JP2005002940A - エンジンの潤滑構造、雪上車用エンジンの潤滑構造、雪上車 - Google Patents
エンジンの潤滑構造、雪上車用エンジンの潤滑構造、雪上車 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】クランクシャフト7を挟んで前方、後方に、それぞれ前側、後側バランサシャフト61、62がクランクシャフト7と略平行に設けられ、アッパクランクケース5及びロアクランクケース6間に軸支される。エンジンルーム30の左側部であってクランクシャフト7の出力軸(PTO)7a側には、Vベルト式無段変速機であるクラッチ機構部38が設けられる。マグネトMGは、エンジン2の右部であって、両クランクケース5、6とマグネトカバー60との間に配置される。オイルポンプFEP、オイルポンプSCPは、前側バランサシャフト61の上方、下方にそれぞれ配置され、両クランクケース5、6とマグネトカバー60との間に設置される。
【選択図】 図8
Description
【発明の属する技術の分野】
本発明は、ドライサンプ方式で4サイクルエンジンの潤滑が行われるエンジンの潤滑構造、雪上車用エンジンの潤滑構造、雪上車に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、雪上車等に搭載されるエンジンでは、4サイクル化が進んでおり、4サイクルエンジンにおいて、ドライサンプ方式の潤滑構造を有し、且つ無段変速機等のクラッチ機構部を搭載したものも知られている。このようなエンジンにおける潤滑構造では通常、潤滑オイルを供給するための供給用オイルポンプ及び潤滑オイルを回収するための回収用オイルポンプが備えられる。
【0003】
この潤滑構造で、両オイルポンプの配置を検討する場合、車両の操安性維持、エンジンの小型化、他部品との干渉防止等の配慮が必要となる。例えば、クラッチ機構部がクランクシャフトの出力軸側に設けられる場合、供給用、回収用の両オイルポンプは、クラッチ機構部との干渉を避ける観点から、クランクシャフトの出力軸側に配置することは好ましくない。
【0004】
ところで、下記特許文献1では、オイルポンプを設ける上で、オイルフィルタ、及び、オイルポンプとオイルフィルタとの連通路の配置を工夫することで、オイル通路の加工を容易にすると共に、エンジンの小型化を図っている。
【0005】
また、4サイクルエンジンを搭載した雪上車では、バランサシャフトが設けられる場合があり、バランサシャフトは通常、クランクケースで軸支される。バランサシャフトには、潤滑が必要であるが、特にバランサシャフトを2軸設ける場合、潤滑のためのオイル通路をどのように形成するかは、通路加工の難易だけでなく、エンジンの省スペース化にも影響するため、効率のよい通路設計が望まれる。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−280111号公報
【特許文献2】
特開平8−177484号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記ドライサンプ方式の潤滑構造において、オイルポンプを、例えば、エンジン下部等のクランクシャフトから離間した位置に配置し、クランクシャフトで駆動されるようにしたとすると、減速等の必要からオイルポンプドリブンギヤが大型化し、エンジンの省スペース化を阻害する。また、クランクシャフトのクラッチ機構部と反対側の端部にマグネト装置が設けられる場合において、クランクシャフトの上記端部でギヤやチェーンを介してオイルポンプを駆動するように構成すると、クランクシャフトからの動力取り出しのためにクランクシャフトが延長される傾向となり、エンジン全幅の拡大につながる。
【0008】
また、上記4サイクルエンジンを搭載した雪上車において、例えば、メインオイルギャラリから2軸のバランサシャフト双方に向けてオイル通路を各々形成したとすると、オイル通路が複雑化して通路の加工が容易でないだけでなく、通路形成のためのスペース確保の必要からエンジンが大型化する。
【0009】
ところで、上記特許文献2では、メインオイルギャラリとサブオイルギャラリとを分岐管で連結しているが、分岐管を別途設けるために、省スペースには不利である。
【0010】
また、4サイクルエンジンを搭載した雪上車において設けられるオイルフィルタは、定期交換が必要であるため、他の部品と干渉せず、且つ交換作業が容易となるような配置が求められる。例えば、エンジンが後傾される場合にエンジンの後部(吸気側)にオイルフィルタを配置、あるいはエンジンが前傾される場合にエンジンの前部(排気側)にオイルフィルタを配置すると、オイルフィルタの位置が下方になるため、交換作業が困難となる。また、オイルフィルタをマグネト装置側に配置すると、エンジンルームの側壁との間隔が狭く、オイルフィルタの脱着が容易でない。さらには、クラッチ機構部、排気管、ステアリングポスト、エンジンマウント等の他部品との干渉も回避しなければならない。
【0011】
本発明は上記従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その第1の目的は、クラッチ機構部との干渉及びエンジンの大型化を回避しつつ、供給用、回収用オイルポンプを設けることができるエンジンの潤滑構造を提供することにある。
【0012】
本発明の第2の目的は、エンジンの大型化を抑制することができる雪上車用エンジンの潤滑構造を提供することにある。
【0013】
本発明の第3の目的は、オイルフィルタの他部品との干渉を回避すると共に交換作業を容易にすることができる雪上車を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するために本発明の請求項1のエンジンの潤滑構造は、クランクシャフトを軸支するクランクケースと、クランクシャフトの一端部側に配置されたクラッチ機構部と、前記クランクケースの前記クラッチ機構部と反対側の側部に固定されたマグネトカバーと、前記クランクケースと前記マグネトカバーとの間において前記クランクシャフトの他端部側に配置されたマグネト装置とを有し、潤滑オイルを供給するための供給用オイルポンプ及び潤滑オイルを回収するための回収用オイルポンプが、前記クランクケースと前記マグネトカバーとの間に配置されたことを特徴とする。
【0015】
上記第2の目的を達成するために本発明の請求項5の雪上車用エンジンの潤滑構造は、複数のシリンダと、左右方向に沿って設けられたクランクシャフトとを有する雪上車用エンジンの潤滑構造において、前記複数のシリンダに対して前方及び後方の一方においてエンジンに設けられたメインオイルギャラリと、前記複数のシリンダに対して前方及び後方の他方において前記エンジンに設けられ、ピストン冷却用ジェットが接続されたサブオイルギャラリと、前記エンジンの左側部及び右側部の一方に設けられたオイルポンプと、前記エンジンの左側部及び右側部の他方において前記オイルポンプに対して最も離間しているシリンダより前記オイルポンプの反対方向に形成され、前記メインオイルギャラリと前記サブオイルギャラリとに連通するオイル連通路とを有することを特徴とする。
【0016】
上記第2の目的を達成するために本発明の請求項7の雪上車用エンジンの潤滑構造は、クランクシャフトが左右方向に沿って設けられた雪上車用エンジンの潤滑構造において、前記クランクシャフトと略平行に該クランクシャフトの前方、後方にそれぞれ設けられた前側、後側バランサシャフトと、前記クランクシャフト、前記前側、後側バランサシャフトをそれぞれ軸支するクランク軸受け部、前側、後側バランサ軸受け部を有するクランクケースと、前記クランクシャフトの前方において該クランクシャフトと略平行に前記クランクケースに設けられたメインオイルギャラリと、前記クランクケースに設けられ、前記メインオイルギャラリと前記前側バランサ軸受け部とを接続する第1オイル通路と、前記クランクケースに設けられ、前記メインオイルギャラリと前記クランク軸受け部とを接続する第2オイル通路と、前記クランクケースに設けられ、前記クランク軸受け部と前記後側バランサ軸受け部とを接続する第3オイル通路とを有することを特徴とする。
【0017】
上記第3の目的を達成するために本発明の請求項9の雪上車は、クランクシャフトが左右方向に沿って設けられ、エンジンが前後方向に傾倒して配置された雪上車において、前記エンジンの前部及び後部のうち、該エンジンの傾倒により上側となる方に、前記クランクシャフトと略平行に設けられたバランサシャフトと、前記バランサシャフトの上方に配置されたオイルフィルタとを有することを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0019】
図1は、本発明の一実施の形態に係るエンジンの潤滑構造を備えた雪上車の側面図である。図2は、同雪上車の側面視によるエンジンルーム内部の透視図である。図3は、同雪上車の平面視によるエンジンルーム内部の透視図である。
【0020】
雪上車(スノーモービル)1は、後述するエンジンルーム30内に2気筒4サイクルエンジン2(以下、単に「エンジン2」と称する)を収容したものである。以降、雪上車1の前後方向及び左右方向は、運転者を基準にして呼称する。
【0021】
まず、雪上車1の全体構造を説明する。
【0022】
雪上車1は、図1に示すように、前後方向に延びた車体フレーム10の前部(エンジンマウントフレーム)10aの下部に左右一対の操舵用そり13が左右方向に向くように回動自在に設置され、車体フレーム10の後部10bの下部に、トラックベルト15を循環させる駆動用のクローラ16が配置されて構成される。クローラ16は、フレーム後部10bの前端に配置された駆動輪17と、後端に配置された従動輪18と、複数の中間輪19と、それらを懸架・緩衝するサスペンション機構20と、各車輪の周囲に巻きかけられて循環するトラックベルト15とを有するものである。
【0023】
前記車体フレーム10は、モノコックフレーム構造で構成されており、エンジン2が搭載されるフレーム前部10aは、平面視で前方にいくにつれて徐々に絞られた形状であって上部が開口している概略船底形状を呈し、上方からエンジンフード29が被せられている。
【0024】
また、フレーム前部10aには、前部で上方に突出したそりハウス部41が形成されており、このそりハウス部41内に、サスペンション及びステアリング機構部42が収容される。また、クローラ16の前部(駆動輪17上方付近)を収容する不図示のトラックハウジングがフレーム後部10bと連続的かつ一体的に形成されている。
【0025】
フレーム後部10bは、クローラ16全体を下方に収容するカバーを兼ねている。フレーム後部10bの上方には、鞍形のシート22が配置され、該シート22の車体幅方向左右両側部には、該シート22より一段低くなったステップ23(23L、23R)が設けられている。前記シート22とフレーム前部10aとの間のほぼ車体幅方向中央部には、ステアリングポスト25が立設され、該ステアリングポスト25の上端部にはステアリング26が水平方向左右に延設されている。該ステアリング26によりステアリングポスト25を介して操舵用そり13を操作するようにされている。
【0026】
ステアリング26近傍及びその前方には、インストルメントパネル27が設けられ、また、ウインドシールド28が、インストルメントパネル27の前方を包囲するように前方から両側方に亘りその上端縁を後方に傾倒させた状態で立設されている。エンジンフード29は、略流線形状に緩やかに下がった概略船底を逆さにした形状で形成される。エンジンフード29とインストルメントパネル27との段差部近傍には、前方を照射するヘッドライト31が配設されている。エンジンルーム30は、このように配設されたインストルメントパネル27及びエンジンフード29の下方に形成される。
【0027】
次に、エンジンルーム30内のエンジン2の構成について説明する。
【0028】
エンジン2は、図2に示すように、シリンダヘッド4を上側に配置した2気筒の4サイクルエンジンであって、ステアリングポスト25に近接して配置される。エンジン2は、クランクシャフト7が車体幅方向に略平行に向けられ(図3参照)、シリンダヘッド4側を後方に傾倒させた状態で配置されている。これらにより、エンジンフード29がヘッドライト31の照射光路を遮らないように、エンジン全高が低く抑えられている。
【0029】
図3に示すように、クランクシャフト7の左方であって、エンジンルーム30の左側部には、クラッチ機構部38が設けられる。クラッチ機構部38は、例えば、遠心クラッチ装置を内蔵したVベルト式無段変速機として構成され、受動側のギヤ等を介してトラックベルト15に駆動力が伝達される構成になっている。
【0030】
エンジン2の上部であってヘッドカバー8のやや後方には、スロットルボディ57が配置される。エンジン2の前部には排気通路36が配置され、排気通路36に図示しない排気マフラが接続される。従って、本雪上車1は、エンジン2の前側が排気側、後側が吸気側となっている。
【0031】
図2、図3に示すように、バッテリ51が、エンジン2の右方に配置される。また、ガソリンタンク55が、エンジンルーム30の後部において、ステアリングポスト25の後方に配置される。また、オイルタンク59が、エンジンルーム30における後部右側部に配置される。
【0032】
雪上車1は、ドライサンプ方式の潤滑構造が採用されており、後述するように、エンジン2には、潤滑オイルを供給するためのフィードオイルポンプ(以下、「オイルポンプFEP」と称する)及び潤滑オイルを回収するためのスカベンジングオイルポンプ(以下、「オイルポンプSCP」と称する)とが設けられる。図2に示すように、オイルタンク59にオイルポンプSCPから潤滑オイルを戻すためのオイル管53と、オイルタンク59の潤滑オイルをオイルポンプFEPに送るためのオイル管54とが設けられる。
【0033】
図4はエンジン2の正面図、図5はエンジン2の背面図、図6はエンジン2の右側面図、図7はエンジン2の左側面図である。
【0034】
図4、図5に示すように、クランクシャフト7は、シリンダブロックを兼ねるアッパクランクケース5とロアクランクケース6との間に支持され、クランクシャフト7の出力軸(PTO)7a側が左方を向くように配置される。アッパクランクケース5はシリンダヘッド4の下方に配置され、ロアクランクケース6の下方にはオイルパン49が配置される。また、エンジン2の右部には、ウォータポンプ58及びマグネトカバー60が設けられる。マグネトカバー60は、アッパクランクケース5及びロアクランクケース6の右側部に固定される。ヘッドカバー8の右部(図4における左部)はカムチェーン室66を構成している。
【0035】
また、図7に示すように、クランクシャフト7を挟んで、クランクシャフト7の前方、後方に、それぞれ前側バランサシャフト61、後側バランサシャフト62が、クランクシャフト7と略平行に設けられる。前側、後側バランサシャフト61、62は、クランクシャフト7と共に、アッパクランクケース5及びロアクランクケース6間に軸支される。また、図5、図7に示すように、後側バランサシャフト62の上方においてエンジン2の後部にはスタータモータ65が設けられる。
【0036】
図4、図6、図7に示すように、エンジン2の前部にはオイルフィルタ56及び水冷式のオイルクーラ64が設けられる。オイルフィルタ56は、前側バランサシャフト61のほぼ上方に配置され、オイルクーラ64を介してアッパクランクケース5に取り付けられる。
【0037】
図8は、マグネトカバー60及びオイルポンプSCPを取り外したアッパクランクケース5及びロアクランクケース6の右側面図である。図9は、マグネトカバー60の左側面図である。図10は、図8のA−A線に沿う断面図である。図11は、図8のB−B線に沿う断面図である。
【0038】
図10、図11に示すように、マグネトカバー60は、両クランクケース5、6の右側部5c、6cに取り付けられる。マグネトカバー60が両クランクケース5、6に固定されたとき、アッパクランクケース5の接合面5a(図8、図10参照)及びロアクランクケース6の接合面6a(図8、図11参照)と、マグネトカバー60の接合面60a(図9、図10、図11参照)とが対向当接する。
【0039】
クランクシャフト7は、その第1〜第3ジャーナルCJ1〜CJ3で軸支される。前側バランサシャフト61は、その第1、第2ジャーナルBJ1、BJ2で軸支され、後側バランサシャフト62も図示しないが同様に軸支される。
【0040】
図10に示すように、前側バランサシャフト61の左端部61bには、第1、第2バランサシャフトドリブンギヤ78、79が固定され、前側バランサシャフト61の右端部61aには、オイルポンプドライブギヤ77が固定されている。クランクシャフト7の第3ジャーナルCJ3の右方には、バランサシャフトドライブギヤ80が取り付けられており、クランクシャフト7の回転が、バランサシャフトドライブギヤ80、第1、第2バランサシャフトドリブンギヤ78、79を介して前側バランサシャフト61に伝達されるようになっている。
【0041】
クランクシャフト7の出力軸7aの反対側の端部である右端部7bには、カムスプロケット73が固定され、カムスプロケット73には、図示しないカムシャフトに駆動力を伝えるためのカムチェーン74が巻き掛けられている。クランクシャフト7の右端部7bにはまた、スタータワンウェイギヤ71及びスタータワンウェイクラッチ72からなるスタータクラッチ部70が、クランクシャフト7と略同軸に設けられる。
【0042】
スタータクラッチ部70の右方には、発電用のマグネトMGが設けられる。マグネトMGは、両クランクケース5、6とマグネトカバー60との間に配置される。マグネトMGは、マグネトフライホイール76、マグネトステータ75及びパルサーコイル106(図9参照)を含んで構成される。マグネトフライホイール76は、クランクシャフト7と一体に回転するように右端部7bに取り付けられる。マグネトステータ75及びパルサーコイル106は、マグネトカバー60に固定される。
【0043】
スタータワンウェイクラッチ72は、カムスプロケット73とマグネトMGとの間に配置され、マグネトフライホイール76に固定されている。スタータワンウェイクラッチ72は、スタータワンウェイギヤ71の回転をクランクシャフト7に伝達するが、逆にクランクシャフト7の回転をスタータワンウェイギヤ71に伝達しないようにラチェット構造となっている。
【0044】
また、図8に示すように、後側バランサシャフト62の上方に、下方から順にスタータギヤ69、スタータリミッタ68及びスタータモータ65が側面視(クランクシャフト7の軸方向視)においてほぼ直線状に配列される。スタータリミッタ68は、所定の範囲内で動力を伝達する。
【0045】
そして、エンジン始動の際には、スタータモータ65が回転すると、その回転が、スタータモータ65のピニオンギヤ43からスタータリミッタ68、及びスタータリミッタ68のドライブギヤ44を介してスタータワンウェイギヤ71に伝わる。ここで、スタータワンウェイギヤ71とスタータワンウェイクラッチ72とは一体的に構成されているので、スタータワンウェイギヤ71の回転がスタータワンウェイクラッチ72及びマグネトフライホイール76を介してクランクシャフト7の右端部7bに伝達され、クランクシャフト7が回転駆動されてエンジン2の始動がなされる。
【0046】
図8、図9に示すように、オイルポンプFEP、オイルポンプSCPは、前側バランサシャフト61の上方、下方にそれぞれ配置され、両クランクケース5、6とマグネトカバー60との間に設置される。
【0047】
オイルポンプSCPは、図11に示すように、SCポンプ本体81及びSCポンプドリブンギヤ82を含んで構成され、複数のボルト85でロアクランクケース6に固定される。SCポンプドリブンギヤ82はオイルポンプドライブギヤ77と噛み合っており、前側バランサシャフト61によりオイルポンプドライブギヤ77を介してオイルポンプSCPが駆動される。
【0048】
図8に示すように、ロアクランクケース6において、オイルポンプSCPの下方位置にはオイル吸入穴6bが形成され、これに対応するオイル吸入穴60bがマグネトカバー60に形成されている(図9参照)。オイルパン49に溜まった潤滑オイルは、オイルポンプSCPによって、オイル吸入穴6b、オイル吸入穴60bを通じて戻され、オイル管53を通じてオイルタンク59に回収される。その後、オイルタンク59からオイル管54を通じてオイルポンプFEPに導かれる(図2、図3参照)。
【0049】
図12は、図8のC−C線に沿う断面図である。同図に示すように、オイルポンプFEPは、FEポンプ本体83及びFEポンプドリブンギヤ84を含んで構成され、複数のボルト86でマグネトカバー60に固定される(図9参照)。FEポンプドリブンギヤ84はオイルポンプドライブギヤ77と噛み合っており、前側バランサシャフト61によりオイルポンプドライブギヤ77を介してオイルポンプFEPが駆動される。
【0050】
ここで、SCポンプドリブンギヤ82及びFEポンプドリブンギヤ84はいずれも、前側バランサシャフト61の軸方向における各位置がオイルポンプドライブギヤ77とほぼ同じである。そして、SCポンプドリブンギヤ82は、SCポンプ本体81よりも、前側バランサシャフト61の軸方向中心CP(図10参照)側に配置され、同様に、FEポンプドリブンギヤ84は、FEポンプ本体83よりも軸方向中心CP側に配置される。しかも、オイルポンプドライブギヤ77は、スタータワンウェイギヤ71に対し、前側バランサシャフト61の軸方向中心CP側にオフセットされている。これらにより、マグネトフライホイール76の右方への張り出しを抑制できる設計となり、エンジン2の全幅抑制に寄与しているだけでなく、オイルポンプドライブギヤ77とスタータワンウェイギヤ71とのオフセットにより、両ギヤ77、71のギヤ径の自由度が増している。
【0051】
図12に示すように、ウォータポンプ58は、オイルポンプFEPの右方にオイルポンプFEPと同軸に配置される。ウォータポンプ58は、その被嵌合部CON4が、マグネトカバー60のウォータポンプ取付部CON3に嵌合されることで、マグネトカバー60に対して固定状態とされ、オイルポンプFEPと共に駆動される。また、マグネトカバー60の結合部CON1とアッパクランクケース5の結合部CON2とが対向している。
【0052】
図8に示すように、アッパクランクケース5の結合部CON2には潤滑オイルをエンジン2の内部に導くための穴5bが形成される。一方、図9に示すように、マグネトカバー60の結合部CON1には、オイルポンプFEPの潤滑オイル吐出口となる穴60cが形成される。図12に示すように、結合部CON2には、マグネトカバー60側から順に、ゴム等のシール用弾性部材87、逆流防止用ボール88及びスプリング89が設けられる。シール用弾性部材87はボール受け部87aで逆流防止用ボール88と当接している。スプリング89は逆流防止用ボール88をシール用弾性部材87側に常に付勢している。シール用弾性部材87は、結合部CON1と結合部CON2とに挟持されるので、特別な固定部品が不要で、構成が簡単である。
【0053】
オイルポンプFEPから圧送される潤滑オイルが、結合部CON1の穴60cから吐出されて結合部CON2に入ると、その圧力により、スプリング89の反力に抗して逆流防止用ボール88がシール用弾性部材87から離間する。そして、逆流防止用ボール88とシール用弾性部材87との間隙を通じて潤滑オイルが穴5bに流れ込み、その後エンジン2の内部へ供給される。一方、潤滑オイルが穴5bから穴60cの方向へ流れようとした場合は、スプリング89の反力により逆流防止用ボール88がシール用弾性部材87のボール受け部87aと当接してシールされる。これにより、エンジン停止時における潤滑オイルの逆流防止、乃至オイルタンク59側からの潤滑オイルの侵入を防止することができる。
【0054】
図13は、エンジン2の縦断面図である。図14は、図13のD−D線に沿う断面図である。図15は図14のE−E線に沿う断面図、図16は図14のF−F線に沿う断面図である。
【0055】
図7、図13に示すように、前側バランサシャフト61、後側バランサシャフト62はそれぞれ、アッパクランクケース5及びロアクランクケース6の両一部(両連結部分)で構成されるバランサ室RM1、RM2内に収容される。オイルフィルタ56は、バランサ室RM1の上方に配置され、且つ斜め上方を向いて配置されている。エンジン2は後傾されており、上半部前部に空間が生じるため、そこにオイルフィルタ56を配置することで、前方への突出が抑えられ、他の部品との干渉の心配がなく、省スペース化も図られている。また、傾倒により上側となっている前側バランサシャフト61の上方にオイルフィルタ56を配置することで、オイルフィルタの位置が高くなり、しかも斜め上方を向いているため、定期交換等における交換作業が容易である。
【0056】
図13、図14に示すように、アッパクランクケース5におけるシリンダ94L、94Rの前方には、メインオイルギャラリ90が設けられる。メインオイルギャラリ90は、左右方向に沿ってアッパクランクケース5の前部5dに形成されている。メインオイルギャラリ90には、オイルフィルタ56からのオイルが流入するためのオイル通路92が連通している。また、アッパクランクケース5におけるメインオイルギャラリ90の反対側にはサブオイルギャラリ91が設けられる。すなわち、サブオイルギャラリ91は、シリンダ94L、94Rの後方であってアッパクランクケース5の後部5eに左右方向に沿って形成されている。
【0057】
また、図14に示すように、アッパクランクケース5の左側部5fであってシリンダ94Lの左方には、オイル連通路95(95A、95B)が設けられる。オイル連通路95A、95Bは、シリンダ94Lを囲うようにシリンダ94Lにほぼ沿って形成され、アッパクランクケース5の左右方向における省スペース化が図られている。メインオイルギャラリ90とサブオイルギャラリ91とは、オイル連通路95A、95Bを介して連通する。
【0058】
図15に示すように、アッパクランクケース5には、第1〜第4オイル通路97〜100が設けられる。また、アッパクランクケース5には、前側バランサシャフト61の第1ジャーナルBJ1(図10参照)を軸支するバランサ軸受け部101、クランクシャフト7の第1ジャーナルCJ1(図10参照)を軸支するクランク軸受け部103、及び後側バランサシャフト62の図示しない第1ジャーナルを軸支するバランサ軸受け部102が設けられる。
【0059】
第1オイル通路97は、メインオイルギャラリ90とバランサ軸受け部101とを接続し、第2オイル通路98は、メインオイルギャラリ90とクランク軸受け部103とを接続する。第3オイル通路99及び第4オイル通路100は、クランク軸受け部103とバランサ軸受け部102とを接続する。
【0060】
メインオイルギャラリ90からの潤滑オイルは、第1オイル通路97を通じてバランサ軸受け部101に流れ、前側バランサシャフト61の第1ジャーナルBJ1を潤滑する。また、メインオイルギャラリ90からの潤滑オイルは、第2オイル通路98を通じて、クランク軸受け部103におけるベアリングメタル104とアッパクランクケース5との隙間105に流れ、クランクシャフト7の第1ジャーナルCJ1を潤滑すると共に、第3オイル通路99にも流れる。第3オイル通路99に流れた潤滑オイルは、第4オイル通路100を通じてバランサ軸受け部102に流れ、後側バランサシャフト62の上記第1ジャーナルを潤滑する。
【0061】
第1〜第4オイル通路97〜100は、クランクシャフト7の軸方向視において、略M字状を呈するように形成される。これにより、オイル通路が効率的に集約化され、通路加工が容易であるだけでなく、各軸受け部への潤滑オイルの供給バランスが良好になっている。
【0062】
なお、図15では、各第1ジャーナル(CJ1、BJ1等)の潤滑構造に関して説明したが、クランクシャフト7の第3ジャーナルCJ3及び前側バランサシャフト61の第2ジャーナルBJ2(図10参照)に対応する位置においても、アッパクランクケース5に第1〜第4オイル通路97〜100と同様の略M字のオイル通路が設けられる。また、クランクシャフト7の第2ジャーナルCJ2(図10参照)に対応する位置においては、第2、第4オイル通路98、99のみが設けられる。
【0063】
図16に示すように、サブオイルギャラリ91には、ピストン冷却用ジェット93が接続され、ピストン冷却用ジェット93はシリンダ94Rを向いている。シリンダ94Lに対応する位置にも同様のピストン冷却用ジェットが設けられている(図示せず)。また、メインオイルギャラリ90の斜め前方の下方には、オイルポンプFEPから圧送される潤滑オイルのオイルフィルタ56への導通路96が設けられる。
【0064】
オイルポンプFEPから圧送され結合部CON2(図8、図12参照)から流入する潤滑オイルは、図示しないリリーフ弁を介し、導通路96を通じてオイルフィルタ56に流れる。その後、潤滑オイルはオイルフィルタ56からメインオイルギャラリ90を経て、その一部が上記のように第1〜第4オイル通路97〜100に流れると共に、他の一部がサブオイルギャラリ91に流れ、ピストン冷却用ジェット93から噴出してシリンダ94R内(対応するピストンを含む)を潤滑する。シリンダ94Lも同様に対応するピストン冷却用ジェットにより潤滑される。
【0065】
また、図16に示すように、アッパクランクケース5には冷却水ジャケット5gが設けられる。冷却水ジャケット5gは、アッパクランクケース5の後部5eであってシリンダ94Rの後方に縦方向に形成され、サブオイルギャラリ91に隣接するよう下方に延設されている。これにより、冷却水ジャケット5gの冷却性が向上している。
【0066】
本実施の形態によれば、クラッチ機構部38がクランクシャフト7の出力軸7a側に配置され、これと反対側の右端部7bにマグネトMGが配置されたドライサンプ方式の潤滑構造において、オイルポンプFEP及びオイルポンプSCPが、両クランクケース5、6とマグネトカバー60との間に配置されたので、オイルポンプFEP及びオイルポンプSCPを、クラッチ機構部38との干渉を避け、且つエンジン2の大型化を回避しつつ設けることができる。特に、オイルポンプFEPはマグネトカバー60に固定されたので、エンジン2の全幅縮小が容易である。なお、オイルポンプSCPについても、アッパクランクケース5ではなくマグネトカバー60側に固定してもよい。
【0067】
また、オイルポンプFEP及びオイルポンプSCPが、前側バランサシャフト61によって駆動されるようにしたので、クランクシャフト7で駆動される場合に比し、FEポンプドリブンギヤ84、SCポンプドリブンギヤ82の大型化が抑制されるだけでなく、クランクシャフト7からの動力取り出しのためにクランクシャフト7が延長されることが回避され、エンジン全幅の拡大が抑制される。さらに、FEポンプドリブンギヤ84、SCポンプドリブンギヤ82は、FEポンプ本体83、SCポンプ本体81よりも、それぞれ前側バランサシャフト61の軸方向中心CP側に配置されたので、マグネトフライホイール76の張り出しが抑制され、エンジン全幅の拡大が抑制される。これらによっても、エンジン2の大型化を抑制することができる。
【0068】
本実施の形態によればまた、雪上車用エンジンの潤滑構造において、メインオイルギャラリ90及びサブオイルギャラリ91が、アッパクランクケース5の、シリンダヘッド4との接合面とロアクランクケース6との接合面との間に配置され、且つ、オイル連通路95A、95Bが、オイルポンプFEP及びオイルポンプSCPに対して最も離間しているシリンダ94Lの左方において、シリンダ94Lを囲うようにシリンダ94Lに沿って形成されたので、図示しないヘッド締め付けボルト及びロアケース締め付けボルトとの干渉を容易に回避できると共に、スペースを有効に使って通路形成ができ、これによってもエンジン2の大型化を抑制することができる。
【0069】
本実施の形態によればまた、2軸バランサシャフトを設けた雪上車用エンジンの潤滑構造において、第1〜第4オイル通路97〜100をM字状に構成し、メインオイルギャラリ90からバランサ軸受け部101及びクランク軸受け部103に潤滑オイルを供給すると共に、クランク軸受け部103を経由してバランサ軸受け部102にも潤滑オイルを供給するようにしたので、オイル通路を効率的に集約及び簡素化して省スペースを図ることで、エンジンの大型化を抑制しつつ各軸受け部にバランスよく潤滑オイルを供給することができるだけでなく、オイル通路の加工を容易にすることができる。
【0070】
本実施の形態によればまた、オイルフィルタ56を、斜め上方を向けて前側バランサシャフト61の上方に配置したので、オイルフィルタ56の他部品との干渉を回避すると共に交換作業を容易にすることができる。
【0071】
なお、本実施の形態では、オイルタンク59をエンジンルーム30における後部右側部に配置することで、オイルポンプSCP及びオイルポンプFEPとの距離を短くして配管を容易にしたが、これに限られるものではなく、オイルタンク59がクラッチ機構部38から遠く、且つ両オイルポンプSCP、FEPからの配管が容易な位置であればよい。具体的には、オイルタンク59は、車体幅方向中心CL(図3参照)に対して右半部に配置されるのが望ましい。
【0072】
なお、本発明における両オイルポンプSCP、FEPの配置態様については、クラッチ機構部38との干渉を避け、エンジン2の大型化を回避しつつオイルポンプFEP及びオイルポンプSCPを配置するという観点からは、雪上車以外の小型車両のエンジンにも適用可能である。
【0073】
なお、本実施の形態では、両オイルポンプSCP、FEPのうちオイルポンプFEPのみをマグネトカバー60に固定したが、エンジン全幅縮小という観点からは、オイルポンプSCP、あるいは両オイルポンプSCP、FEPをマグネトカバー60に固定してもよい。
【0074】
なお、本実施の形態では、オイル連通路95A、95Bをシリンダ94Lの左方に設けたが、エンジン全幅縮小という観点からは、両オイルポンプSCP、FEPがエンジン2の左部に設けられる場合は、これと反対側のシリンダ94Rの右方にオイル連通路95A、95Bを設ければよい。
【0075】
なお、本実施の形態では、エンジン2が後傾されているので、オイルフィルタ56を前側バランサシャフト61の上方に配置したが、これとは逆にエンジン2が前傾される場合、オイルフィルタ56の交換容易化の観点からは、後側バランサシャフト62の上方に配置すればよい。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1によれば、クラッチ機構部との干渉及びエンジンの大型化を回避しつつ、供給用、回収用オイルポンプを設けることができる。
【0077】
本発明の請求項5によれば、エンジン全幅を縮小してエンジンの大型化を抑制することができる。
【0078】
本発明の請求項7によれば、オイル通路を集約及び簡素化して省スペースを図ることで、エンジンの大型化を抑制することができる。さらに、オイル通路の加工を容易にすることができる。
【0079】
本発明の請求項9によれば、オイルフィルタの他部品との干渉を回避すると共に交換作業を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るエンジンの潤滑構造を備えた雪上車の側面図である。
【図2】同雪上車の側面視によるエンジンルーム内部の透視図である。
【図3】同雪上車の平面視によるエンジンルーム内部の透視図である。
【図4】エンジンの正面図である。
【図5】エンジンの背面図である。
【図6】エンジンの右側面図である。
【図7】エンジンの左側面図である。
【図8】マグネトカバー及びオイルポンプを取り外したアッパクランクケース及びロアクランクケースの右側面図である。
【図9】マグネトカバーの左側面図である。
【図10】図8のA−A線に沿う断面図である。
【図11】図8のB−B線に沿う断面図である。
【図12】図8のC−C線に沿う断面図である。
【図13】エンジンの縦断面図である。
【図14】図13のD−D線に沿う断面図である。
【図15】図14のE−E線に沿う断面図である。
【図16】図14のF−F線に沿う断面図である。
【符号の説明】
1 雪上車
5 アッパクランクケース(クランクケース)
5g 冷却水ジャケット
6 ロアクランクケース(クランクケース)
7 クランクシャフト
7a 出力軸(一端部)
7b 右端部(他端部)
38 クラッチ機構部
56 オイルフィルタ
60 マグネトカバー
61 前側バランサシャフト
61a 右端部
62 後側バランサシャフト
77 オイルポンプドライブギヤ
81 SCポンプ本体(オイルポンプ本体)
82 SCポンプドリブンギヤ(オイルポンプドリブンギヤ)
83 FEポンプ本体(オイルポンプ本体)
84 FEポンプドリブンギヤ(オイルポンプドリブンギヤ)
90 メインオイルギャラリ
91 サブオイルギャラリ
93 ピストン冷却用ジェット
94 シリンダ
95A、95B オイル連通路
97 第1オイル通路
98 第2オイル通路
99 第3オイル通路
100 第4オイル通路(第3オイル通路)
101 バランサ軸受け部
102 バランサ軸受け部
103 クランク軸受け部
MG マグネト(マグネト装置)
FEP オイルポンプ(供給用オイルポンプ)
SCP オイルポンプ(回収用オイルポンプ)
CP 軸方向中心
Claims (9)
- クランクシャフトを軸支するクランクケース(5、6)と、クランクシャフト(7)の一端部(7a)側に配置されたクラッチ機構部(38)と、
前記クランクケースの前記クラッチ機構部と反対側の側部に固定されたマグネトカバー(60)と、
前記クランクケースと前記マグネトカバーとの間において前記クランクシャフトの他端部(7b)側に配置されたマグネト装置(MG)とを有し、
潤滑オイルを供給するための供給用オイルポンプ(FEP)及び潤滑オイルを回収するための回収用オイルポンプ(SCP)が、前記クランクケースと前記マグネトカバーとの間に配置されたことを特徴とするエンジンの潤滑構造。 - 前記供給用オイルポンプ及び前記回収用オイルポンプの少なくとも一方は、前記マグネトカバーに固定されたことを特徴とする請求項1記載のエンジンの潤滑構造。
- 前記クランクシャフトと略平行に配置されたバランサシャフト(61)を有し、前記供給用オイルポンプ及び前記回収用オイルポンプが、前記バランサシャフトにより駆動されるように構成されたことを特徴とする請求項1または2記載のエンジンの潤滑構造。
- 前記バランサシャフトの前記クラッチ機構部と反対側の端部(61a)に固定されたオイルポンプドライブギヤ(77)を有し、前記供給用オイルポンプ及び前記回収用オイルポンプの少なくとも一方のオイルポンプは、オイルポンプ本体(81、83)及びオイルポンプドリブンギヤ(82、84)で構成され、前記オイルポンプドライブギヤは、前記一方のオイルポンプのオイルポンプ本体よりも、前記バランサシャフトの軸方向中心(CP)側に配置されたことを特徴とする請求項3記載のエンジンの潤滑構造。
- 複数のシリンダ(94)と、左右方向に沿って設けられたクランクシャフト(7)とを有する雪上車用エンジンの潤滑構造において、
前記複数のシリンダに対して前方及び後方の一方においてエンジンに設けられたメインオイルギャラリ(90)と、
前記複数のシリンダに対して前方及び後方の他方において前記エンジンに設けられ、ピストン冷却用ジェット(93)が接続されたサブオイルギャラリ(91)と、
前記エンジンの左側部及び右側部の一方に設けられたオイルポンプ(FEP、SCP)と、
前記エンジンの左側部及び右側部の他方において前記オイルポンプに対して最も離間しているシリンダより前記オイルポンプの反対方向に形成され、前記メインオイルギャラリと前記サブオイルギャラリとに連通するオイル連通路(95)とを有することを特徴とする雪上車用エンジンの潤滑構造。 - 前記エンジンに設けられ、前記サブオイルギャラリに隣接する冷却水ジャケット(5g)を有することを特徴とする請求項5記載の雪上車用エンジンの潤滑構造。
- クランクシャフトが左右方向に沿って設けられた雪上車用エンジンの潤滑構造において、
前記クランクシャフトと略平行に該クランクシャフトの前方、後方にそれぞれ設けられた前側、後側バランサシャフト(61、62)と、
前記クランクシャフト、前記前側、後側バランサシャフトをそれぞれ軸支するクランク軸受け部(103)、前側、後側バランサ軸受け部(101、102)を有するクランクケース(5)と、
前記クランクシャフトの前方において該クランクシャフトと略平行に前記クランクケースに設けられたメインオイルギャラリ(90)と、
前記クランクケースに設けられ、前記メインオイルギャラリと前記前側バランサ軸受け部とを接続する第1オイル通路(97)と、
前記クランクケースに設けられ、前記メインオイルギャラリと前記クランク軸受け部とを接続する第2オイル通路(98)と、
前記クランクケースに設けられ、前記クランク軸受け部と前記後側バランサ軸受け部とを接続する第3オイル通路(99、100)とを有することを特徴とする雪上車用エンジンの潤滑構造。 - 前記第1〜第3オイル通路は、これら第1〜第3オイル通路で、前記クランクシャフト軸方向視において、略M字状を呈するように形成されたことを特徴とする請求項7記載の雪上車用エンジンの潤滑構造。
- クランクシャフトが左右方向に沿って設けられ、エンジンが前後方向に傾倒して配置された雪上車において、
前記エンジンの前部及び後部のうち、該エンジンの傾倒により上側となる方に、前記クランクシャフトと略平行に設けられたバランサシャフト(61)と、
前記バランサシャフトの上方に配置されたオイルフィルタ(56)とを有することを特徴とする雪上車。
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