JP6914147B2 - コンパクト容器 - Google Patents
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Description
したがって、本発明のコンパクト容器は、内容物の吐出量の調整が容易である。
また、内容物を吐出するための例えばシリンダおよびピストン等を有する複雑なポンプ構造を用いる必要がなく、本発明によれば構造を簡素化できる。
また、操作部のうち、特に復元変形しにくい第1弁体の直上に位置する部分を、付勢部によって確実に元の位置に戻すことができる。
以下、本発明の第1実施形態に係るコンパクト容器10について、図1および図2を参照して説明する。なお、実施形態の説明に用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために、要部となる部分を拡大、強調、抜粋して示す場合がある。
外殻体11は、内容器12、内蓋13および中蓋14を覆って、これらを内部に収容する。つまりコンパクト容器10のうち、外殻体11以外の部材は、外殻体11の内部に収容される。外殻体11は、底部材21と、蓋部材22と、を備える。底部材21は、有底円筒状である。蓋部材22は、有頂円筒状である。蓋部材22は、底部材21に対して回転軸R回りに回動可能に取り付けられている。
上下方向Zから見た平面視で、容器軸Oに直交する方向を径方向と呼ぶ。径方向に沿って容器軸Oに接近する方向を径方向内側と呼び、容器軸Oから離間する方向を径方向外側と呼ぶ。径方向のうち、回転軸Rに平行な方向を左右方向Yと呼び、回転軸Rに直交する方向を前後方向Xと呼ぶ。前後方向Xに沿って、容器軸Oから回転軸Rへ向かう方向を後方と呼び、回転軸Rから容器軸Oへ向かう方向を前方と呼ぶ。
容器軸O回りに周回する方向を周方向と呼ぶ。
筒状壁部24の前方端部には、後方に向けて窪む係合空間25が設けられている。係合空間25は、前方および上方に向けて開口している。係合空間25は、前方を向く後壁部26と、上方を向く底壁部27と、により画成されている。
蓋部材22は、容器軸Oと同軸に配置された円板状の天板部33と、天板部33の外周縁から下方に延びる円筒状の筒部34と、を備える。蓋部材22の天板部33の下面には、鏡Mが固定される。
係合片35の下端部には、後方に向けて突出するとともに、底部材21に形成された第1係合部29に対して離脱可能にアンダーカット嵌合される第2係合部36が形成されている。第1係合部29に対して第2係合部36が下方から係合することによって、蓋部材22は閉状態でロックされる。
プッシュピース37は、係合片35よりも前方に配置された操作壁部38と、操作壁部38から後方に向けて突設され、ガイド壁部28の傾斜面上に位置する解除突起39と、操作壁部38の下端部から後方に向けて突設され、底壁部27に載置されるベース部40と、を備える。プッシュピース37は、後方に向けて押し込まれたときに、底部材21および蓋部材22に対して後方へ移動可能である。
なお、プッシュピース37は、後方に移動したときに、解除突起39の復元変形によって、前方に向けて復元移動する。
内容物は、液状であっても、ゲル状であっても、ゼリー状であってもよい。内容物は、例えば、リキッドファンデーション等の化粧品である。
内蓋円板部48は、容器軸Oと同軸に配置された円板状である。内蓋円板部48は、内容器12の上方の開口を覆っている。内蓋円板部48には、上方に延びる装着筒部51が形成されている。装着筒部51は、内蓋円板部48の内周端から上方に向けて突設される。装着筒部51は、容器軸Oと同軸に配置されている。装着筒部51は、内容器12内に開口する。
内側筒部49は、内蓋円板部48の外周縁から上方に延びる円筒状である。
外側筒部50は、内側筒部49よりも径方向外側において、容器軸Oと同軸に配置された円筒状である。外側筒部50の上端部は、内側筒部49の上端部と連結されている。
取付け筒部52は、容器軸Oと同軸の円筒状に形成されている。取付け筒部52は、装着筒部51内に嵌合している。
第1弁座部53は、容器軸Oと同軸に配置され、取付け筒部52よりも小径とされた筒部(周壁部)と、筒部の上端部から径方向内側へ広がる弁座板と、を備える。第1弁座部53の筒部の下端部は、取付け筒部52の下端部に連結される。第1弁座部53の弁座板は、取付け筒部52の上端よりも下方に位置している。第1弁座部53の弁座板の中央部には、この弁座板を上下方向Zに貫通する連通孔56が形成されている。このため弁座板は、リング板状である。連通孔56は、容器軸Oと同軸に配置された円孔状である。連通孔56は、内容器12内に連通する。つまり、内蓋13には、内容器12内に連通する連通孔56が形成される。
連結環部55のうち、容器軸Oよりも前方に位置する部分には、第2弁座部67が配置される。第2弁座部67は、連結環部55において上方に突出する凸状である。本実施形態では、第2弁座部67が有頂筒状である。図示の例では、第2弁座部67が、有底筒状の窪み部78の底壁から、上方に向けて突設されている。窪み部78は、連結環部55のうち、容器軸Oよりも前方に位置する部分に配置される。窪み部78は、連結環部55において下方に窪む凹状である。図1に示すように、本実施形態の例では、第2弁座部67および窪み部78が、周方向に延びる円弧状をなす。
操作部58は、上下方向Zから見て、後述する第1弁体15に重なる位置に配置される。
垂下筒部79は、容器軸Oに同軸に配置される。垂下筒部79は、操作部58の下面から下方へ向けて突設された円筒状である。垂下筒部79は、内筒59の径方向内側に嵌合し、かつ外周筒部54の径方向外側に嵌合する。垂下筒部79は、内筒59と外周筒部54とによって径方向から挟まれ、固定されている。
図示の例では、操作部58の下面に、外周筒部54の上端が当接している。
中蓋14は、例えば、装着リング57をインサート品としたインサート成形により作製される。
第1弁体15は、弁筒84と、弁本体85と、を備えている。
本実施形態では、弁筒84が、内蓋13の取付け筒部52内に嵌合している。弁筒84内には、第1弁座部53の筒部(周壁部)が配置される。弁筒84の下端は、第1弁座部53の筒部の下端部と、取付け筒部52の下端部とを接続するリング板状の連結部分に対して、その上方から当接する。
弁本体85は、弁筒84の上端部に連結される。弁本体85は、弁筒84内に配置される。弁本体85は、円板状の弁板と、弁板と弁筒84とを連結する複数の弾性脚と、を備える。弁本体85は、弁筒84に対して上下方向Zに移動可能である。第1弁座部53の弁座板が、弁本体85の弁板に対して、その下方から当接する。
第2弁体16は、操作部58において吐出孔66の開口周縁部を含む部分により形成されている。本実施形態では第2弁体16が、操作部58のうち、筒状の規制壁部81に囲まれた部分に形成される。
小径部92は、操作部58の下面から下方に向けて突設された環状である。図示の例では、小径部92の内径が、弁本体85の弁板の外径よりも小さい。大径部93は、小径部92よりも大径の環状であり、小径部92よりも下方に配置される。大径部93の内径は、小径部92の外径よりも大きい。このため、付勢部91が弾性変形させられたときに、大径部93内に小径部92を収容できる。大径部93の下端は、第1弁体15の弁筒84の上端面に対して、その上方から当接する。図示の例では、大径部93の内径と、弁筒84の内径とが、略同一である。
外殻体11からリフィル容器17を取り外す際、使用者は、底部材21の係合板部の係合爪と、装着リング57の周溝との係合状態を解除する。
コンパクト容器10が未使用状態の場合、内容物は、収容空間45内にのみ収容されており、連絡空間65には、例えば空気が充填されている。
まず、使用者は、プッシュピース37を操作して、外殻体11の蓋部材22を開く。操作部58を上方から押圧して、下方に窪ませるように弾性変形させる。操作部58が下方に窪むように弾性変形すると連絡空間65の容積が小さくなるため、連絡空間65の内圧が上昇する。つまり、操作部58の少なくとも一部が下方移動させられることにより、連絡空間65の内圧が上昇する。すると、連絡空間65の内圧によって第2弁体16が上方に向けて弾性的に膨出変形して第2弁座部67から離間し、吐出孔66の閉塞状態が解除され、連絡空間65内の空気の一部が吐出孔66から外部へと排出される。その後、第2弁体16が復元変形して第2弁座部67に着座し、吐出孔66を閉塞する。このとき、第1弁体15は連絡空間65から収容空間45への流体の移動を遮断するため、第1弁体15によって連通孔56が閉塞されており、連絡空間65内の空気が連通孔56から収容空間45に流れることが抑制される。このように、操作部58が下方移動して連絡空間65の内圧が上昇したときに、第1弁体15は連通孔56と連絡空間65との連通を遮断し、かつ、第2弁体16は吐出孔66と連絡空間65とを連通させる。
したがって、本実施形態のコンパクト容器10は、内容物の吐出量の調整が容易である。
また操作部58が、連絡空間65を画成しているので、例えば、操作部58を連絡空間65の大きさに応じて大きく形成することが可能になり、内容物の吐出に際して使用者が操作可能な範囲を広げることができる。
すなわちこの場合、操作部58、付勢部91および第1弁体15を上下方向Zに並べて配置できる。操作部58と第1弁体15とを近い位置に配置できるので、操作部58が操作されたときの連絡空間65の内圧の変動(正圧、負圧)を、第1弁体15に作用させやすくすることができる。したがって、第1弁体15の動作が安定する。
また、操作部58のうち、特に復元変形しにくい第1弁体15の直上に位置する部分を、付勢部91によって確実に元の位置に戻すことができる。
また、付勢部91の大径部93の内径が、小径部92の外径よりも大きい。このため、操作部58を押し下げ操作したときに、大径部93内に小径部92を収容できる。これにより、付勢部91を設けつつも、付勢部91によって押し下げ操作が阻害されることを抑制できる。
次に、本発明の第2実施形態に係るコンパクト容器70について、図3および図4を参照して説明する。
なお、第2実施形態では、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
図4に示すように、第1弁座部53は、容器軸Oと同軸に配置され、取付け筒部52よりも小径とされた筒部(周壁部)と、筒部の下端部から径方向内側へ広がる弁座板と、を備える。第1弁座部53の筒部の上端部は、取付け筒部52の上端部に連結される。第1弁座部53の弁座板の上下方向Zに沿う位置は、取付け筒部52の下端部の上下方向Zに沿う位置と略同一である。
第1弁体15の弁本体85は、弁筒84の下端部に連結される。第1弁座部53の弁座板は、弁本体85の弁板に対して、その下方から当接する。
また本実施形態では、周方向に隣り合う付勢部96同士の間に、内容物の流通スペースを広く確保しやすい。また付勢部96の成形性がよく、製造が容易である。
次に、本発明の第3実施形態に係るコンパクト容器80について、図5および図6を参照して説明する。
なお、第3実施形態では、第1、第2実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
図5および図6に示すように、本実施形態では、付勢部97が、第1弁体15に一体に形成されている。付勢部97は、弁筒84の上端面から上方へ向けて突設された板状である。付勢部97は、弾性変形可能である。本実施形態の例では、付勢部97が四角形板状である。弁筒84の上端面には、周方向に互いに間隔をあけて複数の付勢部97が形成されている。図示の例では、弁筒84の上端面に3つの付勢部97が設けられ、これらが周方向に等間隔をあけて配置されている。付勢部97の上端部は、上方へ向かうにしたがい径方向外側へ向けて延びる。付勢部97の上端部は、操作部58の下面に対して、その下方から当接する。周方向に隣り合う付勢部97同士の間を、内容物が流通する。
また本実施形態では、付勢部97が第1弁体15に一体に形成されているので、部品点数を削減でき、コンパクト容器80の構造を簡素化できる。また、付勢部97が容器内で移動することが抑制されるので、付勢部97の機能が良好に維持される。
また、付勢部97が第2弁体16と別体なので、第2弁体16によるシール性を確保しつつ、操作部58の復元性を確保できる。また、付勢部97および第1弁体15の成形性がよい。
次に、本発明の第4実施形態に係るコンパクト容器90について、図7および図8を参照して説明する。
なお、第4実施形態では、第1〜第3実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
図7および図8に示すように、本実施形態では、付勢部98が、弁筒84の上端面から上方へ向けて突設された板状である。付勢部98は、弾性変形可能である。付勢部98は、帯板状(長方形板状)であり、その延在方向の両端部が、弁筒84の上端部にそれぞれ接続される。付勢部98の両端部は、弁筒84の上端部のうち、容器軸Oを挟んで径方向に対向する両部分に接続される。付勢部98の延在方向の両端部同士の間に位置する中間部分は、上方に向けて膨出する凸状である。付勢部98の延在方向に沿う中央部99は、操作部58の下面に対して、その下方から当接する。付勢部98の延在方向の中央部99は、中央部99以外の部位よりも厚肉に形成されている。図示の例では、付勢部98の延在方向が、前後方向Xに沿っている。付勢部98の延在方向は、前後方向Xに限定されない。
また本実施形態では、付勢部98の機能を良好に維持しやすい。つまり、付勢部98が弾性変形させられた後の復元性がよく、これにより、操作部58の復元性も確保される。
次に、本発明の第5実施形態に係るコンパクト容器100について、図9および図10を参照して説明する。
なお、第5実施形態では、第1〜第4実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
図9および図10に示すように、本実施形態の付勢部101は、中蓋14および第1弁体15には一体に設けられていない。付勢部101は、内蓋13と中蓋14との間に、独立した部材として設けられている。
環状部102は、取付け筒部52内に嵌合する。環状部102の下端は、弁筒84の上端面に対して、その上方から当接する。
また本実施形態では、付勢部101を、操作部58を上方付勢するための最適の材質で形成できる。つまり、付勢部101が第1弁体15および第2弁体16と別体なので、付勢部101の材質の選択の自由度を高められる。また、付勢部101の成形性がよい。
付勢部は、内蓋13と中蓋14の間に配置されなくてもよい。
操作部は、上方に向けて膨出するボタン状またはドーム状であってもよい。
この場合、付勢部が内蓋13に一体に形成されるので、部品点数を削減でき、コンパクト容器の構造を簡素化できる。また、付勢部が容器内で移動することが抑制されるので、付勢部の機能が良好に維持される。
また、内容器12の形状は、特に限定されず、例えば、楕円筒状であってもよいし、角筒状であってもよい。
また、内容器12と内蓋13と中蓋14とは、リフィル容器17を構成していなくてもよい。すなわち、内容物を使い切った際に、内容器12を交換できない構成であってもよい。
吐出孔66が、操作部58に形成されていなくてもよい。例えば、装着リング57に、径方向内側に向けて突出するとともに連絡空間65を画成するフランジを設け、このフランジに吐出孔66を設けてもよい。
吐出孔66が、1つだけ形成されていてもよい。
第2弁体16が、操作部58によって形成されていなくてもよく、第2弁体16を、操作部58とは別の部材によって形成してもよい。
内容物が連通孔56を通して連絡空間65に流出することにともなって、内容器12が減容しなくてもよい。内容器12として、可撓性を有さない構成を採用してもよい。
操作部58に薄肉部64が形成されなくてもよい。
Claims (4)
- 内容物が収容される内容器と、
前記内容器の内部を封止し、前記内容器内に連通する連通孔が形成された内蓋と、
前記内蓋の上方に設けられ、前記内蓋との間に前記連通孔に連通する連絡空間を画成するとともに、前記連絡空間に連通して前記内容物を吐出させる吐出孔が形成された中蓋と、
前記連通孔と前記連絡空間との連通、およびその遮断を切り替える第1弁体と、
前記吐出孔と前記連絡空間との連通、およびその遮断を切り替える第2弁体と、を備え、
前記中蓋は、前記連絡空間を画成するとともに弾性変形可能に形成され、弾性変形することで前記連絡空間の内圧を増減させる操作部を備え、
前記操作部が下方移動して前記連絡空間の内圧が上昇したときに、前記第1弁体は前記連通孔と前記連絡空間との連通を遮断し、かつ、前記第2弁体は前記吐出孔と前記連絡空間とを連通させ、
前記操作部が上方移動して前記連絡空間の内圧が下降したときに、前記第2弁体は前記吐出孔と前記連絡空間との連通を遮断し、かつ、前記第1弁体は前記連通孔と前記連絡空間とを連通させ、
コンパクト容器は、前記連絡空間内に配置され、下方移動した前記操作部を上方に向けて付勢する付勢部と、前記操作部の復元変形をアシストする弾性板と、を備えた、コンパクト容器。 - 請求項1に記載のコンパクト容器であって、
前記操作部は、上下方向から見て前記第1弁体に重なる位置に配置され、
前記付勢部は、前記操作部のうち、上下方向から見て前記第1弁体に重なる部分を付勢する、コンパクト容器。 - 請求項1または2に記載のコンパクト容器であって、
前記付勢部は、前記内蓋と前記中蓋の間に配置された、コンパクト容器。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載のコンパクト容器であって、
前記付勢部は、前記中蓋、前記第1弁体および前記内蓋のいずれかに一体に形成された、コンパクト容器。
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