JP6932191B2 - 加熱調理器 - Google Patents

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Description

本発明は、食パンなどを加熱する加熱調理器に関するものである。
従来の一般的なオーブントースターは、熱源として、石英管、ハロゲン、カーボンなどで構成された棒状のヒーターが加熱室の上下に水平に配置され、上下のヒーター間には、食パン等を載せるための調理網が配置された構成となっている(例えば、特許文献1参照)。
そして、このようなオーブントースターは、上下ヒーターの輻射熱により、調理網の上に載置された食パンを加熱する。
特許第1422823号公報
特許文献1のような従来のオーブントースターは、輻射熱のみによって食パンを加熱することになるため、食パン内部の水分が抜けやすく、食パン全体が乾燥したトーストになってしまうという課題があった。また、食パンの容積に比較して遥かに大きな容積の調理室(加熱庫)の中の雰囲気温度を上げて、その熱気温度も利用して食パンを加熱する方式であり、調理網に対向した部分は焼き色を付けにくく、トーストに焼きムラが出やすいという課題があった。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、被加熱物が食パンである場合、食パン内部の水分が保たれ、かつ、焼きムラの少ないトーストに焼き上げることができる加熱調理器を提供することを目的としている。
本発明に係る熱調理器は、被加熱物を載せるため当該被加熱物の平面的範囲よりも広く平坦で、かつ非通気性構造の第1の加熱面を内蔵した加熱調理器本体と、前記加熱調理器本体に開閉可能に支持され、第2の加熱面を備えており、閉じた状態では前記第1の加熱面と前記第2の加熱面との間で加熱室を形成する蓋体と、前記第1の加熱面及び前記第2の加熱面による加熱を制御する制御装置と、を備え、前記第2の加熱面は、前記第1の加熱面と対面し、かつ前記被加熱物の平面的範囲よりも広く平坦な面であり、前記蓋体を閉じた状態では、前記第2の加熱面は、前記被加熱物に空間を置いて接近した状態となり、かつ、当該蓋体の周縁部と前記加熱調理器本体との重合部によって前記加熱室が前記第1、第2の加熱面によって加熱される密封状態の空間となるものであり、前記蓋体の内側の側面に設けられた加熱室側壁と、該加熱室側壁の全周囲を囲むように形成された平面形状がリング状の支持枠とを有し、該支持枠は、耐熱性のプラスチックで全体が形成されている。
本発明に係る加熱調理器によれば、被加熱物が食パンである場合、食パンの内部の水分が保たれ、かつ、焼きムラが少なく焼き上げることができる。
本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の外観を示す正面図である。 本発明の実施の形態1に係る加熱調理器を、蓋体を開放した状態で示した斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の縦断面図である。 本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の縦断面模式図である。 本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の要部を拡大した別の例の縦断面概略図である。 本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の底プレートの平面図である。 本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の機能ブロック図である。 本発明の実施の形態1に係る角型食パンが載置された底プレートを平面視した模式図である。 本発明の実施の形態1に係る山型食パンが載置された底プレートを平面視した模式図である。 本発明の実施の形態1に係る通電範囲切替装置の回路構成を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る角型食パンが載置された底プレートを平面視した別の例の模式図である。 本発明の実施の形態2に係る加熱調理器の蓋体の要部を示す縦断面図である。 本発明の実施の形態3に係る加熱調理器の蓋体の要部を示す縦断面図である。 本発明の実施の形態3に係る角型食パンが載置された底プレートを平面視した模式図である。 本発明の実施の形態4に係る加熱調理器の外観を示す正面図である。 本発明の実施の形態4に係る加熱調理器の縦断面図である。 本発明の実施の形態5に係る加熱調理器を、蓋体を開放した状態で示した斜視図である。 本発明の実施の形態6に係る加熱調理器の縦断面模式図である。 本発明の実施の形態7に係る加熱調理器の縦断面模式図である。 本発明の実施の形態8に係る加熱調理器の縦断面模式図である。 本発明の実施の形態9に係る加熱調理器の第1の加熱面と第2の加熱面及び被加熱物の寸法関係を示す模式図である。 本発明の実施の形態の変形例を適用した加熱調理器を、蓋体を開放した状態で示した斜視図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
実施の形態1.
図1〜図11は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器100を示すものである。図1は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器100の外観正面図である。図2は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器100において、蓋体20が開いた状態の外観斜視図である。図3は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器100の縦断面図である。
図1〜図3に示すように、本実施の形態1に係る加熱調理器100は、加熱調理器本体10と、加熱調理器本体10の背面(後方)側のヒンジ部19に回動自在に支持されて加熱調理器本体10の上方空間を開閉自在に覆う蓋体20と、で構成されている。
図1において、加熱調理器本体10に対して蓋体20が開放する(上下の)境界線PLは、加熱調理器の高さ方向で、中央よりも少し下である。図1に矢印で「上」と示している方向が加熱調理器100の高さ方向である。逆に矢印で「下」と示した方向が下方向である。前記境界線PLは、後述する第1の重合面P1と、第2の重合面P2の中間にある。
加熱調理器本体10は、ヒンジ部19の他、底プレート11と、底面加熱装置12(加熱源)と、温度検知装置13と、電源基板14と、操作部15と、操作基板16と、蓋体開閉検知装置97(図6参照)と、制御装置50と、を備えている。蓋体20は底プレート11の上方空間を開閉自在に覆う。
また、蓋体20は、加熱室天板21と、加熱室側壁22と、上面加熱装置23(加熱源)と、シール部材24と、蓋体20の前方側を持ち上げる際にユーザー(使用者)が指先を掛け、あるいは摘まむ持ち手25と、を備えている。20Aは、前記蓋体20の外殻を構成する蓋体ケースであり、プラスチック等で一体に形成されている。19Aは、前記ヒンジ部19の外殻を構成するヒンジケースであり、金属等の剛性に富む材料で形成され、前記蓋体ケース20Aの後部の真下に配置され、蓋体ケース20Aと固定されている。
図2に示しているように、加熱調理器本体10の前方側に操作部15があり、反対に後方側に前記ヒンジ部19(図3参照)が配置されている。このため、前記蓋体20は、図2に示すように後方側が前記ヒンジ部19で回動自在に支持されたまま加熱調理器本体10の真上に垂直状態となるまで開放できる。なお、垂直状態を超えて後方にある程度傾いた状態になっても良く、その状態でも加熱調理器本体10は、その重量によって蓋体20を支えることができ、後方に転倒しない。
図2に矢印で「前」と示している方向が加熱調理器の前方向である。逆に矢印で「後」と示した方向が後方である。同じように「右」という矢印方向が右側方向を示し、「左」は左側方向を示している。以下の説明でも、この前後・左右方向の定義に則り、本発明の加熱調理器本体10を説明する。
図2に示すように、加熱調理器100は、前記底プレート11を上面に露出するように配置した加熱調理器本体10と、前記加熱室天板21を下面に露出するように配置した蓋体20とを、備えている。
加熱調理器本体10の上面には、前記底プレート11の前後左右を囲った第1の重合面P1を有し、また前記蓋体20の下面には、上方向から見た場合、前記加熱室天板21の前後左右を囲った第2の重合面P2を有している構成である。
図2において、XR、XL、XF及びXBは、前記第1の重合面P1の横幅又は前後方向の幅を示している。つまり、第1の重合面P1は、底プレート11の右側では横幅寸法がXRであり、左側ではXLである。
同様に、第1の重合面P1は、底プレート11の後方では前後方向の幅寸法はXBであり、前方側幅寸法はXFで示したものである。これら寸法XR、XL、XF及びXBは、この実施の形態1では、少なくとも10mm以上である。
そして、前記蓋体20の加熱室天板21が前記加熱調理器本体10の上面を覆うように重なった状態では、図3に示しているように、前記第1の重合面P1と前記第2の重合面P2が「微小間隙」を挟んで向かい合った状態になる。つまり、前記第1の重合面P1と前記第2の重合面P2が近接した位置になり、後述する加熱室40の内部空間が外部と遮断された状態になる。なお、ここでいう「外部と遮断された状態」とは、空気の移動を全く許容しないような気密状態を意味するものではなく、積極的に空気を流通させない程度をいう。加熱室40の内部が高温度になって内部の空気の体積が膨張した場合、それに伴って加熱室40内部の空気が自然に外部へ漏れ出る程度は、こでいう「外部と遮断された状態」である。なお、上記「微小間隙」は、この実施の形態1では3mm以下である。また「密封状態の空間(加熱室)」と「外部と遮断された状態の空間(加熱室)」という意味は、特に断りがない限り、同じである。
なお、図2において、YR、YL、YF及びYBは、前記第2の重合面P2の横幅又は前後方向の幅を示している。これら各寸法YR、YL、YF及びYBは、この実施の形態1では、少なくとも10mm以上である。
底プレート11は、加熱調理器本体10の上面に設けられ、食パンなどの被加熱物30が載置されるものである。この底プレート11は、例えばアルミニウムや銅など(一般的な鉄に比較して)熱伝導性の高い金属製の板材で形成されている。また、底プレート11の熱効率を上げることができるように、底プレート11の少なくとも下面側には、黒色の耐熱塗装が施されている。なお、以後、「トースト」という言う場合、特に断りが無い限り、スライスした食パンを加熱し、表面に軽く焦げ目をつけた食品の意味である。
前記底プレート11は、外周部を除いて大きな平面部11C(図5参照)を備えた浅い皿形状を呈しており、この平面部11Cの上面を「第1の加熱面」と呼ぶ場合がある。この第1の加熱面11Cは、全体に亘り水平である。
第1の加熱面11Cに、被加熱物30の下面が直接接触して底面加熱装置12からの熱が伝えられる。なお、「第1の加熱面」は、網やパンチングメタル等のような通気性のある物体で形成されていない。通気性の無い物で形成されており、既に述べたように1例として、金属製薄板から全体が形成されているので、空気や食パンの細かい破片、屑等を全く通過させない構造である。
図3に示しているように、底面加熱装置12は、底プレート11の下面側に近接し、又は密着状態に設けられており、底プレート11を加熱するものである。このため、底プレート11の温度が上がると、その底プレート11からの熱伝導により被加熱物30は下方から加熱される。
つまり、この実施例では、底プレート11は、底面加熱装置12からの熱を受けて全体が高温になり、上面の全体から輻射熱を放射する。このため被加熱物30に対しては1つの平面形状の発熱体としての働きをする。
前記底面加熱装置12は、例えば面状ヒーターであり、面状ヒーターとしては、電気絶縁性を確保するためのマイカ板に、電熱帯を巻いた面状ヒーター、および、電熱帯をセラミックで挟んで形成したセラミックヒーターなどがある。なお、上記面状ヒーターは、発熱する電熱線を、マイカ板を介在させて格子状に配置した形態や、横にある間隔で多数並べてマイカ板に敷き詰めた形態など色々なものがある。底面加熱装置12を面状ヒーターとすることで、加熱調理器本体10を小型化することができるとともに、被加熱物30の均一加熱が可能となるため、焼きムラを少なくすることができる。
図3において、温度検知装置13は、底プレート11の下面側に設けられ、底プレート11の温度を検知するものである。温度検知装置13は、例えば、前記底プレート11の下面に接触するサーミスタなどの温度センサーと、この温度センサーからの温度検出信号を後述する制御装置50に送信する温度検出回路(図示せず)とを備えている。温度センサーの感熱部は、底プレート11の下面に直接接触し、または耐熱性の絶縁性材料を介して接触している。
図3において、電源基板14は、加熱調理器本体10の内部の背面側に設けられ、底面加熱装置12および上面加熱装置23に電力を供給するための回路が実装されたものである。
図3において、79は、前記加熱調理器本体10の外殻を構成する本体ケースであり、プラスチック材料で形成されている。
次に、前記加熱室40とその周辺の構造について説明する。
前記蓋体20を加熱調理器本体10の上面に重なるように閉じた状態にすると、底プレート11の上面と、前記加熱室天板21との間に一定の容積の空間ができる。つまり、図3に示しているように有効高さ寸法H2の空間が前記加熱室40である。加熱室天板21は、その平面視で見て周囲全体に垂直な加熱室側壁22が連続しているので、底プレート11の上に、ある範囲の厚さの食パンを置いた場合、その食パンの上面と加熱室40の天井面との間には、ある程度の空隙H1が形成される。
前記加熱室天板21は、アルミニウム等のような熱伝導性の高い金属製の薄い板によって全体がプレス成形で形成されている。後述する加熱室側壁22も、プレス成形によって一体に形成されている。
前記加熱室天板21は、「第2の加熱面」ともいう。この第2の加熱面は、以上の説明から明らかなように、金属製の板で全体が形成されており、非通気性であり、かつ水平に設置されている。
前記第1の加熱面11Cと、第2の加熱面21は、その全体に亘り対向間隔が同一である。つまり、前記第1の加熱面11Cと第2の加熱面21は、互いに平行になっているので、前述した前記加熱室40の有効高さ寸法H2は、第1の加熱面11Cの、ほぼ全域に亘って確保される。
図3に示すように、前記蓋体20は、その中央部が上方に向かって凹んだ凹部26(図2参照)を有している。加熱室天板21は、蓋体20の中央部に設けられ、凹部26の上面を形成するものである。また、加熱室側壁22は、蓋体20の内側の側面に設けられ、凹部26の側面を形成するものである。つまり、この凹部26によって前記蓋体20の内部に加熱室40の大部分が形成される。加熱室40の残りの部分は、底プレート11の上に形成される。言い換えると、加熱室40は、前記蓋体20内部と加熱調理器本体10が重なり合った状態で、それら両者の内部に形成される。
また、加熱室天板21の熱効率を上げることができるように、少なくとも加熱室天板21の上面側には、黒色の耐熱塗装が施されている。
上面加熱装置23は、加熱室天板21の上面側に設けられ、加熱室天板21を加熱することにより加熱室40を加熱するものであり、加熱室天板21からの輻射熱により被加熱物30を上方から加熱する。上面加熱装置23は、例えば底面加熱装置12と同様の面状ヒーターであって、加熱室天板(第2の加熱面)21の上面に近接し、又は密着するように配置されている。つまり、この実施例では、加熱室天板(第2の加熱面)21は、上面加熱装置23からの熱を受けて全体が高温になり、後述する加熱室40の下方に向けて、下面の全体から輻射熱を放射する。このため被加熱物30に対しては面状の発熱体としての働きをする。
前記シール部材24は、加熱室側壁22の下端に沿って一定の幅で連続して設けられている。言い換えると、平面視で見た場合、蓋体20の凹部26の前後と左右を囲むように、第1の重合面P1の全体に亘って設けてある。このシール部材24は、その全長にわたり、前記第2の重合面P2から下方へ数mm程度突出しており、蓋体20が閉じられた状態において底プレート11の周縁部11A上面と密着し、密閉度の高い加熱室40を形成する。シール部材24は、例えばシリコンゴムで形成されているため、柔軟性があり、底プレート11の周縁部11A上面と密着する際には、シール部材24の下端部は変形する。
なお、本実施の形態1では、シール部材24を用いて密閉度の高い加熱室40を形成する構成としたが、それに限定されず、シール部材24の代わりにラビリンス構造を備え、そのラビリンス構造を用いて密閉度の高い加熱室40を形成する構成としてもよい。例えば、第1の重合面P1と第2の重合面P2の一方に溝部を形成し、他方にその溝部の中に微小間隙を保って嵌り込むような凸状を設けることである。
図3において、42は、平面形状が長方形の第1上ケースであり、金属製の薄板からプレス成形によって形成されている。この第1上ケース42の外周縁部42Aは、加熱室天板21の天井部の上に密着するように重なっている上面加熱装置23の上面に重ねてある。42Sは、加熱室天板21上面とこの第1上ケース42下面との間に形成された密閉空間である。
図3において、43は、平面形状が長方形の第2上ケースであり、金属製の薄板からプレス成形によって形成されている。この第2上ケース43の外周縁部43Aは、第1上ケース42の外周縁部42Aに重ね合わせてある。
図3において、44は、前記第1上ケース42と前記第2上ケース43の中央部を貫通するように設けた固定用のネジである。45は、電気絶縁性と断熱性に富む断熱材から形成された断熱材であり、例えばグラスウール製である。前記ネジ44は、図3に示すように前記断熱材45の側から前記第1上ケース42と前記第2上ケース43の中央部を貫通するように、上向きに固定されている。前記断熱材45は、前記第1上ケース42と前記加熱室天板21との間の空隙49を、それら周縁部を除いて隙間なく埋めるように、上下方向に若干圧縮された状態で設置されている。
図3において、46は、前記加熱室側壁22の全周囲を囲むように形成された平面形状がリング(中空円柱)状の支持枠であり、耐熱性のプラスチックで全体が形成されている。46Aは、前記支持枠46の下面であり、この下面は前記第2の重合面P2を形成する。
次に蓋体20の内部における各種空隙、空間について説明する。
図3において、G1は、前記底プレート11の上に置かれた普通の大きさの食パンの後方端面と、後方側の加熱室側壁22との間に形成される第1の空隙である。後述するが、食パンのサイズには、「山型食パン」、「角型食パン」などがあり、これらの食パン種類に応じて外形寸法は変化するが、通常の「山型食パン」や「角型食パン」を前記底プレート11の第1の加熱面11Cの上に置いた場合、前記第1の空隙G1が確保されるよう、加熱室40の平面的な大きさを設定している。
G2は、普通の大きさの食パンを収容した場合、その食パンの後方端面と、前方側の加熱室側壁22との間に形成される第2の空隙である。つまり、加熱室40の前後方向の有効長さは、普通の大きさの食パンを収容した場合、前方も後方も加熱室側壁22と接触しないような寸法である。同様に、図示はしていないが、加熱室40の左右方向の有効長さは、普通の大きさの食パンを収容した場合、右側方も左側方も加熱室側壁22と接触しないような寸法になっている。また、この第1の空隙G1と第2の空隙G2は、底プレート11において、前記第1の加熱面11Cの周囲(前後・左右)にある傾斜部(傾斜面)11Bの存在も関係しており、その傾斜部11Bの前後・左右方向の寸法を大きく確保すれば、それら第1、第2の空隙G1、G2も大きくなる。
図3において、G3は、前記支持枠46の前方にある垂直状態の壁面端面と、蓋体20の前方側の側壁との間に形成される第3の空隙である。G4は、同じく前記支持枠46の後方にある垂直状態の壁面端面と、蓋体20の後方側の側壁との間に形成される第4の空隙である。また図示していないが、支持枠46の右側方と左側方も、それぞれ蓋体20の側壁面との間に空隙を有しているため、結局、支持枠46の全周囲で蓋体20の側壁面との間に空隙がある。
図3において、G5は、前記支持枠46に形成された垂直状態の壁面端面と、前記加熱室側壁22の前後・左右の外側壁面との間に形成される第5の空隙である。この第5の空隙G5と前記第3及び第4の空隙G3、G4によって、加熱室側壁22の前後及び左右は、加熱調理器100の外殻となる前記蓋体20に対して、断熱性を高めることができる。
図3において、G6は、前記第2上ケース43の上面と前記蓋体20の上壁面(天井壁面)との間に形成される第6の空隙である。この第6の空隙G6によって、前記第2上ケース43は、加熱調理器100の外殻となる前記蓋体20に対して、断熱性を高めることができる。なお、前記第2上ケース43は、前述したように上面加熱装置23の上方に断熱材45を水平方向に展開しているので、この第2上ケース43自体の温度も低く抑えられている。
以上の構成によって前記蓋体20が構成されている。
図3において、72は、第1下ケース75の下方全体を覆うように水平に設置された仕切り板であり、金属製の薄板によって全体が形成されている。前記第1下ケース75は、金属の薄い板をプレス加工して全体が形成されており、電気絶縁性に富む材料から形成された断熱性に富む断熱材73として、例えば板状にしたグラスウールを収容している。この断熱材73は、前記第1下ケース75と前記底面加熱装置12との間の空隙76を、それら周縁部を除いて隙間なく埋めるように、上下方向に若干圧縮された状態で設置されている。
図4は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器100の縦断面模式図である。
図4に示すように、加熱調理器本体10に対して蓋体20が開放する境界線PLは、加熱調理器の最大高さ寸法Hmaxの中央よりも少し下である。
前記底プレート11は、1枚の金属製薄板をプレス加工によって薄い皿形状にしたものであり、外周部を除いて大きな平面部11C(図6参照)を備えている。この平面部11Cの上面が「第1の加熱面」である。なお、11Bは、前記第1の加熱面11Cの周囲(前後・左右)にある傾斜部(傾斜面)11Bである。図4では模式図であるため、平面部11Cと傾斜部11Bの断面のハッチング形態が同じでないが、実際は同じ金属板で一連に形成している。なお、傾斜面11Bの角度は、底プレート11の外周側に向かって高くなるように仰角45度前後であるが、30度でも良いし、逆に75度のような急傾斜でも良い。但し、この実施の形態1のように、平面部(第1の加熱面)11Cの前後・左右における傾斜面11Bの角度は、全て統一しており、45度である。
図4において、HAは、前記蓋体20と前記加熱調理器本体10との境界線PLを基準にして、前記第2の加熱面21側までの直線距離であり、この距離HAは、前記第1の加熱面11Cまでの距離HBよりも3倍以上もある。
図4において、DPは、上下に分離する境界線PLを基準にして、前記第1の加熱面11Cまでの直線距離である。つまり底プレート11の上面から第1の加熱面11Cまでの「深さ」を示しており、2mm〜10mmの範囲に設定されている。この「深さ」が大きいと、食パン等の被加熱物30を収容したあと、その横方向への不用意な移動を防止できる利点があるが、逆に加熱調理後のトースト等を取り出す場合、通常6枚切りの食パンの厚さは約20mmであるので、トーストをユーザーが掴みにくくなり、取り出し動作を損なう懸念もある。
図4において、21は、前記加熱室天板(第2の加熱面)であり、前述したように1枚の金属製薄板をプレス加工によって薄い皿形状にしたものである。図4では模式図であるため、第2の加熱面21と加熱室側壁22の断面のハッチング形態が同じでないが、実際は同じ金属板でその加熱室側壁22まで一連に形成している。
図4において、ALは、底面加熱装置12を構成する面状ヒーターの前後方向の長さを示している。実際には、前述したマイカ板の前後方向の最大長さに相当しており、このマイカ板の前後方向端部まで電熱帯があるので、電熱線で加熱される「加熱域」に相当する範囲を示している。
図4に示すように、第1の加熱面11Cの前後方向の長さよりも少し長い範囲まで、底面加熱装置12を構成する面状ヒーターが向かい合っているため、底面加熱装置12への通電によって、第1の加熱面11Cの前方端部から後方端部まで加熱される。なお、第1の加熱面11Cの左右方向についても、底面加熱装置12の面状ヒーターの横幅寸法が少し大きいので、結局、第1の加熱面11Cの前後方向と左右方向に何れにおいても、底面加熱装置12の面状ヒーターで下方をカバーしている状態である。
図4において、BLは、前記上面加熱装置23を構成する面状ヒーターの前後方向の長さを示している。実際には、前述したマイカ板の前後方向の最大長さに相当しており、このマイカ板の前後方向端部まで電熱帯があるので、電熱線で加熱される「加熱域」に相当する範囲を示している。
図4に示すように、第2の加熱面21の前後方向の長さよりも少し長い範囲まで、上面加熱装置23を構成する面状ヒーターが向かい合っているため、上面加熱装置23への通電によって、第2の加熱面21の前方端部から後方端部まで加熱される。なお、第2の加熱面21の左右方向についても、上面加熱装置23の面状ヒーターの横幅寸法が少し大きいので、結局、第2の加熱面21の前後方向と左右方向に何れにおいても、上面加熱装置23の面状ヒーターで上方をカバーしている状態である。
図1〜図3において、操作部15は、加熱調理器本体10の前面に設けられ、ユーザーの操作により調理条件の設定が行われるものである。また、操作部15は、ダイヤル、ボタンなど(以下、これらを総称して「操作ダイヤル」という)で構成される、モード設定操作部15Aと、焼き色設定操作部15Bと、サイズ設定操作部15C(サイズ設定手段)と、を備えている。77は、操作部15の操作基板16の後方と、上下・左右を一連に覆うように設けた操作部カバーであり、プラスチック製である。
モード設定操作部15Aの操作ダイヤルを回すことによって、「常温パン」、「フレンチトースト」、「具材のせパン」、「冷凍パン」の何れか1つを特定する信号(以下、「モード設定信号」という)が、後述する制御装置50に入力される。
ここで、「常温パン」とは、常温で保存された状態の食パンである。
フレンチトーストとは、食パン内部に溶き卵、牛乳などの単一の液体または複数食材を混合した液体をしみこませた後、加熱して仕上げる料理である。なお、必ずしも液体をパンの中心まで染みこませる必要はなく、一部でもよい。また、染みこませる液体の量も問わないが、加熱前の水分量は加熱前のパン単体よりも多くなる。
「具材のせパン」とは、食パンの上にチーズなどパン以外の具材がのせられたものである。なお、具材については、マヨネーズなどの調味料、野菜、肉、魚、果物などでもよく、または、それらを複数組み合わせたものでもよい。
「冷凍パン」とは、冷凍庫内で保存され、凍った状態の食パンである。なお、冷凍庫内での保管方法、保管期間などは問わない。
また、焼き色設定操作部15Bは、ユーザーが調理する被加熱物30の「焼き色」を設定するものである。焼き色設定操作部15Bの操作ダイヤルを回すことによって、「濃い」、「普通」、「薄い」の3種類の内から、何れか1つをユーザーが任意に選択できる。選択した場合、「焼き色」を特定する信号(以下、「焼き色設定信号」という)が、後述する制御装置50に入力される。
ユーザーが、サイズ設定操作部15Cの操作ダイヤルを回すことによって、食パンのサイズを選択することができる。ここでいう「サイズ」には、「山型食パン」、「角型食パン」などがあり、これらの食パンの外形形状によって、調理する被加熱物30のサイズを選択するものである。サイズ設定操作部15Cの操作ダイヤルを回すことによって、食パンのサイズを選択した結果を特定する信号(以下、「サイズ設定信号」という)が、後述する制御装置50に入力される。なお、通常サイズと呼ぶ場合には、食パンの大きさを意味するが、この実施の形態1では、食パンのタイプ(山型、角型・・)を選択することによって、必然的にその食パンの大きさが定まるという前提のもので、「サイズ」という用語を用いている。
図1に示している調理開始操作部15Dは、加熱調理器100による調理を開始させるものである。押し釦式又はタッチ入力式スイッチ等によって構成されており、ユーザーが調理開始を意図して特定の操作をした場合、調理開始を特定する信号(以下、「調理開始設定信号」という)が、後述する制御装置50に入力される。
操作基板16は、加熱調理器本体10の内部の前面側に設けられ、操作部15から入力された信号を処理するための回路が実装されたものであり、上記の「モード設定信号」、「焼き色設定信号」、「サイズ設定信号」及び「調理開始設定信号」を、それぞれ処理した後、制御装置50に出力するものである。
制御装置50は、加熱調理器本体10の内部に設けられ、操作部15からの入力、つまり、ユーザーにより設定された「加熱モード」、「焼き色」、および、「サイズ」に基づく「モード設定信号」、「焼き色設定信号」、「サイズ設定信号」を受信して、電源基板14に対して制御信号を出力するものである。なお、制御装置50は、その機能を実現する回路デバイスのようなハードウェアで構成することもできるし、マイコンなどの演算装置とその動作を規定するソフトウェアで構成することもできる。
図3において、矢印UTは、固定用ネジ等の締結具によって前記仕切り板72と第1下ケース75の外周縁部を、リング状のプラスチック製支持枠74に下方から固定する方向を示している。言い換えると、前記仕切り板72と第1下ケース75の外周縁部は、プラスチック製支持枠74に固定されている。75Aは、第1下ケース75の外周縁部に一連に形成した傾斜面である。
図5は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器100の要部を拡大した別の例の縦断面拡大図である。なお、この要部は、蓋体20が閉じられた状態における加熱調理器本体10と蓋体20との接触部分を示している。
蓋体20と加熱調理器本体10との重合面(第1の重合面P1、第2の重合面P2)における気密性を確保するための1つの手段である「ラビリンス構造」としては、この図5に示す構成でも良い。
図5において、28は、図3に示した平面形状がリング(中空円柱)状の支持枠46と同様な支持枠であり、耐熱性のプラスチックや金属で全体が形成されている。
28aは、前記支持枠28の下面、すなわち第2の重合面P2に下方へ突出するように一体に形成した突起部である。この突起部は、リング(中空円柱)状の支持枠28の全長に亘って形成されているので、平面視ではリング状に形成されている。
17は、図3に示したリング状のプラスチック製支持枠74と同様な、耐熱性プラスチック又は金属製で全体が形成された支持枠である。
17aは、前記プラスチック製支持枠74の上面、すなわち、第1の重合面P1に形成した溝であり、この溝17aは、リング(中空円柱)状の支持枠17の全長に亘って形成されているので、平面視では環状に形成されている。
蓋体20が閉じられた状態において、蓋体20側の支持枠の突起部28aが加熱調理器本体10側の支持枠17の溝17aと、緊密に嵌合するようになっている。そして、突起部28aと溝17aとが嵌合することで、密閉度の高い加熱室40を形成することができる。
なお、溝17aが形成されている位置と突起部28aが設けられている位置とを逆にしてもよい。つまり、加熱調理器本体10の支持枠17の上面に突起部(図示せず)を設け、蓋体20側の支持枠28の下面に溝(図示せず)を形成してもよい。こうすることでも、突起部と溝とが嵌合することで、密閉度の高い加熱室40を形成することができる。また溝17aと突起部28aは、加熱室40の周囲を囲むように複数列設けても良い。つまり、同心円状に溝17aと突起部28aを2重、3重、又は4重等に形成しても良い。
図5において、81は、飾り枠であり、平面形状がリング(中空円柱)状を呈している。この飾り枠81と、プラスチック製のリング状の支持枠17とは、その上面の位置が面一となるように固定されている。
図5において、84は、前記本体ケース79と飾り枠81との間に形成された空間である。仕切り板72の前方端部72Hは、前記空間84の中に入って上方に垂直に曲げられている。
11Eは、底プレート11の前方端部であり、この水平な水平端部11Eは、前記仕切り板72と重なりあった状態にで、前記支持枠17と飾り枠81によって上方から押されている。このため、飾り枠81、支持枠17、底プレート11端部、第1下ケース75端部、及び仕切り板72の端部が密着した状態になっているので、底面加熱装置12の熱が、前記本体ケース79の外部に逃げることは抑制された構成である。75Hは、前記第1下ケース75の周縁部に形成した垂直部であり、この垂直部よりも更に外周端部が、前記支持枠17によって上方から押さえられている。77は、操作部15の周辺壁材である。この周辺壁材の上面と前記支持枠17の下面との間に、前記第1下ケース75の外周端部が挟まれて固定されている。
本実施の形態1に係る加熱調理器100で調理される被加熱物30は、主に食パンである。食パンには、焼き上げる際に蓋をして四角く仕上げられた「角型」と、焼き上げる際に蓋をせずに仕上げられた「山型」とがあり、それらの一般的なサイズは、角型は約横12cm×縦12cm、山型は約横12cm×縦16cmとなっている。また、食パンは、一斤を切る枚数によって厚さが異なっており、例えば4枚切りの厚さは約30mm/枚、6枚切りの厚さは約20mm/枚となっている。
加熱室40の縦横のサイズは、少なくとも山型の食パンのサイズよりも大きく、山型の食パンのサイズよりも20〜40mm程度大きい寸法が望ましい。加熱室40の縦横のサイズは、例えば横14cm×縦18cmである。これは、加熱室40内で底プレート11に載置された山型の食パンと加熱室側壁22とが接触しない寸法である。
前記底プレート11の第1の加熱面11Cの平面寸法は、「山型」の食パンの平面的な寸法(左右方向の横方向幅12cm、縦方向長さ16cm)よりも大きく設定されている。
また、加熱室40の高さは、少なくとも4枚切りの食パンよりも大きく、4枚切りの食パンに具材をのせても加熱室天板21に具材が接触しない程度の寸法が望ましい。加熱室40の高さは、例えば45mmである。これは、底プレート11に載置された、市販で最も厚い4枚切り30mmの食パンの上に、チーズなどの具材を厚さ10mm程度までのせた状態で蓋体20を閉めても、食パンの上の具材と加熱室天板21とが接触しないで、数mm〜15mm程度離れた状態となる。
次に図6について説明する。被加熱物が載置される底プレート11は、平面形状が長方形である。これはこの加熱調理器が対象としている被加熱物30は、山型食パンも含むため、その山型食パンの一般的な形状である長方形に合わせてある。
図6において、W1は、山型食パンの縦方向(前後方向)寸法を示し、例えば約16cmである。L1は、その山型食パンの横幅(左右方向)寸法を示し、例えば約12cmである。
W4は、底プレート11の前後方向(縦方向)の寸法を示し、L4は、その底プレート11の最大横幅寸法を示すものである。
W2は、底プレート11の中で、前記食パン等が載せられる平面部11Cの縦方向寸法を示し、L2は、その最大横幅寸法を示すものである。
W3は、底プレート11の中で、前記平面部11Cの前後左右の周囲に形成された傾斜部11Bの縦方向寸法を示し、L3は、その最大横幅寸法を示すものである。傾斜部11Bは、例えば外周側に向けて仰角45度に形成してある。この傾斜部11Bは、前記平面部(第1の加熱面)11Cの前方、後方及び左右側方に、それぞれ同じ平面的な大きさで形成されている。言い換えると、平面部11Cの中心部Oを通る左右中心線HLと、前後中心線VLを基準に、前後・左右に対称的に形成してある。
W4は、底プレート11の中で、最大外形寸法となる前後方向の長さを示し、L4は、その最大横幅寸法を示すものである。
前記平面部(第1の加熱面)11Cは、前述した説明から明らかなように、金属製の板で全体が形成されており、非通気性であり、かつ水平に設置されている。
前記平面部(第1の加熱面)11Cの平面的な大きさは、図6に示しているように最大縦方向寸法がW2、最大横幅寸法がL2であり、通常の各種トーストの平面的な大きさよりも大きい。つまり、この第1の加熱面11Cの平面的な大きさは、主な被加熱物である食パンの外形寸法よりも大きく形成されている。
因みに、平面部(第1の加熱面)11Cの縦方向寸法W2は、177mmし、L2は127mmである。また、前記底面加熱装置12の定格消費電力は300Wであり、被加熱物30を加熱することに寄与する実質的な面積で除した結果求められる「1平方センチメートル当たりの消費電力(1平方センチメートル当たりの「ワット密度」)は、1.3Wである。
図3と図5において、75は、金属薄板製の第1下ケースである。この図4には示していないが、断熱材45と同様な材料から形成された断熱材(図示せず)45が、金属薄板製の第1下ケース75と前記仕切り板72との間に配置されている。
次に図7について説明する。図7は、実施の形態1に係る加熱調理器の機能ブロック図である。
図7に示すように、上面加熱装置23と底面加熱装置12に対して通電する範囲を決め、食パンのサイズに応じた加熱状態を選択できる通電範囲切替装置60が、前記電源基板14に実装されている。
操作部15にあるサイズ設定操作部15Cを、ユーザーが操作して「サイズ設定信号」が前記制御装置50に入力されると、制御装置50は、その「サイズ設定信号」に対応した「通電範囲指定信号」を電源基板14の通電範囲切替装置に対して出力する。
本実施の形態1に係る制御装置50は、メイン制御部51と、演算部52と、タイマ部53と、記憶部54と、を備えている。メイン制御部51は、温度検知装置13、蓋体開閉検知装置97、操作基板16を介して操作部15から入力される情報(「モード設定信号」、「焼き色設定信号」、「サイズ設定信号」)に基づいて、底面加熱装置12および上面加熱装置23を制御するものである。
演算部52は、後述する加熱終了時刻や、各種制御パラメータを演算するものである。記憶部54は、例えばROMで構成され、複数の「焼き色」に対応した重量減少率が複数記憶されているものである。「サイズ設定信号」のために、食パンの形状や大きさ(縦横寸法)に対応した通電範囲の切替パターンが、対応表(テーブル)等の形式で記憶されているものである。
電源基板14は、制御装置50から出力された制御信号に基づいて、底面加熱装置12および上面加熱装置23への通電をON(オン)またはOFF(オフ)する。底面加熱装置12により加熱された底プレート11の温度は、温度検知装置13により検知され、その検知した温度情報は制御装置50に入力される。また、蓋体20の開閉は蓋体開閉検知装置97により検知され、その検知した開閉情報は制御装置50に入力される。
図8は、本発明の実施の形態1に係る角型食パン30aが載置された底プレート11を平面視した模式図である。図9は、本発明の実施の形態1に係る山型食パン30bが載置された底プレート11を平面視した模式図である。図10は、本発明の実施の形態1に係る通電範囲切替装置60の回路構成を示す模式図である。
図8〜図10に示すように、底面加熱装置12には、電気絶縁材としてのマイカ板の全体に電熱帯41Aを重ねた面状ヒーターが使用されており、電熱帯41Aは、底プレート11の面上に、一方向に沿って帯状に配置されている。電熱帯41Aは、底プレート11の特に第1の加熱面11Cの全体を、均等に加熱するように配線パターンが工夫されている。
同様に、上面加熱装置23には、マイカ板に電熱帯41Bを重ねた面状ヒーターが使用されており、電熱帯41は、加熱室天板21の面上に、一方向に沿って帯状に配置されている。なお、図8および図9では、底面加熱装置12の電熱帯41Aを図示しているが、上面加熱装置23の電熱帯41Bも同様の構成である。上面加熱装置23の電熱帯41Bは、底面加熱装置12の電熱帯41Aと対向する位置にそれぞれ設けられている。つまり、食パンを下方向から加熱する電熱帯41Aと、上方向から加熱する電熱帯41Bは、上下方向で見た投影面積は同じである。例えば、上面加熱装置23の電熱帯41Bが設けてある範囲が、縦方向(前後方向)で16cm、横(幅)方向で12cmであった場合、底面加熱装置12の電熱帯41Aも同様に16cm×12cmの大きさであり、かつ2つの電熱帯41A、41Bは、垂直方向に見た場合、重なっている状態である。
底プレート11の面上に配置された電熱帯41Aが、均一の間隔で配置されている場合、底プレート11の中央部に熱が集中するため、底プレート11の中央部と外側部(外周縁部)とで温度差が生じやすい。そして、底プレート11の中央部と外側部とで温度差が生じると、被加熱物30を加熱する際、中央部のみ焼き色が濃くなり、焼きムラができてしまう。そのため、電熱帯41Aの配置間隔を、底プレート11の中央部で広くし、外側部で狭くすることにより、中央部と側部との温度差が生じにくくなり、被加熱物30を加熱する際の焼きムラを少なくすることができる。
前記通電範囲切替装置60は、第1切替部61と第2切替部62を有している。前記第1切替部61と第2切替部62は、底面加熱装置12と上面加熱装置23に、それぞれ1組ずつ設けてある。
底面加熱装置12は、第1加熱部12aと第2加熱部12bとで構成されており、第1切替部61をONにすると第1加熱部12aのみに通電され、第2切替部62をONにすると第1加熱部12aおよび第2加熱部12bに通電されるようになっている。
また、上面加熱装置23は、図示省略の第1加熱部と図示省略の第2加熱部とで構成されており、第1切替部61をONにすると第1加熱部のみに通電され、第2切替部62をONにすると第1加熱部12aおよび第2加熱部に通電されるようになっている。
制御装置50は、サイズ設定操作部15Cにより設定された被加熱物30の「サイズ」に応じて、2つの通電範囲切替装置60の第1切替部61および第2切替部62をONまたはOFFに切り替える。そうすることで、底面加熱装置12および上面加熱装置23への通電範囲が切り替えられ、加熱室40内の加熱範囲が変更される。
本実施の形態1に係る加熱調理器100では、1つの底面加熱装置12を備え、その底面加熱装置12が、1つの面状ヒーター(電熱帯41)で構成されているものとしたが、それに限定されない。例えば、図11は、本発明の実施の形態1に係る角型食パン30aが載置された底プレート11を平面視した別の例の模式図である。
この図11に示すように、加熱調理器100が、複数の底面加熱装置12を備え、通電範囲切替装置60によって、各底面加熱装置12の電熱帯41A、41Bへの通電の有無を切り替える構成としてもよい。また、上面加熱装置23についても同様に、加熱調理器100が複数の面状ヒーターから構成された上面加熱装置23を備え、通電範囲切替装置60によって、各上面加熱装置23の面状ヒーターへの通電の有無を切り替える構成としてもよい。
本実施の形態1に係る加熱調理器100では、1つの底面加熱装置12を備え、その底面加熱装置12が複数の面状ヒーター(電熱帯41)で構成されていても良いが、これに限定されなくとも良い。図9に示すように、加熱調理器100が、複数の面状ヒーター41A、41Bからなる底面加熱装置12を備え、通電範囲切替装置60によって、底面加熱装置12の各面状ヒーター41A、41Bへの通電の有無を切り替える構成としてもよい。また、上面加熱装置23についても同様に、複数の面状ヒーターから構成し、通電範囲切替装置60によって、各面状ヒーターへの通電の有無を切り替える構成としてもよい。
次に、本実施の形態1に係る加熱調理器100による被加熱物30の調理について説明する。
ユーザーは、被加熱物30を底プレート11に載置した後、蓋体20を閉める。次に、ユーザーは、モード設定操作部15Aにより、調理する被加熱物30の種類に応じて「加熱モード」を設定し、焼き色設定操作部15Bにより、ユーザーの好みに応じて被加熱物30の「焼き色」を設定する。さらに、ユーザーは、サイズ設定操作部15Cにより、調理する被加熱物30のサイズに応じて「サイズ」を設定する。その後、ユーザーは、操作部15に設けられた調理開始操作部15Dを押下する。
調理開始操作部15Dが押下されて、操作基板16から「調理開始の指令信号」を制御装置50が受けると、制御装置50は、底面加熱装置12および上面加熱装置23への通電を開始し、ユーザーにより設定された「加熱モード」、「焼き色」、および、「サイズ」に基づいて、それらを制御する。
制御装置50は、サイズ設定操作部15Cで選択した「サイズ」が、「角型食パン」を指定したものである場合、2つの第1切替部61を共にONとし、2つの第2切替部62を共にOFFとし、底面加熱装置12および上面加熱装置23への通電を開始する。そうすることで、加熱範囲が角型食パン30aに対応したサイズとなる。
また、制御装置50は、サイズ設定操作部15Cで選択した「サイズ」が「山型食パン」である場合、2つの第1切替部61を共にOFFとし、2つの第2切替部62を共にONとし、底面加熱装置12および上面加熱装置23への通電を、それぞれ開始する。そうすることで、加熱範囲が山型食パン30bに対応したサイズとなる。
このように、サイズ設定操作部15Cで、「角型食パン」や「山型食パン」を選択することで、それらの大きさに合致した加熱範囲が定まる。つまり、「角型食パン」や「山型食パン」等の被加熱物30のサイズに応じて底面加熱装置12および上面加熱装置23への通電範囲を切り替えることで、調理中の不要な電力消費を抑えられるため、省エネ化を図ることができる。
底面加熱装置12および上面加熱装置23への通電が開始された後、制御装置50は、ユーザーにより設定された「加熱モード」および「焼き色」に基づいて、それらを制御する。そして、底面加熱装置12により加熱された底プレート11からの熱伝導により被加熱物30を下方から加熱する動作と、加熱室天板21により加熱された加熱室天板21からの輻射熱によって被加熱物30を上方から加熱する動作、とをそれぞれ集中制御する。
被加熱物30の底面の加熱が進むと、水分が蒸発して水分含量が低下し、水分含量が一定の数値以下になると被加熱物30の底面に硬化した部分であるクラスト層が形成される。このとき、被加熱物30の底面は底プレート11の第1の加熱面11Cに密着しているため、蒸発した水分は被加熱物30の底面から外部には排出されにくく、被加熱物30の内部に移動する。つまり、底プレート11を水分が透過して加熱室40の外部へ拡散することはない。
一方、被加熱物30の上面の加熱が進むと、水分が蒸発して水分含量が低下し、水分含量が一定の数値以下になると被加熱物30の上面に硬化した部分であるクラスト層が形成される。このとき、蒸発した水分は被加熱物30の上面から外部には排出されるとともに、被加熱物30の内部に移動する。この場合も、水分が第2の加熱面21や加熱室側壁22を透過して加熱室40の外部へ積極的に拡散したり、又は強制的に拡散されたりすることはない。
被加熱物30の上面から外部には排出された水分は、密閉度の高い加熱室40に閉じ込められることになる。そして、被加熱物30は、水分が充満した高湿度の密閉空間である加熱室40で加熱されることになり、加熱が進んでも被加熱物30から外部に水分が排出されにくくなり、被加熱物30から外部に排出される水分を抑えることができる。そのため、この加熱調理器100では、被加熱物30が食パンである場合、食パンの内部に水分が保たれた状態に焼き上げることができる。
また、加熱調理器100は、底プレート11に載置された被加熱物30を、底プレート11からの熱伝導により下方から加熱するとともに、加熱室天板21により加熱された加熱室天板21からの輻射熱により上方から加熱する。そのため、被加熱物30が食パンである場合、焼きムラの少ない状態に焼き上げることができる。
以上、本実施の形態1に係る加熱調理器100の制御装置50は、調理開始後、底面加熱装置12、及び上面加熱装置23に対する通電を制御する。そして、底プレート11からの熱伝導で被加熱物30を下方から加熱する動作を制御するとともに、加熱室天板21からの輻射熱により被加熱物30を上方から加熱する動作を制御するものである。そして、ユーザーが指定した被加熱物30のサイズに応じて、底面加熱装置12および上面加熱装置23への通電範囲を変更するものである。
本実施の形態1に係る加熱調理器100は、加熱室側壁22の下端に沿って設けられたシール部材24を備え、蓋体20が閉じられた状態において、シール部材24が底プレート11の周縁部11aと密着するものである。
または、本実施の形態1に係る加熱調理器100は、加熱調理器本体10の上面の周縁部に配置した支持枠17に形成された溝17aと、蓋体20の下面側に配置した支持枠28に沿って設けられた突起部28aと、を備えている。そして、蓋体20が閉じられた状態において、突起部28aが溝17aと嵌合することで、加熱室40の気密性を向上させるための、ラビリンス構造を実現するものである。
または、本実施の形態1に係る加熱調理器100は、加熱調理器本体10の上面の周縁部には突起部を設け、蓋体20の支持枠28には溝を設けている。そして、蓋体20が閉じられた状態において、それら突起部が溝と嵌合するものである。これにより、加熱室40の気密性を向上させるための、ラビリンス構造を実現するものである。
実施の形態1の総括.
本実施の形態1に係る加熱調理器100は、以下の構成であった。すなわち、
被加熱物が載置される底プレート11と、
前記底プレート11を加熱する底面加熱装置12と、
前記底プレート11の上方空間を開閉自在に覆う加熱室天板21と、
前記加熱室天板21を加熱する上面加熱装置23と、
前記底面加熱装置12および前記上面加熱装置23を制御する制御装置50と、を備え、
前記底プレート11の上方空間を前記加熱室天板21が覆った状態では、それらの間に外部と遮蔽された加熱室40が形成されるものであり、
前記底プレート11は、熱伝導で前記加熱室40に収容された前記被加熱物を下方から加熱し、前記加熱室天板21は前記被加熱物に輻射熱を放射する構成である。
この実施の形態1の構成によれば、被加熱物が食パンである場合、食パンの内部の水分が保たれ、かつ、焼きムラが少なく焼き上げることができる。
また、本実施の形態1に係る加熱調理器100は、以下の構成であった。すなわち、
被加熱物を載せるため当該被加熱物の平面的範囲よりも広く平坦な第1の加熱面11Cを内蔵した加熱調理器本体10と、
前記加熱調理器本体10に開閉可能に支持され、第2の加熱面21を備えており、閉じた状態では前記第1の加熱面11Cとの間で加熱室40を形成する蓋体20と、
前記第1の加熱面11C及び前記第2の加熱面21による加熱を制御する制御装置50と、を備え、
前記第2の加熱面21は、前記第1の加熱面と対面し、かつ前記被加熱物の平面的範囲よりも広く平坦な面であり、前記蓋体を閉じた状態では、前記第2の加熱面は、前記被加熱物に狭い空間を置いて接近した状態となり、かつ、当該蓋体の周縁部と前記加熱調理器本体との重合部によって前記加熱室が前記第1、第2の加熱面によって加熱される密封状態の空間となる構成である。
この実施の形態1の構成によれば、被加熱物が食パンである場合、食パンの内部の水分が保たれ、かつ、焼きムラが少なく焼き上げることができる。
さらに、本実施の形態1に係る加熱調理器100は、以下の構成であった。すなわち、
被加熱物30としての食パンが載置される底プレート11と、
前記底プレート11を加熱する底面加熱装置12と、
前記底プレート11の上方空間を開閉自在に覆う加熱室天板21と、
前記加熱室天板21を加熱する上面加熱装置23と、
前記底面加熱装置12および前記上面加熱装置23を制御する制御装置50と、
被加熱物30の大きさを選択するサイズ選択手段15Cと、を備え、
前記底プレート11の上方空間を前記加熱室天板21が覆った状態では、それらの間に加熱室40が形成されるものであり、
前記制御装置50は、前記サイズ選択手段15Cで指定された前記被加熱物30の大きさを示す信号を受けて、前記底面加熱装置12および前記上面加熱装置23への通電範囲を決定する構成である。
この実施の形態1の加熱調理器によれば、ユーザーが選択した被加熱物のサイズに応じて加熱される範囲が自動的に決定され、調理中の不要な電力消費を抑えられるため、省エネ化を図ることができる。
本実施の形態1に係る加熱調理器100によれば、蓋体20が閉じられた状態において、シール部材24が底プレート11の周縁部11aと密着し、密閉度の高い加熱室40を形成することができる。または、蓋体20が閉じられた状態において、突起部が溝と嵌合し、密閉度の高い加熱室40を形成することができる。そのため、調理時にトーストから外部には排出された水分を、密閉度の高い加熱室40に閉じ込めることができる。そして、トーストを、水分が充満した高湿度の密閉空間である加熱室40で加熱することができるため、加熱が進んでもトーストから外部に水分が排出されにくくなり、トーストから外部に排出される水分を抑えることができる。
なお、本実施の形態1に係る加熱調理器100は、角型食パン30aおよび山型食パン30bのサイズに対応した加熱範囲が設定可能な構成としたが、それに限定されず、その他の被加熱物30のサイズに対応した加熱範囲も設定可能な構成としてよい。つまり、加熱すべき被加熱物30の平面的な大きさに応じて、通電範囲を選択できるようにする。
さらに、本実施の形態1に係る加熱調理器100は、以下のように第2の発明を備えた構成であった。すなわち、
被加熱物30を載せるため当該被加熱物30の平面的範囲よりも広く平坦な第1の加熱面11Cを有した加熱調理器本体10と、
前記加熱調理器本体10に開閉可能に支持され、第2の加熱面21を備えており、閉じた状態では前記第1の加熱面11Cとの間で加熱室40を形成する蓋体20と、
前記第1の加熱面11C及び前記第2の加熱面21による加熱を制御する制御装置50と、を備え、
前記第2の加熱面21は、前記第1の加熱面11Cと対面し、かつ前記被加熱物30の平面的範囲よりも広く平坦な面であり、
前記蓋体20を閉じた状態では、前記第2の加熱面21は、前記被加熱物30に狭い空間(空隙H1)を置いて接近した状態となり、かつ、当該蓋体20の周縁部と前記加熱調理器本体10との重合部によって前記加熱室40が前記第1、第2の加熱面11C、21によって加熱される密封状態の空間となる構成の加熱調理器100である。
この構成によれば、蓋体20が閉じられた状態において、被加熱物30を収容した加熱室40を形成することができる。蓋体20が閉じられた状態において、調理時にトーストから外部には排出された水分を、その閉鎖された加熱室40に閉じ込めることができる。そして、トーストを、水分が充満した高湿度の密閉空間である加熱室40で、第1の加熱面11Cと第2の加熱面21とによって、上下方向から広い範囲に亘って加熱することができるため、加熱が進んでもトーストから外部に水分が排出されにくくなり、トーストから外部に排出される水分を抑えることができる。
さらに、本実施の形態1に係る加熱調理器100は、以下のように特徴的な構成を備えている。
(1)特徴1:
被加熱物30を載せる第1の加熱面11Cが上面に露出している加熱調理器本体10と、
前記加熱調理器本体10の上面を開閉自在に覆うように配置され、下面に第2の加熱面21が露出している蓋体20と、を備え、
前記蓋体20で前記加熱調理器本体10上面を閉じた状態では前記第1の加熱面11Cと第2の加熱面21は、互いに上下から向かい合い、かつその両者の間には、被加熱物30を収容可能で、かつ外部と空気流通を(シール部材24やラビリンス構造、第1の重合面P1、第2の重合面P2等によって)遮断した構成の加熱室40が形成され、
前記第2の加熱面21は、前記加熱室40の天井面を構成して放射熱を前記第1の加熱面11C側に向けて放射し、
前記第1の加熱面11Cは、その最外周縁より外側に、前記被加熱物30の水平方向の載置位置を規制する傾斜面11Bが連続し、かつ前記加熱室40の底面を構成していることを特徴とする加熱調理器である。
この構成により、傾斜面11Bによって、食パン等の被加熱物30の載置位置が明確になり、ユーザーの利便性が向上する。
(2)特徴2:
前記傾斜面11Bは、前記第1の加熱面11Cの前後・左右方向の中心部から、前後方向と左右方向に、同じ傾斜角度(例えば、仰角45度)で形成されている、特徴1に記載の構成の加熱調理器。
(3)特徴3:
前記第1の加熱面11Cと前記傾斜面11Bは、単一の金属製板によって構成され、かつ当該第1の加熱面11Cは全体が1つの平坦な面である、特徴1に記載の構成の加熱調理器。
(4)特徴4:
前記蓋体20を閉じた状態では、前記第2の加熱面21は、前記被加熱物30の上面に接近した状態となり、かつ、当該蓋体20の周縁部と前記加熱調理器本体10上部との重合部(第1、第2の重合面P1、P2)に配置したシール部材24又はラビリンス構造の少なくとも何れか一方によって前記加熱室が密封状態の空間となる、特徴1〜特徴4の何れか1つに記載の構成の加熱調理器。
(5)特徴5:
前記蓋体20は、その外郭を構成する蓋体ケース20Aを有し、
前記蓋体20の内部には、前記第2の加熱面21と前記蓋体ケース20Aの内壁面との間に空隙G5を形成する第1の遮熱材(支持枠46)を設けた、特徴1〜特徴4の何れか1つに記載の構成の加熱調理器。
(6)特徴6:
前記蓋体20は、その外郭を構成する蓋体ケース20Aを有し、
前記蓋体20の内部には、前記第2の加熱面21と前記蓋体ケース20Aの内壁面との間に空隙G5を形成する第1の遮熱材(支持枠46)を設け、
前記第1の遮熱材(支持枠46)と、前記蓋体ケース20Aの内壁面との間に、別の空隙G3を形成している、特徴1〜特徴4の何れか1つに記載の構成の加熱調理器。
(7)特徴7:
前記蓋体20は、その外郭を構成する蓋体ケース20Aを有し、
前記蓋体20の内部には、前記第2の加熱面21と前記蓋体ケース20Aの内壁面との間に空隙G6を形成する第2の遮熱材(第1上ケース42)を設け、かつ前記加熱室40の外殻となる前後左右の側壁面(加熱室側壁22)と、前記蓋体ケース20Aの内壁面との間に空隙G5を形成する第1の遮熱材(支持枠46)を設けており、
前記空隙G6と前記空隙G5とは、前記蓋体20の内部において、前記加熱室40の外側で連通している、特徴1〜特徴4の何れか1つに記載の構成の加熱調理器。
(8)特徴8:
前記蓋体20は、その外郭を構成する蓋体ケース20Aを有し、
前記蓋体20の内部には、前記第2の加熱面21と前記蓋体ケース20Aの内壁面との間に空隙G6を形成する第2の遮熱材(第1上ケース42)を設け、かつ前記加熱室40の外殻となる前後左右の側壁面(加熱室側壁22)と、前記蓋体ケース20Aの内壁面との間に空隙G3、G5を形成する第1の遮熱材(支持枠46)を設けており、
前記第1の遮熱材(支持枠46)は、前記蓋体20を閉じた状態において、前記加熱調理器本体10と対面する重合面(第1の重合面P1)を形成する、特徴1〜特徴4の何れか1つに記載の構成の加熱調理器。
(9)特徴9:
前記蓋体20は、その外郭を構成する蓋体ケース20Aを有し、
前記蓋体20の内部には、前記加熱室40の外殻となる前後左右の側壁面(加熱室側壁22)と、前記蓋体ケース20Aの内壁面との間に空隙G3、G5を形成する第1の遮熱材(支持枠46)を設け、
前記第1の遮熱材(支持枠46)は、前記蓋体20を閉じた状態において、前記加熱調理器本体10と対面する重合面(第1の重合面P1)を形成し、かつ前記加熱調理器本体10側に先端部が接触するシール部材24を保持している、特徴1〜特徴4の何れか1つに記載の構成の加熱調理器。
(10)特徴10:
前記蓋体20は、その外郭を構成する蓋体ケース20Aを有し、
前記蓋体20の内部には、前記第2の加熱面21と前記蓋体ケース20Aの内壁面との間に空隙G3、G5を形成する第1の遮熱材(支持枠46)を設け、かつ前記加熱室40の外周縁部は、前記加熱調理器本体10側の重合部より水平方向へ離れた位置になるように前記第1の遮熱材(支持枠46)によって支持されており、
前記蓋体20を閉じた状態において、前記第1の遮熱材(支持枠46)の下面が、前記加熱調理器本体10と対面する重合面(第1の重合面P1)を形成した、特徴1〜特徴4の何れか1つに記載の構成の加熱調理器。
(11)特徴11:
前記第2の遮熱材(第1上ケース42)は、金属製の板で囲まれた空間と、当該空間の内部に挿入された断熱性のあるグラスウール又はロックウール等の断熱材と、を備えた構成である、特徴1〜特徴4の何れか1つに記載の構成の加熱調理器。
(12)特徴12:
前記蓋体20と前記加熱調理器本体10とが分離する境界線PLを基準にして、前記第2の加熱面21側までの距離HAは、前記第1の加熱面11Cまでの距離HBよりも3倍以上あることを特徴とする、特徴1〜特徴4の何れか1つに記載の構成の加熱調理器。
(13)特徴13:
前記蓋体20と前記加熱調理器本体10とが分離している境界線PLを基準にして、前記第1の加熱面11Cまでの距離HBは、2mm〜10mmの範囲の中にある、特徴12に記載の構成の加熱調理器。
(14)特徴14:
前記蓋体20と前記加熱調理器本体10とが分離している境界線PLを基準にして、前記第2の加熱面21側までの距離HAは、前記第1の加熱面11Cまでの距離HBよりも3倍以上あり、
前記加熱室40の容積VL1は、被加熱物としての食パンの外形寸法から求めた最大体積VL2の1.5倍〜3倍以下の範囲にある、特徴1〜特徴4の何れか1つに記載の構成の加熱調理器。
因みに実施の形態1では、食パンの外形寸法から求めた最大体積VL2は、16センチメートル(cm)×16cm×3cm=768立法センチメートルである。前記加熱室40の容積VL1は、この1.5倍〜3倍以下である。つまり、1152〜2304立法センチメートルである。加熱室40が、完全な立方体形状で、傾斜部11Bの存在も無視した場合、加熱室40の前後・左右方向の内側寸法がそれぞれ20cmであるとすると、有効高さ寸法H2は、3cm(2.88cm)〜6cm(5.76cm)未満になる。前述した通り、この実施の形態1では、高さH1は、約25mm、H2は、約45mmである。
また、加熱室40の高さは、少なくとも4枚切りの食パンよりも大きく、4枚切りの食パンに具材をのせても加熱室天板21に具材が接触しない程度の寸法が望ましい。加熱室40の高さは、例えば45mmである。これは、底プレート11に載置された、市販で最も厚い4枚切り30mmの食パンの上に、チーズなどの具材を厚さ10mm程度までのせた状態で蓋体20を閉めても、食パンの上の具材と加熱室天板21とが接触しないで、数mm〜15mm程度離れた状態となる。
実施の形態2.
以下、本発明の実施の形態2について説明するが、実施の形態1と重複するものについては説明を省略し、実施の形態1と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付す。
図12は、本発明の実施の形態2に係る加熱調理器100の蓋体20の要部を示す縦断面図である。
図12に示すように、加熱室天板21には、被加熱物30の厚さを検知する厚さ検知装置70が設けられている。厚さ検知装置70は、例えば超音波センサーであり、厚さ検知装置70から底プレート11に載置された被加熱物30までの距離を検知することで、被加熱物30の厚さを検知する。そして、制御装置50は、厚さ検知装置70から入力された情報に基づいて、被加熱物30の厚さを判定する。
被加熱物30の厚さにより、被加熱物30の上面と上面加熱装置23との距離が変化する。そのため、上面加熱装置23を同一制御で異なる厚さの被加熱物30を加熱すると、厚い方が被加熱物30の上面の焼き色が濃くなり、薄い方が被加熱物30の上面の焼き色が薄くなる傾向がある。
そこで、本実施の形態2に係る加熱調理器100では、被加熱物30の厚さを自動で判定するため、被加熱物30の厚さに応じて上面加熱装置23への通電電力が自動的に変更され、厚さによらず被加熱物30の上面の焼き色を同じにすることができる。なお、本実施の形態2に係る加熱調理器100では、被加熱物30の厚さに応じて上面加熱装置23への通電電力を自動的に変更する構成としたが、それに限定されない。被加熱物30の厚さに応じて上面加熱装置23への通電時間、または、通電電力および通電時間の両方を自動的に変更する構成としても、厚さによらず被加熱物30の上面の焼き色を同じにすることができる。
また、加熱室側壁22には、図12に示すように、被加熱物30のサイズを検知するサイズ検知装置71(サイズ検知手段)が設けられている。サイズ検知装置71は、例えば赤外線センサーであり、加熱室側壁22の水平方向に沿って複数設けられている。なお、本実施の形態2では、第1サイズ検知装置71a、第2サイズ検知装置71b、第3サイズ検知装置71cの3つが設けられている。第1サイズ検知装置71a及び第2サイズ検知装置71bは、底面加熱装置12または上面加熱装置23の第1加熱部12aを構成する電熱帯41(41A、41B)の両端の位置に設けられている。また、第2サイズ検知装置71b及び第3サイズ検知装置71cは、底面加熱装置12または上面加熱装置23の第2加熱部12bを構成する電熱帯41(41A、41B)の両端の位置に設けられている。このように、サイズ検知装置71は底面加熱装置12または上面加熱装置23の各電熱帯41と対応する位置にそれぞれ設けられている。
また、サイズ検知装置71を赤外線センサーにより構成する場合、赤外線センサーの検知方向に被調理物である被加熱物30が存在するとき、赤外線センサーは被加熱物30の温度を検知する。赤外線センサーの検知方向に被加熱物30が存在しないとき、赤外線センサーは加熱室40の側壁の温度を検知する。両者の温度の違いにより、赤外線センサーの検知方向における被加熱物30の有無を検知する。サイズ検知装置71は、サイズ検知装置71と対向する位置に被加熱物30が存在する場合はONの信号を制御装置50に対して出力し、存在しない場合はOFFの信号を出力する。そして、制御装置50は、サイズ検知装置71がONの信号を出力した位置および数によって、底プレート11に載置された被加熱物30のサイズを検知する。
具体的には、制御装置50は、第1サイズ検知装置71aおよび第2サイズ検知装置71bがONの信号を出力し、第3サイズ検知装置71cがOFFの信号を出力した場合は、被加熱物30が角型食パン30aであると判定する。また、制御装置50は、第1サイズ検知装置71a、第2サイズ検知装置71b、および、第3サイズ検知装置71cが全てONした場合は、山型食パン30bであると判定する。また、制御装置50は、第1サイズ検知装置71a、第2サイズ検知装置71b、および、第3サイズ検知装置71cが全てOFFした場合は、底プレート11に被加熱物30が載置されていないと判定する。
このように、本実施の形態2に係る加熱調理器100では、被加熱物30のサイズを自動で判定するため、ユーザーが被加熱物30のサイズを設定することなく、底面加熱装置12および上面加熱装置23への通電範囲が自動的に変更される。
なお、本実施の形態2では、厚さ検知装置70として超音波センサーを用いたが、それに限定されず、例えば、複数の赤外線センサーを用いて、それらを加熱室側壁22の鉛直方向に沿って設けてもよい。また、サイズ検知装置71として複数の赤外線センサーを用いたが、それに限定されず、複数の超音波センサーを用いてもよい。
以上、本実施の形態2に係る加熱調理器100は、被加熱物30の厚さを検知する厚さ検知装置70を備え、制御装置50は、厚さ検知装置70から入力された情報に基づいて、上面加熱装置23への通電電力または通電時間を変更するものである。
本実施の形態2に係る加熱調理器100によれば、被加熱物30の厚さを自動で判定するため、被加熱物30の厚さに応じて上面加熱装置23への通電電力または通電時間が自動的に変更され、厚さによらず被加熱物30の上面の焼き色を同じにすることができる。
また、本実施の形態2に係る加熱調理器100は、被加熱物30のサイズを検知するサイズ検知装置71を備え、制御装置50は、サイズ検知装置71から入力された情報に基づいて判定した被加熱物30のサイズに応じて、底面加熱装置12および上面加熱装置23への通電範囲を変更するものである。
本実施の形態2に係る加熱調理器100によれば、被加熱物30のサイズを自動で判定するため、ユーザーが被加熱物30のサイズを設定することなく、底面加熱装置12および上面加熱装置23への通電範囲が自動的に変更される。
実施の形態2の総括.
本実施の形態2に係る加熱調理器100は、以下の構成であった。すなわち、
被加熱物30としての食パンが載置される底プレート11と、
前記底プレート11を加熱する底面加熱装置12と、
前記底プレート11の上方空間を開閉自在に覆う加熱室天板21と、
前記加熱室天板を加熱する上面加熱装置23と、
前記底面加熱装置および前記上面加熱装置を制御する制御装置50と、
被加熱物の大きさを計測するサイズ検知装置71と、を備え、
前記底プレートの上方空間を前記加熱室天板が覆った状態では、それらの間に加熱室が形成されるものであり、
前記制御装置は、前記サイズ検知装置71で判定された前記被加熱物30の大きさを示す信号を受けて、前記底面加熱装置12および前記上面加熱装置23への通電範囲を決定する構成であった。
つまり、この実施の形態2では、自動的に制御装置50が被加熱物30に対応した通電範囲で加熱調理でき、調理に不要な電力消費を抑えられるため、省エネ化を図ることができる。
なお、この実施の形態2においても、実施の形態1と同じように、第1の重合面P1と前記第2の重合面P2は、例えば10mm以上の幅を有した平坦面同士で微小間隙をおいて対面しているから、一定の空気流通阻止効果があり、密閉度のある加熱室40となる。
このため、この実施の形態2の加熱調理器100によれば、食パンが(焼き上げる前の)当初から保有していた含水率を大きく損なうことなく、水分量を維持できるため、美味しい焼き上がり状態に仕上げることができる。
なお、市販されている最も厚い4枚切りの食パンの厚さ(上下方向寸法)が30mm程度であるので、加熱室40の体積は、その食パンの体積の2倍〜3倍程度にすると良い。従前から知られているようなオーブン式トースターでは10倍以上の大きな空間で焼き上げるため、実施の形態2と同じような効果は期待できない。
実施の形態3.
以下、本発明の実施の形態3について説明するが、実施の形態1および2と重複するものについては説明を省略し、実施の形態1および2と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付す。
図13は、本発明の実施の形態3に係る加熱調理器100の蓋体20の要部を示す縦断面図である。図14は、本発明の実施の形態3に係る角型食パン30aが載置された底プレート11を平面視した模式図である。
図13に示すように、本実施の形態3に係る底面加熱装置12は、マイカ板に電熱帯41Aを複数配列した面状ヒーターである。また、電熱帯41Aと同数のサイズ検知装置71が、図12に示したものと同様に、加熱室側壁22の水平方向に沿って複数個、水平な一直線上に並べて設けられている。複数のサイズ検知装置71は、各電熱帯41Aと対応する位置にそれぞれ設けられている。また、通電範囲切替装置60は、電熱帯41と同数の通電範囲の単位切替部60Pを備えており、複数の単位切替部60Pは、電熱帯41A毎にそれぞれ設けられている。
また、上面加熱装置23は、マイカ板に電熱帯41Bを複数配列した面状ヒーターである。なお、図13では、底面加熱装置12が面状ヒーターである場合を図示しているが、上面加熱装置23が面状ヒーターである場合も同様の構成である。また、上面加熱装置23の電熱帯41Bは、底面加熱装置12の各電熱帯41Aと、上下方向で対向する位置にそれぞれ設けられている。
制御装置50は、サイズ検知装置71から入力された情報に基づいて、ONしているサイズ検知装置71に対応した電熱帯41Aに設けられている通電範囲切替装置60の単位切替部60PをONして電熱帯41Aに通電する。また、OFFしているサイズ検知装置71に対応した電熱帯41Aに設けられている単位切替部60PをOFFして電熱帯41Aへの通電をOFFにする。
このように、本実施の形態3に係る加熱調理器100では、各電熱帯41Aと対応する位置にサイズ検知装置71がそれぞれ設けられており、電熱帯41A毎に、この電熱帯41Aへの通電をON、OFFする通電範囲切替装置60の単位切替部60Pがそれぞれ設けられている。そして、ONしているサイズ検知装置71に対応した電熱帯41Aに設けられている単位切替部60PのみをONして、電熱帯41Aに通電する。各電熱帯41Aに対応している上面加熱装置23の電熱帯41Bは、その電熱帯41AのON・OFFに対応してON・OFFするので、被加熱物30は、その上方と下方の同じ位置から電熱帯41A、41Bで加熱される。
そして、本実施の形態3に係る加熱調理器100では、被加熱物30のサイズおよび載置されている位置に応じて底面加熱装置12および上面加熱装置23への通電範囲を切り替えることで、加熱範囲を細かく変更することができる。そのため、調理中の不要な電力消費をさらに抑えられ、さらなる省エネ化を図ることができる。
なお、本実施の形態3では、1つの底面加熱装置12および1つの上面加熱装置23に、マイカ板に電熱帯41A,41Bを複数配列した面状ヒーターが、それぞれ使用されている構成としたが、それに限定されず、底面加熱装置12および上面加熱装置23をそれぞれ複数備えた構成としてもよい。
底面加熱装置12および上面加熱装置23をそれぞれ複数備えた構成とした場合、上面加熱装置23は、各底面加熱装置12と対向する位置にそれぞれ設けられている。また、サイズ検知装置71は、各底面加熱装置12または各上面加熱装置23と対応する位置にそれぞれ設けられている。
そして、制御装置50は、サイズ検知装置71から入力された情報に基づいて、ONしているサイズ検知装置71に対応した底面加熱装置12および上面加熱装置23に通電する。また、OFFしているサイズ検知装置71に対応した底面加熱装置12および上面加熱装置23への通電をOFFにする。
本実施の形態3に係る加熱調理器100は、以上の説明から明らかなように、底面加熱装置12および上面加熱装置23には、それぞれマイカ板に電熱帯41A、41Bを複数配列した面状ヒーターが使用されている。また、上面加熱装置23の電熱帯41Bは、底面加熱装置12の各電熱帯41Aと対向する位置にそれぞれ設けられており、サイズ検知装置71は、底面加熱装置12または上面加熱装置23の各電熱帯41と対応する位置にそれぞれ設けられている。また、2つの通電範囲切替装置60は、電熱帯41A、41B毎にそれぞれ単位切替部60Pを備えている。そして、制御装置50は、被加熱物30のサイズに応じて、単位切替部60Pを切り替えるものである。
または、本実施の形態3に係る加熱調理器100は、底面加熱装置12および上面加熱装置23をそれぞれ複数備え、上面加熱装置23は、各底面加熱装置12と対向する位置にそれぞれ設けられている。また、サイズ検知装置71は、各底面加熱装置12または各上面加熱装置23と対応する位置にそれぞれ設けられている。そして、制御装置50は、被加熱物30のサイズに応じて、通電する底面加熱装置12および上面加熱装置23の数を変更するものである。
本実施の形態3に係る加熱調理器100によれば、被加熱物30のサイズと、その載置されている位置とに応じて、底面加熱装置12および上面加熱装置23への通電範囲を切り替えるため、加熱範囲を細かく変更することができる。そのため、調理中の不要な電力消費をさらに抑えられ、さらなる省エネ化を図ることができる。
実施の形態4.
以下、本発明の実施の形態4について説明するが、実施の形態1〜3と重複するものについては説明を省略し、実施の形態1〜3と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付す。
図15は、本発明の実施の形態4に係る加熱調理器の外観を示す正面図である。図16は、本発明の実施の形態4に係る加熱調理器の縦断面概略図である。本実施の形態4に係る加熱調理器100の蓋体20は、側面加熱装置27を備えていることが特徴である。
本実施の形態4では、図15に示すように、操作部15は、側面加熱設定操作部15E(側面加熱設定操作手段)を備えている。側面加熱設定操作部15dは、ユーザーが側面加熱装置27への通電の「有」または「無」を設定するものである。なお、側面加熱装置27へ通電する設定内容を「加熱モード」や「焼き色」の設定過程で設定できるようにしてもよい。
図16に示すように、側面加熱装置27を構成する電気ヒーター線は、加熱室側壁22の外面側に設けられ、加熱室側壁22を加熱することにより加熱室40を側面側から加熱するものである。言い換えると、加熱室側壁22からの輻射熱により被加熱物30を側方から加熱する。側面加熱装置27は、例えば電熱線であり、垂直面になっている加熱室側壁22の外面を囲むように、その周囲に複数回巻かれている。なお、前記電気ヒーター線と加熱室側壁22との間には、前記絶縁処理が施してあることは言うまでもない。
この実施の形態4においては、加熱室側壁22の熱効率を上げることができように、少なくとも加熱室側壁22の外面側には、黒色の耐熱塗装が施されている。
制御装置50は、前記側面加熱設定操作部15Eによって側面加熱装置27への通電の「有」が設定された場合、調理開始後、底面加熱装置12および上面加熱装置23への通電に加え、側面加熱装置27に通電し、加熱室側壁22からの輻射熱により被加熱物30を側方から加熱する。そのため、被加熱物30の上下面に加え側面も集中的に加熱することができる。
また、制御装置50は、側面加熱装置27への通電の「無」が設定された場合、調理開始後、側面加熱装置27への通電は行わず、実施の形態1と同様に、底面加熱装置12および上面加熱装置23のみ通電を行う。
そのため、本実施の形態4に係る加熱調理器100では、ユーザーが被加熱物30の側面の仕上がりを選択できる。特に被加熱物30が食パンである場合、側面加熱装置27への通電の「有」が設定された場合、食パンの「耳部」を集中的に加熱することで、耳部がサクサク感のある状態に焼き上げることができる。また、側面加熱装置27への通電の「無」が設定された場合、耳部が柔らかいままで焼き上げることができる。
以上の説明から明らかなように、本実施の形態4に係る加熱調理器100は、ユーザーにより側面加熱装置27への通電の有無が設定される側面加熱設定操作部15Eを備えている。そして、制御装置50は、側面加熱設定操作部15Eにより側面加熱装置27への通電の有が設定された場合、調理開始後、側面加熱装置27に通電し、加熱室側壁22からの輻射熱により食パンの側方を加熱するものである。
本実施の形態4に係る加熱調理器100によれば、側面加熱装置27への通電の「有」が設定された場合、耳部を集中的に加熱することで、耳部までも適度に焼き上げることができる。
この本実施の形態4においても、実施の形態1で説明したように、前記加熱室側壁22の全周囲を囲むように形成された平面形状がリング(中空円柱)状の支持枠46がある。この支持枠は、耐熱性のプラスチックで全体が形成されている。46Aは、前記支持枠46の下面であり、この下面は前記第2の重合面P2である。
図16において、G3は、前記支持枠46の前方にある垂直状態の壁面端面と、蓋体20の前方側の側壁との間に形成される第3の空隙である。G4は、同じく前記支持枠46の後方にある垂直状態の壁面端面と、蓋体20の後方側の側壁との間に形成される第4の空隙である。また図示していないが、支持枠46の右側方と左側方も、それぞれ蓋体20の側壁面との間に空隙を有しているため、結局、支持枠46の全周囲で蓋体20の側壁面との間に空隙がある。
図16において、G5は、前記支持枠46に形成された垂直状態の壁面端面と、前記加熱室側壁22の前後・左右の外側壁面との間に形成される第5の空隙である。この第5の空隙G5と前記第3及び第4の空隙G3、G4によって、加熱室側壁22の前後及び左右は、加熱調理器100の外殻となる前記蓋体20に対して、断熱性を高めることができる。
このため、側面加熱装置27の外周側も、前記支持枠46に形成された垂直状態の壁面で囲まれ、さらにその外側に第3の空隙G3と第4の空隙G4が存在するので、加熱室側壁22が高温度になっても、蓋体20の外殻を構成する蓋体ケース20Aを加熱することが少なく、蓋体ケース20Aの温度上昇を抑制できる。このため、加熱調理中やその調理直後にユーザーが蓋体20の表面に触れても、熱さを感ずることがない。
実施形態4の総括.
本実施の形態4に係る加熱調理器100は、以下の構成であった。すなわち、
被加熱物を載せる第1の加熱面11Cが上面に露出している加熱調理器本体10と、
前記加熱調理器本体10の上面を開閉自在に覆うように配置され、下面に第2の加熱面21が露出している蓋体20と、を備え、
前記蓋体20で前記加熱調理器本体10の上面を閉じた状態では前記第1の加熱面11Cと第2の加熱面21は、互いに上下から向かい合い、かつその両者の間には、被加熱物を収容可能な外部と遮断された加熱室40が形成され、
前記第2の加熱面21は、前記加熱室40の天井面を構成して放射熱を前記第1の加熱面11C側に向けて放射し、
さらに、前記第2の加熱面21の周縁部から連続しており、前記加熱室40の側面全体を形成する加熱室側壁22には、その外側に電気ヒーターを備えた側面加熱装置27を配置し、
前記側面加熱装置27は、前記加熱室40の側面から放射熱によって前記被加熱物の外周部を加熱できる構成である。
この実施の形態4の構成によれば、被加熱物が食パンである場合、食パンの内部の水分が保たれ、かつ、焼きムラが少なく、周囲の耳部まで焼き上げることができる。
また、本実施の形態4に係る加熱調理器100は、以下の構成であった。すなわち、
被加熱物を載せるため当該被加熱物の平面的範囲よりも広く平坦な第1の加熱面11Cを備えた底プレートを内蔵した加熱調理器本体10と、
前記加熱調理器本体10に開閉可能に支持され、第2の加熱面21を備えており、閉じた状態では前記第1の加熱面11Cとの間で加熱室40を形成する蓋体20と、
前記第1の加熱面11C及び前記第2の加熱面21による加熱を制御する制御装置50と、を備え、
前記第2の加熱面21は、前記第1の加熱面11Cと同等な平面積があり、かつその第1の加熱面11Cと対面しており、
さらに前記第2の加熱面21は、前記被加熱物の平面的範囲よりも広く平坦な面であり、前記蓋体20を閉じた状態では、前記第2の加熱面21は、前記被加熱物に狭い空間(空隙)H1を置いて接近した状態となり、かつ、当該蓋体20の周縁部と前記加熱調理器本体10との重合部によって前記加熱室40が前記第1、第2の加熱面11C、21によって加熱される密封状態の空間となる構成である。
また、本実施の形態4に係る加熱調理器100は、以下の構成であった。すなわち、
被加熱物が載置される底プレート11と、
前記底プレート11の上方空間を開閉自在に覆う加熱室天板21と、
前記加熱室天板21と前記底プレート11の加熱源12,23と、
前記加熱源12、23への通電を制御する制御装置50と、を備え、
前記底プレート11の上方空間を前記加熱室天板21が覆った状態では、それらの間に閉鎖空間となる加熱室40が形成されるものであり、
前記底プレート11には、被加熱物と接触する平坦な第1の加熱面11Cを有し、
前記加熱室天板21には、被加熱物と間隔を置いてそれを輻射熱で加熱する平坦な第2の加熱面を有しており、
前記第1の加熱面と第2の加熱面は、それら全体が空気の対流をさせない非通気性構造であり、
前記第1の加熱面と前記第2の加熱面は、その両者が上下方向において重なった位置にあり、かつ被加熱物の平面全体よりも広い面積を有していることを特徴とする構成である。
このような構成であるから、実施の形態1と同等な効果が得られる。つまり、被加熱物が食パンである場合、食パンの内部の水分が保たれ、かつ、焼きムラが少なく焼き上げることができる。
なお、この実施の形態4においても、図16から明らかなように、前記底プレート11の上に置かれた普通の大きさの食パンの後方端面と、後方側の加熱室側壁22との間には、第1の空隙G1が形成され、また食パンの前方端面と、前方側の加熱室側壁22との間には、第2の空隙G2が形成されている。通常の「山型食パン」や「角型食パン」を前記底プレート11の第1の加熱面11Cの上に置いた場合、前記第1の空隙G1が確保されるよう、加熱室40の前後方向及び左右方向の内側寸法、つまり、平面的な大きさを設定している。
この実施の形態4でも、実施の形態1と同様に、加熱室40の前後方向の有効長さは、普通の大きさの食パンを収容した場合、前方も後方も加熱室側壁22と接触しないような寸法である。同様に、図示はしていないが、加熱室40の左右方向の有効長さは、普通の大きさの食パンを収容した場合、右側方も左側方も加熱室側壁22と接触しないような寸法になっている。また、この第1の空隙G1と第2の空隙G2は、底プレート11において、前記第1の加熱面11Cの周囲(前後・左右)にある傾斜部11Bの存在も関係しており、その傾斜部11Bの前後・左右方向の寸法を大きく確保すれば、それら第1、第2の空隙G1、G2も大きくなる。
このような第1の空隙G1と第2の空隙G2を考慮した構成であるため、実施の形態4の加熱調理器100は、以下の構成である。すなわち、
被加熱物を載せる第1の加熱面11Cが上面に露出している加熱調理器本体10と、
前記加熱調理器本体10の上面を開閉自在に覆うように配置され、下面に第2の加熱面21が露出している蓋体20と、を備え、
前記蓋体20で前記加熱調理器本体10の上面を閉じた状態では、前記第1の加熱面11Cと第2の加熱面21は、互いに上下から向かい合い、かつその両者の間には、被加熱物を収容可能な外部と遮断された(有効高さ寸法H2の)加熱室40が形成され、
前記第2の加熱面21は、前記加熱室40の天井面を構成して放射熱を前記第1の加熱面11C側に向けて放射し、
前記第1の加熱面11Cは、その最外周縁より外側に、前記被加熱物の水平方向の載置位置を規制する傾斜面11Bが連続し、かつ前記加熱室40の底面を構成している構成である。
この実施の形態4の構成によれば、前記第1の加熱面11Cの上に、被加熱物を置く際に、前記傾斜面11Bが載置位置を規制することができる。またこの結果、蓋体20を閉じた際には、被加熱物の少なくとも前後側が、加熱室側壁22に接触しない状態になり、被加熱物の外周縁部まで適度に焼き上げることができる。これは、特に「具材のせパン」を焼き上げる場合に効果を発揮する。
実施の形態5.
以下、本発明の実施の形態5について説明するが、実施の形態1〜4と重複するものについては説明を省略し、実施の形態1〜4と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付す。
図17は、本発明の実施の形態5に係る加熱調理器100において、蓋体20が開いた状態の外観斜視図である。
図17に示すように、本実施の形態5では、加熱調理器本体10は、横長形状である。そして、蓋体20の凹部26に仕切り板29が設けられている。仕切り板29は、凹部26の略中央部に、前面側の加熱室側壁22から背面側の加熱室側壁22に向かって設けられており、蓋体20が閉じられた状態において加熱室40を、左右2つに仕切って分割する。また、加熱調理器本体10の前面には、加熱室40と同数の操作部15が設けられており、複数の操作部15は、各加熱室40と対応する位置にそれぞれ設けられている。また、操作部15を1つに集約し、加熱室40毎に加熱条件を切り替えて設定できる構成とし、調理開始操作部15dだけを、2つの加熱室40に共通のものとして1つに集約させてもよい。
また、底面加熱装置12および上面加熱装置23は、加熱室40毎に制御可能に構成されている。例えば、底面加熱装置12および上面加熱装置23をそれぞれ加熱室40と同数以上備え、複数の底面加熱装置12および上面加熱装置23を、加熱室40毎に制御可能に構成してもよい。また、底面加熱装置12および上面加熱装置23がそれぞれ加熱室40と同数以上の加熱部を備え、底面加熱装置12および上面加熱装置23の複数の加熱部を、加熱室40毎に制御可能に構成してもよい。
そして、制御装置50は、操作部15から設定された内容に基づいて、底面加熱装置12および上面加熱装置23を制御する。そして、操作された操作部15に対応する加熱室40で調理を行う。
このように、本実施の形態5に係る加熱調理器100では、加熱室40および操作部15を複数備えているため、被加熱物30を複数同時に調理することができ、加熱室40毎に調理条件の設定を変えることができる。そのため、種類の異なる被加熱物30を同時に調理でき、また、被加熱物30毎に異なる仕上がりとすることができる。
以上、本実施の形態5に係る加熱調理器100は、凹部26に設けられ、蓋体20が閉じられた状態において、底プレート11と凹部26とで囲まれた加熱室40(加熱空間)を仕切る仕切り板29を備えている。また、加熱室40毎に設けられ、ユーザーにより加熱調理条件の設定が行われる操作部15と、を備え、底面加熱装置12および上面加熱装置23は、加熱室40毎に制御できるものである。
本実施の形態5に係る加熱調理器100によれば、被加熱物30を複数同時に調理することができ、加熱室40毎に調理条件の設定を変えることができる。そのため、種類の異なる被加熱物30を同時に調理でき、また、被加熱物30毎に異なる仕上がりとすることができる。
なお、調理開始操作部15dを、2つ以上の加熱室40に共通のものとした場合、本来は加熱しない加熱室40を加熱する懸念があるが、各加熱室40には、実施の形態2及び3で説明したような厚さ検知装置70やサイズ検知装置71を設けることにより、食パン等の被加熱物30が加熱室40の中に置かれているかどうかを判別できるので、被加熱物30のある加熱室40だけを加熱することは容易に実現できる。
実施の形態6.
以下、本発明の実施の形態6について説明するが、実施の形態1〜5と重複するものについては説明を省略し、実施の形態1〜5と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付す。
図18は、本発明の実施の形態6に係る加熱調理器100の基本的構成を示す縦断面概念図である。図18に示すように、本実施の形態6では、加熱調理器本体10の第1の加熱面11Cは、前記蓋体と前記調理器本体とが上下に開放する境界線PLの位置よりも上方向にある。
11Bは、底プレート11の外周側に行くに従って低くなる傾斜面である。俯角は45度程度であるが、この角度だけに限定する必要はない。
このような構成であるから、蓋体20を開けた際には、被加熱物30の前方と左右両側面は、前記第1の加熱面11Cよりも上にあるため、ユーザーが被加熱物30の周縁部、例えば食パンの耳部を掴みやすい。従って、加熱調理完了後、ユーザーは簡単に被加熱物30を加熱調理器100の上から取り出すことができるという効果が期待できる。
実施の形態7.
以下、本発明の実施の形態7について説明するが、実施の形態1〜6と重複するものついては説明を省略し、実施の形態1〜6と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付す。
図19は、本発明の実施の形態7に係る加熱調理器100の基本的構成を示す縦断面概念図である。図19に示すように、本実施の形態7では、底プレート11の上面に直接食パン等の被加熱物30を載せる形態ではない。
図19において、99は、金属製の支持体であり、鉄に比較して熱伝導性の良い金属、例えばアルミニウムやアルミニウム合金、銅等で製造されている。
この支持体99は、薄い金属板をプレス加工して薄い皿形状にしたものであるが、第1の加熱面11Cと異なり、通気性があっても良い。例えば、パンチングメタルと呼ばれる薄板金属製の無数の貫通孔のある平坦な板でも良い。
この本発明の実施の形態7では、支持体99として、アルミニウム板をプレス加工して薄い皿形状にしたものを使用している。支持体99は、外周縁にはそれと連続して上方に向かって10mm〜20mm程度の高さの縁99Aが形成されている。また底プレート11の上面に、前記縁99Aを除いて密着するような形状を有している。
前記支持体99は、底プレート11の上面に置かれているだけであるので、ユーザーは必要に応じて取り出して清掃や洗浄ができる。
この支持体99の役目は、底面加熱装置12によって底プレート11が高温度に熱せられた際、その熱を受けて、被加熱物30を下方から加熱するものである。
このため、支持体99の底面と底プレート11の第1の加熱面11Cは、直接接触することが望ましいが、空気が存在する微小間隙が両者の間にあっても良い。言い換えると、支持体99は、被加熱物30が載置されるものであり、底プレート11は、その支持体の全体を下方から伝導熱又は輻射熱によって加熱する機能を発揮する。
この実施の形態7の構成によれば、第1の加熱面11Cの上に、被加熱物が直接載置される形態ではないが、実施の形態1と同様に、食パンの内部の水分が保たれ、かつ、焼きムラが少なく焼き上げることができる。
さらに、継続して何度も加熱調理する際に、食パン等の被加熱物30から生ずる屑や、食材の一部等が落下しても、ユーザーは必要に応じて支持体99を取り出して清掃や洗浄ができるので、長期にわたり、清潔に使用できるという利点がある。
実施の形態8.
以下、本発明の実施の形態8について説明するが、実施の形態1〜7と重複するものついては説明を省略する。
図20は、本発明の実施の形態8に係る加熱調理器100の基本的構成を示す縦断面概念図である。図20に示すように、本実施の形態8では、底プレート11の第1の加熱面自体が底面加熱装置12を兼ねている。
さらに、この実施の形態20の加熱調理器は、加熱室天板21自体が上面加熱装置23を兼ねていることが特徴である。
前記底プレート11は、アルミニウム等の熱伝導性の良い金属製板から周縁部が構成されるが、大部分は薄い板状に形成されたセラミックヒーターで構成されている。つまり、被加熱物30としての食パンが直接載せられる部分は、セラミックヒーター12Sで構成されている。
同様に、加熱室天板21は、アルミニウム等の熱伝導性の良い金属製板から周縁部が構成されるが、大部分は薄い板状に形成されたセラミックヒーター23Sで構成されている。前記セラミックヒーター12Sとセラミックヒーター23Sは、1枚に限られず、2枚以上を隣接するように並べて使用しても良い。
また前記セラミックヒーター12Sとセラミックヒーター23Sは、互いに平面形状が同じで、平面積も同じものが使用されている。これにより2種類以上のセラミックヒーター12S、23Sを使用する場合に比較して、コスト的に有利であり、安価に加熱調理器100を製造できる。
この実施の形態8で示したように、本発明で「底プレート11を加熱する底面加熱装置12」という場合、底面加熱装置12自体が底プレートを兼ねている場合を含んでいる。言い換えると、底面加熱装置12自体が、底プレート11を兼ねている。
同様に、この実施の形態8で示したように、本発明で「加熱室天板を加熱する上面加熱装置」という場合、上面加熱装置23自体が加熱室天板21を兼ねている場合を含んでいる。
この実施の形態8の構成によっても、実施の形態1と同等の効果が期待できる。
さらに、セラミックヒーター12Sとセラミックヒーター23Sは、それ自体に周囲に対する電気絶縁性が高いので、実施の形態1に比較して、マイカ等の電気絶縁構造物を簡略化や省略でき、製造コスト的に有利である。
この実施の形態8では、セラミックヒーター12Sとセラミックヒーター23Sを設けた事例であったが、発熱体の両面を耐熱性絶縁層で接着した薄くて、軽い、フレキシブルなヒーター(ラバーヒーターと呼ばれている)や、ガラスクロスで補強されたシリコンゴムを1mm前後の薄い絶縁シートにし、そのシートの上に箔状発熱体を精密にパターン化し、一体成型したヒーター等、各種のヒーターが既に市場に提供されているので、これらヒーターを使用しても良い。
実施の形態9.
以下、本発明の実施の形態9について説明するが、実施の形態1〜8と重複するものついては説明を省略する。
図21は、実施の形態9に係る加熱調理器の第1の加熱面と第2の加熱面及び被加熱物の寸法関係を示す模式図である。
W2は、底プレート11の中で、前記食パン等が載せられる平面部(第1の加熱面)11Cの縦方向(前後方向)寸法を示し、L2は、その最大横幅寸法を示すものである。
WXは、第2の加熱面21の縦方向(前後方向)寸法を示し、LXは、その最大横幅寸法を示すものである。
前記第1の加熱面11Cと、第2の加熱面21は、形状および面積が同じであり、上下方向において重なっている。つまり、上下に投影した場合、第1の加熱面11Cと、第2の加熱面21は、完全に重なる。
23は、面状ヒーター等の上面加熱装置23であり、一点鎖線で示しているように、第2の加熱面21の最も外周縁までもカバーするよう、その第2の加熱面21の略全域に配置してある。
前記第1の加熱面11Cにも、図示していないが、面状ヒーター等の底面加熱装置12が配置してあり、この底面加熱装置12も、第1の加熱面11Cの最も外周縁までもカバーするよう、その第1の加熱面11Cの略全域に配置してある。
HXは、実施の形態1で示したような空間(空隙)H1に対応する空間の高さ寸法である。つまり、この実施の形態9では、蓋体20を加熱調理器本体10の上に重ねた状態で、前記第2の加熱面21と前記第1の加熱面11Cとの間には、必ず形成される空間の高さ寸法である。
30は、被加熱物30の代表的なものであるスライスした食パン(角型食パン)を示している。この角型食パンとして、最も厚い4枚切りの食パンの厚さは、1枚が約30mmであるので、加熱室40の天井高さを決める前記空間の高さ寸法HXは、その食パンの厚さよりも20mm程度大きくなるように、50mmに設定されている。
つまり、仮に4枚切りの食パンの厚さが約30mmであった場合、この1枚の食パンを加熱室40に収容した場合、その食パンの上面と前記第2の加熱面21との間は、約20mmの空間ができる。
因みに、前記縦方向寸法WXは、180mm、横幅寸法LXは130mmであり、HXは50mmであるから、前記加熱室40の容積は、1170立方センチメートルである。
一方、4枚切りの食パンの厚さは、標準的なものは縦方向寸法が約160mm、横幅寸法は120mmであり、厚さ(高さ)は約30mmであるから、体積は576立方センチメートルである。
前記加熱調理器本体10には、水平方向に広がった前記第1の加熱面11Cと、この第1の加熱面11Cの周縁部に連続し、前記食パンの高さより低く形成された傾斜面11Bとを備えている。なお、その傾斜面11Bは、第1の加熱面11Cの前方と後方側では、水平方向に10mmずつ形成されている。そして第1の加熱面の深さDP(図20参照)は10mmである。このため、傾斜面は仰角45度である。また、第1の加熱面11Cの右側方と左側方では、水平方向に約5mmずつ形成されている。そのため、左右両側の傾斜面11Bは、前後方向の傾斜面11Bよりも傾斜角度が大きくなっている。
以上の説明から明らかなように、この実施の形態9では、前記加熱室40の容積(1170立方センチメートル)は、被加熱物30としての食パンの外形寸法から求めた最大体積(576立方センチメートル)の約2倍である。
加熱室40の体積を大きくすると、食パンを加熱する際の(電気)加熱エネルギーを大きくする必要があるが、それに加えて、食パンから出た水分が拡散する度合が大きくなり、トーストとして完成した際の触感が芳しくない。
そこで、この実施の形態9では、加熱室40の容積は、被加熱物30としての食パンの最大体積の約2倍になるように設定してあるが、3倍以下であることが望ましい。なお、加熱室40の容積を逆に小さくし過ぎると、「具材のせパン」を加熱調理する際に、その具材が加熱室40の天井面等に接触して付着してしまう懸念があるので、「具材のせパン」を考慮すると、1.5倍〜3倍の範囲が好ましい。
なお、この実施の形態9の蓋体20は、実施の形態1のように、後部をヒンジによって加熱調理器本体10に支持されているものではなく、加熱調理器本体10の上に真上から被せる形態である。蓋体20と加熱調理器本体10との間は、柔軟性のある電気ケーブルで接続してあり、加熱調理器本体10の制御装置50の指令によって、前記電気ケーブルに発熱用の電力が供給されるようになっている。
実施の形態9の総括.
本実施の形態9に係る加熱調理器100は、以下の構成であった。すなわち、
第1の加熱面11Cを上部に備えた加熱調理器本体10と、
前記加熱調理器本体10の上面に重なるように配置され、下部に第2の加熱面21を備えた蓋体20と、を備え、
前記蓋体20と前記加熱調理器本体10とが上下に重なった状態でその両者間には、前記第1の加熱面11Cと第2の加熱面21からそれぞれ加熱される、被加熱物30を収容可能な加熱室40が区画形成され、
前記加熱室40の容積は、当該加熱室40に収容される前記被加熱物30としてのスライスされた食パンの体積に対し、その3倍以下の大きさであって、かつ前記第2の加熱面21と前記食パンの上面との間に空隙H1を形成する構成である。
この実施の形態9の構成によれば、被加熱物が食パンである場合、食パンの内部の水分が保たれ、美味しいトーストに焼き上げることができる。
他の実施形態及び変形例.
実施の形態1〜9で具体的に記載した各種構成については、以下の通り変更できる。また本発明はこれら形態に限定することを何ら意図していない。
(1)第1の重合面P1は、その横幅寸法XR、XRが実施の形態1では、少なくとも10mm以上であったが、この2つの横幅寸法を同一寸法にする必要はなく、異ならせても良い。同様に、前後方向の幅寸法はXB、XFについても、これら両者を同一寸法にする必要はなく、異ならせても良い。
また、第1の重合面P1は、必ずしも1つの平坦面である必要はなく、例えば重合面Aと、この重合面Aよりも数mm〜10mm程度に高い重合面Bとの2つにより、第1の重合面P1を構成しても良い。この場合、重合面Aは重合面Bの外周側にあっても、また逆に内周側に配置させても良い。なお、第2の重合面P2についても、同様な変形が可能である。
(2)実施の形態1〜9において、前記蓋体20が閉じられた状態では、前記第1の加熱面11Cと第2の加熱面21は、互いに上下から向かい合っていると説明したが、この意味は、前記第1の加熱面11Cと第2の加熱面21の間に、何も構造物が介在しないという意味ではない。例えば、実施の形態1における前記空隙H1の中に、水平に広がった通気性のある枠体や、大きな網目の網状板、又は単純な棒(以下、これらを総称して「設置ガイド材」という)を設置しても良い。この設置ガイド材101は、例えば図22に破線で示しているように、四角な枠でも良く、加熱調理器本体10の後部上面に支持してあり、蓋体20を開けたときは垂直になるように跳ね上げた状態に自己保持させ、食パン等を置く場合には、水平位置に下して、加熱調理できる最高限度の高さを目安的に示すようにしても良い。なお、この載置用の設置ガイド材101は、蓋体20を閉じる場合には、被加熱物の上に水平に伸びた形になるが、細い線材で形成されており、第2の加熱面21からの放射熱を遮るような悪影響はない。
(3)実施の形態1〜9において、前記蓋体20が閉じられた状態では、前記加熱室40は、外部との空気流通を意図していない閉鎖された空間であると説明したが、この加熱室40の内部を、蓋体20の外部から目視で確認できるように、例えば、例えば図21にで示しているように、蓋体ケース20Aの正面側に第1の窓102を形成しても良い。この第1の窓の内側に対応して、前記加熱室側壁22の前側には、耐熱ガラス等で覆われた第2の窓103(図示せず)を設ける。このようにすれば、第1、第2の窓102、103を通して、ユーザーが加熱調理器本体10の前方側から加熱調理中に、加熱室40の内部空間、特に空隙H1の状況を目視で確認できるというメリットがある。
(4)実施の形態1〜9において、第1の加熱面11Cは全体が平坦な面であり、また第2の加熱面となる加熱室天板21も全体が平坦な面であった。本発明は、このように平坦な面であることに何ら限定されていない。例えば、第2の加熱面21の一部に細かい凹凸を形成することでも良い。また中央部が高くなり、左右又は前後の一方又は双方に行くに従って屋根が低くなるように傾斜面を形成しても良いし、水平な平坦面と傾斜面の組合せでも良い。同様に、第1の加熱面11Cも、その一部又は全部に細かい凹凸加工を施しても良く、また中心部と周囲の高さを少し変化させ、例えば中心部から周囲に行くに従って階段状に低くなる複数の面の集合体で、第1の加熱面11Cを形成しても良い。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えるべきである。本発明の実質的な範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図されている。
本発明に係る加熱調理器は、一般住宅の台所だけではなく、公共施設や店舗等の調理場でも広く利用することができる。
DP 第1の加熱面の深さ、G1 第1の空隙、G2 第2の空隙、G3 第3の空隙、G4 第4の空隙、G5 第5の空隙、G6 第6の空隙、G7 第7の空隙、P1 第1の重合面、P2 第2の重合面、PL 境界線、10 加熱調理器本体、11 底プレート、11A 周縁部、11C 平坦面(第1の加熱面)、12 底面加熱装置、12a 第1加熱部、12b 第2加熱部、13 温度検知装置、14 電源基板、15 操作部、15A モード設定操作部、15B 焼き色設定操作部、15C サイズ設定操作部、15D 調理開始操作部、15E 側面加熱設定操作部(側面加熱設定操作手段)、16 操作基板、17 周縁部、17a 溝、19 ヒンジ部、20 蓋体、21 加熱室天板(第2の加熱面)、22 加熱室側壁、23 上面加熱装置、24 シール部材、25 持ち手、26 凹部、28 周縁部、28a 突起部、29 仕切り板、30 被加熱物、30a 角型食パン、30b 山型食パン、40 加熱室、41 電熱帯、41A 電熱帯、41B 電熱帯、50 制御装置、60 通電範囲切替装置、60P 単位切替部、61 第1切替部、62 第2切替部、70 厚さ検知装置、71 サイズ検知装置、71a 第1サイズ検知装置、71b 第2サイズ検知装置、71c 第3サイズ検知装置、75 第1下ケース、76 空隙、77 操作部カバー、99 支持体、100 加熱調理器、101 設置用ガイド材、102 第1の窓、104 支持体。

Claims (33)

  1. 被加熱物を載せるため当該被加熱物の平面的範囲よりも広く平坦で、かつ非通気性構造の第1の加熱面を内蔵した加熱調理器本体と、
    前記加熱調理器本体に開閉可能に支持され、第2の加熱面を備えており、閉じた状態では前記第1の加熱面と前記第2の加熱面との間で加熱室を形成する蓋体と、
    前記第1の加熱面及び前記第2の加熱面による加熱を制御する制御装置と、を備え、
    前記第2の加熱面は、前記第1の加熱面と対面し、かつ前記被加熱物の平面的範囲よりも広く平坦な面であり、前記蓋体を閉じた状態では、前記第2の加熱面は、前記被加熱物に空間を置いて接近した状態となり、かつ、当該蓋体の周縁部と前記加熱調理器本体との重合部によって前記加熱室が前記第1、第2の加熱面によって加熱される密封状態の空間となるものであり、
    前記蓋体の内側の側面に設けられた加熱室側壁と、該加熱室側壁の全周囲を囲むように形成された平面形状がリング状の支持枠とを有し、該支持枠は、耐熱性のプラスチックで全体が形成されている加熱調理器。
  2. 被加熱物下面に接触して当該被加熱物に熱を伝える第1の加熱面を有する底プレートと、
    前記底プレートを上面に露出するように配置した加熱調理器本体と、
    前記被加熱物上面に輻射熱を放射する第2の加熱面を有する加熱室天板と、
    前記加熱室天板が下面に露出するように配置され、前記底プレート上方を開閉自在に覆う蓋体と、
    制御装置と、を備え、
    前記加熱調理器本体の上面には、前記底プレートの前後左右を囲った第1の重合面を有し、
    前記蓋体の下面には、前記加熱室天板の前後左右を囲った第2の重合面を有し、
    前記蓋体が前記底プレート上方を覆うように前記加熱調理器本体の上に前記蓋体が重なった状態で、前記第1の重合面と前記第2の重合面が接触又は近接して外部と遮断された加熱室が形成されるものであり、
    前記蓋体の内側の側面に設けられた加熱室側壁と、該加熱室側壁の全周囲を囲むように形成された平面形状がリング状の支持枠とを有し、該支持枠は、耐熱性のプラスチックで全体が形成されていることを特徴とする加熱調理器。
  3. 前記第1の加熱面を加熱する第1の加熱手段と
    前記第2の加熱面を加熱する第2の加熱手段と、
    前記第1及び第2の加熱手段への通電をそれぞれ制御する制御装置と、
    ユーザーによって操作される操作部と、を更に備え、
    前記操作部には、被加熱物の種類を選択するモード設定操作部、焼き色を設定する焼き色設定操作部及び通電範囲を設定するサイズ設定操作部の少なくとも何れか1つを備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の加熱調理器。
  4. 前記サイズ設定操作部は、サイズ設定信号を前記制御装置に向けて発信するものであり、
    前記制御装置は、前記サイズ設定信号を受けて、前記第1の加熱手段と前記第2の加熱手段への通電範囲を決定する構成であることを特徴とする請求項に記載の加熱調理器。
  5. 前記第1の加熱面を加熱する第1の加熱手段と
    前記第2の加熱面を加熱する第2の加熱手段と、
    被加熱物の大きさを計測するサイズ検知手段と、を備え、
    前記制御装置は、前記サイズ検知手段で判定された前記被加熱物の大きさを示す信号を受けて、前記第1の加熱手段と前記第2の加熱手段への通電範囲を決定する構成であることを特徴とする請求項1又は2に記載の加熱調理器。
  6. 前記第1の加熱面を加熱する第1の加熱手段と
    前記第2の加熱面を加熱する第2の加熱手段と、
    前記加熱室の側壁を加熱する側面加熱装置と、を更に備え、
    前記制御装置は、前記第1の加熱手段、前記第2の加熱手段及び前記側面加熱装置への通電をそれぞれ制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の加熱調理器。
  7. 前記制御装置は、前記第1の加熱手段である面加熱装置と前記第2の加熱手段である面加熱装置の両者へ通電する状態と、前記底面加熱装置、前記上面加熱装置及び前記側面加熱装置の3者に通電する状態とを、切り替えることができることを特徴とする請求項に記載の加熱調理器。
  8. 前記制御装置は、通電範囲指定信号を出力するものであり、
    通電範囲指定信号を受けて、前記第1の加熱手段である面加熱装置および前記第2の加熱手段である面加熱装置への通電を制御する通電範囲切替装置を更に備えたこと特徴とする請求項に記載の加熱調理器。
  9. 前記通電範囲切替装置は、前記底面加熱装置への通電範囲を切り替える第1切替部と、
    前記上面加熱装置への通電範囲を切り替える第2切替部と、を備えていることを特徴とする請求項に記載の加熱調理器。
  10. 前記加熱室の側壁の下端に沿って設けられたシール部材と、を備え、
    前記蓋体が閉じられた状態において、前記シール部材が前記底プレートの周縁部と密着することを特徴とする請求項に記載の加熱調理器。
  11. 前記加熱調理器本体の上面周縁部に形成された溝と、
    前記蓋体の下面の周縁部に設けられた突起部と、を備え、
    前記蓋体が閉じられた状態において、前記突起部が前記溝と嵌合することを特徴とする請求項又はに記載の加熱調理器。
  12. 前記加熱調理器本体の上面の周縁部に設けられた突起部と、
    前記蓋体の下面の周縁部に沿って形成された溝と、を備え、
    前記蓋体が閉じられた状態において、前記突起部が前記溝と嵌合することを特徴とする請求項又はに記載の加熱調理器。
  13. 前記第1の加熱面を加熱する第1の加熱手段と
    前記第2の加熱面を加熱する第2の加熱手段と、
    熱調理条件を前記制御装置に指令する操作部と、を備え、
    前記制御装置は、前記第1及び第2の加熱手段への通電をそれぞれ制御するものであり、
    前記加熱室には、この内部を少なくとも2つ以上の加熱空間に仕切る仕切り板を更に備え、
    前記第1の加熱手段と前記第2の加熱手段は、前記操作部により前記加熱空間毎に制御できるものであることを特徴とする請求項又はに記載の加熱調理器。
  14. 被加熱物を載せる第1の加熱面が上面に露出している調理器本体と、
    前記調理器本体の上面を開閉自在に覆うように配置され、下面に第2の加熱面が露出している蓋体と、を備え、
    前記蓋体で前記調理器本体上面を閉じた状態では前記第1の加熱面と第2の加熱面は、互いに上下から向かい合い、かつその両者の間には、被加熱物を収容可能で、かつ外部と空気流通を遮断した構成の加熱室が形成され、
    前記第2の加熱面は、前記加熱室の天井面を構成して放射熱を前記第1の加熱面側に向けて放射し、
    前記第1の加熱面は、その最外周縁より外側に、前記被加熱物の水平方向の載置位置を規制する傾斜面が連続し、かつ前記加熱室の底面を構成しているものであり、
    前記蓋体の内側の側面に設けられた加熱室側壁と、該加熱室側壁の全周囲を囲むように形成された平面形状がリング状の支持枠とを有し、該支持枠は、耐熱性のプラスチックで全体が形成されていることを特徴とする加熱調理器。
  15. 前記傾斜面は、前記第1の加熱面の前後・左右方向の中心部から、前後方向と左右方向に、同じ傾斜角度で形成されていることを特徴とする請求項14に記載の加熱調理器。
  16. 前記第1の加熱面と前記傾斜面は、単一の金属製板によって構成され、かつ当該第1の加熱面は全体が1つの平坦な面であることを特徴とする請求項14に記載の加熱調理器。
  17. 前記蓋体を閉じた状態では、前記第2の加熱面は、前記被加熱物の上面に接近した状態となり、かつ、当該蓋体の周縁部と前記調理器本体上部との重合部に配置したシール部材又はラビリンス構造の少なくとも何れか一方によって前記加熱室が密封状態の空間となることを特徴とする請求項14に記載の加熱調理器。
  18. 前記蓋体は、その外郭を構成する蓋体ケースを更に有し、
    前記蓋体の内部には、前記第2の加熱面と前記蓋体ケースの内壁面との間に空隙を形成する第1の遮熱材を設けたことを特徴とする請求項14に記載の加熱調理器。
  19. 前記蓋体は、その外郭を構成する蓋体ケースを更に有し、
    前記蓋体の内部には、前記第2の加熱面と前記蓋体ケースの内壁面との間に空隙を形成する第1の遮熱材を設け、
    前記第1の遮熱材と、前記蓋体ケースの内壁面との間に、別の空隙を形成していることを特徴とする請求項14に記載の加熱調理器。
  20. 前記蓋体は、その外郭を構成する蓋体ケースを更に有し、
    前記蓋体の内部には、前記第2の加熱面と前記蓋体ケースの内壁面との間に空隙を形成する第2の遮熱材を設け、かつ前記加熱室の外殻となる前後左右の側壁面と、前記蓋体ケースの内壁面との間に別の空隙を形成する第1の遮熱材を設けており、
    前記2つの空隙は、前記蓋体の内部において、前記加熱室の外側で連通していることを特徴とする請求項14に記載の加熱調理器。
  21. 前記蓋体は、その外郭を構成する蓋体ケースを更に有し、
    前記蓋体の内部には、前記第2の加熱面と前記蓋体ケースの内壁面との間に空隙を形成する第2の遮熱材を設け、かつ前記加熱室の外殻となる前後左右の側壁面と、前記蓋体ケースの内壁面との間に別の空隙を形成する第1の遮熱材を設けており、
    前記第1の遮熱材は、前記蓋体を閉じた状態において、前記調理器本体と対面する重合面を形成することを特徴とする請求項14に記載の加熱調理器。
  22. 前記蓋体は、その外郭を構成する蓋体ケースを更に有し、
    前記蓋体の内部には、前記加熱室の外殻となる前後左右の側壁面と、前記蓋体ケースの内壁面との間に空隙を形成する第1の遮熱材を設け、
    前記第1の遮熱材は、前記蓋体を閉じた状態において、前記調理器本体と対面する重合面を形成し、かつ前記調理器本体側に先端部が接触するシール部材を保持していることを特徴とする請求項14に記載の加熱調理器。
  23. 前記蓋体は、その外郭を構成する蓋体ケースを更に有し、
    前記蓋体の内部には、前記第2の加熱面と前記蓋体ケースの内壁面との間に空隙を形成する第1の遮熱材を設け、かつ前記加熱室の外周縁部は、前記調理器本体側の重合部より水平方向へ離れた位置になるように前記第1の遮熱材によって支持されており、
    前記蓋体を閉じた状態において、前記第1の遮熱材の下面が、前記調理器本体と対面する重合面を形成したことを特徴とする請求項14に記載の加熱調理器。
  24. 前記第2の遮熱材は、金属製の板で囲まれた空間と、当該空間の内部に挿入された断熱性のあるグラスウール又はロックウール等の圧縮可能な断熱材と、を備えたことを特徴とする請求項20に記載の加熱調理器。
  25. 前記第1の加熱面を加熱する第1の加熱手段と
    前記第2の加熱面を加熱する第2の加熱手段と、
    前記第1及び第2の加熱手段への通電をそれぞれ制御する制御装置と、を備えたことを特徴とする請求項14に記載の加熱調理器。
  26. 前記加熱室の側壁を加熱する側面加熱装置を更に設け、
    前記制御装置は、前記側面加熱装置に対する通電を制御することを特徴とする請求項25に記載の加熱調理器。
  27. 前記加熱室の側壁を加熱する側面加熱装置を更に設け、
    前記制御装置は、前記第1の加熱手段である面加熱装置と前記第2の加熱手段である面加熱装置の両者へ通電する状態と、前記底面加熱装置、前記上面加熱装置及び前記側面加熱装置の3者に通電する状態とを、切り替えることができることを特徴とする請求項25に記載の加熱調理器。
  28. 前記蓋体と前記調理器本体とが分離する境界線を基準にして、前記第2の加熱面までの距離は、前記第1の加熱面までの距離よりも3倍以上あることを特徴とする請求項1425の何れか1項に記載の加熱調理器。
  29. 前記蓋体と前記調理器本体とが分離している境界線を基準にして、前記第1の加熱面までの距離は、2mm〜10mmの範囲の中にあることを特徴とする請求項1425の何れか1項に記載の加熱調理器。
  30. 前記蓋体と前記調理器本体とが分離している境界線を基準にして、前記第2の加熱面までの距離は、前記第1の加熱面までの距離よりも3倍以上あり、
    前記加熱室の容積は、被加熱物としての食パンの外形寸法から求めた最大体積を768立方センチメートルとした場合、前記最大体積の1.5倍〜3倍以下の範囲にあることを特徴とする請求項1425の何れか1項に記載の加熱調理器。
  31. 被加熱物の下面に接触して当該被加熱物に熱を伝える非通気性構造の第1の加熱面を上部に備えた加熱調理器本体と、
    前記加熱調理器本体の上面に重なるように配置され、下部に非通気性構造の第2の加熱面を備えた蓋体と、を備え、
    前記蓋体と前記加熱調理器本体とが上下に重なった状態でその両者間には、前記第1の加熱面と第2の加熱面からそれぞれ加熱される、被加熱物を収容可能な加熱室が区画形成され、
    前記加熱室の容積は、当該加熱室に収容される前記被加熱物としてのスライスされた食パンの体積に対し、その3倍以下の大きさであって、かつ前記第2の加熱面と前記食パンの上面との間に空隙が形成されるものであり、
    前記蓋体の内側の側面に設けられた加熱室側壁と、該加熱室側壁の全周囲を囲むように形成された平面形状がリング状の支持枠とを有し、該支持枠は、耐熱性のプラスチックで全体が形成されている加熱調理器。
  32. 前記加熱室の容積は、食パンの体積に対し、1.5倍〜3倍の範囲にあることを特徴とする請求項31に記載の加熱調理器。
  33. 前記蓋体と前記加熱調理器本体とが上下に重なった状態で、前記第1の加熱面と前記第2の加熱面は、上下方向において重なった位置にあることを特徴とする請求項31に記載の加熱調理器。
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