JP3134676B2 - 車両用エンジンのオイル戻し通路構造 - Google Patents

車両用エンジンのオイル戻し通路構造

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JP3134676B2
JP3134676B2 JP06218995A JP21899594A JP3134676B2 JP 3134676 B2 JP3134676 B2 JP 3134676B2 JP 06218995 A JP06218995 A JP 06218995A JP 21899594 A JP21899594 A JP 21899594A JP 3134676 B2 JP3134676 B2 JP 3134676B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用エンジンのオイ
ル戻し通路構造に関し、詳しくは、クランクケース下部
のオイルパンからシリンダーヘッド部内にオイルを送
り、このオイルを前記オイルパンに戻すオイル循環構造
を有する車両用エンジンのオイル戻し通路構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動二輪車(車両の一例)用4
サイクルエンジン、例えば図10および図11に示す油
冷エンジンaにおいては、オイルクーラーbで冷却され
たオイルが、パイプcによってシリンダーヘッド部d内
に送られ、シリンダーヘッド部d内の動弁機構を構成す
るカムシャフトeの油路e1を通って、カムジャーナル
やロッカーアームのスリッパー面等を潤滑・冷却した
後、別体のオイルリターンパイプfを介して、クランク
ケースg内に戻されるようになっている。すなわち、オ
イルリターンパイプfは、その一端がシリンダーヘッド
部dの側部かつ下部に接続され、他端がクランクケース
g下端部のオイルパンg1の側壁に接続されており、シ
リンダーヘッド部d内のオイルは、外部配管でオイルパ
ンg1内に送られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図10
および図11に示す油冷エンジンaにおいては、シリン
ダー部hやクランクケースgとは別体のオイルリターン
パイプfを必要とするため、その分オイル通路構造がコ
スト高になってしまう。また、オイルリターンパイプf
がエンジンa外部に露出しエンジンaの外観に影響を与
えてしまっている。また、外部配管であるオイルリター
ンパイプfの配管作業が必要なため、エンジンaの組み
立ての作業性が悪くなる問題点もある。これと同時に、
エンジンaが大型化し、さらにはエンジンaの周囲にお
ける部品の配置が制約を受けるという問題も生じる。
【0004】そこで、図11においてシリンダー部hの
右側壁h1に形成されたカムチェーン室iをオイル戻し
通路として利用することが考えられる。しかしながら、
カムチェーン室iを通してシリンダーヘッド部dからク
ランクケースg内にオイルを戻す場合、カムチェーン室
i内をオイルが自然落下する際にオイルがカムチェーン
jに接触し加熱される恐れがあり、また、この接触によ
りオイルが撹拌されてメカロスが生じてしまう恐れもあ
る。さらに、カムチェーン室iの前方にはオイルクーラ
ーbが配置されているため、このオイルクーラーbによ
って走行風が妨げられてカムチェーン室i内のオイルの
冷却効果が悪くなるという問題もある。
【0005】本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなさ
れたものであって、エンジンの外観に影響を与えること
なく安価な構成でオイルをオイルパンに戻すと共に、外
部配管を必要とせずにエンジンの周囲における部品のレ
イアウトの自由度を向上させ、しかも、エンジンの小型
化およびエンジンの組み立て性の向上が図れ、さらに
は、オイルの撹拌によるメカロス等を無くすと同時にオ
イル冷却の効果を高める車両用エンジンのオイル戻し通
路構造を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するため、次の構成を有する。すなわち、請求項1の
発明は、クランクケース下部のオイルパンから、シリン
ダー部上端に固定したシリンダーヘッド部内にオイルク
ーラーを介してオイルを送り、このオイルを前記オイル
パンに戻すオイル循環構造を有すると共に、前記シリン
ダー部の左右の側壁の一方にカムチェーン室が形成され
た車両用エンジンにおいて、前記オイルクーラーが、前
記シリンダー部の前方かつシリンダー中心に対して前記
カムチェーン室寄りに配置され、前記シリンダー部の左
右の側壁のうち前記カムチェーン室とは反対側の側壁の
内部には、前記シリンダーヘッド部内を潤滑したオイル
を前記オイルパンに戻すためのオイル戻し通路が前記シ
リンダー部と一体に形成されるとともに、このオイル戻
し通路の下部が形成されるマグネトー室内に、前記オイ
ル戻し通路下部をマグネトーおよびクランクシャフトか
ら離隔させるオイルセパレータ離隔部材を設けたことを
特徴とする車両用エンジンのオイル戻し通路構造であ
る。
【0007】また、請求項2の発明は、クランクケース
下部のオイルパンから、シリンダー部上端に固定したシ
リンダーヘッド部内にオイルを送り、このオイルを前記
オイルパンに戻すオイル循環構造を有すると共に、クラ
ンクケースの左右一側の側壁から突出したクランクシャ
フトの軸端部にマグネトーが設けられ、かつ、該マグネ
トーを内包するマグネトーカバーが前記クランクケース
の側壁に取り付けられてマグネトー室が形成された車両
用エンジンにおいて、前記シリンダー部の左右の側壁の
うち前記マグネトー側の側壁の内部には、前記シリンダ
ーヘッド部内を潤滑したオイルを前記クランクケースと
の合わせ面に導く第1のオイル戻し通路が前記シリンダ
ー部と一体に形成され、前記合わせ面における前記第1
のオイル戻し通路の開口部と前記マグネトー室の内部と
を連通する第2のオイル戻し通路が前記クランクケース
上部に一体形成されると共に、前記マグネトー室内にお
ける前記クランクケースの側壁の下端部には、前記マグ
ネトー室と前記オイルパンとを連通する連通孔が開口さ
れ、クランクケースの前記一側の側壁と前記マグネトー
との間には、クランクシャフト軸方向視で概略円環形状
を呈して前記クランクシャフトに遊嵌されたオイルセパ
レーターが配設されることにより、該オイルセパレータ
ーと前記クランクケースの側壁との間には、前記第2の
オイル戻し通路から前記マグネトー室内に導かれたオイ
ルを、前記クランクシャフトおよび前記マグネトーから
離隔させた状態で前記連通孔の開口部に導く概略円環状
の第3のオイル戻し通路が設けられたことを特徴とする
車両用エンジンのオイル戻し通路構造である。
【0008】
【作用】本発明によれば、前記シリンダーヘッド部内を
潤滑したオイルを前記オイルパンに戻すオイル戻し通路
が前記シリンダー部と一体に形成されているので、シリ
ンダーヘッド部内のオイルが前記オイル戻し通路を介し
て自然落下でクランクケース下部のオイルパンに戻る。
したがって、エンジン外部に別部品で通路を設けること
なく、オイル戻し通路が構成されるので、エンジンの外
観が影響されず、しかも、外部配管が不要であるので安
価にオイル戻し通路が構成される。
【0009】また、外部配管を必要としないため、エン
ジンの周囲における部品のレイアウトの自由度が大きく
なると共に、エンジンの小型化およびエンジンの組み立
て性の向上が図れる。
【0010】また、カムチェーン室とは反対側のシリン
ダー部の側壁にオイル戻し通路が設けられているので、
オイルとカムチェーンとが接することはなく、オイルの
撹拌によるメカロスやオイルの加熱が生じない。
【0011】また、前記オイルクーラーが前記シリンダ
ー部の前方かつシリンダー中心に対して前記カムチェー
ン室寄りに配置されるので、オイル戻し通路がある側壁
の前方には、オイルクーラーが存在せず、このため、走
行風は妨げられることなくオイル戻し通路側の側壁に直
接当たるようになる。したがって、オイル戻し通路にお
けるオイルの冷却効果が高まる。
【0012】請求項2によれば、シリンダーヘッド部内
のオイルは、前記第1のオイル戻し通路および第2のオ
イル戻し通路を介してマグネトー室内の上部に達した
後、前記第3のオイル戻し通路を通って、前記連通孔の
開口部に到達する。この際、オイルは、前記セパレータ
ーによって前記クランクシャフトおよび前記マグネトー
から離隔された状態で流れるため、マグネトーのロータ
ー部やスタータードリブンギヤ等の回転体の影響を全く
受けずにオイルパンにスムーズに戻る。したがって、前
記回転体との接触により生じるオイルのエアー吸い込み
やメカロス等が発生することはない。
【0013】これに対して、マグネトー室内において単
に自由落下でオイルを戻す場合は、オイルが前記回転体
に接触しながら自然落下することになり、オイル戻り性
が悪くなる、あるいは、メカロス等が発生してしまう恐
れもある。
【0014】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の車両用エンジ
ンの一実施例について説明する。本実施例は、本発明を
自動二輪車用油冷4サイクルエンジンに適用したもので
ある。なお、本実施例において、左・右とは、車両進行
方向に対しての左側・右側のことをいう。図1は本実施
例に係る4サイクルエンジンの全体構成を背面から見た
垂直断面図、図2は該エンジンの左側面図、図3は左側
のクランクケースの左側面図、図4は図3のA矢視平面
図である。なお、図1は、断面図であるが図面簡略化の
ため各部のハッチングを省略してある。
【0015】図5は本実施例に係るセパレーターの左側
面図、図6はマグネトーを外した状態のエンジン下部を
概略的に示す左側面図である。図7は、図6におけるVI
I-VII断面図、図8は、図6におけるVIII-VIII断面図で
ある。図9は、図7におけるB部詳細図である。
【0016】本実施例に係る自動二輪車には、図1およ
び図2に示すように、車体フレーム(図示略)に支持さ
れたエンジン2が搭載されており、このエンジン2は、
クランクケース4と、このクランクケース4の前寄りの
上部に締着されたシリンダー部8と、このシリンダー部
8上端に締着されたシリンダーヘッド部10とを有す
る。これら3部品の組み付けには、例えば平面視でシリ
ンダー部8の四隅に上下にスタッドボルト等を挿通す
る。
【0017】エンジン2の各部の構成を説明する。クラ
ンクケース4は、左側のクランクケース4Lと右側のク
ランクケース4Rとの側縁部を締着してなる左右割れ
(左右分割型)であり、クランクケース4L,4Rそれ
ぞれの側壁4L1,4R1には、ボールベアリング32
を介してクランクシャフト16が回転自在に支持されて
いる。また、クランクケース4の下部には潤滑・冷却用
オイルが貯溜されたオイルパン6が形成されており、こ
のオイルパン6のオイルは、ストレーナーでろ過される
と共にエンジン2の各部にオイルポンプで圧送されるよ
うになっている。
【0018】また、左側のクランクケース4Lの側壁4
L1からはクランクシャフト16の左側軸端部が突出
し、該軸端部には、クランクシャフト16の回転に伴っ
て発電を行うマグネトー18が設けられると共に、マグ
ネトー18を内包するマグネトーカバー20が側壁4L
1に取り付けられてマグネトー室22が形成されてい
る。マグネトーカバー20と側壁4L1との組み付け
は、側壁4L1に突出形成されたフランジ部4L2にマ
グネトーカバー20の右側縁部を突き合わせた状態でボ
ルト20aによって締着するようにする。
【0019】マグネトー18は、ボルト16aによりク
ランクシャフト16に固定されクランクシャフト16と
共に回転するローター部18aと、このローター部18
aの内側空間に収納されマグネトーカバー20にボルト
18b1で固定されたステーター部18bとからなる。
また、クランクシャフト16の軸端部であってマグネト
ー18と側壁4L1との間には、セルモーター44等で
駆動されるスタータードリブンギヤ46がワンウェイク
ラッチ46aと共に空転可能に挿着されている。
【0020】シリンダー部8は、その上部が前方にかつ
その下部が後方に位置するようにやや前傾しており、そ
の内周壁では、下端部がクランクシャフト16に取り付
けられたピストン部材34が摺動するようになってい
る。また、シリンダー部8の右側壁8R(左右の側壁の
一方に相当)には、横断面矩形のカムチェーン室14が
上下方向に沿って一体形成されている。
【0021】シリンダーヘッド部10は、その上部にカ
ムシャフト36が回動自在に支持されたものであり、こ
のカムシャフト36の右側の軸端部には、カムチェーン
14aが巻掛けられたスプロケット14bが取り付けら
れている。
【0022】次に、エンジン2におけるオイル戻し構造
について説明する。エンジン2には、クランクケース4
下部のオイルパン6からシリンダーヘッド部10内にオ
イルクーラー12を介してオイルを送り、このオイルを
オイルパン6に戻すオイル循環構造が備えられている。
【0023】オイルクーラー12は、車両背面視(図1
参照)で縦長のほぼ長方形形状を呈するものであって、
シリンダー部8の前方、かつ、シリンダー中心線Cに対
してカムチェーン室14寄りに偏在しており、車両背面
視において、オイルクーラー12の左側縁は、シリンダ
ー部8の内壁の右側縁と略重なるように位置されてい
る。
【0024】また、オイルクーラー12とシリンダーヘ
ッド部10の右側壁とは、パイプ38で連結され、この
パイプ38によってオイルクーラー12からシリンダー
ヘッド部10内にオイルが供給される。そして、シリン
ダーヘッド部10の内部には、その上壁に形成された横
孔および左側壁に形成された縦孔からなるオイル誘導孔
40が設けられており、このオイル誘導孔40によっ
て、オイルはカムシャフト36の左軸端に誘導される。
また、カムシャフト36には、その中心軸に沿って形成
されオイル誘導孔40の出口に連なるオイル孔36aが
設けられている。さらに、カムシャフト36の下側に
は、オイル孔36aを通り抜けたオイルをシリンダーヘ
ッド部10の左側壁とシリンダー部8の左側壁8Lとの
合わせ面に導くオイル通路42が形成されている。
【0025】そして、本実施例のオイル戻し通路構造
は、図1ないし図4に示すように、シリンダー部8の左
側壁8L(マグネトー側の側壁に相当)の内部に、オイ
ル通路42からのオイルをクランクケース4Lとの合わ
せ面4L3に導く第1のオイル戻し通路(請求項1にお
けるオイル戻し通路に相当)24がシリンダー部8と一
体に形成されたものである。また、この合わせ面4L3
における第1のオイル戻し通路24の開口部とマグネト
ー室22の内部とを連通する第2のオイル戻し通路26
がクランクケース4L上部に一体形成され、さらに、マ
グネトー室22内におけるクランクケース4Lの側壁4
L1の下端部には、マグネトー室22とオイルパン6と
を連通する連通孔28が開口されている。
【0026】また、当該オイル戻し通路構造において、
側壁4L1とスタータードリブンギヤ46との間(クラ
ンクケースの側壁とマグネトーとの間の一例)には、ク
ランクシャフト軸方向視で概略円環形状を呈してクラン
クシャフト16に挿通したオイルセパレーター30(図
5参照)が配設されることにより、オイルセパレーター
30と側壁4L1との間には、図6〜図8に示すよう
に、第2のオイル戻し通路26からマグネトー室22内
に導かれたオイルをクランクシャフト16およびマグネ
トー18から離隔させた状態で連通孔28の開口部28
aに導く概略円環状の第3のオイル戻し通路31が設け
られている。
【0027】第1のオイル戻し通路24および第2のオ
イル戻し通路26は、それぞれシリンダー部8の左側壁
8Lおよびクランクケース4L上部における前後の二つ
のスタッドボルト間に形成してある。なお、図4におい
て符号48で示すものは、前記スタッドボルトの下端部
が螺合される雌ネジ孔である。
【0028】セパレーター30は、図5に示すように、
概略円環形状を呈するものであって、外縁部30a、内
縁部30bおよびそれらの間の円環部30dから構成さ
れる。
【0029】外縁部30aおよび内縁部30bそれぞれ
には、図9に示すように、マグネトー18およびクラン
クシャフト16に向けて僅かに屈曲した環状の屈曲部3
0a1および屈曲部30b1が形成されている。また、
外縁部30aの下端部には、側面視で前記連通孔28の
開口部28aに重なるように形成された凹み部30c
(図5参照)が設けられている。また、円環部30d
は、車両背面視において側壁4L1に向けて皿状に凹ん
でおり、前記スタータードリブンギヤ46の内側面形状
に沿った形状を呈する。
【0030】外縁部30aの屈曲部30a1は、図9に
示すように、その外径D1がフランジ部4L2の内径と
略同じ寸法に設定され、フランジ部4L2の内段部4L
2’に当接するようになっている。また、内縁部30b
の屈曲部30b1は、その内径d1がクランクシャフト
孔4L5の内径と略同じ寸法にされ、クランクシャフト
16の周囲の側壁4L1に当接している。
【0031】円環部30dには、図5に示すように、そ
の周方向に略等間隔で三つのビス挿通孔30d1が設け
られる一方、図3に示すように、このビス挿通孔30d
1に対応した側壁4L1の部位には、雌ネジ孔4L4が
設けられており、セパレーター30は、図6に示すよう
に、ビス50をビス挿通孔30d1に通して雌ネジ孔4
L4に螺合することにより、クランクケース4Lに締着
される。しかして、外縁部30aおよび内縁部30bそ
れぞれがフランジ部4L2および側壁4L1に密接した
状態で、セパレーター30はクランクシャフト軸方向視
で円環形状の第3のオイル戻し通路31をクランクシャ
フト16周りに形成する。
【0032】以上のような構成を有する本実施例によれ
ば、シリンダーヘッド部10内のオイルは、次のような
経路でクランクケース4下部のオイルパン6に戻され
る。
【0033】まず、シリンダーヘッド部10上部でカム
シャフト36内のオイル孔36aを通って各部を潤滑・
冷却したオイルは、オイル通路42を介して燃焼室上方
を通り、シリンダーヘッド部10の左側に向けて流れる
と共に第1のオイル戻し通路24に導かれる。第1のオ
イル戻し通路24に流入したオイルは、自然落下でクラ
ンクケース4Lの合わせ面4L3を通過し、第2のオイ
ル戻し通路26によりマグネトー室22に入る。そし
て、マグネトー室22内に入ったオイルは、閉鎖された
第3のオイル戻し通路31を通ることによりクランクシ
ャフト16の前側あるいは後ろ側を流れて、連通孔28
の開口部28aに流下しオイルパン6に戻る(図6参
照)。
【0034】したがって、本実施例によれば、エンジン
2外部に別部品で通路を設けることなくオイル戻し通路
構造が構成されるので、エンジン2の外観が向上すると
共に、外部配管が不要なために安価にオイル戻し通路を
構成することができる。
【0035】また、外部配管を必要としないためにエン
ジン2の周囲における部品のレイアウトの自由度を向上
させることができる共に、エンジンの小型化およびエン
ジンの組み立て性を向上させることができる。
【0036】また、カムチェーン室14とは反対側のシ
リンダー部8の側壁8Lに第1のオイル戻し通路24が
設けられているので、オイルがカムチェーン14a等と
接することもなく、オイルの撹拌によるメカロスやオイ
ルの加熱が生じることもない。
【0037】また、オイルクーラー12がシリンダー部
8の前方かつシリンダー中心線Cに対してカムチェーン
室14寄りに配置されるので、第1のオイル戻し通路2
4がある側壁8Lの前方には、オイルクーラーが存在せ
ず、このため、走行風は妨げられることなく第1のオイ
ル戻し通路24側の側壁8Lに直接当たるようになる。
したがって、第1のオイル戻し通路24におけるオイル
の冷却効果を高めることができる。
【0038】また、シリンダーヘッド部10内のオイル
は、セパレーター30によってクランクシャフト16、
スタータードリブンギヤ46およびマグネトー18から
離隔された状態で流れるため、回転体の影響を全く受け
ずにオイルパン6にスムーズに戻る。したがって、回転
体との接触により生じるオイルのエアー吸い込みやメカ
ロス等が発生することもない。
【0039】これに対して、セパレーター30を配設し
ない場合は、マグネトー18等の回転体に接触しながら
自然落下することになり、オイル戻り性が悪くなり、ま
たメカロス等も発生してしまう恐れがある。
【0040】なお、本実施例は、本発明の好適な実施の
態様であり、本発明の技術的範囲はこの実施例に限定さ
れない。例えば、本実施例では、本発明のオイル戻し通
路構造を油冷エンジンに適用したが、本発明は、主に動
弁装置の潤滑用としてシリンダーヘッド部内にオイルを
送る4サイクルエンジンにも適用可能である。また、本
発明の技術的範囲は、自動二輪車の分野に限られること
なく、四輪または三輪等の車両の分野を含むものであ
る。
【0041】
【発明の効果】以上の説明の通り、本発明によれば、エ
ンジンの外観に影響を与えることなく安価な構成でオイ
ルをオイルパンに戻すことができると共に、外部配管を
必要とせずにエンジンの周囲における部品のレイアウト
の自由度を向上させることができる。また、エンジンの
小型化およびエンジンの組み立て性の向上が図れ、さら
には、オイルの撹拌によるメカロス等を無くすことがで
きると同時にオイルの冷却効果を高めることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る4サイクルエンジンの全体構成
を背面から見た垂直断面図である。
【図2】本実施例に係る4サイクルエンジンの左側面図
である。
【図3】本実施例に係る左側のクランクケースの左側面
図である。
【図4】図3のA矢視平面図である。
【図5】本実施例に係るセパレーターの左側面図であ
る。
【図6】本実施例においてマグネトーおよびスターター
ドリブンギヤを外した状態のエンジン下部を概略的に示
す左側面図である。
【図7】図6におけるVII-VII断面図である。
【図8】図6におけるVIII-VIII断面図である。
【図9】図7におけるB部詳細図である。
【図10】従来のオイル戻し構造を示す油冷エンジンの
側面図である。
【図11】従来のオイル戻し構造を示す油冷エンジンの
垂直断面図である。
【符号の説明】
2 自動二輪車用エンジン(車両用エンジンの一
例) 4 クランクケース 4L 左側のクランクケース 4L1 左側クランクケースの側壁(クランクケース
の一側の側壁あるいはマグネトー側の側壁に相当) 4L3 クランクケースとの合わせ面 4R 右側のクランクケース 6 オイルパン 8 シリンダー部 8L シリンダー部の左側壁(カムチェーン室とは
反対側の側壁に相当) 8R シリンダー部の右側壁 10 シリンダーヘッド部 12 オイルクーラー 14 カムチェーン室 16 クランクシャフト 18 マグネトー 20 マグネトーカバー 22 マグネトー室 24 第1のオイル戻し通路 26 第2のオイル戻し通路 28 連通孔 28a 連通孔の開口部 30 オイルセパレーター 31 第3のオイル戻し通路 C シリンダー中心線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01M 1/06 F01M 5/00 F01M 11/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランクケース下部のオイルパンから、
    シリンダー部上端に固定したシリンダーヘッド部内にオ
    イルクーラーを介してオイルを送り、このオイルを前記
    オイルパンに戻すオイル循環構造を有すると共に、前記
    シリンダー部の左右の側壁の一方にカムチェーン室が形
    成された車両用エンジンにおいて、 前記オイルクーラーが、前記シリンダー部の前方かつシ
    リンダー中心に対して前記カムチェーン室寄りに配置さ
    れ、 前記シリンダー部の左右の側壁のうち前記カムチェーン
    室とは反対側の側壁の内部には、前記シリンダーヘッド
    部内を潤滑したオイルを前記オイルパンに戻すためのオ
    イル戻し通路が前記シリンダー部と一体に形成されると
    ともに、 このオイル戻し通路の下部が形成されるマグネトー室内
    に、前記オイル戻し通路下部をマグネトーおよびクラン
    クシャフトから離隔させるオイルセパレータを設けたこ
    とを特徴とする車両用エンジンのオイル戻し通路構造。
  2. 【請求項2】 クランクケース下部のオイルパンから、
    シリンダー部上端に固定したシリンダーヘッド部内にオ
    イルを送り、このオイルを前記オイルパンに戻すオイル
    循環構造を有すると共に、クランクケースの左右一側の
    側壁から突出したクランクシャフトの軸端部にマグネト
    ーが設けられ、かつ、該マグネトーを内包するマグネト
    ーカバーが前記クランクケースの側壁に取り付けられて
    マグネトー室が形成された車両用エンジンにおいて、 前記シリンダー部の左右の側壁のうち前記マグネトー側
    の側壁の内部には、前記シリンダーヘッド部内を潤滑し
    たオイルを前記クランクケースとの合わせ面に導く第1
    のオイル戻し通路が前記シリンダー部と一体に形成さ
    れ、 前記合わせ面における前記第1のオイル戻し通路の開口
    部と前記マグネトー室の内部とを連通する第2のオイル
    戻し通路が前記クランクケース上部に一体形成されると
    共に、前記マグネトー室内における前記クランクケース
    の側壁の下端部には、前記マグネトー室と前記オイルパ
    ンとを連通する連通孔が開口され、 クランクケースの前記一側の側壁と前記マグネトーとの
    間には、クランクシャフト軸方向視で概略円環形状を呈
    して前記クランクシャフトに遊嵌されたオイルセパレー
    ターが配設されることにより、該オイルセパレーターと
    前記クランクケースの側壁との間には、前記第2のオイ
    ル戻し通路から前記マグネトー室内に導かれたオイル
    を、前記クランクシャフトおよび前記マグネトーから離
    隔させた状態で前記連通孔の開口部に導く概略円環状の
    第3のオイル戻し通路が設けられたことを特徴とする車
    両用エンジンのオイル戻し通路構造。
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