JP6914147B2 - コンパクト容器 - Google Patents

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Description

本発明は、コンパクト容器に関する。
化粧料を収納した中皿容器を備える化粧料収納容器が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の化粧料収納容器では、中皿容器の上面はネットで覆われている。
特開2003−93145号公報
上記のような化粧料収納容器においては、中皿容器を覆うネットをパフ等で押圧することで、化粧料をネットの網目を通して滲み出させて外部に吐出させる。しかし、この場合、化粧料の吐出量を調整しにくく、所望の量だけ化粧料を吐出させることが困難であった。
本発明は、上述の問題点に鑑み、内容物の吐出量の調整が容易なコンパクト容器を提供することを目的とする。
本発明の一態様のコンパクト容器は、内容物が収容される内容器と、前記内容器の内部を封止し、前記内容器内に連通する連通孔が形成された内蓋と、前記内蓋の上方に設けられ、前記内蓋との間に前記連通孔に連通する連絡空間を画成するとともに、前記連絡空間に連通して前記内容物を吐出させる吐出孔が形成された中蓋と、前記連通孔と前記連絡空間との連通、およびその遮断を切り替える第1弁体と、前記吐出孔と前記連絡空間との連通、およびその遮断を切り替える第2弁体と、を備え、前記中蓋は、前記連絡空間を画成するとともに弾性変形可能に形成され、弾性変形することで前記連絡空間の内圧を増減させる操作部を備え、前記操作部が下方移動して前記連絡空間の内圧が上昇したときに、前記第1弁体は前記連通孔と前記連絡空間との連通を遮断し、かつ、前記第2弁体は前記吐出孔と前記連絡空間とを連通させ、前記操作部が上方移動して前記連絡空間の内圧が下降したときに、前記第2弁体は前記吐出孔と前記連絡空間との連通を遮断し、かつ、前記第1弁体は前記連通孔と前記連絡空間とを連通させ、コンパクト容器は、前記連絡空間内に配置され、下方移動した前記操作部を上方に向けて付勢する付勢部と、前記操作部の復元変形をアシストする弾性板と、を備えたことを特徴とする。
このコンパクト容器によれば、操作部が下方移動して連絡空間の内圧を上昇させたときに、第1弁体は連通孔と連絡空間との連通を遮断し、かつ、第2弁体は吐出孔と連絡空間とを連通させる。また、操作部が上方移動して連絡空間の内圧を下降させたときに、第2弁体は吐出孔と連絡空間との連通を遮断し、かつ、第1弁体は連通孔と連絡空間とを連通させる。このため、使用者は、操作部を押し下げたりその押し下げを解除したりして操作部を弾性変形させることによって連絡空間の内圧の増減を行うことで、連絡空間内を負圧にして内容器内の内容物を連絡空間内に流入させ、連絡空間内に内容物を充填することができる。この状態で、操作部を押し下げて連絡空間の内圧を上昇させると、連絡空間の内圧の上昇に対応した量だけ、内容物を吐出孔から吐出させることができる。
そして、下方移動した操作部を上方に向けて付勢する付勢部が備えられる。このため、操作部の押し下げを解除したときに、付勢部が、操作部を押し下げ前の元の位置まで安定して戻す。つまり、弾性変形させられた操作部が復元変形することを、付勢部がアシストする。これにより、内容器から連絡空間へと内容物が安定して吸い込まれ、次に操作部を押し下げたときの内容物の吐出量を、所望の量の通りとすることができる。
したがって、本発明のコンパクト容器は、内容物の吐出量の調整が容易である。
また、付勢部によって操作部が押し下げ前の位置に安定して戻されるため、操作部の操作性がよい。これにより、操作部を、例えばエラストマー等の弾性変形可能な軟材質で形成することで、第2弁体によるシール性を確保した場合でも、良好な復元性を持たせることができる。
また操作部が、連絡空間を画成しているので、例えば、操作部を連絡空間の大きさに応じて大きく形成することが可能になり、内容物の吐出に際して使用者が操作可能な範囲を広げることができる。
また、内容物を吐出するための例えばシリンダおよびピストン等を有する複雑なポンプ構造を用いる必要がなく、本発明によれば構造を簡素化できる。
上記コンパクト容器において、前記操作部は、上下方向から見て前記第1弁体に重なる位置に配置され、前記付勢部は、前記操作部のうち、上下方向から見て前記第1弁体に重なる部分を付勢することが好ましい。
この場合、操作部、付勢部および第1弁体を上下方向に並べて配置できる。操作部と第1弁体とを近い位置に配置できるので、操作部が操作されたときの連絡空間の内圧の変動(正圧、負圧)を、第1弁体に作用させやすくすることができる。したがって、第1弁体の動作が安定する。
また、操作部のうち、特に復元変形しにくい第1弁体の直上に位置する部分を、付勢部によって確実に元の位置に戻すことができる。
上記コンパクト容器において、前記付勢部は、前記内蓋と前記中蓋の間に配置されたことが好ましい。
この場合、付勢部を設けやすく、付勢部が連絡空間内から操作部を押し上げるように作用して、操作部の復元性が良好に維持される。
上記コンパクト容器において、前記付勢部は、前記中蓋、前記第1弁体および前記内蓋のいずれかに一体に形成されたことが好ましい。
この場合、付勢部が中蓋、第1弁体および内蓋のいずれかに一体に形成されるので、部品点数を削減でき、コンパクト容器の構造を簡素化できる。また、付勢部が容器内で移動することが抑制されるので、付勢部の上述した機能が良好に維持される。
本発明のコンパクト容器によれば、内容物の吐出量の調整が容易である。
図1は、第1実施形態のコンパクト容器を示す上面図である。 図2は、図1のII-II断面図である。 図3は、第2実施形態のコンパクト容器を示す上面図である。 図4は、図3のIV-IV断面図である。 図5は、第3実施形態のコンパクト容器を示す上面図である。 図6は、図5のVI-VI断面図である。 図7は、第4実施形態のコンパクト容器を示す上面図である。 図8は、図7のVIII-VIII断面図である。 図9は、第5実施形態のコンパクト容器を示す上面図である。 図10は、図9のX-X断面図である。
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態に係るコンパクト容器10について、図1および図2を参照して説明する。なお、実施形態の説明に用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために、要部となる部分を拡大、強調、抜粋して示す場合がある。
図1および図2に示すように、本実施形態のコンパクト容器10は、平面視円形状の扁平容器である。コンパクト容器10は、外殻体11と、内容器12と、内蓋13と、中蓋14と、第1弁体15と、第2弁体16と、付勢部91と、を備える。
外殻体11は、内容器12、内蓋13および中蓋14を覆って、これらを内部に収容する。つまりコンパクト容器10のうち、外殻体11以外の部材は、外殻体11の内部に収容される。外殻体11は、底部材21と、蓋部材22と、を備える。底部材21は、有底円筒状である。蓋部材22は、有頂円筒状である。蓋部材22は、底部材21に対して回転軸R回りに回動可能に取り付けられている。
以下では、外殻体11の中心軸線(コンパクト容器10の中心軸線)を容器軸Oと呼び、容器軸Oに沿う方向(容器軸Oが延在する方向)を上下方向Zと呼ぶ。上下方向Zに沿って底部材21から蓋部材22へ向かう方向を上方と呼び、蓋部材22から底部材21へ向かう方向を下方と呼ぶ。
上下方向Zから見た平面視で、容器軸Oに直交する方向を径方向と呼ぶ。径方向に沿って容器軸Oに接近する方向を径方向内側と呼び、容器軸Oから離間する方向を径方向外側と呼ぶ。径方向のうち、回転軸Rに平行な方向を左右方向Yと呼び、回転軸Rに直交する方向を前後方向Xと呼ぶ。前後方向Xに沿って、容器軸Oから回転軸Rへ向かう方向を後方と呼び、回転軸Rから容器軸Oへ向かう方向を前方と呼ぶ。
容器軸O回りに周回する方向を周方向と呼ぶ。
図2に示すように、底部材21は、容器軸Oと同軸に配置された円板状の底板部23と、底板部23の外周縁から上方に延びる円筒状の筒状壁部24と、を備える。
筒状壁部24の前方端部には、後方に向けて窪む係合空間25が設けられている。係合空間25は、前方および上方に向けて開口している。係合空間25は、前方を向く後壁部26と、上方を向く底壁部27と、により画成されている。
後壁部26のうち左右方向Yの中央に位置する部分には、前方に向けて突出したガイド壁部28が形成されている。ガイド壁部28の上面は、前方に向かうにしたがい下方に向けて傾斜する傾斜面とされている。後壁部26のうちガイド壁部28よりも上方に位置する部分には、前方に向けて突出した第1係合部29が形成されている。後壁部26のうちガイド壁部28よりも下方に位置する部分には、後壁部26を前後方向Xに貫通する逃げ孔30が形成されている。
底部材21は、底板部23から上方に延びる係合板部(図示省略)を備える。係合板部は、周方向に沿って等間隔に複数形成されている。係合板部の表裏面は、径方向と直交するように配置される。係合板部の上端部には、径方向内側に突出する係合爪が設けられる。
蓋部材22は、底部材21における筒状壁部24の後方端部に取り付けられている。蓋部材22は、底部材21の上端開口を開閉可能に閉塞する。
蓋部材22は、容器軸Oと同軸に配置された円板状の天板部33と、天板部33の外周縁から下方に延びる円筒状の筒部34と、を備える。蓋部材22の天板部33の下面には、鏡Mが固定される。
蓋部材22のうち前方端部には、下方に向けて係合片35が突設されている。係合片35は、筒部34における内周面から下方に向けて突出するとともに左右方向Yに延びた板状に形成され、係合空間25内に上方から入り込んでいる。
係合片35の下端部には、後方に向けて突出するとともに、底部材21に形成された第1係合部29に対して離脱可能にアンダーカット嵌合される第2係合部36が形成されている。第1係合部29に対して第2係合部36が下方から係合することによって、蓋部材22は閉状態でロックされる。
係合空間25内には、第1係合部29と第2係合部36との係合を解除するプッシュピース37が設けられている。
プッシュピース37は、係合片35よりも前方に配置された操作壁部38と、操作壁部38から後方に向けて突設され、ガイド壁部28の傾斜面上に位置する解除突起39と、操作壁部38の下端部から後方に向けて突設され、底壁部27に載置されるベース部40と、を備える。プッシュピース37は、後方に向けて押し込まれたときに、底部材21および蓋部材22に対して後方へ移動可能である。
解除突起39は、プッシュピース37の後方への移動にともなってガイド壁部28の傾斜面に沿って後方に移動し、第2係合部36を下方から押し上げて、第1係合部29から離脱させる。これにより、第1係合部29と第2係合部36との係合を解除することができ、蓋部材22を開操作可能な状態とすることができる。
なお、プッシュピース37は、後方に移動したときに、解除突起39の復元変形によって、前方に向けて復元移動する。
ベース部40は、プッシュピース37の後方への移動にともなって、後壁部26に形成された逃げ孔30内に前方から入り込む。また、ベース部40には、下方に向けて突出し、底壁部27に形成された係止凹部41に係止する係止凸部42が形成されている。これにより、プッシュピース37は、前方への抜け止めがされた状態で、外殻体11に組み合わされている。
なお、上述したプッシュピース37は必須な構成ではなく、具備しなくても構わない。例えば指先等によって、係合片35の下端部を前方に向けて僅かに撓ませるように変形させることで、第1係合部29と第2係合部36との係合を解除し、蓋部材22の閉状態のロックを解除しても構わない。
内容器12は、底部材21の筒状壁部24の径方向内側に配置されている。内容器12は、容器軸Oと同軸に配置され、上方に開口する扁平円筒状の容器である。内容器12は、可撓性を有し減容可能(減容変形可能)である。内容器12は、例えば、積層のフィルムや薄肉の樹脂成形品などで構成されている。内容器12は、可撓性に富む内側容器が、内側容器よりも硬質な外側容器の内面に積層されてなる、いわゆるデラミ容器などであってもよい。内容器12内(後述の収容空間45)が減容可能なその他の構成などを採用してもよい。内容器12の上端部には、内容器12の上端部を径方向外側から囲む環状の取付けリング43が固定されている。取付けリング43は、上方に突出する係合筒部44を有する。
内容器12の内部である収容空間45には、流動性を有する内容物が収容されている。
内容物は、液状であっても、ゲル状であっても、ゼリー状であってもよい。内容物は、例えば、リキッドファンデーション等の化粧品である。
内蓋13は、内容器12の上方に配設されている。内蓋13は、内容器12の上方の開口を塞ぎ、内容器12の内部を封止している。内蓋13は、内容器12に直接装着された下部材46と、下部材46を介して内容器12に装着された上部材47と、を備える。
下部材46は、内蓋円板部48と、内側筒部49と、外側筒部50と、を備える。
内蓋円板部48は、容器軸Oと同軸に配置された円板状である。内蓋円板部48は、内容器12の上方の開口を覆っている。内蓋円板部48には、上方に延びる装着筒部51が形成されている。装着筒部51は、内蓋円板部48の内周端から上方に向けて突設される。装着筒部51は、容器軸Oと同軸に配置されている。装着筒部51は、内容器12内に開口する。
内側筒部49は、内蓋円板部48の外周縁から上方に延びる円筒状である。
外側筒部50は、内側筒部49よりも径方向外側において、容器軸Oと同軸に配置された円筒状である。外側筒部50の上端部は、内側筒部49の上端部と連結されている。
径方向に沿う外側筒部50と内側筒部49との間には、取付けリング43の係合筒部44が嵌合されている。これにより、取付けリング43を介して内容器12と内蓋13とが固定されている。外側筒部50の下端および内側筒部49の下端は、取付けリング43と接触している。
上部材47は、取付け筒部52と、第1弁座部53と、外周筒部54と、連結環部55と、を備える。
取付け筒部52は、容器軸Oと同軸の円筒状に形成されている。取付け筒部52は、装着筒部51内に嵌合している。
第1弁座部53は、容器軸Oと同軸に配置され、取付け筒部52よりも小径とされた筒部(周壁部)と、筒部の上端部から径方向内側へ広がる弁座板と、を備える。第1弁座部53の筒部の下端部は、取付け筒部52の下端部に連結される。第1弁座部53の弁座板は、取付け筒部52の上端よりも下方に位置している。第1弁座部53の弁座板の中央部には、この弁座板を上下方向Zに貫通する連通孔56が形成されている。このため弁座板は、リング板状である。連通孔56は、容器軸Oと同軸に配置された円孔状である。連通孔56は、内容器12内に連通する。つまり、内蓋13には、内容器12内に連通する連通孔56が形成される。
外周筒部54は、容器軸Oと同軸の円筒状である。外周筒部54は、取付け筒部52よりも大径であり、内側筒部49よりも小径である。外周筒部54は、内側筒部49内に配置されている。外周筒部54の下端部には、この下端部から径方向外側へ広がるフランジ部が形成されている。外周筒部54のフランジ部は、内蓋円板部48の上面における径方向外側の端部に対して、その上方から対向している。
連結環部55は、容器軸Oと同軸に配置されている。連結環部55は、板面が上下方向Zを向くリング板状である。連結環部55の内周縁部は、取付け筒部52の上端部に連結されている。連結環部55の外周縁部は、外周筒部54の上端部に連結されている。連結環部55の外周縁部は、外周筒部54の上端よりも下方で、かつ、外周筒部54の上下方向Zの中央よりも上方に位置している。
連結環部55には、周方向に間隔をあけて複数の収容凹部77が形成されている。本実施形態の例では、収容凹部77が、容器軸Oの左方、右方および後方に配置されている(図1参照)。図2に示すように、収容凹部77は、連結環部55において下方に窪む凹状である。
連結環部55のうち、容器軸Oよりも前方に位置する部分には、第2弁座部67が配置される。第2弁座部67は、連結環部55において上方に突出する凸状である。本実施形態では、第2弁座部67が有頂筒状である。図示の例では、第2弁座部67が、有底筒状の窪み部78の底壁から、上方に向けて突設されている。窪み部78は、連結環部55のうち、容器軸Oよりも前方に位置する部分に配置される。窪み部78は、連結環部55において下方に窪む凹状である。図1に示すように、本実施形態の例では、第2弁座部67および窪み部78が、周方向に延びる円弧状をなす。
図2に示すように、中蓋14は、内蓋13の上方に設けられる。中蓋14は、有頂筒状に形成されている。中蓋14は、中蓋14の周壁を形成する装着リング57と、中蓋14の頂壁を形成する操作部58と、を備える。
装着リング57は、内蓋13に装着されている。装着リング57は、上端部同士が連結された内筒59および外筒60を有する二重円筒状に形成されている。外筒60の外周面の下部には、周方向に延びる周溝(図示省略)が周方向に互いに間隔をあけて複数形成されている。周溝には、底部材21の図示しない係合板部の係合爪が係合する。これにより、装着リング57が底部材21から外れることが抑制される。
装着リング57における内筒59と外筒60との間には、内蓋13の下部材46(内側筒部49および外側筒部50)が嵌合されて固定されている。これにより、内容器12が、取付けリング43を介して装着リング57(中蓋14)に固定される。内容器12は、中蓋14に固定された状態において、底部材21の底板部23から上方に離れて配置される。
装着リング57の上面には、上方に突出する隆起部62が形成されている。隆起部62は、環状である。隆起部62の平面視形状は、容器軸Oと同軸に配置された円形リング状である。隆起部62の内周面は、上方に向かうにしたがい径方向外側へ向けて延びる曲面状である。コンパクト容器10が閉じた状態において、隆起部62の径方向内側に位置する操作部58の上面には、パフP(塗布具)が設置される。
装着リング57の外周面には、径方向外側に広がるフランジ部63が設けられている。フランジ部63は、装着リング57の外周面において、全周にわたって設けられている。フランジ部63の下面は、底部材21の筒状壁部24の上面に対して、その上方から接触する。
操作部58は、装着リング57の内部を上方から閉塞する。本実施形態では、操作部58が円板状である。操作部58の外周縁部は、装着リング57において隆起部62よりも径方向内側に位置する部分の上面に連結されている。操作部58の上面は、装着リング57において操作部58に径方向外側から連なる部分と段差なく面一に形成されている。
操作部58は、上下方向Zから見て、後述する第1弁体15に重なる位置に配置される。
操作部58は、弾性変形可能に形成されている。操作部58の材質は、例えばエラストマー、ニトリルゴム、ブチルゴム、シリコンゴム、軟質ポリエチレンおよびウレタン等(以下、単に「エラストマー等」という)の軟材質である。操作部58は、装着リング57よりも軟質であり、装着リング57は、操作部58より硬質である。図示の例では、操作部58において外周縁部(装着リング57に連結されている部分)よりも径方向内側に位置する中央部が、上下方向Zに弾性変形可能に形成されている。
操作部58の下面には、垂下筒部79と、規制壁部81と、弾性板82と、が備えられる。
垂下筒部79は、容器軸Oに同軸に配置される。垂下筒部79は、操作部58の下面から下方へ向けて突設された円筒状である。垂下筒部79は、内筒59の径方向内側に嵌合し、かつ外周筒部54の径方向外側に嵌合する。垂下筒部79は、内筒59と外周筒部54とによって径方向から挟まれ、固定されている。
図示の例では、操作部58の下面に、外周筒部54の上端が当接している。
規制壁部81は、操作部58の下面から下方へ向けて突設された筒状である。規制壁部81は、第2弁座部67を上下方向Z以外の方向(前後方向Xおよび左右方向Y)から囲う。図示の例では、規制壁部81内に、第2弁座部67が嵌合している。また、規制壁部81の下端部は、窪み部78の周壁内に嵌合する。これにより、規制壁部81の下端部は、第2弁座部67の周壁と窪み部78の周壁とによって、上下方向Z以外の方向から挟まれ、固定されている。また、規制壁部81の下端は、窪み部78の底壁に対して、その上方から当接している。特に図示しないが、操作部58の下面視において、規制壁部81は、第2弁座部67および窪み部78の形状に対応して、周方向に延びる円弧状をなす。
弾性板82は、操作部58の下面から下方へ向けて突設された板状である。弾性板82は、弾性変形可能である。図1に示すように、本実施形態の例では、弾性板82が四角形板状である。操作部58の下面には、周方向に間隔をあけて複数の弾性板82が形成されている。弾性板82は、容器軸Oの左方、右方および後方に配置されている。図2に示すように、弾性板82は、操作部58の下面から下方へ向かうにしたがい後方へ向けて延びる。弾性板82は、収容凹部77内に配置される。弾性板82の下端部は、収容凹部77の底面に当接する。弾性板82は、操作部58と一体に形成される。
操作部58には、環状の薄肉部64が形成されている。薄肉部64は、容器軸Oに同軸に配置される。薄肉部64は、操作部58において後述する連絡空間65を画成する部分に形成されている。薄肉部64は、操作部58の中央部における外周部分に形成されている。薄肉部64は、操作部58の下面が上方に向けて窪むことで形成されている。操作部58の上面は、薄肉部64を径方向にまたぐ両側(内外)で面一とされている。
中蓋14は、内蓋13との間に、連通孔56に連通する連絡空間65を画成する。本実施形態において連絡空間65は、外周筒部54(上部材47)の上方の開口が操作部58によって閉じられて形成されている。操作部58は、装着リング57の内部を上方から閉塞して装着リング57の内部に連絡空間65を画成する。連絡空間65は、平面視円形状に形成されている。連絡空間65の上下方向Zの大きさ(高さ)は、外周筒部54の上下方向Zの大きさの1/2よりも小さくなっている。操作部58は、弾性変形することで連絡空間65の内圧を増減させる。
図1および図2に示すように、中蓋14には、内容物を吐出させる吐出孔66が形成されている。吐出孔66の平面視形状は、円形状である。吐出孔66は、中蓋14に複数形成されている。本実施形態では、吐出孔66が、中蓋14のうち容器軸Oよりも前方に位置する部分に位置しており、周方向に円弧状に配列している。
図2に示すように、吐出孔66は、操作部58に形成され、操作部58を上下方向Zに貫通する。吐出孔66は、連絡空間65と連通する。本実施形態では、吐出孔66と連絡空間65とが、第2弁座部67の周壁、窪み部78の底壁および周壁に形成された複数の溝部83によって、互いに連通する。吐出孔66は、内蓋13に設けられた第2弁座部67により閉塞される。吐出孔66は、第2弁座部67の頂壁によって、下方から塞がれる。
中蓋14は、例えば、装着リング57をインサート品としたインサート成形により作製される。
第1弁体15は、内蓋13の連通孔56と連絡空間65との連通、およびその遮断を切り替える弁である。本実施形態において第1弁体15は、内蓋13に設けられている。
第1弁体15は、弁筒84と、弁本体85と、を備えている。
本実施形態では、弁筒84が、内蓋13の取付け筒部52内に嵌合している。弁筒84内には、第1弁座部53の筒部(周壁部)が配置される。弁筒84の下端は、第1弁座部53の筒部の下端部と、取付け筒部52の下端部とを接続するリング板状の連結部分に対して、その上方から当接する。
弁本体85は、弁筒84の上端部に連結される。弁本体85は、弁筒84内に配置される。弁本体85は、円板状の弁板と、弁板と弁筒84とを連結する複数の弾性脚と、を備える。弁本体85は、弁筒84に対して上下方向Zに移動可能である。第1弁座部53の弁座板が、弁本体85の弁板に対して、その下方から当接する。
第1弁体15は、連通孔56の上方を覆っている。第1弁体15は、逆止弁である。第1弁体15は、内容器12の収容空間45から連絡空間65への流体(内容物。以下同様)の流れを許容し、連絡空間65から収容空間45への流体の流れを遮断する。本実施形態の例では、第1弁体15として、三点弁を用いている。なお、内容器12に収容する内容物の性状などに応じて、例えば、三点弁の形状を適宜変更したり、三点弁とは異なる構成の逆止弁を第1弁体15として採用したりすることができる。
第2弁体16は、中蓋14の吐出孔66と連絡空間65との連通、およびその遮断を切り替える弁である。本実施形態において第2弁体16は、中蓋14に設けられている。第2弁体16は、操作部58と一体に形成されている。
第2弁体16は、操作部58において吐出孔66の開口周縁部を含む部分により形成されている。本実施形態では第2弁体16が、操作部58のうち、筒状の規制壁部81に囲まれた部分に形成される。
第2弁体16は、操作部58における他の部分よりも薄肉に形成され、薄肉部64よりも薄肉に形成されている。第2弁体16の平面視形状は、第2弁座部67の平面視形状と相似形状であり、第2弁座部67の平面視形状よりも大きい(図1参照)。図2に示すように、第2弁体16は、第2弁座部67に着座することで、吐出孔66と連絡空間65との連通を遮断している。第2弁体16は、第2弁体16が弾性変形して第2弁座部67から離れたときに、吐出孔66と連絡空間65とを連通させる。第2弁体16は、逆止弁である。第2弁体16は、連絡空間65から外部への流体の流れを許容し、外部から連絡空間65への流体の流れを遮断する。
付勢部91は、下方移動した操作部58を上方に向けて付勢する。操作部58が下方移動する前の状態(図2に示す状態)においては、付勢部91は、操作部58を上方に向けて付勢してもよいし、付勢しなくてもよい。付勢部91は、弾性変形可能である。図2に示すように、付勢部91は、内蓋13と中蓋14の間に配置されている。付勢部91は、内蓋13の上部材47と、中蓋14の操作部58との間に配置される。付勢部91は、連絡空間65内に配置される。
本実施形態では、付勢部91が、中蓋14に一体に形成されている。付勢部91は、中蓋14の操作部58に一体に形成される。付勢部91は、操作部58の下面に備えられる。本実施形態では、付勢部91が筒状である。付勢部91は、容器軸Oに同軸に配置される。付勢部91は、操作部58のうち、上下方向Zから見て第1弁体15に重なる部分を、上方に向けて付勢する。図示の例では、付勢部91の厚さが、操作部58の厚さよりも薄肉である。
付勢部91は、小径部92と、大径部93と、傾斜部94と、を備える。
小径部92は、操作部58の下面から下方に向けて突設された環状である。図示の例では、小径部92の内径が、弁本体85の弁板の外径よりも小さい。大径部93は、小径部92よりも大径の環状であり、小径部92よりも下方に配置される。大径部93の内径は、小径部92の外径よりも大きい。このため、付勢部91が弾性変形させられたときに、大径部93内に小径部92を収容できる。大径部93の下端は、第1弁体15の弁筒84の上端面に対して、その上方から当接する。図示の例では、大径部93の内径と、弁筒84の内径とが、略同一である。
本実施形態の付勢部91は、ドーム状でもある。付勢部91は、上方に向けて膨出するドーム状である。
傾斜部94は、小径部92の下端部と、大径部93の上端部とを連結するテーパ筒状である。傾斜部94は、小径部92との接続部分から下方に向かうにしたがい径方向外側へ向けて延びる。傾斜部94は、下方に向かうにしたがい徐々に拡径している。傾斜部94には、傾斜部94を上下方向Zに貫通する貫通孔95が形成される。貫通孔95は、傾斜部94において周方向に互いに間隔をあけて複数形成される。貫通孔95は、付勢部91の内部空間と外部空間とを連通する。貫通孔95内を通して、内容物が流通する。
操作部58が押し下げられたときに、付勢部91は弾性変形し、大径部93と小径部92との間の上下方向Zに沿う距離が小さくなる。このとき付勢部91には、大径部93に対して小径部92を上方へ押し上げる復元変形力が生じる。これにより付勢部91は、操作部58を上方に向けて付勢する。
本実施形態において内容器12と内蓋13と中蓋14とは、リフィル容器17を構成している。リフィル容器17は、外殻体11に対して着脱自在に設けられている。これにより、使用者は、内容器12内の内容物を使い切った後に、リフィル容器17を、内容物が充填された新しいリフィル容器17と交換することができる。
外殻体11からリフィル容器17を取り外す際、使用者は、底部材21の係合板部の係合爪と、装着リング57の周溝との係合状態を解除する。
次に、本実施形態のコンパクト容器10の内容物の吐出方法について説明する。
コンパクト容器10が未使用状態の場合、内容物は、収容空間45内にのみ収容されており、連絡空間65には、例えば空気が充填されている。
まず、使用者は、プッシュピース37を操作して、外殻体11の蓋部材22を開く。操作部58を上方から押圧して、下方に窪ませるように弾性変形させる。操作部58が下方に窪むように弾性変形すると連絡空間65の容積が小さくなるため、連絡空間65の内圧が上昇する。つまり、操作部58の少なくとも一部が下方移動させられることにより、連絡空間65の内圧が上昇する。すると、連絡空間65の内圧によって第2弁体16が上方に向けて弾性的に膨出変形して第2弁座部67から離間し、吐出孔66の閉塞状態が解除され、連絡空間65内の空気の一部が吐出孔66から外部へと排出される。その後、第2弁体16が復元変形して第2弁座部67に着座し、吐出孔66を閉塞する。このとき、第1弁体15は連絡空間65から収容空間45への流体の移動を遮断するため、第1弁体15によって連通孔56が閉塞されており、連絡空間65内の空気が連通孔56から収容空間45に流れることが抑制される。このように、操作部58が下方移動して連絡空間65の内圧が上昇したときに、第1弁体15は連通孔56と連絡空間65との連通を遮断し、かつ、第2弁体16は吐出孔66と連絡空間65とを連通させる。
次に、使用者は、操作部58に加えている押圧力を解除して、弾性変形していた操作部58を元の状態に復元させる。このとき、付勢部91は、操作部58を上方に向けて付勢して復元変形を促す。また、弾性板82が、操作部58の復元変形をアシストする。これにより、連絡空間65の容積が増加して、連絡空間65内が負圧となる。つまり、下方移動させられた操作部58の部分が、元の位置へ向けて上方移動させられることにより、連絡空間65の内圧が下降する。このとき、吐出孔66は第2弁体16によって閉塞されているため、外部から連絡空間65へ空気が入ることが抑制される。そのため、連通孔56を通して、収容空間45内の内容物が連絡空間65内に吸い上げられる。第1弁体15は収容空間45から連絡空間65への流体の流れを許容するため、第1弁体15は、連通孔56と連絡空間65とを連通させた状態となっており、内容物の流れを阻害しない。これにより、連絡空間65内に内容物が流入される。このように、操作部58が上方移動して連絡空間65の内圧が下降したときに、第2弁体16は吐出孔66と連絡空間65との連通を遮断し、かつ、第1弁体15は連通孔56と連絡空間65とを連通させる。
使用者は、上述した操作部58の弾性変形と復元とを複数回行うことにより、連絡空間65の空気を外部に排出するとともに、連絡空間65内に内容物を充填させていくことができる。ここで、内容器12は可撓性を有しており、内容物が連通孔56を通して連絡空間65に流出することにともない減容する(減容変形する)ため、内容物の減少にともなって収容空間45の内圧が小さくなると、内容器12が縮小変形して収容空間45の容積が小さくなる。これにより、内容物が連絡空間65に流入して収容空間45内の内容物の総量が減った場合であっても、収容空間45から連絡空間65へと安定して内容物を送ることが可能である。
連絡空間65に内容物が充填された状態において、操作部58を弾性変形させると、連絡空間65の内圧が上昇する。これにより、第2弁体16が上方に向けて膨出変形し、吐出孔66の閉塞が解除される。したがって、連絡空間65内から押し出された分の内容物が吐出孔66から外部へと吐出される。このようにして、使用者は、内容物を吐出させることができる。内容物は、吐出孔66から中蓋14の上面のうち隆起部62の内側に吐出される。そのため、内容物が中蓋14の上面上からこぼれることを抑制できる。使用者は、パフP等によって中蓋14の上面を拭うことで内容物をパフP等に付着させて使用する。
以上説明したように、本実施形態のコンパクト容器10によれば、操作部58が下方移動して連絡空間65の内圧を上昇させたときに、第1弁体15は連通孔56と連絡空間65との連通を遮断し、かつ、第2弁体16は吐出孔66と連絡空間65とを連通させる。また、操作部58が上方移動して連絡空間65の内圧を下降させたときに、第2弁体16は吐出孔66と連絡空間65との連通を遮断し、かつ、第1弁体15は連通孔56と連絡空間65とを連通させる。このため、使用者は、操作部58を押し下げたりその押し下げを解除したりして操作部58を弾性変形させることによって連絡空間65の内圧の増減を行うことで、連絡空間65内を負圧にして内容器12内の内容物を連絡空間65内に流入させ、連絡空間65内に内容物を充填することができる。この状態で、操作部58を押し下げて連絡空間65の内圧を上昇させると、連絡空間65の内圧の上昇に対応した量だけ、内容物を吐出孔66から吐出させることができる。
そして本実施形態では、下方移動した操作部58を上方に向けて付勢する付勢部91が備えられる。このため、操作部58の押し下げを解除したときに、付勢部91が、操作部58を押し下げ前の元の位置まで安定して戻す。つまり、弾性変形させられた操作部58が復元変形することを、付勢部91がアシストする。これにより、内容器12から連絡空間65へと内容物が安定して吸い込まれ、次に操作部58を押し下げたときの内容物の吐出量を、所望の量の通りとすることができる。
したがって、本実施形態のコンパクト容器10は、内容物の吐出量の調整が容易である。
また、付勢部91によって操作部58が押し下げ前の位置に安定して戻されるため、操作部58の操作性がよい。これにより、操作部58を、例えばエラストマー等の弾性変形可能な軟材質で形成することで、第2弁体16によるシール性を確保した場合でも、良好な復元性を持たせることができる。
詳しくは、本実施形態のように、第2弁体16が操作部58に一体に形成されている場合には、第2弁体16のシール性を確保するために、操作部58として軟らかい材質が採用される。このため、操作部58の復元性がより確保しにくくなる。このような問題が付勢部91を設けることによって、解決される。つまり、付勢部91を設けることによって、第2弁体16のシール性と、操作部58の復元性とを両立できる。
また、中蓋14が操作部58を備え、つまり操作部58が中蓋14の一部とされているので、操作部58を設けることによる部品点数の増加を抑えることができる。
また操作部58が、連絡空間65を画成しているので、例えば、操作部58を連絡空間65の大きさに応じて大きく形成することが可能になり、内容物の吐出に際して使用者が操作可能な範囲を広げることができる。
また本実施形態では、付勢部91が、操作部58のうち、上下方向Zから見て第1弁体15に重なる部分を付勢するので、下記の作用効果が得られる。
すなわちこの場合、操作部58、付勢部91および第1弁体15を上下方向Zに並べて配置できる。操作部58と第1弁体15とを近い位置に配置できるので、操作部58が操作されたときの連絡空間65の内圧の変動(正圧、負圧)を、第1弁体15に作用させやすくすることができる。したがって、第1弁体15の動作が安定する。
また、操作部58のうち、特に復元変形しにくい第1弁体15の直上に位置する部分を、付勢部91によって確実に元の位置に戻すことができる。
また本実施形態では、付勢部91が、内蓋13と中蓋14の間に配置されているので、付勢部91を設けやすい。また、付勢部91が連絡空間65内から操作部58を押し上げるように作用して、操作部58の復元性が良好に維持される。
また本実施形態では、付勢部91が中蓋14に一体に形成されているので、部品点数を削減でき、コンパクト容器10の構造を簡素化できる。また、付勢部91が容器内で移動することが抑制されるので、付勢部91の上述した機能が良好に維持される。
また本実施形態では、付勢部91が筒状であるので、操作部58を上方に向けて付勢する付勢力(復元変形力)を大きく確保しやすく、かつ良好に維持しやすい。
また、付勢部91の大径部93の内径が、小径部92の外径よりも大きい。このため、操作部58を押し下げ操作したときに、大径部93内に小径部92を収容できる。これにより、付勢部91を設けつつも、付勢部91によって押し下げ操作が阻害されることを抑制できる。
また本実施形態では、付勢部91がドーム状であるので、弾性変形した後の復元性がよい。
また、操作部58に環状の薄肉部64が形成されている。したがって、操作部58において薄肉部64の径方向内側に位置する部分を、薄肉部64を起点として大きく弾性変形させやすくすることができる。これにより、連絡空間65の内圧を大きく増減させることが可能になり、内容物の吐出量の調整をより容易にすることができる。
また中蓋14が、装着リング57を備えている。したがって、操作部58の弾性変形に基づく操作性を確保しつつも装着リング57を適度に硬質に形成し、中蓋14の内蓋13への装着性を装着リング57により確保することができる。これにより、操作部58の操作性および中蓋14の装着性の両方を確保することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係るコンパクト容器70について、図3および図4を参照して説明する。
なお、第2実施形態では、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
本実施形態のコンパクト容器70は、前述の実施形態とは、第1弁座部53、第1弁体15および付勢部96の構成が異なる。
図4に示すように、第1弁座部53は、容器軸Oと同軸に配置され、取付け筒部52よりも小径とされた筒部(周壁部)と、筒部の下端部から径方向内側へ広がる弁座板と、を備える。第1弁座部53の筒部の上端部は、取付け筒部52の上端部に連結される。第1弁座部53の弁座板の上下方向Zに沿う位置は、取付け筒部52の下端部の上下方向Zに沿う位置と略同一である。
第1弁体15の弁筒84は、第1弁座部53の筒部内に嵌合している。弁筒84の下端は、第1弁座部53の弁座板に対して、その上方から当接する。
第1弁体15の弁本体85は、弁筒84の下端部に連結される。第1弁座部53の弁座板は、弁本体85の弁板に対して、その下方から当接する。
図3および図4に示すように、本実施形態では、付勢部96が、操作部58の下面から下方へ向けて突設された板状である。付勢部96は、弾性変形可能である。本実施形態の例では、付勢部96が四角形板状である。操作部58の下面には、周方向に互いに間隔をあけて複数の付勢部96が形成されている。図示の例では、操作部58の下面に3つの付勢部96が設けられ、これらが周方向に等間隔をあけて配置されている。周方向に隣り合う付勢部96同士の間を、内容物が流通する。
付勢部96は、操作部58の下面から下方へ向かうにしたがい径方向外側へ向けて延びる。付勢部96の下端部は、第1弁座部53の筒部の上端部と、取付け筒部52の上端部とを連結するフランジ状の連結部分の上面に対して、その上方から当接する。付勢部96の下端は、前記連結部分と、連結環部55のうち取付け筒部52の上端部に接続する部分との間に形成された凹状の段差部に対して、その径方向内側から突き当てられる。
操作部58が押し下げられたときに、付勢部96は弾性変形する。このとき、付勢部96は、復元変形力によって操作部58を上方に向けて付勢する。
以上説明した本実施形態のコンパクト容器70によれば、前述した実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
また本実施形態では、周方向に隣り合う付勢部96同士の間に、内容物の流通スペースを広く確保しやすい。また付勢部96の成形性がよく、製造が容易である。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係るコンパクト容器80について、図5および図6を参照して説明する。
なお、第3実施形態では、第1、第2実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
本実施形態のコンパクト容器80は、前述した実施形態とは、付勢部97の構成が異なる。
図5および図6に示すように、本実施形態では、付勢部97が、第1弁体15に一体に形成されている。付勢部97は、弁筒84の上端面から上方へ向けて突設された板状である。付勢部97は、弾性変形可能である。本実施形態の例では、付勢部97が四角形板状である。弁筒84の上端面には、周方向に互いに間隔をあけて複数の付勢部97が形成されている。図示の例では、弁筒84の上端面に3つの付勢部97が設けられ、これらが周方向に等間隔をあけて配置されている。付勢部97の上端部は、上方へ向かうにしたがい径方向外側へ向けて延びる。付勢部97の上端部は、操作部58の下面に対して、その下方から当接する。周方向に隣り合う付勢部97同士の間を、内容物が流通する。
操作部58が押し下げられたときに、付勢部97は弾性変形する。このとき、付勢部97は、復元変形力によって操作部58を上方に向けて付勢する。
以上説明した本実施形態のコンパクト容器80によれば、前述した実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
また本実施形態では、付勢部97が第1弁体15に一体に形成されているので、部品点数を削減でき、コンパクト容器80の構造を簡素化できる。また、付勢部97が容器内で移動することが抑制されるので、付勢部97の機能が良好に維持される。
また、付勢部97が第2弁体16と別体なので、第2弁体16によるシール性を確保しつつ、操作部58の復元性を確保できる。また、付勢部97および第1弁体15の成形性がよい。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態に係るコンパクト容器90について、図7および図8を参照して説明する。
なお、第4実施形態では、第1〜第3実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
本実施形態のコンパクト容器90は、前述した実施形態とは、付勢部98の構成が異なる。
図7および図8に示すように、本実施形態では、付勢部98が、弁筒84の上端面から上方へ向けて突設された板状である。付勢部98は、弾性変形可能である。付勢部98は、帯板状(長方形板状)であり、その延在方向の両端部が、弁筒84の上端部にそれぞれ接続される。付勢部98の両端部は、弁筒84の上端部のうち、容器軸Oを挟んで径方向に対向する両部分に接続される。付勢部98の延在方向の両端部同士の間に位置する中間部分は、上方に向けて膨出する凸状である。付勢部98の延在方向に沿う中央部99は、操作部58の下面に対して、その下方から当接する。付勢部98の延在方向の中央部99は、中央部99以外の部位よりも厚肉に形成されている。図示の例では、付勢部98の延在方向が、前後方向Xに沿っている。付勢部98の延在方向は、前後方向Xに限定されない。
操作部58が押し下げられたときに、付勢部98は弾性変形する。このとき、付勢部98は、復元変形力によって操作部58を上方に向けて付勢する。
以上説明した本実施形態のコンパクト容器90によれば、前述した実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
また本実施形態では、付勢部98の機能を良好に維持しやすい。つまり、付勢部98が弾性変形させられた後の復元性がよく、これにより、操作部58の復元性も確保される。
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態に係るコンパクト容器100について、図9および図10を参照して説明する。
なお、第5実施形態では、第1〜第4実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
本実施形態のコンパクト容器100は、前述した実施形態とは、付勢部101の構成が異なる。
図9および図10に示すように、本実施形態の付勢部101は、中蓋14および第1弁体15には一体に設けられていない。付勢部101は、内蓋13と中蓋14との間に、独立した部材として設けられている。
付勢部101は、弾性変形可能である。付勢部101は、容器軸Oに同軸に配置された環状部102と、環状部102の上端部に接続され、環状部102の内部空間をその上方から覆うドーム壁部103と、を備える。
環状部102は、取付け筒部52内に嵌合する。環状部102の下端は、弁筒84の上端面に対して、その上方から当接する。
ドーム壁部103は、上方に向けて凸となるドーム状である。ドーム壁部103の中央部(頂部)は、操作部58の下面に対して、その下方から当接する。ドーム壁部103には、ドーム壁部103を上下方向Zに貫通する貫通孔104が形成される。貫通孔104は、ドーム壁部103において周方向に互いに間隔をあけて複数形成される。貫通孔104は、付勢部101の内部空間と外部空間とを連通する。貫通孔104内を通して、内容物が流通する。
操作部58が押し下げられたときに、付勢部101は弾性変形する。このとき、付勢部101は、復元変形力によって操作部58を上方に向けて付勢する。
以上説明した本実施形態のコンパクト容器100によれば、前述した実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
また本実施形態では、付勢部101を、操作部58を上方付勢するための最適の材質で形成できる。つまり、付勢部101が第1弁体15および第2弁体16と別体なので、付勢部101の材質の選択の自由度を高められる。また、付勢部101の成形性がよい。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されず、例えば下記に説明するように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
前述の実施形態では、付勢部91、96、97、98、101が、操作部58のうち、上下方向Zから見て第1弁体15に重なる部分を付勢する。付勢部は、操作部58のうち、上下方向Zから見て第1弁体15に重ならない部分を付勢してもよい。
付勢部は、内蓋13と中蓋14の間に配置されなくてもよい。
特に図示しないが、連絡空間65が、連通孔56が開口する主連絡空間と、主連絡空間に連通する副連絡空間と、を備え、副連絡空間を画成する壁面の少なくとも一部を、操作部としてもよい。この場合、副連絡空間内に付勢部を設けるとともに、付勢部が操作部を上方に向けて付勢してもよい。
操作部は、上方に向けて膨出するボタン状またはドーム状であってもよい。
付勢部は、内蓋13に一体に形成されてもよい。
この場合、付勢部が内蓋13に一体に形成されるので、部品点数を削減でき、コンパクト容器の構造を簡素化できる。また、付勢部が容器内で移動することが抑制されるので、付勢部の機能が良好に維持される。
弾性板82は、操作部58と一体に形成される代わりに、内蓋13の上部材47と一体に形成されてもよい。弾性板82の形状は、四角形板状に限らず、それ以外の板状、および板状以外の形状等に適宜変更してよい。
操作部58の平面視形状は、特に限定されず、楕円形状であってもよいし、三角形状であってもよいし、四角形状であっても、五角形以上の多角形状であってもよい。
また、内容器12の形状は、特に限定されず、例えば、楕円筒状であってもよいし、角筒状であってもよい。
また、内容器12と内蓋13と中蓋14とは、リフィル容器17を構成していなくてもよい。すなわち、内容物を使い切った際に、内容器12を交換できない構成であってもよい。
装着リング57が設けられなくてもよい。装着リング57を備えることに代えて、弾性変形可能な操作部58(弾性変形部)が、例えば有頂筒状に形成される等して内蓋13に装着されてもよい。
吐出孔66が、操作部58に形成されていなくてもよい。例えば、装着リング57に、径方向内側に向けて突出するとともに連絡空間65を画成するフランジを設け、このフランジに吐出孔66を設けてもよい。
吐出孔66が、1つだけ形成されていてもよい。
第2弁体16が、操作部58によって形成されていなくてもよく、第2弁体16を、操作部58とは別の部材によって形成してもよい。
内容物が連通孔56を通して連絡空間65に流出することにともなって、内容器12が減容しなくてもよい。内容器12として、可撓性を有さない構成を採用してもよい。
操作部58に薄肉部64が形成されなくてもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した実施形態および変形例を適宜組み合わせてもよい。
10,70,80,90,100…コンパクト容器、12…内容器、13…内蓋、14…中蓋、15…第1弁体、16…第2弁体、56…連通孔、58…操作部、65…連絡空間、66…吐出孔、91,96,97,98,101…付勢部、Z…上下方向

Claims (4)

  1. 内容物が収容される内容器と、
    前記内容器の内部を封止し、前記内容器内に連通する連通孔が形成された内蓋と、
    前記内蓋の上方に設けられ、前記内蓋との間に前記連通孔に連通する連絡空間を画成するとともに、前記連絡空間に連通して前記内容物を吐出させる吐出孔が形成された中蓋と、
    前記連通孔と前記連絡空間との連通、およびその遮断を切り替える第1弁体と、
    前記吐出孔と前記連絡空間との連通、およびその遮断を切り替える第2弁体と、を備え、
    前記中蓋は、前記連絡空間を画成するとともに弾性変形可能に形成され、弾性変形することで前記連絡空間の内圧を増減させる操作部を備え、
    前記操作部が下方移動して前記連絡空間の内圧が上昇したときに、前記第1弁体は前記連通孔と前記連絡空間との連通を遮断し、かつ、前記第2弁体は前記吐出孔と前記連絡空間とを連通させ、
    前記操作部が上方移動して前記連絡空間の内圧が下降したときに、前記第2弁体は前記吐出孔と前記連絡空間との連通を遮断し、かつ、前記第1弁体は前記連通孔と前記連絡空間とを連通させ、
    コンパクト容器は、前記連絡空間内に配置され、下方移動した前記操作部を上方に向けて付勢する付勢部と、前記操作部の復元変形をアシストする弾性板と、を備えた、コンパクト容器。
  2. 請求項1に記載のコンパクト容器であって、
    前記操作部は、上下方向から見て前記第1弁体に重なる位置に配置され、
    前記付勢部は、前記操作部のうち、上下方向から見て前記第1弁体に重なる部分を付勢する、コンパクト容器。
  3. 請求項1または2に記載のコンパクト容器であって、
    前記付勢部は、前記内蓋と前記中蓋の間に配置された、コンパクト容器。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のコンパクト容器であって、
    前記付勢部は、前記中蓋、前記第1弁体および前記内蓋のいずれかに一体に形成された、コンパクト容器。
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