JP6923326B2 - 内燃機関 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関に関する。
従来、内燃機関において、例えば特許文献1に開示されたものがある。これは、燃焼室が形成されたシリンダと、燃焼室の吸気を行う吸気ポートと、燃焼室の排気を行う排気ポートと、燃焼室に燃料を直接噴射するインジェクタと、を備えた内燃機関において、インジェクタがシリンダ軸線上のシリンダヘッドに配置されたものである。
特開2006−52708号公報
しかし、インジェクタがシリンダ軸線上のシリンダヘッドに配置されると、インジェクタによる燃焼室内への直接噴射の際に、燃焼室の内壁に燃料が付着する可能性があった。
そこで本発明は、内燃機関において、燃焼室の内壁に燃料が付着することを抑制することを目的とする。
上記課題の解決手段として、請求項1に記載した発明は、シリンダヘッド(15)と、シリンダ(13)と、前記シリンダヘッド(15)に形成された燃焼室(28)の吸気を行う吸気ポート(330)と、前記燃焼室(28)の排気を行う排気ポート(31)と、前記燃焼室(28)に燃料を直接噴射するインジェクタ(41)と、を備えた内燃機関(10,210,310,410)において、前記吸気ポート(330)は、前記燃焼室(28)にスワール流を形成し、前記インジェクタ(41)は、燃料噴射口(41h)を前記スワール流に対向させるように、シリンダ軸線(L1)に対して傾斜して延び、前記吸気ポート(330)の前記燃焼室(28)の側には、螺旋状をなして前記スワール流を形成するスロート部(30b,230b)が設けられ、前記吸気ポート(330)は、前記シリンダ軸線(L1)から離反するように延びており、前記シリンダ軸線(L1)に沿う方向から見て、前記吸気ポート(330)は、前記インジェクタ(41)と重なる位置に配置された吸気ポート本体(230a)を備え、前記シリンダ軸線(L1)に沿う方向から見て、前記吸気ポート本体(230a)は、前記シリンダ(13)の外形寄りで前記シリンダ軸線(L1)に直交する方向に延びる仮想線(L2)を挟んで前記インジェクタ(41)とは反対側に湾曲するとともに前記スロート部(230b)に結合され、前記吸気ポート(330)と前記インジェクタ(41)とが立体交差しており、前記インジェクタ(41)は、前記燃料噴射口(41h)から噴射される燃料を前記燃焼室(28)に直接噴射するものであって、前記燃料噴射口(41h)から噴射される燃料が前記スワール流に対向するように配置されており、前記吸気ポート(330)は、1つの前記シリンダ(13)に対して1つのみ設けられ、前記シリンダ軸線(L1)に沿う方向から見て、前記燃料噴射口(41h)は、前記仮想線(L2)を挟んで吸気口(30h)とは反対側に配置されており、前記シリンダ軸線(L1)に沿う方向から見て、前記吸気ポート(330)及び前記インジェクタ(41)は、前記仮想線(L2)に交差するように延びていることを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、前記シリンダ軸線(L1)に沿う方向から見て、前記燃料噴射口(41h)は、前記シリンダ(13)の周方向に沿うように流れる前記スワール流に対向していることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、前記吸気ポート(330)は、前記シリンダ軸線(L1)から離反するように延びており、前記シリンダ軸線(L1)に沿う方向から見て、前記インジェクタ(41)は、前記吸気ポート(330)に並ぶように延びていることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、前記シリンダ軸線(L1)に沿う方向から見て、前記吸気ポート(330)は、前記吸気口(30h)を前記シリンダ軸線(L1)からずらすように、前記シリンダ(13)の周方向に向けて傾斜して延びていることを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、前記排気ポート(31)は、前記シリンダ軸線(L1)から離反するように前記吸気ポート(330)とは反対側に延びており、前記シリンダ軸線(L1)に沿う方向から見て、前記燃料噴射口(41h)は、前記仮想線(L2)を挟んで前記吸気口(30h)とは反対側に配置され、かつ、前記吸気ポート(330)及び前記インジェクタ(41)は、前記仮想線(L2)に沿うように延びていることを特徴とする。
請求項6に記載した発明は、前記インジェクタ(41)は、複数設けられ、前記複数のインジェクタ(41)は、前記燃料噴射口(41h)から噴射される燃料の少なくとも一部が互いに衝突するように対向して配置されていることを特徴とする。
請求項1に記載した発明によれば、インジェクタが燃料噴射口をスワール流に対向させるようにシリンダ軸線に対して傾斜して延びていることで、インジェクタが噴射する燃料の直進力を減衰させることができる。したがって、燃焼室の内壁に燃料が付着することを抑制することができる。加えて、吸気ポートの燃焼室の側に螺旋状をなしてスワール流を形成するスロート部が設けられていることで、吸気ポートの下流側のスロート部がスワール流を発生させる機能を有することになるため、スワール流を発生させるための部材を別個独立に設けた場合と比較して、シリンダが径方向外方に大型化することを回避することができる。加えて、シリンダ軸線に沿う方向から見て、吸気ポート本体がシリンダの外形寄りでシリンダ軸線に直交する方向に延びる仮想線を挟んでインジェクタとは反対側に湾曲するとともにスロート部に結合されていることで、スロート部に加え、吸気ポート本体の湾曲部がスワール流を発生させる機能を有することになるため、シリンダ内壁に沿うようにスワール流を効率よく発生させることができる。
請求項2に記載した発明によれば、シリンダ軸線に沿う方向から見て、燃料噴射口がシリンダの周方向に沿うように流れるスワール流に対向していることで、スワール流を収束させやすくするとともに、インジェクタによる燃料の噴射距離を長く確保することができる
請求項3に記載した発明によれば、吸気ポートがシリンダ軸線から離反するように延びており、シリンダ軸線に沿う方向から見て、インジェクタが吸気ポートに並ぶように延びていることで、インジェクタがシリンダ軸線から離反するほど吸気ポートから離反するように延びている場合と比較して、シリンダが径方向外方に大型化することを回避することができる。
請求項に記載した発明によれば、シリンダ軸線に沿う方向から見て、吸気ポートが吸気口をシリンダ軸線からずらすようにシリンダの周方向に向けて傾斜して延びていることで、スワール流を効率よく発生させることができるため、インジェクタが噴射した燃料の直進力をより効果的に減衰させることができる。したがって、燃焼室の内壁に燃料が付着することをより効果的に抑制することができる。
請求項に記載した発明によれば、排気ポートがシリンダ軸線から離反するように吸気ポートとは反対側に延びており、シリンダ軸線に沿う方向から見て、燃料噴射口がシリンダ軸線に直交する方向に延びる仮想線を挟んで吸気口とは反対側に配置され、かつ、吸気ポート及びインジェクタが仮想線に沿うように延びていることで、吸気ポート及びインジェクタを集約して効率よく配置することができるとともに、インジェクタによる燃料噴射を行いやすくすることができる
請求項6に記載した発明によれば、複数のインジェクタは、燃料噴射口から噴射される燃料の少なくとも一部が互いに衝突するように対向して配置されていることで、燃焼室内で互いの燃料をぶつかり合わせることができるため、複数のインジェクタが噴射した燃料の直進力をより効果的に減衰させることができる。したがって、燃焼室の内壁に燃料が付着することをより効果的に抑制することができる。
第一実施形態に係るエンジンの内部構造を右側方から見た図である。 第一実施形態に係るエンジンをシリンダ軸線に沿う上方から見た図である。 第一実施形態に係るエンジンをシリンダ軸線に沿う下方から見た図である。 第二実施形態に係るエンジンの内部構造を右側方から見た図である。 第二実施形態に係るエンジンをシリンダ軸線に沿う上方から見た図である。 第二実施形態に係るエンジンをシリンダ軸線に沿う下方から見た図である。 第三実施形態に係るエンジンをシリンダ軸線に沿う上方から見た図である。 第三実施形態に係るエンジンをシリンダ軸線に沿う下方から見た図である。 第三実施形態に係るエンジンを左側方から見た図である。 第四実施形態に係るエンジンをシリンダ軸線に沿う上方から見た図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明における前後左右等の向きは、特に記載が無ければ不図示の自動二輪車(以下、単に「車両」という。)における向きと同一とする。また以下の説明に用いる図中適所には、車両前方を示す矢印FR、車両左方を示す矢印LH、及び車両上方を示す矢印UPが示されている。
(第一実施形態)
<エンジン>
図1は、一例として、単気筒2バルブ型のエンジン(内燃機関)の内部構造を示す。
図1及び図2を併せて参照し、エンジン10は、シリンダヘッド15と、不図示のクランクケースから突出するシリンダ13と、シリンダヘッド15の開口を閉じる不図示のヘッドカバーと、を備えている。シリンダヘッド15は、シリンダ13のシリンダブロック14の上端に取付けられている。エンジン10は、シリンダ13の中心軸線であるシリンダ軸線L1が実質的に鉛直状態となる姿勢で(具体的には、上下方向に延びる直線と一致するように)支持されている。
図1を参照し、シリンダブロック14内には、ピストン26が往復動可能に嵌装されている。ピストン26には、コンロッド27の一端が連結されている。コンロッド27の他端は、車幅方向に延びる不図示のクランクシャフトに連結されている。シリンダヘッド15には、ピストン26の頂部を臨ませる燃焼室28が形成されている。シリンダヘッド15には、燃焼室28から延出してシリンダヘッド15の一側面(後面)に開口する吸気ポート30と、燃焼室28から延出してシリンダヘッド15の他側面(前面)に開口する排気ポート31と、が設けられている。
吸気ポート30と燃焼室28とは、吸気バルブ32によって開閉される。排気ポート31と燃焼室28とは、排気バルブ33によって開閉される。吸気バルブ32は、吸気側ロッカーアーム34の揺動に伴って開閉作動する。排気バルブ33は、排気側ロッカーアーム35の揺動に伴って開閉作動する。吸気側ロッカーアーム34及び排気側ロッカーアーム35は、シリンダヘッド15内において揺動自在とされている。
吸気側ロッカーアーム34、排気側ロッカーアーム35、吸気バルブ32及び排気バルブ33によって囲まれる空間には、車幅方向に延びるカムシャフト36が配置されている。カムシャフト36は、不図示のベアリングを介してシリンダヘッド15に回転可能に支持されている。
不図示のベアリングから車幅方向外方に突出するカムシャフト36の一端部には、被動スプロケット39が取り付けられている。不図示のクランクシャフトの一端部に取り付けられた駆動スプロケットと、被動スプロケット39とには、カムチェーン40が掛け回されている。これにより、カムシャフト36は、クランクシャフトに係動して回転する。
カムシャフト36に設けられた吸気カム37によって、吸気側ロッカーアーム34が揺動される。カムシャフト36に設けられた排気カム38によって、排気側ロッカーアーム35が揺動される。これにより、吸気バルブ32及び排気バルブ33が開閉する。
インジェクタ41は、前後に延在する状態で、シリンダヘッド15に取り付けられている。インジェクタ41は、不図示の燃料タンクから燃料を供給される。インジェクタ41は、燃焼室28に燃料を直接噴射する。
<各ポート及びインジェクタの配置構造>
図2に示すように、吸気ポート30は、燃焼室28にスワール流を形成する。ここで、スワール流は、シリンダ軸線L1の周りに旋回する流れである。なお、図2において、矢印Swは、スワール流の流れを示している。
図1及び図2を併せて参照し、インジェクタ41は、燃料噴射口41hをスワール流に対向させるように、シリンダ軸線L1に対して傾斜して延びている。すなわち、インジェクタ41から噴射された燃料がスワール流に衝突することによって、燃料の直進力が減衰されるようになっている。なお、図2において、矢印Fwは、インジェクタ41からの燃料の噴射方向を示している。
シリンダ軸線L1に沿う方向から見て、燃料噴射口41hは、シリンダ13の周方向に沿うように流れるスワール流に対向している。図2において、符号13aは、シリンダ軸線L1に沿う方向から見て環状をなしかつ燃焼室28を囲むシリンダ内壁を示している。シリンダ軸線L1に沿う方向から見て、燃料噴射口41hは、シリンダ内壁13aに沿うように流れるスワール流に対向している。
図2に示すように、吸気ポート30の燃焼室28の側には、螺旋状をなしてスワール流を形成するスロート部30bが設けられている。スロート部30bは、吸気ポート本体30aと燃焼室28とのつなぎ目となる部分である。スロート部30bは、吸気ポート本体30aよりも縮径している。なお、吸気ポート本体30aは、吸気ポート30のうちシリンダ軸線L1に沿う方向から見て直線状をなす部分である。
図2において、矢印W1は吸気ポート本体30a内の吸気の流れ、矢印W2はスロート部30b内の吸気の流れをそれぞれ示している。シリンダ軸線L1に沿う方向から見て、吸気ポート本体30a内の吸気の流れは直線状をなし、スロート部30b内の吸気の流れは螺旋状をなしている。これにより、燃焼室28内にスワール流が形成されるようになっている。
吸気ポート30は、シリンダ軸線L1から離反するように延びている。シリンダ軸線L1に沿う方向から見て、インジェクタ41は、吸気ポート30に並ぶように延びている。具体的には、シリンダ軸線L1に沿う方向から見て、インジェクタ41は、吸気ポート本体30aと実質的に平行になるように前後に延びている。
なお、図2において、符号43は、燃焼室28に先端を臨ませる点火プラグを示している。点火プラグ43は、シリンダヘッド15に取り付けられている。点火プラグ43は、シリンダ軸線L1から離反するように延びている。シリンダ軸線L1に沿う方向から見て、点火プラグ43は、右側ほど前方に位置するように緩やかに傾斜している。
図3に示すように、シリンダ軸線L1に沿う方向から見て、吸気ポート30は、吸気口30hをシリンダ軸線L1からずらすように、シリンダ13の周方向に向けて傾斜して延びている。言い換えると、シリンダ軸線L1に沿う方向から見て、吸気口30hはシリンダ内壁13a寄りにずれており、かつ、吸気ポート本体30aはシリンダ内壁13aの接線方向に沿うように延びている。
排気ポート31は、シリンダ軸線L1から離反するように吸気ポート30とは反対側に延びている。シリンダ軸線L1に沿う方向から見て、排気ポート31の排気口31hは、シリンダ内壁13a寄りであって、シリンダ軸線L1を挟んで吸気口30hとは反対側に配置されている。
図3において、符号L2は、シリンダ軸線L1に直交する方向に延びる仮想線L2を示している。シリンダ軸線L1に沿う方向から見て、仮想線L2は、燃焼室28を左右に二等分するように上下に延びる直線状をなしている。
シリンダ軸線L1に沿う方向から見て、燃料噴射口41hは、仮想線L2を挟んで吸気口30hとは反対側に配置されている。シリンダ軸線L1に沿う方向から見て、吸気ポート30及びインジェクタ41は、仮想線L2に沿うように延びている。
シリンダ軸線L1に沿う方向から見て、インジェクタ41は、仮想線L2を挟んで吸気ポート本体30aとは反対側に配置されている。シリンダ軸線L1に沿う方向から見て、吸気ポート本体30a及びプラグホール43hは仮想線L2よりも右方に配置され、インジェクタ41は仮想線L2より左方に配置されている。シリンダ軸線L1に沿う方向から見て、排気ポート31は、仮想線L2に重なるように延びている。
以上説明したように、上記実施形態は、シリンダヘッド15と、シリンダ13と、シリンダヘッド15に形成された燃焼室28の吸気を行う吸気ポート30と、燃焼室28の排気を行う排気ポート31と、燃焼室28に燃料を直接噴射するインジェクタ41と、を備えたエンジン10において、吸気ポート30は、燃焼室28にスワール流を形成し、インジェクタ41は、燃料噴射口41hをスワール流に対向させるように、シリンダ軸線L1に対して傾斜して延びている。
この構成によれば、インジェクタ41が燃料噴射口41hをスワール流に対向させるようにシリンダ軸線L1に対して傾斜して延びていることで、インジェクタ41が噴射する燃料の直進力を減衰させることができる。したがって、燃焼室28の内壁(すなわち、シリンダ内壁13a)に燃料が付着することを抑制することができる。
また、上記実施形態では、シリンダ軸線L1に沿う方向から見て、燃料噴射口41hがシリンダ13の周方向に沿うように流れるスワール流に対向していることで、スワール流を収束させやすくするとともに、インジェクタ41による燃料の噴射距離を長く確保することができる。
また、上記実施形態では、吸気ポート30の燃焼室28の側に螺旋状をなしてスワール流を形成するスロート部30bが設けられていることで、吸気ポート30の下流側のスロート部30bがスワール流を発生させる機能を有することになるため、スワール流を発生させるための部材を別個独立に設けた場合と比較して、シリンダ13が径方向外方に大型化することを回避することができる。
また、上記実施形態では、吸気ポート30がシリンダ軸線L1から離反するように延びており、シリンダ軸線L1に沿う方向から見て、インジェクタ41が吸気ポート30に並ぶように延びていることで、インジェクタ41がシリンダ軸線L1から離反するほど吸気ポート30から離反するように延びている場合と比較して、シリンダ13が径方向外方に大型化することを回避することができる。
また、上記実施形態では、シリンダ軸線L1に沿う方向から見て、吸気ポート30が吸気口30hをシリンダ軸線L1からずらすようにシリンダ13の周方向に向けて傾斜して延びていることで、スワール流を効率よく発生させることができるため、インジェクタ41が噴射した燃料の直進力をより効果的に減衰させることができる。したがって、燃焼室28の内壁に燃料が付着することをより効果的に抑制することができる。
また、上記実施形態では、排気ポート31がシリンダ軸線L1から離反するように吸気ポート30とは反対側に延びており、シリンダ軸線L1に沿う方向から見て、燃料噴射口41hがシリンダ軸線L1に直交する方向に延びる仮想線L2を挟んで吸気口30hとは反対側に配置され、かつ、吸気ポート30及びインジェクタ41が仮想線L2に沿うように延びていることで、吸気ポート30及びインジェクタ41を集約して効率よく配置することができるとともに、インジェクタ41による燃料噴射を行いやすくすることができる。
(第二実施形態)
図4〜図6に示すように、第二実施形態は、エンジン210における吸気ポート230の形状が上述した第一実施形態と相違している。なお、以下の説明においては、上述した第一実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
具体的に、吸気ポート230における吸気ポート本体230aは、シリンダ軸線L1に沿う方向から見て、インジェクタ41と重なる位置に配置されている。シリンダ軸線L1に沿う方向から見て、吸気ポート本体230a及びインジェクタ41は、仮想線L2より左方に配置されている。吸気ポート本体230aは、インジェクタ41よりも上方に配置されている。吸気ポート本体230aは、シリンダ軸線L1に沿う方向から見て、シリンダ13の外形寄りで仮想線L2を挟んでインジェクタ41とは反対側に湾曲するとともに螺旋状のスロート部230bに結合されている。
本実施形態によれば、シリンダ軸線L1に沿う方向から見て、吸気ポート本体230aがシリンダ13の外形寄りで仮想線L2を挟んでインジェクタ41とは反対側に湾曲するとともにスロート部230bに結合されていることで、スロート部230bに加え、吸気ポート本体230aの湾曲部がスワール流を発生させる機能を有することになるため、シリンダ内壁13aに沿うようにスワール流を効率よく発生させることができる。
なお、本実施形態によれば、吸気ポート本体230aの湾曲部によりシリンダ内壁13aに沿うスワール流を発生させることができるため、螺旋状のスロート部230bを構成しない形式を採用することもできる。
(第三実施形態)
図7〜図9に示すように、第三実施形態は、エンジン310におけるインジェクタ41の数が上述した第一実施形態と相違している。なお、以下の説明においては、上述した第一実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図7に示すように、インジェクタ41は、複数設けられている。本実施形態において、インジェクタ41は、2つ設けられている。2つのインジェクタ41は、前後に延在する状態で、それぞれシリンダヘッド15に取り付けられている。2つのインジェクタ41は、燃料噴射口41hから噴射される燃料の少なくとも一部が互いに衝突するように対向して配置されている。なお、図7、図9において、矢印Fwは、各インジェクタ41からの燃料の噴射方向を示している。本実施形態において、2つのインジェクタ41は、吸気ポート330の側に配置された第一インジェクタ41Aと、排気ポート31の側に配置された第二インジェクタ41Bと、である。
2つのインジェクタ41(第一インジェクタ41A及び第二インジェクタ41B)は、それぞれ燃料噴射口41hをスワール流に対向させるように、シリンダ軸線L1に対して傾斜して延びている。なお、図7において、矢印Swは、スワール流の流れを示している。すなわち、2つのインジェクタ41から噴射された燃料がスワール流に衝突することによって、燃料の直進力が減衰されるようになっている。さらに、2つのインジェクタ41から噴射された燃料が燃焼室28内で互いにぶつかり合うことによって、燃料の直進力が減衰されるようになっている。
本実施形態の吸気ポート330は、シリンダ軸線L1に沿う方向から見て直線状をなしている。すなわち、吸気ポート330には、螺旋状のスロート部が設けられていない。シリンダ軸線L1に沿う方向から見て、吸気ポート330と第一インジェクタ41Aとは、互いに交差するように前後に延びている。シリンダ軸線L1に沿う方向から見て、吸気ポート330は、後側ほど左方に位置するように緩やかに傾斜している。シリンダ軸線L1に沿う方向から見て、第一インジェクタ41Aは、後側ほど右方に位置するように緩やかに傾斜している。
図9の側面視で、吸気ポート330は、前上方に凸の湾曲形状をなしている。吸気ポート330と第一インジェクタ41Aとの上下交差部において、吸気ポート330は、第一インジェクタ41Aの上方に配置されている。
吸気ポート330と第一インジェクタ41Aとは、立体交差している。これにより、吸気ポート330にスロート部を設けることなく、燃焼室28内にスワール流を容易に形成することができる。
図8に示すように、シリンダ軸線L1に沿う方向から見て、第一インジェクタ41Aの燃料噴射口41h(以下「第一燃料噴射口41h1」ともいう。)は、仮想線L2を挟んで吸気口30hとは反対側に配置されている。シリンダ軸線L1に沿う方向から見て、吸気ポート330及び第一インジェクタ41Aは、仮想線L2に交差するように延びている。
シリンダ軸線L1に沿う方向から見て、第二インジェクタ41Bの燃料噴射口41h(以下「第二燃料噴射口41h2」ともいう。)は、仮想線L2を挟んで吸気口30hと同じ側に配置されている。すなわち、シリンダ軸線L1に沿う方向から見て、第二燃料噴射口41h2は、仮想線L2を挟んで第一燃料噴射口41h1とは反対側に配置されている。
本実施形態によれば、2つのインジェクタ41は、燃料噴射口41hから噴射される燃料の少なくとも一部が互いに衝突するように対向して配置されていることで、燃焼室28内で互いの燃料をぶつかり合わせることができるため、2つのインジェクタ41が噴射した燃料の直進力をより効果的に減衰させることができる。したがって、燃焼室28の内壁に燃料が付着することをより効果的に抑制することができる。
また、本実施形態では、吸気ポート330と第一インジェクタ41Aとが立体交差していることで、吸気ポート330にスロート部を設けることなく、燃焼室28内にスワール流を容易に形成することができる。
なお、本実施形態では、インジェクタ41が2つ設けられている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、インジェクタ41が3つ以上設けられていてもよい。すなわち、インジェクタの数は要求仕様に合わせて変更することができ、複数のインジェクタは、燃料噴射口から噴射される燃料の少なくとも一部が互いに衝突するように対向して配置されていればよい。
また、本実施形態では、吸気ポート330と第一インジェクタ41Aとが立体交差している例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、吸気ポート330及び第一インジェクタ41Aが仮想線L2に沿うように延びていてもよい。シリンダ軸線L1に沿う方向から見て、第一インジェクタ41Aは、吸気ポート330に並ぶように延びていてもよい。具体的には、シリンダ軸線L1に沿う方向から見て、第一インジェクタ41Aは、吸気ポート330と実質的に平行になるように前後に延びていてもよい。
また、本実施形態では、吸気ポート330にスロート部が設けられていない例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、吸気ポート330にスロート部が設けられていてもよい。すなわち、吸気ポートが吸気ポート本体及びスロート部を備えていてもよい。さらに、シリンダ軸線L1に沿う方向から見て、吸気ポート本体がシリンダ13の外形寄りで仮想線L2を挟んで第一インジェクタ41Aとは反対側に湾曲するとともにスロート部に結合されていてもよい。これにより、吸気ポート330と第一インジェクタ41Aとの立体交差部、スロート部に加え、吸気ポート本体の湾曲部がスワール流を発生させる機能を有することになるため、シリンダ内壁13aに沿うようにスワール流をより一層効率よく発生させることができる。
(第四実施形態)
図10に示すように、第四実施形態は、エンジン410における吸気ポート及びインジェクタの配置構造が上述した第一実施形態と相違している。なお、以下の説明においては、上述した第一実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の吸気ポート430は、シリンダ軸線L1に沿う方向から見て直線状をなしている。すなわち、吸気ポート430には、螺旋状のスロート部が設けられていない。シリンダ軸線L1に沿う方向から見て、吸気ポート430とインジェクタ41とは、互いに交差するように前後に延びている。シリンダ軸線L1に沿う方向から見て、吸気ポート430は、後側ほど左方に位置するように緩やかに傾斜している。本実施形態の吸気ポート430は、第三実施形態の吸気ポート330(図7参照)よりも後側において左方への傾斜度合が大きい。シリンダ軸線L1に沿う方向から見て、インジェクタ41は、後側ほど右方に位置するように緩やかに傾斜している。
吸気ポート430とインジェクタ41との上下交差部において、吸気ポート430は、インジェクタ41の上方に配置されている。すなわち、吸気ポート430とインジェクタ41とは、立体交差している。
本実施形態によれば、吸気ポート430とインジェクタ41とが立体交差していることで、吸気ポート430にスロート部を設けることなく、燃焼室28内にスワール流を容易に形成することができる。加えて、シリンダ軸線L1に沿う方向から見て、吸気ポート430は、後側ほど左方に位置するように緩やかに傾斜し、かつ、第三実施形態の吸気ポート330よりも後側において左方への傾斜度合が大きいことで、第三実施形態よりも燃焼室28内にスワール流を容易に形成することができる。
なお、本実施形態では、吸気ポート430にスロート部が設けられていない例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、吸気ポート430にスロート部が設けられていてもよい。すなわち、吸気ポートが吸気ポート本体及びスロート部を備えていてもよい。さらに、シリンダ軸線L1に沿う方向から見て、吸気ポート本体がシリンダ13の外形寄りで仮想線L2を挟んでインジェクタ41とは反対側に湾曲するとともにスロート部に結合されていてもよい。これにより、吸気ポート430とインジェクタ41との立体交差部、スロート部に加え、吸気ポート本体の湾曲部がスワール流を発生させる機能を有することになるため、シリンダ内壁13aに沿うようにスワール流をより一層効率よく発生させることができる。
なお、上記実施形態では、吸気ポートが燃焼室にシリンダ軸線の周りに旋回するスワール流を形成する例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、吸気ポートが燃焼室にシリンダ軸線と直交する軸線の周りに旋回するタンブル流を形成してもよい。すなわち、吸気の流れは種々の態様を適用することができ、インジェクタが燃料噴射口を吸気の流れに対向させるように延びていればよい。
また、上記実施形態では、エンジン10が単気筒2バルブ型である例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、エンジン10が多気筒2バルブ型であってもよい。すなわち、エンジンは種々の形式を採用することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、例えば、前記車両には、運転者が車体を跨いで乗車する車両全般が含まれ、自動二輪車(原動機付自転車及びスクータ型車両を含む)のみならず、三輪(前一輪且つ後二輪の他に、前二輪且つ後一輪の車両も含む)の車両も含まれる。また、本発明は、自動二輪車のみならず、自動車等の四輪の車両にも適用可能である。
そして、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、実施形態の構成要素を周知の構成要素に置き換える等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
10,210,310,410 エンジン(内燃機関)
13 シリンダ
15 シリンダヘッド
28 燃焼室
30,230,330,430 吸気ポート
230a 吸気ポート本体
30b,230b スロート部
30h 吸気口
31 排気ポート
41 インジェクタ
41h 燃料噴射口
L1 シリンダ軸線
L2 仮想線

Claims (6)

  1. シリンダヘッド(15)と、シリンダ(13)と、前記シリンダヘッド(15)に形成された燃焼室(28)の吸気を行う吸気ポート(330)と、前記燃焼室(28)の排気を行う排気ポート(31)と、前記燃焼室(28)に燃料を直接噴射するインジェクタ(41)と、を備えた内燃機関(10,210,310,410)において、
    前記吸気ポート(330)は、前記燃焼室(28)にスワール流を形成し、
    前記インジェクタ(41)は、燃料噴射口(41h)を前記スワール流に対向させるように、シリンダ軸線(L1)に対して傾斜して延び、
    前記吸気ポート(330)の前記燃焼室(28)の側には、螺旋状をなして前記スワール流を形成するスロート部(30b,230b)が設けられ、
    前記吸気ポート(330)は、前記シリンダ軸線(L1)から離反するように延びており、
    前記シリンダ軸線(L1)に沿う方向から見て、前記吸気ポート(330)は、前記インジェクタ(41)と重なる位置に配置された吸気ポート本体(230a)を備え、
    前記シリンダ軸線(L1)に沿う方向から見て、前記吸気ポート本体(230a)は、前記シリンダ(13)の外形寄りで前記シリンダ軸線(L1)に直交する方向に延びる仮想線(L2)を挟んで前記インジェクタ(41)とは反対側に湾曲するとともに前記スロート部(230b)に結合され、
    前記吸気ポート(330)と前記インジェクタ(41)とが立体交差しており、
    前記インジェクタ(41)は、前記燃料噴射口(41h)から噴射される燃料を前記燃焼室(28)に直接噴射するものであって、前記燃料噴射口(41h)から噴射される燃料が前記スワール流に対向するように配置されており、
    前記吸気ポート(330)は、1つの前記シリンダ(13)に対して1つのみ設けられ、
    前記シリンダ軸線(L1)に沿う方向から見て、前記燃料噴射口(41h)は、前記仮想線(L2)を挟んで吸気口(30h)とは反対側に配置されており、
    前記シリンダ軸線(L1)に沿う方向から見て、前記吸気ポート(330)及び前記インジェクタ(41)は、前記仮想線(L2)に交差するように延びていることを特徴とする内燃機関。
  2. 前記シリンダ軸線(L1)に沿う方向から見て、前記燃料噴射口(41h)は、前記シリンダ(13)の周方向に沿うように流れる前記スワール流に対向していることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
  3. 前記吸気ポート(330)は、前記シリンダ軸線(L1)から離反するように延びており、
    前記シリンダ軸線(L1)に沿う方向から見て、前記インジェクタ(41)は、前記吸気ポート(330)に並ぶように延びていることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関。
  4. 前記シリンダ軸線(L1)に沿う方向から見て、前記吸気ポート(330)は、前記吸気口(30h)を前記シリンダ軸線(L1)からずらすように、前記シリンダ(13)の周方向に向けて傾斜して延びていることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関。
  5. 前記排気ポート(31)は、前記シリンダ軸線(L1)から離反するように前記吸気ポート(330)とは反対側に延びており、
    前記シリンダ軸線(L1)に沿う方向から見て、前記燃料噴射口(41h)は、前記仮想線(L2)を挟んで前記吸気口(30h)とは反対側に配置され、かつ、前記吸気ポート(330)及び前記インジェクタ(41)は、前記仮想線(L2)に沿うように延びていることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関。
  6. 前記インジェクタ(41)は、複数設けられ、
    前記複数のインジェクタ(41)は、前記燃料噴射口(41h)から噴射される燃料の少なくとも一部が互いに衝突するように対向して配置されていることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の内燃機関。
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