JP6919515B2 - 積層セラミックコンデンサ - Google Patents

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Description

本発明は、積層セラミックコンデンサに関し、特に例えば、誘電体層と内部電極とが交互に積層された積層体を含む積層セラミックコンデンサに関する。
近年、積層セラミックコンデンサは、従来に比べてより過酷な環境下で使用されるようになってきている。
例えば、携帯電話、携帯音楽プレーヤーなどのモバイル機器に用いられる積層セラミックコンデンサについては、落下時の衝撃に耐えることが求められている。具体的には、落下衝撃を受けても、実装基板から積層セラミックコンデンサが脱落しない、又は、積層セラミックコンデンサにクラックが生じないようにする必要がある。
また、ECUなどの車載機器に用いられる積層セラミックコンデンサについては、熱サイクルの衝撃に耐えることが求められている。具体的には、熱サイクルを受けて実装基板が熱膨張収縮することにより発生するたわみ応力を受けても、積層セラミックコンデンサにクラックが生じないようにする必要がある。
これを受けて、積層セラミックコンデンサの外部電極に熱硬化性導電樹脂ペーストを用いることが提案されている。例えば、特許文献1では、従来の電極層とNiめっきとの間に、エポキシ系熱硬化性樹脂層を形成し応力を緩和することで、厳しい環境下でも積層体にクラックが入らないような対策を行っている。
特開平11−162771号公報 国際公開第2004/053901号公報
しかしながら、一般的に、上記のような熱硬化性の樹脂を含む積層セラミックコンデンサにおいては、そもそも熱硬化性の樹脂自体に吸湿特性があり、水分を吸着しやすい。また、LFはんだ実装(鉛フリーはんだ実装)をするような約250℃程度の高温にさらされると樹脂は分解される。そのため、樹脂電極層中の樹脂に吸着された水分や樹脂分解成分が、積層セラミックコンデンサを実装基板にリフロー実装する際に、リフロー時の加熱によって気化する。この際、発生した気体が、通常、外部電極のシール性(水分などの浸入やはんだの侵食を防止する性質)を確保するために設けられているNiめっきにおいて、Niめっき膜中の最も弱い点を突き破るように局所的に噴出することがある。これを起因として溶融はんだや溶融Snめっきが吹き飛ぶことではんだ爆ぜと呼ばれる不具合が発生する。
なお、この課題は、特許文献1のような構造だけでなく、特許文献2にあるように、積層セラミックコンデンサ上に直接樹脂電極層が形成される構造において顕著に起こる傾向にある。これは、樹脂は水蒸気に対するシール性が悪いため、積層セラミックコンデンサ内部に保持されている水分も樹脂電極層中に介入してくることがある。このため、樹脂外部電極中に気化する水分量が増加し、はんだ爆ぜの課題がより顕著になる。
したがって、本発明では、特許文献1や特許文献2に用いられる熱硬化性の樹脂を含む積層セラミックコンデンサにおいて、過酷な条件であってもはんだ爆ぜの発生しにくい積層セラミックコンデンサを提供する。
本発明に係る積層セラミックコンデンサは、積層された複数の誘電体層と積層された複数の内部電極とを含み、積層方向に相対する第1の主面及び第2の主面と、積層方向に直交する幅方向に相対する第1の側面及び第2の側面と、積層方向及び幅方向に直交する長さ方向に相対する第1の端面及び第2の端面と、を含む積層体と、内部電極に接続される、端面上に配置された外部電極と、を有する積層セラミックコンデンサにおいて、外部電極は、熱硬化性樹脂及び金属成分を含む樹脂電極層と、樹脂電極層上に接するように配置されるめっき層と、を有し、金属成分は、Ni単体であり、めっき層は、Snめっき層であり、樹脂電極層とめっき層との界面の長さをLaとし、樹脂電極層とめっき層との界面において、めっき層と樹脂電極層中の金属成分とが接触している長さをLfとしたとき、0.92≦Lf/La≦0.98である
また、外部電極の表面において、樹脂電極層の樹脂成分が露出する部分が存在することが好ましい。
また、外部電極は、導電性金属及びガラス成分を含む下地電極層をさらに含み、下地電極層は積層体の端面を覆うように配置され、下地電極層上に樹脂電極層が配置されること
が好ましい
本発明にかかる積層セラミックコンデンサによれば、Niを主成分とした樹脂電極層表面に直接Snめっき層を配置することで、Snめっきが、実装時のはんだとともに溶解し、樹脂電極層上の樹脂成分上にはSnめっきが存在せず、樹脂電極層の樹脂成分が露出する部分を誘発させることができる。そのため、外部電極の表面において、Snめっきに覆われていない部分を存在させることで、リフロー時に樹脂電極層から発生する水蒸気や有機ガスが表面に抜ける抜け道を確保することができる。また、樹脂電極層とめっき層との界面の長さをLaとし、樹脂電極層とめっき層との界面において、めっき層と樹脂電極層中の金属とが接触している長さをLfとしたとき、Lf/Laの値をLf/La≦0.98とすることで、リフロー時に樹脂電極層から発生する水蒸気や有機ガスが表面へ抜けさせることができる。従来構造品であるNiめっきを形成している際には、Niめっきと樹脂電極層との間で局所的にNiめっき層が破壊された点状のみとなっているのに対し(樹脂電極層の全面をNiめっきが覆う構造となるため、基本的には逃げ道がないが、樹脂電極層から発生する水蒸気や有機ガスにより、電極表面が局所的に破壊される)、本発明では、Snめっきを樹脂電極層上に設けることで、Snめっきが実装時のはんだとともに溶解し、樹脂電極層上の樹脂成分上にはSnめっきが存在しない領域を誘発させることができる。そのため、外部電極の表面において、Snめっきに覆われていない部分を存在させることで、リフロー時に樹脂電極層から発生する水蒸気や有機ガスが表面に抜ける抜け道を、樹脂電極層の金属成分の間を縫うような線状(電極表面において樹脂成分上には、Snめっきが存在しない部分が現れ、その部分をなぞった線)とすることができる。これにより、ガスが外部電極表面に噴出する際の抜け道を確保することができ、ガスが外部電極表面に噴出する際の抜け道が局所化するNiめっきが形成された従来構造よりもリフロー時に樹脂電極層から発生する水蒸気や有機ガスの圧力が高まらず、確実にはんだ爆ぜを抑制することができる。
一方で、0.92>Lf/Laでは、樹脂電極層表面の樹脂とはんだが接している界面が多くなっている。それによって、通常ははんだと外部電極表面(めっき層)が合金化することによって得られている固着力がその部分では得られなくなり、実装後のチップ脱落の懸念が発生する。よって、0.92≦Lf/Laとすることで、実装基板と積層セラミックコンデンサとの固着力も強固に保つことが可能となる。
さらに、Niめっきを形成するコストが不要となるため、従来構造よりもコストを下げられる。
また、樹脂電極層中の金属にNiが含まれることにより、実装時にはんだ中に金属成分が急速に拡散して空隙が生じること(通称、「はんだ喰われ」という。)を防ぐことができ、本来樹脂電極層上に設けられるNiめっき層にて担保している、はんだの侵食の抑制効果を、Niめっき層なしで得ることができる。
それゆえに、本発明の主たる目的は、過酷な条件であってもはんだ爆ぜの発生しにくい積層セラミックコンデンサを提供することである。
本発明の上述の目的、その他の目的、特徴及び利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
本発明にかかる積層セラミックコンデンサの一例を示す外観斜視図である。 本発明にかかる積層セラミックコンデンサを示す図1のII−II線における断面図である。 本発明にかかる積層セラミックコンデンサを示す図1のIII−III線における断面図である。 (a)本発明にかかる積層セラミックコンデンサの内部電極の対向電極部が2つに分割された構造を示す図である。(b)本発明にかかる積層セラミックコンデンサの内部電極の対向電極部が3つに分割された構造を示す図である。(c)本発明にかかる積層セラミックコンデンサの内部電極の対向電極部が4つに分割された構造を示す図である。 図2に示すA部拡大図であって、この発明にかかる積層セラミックコンデンサの樹脂電極層とめっき層との界面の状態の詳細図である。 本発明にかかる積層セラミックコンデンサの固着力限界試験の方法を示す説明図である。 本発明にかかる積層セラミックコンデンサの変形例に係るLT断面図である。
1.積層セラミックコンデンサ
本発明にかかる積層セラミックコンデンサについて説明する。図1は、本発明にかかる積層セラミックコンデンサの一例を示す外観斜視図である。図2は、本発明にかかる積層セラミックコンデンサを示す図1のII−II線における断面図である。図3は、本発明にかかる積層セラミックコンデンサを示す図1のIII−III線における断面図である。
図1ないし図3に示すように、積層セラミックコンデンサ10は、直方体状の積層体12を含む。
(積層体12)
積層体12は、積層された誘電体層14と内部電極層16を含む。また、積層体12は、積層方向xに相対する第1の主面12a及び第2の主面12bと、積層方向xに直交する幅方向yに相対する第1の側面12c及び第2の側面12dと、積層方向x及び幅方向yに直交する長さ方向zに相対する第1の端面12e及び第2の端面12fとを有する。また、積層体12は、角部又は稜線部に丸みがつけられていることが好ましい。なお、角部とは、積層体の隣接する3面が交わる部分のことであり、稜線部とは、積層体の隣接する2面が交わる部分のことである。さらに、第1の主面12a及び第2の主面12b、第1の側面12c及び第2の側面12d、ならびに第1の端面12e及び第2の端面12fの主面、側面、端面の一部又は全体に凹凸などが形成されていてもよい。
積層体12の外形寸法は、Lの長さ(積層体12の長さ方向zの長さ)が0.370mm以上5.500mm以下、Wの長さ(積層体12の幅方向yの長さ)が0.195mm以上4.920mm以下、Tの長さ(積層体12の積層方向xの長さ)が0.195mm以上2.960mm以下であることが好ましい。
(誘電体層14)
積層体12の誘電体層14は、複数の誘電体層からなる外層部14aと、複数の誘電体層14と複数の内部電極層16からなる内層部14bとを含む。外層部14aは、積層体12の両主面側12a、12bに位置し、主面12a、12bと最も主面12a、12bに近い内部電極層16との間に位置する誘電体層14である。両外層部14aに挟まれた領域が内層部14bである。
積層体12の誘電体層14のセラミック材料としては、例えば、BaTiO3、CaTiO3、SrTiO3、CaZrO3などの主成分からなる誘電体セラミックを用いることができる。また、これらの主成分にMn化合物、Fe化合物、Cr化合物、Co化合物、Ni化合物などの副成分を添加したものを用いてもよい。
誘電体層14の厚みは、0.5μm以上20μm以下であることが好ましい。また、外層部14aの厚みは、50μm以上300μm以下であることが好ましい。
誘電体層14の枚数は、外層部14aを含め15枚以上200枚以下であることが好ましい。
(内部電極層16)
積層体12の複数の内部電極層16は、複数の第1の内部電極層16aと複数の第2の内部電極層16bとを有する。
第1の内部電極層16aは、第2の内部電極層16bと互いに対向する第1の対向電極部18aと、第1の対向電極部18aから積層体12の第1の端面12eに引き出される第1の引出電極部20aとを備える。第1の引出電極部20aは、その端部が積層体12の第1の端面12eの表面に引き出されており、露出部を形成している。
第2の内部電極層16bは、第1の内部電極層16aと互いに対向する第2の対向電極部18bと、第2の対向電極部18bから積層体12の第2の端面12fに引き出される第2の引出電極部20bとを備える。第2の引出電極部20bは、その端部が積層体12の第2の端面12fの表面に引き出されており、露出部を形成している。
なお、第1の内部電極層16a及び第2の内部電極層16bの第1の対向電極部18a及び第2の対向電極部18bの形状は、特に限定されないが、矩形状であることが好ましい。もっとも、第1の対向電極部18a及び第2の対向電極部18bのコーナー部は、丸められていても、例えば、テーパー状に斜めに形成されていてもよい。
また、第1の内部電極層16a及び第2の内部電極層16bの第1の引出電極部20a及び第2の引出電極部20bの形状は、特に限定されないが、矩形状であることが好ましい。もっとも、第1の引出電極部20a及び第2の引出電極部20bのコーナー部は、丸められていても、例えば、テーパー状に斜めに形成されていてもよい。
また、第1の対向電極部18a及び第2の対向電極部18bの幅と、第1の引出電極部20a及び第2の引出電極部20bの幅とは、同じ幅で形成されていてもよく、どちらか一方が、幅が狭く形成されていてもよい。
なお、図4に示すように、第1の内部電極層40a及び第2の内部電極層40bには、第1の端面12e及び第2の端面12fのどちらにも引き出されない浮き内部電極層40cが設けられ、浮き内部電極層40cによって、対向電極部42が複数に分割された構造としてもよい。例えば、図4(a)に示すような2連、図4(b)に示すような3連、図4(c)に示すような4連構造であり、4連以上の構造でもよいことは言うまでもない。このように、対向電極部42を複数個に分割した構造とすることによって、対向する内部電極40a、40b、40c間において複数のコンデンサ成分が形成され、これらのコンデンサ成分が直列に接続された構成となる。そのため、それぞれのコンデンサ成分に印加される電圧が低くなり、積層セラミックコンデンサの高耐圧化を図ることができる。
積層体12は、第1の内部電極層16a及び第2の内部電極層16bが、対向する対向電極部18a、18bと側面12c、12dとの間に位置する積層体12の側部(以下、「Wギャップ」という。)22aを含む。
さらに、積層体12は、対向する対向電極部18a、18bと端面12f、12eとの間に位置し、第1及び第2の内部電極層16a、16bのいずれか一方の引出電極部20a、20bを含む積層体12の端部(以下、「Lギャップ」という。)22bを含む。
第1の内部電極層16a及び第2の内部電極層16bは、例えば、Ni、Cu、Ag、Pd、Auなどの金属や、Ag−Pd合金等の、少なくとも一種を含む合金などの導電材料により構成することができる。
内部電極層16の第1の対向電極部18a及び第2の対向電極部18b同士が誘電体層14を介して対向することにより、静電容量が形成され、コンデンサの特性が発現する。
第1の内部電極層16a及び第2の内部電極層16bのそれぞれの厚みは、例えば、0.2μm以上2.0μm以下であることが好ましい。また、第1の内部電極層16a及び第2の内部電極層16bの枚数は、15枚以上200枚以下であることが好ましい。
(外部電極24)
積層体12の第1の端面12e側及び第2の端面12f側には、外部電極24が配置される。外部電極24は、積層体12の内部電極16に接続される。外部電極24は、第1の外部電極24a及び第2の外部電極24bを有する。
第1の外部電極24aは、積層体12の第1の端面12eの表面に配置され、第1の端面12eから延伸して、第1の主面12a、第2の主面12b、第1の側面12c、及び、第2の側面12dのそれぞれの一部を覆うように形成されることが好ましい。この場合、第1の外部電極24aは、第1の内部電極層16aに接続される。
第2の外部電極24bは、積層体12の第2の端面12fの表面に配置され、第2の端面12fから延伸して、第1の主面12a、第2の主面12b、第1の側面12c、及び、第2の側面12dのそれぞれの一部を覆うように形成されることが好ましい。この場合、第2の外部電極24bは、第2の内部電極層16bに接続される。
第1の外部電極24a及び第2の外部電極24bは、熱硬化性樹脂32及び金属成分34を含む樹脂電極層26と、樹脂電極層26上に接するように配置されるめっき層28と、を有する。
(1)樹脂電極層26
樹脂電極層26は、第1の樹脂電極層26aと第2の樹脂電極層26bとを有する。
第1の樹脂電極層26aは、積層体12の第1の端面12eを覆い、第1の内部電極層16aに接続されるように配置されている。具体的には、第1の主面12a及び第2の主面12bの一部、並びに第1の側面12c及び第2の側面12dの一部にまで至るように設けられていることが好ましい。もっとも、第1の樹脂電極層26aは、第1の端面12eの表面上にのみに配置されていてもよい。
第2の樹脂電極層26bは、積層体12の第2の端面12fを覆い、第2の内部電極層16bに接続されるように配置されている。具体的には、第1の主面12a及び第2の主面12bの一部、並びに第1の側面12c及び第2の側面12dの一部にまで至るように設けられていることが好ましい。もっとも、第2の樹脂電極層26bは、第2の端面12fの表面上にのみに配置されていてもよい。
第1の主面12a及び第2の主面12b、並びに、第1の側面12c及び第2の側面12d上に位置する第1の樹脂電極層26a及び第2の樹脂電極層26bの長さ方向の中央部における第1の樹脂電極層26a及び第2の樹脂電極層26bの厚みは、例えば、10μm以上120μm以下であることが好ましい。
また、第1の端面12e及び第2の端面12fに位置する第1の樹脂電極層26a及び第2の樹脂電極層26bの高さ方向中央部における第1の樹脂電極層26a及び第2の樹脂電極層26bの厚みは、例えば、5μm以上40μm以下であることが好ましい。
第1の樹脂電極層26a及び第2の樹脂電極層26bは、図5に示すように、熱硬化性樹脂32と、金属成分34と、を含む。
第1の樹脂電極層26a及び第2の樹脂電極層26bは、熱硬化性樹脂32を含むため、例えば、めっき膜や導電性ペーストの焼成物からなる下地電極層よりも柔軟性に富んでいる。このため、積層セラミックコンデンサに物理的な衝撃や熱サイクルに起因する衝撃が加わった場合であっても、樹脂電極層26が緩衝層として機能し、積層セラミックコンデンサ10へのクラックを防止することができる。
また、熱硬化性樹脂32の具体例としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂などの公知の種々の熱硬化性樹脂を使用することができる。その中でも、耐熱性、耐湿性、密着性などに優れたエポキシ樹脂が最も適切な樹脂の一つである。
また、第1及び第2の樹脂電極層26a、26bには、熱硬化性樹脂32とともに、硬化剤を含むことが好ましい。硬化剤としては、ベース樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合、エポキシ樹脂の硬化剤としては、フェノール系、アミン系、酸無水物系、イミダゾール系など公知の種々の化合物を使用することができる。
第1の樹脂電極層26a及び第2の樹脂電極層26bに含まれる金属成分34は、Niを含む。具体的には、第1の樹脂電極層26a及び第2の樹脂電極層26bに含まれる金属成分34は、Ni単体、もしくは、Niを含む合金や化合物である。Niを含む合金の場合は、例えばAg−Ni、Cu−Ni、化合物としてはNi3Sn、Ni3Sn2、Ni3Sn4などを用いることができる。このように樹脂電極層26中の金属成分34にNiが含まれることにより、実装時にはんだ中に金属成分34が急速に拡散して空隙が生じることを防ぐことができ、従来樹脂電極層26上に設けられるNiめっき層にて担保されている、はんだの侵食の抑制効果を、Niめっき層なしで得ることができる。また、Niめっき層を形成するコストが不要となるため、従来構造よりもコストを下げることができる。
樹脂電極層26に含まれる金属成分34は、導電性樹脂全体の体積に対して、35vol%以上92vol%以下で含まれていることが好ましい。
また、樹脂電極層26に含まれる金属成分34の形状は、特に限定されない。例えば、球状、扁平状、針状等であってもよい。樹脂電極層26に含まれる金属成分34は、球形状金属粉と扁平状金属粉とを混合して用いるのが好ましい。
また、樹脂電極層26に含まれる金属成分34の平均粒径は、特に限定されない。例えば、0.3μm以上10μm以下であってもよい。
さらに、樹脂電極層26に含まれる金属成分34は、主に樹脂電極層26の通電性を担う。具体的には、樹脂電極層26に含まれる金属成分34どうしが接触することにより、樹脂電極層26内部に通電経路が形成される。
(2)めっき層28
めっき層28は、Snめっき層である。
めっき層28は、第1のめっき層28a及び第2のめっき層28bを有する。
第1のめっき層28aは、第1の樹脂電極層26aを覆うように配置されており、第2のめっき層28bは、第2の樹脂電極層26bを覆うように配置されている。具体的には、第1のめっき層28aは、積層体12の第1の端面12e上に位置する第1の樹脂電極層26a上に配置され、第1の主面12a及び第2の主面12b、並びに第1の側面12c及び第2の側面12d上に位置する第1の樹脂電極層26a上にも至るように設けられていることが好ましい。また、第1のめっき層28aは、第1の樹脂電極層26aを完全に覆っていることが好ましい。
第2のめっき層28bは、積層体12の第2の端面12f上に位置する第2の樹脂電極層26b上に配置され、第1の主面12a及び第2の主面12b、並びに第1の側面12c及び第2の側面12d上に位置する第2の樹脂電極層26b上にも至るように設けられていることが好ましい。また、第2のめっき層28bは、第の樹脂電極層26を完全に覆っていることが好ましい。
樹脂電極層26の表面に直接めっき層28を作ることで、Snめっきが実装時のはんだとともに溶解し、樹脂電極層26上の樹脂成分上にはSnめっきが存在せず、樹脂電極層26の樹脂成分32が露出する部分を誘発させることができる。そのため、外部電極24の表面において、Snめっきに覆われていない部分を存在させ、樹脂電極層26の樹脂成分が露出する部分を設けることで、リフロー時に樹脂電極層26から発生する水蒸気や有機ガスが表面に抜ける抜け道を確保することができる。したがって、リフロー時に樹脂電極層26から発生する水蒸気や有機ガスの圧力を外部電極24の中から逃がすことが可能となり、はんだ爆ぜを抑制することが可能となる。
第1のめっき層28a及び第2のめっき層28bの厚みは、2μm以上10μm以下であることが好ましい。
積層体12と外部電極24とを含む外形寸法は、Lの長さ(積層体12と外部電極24とを含む長さ方向zの長さ)が0.4mm以上6.1mm以下、Wの長さ(積層体12と外部電極24とを含む幅方向yの長さ)が0.2mm以上5.4mm以下、Tの長さ(積層体12と外部電極24とを含む積層方向xの長さ)が0.2mm以上3.0mm以下であることが好ましい。
2.積層セラミックコンデンサの製造方法
次に本発明にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法について説明する。
(1)まず、誘導体シート及び内部電極用の導電性ペーストが準備される。
誘電体シートや内部電極用の導電性ペーストには、バインダ及び溶剤が含まれるが、公知の有機バインダや有機溶剤を用いることができる。
(2)次に、誘電体シート上に、例えば、スクリーン印刷やグラビア印刷などにより、所定のパターンで内部電極用の導電性ペーストを印刷することによって、内部電極パターンが形成される。
(3)次に、内部電極パターンが印刷されていない外層用の誘電体シートを所定枚数積層し、その上に内部電極パターンが印刷された誘電体シートを順次積層し、さらに、その上に外層用の誘電体シートを所定枚数積層することによって、積層シートか作製される。
(4)次に、積層シートを静水圧プレスなどの手段により積層方向にプレスすることによって、積層ブロックが作製される。
(5)次に、積層ブロックを所定のサイズにカットすることによって、積層チップが切り出される。このとき、バレル研磨などにより積層チップの角部及び稜線部に丸みをつけてもよい。
(6)次に、積層チップを焼成することによって、積層体が作製される。焼成温度は、誘電体や内部電極の材料にもよるが、900〜1300℃であることが好ましい。
(7)次に、積層体の両端面に樹脂電極層26となる金属成分34及び熱硬化性樹脂32を含む樹脂電極ペーストを塗布し、250〜550℃以上の温度で熱処理を行うことによって、樹脂32を熱硬化させる。この時、熱処理時の雰囲気は、N2雰囲気であることが好ましい。また、樹脂の飛散を防ぎ、かつ、各種金属成分の酸化を防ぐため、酸素濃度は100ppm以下に抑えることが好ましい。
なお、樹脂電極ペーストにおける、金属成分34及び樹脂成分32の合計重量に対する金属成分34の含有量は、79重量%以上93重量%以下含んでいることが好ましい。
また、Lf/Laの調整には、Snめっき形成時の樹脂電極層26の表面の樹脂比率をコントロールすることが必要である。このためには、樹脂電極ペーストが硬化完了した際に所望の表面樹脂比率よりも若干高めになるように樹脂電極ペーストの組成を調整した上で、前述した表面樹脂成分34の除去の条件出しを最適化することにより制御される。
(8)樹脂電極層26上にめっき層28としてSnめっき層が形成される。
Snめっき層は、電解めっき法や無電解めっき法で形成することができる。
上記のようにして、本実施の形態にかかる積層セラミックコンデンサ10が製造される。
樹脂電極層26とめっき層28との界面の長さをLaとする。また、樹脂電極層26とめっき層28との界面において、めっき層28と樹脂電極層26中の金属成分34とが接触している長さをLfとする。
Lf/Laは、以下の方法により算出することができる。
積層セラミックコンデンサ10の幅方向Wの1/2の位置になるまで断面研磨を行い、積層セラミックコンデンサのLT面を露出させる。その後、走査型電子顕微鏡(SEM)によりチップ端面中央を中心として、最低でも3000倍以上の倍率で少なくとも樹脂電極層26(図5では26bで示す。)とSnめっき28(図5では28bで示す。)との界面の長さLaが100μm以上の測長可能な枚数の写真を撮影する。次に、画像解析により、めっき層28(図5では28bで示す。)と樹脂電極層26(図5では26bで示す。)中の金属成分34とが接触している長さの総計をLfとして算出する。図5は、図2に示すA部拡大図である。例えば、図5に示すように、めっき層28(図5では28bで示す。)と樹脂電極層26(図5では26bで示す。)中の金属成分34とが接触している長さLfを算出する。
Lf/Laの調整は、玉石によるバレル研磨やサンドブラストなどの接触式の研磨、レーザーやプラズマによる有機成分の除去などによって、樹脂電極層26表面に露出している樹脂成分34の量をコントロールすることで実現することができる。
はんだ爆ぜの確認は、以下の方法により行うことができる。
積層セラミックコンデンサをガラスエポキシ基板にリフロー実装した後に、目視によりはんだの飛び散り具合を確認する。その際に、外部電極24においてスプレー状の噴出が確認されたものについては、不可とする。
固着力限界試験(Niめっきの効果を担保することを証明する試験)は、以下の方法により行うことができる。
図6に示すように、基板50(JISランド設計基板)に、積層セラミックコンデンサ10をはんだSAC305を用いて固着させる。SAC305は、Snと3.0%Agと0.5%Cuとを混合したものである。加圧治具52を用いて、荷重速度約0.5mm/sで、外部電極24が剥離するまで積層セラミックコンデンサの中央部に荷重を加える。剥離した際の荷重を固着力限界値として、記録する。
このようにして得られた積層セラミックコンデンサ10は、外部電極24の表面において、樹脂電極層26の樹脂成分34が露出する部分が存在する。これにより、樹脂電極層26の樹脂成分34が露出する部分を設けることで、リフロー時に樹脂電極層26から発生する水蒸気や有機ガスが表面に抜ける抜け道を確保することができる。よって、リフロー時に樹脂電極層26から発生する水蒸気や有機ガスの圧力を外部電極24中から逃がすことが可能となり、はんだ爆ぜを抑制することが可能となる。
また、樹脂電極層26とめっき層28の界面との長さをLaとし、樹脂電極層26とめっき層28との界面において、めっき層28と樹脂電極層26中の金属成分34とが接触している長さをLfとしたとき、Lf/La≦0.98である。これにより、上述したSnめっきの効果と相まって、リフロー時に樹脂電極層26から発生する水蒸気や有機ガスが表面に抜ける抜け道を確保することができる。よって、リフロー時に樹脂電極層26から発生する水蒸気や有機ガスの圧力を外部電極24中から逃がすことが可能となり、はんだ爆ぜを確実に抑制することができる。
樹脂電極層26とめっき層28との界面の長さをLaとし、樹脂電極層26とめっき層28との界面において、めっき層28と樹脂電極層26中の金属成分34とが接触している長さをLfとしたとき、0.92≦Lf/Laであることが好ましい。これにより、リフロー時に樹脂電極層26から発生する水蒸気や有機ガスが表面に抜ける抜け道を実装基板との固着力が低下しない程度に確保することができ、はんだ爆ぜの抑制及び固着力確保の両方の効果を得ることができる。
3.実験例及び比較例
次に上述した本発明にかかる積層セラミックコンデンサ10の効果を確認するために、上記の製造方法にしたがって、図1の構造の積層セラミックコンデンサ10を製作し、はんだ爆ぜ試験及び固着力限界試験を行った。
(1)評価のための試料の作製
以下、上述の製造方法を使用して、以下の条件に基づいて実験例の各試料の積層コンデンサ10が作製された。
実験例に用いた積層セラミックコンデンサ10は、以下の条件のものを準備した。なお、樹脂電極ペースト硬化後の樹脂電極層26の表面に対して、サンドブラストにより樹脂電極層26の表面を研磨した。このとき、サンドブラストを実施する時間を変化させて、樹脂電極層26の表面に露出する樹脂量をコントロールした。
(a)サイズ(L×W×T):1.0mm×0.5mm×0.5mm
(b)セラミック材料:BaTiO3
(c)静電容量:0.01μF
(d)定格電力:50V
(e)外部電極24の構造:樹脂電極層26及びSnめっき層28の2層構造
(i)樹脂電極層26の金属:Ni
樹脂電極層26の樹脂:エポキシ系樹脂
樹脂電極層26の樹脂の硬化温度:230℃
樹脂電極層26の金属の体積:42vol%
樹脂電極層26の樹脂の体積:58vol%
樹脂電極層26の積層体の側面、主面の長さ方向に沿った1/2位置における厚み:22μm
樹脂電極層26の積層体の端面の高さ方向に沿った1/2位置における厚み:9μm
(ii)Snめっき層28の積層体の側面、主面の長さ方向に沿った1/2位置におけ
る厚み:4μm
Snめっき層28の積層体の端面の高さ方向に沿った1/2位置における厚み:5.5μm
(f)内部電極16の構造:分割構造ではない
内部電極16の金属:Ni
比較例1に用いた積層セラミックコンデンサは、以下の条件のものを準備した。
(a)サイズ(L×W×T):1.0mm×0.5mm×0.5mm
(b)セラミック材料:BaTiO3
(c)静電容量:0.01μF
(d)定格電力:50V
(e)外部電極の構造:樹脂電極層、Niめっき層及びSnめっき層の3層構造
(i)樹脂電極層の金属:Ag
樹脂電極層の樹脂:エポキシ系樹脂
樹脂電極層の樹脂の硬化温度:230℃
樹脂電極層の金属の体積:50vol%
樹脂電極層の樹脂の体積:50vol%
樹脂電極層の積層体の側面、主面の長さ方向に沿った1/2位置における厚み:28μm
樹脂電極層の積層体の端面の高さ方向に沿った1/2位置における厚み:12μm
(ii)Niめっき層の積層体の側面、主面の長さ方向に沿った1/2位置における厚
み:2.8μm
Niめっき層の積層体の端面の高さ方向に沿った1/2位置における厚み:3.5μm
(iii)Snめっき層の積層体12の側面、主面の長さ方向に沿った1/2位置におけ
る厚み:4.6μm
Snめっき層の積層体12の端面の高さ方向に沿った1/2位置における厚み:5.7μm
(f)内部電極の構造:分割構造ではない
内部電極の金属:Ni
これらの得られた試料について、はんだ爆ぜの確認と固着力限界試験とを以下の手順により行った。
はんだ爆ぜの確認は、以下の方法により行った。
100個の試料をガラスエポキシ基板にリフロー実装した後に、目視によりはんだの飛び散り具合を確認した。その際に、外部電極24においてスプレー状の噴出が確認されたものについては、不可とした。表1の値は、100個の試料のうち、はんだ爆ぜが生じた試料の数を示す。
固着力限界試験は、以下の方法により行った。
基板50(JISランド設計基板)に、積層セラミックコンデンサ10をはんだSAC305を用いて固着させた。SAC305は、Snと3.0%Agと0.5%Cuとを混合したものである。加圧治具52を用いて、荷重速度約0.5mm/sで、外部電極24が剥離するまで積層セラミックコンデンサの中央部に荷重を加える。剥離した際の荷重を固着力限界値として、記録した。
固着力限界試験は、AVE−3σ>5.00[N]を閾値とした。
表1の値は、20個の試料のうち、固着力限界値の平均値(AVE)、最大値(MAX)、最小値(MIN)、標準偏差(σ)及び固着力限界値の下限値(AVE−3σ)を示す。
Figure 0006919515
Lf/Laの値が0.98以下の場合、はんだ爆ぜは発生しなかった。
また、Lf/Laの値が0.92以上の場合、固着力は5N以上であった。
したがって、Lf/Laの値が、0.92≦Lf/La≦0.98の場合は、はんだ爆ぜが生じず、固着力も維持することができた。
以上の結果から、本発明では、Niを主成分とした樹脂電極層26表面に直接Snめっき層28を配置することで、Snめっきが実装時のはんだとともに溶解し、樹脂電極層26上の樹脂成分上にはSnめっきが存在せず、樹脂電極層26の樹脂成分が露出する部分を誘発させることができると考えられる。そのため、外部電極24の表面において、Snめっきに覆われていない部分を存在させることで、リフロー時に樹脂電極層26から発生する水蒸気や有機ガスが表面に抜ける抜け道を確保することができる。
また、Lf/Laの値をLf/La≦0.98とすることで、リフロー時に樹脂電極層26から発生する水蒸気や有機ガスが表面に抜ける抜け道を、従来構造品であるNiめっきを形成している際には、Niめっきと樹脂電極層26との間で局所的にNiめっき層が破壊された点状のみとなっているのに対し(樹脂電極層26の全面をNiめっきが覆う構造となるため、基本的には逃げ道がないが、樹脂電極層26から発生する水蒸気や有機ガスにより、電極表面が局所的に破壊される)、本発明では、Snめっきを樹脂電極層26上に設けることで、Snめっきが実装時のはんだとともに溶解し、樹脂電極層26上の樹脂成分上にはSnめっきが存在しない領域を誘発させることができる。そのため、外部電極24の表面において、Snめっきに覆われていない部分を存在させることで、リフロー時に樹脂電極層26から発生する水蒸気や有機ガスが表面に抜ける抜け道を、樹脂電極層26の金属成分34の間を縫うような線状(電極表面において樹脂成分上には、Snめっきが存在しない部分が現れ、その部分をなぞった線)とすることができる。これにより、ガスが外部電極24の表面に噴出する際の抜け道を確保することができ、ガスが外部電極24の表面に噴出する際の抜け道が局所化するNiめっきが形成された従来構造よりもリフロー時に樹脂電極層26から発生する水蒸気や有機ガスの圧力が高まらず、はんだ爆ぜを抑制することができる。
一方で、0.92>Lf/Laでは樹脂電極層26の樹脂32とはんだとが接している界面が多くなっている。それによって、通常ははんだと外部電極表面(めっき層)とが合金化することによって得られている固着力がその部分では得られなくなり、実装後のチップ脱落の懸念が発生する。よって、0.92≦Lf/Laとすることで、実装基板50と積層セラミックコンデンサ10との固着力も強固に保つことが可能となる。
4.変形例
本発明の変形例として、図7のように、外部電極24は導電性金属及びガラス成分を含む下地電極層30をさらに含んでいても良い。これにより、内部電極16と外部電極24とのコンタクト性より、強固に確保することが可能となり、耐湿信頼性の高い積層セラミックコンデンサを提供することが可能となる。
積層セラミックコンデンサ10Aにおいて使用される外部電極24の下地電極層30について説明する。なお、上記したこの発明の一実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10と同一部分については、同じ参照番号を付し、同様となる説明は繰り返さない。
下地電極層30は、第1の下地電極層30aと第2の下地電極層30bとを有している。
第1の下地電極層30aは、積層体12の第1の端面12eを覆い、第1の内部電極層16aに接続されるように配置されている。具体的には、第1の主面12a及び第2の主面12bの一部、並びに第1の側面12c及び第2の側面12dの一部にまで至るように設けられていることが好ましい。もっとも、第1の下地電極層30aは、第1の端面12e上にのみに配置されていてもよい。上述の第1の樹脂電極層26aは、第1の下地電極層30a上に配置される。
第2の下地電極層30bは、積層体12の第2の端面12fを覆い、第2の内部電極層16bに接続されるように配置されている。具体的には、第1の主面12a及び第2の主面12bの一部、並びに第1の側面12c及び第2の側面12dの一部にまで至るように設けられていることが好ましい。もっとも、第2の下地電極層30bは、第2の端面12f上にのみに配置されていてもよい。上述の第2の樹脂電極層26bは、第2の下地電極層30b上に配置されている。
第1の下地電極層30a及び第2の下地電極層30bは、導電性金属及びガラス成分を含んでいる。
第1の下地電極層30a及び第2の下地電極層30bの金属は、例えば、Cu、Ni、Ag、Pd、Ag−Pd合金、Au等から選ばれる少なくとも1つを含む。
第1の下地電極層30a及び第2の下地電極層30bのガラスは、例えば、B、Si、Ba、Mg、Al、Li等から選ばれる少なくとも1つを含む。
第1の下地電極層30a及び第2の下地電極層30bは、複数層であってもよい。
第1の下地電極層30a及び第2の下地電極層30bは、ガラス及び金属を含む導電性ペーストを積層体に塗布して焼き付けたものであり、内部電極16と同時焼成したものでもよく、内部電極16を焼成した後に焼き付けてもよい。
積層体12の第1の主面12a及び第2の主面12b、第1の側面12c及び第2の側面12d上に位置する第1の下地電極層30a及び第2の下地電極層30bの長さ方向の中央部における第1の下地電極層30a及び第2の下地電極層30bの厚みは、例えば、15μm以上160μm以下であることが好ましい。
第1の端面12e及び第2の端面12fに位置する第1の下地電極層30a及び第2の下地電極層30bの高さ方向中央部における第1の下地電極層30a及び第2の下地電極層30bの厚みは、例えば、5μm以上40μm以下であることが好ましい。
樹脂電極層26の先端は、下地電極層30の先端から50μm以上800μm以下に延びて形成されていることが好ましい。これにより、熱衝撃サイクル時の応力を減少させるために樹脂電極層26の面積を十分に取ることができ、はんだクラック緩和効果を得ることができる。
なお、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で、種々に変更される。各実施の形態は例示であり、異なる実施の形態で示した構成の部分的な置換又は組み合わせが可能である。
10、10A 積層セラミックコンデンサ
12 積層体
12a 第1の主面
12b 第2の主面
12c 第1の側面
12d 第2の側面
12e 第1の端面
12f 第2の端面
14 誘電体層
14a 外層部
14b 内層部
16 内部電極層
16a 第1の内部電極層
16b 第2の内部電極層
18a 第1の対向電極部
18b 第2の対向電極部
20a 第1の引出電極部
20b 第2の引出電極部
22a 側部(Wギャップ)
22b 端部(Lギャップ)
24 外部電極
24a 第1の外部電極
24b 第2の外部電極
26 樹脂電極層
26a 第1の樹脂電極層
26b 第2の樹脂電極層
28 めっき層
28a 第1のめっき層
28b 第2のめっき層
30 下地電極層
30a 第1の下地電極層
30b 第2の下地電極層
32 熱硬化性樹脂(樹脂)
34 金属成分
40a 第1の内部電極層
40b 第2の内部電極層
40c 浮き内部電極層
42 対向電極部
50 基板
52 加圧治具
La 樹脂電極層とめっき層との界面の長さ
Lf めっき層と樹脂電極層中の金属成分とが接触している長さ
T 積層方向の長さ
W 幅方向の長さ
L 長さ方向の長さ
x 積層方向
y 幅方向
z 長さ方向

Claims (3)

  1. 積層された複数の誘電体層と積層された複数の内部電極とを含み、積層方向に相対する第1の主面及び第2の主面と、積層方向に直交する幅方向に相対する第1の側面及び第2の側面と、積層方向及び幅方向に直交する長さ方向に相対する第1の端面及び第2の端面と、を含む積層体と、
    前記内部電極に接続される、前記第1の端面及び前記第2の端面上に配置された外部電極と、
    を有する積層セラミックコンデンサにおいて、
    前記外部電極は、熱硬化性樹脂及び金属成分を含む樹脂電極層と、前記樹脂電極層上に接するように配置されるめっき層と、を有し、
    前記金属成分は、Ni単体であり、
    前記めっき層は、Snめっき層であり、
    前記樹脂電極層と前記めっき層との界面の長さをLaとし、前記樹脂電極層とめっき層との界面において、前記めっき層と前記樹脂電極層中の前記金属成分とが接触している長さをLfとしたとき、0.92≦Lf/La≦0.98である、積層セラミックコンデンサ。
  2. 前記外部電極の表面において、前記樹脂電極層の樹脂成分が露出する部分が存在する、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
  3. 前記外部電極は、導電性金属及びガラス成分を含む下地電極層をさらに含み、前記下地電極層は前記積層体の端面を覆うように配置され、前記下地電極層上に前記樹脂電極層が配置される、請求項1または請求項2に記載する積層セラミックコンデンサ。
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