JP6911475B2 - エンジン及び車両 - Google Patents

エンジン及び車両 Download PDF

Info

Publication number
JP6911475B2
JP6911475B2 JP2017076020A JP2017076020A JP6911475B2 JP 6911475 B2 JP6911475 B2 JP 6911475B2 JP 2017076020 A JP2017076020 A JP 2017076020A JP 2017076020 A JP2017076020 A JP 2017076020A JP 6911475 B2 JP6911475 B2 JP 6911475B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
engine
clutch
cover
starter
release mechanism
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017076020A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018178786A (ja
Inventor
耕平 塚本
耕平 塚本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suzuki Motor Co Ltd
Original Assignee
Suzuki Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suzuki Motor Co Ltd filed Critical Suzuki Motor Co Ltd
Priority to JP2017076020A priority Critical patent/JP6911475B2/ja
Publication of JP2018178786A publication Critical patent/JP2018178786A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6911475B2 publication Critical patent/JP6911475B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Lubrication Details And Ventilation Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

本発明は、エンジン及び車両に関する。
一般に自動二輪車のエンジンにおいては、エンジンカバーに用いられる材料として、アルミニウムやマグネシウムが主流である。エンジンカバーとしては、例えば、クランクケース内に配置されるクラッチ機構を覆うクラッチカバーが挙げられる(特許文献1参照)。
特許文献1において、クラッチカバーは、単にクラッチ機構を覆うだけでなく、クラッチ機構の動力断接を切替えるクラッチレリーズ機構を支持する役割も果たす。
特開2016−109287号公報
ところで、エンジンを構成する部材のほとんどが金属製であるため、エンジンの重量増加の要因となっている。また、上記のように、クラッチカバーに複数の機能を持たせるため、クラッチカバーの強度や剛性を上げる場合には、肉厚を大きくしたり、補強用のリブを追加したりすることが考えられる。これによっても、エンジンの重量増加の要因と成り得る。更に、金属製のクラッチカバーは剛性が高く、エンジンから発生する振動と共振周波数が近い傾向にある。このため、共振によってクラッチカバー自体が振動してしまい、当該振動に起因したエンジン騒音が問題となる。
本発明は係る点に鑑みてなされたものであり、エンジンを軽量化することができ、エンジン騒音を抑制することが可能なエンジン及び車両を提供することを目的とする。
本発明の一態様のエンジンは、エンジンケースの左右一方側に配置されるクラッチと、前記エンジンケースの左右他方側に配置されるマグネトと、前記クラッチを覆うクラッチカバーと、前記マグネトを覆うマグネトカバーと、前記クラッチの断接を切り替え可能なクラッチレリーズ機構と、を備え、前記クラッチレリーズ機構は、前記マグネトカバーに設けられ、前記マグネトカバーは、スタータモータの動力をクランクシャフトに伝達するスタータアイドルギヤの軸受部を有し、前記クラッチカバーは、樹脂材料で形成され、前記クラッチレリーズ機構は、前記軸受部よりもエンジン外側に設けられており、エンジン側面視で、前記スタータアイドルギヤと重なっていることを特徴とする。
本発明によれば、エンジンを軽量化することができ、エンジン騒音を抑制することができる。
本実施の形態に係る自動二輪車の概略構成を示す左側面図である。 本実施の形態に係るエンジンの正面図である。 本実施の形態に係るエンジンの左側面図である。 図3に示すエンジンからマグネトカバー及びマグネトの一部構成を取り外した場合の左側面図である。 本実施の形態に係るエンジンの右側面図である。 本実施の形態に係るマグネトカバーの裏面図である。 本実施の形態に係るクラッチカバーの裏面図である。 本実施の形態に係る自動二輪車の正面図である。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。なお、以下においては、本発明をスポーツタイプの自動二輪車(車両)に適用した例について説明するが、適用対象はこれに限定されることなく変更可能である。例えば、本発明を他のタイプの自動二輪車や、バギータイプの自動三輪車、自動四輪車等に適用してもよい。また、方向について、車両前方を矢印FR、車両後方を矢印RE、車両左方を矢印L、車両右方を矢印Rでそれぞれ示す。また、以下の各図では、説明の便宜上、一部の構成を省略している。
図1を参照して、本実施の形態に係る自動二輪車の概略構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る自動二輪車の概略構成を示す左側面図である。
図1に示すように、自動二輪車1は、パワーユニット、電装系等の各部を搭載する車体フレーム10にエンジン2を懸架して構成される。エンジン2は、例えば、並列2気筒の水冷式エンジンで構成される。エンジン2は、左右に延びるクランクシャフト40(図4参照)等が収容されるクランクケース20の上部に、シリンダブロック21、シリンダヘッド22及びシリンダヘッドカバー23(詳細は図2から図5参照)を取り付けて構成される。また、クランクケース20の下部には、オイルパン24(図2から図5参照)が設けられる。なお、本実施の形態では、クランクケース20、シリンダブロック21、シリンダヘッド22、シリンダヘッドカバー23及びオイルパン24を合わせてエンジンケースと呼ぶことにする。また、エンジンの詳細構成については後述する。
車体フレーム10は、例えば金属パイプを溶接して形成されるダイヤモンドフレームであり、上記のようにエンジン2を懸架することで、車体全体として剛性が得られるように構成される。車体フレーム10は、ヘッドパイプ10aから後下方に向かって延在している。車体フレーム10の前半部分には、エンジン2の前側(シリンダヘッド22)を支持するブラケット部10bが形成されている。車体フレーム10の後部には、スイングアーム18の揺動軸となるピボット部10cが形成されている。
車体フレーム10の前後方向の略中央部分には、後方に向かって延びるシートレール10dが設けられている。また、ピボット部10cの上方の車体フレーム10には、後上方に向かって延びるバックステー10eが設けられている。車体フレーム10の上方には、燃料タンク11が設けられ、燃料タンク11の後方には、シートレール10dに沿ってライダーシート12及びピリオンシート13が設けられる。ヘッドパイプ10aの周辺はフロントカウル14によって覆われ、エンジン2の前下方はアンダーカウル15によって覆われる。
ヘッドパイプ10aには、ステアリングシャフト(不図示)を介して左右一対のフロントフォーク16が操舵可能に支持される。フロントフォーク16の上部には、ハンドルバー30が設けられている。ハンドルバー30の右端側には、フロントブレーキレバー31(図8参照)が設けられ、ハンドルバー30の左端側には、クラッチレバー32が設けられる。フロントフォーク16の下部には前輪17が回転可能に支持されており、前輪17の上方はフロントフェンダ17aによって覆われる。
スイングアーム18は、ピボット部10cに揺動可能に支持され、後方に向かって延びている。スイングアーム18の後端には後輪19が回転可能に支持されている。ピボット部10cの下方には、左右に突出する一対のフートレスト33(図8参照)が設けられる。また、右側のフートレスト33の近傍には、リヤブレーキペダル34(図8参照)が設けられる。更に、エンジン2の左側には、サイドスタンド35(図8参照)が設けられる。
ところで、自動二輪車のエンジンにおいては、エンジンカバーに用いられる材料として、アルミニウムやマグネシウム等の金属材料が主流である。例えば、クランクケース内には、回転体としてクラッチが収容されており、当該クラッチを覆うようにエンジンカバーとしてクラッチカバーが設けられる。通常、クラッチカバーは、単にクラッチを覆うだけでなく、その周辺部品を収容又は支持するように構成される。例えば、クラッチカバーには、クラッチの動力断接を切替えるクラッチレリーズ機構が設けられることがある。
また、クラッチカバーは、エンジンの側面に設けられ、外部に露出される部品であるため、ある程度の強度が必要とされている。上記したように、クラッチカバーに複数の役割を持たせたり、強度や剛性を上げる場合には、肉厚を大きくしたり、補強用のリブを追加したりすることが考えられる。この結果、金属製のクラッチカバーの重量が増え、エンジン全体としての重量増加の要因と成り得る。
また、金属製のクラッチカバーの場合、エンジンから発生する振動と共振周波数が近い傾向にある。このため、クラッチカバーがエンジンの振動を受けて共振してしまい、エンジン騒音の要因と成り得る。単純に、クラッチカバーの材質を変更することも考えられるが、クラッチカバーの強度や剛性との両立を考慮すると、材質の変更だけでは上記課題を解決することは難しい。
そこで、本件発明者は、エンジンカバーの周辺に配置される構成部品のレイアウトに着目し、エンジンを軽量化すると共に、エンジン騒音を抑制することを着想した。すなわち、本発明の骨子は、エンジンの左右一方側に偏って配置される回転体に対して、回転体の反対側であるエンジンカバーの他方側にその周辺部品を配置し、回転体を覆うエンジンカバーを樹脂材料で形成することである。
具体的に本実施の形態では、エンジン2の左側にクラッチ41を配置する一方、エンジン2の右側にマグネト42を配置している。また、クラッチ41に対する動力伝達の断接を切り替え可能なクラッチレリーズ機構43(図3参照)を、クラッチ41とは反対側のマグネト42側(右側)に配置した。これにより、クラッチ41を覆うクラッチカバー6は、単にクラッチ41を覆うカバーとしての役割のみを果たせばよくなるので、単純な構成とすることが可能である。この結果、従来ほど強度や剛性を必要とすることがなくなった。
よって、クラッチカバー6を樹脂材料で形成することで、クラッチカバー6自体の重量を抑え、エンジン2の全体の重量を低減することが可能になった。また、クラッチカバー6の材質を樹脂にしたことで、クラッチカバー6の共振周波数をエンジン固有の共振周波数から大きく外すことができ、クラッチカバー6自体の振動を抑制することが可能になった。これらにより、エンジンを軽量化してコストダウンすること、エンジン騒音を抑制することを両立することが可能になった。
次に、図2から図5を参照して、本実施の形態に係るエンジンについて説明する。図2は、本実施の形態に係るエンジンの正面図である。図3は、本実施の形態に係るエンジンの左側面図である。図4は、図3に示すエンジンからマグネトカバー及びマグネトの一部構成を取り外した場合の左側面図である。図5は、本実施の形態に係るエンジンの右側面図である。
図2から図5に示すように、エンジンケースの一部を構成するクランクケース20は、上下割で構成され、上ケース20aと下ケース20bとを有している。上ケース20aと下ケース20bとを合わせることにより、クランクケース20内に各種軸を収容する空間が形成される。図4に示すように、側面視で上ケース20a及び下ケース20bの合わせ面略中央には、クランクシャフト40が配置されている。
上ケース20aの前側上部は開口されており、この開口を塞ぐように上ケース20aにはシリンダブロック21が取り付けられる。下ケース20bは下方に開口されており、この開口を塞ぐように下ケース20bにはオイルパン24が取り付けられる。特にエンジン2は、シリンダブロック21の軸線が鉛直方向に対して前側に傾くように配置されている。
また、下ケース20bの前部には、エンジン2内のオイルを冷却するオイルクーラ25と、汚れたオイルをろ過するオイルフィルタ26が取り付けられている。オイルクーラ25及びオイルフィルタ26は左右に並んで配置され、オイルクーラ25に対してオイルフィルタ26が左側に設けられている。
クランクケース20の左右両側には、それぞれ開口が形成されている。左側の開口内には、回転体としてマグネト42が収容(配置)されている。また、当該マグネト42を覆うエンジンカバーとして、左側の開口にはマグネトカバー5が取り付けられる。一方、クランクケース20の右側の開口内には、回転体としてクラッチ41が収容(配置)されている。また、当該クラッチ41を覆うエンジンカバーとして、右側の開口にはクラッチカバー6が取り付けられる。
マグネト42は、クランクシャフト40の左端側に設けられており、内部に設けられるステータ(不図示)に対してマグネトロータ(不図示)が相対回転することで電力を発生させる。発生した電力は、図示しないバッテリの充電に用いられる。また、マグネトカバー5下方のクランクケース20(下ケース20b)側面には、オイル点検窓20cが形成されている。エンジンケース内のオイルレベルは、当該オイル点検窓20cから確認することが可能である。
また、クランクケース20内の後方空間には、変速機(不図示)が収容されている。変速機は、カウンタシャフト(不図示)及びドライブシャフト7のそれぞれに設けられる複数の変速ギヤが常に噛み合った、いわゆる常時噛み合い式の変速機で構成される。ドライブシャフト7の左端は、クランクケース20から突出しており、突出した部分にスプロケット70が設けられる。スプロケット70にはチェーン(不図示)が巻き掛けられ、当該チェーンを介してドライブシャフト7の回転が後輪19(図1参照)に伝達可能となっている。また、ドライブシャフト7の左端側、すなわち、マグネトカバー5後方のクランクケース20左側面には、スプロケット70を覆うスプロケットカバー71が設けられている。
また、図4に示すように、左側面視において、マグネト42の右側(図4の紙面奥側)には、スタータワンウェイクラッチ46が設けられ、スタータワンウェイクラッチ46の右方には、スタータクラッチギヤ47が設けられる。スタータワンウェイクラッチ46は、エンジン始動時に一方向にのみ回転力をクランクシャフト40に伝達可能なクラッチ機構である。なお、スタータワンウェイクラッチ46及びスタータクラッチギヤ47は、クランクケース20内で左側に偏って配置されている。
スタータクラッチギヤ47は、2つのスタータアイドルギヤ44を介してスタータモータ45の駆動ギヤに噛み合っている。2つのスタータアイドルギヤ44及びスタータモータ45は、クランクシャフト40と同一の方向(車幅方向)に延在する軸を有し、スタータクラッチギヤ47の上端から略上方に向かって並んで配置されている。より具体的には、クランクシャフト40、2つのスタータアイドルギヤ44、及びスタータモータ45の各回転軸は、上下に延びる略直線上に位置するように配置されている。
スタータモータ45の回転力は、2つのスタータアイドルギヤ44、スタータクラッチギヤ47及びスタータワンウェイクラッチ46を介してクランクシャフト40に伝達される。具体的に、エンジン2が停止している状態でスタータモータ45が回転駆動されると、スタータワンウェイクラッチ46は、スタータクラッチギヤ47とクランクシャフト40とを一体回転可能に噛み合わせてスタータモータ45の回転力をクランクシャフト40に伝達可能にする。
また、エンジン2が始動した後にスタータモータ45が停止したり、クランクシャフト40の回転数がスタータモータ45の回転数より大きくなると、スタータワンウェイクラッチ46は、スタータクラッチギヤ47及びクランクシャフト40の一体回転を解除し、クランクシャフト40からスタータモータ45にトルクが伝達されるのを防止する。この場合、エンジン始動後のスタータクラッチギヤ47は、惰性によりクランクシャフト40に対して相対回転(空転)し、その後回転が停止される。
このように、スタータモータ45やスタータワンウェイクラッチ46、及びその周辺の各種ギヤ(スタータクラッチギヤ47、スタータアイドルギヤ44、)は、クランクシャフト40等(回転体としてのマグネト42を含む)に対して動力の伝達を可能にする動力伝達機構を構成する。
また、詳細は後述するが、マグネトカバー5には、クラッチ41に対して動力の断接を切り替えるための動力伝達機構として、クラッチレリーズ機構43が設けられている。クラッチレリーズ機構43は、スタータクラッチギヤ47よりも上方に設けられ、側面視で2つのスタータアイドルギヤ44の間に挟まれるように配置されている。
クラッチレリーズ機構43は、乗員のクラッチレバー操作に応じてクラッチ41の断接を切り替えるように構成される。クラッチレリーズ機構43は、例えば、油圧式、カム式、ギヤ式やネジ式の伝達機構でクラッチレバー32(図8参照)の操作力をクラッチ41に伝達する。クラッチ41が接続されることで、クランクシャフト40の回転(動力)を変速機や後輪(共に不図示)に伝達することが可能となる。すなわち、クラッチレリーズ機構43は、クランクシャフト40等(回転体としてのクラッチ41を含む)に対して動力の伝達を可能にする動力伝達機構を構成する。
次に、図3及び図5から図8を参照して、本実施の形態に係るエンジンカバーの詳細構成について説明する。図6は、本実施の形態に係るマグネトカバーの裏面図である。図7は、本実施の形態に係るクラッチカバーの裏面図である。図8は、本実施の形態に係る自動二輪車の正面図である。
図3及び図6に示すように、マグネトカバー5は、クランクケース20の左側開口を塞ぐように構成されており、例えば、アルミニウム合金やマグネシウム合金で強固に形成される。具体的にマグネトカバー5は、主に円形のマグネトを覆う第1カバー部50と、スタータアイドルギヤ44やスタータモータ45を覆う第2カバー部51とによって構成される。
第1カバー部50は、側面視略円形状に形成され、左側面上端近傍にオイル注入口52が設けられている。オイル注入口52には、オイルキャップ53が取り付けられる。マグネトカバー5の裏側において、第1カバー部50の中央には、ステータ(不図示)を取り付けるための取付部54が形成されている。
第2カバー部51は、第1カバー部50の後上方の外周部(円弧部)から後上方に向かって突出するように形成されており、側面視略三角形状を有している。第1カバー部50と第2カバー部51との境界部分及び第2カバー部51の中央には、それぞれスタータアイドルギヤ44の軸を支持する軸受部55が形成されている。軸受部55は、第2カバー部51の底面から円筒状に突出するボスで形成される。
また、第2カバー部51には、クラッチレリーズ機構43を挿入するための挿入部56が形成されている。挿入部56は、2つの軸受部55の間に挟まれるようにして設けられている。また、挿入部56は、2つの軸受部55を結ぶ直線(後述する直線リブ57b)に対して交差する方向に延在する中空円筒形状に形成される。すなわち、挿入部56は、第2カバー部51を2つに分断するように、側面視で後下方に延びている。
また、マグネトカバー5の裏側の底面には、補強用のリブ57が形成されている。具体的にリブ57は、第1カバー部50と略同心に形成される環状リブ57aと、取付部54、軸受部55から放射状に延びる複数の直線リブ57bとによって構成される。また、マグネトカバー5の外周縁には、クランクケース20にボルト締結するための取付穴58が複数形成されている。
図5及び図7に示すように、クラッチカバー6は、クランクケース20の右側開口を塞ぐように構成されており、例えば、金属に比べて軽量な樹脂材料で形成される。樹脂材料としては、ポリアミド(PA)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等の合成樹脂が挙げられる。なお、耐熱性や耐薬品性の観点から、ナイロン等に代表されるポリアミドを樹脂材料として用いることが好ましい。
クラッチ41は、クランクケース20の右側開口内で、上側に偏って配置されており、クランクシャフト40の後上方に位置している。クラッチカバー6は、右側開口の上半部を覆う第1カバー部60と、右側開口の下半部を覆う第2カバー部61とによって構成される。
第1カバー部60は、クラッチカバー6の上側部分を構成し、クラッチ41を覆うように側面視略円形状に形成される。また、第1カバー部60は、図2に示す前面視における外面形状が、鉛直方向に平坦な平坦部62で形成される。
第2カバー部61は、クラッチカバー6の下側部分を構成し、第1カバー部60の下端に連なるように形成される。第2カバー部61の表面には、複数のリブ63が形成されている。具体的に複数のリブ63は、第1カバー部60に連なる円弧部分から第2カバー部61の外面形状に沿って下方に延びるように形成されている。
また、第2カバー部61は、前面視における外面形状が、下方に向かうに従ってエンジン幅方向内側に傾斜する傾斜部64(上記した複数のリブ63を含む)で形成される。また、図2に示すように、前面視で平坦部62と傾斜部64との境界がクランクケース20の合わせ面Pに位置している。特に、クラッチカバー6の外面形状を平坦部62から傾斜部64に至る部分で連続的な平面としたことにより、段差が設けられる場合に比べて、振動や騒音の影響を受け難くすることができる。
第1カバー部60(平坦部62)の裏側の底面には、補強用のリブ65が形成されている。具体的にリブ65は、第1カバー部60と略同心に形成される複数の環状リブ65aと、第1カバー部60の中央から放射状に延びる複数の直線リブ65bとによって構成される。リブ65によってクラッチカバー6全体の強度及び剛性が高められている。また、クラッチカバー6の外周縁には、クランクケース20にボルト締結するための取付穴66が複数形成されている。
ところで、クラッチカバー6は樹脂成型されるため、上記のように裏側にリブ65を形成すると表側にヒケが発生するおそれがあり、外観上あまり好ましくない。そこで、本実施の形態では、図5に示すように、ヒケが発生するおそれのある第1カバー部60の表側に、クラッチカバー6とは別体の意匠部品67を設ける構成とした。
具体的には平坦部62の表面に環状溝(不図示)が形成されており、当該環状溝に嵌め込まれるように環状の意匠部品67が取り付けられる。意匠部品67は、例えばクラッチカバー6と同様の樹脂材料で形成され、嵌合、溶着又は接着等によりクラッチカバー6に取り付けられる。意匠部品67を設けることで、ヒケを隠して目立たなくすることが可能である。また、意匠部品67は、例えばクラッチカバー6と異なる色や質感にすることで、外観上、目立ち易くことができる。この結果、意匠性を向上することが可能である。なお、意匠部品67の材質は、樹脂材料に限定されず、適宜変更が可能である。意匠部品67は、例えば金属材料で形成されてもよい。
また、意匠部品67は、環状に限らず、その形状は適宜変更が可能である。上記のように、クラッチカバー6及び意匠部品67を樹脂成型品としたことで、形状やデザインに自由度が得られる。例えば、クラッチカバー6の形状はそのままで、意匠部品67のデザインを変えるだけでクラッチカバー6全体の外観、更にはエンジン2全体の外観を容易に変更することが可能である。
また、図8に示すように、クラッチカバー6の下半部(傾斜部64)を車両内側に絞ったことで、前面視におけるクラッチカバー6の外面を、ハンドルバー30とフートレスト33のそれぞれの端部を結んだ直線Lよりも車両内側に配置することが可能である。これにより、例えば自動二輪車1が右側に転倒した際に、クラッチカバー6が直接地面に接触することを防止することが可能である。
また、エンジン2の左側(マグネトカバー5側)にサイドスタンド35が設けられることで、駐車時に自動二輪車1が左側に傾けられると、クラッチカバー6の表面(平坦部62)が上に向けられ、人の視線に入り易くなる。また、クラッチカバー6は、エンジン2の右側を広範囲で覆うため、形状の一体感を持たせることができる。よって、外観を大きく主張して車両としての見栄えを向上することが可能である。また、エンジン2の右側を広範囲で覆っても、クラッチカバー6が樹脂材料で形成されているため、重量増加を抑えることができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、エンジン2の左側にマグネト42及びマグネトカバー5を配置し、その周辺構成として、クラッチレリーズ機構43、スタータアイドルギヤ44、オイル注入口52(オイルキャップ53)、オイル点検窓20c等の機能的な構成をマグネトカバー5側に集中して配置した。これにより、マグネトカバー5とは反対側の右側に配置されるクラッチカバー6をカバーとしての機能のみで構成することができ、単純な形状にすることが可能になった。よって、従来に比べてクラッチカバー6に強度や剛性を考慮する必要がなくなり、クラッチカバー6を樹脂材料で形成することが可能になった。この結果、エンジン2の軽量化と振動の抑制とを実現することが可能になった。また、クラッチカバー6を樹脂材料で形成したことにより、形状に自由度が得られ、容易に設計変更をすることが可能になった。これにより、エンジン2の外観意匠性も向上することが可能になった。
なお、上記実施の形態では、車両として自動二輪車1を例にして説明したが、この構成に限定されない。例えば、自動四輪車や自動三輪車等の他のタイプの車両であってもよい。
また、上記実施の形態では、並列2気筒のエンジン2を例にして説明したが、この構成に限定されない。例えば、エンジン2は、単気筒や3気筒以上のエンジンで構成されてもよく、各気筒の配置も並列に限らず適宜変更が可能である。
また、上記実施の形態では、車体フレーム10をダイヤモンドフレームで構成したが、この構成に限定されない。車体フレーム10は、例えばツインスパータイプのフレームであってもよい。
また、上記実施の形態では、クラッチカバー6が樹脂材料で形成される構成としたが、この構成に限定されない。例えば、マグネトカバー5を樹脂材料で形成してもよい。この場合、マグネトカバー5の周辺構成をクラッチカバー6側に配置することが好ましい。
また、上記実施の形態では、エンジン2の右側にクラッチ41、クラッチカバー6が配置され、エンジン2の左側にマグネト42、マグネトカバー5が配置される構成としたが、この構成に限定されない。各構成の配置関係は、左右逆であってもよい。
また、上記実施の形態では、クラッチレリーズ機構43がマグネトカバー5に設けられる構成としたが、この構成に限定されない。クラッチレリーズ機構43は、例えば、スプロケットカバー71に設けられてもよい。また、マグネトカバー5には、クラッチレリーズ機構43に限らず、他の機能部品が設けられてもよい。
また、本実施の形態及び変形例を説明したが、本発明の他の実施の形態として、上記実施の形態及び変形例を全体的又は部分的に組み合わせたものでもよい。
また、本発明の実施の形態は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよい。更には、技術の進歩又は派生する別技術によって、本発明の技術的思想を別の仕方で実現することができれば、その方法を用いて実施されてもよい。したがって、特許請求の範囲は、本発明の技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施形態をカバーしている。
以上説明したように、本発明は、エンジンを軽量化することができ、エンジン騒音を抑制することができるという効果を有し、特に、自動二輪車のエンジンに有用である。
1 自動二輪車
2 エンジン
20 クランクケース(エンジンケース)
20a 上ケース(エンジンケース)
20b 下ケース(エンジンケース)
P 合わせ面
20c オイル点検窓
24 オイルパン(エンジンケース)
35 サイドスタンド
40 クランクシャフト
41 クラッチ(回転体)
42 マグネト(回転体)
43 クラッチレリーズ機構(動力伝達機構)
44 スタータアイドルギヤ(動力伝達機構)
45 スタータモータ(動力伝達機構)
46 スタータワンウェイクラッチ(動力伝達機構)
47 スタータクラッチギヤ(動力伝達機構)
6 クラッチカバー(エンジンカバー)
5 マグネトカバー(エンジンカバー)
52 オイル注入口
53 オイルキャップ
55 軸受部
62 平坦部
64 傾斜部
65 リブ
65a 環状リブ
65b 直線リブ
67 意匠部品

Claims (10)

  1. エンジンケースの左右一方側に配置されるクラッチと、
    前記エンジンケースの左右他方側に配置されるマグネトと、
    前記クラッチを覆うクラッチカバーと、
    前記マグネトを覆うマグネトカバーと、
    前記クラッチの断接を切り替え可能なクラッチレリーズ機構と、を備え、
    前記クラッチレリーズ機構は、前記マグネトカバーに設けられ、
    前記マグネトカバーは、スタータモータの動力をクランクシャフトに伝達するスタータアイドルギヤの軸受部を有し、
    前記クラッチカバーは、樹脂材料で形成され
    前記クラッチレリーズ機構は、前記軸受部よりもエンジン外側に設けられており、エンジン側面視で、前記スタータアイドルギヤと重なっていることを特徴とするエンジン。
  2. 前記スタータアイドルギヤは2つあり、
    前記クランクシャフト、2つの前記スタータアイドルギヤ、及び前記スタータモータの各回転軸は、エンジン上下方向に延びる略直線上に位置するように配置され、
    前記クラッチレリーズ機構の中心線は、2つの前記スタータアイドルギヤの前記軸受部の間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のエンジン。
  3. 前記マグネトカバーには、前記エンジンケース内にオイルを注入するためのオイル注入口が設けられ
    エンジン側面視で、前記クラッチレリーズ機構は、前記クランクシャフトの上方に配置され、
    前記オイル注入口は、前記クラッチレリーズ機構と前記クランクシャフトの間に設けられることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエンジン。
  4. エンジン前面視で、前記クラッチレリーズ機構は、前記オイル注入口よりもエンジン内側に設けられることを特徴とする請求項3に記載のエンジン。
  5. エンジン側面視で、前記スタータアイドルギヤの前記軸受部と前記オイル注入口は、同じ高さに設けられ、
    前記クラッチレリーズ機構の中心線は、前記スタータアイドルギヤの前記軸受部と前記オイル注入口の上方に位置していることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のエンジン。
  6. 前記エンジンケースの他方側において、前記マグネトカバーの下方には、前記エンジンケース内のオイルレベルを確認するためのオイル点検窓が形成されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のエンジン。
  7. 前面視における前記クラッチカバーの外面形状は、上側部分が平坦部で形成され、平坦部の下端に連なる下側部分がエンジン幅方向内側に傾斜する傾斜部で形成されることを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載のエンジン。
  8. 前記エンジンケースは上下割で構成され、
    前面視で前記平坦部と前記傾斜部との境界が前記エンジンケースの合わせ面に位置することを特徴とする請求項に記載のエンジン。
  9. 前記平坦部の裏側にはリブが形成されており、表側には前記クラッチカバーとは別体の意匠部品が設けられることを特徴とする請求項又は請求項に記載のエンジン。
  10. 請求項1から請求項のいずれかに記載のエンジンを備える車両であって、
    前記クラッチカバーの反対側にサイドスタンドが設けられることを特徴とする車両。
JP2017076020A 2017-04-06 2017-04-06 エンジン及び車両 Active JP6911475B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017076020A JP6911475B2 (ja) 2017-04-06 2017-04-06 エンジン及び車両

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017076020A JP6911475B2 (ja) 2017-04-06 2017-04-06 エンジン及び車両

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018178786A JP2018178786A (ja) 2018-11-15
JP6911475B2 true JP6911475B2 (ja) 2021-07-28

Family

ID=64281556

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017076020A Active JP6911475B2 (ja) 2017-04-06 2017-04-06 エンジン及び車両

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6911475B2 (ja)

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58121327A (ja) * 1982-01-08 1983-07-19 Honda Motor Co Ltd 自動二輪車等のクラツチレリ−ズ装置
JPH0185428U (ja) * 1987-11-27 1989-06-06
JP2670109B2 (ja) * 1988-10-21 1997-10-29 ヤマハ発動機株式会社 エンジン
JPH09150780A (ja) * 1995-11-30 1997-06-10 Suzuki Motor Corp 二輪車用エンジン
JPH1149064A (ja) * 1997-08-08 1999-02-23 Honda Motor Co Ltd 自動二輪車等のサイドカバー
JP3965960B2 (ja) * 2001-10-12 2007-08-29 スズキ株式会社 自動二輪車のブリーザ装置
JP4940214B2 (ja) * 2008-09-30 2012-05-30 本田技研工業株式会社 エンジンのオイルレベルゲージ配置構造
JP5702667B2 (ja) * 2011-05-18 2015-04-15 本田技研工業株式会社 鞍乗型車両のステップ構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018178786A (ja) 2018-11-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4967153B2 (ja) 単気筒または並列多気筒のエンジン及びそれを備えた鞍乗型車両
JP5722151B2 (ja) 鞍乗り型車両
US9994286B2 (en) Straddle type vehicle
JP5339602B2 (ja) 自動二輪車
JP6911475B2 (ja) エンジン及び車両
JP6415010B2 (ja) 鞍乗り型車両
JP5706249B2 (ja) 車両の電子スロットル配置構造
JP2001132468A (ja) V型液冷式エンジンの冷却液通路構造
JP5951431B2 (ja) 自動二輪車における車速センサの取付け構造
JP5712024B2 (ja) 鞍乗型車両
EP2447140B1 (en) Straddle-ride type vehicle
JP5934320B2 (ja) 鞍乗り型車両のオイルフィルタ配置構造
JP6714035B2 (ja) 鞍乗り型車両
JP6044241B2 (ja) 鞍乗型車両
JP2020128194A (ja) 鞍乗型車両
JP2010236519A (ja) 内燃機関
JP5650608B2 (ja) 小型車両用内燃機関のキック始動装置
JP6915413B2 (ja) 車両の変速装置
JP5806830B2 (ja) 鞍乗型車両
JP6357126B2 (ja) 鞍乗型車両用内燃機関
JP6911585B2 (ja) エンジンの潤滑構造
JP6963116B2 (ja) 鞍乗り型車両のパワーユニットのカバー構造
JP6055338B2 (ja) 鞍乗型車両の回転速センサ取付構造
JP2003336791A (ja) 内燃機関におけるバランサシャフト周辺構造
WO2017168575A1 (ja) 伝達ケース構造及び鞍乗り型車両

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200227

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210209

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210408

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210608

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210621

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6911475

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151