JP2004222511A - 3−メルカプト−3−メチルブチルアセテートからなるコーヒー焙煎香賦与剤および該賦与剤を添加したコーヒー用香味料組成物並びに該香味料組成物を添加したコーヒー飲食物。 - Google Patents
3−メルカプト−3−メチルブチルアセテートからなるコーヒー焙煎香賦与剤および該賦与剤を添加したコーヒー用香味料組成物並びに該香味料組成物を添加したコーヒー飲食物。 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】本発明の目的は多彩なローストノートを付与、特に軽やかで広がりのある深炒りコーヒー豆の焙煎香を付与する素材の提供。
【解決手段】深炒りコーヒー豆の焙煎香を付与剤として3−メルカプト−3−メチルブチル アセテートを10―4〜1ppm濃度に添加することにより、軽やかで広がりのある深炒りコーヒー豆焙煎香を有するコーヒー用香味料組成物を得、更に該コーヒー用香料組成物を添加することにより、多彩なローストノートを有するコーヒー飲食品を提供することができる。
【選択図】 なし
【解決手段】深炒りコーヒー豆の焙煎香を付与剤として3−メルカプト−3−メチルブチル アセテートを10―4〜1ppm濃度に添加することにより、軽やかで広がりのある深炒りコーヒー豆焙煎香を有するコーヒー用香味料組成物を得、更に該コーヒー用香料組成物を添加することにより、多彩なローストノートを有するコーヒー飲食品を提供することができる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、3−メルカプト−3−メチルブチル アセテートからなる深炒りコーヒー豆焙煎香付与剤および該賦与剤を添加したコーヒー用香味料組成物並びに該香味料組成物を添加したコーヒー飲食品に関する。
【0002】
【従来の技術】
食品用香料としてのコーヒーフレーバーは非常に重要であり、従来から数多くの研究がなされ、香気成分の分析および各香気成分のコーヒー様香気における寄与について種々の提案がなされている(例えば非特許文献1など)。コーヒーの嗜好性については年々多様化が進み、最近ではコーヒー豆のロースト度合いによる風味の差別化を狙った製品が多数上市されているが、従来の技術では微妙なローストノートを表現することは困難であった。典型的なロースト様香気を有する化合物としては、フルフリルメルカプタン、トリメチルピラジン、ジアセチル、フルフラールなどが知られているが(非特許文献1)、これらはいずれもべったりとした甘いローストノートを付与するものであり、多彩なローストノートの付与、特に軽やかで広がりのある深炒りコーヒー豆の焙煎香を付与するには新しい素材を検索する必要があった。一方、コーヒーに使用できる香料化合物としては3−メルカプト−3−メチルブチル アセテートが知られており(特許文献1)、10−3ppb〜10ppbの閾値を有し、コーヒー中に10ppb使用した例が紹介されている。しかしながら、該特許文献においては、3−メルカプト−3−メチルブチル アセテートはおだやかなグリーン様、玉ねぎ様、硫黄様、汗臭様として紹介されており、特に軽やかで広がりのある深炒りコーヒー豆の焙煎香を想起させるものではなかった。また、3−メルカプト−3−メチルブチル アセテートは、天然ではパッションフルーツの香気成分として知られていたが(非特許文献2)、その香気特性は記載されておらず、やはりローストノートを示唆するものではなかった。一般に、深炒りしたコーヒー豆の焙煎香は焙煎の時間や温度を調節して付与される。しかし、単に焙煎時間を長くする、焙煎温度を高くすることは好ましい香味を付与するのみならず、不快な苦味、渋み、エグイ味を増加させる欠点を有している。
【0003】
【特許文献1】
特公昭56−41630号公報
【非特許文献1】
特許庁広報 周知・慣用技術集(香料) 第II部 食品用香料 平成12年1月14日発行 447〜475頁
【非特許文献2】
Journal of Agricaltural and Food Chemistry, 48, 2874−2876, 2000
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は多彩なローストノートを付与、特に軽やかで広がりのある深炒りコーヒー豆の焙煎香を付与する素材を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明者らは種々のコーヒー豆について、その最も好ましい深炒り焙煎条件を検討し、その深炒りコーヒー豆から得られるコーヒーの香気成分の微量分析を行い、緻密に検索した結果、極微量の3−メルカプト−3−メチルブチル アセテートがコーヒーに含まれていることを初めて見いだし、さらに3−メルカプト−3−メチルブチル アセテートが深炒りしたコーヒー豆の焙煎香に大きな寄与をしていることを発見し、本発明を完成させた。
【0006】
すなわち、本発明は3−メルカプト−3−メチルブチル アセテートからなる深炒りコーヒー豆焙煎香付与剤であり、また、該深炒りコーヒー豆焙煎香付与剤を10−4〜1ppm濃度添加したことを特徴とするコーヒー用香味料組成物であり、また、深炒りコーヒー豆焙煎香付与剤を10−4〜1ppb濃度添加したことを特徴とするコーヒー飲食品であり、また、前記コーヒー用香味料組成物を0.01〜1%濃度添加したことを特徴とするコーヒー飲食品であり、また、前記コーヒー用香味料組成物を0.01〜1%濃度添加することを特徴とする飲食物への深炒りコーヒー豆焙煎香の付与方法であり、また、前記コーヒー用香味料組成物を0.01〜1%濃度添加したことを特徴とする深炒りコーヒー豆焙煎香の付与された飲食物である。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明をその実施の形態に即して詳細に説明する。
【0008】
本発明で使用される3−メルカプト−3−メチルブチル アセテートは、天然物から抽出、減圧条件下での精密蒸留、カラムクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー等の手段で得るか、或いは合成手段によって得ることができる(特許文献1)。3−メルカプト−3−メチルブチル アセテートの香気は極めて強く、多量では不快臭と感じるものであるが、一般に10―4〜1ppb、より好ましくは10―3〜1ppb、更に好ましくは10―2〜1ppbの範囲で添加されたときに限り、深炒りコーヒー豆焙煎香を発現する。含有量が10―4ppb未満であれば、他のいかなる成分との相乗効果によってしても深炒りコーヒー豆焙煎香は得られず、含有量が1ppbを越えると、不快臭が強く良質な香味は得られない。したがって、3−メルカプト−3−メチルブチル アセテートを香味料組成物の中に添加する場合は、当該香料を対象物中に0.1%添加するものとして、10―4〜1ppm、より好ましくは10―3〜1ppm、更に好ましくは10―2〜1ppmの範囲で添加されなければならない。3−メルカプト−3−メチルブチル アセテートは極めて微量で使用されるため、好ましくはエタノールやプロピレングリコール等の溶剤の希釈液として、そのまま或いは他の香料との併用で用いられる。
【0009】
本発明の添加剤および香料組成物が添加される飲食品としては、深炒りコーヒー豆の焙煎香を付与することに適した飲食品であれば特に制限はない。例えば 無糖、有糖あるいはミルク入りのコーヒー飲料類、アイスクリーム、シャーベット等の冷菓類、ゼリー、プリン、羊羹等のデザート類、クッキー、ケーキ、チョコレート、チューイングガム、饅頭等の菓子類、菓子パン、食パン等のパン類、ジャム類、ラムネ、タブレット、錠菓類などがあげられる。 調合に使用される香味成分には特に制限はなく、公知の香味成分が目的に応じて適宜混合して用いられる。
【0010】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
【0011】
[実施例1]
L値21のミディアムローストした焙煎豆より得たコーヒー抽出液100重量部に対し、3−メルカプト−3−メチルブチル アセテートの10ppmエタノール溶液を0.1重量部加え、3−メルカプト−3−メチルブチル アセテートを10ppb含有する本発明のコーヒー飲料を得た。このものは深炒りに焙煎したコーヒー豆が持つ軽やかで広がりのある焙煎香をもったものであった。
【0012】
[実施例2]
コーヒー抽出液を蒸留して得られたコーヒー香味料100重量部に対し、3−メルカプト−3−メチルブチル アセテートの1000ppmエタノール溶液を0.1重量部加え、 3−メルカプト−3−メチルブチル アセテートを1ppm含有する本発明のコーヒー用香味料を得た。このものをL値21のミディアムローストした焙煎豆より得たコーヒー抽出液100重量部に対し、0.1重量部添加したところ(3−メルカプト−3−メチルブチル アセテートとして1ppb含有)、深炒りに焙煎したコーヒー豆が持つ軽やかで広がりのある焙煎香を持ったコーヒー飲料が得られた。
【0013】
[実施例3]
表1のコーヒー香味組成物100重量部に、3−メルカプト−3−メチルブチル アセテートの1000ppmエタノール溶液を1重量部加え、3−メルカプト−3−メチルブチル アセテートを10ppm含有する本発明のコーヒー飲料用香味料を得た。このものをL値21のミディアムローストした焙煎豆より得たコーヒー抽出液100重量部に対し0.1重量部加え3−メルカプト−3−メチルブチル アセテートを10ppb含有するコーヒー飲料を調製した。このものは、深炒りに焙煎したコーヒー豆が持つ軽やかで広がりのある焙煎香を有していた。
【0014】
【表1】
【0015】
[比較例1]
表1のコーヒー香味組成物100重量部に、3−メルカプト−3−メチルブチル アセテートを0.2重量部加え、3−メルカプト−3−メチルブチル アセテートを2000ppm含有する香味料を得た。このものをコーヒー抽出液100重量部に対し、1重量部を加え,3−メルカプト−3−メチルブチル アセテートを20ppm含有するコーヒー飲料を調製した。
【0016】
[試験例1]
実施例2及び比較例1のコーヒー飲料を、無添加のコーヒー抽出液をコントロールとして、10名のパネルで7段階評価を行った。その結果を表2に示す。
【0017】
【表2】
【0018】
[実施例4]
砂糖60部、水あめ40部、水35部を合わせて155℃まで加熱した後、130℃まで冷却し、コーヒーエキス5部、カラメル0.3部、実施例3の香味料を0.2部添加し、混合、成型し、コーヒーハードキャンディーを調製したところ、深炒りに焙煎したコーヒー豆が持つ軽やかで広がりのある焙煎香を持ったコーヒーハードキャンディーが得られた。
【0019】
[実施例5]
水に果糖ブドウ糖液糖10部を撹拌しながら、砂糖5部、ゲル化剤1部を加え、85℃まで加温し、コーヒーエキス3部、カラメル0.2部を添加し撹拌溶解した。更に、実施例3の香味料組成物を0.1部添加し、全量を100部に補正後、85℃、20分間殺菌してコーヒーゼリーを調製したところ、深炒りに焙煎したコーヒー豆が持つ軽やかで広がりのある焙煎香を持ったコーヒーゼリーが得られた。
【0020】
【発明の効果】
本発明によれば,3−メルカプト−3−メチルブチル アセテートを有効成分とする深炒りコーヒー豆焙煎香を有するコーヒー用香味料組成物および該香味料を含有する深炒り焙煎風味コーヒー飲食品を提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、3−メルカプト−3−メチルブチル アセテートからなる深炒りコーヒー豆焙煎香付与剤および該賦与剤を添加したコーヒー用香味料組成物並びに該香味料組成物を添加したコーヒー飲食品に関する。
【0002】
【従来の技術】
食品用香料としてのコーヒーフレーバーは非常に重要であり、従来から数多くの研究がなされ、香気成分の分析および各香気成分のコーヒー様香気における寄与について種々の提案がなされている(例えば非特許文献1など)。コーヒーの嗜好性については年々多様化が進み、最近ではコーヒー豆のロースト度合いによる風味の差別化を狙った製品が多数上市されているが、従来の技術では微妙なローストノートを表現することは困難であった。典型的なロースト様香気を有する化合物としては、フルフリルメルカプタン、トリメチルピラジン、ジアセチル、フルフラールなどが知られているが(非特許文献1)、これらはいずれもべったりとした甘いローストノートを付与するものであり、多彩なローストノートの付与、特に軽やかで広がりのある深炒りコーヒー豆の焙煎香を付与するには新しい素材を検索する必要があった。一方、コーヒーに使用できる香料化合物としては3−メルカプト−3−メチルブチル アセテートが知られており(特許文献1)、10−3ppb〜10ppbの閾値を有し、コーヒー中に10ppb使用した例が紹介されている。しかしながら、該特許文献においては、3−メルカプト−3−メチルブチル アセテートはおだやかなグリーン様、玉ねぎ様、硫黄様、汗臭様として紹介されており、特に軽やかで広がりのある深炒りコーヒー豆の焙煎香を想起させるものではなかった。また、3−メルカプト−3−メチルブチル アセテートは、天然ではパッションフルーツの香気成分として知られていたが(非特許文献2)、その香気特性は記載されておらず、やはりローストノートを示唆するものではなかった。一般に、深炒りしたコーヒー豆の焙煎香は焙煎の時間や温度を調節して付与される。しかし、単に焙煎時間を長くする、焙煎温度を高くすることは好ましい香味を付与するのみならず、不快な苦味、渋み、エグイ味を増加させる欠点を有している。
【0003】
【特許文献1】
特公昭56−41630号公報
【非特許文献1】
特許庁広報 周知・慣用技術集(香料) 第II部 食品用香料 平成12年1月14日発行 447〜475頁
【非特許文献2】
Journal of Agricaltural and Food Chemistry, 48, 2874−2876, 2000
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は多彩なローストノートを付与、特に軽やかで広がりのある深炒りコーヒー豆の焙煎香を付与する素材を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明者らは種々のコーヒー豆について、その最も好ましい深炒り焙煎条件を検討し、その深炒りコーヒー豆から得られるコーヒーの香気成分の微量分析を行い、緻密に検索した結果、極微量の3−メルカプト−3−メチルブチル アセテートがコーヒーに含まれていることを初めて見いだし、さらに3−メルカプト−3−メチルブチル アセテートが深炒りしたコーヒー豆の焙煎香に大きな寄与をしていることを発見し、本発明を完成させた。
【0006】
すなわち、本発明は3−メルカプト−3−メチルブチル アセテートからなる深炒りコーヒー豆焙煎香付与剤であり、また、該深炒りコーヒー豆焙煎香付与剤を10−4〜1ppm濃度添加したことを特徴とするコーヒー用香味料組成物であり、また、深炒りコーヒー豆焙煎香付与剤を10−4〜1ppb濃度添加したことを特徴とするコーヒー飲食品であり、また、前記コーヒー用香味料組成物を0.01〜1%濃度添加したことを特徴とするコーヒー飲食品であり、また、前記コーヒー用香味料組成物を0.01〜1%濃度添加することを特徴とする飲食物への深炒りコーヒー豆焙煎香の付与方法であり、また、前記コーヒー用香味料組成物を0.01〜1%濃度添加したことを特徴とする深炒りコーヒー豆焙煎香の付与された飲食物である。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明をその実施の形態に即して詳細に説明する。
【0008】
本発明で使用される3−メルカプト−3−メチルブチル アセテートは、天然物から抽出、減圧条件下での精密蒸留、カラムクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー等の手段で得るか、或いは合成手段によって得ることができる(特許文献1)。3−メルカプト−3−メチルブチル アセテートの香気は極めて強く、多量では不快臭と感じるものであるが、一般に10―4〜1ppb、より好ましくは10―3〜1ppb、更に好ましくは10―2〜1ppbの範囲で添加されたときに限り、深炒りコーヒー豆焙煎香を発現する。含有量が10―4ppb未満であれば、他のいかなる成分との相乗効果によってしても深炒りコーヒー豆焙煎香は得られず、含有量が1ppbを越えると、不快臭が強く良質な香味は得られない。したがって、3−メルカプト−3−メチルブチル アセテートを香味料組成物の中に添加する場合は、当該香料を対象物中に0.1%添加するものとして、10―4〜1ppm、より好ましくは10―3〜1ppm、更に好ましくは10―2〜1ppmの範囲で添加されなければならない。3−メルカプト−3−メチルブチル アセテートは極めて微量で使用されるため、好ましくはエタノールやプロピレングリコール等の溶剤の希釈液として、そのまま或いは他の香料との併用で用いられる。
【0009】
本発明の添加剤および香料組成物が添加される飲食品としては、深炒りコーヒー豆の焙煎香を付与することに適した飲食品であれば特に制限はない。例えば 無糖、有糖あるいはミルク入りのコーヒー飲料類、アイスクリーム、シャーベット等の冷菓類、ゼリー、プリン、羊羹等のデザート類、クッキー、ケーキ、チョコレート、チューイングガム、饅頭等の菓子類、菓子パン、食パン等のパン類、ジャム類、ラムネ、タブレット、錠菓類などがあげられる。 調合に使用される香味成分には特に制限はなく、公知の香味成分が目的に応じて適宜混合して用いられる。
【0010】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
【0011】
[実施例1]
L値21のミディアムローストした焙煎豆より得たコーヒー抽出液100重量部に対し、3−メルカプト−3−メチルブチル アセテートの10ppmエタノール溶液を0.1重量部加え、3−メルカプト−3−メチルブチル アセテートを10ppb含有する本発明のコーヒー飲料を得た。このものは深炒りに焙煎したコーヒー豆が持つ軽やかで広がりのある焙煎香をもったものであった。
【0012】
[実施例2]
コーヒー抽出液を蒸留して得られたコーヒー香味料100重量部に対し、3−メルカプト−3−メチルブチル アセテートの1000ppmエタノール溶液を0.1重量部加え、 3−メルカプト−3−メチルブチル アセテートを1ppm含有する本発明のコーヒー用香味料を得た。このものをL値21のミディアムローストした焙煎豆より得たコーヒー抽出液100重量部に対し、0.1重量部添加したところ(3−メルカプト−3−メチルブチル アセテートとして1ppb含有)、深炒りに焙煎したコーヒー豆が持つ軽やかで広がりのある焙煎香を持ったコーヒー飲料が得られた。
【0013】
[実施例3]
表1のコーヒー香味組成物100重量部に、3−メルカプト−3−メチルブチル アセテートの1000ppmエタノール溶液を1重量部加え、3−メルカプト−3−メチルブチル アセテートを10ppm含有する本発明のコーヒー飲料用香味料を得た。このものをL値21のミディアムローストした焙煎豆より得たコーヒー抽出液100重量部に対し0.1重量部加え3−メルカプト−3−メチルブチル アセテートを10ppb含有するコーヒー飲料を調製した。このものは、深炒りに焙煎したコーヒー豆が持つ軽やかで広がりのある焙煎香を有していた。
【0014】
【表1】
【0015】
[比較例1]
表1のコーヒー香味組成物100重量部に、3−メルカプト−3−メチルブチル アセテートを0.2重量部加え、3−メルカプト−3−メチルブチル アセテートを2000ppm含有する香味料を得た。このものをコーヒー抽出液100重量部に対し、1重量部を加え,3−メルカプト−3−メチルブチル アセテートを20ppm含有するコーヒー飲料を調製した。
【0016】
[試験例1]
実施例2及び比較例1のコーヒー飲料を、無添加のコーヒー抽出液をコントロールとして、10名のパネルで7段階評価を行った。その結果を表2に示す。
【0017】
【表2】
【0018】
[実施例4]
砂糖60部、水あめ40部、水35部を合わせて155℃まで加熱した後、130℃まで冷却し、コーヒーエキス5部、カラメル0.3部、実施例3の香味料を0.2部添加し、混合、成型し、コーヒーハードキャンディーを調製したところ、深炒りに焙煎したコーヒー豆が持つ軽やかで広がりのある焙煎香を持ったコーヒーハードキャンディーが得られた。
【0019】
[実施例5]
水に果糖ブドウ糖液糖10部を撹拌しながら、砂糖5部、ゲル化剤1部を加え、85℃まで加温し、コーヒーエキス3部、カラメル0.2部を添加し撹拌溶解した。更に、実施例3の香味料組成物を0.1部添加し、全量を100部に補正後、85℃、20分間殺菌してコーヒーゼリーを調製したところ、深炒りに焙煎したコーヒー豆が持つ軽やかで広がりのある焙煎香を持ったコーヒーゼリーが得られた。
【0020】
【発明の効果】
本発明によれば,3−メルカプト−3−メチルブチル アセテートを有効成分とする深炒りコーヒー豆焙煎香を有するコーヒー用香味料組成物および該香味料を含有する深炒り焙煎風味コーヒー飲食品を提供することができる。
Claims (6)
- 3−メルカプト−3−メチルブチル アセテートからなる深炒りコーヒー豆焙煎香付与剤。
- 請求項1記載の深炒りコーヒー豆焙煎香付与剤を10−4〜1ppm濃度添加したことを特徴とするコーヒー用香味料組成物。
- 請求項1記載の深炒りコーヒー豆焙煎香付与剤を10−4〜1ppb濃度添加したことを特徴とするコーヒー飲食品。
- 請求項2記載のコーヒー用香味料組成物を0.01〜1%濃度添加したことを特徴とするコーヒー飲食品。
- 請求項2記載のコーヒー用香味料組成物を0.01〜1%濃度添加することを特徴とする飲食物への深炒りコーヒー豆焙煎香の付与方法。
- 請求項2記載のコーヒー用香味料組成物を0.01〜1%濃度添加したことを特徴とする深炒りコーヒー豆焙煎香の付与された飲食物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003010543A JP2004222511A (ja) | 2003-01-20 | 2003-01-20 | 3−メルカプト−3−メチルブチルアセテートからなるコーヒー焙煎香賦与剤および該賦与剤を添加したコーヒー用香味料組成物並びに該香味料組成物を添加したコーヒー飲食物。 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003010543A JP2004222511A (ja) | 2003-01-20 | 2003-01-20 | 3−メルカプト−3−メチルブチルアセテートからなるコーヒー焙煎香賦与剤および該賦与剤を添加したコーヒー用香味料組成物並びに該香味料組成物を添加したコーヒー飲食物。 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004222511A true JP2004222511A (ja) | 2004-08-12 |
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ID=32899704
Family Applications (1)
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JP2003010543A Pending JP2004222511A (ja) | 2003-01-20 | 2003-01-20 | 3−メルカプト−3−メチルブチルアセテートからなるコーヒー焙煎香賦与剤および該賦与剤を添加したコーヒー用香味料組成物並びに該香味料組成物を添加したコーヒー飲食物。 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004222511A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008245606A (ja) * | 2007-03-30 | 2008-10-16 | Asahi Breweries Ltd | フルフリルチオールを高濃度に含有する発酵アルコール飲料およびその製造方法 |
JP2010100570A (ja) * | 2008-10-24 | 2010-05-06 | Ogawa & Co Ltd | 3−アシルチオ−2−アルカノン及び当該化合物を含有する香料組成物 |
JP2021052595A (ja) * | 2019-09-27 | 2021-04-08 | 小川香料株式会社 | 乳脂肪感付与剤 |
JP2021054883A (ja) * | 2019-09-27 | 2021-04-08 | 小川香料株式会社 | バニラ風味飲食品の香味改善剤 |
-
2003
- 2003-01-20 JP JP2003010543A patent/JP2004222511A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008245606A (ja) * | 2007-03-30 | 2008-10-16 | Asahi Breweries Ltd | フルフリルチオールを高濃度に含有する発酵アルコール飲料およびその製造方法 |
JP2010100570A (ja) * | 2008-10-24 | 2010-05-06 | Ogawa & Co Ltd | 3−アシルチオ−2−アルカノン及び当該化合物を含有する香料組成物 |
JP2021052595A (ja) * | 2019-09-27 | 2021-04-08 | 小川香料株式会社 | 乳脂肪感付与剤 |
JP2021054883A (ja) * | 2019-09-27 | 2021-04-08 | 小川香料株式会社 | バニラ風味飲食品の香味改善剤 |
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