JP2003252281A - 雪上車の駆動機構 - Google Patents

雪上車の駆動機構

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JP2003252281A JP2002055816A JP2002055816A JP2003252281A JP 2003252281 A JP2003252281 A JP 2003252281A JP 2002055816 A JP2002055816 A JP 2002055816A JP 2002055816 A JP2002055816 A JP 2002055816A JP 2003252281 A JP2003252281 A JP 2003252281A
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    • B62MRIDER PROPULSION OF WHEELED VEHICLES OR SLEDGES; POWERED PROPULSION OF SLEDGES OR SINGLE-TRACK CYCLES; TRANSMISSIONS SPECIALLY ADAPTED FOR SUCH VEHICLES
    • B62M27/00Propulsion devices for sledges or the like
    • B62M27/02Propulsion devices for sledges or the like power driven
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62MRIDER PROPULSION OF WHEELED VEHICLES OR SLEDGES; POWERED PROPULSION OF SLEDGES OR SINGLE-TRACK CYCLES; TRANSMISSIONS SPECIALLY ADAPTED FOR SUCH VEHICLES
    • B62M27/00Propulsion devices for sledges or the like
    • B62M27/02Propulsion devices for sledges or the like power driven
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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成でエンジンを車体前部の中心に配
置するとともにエンジン高を低くした搭載を可能にし
て、操舵性の向上を図った雪上車の駆動機構を提供する
ことを目的とするものである。を提供する。 【解決手段】 雪上車いわゆるスノーモービル1の車体
前部に形成されるエンジンルーム30内の略中央部に、
シリンダヘッド4をエンジン2の上側に配置する4サイ
クルエンジンを備え、前記エンジン2の車両進行方向後
方に、スノーモービル1を操舵するためのステアリング
26を上端部に備えるステアリングポスト25を、ステ
アリング26側を後方に傾倒させてエンジンルーム30
内に立設配置したスノーモービル1において、前記エン
ジン2の車両進行方向前方に、エンジン回転数を減速す
るための減速機構70を設けるものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの構造に
関し、特に、雪上車に搭載される4サイクルエンジンの
駆動機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、スノーモービル等の小型雪上車に
搭載されるエンジンは、構造が比較的簡単であり、軽量
コンパクトでハイパワーである2サイクルエンジンが主
流となっているが、近年、環境問題に対する排ガス規制
や燃費の向上等を求めて4サイクル化が進んでいる。し
かしながら、高出力、軽量、コンパクトな2サイクルエ
ンジンに対して、カムシャフトやオイル潤滑を必要とす
る4サイクルエンジンは、どうしても大型化してしまう
という問題点がある。また、エンジンの出力を確保する
ために、高回転仕様の4サイクルエンジンを採用する場
合には、減速軸を用いて駆動を伝達する必要があり、そ
の減速軸を配置するためのスペースの確保が問題とな
る。
【0003】一般に、エンジンを車体に搭載する場合
は、操舵性向上のためにエンジン搭載時の重心の位置を
低くするために、エンジンの設置位置をステアリングタ
イロッドまで下げ、且つ車体中心に持ってくるために、
該エンジンをステアリングポストまで寄せるのが望まし
いとされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、雪上車
に4サイクルエンジンを搭載するにあたり、特に高回転
仕様のエンジンを搭載する場合は、図10に示すよう
に、雪上車(スノーモービル)201の前側に構成され
たエンジンルーム30のエンジン202を配置し、該エ
ンジン202後方(インテーク側)に減速軸、オイルポ
ンプおよびウォータポンプ等を配置する必要があり、操
舵性向上のためにエンジン重心を車体中心に、且つ低く
配置しようとすると、減速軸を含むクランクケース20
5がステアリングポスト225あるいはヒートエキスチ
ェンジャー(熱交換機)226に干渉し、また、オイル
パン209やクランクケース205が車体下部のフレー
ム10に干渉してしまうという問題点が生じる。
【0005】そこで、上記問題点を解消するためには、
エンジン202を雪上車201の前側に構成されたエン
ジンルーム30の後方に、且つ上方に配置する必要があ
るが、従来のエンジンの構成ではシリンダヘッド204
がエンジンフード29あるいはヘッドライト31に干渉
するため、エンジンフード29を大型化すると重量増
加、操舵性の悪化を招くという別の問題点が生じてく
る。
【0006】本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなさ
れたものであり、簡単な構成でエンジンを車体前部の中
心に配置するとともにエンジン高を低くした搭載を可能
にして、操舵性の向上を図った雪上車の駆動機構を提供
することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、雪上車の駆動
機構に係り、雪上車の車体前部に形成されるエンジンル
ーム内の略中央部に、シリンダヘッドをエンジンの上側
に配置する4サイクルエンジンを備え、前記エンジンの
車両進行方向後方に、雪上車を操舵するためのステアリ
ングを上端部に備えるステアリングポストを、ステアリ
ング側を後方に傾倒させてエンジンルーム内に立設配置
した雪上車において、前記エンジンの車両進行方向前方
に、エンジン回転数を減速するための減速機構を設けた
こと特徴とするものである。
【0008】また、前記エンジンに設けられるクランク
ケースを、アッパークランクケースとロアクランクケー
スとに分割可能とし、前記クランクケース内にバランサ
軸を備え、且つ前記バランサ軸とクランク軸とを前記ア
ッパークランクケースとロアクランクケースとの合わせ
面に配設することが好ましい。また、前記エンジンは、
クランクケースの一側部にエンジン冷却水を送水するた
めのウォータポンプを備え、且つ前記ウォータポンプを
前記アッパークランクケースとロアクランクケースとの
合わせ面に配設することが好ましい。
【0009】また、前記減速機構は、クランク軸の前方
に該クランク軸の回転を減速するための減速軸を備える
ことが好ましい。また、前記減速軸は、2軸により構成
されることが好ましい。また、前記減速軸は、前記アッ
パークランクケースとロアクランクケースとの合わせ面
に配設されることが好ましい。
【0010】また、前記クランク軸と減速軸とは鎖状伝
達手段により連結され、該鎖状伝達手段を介してクラン
ク軸から減速軸へ出力を伝達することが好ましい。ま
た、前記クランク軸はクランクウェブを備え、該クラン
クウェブの外周部に噛合い手段を形成し、該噛合い手段
によりクランク軸から減速軸へ出力を伝達することが好
ましい。
【0011】また、前記エンジンは4サイクル多気筒エ
ンジンであって、シリンダを後傾させ、該シリンダの後
側に吸気通路を設けるとともに前側には排気通路を設
け、クランク軸の一端部にマグネトを配設し、他端部に
ウォータポンプへの駆動を伝達するための伝達手段を配
設することが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を、図面
を参照して詳細に説明する。図1〜図5は発明を実施す
る形態の一例であって、図1は本発明の実施形態に係る
スノーモービルの全体構成を示す側面図、図2は本実施
形態に係るエンジンの構成を示す右側視による側面図、
図3は前記エンジンの減速軸のレイアウトを示す右側視
による説明図、図4は前記エンジンの構成を示す左側視
による側面図、図5は前記エンジンの減速軸の構成を示
す平面視による説明図、図6は前記エンジンの構成部品
のレイアウトを示す平面視による説明図である。図中、
図と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。
【0013】本実施形態は、図1に示すように、小型雪
上車であるいわゆるスノーモービル1に搭載されるエン
ジンに本発明に係る雪上車の駆動機構を採用したもので
ある。前記スノーモービル1は、前後方向に延びた車体
フレーム10のうち車体前部のフレーム前部(エンジン
マウントフレーム)11下部に左右一対の操舵用そり1
3が左右方向に向くように回動自在に設置され、車体後
部のフレーム後部12の下部にトラックベルト15を循
環させる駆動用のクローラ16が配置されている。前記
クローラ16は、フレーム後部12の前端に配置された
駆動輪17と後端に配置された従動輪18と複数個の中
間輪19とサスペンション機構20と各車輪の周囲に巻
かけられて循環するトラックベルト15とを設けたもの
である。
【0014】前記車体フレーム10は、モノコックフレ
ーム構造で形成されており、エンジン2が搭載されるフ
レーム前部11は、主部11aより前部分が上方に突出
形成され、操舵用そり13の支持用のフロントサスペン
ション13a上部を収容するフロントサスペンションハ
ウジング11bが形成されている。
【0015】前記フレーム後部12は、車体前後方向で
後端部に亘り延設され、クローラ16全体を下方に収容
するカバーを兼ねている。該フレーム後部12上方に
は、鞍形のシート22が配置され、該シート22の車体
幅方向両側には、該シート22より一段低くなったステ
ップ23が設けられている。前記シート22とフレーム
前部11との間のほぼ車体中央部にはステアリングポス
ト25が立設され、該ステアリングポスト25の上端部
にはステアリング26がやや後方に傾いて水平方向左右
に延設されている。前記ステアリング26によりステア
リングポスト25を介して操舵用そり13を操作するよ
うにされている。
【0016】フレーム前部11においては、前記ステア
リング26付近およびその前方に、フレーム前部11の
上部を覆うようにインストルメントパネル27が設けら
れている。前記インストルメントパネル27にはスピー
ドメータ/タコメータ27a等の計器類が装着されてい
る。前記インストルメントパネル27の前方外周を包囲
するように前方から両側方に亘りウインドシールド28
が上端縁を後方に傾倒させた状態で立設されている。ま
た、前記インストルメントパネル27の前側には、前記
ウインドシールド28の基部より前方に向かいエンジン
フード29が略流線形状に緩やかに下がった概略船底を
逆さにした形状で形成されている。
【0017】前記エンジンフード29は、インストルメ
ントパネル27の前方に設けられるとともに、該インス
トルメントパネル27の前端部より一段に下がった位置
から先端部に亘り形成されている。前記エンジンフード
29とインストルメントパネル27との段差部には、前
方を照射するヘッドライト31が配設されている。この
ように配設されたインストルメントパネル27とエンジ
ンフード29の下側にエンジンルーム30が形成されて
いる。
【0018】次に、本実施形態に係るエンジン2の構成
について詳細に説明する。図1に示すように、スノーモ
ービル1の車体前部に構成されるフレーム前部11に形
成されるエンジンルーム30内の略中央部に、エンジン
2がシリンダ3を雪上車進行方向に対して後方に向けて
傾けて(シリンダヘッド4中心がクランク軸8よりも後
方に位置するようにする)、ステアリングポスト25の
下方に近接して配置されている。
【0019】前記エンジン2は、図2〜図6に示すよう
に、4気筒を幅方向に並列に配置した水冷4サイクルエ
ンジンであって、シリンダ3側を車体後方向に向かい傾
倒させた状態でスノーモービル1の車体前部の略中央部
に配置されている。
【0020】シリンダ3の上側には、図2に示すよう
に、シリンダヘッド4が配設されている。前記シリンダ
ヘッド4の前側部には、前方に向かい排気管33が設け
られている。前記排気管33の前方には、図1に示すよ
うに、マフラー34が連結されている。前記マフラー3
4は、フレーム前部11の主部11aの底部に形成され
たフロントサスペンションハウジング11b近傍に配置
されている。
【0021】また、前記シリンダヘッド4の後方には、
ステアリングポスト25の前方、すなわちエンジン2本
体とステアリングポスト25との間に、吸気通路35、
スロットルボディ36およびエアクリーナボックス37
等の吸気経路が配設されている。
【0022】前記吸気通路35は、シリンダヘッド4よ
りも高い位置に配置され、吸気ポート(図視省略)への
送気を上方より吹き下ろす「ダウンドラフト方式」で構
成され、前記ステアリングポスト25に並設して配置さ
れている。前記スロットルボディ36を含む一部の吸気
経路は、シリンダヘッド4よりも高い位置に配置され、
エンジン2の上方でインストルメントパネル27下側の
ヘッドライト31後方に形成されるエンジンルーム30
内の空間に配置されている。
【0023】一方、前記シリンダ3の下側には、図2、
図5に示すように、クランクケース5が配設されてい
る。前記クランクケース5は、前記シリンダ3と一体的
に形成される上側クランクケース6と下側クランクケー
ス7とを備える分割式構造で構成され、その内部にクラ
ンク軸8が車体幅方向とほぼ平行に配置されている。
【0024】前記クランクケース5の車体幅方向一方側
には、前記吸気通路35の下方でシリンダ3の後方にオ
ルタネータ40が配置され、前記排気管33の下方でシ
リンダ3を挟んで前記オルタネータ40と略対向してウ
ォータポンプ50が配置されている。前記オルタネータ
40は、図2に示すように、クランク軸8よりも後方に
配置され、前記ウォータポンプ50は、クランク軸8よ
りも前方に配置されている。一方、クランクケース5の
他方側にはフライホイールマグネト60が配設されてい
る。
【0025】下側クランクケース7の前側には、ウォー
タポンプ50の下方にオイルフィルタ32が前方に向か
い斜め下向きに突設配置されている。また、前記下側ク
ランクケース7の下側には、オイルパン9がエンジンル
ーム30の底部に近接した状態で配設されている。
【0026】前記クランク軸8のフライホイールマグネ
ト側寄りの前側には、減速機構70が配設されている。
前記減速機構70は、クランクケース5のフライホイー
ルマグネト側に配設される変速装置(図示省略)にエン
ジン出力を伝達するための駆動機構である。また、前記
クランク軸8の中央部付近の前側には、バランサ軸80
が配設されている。
【0027】前記クランク軸8は、図5に示すように、
その一方端8aにはフライホイールマグネト60のロー
ター部61が取付けられている。また、他方端8bに
は、オルタネータ40を駆動するためのオルタネータ駆
動ギア41と、ウォータポンプ50を駆動するためのウ
ォータポンプ駆動ギア51とが一体的に設けられてい
る。
【0028】これにより、前記クランク軸8が回転する
ことで、オルタネータ40のローター(図示省略)が回
転して発電が行われるとともに、ウォータポンプ50の
フィン52が回転して冷却水を吐出し、冷却水通路(図
示省略)を介してエンジン内部に形成されたウォータジ
ャケット(図示省略)に冷却水を供給してエンジン2を
冷却するようにされている。
【0029】また、前記クランク軸8は、シリンダ3に
形成された4箇所の気筒と各々対向した位置に4個のク
ランクウェブ8d、8e、8f、8gが所定の回転角度
をもって一体的に連設されている。
【0030】マグネト側のクランクウェブ8dは、クラ
ンクピン8hを挟んで一対のウェブ8d1、8d2を備
え、一方のウェブ8d2の外周部には、全周に亘り噛合
い部としてギア部8d3が形成され、該ギア部8d3が
減速機構70のギア部と噛合うように構成されている。
【0031】クランク軸8の中央付近のクランクウェブ
8fは、クランクピン8hを挟んで一対のウェブ8f
1、8f2を有し、一方のウェブ8f2の外周部には、
全周に亘りギア部8f3が形成され、該ギア部8f3が
バランサ軸80のギア部80aと噛合うように構成され
ている。
【0032】前記オルタネータ40は、図5に示すよう
に、ローター部(図示省略)に連結される主軸43を突
出させ、クランク軸8のオルタネータ駆動ギア41と噛
合うギアユニット42を介して該主軸43を回転するよ
うにされている。
【0033】前記ウォータポンプ50は、図5に示すよ
うに、内部に冷却水を送るためのフィン52と、該フィ
ン52と一体的に連結され、回転自在にクランクケース
側に軸支される回転軸53と、該回転軸53と一体的に
設けられた伝達ギア54とを備え、前記伝達ギア54が
クランク軸8のウォータポンプ駆動ギア51と噛合うよ
うに配設されている。
【0034】前記減速機構70は、第1減速軸71と第
2減速軸72との2軸により回転方向を合わせるように
構成されている。前記第1減速軸71は、図3、図4、
図5に示すように、クランク軸8の軸心方向に沿って略
平行に配設され、クランクウェブ8dのギア部8d3と
噛合わされるドリブンギア71aと、第2減速軸72と
オイルポンプ38を駆動するためのドライブギア71b
とが一体的に設けられている。
【0035】また、前記第1減速軸71は、該クランク
軸8とバランサ軸80とウォータポンプ50とを同じ取
付け面とした、上側クランクケース6と下側クランクケ
ース7との合わせ面に、ベアリング73、74を介して
回転自在に軸支されている。
【0036】前記第2減速軸72は、図3、図5に示す
ように、第1減速軸71の上方で、且つ該第1減速軸7
1の軸心方向に沿って略平行に配設され、前記第1減速
軸71のドライブギア71bと噛合わされるドリブンギ
ア72aが一体的に設けられている。
【0037】また、前記第2減速軸72は、図3に示す
ように、上方より上側クランクケース6と別体で形成さ
れたクランクケースフロントカバー6aにより覆われる
とともに、ベアリング75、76を介して回転自在に軸
支され、且つ一端部を出力軸72cとして変速装置側に
連結されている。
【0038】次に、本実施形態のエンジンの減速機構7
0による作用について説明する。エンジン2運転による
クランク軸8からの出力は、図5に示すように、クラン
クウェブ8dのギア部8d3から第1軸減速軸71のド
リブンギア71aにより減速されて伝達される。このと
き、第1減速軸71はクランク軸8と逆回転となる。
【0039】そして、前記第1減速軸1に伝達された出
力は、ドライブギア71bから第2減速軸72のドリブ
ンギア72aによりさらに減速されて伝達される。この
とき、第2減速軸72は第1減速軸71と逆回転とな
る。すなわち、第2減速軸72はクランク軸8と同じ回
転方向となる。
【0040】したがって、クランク軸8からの出力は、
第1減速軸71および第2減速軸72を介してさらに減
速されて大きなトルクとなり、第2減速軸72の出力軸
72cより変速装置側に対してクランク軸8と同じ回転
方向で出力することができる。
【0041】以上のように構成したので、本実施形態に
よれば、エンジン2に減速機構70を構成することで、
エンジン2が高速回転型のエンジンであっても、簡単な
構成でクランク軸8からの出力を減速して変速装置側に
伝達できるとともに、大きなトルクを得ることができる
ので、雪上車の走行能力の向上を図ることができる。
【0042】また、本実施形態によれば、減速機構70
を第1減速軸71と第2減速軸72との2軸により構成
したので、エンジン2から変速装置への出力伝達を2段
階で減速することで大きなトルクを得ることができ、し
かもクランク軸8の同じ回転方向で伝達することができ
る。
【0043】また、本実施形態によれば、減速機構70
による変速装置への伝達をギアの噛合いによる伝達方式
としたので、簡単な構成で減速機構を構成でき、省スペ
ースなエンジンレイアウトを実現できる。
【0044】また、本実施形態によれば、減速機構70
の構成として、第2減速軸72を第1減速軸71の上方
でシリンダ3の前方に配置し、且つ該第1減速軸71の
軸心方向に沿って略平行に配設するようにしたので、エ
ンジンを前後方向に大きくすることなく、また、エンジ
ン高を大きくすることなく構成できるので省スペースな
エンジンレイアウトを実現できる。
【0045】また、本実施形態によれば、クランク軸8
のクランクウェブ8dの外周部にギア部8d3を一体的
に構成して、ギアの噛合いにより減速機構70へ出力を
伝達するようにしたので、別体で伝達用ギアを構成する
ことなく、簡単な部品構成で省スペースなエンジンレイ
アウトを実現できる。
【0046】尚、本実施形態は、減速機構70を構成す
る減速軸の駆動をギア駆動により行うようにしている
が、本発明は、これに限定されるものではない。例え
ば、変形例として、図7〜図9に示すように、クランク
軸108と減速軸171とを鎖状伝達手段としてチェー
ン175を採用して連結駆動するようにしたものであっ
ても良い。
【0047】詳しくは、図9に示すように、エンジン1
02に構成された減速機構170は、クランクケース1
05のフライホイールマグネト側に配設される変速装置
(図示省略)にエンジン出力を伝達するための駆動機構
であって、減速軸171にチェーン175を介してクラ
ンク軸108からの出力を伝達するようにしたものであ
る。
【0048】前記クランク軸108は、シリンダ3に形
成された4箇所の気筒と各々対向した位置に4個のクラ
ンクウェブ108d、108e、108f、108gが
所定の回転角度をもって一体的に連設されており、中央
付近のクランクウェブ108fには、クランクピン10
8hを挟んで一対のウェブ108f1、108f2を有
し、一方のウェブ108f2の外周部には、全周に亘り
ギア部8f3が形成され、該ギア部108f3がバラン
サ軸80のギア部80aと噛合うように構成されてい
る。
【0049】また、前記クランク軸108の中央部付近
の前側には、バランサ軸80が配設されており、該クラ
ンク軸108の一方端108aには、フライホイールマ
グネト60のローター部61が取付けられている。ま
た、他方端108bには、オルタネータ40を駆動する
ためのオルタネータ駆動ギア41と、ウォータポンプ5
0を駆動するためのウォータポンプ駆動ギア51とが一
体的に設けられている。さらに、前記クランク軸108
は、フライホイールマグネト側の主軸108cにドライ
ブスプロケット109が一体的に配設されている。
【0050】前記減速軸171は、クランク軸108の
軸心方向に沿って略平行に配設され、主軸171aと一
体的にドリブンスプロケット171bが設けられ、チェ
ーン175を介して前記クランク軸108のドライブス
プロケット109と連結されている。また、前記減速軸
171は、クランク軸108とバランサ軸80とウォー
タポンプ50とを同じ取付け面とした、上側クランクケ
ース6と下側クランクケース7との合わせ面に、ベアリ
ング173、174を介して回転自在に軸支され、且つ
一端部を出力軸171cとして突設して変速装置側に連
結されている。
【0051】以上のように構成したので、変形例によれ
ば、クランク軸108からの出力をチェーン175を介
して減速軸171に伝達することで、第2減速軸を必要
とせずに該減速軸171の回転をクランク軸108の回
転方向と同じ方向にできる。したがって、高速回転型の
エンジンであっても、簡単な構成でクランク軸8からの
出力を減速するとともに大きなトルクを得ることができ
る。また、第2減速軸を必要としないので省スペースな
エンジンレイアウトを実現できる。
【0052】また、前述した実施形態や変形例では、ス
ノーモービルに搭載された4サイクル多気筒エンジンを
例に掲げて説明しているが、本発明は、エンジンの構成
や構成部品に限定されるものではなく、本発明の要旨を
逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿
論である。
【0053】
【発明の効果】以上、説明したように本発明の請求項1
〜9に記載の雪上車の駆動機構によれば、簡単な構成で
エンジンを車体前部の中心に配置するとともに、エンジ
ン高を低くした搭載を可能にして、操舵性の向上を図っ
た雪上車を実現できるという優れた効果を奏し得る。
【0054】詳しくは、本発明によれば、雪上車の車体
前部に形成されるエンジンルーム内の略中央部に4サイ
クルエンジンを備え、雪上車を操舵するためのステアリ
ングを上端部に備えるステアリングポストを後方に傾倒
させてエンジンルーム内に立設配置した雪上車におい
て、前記エンジンの車両進行方向前方に、エンジン回転
数を減速するための減速機構を設けることで、エンジン
高を高くすることなくエンジンを構成できるので、エン
ジン周辺部品に干渉することなく、また、エンジンフー
ドを大型化することなく、省スペースでエンジンレイア
ウトを実現でき、操舵性の良好な雪上車を実現できる。
【0055】また、本発明によれば、エンジンに設けら
れるクランクケースを、アッパークランクケースとロア
クランクケースとに分割可能とし、前記クランクケース
内にバランサ軸を備え、且つ前記バランサ軸とクランク
軸とを前記アッパークランクケースとロアクランクケー
スとの合わせ面に配設することで、各部品の取付け部の
構成を簡単にするとともに、同一面での作業が可能とな
るので、組立て/分解作業性の向上を図ることができ
る。
【0056】また、本発明によれば、前記エンジンは、
クランクケースの一側部にエンジン冷却水を送水するた
めのウォータポンプを備え、且つ前記ウォータポンプを
前記アッパークランクケースとロアクランクケースとの
合わせ面に配設することで、各部品の取付け部の構成を
簡単にするとともに、同一面での作業が可能となるの
で、組立て/分解作業性の向上を図ることができる。
【0057】また、本発明によれば、前記減速機構とし
て、クランク軸の前方に該クランク軸の回転を減速する
ための減速軸を備えることで、簡単な構成で高回転型エ
ンジンの搭載が可能となるので、走行性能の高い雪上車
を実現できる。
【0058】また、本発明によれば、前記減速軸を2軸
により構成したので、駆動伝達方式をギア方式にするこ
とで、クランク軸の回転方向と変速装置の回転方向を同
一にすることができるとともに、減速機構の構成をコン
パクトにできる。
【0059】また、本発明によれば、前記減速軸をアッ
パークランクケースとロアクランクケースとの合わせ面
に配設することで、各部品の取付け部の構成を簡単にす
るとともに、同一面での作業が可能となるので、組立て
/分解作業性の向上を図ることができる。
【0060】また、本発明によれば、クランク軸にクラ
ンクウェブを備え、該クランクウェブの外周部の全周に
亘り噛合い手段、例えばギア部を形成して、クランクウ
ェブから減速軸へ出力を伝達するようにしたので、別体
で伝達部品を構成する必要がなく、簡単な構成でクラン
ク軸から減速軸に出力を伝達することができる。
【0061】また、本発明によれば、クランク軸と減速
軸とを鎖状伝達手段により連結し、鎖状伝達手段すなわ
ちチェーン部材を介してクランク軸から減速軸へ出力を
伝達することで、ギア方式のように偶数の減速軸を用い
ることなく、簡単な構成でクランク軸の回転方向と変速
装置の回転方向とを同一方向にすることができる。
【0062】また、本発明によれば、エンジンを4サイ
クル多気筒エンジンとして、シリンダを後傾させ、該シ
リンダの後側に吸気通路を設けるとともに前側には排気
通路を設け、クランク軸の一端部にマグネトを配設し、
他端部にウォータポンプへの駆動を伝達するための伝達
手段を配設することで、高回転型の水冷式エンジンに対
応することができる。以上のように優れた効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るスノーモービルの全体
構成を示す側面図である。
【図2】本実施形態に係るエンジンの構成を示す右側視
による側面図である。
【図3】前記エンジンの減速軸のレイアウトを示す右側
視による説明図である。
【図4】前記エンジンの構成を示す左側視による側面図
である。
【図5】前記エンジンの減速軸の構成を示す平面視によ
る説明図である。
【図6】前記エンジンの構成部品のレイアウトを示す平
面視による説明図である。
【図7】本実施形態の変形例に係るエンジンの駆動機構
の構成を示す右側視による説明図である。
【図8】前記駆動機構の構成を示す左側視による説明図
である。
【図9】前記駆動機構の構成を示す平面視による説明図
である。
【図10】従来の雪上車に4サイクルエンジンを搭載し
た状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 スノーモービル 2 エンジン 5 クランクケース 6 上側クランクケース 6a クランクケースフロントカバー 7 下側クランクケース 8 クランク軸 8d クランクウェブ 8d1、8d2 ウェブ 8d3 ギア部 8f クランクウェブ 8f1、8f2 ウェブ 8f3 ギア部 38 オイルポンプ 40 オルタネータ 41 オルタネータ駆動ギア 42 ギアユニット 50 ウォータポンプ 51 ウォータポンプ駆動ギア 60 フライホイールマグネト 70 減速機構 71 第1減速軸 71b ドライブギア 71a ドリブンギア 72 第2減速軸 72a ドリブンギア 80 バランサ軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02B 67/00 F02B 67/00 N 77/00 77/00 L F02F 7/00 301 F02F 7/00 301A

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 雪上車の車体前部に形成されるエンジン
    ルーム内の略中央部に、シリンダヘッドをエンジンの上
    側に配置する4サイクルエンジンを備え、前記エンジン
    の車両進行方向後方に、雪上車を操舵するためのステア
    リングを上端部に備えるステアリングポストを、ステア
    リング側を後方に傾倒させてエンジンルーム内に立設配
    置した雪上車において、 前記エンジンの車両進行方向前方に、エンジン回転数を
    減速するための減速機構を設けたことを特徴とする雪上
    車の駆動機構。
  2. 【請求項2】 前記エンジンに設けられるクランクケー
    スを、アッパークランクケースとロアクランクケースと
    に分割可能とし、前記クランクケース内にバランサ軸を
    備え、且つ前記バランサ軸とクランク軸とを前記アッパ
    ークランクケースとロアクランクケースとの合わせ面に
    配設したことを特徴とする請求項1に記載の雪上車の駆
    動機構。
  3. 【請求項3】 前記エンジンは、クランクケースの一側
    部にエンジン冷却水を送水するためのウォータポンプを
    備え、且つ前記ウォータポンプを前記アッパークランク
    ケースとロアクランクケースとの合わせ面に配設したこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の雪上車の駆動
    機構。
  4. 【請求項4】 前記減速機構は、クランク軸の前方に該
    クランク軸の回転を減速するための減速軸を備えたこと
    を特徴とする請求項1乃至3のうちの何れか一項に記載
    の雪上車の駆動機構。
  5. 【請求項5】 前記減速軸は、2軸により構成されたこ
    とを特徴とする請求項4に記載の雪上車の駆動機構。
  6. 【請求項6】 前記減速軸は、前記アッパークランクケ
    ースとロアクランクケースとの合わせ面に配設されるこ
    とを特徴とする請求項4または5に記載の雪上車の駆動
    機構。
  7. 【請求項7】 前記クランク軸はクランクウェブを備
    え、該クランクウェブの外周部に噛合い手段を形成し、
    該噛合い手段によりクランク軸から減速軸へ出力を伝達
    するようにしたことを特徴とする請求項4乃至6のうち
    の何れか一項に記載の雪上車の駆動伝達機構。
  8. 【請求項8】 前記クランク軸と減速軸とは鎖状伝達手
    段により連結され、該鎖状伝達手段を介してクランク軸
    から減速軸へ出力を伝達するようにしたことを特徴とす
    る請求項4乃至6のうちの何れか一項に記載の雪上車の
    駆動機構。
  9. 【請求項9】 前記エンジンは4サイクル多気筒エンジ
    ンであって、 シリンダを後傾させ、該シリンダの後側に吸気通路を設
    けるとともに前側には排気通路を設け、クランク軸の一
    端部にマグネトを配設し、他端部にウォータポンプへの
    駆動を伝達するための伝達手段を配設したことを特徴と
    する請求項1乃至8のうちの何れか一項に記載の雪上車
    の駆動機構。
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