JP6995452B2 - ドデセン酸を有効成分とする飲食品の旨味増強剤 - Google Patents
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(1)7-ドデセン酸、8-ドデセン酸、9-ドデセン酸および10-ドデセン酸からなる群から選択される1種または2種以上からなる飲食品の旨味増強剤。
(2)(1)の旨味増強剤を0.1ppm~5%含有する、飲食品の旨味増強組成物。
(3)(1)の旨味増強剤を、飲食品に1ppb~100ppm含有させる、飲食品の旨味増強方法。
0.03質量%のグルタミン酸ナトリウム(MSG)水溶液に、表1に示す濃度の本発明品1~4を溶解したMSG水溶液を調製した。前記MSG水溶液をコントロール品として、本発明品1~4を溶解した溶液を、よく訓練された10名のパネリストにより味わうことにより、旨味についての官能評価を行った。
5リットル容の水蒸気蒸留釜に鰹荒節粉砕物200gおよび水1800gを仕込み、釜の下部より水蒸気を吹き込み、約100℃で約3時間水蒸気蒸留を行った。留出する揮発性香気成分を含んだ水蒸気を水冷式ガラス冷却管に導き、約20℃に冷却し、凝縮させることにより回収香400gを得た。得られた回収香400gにODO(登録商標:日清オイリオ社製の中鎖脂肪酸トリグリセライドの商品名)40gを添加して、室温下30分撹拌抽出した。抽出後60分静置し、油層部をデカント分離し、無水硫酸ナトリウムにて脱水し、濾紙濾過してカツオ節フレーバー(参考品1)38gを得た。
3リットル容のフラスコに鰹本枯節粉砕物200gおよび80%含水アルコール100gを加え、80~85℃にて3時間撹拌抽出した。抽出後、遠心分離、濾過して抽出液800gを得、減圧下にてアルコールを回収しカツオ節フレーバー(参考品2)15gを得た。
表2に示す以下の各成分を調合した(参考品3)
カツオ節様の旨味増強組成物として、下記の各成分(質量部)を調製した(参考品4)。
参考品1 10質量部
参考品2 25
参考品3 0.5
アルコール 35
水 29.5
合計 100
上記参考品4に、本発明品1~4を0.01ppm、0.1ppm、1ppm、10ppm、0.1%、1.0%、5.0%となるように添加し、旨味増強組成物を調製した。
参考品4をコントロール品として、それぞれの旨味増強組成物の水溶液についてよく訓練されたパネリスト10名により旨味の官能評価を行った。官能評価の評点は、実施例1と同じ方法で採点した。パネリスト10名の平均点を表3に示す。
0.1質量%のイノシン酸ナトリウム(5’-IMP・2Na)と、これに、本発明品1~4を0.1ppmそれぞれ単独で加えた水溶液をよく訓練された10名のパネリストにより味わうことにより、旨味についての官能評価を行った。その結果、10名全員が、本発明品1~4を0.1ppmそれぞれ加えた水溶液の方が、0.1質量%のイノシン酸ナトリウム水溶液と比較して旨味が増強されているという評価であった。
市販のチキンコンソメスープ用粉末10gに熱湯を加えて全量を600mLとし、チキンコンソメスープを調製した。これに本発明品1~4をチキンコンソメスープに対してそれぞれ単独で0.1ppmとなるように添加したものを調製した。よく訓練された10名のパネリストにより味わうことにより、旨味についての官能評価を行った。その結果、10名全員が、本発明品1~4をそれぞれ単独で0.1ppmとしたチキンコンソメスープの方が、無添加のチキンコンソメスープと比較して旨味が増強されているという評価であった。
市販の鶏がらスープ用粉末10gに熱湯を加えて全量を600mLとし、鶏がらスープを調製した。これに本発明品1~4を鶏がらスープに対して各0.02ppm、合計0.08ppmとなるように添加したものを調製した。よく訓練された10名のパネリストにより味わうことにより、旨味についての官能評価を行った。その結果、10名中8名が、本発明品1~4を計0.08ppmとした鶏がらスープの方が、無添加の鶏がらスープと比較して旨味が増強されているという評価であった。
下記表4の処方により、カツオブシ様の調合香料組成物(香気の付与に加えて、旨味を付与するタイプ)を調合した。
Claims (3)
- 7-ドデセン酸、8-ドデセン酸、9-ドデセン酸および10-ドデセン酸からなる群から選択される1種または2種以上を有効成分とする、飲食品のうま味増強剤であって、前記飲食品がグルタミン酸、イノシン酸およびグアニル酸ならびにこれらの塩からなる群から選択される1種または2種以上を含有する飲食品である、飲食品のうま味増強剤。
- 請求項1に記載の飲食品のうま味増強剤を含有する飲食品のうま味増強組成物であって、前記有効成分の合計量が0.1ppm~5%である、飲食品のうま味増強組成物。
- 請求項1に記載の飲食品のうま味増強剤または請求項2に記載の飲食品のうま味増強組成物を、前記飲食品に、前記有効成分の合計量が1ppb~100ppmとなるように含有させる、飲食品のうま味増強方法。
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JP2019095182A JP6995452B2 (ja) | 2019-05-21 | 2019-05-21 | ドデセン酸を有効成分とする飲食品の旨味増強剤 |
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