JP2003336791A - 内燃機関におけるバランサシャフト周辺構造 - Google Patents

内燃機関におけるバランサシャフト周辺構造

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JP2003336791A JP2002143091A JP2002143091A JP2003336791A JP 2003336791 A JP2003336791 A JP 2003336791A JP 2002143091 A JP2002143091 A JP 2002143091A JP 2002143091 A JP2002143091 A JP 2002143091A JP 2003336791 A JP2003336791 A JP 2003336791A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構成部材の有効かつ効率的な配置構成を実現
する内燃機関におけるバランサシャフト周辺構造を提供
する。 【解決手段】 シリンダ軸線が略水平になるように前傾
搭載されるエンジンにおいてクランク軸の前方下方にオ
イルフィルタを配し、クランク軸により同期駆動される
バランサシャフト121が、オイルフィルタおよびクラ
ンク軸の間に配置される。バランサシャフト121の前
方にこれと並列してオイルポンプ120を設け、オイル
ポンプ120とバランサシャフト121とを、バランサ
シャフト121の長手方向の中間部適所位置で伝動部材
128を介して連結する。クランク軸を挟んでバランサ
シャフト121の対向側に、第2のバランサシャフトが
配置される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スクータ型車両等
を含む自動二輪車の内燃機関における特にバランサシャ
フトまわりの配置構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の車両に搭載される内燃機関で
は、クランクシャフトの回転バランスを向上するために
バランサシャフトが設けられる。このバランサシャフト
はクランクケースの左右両側壁で回転自在に軸支され、
クランクシャフトのドライブギヤによって駆動されるド
リブンギヤの他に、ウォータポンプあるいはオイルポン
プ等の補機類を駆動するためのドライブギヤ等が付設さ
れる。
【0003】たとえば特開平2001−234978号
公報に記載のバランサ取付構造において、クランク軸の
上下に一対のバランサ軸を有し、下側クランク軸の下方
にポンプ駆動軸が平行に架設され、下側クランク軸の右
クランクケースから突出した右端にドライブスプロケッ
トが嵌着される。このドライブスプロケットと、ポンプ
駆動軸の右端に嵌着されたドリブンスプロケットとの間
にチェーンが架け渡され、クランク軸の回転でバランサ
軸を介してポンプ駆動軸を回転させるようになってい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来で
は、上述した例のようにオイルポンプ等の補機類を駆動
するための駆動機構は、基本的にはクランクシャフトの
軸端側に配置構成される。このため補機類等を配置する
際、スペースあるいは他部材との配置関係において制約
を受けざるを得なかった。また、かかる配置構成ではエ
ンジン特にクランクケースまわりの設計自由度も制限さ
れる等の問題があった。
【0005】本発明はかかる実情に鑑み、構成部材の有
効かつ効率的な配置構成を実現する内燃機関におけるバ
ランサシャフト周辺構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の内燃機関におけ
るバランサシャフト周辺構造は、シリンダ軸線が略水平
になるように前傾搭載されるエンジンにおいてクランク
軸の前方下方にオイルフィルタを配し、前記クランク軸
により同期駆動されるバランサシャフトが、前記オイル
フィルタおよび前記クランク軸の間に配置される内燃機
関において、前記バランサシャフトの前方にこれと並列
してオイルポンプを設け、このオイルポンプと前記バラ
ンサシャフトとを、該バランサシャフトの長手方向の中
間部適所位置で伝動部材を介して連結することを特徴と
する。
【0007】また、本発明による内燃機関におけるバラ
ンサシャフト周辺構造において、前記クランク軸を挟ん
で前記バランサシャフトの対向側に、第2のバランサシ
ャフトが配置されることを特徴とする。
【0008】また、本発明による内燃機関におけるバラ
ンサシャフト周辺構造において、前記バランサシャフト
に複数のウェイトを設け、該ウェイト相互間にクランク
ウェブを付設し、前記ウェイトの回転軌道と前記クラン
クウェブの回転軌道が重なるように各軸を配したことを
特徴とする。
【0009】また、本発明による内燃機関におけるバラ
ンサシャフト周辺構造において、前記ウェイト相互間の
前記バランサシャフトの軸上に、前記クランクウェブに
対向するように前記伝動部材を配したことを特徴とす
る。
【0010】本発明によれば、オイルポンプとバランサ
シャフトとを、該バランサシャフトの長手方向の中間部
適所位置で伝動部材を介して連結する。このようにオイ
ルポンプ等の補機類をバランサシャフトの中央部付近に
対応配置することができ、特にクランクケース下部の車
幅方向寸法を実質的に小さくし、エンジンのコンパクト
化を図ることができる。
【0011】この場合、バランサシャフトの長手方向の
中間部適所に適用可能であるため、補機類等を配置する
際、スペースあるいは他部材との配置関係における制約
を大幅に減少し、構成部材を有効かつ効率的に配置する
ことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき、本発明によ
る内燃機関におけるバランサシャフト周辺構造の好適な
実施の形態を説明する。本発明は自動二輪車あるいは四
輪自動車に搭載される各種のガソリンエンジンに対して
有効に適用可能であり、この実施形態ではたとえば図1
および図2に示すように所謂、スクータ型車両における
エンジンの例とする。
【0013】ここで先ず、本実施形態に係るスクータ型
車両10の全体構成を説明する。図1において、鋼製あ
るいはアルミニウム合金材でなる車体フレームの前部に
は、ステアリングヘッドパイプによって左右に回動可能
に支持された2本のフロントフォーク11が設けられ
る。フロントフォーク11の上端にはハンドル12が固
定され、ハンドル12の両端にグリップ13を有する。
フロントフォーク11の下部には前輪14が回転可能に
支持されるとともに、前輪14の上部を覆うようにフロ
ントフェンダ15が固定される。前輪14は、前輪14
と一体回転するブレーキディスク16を有している。
【0014】車体フレームの後部には、左右スイングア
ーム17が揺動可能に設けられるとともに、車体フレー
ムとスイングアーム17の間にリヤショックアブソーバ
18が装架される。なお、一方(左側)のスイングアー
ム17は、複数のギヤ列で構成される動力伝達機構を兼
用している。スイングアーム17の後端には後輪19が
回転可能に支持され、後輪19は上述した動力伝達機構
を介して、回転駆動されるようになっている。後輪19
の上部を覆うようにリヤフェンダ20が固定される。
【0015】車体フレームに搭載されたエンジンユニッ
ト21には、図示しないエアクリーナから混合気が供給
されるとともに、燃焼後の排気ガスが排気管22を通っ
て排気される。エンジンユニット21はそのシリンダ軸
線が略水平にかつ僅かに前方に上方傾斜するように搭載
され、後述するようにフロアトンネル部内に配置される
とともに、フロアトンネルカバーによって覆われる。エ
ンジンユニット21の前側にはラジエタ装置23が配置
され、またエンジンユニット21の後方で運転者用シー
ト24の下方には燃料タンク25が配設される。燃料タ
ンク25の前側にはバッテリ26が搭載される。なお、
運転者用シート24の後側にタンデムシート27が連設
される。
【0016】エンジンユニット21等を含む車両の主用
構成部材は、車体カバーによって覆われ、図2のように
車両の外観構成は一体感のあるすっきりしたものとなっ
ている。すなわち車体前部においてアッパフロントカウ
ル28およびロアフロントカウル29が連接され、アッ
パフロントカウル28に埋設されるかたちでヘッドラン
プ30が配置される。ロアフロントカウル29の下側に
はアンダカバー31が連接される。
【0017】フロントフォーク11あるいはハンドル1
2等を含む前輪操舵装置と運転者用シート24の間に
は、低床の左右足載せ部32が設けられ、運転者はこの
足載せ部32に足を載せて運転者用シート24に着座す
ることができる。左右足載せ部32の相互間には、上方
に突出するフロアトンネル部が形成され、エンジンユニ
ット21はこのフロアトンネル部内に配置され、フロア
トンネルカバー33によって覆われる。足載せ部32お
よびフロアトンネルカバー33の前縁には、レッグシー
ルド34が連接する。
【0018】アッパフロントカウル28の上部にはウィ
ンドスクリーン35が立設される。このウィンドスクリ
ーン35や前述したアッパフロントカウル28およびロ
アフロントカウル29は、運転者の少なくとも上半身お
よびハンドル12まわりを含めた車体前部を前方から覆
うように配置構成される。
【0019】また、車体後部もしくは後部寄りにおいて
フロアトンネルカバー33の後縁に連接し、運転者用シ
ート24の下縁に向って立ち上がる立上り部36aを有
するフロントフレームカバー36を備える。立上り部3
6aの略中央には、前方に開口する排気孔が開設38さ
れる。フロントフレームカバー36の後側には左右のサ
イドフレームカバー37等が連接する。
【0020】上述した各種車体カバーは基本的には、合
成樹脂により成形され、車体フレームに直接にまたはブ
ラケット等の支持部材を介して間接に取付固定される。
エンジンユニット21等は車体カバーの内側に収容され
るが、走行時、車体カバーの内側には車両前部から後部
へと流れる空気流路が形成される。
【0021】ここで、エンジンユニット21は図3に示
されるように、複数のエンジンマウント部39を介して
車体フレーム40の所定部位に搭載支持される。なお、
前述したように車体フレーム40の前部には、ステアリ
ングヘッドパイプ41を介してフロントフォーク11が
回動可能に支持される。エンジンユニット21の後部に
は変速ユニット42等が一体的に構成され、これらによ
り車両を走行駆動するためのパワーユニットを構成す
る。
【0022】図4は、エンジンユニット21まわりの構
成例を示している。エンジンユニット21は、エンジン
部100とラジエタ装置23を含む。エンジン部100
においてクランクケース101、シリンダブロック10
2、シリンダヘッド103およびシリンダヘッドカバー
104が一体的に結合し、またこの例では水冷エンジン
であるため、シリンダヘッドカバー104の前側にラジ
エタ装置23を備える。このラジエタ装置23におい
て、インレットホース202およびアウトレットホース
203を介して、ラジエタ本体201がエンジン部10
0側と接続し、これにより所定のエンジン冷却系が構成
される。
【0023】エンジン部100において図5に示される
ように、クランクシャフト105がその左右両側で軸受
106,107によってクランクケース101に回転自
在に支持される。このクランクシャフト105にはコン
ロッド108を介してピストン109が連結する。クラ
ンクシャフト105の一端側(右側)にはワンウェイク
ラッチ110が装着され、クランクケース101に搭載
されたスタータモータ111とその出力軸に連結するギ
ヤ群112が該ワンウェイクラッチ110を介してクラ
ンクシャフト105と連結する。また、クランクシャフ
ト105の他端側(左側)には、ジェネレータコイル1
13のまわりを回動するジェネレータロータ114が装
着される。
【0024】ワンウェイクラッチ110まわりの部材、
あるいはジェネレータロータ114まわりの部材は、ク
ランクケース101の外側に一体的に結合するカバー1
15あるいはカバー116によって形成されるスペース
117,118内にそれぞれ収容される。この場合、こ
れらのスペースは図5から分かるように、クランクシャ
フト105の軸受106,107間寸法の1/2以下程
度に設定され、この分だけクランク軸方向に突出する。
【0025】クランクシャフト105にはコンロッド1
08の大端部との連結部(クランクピン部)に対向し
て、図6にも示されるようにたとえばイチョウの葉状の
クランクウェブ105aを有する。なお、この例は並列
2気筒エンジンとし、図5あるいは図7に示すようにク
ランクシャフト105は2つのピストン109と連結す
る。クランクケース101の前部にてクランクシャフト
105の前方下方にオイルフィルタ/クーラ119が設
けられ、このオイルフィルタ/クーラ119には後述す
るオイルポンプ120からオイルが供給されるようにな
っている。
【0026】図6に示されるようにクランクシャフト1
05の斜め前下方には、該クランクシャフト105と平
行にバランサシャフト121が配置される。バランサシ
ャフト121はその両端で、図5あるいは図7に示すよ
うにクランクケース101の左右側壁に装着された軸受
122,123によって回転自在に支持される。これら
の軸受122,123はクランクケース101の左右側
壁において、クランクシャフト105の軸受106,1
07と略同一面上に配置される。軸受107の至近位置
でクランクシャフト105に取り付けられたギヤ(平歯
車)124と、軸受123の至近位置でバランサシャフ
ト121に取り付けられたギヤ(平歯車)125とを噛
合させることにより、バランサシャフト121はクラン
クシャフト105に対して所定の位相関係で連結する。
【0027】バランサシャフト121は、図6にも示さ
れるようにたとえばイチョウの葉状のバランスウェイト
121aを有し、バランスウェイト121aは、コンロ
ッド108の大端部に対応配置される。この例では図5
のように相互に隔置された2つのバランスウェイト12
1aを有し、これらのバランスウェイト121a相互間
にクランクウェブ105aが配置される。この場合、図
6から分かるようにバランスウェイト121aの回転軌
道(外形線)とクランクウェブ105aの回転軌道(外
形線)が側面視で重なるように、クランクシャフト10
5およびバランサシャフト121が配設される。
【0028】また、クランクシャフト105を挟んでバ
ランサシャフト121の対向側に、すなわちクランクシ
ャフト105の斜め後上方に第2のバランサシャフト1
26が配置される。クランクシャフト105および上下
のバランサシャフト121,126は図6に示されるよ
うに、同一平面上に並列配置される。この第2のバラン
サシャフト126は実質的にバランサシャフト121と
同様に構成され、つまりその両端でクランクケース10
1の左右側壁に装着された軸受によって回転自在に支持
される。また、クランクシャフト105に取り付けられ
たギヤ124と、第2のバランサシャフト126に取り
付けられたギヤ(平歯車)127とを噛合させることに
より、第2のバランサシャフト126はクランクシャフ
ト105に対して所定の位相関係で連結する。
【0029】さらに第2のバランサシャフト126は、
図6にも示されるようにたとえばイチョウの葉状のバラ
ンスウェイト126aを有する。この場合、相互に隔置
された2つのバランスウェイト126aを有し、これら
のバランスウェイト126a相互間にクランクウェブ1
05aが配置される。バランスウェイト126aの回転
軌道とクランクウェブ105aの回転軌道が側面視で重
なるように、第2のバランサシャフト126が配設され
る。
【0030】前述したようにクランクシャフト105の
前方下方にオイルフィルタ/クーラ119を配し、クラ
ンクシャフト105により同期駆動されるバランサシャ
フト121は、オイルフィルタ/クーラ119およびク
ランクシャフト105の間に配置される。そしてバラン
サシャフト121の前方には、これと並列してオイルポ
ンプ120が設けられ、このオイルポンプ120とバラ
ンサシャフト121とは該バランサシャフト121の長
手方向の中間部適所位置で、伝動部材としてのチェーン
128を介して連結される。オイルポンプ120の下方
には、クランクケース101の下部によりオイルパン1
29が形成される。なお、図6はバランサシャフト12
1をその中間部で切断して示す図であるが、便宜上ギヤ
125が細実線により追加図示されており、実際にはチ
ェーン128がギヤ125よりも図6の紙面裏側に位置
している。
【0031】この例では図7に示されるように2つのバ
ランスウェイト121a相互間のバランサシャフト12
1の軸上に、クランクウェブ105aに対向するように
チェーン128が配設される。この場合、バランサシャ
フト121に設けたドライブスプロケット130と、オ
イルポンプ120の回転軸131に設けたドリブンスプ
ロケット132との間にチェーン128が巻回装架され
る。なお、チェーンガイド等の部材等は設けていない。
オイルポンプ120はたとえばトロコイドポンプであっ
てよく、クランクケース101に固定されたケーシング
133に回転軸131が回転自在に支持され、該回転軸
131はチェーン128を介して回転駆動される。そし
て、インレットポート134から入ったオイルをアウト
レットポート135から吐出するようになっている。
【0032】ここで、クランクケース101はレフトク
ランクケース101Lおよびライトクランクケース10
1Rからなり、オイルポンプ120はこれら左右ケース
の合せ面101a(図5参照)付近のクランクケース1
01内に収容される。この実施形態では図7に示される
ようにレフトクランクケース101L内にオイルポンプ
120が収容される。オイルポンプ120の上流側には
フィルタを有するストレーナ136が設けられるが、こ
のストレーナ136は図8に示されるようにレフトクラ
ンクケース101Lの下部、特にマグネト室を形成する
ためのスペース118との隔壁下部に一体に設けられ
る。オイルフィルタ/クーラ119は、レフトクランク
ケース101Lの下部前面の左側に位置する。
【0033】ストレーナ136およびオイルポンプ12
0間はオイル通路137により接続され(図8、矢印
C)、オイルポンプ120およびオイルフィルタ/クー
ラ119間はオイル通路138により接続される(図
8、矢印D)。また、オイルフィルタ/クーラ119に
供給されたオイルは、オイル通路139を経て(図8、
矢印E)エンジン各部に給送される。これらのオイル通
路137,138,139はレフトクランクケース10
1Lに一体的に設けられ、いずれも左側のエンジンマウ
ント部39の下方で僅かに内側に配置される。
【0034】また、オイルポンプ120の回転軸131
とバランサシャフト121は、クランクケース101に
おけるオイルパン129のオイル静油面付近に軸心が位
置するように配置され、すなわちオイルパン129のオ
イルに半分ほど浸かった状態で収容される。そのためチ
ェーン128はオイルパン129のオイルに半分ほど浸
かるが、エンジン作動時には油面が下がるためオイルパ
ン129のオイルを掻き回すことはない。
【0035】上記構成において、スタータモータ111
によりエンジンが始動し、ピストン109の往復動がコ
ンロッド108を介してクランクシャフト105の回転
運動に変換される。クランクシャフト105が回転する
ことでギヤ125,127を介して、バランサシャフト
121および第2のバランサシャフト126がそれぞれ
回転駆動される。これらのバランサシャフト121およ
び第2のバランサシャフト126の回転によりエンジン
は低速回転域から高速回転域まで円滑作動することがで
きる。
【0036】オイルポンプ120はバランサシャフト1
21の回転により、チェーン128を介して回転駆動さ
れる。これにより該オイルポンプ120の作動によって
ストレーナ136からオイルパン129のオイルを吸引
し、そのオイルはオイルフィルタ/クーラ119を通っ
て、オイル通路139からエンジン各部に給送される。
【0037】特に本発明によれば、バランサシャフト1
21の前方に並列してオイルポンプ120を設け、この
オイルポンプ120とバランサシャフト121とをバラ
ンサシャフト121の長手方向の中間部適所位置で、チ
ェーン128を介して連結することで、エンジン部10
0の下部の車幅方向寸法を小さくすることができる。こ
のように車幅方向寸法を小さくすることで、車両走行時
のバンク角度を大きく確保することが可能になる。ま
た、オイルポンプ120まわりはクランクケース101
の中央部付近に配置されるため、車両バンク時にオイル
油面が変動するのを抑制することができる。その場合、
オイルフィルタ/クーラ119とオイルポンプ120が
近接配置されているため、オイル通路137,138,
139等が実質的に短くて済む。
【0038】また、第2のバランサシャフト126を設
けることでバランサシャフト121の設定に自由度が得
られる。これによりバランサシャフト121に並設され
るオイルポンプ120等の補機類の占有スペースを大き
く確保することができ、補機類を最適位置に適正配置す
ることが可能になる。
【0039】さらに、クランクシャフト105のクラン
クウェブ105aやバランサシャフト121あるいは第
2のバランサシャフト126のバランスウェイト121
aあるいはバランスウェイト126aなどの回転体の突
部の回転軌跡を互い違いに配設することで、それらの占
有面積を有効に小さくすることができる。特にこれらの
部材の前後方向寸法を抑えることで、かかる突部に対応
する軸の細径部に伝動部材を配して補機類を接続する。
これにより新たにその占有スペースを必要とせず、エン
ジン全体をコンパクトに構成することができる。
【0040】以上、本発明を種々の実施形態とともに説
明したが、本発明はこれらの実施形態にのみ限定される
ものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。
たとえば上記実施形態ではスクータ型車両の例で説明し
たが、必ずしもこれに限定されず、スクータ型ではなく
所謂、通常の自動二輪車や四輪車等に対して有効に適用
可能である。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、こ
の種の内燃機関において補機類をバランサシャフトの中
央部付近に対応配置することができ、特にクランクケー
ス下部の車幅方向寸法を実質的に小さくし、エンジンの
コンパクト化を図ることができる。この場合、バランサ
シャフトの長手方向の中間部適所に適用可能であるた
め、補機類等を配置する際、スペースあるいは他部材と
の配置関係における制約を大幅に減少し、構成部材を有
効かつ効率的に配置することができる等の利点を有して
いる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における実施形態に係るスクータ型車両
の全体構成を示す側面図である。
【図2】本発明における実施形態に係るスクータ型車両
の全体構成を示す外観側面図である。
【図3】本発明の実施形態におけるエンジンユニットま
わりを示す側面図である。
【図4】本発明の実施形態におけるエンジンユニットの
エンジン部まわりを示す側面図である。
【図5】図4のA−A線に沿う断面図である。
【図6】本発明の実施形態におけるエンジンユニットの
エンジン部のクランクシャフトまわりを示す側面図であ
る。
【図7】図6のB−B線に沿う断面図である。
【図8】本発明の実施形態におけるエンジンユニットの
エンジン部のレフトクランクケースまわりを示す側面図
である。
【符号の説明】
10 スクータ型車両 11 フロントフォーク 12 ハンドル 14 前輪 17 スイングアーム 18 リヤショックアブソーバ 19 後輪 21 エンジンユニット 23 ラジエタ装置 24 運転者用シート 25 燃料タンク 26 バッテリ 28 アッパフロントカウル 29 ロアフロントカウル 32 載せ部 33 フロアトンネルカバー 34 レッグシールド 35 ウィンドスクリーン 36 フロントフレームカバー 36a 立上り部 38 排気孔 100 エンジン部 101 クランクケース 102 シリンダブロック 103 シリンダヘッド 104 シリンダヘッドカバー 105 クランクシャフト 108 コンロッド 1009 ピストン 110 ワンウェイクラッチ 111 スタータモータ 113 ジェネレータコイル 114 ジェネレータロータ 115,116 カバー 119 オイルフィルタ/クーラ 120 オイルポンプ 121 バランサシャフト 126 第2のバランサシャフト 128 チェーン 129 オイルパン 130 ドライブスプロケット 132 ドリブンスプロケット 136 ストレーナ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ軸線が略水平になるように前傾
    搭載されるエンジンにおいてクランク軸の前方下方にオ
    イルフィルタを配し、前記クランク軸により同期駆動さ
    れるバランサシャフトが、前記オイルフィルタおよび前
    記クランク軸の間に配置される内燃機関において、 前記バランサシャフトの前方にこれと並列してオイルポ
    ンプを設け、このオイルポンプと前記バランサシャフト
    とを、該バランサシャフトの長手方向の中間部適所位置
    で伝動部材を介して連結することを特徴とする内燃機関
    におけるバランサシャフト周辺構造。
  2. 【請求項2】 前記クランク軸を挟んで前記バランサシ
    ャフトの対向側に、第2のバランサシャフトが配置され
    ることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関における
    バランサシャフト周辺構造。
  3. 【請求項3】 前記バランサシャフトに複数のウェイト
    を設け、該ウェイト相互間にクランクウェブを付設し、
    前記ウェイトの回転軌道と前記クランクウェブの回転軌
    道が重なるように各軸を配したことを特徴とする請求項
    1または2に記載の内燃機関におけるバランサシャフト
    周辺構造。
  4. 【請求項4】 前記ウェイト相互間の前記バランサシャ
    フトの軸上に、前記クランクウェブに対向するように前
    記伝動部材を配したことを特徴とする請求項3に記載の
    内燃機関におけるバランサシャフト周辺構造。
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