JP2020062122A - 加熱調理器 - Google Patents

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智也 蜷川
Tomoya Ninagawa
智也 蜷川
秀樹 ▲吉▼川
秀樹 ▲吉▼川
Hideki Yoshikawa
幸男 川田
Yukio Kawada
幸男 川田
毅 齊藤
Takeshi Saito
毅 齊藤
杉山 直也
Naoya Sugiyama
直也 杉山
佳寛 ▲高▼橋
佳寛 ▲高▼橋
Yoshihiro Takahashi
大聡 伊藤
Hiroaki Ito
大聡 伊藤
利弘 齋藤
Toshihiro Saito
利弘 齋藤
明日香 入山
Asuka Iriyama
明日香 入山
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Abstract

【課題】狭い閉鎖空間の中を加熱して、被調理物保有の水分の拡散を防止しながら、被調理物を焼き上げることができる加熱調理器を提供する。【解決手段】本体と、この本体に重なり合う開閉自在の蓋体とを備え、本体には、食パン等の固形物である被調理物を水平、斜め、又は垂直の何れか状態に載置するために、非通気性構造物によって周囲を囲んだ加熱調理室と、この加熱調理室を構成する少なくとも対向する2つの壁面を、外部から加熱する加熱する加熱装置とを備え、加熱調理室の内部には、被調理物の載置位置を規制し、加熱調理室の内側壁面と被調理物との対向間隔を確保する、被調理物側に突出する規制体を備えている。また垂直方向に被調理物を取り出す加熱調理室は、収容したときに被調理物上部が突出するような深さであり、その突出部は、蓋体を閉めた際に、蓋体側に形成した凹部の中に収容し、加熱する構成である。【選択図】図3

Description

本発明は、食パンなどの固形物の食材を加熱する加熱調理器に関するものである。
従来において、食パンの加熱に適するとされる加熱調理器は、大きく分けて2種理ある。
第1の種類の加熱調理器は、オーブントースターと呼ばれており、熱源として、石英管、ハロゲン、カーボンなどで構成された棒状のヒーターが加熱調理室の上下に水平に配置され、上下のヒーター間には、食パン等を載せるための調理網が配置された構成となっている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。また、基本的な構成は同じであるが、サンドイッチトースターと呼ばれる加熱調理器も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
そして、特許文献1〜3に示すようなオーブントースターでは、上下ヒーターの輻射熱により、調理網の上に載置された食パンを加熱する。
第2の種類の加熱調理器は、縦型トースターと呼ばれており、上下方向に長い空洞を設け、その空洞の両側には、その空洞の中に入れた食パン(平板状にスライスしたパン)等の被調理物を、両側から加熱するためのヒーターを配置している(例えば、特許文献4及び5参照)。
この縦型トースターの中には、加熱調理終了時に自動的に前記被調理物を、前記空洞の中で上昇させ、使用者が被調理物を取り出しやすいように配慮したポップアップ式トースターと呼ばれるものもある(例えば、特許文献6参照)。
特許第1422823号公報 特開2002−300970号公報 実開平4−36936号公報 特開2005−323909号公報 特開平6−217889号公報 特開2002−85267号公報
特許文献1〜3のような従来のオーブントースターは、食パンと加熱源との距離が大きく、食パンの周囲にある空気を介して、加熱源からの輻射熱のみによって食パンを加熱することになるため、食パン内部の水分が抜けやすく、食パン全体が乾燥したトーストになってしまうという課題があった。また、食パンの容積に比較して遥かに大きな容積の調理室(加熱庫)の中の雰囲気温度を上げて、その熱気温度も利用して食パンを加熱する方式であり、調理網に対向した部分は焼き色を付けにくく、トーストに焼きムラが出やすいという課題があった。
また、特許文献4〜6のような従来の縦型トースターにおいては、上記オーブントースターに比較して近い距離から、輻射熱のみによって食パンを加熱する。しかしながら、このような縦型トースターにおいても、その食パンを収容している複数の空洞同士は空気の流れが可能なように互いに連通しており、狭い空間を加熱する形態ではない。そのため、食パン内部の水分が抜けやすく、食パン全体が乾燥したトーストになってしまうという課題があった。
この発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、被調理物が食パンである場合、食パン内部の水分が保たれ、かつ、焼きムラの少ないトーストに焼き上げることができる加熱調理器を提供することを目的としている
本発明に係る第1の発明の加熱調理器は、加熱調理器本体と、前記加熱調理器本体に支持機構を介して回動自在に支持された蓋体と、を備え、前記蓋体を閉じた状態では、前記加熱調理器本体と前記蓋体との間に外部と遮断された加熱調理室が区画形成され、前記加熱調理器本体には、被調理物を水平に載置できる水平方向に伸びた非通気性構造物である第1のプレートと、前記第1のプレートを、その外側から加熱する第1加熱装置とを備え、前記蓋体には、前記被調理物を挟んで前記第1のプレートと反対側にあって、当該被調理物と空隙を置いて対面する非通気性構造物である第2のプレートと、前記第2のプレートをその上方から加熱する第2加熱装置とを有し、前記加熱調理室の内部には、前記第1のプレート上における前記被調理物の載置位置を規制するために、前記支持機構側に行くに従って高くなる傾斜面又は前記第2のプレート側に突出する規制体の、少なくとも何れか一方を設けたことを特徴とする構成である。
本発明に係る第2の発明の加熱調理器は、加熱調理器本体と、前記加熱調理器本体に支持機構を介して回動自在に支持された蓋体と、を備え、前記蓋体を閉じた状態では、前記加熱調理器本体と前記蓋体との間に外部と遮断された加熱調理室が区画形成され、前記加熱調理器本体には、被調理物が斜めに載置される、当該被調理物に接触状態で熱を伝えるための非通気性構造物である第1のプレートと、前記第1のプレートをその下側から加熱する第1加熱装置と、を備え、前記蓋体には、前記被調理物を挟んで前記第1のプレートと反対側にあって、当該被調理物と空隙を置いて対面する非通気性構造物である第2のプレートと、前記第2のプレートをその上方から加熱する第2加熱装置と、を有し、前記蓋体は、前記支持機構を中心に垂直位置から前記加熱調理器本体と離れる方向に回動する構成であり、前記第1のプレートと第2のプレートの間に被調理物を斜めに置いて加熱する場合において、前記加熱調理室の下部において被調理物の端面と前記加熱調理室の内側壁面との間に空隙を確保し、当該被調理物の載置位置を規制する規制体を設けたことを特徴とする構成である。
本発明に係る第3の発明の加熱調理器は、加熱調理器本体と、前記加熱調理器本体に支持機構によって回動自在に支持された蓋体と、を有し、前記加熱調理器本体には、上下方向に伸びる非通気性構造物である第1の加熱面を備えた第1のプレートを有し、前記蓋体には上下方向に伸びる非通気性構造物である第2の加熱面を備えた第2のプレートを有し、前記蓋体を閉じた状態にしたときには、前記第1の加熱面と前記第2の加熱面とが、被調理物を収容できる対向間隔を置いて向い合う第1の状態となり、また、前記蓋体を回動させて開放させた状態にしたときには、前記第1の加熱面の上部が露出した第2の状態となるものであり、前記加熱調理器本体には、前記第1の加熱面と第2の加熱面が前記第1の状態になっている期間中、当該第1の加熱面と第2の加熱面に対して加熱用電力をそれぞれ供給する制御装置と、を具備したことを特徴とする構成である。
本発明に係る第4の発明の加熱調理器は、加熱調理器本体と、前記加熱調理器本体に支持機構を介して回動自在に支持される蓋体と、を備え、前記加熱調理器本体には、上面に被調理物を挿入できる第1の開口を設けた上下方向に細長い第1凹部を設け、前記蓋体には、下面に前記被調理物を挿入できる第2の開口を設けた第2凹部を設け、前記第1凹部には、被調理物の第1の側面に近接して当該被調理物に熱を伝えるための、非通気性構造物である第1の加熱面と、前記第1の側面と反対側にある第2の側面に近接して当該第2の側面を加熱するための、非通気性構造物である第2の加熱面と、を備え、前記蓋体を閉じた状態では、前記第1凹部と前記第2凹部が、前記第1の開口と前記第2の開口とを介して連通した状態となり、かつ当該第1凹部と前記第2凹部の間に、外部と遮蔽された一連の加熱調理室が形成され、前記加熱調理室の第1の加熱面と第2の加熱面との間に、前記被調理物を垂直状態に置く場合に、前記加熱調理室の内部における前記被調理物の位置を規制する規制体を設けたことを特徴とする構成である。
本発明に係る第5の発明の加熱調理器は、
加熱調理器本体と、前記加熱調理器本体に支持機構を介して回動自在に支持される蓋体と、を備え、前記加熱調理器本体には、上面に被調理物を挿入できる第1の開口を設けた上下方向に細長い第1凹部を設け、前記蓋体には、下面に前記被調理物を挿入できる第2の開口を設けた第2凹部を設け、前記第2凹部には、被調理物の第1の側面に近接して当該被調理物に熱を伝えるための非通気性構造物である第1の加熱面と、前記第1の側面と反対側にある第2の側面に近接して当該第2の側面を加熱するための非通気性構造物である第2の加熱面とを備え、前記蓋体を閉じた状態では、前記第1凹部と前記第2凹部が、前記第1の開口と前記第2の開口とを介して連通した状態となり、かつ当該上部凹部と下部凹部の間に、外部と遮蔽された一連の加熱調理室が形成され、前記第1凹部の垂直方向の深さよりも前記蓋体を閉じた状態における前記第2凹部の垂直方向の深さを小さく形成し、かつ前記蓋体を閉じた状態では、前記蓋体の前記第1の開口周囲と、前記第2の開口の周囲とにおいて空気の流通を阻止するシール構造を備えたことを特徴とする構成である。
本発明に係る加熱調理器によれば、被調理物が食パンである場合、食パンの内部の水分が保たれた状態に焼き上げることができる。
本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の外観を示す正面図である。 本発明の実施の形態1に係る加熱調理器を、蓋体を開放した状態で示した斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の縦断面図である。 図1の加熱調理器の蓋体を少し開放した状態で示した縦断面図である。 図1の加熱調理器の蓋体を、最大限度の略垂直位置まで開放した状態で示した縦断面図である。 図1の加熱調理器の支持機構を示した要部拡大断面図である。 図1の加熱調理器の保持部材の凸部の形状を拡大して示した説明図1である。 図1の加熱調理器の保持部材の凸部の形状を拡大して示した説明図2である。 本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の縦断面模式図である。 本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の第1のプレート(底プレート)の平面図である。 本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の機能ブロック図である。 図1の加熱調理器において、角型食パンが載置された第1のプレートを平面視した模式図である。 図1の加熱調理器において、山型食パンが載置された第1のプレートを平面視した模式図である。 図1の加熱調理器において、通電範囲切替装置の回路構成を示す図である。 図1の加熱調理器において、角型食パンが載置された第1のプレートを平面視した別の例の模式図である。 本発明の実施の形態2に係る加熱調理器を、蓋体を閉じた状態で示した縦断面図である。 本発明の実施の形態3に係る加熱調理器を、蓋体を閉じた状態で示した縦断面図である。 本発明の実施の形態4に係る加熱調理器を、蓋体を閉じた状態で示した縦断面図である。 本発明の実施の形態4に係る加熱調理器を、蓋体を開けた状態で示した縦断面図である。 本発明の実施の形態4に係る加熱調理器の機能ブロック図である。 本発明の実施の形態5に係る加熱調理器を、蓋体を閉じた状態で示した縦断面図である。 本発明の実施の形態5に係る加熱調理器を、蓋体を開けた状態で示した縦断面図である。 本発明の実施の形態5に係る加熱調理器の加熱調理室の主要部を、前方側から見た縦断面模式図。 本発明の実施の形態5おいて、下ケースの前方側垂直面に対応する面状ヒーターを平面視した模式図である。 本発明の実施の形態6に係る加熱調理器を、蓋体を閉じた状態で示した縦断面図である。 本発明の実施の形態7に係る加熱調理器を、蓋体を閉じた状態で示した縦断面図である。 本発明の実施の形態7に係る被調理物の保持体の斜視図である。 本発明の実施の形態8に係る加熱調理器を、蓋体を閉じた状態で示した縦断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
実施の形態1.
(基本的構造)
先ず、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の基本的構成を図1〜図5に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の外観を示す正面図である。図2は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器を、蓋体を開放した状態で示した斜視図である。図3は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の縦断面図である。図4は、同じく実施の形態1の加熱調理器であって、蓋体を途中まで開放させた状態を示した縦断面概略図である。図5は、図1の加熱調理器の蓋体を、最大限度の略垂直位置まで開放した状態で示した縦断面図である。
図1〜図5に示すように、本実施の形態1に係る加熱調理器100は、加熱調理器本体1と、加熱調理器本体1の後面(背面)側に設けられたヒンジ部19を介して、加熱調理器本体1の上部に、開閉自在に取り付けられた蓋体2と、を備えている。
図1に示している通り、加熱調理器本体10に対して蓋体2が開放する(上下の)境界線PLは、加熱調理器の最大高さ寸法Hmax(図9参照)の中央よりも少し下の位置にある。図1に矢印で「上」と示している方向が上方向である。逆に矢印で「下」と示した方向が下方向である。前記境界線PLは、後述する第1の重合面P1と、第2の重合面P2の中間にある。
加熱調理器本体1の内部は、薄い金属板から形成された遮蔽板10によって、上部空間と下部空間とに区切られている。上部空間には、第1のプレートとなる加熱プレート(「底プレート」と呼ぶ場合もある)11と、底面加熱装置12と、断熱部材13と、ヒーター押え板14と、第1の温度検知部15とが設けられている。下部空間には、操作部16の操作基板17と、制御装置90と、コードリール91と、が設けられている。
蓋体2は、プラスチック材料によって外郭となる蓋体ケース20Aが一体に形成されている。
前記蓋体20の内部には、金属の薄い板をプレス加工して全体が一体に形成された内筐体20と、この内筐体20の上部に形成した凹み部20Aの下方を閉鎖している第2のプレート28と、上面加熱装置21と、断熱部材22と、金属製のヒーター押え板23と、金属製の遮蔽板24と、弾力性に富む材料、例えばシリコンゴムから形成されたシール部材25と、が設けられている。蓋体2の外面には、持ち手部26が設けられている。
前記持ち手部26は、蓋体2の前方側を持ち上げる際にユーザー(使用者)が指先を掛け、あるいは摘まむために便利なように設けている。
前記第2のプレート28は、その全体が1枚の金属薄板から形成されており、この実施の形態1では、熱伝導性が良い材料という観点で、アルミニウムやアルミニウムのメッキ鋼板を使用している。なお、熱放射性を増大させるために、耐熱性が高く、放射率の高い塗料によって第2のプレート28の下面を塗装しても良く、この塗装は、第2のプレート28の上面に施してもよい。
図2に示しているように、加熱調理器本体1の前方側に操作部16があり、反対に後方側に前記ヒンジ部19(図3参照)が配置されている。このため、前記蓋体2は、図3に示すように後方側が前記ヒンジ部19で回動自在に支持されたまま加熱調理器本体1の真上に垂直状態となるまで開放できる(図5参照)。なお、垂直状態を超えて後方にある程度(例えば10度)だけ傾いた状態になっても良く、その状態でも加熱調理器本体1は、その自重によって蓋体2を支えることができ、後方に転倒しない。
図2に矢印で「前」と示している方向が加熱調理器100の前方向である。逆に矢印で「後」と示した方向が後方である。同じように「右」という矢印方向が右側方向を示し、「左」は左側方向を示している。以下の説明でも、この前後・左右方向の定義に則り、本発明の加熱調理器100を説明する。
図2に示すように、加熱調理器100は、前記第1のプレート11を有する加熱調理器本体1と、前記上面加熱装置21を内蔵した蓋体2とを、備えている。
加熱調理器本体10の上面には、前記第1のプレート11の前後左右を囲った第1の重合面P1を有し、また前記蓋体2の下面には、前記内筐体20の前後左右を囲った第2の重合面P2を有している構成である。
前記蓋体2を完全に閉じると、蓋体2が前記加熱調理器本体1の上面を覆うように重なった状態となる。図3に示しているように、前記第1の重合面P1と前記第2の重合面P2が「微小間隙」を挟んで向かい合った状態になる。つまり、前記第1の重合面P1と前記第2の重合面P2が近接した位置になり、後述する第1のプレート11と第2のプレート28との間で形成される空間が加熱調理室31となる。
そして、加熱調理室31は、外部と遮断された状態になる。なお、ここでいう「外部と遮断された状態」とは、空気の移動を全く許容しないような気密状態を意味するものではなく、積極的に空気を流通させない程度をいう。加熱調理室31の内部が高温度になって内部の空気の体積が膨張した場合、それに伴って加熱調理室31内部の空気が自然に外部へ漏れ出る程度は、こでいう「外部と遮断された状態」である。なお、上記「微小間隙」は、この実施の形態1では3mm以下である。また以下の説明では、「密封状態の空間(加熱室)」と「外部と遮断された状態の空間(加熱調理室)」という意味は、特に断りがない限り、同じである。
図4において、WPは、前記第1の重合面P1の幅寸法を示している。この第1の重合面P1では、前後・左右の全てにおいて、少なくとも10mm以上(この実施の形態1では、20mm)の幅寸法WPを有している。
また、第2の重合面P2の幅寸法WPも、前記第1の重合面P1の幅寸法WPと同じである。つまり、蓋体2と加熱調理器本体1は、蓋体2を閉じた場合、少なくとも幅寸法20mmの範囲にわたり、「微小間隙」を挟んで向かい合った状態になる。
図2において、110は、後述する加熱調理室31の内部の後方部に着脱自在に設置された規制体である。この規制体は、例えば耐熱性のプラスチックや薄い金属板等から形成されている。この規制体110は、食パン等の被調理物30の後方の位置を規制するために設けた部品である。つまり、この規制体110よりも後方に被調理物30が置かれないように設けたものである。
図3において、20Fは、前記内筐体20の前方側壁面を示す。また20Bは、前記内筐体20の前方壁面を示す。
前記加熱調理室31は、前記前方壁面20Fと、後方壁面20Bと、右側方壁面20R(図示せず)と左側方壁面20L(図示せず)とによって前後左右が構成され、また平坦な第2のプレート28の下面によって天井面が形成されている。この下面(天井面)は前述したように「第2の加熱面」28Uとなる。
図3において、GPは、加熱調理室31の中に被調理物30を横にして置いた際に、前記規制体110によって被調理物30の後方端面と後方壁面20Bとの間に確保される空隙であり、数mm〜20mm程度の範囲になるように、前記規制体110の設置位置を決めている。
図3と図4において、前記遮蔽板(遮熱板)10は、下部空間に配置した操作基板17、制御装置90、及びコードリール91等が、高温にならないように保護するためのものである。遮蔽板10は、例えば反射率が高く、耐熱温度も高いアルミニウムのメッキ鋼板が好適である。
前記第1のプレート11は、加熱調理器本体1の上面に設けられ、食パンなどの被調理物30が載置されるものである。この第1のプレート11は、アルミニウムなどの熱伝導性の高い金属製の板材を、プレス成形して形成している。第1のプレート11の表面は、平坦でもよいし、細かい凹凸のある形態でもよい。第1のプレート11の構成については、図9と図10を参照しながら、あとで詳しく説明する。
また、第1のプレート11には、耐熱性が高く、放射率の高い塗料がコーティングされている。塗料は、例えばシリコーン系又はフッ素系の耐熱塗料である。塗料は、セラミック塗料でもよい。
底面加熱装置12は、第1のプレート11の下面側に密着状態又は近接状態に設けられている。底面加熱装置12は、第1のプレート11を、その下方から加熱する。このため、第1のプレート11の上面(「第1の加熱面」ともいう)11Uに直接接触する被調理物30は、第1のプレート11の第1の加熱面11Uからの熱伝導により、下方から加熱される。言い換えると、被調理物30が食パンであった場合、その食パンの下面(「第1の側面」ともいう)30Uは、第1のプレート11の上面、すなわち第1の加熱面11Uからの伝導熱で加熱される。
底面加熱装置12は、例えば面状ヒーターであり、加熱調理器本体1の上部内壁面に固定されたヒーター押え板14によって下方から支持されている。底面加熱装置12とヒーター押え板14との間には、例えばガラスウール等の断熱部材13が設けられている。
底面加熱装置12の面状ヒーターとしては、マイカ板に電熱体を巻いた面状ヒーター、又は電熱体をセラミックで挟んで形成したセラミックヒーターなどがある。面状ヒーターの形態で構成した底面加熱装置12は、加熱調理器本体1を小型化することができるとともに、被調理物30の均一加熱が可能となるため、焼きムラを少なくすることができる。
底面加熱装置12が第1のプレート11を真下から直接加熱する範囲は、被調理物30を載せることができる範囲と同程度である。詳しくは、図9と図10を参照して後で詳しく説明する。
また、底面加熱装置12と第1のプレート11の間には、底面加熱装置12の熱効率を上げ、加熱効率を上げることができるように、黒鉛シートを設けてもよい。
図3と図4において、前記第1の温度検知部15は、第1のプレート11の下面側にあって、頂部にある熱感知部が第1のプレート11の下面に密着している。このため、第1のプレート11の温度変化を迅速に検知することができるものである。この第1の温度検知部15は、例えばサーミスタなどの接触式の温度センサーである。第1の温度検知部15は、バネ等の弾性体で第1のプレート11の下面に押しつけられている。第1のプレート11に対する接触圧を一定とし、正確に加熱温度を検知するためである。
操作部16は、加熱調理動作に関するユーザーからの入力指令を受け付けるものである。操作部16は、図2に示すように、加熱調理器本体1の前面に設けられ、モード切替ボタン16aと、焼き色調整ダイヤル16bと、調理開始ボタン16cと、食パン等の被調理物30のサイズ設定操作部16dと、を備えている。また、操作部16は、ユーザーの操作により調理条件の設定が行われる。
モード切替ボタン16aは、使用者が「加熱モード」を設定するものである。ここで、「加熱モード」には、例えば「常温パン」、「フレンチトースト」、「具材のせパン」、「冷凍パン」などがあり、調理する被調理物30の種類に応じて設定される。
モード切替ボタン16aを操作ことによって、「常温パン」、「フレンチトースト」、「具材のせパン」、「冷凍パン」の何れか1つを特定する信号(以下、「モード設定信号」という)が、後述する制御装置90に入力される。
ここで、「常温パン」とは、常温で保存された状態の食パンである。
「フレンチトースト」とは、食パン内部に溶き卵、牛乳などの単一の液体または複数の食材を混合した液体をしみこませた後、加熱して仕上げる料理である。なお、必ずしも液体をパンの中心まで浸み込ませる必要はなく、一部でもよい。また、浸み込ませる液体の量も問わないが、加熱前の水分量は加熱前のパン単体よりも多くなる。
「具材のせパン」とは、食パンの上にチーズなどパン以外の具材がのせられたものである。なお、具材については、マヨネーズなどの調味料、野菜、肉、魚、果物などでもよく、または、それらを複数組み合わせたものでもよい。
「冷凍パン」とは、冷凍庫内で保存され、凍った状態の食パンである。なお、冷凍庫内での保管方法、保管期間などは問わない。
また、焼き色調整ダイヤル16bは、ユーザーが被調理物30の「焼き色」を設定するものである。焼き色調整ダイヤル16bを回すことによって、「濃い」、「普通」、「薄い」の3種類の内から、何れか1つをユーザーが任意に選択できる。選択した場合、「焼き色」を特定する信号(以下、「焼き色設定信号」という)が、後述する制御装置90に入力される。
ユーザーが、前記サイズ設定操作部16dを操作することにとって、加熱調理する食パンのサイズを選択することができる。ここでいう「サイズ」には、「山型食パン」、「角型食パン」などがあり、これらの食パンの外形形状によって、調理する被調理物30のサイズを選択するものである。サイズ設定操作部16dを操作することによって、食パンのサイズを選択した結果を特定する信号(以下、「サイズ設定信号」という)が、後述する制御装置90に入力される。
一般的には「サイズ」と呼ぶ場合には、食パンの大きさを意味するが、この実施の形態1では、食パンのタイプ(山型、角型・・)を選択することによって、必然的にその食パンの大きさが定まるという前提のもので、「サイズ」という用語を用いている。
図1に示している調理開始ボタン16cは、加熱調理器100による調理を開始させるものである。押し釦式又はタッチ入力式スイッチ等によって構成されており、ユーザーが調理開始を意図して特定の操作をした場合、調理開始を特定する信号(「調理開始設定信号」ともいう)が、後述する制御装置90に入力される。
図3と図4において、操作基板17は、加熱調理器本体1の内部の前面側に設けられている。つまり、前記操作部16の設置位置の真後ろに配置されている。
前記操作基板17は、操作部16から入力された信号を処理するための回路が実装されたものであり、上記の「モード設定信号」、「焼き色設定信号」、「サイズ設定信号」及び「調理開始設定信号」を、それぞれ処理した後、制御装置90に出力するものである。
制御装置90は、前記操作部16の設置位置に対応して、加熱調理器本体1の内部に設けられ、操作部16からの入力、つまり、ユーザーにより設定された「加熱モード」、「焼き色」、および、「サイズ」に基づく「モード設定信号」、「焼き色設定信号」、「サイズ設定信号」を受信して、電源基板114(図11参照)に対して制御信号を出力するものである。制御装置90は、その機能を実現する回路デバイスのようなハードウェアで構成することもできるし、マイコンなどの演算装置とその動作を規定するソフトウェアで構成することもできる。
前記電源基板114には、商用交流電源ACからの電力を高周波電力に変換して底面加熱装置12および上面加熱装置21に供給するための回路が実装されている。電源基板114は、インバーター回路を構成するスイッチング素子などの多数の電気部品や電子部品を実装している。
図3と図4において、91は、コードリールであり、商用交流電源ACと接続する電源コードを巻き取るものである。コードリール91は、加熱調理器本体1の内部の背面側に設けられている。コードリール91は、加熱調理器100を運ぶ際に電源コードが邪魔にならないようにするために設けられている。
前記コードリール91は、蓋体2を開いた際に加熱調理器本体1が転倒しないように、重心位置を考慮し、適切な位置に配置されている。なお、コードリール91に代えてマグネットプラグを設けて電源コードを接続する構成、又はコードリール91を設けることなく電源コードのみで構成してよい。
図3と図4に示しているように、加熱調理器本体1の上面に露出するように、上枠18が設けられている。この上枠18には、第1のプレート11の後方で前記ヒンジ部19に近い位置と、前方側位置には、蓋体2の天井面に向かって立ち上がる突出壁18Aが、それぞれ設けられている。
上枠18の突出壁18Aと加熱調理器本体1の背面との間に形成された空間に、ヒンジ部19が設けられている。ヒンジ部19の回動中心軸は、加熱調理器本体1の左右方向に沿って延びる鋼製の丸棒材で構成されている。
19Cは、前記ヒンジ部19の外殻を構成するヒンジケースであり、金属等の剛性に富む材料で形成され、前記蓋体2の後部の真下に配置され、加熱調理器本体1の後部に固定されている。
前記上枠18は、前記加熱調理室31の全周囲を囲む目的で設置されたものであり、平面形状がリング(額縁)状である。この上枠18の上面は、蓋体2が閉じた状態で、当該蓋体2の下面と対面する。上枠18は、耐熱性を有するプラスチック材料によって全体が一体に構成されている。
蓋体2は、ヒンジ部19を介して加熱調理器本体1に回動自在に取り付けられている。蓋体2は、内部の中央部分が上方に向かって凹み、前記内筐体20を有している。
内筐体20は、例えばアルミメッキ鋼板を絞り加工(プレス加工)して形成されている。内筐体20には、耐熱性が高く、放射率の高い塗料が塗装されている。塗料は、例えばセラミック塗料、又はシリコーン系若しくはフッ素系の耐熱塗料である。内筐体20の塗装は、内面側にのみ施してもよいし、内面及び外面の両面に施してもよい。
蓋体2は、内筐体20が接触する部分を耐熱温度の高い樹脂で形成することが望ましい。耐熱温度の高い樹脂とは、例えばフェノール、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂又はナイロン等である。
図3と図4から明らかなように、加熱調理室31は、蓋体2の内筐体20によって形成されている。つまり、蓋体2を開放することで第1のプレート11は、その上方と前後・左右の方向が開放されるから、ユーザーは、第1のプレート11の上面(第1の加熱面)11Uに載置した被調理物30を取り出し易い。
上面加熱装置21は、内筐体20の上壁面(天井面)20Uの下方に水平に設置されており、加熱調理室31の天井面となる第2のプレート28を、上方から加熱するものである。
蓋体2を閉じた状態で、被調理物30の上面(「第2の側面」と呼ぶ場合がある)30Tが対面する第2のプレート28の下面は、第2の加熱面28Uとして機能する。つまり、第2のプレート28の下面からの輻射熱により被調理物30の上面(第2の側面)30Tを上方から加熱する。
上面加熱装置21は、例えば底面加熱装置12と同様の面状ヒーターであり、加熱調理器本体1の内壁面に固定されたヒーター押え板23によって上面の周縁部が、上方から押えつけられて固定されている。
上面加熱装置21とヒーター押え板23との間には、例えばガラスウール等の断熱部材22が設けられている。面状ヒーターとしては、マイカ板に電熱体を巻いた面状ヒーター、又は電熱体をセラミックで挟んで形成したセラミックヒーターなどがある。面状ヒーターで成る底面加熱装置12は、加熱調理器本体1を小型化することができるとともに、被調理物30の均一加熱が可能となるため、焼きムラを少なくすることができる。
上面加熱装置21を設置する範囲は、加熱調理室31に収容される被調理物30の平面的な寸法と同程度である。例えば、スライスされた食パンの大きさが、縦125mm、横125mmであった場合、上面加熱装置21を設置する範囲は、平面的に見て、前後方向に120mm程度、左右方向に120mm程度で良いし、これよりも大きくても良い。
上面加熱装置21は、第2のプレート28の上面と対応する範囲に黒鉛シートを設けてもよい。黒鉛シートによって、上面加熱装置21の熱効率が上がり、加熱効率を上げることができるからである。
遮蔽板24は、ヒーター押え板23の上方に配置され、上面加熱装置21によって蓋体2の天面が高温にならないように保護するために設けられている。遮蔽板24は、例えば反射率が高く、耐熱温度も高いアルミメッキ鋼板が好適である。
25は、シール部材であり、内筐体20の前後・左右の側壁面の下端に沿って設けられている。つまり、シール部材25は、蓋体2が閉じられた状態において、蓋体2の自重により加熱プレート11の周縁部と密着し、密閉度の高い加熱調理室31を形成するために設けられている。シール部材は、例えば全体が1つのリング状に一体に形成されている。
シール部材25は、例えばシリコーン又はフッ素ゴム等の耐熱性と弾力性のある材料で形成されている。なお、シール部材25と加熱プレート11の周縁部とは、例えばラッチ機構のように機械的に蓋体2を閉じる構成で密着させてもよい。つまり、加熱調理室31の気密性を上げるために、引っ張りバネ(図示せず)等の機械的手段によって加熱調理器本体1側へ蓋体2を引っ張る構成にしても良い。
持ち手部26は、蓋体2の前面側の外面に前方へ向かって突出して設けられ、使用者が蓋体2を回動操作する際に掴むものである。
図4において、111は、前記規制体110の下端部が着脱自在に挿入される支持部材であり、加熱プレート11とヒーター押え板14を上下に貫通するように、前記遮蔽板10の上面に固定してある。
図5に示すように、前記規制体110は、支持部材111から引き抜くことができる。規制体110は、加熱調理器100の非使用時、例えば加熱調理室31を清掃する場合に、引き抜いて洗浄することができる。
図3において、112は、前記第1の温度検知部15と同様な第2の温度検出部であり、内筐体20の外側に設置されている。すなわち、第2の温度検出部112は、第2のプレート28の上方に配置された第1温度センサー112Aと、内筐体20の前方壁面20Fの外側に密着させている第2の温度センサー112Bとから構成されている。
113は、加熱調理器本体1の外殻を構成するプラスチック製の本体ケース1C底面に、一体に形成された脚部である。この脚部は、前後方向に離れて少なくとも2個所設けてあり、各々の脚部113は、左右方向に長い直線形状に設けられている。この脚部113は、加熱調理器100が食卓等の家具の上に置かれた場合、その家具上面に接触する部分となる。
次に蓋体2の内部における各種空隙、空間について説明する。
図3において、G1は、前記第1のプレート11の上に置かれた普通の大きさの食パンの後方端面と、後方壁面20Bとの間に形成される第1の空隙である。前述したが、食パンのサイズには、「山型食パン」、「角型食パン」などがあり、これらの食パン種類に応じて外形寸法は変化する。
そこで、通常の「山型食パン」や「角型食パン」を前記加熱プレート11の第1の加熱面11Uの上に置いた場合、前記第1の空隙G1が確保されるよう、加熱調理室31の平面的な大きさを設定している。
G2は、普通の大きさの食パンを収容した場合、その食パンの前方端面と、前方側にある前方壁面20Fとの間に形成される第2の空隙である。つまり、加熱調理室31の前後方向の有効長さは、普通の大きさの食パンを収容した場合、前方も後方も内筐体20と接触しないような寸法である。
同様に、図示はしていないが、加熱調理室31の左右方向の有効長さは、普通の大きさの食パンを収容した場合、内筐体20右側壁面20Rと左側壁面20Lの両方と、食パンの左右端面とが接触しないような寸法になっている。
前記第1の空隙G1と第2の空隙G2は、前記第1の加熱面11Uの周囲(前後・左右)にある傾斜部(傾斜面)11B(図9参照)の存在も関係しており、その傾斜部11Bの前後・左右方向の寸法を大きく確保すれば、それら第1、第2の空隙G1、G2も大きくなる。
図3において、45は、前記第1のプレート11の全周囲を囲むように形成された平面形状がリング(額縁)状の支持枠であり、耐熱性のプラスチックで全体が形成されている。この支持枠45の上面は、全体に亘り面一に形成されており、この上面は、前記蓋体2の第2の重合面P2と微小間隙を挟んで対面する第1の重合面P1となる。
前記上枠18は、前記支持枠45の周囲を囲むように設置されている。上枠18の上面と指示枠45の上面は、同じ水平面を構成するように上面高さが合致している。
図3と図4において、29は、蓋体2の下面全周縁に及ぶような額縁状の蓋枠であり、全体が耐熱性のプラスチックで一体に形成されている。
蓋体2を閉じた状態で、前記蓋枠29が、前記上枠18と支持枠45の上面に対面する。
29Aは、蓋枠29の全周にわたって形成した凸壁であり、前記内筐体20の周囲において上方に大きく突出している。その突出量は、内筐体20の高さの半分を超える程度である。
図3において、G3は、前記蓋枠29と、蓋体2の前方側の側壁との間に形成される第3の空隙である。G4は、同じく前記蓋枠29と蓋体2の後方側の側壁との間に形成される第4の空隙である。また図示していないが、蓋枠29の右側方と左側方も、それぞれ蓋体2の側壁面との間に空隙を有しているため、結局、蓋枠29の全周囲で蓋体2の側壁面との間に空隙がある。しかも、それら空隙は、空気の自然な流通を許容できる程度に連通しており、局部的に高温の熱気が滞留することを防止している。
図3において、G5は、前記蓋枠29に形成された垂直状態の壁面端面と、前記内筐体20の前後・左右の側壁面20F、20B、20L、20Rとの間に形成される第5の空隙である。
前記第5の空隙G5と前記第3及び第4の空隙G3、G4によって、加熱調理室31の周囲を形成する内筐体20は、前記蓋体2に対する断熱性を高めることができる。
図3において、G6は、前記ヒーター押え板23の上面と前記蓋体2の上壁面(天井壁面)との間に形成される第6の空隙である。この第6の空隙G6によって、ヒーター押え板23は、前記蓋体2に対する断熱性を高めることができる。なお、上面加熱装置21の上方に断熱部材22を水平方向に設置してあるため、ヒーター押え板23自体の温度も低く抑えられている。
図3において、H3は、前記上部加熱装置21の上面から前記蓋体2の上壁面(天井壁面)までの高さ寸法を示している。この実施の形態1では、H3は約30mmである。この高さ寸法H3は、上部加熱装置21からの高熱の影響で、前記蓋体2の上壁面が高温度にならないように、実験によって設定している。
以上の構成によって蓋体2が構成されている。
図3に示している通り、前記規制体110に、食パン等の被調理物30の後方端面が接触している場合には、前記第1の空隙G1は、前記規制体110の位置によって決まる。
この実施の形態1では、被調理物30を、第1のプレート11の上面、つまり第1の加熱面11Uの前後方向の中心部に置けるように、その第1の加熱面11Uの最も後方側の位置に、前記規制体110が配置されている。
図3に示すように、前記蓋体2の回動中心となるヒンジ部19の回動中心軸は、境界線PLよりも上方に位置している。この構成であるから、蓋体2を開閉する際に、加熱調理室31の後部最下端角部31Kは、蓋体2を開放するに伴って第1のプレート11から遠ざかる軌跡の円を描く。従って、被調理物30の後方端面が蓋体2の後部壁面まで接近した位置にあっても、蓋体2の開閉時にその被調理物30の後方端面と蓋体2とが接触することはない。
この実施の形態1の構成によれば、加熱調理室31の容積を小さく設計しても、蓋体2を閉じる際や開ける際に、被調理物30の後方端部と蓋体2が衝突したり、接触したりする不具合を防止できる。
上記構成の加熱調理器100において、蓋体2を回動させて加熱調理室31を開放した際に、開いた状態の蓋体2が自重で勝手に閉じてしまうと、加熱調理器本体1と蓋体2との間に使用者の手が挟まる虞がある。
また、蓋体2を回動させて加熱調理室31を開放した際に、蓋体2の重さで加熱調理器本体1が後方に転倒してしまう虞がある。
そこで、実施の形態1の加熱調理器100では、ヒンジ部19を回転軸として回動する蓋体2を、目標の回動位置で支持する支持機構3が設けられている。
図6は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の支持機構3を示した要部拡大断面図である。支持機構3は、図6に示すように、ヒンジ部19の外周面を被覆するように取り付けられ、ヒンジ部19の回動に連動して同一方向に回動する筒状の保持部材4と、保持部材4の回動を止めるロック機構部5と、を有している。
前記支持機構3は、上枠18と加熱調理器本体1の背面との間に形成された空間に設けられた支持台9の上面に設けられている。支持台9は、支持機構3を前後から挟んで固定するために、段差部9aが設けられている。
ヒンジ部19の回動軸部分には、円を直線で切り欠いたDカット部が形成されている。保持部材4は、内面をヒンジ部19のDカット部に適合する形状とすることで、ヒンジ部19の回転に連動して回動させることができる。なお、詳細に図示することは省略したが、ヒンジ部19にキー溝を形成し、保持部材4の内面をキー溝に嵌る形状としてもよい。また、ヒンジ部19と保持部材4とを、ネジ等の結合部材を使用して連結してもよい。
保持部材4の外面には、外方へ突き出す凸部40がヒンジ部19の周方向に沿って4つ設けられている。
凸部40は、保持部材4の外面のうち、ロック機構部5で回動を止められた保持部材4によって蓋体2が目標の回動位置で保持できる領域に設けられている。具体的には、凸部40は、蓋体2を略30度、略60度及び略90度で保持できる位置に設けられている。図示した実施の形態1では、凸部40を4つ設けた構成を示したが、これに限定されない。凸部40の個数及び位置は、蓋体2の大きさ又は重さ等に応じて、適宜変更して設けるものとする。
次に図7と図8について説明する。
図7と図8は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器100の蓋体2を保持部材する機構を示しており、保持部材4の凸部40の形状を拡大して示した説明図である。
凸部40は、図7及び図8に示すように、前面側から頂部に向かう傾斜面の傾斜角度θ1が、背面側から頂部に向かう傾斜面の傾斜角度θ2よりも小さくしている。図7に示すように、前面側から頂部に向かう傾斜面の傾斜角度θ1を小さくすることで、蓋体2を開ける際に、凸部40による負荷を軽減させて、蓋体2を開けやすくすることができる。
一方、図8に示すように、背面側から頂部に向かう傾斜面の傾斜角度θ2を大きくすることで、蓋体2が不用意に閉じたりする事態を防止することができる。なお、傾斜角度θ1は、一例として20度から30度程度である。また、傾斜角度θ2は、一例として45度から60度程度である。
ロック機構部5は、図6に示すように、隣接する凸部40と凸部40との間に嵌る固定部50と、固定部50を上下移動可能に支持し、固定部50を保持部材4に向かって押しつける付勢部材(圧縮ばね)51と、を有している。
付勢部材51によって保持部材4に押し付けられた固定部50が、隣接する凸部40と凸部40との間に嵌って、保持部材4の回動を止める構成である。なお、付勢部材51によって保持部材4の回動を止める力は、蓋体2が自重で閉じる方向に回動する力よりも大きいものとする。
固定部50は、隣接する凸部40と凸部40との間に嵌る突起部50aと、突起部50aの下部に設けられ、付勢部材51を納める収納部50bとで構成されている。付勢部材51は、例えば金属製のばね材から形成されており、上端部が収納部50bに取り付けられ、下端部が支持台9に取り付けられている。なお、付勢部材51は、図示した圧縮ばねに限定されず、ゴム材等の弾性部材でもよい。
実施の形態1の加熱調理器100は、蓋体2を閉じた状態から開いて、背面側に向かって上方に回動させると、図3に示すように最初の凸部40が突起部50aに突き当たる。
そして、突起部50aが付勢部材51によって付勢されつつ上下移動を繰り返して、途中の凸部40を順に乗り越えていき、図5に示すように、略90度回動させた位置で、ロック機構部5の固定部50が保持部材4の凸部40間に嵌まる。
付勢部材51で付勢された固定部50によって保持部材4が、その位置で固定されるので、ヒンジ部19もその位置で固定され、蓋体2の位置を保持することができる。なお、図5では、蓋体2を開いて90度の位置で保持した構成を説明したが、蓋体2を途中位置に設けた凸部40と凸部40との間に嵌め込むことで、例えば略30度又は略60度の位置で保持することができる。
蓋体2は、図5に示した開いた状態から、前面側に向かって下方に回動させると、凸部40が順番に突起部50aを乗り越えていき、図3に示すように最後の凸部40が突起部50aを乗り越えた時点で、自重により閉まる。
上記したように、実施の形態1の加熱調理器100は、ヒンジ部19の回動軸を中心にして回動する蓋体2を有し、この蓋体2を目標の回動位置で支持する支持機構3を備えている。
このため、広い加熱調理空間と密閉性を両立させた構造であっても、開いた蓋体2が自重で勝手に閉じたり、開いた角度の変化に起因して、蓋体2に重心位置の変化が起こって、加熱調理器本体1が転倒したりする事態を防止することができ、安全に且つ安心して使用できる。
また、支持機構3は、ヒンジ部19の外周面に取り付けられ、ヒンジ部19の回動に連動して同一方向に回動する保持部材4と、保持部材4の回動を止めるロック機構部5と、を有している。保持部材4は、外方へ向かって突き出し、ヒンジ部19の周方向に沿って間隔をあけて形成された複数の凸部40を有している。ロック機構部5は、隣接する凸部40間に嵌る固定部50と、固定部50を上下移動可能に支持し、固定部50を保持部材4に向かって押しつける付勢部材51と、を有している。よって、実施の形態1の加熱調理器100の支持機構3は、部材点数が少なく簡易な構造なので、製造コストを削減に寄与することができる。
また、凸部40は、蓋体2の回動範囲に対して、蓋体2を閉じた状態から30%回動させた位置に最初の頂部が設けられている。つまり、実施の形態1の加熱調理器100は、蓋体2を閉じる際に、凸部40の頂部が固定部50の突起部50aを乗り越えて、蓋体2がある程度閉じた時点で自重により閉まるので、利便性を高めることができる。
次に図9と図10について説明する。
前記第1のプレート11は、1枚の金属製薄板をプレス加工によって薄い皿形状にしたものであり、外周部を除いて大きな平面部11C(図10参照)を備えている。この平面部11Cの上面が前記第1の加熱面11Uとして機能する。
図9において、11Bは、前記第1の加熱面11Uの周囲(前後・左右)にある傾斜部(傾斜面)である。前記平面部11Cと傾斜部11Bは、一連に形成されている。
前記傾斜面11Bの角度は、第1のプレート11の外周側に向かって高くなるように仰角45度前後であるが、30度でも良いし、逆に75度のような急傾斜でも良い。但し、この実施の形態1では、平面部(第1の加熱面)11Cの前後・左右における傾斜面11Bの角度は、全て統一しており、45度である。
図9において、HAは、前記境界線PLを基準にして、前記第2の加熱面28Uまでの直線距離であり、この距離HAは、前記第1の加熱面11Uまでの距離HBよりも3倍以上もある。
図9において、DPは、前記境界線PLを基準にして、前記第1の加熱面11Uまでの直線距離である。つまり第1のプレート11の上面から第1の加熱面11Uまでの「深さ」を示しており、2mm〜10mmの範囲に設定されている。この「深さ」が大きいと、食パン等の被調理物30を収容したあと、その横方向への不用意な移動を防止できる利点がある。
しかし、境界線PLを基準にして前記第1の加熱面11Uまでの直線距離DPが大きすぎると、加熱調理後のトースト等を取り出す場合、通常6枚切りの食パンの厚さは約20mmであるので、トーストをユーザーが指先で掴みにくくなり、取り出し動作を損なう懸念もある。
図9において、28Uは、前記加熱調理室31の天井面でもある第2の加熱面であり、前述したように第2のプレート28の下面によって形成されている。
図9において、ALは、底面加熱装置12を構成する面状ヒーターの前後方向の長さを示している。実際には、前述したマイカ板の前後方向の最大長さに相当しており、このマイカ板の前後方向端部まで電熱帯があるので、電熱線で加熱される「加熱域」に相当する範囲を示している。
図9に示すように、第1の加熱面11Uの前後方向の長さよりも少し長い範囲まで、底面加熱装置12を構成する面状ヒーターが向かい合っているため、底面加熱装置12への通電によって、第1の加熱面11Uの前方端部から後方端部まで加熱される。
第1の加熱面11Uの左右方向についても、底面加熱装置12の面状ヒーターの横幅寸法が、第1の加熱面11Uの左右方向の長さ(横幅寸法)よりも少し大きいので、結局、第1の加熱面11Uの前後方向と左右方向の端部までも、底面加熱装置12の面状ヒーターで加熱できる。
図9において、BLは、前記上面加熱装置21を構成する面状ヒーターの前後方向の長さを示している。実際には、前述したマイカ板の前後方向の最大長さに相当しており、このマイカ板の前後方向端部まで電熱帯があるので、電熱線で加熱される「加熱域」に相当する範囲を示している。
図9に示すように、第2の加熱面28Uの前後方向の端部まで、上面加熱装置21を構成する面状ヒーターが存在しているため、上面加熱装置21への通電によって、第2の加熱面28Uの前方端部から後方端部まで加熱される。
第2の加熱面28Uの左右方向についても、上面加熱装置21の面状ヒーターの横幅寸法が少し大きいので、結局、第2の加熱面21Uの前後方向と左右方向の端部までも、上面加熱装置21の面状ヒーターで上方から加熱できる状態である。
本実施の形態1に係る加熱調理器100で調理される被調理物30は、主に食パンである。食パンには、食パンの材料を所定の型の中に入れて焼き上げる際に、その型の上に蓋をして、四角く仕上げた「角型」と、焼き上げる際に蓋をせずに仕上げた「山型」とがあり、それらの一般的なサイズは、角型食パンは横12cm×縦12cm、山型食パンは横12cm×縦16cm程度となっている。つまり、山型食パンは角形食パンよりも細長い形状である。
また、食パンの大きさは、日本では計量の単位として「一斤」が使用されている。そして一斤の食パンを、切る(スライスする)枚数によって厚さが異なっており、例えば4枚切りの厚さは約30mm/枚、6枚切りの厚さは約20mm/枚となっている。
加熱調理室31の縦横のサイズは、少なくとも山型の食パンのサイズよりも大きく、山型の食パンのサイズよりも20〜40mm程度大きい寸法が望ましい。加熱調理室31の縦横のサイズは、例えば横14cm×縦18cmである。これは、加熱調理室31内で第1のプレート11に載置された山型の食パンと、加熱調理室31の側壁(内筐体20の壁面20Bなど)とが接触しない寸法である。
前記第1のプレート11の第1の加熱面11Uの平面寸法は、「山型」の食パンの平面的な寸法(左右方向の横方向幅12cm、縦方向長さ16cm)よりも大きく設定されている。
また、加熱調理室31の高さは、少なくとも4枚切りの食パンよりも大きく、4枚切りの食パンに「具材」をのせても、第2の加熱面21Uに、当該「具材」が接触しない程度の寸法が望ましい。加熱調理室31の高さ寸法H2(図9参照)は、例えば45mmである。
例えば、第1のプレート11の上に、市販されている最も厚い4枚切り(厚さ約30mm)の食パンの上に、チーズなどの具材を厚さ10mm程度までのせた状態で蓋体2を閉めても、食パンの上の具材と加熱調理室31の天井面を構成する、上面加熱装置21とが接触しない寸法に設定してあり、食パンの上面(第2の側面)30Tから、第2の加熱面21Uが、数mm〜15mm程度離れた状態となる。
次に図10について説明する。
被調理物が載置される第1のプレート11は、平面形状が長方形である。これはこの加熱調理器100が対象としている被調理物30は、山型食パンも含むため、その山型食パンの一般的な形状である長方形に合わせてある。
図10において、W1は、山型食パンの縦方向(前後方向)寸法を示し、例えば約160mmである。L1は、その山型食パンの横幅(左右方向)寸法を示し、例えば約120mmである。
図10において、W4は、第1のプレート11の前後方向(縦方向)の寸法を示し、L4は、その第1のプレート11の最大横幅寸法を示すものである。
W2は、第1のプレート11の中で、前記食パン等が載せられる平面部11Cの縦方向寸法を示し、L2は、その最大横幅寸法を示すものである。
W3は、第1のプレート11の中で、前記平面部11Cの前後左右の周囲に形成された傾斜部11Bの縦方向寸法を示し、L3は、その最大横幅寸法を示すものである。傾斜部11Bは、例えば外周側に向けて仰角45度に形成してある。この傾斜部11Bは、前記平面部(第1の加熱面)11Cの前方、後方及び左右側方に、それぞれ同じ平面的な大きさで形成されている。言い換えると、平面部11Cの中心部Oを通る左右中心線HLと、前後中心線VLを基準に、前後・左右に対称的に形成してある。
W4は、第1のプレート11の中で、最大外形寸法となる前後方向の長さを示し、L4は、その最大横幅寸法を示すものである。
前記平面部11Cは、第1の加熱面11Uとして機能する。この第1の加熱面11Uは、前述した説明から明らかなように、金属製の板で全体が形成されており、非通気性構造であり、かつ水平に設置されている。
「非通気性構造」とは、金属製の網や多数の貫通孔が形成されたパンチングメタル等のような通気性を目的とした構造物ではないことをいう。
前記平面部11Cの平面的な大きさは、図10に示しているように最大縦方向(前後方向)寸法がW2、最大横幅(左右方向)寸法がL2であり、通常の各種トーストの平面的な大きさよりも大きい。つまり、この第1の加熱面11Uの平面的な大きさは、主な被調理物30である食パンの外形寸法よりも大きく形成されている。
因みに、平面部(第1の加熱面)11Cの縦方向寸法W2は、177mm、L2は127mmである。また、前記底面加熱装置12の定格消費電力は300Wであり、被調理物30を加熱することに寄与する実質的な面積で除した結果求められる「1平方センチメートル当たりの消費電力(1平方センチメートル当たりの「ワット密度」)は、1.3Wである。
前記境界線PLを基準にして、前記第2の加熱面28Uまでの距離HAは、前記第1の加熱面11Uまでの距離HBよりも3倍以上ある。
前記加熱調理室31の容積VL1は、被調理物30としての食パンの外形寸法から求めた最大体積VL2の1.5倍以上〜3倍以下の範囲にある。
具体的には、実施の形態1では、食パンの外形寸法から求めた最大体積VL2は、16センチメートル(cm)×16cm×3cm=768立法センチメートルである。前記加熱調理室31の容積VL1は、この1.5倍〜3倍以下である。つまり、1152〜2304立法センチメートルである。加熱調理室31が、完全な立方体形状で、傾斜部11Bの存在も無視した場合、加熱調理室31の前後・左右方向の内側寸法がそれぞれ20cmであるとすると、高さ寸法H2は、3cm(2.88cm)〜6cm(5.76cm)未満になる。前述した通り、この実施の形態1では、高さH1は、約2.5cm(25mm)、H2は、約4.5cm(45mm)である。
次に図11について説明する。図11は、実施の形態1に係る加熱調理器100の機能ブロック図である。
図11に示すように、上面加熱装置21と底面加熱装置12に対して通電する範囲を決め、食パンのサイズに応じた加熱状態を選択できる通電範囲切替装置60が、前記電源基板114に実装されている。
操作部16にあるサイズ設定操作部16dを、ユーザーが操作して「サイズ設定信号」が前記制御装置90に入力されると、制御装置90は、その「サイズ設定信号」に対応した「通電範囲指定信号」を電源基板114の通電範囲切替装置60に対して出力する。
本実施の形態1に係る制御装置90は、メイン制御部92と、演算部93と、タイマー部94と、記憶部95と、を備えている。
メイン制御部92は、温度検知装置99、蓋体開閉検知装置97、操作基板17を介して操作部16から入力される各種情報に基づいて、底面加熱装置12および上面加熱装置21を制御するものである。当該各種情報とは、「モード設定信号」、「焼き色設定信号」、「サイズ設定信号」、「加熱開始信号」である。
演算部93は、後述する加熱終了時刻や、各種制御パラメータを演算するものである。記憶部95は、例えばROMで構成され、複数の「焼き色」に対応した重量減少率のデータが複数記憶されているものである。重量減少率のデータは、制御装置90が通電開始から終了までの時間を決めることに利用する。「サイズ設定信号」のために、食パンの形状や大きさ(縦横寸法)に対応した通電範囲の切替パターンが、対応表(テーブル)等の形式で記憶されているものである。
電源基板114は、制御装置90から出力された制御信号に基づいて、底面加熱装置12および上面加熱装置21への通電をONまたはOFFする。
底面加熱装置12により加熱された第1のプレート11の温度は、温度検知装置99の第1の温度検知部15により検知され、その検知した温度情報は制御装置90に入力される。また、蓋体2の開閉は蓋体開閉検知装置97により検知され、その検知した開閉情報は制御装置90に入力される。
さらに、底面加熱装置12と上面加熱装置21によって加熱される加熱調理器室31の温度は、上面加熱装置21と第2の温度検出部112A、112Bにより検知され、その検知した温度情報は制御装置90に入力される。
ここで、前記蓋体開閉検知装置97について説明する。
蓋体開閉検知装置97は、光学式、磁気感知式又は機械検知式の何れでも良い。機械検知式は例えば、蓋体2の回動中心となるヒンジ部19の回動中心軸にセンサーを配置し、その回動中心軸の回動角度を当該センサーで検知させ、蓋体2の開放を検知する。
磁気感知式は、蓋体2と加熱調理器本体1の、何れか一方に磁力を発生する永久磁石を、他方にその永久磁石の磁力を受けて開閉する電気接点を有した磁気感応素子(リードスイッチ)を設けて構成する。
光学式は、蓋体2と加熱調理器本体1の、何れか一方に赤外線発光素子と受光感知部を、他方にはその赤外線発光素子からの赤外線信号を反射する反射部を設ける。
蓋体2が閉じている場合には、赤外線発光素子から放射された赤外線信号が、蓋体2の内部の反射部で反射して受光感知部まで戻ってくる。そのため、蓋体2が閉じている状態では、受光感知部の検知信号は受光を示し、この検知信号を前記制御装置90が判別して、蓋体2が閉じていることを検知できる。
図12は、本発明の実施の形態1に係る角型食パン30aが載置された第1のプレート11を平面視した模式図である。図13は、本発明の実施の形態1に係る山型食パン30bが載置された第1のプレート11を平面視した模式図である。図14は、本発明の実施の形態1に係る通電範囲切替装置60の回路構成を示す模式図である。
図12〜図14に示すように、底面加熱装置12には、電気絶縁材としてのマイカ板の全体に、2つの電熱帯12H1、12H2を重ねた面状ヒーターが使用されている。
前記2つの電熱帯12H1、12H2は、マイカ板の表面上に、一方向に沿って帯状に配置されている。2つの電熱帯12H1、12H2は、第1のプレート11の、特に第1の加熱面11Uの全体を、均等に加熱するように配線パターンが工夫されている。
同様に、上面加熱装置21には、図示していないが、電気絶縁材としてのマイカ板の全体に、2つの電熱帯21H1、21H2を重ねた面状ヒーターが使用されている。
前記電熱帯21H1と21H2は、マイカ板の表面上に、一方向に沿って帯状に配置されている。
図12及び図13では、底面加熱装置12の電熱帯12H1、12H2を図示しているが、上面加熱装置21の電熱帯21H1、21H2も同様の構成である。
上面加熱装置21の電熱帯21H1、21H2は、底面加熱装置12の電熱帯12H1、12H2と上下方向で見た場合、対応する位置にそれぞれ設けられている。つまり、食パンを下方向から加熱する電熱帯12H1、12H2と、上方向から加熱する電熱帯41Tは、上下方向で見た投影面積は同じである。例えば、上面加熱装置23の電熱帯21H1、21H2が設けてある範囲が、縦方向(前後方向)で16cm、横(幅)方向で12cmであった場合、底面加熱装置12の電熱帯12H1、12H2も同様に16cm×12cmの大きさである。
このように上下で、合計4つの電熱帯12H1、12H2、21H1、21H2は、平面視では重なっている状態である。
第1のプレート11の面上に配置された電熱帯12H1、12H2が、均一の間隔で配置されている場合、第1のプレート11の中央部に熱が集中するため、第1のプレート11の中央部と外側部(外周縁部)とで温度差が生じやすい。そして、第1のプレート11の中央部と外側部とで温度差が生じると、被調理物30を加熱する際、中央部のみ焼き色が濃くなり、焼きムラができてしまう。そのため、電熱帯12H1、12H2の配置間隔を、第1のプレート11の中央部で広くし、周辺部では狭くすることにより、中央部と周辺との温度差が生じにくくなり、被調理物30を加熱する際の焼きムラを少なくすることができる。
次に図14について説明する。
前記通電範囲切替装置60は、第1切替部61と第2切替部62を有している。前記第1切替部61と第2切替部62は、底面加熱装置12と上面加熱装置21に、それぞれ1組ずつ設けてある。
図12に示している通り、前記底面加熱装置12は、第1加熱部12aと第2加熱部12bとで構成されている。第1切替部61をONにすると第1加熱部12aのみに通電され、第2切替部62をONにすると第1加熱部12a及び第2加熱部12bに通電されるようになっている。
言い換えると、第1切替部61をONにすると、前記第1加熱部12aのみに加熱するように、前記した1つの電熱帯12H1が通電される。また第2切替部62をONにすると、前記した2つの電熱帯12H1、12H2が全て通電される。
また、上面加熱装置21は、図示は省略しているが、第1加熱部と図示省略の第2加熱部とで構成されている。第1切替部61をONにすると第1加熱部のみに通電され、第2切替部62をONにすると第1加熱部12a及び第2加熱部に通電されるようになっている。この加熱領域の切り替え原理は、前記底面加熱装置12と同じである。
制御装置90は、サイズ設定操作部16dにより設定された被調理物30の「サイズ」に応じて、2つの通電範囲切替装置60の第1切替部61及び第2切替部62をONまたはOFFに切り替える。そうすることで、底面加熱装置12及び上面加熱装置21への通電範囲が切り替えられ、加熱調理室31内の第1の加熱面11U、第2の加熱面21Uの加熱範囲が変更される。
本実施の形態1に係る加熱調理器100では、1つの底面加熱装置12を備え、その底面加熱装置12が、1つの面状ヒーター(2つの電熱帯12H1、12H2)で構成されているものとしたが、それに限定されない。例えば、図15は、本発明の実施の形態1に係る変形例を示している。この図15は、角型食パン30aが載置された状態の、第1のプレート11を平面視した模式図である。
この図15に示すように、加熱調理器100が、複数の底面加熱装置12を備え、切替装置60によって、各底面加熱装置12の電熱帯12H1、12H2への通電の有無を切り替える構成としてもよい。また、上面加熱装置21についても同様に、加熱調理器100が複数の面状ヒーターから構成された上面加熱装置21を備え、切替装置60によって、各上面加熱装置21の面状ヒーター(2つの電熱帯21H1、21H2)への通電の有無を切り替える構成としてもよい。
本実施の形態1に係る加熱調理器100では、1つの底面加熱装置12を備え、その底面加熱装置12が複数の面状ヒーター(電熱帯12H1、12H2)で構成されていたが、これに限定されなくとも良い。図15に示すように、加熱調理器100が、複数の面状ヒーター12H1、12H2からなる底面加熱装置12を備え、通電範囲切替装置60によって、底面加熱装置12の各面状ヒーター(電熱帯12H1、12H2)への通電の有無を切り替える構成としてもよい。
また、上面加熱装置21についても同様に、複数の面状ヒーターから構成し、通電範囲切替装置60によって、各面状ヒーターへの通電の有無を切り替える構成としてもよい。
次に、本実施の形態1に係る加熱調理器100による被調理物30の調理について説明する。
ユーザーは、食パンなどの被調理物30を第1のプレート11に載置した後、蓋体2を閉める。次に、ユーザーは、モード切替ボタン16a、調理する被調理物30の種類に応じて「加熱モード」を設定し、焼き色調整ダイヤル16bにより、ユーザーの好みに応じて被調理物30の「焼き色」を設定する。
食パンなどの被調理物30を第1のプレート11に載置する際は、図2に示すように蓋体2が開放している状態である。
規制体110は、食パンなどの被調理物30の厚さよりも上まで突出するように第1のプレート11の最も奥側(後部側)、すなわち、前記ヒンジ部19に近い側に設置されている。
このため、ユーザーは被調理物30を置く場合に、その規制体110を目印にして置くことができる。仮に前方側から被調理物30を置く際に、規制体110の前面に当っても問題はない。この規制体110の手前に被調理物30を置けば、第1のプレート11の平面部11Cの前後方向の中心部近くに置いたことになる。つまり、第1の加熱面11Uの前後方向の中央に被調理物30が置ける。
このようにユーザーは被調理物30を第1のプレート11に載置したあと、蓋体2を閉じる。そして、次に、ユーザーは、サイズ設定操作部16dにより、調理する被調理物30のサイズに応じて「サイズ」を設定する。その後、ユーザーは、操作部16に設けられた調理開始ボタン16cを押し、加熱開始を指令する。
なお、被調理物30を第1のプレート11に載置する前に、被調理物30の「サイズ」を設定しても良いが、蓋体2が開いている間に、調理開始ボタン16cを押しても、加熱開始を指令は、制御装置90から行われない。前記した蓋体開閉検知装置97からの信号によって、蓋体2が開放状態であるかどうか制御装置90で把握しているためである。これにより、蓋体2の開放中に加熱調理動作が開始されるということが防止され、安全性の高い加熱調理器100を実現している。
調理開始ボタン16cが押されて、操作基板17から「調理開始の指令信号」を制御装置90が受けると、制御装置90は、底面加熱装置12および上面加熱装置21への通電を開始し、ユーザーにより設定された「加熱モード」、「焼き色」、および、「サイズ」に基づいて、それらを制御する。
制御装置90は、サイズ設定操作部15Cで選択した「サイズ」が、「角型食パン」を指定したものである場合、2つの第1切替部61を共にONとし、2つの第2切替部62を共にOFFとし、底面加熱装置12および上面加熱装置21への通電を開始する。そうすることで、加熱範囲が角型食パン30aに対応したサイズとなる。
また、制御装置90は、サイズ設定操作部16dで選択した「サイズ」が「山型食パン」である場合、2つの第1切替部61を共にOFFとし、2つの第2切替部62を共にONとし、底面加熱装置12および上面加熱装置21への通電を、それぞれ開始する。そうすることで、加熱範囲が山型食パン30bに対応したサイズとなる。つまり、「角型食パン」よりも大きな長方形の範囲全体の電熱帯12H1、12H2が、同時に加熱開始される。
このように、サイズ設定操作部16dで、「角型食パン」や「山型食パン」を選択することで、それらの大きさに合致した加熱範囲が定まる。つまり、「角型食パン」や「山型食パン」等の被調理物30のサイズに応じて底面加熱装置12および上面加熱装置21への通電範囲を切り替えることで、調理中の不要な電力消費を抑えられるため、省エネ化を図ることができる。
底面加熱装置12および上面加熱装置21への通電が開始された後、制御装置90は、ユーザーにより設定された「サイズ」、「加熱モード」および「焼き色」に基づいて、それらを制御する信号を発信する。そして、底面加熱装置12により加熱された第1のプレート11からの熱伝導により被調理物30の下面(第1の側面)30Uを下方から直接加熱する動作と、上面加熱装置21によって高温度になった第2のプレート28の全体からの輻射熱によって被調理物30の上面(第2の側面)30Tを上方から加熱する動作、とをそれぞれ集中制御する。
被調理物30の底面の加熱が進むと、水分が蒸発して水分含有量が低下し、水分含有量が一定の数値以下になると被調理物30の底面に硬化した部分であるクラスト層が形成される。このとき、被調理物30の底面は第1のプレート11の第1の加熱面11Uに密着しているため、蒸発した水分は非通気性構造物である被調理物30の底面から外部には排出されにくく、被調理物30の内部に移動する。つまり、第1のプレート11を水分が透過して加熱調理室31の外部へ拡散することはない。このように、第1のプレート11が「非通気性構造」であることの意義がある。
一方、被調理物30の上面の加熱が進むと、水分が蒸発して水分含有量が低下し、水分含有量が一定の数値以下になると被調理物30の上面に硬化した部分であるクラスト層が形成される。このとき、蒸発した水分は被調理物30の上面から外部には排出されるとともに、被調理物30の内部に移動する。この場合も、蒸発した水分が第2のプレート28の第2の加熱面28Uや、内筐体20各側壁20B、20F、20L、20Rを透過して加熱調理室31の外部へ積極的に拡散したり、又は強制的に拡散されたりすることはない。
被調理物30の上面から外部には排出された水分は、密閉度の高い加熱調理室31に閉じ込められることになる。そして、被調理物30は、水分が充満した高湿度の密閉空間である加熱調理室31で加熱されることになり、加熱が進んでも被調理物30から外部に水分が排出されにくくなり、被調理物30から外部に排出される水分を抑えることができる。そのため、この加熱調理器100では、被調理物30が食パンである場合、食パンの内部に水分が保たれた状態に焼き上げることができる。
また、加熱調理器100は、第1のプレート11に載置された被調理物30を、第1のプレート11からの熱伝導により下方から加熱するとともに、第2のプレート28の全体からの輻射熱により上方から加熱する。そのため、被調理物30が食パンである場合、焼きムラの少ない状態に焼き上げることができる。
制御装置90は、調理中の上面加熱装置21へ供給する電力量を底面加熱装置12へ供給する電力量よりも大きくする。これは、上面加熱装置21へ供給する電力量と底面加熱装置12へ供給する電力量とを同じとした場合、第1のプレート11からの熱伝導による加熱の方が第2のプレート28からの輻射熱による加熱よりも被調理物30に熱が伝わりやすく、被調理物30が焼けやすいためである。
加熱調理中の上面加熱装置21へ供給する電力量を、底面加熱装置12へ供給する電力量よりも大きくする方法として、例えば、上面加熱装置21と底面加熱装置12への通電時間を同じにし、上面加熱装置21に供給する電力を底面加熱装置12に供給する電力よりも大きくしてもよい。
また、上面加熱装置21と底面加熱装置12に供給する電力を同じにし、上面加熱装置21への通電時間を底面加熱装置12への通電時間よりも大きくしてもよい。さらに、上面加熱装置21または底面加熱装置12への通電を間欠的にオン、オフして、上面加熱装置21に供給する、オン/オフのデューティ比で決まる平均的な電力を底面加熱装置12に供給するオン/オフのデューティ比で決まる平均的な電力よりも大きくしてもよい。
本実施の形態1に係る加熱調理器100の制御装置90は、調理開始後、底面加熱装置12、及び上面加熱装置21に対する通電を制御する。そして、第1のプレート11からの熱伝導で被調理物30を下方から加熱する動作を制御するとともに、第2のプレート28からの輻射熱により被調理物30を上方から加熱する動作を制御するものである。そして、ユーザーが指定した被調理物30のサイズに応じて、底面加熱装置12および上面加熱装置21への通電範囲を決定できるものである。
本実施の形態1に係る加熱調理器100は、加熱調理室31の周囲にある加熱調理器本体1の上面部が、図4に示しているように所定の幅WPの平坦面な重合面P1であり、一方、蓋体2の周辺部下面も、その重合面P1に対応する幅で重合面P2を備えている。
蓋体2が閉じられた状態においては、前記重合P1と、重合面P2とが密着状態になるか、又はその間に隙間が形成されても、その隙間の寸法は微小である。更に、このような重合部における気密性を上げるために、重合面P1、P2の双方に、ラビリンス構造のための凸条と、この凸状が挿入される溝を形成しても良い。例えば、その凸条と溝は、第1のプレート11の前後左右を囲むように、重合面P1、P2の全体に環状に、一列又は複数列形成すれば、更に気密性を向上させることができる。
実施の形態1の総括.
本実施の形態1に係る加熱調理器100は、以下の構成であった。すなわち、
加熱調理器本体1と、この本体にヒンジ部19(支持機構3)を介して回動自在に支持された蓋体2とを備え、
前記本体1には、被調理物30が載置される非通気性構造物である第1のプレート11と、前記第1のプレート11を下方から加熱する底面加熱装置(第1加熱装置)12と、を備え
前記蓋体2には、前記第1のプレート11の上方空間を開閉自在に覆う内筐体20と、
前記第1のプレート11と空隙を置いて配置される非通気性構造物である第2のプレート28と、前記第2のプレート28をその上方から加熱する上面加熱装置(第2加熱装置)21と、を備え、
前記蓋体を閉じて、前記第1のプレート11の上方空間を前記内筐体20が覆った状態では、それらの間に外部と遮蔽された加熱調理室31が形成されるものであり、
前記第1のプレート11は、前記加熱調理室31に収容された前記被調理物30を、下方から熱伝導で直接加熱し、
前記第2のプレート28は、前記被調理物30との間に空隙H1を介して、輻射熱を放射する構成である。
そして、前記加熱調理室31の内部には、前記第1のプレート11上における前記被調理物30の載置位置を規制するために、前記ヒンジ部側に行くに従って高くなる傾斜面11Bと、前記第1のプレート11の上面より上方に突出する規制体110の、双方を設けた構成である
この実施の形態1の構成によれば、被調理物が食パンである場合、食パンの内部の水分が保たれた状態に焼き上げることができる。
またユーザーに対して、食パン等の被調理物30を置く位置を、傾斜面11Bや規制体110によって案内することができる。このため、第1のプレート11上の正しい位置に、食パン等の被調理物30を置くことができる。従って使い勝手を向上させることが期待できる。
さらに、本実施の形態1に係る加熱調理器100では、前記底面加熱装置12および前記上面加熱装置21の通電を制御する制御装置90と、
被調理物30の大きさを選択するサイズ設定操作部16Dと、を備え、
前記制御装置90は、前記サイズ設定操作部16Dで指定された前記被調理物30の大きさを示す信号を受けて、前記底面加熱装置12および前記上面加熱装置21への通電範囲を決定する構成である。
この実施の形態1の加熱調理器によれば、ユーザーが選択した被調理物30のサイズに応じて、加熱される範囲が自動的に決定され、調理中の不要な電力消費を抑えられるため、省エネ化を図ることができる。
さらに、本実施の形態1に係る加熱調理器100は、以下のように特徴的な構成を備えている。
(1)特徴1:
被調理物30を載せる第1の加熱面11Uが上面に露出している加熱調理器本体1と、
前記加熱調理器本体1の上面を開閉自在に覆うように配置され、下面に第2の加熱面28Uが露出している蓋体2と、を備え、
前記第1の加熱面と第2の加熱面は、非通気性構造物であり、
前記蓋体2で前記加熱調理器本体1上面を閉じた状態では前記第1の加熱面11Uと第2の加熱面28Uは、互いに上下から向かい合い、かつその両者の間には、被調理物30を収容可能で、かつ外部と空気流通を(シール材25やラビリンス構造、第1の重合面P1、第2の重合面P2等によって)遮断した構成の加熱調理室31が形成され、
前記第2の加熱面28Uは、前記加熱調理室31の天井面を構成して放射熱を前記第1の加熱面11U側に向けて放射し、
前記第1の加熱面11Uは、その最外周縁より外側に、前記被調理物30の水平方向の載置位置を規制する傾斜面11Bが連続し、かつ前記加熱調理室31の底面を構成していることを特徴とする加熱調理器である。
この構成により、傾斜面11Bによって、食パン等の被調理物30の載置位置が明確になり、ユーザーの利便性が向上する。
(2)特徴2:
前記傾斜面11Bは、前記第1の加熱面11Uとして機能する平面部11Cの前後・左右方向の中心部から、前後方向と左右方向に、同じ傾斜角度(例えば、仰角45度)で形成されている、特徴1に記載の加熱調理器。
(3)特徴3:
前記第1の加熱面11Uと前記傾斜面11Bは、単一の金属製板によって構成され、かつ当該第1の加熱面11Uは全体が1つの平坦な面11Cである、特徴1に記載の加熱調理器。
(4)特徴4:
前記蓋体2を閉じた状態では、前記第2の加熱面28Uは、前記被調理物30の上面(第2の側面)30Tに空隙H1を介して接近した状態となり、かつ、当該蓋体2の周縁部と前記調理器本体1上部との重合部(第1、第2の重合面P1、P2)に配置したシール材25又はラビリンス構造の少なくとも何れか一方によって前記加熱調理室31が密封状態の空間となる、特徴1〜特徴3の何れか1つに記載の加熱調理器。
(5)特徴5:
前記蓋体2は、その外郭を構成する蓋体ケース2Aを有し、
前記蓋体2の内部には、前記第2のプレート28と前記蓋体ケース2Aの内壁面との間に空隙G6を形成している、特徴1〜特徴4の何れか1つに記載の加熱調理器。
(6)特徴6:
前記蓋体2は、その外郭を構成する蓋体ケース2Aを有し、
前記蓋体2の内部には、前記蓋体ケース2Aの内壁面との間に空隙G3を形成する上枠18を設けている、特徴1〜特徴4の何れか1つに記載の加熱調理器。
(7)特徴7:
前記蓋体2は、その外郭を構成する蓋体ケース2Aを有し、
前記蓋体2の内部には、前記加熱調理室31の外殻となる内筐体20と、この内筐体20の周囲にあって、前記蓋体ケース2Aの内壁面との間に空隙G3を形成する蓋枠29とを設け、
前記蓋枠29は、前記蓋体2を閉じた状態において、前記加熱調理器本体1と対面する重合面(第2の重合面P2)となる、特徴1〜特徴4の何れか1つに記載の加熱調理器。
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2に係る加熱調理器100を図16に基づいて説明する。図16は、本発明の実施の形態2に係る加熱調理器であって蓋体を閉じた状態を示した縦断面概略図である。
実施の形態2に係る加熱調理器100は、蓋体2の支持機構の構成が上記実施の形態1と異なる。上記実施の形態1と基本的に同じ構成である場合には、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。
実施の形態2に係る加熱調理器100の蓋体2の支持機構3は、図16に示すように、ヒンジ部19の外周面に取り付けられ、ヒンジ部19の回動中心軸の回動に連動して同一方向に回動する保持部材4と、保持部材4の回動を止めるロック機構部5と、を有している。
保持部材4は、外周面が歯車形状である。一方、ロック機構部5は、外周面が保持部材4の歯車形状と噛み合う歯車形状である。また、加熱調理器本体1の内部には、ロック機構部5を回転させる手段として動力機構6が設けられている。
前記動力機構6は、例えばモーター等で構成され、操作部16の操作入力により制御部90によって通電が制御される。動力機構6には、ロック機構部5に連結された回転軸70が取り付けられている。つまり、動力機構6は、モーターの駆動により回転する回転軸70を介してロック機構部5に動力を伝達する構成である。
この実施の形態2に係る加熱調理器100は、動力機構6の駆動によって回動させたロック機構部5に連動して保持部材4が回動し、その保持部材4の回動によって回動するヒンジ部19によって、蓋体2を自動で開閉させる。支持機構3は、操作部16の操作により動力機構6を停止させて、保持部材4の回動を止め、蓋体2を目標の回動位置で保持する。
ここで、制御装置90は、使用者による操作部16の操作によって、加熱調理を開始するという指令を受けたと判断すると、蓋体2を閉じる方向に動力機構6を駆動する。一方、制御装置90は、加熱手段である底面加熱装置12及び上面加熱装置21による加熱を停止し、加熱調理が終了した判断すると、蓋体2を開く方向に動力機構6を駆動する。これらは、使用者の利便性を向上させるものである。
したがって、実施の形態2の加熱調理器100も、ヒンジ部19を中心に回動する蓋体2を、目標の回動位置で保持する支持機構3を備えているので、開いた蓋体2が自重で勝手に閉じたり、開いた蓋体2による重心の変化で加熱調理器本体1が転倒したりする事態を防止することができ、安全に且つ安心して使用できる。
次に、実施の形態2の特徴的な構成について図16を参照して説明する。
115は、規制用凸部であり、前記内筐体20の後方壁面20Bに、一定の間隔で複数個並べて設けてある。
規制用凸部115の最も前方端縁の位置は、図16に示しているように、前記規制体110の前面の位置と揃えてある。言い換えると、前記規制体110の前面と規制用凸部115の最も前方端縁とは、1本の垂直な直線XLの上に位置している。
規制用凸部115は、図16に示しているように、横から見た場合、台形である。この規制用凸部115が突出している範囲は、水平線115Lよりも上である。この水平線の位置は、前記ヒンジ部15の回動中心軸を貫通する水平線19Lよりも上に位置している。このため、蓋体2を開放する際に、規制用凸部115は図16に示した位置よりも前方側に突出することはない。これにより被調理物30の後方端部が、規制体110より前にあれば、被調理物30の後方端部に規制用凸部115が衝突することはない。
実施の形態2の総括.
本実施の形態2に係る加熱調理器100は、以下の構成であった。すなわち、
加熱調理器本体1と、この本体にヒンジ部19(支持機構3)を介して回動自在に支持された蓋体2とを備え、
前記本体1には、被調理物30が載置される非通気性構造物である第1のプレート11と、前記第1のプレート11を下方から加熱する底面加熱装置(第1加熱装置)12と、を備え
前記蓋体2には、前記第1のプレート11の上方空間を開閉自在に覆う内筐体20と、
前記第1のプレート11と空隙を置いて配置される非通気性構造物である第2のプレート28と、前記第2のプレート28をその上方から加熱する上面加熱装置(第2加熱装置)21と、を備え、
前記蓋体2を閉じて、前記第1のプレート11の上方空間を前記内筐体20が覆った状態では、それらの間に外部と遮蔽された加熱調理室31が形成されるものであり、
前記第1のプレート11は、前記加熱調理室31に収容された前記被調理物30を、下方から熱伝導で直接加熱し、
前記第2のプレート28は、前記被調理物30との間に空隙H1を介して、輻射熱を放射する構成である。
そして、前記加熱調理室31の内部には、前記第1のプレート11上における前記被調理物30の載置位置を規制するために、前記第1のプレート11の上面より上方に突出する規制体110を設け、また前記内筐体20の内部には前記規制体110の上方にあって、前記被調理物30の載置位置を規制するための規制用凸部115を設けた構成である
この実施の形態2の構成によれば、被調理物が食パンである場合、食パンの内部の水分が保たれた状態に焼き上げることができる。
またユーザーに対して、食パン等の被調理物30を置く位置を、規制体110によって案内することができる。このため、第1のプレート11上の正しい位置に、食パン等の被調理物30を置くことができ、使い勝手を向上させることが期待できる。
また、この実施の形態2では、図16に示しているように、実施の形態1で示した規制体110よりも背が低い規制体110であり、第1のプレート11の上方へ突出する寸法が小さい。このため第1のプレート11を清掃する際には、この規制体110が取外しできない構成であっても、清掃作業に特に支障とはならない。
また、この実施の形態2では、図16に示しているように、蓋体2の内筐体20に規制用凸部115が固定されているので、蓋体2を開放して被調理物30をユーザーが取り出す場合には、その規制用凸部115は、第1のプレート11の付近には存在しない。
このため第1のプレート11上から加熱調理された被調理物30を取り出す場合にも、その作業に特に支障とはならない。
実施の形態3.
次に、本発明の実施の形態3に係る加熱調理器を図17に基づいて説明する。図17は、本発明の実施の形態3に係る加熱調理器であって蓋体を閉じた状態を示した縦断面概略図である。なお、実施の形態1〜2で説明した加熱調理器と同一の構成については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。
実施の形態3に係る加熱調理器100は、上記実施の形態2の加熱調理器100の構成に加えて、蓋体2の開閉動作の障害となる異物32の有無を検知する異物検知装置7を備えていることを特徴としている。
異物検知装置7は、例えば感圧センサー(図示せず)と、この感圧センサーの圧力検知信号を受けて、異物の存在を判定する判定回路(図示せず)と、で構成されている。なお、判定回路は、前記制御装置90の内部にソフトウェアとして組み込んでも良い。以下の説明では、このように異物の存在を制御装置90が判定する場合について述べる。
前記異物検知装置7は、蓋体2の内部であって加熱調理器100の前面側と背面側に、それぞれ感圧センサーを配置している。加熱調理器本体1の上面と蓋体2の下面との間に異物32が挟まった場合には、その状態を特定する圧力検知信号を、異物検知装置7が、制御装置90に送信する。
制御部90は、前記圧力検知信号に基づいて、加熱調理器本体1の上面と蓋体2の下面との間に異物32が挟まっていると判断すると、動力機構6の駆動を停止する制御を行う。
従って、この実施の形態3に係る加熱調理器100は、蓋体2の開閉動作の障害となる異物32が存在するにも関わらず、使用者がそのことに気が付かず、動力機構6を駆動させて強引に蓋体2を開閉動作させることに起因する損壊を未然に防止することができる。
実施の形態4.
次に、本発明の実施の形態4に係る加熱調理器を、図18〜図20に基づいて説明する。図18は、本発明の実施の形態4に係る加熱調理器であって蓋体を閉じた状態を示した縦断面概略図である。図19は、本発明の実施の形態4に係る加熱調理器であって蓋体を回動させて略90度まで開いた状態を示した縦断面概略図である。図20は、本発明の実施の形態4に係る加熱調理器の機能ブロック図である。なお、実施の形態1〜3で説明した加熱調理器と同一の構成については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。
実施の形態4に係る加熱調理器100は、上記実施の形態1で説明した加熱調理器100の構成を基本的に採用しているが、加熱調理器本体1は、垂直面から前方に一定の角度θ3だけ傾いた形態である。
図18と図19では、第2のプレート28の図示を省略しているが、この実施の形態4においても、第2のプレート28は、上面加熱装置21によって上方から加熱される構成である。
また蓋体2は、上記実施の形態1で説明した加熱調理器100の蓋体の構成を基本的に採用しているが、垂直面から後方に一定の角度θ4だけ傾けた状態まで開放することができる形態である(図19参照)。
前記角度θ3とθ4の合計は90度になっている。つまり、図19に示すように、蓋体2は後方に開いた場合でも、加熱調理器本体1との角度は90度になるように、開放角度が前記ヒンジ部19によって制限されている。
116は、加熱調理器本体1の右側壁と左側壁を、それぞれ貫通するように設けた軸である。117は、加熱調理器本体1の右側壁と左側壁に隣接するように配置した一対の脚である。この脚によって加熱調理器100の全体が支持される。
前記蓋体2は、前記脚117に対して軸等によって連結はされていない。従って、図18に示すように、加熱調理器本体1に重なる位置から、図19に示すように後方にヒンジ部19を中心に回動した場合でも、蓋体2の重量は、ヒンジ部19を介して加熱調理器本体1が支える。
118は、蓋体2の持ち手部26の前方側の表面に前後方向に移動自在に支持された掛け金であり、この掛け金の前方端部は、加熱調理器本体1の本体ケース1C上面に形成した係合部(図示せず)に係合自在になっている。
前記掛け金118を図18に破線で示すようにユーザーが後方へ移動(後退)させると、本体ケース1Cの係合部(図示せず)と掛け金118との係合が解除され、蓋体2を開けることができる。
119は、蓋体2の蓋体ケース2A内側面に取り付けている傾きセンサーであり、蓋体2の傾きを検知する。この傾きセンサーは、蓋体2が図18の状態にある場合は第1の信号を出力し、蓋体2が図18以外の状態、例えば図19の状態にある場合は第2の信号を出力する。これにより制御装置90は、蓋体2の傾きを判別でき、蓋体2が開放状態であるかどうかを判別できる。
210は、実施の形態1の規制体1と同様な規制体であり、図18に示しているように、第1のプレート11の下部に着脱自在に取り付けてある。
図20は、この実施の形態4に係る加熱調理器100の機能ブロック図である。図20において、130は、前記掛け金118の前後方向の動きを検知して、掛け金118と本体ケース1Cの係合部(図示せず)との係合が解除されたかどうかを電気的に検知する掛け金ロック検出部である。なお、この掛け金ロック検出部130は、加熱調理器本体1の本体ケース1C内部に設置しても良い。
蓋体開閉検知装置97は、前記掛け金ロック検出部130と、前記傾きセンサー119とを備えている。
以上の構成であるから、この実施の形態4の加熱調理器100で、例えば食パン等の被調理物を焼く場合には、最初に図19に示すように蓋体2を開けておき、第1のプレート11の上に被調理物30を置く。この場合、被調理物30は、前記規制体210によって下方から支持されるので、下方へ落下することはない。
この図19の状態で、底面加熱装置12と上面加熱装置21に対し、制御装置90が通電を指令すれば、通電範囲切替装置60によって、被調理物30の左右両側から、加熱される。
実施の形態1で説明したものと同様に、被調理物30の第1の側面30Uは、底面加熱装置12の熱を受けて高温になる第1のプレート11に接触しているため、直接熱伝導により高温になる。
一方、被調理物30の第2の側面30Tは、上面加熱装置12で加熱される第2のプレート28から、輻射熱を受けて高温になる。
加熱調理室31の容積VL1は、被調理物30としての食パンの外形寸法から求めた最大体積VL2の1.5倍以上〜3倍以下の範囲にあるため、この加熱調理室31は短時間で温度が上昇し、また外部へ積極的に内部の空気を放出する構成になっていないので、食パン等から発生した水分もこの加熱調理室31の中に残る。このため、食パン等では、表面は焼けても内部には、いわゆる「しっとり感」の残る仕上がりとなる。
実施の形態4の総括.
本実施の形態4に係る加熱調理器100は、第2の発明を以下の構成で実現していた。すなわち、
加熱調理器本体1と、
この加熱調理器本体1の下部に設けたヒンジ部19(支持機構3)を中心にして回動自在に支持された蓋体2と、を備え、
前記蓋体2を閉じた状態では、加熱調理器本体1と前記蓋体2との間に外部と遮断された加熱調理室31が区画形成され、
前記加熱調理器本体1には、被調理物30が斜めに載置され、当該被調理物30に接触状態で熱を伝えるための非通気性構造物である第1のプレート11と、前記第1のプレート11をその下側から加熱する第1加熱装置(底面加熱装置)12と、を備え、
前記蓋体2には、前記被調理物30を挟んでその被調理物と反対側にあって、当該被調理物30と空隙H1を置いて対面する非通気性構造物である第2のプレート28と、前記第2のプレートをその上方から加熱する第2加熱装置(上面加熱装置)21と、を有している。
前記蓋体2は、前記ヒンジ部19を中心に垂直位置から加熱調理器本体1と離れる方向に回動する構成を基本としているものである。
そして、前記加熱調理室31の第1のプレート11と第2のプレート28の間に被調理物30を斜めに置いて加熱する場合において、前記加熱調理室31の下部において被調理物30の端面と前記被加熱調理室31の内側壁面との間に空隙GPを確保するように、当該被調理物30の載置位置を規制する規制体210を設けた加熱調理器である。
この実施の形態4の構成によれば、被調理物が食パンである場合、食パンの内部の水分が保たれた状態に焼き上げることができる。
またユーザーに対して、食パン等の被調理物30を置く位置を、規制体210によって案内することができる。このため、第1のプレート11上の正しい位置に、食パン等の被調理物30を置くことができる。従って使い勝手を向上させることが期待できる。
さらに、蓋体2を開けると、被調理物30が図19に示しているように、傾斜した状態で露出するから、ユーザーが被調理物30を簡単に取り出すことができる。
本実施の形態4に係る加熱調理器100は、第3の発明を以下の構成で実現していた。すなわち、
加熱調理器本体1と、当該本体1に支持機構となるヒンジ部19(支持機構3)によって回動自在に支持された蓋体2とを有し、
前記加熱調理器本体1には、上下(斜め)方向に伸びる非通気性構造物である第1の加熱面11Uを備えた第1のプレート11を有し、
前記蓋体2には、上下(斜め)方向に伸びる非通気性構造物である第2の加熱面28Uを備えた第2のプレート28を有し、
前記蓋体2を閉じた状態にしたときには、前記第1の加熱面11Uと前記第2の加熱面28Uとが、被調理物30を収容できる対向間隔H2を置いて向い合う第1の状態となり、
また、前記蓋体2を回動させて開放させた状態にしたときには、前記第1の加熱面11Uの上部が露出した第2の状態となるものであり、
前記加熱調理器本体1には、前記第1の加熱面11Uと第2の加熱面28Uが前記第1の状態になっている状態を検知し、第1の状態にある期間中、当該第1の加熱面11Uと第2の加熱面28Uに対して加熱用電力をそれぞれ供給する制御装置90と、を有した加熱調理器である。
この実施の形態4の構成によれば、被調理物が食パンである場合、食パンの内部の水分が保たれた状態に焼き上げることができる。
また、前記蓋体2を閉じた状態にしたときには、前記第1の加熱面11Uと前記第2の加熱面28Uとが、被調理物30を収容できる対向間隔H2を置いて向い合う第1の状態となり、この第1の状態にあることを制御装置90が検知して、前記第1の加熱面11Uと第2の加熱面28Uの加熱動作を制御するから、蓋体2が開放された場合に通電することを阻止でき、使用する電気エネルギーの浪費が避けられる。
なお、この実施の形態4のように、加熱調理室31を斜め上下方向にすると、加熱調理室31の上部側に熱気が集まり、上部側が下部側に比較して雰囲気温度が高い状態となる可能性がある。
そこで、前記第1の加熱面11Uと前記第2の加熱面28Uにおける電気ヒーターの単位面積あたりの密度を、加熱調理室31の上部側になる部分で「疎」にして、単位面積あたりの加熱量を少なくするように変更しても良い。または、加熱調理室31の上部側になる部分(底面加熱装置12の1つの電熱帯12H2)の通電率を、他の電熱帯12H1よりも低く設定しても良い。
なお、実施の形態4では、蓋体2に傾きセンサー119を内蔵させ、蓋体2の傾きを検知しているので、加熱調理器本体1と蓋体2とが、図18に示す正常な状態にある場合に限り、加熱調理を制御装置90が指令する。言い換えると、蓋体2が閉じられた加熱調理器本体1が、前方又は後方に異常に傾いて置かれた状態では、加熱調理が開始されないので、加熱調理中に加熱調理器100が転倒するような事態を避けることができ、ユーザーの安全性を高め、安心感も向上させることができる。
実施の形態4の加熱調理器100は、加熱調理器本体1の背面側に、蓋体が開く形態であるため、開いた蓋体2によって重心位置が変化する。しかし、脚117で加熱調理器本体1を介して蓋体2を連結しており、蓋体2もしっかりと保持することができる。これにより、加熱調理器100が転倒する事態を確実に防止することができる。
実施の形態5.
次に、本発明の実施の形態5に係る加熱調理器を、図21〜図24に基づいて説明する。図21は、本発明の実施の形態5に係る加熱調理器を、蓋体を閉じた状態で示した縦断面図である。図22は、本発明の実施の形態5に係る加熱調理器を、蓋体を開けた状態で示した縦断面図である。図23は、本発明の実施の形態5に係る加熱調理器の加熱調理室の主要部を、前方側から見た縦断面模式図である。図24は、本発明の実施の形態5において、下ケースの前方側垂直面に対応する面状ヒーターを平面視した模式図である。なお、実施の形態1〜4で説明した加熱調理器と同一の構成については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。
この実施の形態5に係る加熱調理器100は、被調理物30を、加熱調理室31から真上の方向から挿入し、また真上の方向に取り出す形態である。
図21と図22において、1は、加熱調理器本体であり、横断面形状が正方形又は長方形を呈している縦に長い箱形状である。2は、蓋体であり、前記加熱調理器本体1にヒンジ部19を介して回動自在に固定されている。
前記ヒンジ部19は、加熱調理器本体1の上面に設けている額縁状の支持枠45の後部に固定されている。この支持枠は、全体が耐熱性のプラスチック射出成形材料で一体に形成されている。この支持枠45の上面全体には1つの平面を有し、この平面が第1の重合面P1になる。
前記蓋体2は、加熱調理器本体1の横断面形状に合致する横断面形状を有している。この蓋体2は、プレスチック射出成形材料で一体に形成されており、下面全体に大きな開口を有している。
29は、前記蓋体2の下面開口を閉鎖するように、耐熱性のプラスチック射出成形材料で一体に形成された額縁状の蓋枠である。この蓋枠29の下面全体には1つの平面を有し、この平面が第2の重合面P2になる。
140は、上ケースであり、下面に大きな開口140Bを有した凹部140Aを有している。この凹部140Aの横断面形状は左右方向に長い長方形である。また、この凹部140Aの前後方向の直径A1は、40mm〜50mm程度である。但し、この直径A1は、被調理物30の厚さとして30mm程度を想定している場合であり、加熱調理する被調理物30の最大厚さよりも10mm〜20mm程度大きく設計してある。例えば、45mm程度の被調理物30が想定される場合には、前記直径A1は、少なくとも55〜65mm程度である。この寸法を過剰に大きくすると後述する加熱調理室31の内部空間(容積)が大きくなり、内部空間の温度を上げるために要する時間が長くなってしまう。つまり、加熱調理時間が長くなり、好ましくない。
この実施の形態5においては、上記の観点から、角型食パン30aの外形寸法から求めた最大体積VL2に対し、前記加熱調理室31の容積VL1は、2倍〜3倍の範囲に設定してある。
前記上ケース140は、アルミニウムなどの熱伝導性の高い金属製の板材を、プレス成形して形成している。この上プレート140の表面は、平坦でもよいし、細かい凹凸のある形態でもよい。この上プレート140には、耐熱性が高く、放射率の高い塗料がコーティングされている。塗料は、例えばシリコーン系又はフッ素系の耐熱塗料である。塗料は、セラミック塗料でもよい。
前記上ケース140において、開口140Aの周囲にはフランジ部(鍔部)が形成されており、このフランジ部が前記上枠18上面に弾力性のあるシール材145を介在させ、ネジによって気密を保つように固定されている。
蓋体2の内側の上部には、操作基板17が配置されている。蓋体2の上面には、タッチ式の入力操作部144があり、ユーザーが指を触れるだけで必要な入力操作が実行できる。
前記蓋体2を構成する蓋体ケース2Aの内部には、前記上ケース140の前後・左右と上方に大きな空隙G7が形成されている。この空隙G7は、上ケース140の熱が蓋体ケース2Aに伝わり難くする目的で形成しているものである。なお、更に断熱性を上げるために、空隙G7の中に断熱材を充填しても良い。
141は、下ケースであり、上面に前記開口140Bと同じ大きさの開口141Bを有している。この下ケース141の内部には、前記開口141Bと開口140Bを介して、前記凹部140Aと連通する凹部141Aを有している。
前記下ケース141は、アルミニウムなどの熱伝導性の高い金属製の板材を、プレス成形して形成している。この下ケース141の表面は、平坦でもよいし、細かい凹凸のある形態でもよい。この下ケース141には、耐熱性が高く、放射率の高い塗料がコーティングされている。塗料は、例えばシリコーン系又はフッ素系の耐熱塗料である。塗料は、セラミック塗料でもよい。
前記凹部141Aの横断面形状は左右方向に長い長方形である。また、この凹部141Aの前後方向の直径A2は、40mm〜50mm程度である。但し、この直径A2は、前記凹部140Aの前後方向の直径A1と同程度か、又はそれよりも数mm程度小さい。
図21に示しているように、被調理物30として例えば厚さが30mmの食パン(スライスした食パン)を、前記凹部141Aに入れた場合、その食パンの前方側の側面30Fと下ケース141の前方側垂直壁141Fとの間に空隙G9が形成される。
この空隙G9の大きさは、数mm以下である。また食パンの後方側の側面30Bと下ケース141の後方側垂直壁141Bとの間にも空隙G8が形成され、その空隙G8の大きさも、数mm以下である。
31は、前記凹部140Aと凹部141Aが開口140B、141Bを介して連通することによって形成される加熱調理室である。H5は、加熱調理室31の最大高さ寸法である。なお、図21で示す符号HDは、凹部141Aの深さを示すものである。
図21に示しているように、前記加熱調理室31の中に、例えばスライスされた角型パン130aとして、縦寸法H4が125mm、横幅125mmの食パンを、入れた場合には、その食パン130aの上面と上ケース140の天井面との間には、空隙G10が確保される。
また前記加熱調理室31の中に、スライスされた山型食パン130bとして、縦寸法H4が160mm、横幅125mmの食パンを横に倒して入れた場合にも、その食パン130bの上面と上ケース140の天井面との間には、数mm〜10mm程度の大きさの空隙G10が確保される。つまり、山型食パン130bと角型食パン130aの何れを入れた場合でも、上記空隙G10の大きさは同程度である。
この加熱調理室31の最大高さ寸法H5は、山型食パンと角型食パンの平均的な大きさ(横幅寸法=125mm)を考慮して設計されている。なお、加熱調理室31の左右方向(横幅)寸法は、山型食パン平均的な高さ寸法(160mm程度)よりも数mm〜10mm程度大きく設定されている。
以上のような理由で、この実施の形態5では、前記加熱調理室31の最大高さ寸法H5は170mmである。また凹部141Aの深さHDは、110mmである
加熱調理室31の中に上記した標準的な角型食パン130aを入れた場合、その食パンは、横幅寸法H4が125mmであり、一方、前記凹部141Aの深さHDが110mmであるから、角型食パン130aは第1の重合面P1から15mm程度の高さH7だけ上方向に突出する。この突出部は、加熱調理を終えた食パンをユーザーが掴んで取り出す際に、便利である。特別なポップアップ機構を設けなくても良いので、全体の構成を簡略化でき、コスト的にも有利である。なお、山型食パン130bを横にして加熱調理室31の中に入れた場合でも、山型食パン130bは第1の重合面P1から15mm程度の高さH7だけ上方向に突出する。
G11は、加熱調理器本体ケース1Cの内側で、前記下ケース141の前方側垂直壁141F及び後方側垂直壁141Bとの間に、それぞれ形成された空隙である。この空隙G11は、加熱調理器本体ケース1Cと、前記下ケース141の右側垂直壁141R及び左側垂直壁141L(図23参照)との間にも、それぞれ形成してある。このため、凹部141Aの前後・左右を囲むように空隙G11が存在している。
142Fは、加熱調理室31の前面側を加熱する加熱装置としての、前面側ヒーターである。この前面側ヒーター142Fは、前記下ケース141の前方側垂直壁141Fの前面側に密着するように取り付けてある。
142Bは、加熱調理室31の後面側を加熱する加熱装置としての、後面側ヒーターである。この後面側ヒーター142Bは、前記下ケース141の後方側垂直壁141Bの後面側(背面側)に密着するように取り付けてある。
前記2つのヒーター142B、142Fは、電気的に直列に接続され、制御装置90によって通電が制御される。
前記後面側ヒーター142Bと前面側ヒーター142Fは、マイカ板に細い電熱体(電熱線)を巻いた面状ヒーターである。なお、電熱体をセラミックで挟んで形成したセラミックヒーターでも良い。
この実施の形態5では、面状ヒーターの形態で構成したため、加熱調理器本体1を小型化することができるとともに、被調理物30の前方側面と後方側面の両方に対して、均一加熱が可能となるため、焼きムラを少なくすることができる。詳しくは図24で説明する。
図21と図22において、143は、加熱調理器本体1を、前記下ケース141の下方において上下に区画する遮蔽板(遮熱板)である。この遮蔽板143は、例えば反射率が高く、耐熱温度も高いアルミメッキ鋼板が好適である。
前記遮蔽板143は、下部空間に配置した制御装置90及びコードリール91(図示せず)等が、後面側ヒーター142Bと前面側ヒーター142Fからの熱を受けて高温にならないように保護するためのものである。なお、図示していないが、前記下ケース141の周囲は、断熱材が巻かれており、周囲への熱放射を抑制する構成になっている。
150は、温度検知部であり、下ケース141の下面側にあって、頂部にある熱感知部が下ケース141の下面に密着している。このため、下ケース141の温度変化を迅速に検知することができるものである。この温度検知部150は、例えばサーミスタなどの接触式の温度センサーである。温度検知部15の温度検知データは、実施の形態1の温度検知装置99と同様な温度検知装置(図示せず)を介して制御装置99に伝えられる。
図23は、加熱調理器100の加熱調理室の主要部を、前方側から見た縦断面模式図である。
146は、加熱調理室31の内側壁面を構成する右側垂直壁141Rに取り付けた規制体である。147は、同じく、加熱調理室31の内側壁面を構成する左側垂直壁141Lに取り付けた規制体である。これら規制体146、147は、加熱調理室31の上下方向に離れて複数個ずつ設けてあるが、1つでも良い。
前記規制体146、147は、耐熱性を有するプラスチック材料で形成されているが、アルミニウム等の金属で形成しても良い。
148と149は、底部規制体であり、前記規制体146、147と同様な材料で形成されている。図23に示すように、底部規制体148、149は、加熱調理室31の底面と左右側面の隅角部にそれぞれ配置されている。
図23には、角型食パン30aを加熱調理室31の中に挿入した状態を示している。この図23から明らかなように、角型食パン30aを正しい位置に挿入した場合、その角型食パン30aの右側端面と右側垂直壁141Rとの間には、数mm程度の対向間隔の微小な空隙G12が形成される。なお、図23には示していないが、山型食パン30bを加熱調理室31の中に挿入した状態では、前記空隙G12が形成されることに加え、左側の前記規制体147の突出高さによって、同様に数mm程度の微小な空隙G12が、山型食パンと左側垂直壁141Lとの間にも形成される。
前記規制体146、147と、底部規制体148、149は、食パン等の被調理物30の位置を規制する機能がある。またこれら規制体は、左側垂直壁141Lや右側垂直壁141Rに、部分的に設けており、加熱調理室31を上下に仕切るものではない。そのため、加熱調理室31の底部近くから天井部に向かって自然に上昇する熱気の上昇を妨げることもない。
次に図24について説明する。
図24は、下ケース141の前方側垂直壁141Fに密着状態に設置される前面側ヒーター142Fを模式的に示した模式図であり、前方から見た側面図である。
前記後面側ヒーター142Bは、この前面側ヒーター142Fと、対称形に形成されているので、説明を省略する。
図24で、一点鎖線で示す範囲Z1が、角型食パン30aに対応した範囲Z1であり、破線で示した範囲Z2が山型食パン30bに対応した範囲である。これら2つの範囲Z1、Z2では、別々に電熱体(電熱線)を巻いている。
図24において、1つの前面側ヒーター142Fは、左右の2つの電熱帯12H1、12H2から構成されている。2つの電熱帯12H1、12H2の何れも、上下方向の中間地点から上方の部分(図24では「上部」と表示)と、下方の部分(図24では「下部」と表示)との間では、電熱帯121H1、121H2の単位面積当たりの密度が異なっている。下部の方が上部よりも密に巻いてあり、単位面積当たりの発熱量が大きい。
前面側ヒーター142Fは、加熱時に暖められた空気が熱気となって自然に上昇するので、上部の方が、下部の方よりも強く加熱されやすい。そこでこの実施の形態5では、電熱帯121H1,121H2の密度を調節し、できるだけ1つの前面側ヒーター142Fの加熱強度は、全体において均等になるようにしている。これは別の後面側ヒーター142Bでも同じように採用されている構成である。
実施の形態1で説明したように、制御装置90は、サイズ設定操作部16dにより設定された被調理物30の「サイズ」に応じて、2つの通電範囲切替装置60の第1切替部61及び第2切替部62をONまたはOFFに切り替える。そうすることで、2つのヒーター142F、142Bのへの通電が切り替えられ、加熱調理室31内の後方側垂直壁141Bと、前方側垂直壁141Fを加熱する範囲Z1、Z2が変更される。
以上の構成であるから、ユーザーが食パン等の被調理物30を加熱調理する場合には、図22に示しているように蓋体2を開けて、例えば角型食パン30aを開口141Bから下ケース141の凹部141の中に入れる。なお、角型食パン30aと山型食パン30bの、適切な挿入位置を示すために、前記凹部141Aの入口部に、文字や記号等で、挿入位置を示す表示を設けておくと良い。
次に、ユーザーは、蓋体2を閉める。そして、モード切替ボタン16aで、調理する角型食パン30aに応じた「加熱モード」を設定し、焼き色調整ダイヤル16bにより、ユーザーの好みに応じて「焼き色」を設定する。
なお、角型食パン30aを凹部141Bの中に置く前に、被調理物30の「サイズ」を設定しても良いが、凹部141Bの中に置いて蓋体2を閉めてから、「サイズ」を設定しても良い。蓋体開閉検知装置97からの信号によって、蓋体2が開放状態であるかどうか制御装置90で把握しているため、蓋体2の開放中には、加熱調理動作が開始されるということが防止される。
調理開始ボタン16cが押されて、操作基板17から「調理開始の指令信号」を制御装置90が受けると、制御装置90は、加熱調理室31を加熱する加熱装置としての、前面側ヒーター142Fと後面側ヒーター142Bの両方に、同時に通電を開始する。
制御装置90は、ユーザーにより設定された「加熱モード」、「焼き色」、および、「サイズ」に基づいて、前面側と後面側のヒーター142F、142Bを制御する。
制御装置90は、サイズ設定操作部15Cで選択した「サイズ」が、「角型食パン」を指定したものである場合、角型食パン30aに対応した範囲Z1だけに通電するように、通電範囲切替装置60が動作する。つまり、範囲Z1にある電熱帯12H1への通電を開始する。
前面側ヒーター142F、後面側ヒーター142Bによって前方側垂直壁141Fと後方側垂直壁141Bは、急速に温度上昇する。凹部141Bの中に置かれた角型食パン30aは、その前方側垂直壁141Fと後方側垂直壁141Bによって加熱されるが、角型食パン30aから見て、前方側垂直壁141Fと後方側垂直壁141Bまでの距離は微小であり、僅か数mmから10mm程度しかないので、そのような狭い空隙G9、G8を介して角型食パン30aは凹部141Bの中で短時間に焼き上げられる。これは山型食パン30bの場合でも同じである。
また、角型食パン30aや山型食パン30bの体積に比較して、加熱調理室31の容積は、大きくない(前述したように3倍以下)ので、加熱調理室31の内部雰囲気温度を上昇させるまでの所要時間も短くできる。
角型食パン30aの前方側面と後方側面の加熱が進むと、水分が蒸発して水分含有量が低下し、水分含有量が一定の数値以下になると、角型食パン30bの前後両側面に硬化した部分であるクラスト層が形成される。このとき、蒸発した水分はクラスト層になった前後両側面から外部には排出されにくく、角型食パン30aの内部に移動する。
ところで、加熱調理室31を構成する周囲の壁面は、下ケース141と上ケース140で構成されている。そして下ケース141と上ケース140は、ともに非通気性構造であるから、水分を外部へ拡散させることはない。
以上の説明から明らかなように、角型食パン30aから外部には排出された水分は、密閉度の高い加熱調理室31に閉じ込められることになる。そして、角型食パン30aは、水分が充満した高湿度の密閉空間である加熱調理室31で加熱されることになり、加熱が進んでも角型食パン30aから外部に水分が排出されにくい。そのため、この加熱調理器100では、角型食パン30aを、その内部に水分が保たれた状態に焼き上げることができる。
また、加熱調理室31では、凹部141Aの前方と後方全体からの輻射熱により加熱する。そのため、角型食パン30a等の被調理物30を、焼きムラの少ない状態に焼き上げることができる。
また、角型食パン30aや山型食パン30b等の被調理物30のサイズに応じて、後面側ヒーター142Bと、前面側ヒーター142Fへの通電範囲を切り替えることで、調理中の不要な電力消費を抑えられるため、省エネ化を図ることができる。
実施の形態5の総括.
本実施の形態5に係る加熱調理器100は、第4の発明を以下の構成で実現していた。すなわち、
加熱調理器本体1と、
前記加熱調理器本体1にヒンジ部19(支持機構3)を介して回動自在に支持される蓋体2と、を備え、
前記加熱調理器本体1には、上面に被調理物30を挿入できる第1の開口141Bを設けた上下方向に細長い第1凹部141Aを設け、
前記蓋体2には、下面に前記被調理物30を挿入できる第2の開口140Bを設けた第2凹部140Aを設けており、
前記第1凹部141Aには、被調理物30の第1の側面に近接して(微小間隙G9を介して)当該被調理物30に熱を伝えるための、非通気性構造物である第1の加熱面(前方側垂直壁)141Fと、前記第1の側面と反対側にある第2の側面に近接して(微小間隙G8を介して)当該第2の側面を加熱するための、非通気性構造物である第2の加熱面(後方側垂直壁)141Bと、を備え、
前記蓋体2を閉じた状態では、前記第1凹部141Aと前記第2凹部140Aが、前記第1の開口141Bと前記第2の開口140Bとを介して連通した状態となり、かつ当該第1凹部141Aと前記第2凹部140Aの間に、外部と遮蔽された一連の加熱調理室31が形成される構成を基本としているものである。
そして、前記加熱調理室31の第1の加熱面(前方側垂直壁)141Fと、第2の加熱面(後方側垂直壁)141Bとの間に、前記被調理物30を垂直状態に置く場合に、前記加熱調理室31の内部における被調理物30の位置を規制する規制体146、147、148、149を設けた構成である。
この実施の形態5の構成によれば、被調理物が食パンである場合、食パンの内部の水分が保たれた状態に、短時間に焼き上げることができる。
また食パン等の被調理物30は、規制体146、147、148、149によって適切な位置に置かれて加熱される。このため、食パン等の被調理物30の全体を加熱調理できる。
また、本実施の形態5に係る加熱調理器100は、第5の発明を以下の構成で実現していた。すなわち、
加熱調理器本体1と、
前記加熱調理器本体1にヒンジ部19(支持機構3)を介して回動自在に支持される蓋体2と、を備え、
前記加熱調理器本体1には、上面に被調理物30を挿入できる第1の開口141Bを設けた上下方向に細長い第1凹部141Aを設け、
前記蓋体2には、下面に前記被調理物30を挿入できる第2の開口140Bを設けた第2凹部140Aを設けており、
前記第1凹部141Aには、被調理物30の第1の側面に近接して当該被調理物30に熱を伝えるための非通気性構造物である第1の加熱面(前方側垂直壁)141Fと、前記第1の側面と反対側にある第2の側面に近接して(微小間隙G8を介して)当該第2の側面を加熱するための、非通気性構造物である第2の加熱面(後方側垂直壁)141Bと、を備え、
前記蓋体2を閉じた状態では、前記第1凹部141Aと前記第2凹部140Aが、前記第1の開口141Bと前記第2の開口140Bとを介して連通した状態となり、かつ当該第1凹部141Aと第2凹140A部の間に、外部と遮蔽された一連の加熱調理室31が形成される構成を基本としているものである。
そして、前記第1凹部141の垂直方向の深さHDよりも前記蓋体2を閉じた状態における前記第2凹部140Aの垂直方向の深さを小さく形成し、かつ前記蓋体2を閉じた状態で、前記蓋体2の前記第2の開口140B周囲と、前記加熱調理器本体1の前記第1の開口141Bの周囲とにおいて空気の流通を阻止するための、シール構造(シール材145等)を備えたものである。これにより、前記加熱調理室31が外部と遮蔽された密封状態の空間となる構成である。
この実施の形態5の構成によれば、食パンを加熱調理した場合、食パンの内部の水分が保たれた状態に、短時間に焼き上げることができる。
また食パン等の被調理物30を、外部と遮蔽された加熱調理室31の中で、短時間に加熱調理できる。
さらに、前記第1凹部141Aの深さHDを、角型食パン30aと山型食パン30bの横幅寸法より小さくしているので、蓋体2を開けた際に、角型食パン30aと山型食パン30bの何れも、高さH7だけ重合面P1から上方向に突出する。
このため、蓋体2を開けた際に高さH7の突出部をユーザーが掴んで、食パンを取り出すことができる。従って、複雑なポップアップ機構を必要とせず、全体の構成を簡略化でき、コスト低減も期待できる。なお、高さH7だけ突出しても、その突出部は上ケース140の凹部の中に収容されて下ケース141側からの熱気で加熱されるので、実用上何ら問題はなく加熱調理できる。
実施の形態6.
次に、本発明の実施の形態6に係る加熱調理器を、図25に基づいて説明する。図25は、本発明の実施の形態6に係る加熱調理器を、蓋体を閉じた状態で示した縦断面図である。実施の形態1〜5で説明した加熱調理器と同一の構成については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。
この実施の形態6に係る加熱調理器100は、実施の形態5を改良したものであり、加熱調理室31の天井面と、底面の両方からもヒーターで加熱する構成が大きな特徴である。
図25において、金属製の上ケース140の凹部140Aは、その天井部、前方側垂直壁及び後方側垂直壁の部分に、面状ヒーター等から構成した蓋体加熱装置160を配置している。
蓋体加熱装置160は、3つのヒーター160T、160F、160Bを備えている。すなわち、160Tは、凹部140Aの天井部外側に密着状態に配置した天井部ヒーターである。160Fは、凹部140Aの前方側垂直壁の外側に密着状態に配置した前方側ヒーターである。160Bは、凹部140Aの後方側垂直壁の外側に密着状態に配置した後方側ヒーターである。
142Sは、下ケース141の底壁の外側に密着状態に配置した底部ヒーターである。この底部ヒーターは、面状ヒーターであっても良いし、他の形態のヒーターでも良い。
実施の形態6の加熱調理器100は、以上の構成であるから、加熱調理を開始すると、底部ヒーター142S、前面側ヒーター142F及び後面側ヒーター142Bによって、加熱調理室31は、その前方側、後方側、底部の3方向から加熱され、急速に温度上昇する。
凹部141Bの中に置かれた角型食パン30aは、その前方側垂直壁141Fと後方側垂直壁141Bによって加熱されるが、角型食パン30aから見て、前方側垂直壁141Fと後方側垂直壁141Bまでの距離は微小であり、僅か数mmから10mm程度しかないので、そのような狭い空隙G9、G8を介して角型食パン30aは凹部141Bの中で短時間に焼き上げられる。これは山型食パン30bの場合でも同じである。
また、角型食パン30aや山型食パン30bの体積に比較して、加熱調理室31の容積は、実施の形態5と同様に、3倍以下であるので、加熱調理室31の内部雰囲気温度を上昇させるまでの所要時間も短くできる。
この実施の形態6においても、角型食パン30aの前方側面と後方側面の加熱が進むと、水分が蒸発して水分含有量が低下し、水分含有量が一定の数値以下になると、角型食パン30bの前後両方の側面に硬化した部分であるクラスト層が形成される。このとき、蒸発した水分はクラスト層になった前後両側面から外部には排出されにくく、角型食パン30aの内部に移動する。
加熱調理室31を構成する周囲の壁面は、下ケース141と上ケース140で構成されている。そして下ケース141と上ケース140は、ともに非通気性構造であるから、水分を外部へ拡散させることはない。
この実施の形態6においても、角型食パン30aや山型食パン30bから外部に水分が排出されにくい。そのため、この加熱調理器100では、内部に水分が保たれた状態にトーストを仕上げることができる。
また、加熱調理室31では、凹部141Aの前方と後方、及び下方の3方向からの輻射熱により加熱する。そのため、角型食パン30a等の被調理物30を、焼きムラの少ない状態に焼き上げることができる。
また、角型食パン30aや山型食パン30b等の被調理物30のサイズに応じて、後面側ヒーター142Bと、前面側ヒーター142Fへの通電範囲を切り替えることで、調理中の不要な電力消費を抑えられるため、省エネ化を図ることができる。
なお、底部ヒーター142Sは、後面側ヒーター142Bや、前面側ヒーター142Fと比較すれば、消費電力は半分以下であり、全体の消費電力への影響は少ない。そのため、この実施の形態では、通電範囲を切り替えることは実施していない。
実施の形態6の総括.
本実施の形態5に係る加熱調理器100は、第4の発明を以下の構成で実現していた。すなわち、
加熱調理器本体1と、
前記加熱調理器本体1にヒンジ部19(支持機構3)を介して回動自在に支持される蓋体2と、を備え、
前記加熱調理器本体1には、上面に被調理物30を挿入できる第1の開口141Bを設けた上下方向に細長い第1凹部141Aを設け、
前記蓋体2には、下面に前記被調理物30を挿入できる第2の開口140Bを設けた第2凹部140Aを設けており、
前記第1凹部141Aには、被調理物30の第1の側面に近接して(微小間隙G9を介して)当該被調理物30に熱を伝えるための、非通気性構造物である第1の加熱面(前方側垂直壁)141Fと、前記第1の側面と反対側にある第2の側面に近接して(微小間隙G8を介して)当該第2の側面を加熱するための、非通気性構造物である第2の加熱面(後方側垂直壁)141Bと、を備え、
前記蓋体2を閉じた状態では、前記第1凹部141Aと前記第2凹部140Aが、前記第1の開口141Bと前記第2の開口140Bとを介して連通した状態となり、かつ当該第1凹部141Aと前記第2凹部140Aの間に、外部と遮蔽された一連の加熱調理室31が形成される構成を基本としているものである。
さらに、前記加熱調理室31の第1の加熱面(前方側垂直壁)141Fと第2の加熱面(後方側垂直壁)141B、さらに底面を、その外側から加熱調理室31側に加熱するための、前面側ヒーター142F、後面側ヒーター142B及び底部ヒーター142Sを、それぞれ配置し、
前記加熱調理室31の内部に、前記被調理物30を垂直状態に置く場合に、当該被調理物30の位置を規制する規制体146、147、148、149を設けた構成である。
この実施の形態6の構成によれば、被調理物が食パンである場合、食パンの内部の水分が保たれた状態に、短時間に焼き上げることができる。
また食パン等の被調理物30は、規制体146、147、148、149によって適切な位置に置かれて加熱される。このため、食パン等の被調理物30の全体を加熱調理できる。
実施の形態7.
次に、本発明の実施の形態7に係る加熱調理器を、図26と図27に基づいて説明する。図26は、本発明の実施の形態7に係る加熱調理器を、蓋体を閉じた状態で示した縦断面図である。図27は、この実施の形態7の特徴である被調理物の保持体の斜視図である。実施の形態1〜6で説明した加熱調理器と同一の構成については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。
この実施の形態7に係る加熱調理器100は、実施の形態5を更に改良したものであり、加熱調理室31の内部に、被調理物30を収容した保持体170を設けた構成が特徴である。
保持体170は、図27に示すように、左右側面側に大きな開口171、172を備えた長方形をしており、上部3個所にはユーザーが持ち運び時の手掛け部となる取っ手175を一体に形成している。
この保持体170は、熱伝導率の良い素材、例えば薄いアルミニウム板で形成するか、又は全体を網目状に形成している。図27は、薄いアルミニウム板で形成した例を示している。
173は、保持体170の前方側に設けた大きな窓である。また174は、同様に保持体170の後方(背面)側に設けた大きな窓である。
食パン等の被調理物30は、最初に左右の開口171、172の何れかから保持体170の中に置く。この保持体170は、角型食パン30aの横幅寸法よりも前記開口171、172の高さは大きいので、角型食パン30aは、横に倒した状態にする。なお、山型食パン30bでも同様に収容できる。
角型食パン30aや山型食パン30bを加熱調理する状態では、図26に示す縦断面図から明らかなように、保持体170の前後両側と、下ケース141の後方側垂直壁141B及び前方側垂直壁141Fとの間の空隙G8、G9は、2〜3mm程度の大きさである。
このように狭い空隙G8、G9であるため、保持体170の両側に形成した窓173、174を介して、後方側垂直壁141B及び前方側垂直壁141Fからの高熱を被調理物30が受け、美味しいトースト等にすることができる。
加熱調理を終えた際には、蓋体2を開けて被調理物30を収容したままの保持体170を加熱調理室31から取り出す。この場合も下ケース141における凹部141Aの深さHDよりも、保持体170の取っ手171の位置が上方になるように設計しているので、蓋体2を開けた状態で、直ぐに取っ手171を持ち上げることができる。
この実施の形態7においても、加熱調理室31を構成する周囲の壁面は、下ケース141と上ケース140で構成されている。そして下ケース141と上ケース140は、ともに非通気性構造であるから、水分を外部へ拡散させることはない。
この実施の形態7においても、角型食パン30aや山型食パン30bから外部に水分が排出されにくい。そのため、この加熱調理器100では、内部に水分が保たれた状態にトーストを仕上げることができる。
また、加熱調理室31では、凹部141Aの前方と後方、及び下方の3方向からの輻射熱により加熱する。そのため、角型食パン30a等の被調理物30を、焼きムラの少ない状態に焼き上げることができる。
実施の形態8.
次に、本発明の実施の形態8に係る加熱調理器を、図28に基づいて説明する。図28は、本発明の実施の形態8に係る加熱調理器を、蓋体を閉じた状態で示した縦断面図である。実施の形態1〜7で説明した加熱調理器と同一の構成については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。
この実施の形態8に係る加熱調理器100は、実施の形態5を更に改良したものであり、加熱調理室31の内部に、被調理物30の下端面を支持する規制体(凸部)180を設けた構成が特徴である。
規制体180は、下ケース141の凹部141Aの内側にプレス加工で一体に形成するか、又は別に製造した山型形状の突起物を接着等の固定手段によって取り付けても良い。規制体180があるため、例えば食パンが加熱調理室31に置かれた際に、食パンの下側の周縁部が、下ケース141の凹部141Aの内側面から数mm〜10mm程度離れる。
前記規制体180は、下ケース141の凹部141Aの内側に、左右方向に1列又は複数列設けても良く、また設置間隔は一定でも、一定でなくとも良い。また、その他の形に配置しても良い。
また規制体180は、この図28に示しているような半円球状(ドーム状)以外に、台形状、三角錐形状など種々の形が考えられる。
実施の形態5では、本体ケース1Cの内部を、下ケース141の下方で上下に仕切る遮蔽板143を設けていたが、この実施の形態ではそれを省略している。しかし、そのような遮蔽板143を設けても良い。
以上の構成の他は、実施の形態5と同様な構成である。
このため、この実施の形態8においても、加熱調理室31の中に、例えば角型食パン30aや山型食パン30bを入れると、それら食パンの下端面を前記規制体180が支えるので、食パンの下方に空間が形成される。これによって高温の空気が満たされた加熱調理室31によって、角型食パン30aや山型食パン30bの下端部も加熱され、結果的に、角型食パン30aや山型食パン30bの前後・左右の全ての周縁部を加熱できる。
この実施の形態8においても、加熱調理室31を構成する周囲の壁面は、下ケース141と上ケース140で構成されている。そして下ケース141と上ケース140は、ともに非通気性構造であるから、水分を外部へ拡散させることはない。
この実施の形態8においても、角型食パン30aや山型食パン30bから外部に水分が排出されにくい。そのため、この加熱調理器100では、内部に水分が保たれた状態にトーストを仕上げることができる。
さらに、規制体180を設けた特有の効果としては、食パンの(下ケース141への)接触面積を小さくして、食パンの周縁(所謂「耳」)部の過熱を防ぐことができ、さらには、食パンと加熱調理室31の底部となる下ケース141の凹部141Aの最下部との間に、規制体180の介在によって空隙ができ、その凹部141Aの底部外側に設置している温度検知部150が、温度変化を迅速に捉えることができる。このため、制御装置90による制御の正確性が向上する。
なお、実施の形態1で採用した蓋体開閉検知装置97を、実施の形態5〜8でも採用して良い。蓋体開閉検知装置97を採用すれば、前記加熱装置(前面側ヒーター142F)と前記加熱装置(後面側ヒーター142B)に対する通電を制御する制御装置90は、前記蓋体開閉検知装置97が前記蓋2体の開放を検知している状態では、第1の加熱面に対応した加熱装置(後面側ヒーター142B)と前記第2の加熱面に対応した加熱装置(後面側ヒーター142B)に対する通電を自動的に停止することができる。このため、安全性を更に向上させた加熱調理器を提供できる。
以上の通り、本発明を色々な実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上述した実施の形態の構成に限定されるものではない。図示した加熱調理器100の構成は、一例であって、上述した内容に限定されるものではなく、他の構成要素を含んだ加熱調理器であっても同様に実施することができる。要するに、いわゆる当業者が必要に応じてなす種々なる変更、応用、利用の範囲をも本発明の要旨(技術的範囲)に含むことを念のため申し添える。
本発明に係る加熱調理器は、一般家庭だけではなく、公共施設や店舗等の調理場でも広く利用することができる。
GP 空隙、1 加熱調理器本体、1C 本体ケース、2 蓋体、2A 蓋体ケース、3 支持機構、4 保持部材、5 ロック機構部、6 動力機構、7 異物検知装置、8 補助脚、9 支持台、9a 段差部、9b 貫通孔、9c ピン、10 遮蔽板、11 第1のプレート(底プレート)、11B 傾斜部、11C 平面部、11U 第1の加熱面、12 底面加熱装置、12H1 電熱帯、12H2 電熱帯、13 断熱部材、14 ヒーター押え板、15 第1の温度検知部、16 操作部、16A モード切替操作部、16a モード切替ボタン、16B 焼き色調整部、16b 焼き色調整ダイヤル、16C 調理開始指令部、16c 調理開始ボタン、16d サイズ設定操作ボタン、16D サイズ設定操作部、17 操作基板、18 上枠、19 ヒンジ部、19C ヒンジケース、20 内筐体、20B 後方壁面、20F 前方壁面、20U 上壁面、21 上面加熱装置、22 断熱部材、23 ヒーター押え板、24 遮蔽板、25 シール部材、26 持ち手部、27 押込部、28 天井板(第2のプレート)、28U 第2の加熱面、29 蓋枠、29A 凸壁、30 被調理物、30T 第2の側面、30U 第1の側面、31 加熱調理室、32 異物、40、41 凸部、41a 段差部、42 凹部、45 支持枠、50 固定部、50a 突起部、50b 収納部、51 付勢部材、52 ストッパー部材、60 通電範囲切替装置、70 回転軸、80 脚部、80a フランジ部、81 弾性部材、82 収納ケース、90 制御装置、91 コードリール、92 メイン制御部、93 演算部、94 タイマー部、94 記憶部、97 蓋体開閉検知装置、99 温度検知装置、100 加熱調理器、110 規制体、111 支持部材、112 第2の温度検出部、112A 第1温度センサー、112B 第2温度センサー、113 脚部、114 電源基板、115 規制用凸部、116 軸、117 脚、118 掛け金、119 傾きセンサー、120 第2のプレート。130 掛け金ロック検出部、140 上ケース、140A 凹部、140B 開口、141 下ケース、141A 凹部、141B 後方側垂直壁、141F 前方側垂直壁、142B 後面側ヒーター、142F 前面側ヒーター、142S 底部ヒーター、143 遮蔽板(遮熱板)、144 タッチ式入力操作部、145 シール材、146 規制体、147 規制体、148 底部規制体、149 底部規制体、150 温度検知部、160 蓋体加熱装置、160B 後方側ヒーター、160F 前方側ヒーター、160T 天井部ヒーター、170 保持体、180 規制体(凸部)、210 規制体。

Claims (25)

  1. 加熱調理器本体と、
    前記加熱調理器本体に支持機構を介して回動自在に支持された蓋体と、を備え、
    前記蓋体を閉じた状態では、前記加熱調理器本体と前記蓋体との間に外部と遮断された加熱調理室が区画形成され、
    前記加熱調理器本体には、被調理物を水平に載置できる水平方向に伸びた非通気性構造物である第1のプレートと、前記第1のプレートを、その外側から加熱する第1加熱装置とを備え、
    前記蓋体には、前記被調理物を挟んで前記第1のプレートと反対側にあって、当該被調理物と空隙を置いて対面する非通気性構造物である第2のプレートと、前記第2のプレートをその上方から加熱する第2加熱装置とを有し、
    前記加熱調理室の内部には、前記第1のプレート上における前記被調理物の載置位置を規制するために、前記支持機構側に行くに従って高くなる傾斜面又は前記第2のプレート側に突出する規制体の、少なくとも何れか一方を設けたことを特徴とする加熱調理器。
  2. 加熱調理器本体と、
    前記加熱調理器本体に支持機構を介して回動自在に支持された蓋体と、を備え、
    前記蓋体を閉じた状態では、前記加熱調理器本体と前記蓋体との間に外部と遮断された加熱調理室が区画形成され、
    前記加熱調理器本体には、被調理物が斜めに載置される、当該被調理物に接触状態で熱を伝えるための非通気性構造物である第1のプレートと、前記第1のプレートをその下側から加熱する第1加熱装置と、を備え、
    前記蓋体には、前記被調理物を挟んで前記第1のプレートと反対側にあって、当該被調理物と空隙を置いて対面する非通気性構造物である第2のプレートと、前記第2のプレートをその上方から加熱する第2加熱装置と、を有し、
    前記蓋体は、前記支持機構を中心に垂直位置から前記加熱調理器本体と離れる方向に回動する構成であり、
    前記第1のプレートと第2のプレートの間に被調理物を斜めに置いて加熱する場合において、前記加熱調理室の下部において被調理物の端面と前記加熱調理室の内側壁面との間に空隙を確保し、当該被調理物の載置位置を規制する規制体を設けたことを特徴とする加熱調理器。
  3. 加熱調理器本体と、
    前記加熱調理器本体に支持機構によって回動自在に支持された蓋体と、を有し、
    前記加熱調理器本体には、上下方向に伸びる非通気性構造物である第1の加熱面を備えた第1のプレートを有し、
    前記蓋体には上下方向に伸びる非通気性構造物である第2の加熱面を備えた第2のプレートを有し、
    前記蓋体を閉じた状態にしたときには、前記第1の加熱面と前記第2の加熱面とが、被調理物を収容できる対向間隔を置いて向い合う第1の状態となり、また、前記蓋体を回動させて開放させた状態にしたときには、前記第1の加熱面の上部が露出した第2の状態となるものであり、
    前記加熱調理器本体には、前記第1の加熱面と第2の加熱面が前記第1の状態になっている期間中、当該第1の加熱面と第2の加熱面に対して加熱用電力をそれぞれ供給する制御装置と、を具備したことを特徴とする加熱調理器。
  4. 加熱調理器本体と、
    前記加熱調理器本体に支持機構を介して回動自在に支持される蓋体と、を備え、
    前記加熱調理器本体には、上面に被調理物を挿入できる第1の開口を設けた上下方向に細長い第1凹部を設け、
    前記蓋体には、下面に前記被調理物を挿入できる第2の開口を設けた第2凹部を設け、
    前記第1凹部には、被調理物の第1の側面に近接して当該被調理物に熱を伝えるための、非通気性構造物である第1の加熱面と、前記第1の側面と反対側にある第2の側面に近接して当該第2の側面を加熱するための、非通気性構造物である第2の加熱面と、を備え、
    前記蓋体を閉じた状態では、前記第1凹部と前記第2凹部が、前記第1の開口と前記第2の開口とを介して連通した状態となり、かつ当該第1凹部と前記第2凹部の間に、外部と遮蔽された一連の加熱調理室が形成され、
    前記加熱調理室の第1の加熱面と第2の加熱面との間に、前記被調理物を垂直状態に置く場合に、前記加熱調理室の内部における前記被調理物の位置を規制する規制体を設けたことを特徴とする加熱調理器。
  5. 加熱調理器本体と、
    前記加熱調理器本体に支持機構を介して回動自在に支持される蓋体と、を備え、
    前記加熱調理器本体には、上面に被調理物を挿入できる第1の開口を設けた上下方向に細長い第1凹部を設け、
    前記蓋体には、下面に前記被調理物を挿入できる第2の開口を設けた第2凹部を設け、前記第2凹部には、被調理物の第1の側面に近接して当該被調理物に熱を伝えるための非通気性構造物である第1の加熱面と、前記第1の側面と反対側にある第2の側面に近接して当該第2の側面を加熱するための非通気性構造物である第2の加熱面とを備え、
    前記蓋体を閉じた状態では、前記第1凹部と前記第2凹部が、前記第1の開口と前記第2の開口とを介して連通した状態となり、かつ当該第1凹部と第2凹部の間に、外部と遮蔽された一連の加熱調理室が形成され、
    前記第1凹部の垂直方向の深さよりも前記蓋体を閉じた状態における前記第2凹部の垂直方向の深さを小さく形成し、かつ前記蓋体を閉じた状態では、前記蓋体の前記第1の開口周囲と、前記第2の開口の周囲とにおいて空気の流通を阻止するシール構造を備えたことを特徴とする加熱調理器。
  6. 前記第1のプレートは、前記被調理物を載置する平面部と、この平面部よりも前記支持機構に近い側に、当該支持機構側に行くに従って高くなるよう前記傾斜面を設け、
    この傾斜面よりも前記支持機構に近い側に、前記規制体を設けたことを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
  7. 前記加熱調理器本体には、前記蓋体を目標の回動位置で保持する支持機構を備えていることを特徴とする請求項6に記載の加熱調理器。
  8. 前記加熱調理器本体に対して前記蓋体を閉じた状態では、前記第2のプレートの表面と、前記第1のプレートの表面とが、被調理物を挟んで向かい合い、
    前記蓋体を開放している状態では前記第2のプレートの表面が前記第1のプレートの表面に対して90度以上開いたままの姿勢に保持する角度規制部を、前記支持機構に更に備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の加熱調理器。
  9. 前記第1加熱装置と第2加熱装置は、平面状ヒーターを用いていることを特徴とする請求項1又は2に記載の加熱調理器。
  10. 前記加熱調理器本体には、ユーザーによって操作される操作部と、前記第1加熱装置と前記第2加熱装置を制御する制御装置と、を更に備え、
    前記操作部には、被調理物の種類を選択するモード設定操作部、焼き色を設定する焼き色設定操作部及び通電範囲を設定するサイズ設定操作部の、少なくとも何れか1つを備え、
    前記モード設定操作部、焼き色設定操作部又はサイズ設定操作部を操作した場合に、前記操作部から前記制御装置に対して設定操作信号が発信されることを特徴とする請求項1又は2に記載の加熱調理器。
  11. 前記サイズ設定操作部は、サイズ設定信号を前記制御装置に向けて発信するものであり、
    前記制御装置は、前記サイズ設定信号を受けて、前記第1加熱装置と前記第2加熱装置への通電範囲を決定する構成であることを特徴とする請求項10に記載の加熱調理器。
  12. 前記加熱調理器本体の上面には第1の重合面を有し、
    前記蓋体の下面には、前記加熱室の前記重合面に重なる第2の重合面を有し、
    前記蓋体が前記加熱調理器本体の上面を覆うように重なった状態で、前記第1の重合面と前記第2の重合面が接触又は近接して、前記加熱調理室の内部空間が外部と遮断された状態になることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の加熱調理器。
  13. 前記第1のプレートの表面と第2のプレートの表面は、それら両者の全体に亘り、対向間隔が一様であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の加熱調理器。
  14. 前記第1のプレートは、単一の金属製板によって構成され、かつ前記被調理物に熱を伝える表面は全体が1つの平坦な面であることを特徴とする請求項1又は2に記載の加熱調理器。
  15. 前記第1のプレートにおいて前記被調理物に熱を伝える表面は、単一の金属製板によって構成され、かつ当該表面は全体が1つの平坦な面であることを特徴とする請求項3に記載の加熱調理器。
  16. 前記第1凹部を形成した金属製の下ケース設け、
    前記下ケースには、前方側垂直壁と後方側垂直壁を形成し、
    前記前方側垂直壁と後方側垂直壁は、互いに空隙を置いて向かい合った位置関係を有し、
    前記前方側垂直壁を、前記空隙と反対側から加熱する第1加熱装置と、
    前記後方側垂直壁を、前記空隙と反対側から加熱する第2加熱装置と、
    前記第1加熱装置及び前記第2加熱装置への加熱用電力を制御する制御装置と、を備えたことを特徴とする請求項4又は5に記載の加熱調理器。
  17. 前記加熱調理室に収容される前記被調理物が、スライスされた食パンである場合、当該食パンの体積に対し、前記加熱調理室の容積は、3倍以下の大きさであることを特徴とする請求項1又は2に記載の加熱調理器。
  18. 前記第1のプレートには、水平方向に広がり、前記被調理物に熱を伝える表面と、この表面の周縁部に連続し、前記被調理物の高さより低く形成された傾斜面と、を備えていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の加熱調理器。
  19. 前記第1加熱装置と前記第2加熱装置に対する通電を制御する制御装置と、
    前記蓋体の開放を検知する蓋体開閉検知装置と、を更に備え、
    前記蓋体開閉検知装置が前記蓋体の開放を検知している状態では、前記制御装置は、前記第1加熱装置と前記第2加熱装置に対する通電を停止することを特徴とする請求項1又は2に記載の加熱調理器。
  20. 前記蓋体の開放を検知する蓋体開閉検知装置と、を更に備え、
    前記蓋体開閉検知装置が前記蓋体の開放を検知している状態では、前記制御装置は、前記第1の加熱面に対応した加熱装置と前記第2の加熱面に対応した加熱装置に対する通電を、それぞれ停止することを特徴とする請求項3に記載の加熱調理器。
  21. 前記第1の加熱面に対応した加熱装置と前記第2の加熱面に対応した加熱装置に対する通電を制御する制御装置と、
    前記蓋体の開放を検知する蓋体開閉検知装置と、を更に備え、
    前記蓋体開閉検知装置が前記蓋体の開放を検知している状態では、前記制御装置は、前記第1の加熱面に対応した加熱装置と前記第2の加熱面に対応した加熱装置に対する通電を停止することを特徴とする請求項4又は5に記載の加熱調理器。
  22. 前記蓋体の下部には、前記加熱調理室の外周面と空隙を保って当該加熱調理室を囲む凸壁を備えた蓋枠を、設けていることを特徴とする請求項1又は2に記載の加熱調理器。
  23. 前記蓋体の内壁面と前記凸壁との間には、空隙が形成されていることを特徴とする請求項22に記載の加熱調理器。
  24. 前記蓋体の内部には、前記第2凹部を形成した金属製の上ケースを有し、
    前記加熱調理器本体には、前記第1凹部を形成した金属製の下ケースを有し、
    前記上ケースの周囲には、前記第2凹部の周囲を囲む凸壁を備えた蓋枠を設け、
    前記蓋枠と前記蓋体の内壁面との間に空隙を設けていること特徴とする請求項3〜5の何れか1項に記載の加熱調理器。
  25. 前記蓋枠は環状に形成されて、前記蓋体の下部に固定されており、
    蓋体を閉じた状態では、前記蓋枠の下面が前記加熱調理器の第1の重合面と対面する第2の重合面となることを特徴とする請求項22に記載の加熱調理器。
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