JP6911585B2 - エンジンの潤滑構造 - Google Patents

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本発明は、エンジンの潤滑構造に関する。
自動二輪車のエンジンでは、エンジンの最下端にオイルパンが設けられており、オイルパン内には、エンジンの各部を潤滑するオイルが貯留されている。オイルパン内のオイルは、オイルポンプによって汲み上げられ、例えばエンジン上部のシリンダヘッドに圧送される。シリンダヘッドに供給されたオイルは、周辺構成を潤滑しながら自重によって下方流れ落ち、所定のオイル通路(オイル戻し通路)を経由してオイルパンに戻される。
このようなエンジンの潤滑構造においては、オイルがオイルパンに戻される際に、オイルがエンジン内の回転体に接触することでオイルミストが発生することがある。そこで、クランクケース内にオイルセパレータを設け、オイルが回転体に接触するのを防止するものが存在する(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1では、エンジン内の回転体としてマグネトがクランクシャフトの一端側に設けられている。クランクシャフトの他端側におけるマグネトの側面には、マグネトを覆うように円板状のオイルセパレータが設けられている。
特許第3134676号
しかしながら、特許文献1では、オイルセパレータが別部材として設けられるため、組付け性の煩雑化や部品点数の増加、その他にコストアップや重量増加の要因と成り得る。また、回転体を避けるように別のオイル通路を形成することも考えられるが、オイル通路のためのスペースが必要となり、エンジンが大型化してしまうという問題がある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、エンジンを大型化することなく簡易な構成でオイルミストの発生を抑制することができるエンジンの潤滑構造を提供することを目的の1つとする。
本発明の一態様のエンジンの潤滑構造は、オイルパンからシリンダヘッドに供給されたオイルを再び前記オイルパンに戻すオイル通路がエンジンケースに形成されるエンジンの潤滑構造であって、前記オイル通路には、前記エンジンケースの内壁面からオイルの流れに逆らう方向に突出する突出部が形成され、前記突出部は、前記エンジンケース内に配置されるシャフトの軸方向に所定幅を有し、前記シャフトには、エンジンの駆動に伴って回転する回転体が設けられ、前記回転体は、前記シャフトの軸方向において、前記突出部とは異なる位置に配置され、前記突出部には、前記回転体が配置される側とは反対側の端部に切欠きが形成されることを特徴とする。
本発明によれば、エンジンを大型化することなく簡易な構成でオイルミストの発生を抑制することができる。
本実施の形態に係る変速装置が適用される自動二輪車の概略構成を示す左側面図である。 本実施の形態に係るエンジンの正面図である。 図2に示すエンジンからマグネトカバー及びマグネトの一部構成を取り外した場合の左側面図である。 図2のA−A線に沿う断面図である。 図3のB−B線に沿う断面図である。 本実施の形態に係るクランクケースの左後方からの斜視図である。 本実施の形態に係るクランクケースを上方から見たときの部分拡大図である。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。なお、以下においては、本発明に係る変速装置をスポーツタイプの自動二輪車に適用した例について説明するが、適用対象はこれに限定されることなく変更可能である。例えば、本発明に係る変速装置を、他のタイプの自動二輪車や、バギータイプの自動三輪車、自動四輪車等に適用してもよい。また、方向について、車両前方を矢印FR、車両後方を矢印RE、車両左方を矢印L、車両右方を矢印Rでそれぞれ示す。また、以下の各図では、説明の便宜上、一部の構成を省略している。
図1を参照して、本実施の形態に係る自動二輪車の概略構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る変速装置が適用される自動二輪車の概略構成を示す左側面図である。
図1に示すように、自動二輪車1は、パワーユニット、電装系等の各部を搭載する車体フレーム10にエンジン2を懸架して構成される。エンジン2は、例えば、並列2気筒の水冷式エンジンで構成される。エンジン2は、左右に延びるクランクシャフト35(図5参照)等が収容されるクランクケース20の上部に、シリンダブロック21、シリンダヘッド22及びシリンダヘッドカバー23(詳細は図2及び図3を参照)を取り付けて構成される。クランクケース20の下部には、オイルパン24(図2及び図3参照)が設けられる。なお、本実施の形態では、クランクケース20、シリンダブロック21、シリンダヘッド22及びシリンダヘッドカバー23を合わせてエンジンケースと呼ぶことにする。また、エンジン周辺の詳細構成については後述する。
車体フレーム10は、例えば金属パイプを溶接して形成されるダイヤモンドフレームであり、上記のようにエンジン2を懸架することで、車体全体として剛性が得られるように構成される。車体フレーム10は、ヘッドパイプ10aから後下方に向かって延在している。車体フレーム10の前半部分には、エンジン2の前側(シリンダヘッド22)を支持するブラケット部10bが形成されている。車体フレーム10の後部には、スイングアーム18の揺動軸となるピボット部10cが形成されている。
車体フレーム10の前後方向の略中央部分には、後方に向かって延びるシートレール10dが設けられている。また、ピボット部10cの上方の車体フレーム10には、後上方に向かって延びるバックステー10eが設けられている。車体フレーム10の上方には、燃料タンク11が設けられ、燃料タンク11の後方には、シートレール10dに沿ってライダーシート12及びピリオンシート13が設けられる。ヘッドパイプ10aの周辺はフロントカウル14によって覆われ、エンジン2の前下方はアンダーカウル15によって覆われる。
ヘッドパイプ10aには、ステアリングシャフト(不図示)を介して左右一対のフロントフォーク16が操舵可能に支持される。フロントフォーク16の下部には前輪17が回転可能に支持されており、前輪17の上方はフロントフェンダ17aによって覆われる。
スイングアーム18は、ピボット部10cに揺動可能に支持され、後方に向かって延びている。スイングアーム18の後端には後輪19が回転可能に支持されている。
次に、図2から図5を参照して、本実施の形態に係るエンジンについて説明する。図2は、本実施の形態に係るエンジンの正面図である。図3は、図2に示すエンジンからマグネトカバー及びマグネトの一部構成を取り外した場合の左側面図である。図4は、図2のA−A線に沿う断面図である。図5は、図3のB−B線に沿う断面図である。
図2から図5に示すように、エンジンケースの一部を構成するクランクケース20は、上下に分割可能に構成され、上側の上ケース20aと下側の下ケース20bとを有している。上ケース20aと下ケース20bとを合わせることにより、クランクケース20内に各種軸を収容する空間が形成される。図4に示すように、側面視で上ケース20a及び下ケース20bの合わせ面略中央には、クランクシャフト35が配置されている。上ケース20aの前側上部は開口されており、この開口を塞ぐように上ケース20aにはシリンダブロック21が取り付けられる。下ケース20bは下方に開口されており、この開口を塞ぐように下ケース20bにはオイルパン24が取り付けられる。特にエンジン2は、シリンダブロック21の軸線が鉛直方向に対して前側に傾くように配置されている。
また、下ケース20bの前部には、エンジン2内のオイルを冷却するオイルクーラ25と、汚れたオイルをろ過するオイルフィルタ26が取り付けられている。オイルクーラ25及びオイルフィルタ26は左右に並んで配置され、オイルクーラ25に対してオイルフィルタ26が左側に設けられている。
クランクケース20の左右両側には、それぞれ開口が形成されている。左側の開口には、エンジンカバーとして、マグネト40を覆うマグネトカバー28が取り付けられる。一方、右側の開口には、エンジンカバーとして、クラッチ(不図示)を覆うクラッチカバー29が取り付けられる。また、マグネトカバー28下方のクランクケース20(下ケース20b)側面には、オイル点検窓20cが形成されている。
上記したように、シリンダブロック21の上部には、シリンダヘッド22及びシリンダヘッドカバー23が取り付けられる。シリンダヘッド22及びシリンダヘッドカバー23の内部には、図示しない動弁機構が設けられる。特に、図4に示すように、エンジンケース内の左方空間には、カムチェーン31が収容されるカムチェーン室30が形成されている。カムチェーン室30は、シリンダヘッドカバー23からクランクケース20までが連通するように、上方から下方に向かって形成される。
カムチェーン室30は、上方から下方に向かってオイルを誘導するオイル通路として機能する。カムチェーン31は、クランクシャフト35に設けられるスプロケット32と、動弁機構を構成する一対のカムシャフトに設けられるスプロケット(不図示)に巻き掛けられる。これにより、クランクシャフト35の回転が各カムシャフトに伝達可能となる。
また、カムチェーン室30には、カムチェーン31の移動を所定の張力で案内するカムチェーンガイド33及びカムチェーンテンショナ34が設けられている。カムチェーンガイド33及びカムチェーンテンショナ34は、上下に延びる略円弧状に形成されており、カムチェーン31を前後で挟み込むように設けられている。エンジン前側がカムチェーンガイド33であり、エンジン後側がカムチェーンテンショナ34である。カムチェーン31は、カムチェーンガイド33及びカムチェーンテンショナ34のそれぞれの円弧面に当接している。
特にカムチェーンテンショナ34は、図示しない付勢手段により、カムチェーン31を所定の力で前方に付勢している。これにより、カムチェーン31の張力が調整され、カムチェーン31の脱落が防止されている。
カムチェーン室30の下端側の空間には、図5に示すように、マグネト40が収容されている。マグネト40は、マグネトカバー28の裏面側に設けられるステータ41と、ステータ41を覆うようにクランクシャフト35に取り付けられるマグネトロータ42(フライホイール)とを含んで構成される。ステータ41は、複数のコイルをクランクシャフト35の周囲に環状配置して構成される。マグネトロータ42は、有底円筒状に形成される。円筒部分の内周面には、ステータ41のコイルに対向するように、磁性体(不図示)が設けられる。マグネト40は、ステータ41に対してマグネトロータ42が相対回転することにより電力を発生させる。発生した電力は、図示しないバッテリの充電に用いられる。
また、マグネトロータ42の右側面には、スタータワンウェイクラッチ43が設けられ、スタータワンウェイクラッチ43の右方には、スタータクラッチギヤ44が設けられている。スタータワンウェイクラッチ43は、エンジン始動時に一方向にのみ回転力をクランクシャフト35に伝達可能なクラッチ機構である。スタータクラッチギヤ44は、図示しないスタータモータの駆動ギヤに噛み合っている。スタータモータの回転力は、スタータクラッチギヤ44及びスタータワンウェイクラッチ43を介してクランクシャフト35に伝達される。
具体的に、エンジン2が停止している状態でスタータモータが回転駆動されると、スタータワンウェイクラッチ43は、スタータクラッチギヤ44とクランクシャフト35とを一体回転可能に噛み合わせてスタータモータの回転力をクランクシャフト35に伝達可能にする。エンジン2が始動した後にスタータモータが停止したり、クランクシャフト35の回転数がスタータモータの回転数より大きくなると、スタータワンウェイクラッチ43は、スタータクラッチギヤ44及びクランクシャフト35の一体回転を解除し、クランクシャフト35からスタータモータにトルクが伝達されるのを防止する。この場合、エンジン始動後のスタータクラッチギヤ44は、惰性によりクランクシャフト35に対して相対回転(空転)し、その後回転が停止される。
ところで、一般にエンジンの潤滑構造では、オイルポンプによってオイルパンからオイルが汲み上げられ、所定のオイル通路を通じてシリンダヘッドにオイルが供給される。この種のエンジンの潤滑構造として、シリンダヘッド内のカムシャフト等の動弁機構を潤滑したオイルを、カムチェーンが収容されるカムチェーン室を通じてオイルパンに戻すものが知られている。このような内燃機関では、動弁機構が収容される動弁室とカムチェーン室とが連通されており、動弁室を潤滑したオイルがカムチェーン室を流れ落ちてオイルパンに戻される。
例えば、カムチェーン室の下方には、クランクシャフトの軸端にマグネトロータが配置される。エンジン駆動中は、クランクシャフトの回転に伴ってマグネトロータも回転する。この場合、オイルがオイルパンに戻される際に、回転中のマグネトロータにオイルが接触することが想定される。この結果、オイルがマグネトロータの回転抵抗となるだけでなく、オイルミストが発生して当該オイルミストがブローバイガスに混入するおそれがある。特に、エンジンケース内では、ピストンの往復動等に伴って気流が発生するため、当該気流によってオイルミストがエンジンケース内で巻き上げられることもあり、あまり好ましくない。
戻りのオイルがマグネトロータに接触するのを防止するために、オイルセパレータを設けたり、オイル戻し通路をマグネトロータに対して迂回するように形成することも考えられる。しかしながら、部品点数の増加やオイル戻し通路のためのスペース確保に伴うエンジンの大型化が問題と成り得る。
そこで、本件発明者は、エンジンケース内に形成されるオイル通路に着目して本発明に想到した。具体的に本実施の形態では、シリンダヘッド22に供給されたオイルを再びオイルパン24に戻すオイル通路としてカムチェーン室30を活用し、カムチェーン室30を形成するエンジンケース(クランクケース20)の内壁面にオイルを一時的に貯留する堰36(ダムと呼ばれてもよい)を形成する構成とした。
この構成によれば、堰36に一定量のオイルを貯めることで、エアが混入したオイル滴からエアを抜くことができる。また、一時的に貯留されたオイルをまとめて下方のオイルパン24に向けて垂らすことで、連続的なオイル流れを形成することができる。この結果、エンジン内で発生する気流によってオイルミストが発生するのを抑制することができる。また、クランクケース20の内壁面を活用して堰36を形成したことにより、部品点数を増やすことがなく、別途オイル通路を形成する必要も無い。よって、エンジンを大型化することなく簡易な構成でオイルミストの発生を抑制することができる。
ここで、図4から図7を参照して本実施の形態に係るエンジンの潤滑構造について詳細に説明する。図6は、本実施の形態に係るクランクケースを上方から見たときの部分拡大図である。図7は、本実施の形態に係るクランクケースの左後方からの斜視図である。
図4に示すように、堰36は、カムチェーン室30の一部を構成する上ケース20aの前側の内壁面に形成されている。具体的に堰36は、上ケース20aの内壁面から突出する突出部37によって形成される。突出部37は、オイルの流れに逆らう方向、すなわち、後上方に向かって突出したリブ形状を有している。また、突出部37は、マグネトカバー28との合わせ面上に形成され、マグネトカバー28が取り付けられることで、突出部37の側面が覆われる。これらにより、上方が開放された堰36が形成され、当該堰36にオイルを一時的に貯留することが可能となる。
また、突出部37のエンジン後方側の壁面は、マグネトが収容される空間を規定する上ケース20aの内壁面に沿う形状となっている。すなわち、突出部37は、マグネトカバー28のプロフィールに沿う形状を有している。このように、突出部37を、上ケース20aの内壁面に対して連続的に形成したことで、突出部37の剛性を高めることができると共に、型抜きの関係上、都合のよい形状とすることができる。
また、図5に示すように、突出部37は、クランクシャフト35の軸方向に所定幅を有しており、軸方向において、カムチェーンテンショナ34、カムチェーン31及びスプロケット32に重なる位置(略同一位置)に形成されている。また、突出部37の左右幅は、カムチェーンテンショナ34、カムチェーン31及びスプロケット32の左右幅より大きく形成されている。これらにより、カムチェーンテンショナ34やカムチェーン31から流れ落ちるオイルを堰36で捕捉し易くすることが可能である。
また、マグネトロータ42は、クランクシャフト35の軸方向において、突出部37とは異なる位置、すなわち、突出部37より左側に配置されている。更に、車幅方向において、突出部37の端部には、マグネトロータ42が配置される側とは反対側、すなわち、クランクシャフト35の軸方向右側に切欠き38が形成されている。より具体的に切欠き38は、幅方向において、カムチェーンガイド33の中心よりもエンジン内側に形成される。
堰36に一時的に貯留されたオイルは、当該切欠き38からオイルパン24に流れ落ちることが可能である。具体的には図6及び図7に示すように、エンジン駆動中、オイルは、オイルパン24(図2参照)からシリンダヘッド22に汲み上げられた後、カムチェーン室30を通じて一時的に堰36に貯留される(堰き止められる)。堰36にある程度オイルが溜められると、オイルは、自重によって切欠きから下方に流れ落ちる。このとき、オイルを連続的な流れとすることができるため、オイルミストの発生を抑制しながら、オイルをオイルパン24に適切に戻すことが可能である。
特に、図5に示すように、回転体であるマグネトロータ42から切欠き38をできる限り離れた位置に設けたことで、切欠き38から流れ落ちるオイルが回転中のマグネトロータ42に接触し難くなっている。これにより、オイルミストの発生を抑制することができ、更には、マグネトロータ42の回転抵抗を可能な限り減らすことができる。
また、クランクシャフト35の軸方向において、マグネトロータ42と突出部37との間にスタータワンウェイクラッチ43及びスタータクラッチギヤ44を配置したことで、更にマグネトロータ42と切欠き38との位置関係を遠ざけることができる。このため、オイルミストの発生抑制効果を更に高めることが可能である。なお、エンジン駆動中はスタータクラッチギヤ44が回転しないため、スタータクラッチギヤ44がオイルミストの発生要因とはなり難い。
また、上記したようにマグネトロータ42から切欠き38を遠ざけたことで、従来はマグネトロータ42に対するオイル付着防止の壁となっていたスタータクラッチギヤ44を肉抜きすることができる。この結果、大幅な軽量化が実現される。
以上説明したように、本実施の形態によれば、カムチェーン室30の途中に堰36を設けたことで、戻りのオイルを一時的に堰36に溜めることが可能である。このため、戻り途中でオイルに気泡が発生しても(エアが混入しても)、堰36で一定量のオイルがまとめられる(集合する)ことで気液分離され、気泡を除去することができる。特に、堰36内に溜められたオイルは、突出部37が壁となって、エンジン内の気流の影響を受け難くなっている。これによって、オイルミストの発生が抑制されている。更に、突出部37に形成される切欠き38をマグネトロータ42から遠ざけたことにより、回転体に対してオイルが接触することを防止することができ、オイルミストの発生及び回転体のメカロスが抑制される。これらのように、オイルにエアが混入することを抑制することができるため、オイルパン24からオイルポンプでオイルを汲み上げる際に、オイルポンプのエア噛みを防止することが可能である。更に、堰36を上ケース20aの内壁の一部で形成することができるため、部品点数を大きくすることなく、更には、別途オイル通路を設けることが無い。この結果、エンジン2を大型化することなく簡易な構成でオイルミストの発生を抑制することができる。
なお、上記実施の形態では、並列2気筒のエンジン2を例にして説明したが、この構成に限定されない。例えば、エンジン2は、単気筒や3気筒以上のエンジンで構成されてもよく、各気筒の配置も並列に限らず適宜変更が可能である。
また、上記実施の形態では、車体フレーム10をダイヤモンドフレームで構成したが、この構成に限定されない。車体フレーム10は、例えばツインスパータイプのフレームであってもよい。
また、上記実施の形態では、エンジンカバーとして、マグネトカバー28を例にして説明したが、この構成に限定されない。エンジンカバーとして、クラッチカバー29やスプロケットカバー27を用いてもよい。
また、上記実施の形態では、オイルをオイルパン24に戻すオイル通路をカムチェーン室30で構成したが、この構成に限定されない。オイル通路は、カムチェーン室30とは反対側(例えば右側)に別途設けてもよい。
また、上記の実施形態では、回転体として、マグネトロータ42を例にして説明したが、これに限定されない。回転体として、例えば、クランクシャフト35のウェイトやプライマリドライブギヤ(共に不図示)を用いてもよい。
また、上記の実施形態では、突出部37が後上方に真っ直ぐ突出する構成としたが、この構成に限定されない。突出部37は、例えば、真上に突出してもよく、突出部37を屈曲させてもよい。
また、上記の実施形態では、エンジンケース内に配置されるシャフトとして、クランクシャフト35を例に挙げて説明したが、これに限定されない。シャフトは、例えば、カウンタシャフト、バランサシャフト、ドライブシャフトであってもよい。これに応じて、回転体も適宜変更が可能である。
また、上記の実施形態において、突出部37の突出長は適宜変更が可能である。例えば、突出部37の突出長は、カムチェーンガイド33によって規制されることが好ましい。具体的は、図4に示すカムチェーンガイド33の前側の外面に接触するまで突出部37を延ばしてもよい。この場合、堰36に貯留できるオイルの量を最大限まで増やすことが可能である。
また、上記の実施形態において、突出部37に形成される切欠き38の幅は適宜変更が可能である。切欠き38の幅を調整することで、堰36に溜めておくことができるオイルの量や、切欠き38から流れ落ちるオイルの流量を制御することが可能である。例えば、切欠き38の幅は、突出部37の突出長よりも小さいことが好ましい。この場合、切欠き38から流れ落ちるオイルの量より、堰36に貯留されるオイルの量を多くコントロールすることができ、堰36における気泡除去の効果をより高めることが可能である。また、堰36に貯留されるオイルの量を多くすることで、オイルを安定的に流すことができ、オイルが気流の影響を受け難くなる。
また、本実施の形態及び変形例を説明したが、本発明の他の実施の形態として、上記実施の形態及び変形例を全体的又は部分的に組み合わせたものでもよい。
また、本発明の実施の形態は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよい。さらには、技術の進歩又は派生する別技術によって、本発明の技術的思想を別の仕方で実現することができれば、その方法を用いて実施されてもよい。したがって、特許請求の範囲は、本発明の技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施形態をカバーしている。
以上説明したように、本発明は、エンジンを大型化することなく簡易な構成でオイルミストの発生を抑制することができるという効果を有し、特に、自動二輪車に適用可能なエンジンの潤滑構造に有用である。
1 自動二輪車
2 エンジン
20 クランクケース(エンジンケース)
20a 上ケース(エンジンケース)
22 シリンダヘッド
24 オイルパン
28 マグネトカバー(エンジンカバー)
30 カムチェーン室(オイル通路)
33 カムチェーンガイド
35 クランクシャフト(シャフト)
36 堰
37 突出部
38 切欠き
42 マグネトロータ
43 スタータワンウェイクラッチ
44 スタータクラッチギヤ

Claims (7)

  1. オイルパンからシリンダヘッドに供給されたオイルを再び前記オイルパンに戻すオイル通路がエンジンケースに形成されるエンジンの潤滑構造であって、
    前記オイル通路には、前記エンジンケースの内壁面からオイルの流れに逆らう方向に突出する突出部が形成され、
    前記突出部は、前記エンジンケース内に配置されるシャフトの軸方向に所定幅を有し、
    前記シャフトには、エンジンの駆動に伴って回転する回転体が設けられ、
    前記回転体は、前記シャフトの軸方向において、前記突出部とは異なる位置に配置され、
    前記突出部には、前記回転体が配置される側とは反対側の端部に切欠きが形成されることを特徴とするエンジンの潤滑構造。
  2. 前記突出部により、オイルを一時的に貯留する堰が形成されることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの潤滑構造。
  3. 前記オイル通路は、上方から下方に向かってオイルを誘導するように形成され、
    前記突出部は、上方に向かって突出し、
    前記突出部の側面は、エンジンカバーによって覆われることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエンジンの潤滑構造。
  4. 前記オイル通路は、カムチェーン室で構成されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のエンジンの潤滑構造。
  5. 前記シャフトは、クランクシャフトで構成され、
    前記回転体は、マグネトロータで構成され、
    前記クランクシャフトの軸方向において、前記マグネトロータと前記突出部の間には、スタータワンウェイクラッチ及びスタータクラッチギヤが配置されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のエンジンの潤滑構造。
  6. 前記突出部の突出長は、前記カムチェーン室内に配置されるカムチェーンガイドによって規制されることを特徴とする請求項4に記載のエンジンの潤滑構造。
  7. 前記切欠きの幅は、前記突出部の突出長よりも小さいことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載のエンジンの潤滑構造。
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