグアイアコールを0.02質量%、3−メチル−2(5H)−フラノンを0.2質量%及び4−ビニルグアイアコールを0.02質量%それぞれ添加した香料を、湯に0.1質量%ずつ添加して3種の評価用サンプルを調製した。
それぞれのサンプルについて無添加品(両有効成分とも無添加)を対象にそれぞれのサンプルを3名の専門パネルで評価した結果を表12に示した。官能評価結果は、表9に記載の基準で採点したパネルの平均点である。
Figure 2020089322
表12より、3−メチル−2(5H)−フラノンのみを添加したチキン香料は無添加品に比べて肉感が増し、濃厚感が付与されたが、4−ビニルグアイアコールを併用すると、3−メチル−2(5H)−フラノン単独の場合よりも濃厚感がより強く感じられた。
3−メチル−2(5H)−フラノンのみを添加したポーク香料は無添加品に比べて甘さ、調理感が付与されたが、4−ビニルグアイアコールを併用すると、3−メチル−2(5H)−フラノン単独の場合よりも肉感、濃厚感がより強く感じられた。
3−メチル−2(5H)−フラノンのみを添加した鰹節香料は無添加品に比べて濃厚感が付与されたが、4−ビニルグアイアコールを併用すると、3−メチル−2(5H)−フラノン単独の場合よりもまろやかさが増し、鰹節らしさがより強くなった。
〔実施例1〕(オレンジゼリー)
水に果糖ブドウ糖液糖10質量部、砂糖5質量部、ゲル化剤1質量部を加え、85℃まで加温し、オレンジ濃縮果汁3質量部、クエン酸0.1質量部を添加し撹拌溶解した。これに3−メチル−2(5H)−フラノンを0.01質量%添加したオレンジ香料(小川香料株式会社製)を0.1質量部配合し、全量を100質量部に補正後、85℃で20分間殺菌してオレンジゼリーを調製した。同様に3−メチル−2(5H)−フラノンを0.01質量%及び4−ビニルグアイアコールを0.1ppt添加したオレンジ香料を配合したオレンジゼリーを調製した。
〔実施例2〕(ハードビスケット)
ショートニング15質量部、砂糖30質量部、全卵3質量部、食塩1質量部、3−メチル−2(5H)−フラノンを0.1質量%添加したバニラ香料(小川香料株式会社製)を0.1質量部配合し、30分間撹拌後、30分間エージングを行った。得られた生地を型に流し入れ、220℃、5分焼成し、ハードビスケットを調製した。同様に3−メチル−2(5H)−フラノンを0.1質量%及び4−ビニルグアイアコールを0.001質量%添加したバニラ香料を配合したハードビスケットを調製した。
〔実施例3〕(緑茶風味ハードキャンディー)
砂糖60質量部、水あめ40質量部、水35質量部を合わせて155℃まで加熱した後、130℃まで冷却し、3−メチル−2(5H)−フラノンを0.005質量%添加した緑茶香料(小川香料株式会社製)を0.1質量部配合し、混合、成型し、緑茶風味ハードキャンディーを調製した。同様に3−メチル−2(5H)−フラノンを0.005質量%及び4−ビニルグアイアコールを0.00005質量%添加した緑茶香料を配合した緑茶風味ハードキャンディーを調製した。
〔実施例4〕(チョコレート)
カカオマス20質量部を砕いた後、湯煎(40℃)で溶かし、粉糖43質量部、ココアバター10質量部、カカオマス20質量部を混合しローラーで細かくした。これにココアバター7質量部、レシチン0.4質量部、3−メチル−2(5H)−フラノンを0.05質量%添加したチョコレート香料(小川香料株式会社製)を0.2質量部配合し40℃にて3分間撹拌した。次に26〜27℃にて5分間撹拌し、チョコレートシード0.05gを加えよく混ぜ、型に流し込んだ後、冷蔵庫で冷却してチョコレートを調製した。
同様に3−メチル−2(5H)−フラノンを0.05質量%及び4−ビニルグアイアコールを0.00005質量%添加したチョコレート香料を配合したチョコレートを調製した。
〔実施例5〕(ビーフカレー)
ヘット32質量部と小麦粉13質量部を焙煎して得た小麦粉ルーに、食塩7質量部、砂糖8質量部、カレー粉10質量部、調味料2質量部、オニオンパウダー6質量部、香辛料・果実ミックスパウダー4質量部、ビーフエキス3質量部、ビーフ香味油3質量部、澱粉7質量部、粉乳5質量部配合した。これに3−メチル−2(5H)−フラノン0.01質量%添加したビーフ香料(小川香料株式会社製)0.1質量部を配合し、110℃達温まで加熱混合処理した後、冷却固化してビーフカレールウを調製した。
同様に、3−メチル−2(5H)−フラノン0.01質量%、4−ビニルグアイアコール0.001質量%添加したビーフ香料を配合したビーフカレールウを調製した。
〔実施例6〕(クリームシチュー)
バター25質量部、パーム脂25質量部、小麦粉50質量部を弱火で炒め、牛乳500質量部、水590質量部、チキンコンソメ2質量部、食塩6質量部を加え、弱火で粘度が出るまで加熱しホワイトソースとする。
鶏肉(2cm角)100質量部、玉ねぎスライス100質量部、人参(ダイス状)30質量部、じゃがいも(ダイス状)70質量部を湯通しし、ホワイトソースに添加し、3−メチル−2(5H)−フラノン0.02質量%添加したチキン香料(小川香料株式会社製)1質量部を配合して15分煮込み、クリームシチューを調製した。
同様に、3−メチル−2(5H)−フラノン0.02質量%、4−ビニルグアイアコール0.001質量%添加したチキン香料を配合したクリームシチューを調製した。
〔実施例7〕(コーンスープ)
牛乳10質量部、水80質量部、コーンペースト10質量部、砂糖2質量部、チキンコンソメ1質量部、食塩0.5質量部を加熱撹拌し、10000rpm、5分間乳化を行った。これに3−メチル−2(5H)−フラノン0.00005質量部添加し、コーンスープを調製した。同様に3−メチル−2(5H)−フラノン0.00005質量部、4−ビニルグアイアコール0.00001質量部添加したコーンスープを調製した。

Claims (13)

  1. 3−メチル−2(5H)−フラノンを有効成分として含有することを特徴とする、濃厚感付与増強剤。
  2. 濃厚感付与増強剤中に3−メチル−2(5H)−フラノンを0.1ppb〜20質量%含有することを特徴とする、請求項1記載の濃厚感付与増強剤。
  3. 有効成分として4−ビニルグアイアコールをさらに含有することを特徴とする、請求項1又は2記載の濃厚感付与増強剤。
  4. 濃厚感付与増強剤中に4−ビニルグアイアコールを1×10-3ppt〜20質量%含有することを特徴とする、請求項3記載の濃厚感付与増強剤。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の濃厚感付与増強剤を含有することを特徴とする飲食品。
  6. 3−メチル−2(5H)−フラノンの含有量が0.1ppt〜200ppmであることを特徴とする、請求項5記載の飲食品。
  7. 4−ビニルグアイアコールを1×10-6ppt〜200ppm含有することを特徴とする、請求項5又は6記載の飲食品。
  8. 前記飲食品がフルーツ風味飲食品、嗜好飲料、乳風味飲食品、菓子、調理加工食品であることを特徴とする、請求項5〜7のいずれか1項に記載の飲食品。
  9. 飲食品に、3−メチル−2(5H)−フラノンを添加することを特徴とする、飲食品の濃厚感付与増強方法。
  10. 飲食品中の3−メチル−2(5H)−フラノンの濃度が、0.1ppt〜200ppmになるように添加することを特徴とする、請求項9記載の飲食品の濃厚感付与増強方法。
  11. さらに4−ビニルグアイアコールを添加することを特徴とする、請求項9又は10記載の飲食品の濃厚感付与増強方法。
  12. 飲食品中の4−ビニルグアイアコールの濃度が1×10-6ppt〜200ppmになるように添加することを特徴とする、請求項11記載の飲食品の濃厚感付与増強方法。
  13. 請求項9〜12のいずれか1項に記載の飲食品が、フルーツ風味飲食品、嗜好飲料、乳風味飲食品、菓子、調理加工食品であることを特徴とする、請求項9〜12のいずれか1項に記載の飲食品の濃厚感付与増強方法。
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