JP7191889B2 - ロタンドンを有効成分とする飲食品のコク味増強剤 - Google Patents
ロタンドンを有効成分とする飲食品のコク味増強剤 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7191889B2 JP7191889B2 JP2020079988A JP2020079988A JP7191889B2 JP 7191889 B2 JP7191889 B2 JP 7191889B2 JP 2020079988 A JP2020079988 A JP 2020079988A JP 2020079988 A JP2020079988 A JP 2020079988A JP 7191889 B2 JP7191889 B2 JP 7191889B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- food
- drink
- taste
- richness
- rotandone
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Seasonings (AREA)
Description
(1)ロタンドン[(3S,5R,8S)-5-イソプロペニル-3,8-ジメチル-3,4,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-1(2H)-アズレノンおよび/または(3R,5R,8S)-5-イソプロペニル-3,8-ジメチル-3,4,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-1(2H)-アズレノン]からなる飲食品のコク味増強剤。
(2)(1)に記載のコク味増強剤を0.1ppt~1ppm含有する、飲食品のコク味増強組成物。
(3)(1)に記載のコク味増強剤を、飲食品に0.001ppt~1ppb含有させる、飲食品のコク味増強方法。
0.3質量%のグルタチオン水溶液(コントロール)、および、0.3質量%グルタチオン水溶液に(-)-ロタンドンまたは3-エピロタンドンを表1に示す濃度に溶解させた溶液を調製した。それぞれの溶液をよく訓練された10名のパネリストにより味わうことにより、コク味の増強についての官能評価を行った。
5リットル容の水蒸気蒸留釜に鰹荒節粉砕物200gおよび水1800gを仕込み、釜の下部より水蒸気を吹き込み、約100℃で約3時間水蒸気蒸留を行った。留出する揮発性香気成分を含んだ水蒸気を水冷式ガラス冷却管に導き、約20℃に冷却し、凝縮させることにより回収香400gを得た。得られた回収香400gにODO(登録商標:日清オイリオ社製の中鎖脂肪酸トリグリセライドの商品名)40gを添加して、室温下30分撹拌抽出した。抽出後60分静置し、油層部をデカント分離し、分離した油層部を無水硫酸ナトリウムにて脱水し、濾紙濾過してカツオ節フレーバー(参考品1)38gを得た。
3リットル容のフラスコに鰹本枯節粉砕物200gおよび80%含水アルコール100gを加え、80~85℃にて3時間撹拌抽出した。抽出後、遠心分離、濾過して抽出液800gを得、減圧下にてアルコールを回収しカツオ節フレーバー(参考品2)15gを得た。
表2に示す以下の各成分を調合した(参考品3)
カツオ節様のコク味増強組成物として、下記の各成分(質量部)を調製した(比較品1)。
参考品1 10
参考品2 25
参考品3 0.5
アルコール 35
水 29.5
合計 100
上記比較品1に、(-)-ロタンドンまたは3-エピロタンドンを1ppt、10ppt、100ppt、1ppb、10ppb、0.1ppm、1ppm、10ppmとなるように添加し、コク味増強組成物を調製した。0.3質量%のグルタチオン水溶液に、比較品1を0.1%溶解した溶液をコントロール品(比較品2)として、それぞれのコク味増強組成物を0.3質量%のグルタチオン水溶液に、0.1%溶解させたものについてよく訓練されたパネリスト10名によりコク味の官能評価を行った。
市販のチキンコンソメスープ用粉末10gに熱湯を加えて全量を600mLとし、チキンコンソメスープを調製した。これに(-)-ロタンドンまたは3-エピロタンドンをチキンコンソメスープに対してそれぞれ単独で0.1ppmとなるように添加したものを調製した。よく訓練された10名のパネリストにより味わうことにより、コク味についての官能評価を行った。その結果、10名全員が、(-)-ロタンドンまたは3-エピロタンドンをそれぞれ単独で0.1ppmとしたチキンコンソメスープの方が、無添加のチキンコンソメスープと比較してコク味が増強されているという評価であった。
市販の鶏がらスープ用粉末10gに熱湯を加えて全量を600mLとし、鶏がらスープを調製した。これに(-)-ロタンドンおよび3-エピロタンドンを鶏がらスープに対して各0.02ppm、合計0.04ppmとなるように添加したものを調製した。よく訓練された10名のパネリストにより味わうことにより、コク味についての官能評価を行った。その結果、10名中9名が、(-)-ロタンドンおよび3-エピロタンドンを計0.04ppmとした鶏がらスープの方が、無添加の鶏がらスープと比較してコク味が増強されているという評価であった。
下記表4の処方により、カツオブシ様の調合香料組成物(香気の付与に加えて、コク味を付与するタイプ)を調合した。
市販無糖ブラックコーヒーに、(-)-ロタンドンまたは3-エピロタンドンを表6に示す濃度を添加した。それぞれのブラックコーヒーについて、よく訓練された10名のパネリストにより味わうことにより、コク味の増強についての官能評価を行った。
茶葉(インド・アッサム産、CTC製法)1Kgに95℃イオン交換水20Kgを加え、5分間ゆっくり攪拌した後、100メッシュ金網を用いて、茶葉を分離し、分離した液を20℃に冷却し抽出液13.82Kgを得た。得られた抽出液にアスコルビン酸ナトリウム7.0g(500ppm)を加え、濾紙濾過を行い、紅茶飲料原液13.51Kgを得た(Bx:2.32°、pH:5.4、タンニン含量(酒石酸鉄法):0.61%)。この紅茶飲料原液にイオン交換水をBx0.3°となる量(90.7Kg)および、アスコルビン酸ナトリウムを全体量に対し0.04%(41.8g)加え、紅茶希釈液とした。
市販のノンアルコールビールに(-)-ロタンドンを10ppt添加し、無添加のノンアルコールビールをコントロールとして、よく訓練されたパネリスト10名によりコク味の官能評価を行った。その結果、パネリスト10名すべてが、無添加のノンアルコールビールと比較して、(-)-ロタンドンを添加したノンアルコールビールのほうが、コク味が増強されているという評価であった。
市販のミルクコーヒーに(-)-ロタンドンを10ppt添加し、無添加のミルクコーヒーをコントロールとして、よく訓練されたパネリスト10名によりコク味の官能評価を行った。その結果、パネリスト10名すべてが、無添加のミルクコーヒーと比較して、(-)-ロタンドンを添加したミルクコーヒーのほうが、コク味が増強されているという評価であった。
Claims (4)
- 3-エピロタンドンからなる飲食品のコク味増強剤。
- 請求項1に記載のコク味増強剤を0.1ppt~1ppm含有する、飲食品のコク味増強組成物。
- 請求項1に記載のコク味増強剤を、飲食品に0.001ppt~1ppb含有させる、飲食品のコク味増強方法。
- コク味が増強された飲食品の製造方法であって、請求項2に記載のコク味増強組成物を、飲食品中の3-エピロタンドン濃度が0.001ppt~1ppbとなるように飲食品に添加する、コク味が増強された飲食品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020079988A JP7191889B2 (ja) | 2020-04-30 | 2020-04-30 | ロタンドンを有効成分とする飲食品のコク味増強剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020079988A JP7191889B2 (ja) | 2020-04-30 | 2020-04-30 | ロタンドンを有効成分とする飲食品のコク味増強剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021171025A JP2021171025A (ja) | 2021-11-01 |
JP7191889B2 true JP7191889B2 (ja) | 2022-12-19 |
Family
ID=78278350
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020079988A Active JP7191889B2 (ja) | 2020-04-30 | 2020-04-30 | ロタンドンを有効成分とする飲食品のコク味増強剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7191889B2 (ja) |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017206451A (ja) | 2016-05-17 | 2017-11-24 | 長谷川香料株式会社 | (3r,5r,8s)−5−イソプロペニル−3,8−ジメチル−3,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−1(2h)−アズレノンおよび香料組成物 |
JP2020511128A (ja) | 2017-02-27 | 2020-04-16 | シムライズ アーゲー | ロタンドン含有混合物を生産するための方法 |
JP2021093962A (ja) | 2019-12-18 | 2021-06-24 | 小川香料株式会社 | ロタンドンを有効成分とする香味発現増強剤 |
-
2020
- 2020-04-30 JP JP2020079988A patent/JP7191889B2/ja active Active
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017206451A (ja) | 2016-05-17 | 2017-11-24 | 長谷川香料株式会社 | (3r,5r,8s)−5−イソプロペニル−3,8−ジメチル−3,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−1(2h)−アズレノンおよび香料組成物 |
JP2020511128A (ja) | 2017-02-27 | 2020-04-16 | シムライズ アーゲー | ロタンドン含有混合物を生産するための方法 |
JP2021093962A (ja) | 2019-12-18 | 2021-06-24 | 小川香料株式会社 | ロタンドンを有効成分とする香味発現増強剤 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2021171025A (ja) | 2021-11-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
WO2005004635A1 (ja) | 呈味増強剤、該呈味増強剤を含有する飲食品、及び呈味増強方法 | |
JP6262171B2 (ja) | 果実香味増強剤 | |
JP2022524342A (ja) | D-アルロースおよび味修飾化合物を含む混合物 | |
JP6291317B2 (ja) | 風味向上剤、香料組成物及びこれらを含有する飲食品 | |
JP2018523473A (ja) | 味覚調節化合物を含む組成物、それらの使用およびそれらを含む食品 | |
US20130045318A1 (en) | Salty taste enhancer and kelp extract comprising the same | |
JP6817783B2 (ja) | 甘味質改善剤 | |
JP6985331B2 (ja) | ドデセン酸を有効成分とする飲食品の塩味増強剤 | |
JP4606505B1 (ja) | 甘味含有飲食品の甘味改善剤 | |
TWI703933B (zh) | 以4-烷氧基桂皮醛衍生物為有效成分之香味調整劑 | |
JP7191889B2 (ja) | ロタンドンを有効成分とする飲食品のコク味増強剤 | |
CN111526728A (zh) | 香草组合物 | |
CN107529803B (zh) | 以吡啶衍生物或其盐作为有效成分的香味调制剂 | |
JP6391179B2 (ja) | 乳化組成物および粉末組成物 | |
JP5805902B1 (ja) | 香味変調剤 | |
JP6985332B2 (ja) | ドデセン酸を有効成分とする飲食品の不快味のマスキング剤 | |
JP7352803B2 (ja) | 飲食品の呈味増強剤 | |
JP6824926B2 (ja) | 飲食品の風味改善剤 | |
JP7179433B2 (ja) | ロタンドンを有効成分とする飲食品の塩味増強剤 | |
JP6995452B2 (ja) | ドデセン酸を有効成分とする飲食品の旨味増強剤 | |
JP7433128B2 (ja) | ロタンドンを有効成分とする飲食品の不快味のマスキング剤 | |
JP6255132B1 (ja) | 飲食品の濃厚感付与増強剤 | |
JP6989565B2 (ja) | ドデセン酸を有効成分とする高甘味度甘味料の呈味改善剤 | |
JP6352227B2 (ja) | 2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンを含有する乳化組成物および粉末組成物 | |
JP7062828B1 (ja) | シソ風味香料組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210720 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220524 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20220527 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220620 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20221011 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20221026 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20221206 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20221207 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7191889 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |