JP5156496B2 - 焙煎嗜好飲料または焙煎嗜好飲料風味飲食品の余韻改善剤 - Google Patents

焙煎嗜好飲料または焙煎嗜好飲料風味飲食品の余韻改善剤 Download PDF

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Description

本発明は、焙煎嗜好飲料または焙煎嗜好飲料風味飲食品に従来にない余韻を付与することのできるワインラクトンを含んでなる飲食品用余韻改善剤、ワインラクトンを特定の低濃度で含有する焙煎嗜好飲料風味飲食品用香味料組成物及びワインラクトンを特定の低濃度で含有する焙煎嗜好飲料または焙煎嗜好飲料風味飲食品に関する。
コーヒー、ココア、ほうじ茶、番茶、玄米茶、麦茶、焙煎玄米、ハトムギ茶、そば茶、ブラックマテ茶などの焙煎嗜好飲料は古くから多くの人々に愛飲されている。近年、抽出、殺菌、充填、香料技術などの発達に伴い、缶やペットボトルに充填された殺菌済容器詰飲料でも、家庭で淹れた飲料と比べてもそれほど劣らないほどに風味が向上してきており、幅広く普及し、手軽に入手することができるため、さらに多くの人々に飲用されるようになってきている。また、これらの焙煎嗜好飲料の原料はアイスクリーム、ゼリー、プリン、キャンディー、チューインガムなどの多くの飲食品に使用され、消費者に広く受け入れられている。一方、最近の消費者の嗜好の多様化に伴い、殺菌済容器詰の焙煎嗜好飲料やこれら焙煎嗜好飲料の風味を有する加工飲食品(以下、焙煎嗜好飲料風味飲食品という)においても、より本物らしさを追求した商品の開発が望まれている。特に、焙煎嗜好飲料および焙煎嗜好飲料風味飲食品業界はこの傾向が強く、消費者の嗜好性に合うバラエティーに富んだ本物志向の焙煎嗜好飲料風味飲食品の開発が強く要求されている。
嗜好飲料などの風味における官能評価項目として、香り、甘み、酸味、コク味、ボディー感、雑味、これらの全体のバランスなどの他、飲食した後の「余韻」が重要項目の一つとして挙げられる。コーヒー香味の評価項目を詳細にみると、香りにおいては、煎りたて、挽きたて、淹れたて(いわゆる「三たて」)の要素の他に、良質な甘さやコク味、ボディー感、ロースト感などが重要な項目として挙げられる。
これらの評価項目のうち、甘味、酸味、雑味などは、呈味から由来する面が大きく、飲料製造における原料の選択に大きく左右されることが多い。そのため焙煎前の嗜好飲料原料の品質、焙煎方法、焙煎程度、抽出方法などにさまざまな検討や工夫がなされている。
また、前記評価項目のうち、コク味、ボディー感といった要素は、天然の抽出物の添加により改良することができることも多く、これらの香味のコントロールのために天然抽出物を添加することが提案されてきた。嗜好飲料の風味を改善するための天然抽出物を得る方法としては、例えば、嗜好飲料原料を温水抽出して抽出液を回収した後、抽出残渣を水蒸気抽出して溜出液を回収し、該抽出液と溜出液を混合することを特徴とする嗜好飲料用エキスの製造方法(特許文献1)、コーヒー原料を温水で抽出し、得られる抽出液を回収し、これとは別にコーヒー原料を80〜120℃および130〜150℃の2段階の温度で水蒸気蒸留し、得られる留出液をそれぞれ回収し、抽出液と留出液とを混合することを特徴とするコーヒーエキスの製造方法(特許文献2)など天然物の水蒸気蒸留回収香を飲食品に添加する方法が提案されている。しかしながら、上記のような天然物から得られる香気は、製造コストが高く使用量に制限があること、目的外の香気も抽出されてくること、製造工程での香気ロスや経時変化が避けられないこと、希少で良好な香味を有するコーヒー豆からの抽出物はコストや安定供給面で工業的利用が困難であることなどの理由から、さらに効果の大きい解決手段が求められている。
さらに、前記評価項目のうち、香りを改善する手段の一つとして、嗜好飲料などの原料素材の一部である香料についても、従来から使用されている香料を組み合わせることによ
る、茶用フレーバー組成物(特許文献3)、コーヒー用フレーバー組成物(特許文献4)、ココア用フレーバー組成物(特許文献5)などが提案されている。しかしながら、これら香料による風味改善は、主として、コーヒー、ココア、ほうじ茶などの嗜好飲料を飲食する瞬間の香味に関するものであり、飲み込んだ後に残る好ましい香味の「余韻」に関する具体的な改善方法については、これまで全く提案されていない。
「余韻」は、コーヒーでは「アフターテースト」と呼ばれることもあり、飲んだ後の味わいのことである。香味には、口に入れてすぐに感じる香味の他に、飲み込んだ後に口中全体から喉の奥にかけてしばらく持続する香味があり、これが「余韻」と呼ばれるものである。さらに、「余韻」と呼ばれるその感覚は、焙煎嗜好飲料を飲んだ時に鼻を抜ける時の香りと、喉に残った苦味、甘味、コク味などとに基づくバランスから生まれると考えられるが、飲んでからしばらくたった後もその感覚を楽しめる後残りの感覚として、コーヒーの評価では特に重要視されている項目であり、その善し悪しがコーヒーの品質を決定すると言っても過言ではないともいわれる。例えば、コーヒーを飲みながら何か他のことをしているような時に、コーヒーを口に含み、飲み込み、飲み込むときに通り抜ける香りを感じ、次に口に入れるまでの間もコーヒーの苦み、旨味が舌の奥やわきのあたりに残っているのを確かめながら、その「余韻」を、他のことをしながら楽しむことができる、といったような感覚である。このように、「余韻」は焙煎嗜好飲料においてきわめて重要な評価項目であるにもかかわらず、その改善方法について、これまで全く研究されてこなかった。
特許第2813178号公報 特許第3773524号公報 特開2005−143467号公報 特開2006−20526号公報 特開2006−121958号公報
そこで、本発明者らは、コーヒー、ココア、ほうじ茶、番茶、玄米茶、麦茶、焙煎玄米、ハトムギ茶、そば茶、ブラックマテ茶などの焙煎嗜好飲料およびこれらの焙煎嗜好飲料の風味を有する飲食品における重要な評価項目である焙煎嗜好飲料や焙煎嗜好飲料風味を有する食品の「余韻」を改善するために有効な方法の探索に取り組んできた。
したがって、本発明の主たる目的は、焙煎嗜好飲料および焙煎嗜好飲料の風味を有する加工食品(すなわち焙煎嗜好飲風味飲食品)に良好な「余韻」を付与するための添加剤を簡便な方法で提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、今回、従来果実様香気物質と考えられていたワインラクトンを、コーヒー、ココア、ほうじ茶、番茶、玄米茶、麦茶、焙煎玄米、ハトムギ茶、そば茶、ブラックマテ茶などの焙煎嗜好飲料またはかかる焙煎嗜好飲料の風味を有する飲食品中に、10−4ppb〜10ppbという微量で添加すると、意外なことに、焙煎嗜好飲料または焙煎嗜好飲料風味飲食品の風味に優れた「余韻」を付与することができることを見いだし本発明を完成するに至った。
かくして、本発明は、ワインラクトンを含んでなる焙煎嗜好飲料または焙煎嗜好飲料風味飲食品の余韻改善剤を提供するものである。
本発明は、また、ワインラクトンを10−4ppm〜10ppmの濃度で含有する焙
煎嗜好飲料風味飲食品用香味料組成物を提供するものである。
本発明は、さらに、ワインラクトンを10−4ppb〜10ppbの濃度で含有する焙煎嗜好飲料または焙煎嗜好飲料風味飲食品を提供するものである。
本発明の余韻改善剤は、コーヒー、ココア、ほうじ茶、番茶、玄米茶、麦茶、焙煎玄米、ハトムギ茶、そば茶、ブラックマテ茶などの焙煎嗜好飲料またはかかる焙煎嗜好飲料の風味を有する飲食品に、ワインラクトンとして10−4ppb〜10ppbの濃度で添加することにより、焙煎嗜好飲料または焙煎嗜好飲料風味飲食品の風味に優れた「余韻」を賦与することができる。また、「余韻」と同時に、風味に天然感あふれる甘さ、ロースト感、ボディー感、コク味を付与することもできる。さらに、本発明の余韻改善剤が添加された焙煎嗜好飲料または焙煎嗜好飲料風味飲食品は、風味の「余韻」を有するのみならず、焙煎嗜好飲料または焙煎嗜好飲料風味飲食品が本来持っている甘さ、ロースト感、ボディー感、コク味が増強・エンハンスされ、さらに、殺菌および経時的に生じるオフフレーバーがマスキングされるという優れた効果を有する。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
発明を実施するための形態
ワインラクトン(化合物名:(3a,4,5,7a)−テトラヒドロ−3,6−ジメチル−2(3H)−ベンゾフラノン)は、下記式(1)
Figure 0005156496
で示される化合物であり、1975年にI.A.Southwellにより、コアラから精油の代謝物として見出され(Tetrahedron Letters,(24),1885−8(1975)参照)、1996年にH.Guthにより白ワインから発見されたことより、「ワインラクトン」と命名された(Special Publication−Royal Society of Chemistry,197(Flavour
Science),163−167(1996)参照)。この文献には、ワインラクトンの閾値は0.00001〜0.00004ng/L(in air)であり、香気特性としてはsweet,spicyと記載されている。その後、バレンシアオレンジ果汁、グレープフルーツ果汁などから見出されており(Flavour and Fragrance Journal,13(1),49−55(1998)、Journal of
Agricultural and Food Chemistry,49(3),1358−1363(2001)参照)また、飲食品用の香料としての使用も提案されている(特開2004−269463号公報参照)。
ワインラクトンには、不斉炭素原子が3ヶ所あるため8つの立体異性体(3S,3aS,7aR)体、(3R,3aR,7aS)体、(3R,3aS,7aR)体、(3S,3aR,7aS)体、(3S,3aS,7aS)体、(3R,3aR,7aR)体、(3R,3aS,7aS)体、(3S,3aR,7aR)が存在する。
Figure 0005156496
これらの異性体の香気に関してはすでに調べられており、香気の強度は、Helv.Chim.Acta,79,1559,(1996)に記載されており、「天然型」といわれる(3S,3aS,7aR)体が最も香気がよいことが判明している。
一方、本発明の余韻改善剤の構成成分であるワインラクトンとしては、上記8種類の各異性体またはそれらの2種もしくはそれ以上の任意の混合物を使用することができるが、「天然型」といわれる(3S,3aS,7aR)体を少なくとも20%、特に少なくとも25%、さらに特に少なくとも30%含有するものを使用することが好ましい。
本発明で使用されるワインラクトンは、白ワイン、柑橘類などから抽出・分離された天然由来のもであってもよく、或いはそれ自体既知の方法で合成することができる。例えば、Diels−Alder反応による6員環形成反応を用いる方法およびワインラクトンの3a位のメチル基と同じ立体化学を有するリモネンを出発物質として用いる方法(以上、Helv.Chim.Acta,79,1559,(1996)参照);光学活性体アルコールから転位反応を用いて3a位の立体化学を完全に制御しながら天然型ワインラクトンを得る方法(J.Org.Chem.,46,3869−3900(1981)参照);光学活性配位子を用いたパラジウムによるマロン酸エステルの付加反応を行い、天然型ワインラクトンのみを得る方法(Eur.J.Org.Chem.,419−423(2000)参照);3−メチル−2−シクロヘキセン−1−オンのアルキル付加物に光学活性オキサザボロリジンを不斉触媒として使用してカルボニル基の不斉還元反応を行い、その後3工程を経て天然型ワインラクトンを得る方法(特開2004−269463号公報参照)などの方法により合成することができる。
本明細書において、「焙煎嗜好飲料原料」とは、嗜好飲料を抽出するための原料であって、その原料の製造の過程において、加熱がなされ且つ加熱の結果、褐変反応がおこり該原料成分の一部が変化し、いわゆる焙煎香味を発現している原料を指す。そのような焙煎嗜好飲料原料として、具体的には、例えば、焙煎コーヒー豆およびその粉砕物、ココア粉末、ほうじ茶の茶葉、番茶の茶葉、玄米茶の茶葉(焙煎玄米を含む)、焙煎大麦およびその粉砕物、焙煎玄米およびその粉砕物、焙煎ハトムギおよびその粉砕物、焙煎したそばの実およびその粉砕物、ブラックマテ茶(焙煎マテ茶)の茶葉などが挙げられ、また、緑茶の茶葉、紅茶の茶葉、ウーロン茶の茶葉、グリーンマテ茶の茶葉などでも、100℃以上の強い加熱(火入れ)がされ、「火入れ香」が発生しているものも包含される。これらのうち、特に、焙煎コーヒー豆およびその粉砕物、ほうじ茶の茶葉、焙煎ハトムギおよびその粉砕物、焙煎玄米およびその粉砕物、焙煎大麦およびその粉砕物、ココア粉末が好適で
ある。
本明細書において、「焙煎嗜好飲料」とは、上記焙煎嗜好飲料原料を水、温湯、熱湯又は必要に応じて含水エタノールなどで抽出し、ヒトが飲用するのに適した状態及び濃度とした抽出液を指し、淹れたてのものおよび容器詰飲料に加工されたもののいずれも包含されるが、本発明においては、特に、殺菌され容器に充填されたもしくは容器に充填し殺菌された焙煎嗜好飲料が好適である。なお、焙煎嗜好飲料の淹れ方や抽出方法は、特に制限されるものではなく、焙煎嗜好飲料原料の種類などに応じて適した通常の淹れ方やそれ自体既知の抽出方法などを採用することができる。
本明細書において、「焙煎嗜好飲料風味飲食品」とは、上記の焙煎嗜好飲料原料そのものによりおよび/または焙煎嗜好飲料の風味が再現されるよう香料で香り付けされた焙煎嗜好飲料の風味を有する加工飲食品で、飲料のほか、アイスクリーム、シャーベットなどの冷菓類;ゼリー、プリン、羊羹などのデザート類;クッキー、ケーキ、チョコレート、チューインガム、饅頭などの菓子類;菓子パン、食パンなどのパン類;ジャム類、ラムネ、タブレット、錠菓などが挙げられる。
「余韻」とは、「香気」あるいは「風味」とはやや異なる香味に関する概念であり、飲んだ後の味わいのことを意味する。香味には、口に入れてすぐに感じる香味のほか、飲み込んだ後に口中全体から喉の奥にかけてしばらく持続する香味があるが、これが「余韻」と呼ばれるものである。香気は、通常、飲食品を口の近くに持っていったときに立ち上る匂いや口に含んだ瞬間に立ち上り、その直後に鼻の奥に抜ける香りなどを指す。また、風味は、通常、飲食品を口に含み、飲み込むまでの間における香気と、苦味、甘味、塩から味、酸味、旨味などを合わせた呈味の複合された感覚である。一方、「余韻」と呼ばれるその感覚は、飲食品を飲み込んだ時に鼻を抜ける時の香りと、喉に残った苦味、甘味、コク味などに基づくバランスやそれらの持続の特性、精神的な印象などの複合的な感覚から生まれると考えられるが、飲んでからしばらくたった後もその感覚を楽しめる後残りの感覚である。この「余韻」は、コーヒーの評価では「アフターテースト」とも呼ばれることもあり、特に重要視されている項目であり、その善し悪しが、コーヒーの品質を決定すると言っても過言ではないともいわれる。
ここで、香味を経時的に見てみると、(1)飲料を口に含んだ瞬間に感じる香味(アタック)、(2)飲料が口中に留まっている間に感じる香味(ボディー感、コクなど)、(3)飲み終わった後、舌や喉の奥など口中全体で感じる香味(余韻)、の3段階に分けて考えることができる。上記(3)の余韻は、口中に残る残留物が鼻腔に抜けていく感覚や、舌にどのような香味が残るか持続するかをみることにより評価することができる。プラスの評価例としては、良好な香味が「長く続く」、「甘さを伴いながら徐々に消えていく」などの感覚であり、マイナスの評価例としては、「すぐ消える」、「渋味、苦味、えぐ味が残る」、「刺激的な嫌な感覚が滲み出てくる」など好ましくない香味が残る感覚である。
焙煎嗜好飲料以外の飲食品では、ワインの官能評価においても「余韻」が重要な評価項目として挙げられており、好ましいバランスで長時間持続するものが高級品で価値あるものとされている。
余韻は、ただ香味が残存すればよいというものではなく、甘さ、酸味、苦味、ロースト感などの嗜好飲料の香味を構成する各要素とのバランスによって構成され、より立体的かつ複雑な印象が与えられたほうが好ましい。
本発明の余韻改善剤は、実質的にワインラクトンのみからなることができ、或いはワイ
ンラクトンと担体、増量剤、賦形剤などの添加剤からなることもできる。かかる添加剤としては、例えば、エタノール;グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトールなどの糖アルコール類;大豆油、サフラワー油、ヒマワリ油、トウモロコシ油、ゴマ油、ナタネ油、ヌカ油、綿実油、オリーブ油、ヒマシ油、パーム油、ヤシ油、硬化大豆油、硬化ゴマ油、硬化米油、硬化小麦胚芽油、硬化サフラワー油、硬化トウモロコシ油、硬化ヒマワリ油、硬化パーム油、硬化パーム核油、硬化ヤシ油、硬化綿実油、硬化落花生油、硬化ツバキ油、牛脂、硬化牛脂、硬化鯨油、硬化魚油、トリアセチン、中鎖飽和脂肪酸トリグリセリド、SAIB(比重調整剤)などの油脂類;脂肪酸モノグリセリド、脂肪酸グリセリド、ポリ脂肪酸グリセリド、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなどの脂肪酸エステル類;脂肪酸、脂肪酸塩、高級アルコール、ワックス、リン脂質、糖脂質、ステロール、炭化水素およびこれらの水添物などの脂質類;グルコース、ガラクトース、フラクトースなどの単糖類;マルトース、ラクトース、シュークロース、トレハロースなどの二糖類;DEが約2〜約5の低DEデキストリン、DEが約6〜約40のデキストリン、サイクロデキストリンなどのデキストリン類;酸化澱粉、燐酸澱粉、澱粉カルボン酸エステル分解物などの化工澱粉類;ゼラチン、アラビアガム、トラガントガム、キサンタンガム、CMCなどの天然および合成糊料類、食塩などが挙げられる。
焙煎嗜好飲料または焙煎嗜好飲料風味飲食品に本発明の余韻改善剤を添加して焙煎嗜好飲料または焙煎嗜好飲料風味飲食品の風味に「余韻」を賦与しようとする場合、余韻改善剤の配合量は重要であり、その配合量は、焙煎嗜好飲料の種類または焙煎嗜好飲料風味飲食品に含まれる焙煎嗜好飲料原料の種類などによっても異なるが、焙煎嗜好飲料または焙煎嗜好飲料風味飲食品の全重量を基準にして、ワインラクトンとして一般に10−4ppb〜10ppb、好ましくは10−3ppb〜10ppb、さらに好ましくは10−2ppb〜1ppbの範囲内とすることができる。これらの配合量範囲内でのワインラクトンの添加により、焙煎嗜好飲料または焙煎嗜好飲料風味飲食品の風味に「余韻」を賦与することができ、さらにまた、香気に甘さ、ロースト感、ボディー感、コク味などが付与されるという優れた効果が得られる。焙煎嗜好飲料または焙煎嗜好飲料風味飲食品に対するワインラクトンの配合量が10ppbを越える場合には、ワインラクトン特有のスパイシーな香味が異臭として出ることがあり、また、焙煎嗜好飲料または焙煎嗜好飲料風味飲食品に対するワインラクトンの配合量が10−4ppbを下回る場合には、本発明が目的とする「余韻」の賦与効果が十分に得られない。
ワインラクトンは、焙煎嗜好飲料または焙煎嗜好飲料風味飲食品に対して単独で使用してもよいが、通常、焙煎嗜好飲料風味飲食品用香味料組成物に微量配合して香味料組成物を得、それを焙煎嗜好飲料風味飲食品に配合することにより、香味料組成物が添加された焙煎嗜好飲料風味飲食品に風味の「余韻」を賦与すると共に、天然感あふれる甘さ、ロースト感、ボディー感、コク味を付与することができる。ワインラクトンの香味料組成物中への配合量は、焙煎嗜好飲料風味飲食品への香味料組成物の添加量が重量換算で0.1%を目安とすると、香味料組成物の全重量を基準にして、一般に10−4ppm〜10ppm、好ましくは10−3ppm〜10ppm、さらに好ましくは10−2ppm〜1ppmの範囲内であることができる。
かかる焙煎嗜好飲料の風味を有する飲食品用香味料組成物の一般的素材としては、各種の天然香料、合成香料などが包含され、例えば、特許庁公報 周知慣用技術集(香料)第II部食品香料、P125−130、平成12年1月14日発行;香料化学総覧 1,2,3、奥田治著 廣川書店出版;Perfume and flavor Chemicals,1,2(Steffen Arctander著);合成香料 印藤元一著 化学工業日報社出版;特開2005−143467号公報(茶フレーバー組成物);特開2006−20526号公報(コーヒーフレーバー組成物および該フレーバー組成物を含有する飲食品類);特開2006−121958号公報(ココア様香料組成物)などの文献
に記載の天然香料、合成香料などを挙げることができ、これらを適宜組み合わせて混合することにより焙煎嗜好飲料用香味料組成物を調製することができる。
以下、実施例、比較例および参考例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1(ワインラクトンのコーヒー飲料への添加)
焙煎したコーヒー豆1000g(コロンビア L値22)を粉砕した後、撹拌を行いながら、14倍量の90℃熱水で15分間抽出を行った。抽出終了後、市販の紙製の濾過フィルターで抽出液を濾過し、濾液を氷冷し、コーヒー抽出液10870g(Bx2.3°)を得た。抽出液にショ糖を1525g添加し完全に溶解した後、重曹を加えpHを6.9に調整し、さらに水を加えて、全体を25000g(以下、殺菌前のコーヒー飲料原液とする)とした。これを小分けし、無添加品(比較品1)、ワインラクトンの10−5ppm溶液を0.1%添加したもの(比較品2)、10−4ppm溶液を0.1%添加したもの(本発明品1)、10−2ppm溶液を0.1%添加したもの(本発明品2)、1ppm溶液を0.1%添加したもの(本発明品3)、100ppm溶液を0.1%添加したもの(本発明品4)、0.1%溶液を0.1%添加したもの(比較品3)それぞれ調製し、90℃に昇温後、190gずつ缶に充填し、レトルト殺菌を行い(121℃、20分間、F=39)缶入りコーヒー飲料を得た。それぞれのコーヒー飲料は、ワインラクトン無添加品をコントロールとして10名のパネラーにて「余韻」、「香り」、「味」を対象に10点を最高点として評点を付け官能評価を行った(評価基準 2:悪い、4:やや悪い、6:普通、8:良い、10:非常に良い)。その平均的な官能評価結果を下記表1に示す。
Figure 0005156496
上記表1に示したとおり、缶入りコーヒー飲料に対しワインラクトンを10−4ppb〜10ppbの範囲で添加した本発明品1〜4においてはコーヒー飲料に「余韻」が賦与されていた。同時に、良好なコーヒー様香気が強調されているとの評価であり、缶入りコーヒー飲料中に僅か10−4ppb添加した本発明品1でも香気にコク、甘さが賦与されるという結果であった。一方、10−5ppbの添加では無添加と差がなく、1000
ppbの添加では薬品的、スパイシーな違和感が出てしまい、良好ではなかった。
実施例2(コーヒー様香料の調合)
コーヒー様の調合香料組成物として下記の各成分(重量部)を調合した(比較品4)。
2−ノナノール 1
ジアセチル 10
アセトイン 5
フルフラール 25
フラネオール 2.5
ソトロン 0.005
グアイアコール 0.25
4−エチルグアイアコール 0.1
4−ビニルグアイアコール 0.5
吉草酸 2
イソ吉草酸 0.05
2−エチル−3−メチルピラジン 0.1
フルフリルメルカプタン 0.1
95%エタノールにて合計量を1000とする。
上記コーヒー様調合香料(比較品4)に対し、ワインラクトンの添加量をさまざまに変えて添加したものを本発明品5〜8および比較品5、6とした。それぞれの発明品および比較品の調製に当たっては、下記表2に示す濃度のワインラクトンのエタノール希釈液を調製し、表2に示す量を添加した。それぞれの調合香料中のワインラクトン添加量とワインラクトン濃度を下記表2に示す。
Figure 0005156496
実施例3(コーヒー様の調合香料組成物のコーヒー飲料への添加)
実施例1と全く同様にして焙煎したコーヒー豆1000g(コロンビア L値22)から殺菌前のコーヒー飲料原液25000gを調製した。これを小分けし、実施例2において調製した本発明品5〜8または比較品4〜6を各0.1重量%添加し、90℃に昇温後、190gずつ缶に充填し、レトルト殺菌を行い(121℃、20分間、F=39)缶入りコーヒー飲料を得た。それぞれのコーヒー飲料は、ワインラクトン無添加品をコントロールとして専門のパネラー10名のパネラーにて「余韻」、「香り」、「味」を対象に10点を最高点として評点を付け官能評価を行った(評価基準 2:悪い、4:やや悪い、6:普通、8:良い、10:非常に良い)。その平均的な官能評価結果を下記表3に示す
Figure 0005156496
表3に示したとおり、コーヒー香気を有する調合香料のみを添加した比較品4では、コーヒーの「香り」はよく立つようになり、香気的には改善されるが、「余韻」に関してはコーヒー香料組成物・ワインラクトン無添加の区分であるコントロール品と大差がなかった。一方、本発明品5〜8を0.1%添加したコーヒー飲料では、飲料中のワインラクトン濃度として10−4ppb〜10ppbとなっているが、コーヒー飲料にコク、甘さ、ロースト感、ボディー感、ビーンズ感などと共に「余韻」が賦与され、良好なコーヒー様香気が強調されているとの評価であった。また、缶入りコーヒー飲料中に添加した本発明品1を0.1%添加したワインラクトンを僅か10−4ppb含有するコーヒー飲料でも「余韻」が賦与されるという結果であった。これに対し、缶入りコーヒー飲料中にワインラクトンを10−5ppb含有するものは無添加と差がなく、1000ppbの濃度では薬品的、スパイシーな違和感が出てしまい、良好ではなかった。すなわち、コーヒー飲料中にワインラクトンが10−4ppb〜10ppbの範囲内の濃度存在することにより、コーヒー飲料に効果的な「余韻」が賦与されることが認められた。
実施例4(ココア様香料の調合)
ココア様の調合香料組成物として下記の各成分(重量部)を調合した(比較品7)。
酪酸 0.02
イソ吉草酸 0.01
イソブタノール 0.05
ベンジルアルコール 0.5
フェニルエチルアルコール 0.2
イソブチルアルデヒド 0.5
バニリン 5
マルトール 0.5
δ−デカラクトン 0.1
2−メトキシ−3−メチルピラジン 0.1
2−エチル−3−メチルピラジ 0.1
2,3,5−トリメチルピラジン 0.05
95%エタノールにて合計量を1000とする。
上記ココア様調合香料組成物100重量部に、ワインラクトンの0.01%アルコール溶液0.1(重量部)を混合してココア様調合香料組成物(本発明品9)を調製した。
実施例5(ココア様の調合香料組成物のココア飲料への添加)
下記処方にてココア飲料を調製した。
ココアパウダー(カカオバター22重量%含有) 1.5
牛乳(乳脂肪分3重量%、無脂乳固形分8重量%含有) 18.0
ショ糖 8.0
セルロースパウダー 0.2
食塩 0.05
乳化剤 0.10
カラギーナン 0.03
温水 残量
合計100.00
上記の各成分を混合し、70℃に加熱した後、高速ミキサーで5分間撹拌し、ホモジナイザーにて150kg/cmの圧力で均質化した。
これを小分けし、無添加品(比較品8)、ワインラクトンの100ppbアルコール溶液を0.1(重量部)添加したもの(本発明品10)、本発明品9を0.1重量%添加したもの(本発明品11)および比較品7を0.1重量%添加したもの(比較品9)を調製し、それぞれ190gずつ缶に充填し、レトルト殺菌を行い(124℃、30分間、F=58.5)、缶入りココア飲料を得た。それぞれのココア飲料は、ワインラクトン無添加品(比較品8)をコントロールとして10名のパネラーにて「余韻」、「香り」、「味」を対象に10点を最高点として評点を付け官能評価を行った(評価基準 2:悪い、4:やや悪い、6:普通、8:良い、10:非常に良い)。その平均的な官能評価結果を下記表4に示す。
Figure 0005156496
表4に示したとおり、ワインラクトンのみを添加した本発明品10およびココア様調合香料組成物にワインラクトンを添加した香料組成物を添加した本発明品11の缶入りココ
ア飲料は、いずれもコントロールと比べ「余韻」が賦与されることが認められた。一方、ワインラクトンを添加していないココア様調合香料組成物を添加した比較品9は、ロースト感、甘さ、ココアらしい風味はコントロールと比べ増強されており、香料を添加したことによる香気の増強は認められるが、「余韻」はコントロールと比べあまり差がなかった。ワインラクトンを添加した香料組成物を添加した本発明品11の缶入りココア飲料は、ロースト感、甘さ、ココアらしい風味はコントロールと比べ増強されており、かつ、「余韻」も賦与されており、非常に高い評価であった。
実施例6(麦茶様香料の調合)
麦茶様の調合香料組成物として下記の各成分(重量部)を調合した(比較品10)。
イソオイゲノール 0.1
イソブチルアルデヒド 0.1
バニリン 0.5
マルトール 2.0
シクロテン 5.0
ジアセチル 0.5
2−フルフリルアルコール 5.0
4−ビニルグアイアコール 0.05
酢酸 0.5
2,3,5−トリメチルピラジン 0.1
2,5−ジメチル−3−エチルピラジン 0.01
95%エタノールにて合計量を1000とする。
上記麦茶様調合香料組成物100重量部に、ワインラクトンの0.01%アルコール溶液0.1(重量部)を混合して麦茶様調合香料組成物(本発明品12)を調製した。
実施例7(麦茶様調合香料組成物の麦茶飲料への添加)
95℃に加熱したイオン交換水30Kgに焙煎大麦(L値35)粗挽き1.5Kgを投入し、ゆっくり5分間攪拌した後、ネル濾過フィルターにて熱時濾過し、濾液を20℃まで冷却し、さらに、No.26濾紙(300mm)(ADVANTEC東洋濾紙株式会社製)にセルロースパウダー250gをプレコートしたヌッチェにて吸引濾過し混合茶抽出濾液22.05Kgを得、重曹にてpHを6.5に調整し、水を加えて、全体を100Kgとした。これを小分けし、無添加品(比較品11)、ワインラクトンの100ppbアルコール溶液を0.1(重量部)添加したもの(本発明品13)、本発明品12を0.1重量%添加したもの(本発明品14)および比較品10を0.1重量%添加したもの(比較品12)を調製し、137℃で30秒間加熱殺菌後、88℃まで冷却し500mlペットボトルに充填し、2分保持後、室温(25℃)まで冷却し、ペットボトル入り麦茶飲料とした。それぞれの麦茶飲料は、ワインラクトン無添加品(比較品11)をコントロールとして10名のパネラーにて「余韻」、「香り」、「味」を対象に10点を最高点として評点を付け官能評価を行った(評価基準 2:悪い、4:やや悪い、6:普通、8:良い、10:非常に良い)。その平均的な官能評価結果を下記表5に示す。
Figure 0005156496
表5に示したとおり、ワインラクトンをのみを添加した本発明品13および麦茶様調合香料組成物にワインラクトンを添加した香料組成物を添加した本発明品14のペットボトル入り麦茶飲料は、いずれもコントロールと比べ「余韻」が賦与されていた。一方、ワインラクトンを添加していない麦茶様調合香料組成物を添加した比較品12は、香料無添加の比較品11と比べると麦茶感、ロースト感、甘さなどが賦与され、良好な麦茶様香気が強調されており、香料を添加したことによる効果は認められるが、「余韻」はコントロールと比べあまり差がなかった。ワインラクトンを添加した香料組成物を添加した本発明品14の缶入りココア飲料は、ロースト感、甘さ、麦茶らしい風味はコントロールと比べ増強されており、かつ、「余韻」も賦与されており、高い評価であった。
実施例8(ほうじ茶様香料の調合)
ほうじ茶様の調合香料組成物として下記の各成分(重量部)を調合した(比較品13)。
シス−3−ヘキセノール 1
1−オクテン−3−オール 0.1
ネロール 0.05
(E,E)−2,4−オクタジエナール 0.002
シス−ジャスモン 0.001
酢酸エチル 0.1
δ−オクタラクトン 0.2
ジメチルスルフィド 0.002
2−エチル−3−メチルピラジン 0.02
2,3,5−トリメチルピラジン 0.01
2−メトキシ−3,5−ジメチルピラジン0.01
リナロールオキサイド 0.15
95%エタノールにて合計量を1000とする。
上記ほうじ茶様調合香料組成物100重量部に、ワインラクトンの0.01%アルコール溶液0.02(重量部)を混合してほうじ茶様調合香料組成物(本発明品15)を調製した。
実施例9(ほうじ茶様調合香料組成物のほうじ茶飲料への添加)
アスコルビン酸ナトリウム1.0gを溶解した90℃イオン交換水20Kgにほうじ茶1000gを投入し、時々攪拌しながら10分間静置抽出した後、40メッシュ金網にて茶葉を分離した。茶葉の残渣をイオン交換水2Kgにて洗浄し、抽出液と洗浄液をあわせ
、No.26濾紙(ADVANTEC東洋濾紙株式会社製)を使用して吸引ろ過した後、ろ液にL−アスコルビン酸ナトリウム40gと重曹2gを加え、さらにイオン交換水を加え全体を100Kgとした。これを小分けし、無添加品(比較品14)、ワインラクトンの100ppbアルコール溶液を0.02(重量部)添加したもの(本発明品16)、本発明品15を0.1重量%添加したもの(本発明品17)および比較品13を0.1重量%添加したもの(比較品15)を調製し、137℃で30秒間加熱殺菌後、88℃まで冷却し500mlペットボトルに充填し、2分保持後、室温(25℃)まで冷却し、ペットボトル入りほうじ茶飲料とした。それぞれのほうじ茶飲料は、ワインラクトン無添加品(比較品14)をコントロールとして10名のパネラーにて「余韻」、「香り」、「味」を対象に10点を最高点として評点を付け官能評価を行った(評価基準 2:悪い、4:やや悪い、6:普通、8:良い、10:非常に良い)。その平均的な官能評価結果を下記表6に示す。
Figure 0005156496
表6に示したとおり、ワインラクトンをのみを添加した本発明品16およびほうじ茶様調合香料組成物にワインラクトンを添加した香料組成物を添加した本発明品16のペットボトル入りほうじ茶飲料は、いずれもコントロールと比べ「余韻」が賦与されていた。一方、ワインラクトンを添加していないほうじ茶様調合香料組成物を添加した比較品15は、香料無添加の比較品14と比べ、香ばしいロースト感、甘さなどが賦与され、良好なほうじ茶様香気が強調されており、香料を添加したことによる効果は認められるが、「余韻」はコントロールと比べあまり差がなかった。ワインラクトンを添加した香料組成物を添加した本発明品17のペットボトル入り飲料は、香ばしいロースト感、甘さなどが賦与され、良好なほうじ茶様香気に加え、「余韻」も大幅に増強されており、良好との評価であった。
実施例10(コーヒー様調合香料組成物のコーヒーキャンディーへの配合)
実施例2で得られたコーヒー様調合香料組成物(本発明品7及び比較品4)を下記処方のコーヒーキャンディー基材に添加し、常法によりキャンディーを調製した。
キャンディー配合処方 (重量部)
グラニュー糖 48
水飴(75%) 32
水 20
ゼラチン 2
硬化ヤシ油(融点34℃) 9
全脂加糖練乳 5
クエン酸(結晶) 0.5
着色料 0.06
本発明品7(または比較品4 ) 0.5
濃縮コーヒーエキスBx40° 2
できあがり生地量 約100
これらのキャンディーを、専門パネラー10人により、なめ終えた後の余韻について官能評価を行った。その結果、専門パネラー10人全員が、本発明品7を添加したキャンディーは、比較品4を添加したキャンディーに較べて、コーヒーの良好な「余韻」が感じられ良好であると評価した。
実施例11(ココア様調合香料組成物のココア風味スポンジケーキへの配合)
実施例4で得られたココア様調合香料組成物(本発明品9及び比較品7)を下記処方のスポンジケーキ生地に添加し、常法によりココア風味スポンジケーキを調製した。
スポンジケーキ配合処方 (重量部)
薄力粉 1000
ココアパウダー(カカオバター12重量%含有) 100
ベーキングパウダー 30
砂糖 1300
全卵 1600
牛乳 400
無塩バター 30
バニラオイル 1
本発明品9(または比較品7) 1
合計 4462
これらのスポンジケーキを、専門パネラー10人により官能評価を行った。その結果、専門パネラー10人全員が、本発明品9を添加したスポンジケーキは比較品7を添加したスポンジケーキに較べて、ココアの良好な「余韻」が感じられ良好と評価した。
実施例12(麦茶様調合香料組成物の麦茶風味シャーベットへの配合)
実施例6で得られた麦茶様調合香料組成物(本発明品12及び比較品10)を下記処方のシャーベットに添加し、常法により麦茶風味シャーベットを調製した。
シャーベット配合処方 (重量部)
砂糖 10
水飴(75%) 6
果糖ぶどう糖液糖(75%) 5
麦茶エキスBx10° 1
本発明品12(または比較品10) 0.2
水にて合計量を 100とする
これらのシャーベットを、専門パネラー10人により官能評価を行った。その結果、専門パネラー10人全員が、本発明品12を添加したシャーベットは比較品10を添加したシャーベットに較べて、麦茶の好ましい「余韻」があり良好と評価した。
実施例13(ほうじ茶様調合香料組成物のほうじ茶風味ゼリーへの配合)
実施例8で得られたほうじ茶様調合香料組成物(本発明品15及び比較品13)を下記処方のゼリーに添加し、常法によりほうじ茶風味ゼリーを調製した。
ゼリー配合処方 (重量部)
グラニュー糖 60
ソルビトール 12
寒天 1
ほうじ茶エキスBx10° 1
本発明品15(または比較品13) 0.2
水にて合計量を 100とする。
これらのゼリーを、専門パネラー10人により官能評価を行った。その結果、専門パネラー10人全員が、本発明品15を添加したゼリーは比較品11を添加したゼリーに較べてほうじ茶の「余韻」が良好に感じられと評価した。

Claims (1)

  1. コーヒー飲料またはコーヒー風味飲食品にワインラクトンを10 -4 ppb〜10 2 ppbの濃度で含有させることを特徴とするコーヒー飲料またはコーヒー風味飲食品のアフターテースト改善方法
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