JP7154017B2 - コンパクト容器 - Google Patents
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Description
本発明に係るコンパクト容器は、内容物が収容される内容器と、前記内容器の内部を封止し、前記内容器内に連通する連通孔が形成された内蓋と、前記内蓋の上方に設けられ、前記内蓋との間に前記連通孔に連通する連絡空間を画成するとともに、前記連絡空間に連通して前記内容物を吐出させる吐出孔が形成された中蓋と、前記連通孔と前記連絡空間との連通、およびその遮断を切り替える第1弁体と、前記吐出孔と前記連絡空間との連通、およびその遮断を切り替える第2弁体と、を備え、前記中蓋は、前記連絡空間を画成するとともに弾性変形可能に形成され、かつ弾性変形することで前記連絡空間の内圧を増減させる操作部を備え、前記吐出孔及び前記第2弁体は、前記操作部に設けられ、前記操作部は、上面が上方に向けて膨出した円板状の膨出部を備え、前記膨出部の外周部には、伸長変形可能な易変形部が形成され、前記操作部において前記易変形部が位置する部分の下面には、上方に向けて窪む環状溝が形成され、前記膨出部が下方移動して前記連絡空間の内圧が上昇したときに、前記第1弁体は前記連通孔と前記連絡空間との連通を遮断し、かつ、前記第2弁体は前記吐出孔と前記連絡空間とを連通させ、前記膨出部が上方移動して前記連絡空間の内圧が下降したときに、前記第2弁体は前記吐出孔と前記連絡空間との連通を遮断し、かつ、前記第1弁体は前記連通孔と前記連絡空間とを連通させることを特徴とする。
このように、内容器から連絡空間へと内容物が安定して吸い込まれ、次に膨出部を押し下げたときの内容物の吐出量を、所望の量の通りとすることができる。
したがって、内容物の吐出量の調整が容易である。
ここで、前記膨出部の上下面が上方に向けて膨出してもよい。
この場合、操作部の上下面が上方に向けて膨出していることから、上方に向けて復元変形させやすくすることができる。
この場合、膨出部の上面が、上方に向けて突の曲面状に形成されているので、膨出部を押し下げて内容物を吐出させるのに要する力を確実に低減することが可能になるとともに、例えば、操作部の上面を指で撫でながら膨出部を押し下げたときに、指を引っ掛かり無く円滑に操作部の上面を摺動させることができる。
<第1実施形態>
図1および図2に示すように、本実施形態のコンパクト容器10は、平面視円形状の扁平容器である。コンパクト容器10は、外殻体11と、内容器12と、内蓋13と、中蓋14と、第1弁体15と、第2弁体16と、を備える。
上下方向Zから見た平面視で、容器軸Oに交差する方向を径方向と呼ぶ。径方向に沿って容器軸Oに接近する方向を径方向内側と呼び、容器軸Oから離間する方向を径方向外側と呼ぶ。上下方向Zから見た平面視で、径方向のうち、回転軸Rに平行な方向を左右方向Yと呼び、回転軸Rに直交する方向を前後方向Xと呼ぶ。前後方向Xに沿って、容器軸Oから回転軸Rへ向かう方向を後方と呼び、回転軸Rから容器軸Oへ向かう方向を前方と呼ぶ。
上下方向Zから見た平面視で、容器軸O回りに周回する方向を周方向と呼ぶ。
底部材21は、底板部23から上方に延びる係合板部(図示省略)を備える。係合板部は、周方向に沿って等間隔に複数配置されている。係合板部の表裏面は、径方向を向いている。係合板部の上端部には、径方向内側に突出する係合爪が設けられる。
筒状壁部24の前方端部には、係合空間25が設けられている。係合空間25は、前方および上方に向けて開口している。係合空間25は、前後方向Xを向く後壁部26と、上下方向Zを向く底壁部27と、により画成されている。
蓋部材22は、容器軸Oと同軸に配置された円板状の天板部33と、天板部33の外周縁から下方に延びる円筒状の筒部34と、を備える。蓋部材22の天板部33の下面には、鏡Mが固定される。
係合片35の下端部には、後方に向けて突出するとともに、底部材21に形成された第1係合部29に対して離脱可能にアンダーカット嵌合される第2係合部36が形成されている。第1係合部29に対して第2係合部36が下方から係合することによって、蓋部材22は閉状態でロックされる。
プッシュピース37は、係合片35よりも前方に配置された操作壁部38と、操作壁部38から後方に向けて突設され、ガイド壁部28の傾斜面上に位置する解除突起39と、操作壁部38の下端部から後方に向けて突設され、底壁部27に載置されるベース部40と、を備える。プッシュピース37は、後方に向けて押し込まれたときに、底部材21および蓋部材22に対して後方へ移動可能である。
なお、プッシュピース37は、後方に移動したときに、解除突起39の復元変形によって、前方に向けて復元移動する。
例えば指先などによって、係合片35の下端部を前方に向けて僅かに撓ませるように変形させることで、第1係合部29と第2係合部36との係合を解除し、蓋部材22の閉状態のロックを解除しても構わない。
内容器12は、可撓性を有し減容可能(減容変形可能)である。内容器12は、例えば、積層のフィルムや薄肉の樹脂成形品などで構成されている。内容器12は、可撓性に富む内側容器が、内側容器よりも硬質な外側容器の内面に積層されてなる、いわゆるデラミ容器などであってもよい。内容器12内(後述の収容空間45)が減容可能なその他の構成などを採用してもよい。内容器12は、光透過性を有する材料(透明材料や半透明材料)で形成されていてもよい。内容器12は、バリア性等のためアルミフィルムを含む積層のフィルムで構成されてもよい。
内容物は、液状であっても、ゲル状であっても、ゼリー状であってもよい。内容物は、例えば、リキッドファンデーションなどの化粧品である。
内蓋円環部48は、容器軸Oと同軸に配置されている。内蓋円環部48は、内容器12の上端開口を覆っている。内蓋円環部48の内周縁には、装着部51が配設されている。装着部51は、環状に形成され、容器軸Oと同軸に配置されている。具体的に、装着部51は、内蓋円環部48の内周縁から径方向内側に向かうに従い上方に延び、その径方向内側の端部が下方に屈曲している。装着部51は、内蓋円環部48よりも薄肉に形成されている。
内側筒部49は、円筒状に形成され、内蓋円環部48の外周縁から上方に向けて延びている。
外側筒部50は、円筒状に形成され、容器軸Oと同軸に配置されている。外側筒部50は、内側筒部49を径方向外側から囲っている。外側筒部50の上端部は、内側筒部49の上端部に連結されている。
なお本実施形態では、取付けリング43が、係合筒部44よりも径方向内側に張り出しておらず、内側筒部49の下端開口縁が、取付けリング43の上面と接触していないが、取付けリング43が、係合筒部44よりも径方向内側に張り出していて、内側筒部49の下端開口縁が、取付けリング43の上面と接触していてもよい。また、外側筒部50の下端開口縁が、取付けリング43の上面と接触していなくてもよい。
取付け筒部52は、円筒状に形成され容器軸Oと同軸に配置されている。取付け筒部52は、装着部51内に嵌合している。
第1弁座部53は、容器軸Oと同軸に配置され、取付け筒部52よりも小径とされた筒部と、筒部の上端部から径方向内側へ広がる弁座板と、を備える。第1弁座部53の筒部の下端部は、取付け筒部52の下端部に連結される。第1弁座部53の弁座板は、取付け筒部52の上端よりも下方に位置している。第1弁座部53の弁座板の中央部には、この弁座板を上下方向Zに貫通する連通孔56が形成されている。このため弁座板は、リング板状である。連通孔56は、円形状に形成され容器軸Oと同軸に配置されている。連通孔56は、内容器12内に連通する。つまり、内蓋13には、内容器12内に連通する連通孔56が形成される。
連結環部55は、容器軸Oと同軸に配置されている。連結環部55の内周縁部は、取付け筒部52の上端部に連結されている。連結環部55の外周縁部は、外周筒部54の上端部に連結されている。連結環部55の外周縁部は、外周筒部54の上端よりも下方で、かつ外周筒部54の上下方向Zの中央よりも上方に位置している。
装着リング57の外周面には、径方向外側に突出し、全周にわたって連続して延びるフランジ部63が形成されている。フランジ部63の下面は、底部材21の筒状壁部24の上端開口縁に配置されている。
操作部58は、上下方向Zから見た平面視で、後述する第1弁体15に重なる位置に配置される。
垂下筒部79は、容器軸Oと同軸に配置される。垂下筒部79は、操作部58の下面から下方へ向けて突設された円筒状である。垂下筒部79は、内筒59の径方向内側に嵌合し、かつ外周筒部54の径方向外側に嵌合する。垂下筒部79は、内筒59と外周筒部54とによって径方向に挟持されている。図示の例では、操作部58の下面に、外周筒部54の上端開口縁が当接している。
本実施形態では、弁筒84が、内蓋13の取付け筒部52内に嵌合されている。弁筒84内に、第1弁座部53の筒部が嵌合されている。弁筒84の下端開口縁は、第1弁座部53の筒部の下端部と、取付け筒部52の下端部と、を接続するリング状の連結部分の上面に当接する。
弁本体85は、弁筒84の上端部に連結される。弁本体85は、弁筒84内に配置される。弁本体85は、円板状の弁板と、弁板と弁筒84とを連結する複数の弾性脚と、を備える。弁本体85は、弁筒84に対して上下方向Zに移動可能である。第1弁座部53の弁座板が、弁本体85の弁板に対して、弁本体85の下方から当接する。
第2弁体16は、操作部58において吐出孔66の開口周縁部を含む部分により形成されている。本実施形態では第2弁体16は、操作部58のうち、筒状の規制壁部81に囲まれた部分となっている。
外殻体11からリフィル容器17を取り外す際、使用者は、底部材21の係合板部の係合爪と、装着リング57の周溝との係合状態を解除する。
なお、薄肉に形成された易変形部64に代えて例えば、膨出部100の少なくとも一部が折り重ねられてなる蛇腹部、若しくは、膨出部100のうち、他の部分を形成する材質より軟らかい材質で形成された軟材質部等を採用してもよい。
膨出部100の膨出高さは、例えば、膨出部100の剛性が高い場合に低くし、膨出部100の剛性が低い場合に高くするのが好ましい。例えば、膨出部100を軟質ポリエチレンで厚さ約1.0mmに形成した場合、膨出部100の膨出高さを約1.0mmとし、膨出部100をエラストマーで厚さ約1.0mmに形成した場合、膨出部100の膨出高さを約2.0mmとしてもよい。
前記平面視において、操作部58の平面積に占める膨出部100の平面積の割合は20%以上になっている。この場合、操作部58の平面積に占める膨出部100の平面積の割合が大きく、良好な操作性を具備させることができる。
まず、使用者は、プッシュピース37を操作して、外殻体11の蓋部材22を開く。膨出部100を押圧して、下方に窪ませるように弾性変形させる。膨出部100が下方に窪むように弾性変形すると連絡空間65の容積が小さくなるため、連絡空間65の内圧が上昇する。つまり、膨出部100が下方移動させられることにより、連絡空間65の内圧が上昇する。すると、連絡空間65の内圧によって第2弁体16が上方に向けて弾性的に膨出変形して第2弁座部67から離間し、吐出孔66の閉塞状態が解除され、連絡空間65内の空気の一部が吐出孔66から外部へと排出される。その後、第2弁体16が復元変形して第2弁座部67に着座し、吐出孔66を閉塞する。このとき、第1弁体15は連絡空間65から収容空間45への流体の移動を遮断するため、第1弁体15によって連通孔56が閉塞されており、連絡空間65内の空気が連通孔56から収容空間45に流れることが抑制される。このように、膨出部100が下方移動して連絡空間65の内圧が上昇したときに、第1弁体15は連通孔56と連絡空間65との連通を遮断し、かつ、第2弁体16は吐出孔66と連絡空間65とを連通させる。
このように、内容器12から連絡空間65へと内容物が安定して吸い込まれ、次に膨出部100を押し下げたときの内容物の吐出量を、所望の量の通りとすることができる。
したがって、内容物の吐出量の調整が容易である。
また、膨出部100に伸長変形可能な易変形部64が形成されているので、膨出部100を押し下げたときに、易変形部64を伸長変形させることが可能になり、この押し下げ力を過度に大きくしなくても、膨出部100の上下方向Zの弾性変形量を大きく確保することができる。
次に、本発明に係る第2実施形態について説明するが、第1実施形態と基本的な構成は同様である。このため、同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
本実施形態のコンパクト容器20では、図3および図4に示されるように、内蓋13の連結環部55に形成された窪み部78が、全周にわたって連続して延びる環状に形成されるとともに、容器軸Oと同軸に配設されている。窪み部78の底面に第2弁座部67は配設されていない。
本実施形態のコンパクト容器20によれば、易変形部164が、膨出部101の外周縁部に、全周にわたって形成されているので、操作部58において易変形部164が位置する部分に、複数の環状溝が形成されていることと相俟って、膨出部101を押し下げて内容物を吐出させるのに要する力をより一層確実に低減することができる。
次に、本発明に係る第3実施形態について説明するが、第2実施形態と基本的な構成は同様である。このため、同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
膨出部102の下面に、補強リブ102aが形成されている。補強リブ102aは、膨出部102の中心軸線を通り、かつ両端部が膨出部102の外周縁部に至るように放射状に配置されている。
しかも、膨出部102の下面に、補強リブ102aが形成されているので、易変形部264を、膨出部102に全域にわたって形成したとしても、膨出部102のばね定数を確保することが可能になり、膨出部102が上方に向けて復元変形しにくくなるのを抑制することができる。
また、膨出部100~102に易変形部64、164、264を形成しなくてもよい。
また、膨出部100~102として、連通孔56および第1弁体15と上下方向Zで対向した構成を示したが、膨出部100~102を、連通孔56および第1弁体15に対して上下方向Zに直交する方向にずらして配設してもよい。
また、内容器12の形状は、特に限定されず、例えば、楕円筒状であってもよいし、角筒状であってもよい。
また、内容器12と内蓋13と中蓋14とは、リフィル容器17を構成していなくてもよい。すなわち、内容物を使い切った際に、内容器12を交換できない構成であってもよい。
吐出孔66が、操作部58に形成されていなくてもよい。例えば、装着リング57に、径方向内側に向けて突出するとともに連絡空間65を画成するフランジを設け、このフランジに吐出孔66を設けてもよい。
吐出孔66が、1つだけ形成されていてもよい。
内容物が連通孔56を通して連絡空間65に流出することにともなって、内容器12が減容しなくてもよい。内容器12として、可撓性を有さない構成を採用してもよい。
12…内容器
13…内蓋
14…中蓋
15…第1弁体
16…第2弁体
56…連通孔
58…操作部
64、164、264…易変形部
66…吐出孔
100、101、102…膨出部
Claims (3)
- 内容物が収容される内容器と、
前記内容器の内部を封止し、前記内容器内に連通する連通孔が形成された内蓋と、
前記内蓋の上方に設けられ、前記内蓋との間に前記連通孔に連通する連絡空間を画成するとともに、前記連絡空間に連通して前記内容物を吐出させる吐出孔が形成された中蓋と、
前記連通孔と前記連絡空間との連通、およびその遮断を切り替える第1弁体と、
前記吐出孔と前記連絡空間との連通、およびその遮断を切り替える第2弁体と、を備え、
前記中蓋は、前記連絡空間を画成するとともに弾性変形可能に形成され、かつ弾性変形することで前記連絡空間の内圧を増減させる操作部を備え、
前記吐出孔及び前記第2弁体は、前記操作部に設けられ、
前記操作部は、上面が上方に向けて膨出した円板状の膨出部を備え、
前記膨出部の外周部には、伸長変形可能な易変形部が形成され、
前記操作部において前記易変形部が位置する部分の下面には、上方に向けて窪む環状溝が形成され、
前記膨出部が下方移動して前記連絡空間の内圧が上昇したときに、前記第1弁体は前記連通孔と前記連絡空間との連通を遮断し、かつ、前記第2弁体は前記吐出孔と前記連絡空間とを連通させ、
前記膨出部が上方移動して前記連絡空間の内圧が下降したときに、前記第2弁体は前記吐出孔と前記連絡空間との連通を遮断し、かつ、前記第1弁体は前記連通孔と前記連絡空間とを連通させることを特徴とするコンパクト容器。 - 前記膨出部の上下面が上方に向けて膨出していることを特徴とする請求項1に記載のコンパクト容器。
- 前記膨出部の上面は、上方に向けて突の曲面状に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のコンパクト容器。
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