JP6979917B2 - コンパクト容器 - Google Patents
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Description
そして操作部には、平面積が互いに異なる少なくとも2つの押圧部が設けられている。これらの押圧部は、押下された時の弾性変形量も互いに異なるため、内容物の吐出量も異なることとなる。したがって使用者は、いずれの押圧部を押下するかによって内容物の吐出量を選択することが可能となり、より精度よく所望の量の内容物を吐出させることができる。また、例えば内容物を吐出させた後、さらに少量の内容物を追加で吐出させるといった操作を簡便に行うことが可能となる。
また、例えば内容物が化粧料である場合に、化粧料を顔全体に塗布する場合は平面積の大きい押圧部を押下し、目元など小さい範囲に塗布する場合には平面積の小さい押圧部を押下するといった使い分けも可能となる。
さらに、押圧部が操作部から上方に膨出することで、押圧部の位置が視認しやすくなるとともに、押圧部を押し下げて内容物を吐出させるのに要する力を低減することができる。したがって、押圧部を押下する際の操作性をより向上させることができる。
図1および図2に示すように、本実施形態のコンパクト容器10は、平面視円形状の扁平容器である。コンパクト容器10は、外殻体11と、内容器12と、内蓋13と、中蓋14と、第1弁体15と、第2弁体16と、を備える。
以下では、外殻体11の中心軸線(コンパクト容器10の中心軸線)を容器軸Oと呼び、容器軸Oに沿う方向(容器軸Oが延在する方向)を上下方向Zと呼ぶ。上下方向Zに沿って底部材21から蓋部材22へ向かう方向を上方と呼び、蓋部材22から底部材21へ向かう方向を下方と呼ぶ。
上下方向Zから見た平面視で、容器軸Oに交差する方向を径方向と呼ぶ。径方向に沿って容器軸Oに接近する方向を径方向内側と呼び、容器軸Oから離間する方向を径方向外側と呼ぶ。上下方向Zから見た平面視で、径方向のうち、回転軸Rに平行な方向を左右方向Yと呼び、回転軸Rに直交する方向を前後方向Xと呼ぶ。前後方向Xに沿って、容器軸Oから回転軸Rへ向かう方向を後方と呼び、回転軸Rから容器軸Oへ向かう方向を前方と呼ぶ。
上下方向Zから見た平面視で、容器軸O回りに周回する方向を周方向と呼ぶ。
底部材21は、底板部23から上方に延びる係合板部(図示省略)を備える。係合板部は、周方向に沿って等間隔に複数配置されている。係合板部の表裏面は、径方向を向いている。係合板部の上端部には、径方向内側に突出する係合爪が設けられる。
筒状壁部24の前方端部には、係合空間25が設けられている。係合空間25は、前方および上方に向けて開口している。係合空間25は、前後方向Xを向く後壁部26と、上下方向Zを向く底壁部27と、により画成されている。
蓋部材22は、容器軸Oと同軸に配置された円板状の天板部33と、天板部33の外周縁から下方に延びる円筒状の筒部34と、を備える。蓋部材22の天板部33の下面には、鏡Mが固定される。
係合片35の下端部には、後方に向けて突出するとともに、底部材21に形成された第1係合部29に対して離脱可能にアンダーカット嵌合される第2係合部36が形成されている。第1係合部29に対して第2係合部36が下方から係合することによって、蓋部材22は閉状態でロックされる。
プッシュピース37は、係合片35よりも前方に配置された操作壁部38と、操作壁部38から後方に向けて突設され、ガイド壁部28の傾斜面上に位置する解除突起39と、操作壁部38の下端部から後方に向けて突設され、底壁部27に載置されるベース部40と、を備える。プッシュピース37は、後方に向けて押し込まれたときに、底部材21および蓋部材22に対して後方へ移動可能である。
なお、プッシュピース37は、後方に移動したときに、解除突起39の復元変形によって、前方に向けて復元移動する。
例えば指先などによって、係合片35の下端部を前方に向けて僅かに撓ませるように変形させることで、第1係合部29と第2係合部36との係合を解除し、蓋部材22の閉状態のロックを解除しても構わない。
内容器12は、可撓性を有し減容可能(減容変形可能)である。内容器12は、例えば、積層のフィルムや薄肉の樹脂成形品などで構成されている。内容器12は、可撓性に富む内側容器が、内側容器よりも硬質な外側容器の内面に積層されてなる、いわゆるデラミ容器などであってもよい。内容器12内(後述の収容空間45)が減容可能なその他の構成などを採用してもよい。内容器12は、光透過性を有する材料(透明材料や半透明材料)で形成されていてもよい。内容器12は、バリア性等のためアルミフィルムを含む積層のフィルムで構成されてもよい。
内蓋円環部48は、容器軸Oと同軸に配置されている。内蓋円環部48は、内容器12の上端開口を覆っている。内蓋円環部48の内周縁には、装着部51が配設されている。
装着部51は、環状に形成され、容器軸Oと同軸に配置されている。具体的に、装着部51は、内蓋円環部48の内周縁から径方向内側に向かうに従い上方に延び、その径方向内側の端部が下方に屈曲している。装着部51は、内蓋円環部48よりも薄肉に形成されている。
内側筒部49は、円筒状に形成され、内蓋円環部48の外周縁から上方に向けて延びている。
外側筒部50は、円筒状に形成され、容器軸Oと同軸に配置されている。外側筒部50は、内側筒部49を径方向外側から囲っている。外側筒部50の上端部は、内側筒部49の上端部に連結されている。
なお本実施形態では、取付けリング43が、係合筒部44よりも径方向内側に張り出しておらず、内側筒部49の下端開口縁が、取付けリング43の上面と接触していないが、取付けリング43が、係合筒部44よりも径方向内側に張り出していて、内側筒部49の下端開口縁が、取付けリング43の上面と接触していてもよい。また、外側筒部50の下端開口縁が、取付けリング43の上面と接触していなくてもよい。
取付け筒部52は、円筒状に形成され容器軸Oと同軸に配置されている。取付け筒部52は、装着部51内に嵌合している。
第1弁座部53は、容器軸Oと同軸に配置され、取付け筒部52よりも小径とされた筒部と、筒部の上端部から径方向内側へ広がる弁座板と、を備える。第1弁座部53の筒部の下端部は、取付け筒部52の下端部に連結される。第1弁座部53の弁座板は、取付け筒部52の上端よりも下方に位置している。第1弁座部53の弁座板の中央部には、この弁座板を上下方向Zに貫通する連通孔56が形成されている。このため弁座板は、リング板状である。連通孔56は、円形状に形成され容器軸Oと同軸に配置されている。連通孔56は、内容器12内に連通する。つまり、内蓋13には、内容器12内に連通する連通孔56が形成される。
連結環部55は、容器軸Oと同軸に配置されている。連結環部55の内周縁部は、取付け筒部52の上端部に連結されている。連結環部55の外周縁部は、外周筒部54の上端部に連結されている。連結環部55の外周縁部は、外周筒部54の上端よりも下方で、かつ外周筒部54の上下方向Zの中央よりも上方に位置している。
装着リング57の外周面には、径方向外側に突出し、全周にわたって連続して延びるフランジ部63が形成されている。フランジ部63の下面は、底部材21の筒状壁部24の上端開口縁に配置されている。
操作部58は、上下方向Zから見た平面視で、後述する第1弁体15に重なる位置に配置される。図示の例では、操作部58の下面に、外周筒部54の上端開口縁が当接している。
操作部58は、装着リング57をインサート品としたインサート成形により、装着リング57と一体に形成されている。なお、装着リング57および操作部58をそれぞれ別体に形成した後、これらを組み合わせることで中蓋14を形成してもよい。操作部58と装着リング57とを異なる材質で形成する場合、操作部58の材質は、装着リング57よりも軟質であることが好ましい。本実施形態の操作部58は、弾性変形することで、連絡空間65の内圧を増減させる。
本実施形態では、弁筒84が、内蓋13の取付け筒部52内に嵌合されている。弁筒84内に、第1弁座部53の筒部が嵌合されている。弁筒84の下端開口縁は、第1弁座部53の筒部の下端部と、取付け筒部52の下端部と、を接続するリング状の連結部分の上面に当接する。
弁本体85は、弁筒84の上端部に連結される。弁本体85は、弁筒84内に配置される。弁本体85は、円板状の弁板と、弁板と弁筒84とを連結する複数の弾性脚と、を備える。弁本体85は、弁筒84に対して上下方向Zに移動可能である。第1弁座部53の弁座板が、弁本体85の弁板に対して、弁本体85の下方から当接する。
第2弁体16は、操作部58において吐出孔66の開口周縁部を含む部分により形成されている。本実施形態では第2弁体16は、操作部58のうち、筒状の規制壁部81に囲まれた部分となっている。
外殻体11からリフィル容器17を取り外す際、使用者は、底部材21の係合板部の係合爪と、装着リング57の周溝との係合状態を解除する。
そして図1に示すように、本実施形態の操作部58には、平面視における面積(平面積)が互いに異なる、第1押圧部100Aおよび第2押圧部100Bが設けられている。なお、操作部58には3つ以上の押圧部が設けられていてもよい。すなわち、操作部58には少なくとも2つの押圧部100A、100Bが設けられていればよい。押圧部100A、100Bは、平面視で円形状に形成されている。
図3(a)、(b)に示すように、押圧部100A、100Bの上面は、操作部58の上面から上方に向けて膨出している。押圧部100A、100Bの上面および下面は、上方に向けて凸の曲面状に形成されている。
第1押圧部100Aの平面積をA1とし、第2押圧部100Bの平面積をA2とするとき、A2はA1の1/2以下であること、つまりA2≦1/2×A1であることが好ましい。
また、A2はA1の1/3以下であること、つまりA2≦1/3×A1であることがさらに好ましい。本実施形態では、A2はA1の1/4以下、つまりA2≦1/4×A1となっている。このようにA2≦1/4×A1であることで、第1押圧部100Aおよび第2押圧部100Bのどちらを押下したかによる吐出量の差が、より顕著となっている。
第1押圧部100Aは、操作部58において、容器軸Oを含み、かつ容器軸Oに対して第2弁体16が位置ずれしている側とは反対側に位置する部分に配置されている。図示の例では、押圧部100A、100Bは、操作部58において、第2弁体16より後方に位置する部分に形成されている。
本実施形態では、押圧部100A、100Bは、操作部58と同一の材質により一体に形成されている。なお、例えば硬質の樹脂によって形成された操作部58をインサート品として用いて、操作部58よりも軟質の樹脂によって押圧部100A、100Bをインサート成形によって形成してもよい。
まず、使用者は、プッシュピース37を操作して、外殻体11の蓋部材22を開く。次に、第1押圧部100Aを押圧して、下方に窪ませるように弾性変形させる。第1押圧部100Aが下方に窪むように弾性変形すると連絡空間65の容積が小さくなるため、連絡空間65の内圧が上昇する。つまり、第1押圧部100Aが下方移動させられることにより、連絡空間65の内圧が上昇する。すると、連絡空間65の内圧によって第2弁体16が上方に向けて弾性的に膨出変形して第2弁座部67から離間し、吐出孔66の閉塞状態が解除され、連絡空間65内の空気の一部が吐出孔66から外部へと排出される。
さらに、押圧部100A、100Bが操作部58から上方に膨出することで、押圧部100A、100Bの位置が視認しやすくなるとともに、押圧部100A、100Bを押し下げて内容物を吐出させるのに要する力を低減することができる。したがって、押圧部100A、100Bを押下する際の操作性をより向上させることができる。
また、押圧部100A、100Bが、操作部58のその他の部分より薄く形成されていてもよい。
Claims (3)
- 内容物が収容される内容器と、
前記内容器の内部を封止し、前記内容器内に連通する連通孔が形成された内蓋と、
前記内蓋の上方に設けられ、前記内蓋との間に前記連通孔に連通する連絡空間を画成するとともに、前記連絡空間に連通して前記内容物を吐出させる吐出孔が形成された中蓋と、
前記連通孔と前記連絡空間との連通、およびその遮断を切り替える第1弁体と、
前記吐出孔と前記連絡空間との連通、およびその遮断を切り替える第2弁体と、を備え、
前記中蓋は、前記連絡空間を画成する操作部を備え、
前記操作部には、平面積が互いに異なる少なくとも2つの押圧部が設けられ、
前記2つの押圧部は、弾性変形可能に形成され、かつ弾性変形することで前記連絡空間の内圧を増減させ、
前記2つの押圧部のうちの少なくとも1つが下方移動して前記連絡空間の内圧が上昇したときに、前記第1弁体は前記連通孔と前記連絡空間との連通を遮断し、かつ、前記第2弁体は前記吐出孔と前記連絡空間とを連通させ、
前記2つの押圧部のうちの少なくとも1つが上方移動して前記連絡空間の内圧が下降したときに、前記第2弁体は前記吐出孔と前記連絡空間との連通を遮断し、かつ、前記第1弁体は前記連通孔と前記連絡空間とを連通させ、
前記操作部は、弾性変形可能に形成され、かつ弾性変形することで前記連絡空間の内圧を増減させる、コンパクト容器。 - 前記2つの押圧部の平面積をそれぞれA1およびA2とするとき、
A2≦1/2×A1である、請求項1に記載のコンパクト容器。 - 前記2つの押圧部は、前記操作部から上方に向けて膨出した形状を有している、請求項1または2に記載のコンパクト容器。
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