JP6904171B2 - 加熱調理器 - Google Patents

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Description

本発明は、トーストを焼き上げることができる加熱調理器に関するものである。
一般的に、オーブントースターなどでトーストを焼き上げる過程において、食パンを加熱中にその内部に含まれている水分が蒸発するため、加熱後の食パンの含水量は、加熱前に比べて減少する。そして、食パンの含水量とトーストの焼き色とには相関関係があり、含水量が大きいほどトーストの焼き色は濃くなり、含水量が小さいほどトーストの焼き色は薄くなる。
従来、食パンの含水量に応じて加熱時間を制御することで、トーストの焼き色を調整しているオーブントースターがある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1のオーブントースターは、ヒーターが加熱室の上下に配置され、上下のヒーター間にはトレイが配置され、加熱室の天井面に加熱室温度を検知する温度センサーが設けられた構成を有する。そして、下ヒーターのみに短時間通電してトレイに載置した食パンを加熱しつつ、温度センサーで加熱室温度を監視し、加熱室温度の上昇勾配によって食パンの含水量を判別した後、判別した含水量に応じて上下のヒーターへの通電時間を変更する。そうすることで、トーストの焼き色を調整している。
特開平04−136625号公報
特許文献1のような従来のオーブントースターでは、加熱室温度の上昇勾配によって食パンの含水量を判別している。しかしながら、加熱室温度を検知する温度センサーがヒーターの影響を受けるため、正確な加熱室温度の検知が難しく、加熱室温度の上昇勾配を正確に求めることが難しい。そのため、トースターの焼き色を精度よく調整するのが難しいという課題があった。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、被加熱物がスライスした食パンである場合、トーストの焼き色を精度よく調整することができ、ユーザーが設定した通りの焼き色に仕上げることができる加熱調理器を提供することを目的としている。
本発明に係る加熱調理器は、被加熱物が載置される底プレートと、前記底プレートを加
熱する底面加熱装置と、前記底プレートの上方空間を開閉自在に覆う加熱室天板と、前記
加熱室天板を加熱する上面加熱装置と、前記底プレートに載置された状態の前記被加熱物
の重量を検知する重量検知装置と、前記底面加熱装置および前記上面加熱装置を制御する
制御装置と、重量減少率が記憶された第一記憶部と、を備え、前記第一記憶部には、前記被加熱物の加熱前の重量に対応する前記重量減少率が複数記憶されており、前記底プレートの上方空間を前記加熱室天板が覆った状態では、それらの間に加熱室が形成されるものであり、前記制御装置は、前記重量検知装置で検知された前記被加熱物の重量から前記底面加熱装置および前記上面加熱装置への通電をOFFするタイミングを決定する構成であり、前記底面加熱装置および前記上面加熱装置への通電をONした後、前記重量検知装置で検知された前記被加熱物の重量が加熱終了重量以下となったら、前記底面加熱装置および前記上面加熱装置への通電をOFFするものであり、前記重量検知装置で検知された前記被加熱物の加熱前の重量と、前記被加熱物の加熱前の重量に対応した前記重量減少率とに基づいて、前記加熱終了重量を演算するものである
る。
本発明に係る加熱調理器によれば、トーストの焼き色を精度よく調整することができ、ユーザーが希望する焼き色に仕上げることができる。
本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の外観正面図である。 本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の外観を示す蓋体開放状態の斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の縦断面概略図である。 本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の底プレートの平面図である。 本発明の実施の形態1に係るモード設定操作部の拡大図である。 本発明の実施の形態1に係る厚さ設定操作部の拡大図である。 本発明の実施の形態1に係る重量検知装置の要部拡大縦断面図である。 本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の機能ブロック図である。 本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の調理時の制御フローを示す図である。 本発明の実施の形態1において、被加熱物に設定された「焼き色」に仕上げた際の、予測される初期重量からの減少率の例を示した対応表である。 本発明の実施の形態2において、被加熱物の厚さを判定するための、「厚さ」に対応した重量範囲ΔWのテーブルの例を示した表である。 本発明の実施の形態3に係る加熱調理器の調理時の第一の制御フローを示す図である。 本発明の実施の形態3に係る加熱調理器の調理時の第二の制御フローを示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
実施の形態1.
図1〜図10は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器に関するものである。図1は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器100の外観正面図である。図2は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器100において、蓋体20が開いた状態の外観斜視図である。図3は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器100の縦断面概略図である。
図1〜図3に示すように、本実施の形態1に係る加熱調理器100は、加熱調理器本体10と、加熱調理器本体10の背面側のヒンジ部19に支持されて加熱調理器本体10の上方空間を開閉自在に覆う蓋体20と、で構成されている。
図1において、加熱調理器本体10に対して蓋体20が開放する境界線PLは、加熱調理器100の高さ方向において、中央よりも少し下である。図1に矢印で「上」と示している方向が加熱調理器の高さ方向である。逆に矢印で「下」と示した方向が下方向である。前記境界線PLは、後述する第1の重合面P1と、第2の重合面P2の間にある。
加熱調理器本体10は、ヒンジ部19の他、底プレート11と、底面加熱装置12と、温度検知装置13と、電源基板14と、操作部15と、操作基板16と、蓋体開閉検知装置17と、重量検知装置60と、制御装置50と、を備えている。蓋体20は底プレート11の上方空間を開閉自在に覆う。
また、蓋体20は、加熱室天板21と、加熱室側壁22と、上面加熱装置23と、シール部材24と、持ち手25と、を備えている。
図2に示しているように、加熱調理器本体10の前方側に操作部15があり、反対に後方側に前記ヒンジ部19(図3参照)が配置されている。このため、前記蓋体20は、図2に示すように後方側が前記ヒンジ部19で回動自在に支持されたまま加熱調理器本体10の真上に垂直状態となるまで開放させ、開放位置でその状態が維持される構造になっている。なお、垂直状態を超えて後方にある程度傾いた状態になっても良く、その状態でも加熱調理器本体10は、その重量によって蓋体20を支えることができ、後方に転倒しない。
図2に矢印で「前」と示している方向が加熱調理器の前方向である。逆に矢印で「後」と示した方向が後方である。同じように「右」という矢印方向が右側方向を示し、「左」は左側方向を示している。以下の説明でも、この前後・左右方向の定義に則り、本発明の加熱調理器100を説明する。
図2に示すように、加熱調理器100は、前記底プレート11を上面に露出するように配置した加熱調理器本体10と、前記加熱室天板21を下面に露出するように配置した蓋体20とを、備えている。
加熱調理器本体10の上面には、前記底プレート11の前後左右を囲った第1の重合面P1を有し、また前記蓋体20の下面には、上方向から見た場合、前記加熱室天板21の前後左右を囲った第2の重合面P2を有している構成である。
図2において、XR、XL、XF及びXBは、前記第1の重合面P1の横幅又は前後方向の幅を示している。つまり、第1の重合面P1は、底プレート11の右側では横幅寸法はXRであり、左側ではXLである。
同様に、第1の重合面P1は、底プレート11の後方では前後方向の幅寸法はXBであり、前方側幅寸法はXFで示したものである。これら寸法XR、XL、XF及びXBは、この実施の形態1では、少なくとも10mm以上である。
そして、前記蓋体20の加熱室天板21が前記加熱調理器本体10の上面を覆うように重なった状態では、前記第1の重合面P1と前記第2の重合面P2が微小間隙を挟んで向かい合った状態になる。つまり、前記第1の重合面P1と前記第2の重合面P2が近接した位置になり、後述する加熱室40の内部空間が外部と遮断された状態になる。なお、ここでいう「外部と遮断された状態」とは、空気の移動を全く許容しないような気密状態を意味するものではなく、積極的に空気を流通させない程度をいう。加熱室40の内部が高温度になって内部の空気の体積が膨張した場合、それに伴って加熱室40内部の空気が自然に外部へ漏れ出る程度は、こでいう「外部と遮断された状態」である。
なお、図2において、YR、YL、YF及びYBは、前記第2の重合面P2の横幅又は前後方向の幅を示している。これら各寸法YR、YL、YF及びYBは、この実施の形態1では、少なくとも10mm以上である。
底プレート11は、加熱調理器本体10の上面に設けられ、食パンなどの被加熱物30が載置されるものである。この底プレート11は、例えばアルミニウムや銅など(一般的な鉄に比較して)熱伝導性の高い金属製の板材で形成されている。また、底プレート11の熱効率が上がり、加熱効率を上げることができように、底プレート11の少なくとも下面側には、黒色の耐熱塗装が施されている。また、この底プレート11は、食パンなどの被加熱物30が載せられると、その重量を受けて(後述する下ケース70)と一体的に下方へ一定の範囲だけ移動できるように支持されている。なお、底プレート11全体を弾力性に富む金属薄板で形成して、被加熱物30が載せられると、その重量を受けて下方へ撓む構成でも良い。
図3に示しているように、底面加熱装置12は、底プレート11の下面側に設けられ、底プレート11を加熱するものであり、底プレート11からの熱伝導により被加熱物30は下方から加熱される。底面加熱装置12は、例えば面状ヒーターであり、面状ヒーターとしては、電気絶縁目的のマイカ板に電熱帯を重ねた面状ヒーター、および、電熱帯をセラミックで挟んで形成したセラミックヒーターなどがある。
底面加熱装置12を面状ヒーターとすることで、加熱調理器本体10を小型化することができるとともに、被加熱物30の均一加熱が可能となるため、焼きムラを少なくすることができる。
底面加熱装置12の定格消費電力は300Wであり、第1の加熱面11Cの縦方向寸法W2は、177mm、L2は127mmであるため、前記底面加熱装置12が被加熱物30を加熱することに寄与する実質的な面積で除した結果求められる「1平方センチメートル当たりの消費電力」(1平方センチメートル当たりの「ワット密度」)は、1.3Wである。
図3において、温度検知装置13は、底プレート11の下面側に設けられ、底プレート11の温度を検知するものである。温度検知装置13は、例えばサーミスタなどの温度センサーと、この温度センサーからの温度検出信号を後述する制御装置50に送信する温度検出回路(図示せず)とを備えている。温度センサーの感熱部は、底プレート11の下面に直接接触し、または耐熱性の絶縁性材料を介して接触している。
図3において、電源基板14は、加熱調理器本体10の内部の背面側に設けられ、底面加熱装置12および上面加熱装置23に電力を供給するための回路が実装されたものである。
図1〜図3において、操作部15は、加熱調理器本体10の前面に設けられ、ユーザーの操作により調理条件の設定が行われるものである。また、操作部15は、ダイヤル、ボタンなどで構成される、モード設定操作部15Aと、焼き色設定操作部15Bと、厚さ設定操作部15Cと、を備えている。
次に、図3に示す加熱室40とその周辺の構造について説明する。
前記蓋体20を加熱調理器本体10の上面に重なるように閉じた状態にすると、底プレート11の上面と、前記加熱室天板21との間に、最大有効高さがH2の、一定の容積の空間ができる。その空間が前記加熱室40である。加熱室天板21は、その平面視で周囲全体に垂直な加熱室側壁22が連続して存在しているので、底プレート11の上に、ある範囲の厚さの食パンを置いた場合、その食パンの上面と加熱室40の天井面との間には、ある程度の空隙H1が形成される。なお、この空隙H1は、約25mmである。
図3に示すように、前記蓋体20は、その中央部が上方に向かって凹んだ凹部26(図2参照)を有している。加熱室天板21は、蓋体20の中央部に設けられ、凹部26の上面を形成するものである。また、加熱室側壁22は、蓋体20の内側の側面に設けられ、凹部26の側面を形成するものである。つまり、この凹部26によって前記蓋体20の内部に加熱室40の大部分が形成される。加熱室40の残りの部分は、底プレート11の上に形成される。言い換えると、加熱室40は、前記蓋体20内部と加熱調理器本体10内部によって形成される。
また、加熱室天板21の加熱効率を上げることができように、少なくとも加熱室天板21の上面側には、黒色の耐熱塗装が施されている。
上面加熱装置23は、加熱室天板21の上面側に設けられ、加熱室天板21を加熱することにより加熱室40を加熱するものであり、加熱室天板21からの輻射熱により被加熱物30を上方から加熱する。上面加熱装置23は、例えば底面加熱装置12と同様の面状ヒーターである。なお、上面加熱装置23の定格消費電力は、底面加熱装置12の定格消費電力(300W)よりも大きく設定されている。これは、被加熱物30上面までの直線距離が大きいからである。つまり、上面加熱装置23の「ワット密度」は、底面加熱装置12の「ワット密度」よりも少し大きい。
前記シール部材24は、加熱室側壁22の下端に沿って一定の幅で連続して設けられている。言い換えると、平面的に見た場合、蓋体20の凹部26の前後左右を囲むように、第1の重合面P1の全体に亘って設けてある。このシール部材24は、その全長にわたり、前記第2の重合面P2から下方へ数mm程度突出しており、蓋体20が閉じられた状態において底プレート11の周縁部11Aと密着し、密閉度の高い加熱室40を形成する。シール部材24は、例えばシリコンゴムで形成されている。このため特に下端部は柔軟性があり、蓋体20の重量を受けて底プレート11の周縁部11A上面に密着する。
なお、本実施の形態1では、シール部材24を用いて密閉度の高い加熱室40を形成する構成としたが、それに限定されず、シール部材24の代わりにラビリンス構造を備え、そのラビリンス構造を用いて密閉度の高い加熱室40を形成する構成としてもよい。例えば、第1の重合面P1と第2の重合面P2の一方に溝部を形成し、他方にその溝部の中に微小間隙を保って嵌り込むような凸状を設けることである。
持ち手25は、蓋体20の前面に前方に向かって突出して設けられ、ユーザーが蓋体20を閉じる際に掴む部分である。
42は、平面形状が長方形の第1上ケースであり、金属製の薄板からプレス成形によって形成されている。この第1上ケース42の外周縁部42Aは、加熱室天板21の天井部に密着するように重なった上面加熱装置23の上面に重ねてある。42Sは、加熱室天板21とこの第1上ケース42との間に形成された密閉空間である。
43は、平面形状が長方形の第2上ケースであり、金属製の薄板からプレス成形によって形成されている。この第2上ケース42の外周縁部43Aは、第1上ケース42の外周縁部42Aに重ね合わせてある。
図3において、44は、前記第1上ケース42と前記第2上ケース43の中央部を貫通するように設けた固定用のネジである。45は、電気絶縁性に富む材料から形成された断熱性に富む断熱材であり、例えばグラスウールである。前記ネジ44は、図3に示すように前記断熱材45の側から前記第1上ケース42と前記第2上ケース43の中央部を貫通するように、上向きに固定されている。前記断熱材45は、前記第1上ケース42と前記加熱室天板21との間の空隙49を、それら周縁部を除いて隙間なく埋めるように、上下方向に若干圧縮された状態で設置されている。
図3において、46は、前記加熱室側壁22の全周囲を囲むように形成された平面形状がリング(中空円柱)状の支持枠であり、耐熱性のプラスチックで全体が形成されている。46Aは、前記支持枠46の下面であり、この下面は前記第2の重合面P2を形成する。
以上の構成によって前記蓋体20が構成されている。
次に加熱調理器本体10の構成について説明する。
図3において、69は、前記ヒンジ部19の一部を構成する支持板である。11Bは、前記底プレート11の周縁部に形成した傾斜部である。この傾斜部は、伸縮性のある耐熱性材料、例えばシリコンゴムで形成され、この底プレート11が、被加熱物30の重さに応じて、平面部11Cが水平を保ったまま若干下方に移動できるようになっている。
70は、第1下ケースであり、金属製の薄板からプレス成形によって形成されている。70Aは、この第1下ケースの周縁部に形成した傾斜部である。この第1下ケース70は、前記底プレート11によって支持されている。言い換えると吊り下げられており、底プレート11の平面部11Cが被加熱物30の重さに応じて若干下方に移動する際には、それと一体になって下方へ移動できるようになっている。底面加熱装置12は面状ヒーターであるから、底プレート11の平面部11Cと、底面加熱装置12と、第1下ケース70の3者が3層に重なった状態に一体化されている。
73は、電気絶縁性に富む材料から形成された断熱性に富む断熱材であり、例えばグラスウールである。
前記温度検知装置13は、図3に示すように底面加熱装置12を貫通して、温度感知面を前記底面加熱装置12の中央部下面に密着させている。
前記底面加熱装置12は、その周縁部が前記底プレート11と第1下ケース70の周縁部とによって上下から挟まれている。
前記断熱材73は、前記第1下ケース70と板状になっている前記底面加熱装置12との間の空隙71を、それら周縁部を除いて隙間なく埋めるように、上下方向に若干圧縮された状態で設置されている。なお、空隙71は、この内部空間の空気が外部へ流れたり、逆に外部から冷たい空気が流入したりしないように密閉空間になっている。密閉空間とするため、前記したように底面加熱装置12の周縁部が、前記底プレート11と第1下ケース70の周縁部とによって上下から挟まれている。
図3において、74は、前記第1下ケース70の周囲を囲むように設置したリング状の支持枠であり、耐熱性のプラスチックで全体が形成されている。この支持枠74は、前記蓋体20を閉じた場合、前記支持枠46と対向する位置に配置されている。そして支持枠74の上面は、前記蓋体20側の第2の重合面P2と微小間隙を置いて対面するような第1の重合面P1を備えている。
図3において、72は、前記第1下ケース70の下方全体を覆うように水平に設置された仕切り板であり、金属製の薄板によって全体が形成されている。この仕切り板72の端部に、前記支持枠74が固定されている。
41は、プラスチック又は金属製の支柱であり、前記底プレート11に載置された被加熱物30の重量を重量検知装置60に伝えるものである。この支柱41は、被加熱物30の重量を受けて底プレート11が下方に下がった場合、その移動に伴って前記第1下ケース70も下方に下がるから、この第1下ケース70の下面に押されて下方へ下がる。なお、重量検知装置60については、あとで説明する。支柱41は、前記仕切り板に形成した透孔(図示せず)を貫通するように設置されている。
80は、前記仕切り板72に固定されたソレノイド等の電磁駆動手段であり、後で詳しく述べる制御装置50の駆動信号を受けた駆動回路83からの信号で動作し、軸81を下方へ移動させる。なお、非駆動時には前記軸81はバネ等の付勢手段によって突出位置に自動的に復帰する。この軸81は、前記第1下ケース70が、規定の位置から下方に移動しないようにそれを下方から支持している。後述する重量検知装置60が、被加熱物30の重要を計測する初期の短い時間帯だけは、駆動回路83からの信号で駆動された場合に、軸81を突出位置から下方へ移動させ、前記第1下ケース70が底プレート11の動きと連動して下方へ移動することを許容する。重量計測後においては、電磁駆動手段81に対する駆動回路83からの駆動信号は無くなるので、電磁駆動手段81の軸81はバネ等の付勢手段によって突出位置に自動的に復帰し、第1下ケース70を下方から押し上げている状態に維持される。
図3に示すように、前記シール部材24は、前記加熱室側壁22の全周囲を囲むように形成された支持枠46の内周側端部に取り付けてあり、その下端部は薄肉に形成され、支持枠46の下面、言い換えると第2の重合面よりも下方へ突出している。
次に図4について説明する。被加熱物が載置される底プレート11は、平面形状が長方形である。これはこの加熱調理器が対象としている被加熱物30は、山型食パンも含むため、その山型食パンの一般的な形状である長方形に合わせてある。
図4において、W1は、山型食パンの縦方向(前後方向)寸法を示し、例えば約16cmである。L1は、その山型食パンの横幅(左右方向)寸法を示し、例えば約12cmである。
W4は、底プレート11の前後方向(縦方向)の最大外形寸法を示し、L4は、その底プレート11の最大横幅寸法を示すものである。
W2は、底プレート11の中で、前記食パン等が載せられる平面部11Cの縦方向寸法を示し、L2は、その最大横幅寸法を示すものである。
W3は、底プレート11の中で、前記平面部11Cの前後左右の周囲に形成された傾斜部11Bの縦方向寸法を示し、L3は、その最大横幅寸法を示すものである。
図5は、本発明の実施の形態1に係るモード設定操作部15Aの拡大図である。
モード設定操作部15Aは、図5に示すように例えばユーザーによって手で回動されるダイヤルで構成され、ユーザーが「加熱モード」を設定するものである。「加熱モード」には、「常温パン」、「フレンチトースト」、「具材のせパン」、「冷凍パン」などがあり、調理する被加熱物30の種類に応じて設定される。なお、以後、「トースト」という言う場合、特に断りが無い限り、スライスした食パンを加熱し、表面に軽く焦げ目をつけた食品の意味である。
モード設定操作部15Aのダイヤルの周囲には、4個所に表示部15A1、15A2、15A3、15A4が配置されている。表示部15A1は「常温パン」の表示部、15A2は「フレンチトースト」の表示部、15A3は「具材のせパン」の表示部、15A4は「冷凍パン」の表示部である。なお、図5では各加熱モードをイラストで表しているが、それに限定されず、文字で表してもよい。モード設定操作部15Aのダイヤルを回すことによって、「常温パン」、「フレンチトースト」、「具材のせパン」、「冷凍パン」の何れか1つを特定する信号(以下、「モード設定信号」という)が、後述する制御装置50に入力される。
常温パンとは、常温で保存された状態の食パンである。
フレンチトーストとは、食パン内部に溶き卵、牛乳などの単一の液体または複数食材を混合した液体をしみこませた後、加熱して仕上げる料理である。なお、必ずしも液体をパンの中心まで染みこませる必要はなく、一部でもよい。また、染みこませる液体の量も問わないが、加熱前の水分量は加熱前のパン単体よりも多くなる。
具材のせパンとは、食パンの上にチーズなどパン以外の具材がのせられたものである。なお、具材については、マヨネーズなどの調味料、野菜、肉、魚、果物などでもよく、または、それらを複数組み合わせたものでもよい。
冷凍パンとは、冷凍庫内で保存され、凍った状態の食パンである。なお、冷凍庫内での保管方法、保管期間などは問わない。
焼き色設定操作部15Bは、ユーザーが調理する被加熱物30の「焼き色」を設定するものである。「焼き色」には、「濃い」、「普通」、「薄い」などがあり、ユーザーの好みに応じて設定される。焼き色設定操作部15Bには、ユーザーが「焼き色」を設定するためのダイヤルやボタン式スイッチを備えており、「焼き色」として「濃い」、「普通」、「薄い」の3種類から何れか1つを、ユーザーは任意に選択できる。選択した場合、「焼き色」を特定する信号(以下、「焼き色設定信号」という)が、後述する制御装置50に入力される。
図6は、本発明の実施の形態1に係る厚さ設定操作部15Cの拡大図である。
厚さ設定操作部15Cは、図6に示すように例えばダイヤルで構成され、ユーザーが被加熱物30の「厚さ」を設定するものである。
厚さ設定操作部15Cのダイヤルの周囲には、3個所に表示部15C1、15C2、15C3が配置されている。表示部15C1は「4枚切り」の表示部、15C2は「6枚切り」の表示部、15C3は「8枚切り」の表示部である。厚さ設定操作部15Cのダイヤルを回すことによって、「4枚切り」、「6枚切り」、「8枚切り」の何れか1つを特定する信号(以下、「厚さ設定信号」という)が、後述する制御装置50に入力される。
ここで被加熱物30の「厚さ」には、「4枚切り」、「6枚切り」、「8枚切り」があり、調理する被加熱物30の厚さに対応させてある。上記の「厚さ」とは、一斤の食パンを所定の枚数に切った際の一枚当たりの厚さを示している。なお、図6では各表示部15C1、15C2、15C3において「厚さ」を数字で表しているが、それに限定されず、イラストなどで表してもよい。
ここで、被加熱物30の厚さにより、被加熱物30の上面と上面加熱装置23との距離が変化する。そのため、上面加熱装置23を同一制御で異なる厚さの被加熱物30を加熱すると、厚い方が被加熱物30の上面の焼き色が濃くなり、薄い方が被加熱物30の上面の焼き色が薄く傾向がある。
そこで、制御装置50が、厚さ設定操作部15Cにより設定された「厚さ」に応じて、上面加熱装置23への供給電力を変更することで、厚さによらず被加熱物30の上面の焼き色を同じにすることができる。
図3に戻って再び説明する。操作基板16は、加熱調理器本体10の内部の前方側に設けられ、操作部15から入力された信号を処理するための回路が実装されたものであり、上記の信号を処理した後、制御装置50に出力するものである。つまり、モード設定操作部15Aからの「モード設定信号」と、焼き色設定操作部15Bからの「焼き色設定信号」と、厚さ設定操作部15Cからの「厚さ設定信号」との3種類の信号がこの操作基板16上の回路で生成され、制御装置50に出力されるものである。
図3において、14は、加熱調理器本体10の内部の後方部に配置した電源基板14である。50は、その電源基板14の近傍に配置された制御装置50であり、マイクロコンピュータを中心とする各種電子部品、回路が実装された基板を備えている。
なお、この図3には、蓋体開閉検知装置17(図8参照)を図示していないが、蓋体開閉検知装置17は、加熱調理器本体10の上面に設けられ、蓋体20の開閉を検知するものである。蓋体開閉検知装置17は、例えば赤外線センサー、マイクロスイッチなどである。
次に図7について説明する。この図7は、本発明の実施の形態1に係る重量検知装置60の要部拡大図である。
重量検知装置60は、底プレート11に載置された被加熱物30の重量を検知するものである。本実施の形態1では、重量検知装置60は、加熱調理器本体10の前面側および背面側に計二つ設けられているが、それに限定されず、より多く設けることで、検知精度を向上させることができる。重量検知装置60は、図7に示すように、センサー台61と、センサー台61と一体に設けられたロードセル62と、ロードセル62と接触するように設けられ、横向きのU字形状の基台63と、を備えている。
前記底プレート11に加わる荷重は、第1下ケース70が底プレート11の動きと連動して下方へ移動することにより支柱41を押し下げるので、最終的に底プレート11に加わる荷重はセンサー台61に加わる。加熱調理器100は、その底部に、上下方向に変位可能に設けられる脚部71により支持される。脚部71の下部の上面には、基台63の下部が当接するように固定される。基台63の下部の上面にばね64の下端が当接し、はね64の上端がセンサー台61の下面に当接する。ばね64は自由長よりも縮んだ状態で配置される。したがって、基台63の下部は、ばね64により下方に付勢された状態となり、これに連動して、基台63の上部の下面がロードセル62を上方から付勢した状態となる。
ロードセル62は、例えば重量検知素子である抵抗ひずみゲージを内蔵しており、被加熱物30の荷重により底プレート11が下がる方向に荷重が加わることで、基台63と接触しているロードセル62の上面が、基台63の上部の下面から離れる方向に作用する。すなわち、底プレート11に荷重が加わると、ロードセル62に加わる荷重が減少するようにロードセル62に荷重が加わる。そして、ロードセル62に荷重が加わることにより、ロードセル62に内蔵されている抵抗ひずみゲージの抵抗が変化するが、この抵抗ひずみゲージの抵抗の変化量により、被加熱物30の重量を検知する。なお、この抵抗ひずみゲージの抵抗の変化量は電気信号として制御装置50に送信される。
重量検知装置60は上記の構成に限るものでない。
制御装置50は、加熱調理器本体10の内部に設けられ、操作部15からの入力、つまり、ユーザーにより設定された「加熱モード」、「焼き色」、および、「厚さ」に基づいて、電源基板14に制御信号を出力するものである。言い換えると、ユーザーにより設定された「加熱モード」を示す「モード設定信号」と、焼き色設定操作部15Bからの「焼き色設定信号」と、厚さ設定操作部15Cからの「厚さ設定信号」を受けて制御装置50は、底面加熱装置12と上面加熱装置23とに対する電力の供給量と供給タイミング(通電開始、通電停止)を決定する。
なお、制御装置50は、その機能を実現する回路デバイスのようなハードウェアで構成することもできるし、マイクロコンピュータなどの演算装置とその動作を規定するソフトウェアで構成することもできる。
本実施の形態1に係る加熱調理器100で調理される被加熱物30は、主に食パンである。食パンには、焼き上げる際に蓋をして四角く仕上げられた角型と、焼き上げる際に蓋をせずに仕上げられた山型とがあり、それらの一般的なサイズは、角型は約横12cm×縦12cm、山型は約横12cm×縦16cmとなっている。また、食パンは、一斤を切る枚数によって厚さが異なっており、例えば4枚切りの厚さは約30mm/枚、6枚切りの厚さは約20mm/枚となっている。
加熱室40の縦方向(前後方向)サイズと横方向(左右方向)のサイズは、少なくとも山型の食パンのサイズよりも大きく、山型の食パンのサイズよりも20〜40mm程度大きい寸法が望ましい。加熱室40の縦方向(前後方向)と横方向(左右方向)のサイズは、例えば縦18cm×横14cmである。これは、加熱室40内で底プレート11に載置された山型の食パンの周縁部と加熱室側壁22とが接触しない寸法である。なお、加熱室40の縦方向(前後方向)と横方向(左右方向)のサイズは、図2で説明したように前記蓋体20の中央部に形成した凹部26の縦方向(前後方向)と横方向(左右方向)のサイズと、底プレート11の平面部11Cの縦方向(前後方向)と横方向(左右方向)のサイズ(W2、L2)によって決まる。
また、加熱室40の有効高さH2(図3参照)は、少なくとも4枚切りの食パン1枚の厚さよりも大きく、4枚切りの食パンに具材をのせても加熱室天板21に具材が接触しない程度の寸法が望ましい。
加熱室40の最大有効高さH2は、例えば45mmである。これは、底プレート11に載置された、市販で最も厚い4枚切り30mmの食パンの上に、チーズなどの具材を厚さ10mm程度までのせた状態で蓋体20を閉めても、食パンの上の具材と加熱室天板21とが接触しない寸法である。つまり、図3で説明したように、底プレート11の上に、食パンを置いた場合、その食パンの上面と加熱室40の天井面との間には、空隙H1が形成されるように加熱室40の最大有効高さH2を設定している。市販で最も厚い4枚切り30mmの食パンの上に、チーズなどの具材を載せて焼く場合でも、前記空隙H1が形成されるようにしているが、この空隙H1は出来るだけ小さいことが望ましい。加熱室40の内部空間が狭い程、食パンの加熱効率が良く、短時間で焼き上げることができることに加え、食パンから放出される水分の拡散を抑制し、焼きあがったあとの食感も良いからである。
図8は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器100の機能ブロック図である。
図8に示すように、本実施の形態1に係る制御装置50は、メイン制御部51と、演算部52と、タイマ部53と、一時記憶部54と、第一記憶部55と、第二記憶部56と、を備えている。メイン制御部51は、温度検知装置13、蓋体開閉検知装置17、重量検知装置60、および、操作基板16を介して操作部15から入力される情報(「モード設定信号」、「焼き色設定信号」、「厚さ設定信号」)に基づいて、底面加熱装置12および上面加熱装置23を制御するものである。演算部52は、後述する加熱終了重量Wfなどを演算するものである。第一記憶部55は、例えばROMで構成され、後述する複数の「焼き色」に対応した重量減少率Aが複数記憶されているものである。第二記憶部56は、例えばROMで構成され、後述する「厚さ」に対応した重量範囲ΔW(上限重量を含む)が記憶されているものである。
電源基板14は、制御装置50から出力された制御信号に基づいて、底面加熱装置12および上面加熱装置23への通電をONまたはOFFする。底面加熱装置12により加熱された底プレート11の温度は、温度検知装置13により検知され、その検知した温度情報は制御装置50に入力される。また、底プレート11に載置された被加熱物30の重量は、重量検知装置60により検知され、その検知した重量情報は制御装置50に入力される。また、蓋体20の開閉は蓋体開閉検知装置17により検知され、その検知した開閉情報は制御装置50に入力される。
次に、本実施の形態1に係る加熱調理器100による被加熱物30の調理について説明する。
ユーザーは、被加熱物30を底プレート11に載置した後、モード設定操作部15Aにより、調理する被加熱物30の種類に応じて「加熱モード」を設定する。また、焼き色設定操作部15Bにより、ユーザーの好みに応じて被加熱物30の「焼き色」を設定する。また、厚さ設定操作部15Cにより、調理する被加熱物30の厚さに応じて「厚さ」を設定する。
ユーザーは、操作部15による設定が完了したら、蓋体20を閉める。制御装置50は、被加熱物30が底プレート11に載置され、かつ、蓋体20が閉じられていたら、底面加熱装置12および上面加熱装置23への通電を開始する。
底面加熱装置12および上面加熱装置23への通電が開始された後、制御装置50は、ユーザーにより設定された「加熱モード」、「焼き色」、および、「厚さ」に基づいて、それらを制御する。そして、底面加熱装置12により加熱された底プレート11からの熱伝導により被加熱物30の下方を加熱し、加熱室天板21により加熱された加熱室天板21からの輻射熱により被加熱物30を上方から加熱する。
なお、制御装置50は、調理中の上面加熱装置23の通電電力を底面加熱装置12の通電電力よりも大きくする。これは、上面加熱装置23の通電電力と底面加熱装置12の通電電力とを同じとした場合、底プレート11からの熱伝導による加熱の方が加熱室天板21からの輻射熱による加熱よりも被加熱物30に熱が伝わりやすく、被加熱物30が焼けやすいためである。したがって、上面加熱装置23の通電電力と底面加熱装置12の通電電力とを同じとした場合、トーストの焼き色を上面と下面とで同じに仕上げることができない。
そこで、制御装置50は、調理中の上面加熱装置23の通電電力を底面加熱装置12の通電電力よりも大きくすることで、トーストの焼き色を上面と下面とで同じに仕上げることができる。
次に、本実施の形態1に係る加熱調理器100の調理の詳細について、図9を用いて説明する。
図9は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器100の調理時の制御フローを示す図である。
メイン制御部51は、重量検知装置60により検知された重量(以下、検知重量Waと称する)が予め設定された基準重量W1よりも大きいかどうかを判定し、底プレート11に被加熱物30が載置されているかどうかを判定する(ステップS101)。検知重量Waが基準重量W1よりも大きい場合に、底プレート11に被加熱物30が載置されていると判定する。なお、基準重量W1は、ゴミ、カスなどによる誤検知を防止するために設定される値である。
このステップS101では、前記電磁駆動手段80は駆動回路83によって駆動され、軸81を下方へ移動させる。このため、前記第1下ケース70が底プレート11の動きと連動して下方へ移動することを許容する。これにより食パンが載せられた状態で底プレート11に加わっている荷重により、底プレート11が下方へ移動することにより、第1下ケース70が支柱41を押し下げるので、最終的に底プレート11に加わる荷重はセンサー台61に加わり、重量が計測される。なお、計測完了後は、駆動回路83からの駆動信号は停止し、非駆動時となり、前記軸81は突出位置に自動的に復帰するので、底プレート11は元の位置まで復帰する。
ステップS101において、メイン制御部51が、底プレート11に被加熱物30が載置されていると判定した場合(ステップS101のYES)、検知重量Waを初期重量Woとして一時記憶部54に記憶する(ステップS102)。一方、メイン制御部51が、底プレート11に被加熱物30が載置されていないと判定した場合(ステップS101のNO)、再度ステップS101の処理を実行する。
ステップS102の後、メイン制御部51は、蓋体開閉検知装置17が検知した開閉情報に基づいて、蓋体20が閉じているかどうかを判定する(ステップS103)。
ステップS103において、メイン制御部51が、蓋体20が閉じていると判定した場合(ステップS103のYES)、焼き色設定操作部15Bにより被加熱物30の「焼き色」が設定されているかどうかを判定する(ステップS104)。一方、メイン制御部51が、蓋体20が開いていると判定した場合(ステップS103のNO)、再度ステップS103の処理を実行する。
ステップS104において、メイン制御部51が、被加熱物30の「焼き色」が設定されていると判定した場合(ステップS104のYES)、設定された「焼き色」に対応する重量減少率Aを第一記憶部55から取得する(ステップS105)。そして、メイン制御部51は、取得した重量減少率Aを、一時記憶部54に記憶する。ここで、重量減少率Aとは、被加熱物30を設定された「焼き色」に仕上げた際の、予測される初期重量Woからの減少率である。また、設定された「焼き色」に対応する重量減少率Aは、例えば下記の表1の通りである。なお、図10に示す表において、「焼き色」は「1」が最も薄い焼き色、「6」が最も濃い焼き色を示している。
一方、ステップS104において、メイン制御部51が、被加熱物30の「焼き色」が設定されていないと判定した場合(ステップS104のNO)、デフォルトの「焼き色」に対応する重量減少率Aを第一記憶部55から取得する(ステップS105)。そして、メイン制御部51は、取得した重量減少率Aを、一時記憶部54に記憶する。ここで、デフォルトの「焼き色」は、例えば「3」である。
ステップS105またはS106の後、演算部52は、初期重量Woおよび重量減少率Aを用いて、加熱終了重量Wfを演算する(ステップS107)。ここで、加熱終了重量Wfの演算には、下記の数1が用いられる。そして、メイン制御部51は、演算した加熱終了重量Wfを、一時記憶部54に記憶する。
[数式1]
Wf=Wo−(Wo×A/100)
ステップS107の後、メイン制御部51は、底面加熱装置12および上面加熱装置23への通電をONする(ステップS108)。
ステップS108の後、メイン制御部51は、検知重量Waが加熱終了重量Wf以下になったかどうかを判定する(ステップS109)。
ステップS109において、メイン制御部51が、検知重量Waが加熱終了重量Wf以下になったと判定した場合(ステップS109のYES)、底面加熱装置12および上面加熱装置23への通電をOFFする(ステップS110)。一方、メイン制御部51が、検知重量Waが加熱終了重量Wf以下になっていないと判定した場合(ステップS109のNO)、再度ステップS109の処理を実行する。
以上のように、本実施の形態1に係る加熱調理器100は、設定された「焼き色」に応じて加熱終了重量Wfを演算し、被加熱物30の加熱開始後、被加熱物30の重量が加熱終了重量Wf以下になったら加熱を終了する。そうすることで、食パンの種類および鮮度などに伴う含水率の違いによらず、トーストの焼き色を精度よく調整することができる。そのため、ユーザーが設定した通りの焼き色にトーストを仕上げることができる。
なお、ステップS101の前に、蓋体20の開閉を判定し、蓋体20が開いていたら重量検知装置60への通電をONし、ステップS110の後に重量検知装置60への通電をOFFする処理を追加してもよい。
また、ステップS104において、メイン制御部51が、被加熱物30の「焼き色」が設定されていないと判定した場合、デフォルトの「焼き色」に対応する重量減少率Aを第一記憶部55から取得する処理としたが、それに限定されない。例えば、メイン制御部51が、被加熱物30の「焼き色」が設定されていないと判定した場合、報知部(図示せず)によりユーザーに設定を促すようにし、設定されたらその「焼き色」に対応する重量減少率Aを第一記憶部55から取得するようにしてもよい。なお、報知部は、例えば表示パネルなどの表示手段、スピーカーなどの音声発生手段などである。
以上の説明から明らかなように、本実施の形態1に係る加熱調理器100の制御装置50は、重量検知装置60で検知された被加熱物30の重量から底面加熱装置12および上面加熱装置23への通電をOFFするタイミングを決定するものである。
本実施の形態1に係る加熱調理器100によれば、制御装置50は、被加熱物30の重量に応じて底面加熱装置12および上面加熱装置23への通電をOFFするタイミングを決定している。そのため、被加熱物30が食パンである場合、その食パンの種類および鮮度などに伴う含水率の違いによらず、トーストの焼き色を精度よく調整することができ、ユーザーが設定した通りの焼き色に仕上げることができる。
また、本実施の形態1に係る加熱調理器100は、重量検知装置60を複数備えたものである。
本実施の形態1に係る加熱調理器100によれば、重量検知装置60を複数設けることで、検知精度を向上させることができる。
実施の形態1の総括.
本実施の形態1に係る加熱調理器100は、以下の構成であった。すなわち、
被加熱物30としての食パンが載置される底プレート11と、
前記底プレート11を加熱する底面加熱装置12と、
前記底プレート11の上方空間を開閉自在に覆う加熱室天板21と、
前記加熱室天板21を加熱する上面加熱装置23と、
前記底プレート11に載置された状態の前記被加熱物30の重量を検知する重量検知装置60と、
前記底面加熱装置12および前記上面加熱装置23を制御する制御装置50と、を備え、
前記底プレート11の上方空間を前記加熱室天板21が覆った状態では、それらの間に加熱室40が形成されるものであり、
前記制御装置50は、
前記重量検知装置60で検知された前記被加熱物30の重量から前記底面加熱装置12および前記上面加熱装置23への通電をOFFするタイミングを決定するものである。
このような実施の形態1の加熱調理器100であるため、トーストの焼き色を精度よく調整することができ、ユーザーが希望する焼き色に仕上げることができる。
また本実施の形態1に係る加熱調理器100は、以下の構成であった。すなわち、
底プレート11を上面に露出するように配置した加熱調理器本体10と、
前記加熱室天板21を下面に露出するように配置した蓋体20と、を更に備え、
前記加熱調理器本体10の上面には、前記底プレート11の前後左右を囲った第1の重合面P1を有し、
前記蓋体20の下面には、前記加熱室天板21の前後左右を囲った第2の重合面P2を有し、
前記蓋体20(の加熱室天板21)が前記加熱調理器本体10の上面(を覆うよう)に重なった状態で、前記第1の重合面P1と前記第2の重合面P2が、接触に近い状態まで近接しており、前記加熱室40の内部空間が外部と遮断された状態になっている構成である。
つまり、この実施の形態1では、蓋体20の加熱室天板21が前記加熱調理器本体10の上面を覆うように重なった状態では、加熱室40の内部空間が、積極的に空気を流通させない状態になっている。仮に前記シール部材24が、その全長に亘って加熱調理器本体10側と密着していない場合でも、第1の重合面P1と前記第2の重合面P2は、例えば10mm以上の幅を有した平坦面同士で微小間隙をおいて対面しているから、一定の空気流通阻止効果があり、密閉度のある加熱室40となる。
このため、この実施の形態1の加熱調理器100によれば、食パンが(焼き上げる前の)当初から保有していた含水率を大きく損なうことなく、水分量を維持できるため、美味しい焼き上がり状態に仕上げることができる。
なお、市販されている最も厚い4枚切りの食パンの厚さ(上下方向寸法)が30mm程度であるので、加熱室40の体積は、その食パンの体積の2倍〜3倍程度にすると良い。従前から知られているようなオーブン式トースターでは10倍以上の大きな空間で焼き上げるため、実施の形態1と同じような効果は期待できない。
実施の形態2.
図11は、本発明の実施の形態2に関する食パンの制御条件を示した重量範囲データである。
以下、本発明の実施の形態2について説明するが、実施の形態1と重複するものについては説明を省略し、実施の形態1と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付す。
加熱調理器100において、被加熱物30の厚さにより、被加熱物30の上面と上面加熱装置23との距離が変化する。そのため、上面加熱装置23を同一制御で異なる厚さの被加熱物30を加熱すると、厚い方が被加熱物30の上面の焼き色が濃くなり、薄い方が被加熱物30の上面の焼き色が薄く傾向がある。そこで、本実施の形態2に係る加熱調理器100では、被加熱物30の厚さを自動で判定する機能を備えている。
本実施の形態2では、メイン制御部51は、底プレート11に被加熱物30が載置されていると判定した場合、検知重量Waから被加熱物30の厚さを判定する。ここで、第二記憶部56には、図11のように、「厚さ」に対応した重量範囲ΔWが記憶されている。重量範囲ΔWとは、被加熱物30の厚さから予測される被加熱物30の初期重量Woの範囲である。そして、メイン制御部51は、初期重量Woがどの重量範囲ΔWに属しているかにより、被加熱物30の厚さを判定する。そして、メイン制御部51は、判定した被加熱物30の厚さに応じて上面加熱装置23への通電電力または通電時間を変更する。
具体的には、被加熱物30が厚い場合には、薄い場合よりも大きい通電電力を設定する。または、被加熱物30が厚い場合には、薄い場合よりも短い通電時間を設定する。
以上のように、本実施の形態2に係る加熱調理器100は、被加熱物30の厚さを自動で判定し、判定した被加熱物30の厚さに応じて上面加熱装置23への通電電力または通電時間を変更する。そのため、厚さによらず被加熱物30の上面の焼き色を同じにすることができる。また、ユーザーが厚さ設定操作部15Cにより、調理する被加熱物30の厚さに応じて「厚さ」を設定する必要がなく、設定の手間を省くことができる。
なお、本実施の形態2に係る加熱調理器100では、判定した被加熱物30の厚さに応じて上面加熱装置23への通電電力または通電時間を変更するとしたが、それに限定されず、上面加熱装置23への通電電力および通電時間の両方を変更してもよい。
以上、本実施の形態2に係る加熱調理器100の制御装置50は、重量検知装置60で検知された被加熱物30の加熱前の重量である初期重量Woに基づいて、上面加熱装置23への通電電力または通電時間を変更するものである。
本実施の形態2に係る加熱調理器100によれば、制御装置50は、被加熱物30の初期重量Woに基づいて、被加熱物30の厚さを判定し、判定した被加熱物30の厚さに応じて上面加熱装置23への通電電力または通電時間を変更する。そのため、厚さによらず被加熱物30の上面の焼き色を同じにすることができる。また、ユーザーが厚さ設定操作部15Cにより、調理する被加熱物30の厚さに応じて「厚さ」を設定する必要がなく、設定の手間を省くことができる。
実施の形態3.
図12と図13は、本発明の実施の形態3を示すものである。図12は、加熱調理器100の調理時の第1の制御フローを示す図である。図13は、加熱調理器100の調理時の第2の制御フローを示す図である。
以下、本発明の実施の形態3について説明するが、実施の形態1および2と重複するものについては説明を省略し、実施の形態1および2と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付す。
加熱調理器100において、被加熱物30が「具材のせパン」である場合、「具材のせパン」の上面側の具材を十分に加熱しつつ、下面が焦げ付かないようにするためには、上面加熱装置23への通電時間を底面加熱装置12よりも長くする必要がある。そこで、本実施の形態3に係る加熱調理器100では、被加熱物30が「具材のせパン」であるかどうかを自動で判定し、被加熱物30が「具材のせパン」であると判定した場合、上面加熱装置23への通電時間を増加させる機能を備えている。
本実施の形態3では、メイン制御部51は、底プレート11に被加熱物30が載置されていると判定した場合、検知重量Waと厚さ設定操作部15Cにより設定された「厚さ」
とから、被加熱物30が「具材のせパン」であるかどうかを判定する。具体的には、メイン制御部51は、第二記憶部56に記憶された、「厚さ」に対応した重量範囲ΔWを参照し、検知重量Waが、設定された「厚さ」に対応する重量範囲ΔWの上限(以下、上限重量Wmaxと称する)を超えているかどうかを判定する。そして、メイン制御部51が、検知重量Waが、上限重量Wmaxを超えていると判定した場合、被加熱物30が「具材のせパン」であると判定し、上面加熱装置23への通電時間を増加させる。
本実施の形態3に係る加熱調理器100は、報知部(図示せず)を備えている。報知部は、例えば表示パネルなどの表示手段、スピーカーなどの音声発生手段などである。
図12において、本実施の形態3に係る制御フローのステップS201〜S207の処理は、実施の形態1で説明した制御フローのステップS101〜S107の処理と同様であるため、説明を省略する。
ステップS207の後、メイン制御部51は、厚さ設定操作部15Cにより被加熱物30の「厚さ」が設定されているかどうかを判定する(ステップS208)。
ステップS208おいて、メイン制御部51が、被加熱物30の「厚さ」が設定されていると判定した場合(ステップS208のYES)、設定された「厚さ」に対応する重量範囲ΔWを第二記憶部56から取得する(ステップS210)。そして、メイン制御部51は、取得した重量範囲ΔWを、一時記憶部54に記憶する。ここで、設定された「厚さ」に対応する重量範囲ΔWは、例えば実施の形態2で説明した図11の通りである。
一方、ステップS208において、メイン制御部51が、被加熱物30の「厚さ」が設定されていないと判定した場合(ステップS208のNO)、報知部により、被加熱物30の「厚さ」が未設定であることをユーザーに報知する(ステップS209)。報知部によりユーザーに「厚さ」の設定を促した後、ステップS208へ戻る。
図13に示すように、ステップS210の後、メイン制御部51は、初期重量Woが、設定された「厚さ」に対応する上限重量Wmaxを超えているかどうかを判定する(ステップS211)。
ステップS211において、メイン制御部51が、初期重量Woが上限重量Wmaxを超えていると判定した場合(ステップS211のYES)、被加熱物30が「具材のせパン」であると判定し、ステップS212へ進む。一方、メイン制御部51が、初期重量Woが上限重量Wmaxを超えていないと判定した場合(ステップS211のNO)、ステップS213へ進む。
ステップS212において、演算部52は、初期重量Woおよび上限重量Wmaxを用いて、上面加熱装置23への通電時間の増加分(以下、増加時間Δtと称する)を演算する。ここで、増加時間Δtの演算には、下記の数式2が用いられる。そして、メイン制御部51は、演算した増加時間Δtを、一時記憶部54に記憶する。
[数式2]
Δt=1.5×(Wo−Wmax)
ステップS212の後、メイン制御部51は、底面加熱装置12および上面加熱装置23への通電をONする(ステップS213)。
ステップS213の後、メイン制御部51は、検知重量Waが加熱終了重量Wf以下になったかどうかを判定する(ステップS214)。
ステップS214において、メイン制御部51が、検知重量Waが加熱終了重量Wf以下になったと判定した場合(ステップS214のYES)、底面加熱装置12への通電をOFFする(ステップS215)。一方、メイン制御部51が、検知重量Waが加熱終了重量Wf以下になっていないと判定した場合(ステップS214のNO)、再度ステップS214の処理を実行する。
ステップS215の後、メイン制御部51は、一時記憶部54を参照し、増加時間Δtが設定されているかどうかを判定する(ステップS216)。
ステップS216において、メイン制御部51が、増加時間Δtが設定されていると判定した場合(ステップS216のYES)、タイマ部53により時間の計測を開始する(ステップS217)。一方、メイン制御部51が、増加時間Δtが設定されていないと判定した場合(ステップS216のNO)、ステップS219へ進む。
ステップS217の後、メイン制御部51は、タイマ部53により計測した時間(以下、計測時間taと称する)が、増加時間Δtを経過したかどうかを判定する(ステップS218)。
ステップS218において、メイン制御部51が、計測時間taが増加時間Δtを経過したと判定した場合(ステップS218のYES)、ステップS219へ進む。一方、メイン制御部51が、計測時間taが増加時間Δtを経過していないと判定した場合(ステップS218のNO)、再度ステップS218の処理を実行する。
ステップS129において、メイン制御部51は、上面加熱装置23への通電をOFFし、タイマ部53による時間の計測を停止し、調理終了となる。
以上のように、本実施の形態3に係る加熱調理器100は、被加熱物30が「具材のせパン」であるかどうかを自動で判定する。そして、被加熱物30が「具材のせパン」である場合は、具材重量(Wo−Wmax)に基づいて増加時間Δtを演算し、上面加熱装置23への通電をOFFするタイミングを、底面加熱装置12への通電をOFFしてから増加時間Δt経過後とする。そのため、被加熱物30が「具材のせパン」である場合、「具材のせパン」の上面側の具材を十分に加熱しつつ、下面が焦げ付かないようにすることができる。
以上、本実施の形態3に係る加熱調理器100の制御装置50は、被加熱物30の加熱前の重量が、設定された「厚さ」に対応した重量上限値を超えていたら、被加熱物30の加熱前の重量と重量上限値との差分により具材重量を演算する。そして、演算した具材重量に基づいて増加時間Δtを演算し、上面加熱装置23への通電をOFFするタイミングを、底面加熱装置12への通電をOFFしてから増加時間Δtが経過した後とする。
本実施の形態3に係る加熱調理器100によれば、制御装置50は、被加熱物30の加熱前の重量が、設定された「厚さ」に対応した重量上限値を超えていたら、被加熱物30が「具材のせパン」であると判定する。そして、被加熱物30が「具材のせパン」であると判定した場合、具材重量を演算し、その具材重量に基づいて増加時間Δtを演算し、上面加熱装置23への通電をOFFするタイミングを、底面加熱装置12への通電をOFFしてから増加時間Δtが経過した後とする。そのため、被加熱物30が「具材のせパン」である場合、具材のせパンの上面側の具材を十分に加熱しつつ、下面が焦げ付かないようにすることができる。
実施の形態4.
以下、本発明の実施の形態4について説明するが、実施の形態1〜3と重複するものについては説明を省略し、実施の形態1〜3と同じ部分または相当する部分には同じ符号を用いて説明する。
実施の形態4の加熱調理器は、被加熱物が載置される底プレート11の一部分が底面加熱装置12を兼ねている。また加熱室天板21の一部分が上面加熱装置23を兼ねていることが特徴である。
前記底プレート11は、アルミニウム等の熱伝導性の良い金属製板から周縁部が構成されるが、大部分は薄い板状に形成されたセラミックヒーター12Sで構成されている。つまり、被加熱物30としての食パンが直接載せられる部分は、セラミックヒーター12Sで構成されている。
同様に、加熱室天板21は、アルミニウム等の熱伝導性の良い金属製板から周縁部が構成されるが、大部分は薄い板状に形成されたセラミックヒーター23Sで構成されている。前記セラミックヒーター12Sとセラミックヒーター23Sは、1枚に限られず、2枚以上を隣接するように並べて使用しても良い。
また前記セラミックヒーター12Sとセラミックヒーター23Sは、互いに平面形状が同じで平面積も同じものが使用されている。これにより2種類以上のセラミックヒーター12S、23Sを使用する場合に比較して、コスト的に有利であり、安価に加熱調理器を製造できる。
なお、重量検知装置60と制御装置50の構成は、実施の形態1と同じである。
この実施の形態4で示したように、本発明で「底プレートを加熱する底面加熱装置」という場合、底面加熱装置自体が底プレートを兼ねている場合を含んでいる。
同様に、実施の形態4で示したように、本発明で「加熱室天板を加熱する上面加熱装置」という場合、上面加熱装置自体が加熱室天板を兼ねている場合を含んでいる。
この実施の形態4の構成によっても、実施の形態1と同等の効果が期待できる。
他の実施形態及び変形例.
実施の形態1〜4で記載した各種構成については、以下の通り変更できる。また本発明はこれら形態に限定することを何ら意図していない。
(1)第1の重合面P1は、その横幅寸法XR、XRが実施の形態1では、少なくとも10mm以上であったが、この2つの横幅寸法を同一寸法にする必要はなく、異ならせても良い。同様に、前後方向の幅寸法はXB、XFについても、これら両者を同一寸法にする必要はなく、異ならせても良い。
また、第1の重合面P1は、必ずしも1つの平坦面である必要はなく、例えば重合面Aと、この重合面Aよりも数mm〜10mm程度に高い重合面Bとの2つにより、第1の重合面P1を構成しても良い。この場合、重合面Aは重合面Bの外周側にあっても、また逆に内周側に配置させても良い。なお、第2の重合面P2についても、同様な変形が可能である。
(2)実施の形態1における電磁駆動手段80は、制御装置50の駆動信号を受けた駆動回路83からの信号で動作し、軸81を下方へ移動させる構成であった。しかし、当該駆動回路83をユーザーが任意のタイミングで駆動させる手段を備えていなかった。そこで、例えば操作部15に、駆動回路83に対して動作指令を与える計量指令スイッチを配置し、ユーザーが任意のタイミングで軸81を下方に下げて、前記第1下ケース70が底プレート11の動きと連動して下方へ移動するようにし、重量検知装置60による食パン等の被加熱物30の重量を計測できるようにしても良い。これによれば、蓋体20を開放させた状態で、底プレート11の上に食パン等の被加熱物30を載せ、計量指令スイッチを押せば、加熱調理開始前の段階で、任意のタイミングで食パン等の被加熱物30の重要を計測させることができる。なお、その場合、当該計測結果に基づいて制御装置50による加熱調理条件(例えば、底面加熱装置12や上面加熱装置23の消費電力や調理完了までの所要時間の推定値等)をユーザーに文字や音声等で報知させるようにしても良い。
(3)実施の形態1では、底プレート11の上面に直接食パン等の被加熱物30を載せた形態であったが、被加熱物30を載せる部材、例えば薄い金属の皿を更に設けても良い。例えば、鉄に比較して熱伝導性の良い金属、例えばアルミニウムやアルミニウム合金、銅等で製造された支持体を用意するものである。その支持体は、薄い金属板をプレス加工して薄い皿形状にしたものであるが、第1の加熱面11Cと異なり、通気性があっても良い。例えば、パンチングメタルと呼ばれる薄板金属製の無数の貫通孔のある平坦な板でも良い。このような支持体は、底プレート11の上面に置かれているだけであるので、ユーザーは必要に応じて取り出して清掃や洗浄ができる。
従って、支持体の役目は、底面加熱装置12によって底プレート11が高温度に熱せられた際、その熱を受けて、被加熱物30を下方から加熱するものである。
このため、支持体の底面と底プレート11の第1の加熱面11Cは、直接接触することが望ましいが、空気が存在する微小間隙が両者の間にあっても良い。言い換えると、支持体は、被加熱物30が載置されるものであり、底プレート11は、その支持体の下方に接触し又は微小間隙を置いて対面し、支持体の全体を下方から伝導熱又は輻射熱によって加熱する機能を発揮する。
このような変形例では、支持体が底プレート11を構成する一部分として解釈できる。そして、第1の加熱面11Cの上に、被加熱物が直接載置される形態ではないが、実施の形態1と同様に、食パンの内部の水分が保たれ、かつ、焼きムラが少なく焼き上げることができる。
さらに、継続して何度も加熱調理する際に、食パン等の被加熱物30から生ずる屑や、食材の一部等が落下しても、ユーザーは必要に応じて支持体を取り出して清掃や洗浄ができるので、長期にわたり、清潔に使用できるという利点がある。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えるべきである。本発明の実質的な範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図されている。
本発明に係る加熱調理器は、一般住宅の台所だけではなく、公共施設や店舗等の調理場でも広く利用することができる。
P1 第1の重合面、P2 第2の重合面、PL 境界線、10 加熱調理器本体、11 底プレート、11A 周縁部、12 底面加熱装置、13 温度検知装置、14 電源基板、15 操作部、15A モード設定操作部、15B 焼き色設定操作部、15C 厚さ設定操作部、16 操作基板、19 ヒンジ部、20 蓋体、21 加熱室天板、22 加熱室側壁、23 上面加熱装置、24 シール部材、25 持ち手、26 凹部、30 被加熱物、40 加熱室、50 制御装置、51 メイン制御部、52 演算部、53 タイマ部、54 一時記憶部、55 第一記憶部、56 第二記憶部、60 重量検知装置、61 センサー台、62 ロードセル、63 基台、97 蓋体開閉検知装置、100 加熱調理器。

Claims (4)

  1. 加熱調理器本体と、
    前記加熱調理器本体の上面に設けられ、被加熱物が載置される底プレートと、
    前記底プレートを加熱する底面加熱装置と、
    中央部に凹部を有し、前記底プレートを開閉自在に覆う蓋体と、
    前記凹部の上面を形成する加熱室天板と、
    前記加熱室天板を加熱する上面加熱装置と、
    前記底プレートに載置された前記被加熱物の重量を検知する重量検知装置と、
    前記底面加熱装置および前記上面加熱装置を制御する制御装置と、
    重量減少率が記憶された第一記憶部と、を備え、
    前記第一記憶部には、前記被加熱物の加熱前の重量に対応する前記重量減少率が複数記憶されており、
    前記蓋体が閉じられた状態において、
    前記底プレートと前記凹部とで囲まれ、前記被加熱物が収容される加熱室が内部に形成されるものであり、
    前記制御装置は、
    前記重量検知装置で検知された前記被加熱物の重量から前記底面加熱装置および前記上面加熱装置への通電をOFFするタイミングを決定するものであり、
    前記底面加熱装置および前記上面加熱装置への通電をONした後、前記重量検知装置で検知された前記被加熱物の重量が加熱終了重量以下となったら、前記底面加熱装置および前記上面加熱装置への通電をOFFするものであり、
    前記重量検知装置で検知された前記被加熱物の加熱前の重量と、前記被加熱物の加熱前の重量に対応した前記重量減少率とに基づいて、前記加熱終了重量を演算するものである
    加熱調理器。
  2. 加熱調理器本体と、
    前記加熱調理器本体の上面に設けられ、被加熱物が載置される底プレートと、
    前記底プレートを加熱する底面加熱装置と、
    中央部に凹部を有し、前記底プレートを開閉自在に覆う蓋体と、
    前記凹部の上面を形成する加熱室天板と、
    前記加熱室天板を加熱する上面加熱装置と、
    前記底プレートに載置された前記被加熱物の重量を検知する重量検知装置と、
    前記底面加熱装置および前記上面加熱装置を制御する制御装置と、
    前記被加熱物の「厚さ」を設定する厚さ設定操作部と、
    設定された「厚さ」に対応する重量上限値が複数記憶された第二記憶部と、を備え、
    前記蓋体が閉じられた状態において、
    前記底プレートと前記凹部とで囲まれ、前記被加熱物が収容される加熱室が内部に形成されるものであり、
    前記制御装置は、
    前記重量検知装置で検知された前記被加熱物の重量から前記底面加熱装置および前記上面加熱装置への通電をOFFするタイミングを決定するものであり、
    前記重量検知装置で検知された前記被加熱物の加熱前の重量が、設定された「厚さ」に対応した前記重量上限値を超えていたら、前記被加熱物の加熱前の重量と前記重量上限値との差分により具材重量を演算し、該具材重量に基づいて増加時間を演算し、前記上面加熱装置への通電をOFFするタイミングを、前記底面加熱装置への通電をOFFしてから前記増加時間が経過した後とするものである
    加熱調理器。
  3. 前記制御装置は、
    前記重量検知装置で検知された前記被加熱物の加熱前の重量に基づいて、前記上面加熱装置への通電電力または通電時間を変更するものである
    請求項1または2に記載の加熱調理器。
  4. 前記重量検知装置を複数備えた
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の加熱調理器。
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