JP6933468B2 - プロセスチーズ類の製造方法 - Google Patents

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本発明はプロセスチーズ類およびその製造方法に関する。
タンパク質は体作りや健康維持のために重要な栄養成分である。最近では、スポーツをする人やダイエット中の人だけでなく、すべての人において不足なくタンパク質を摂取することの大切さが広く認識されるようになってきた。
プロセスチーズはタンパク質を豊富に含み、比較的長期間保存できるため、タンパク質を補給するのに有効な食品として注目されている。
一般的なプロセスチーズは、概略、原料のナチュラルチーズに溶融塩を添加し、加熱乳化した後、冷却および成形する方法で製造される。
また、一般的なプロセスチーズのタンパク質含有量は22.7質量%であることが知られている(非特許文献1)。
日本食品標準成分表2015年版(七訂)第176頁。
最近の健康ブームの高まりから、本発明者等は、現在市販されているプロセスチーズよりもタンパク質の含有量が高いプロセスチーズに需要があると考えた。そこで、従来の方法でその製造を試みたところ、タンパク質の含有量が増えると製造が困難になることが判明した。具体的には、タンパク質の含有量が増えるにしたがって、(1)加熱開始前の撹拌時の機械負荷が大きくなる、(2)加熱乳化工程における加熱乳化物の粘度が高くなり乳化が不十分となる、(3)乳化物の粘度が高くなり成形適性(例えば充填適性)が悪化する、等の問題が生じることを知見した。
本発明は、タンパク質の含有量を高めたプロセスチーズ類およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は以下の態様を有する。
[1]タンパク質含有量が29〜35質量%、かつ水分含有量が43〜49質量%である、プロセスチーズ類を製造する方法であって、ナチュラルチーズ、ナチュラルチーズ以外のタンパク質含有原料、溶融塩、および水を含む原料組成物を加熱乳化して、水分含有量が51〜56質量%である加熱乳化物を得る加熱乳化工程と、前記加熱乳化物を冷却固化し、水分の一部を除去し、前記プロセスチーズ類とする固化工程を有するプロセスチーズ類の製造方法。
[2]前記加熱乳化物のタンパク質含有量が29質量%以下である、[1]のプロセスチーズ類の製造方法。
[3]前記固化工程は、通気性を有するケーシングに前記加熱乳化物を充填する工程を有する、[1]または[2]のプロセスチーズ類の製造方法。
[4]前記固化工程は、25〜60℃の環境下で前記加熱乳化物の水分の一部を除去する工程を有する、[1]〜[3]のいずれかのプロセスチーズ類の製造方法。
[5]タンパク質含有量が29〜35質量%、かつ水分含有量が43〜49質量%である、プロセスチーズ類。
本発明によれば、タンパク質の含有量が29質量%以上に高められた、新規なプロセスチーズ類が得られる。
<プロセスチーズ類>
本発明において、「プロセスチーズ類」とは、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(昭和26年12月27日厚生省令第52号)、および公正競争規約で定めるプロセスチーズ、チーズフード、または乳等を主要原料とする食品の規格のうちいずれかに該当するものであって、一般にプロセスチーズ類あるいはプロセスチーズ様食品とされるものをすべて包含するものとする。
[水分含有量]
本発明における水分含有量の値は、常圧加熱・乾燥助剤法により測定した値である。試料の採取量は3gとし、乾燥温度105℃で乾燥させて恒量(乾燥後の質量)を得、下記式によって水分含有量(単位:質量%)を求める。
水分含有量={(乾燥前の質量−乾燥後の質量)/乾燥前の質量}×100
[タンパク質含有量]
本発明におけるタンパク質含有量の値は、デュマ法(酸素循環燃焼方式)によって測定した値である。例えば分析機器SUMIGRAPH NC−220F(住化分析センター社製)を用い、下記の測定条件で測定できる。
電気炉温度:反応炉870℃、還元炉:600℃
酸素パージ:0.2±0.02L/min
カラム温度:70±5℃
検出器:検出器温度:100℃、CURRENT:160mA
キャリアーガス:カラム温度70±5℃の時にヘリウム流量80±5mL/min
構成基準物質:Aspartic acid
測定試料量:500±100mg
基準物質量:500±100mg
本発明のプロセスチーズ類は、上記の定義を満たすものであって、タンパク質含有量が29〜35質量%、かつ水分含有量が43〜49質量%である。
タンパク質含有量が29質量%以上であるプロセスチーズ類は、従来品に比べてタンパク質の含有量が充分に高められており、従来の商品と差別化しやすい点で好ましい。また、該タンパク質含有量が29質量%以上であると、原料のナチュラルチーズに溶融塩を添加し加熱溶融した後に冷却するという、従来からの一般的な製造方法では、上記に挙げた問題が生じて製造が困難であったが、本発明の製造方法を用いることによって安定して製造可能となり、製品化が実現できる。
一方、プロセスチーズ類のタンパク質含有量が35質量%以下であると、本発明の製造方法による製造性が良好である。
プロセスチーズ類のタンパク質含有量は30〜34質量%が好ましい。
プロセスチーズ類の固形分に対するタンパク質の割合は49.1〜70質量%であることが好ましい。
以下、原料について説明する。
<ナチュラルチーズ>
本発明において使用されるナチュラルチーズは、乳等省令において定められる「ナチュラルチーズ」の1種以上からなる。ただし、ナチュラルチーズの原料である乳は、乳等省令で定義される乳(生乳、牛乳、特別牛乳、生やぎ乳、生めん羊乳、殺菌やぎ乳、部分脱脂乳、脱脂乳、加工乳等)のほかに、水牛の乳、ラクダの乳など、チーズの原料として公知の動物一般の乳も含むことができる。
ナチュラルチーズの種類は特に限定されず、プロセスチーズ類の製造に用いられる公知のナチュラルチーズを適宜使用できる。
具体例としては、モッツァレラ、ストリング、エダム(ソフトエダム)、ステッペン、サムソー、マリボー、エグモント、チルジット、ダンボー、ロックフォール、ブルー、クリームハバティ等の半硬質チーズ;エダム(ハードエダム)、ゴーダ、チェダー、エメンタール、グリィエール、プロボローネ等の硬質チーズ;パルメザン、グラナ、パルミジャーノレッジャーノ、ペコリーノ・ロマーノ、スブリンツ等の特別硬質チーズ等が挙げられる。
これらのうち、製造上の調整およびチーズ組織の適正化が容易である点で、硬質チーズまたは特別硬質チーズが好ましい。
ナチュラルチーズは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
<ナチュラルチーズ以外のタンパク質含有原料>
本発明において使用されるタンパク質含有原料(ナチュラルチーズは含まない。)は蛋白質を40質量%以上含むものが好ましい。タンパク質含有原料は粉末状であることが好ましい。
タンパク質含有原料の例としては、乳タンパク質濃縮物、大豆たんぱく質含有原料等が挙げられる。タンパク質含有原料は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。規格により許容される原料を適宜選択して適量使用すればよい。
乳タンパク質濃縮物としては、乳清タンパク質濃縮物(WPC)、乳清タンパク質分離物(WPI)、乳タンパク質濃縮物(MPC)、ミセラカゼインコンセントレート(MCC)、ミセラカゼインアイソレート(MCI)、およびミルクプロテインアイソレート(MPI)からなる群から選ばれる1種以上を好ましく用いることができる。
<溶融塩>
本発明において使用される溶融塩は、チーズの分野において公知の溶融塩を適宜使用できる。溶融塩は1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
溶融塩の具体例としては、モノリン酸塩(オルトリン酸ナトリウム等)、ジリン酸塩(ピロリン酸ナトリウム等)、ポリリン酸塩(ポリリン酸ナトリウム等)等のリン酸塩;クエン酸塩(クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム等);等が挙げられる。
<その他の成分>
その他の成分として、プロセスチーズ類において公知の調味料、保存料、増粘安定剤(またはゲル化剤)、溶融塩以外の乳化剤、pH調整剤、香料等を、本発明の効果を損なわない範囲で使用してもよい。
調味料としては、食塩、糖質類、香辛料等が挙げられる。
保存料としては、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、ナイシン等が挙げられる。
増粘安定剤(またはゲル化剤)としては、寒天、ゼラチン、ローカストビーンガム、カラギーナン、グアガム、キサンタンガム等が挙げられる。
溶融塩以外の乳化剤としては、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、グリセライド類等が挙げられる。
pH調整剤としては、重曹、乳酸等が挙げられる。
<副原料(具材)>
プロセスチーズ類は、原料組成物の加熱乳化物を固化してなるプロセスチーズ部分とは別に、副原料を含んでもよい。プロセスチーズ類において副原料は、均一なプロセスチーズ部分中に不均一な具材として存在するものである。副原料の例としては、肉類(例えば、サラミ等の食肉加工品)、魚介類(例えば水産加工品)、野菜、アーモンド等の植物の種子などの食品を粉砕した食品粉砕物;七味唐辛子や粉山葵等の粉末食品;明太子等のペースト状食品;ソースやシロップ等の液状食品が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
≪プロセスチーズ類の製造方法≫
本発明のプロセスチーズ類の製造方法は、まず、ナチュラルチーズ、ナチュラルチーズ以外のタンパク質含有原料、溶融塩および水を含む原料組成物を加熱乳化して加熱乳化物を得る(加熱乳化工程)。
次いで、加熱乳化工程で得られた加熱乳化物を冷却固化し、水分の一部を除去して、タンパク質含有量が29〜35質量%かつ水分含有量が43〜49質量%であるプロセスチーズ類を得る(固化工程)。
固化工程では水分以外の成分の出入りは無い。したがって固化工程を経ることにより水分含有量は低下し、水分以外の成分の含有量は相対的に増加する。
プロセスチーズ類にその他の成分を含有させる場合は、加熱乳化前または加熱乳化の途中で原料組成物に含有させる。
プロセスチーズ類に副原料を含有させる場合は、加熱乳化前または加熱乳化の途中で原料組成物に添加してもよく、加熱乳化後、固化させる前の加熱乳化物に添加してもよい。
[加熱乳化工程]
加熱乳化工程は、具体的には、原料組成物を構成する各原料を乳化機に投入して加熱乳化する。加熱乳化は、原料組成物を撹拌しながら加熱処理を行う工程であり殺菌工程も兼ねる。加熱処理は、好ましくは直接または間接蒸気を用いて行われる。乳化機は、例えば、高速せん断型、ケトル型、2軸スクリューをもつクッカー型、サーモシリンダー型等の乳化機を用いることができる。
原料組成物の配合は、加熱乳化工程を終えた時点での加熱乳化物の水分含有量が51〜56質量%となるように水の添加量を調整する。乳化機においてスチーム(蒸気)を用いる場合は、原料組成物がスチームと接触することによって増加する水分も、加熱乳化物の水分含有量に含まれる。
原料組成物にタンパク質含有原料を添加すると、加熱乳化物の粘度が高くなる。加熱乳化物の水分含有量が51質量%以上とすると、加熱乳化物の粘度を低く抑えて良好な乳化状態を得ることができる。
一方、加熱乳化物の水分含有量が56質量%を超えると、加熱乳化物が軟らかすぎて取扱いが難しくなる。また固化工程で大きく変形するおそれもある。
加熱乳化物の水分含有量は52〜54質量%が好ましい。
原料組成物におけるナチュラルチーズおよびタンパク質含有原料の配合は、固化工程で除去される水分量を考慮して、固化工程後のタンパク質含有量が29〜35質量%となるように設定される。また、乳等省令で定義されるプロセスチーズを製造する場合には、固化工程後のタンパク質含有量が29〜35質量%であり、かつ乳固形分が40質量%以上となるように設定される。
加熱乳化物の粘度が高くなりすぎない点で、加熱乳化物のタンパク質含有量が29質量%以下であることが好ましい。加熱乳化物のタンパク質含有量は、例えば26〜29質量%が好ましい。
原料組成物に対する溶融塩の含有量は0.1〜3質量%が好ましく、0.5〜2.0質量%がより好ましい。該溶融塩の含有量が上記範囲の下限値以上であると、溶融塩の添加による乳化性の向上効果が十分に得られやすい。上記範囲の上限値以下であると、溶融塩の添加による風味の低下が良好に抑えられる。
加熱乳化の条件は特に限定されない。例えば、回転数120〜1500rpmで撹拌しながら、加熱して乳化するとともに、所定の加熱殺菌条件を満たしたら、乳化を終了させる。
加熱温度は70℃以上が好ましく、80〜90℃がより好ましい。
[固化工程]
固化工程では、加熱乳化工程で得られた加熱乳化物を冷却固化する。また加熱乳化物の水分の一部を除去して、水分含有量を所定の範囲に調整する。
加熱乳化物を冷却固化した後に、水分の除去を行ってもよく、冷却固化しながら水分の除去を行ってもよい。
固化工程において加熱乳化物を所望の形状に成形することが好ましい。成形は加熱乳化物を冷却する前、または冷却の途中で行うことが好ましい。
成形は公知の方法を用いて行うことができる。例えば、通気性を有するケーシングに加熱乳化物を充填する方法で成形し、この状態で冷却固化および水分の除去を行うことが好ましい。
ケーシングの材質は通気性を有するとともに、食品衛生法に適合したものを用いる。具体例としては、植物繊維から作ったセルロース、プラスチック系の塩化ビニリデン、牛皮から作った再生コラーゲン等が挙げられる。ケーシングの形状は、例えば、内径が15〜20mm程度のチューブ状が好ましい。
水分の除去は、所定温度(乾燥温度)の環境下で自然乾燥する方法またはファン等を用いて強制乾燥する方法で行うことが好ましい。乾燥温度はプロセスチーズ類が凍結しない温度であればよい。
好ましくは、加熱乳化工程で得られた加熱乳化物を25℃〜60℃で乾燥させることが好ましい。乾燥温度が25℃以上であると乾燥後の表面が硬くなりやすく良好な強度が得られやすい。乾燥温度が60℃以下であると乾燥中に変形が生じ難い。
加熱乳化物を25℃〜60℃で乾燥させた後、冷却庫内で冷却しながらさらに乾燥させることが好ましい。具体的に、目的とするプロセスチーズ類の水分含有量をW(質量%)とするとき、加熱乳化物を25℃〜60℃で、W+1〜W+3(質量%)程度まで乾燥させた後、冷却庫内で水分含有量W(質量%)となるまで乾燥させることが好ましい。冷却庫内での乾燥温度は−2〜10℃が好ましい。冷却庫内での乾燥は自然乾燥でもよく強制乾燥でもよい。
こうして、加熱乳化物が冷却固化され、水分含有量が所定の値(W質量%)に調整された本発明のプロセスチーズ類が得られる。
加熱乳化物中の水分含有量と、水分除去後のプロセスチーズ類の水分含有量との差は、2〜13質量%であり、5〜11質量%が好ましく、7〜10質量%がより好ましい。
ケーシング内に充填した状態で冷却固化および乾燥されたプロセスチーズ類を製品化する際は、ケーシング内に充填されたままの状態でもよく、ケーシングから取り出した後に適宜な大きさに切断又はシュレッドしてもよい。
<加工食品>
本発明のプロセスチーズ類は、一般的なプロセスチーズ類に比較してタンパク質の含有量が高められており、同じ使用量でもより多くのタンパク質を摂取することができる。例えば以下のような使用例が挙げられる。
使用例として、グラタン、パスタ、ピザといったチーズ使用料理;チーズウィンナ一、チーズちくわのような畜肉、魚肉練り製品;おつまみ、お菓子、サラダ、カレー、牛丼のトッピング、サンドイッチ、おにぎりの具、ドレッシング、ディップソースの原料;チーズチキンカツ、チーズカツ、ゼッポリーネ、てんぷらなどの揚げ物;チーズつくね、チーズハンバーグ、チーズオムレツといったチーズ入り料理;その他のチーズを使用する料理において、当該チーズの一部又は全部を本発明のプロセスチーズ類に置き換えて使用することができる。使用の際は、適宜な大きさにカット、シュレッド等に裁断しても良く、削って粉状にしても良い。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
使用した原料は以下の通りである。
・ナチュラルチーズ(1):チェダー、水分含有量38質量%、タンパク質含有量25質量%。
・ナチュラルチーズ(2):低脂肪チェダー、水分含有量48%、タンパク質含有量36%。
・タンパク質含有原料(1):乳タンパク質濃縮物(MPC)、乾燥粉末、タンパク質含有量80質量%。
・タンパク質含有原料(2):乳清タンパク質濃縮物(WPC)、乾燥粉末、タンパク質含有量80質量%。
・溶融塩(1):リン酸塩、水分含有量1質量%。
<例1〜9>
例2〜5、7〜9は実施例、例1、6は比較例である。
表1に示す配合(単位:質量%)でプロセスチーズ(乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(昭和26年12月27日厚生省令第52号)、および公正競争規約で定めるプロセスチーズ)を製造した。
まず、高速せん断型乳化機(ステファン社製)の乳化釜にナチュラルチーズを投入した後、タンパク質含有原料、溶融塩、および水(常温)を加えた。水の配合量は、スチームによって添加される水分も含んで加熱乳化物の水分含有量が表1に示す値となるように設計した。
次いで、回転数600rpmで撹拌し、投入物が均一になるように撹拌を1分間行い、回転数600rpmで撹拌しながら乳化釜にスチームを吹き込み、約5分間で90℃に達するように加熱して加熱乳化を行った。90℃に達したら、スチームの吹込みを停止した。さらに1分間撹拌することにより加熱殺菌した後、撹拌を停止して加熱乳化物を得た(加熱乳化工程)。
得られた加熱乳化物の水分含有量とタンパク質含有量を測定した。
得られた加熱乳化物を、該加熱乳化物の品温が60℃以上である状態で、セルロース製ケーシングに注入し、外径が20mmの丸棒状に成形した。これを温度58℃、相対湿度15%の乾燥室内で3時間、ファンを用いて強制乾燥した。
この後、温度5℃の冷却室内で、ファンを用いて冷却しながら強制乾燥し、水分含有量を表1に示す値に調整して、目的のプロセスチーズを得た(固化工程)。
得られたプロセスチーズをケーシングから取り出してプロセスチーズ製品を得た。
得られたプロセスチーズ製品の水分含有量、タンパク質含有量を測定した。
<評価方法>
[加熱乳化適性(機械負荷)]
加熱乳化工程において、加熱開始前の撹拌工程から加熱乳化工程の終了時までの乳化機への負荷に基づいて、下記の基準で加熱乳化適性を評価した。結果を表1に示す。
◎:適性良好。
○:適性ややあり(機械負荷やや大)。
×:適性低い(機械負荷大、モーターがトリップする等の不具合あり)。
[加熱乳化物の取扱い性(充填適性)]
加熱乳化物をケーシングに充填する操作における適性に基づいて、下記の基準で加熱乳化物の取扱い性を評価した。結果を表1に示す。
◎:充填適性良好。
○:やや軟らかい、又はやや硬くて充填適性がやや劣る。
△:軟らかい、又は硬くて充填適性が劣る。
×:軟らかすぎる、又は硬すぎて充填適性が低い。
[プロセスチーズ類の形状]
固化工程後、ケーシングから取り出す前のプロセスチーズの形状について、下記の基準で評価した。変形が大きいとケーシングを除去する操作の適性(剥皮適性)が悪くなる。結果を表1に示す。
◎:変形がほとんどなく、剥皮適性が良好。
〇:変形が少なく剥皮適性が良好。
△:変形あるが、剥皮適性はやや良好。
×:変形大きく、剥皮適性が低い。
Figure 0006933468
表1に示されるように、例2〜5、7〜9では、タンパク質の含有量を高めたプロセスチーズを、既存の乳化機を用いて問題なく製造することができた。
これに対して、加熱乳化物の水分含有量が50質量%である例6では、加熱乳化工程において、加熱開始前の撹拌工程時の乳化機の機械負荷が大きく、乳化釜の中の乳化物が高粘度となりトリップ(機械の負荷大による停止)してしまうことが多かった。また加熱乳化物が硬くて充填適性が劣っていた。
一方、加熱乳化物の水分含有量が58質量%である例1では、固化工程中にプロセスチーズが乾燥により大きく変形した。また加熱乳化物が軟らかくて充填適性が劣っていた。

Claims (4)

  1. タンパク質含有量が29〜35質量%、乳固形分が40質量%以上、かつ水分含有量が43〜49質量%である、プロセスチーズ類を製造する方法であって、
    乳清タンパク質濃縮物(WPC)、乳清タンパク質分離物(WPI)、乳タンパク質濃縮物(MPC)、ミセラカゼインコンセントレート(MCC)、ミセラカゼインアイソレート(MCI)、およびミルクプロテインアイソレート(MPI)からなる群から選ばれる1種以上の乳タンパク質濃縮物、ナチュラルチーズ、溶融塩、および水を含む原料組成物を加熱乳化して、水分含有量が51〜56質量%である加熱乳化物を得る加熱乳化工程と、
    前記加熱乳化物を冷却固化し、水分の一部を除去し、前記プロセスチーズ類とする固化工程を有するプロセスチーズ類の製造方法。
  2. 前記加熱乳化物のタンパク質含有量が29質量%以下である、請求項1に記載のプロセスチーズ類の製造方法。
  3. 前記固化工程は、通気性を有するケーシングに前記加熱乳化物を充填する工程を有する、請求項1または2に記載のプロセスチーズ類の製造方法。
  4. 前記固化工程は、25〜60℃の環境下で前記加熱乳化物の水分の一部を除去する工程を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のプロセスチーズ類の製造方法。
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