JP6916334B1 - 電気化学セル - Google Patents

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Abstract

【課題】電解質の初期導電率の向上と乾燥による劣化の抑制とを両立可能な電気化学セルを提供する。【解決手段】アルカリ形燃料電池10の電解質16は、Niイオン及びAlイオンを含有する層状複水酸化物と、Fe、Co及びMnから選択される少なくとも1種の遷移金属の水酸化物とを含む。層状複水酸化物が含有するNiイオンに対する前記水酸化物に含まれる遷移金属のイオン総濃度は、50ppm以上20000ppm以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、電気化学セルに関する。
従来、比較的低温(例えば、250℃以下)で作動する燃料電池として、水酸化物イオン(OH)をキャリアとするアルカリ形燃料電池(AFC)が知られている。AFCでは、様々な液体燃料又は気体燃料を使用することができ、例えばメタノールを燃料とした場合には、以下の電気化学反応が起こる。
・アノード: CHOH+6OH→6e+CO+5H
・カソード: 3/2O+3HO+6e→6OH
・全体 : CHOH+3/2O→CO+2H
ここで、特許文献1では、AFCにおいて、水酸化物イオン伝導性を有する層状複水酸化物(LDH:Layered Double Hydroxide)を電解質として用いることが提案されている。
特開2016−071948号公報
ところで、LDHを含有する電解質の初期導電率をより向上させたいという要請がある。
また、LDHを含有する電解質をAFCの作動温度で使用すると、LDH内の水分が不足することによって電解質が劣化して導電率が低下するおそれがある。
よって、初期導電率の向上と乾燥による劣化の抑制とを両立可能な電解質の開発が望まれている。
このような電解質は、アルカリ形燃料電池に限らず、水酸化物イオンをキャリアとする二次電池(亜鉛空気二次電池など)や水蒸気から水素と酸素を生成する電解セルなどの電気化学セルに有用である。
本発明は、電解質の初期導電率の向上と乾燥による劣化の抑制とを両立可能な電気化学セルを提供することを目的とする。
本発明に係る電気化学セルは、酸化剤が供給されるカソードと、燃料が供給されるアノードと、カソードとアノードとの間に配置される電解質とを備える。電解質は、Niイオン及びAlイオンを含有する層状複水酸化物と、Fe、Co及びMnから選択される少なくとも1種の遷移金属の水酸化物とを含む。層状複水酸化物が含有するNiイオンに対する前記水酸化物に含まれる前記遷移金属のイオン総濃度は、50ppm以上20000ppm以下である。
本発明によれば、電解質の初期導電率の向上と乾燥による劣化の抑制とを両立可能な電気化学セルを提供することができる。
アルカリ形燃料電池の構成を模式的に示す断面図
(電解質材料)
本発明に係る電解質材料は、水酸化物イオンをキャリアとする二次電池(亜鉛空気二次電池など)や水蒸気から水素と酸素を生成する電解セルなどの電気化学セルに用いられる電解質の構成材料として好適である。
本発明に係る電解質材料は、Niイオン及びAlイオンを含有する層状複水酸化物(LDH:Layered Double Hydroxide)と、Fe、Co及びMnから選択される少なくとも1種の遷移金属の水酸化物(以下、「遷移金属水酸化物」という。)とを含む。
LDHは、複数の水酸化物基本層と、これら複数の水酸化物基本層間に介在する中間層とから構成される。LDHの基本組成は、例えば下記の一般式(1)によって表すことができる。
[Ni2+ 1−p―r―sAl3+ 2+ 3+ (OH)][An− p+s/n・mHO]・・・式(1)
一般式(1)において、Ni2+/Al3+比は2以上4以下である。Ni2+/Al3+比を2以上4以下とすることによって安定な層状構造を形成することができる。Ni2+及びAl3+は、各水酸化物基本層に含まれる。Ni2+/Al3+比は、誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP−AES)の手法によって測定することができる。
式(1)において、M2+は、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Fe2+、Co2+、Mn2+及びZn2+から選択される少なくとも1種であり、M3+はTi3+、Y3+、Ce3+、Mo3+及びCr3+から選択される少なくとも1種である。M2+及びM3+は、各水酸化物基本層に含まれる。
式(1)において、Ni2+の添え字1−p―r―sは、0.67以上0.80以下であり、Al3+の添え字pは0.2以上0.33以下であり、M2+の添え字rは0以上0.10以下であり、M3+の添え字sは0以上0.10以下である。
式(1)において、An−はn価の陰イオンである。nは、1価以上の整数である。An−は、1価又は2価の陰イオンであることが好ましい。An−は、OH及び/又はCO 2−を含むことが好ましい。An−の添え字に含まれるp+sは、0.2以上0.43以下であり、An−の添え字に含まれるnは1以上の整数であり、HOの係数mは任意の整数である。An−及びHOは、水酸化物基本層間の中間層に含まれる。
ただし、一般式(1)に示したNiイオン、Alイオン及びMそれぞれの価数は、必ずしも定かではない。例えば、Niイオンの価数は3+でもありえるし、Alイオンの価数は3+以外でもありえる。そのため、LDHを一般式で厳密に特定することは非実際的又は不可能であり、上記一般式(1)はあくまで「基本組成」を示す一例として解されるべきである。
なお、LDHの粒径は特に限定されないが、例えば、体積基準D50平均粒径を0.01μm以上10μm以下とすることができる。D50平均粒径を0.01μm以上とすると、LDH粉末同士が凝集して成形時に気孔が残留することを抑制できるため好ましい。D50平均粒径を10μm以下とすると、LDH粉末の成形性を向上させることができるため好ましい。
電解質材料は、上述した遷移金属水酸化物を更に含む。Fe水酸化物としては、FeO(OH)、Fe(OH)、Fe(OH)などが挙げられる。Coの水酸化物としては、CoO(OH)、Co(OH)、Fe(OH)などが挙げられる。Mnの水酸化物としては、MnO(OH)、Mn(OH)などが挙げられる。
本発明に係る電解質材料は、LDHが含有するNiイオンに対する遷移金属水酸化物に含まれる遷移金属のイオン総濃度(以下、「遷移金属イオン総濃度」と略称する。)が、50ppm以上20000ppm以下であることを特徴とする。
遷移金属イオン総濃度を50ppm以上とすることによって、当該電解質材料を用いて電解質を構成した場合、アルカリ形燃料電池の作動温度において、遷移金属水酸化物からLDHに水分を補うことができる。その結果、電解質の劣化を抑制できるため、電解質の導電率が低下することを抑制できる。Niイオンに対する遷移金属水酸化物の金属イオン総濃度は、100ppm以上が好ましく、500ppm以上がより好ましい。
また、遷移金属イオン総濃度を20000ppm以下とすることによって、遷移金属酸化物/水酸化物が粗大に凝集してLDH同士の粒界を塞ぐことを抑制できるため、当該電解質材料を用いて電解質を構成した場合、電解質の水酸化物イオン伝導性を十分確保できるため、電解質の初期導電率を十分確保できる。遷移金属イオン総濃度は、10000ppm以下が好ましく、5000ppm以下がより好ましい。
電解質材料がFe、Co及びMnから選択される2種以上の遷移金属水酸化物を含有する場合、遷移金属イオン総濃度は、Niイオンに対する各遷移金属水酸化物のイオン濃度の合計値である。遷移金属イオン総濃度は、誘導結合プラズマ発光分光分析によって測定することができる。また、水酸化物種は、放射光を用いたXRD測定により同定することができる。
なお、遷移金属水酸化物の粒径は特に限定されないが、例えば、体積基準D50平均粒径を0.01μm以上2μm以下とすることができる。D50平均粒径を0.01μm以上とすると、遷移金属水酸化物の粉末同士が凝集することを抑制できるため、遷移金属水酸化物の粉末をLDHの粉末中に一様に分散させることができる。D50平均粒径を2μm以下とすると、電解質材料の成形性を向上させることができるため好ましい。
(電解質材料の製造方法)
まず、上記一般式(1)によって表されるLDH粉末を準備する。このようなLDH粉末は市販品であってもよいし、硝酸塩や塩化物を用いた液相合成法等の公知の方法にて作製したものであってもよい。
次に、遷移金属水酸化物粉末を準備する。遷移金属水酸化物粉末は市販品であってもよいし、共沈法等の公知の方法にて作製したものであってもよい。
次に、LDH粉末と遷移金属水酸化物粉末とを混合する。これによって、電解質材料が完成する。
(アルカリ形燃料電池10)
以下、本発明に係るアルカリ形燃料電池(AFC)の一例として、水酸化物イオン(OH)をキャリアとするアルカリ形燃料電池10について図面を参照しながら説明する。図1は、アルカリ形燃料電池10の構成を示す断面図である。
アルカリ形燃料電池10は、カソード12、アノード14、及び電解質16を備える。アルカリ形燃料電池10は、下記の電気化学反応式に基づいて、比較的低温(例えば、50℃〜250℃)で発電する。下記の電気化学反応式では、燃料の一例としてメタノールを用いた場合が例示されている。
・カソード12: 3/2O+3HO+6e→6OH
・アノード14: CHOH+6OH→6e+CO+5H
・全体 : CHOH+3/2O→CO+2H
1.カソード12
カソード12は、一般的に空気極と呼ばれる陽極である。アルカリ形燃料電池10の発電中、カソード12には、酸化剤供給手段13を介して、酸素(O)を含む酸化剤が供給される。酸化剤としては、空気を用いるのが好ましく、空気は加湿されていることがより好ましい。カソード12は、内部に酸化剤を拡散可能な多孔質体である。カソード12の気孔率は特に制限されない。
カソード12は、AFCに使用される公知の空気極触媒を含むものであればよく、特に限定されない。カソード触媒の例としては、白金族元素(Ru、Rh、Pd、Ir、Pt)、鉄族元素(Fe、Co、Ni)等の第8〜10族元素(IUPAC形式での周期表において第8〜10族に属する元素)、Cu、Ag、Au等の第11族元素(IUPAC形式での周期表において第11族に属する元素)、ロジウムフタロシアニン、テトラフェニルポルフィリン、Coサレン、Niサレン(サレン=N,N’−ビス(サリチリデン)エチレンジアミン)、銀硝酸塩、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。カソード12における触媒の担持量は特に限定されないが、好ましくは0.05〜10mg/cm、より好ましくは、0.05〜5mg/cmである。カソード触媒はカーボンに担持させるのが好ましい。カソード12ないしそれを構成する触媒の好ましい例としては、白金担持カーボン(Pt/C)、白金コバルト担持カーボン(PtCo/C)、パラジウム担持カーボン(Pd/C)、ロジウム担持カーボン(Rh/C)、ニッケル担持カーボン(Ni/C)、銅担持カーボン(Cu/C)、及び銀担持カーボン(Ag/C)が挙げられる。
2.アノード14
アノード14は、一般的に燃料極と呼ばれる陰極である。アルカリ形燃料電池10の発電中、アノード14には、燃料供給手段15を介して、水素原子(H)を含む燃料が供給される。
燃料は、アノード14において水酸化物イオン(OH)と反応可能な燃料化合物を含んでいればよく、液体燃料、気体燃料、気液混合燃料のいずれの形態であってもよい。
燃料化合物としては、例えば、(i)ヒドラジン(NHNH)、水加ヒドラジン(NHNH・HO)、炭酸ヒドラジン((NHNHCO)、硫酸ヒドラジン(NHNH・HSO)、モノメチルヒドラジン(CHNHNH)、ジメチルヒドラジン((CHNNH、CHNHNHCH)、及びカルボンヒドラジド((NHNHCO)等のヒドラジン類、(ii)尿素(NHCONH)、(iii)アンモニア(NH)、(iv)イミダゾール、1,3,5−トリアジン、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール等の複素環類化合物、(v)ヒドロキシルアミン(NHOH)、硫酸ヒドロキシルアミン(NHOH・HSO)等のヒドロキシルアミン類、及びこれらの組合せが挙げられる。これらの燃料化合物のうち炭素を含まない化合物(すなわち、ヒドラジン、水加ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、アンモニア、ヒドロキシルアミン、硫酸ヒドロキシルアミン等)は、一酸化炭素による触媒被毒の問題が無いため特に好適である。
燃料化合物は、そのまま燃料として用いてもよいが、水及び/又はアルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどの低級アルコール等)に溶解させた溶液として用いてもよい。例えば、上記燃料化合物のうち、ヒドラジン、水化ヒドラジン、モノメチルヒドラジン及びジメチルヒドラジンは液体であるので、そのまま液体燃料として使用可能である。また、炭酸ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、カルボンヒドラジド、尿素、イミダゾール、及び3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、及び硫酸ヒドロキシルアミンは固体であるが水に可溶である。1,3,5−トリアジン及びヒドロキシルアミンは固体であるがアルコールに可溶である。アンモニアは気体であるが水に可溶である。このように、固体の燃料化合物は、水又はアルコールに溶解させて液体燃料として使用可能である。燃料化合物を水及び/又はアルコールに溶解させて用いる場合、溶液中の燃料化合物の濃度は、例えば30〜99.9重量%であり、好ましくは66〜99.9重量%である。
メタノール、エタノール等のアルコール類やエーテル類を含む炭化水素系液体燃料、メタン等の炭化水素系ガス、或いは純水素などは、そのまま燃料として用いることができる。特に、本実施形態に係るアルカリ形燃料電池10に用いられる燃料としては、メタノールが好適である。メタノールは、気体状態、液体状態、及び、気液混合状態のいずれであってもよい。
アノード14は、AFCに使用される公知のアノード触媒を含むものであればよく、特に限定されない。アノード触媒の例としては、Pt、Ni、Co、Fe、Ru、Sn、及びPd等の金属触媒が挙げられる。金属触媒は、カーボン等の担体に担持されるのが好ましいが、金属触媒の金属原子を中心金属とする有機金属錯体の形態としてもよく、この有機金属錯体を担体として担持されていてもよい。また、アノード触媒の表面には多孔質材料等で構成された拡散層を配置してもよい。アノード14及びそれを構成する触媒の好ましい例としては、ニッケル、コバルト、銀、白金担持カーボン(Pt/C)、白金ルテニウム担持カーボン(PtRu/C)、パラジウム担持カーボン(Pd/C)、ロジウム担持カーボン(Rh/C)、ニッケル担持カーボン(Ni/C)、銅担持カーボン(Cu/C)、及び銀担持カーボン(Ag/C)が挙げられる。
アノード14の作製方法は特に限定されないが、例えば、アノード触媒及び所望により担体をバインダーと混合してペースト状にし、このペースト状混合物を電解質16のアノード側表面16Tに塗布することにより形成することができる。
3.電解質16
電解質16は、カソード12とアノード14との間に配置される。電解質16は、カソード12及びアノード14のそれぞれに接続される。電解質16は、膜状、層状、或いは、シート状に形成される。電解質16の厚みは特に制限されないが、例えば1μm以上200μm以下とすることができる。
電解質16は、上述した電解質材料を含有する。電解質16において、遷移金属イオン総濃度は50ppm以上20000ppm以下である。従って、電解質の初期導電率を十分確保できるためセルの初期出力を向上できるとともに、アルカリ形燃料電池の作動温度において遷移金属水酸化物からLDHに水分を補うことによって電解質の導電率が低下することを抑制できためセルの出力低下を抑制できる。
電解質16が上述した遷移金属水酸化物を2種以上含有する場合、遷移金属イオン総濃度は、Niイオンに対する各遷移金属水酸化物のイオン濃度の合計値である。遷移金属イオン総濃度は、電解質16の表面を粉末としてサンプリングした後に、誘導結合プラズマ発光分光分析することによって測定できる。また、水酸化物種は、XRD測定により同定分析することができる。
電解質16において、遷移金属水酸化物は、LDHによって構成される二次粒子同士の間隙に位置することが好ましい。これによって、LDHの二次粒子同士が凝集することを抑制できるため、アルカリ形燃料電池10の出力を向上させることができる。
電解質16の作製方法は特に限定されないが、例えば、金型一軸プレスや冷間等方圧加圧(CIP)などの公知の手法で電解質材料を圧粉成形することによって電解質16を形成することができる。或いは、電解質材料と分散媒を混合したスラリーに多孔質基材を含浸し、乾燥処理(80〜150℃)を施した後、電解質材料を多孔質基材に充填することによっても電解質16を形成することができる。
(実施形態の変形例)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
上記実施形態では、本発明に係る電気化学セルの一例として、水酸化物イオンをキャリアとするアルカリ形燃料電池について説明したが、これに限られない。電気化学セルとしては、例えば、水酸化物イオンをキャリアとする二次電池(亜鉛空気二次電池など)や、水蒸気から水素と酸素を生成する電解セルなどが挙げられる。
以下において、本発明の実施例について説明する。ただし、本発明は以下に説明する実施例に限定されるものではない。
まず、Ni2+/Al3+比(Alイオンに対するNiイオンの比率)が2以上4以下のLDH粉末と、遷移金属水酸化物粉末とを準備した。遷移金属水酸化物粉末としては、FeOOH粉末(株式会社高純度化学研究所、α-オキシ水酸化第二鉄)と、Co(OH)粉末(富士フィルム和光純薬製、水酸化コバルト)と、特開2011−105538号公報に記載の手法に従って作製したMnOOH粉末とを準備した。
次に、LDHが含有するNiイオンに対する各遷移金属(Fe、Co及びMn)のイオン濃度及び遷移金属イオン総濃度が表1に示す値になるようにLDH粉末と遷移金属水酸化物粉末とを混合して電解質材料粉末を調製した。遷移金属のイオン総濃度は、後述する電解質の表面をXRD測定することによって水酸化物種を同定したうえで、電解質の表面を粉末として誘導結合プラズマ発光分光分析することによって計測した。
なお、表1に示すように、比較例1〜4及び実施例1〜6では、遷移金属水酸化物粉末としてFeOOH粉末を用い、比較例5〜8及び実施例7〜12では、遷移金属水酸化物粉末としてCo(OH)粉末を用い、比較例9〜12及び実施例13〜18では、遷移金属水酸化物粉末としてMnOOH粉末を用いた。また、表1に示すように、比較例13〜18及び実施例19〜27では、遷移金属水酸化物粉末として、FeOOH粉末、Co(OH)粉末及びMnOOH粉末を用いた。
次に、電解質材料粉末を、冷間等方圧プレス(CIP)により3000kgf/cmの圧力で圧粉体を形成することによって、比較例1〜18及び実施例1〜27の電解質を作製した。
次に、JISR1661(ファインセラミックスイオン伝導体の導電率測定方法)に従って、作製した電解質の初期導電率を測定した。測定は、大気中80℃、相対湿度80%の環境下で実施した。導電率とは、電解質の水酸化物イオン伝導性を示す指標である。比較例1〜18及び実施例1〜27それぞれの電解質の初期導電率と、その判定とを表1にまとめて示す。初期導電率について、5×10−3S/cm以上である場合を〇と評価し、5×10−3S/cm未満である場合を×と評価した。
次に、初期導電率を測定した電解質を、大気中80℃、相対湿度20%の環境下に10分間暴露して乾燥させた後、上記手法により電解質の導電率を再度測定した。そして、乾燥後の導電率を初期導電率で割ることによって、乾燥による劣化率を測定した。比較例1〜18及び実施例1〜27それぞれの乾燥による劣化率と、その判定とを表1にまとめて示す。劣化率の判定は、3%未満である場合を〇と評価し、3%以上である場合を×と評価した。
Figure 0006916334
LDHが含有するNiイオンに対する遷移金属(Fe、Co及びMn)のイオン総濃度を50ppm未満とした比較例1〜2,5〜6,9〜10,13〜15では、電解質の乾燥による劣化率が大きかった。また、LDHが含有するNiイオンに対する遷移金属のイオン総濃度を20000ppm超とした比較例3〜4,7〜8,11〜12,16〜18では、電解質の初期導電率が低かった。
一方、LDHが含有するNiイオンに対する遷移金属のイオン総濃度を50ppm以上20000ppm以下とした実施例1〜27では、電解質の乾燥による劣化率の低減と高い初期導電率とを両立させることができた。このような結果が得られたのは、遷移金属のイオン総濃度を50ppm以上とすることによって遷移金属水酸化物からLDHに水分を補うことができ、かつ、遷移金属のイオン総濃度を20000ppm以下とすることによってLDHの水酸化物イオン伝導性を十分確保できたためである。
また、遷移金属のイオン総濃度を100ppm以上とすることによって、さらに500ppm以上とすることによって、電解質の乾燥による劣化率をより低減できることが確認された。
また、遷移金属のイオン総濃度を5000ppm以下とすることによって、初期導電率をより向上できることが確認された。
なお、実施例1〜24の電解質の断面を電界放出型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)で観察したところ、遷移金属水酸化物はLDHによって構成される二次粒子同士の間隙に位置していた。
10 アルカリ形燃料電池
12 カソード
14 アノード
16 電解質

Claims (2)

  1. 酸化剤が供給されるカソードと、
    燃料が供給されるアノードと、
    前記カソードと前記アノードとの間に配置される電解質と、
    を備え、
    前記電解質は、
    Niイオン及びAlイオンを含有する層状複水酸化物と、
    Fe、Co及びMnから選択される少なくとも1種の遷移金属の水酸化物と、
    を含み、
    前記層状複水酸化物が含有するNiイオンに対する前記水酸化物に含まれる前記遷移金属のイオン総濃度は、50ppm以上20000ppm以下であ
    前記層状覆水酸化物は、下記の式(1)によって表される、
    電気化学セル。
    [Ni 2+ 1−p―r―s Al 3+ 2+ 3+ (OH) ][A n− p+s/n ・mH O]・・・式(1)
    (式(1)において、Ni 2+ /Al 3+ 比は2以上4以下であり、M 2+ はMg 2+ 、Ca 2+ 、Sr 2+ 、Fe 2+ 、Co 2+ 、Mn 2+ 及びZn 2+ から選択される少なくとも1種であり、M 3+ はTi 3+ 、Y 3+ 、Ce 3+ 、Mo 3+ 及びCr 3+ から選択される少なくとも1種であり、A n− はn価の陰イオンであり、0.67≦1−p―r―s≦0.80、0.2≦p≦0.33、0≦r≦0.10、0≦s≦0.10、0.20≦p+s≦0.43、nは1以上の整数であり、mは任意の整数である。)
  2. 前記電解質において、前記水酸化物は、前記層状複水酸化物によって構成される二次粒子同士の間隙に位置する、
    請求項1に記載の電気化学セル。
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