JP7068810B2 - コンパクト容器 - Google Patents

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Description

本発明は、コンパクト容器に関する。
化粧料を収納した中皿容器を備える化粧料収納容器が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の化粧料収納容器では、中皿容器の上面はネットで覆われている。
特開2003-93145号公報
上述した従来の化粧料収納容器においては、中皿容器を覆うネットをパフ等で押圧することで、化粧料をネットの網目を通して滲み出させて外部に吐出させる。しかし、この場合、化粧料の吐出量を調整しにくく、所望の量だけ化粧料を吐出させることが困難であった。
本発明は、内容物の吐出量の調整が容易なコンパクト容器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係るコンパクト容器は、内容物が収容されるとともに、前記内容物の減少に伴い減容変形可能な可撓性を有する内容器と、前記内容器の内部を封止し、前記内容器内に連通する連通孔が形成された内蓋と、前記内蓋の上方に設けられ、前記内蓋との間に前記連通孔に連通する連絡空間を画成するとともに、前記連絡空間に連通して前記内容物を吐出させる吐出孔が形成された中蓋と、前記連通孔と前記連絡空間との連通、およびその遮断を切り替える第1弁体と、前記吐出孔と前記連絡空間との連通、およびその遮断を切り替える第2弁体と、を備え、前記中蓋は、前記連絡空間を画成するとともに弾性変形可能に形成され、弾性変形することで前記連絡空間の内圧を増減させる操作部を備え、前記操作部が下方移動して前記連絡空間の内圧が上昇したときに、前記第1弁体は前記連通孔と前記連絡空間との連通を遮断し、かつ、前記第2弁体は前記吐出孔と前記連絡空間とを連通させ、前記操作部が上方移動して前記連絡空間の内圧が下降したときに、前記第2弁体は前記吐出孔と前記連絡空間との連通を遮断し、かつ、前記第1弁体は前記連通孔と前記連絡空間とを連通させ、前記内蓋の下面には、前記内蓋の径方向に延びるとともに、前記内容器の内部における外周部分と前記連通孔との間を連通させる連通路が形成されている。
この構成によれば、操作部が下方移動して連絡空間の内圧を上昇させたときに、第1弁体は連通孔と連絡空間との連通を遮断し、かつ、第2弁体は吐出孔と連絡空間とを連通させる。また、操作部が上方移動して連絡空間の内圧を下降させたときに、第2弁体は吐出孔と連絡空間との連通を遮断し、かつ、第1弁体は連通孔と連絡空間とを連通させる。このため、使用者は、操作部を押し下げたりその押し下げを解除したりして操作部を弾性変形させることによって連絡空間の内圧の増減を行うことで、連絡空間内を負圧にして内容器内の内容物を連絡空間内に流入させ、連絡空間内に内容物を充填することができる。この状態で、操作部を押し下げて連絡空間の内圧を上昇させると、連絡空間の内圧の上昇に対応した量だけ、内容物を吐出孔から吐出させることができる。
このように、内容器から連絡空間へと内容物が安定して吸い込まれ、次に操作部を押し下げたときの内容物の吐出量を、所望の量の通りとすることができる。
したがって、内容物の吐出量の調整が容易である。
ところで、内容器は、内容物の減少に伴い減容変形可能に構成されている。そのため、内容器は、内容物が連通孔を通して連絡空間に流出することに伴い減容する。例えば、内容器の底部が中央部から外周側にかけて減容変形していく過程において、内容器が内蓋の下面に密着してしまうと、密着部分よりも径方向外側に位置する部分と、連通孔と、の連通が遮断され、連通孔に向かう内容物の流通が阻害されるおそれがある。
そこで、本発明に係る構成では、内蓋の下面に、内容器の内部における外周部分と連通孔との間を連通させる連通路が形成されている。そのため、内容物の使用に伴い内容器が減容する過程において、内容器の減容変形が外周側まで伝播する前に、内容器が内蓋に密着したとしても、内容器の内部における外周部分と連通孔との間の連通が連通路を通して確保される。これにより、操作部の操作に伴う内容器から吐出孔への内容物の流通が阻害されるのを抑制でき、内容器の内容物を効果的に使い切ることができる。
本発明に係るコンパクト容器において、前記内蓋は、前記連通孔を画成するとともに、前記第1弁体が接離可能とされた弁座部を備え、前記内蓋の下面には、下方に突出するとともに、径方向に延在して前記内蓋の下面とともに前記連通路を画成する突起が形成され、前記弁座部の下面は、前記突起の下端よりも上方に位置していてもよい。
この構成によれば、内容器が突起よりも先に弁座部に密着するのを抑制できる。これにより、連通孔と連通路との間の連通が遮断されるのを抑制し、内容物を効果的に使い切ることができる。
本発明に係るコンパクト容器によれば、内容物の吐出量の調整が容易である。
第1実施形態に係るコンパクト容器の平面図である。 図1のII-II線に沿う断面図である。 第1実施形態に係るコンパクト容器の底面図である。 第1実施形態に係るコンパクト容器の動作説明図であって、図2に対応する断面図である。 第1実施形態に係るコンパクト容器の動作説明図であって、図2に対応する断面図である。 第2実施形態に係るコンパクト容器の底面図である。 第3実施形態に係るコンパクト容器の断面図である。 第3実施形態に係るコンパクト容器の底面図である。
以下、図面を参照し、本発明の実施形態を説明する。なお、実施形態の説明に用いる図面は、本発明の特徴を分り易くするために、要部となる部分を拡大、強調、抜粋して示す場合がある。
<第1実施形態>
図1および図2に示すように、本実施形態のコンパクト容器10は、平面視円形状の扁平容器である。コンパクト容器10は、外殻体11と、内容器12と、内蓋13と、中蓋14と、第1弁体15と、第2弁体16と、を備える。
外殻体11は、内容器12、内蓋13、中蓋14および弁体15,16を内部に収容する。つまりコンパクト容器10のうち、外殻体11以外の部材は、外殻体11の内部に収容される。外殻体11は、底部材21と、蓋部材22と、を備える。底部材21は、有底円筒状である。蓋部材22は、有頂円筒状である。蓋部材22は、底部材21に対して回転軸R回りに回動可能に取り付けられている。
以下では、外殻体11の中心軸線(コンパクト容器10の中心軸線)を容器軸Oと呼び、容器軸Oに沿う方向(容器軸Oが延在する方向)を上下方向Zと呼ぶ。上下方向Zに沿って底部材21から蓋部材22へ向かう方向を上方と呼び、蓋部材22から底部材21へ向かう方向を下方と呼ぶ。
上下方向Zから見た平面視で、容器軸Oに直交する方向を径方向と呼ぶ。径方向に沿って容器軸Oに接近する方向を径方向内側と呼び、容器軸Oから離間する方向を径方向外側と呼ぶ。径方向のうち、回転軸Rに平行な方向を左右方向Yと呼び、回転軸Rに直交する方向を前後方向Xと呼ぶ。前後方向Xに沿って、容器軸Oから回転軸Rへ向かう方向を後方と呼び、回転軸Rから容器軸Oへ向かう方向を前方と呼ぶ。
容器軸O回りに周回する方向を周方向と呼ぶ。
図2に示すように、底部材21は、容器軸Oと同軸に配置された円板状の底板部23と、底板部23の外周縁から上方に延びる円筒状の筒状壁部24と、を備える。
筒状壁部24の前方端部には、係合空間25が設けられている。係合空間25は、前方および上方に向けて開口している。係合空間25は、前方を向く後壁部26と、上方を向く底壁部27と、により画成されている。
後壁部26のうち左右方向Yの中央に位置する部分には、前方に向けて突出したガイド壁部28が形成されている。ガイド壁部28の上面は、前方に向かうにしたがい下方に向けて傾斜する傾斜面とされている。後壁部26のうちガイド壁部28よりも上方に位置する部分には、前方に向けて突出した第1係合部29が形成されている。後壁部26のうちガイド壁部28よりも下方に位置する部分には、後壁部26を前後方向Xに貫通する逃げ孔30が形成されている。
底板部23において、径方向の中央部には、確認孔31が形成されている。確認孔31は、底板部23を上下方向Zに貫通している。但し、確認孔31は、底板部23の外周部分に形成されていてもよい。底板部23は、確認孔31を有さない構成であってもよい。
底部材21は、底板部23から上方に延びる係合板部(図示省略)を備える。係合板部は、周方向に沿って等間隔に複数形成されている。係合板部の表裏面は、径方向と直交するように配置される。係合板部の上端部には、径方向内側に突出する係合爪が設けられる。
蓋部材22は、底部材21における筒状壁部24の後方端部に取り付けられている。蓋部材22は、底部材21の上端開口を開閉可能に閉塞する。
蓋部材22は、容器軸Oと同軸に配置された円板状の天板部33と、天板部33の外周縁から下方に延びる円筒状の筒部34と、を備える。蓋部材22の天板部33の下面には、鏡Mが固定される。
蓋部材22のうち前方端部には、下方に向けて係合片35が突設されている。係合片35は、筒部34における内周面から下方に向けて突出するとともに左右方向Yに延びた板状に形成され、係合空間25内に上方から入り込んでいる。
係合片35の下端部には、後方に向けて突出するとともに、底部材21に形成された第1係合部29に対して離脱可能にアンダーカット嵌合される第2係合部36が形成されている。第1係合部29に対して第2係合部36が下方から係合することによって、蓋部材22は閉状態でロックされる。
係合空間25内には、第1係合部29と第2係合部36との係合を解除するプッシュピース37が設けられている。
プッシュピース37は、係合片35よりも前方に配置された操作壁部38と、操作壁部38から後方に向けて突設され、ガイド壁部28の傾斜面上に位置する解除突起39と、操作壁部38の下端部から後方に向けて突設され、底壁部27に載置されるベース部40と、を備える。プッシュピース37は、後方に向けて押し込まれたときに、底部材21および蓋部材22に対して後方へ移動可能である。
解除突起39は、プッシュピース37の後方への移動にともなってガイド壁部28の傾斜面に沿って後方に移動し、第2係合部36を下方から押し上げて、第1係合部29から離脱させる。これにより、第1係合部29と第2係合部36との係合を解除することができ、蓋部材22を開操作可能な状態とすることができる。
なお、プッシュピース37は、後方に移動したときに、解除突起39の復元変形によって、前方に向けて復元移動する。
ベース部40は、プッシュピース37の後方への移動にともなって、後壁部26に形成された逃げ孔30内に前方から入り込む。また、ベース部40には、下方に向けて突出し、底壁部27に形成された係止凹部41に係止する係止凸部42が形成されている。これにより、プッシュピース37は、前方への抜け止めがされた状態で、外殻体11に組み合わされている。
なお、上述したプッシュピース37は必須な構成ではなく、具備しなくても構わない。例えば指先等によって、係合片35の下端部を前方に向けて僅かに撓ませるように変形させることで、第1係合部29と第2係合部36との係合を解除し、蓋部材22の閉状態のロックを解除しても構わない。
内容器12は、底部材21の筒状壁部24の径方向内側に配置されている。内容器12は、容器軸Oと同軸に配置され、上方に開口する扁平円筒状の容器である。内容器12は、可撓性を有し減容可能(減容変形可能)である。内容器12は、例えば、積層のフィルムや薄肉の樹脂成形品などで構成されている。内容器12は、可撓性に富む内側容器が、内側容器よりも硬質な外側容器の内面に積層されてなる、いわゆるデラミ容器などであってもよい。内容器12内(後述の収容空間45)が減容可能なその他の構成などを採用してもよい。内容器12の上端部には、内容器12の上端部を径方向外側から囲む環状の取付けリング43が固定されている。取付けリング43は、上方に突出する係合筒部44を有する。なお、内容器12は、光透過性を有する材料(透明材料や半透明材料)により形成されていてもよい。
内容器12の内部である収容空間45には、流動性を有する内容物が収容されている。内容物は、液状であっても、ゲル状であっても、ゼリー状であってもよい。内容物は、例えば、リキッドファンデーション等の化粧品である。
内蓋13は、内容器12の上方に配設されている。内蓋13は、内容器12の上方の開口を塞ぎ、内容器12の内部を封止している。内蓋13は、内容器12に直接装着された下部材46と、下部材46を介して内容器12に装着された上部材47と、を備える。
下部材46は、内蓋円板部48と、内側筒部49と、外側筒部50と、を備える。
内蓋円板部48は、容器軸Oと同軸に配置された円板状である。内蓋円板部48は、内容器12の上方の開口を覆っている。内蓋円板部48の内周縁には、装着部51が形成されている。装着部51は、容器軸Oと同軸のリング状に形成されている。具体的に、装着部51は、内蓋円板部48の内周縁から径方向内側に向かうに従い上方に延在した後、下方に屈曲されている。装着部51は、内蓋円板部48よりも薄肉に形成されている。
内側筒部49は、内蓋円板部48の外周縁から上方に延びる円筒状である。
外側筒部50は、内側筒部49よりも径方向外側において、容器軸Oと同軸に配置された円筒状である。外側筒部50の上端部は、内側筒部49の上端部に連結されている。
径方向に沿う外側筒部50と内側筒部49との間には、取付けリング43の係合筒部44が嵌合されている。これにより、取付けリング43を介して内容器12と内蓋13とが固定されている。外側筒部50の下端および内側筒部49の下端は、取付けリング43と接触している。
なお取付けリング43と、外側筒部50や内側筒部49の各下端と、の接触状態については、図示の例に限られない。例えば本実施形態では、取付けリング43が、係合筒部44よりも径方向の内側に張り出しておらず、内側筒部49の下端が、取付けリング43と接触していないが、取付けリング43が、係合筒部44よりも径方向の内側に張り出していて、内側筒部49の下端が、取付けリング43と接触していてもよい。また、外側筒部50の下端が、取付けリング43と接触していなくてもよい。
上部材47は、取付け筒部52と、第1弁座部53と、外周筒部54と、連結環部55と、を備える。
取付け筒部52は、容器軸Oと同軸の円筒状に形成されている。取付け筒部52は、装着部51内に嵌合している。
第1弁座部53は、取付け筒部52に対して径方向内側において、容器軸Oと同軸に配置された円筒状に形成されている。第1弁座部53は、取付け筒部52よりも小径とされた筒部53a(周壁部)と、筒部53aの上端部から径方向内側へ広がる弁座板53bと、を備える。筒部53aの下端部は、取付け筒部52の下端部に連結される。弁座板53bは、取付け筒部52の上端よりも下方に位置している。弁座板53bの中央部には、弁座板53bを上下方向Zに貫通する連通孔56が形成されている。このため弁座板53bは、リング状である。連通孔56は、容器軸Oと同軸に配置された円孔状である。連通孔56は、内容器12内に連通する。つまり、内蓋13には、内容器12内に連通する連通孔56が形成される。
外周筒部54は、容器軸Oと同軸の円筒状である。外周筒部54は、取付け筒部52よりも大径であり、内側筒部49よりも小径である。外周筒部54は、内側筒部49内に配置されている。
連結環部55は、容器軸Oと同軸のリング状である。連結環部55の内周縁部は、取付け筒部52の上端部に連結されている。連結環部55の外周縁部は、外周筒部54の上端部に連結されている。連結環部55の外周縁部は、外周筒部54の上端よりも下方で、かつ外周筒部54の上下方向Zの中央よりも上方に位置している。
連結環部55には、周方向に間隔をあけて複数の収容凹部77が形成されている。本実施形態の例では、収容凹部77が、容器軸Oに対して左右方向両側および後方に配置されている(図1参照)。図2に示すように、収容凹部77は、連結環部55において下方に窪む凹状である。
連結環部55のうち、容器軸Oよりも前方に位置する部分には、第2弁座部67が配置される。第2弁座部67は、連結環部55において上方に突出する凸状である。第2弁座部67は有頂筒状である。図示の例において、第2弁座部67は、連結環部55に形成された窪み部78の底壁から、上方に向けて突設されている。図1に示すように、本実施形態において、第2弁座部67および窪み部78は、周方向に延びる円弧状をなす。但し、第2弁座部67および窪み部78の平面視形状は適宜変更が可能である。
図2に示すように、中蓋14は、内蓋13の上方に設けられる。中蓋14は、有頂筒状に形成されている。中蓋14は、中蓋14の周壁を形成する装着リング57と、中蓋14の頂壁を形成する操作部58と、を備える。中蓋14は、例えば、装着リング57をインサート品としたインサート成形により作製される。
装着リング57は、内蓋13に装着されている。装着リング57は、上端部同士が連結された内筒59および外筒60を有する二重円筒状に形成されている。外筒60の外周面の下部には、周方向に延びる周溝(図示省略)が周方向に互いに間隔をあけて複数形成されている。周溝には、底部材21の上述した係合板部の係合爪が係合する。これにより、装着リング57が底部材21から外れることが抑制される。
装着リング57における内筒59と外筒60との間には、内蓋13の下部材46(内側筒部49および外側筒部50)が嵌合されている。これにより、内容器12が、取付けリング43を介して装着リング57(中蓋14)に固定される。内容器12は、中蓋14に固定された状態において、底部材21の底板部23から上方に離れて配置される。
装着リング57の上面には、上方に突出する隆起部62が形成されている。隆起部62の平面視形状は、容器軸Oと同軸に配置されたリング状である。隆起部62の内周面は、径方向外側に向かうに従い上方へ向けて延びる曲面状である。操作部58の上面において、隆起部62の径方向内側に位置する部分には、パフP(塗布具)が設置される。
装着リング57の外周面には、径方向外側に広がるフランジ部63が設けられている。フランジ部63は、装着リング57の外周面において、全周にわたって設けられている。フランジ部63の下面は、底部材21の筒状壁部24の上面に対して、その上方から接触する。
操作部58は、装着リング57の内部を上方から閉塞する。本実施形態において、操作部58は円板状である。操作部58の外周縁部は、装着リング57において隆起部62よりも径方向内側に位置する部分に連結されている。操作部58の上面は、装着リング57において操作部58に径方向外側から連なる部分と段差なく面一に形成されている。
操作部58は、上下方向Zから見て、後述する第1弁体15に重なる位置に配置される。
操作部58は、弾性変形可能に形成されている。操作部58の材質は、例えばエラストマーやニトリルゴム、ブチルゴム、シリコンゴム、軟質ポリエチレン、ウレタン等(以下、単に「エラストマー等」という)の軟材質である。操作部58は装着リング57よりも軟質であることが好ましい。図示の例では、操作部58において外周縁部(装着リング57に連結されている部分)よりも径方向内側に位置する中央部が、上下方向Zに弾性変形可能に形成されている。
操作部58の下面には、垂下筒部79と、規制壁部81と、弾性板82と、が備えられる。
垂下筒部79は、容器軸Oに同軸に配置される。垂下筒部79は、操作部58の下面から下方へ向けて突設された円筒状である。垂下筒部79は、内筒59の径方向内側に嵌合し、かつ外周筒部54の径方向外側に嵌合する。垂下筒部79は、内筒59と外周筒部54とによって径方向で挟持されている。図示の例では、操作部58の下面に、外周筒部54の上端が当接している。
規制壁部81は、操作部58の下面から下方へ向けて突設された筒状である。規制壁部81は、第2弁座部67を上下方向Z以外の方向(前後方向Xおよび左右方向Y)から囲う。図示の例では、規制壁部81内に、第2弁座部67が嵌合している。また、規制壁部81の下端部は、窪み部78の周壁内に嵌合する。これにより、規制壁部81の下端部は、第2弁座部67の周壁と窪み部78の周壁とによって、上下方向Z以外の方向で挟持されている。また、規制壁部81の下端は、窪み部78の底壁に対して、底壁の上方から近接若しくは当接している。
弾性板82は、操作部58の下面から下方へ向けて突設された板状である。弾性板82は、弾性変形可能である。図1に示す例において、弾性板82は四角形板状である。弾性板82は、操作部58の下面において、周方向に間隔をあけて複数形成されている。弾性板82は、容器軸Oに対して左右方向両側および後方に配置されている。図2に示すように、弾性板82は、操作部58の下面から下方へ向かうにしたがい後方へ向けて延びる。弾性板82は、収容凹部77内に配置される。弾性板82の下端部は、収容凹部77の底面に当接する。弾性板82は、操作部58と一体に形成される。
操作部58の外周部分には、環状の薄肉部64が形成されている。薄肉部64は、容器軸Oに同軸に配置される。薄肉部64は、操作部58において後述する連絡空間65を画成する部分に形成されている。薄肉部64は、操作部58の下面が上方に向けて窪むことで形成されている。操作部58の上面は、薄肉部64を径方向にまたぐ両側(内外)で面一とされている。
中蓋14は、内蓋13との間に、連通孔56に連通する連絡空間65を画成する。本実施形態において連絡空間65は、外周筒部54(上部材47)の上方の開口が操作部58によって閉じられて形成されている。操作部58は、装着リング57の内部を上方から閉塞して装着リング57の内部に連絡空間65を画成する。連絡空間65は、平面視円形状に形成されている。連絡空間65の上下方向Zの大きさ(高さ)は、外周筒部54の上下方向Zの大きさの1/2よりも小さくなっている。操作部58は、弾性変形することで連絡空間65の内圧を増減させる。
図1および図2に示すように、中蓋14には、内容物を吐出させる吐出孔66が形成されている。吐出孔66の平面視形状は、円形状である。吐出孔66は、中蓋14に複数形成されている。本実施形態では、吐出孔66が、中蓋14のうち容器軸Oよりも前方に位置する部分において、周方向に円弧状に配列されている。
図2に示すように、吐出孔66は、操作部58を上下方向Zに貫通する。吐出孔66は、連絡空間65内に連通する。本実施形態では、吐出孔66と連絡空間65とが、第2弁座部67の周壁、窪み部78の底壁および周壁に形成された複数の溝部83によって、互いに連通する。吐出孔66は、内蓋13に設けられた第2弁座部67により閉塞される。吐出孔66は、第2弁座部67の頂壁によって、下方から塞がれる。
第1弁体15は、内蓋13の連通孔56と連絡空間65との連通、およびその遮断を切り替える弁である。本実施形態において第1弁体15は、内蓋13に設けられている。
第1弁体15は、弁筒84と、弁本体85と、を備えている。
本実施形態では、弁筒84が、内蓋13の取付け筒部52内に嵌合している。弁筒84内には、第1弁座部53の筒部53aが配置される。弁筒84の下端は、筒部53aの下端部と、取付け筒部52の下端部と、を接続するリング状の連結部分に対して、連結部分の上方から当接する。
弁本体85は、弁筒84の上端部に連結される。弁本体85は、弁筒84内に配置される。弁本体85は、円板状の弁板と、弁板と弁筒84とを連結する複数の弾性脚と、を備える。弁本体85は、弁筒84に対して上下方向Zに移動可能である。第1弁座部53の弁座板53bが、弁本体85の弁板に対して、弁本体85の下方から当接する。
第1弁体15は、連通孔56の上方を覆っている。第1弁体15は、逆止弁である。第1弁体15は、内容器12の収容空間45から連絡空間65への流体(内容物。以下同様)の流れを許容し、連絡空間65から収容空間45への流体の流れを遮断する。本実施形態の例では、第1弁体15として、三点弁を用いている。なお、内容器12に収容する内容物の性状などに応じて、例えば、三点弁の形状を適宜変更することや、三点弁とは異なる構成の逆止弁を第1弁体15として採用することができる。
第2弁体16は、中蓋14の吐出孔66と連絡空間65との連通、およびその遮断を切り替える弁である。本実施形態において第2弁体16は、中蓋14に設けられている。第2弁体16は、操作部58と一体に形成されている。
第2弁体16は、操作部58において吐出孔66の開口周縁部を含む部分により形成されている。本実施形態では第2弁体16が、操作部58のうち、筒状の規制壁部81に囲まれた部分に形成される。
第2弁体16は、操作部58における他の部分、および薄肉部64よりも薄肉に形成されている。第2弁体16の平面視形状は、第2弁座部67の平面視形状と相似形状であり、第2弁座部67の平面視形状よりも大きい(図1参照)。図2に示すように、第2弁体16は、第2弁座部67に着座することで、吐出孔66と連絡空間65との連通を遮断している。第2弁体16は、第2弁体16が弾性変形して第2弁座部67から離れたときに、吐出孔66と連絡空間65とを連通させる。第2弁体16は、逆止弁である。第2弁体16は、連絡空間65から外部への流体の流れを許容し、外部から連絡空間65への流体の流れを遮断する。
連絡空間65内において、内蓋13の上部材47と、中蓋14の操作部58と、の間には、付勢部91が配置されている。付勢部91は、容器軸O上に位置している。具体的に、付勢部91は、変形部92と、嵌合部93と、を有している。なお、付勢部91は、操作部58の下面に一体で形成されていてもよい。
変形部92は、上方に向けて突のドーム状に形成されている。変形部92は、第1弁体15の弁本体85を弁本体85の上方から覆っている。変形部92の頂部は、操作部58の下面に操作部58の下方から近接又は当接している。変形部92は、操作部58の上下方向Zの変位に伴い、上下方向Zに弾性変形可能に構成されている。すなわち、変形部92は、操作部58が押し下げられたときに弾性変形し、操作部58のうち上下方向Zから見て第1弁体15に重なる部分を上方へ付勢する。なお、付勢部91は、少なくとも操作部58が下方移動した状態で操作部58を付勢していればよい。
変形部92には、変形部92を上下方向Zに貫通する貫通孔95が形成される。貫通孔95は、変形部92において周方向に互いに間隔をあけて複数形成される。貫通孔95は、付勢部91の内部空間と外部空間とを連通する。
嵌合部93は、変形部92の下端部に全周に亘って連設されている。嵌合部93は、変形部92よりも厚肉に形成されている。嵌合部93は、取付け筒部52内に嵌合されている。
本実施形態において内容器12と内蓋13と中蓋14とは、リフィル容器17を構成している。リフィル容器17は、外殻体11に対して着脱自在に設けられている。これにより、使用者は、内容器12内の内容物を使い切った後に、リフィル容器17を、内容物が充填された新しいリフィル容器17と交換することができる。
外殻体11からリフィル容器17を取り外す際、使用者は、底部材21の係合板部の係合爪と、装着リング57の周溝との係合状態を解除する。
ここで、図2および図3に示すように、上述した下部材46の内蓋円板部48の下面には、突起100が形成されている。突起100は、内蓋円板部48の下面から下方に突出するとともに、径方向に延在している。突起100は、周方向の幅が径方向の全体に亘って一様に形成されている。本実施形態では、同形同大の突起100が、容器軸Oに対して放射状に複数配設されている。図示の例において、突起100は、周方向に等間隔に4本配設されている。但し、突起100の数は、例えば12本などに適宜変更することができる。
各突起100における径方向内側の端部は、内蓋円板部48と装着部51との境界部分を超えて装着部51に至っている。各突起100における径方向外側の端部は、内蓋円板部48と内側筒部49との境界部分に対して径方向内側に位置している。但し、各突起100の径方向の長さは、適宜変更が可能である。例えば、各突起100は、内蓋円板部48及び装着部51に亘って形成されていてもよく、内負円板部48及び装着部51の何れかのみに形成されていてもよい。
各突起100において、内蓋円板部48の下面から上下方向Zでの突出量(高さ)は、何れも同等に設定されている。各突起100の上下方向Zの高さは、径方向の全体に亘って一様に設定されている。本実施形態において、各突起100の下端は、第1弁座部53の筒部53aの下端縁よりも下方に位置している。なお、各突起100の下端は、内蓋13の最下端に位置していればよい。
内蓋円板部48の下面と各突起100とで画成された部分は、収容空間45(内容器12の内部)の外周部分と内周部分(連通孔56)との間を接続する連通路101を構成している。本実施形態において、連通路101は、容器軸Oを中心として放射状に配設されている。各連通路101は、径方向外側から径方向内側に向かうに従い周方向の幅が漸次狭くなっている。
次に、本実施形態のコンパクト容器10の内容物の吐出方法について説明する。
コンパクト容器10が未使用状態の場合、内容物は、収容空間45内にのみ収容されており、連絡空間65には、例えば空気が充填されている。
まず、使用者は、プッシュピース37を操作して、外殻体11の蓋部材22を開く。操作部58を上方から押圧して、下方に窪ませるように弾性変形させる。操作部58が下方に窪むように弾性変形すると連絡空間65の容積が小さくなるため、連絡空間65の内圧が上昇する。つまり、操作部58の少なくとも一部が下方移動させられることにより、連絡空間65の内圧が上昇する。すると、連絡空間65の内圧によって第2弁体16が上方に向けて弾性的に膨出変形して第2弁座部67から離間し、吐出孔66の閉塞状態が解除され、連絡空間65内の空気の一部が吐出孔66から外部へと排出される。その後、第2弁体16が復元変形して第2弁座部67に着座し、吐出孔66を閉塞する。このとき、第1弁体15は連絡空間65から収容空間45への流体の移動を遮断するため、第1弁体15によって連通孔56が閉塞されており、連絡空間65内の空気が連通孔56から収容空間45に流れることが抑制される。このように、操作部58が下方移動して連絡空間65の内圧が上昇したときに、第1弁体15は連通孔56と連絡空間65との連通を遮断し、かつ、第2弁体16は吐出孔66と連絡空間65とを連通させる。
次に、使用者は、操作部58に加えている押圧力を解除して、弾性変形していた操作部58を元の状態に復元させる。このとき、付勢部91は、操作部58を上方に向けて付勢して復元変形を促す。また、弾性板82が、操作部58の復元変形をアシストする。これにより、連絡空間65の容積が増加して、連絡空間65内が負圧となる。つまり、下方移動させられた操作部58の部分が、元の位置へ向けて上方移動させられることにより、連絡空間65の内圧が下降する。このとき、吐出孔66は第2弁体16によって閉塞されているため、外部から連絡空間65へ空気が入ることが抑制される。そのため、連通孔56を通して、収容空間45内の内容物が連絡空間65内に吸い上げられる。第1弁体15は収容空間45から連絡空間65への流体の流れを許容するため、第1弁体15は、連通孔56と連絡空間65とを連通させた状態となっており、内容物の流れを阻害しない。これにより、連絡空間65内に内容物が流入される。このように、操作部58が上方移動して連絡空間65の内圧が下降したときに、第2弁体16は吐出孔66と連絡空間65との連通を遮断し、かつ、第1弁体15は連通孔56と連絡空間65とを連通させる。
使用者は、上述した操作部58の弾性変形と復元とを複数回行うことにより、連絡空間65の空気を外部に排出するとともに、連絡空間65内に内容物を充填させていくことができる。ここで、内容器12は可撓性を有しており、内容物が連通孔56を通して連絡空間65に流出することにともない減容する(減容変形する)ため、内容物の減少にともなって収容空間45の内圧が小さくなると、内容器12が縮小変形して収容空間45の容積が小さくなる。これにより、内容物が連絡空間65に流入して収容空間45内の内容物の総量が減った場合であっても、収容空間45から連絡空間65へと安定して内容物を送ることが可能である。
連絡空間65に内容物が充填された状態において、操作部58を弾性変形させると、連絡空間65の内圧が上昇する。これにより、第2弁体16が上方に向けて膨出変形し、吐出孔66の閉塞が解除される。したがって、連絡空間65内から押し出された分の内容物が吐出孔66から外部へと吐出される。このようにして、使用者は、内容物を吐出させることができる。内容物は、吐出孔66から中蓋14の上面のうち隆起部62の内側に吐出される。そのため、内容物が中蓋14の上面上からこぼれることを抑制できる。使用者は、パフP等によって中蓋14の上面を拭うことで内容物をパフP等に付着させて使用する。
ところで、図4に示すように、内容物の使用に伴い内容器12が減容する際は、例えば内容器12の底部のうち、径方向の中央部から外周側に減容変形が伝播していく。すなわち、内容器12の底部は、径方向の中央部が先に上方に凹んだ後、徐々に外周側が上方に凹んでいく。内容器12の底部が中央部から外周側にかけて減容変形していく過程において、内容器12の底部が内蓋円板部48の下面に密着してしまうと、密着部分よりも径方向外側に位置する部分と、連通孔56と、の連通が遮断され、連通孔56に向かう内容物の流通が阻害されるおそれがある。
これに対して、本実施形態では、内容器12が減容変形する過程において、内容器12は内蓋円板部48の下面に密着する前に突起100に密着する。これにより、内蓋13に対する内容器12の上方への減容変形が規制されるため、内容器12が内蓋円板部48の下面に密着するのを抑制できる。すなわち、収容空間45内において、内容器12及び突起100の密着部分Sに対して径方向外側の領域と、連通孔56と、の連通が連通路101を通して維持される。
そして、上述したように操作部58の操作によって連絡空間65が負圧になると、内容器12内において密着部分Sに対して径方向外側の領域に位置する内容物が連通路101内を径方向内側に流れる。その後、内容物は、連通孔56を通じて連絡空間65内に流入する。一方、図5に示すように、内容器12は、内容器12から連絡空間65への内容物の流出に伴い、再び外周側にかけて減容変形していく。
以上説明したように、本実施形態のコンパクト容器10によれば、操作部58が下方移動して連絡空間65の内圧を上昇させたときに、第1弁体15は連通孔56と連絡空間65との連通を遮断し、かつ、第2弁体16は吐出孔66と連絡空間65とを連通させる。また、操作部58が上方移動して連絡空間65の内圧を下降させたときに、第2弁体16は吐出孔66と連絡空間65との連通を遮断し、かつ、第1弁体15は連通孔56と連絡空間65とを連通させる。このため、使用者は、操作部58を押し下げたりその押し下げを解除したりして操作部58を弾性変形させることによって連絡空間65の内圧の増減を行うことで、連絡空間65内を負圧にして内容器12内の内容物を連絡空間65内に流入させ、連絡空間65内に内容物を充填することができる。この状態で、操作部58を押し下げて連絡空間65の内圧を上昇させると、連絡空間65の内圧の上昇に対応した量だけ、内容物を吐出孔66から吐出させることができる。
このように、内容器12から連絡空間65へと内容物が安定して吸い込まれ、次に操作部58を押し下げたときの内容物の吐出量を、所望の量の通りとすることができる。
したがって、本実施形態のコンパクト容器10は、内容物の吐出量の調整が容易である。
特に、本実施形態では、内蓋円板部48の下面に、内容器12の内部における外周部分と連通孔56との間を連通させる連通路101が形成されている構成とした。
この構成によれば、内容器12の減容変形が外周側まで伝播する前に、内容器12が内蓋円板部48に密着したとしても、内容器12の内部における外周部分と連通孔56との間の連通が連通路101を通して確保される。これにより、操作部58の操作に伴う内容器12から連通孔56への内容物の流通が阻害されるのを抑制でき、内容器12の内容物を効果的に使い切ることができる。
本実施形態では、連通路101を画成する突起100が内蓋円板部48の下面に形成され、突起100の下端が第1弁座部53の筒部53aの下端縁よりも下方に位置する構成とした。
この構成によれば、内容器12が突起100よりも先に筒部53aに密着するのを抑制できる。これにより、連通孔56と連通路101との間の連通が遮断されるのを抑制し、内容物を効果的に使い切ることができる。
しかも、本実施形態では、内蓋円板部48の下面に形成された突起100により連通路101が形成されているため、内容器12は突起100に密着した後、突起100の外表面に倣って減容する。これにより、内容器12に突起100の外形が浮かび上がるのを、確認孔31を通じて視認できる。したがって、操作者は、内容器12に浮かび上がる突起100の程度によって内容器12内の内容物の残量を判断できる。すなわち、突起100を内容器12内の内容物の残量を示すインジケータとして利用できるので、使い勝手に優れたコンパクト容器10を提供できる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、以下の説明では、上述した実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図6に示すコンパクト容器10において、内蓋円板部48の下面には、複数(例えば、4本ずつ)の第1突起200及び第2突起201が周方向に交互に配列されている。各突起200,201の径方向の長さ及び周方向の幅は、互いに同等とされている。本実施形態では、隣り合う突起200,201と内蓋円板部48の下面とで画成された部分が、連通路101を構成している。
第1突起200は、第2突起201に比べて上下方向Zの高さが高くなっている。すなわち、第1突起200の下端は、第2突起201の下端よりも下方に位置している。なお、第1突起200の高さは、第1実施形態の突起100と同等に設定されている。各突起200,201それぞれにおいて、上下方向Zの高さは径方向の全体に亘って一様に設定されている。
本実施形態によれば、内容物の使用により内容器12が減容変形する過程において、まず内容器12が4本の第1突起200に密着する。これにより、内容器12に第1突起200の外形が浮かび上がるのを、確認孔31を通じて視認できる。その後、さらに内容器12が減容変形することで、内容器12が4本の第2突起201に密着する。これにより、第1突起200に加えて第2突起201の外形が内容器12に浮かび上がるのを、確認孔31を通じて視認できる。すなわち、内容器12内の内容物の残量に応じて内容器12から浮かび上がる突起の本数が異なるため、内容器12内の内容物の残量を段階的に判断することができる。これにより、使い勝手の向上を図ることができる。なお、本実施形態では、高さの異なる二種類の突起200,201を設けた場合について説明したが、この構成のみに限らず、高さの異なる三種類以上の突起を設けてもよい。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
図7に示すコンパクト容器10において、確認孔31には、確認窓301が嵌め込まれている。確認窓301は、光透過性を有する材料(透明材料や半透明材料)により形成されていることが好ましい。なお、底部材21の全体が光透過性を有する材料で形成されている場合には、確認孔31や確認窓301を設けなくてもよい。
図8に示すように、内蓋円板部48の下面において、隣り合う突起100同士の間(連通路101内)に位置する部分には、表示部302が形成されている。表示部302は、内蓋円板部48の下面から下方に突出している。表示部302の高さは、突起100の高さよりも低くなっている。すなわち、突起100の下端は、表示部302の下端よりも下方に位置している。本実施形態において、表示部302の平面視形状は、例えばハート形である。但し、表示部302の平面視形状は、円形状や矩形状等、適宜変更が可能である。
本実施形態によれば、内容物の使用により内容器12が減容変形する過程において、まず内容器12が4本の突起100に密着する。これにより、内容器12に突起100の外形が浮かび上がるのを、確認窓301を通じて視認できる。その後、さらに内容器12が減容変形することで、内容器12が4つの表示部302に密着する。これにより、突起100に加えて表示部302の外形が内容器12に浮かび上がるのを、確認窓301を通じて視認できる。すなわち、内容器12内の内容物の残量に応じて内容器12から浮かび上がる内蓋円板部48の形状が異なるため、内容器12内の内容物の残量を段階的に判断することができる。これにより、使い勝手の向上を図ることができる。なお、本実施形態では、突起100に対して高さの異なる表示部302を一種類設けた場合について説明したが、この構成のみに限らず、高さの異なる二種類以上の表示部を設けてもよい。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換及びその他の変更が可能である。本発明は上述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
上述した実施形態では、操作部58のうち上下方向Zから見て第1弁体15に重なる部分を押圧操作する(付勢部91により付勢される)構成について説明したが、この構成のみに限られない。操作部58のうち、上下方向Zから見て第1弁体15に重ならない部分を押圧操作する構成でもよい。この場合、操作部58のうち、第1弁体15の周囲を押圧操作する構成等であってもよい。
付勢部は、内蓋13と中蓋14の間に配置されなくてもよい。
特に図示しないが、連絡空間65が、連通孔56が開口する主連絡空間と、主連絡空間に連通する副連絡空間と、を備え、副連絡空間を画成する壁面の少なくとも一部を、操作部としてもよい。この場合、副連絡空間内に付勢部を設けるとともに、付勢部が操作部を上方に向けて付勢してもよい。
操作部は、上方に向けて膨出するボタン状またはドーム状であってもよい。
弾性板82は、操作部58と一体に形成される代わりに、内蓋13の上部材47と一体に形成されてもよい。弾性板82の形状は、四角形板状に限らず、それ以外の板状、および板状以外の形状等に適宜変更してよい。
操作部58の平面視形状は、特に限定されず、楕円形状であってもよいし、三角形状であってもよいし、四角形状であっても、五角形以上の多角形状であってもよい。
また、内容器12の形状は、特に限定されず、例えば、楕円筒状であってもよいし、角筒状であってもよい。
また、内容器12と内蓋13と中蓋14とは、リフィル容器17を構成していなくてもよい。すなわち、内容物を使い切った際に、内容器12を交換できない構成であってもよい。
装着リング57が設けられなくてもよい。装着リング57を備えることに代えて、弾性変形可能な操作部58(弾性変形部)が、例えば有頂筒状に形成される等して内蓋13に装着されてもよい。
吐出孔66が、操作部58に形成されていなくてもよい。例えば、装着リング57に、径方向内側に向けて突出するとともに連絡空間65を画成するフランジを設け、このフランジに吐出孔66を設けてもよい。
吐出孔66が、1つだけ形成されていてもよい。
第2弁体16が、操作部58によって形成されていなくてもよく、第2弁体16を、操作部58とは別の部材によって形成してもよい。
内容物が連通孔56を通して連絡空間65に流出することにともなって、内容器12が減容しなくてもよい。内容器12として、可撓性を有さない構成を採用してもよい。
操作部58に薄肉部64が形成されなくてもよい。
上述した実施形態では、内蓋円板部48の下面と突起とにより連通路が画成されている構成について説明したが、この構成のみに限られない。内蓋円板部48の下面に形成された溝によって連通路が画成されていてもよい。この場合には、内容器12が内蓋円板部48の下面に密着した後であっても、溝によって画成された連通路を通して内容器12の内部における外周部分と連通孔56との連通が確保される。
上述した実施形態では、突起(例えば、突起100)が内蓋13のうち、下部材46(内蓋円板部48や装着部51)に形成された構成について説明したが、この構成のみに限られない。突起は、内蓋13の下面において、内容器12の内部における外周部分と連通孔56との間に位置する任意の箇所に形成することが可能である。例えば、突起は、上部材47における内蓋13の下面を構成する部分(例えば、筒部53aの下端)等に形成してもよい。なお、下部材46及び上部材47の双方に突起を形成する場合は、下部材46の突起と、上部材47の突起と、のうち対応する突起同士が周方向で同位置に形成されていることが好ましい。
上述した実施形態では、連通孔56が容器軸Oと同軸上に配置されている構成について説明したが、この構成のみに限られない。連通孔56は、容器軸Oに対して偏心した位置に配置されていてもよい。このような場合においても、内蓋円板部48の下面のうち、連通孔56の周囲に位置する部分に径方向に延びる突起を設けることが好ましい。
10…コンパクト容器
12…内容器
13…内蓋
14…中蓋
15…第1弁体
16…第2弁体
53…第1弁座部(弁座部)
56…連通孔
66…吐出孔
58…操作部
100…突起
101…連通路
200…第1突起
201…第2突起

Claims (2)

  1. 内容物が収容されるとともに、前記内容物の減少に伴い減容変形可能な可撓性を有する内容器と、
    前記内容器の内部を封止し、前記内容器内に連通する連通孔が形成された内蓋と、
    前記内蓋の上方に設けられ、前記内蓋との間に前記連通孔に連通する連絡空間を画成するとともに、前記連絡空間に連通して前記内容物を吐出させる吐出孔が形成された中蓋と、
    前記連通孔と前記連絡空間との連通、およびその遮断を切り替える第1弁体と、
    前記吐出孔と前記連絡空間との連通、およびその遮断を切り替える第2弁体と、を備え、
    前記中蓋は、前記連絡空間を画成するとともに弾性変形可能に形成され、弾性変形することで前記連絡空間の内圧を増減させる操作部を備え、
    前記操作部が下方移動して前記連絡空間の内圧が上昇したときに、前記第1弁体は前記連通孔と前記連絡空間との連通を遮断し、かつ、前記第2弁体は前記吐出孔と前記連絡空間とを連通させ、
    前記操作部が上方移動して前記連絡空間の内圧が下降したときに、前記第2弁体は前記吐出孔と前記連絡空間との連通を遮断し、かつ、前記第1弁体は前記連通孔と前記連絡空間とを連通させ、
    前記内蓋の下面には、前記内蓋の径方向に延びるとともに、前記内容器の内部における外周部分と前記連通孔との間を連通させる連通路が形成されているコンパクト容器。
  2. 前記内蓋は、前記連通孔を画成するとともに、前記第1弁体が接離可能とされた弁座部を備え、
    前記内蓋の下面には、下方に突出するとともに、径方向に延在して前記内蓋の下面とともに前記連通路を画成する突起が形成され、
    前記弁座部の下面は、前記突起の下端よりも上方に位置している請求項1に記載のコンパクト容器。
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