JP6910980B2 - 建物 - Google Patents

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Description

本発明は、住宅等の建物に関する。
従来、例えば都市部等の狭小地に建てられる建物において、屋根の一部を、北側斜線制限や隣地斜線制限等の斜線制限に対応した勾配とする技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。そして、このように斜線制限に対応した勾配の屋根の下には、当該屋根に対応する角度に設定された勾配天井のある部屋が設けられる場合がある。
特開2013−249728号公報
ところで、屋根の一部が、北側斜線制限や隣地斜線制限に対応するものであった場合、斜線制限に対応する屋根の下方に設けられた部屋は、日当たりの良くない北側や、隣地に建築された建物の近くに位置している場合があるため、採光しにくい。斜線制限に対応する屋根の直下に設けられた部屋の場合は、屋根に天窓等を設けるなどすれば採光を確保できるが、このような屋根直下の部屋の、更に下方に設けられた部屋には採光が届かず、暗くなりがちである。
さらに、斜線制限に対応する屋根の直下に設けられた部屋は、天井の角度が、屋根の勾配に対応したものとなるため、天井が水平な同等の床面積の部屋に比して手狭な印象を与える場合がある。
そのため、例えば都市部等の狭小地に、斜線制限に対応した屋根を備えた建物を建築しにくいという問題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、斜線制限に対応した屋根を備えることができ、斜線制限に対応した屋根の下方に設けられた部屋の採光性を向上できるとともに、斜線制限に対応した屋根の下方に設けられた部屋を、拡がりのある空間とすることができる建物を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、例えば図1〜図12に示すように、特定階(例えば2階200)とその直上階(例えば3階300)とを有し、棟3aのある勾配屋根3(第二屋根31)が前記直上階300の上方に設けられた複数階建ての建物1において、
前記勾配屋根3のうち北側に位置する一部第二屋根31)は、前記棟3aから前記特定階200の天井レベル(例えば天井210bのレベル)まで傾斜して北側斜線制限に対応する勾配となっており、
前記勾配屋根3の前記一部第二屋根31)の下方には、
前記特定階200と前記直上階300とを接続する踊り場付きの階段401,402と、
前記階段401,402に隣接して配置され、前記特定階200の床211dから前記勾配屋根3(31)までの高さに設定された高天井居室211と、
前記階段402及び前記高天井居室211に隣接して配置されたルーフバルコニー(第五ルーフバルコニー306)と、が設けられており、
前記勾配屋根3のうち南側に位置する他の一部(第一屋根30)の下方には、前記直上階300のうち前記高天井居室211側に設けられた直上階部屋301(三階居室301)が設けられており、
前記高天井居室211の天井は、前記勾配屋根3の前記一部31の角度に対応した勾配天井部211bと、当該勾配天井部211bの上端部に連続する水平天井部211cと、を有し、
前記高天井居室211の上方は、前記勾配天井部211b及び前記水平天井部211cの形状に対応して、前記勾配屋根3の前記一部31まで吹き抜ける吹き抜け部211aとされ、
前記高天井居室211と前記直上階部屋301とが、前記吹き抜け部211aを介して隣接し、
前記直上階部屋301のうち前記吹き抜け部211a側に位置する壁は、前記直上階部屋301側に採光を採るための採光壁部307bとされ、
前記高天井居室211の前記水平天井部211cと前記直上階部屋301の天井部301dは、前記採光壁部307bを介して連続するようにして設けられた状態となっており、
前記階段401,402における前記踊り場には、前記ルーフバルコニー306の床306aと略等しい高さ位置に設定された踊り場402aが含まれ、当該踊り場402aと前記ルーフバルコニー306との間の壁404に出入口(開口部404a)が形成されており、
前記踊り場付きの階段401,402は前記ルーフバルコニー306の南側に位置するとともに昇降方向が南北方向となっており、前記高天井居室211は前記ルーフバルコニー306の西側に位置し、前記踊り場付きの階段401,402と前記高天井居室211の配置は、平面視において、前記ルーフバルコニー306を中心とした直交方向の位置関係となっており、
前記高天井居室211を構成する壁のうち前記ルーフバルコニー306側の壁403(第二壁403b)には、前記高天井居室211と前記ルーフバルコニー306とを採光可能に連通する採光窓(第一採光窓410)が形成されていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、勾配屋根3(31)の下方に、特定階200の床211dから勾配屋根3(31)までの高さに設定された高天井居室211が設けられているので、特定階200から直上階300にかけて縦方向に拡がる空間を確保することができる。また、高天井居室211に隣接し、かつ勾配屋根3(31)の下方にある空間を利用した形で階段401,402が設けられているので、特定階200と直上階300とを接続する階段401,402の設置場所として都合が良い。
さらに、階段401,402における踊り場には、ルーフバルコニー306の床306aと略等しい高さ位置に設定された踊り場402aが含まれ、当該踊り場402aとルーフバルコニー306との間の壁404に出入口404aが形成されているので、特定階200の床211dよりも高い位置にルーフバルコニー306が配置されることになる。そして、このようなルーフバルコニー306と高天井居室211とが、採光可能に連通しているので、高天井居室211の採光性を向上させることができる。
これにより、例えば都市部等の狭小地であっても、斜線制限に対応した屋根3(31)を備えた建物1を建築しやすくなる。
また、高天井居室211を構成する壁のうちルーフバルコニー306側の壁403(第二壁403b)には、高天井居室211とルーフバルコニー306とを採光可能に連通する採光窓410が形成されているので、採光窓410を通じて、ルーフバルコニー306から差し込む光を高天井居室211に導入することができる。
また、高天井居室211と、直上階300のうち高天井居室211側に設けられた部屋301とが、吹き抜け部211aを介して隣接しているので、高天井居室211と、直上階300のうち高天井居室211側に設けられた部屋301に空間的な繋がりを持たせることが可能となる。そのため、ルーフバルコニー306から高天井居室211に導入した光を、直上階300のうち高天井居室211側に設けられた部屋301に導入させることが可能となる。
しかも、直上階部屋301における天井部301dと、高天井居室211における水平天井部211cは、採光壁部307bを介して連続するようにして設けられた状態となっているため、採光壁部307bのその先に視線を向けることで、直上階部屋301の南北方向の長さを広く感じさせることができる。
請求項2に記載の発明は、例えば図3〜5,に示すように、請求項1に記載の建物1において、
当該建物1は、3階建て以上に設定された複数階建ての建物1とされ、防火区画である竪穴区画として、前記階段401,402が設けられた階段室400を有し、前記階段401,402は、前記階段室400を構成する壁403,404,405,406によって囲まれていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、階段室400は、防火区画である竪穴区画として設けられているため、階段室400を構成する壁403,404,405,406によって、高天井居室211とは隔てられた状態となっている。そのため、ルーフバルコニー306から高天井居室211への採光を確保しながら高天井居室211の防火性の向上を図ることができる。
請求項3に記載の発明は、例えば図3〜図7に示すように、請求項1又は2に記載の建物1において、
当該建物1は、第一世帯と第二世帯が使用する二世帯型住宅とされ、
前記高天井居室211は、前記特定階200において第一世帯が使用する部屋(ダイニングキッチン210及びリビング211)の一部とされ、前記直上階300は、第二世帯が使用する階層とされており、
前記特定階200には、出入口210aを介して前記第一世帯が使用する部屋と隣接する廊下201が配置されており、
前記階段401における前記踊り場には、前記廊下201と略等しい高さ位置に設定された踊り場401bが含まれ、当該踊り場401bと前記廊下201とが連続して設けられていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、階段401における踊り場には、第一世帯が使用する部屋と隣接する廊下201と略等しい高さ位置に設定された踊り場401bが含まれ、当該踊り場401bと廊下201とが連続して設けられているので、階段401,402を使用して第二世帯が使用する直上階300に移動する場合、第一世帯が使用する部屋(ダイニングキッチン210、リビング211)を通過する必要がない。これにより、第一世帯と第二世帯との動線を分けることができので、二世帯型住宅であってもプライバシーの確保を図ることができる。
請求項4に記載の発明は、例えば図〜図7に示すように、請求項1〜3のいずれか一項に記載の建物1において、
前記勾配屋根3の前記一部31には、当該勾配屋根3の前記一部31を貫通する開口部31aが形成されており、
前記ルーフバルコニー306は、建物1の外壁のうち外周に位置する外周壁に沿って配置されるとともに、前記開口部31aを通じて上空に向かって開放された状態に設けられており、
前記踊り場402aと前記ルーフバルコニー306との間の壁404に形成された前記出入口404aの上端部は、前記勾配屋根3の前記一部31を正面視した場合に、前記開口部31aの下縁部よりも上方に位置していることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、ルーフバルコニー306へと注がれた光は、踊り場402aとルーフバルコニー306との間の壁404に形成された出入口404aから踊り場402a側に差し込む。
請求項5に記載の発明は、例えば図6、図10〜図14に示すように、請求項1〜4のいずれか一項に記載の建物1において、
前記採光窓410は、前記高天井居室211における前記ルーフバルコニー306側の壁403のうち、前記高天井居室211における前記勾配天井部211bに沿って、かつ、前記直上階300における床付近の高さ位置に配置されていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、ルーフバルコニー306から高天井居室211に導入した光を、直上階300のうち高天井居室211側に設けられた部屋301に導入させることが可能となる。
本発明によれば、斜線制限に対応した屋根を備えることができ、斜線制限に対応した屋根の下方に設けられた部屋の採光性を向上できるとともに、斜線制限に対応した屋根の下方に設けられた部屋を、拡がりのある空間とすることができる。
建物を示す正面図である。 建物を示す左側面図である。 図1におけるA−A線断面図である。 図1におけるB−B線断面図である。 図1におけるC−C線断面図である。 図4〜図6におけるE−E線断面図である。 図4〜図6におけるF−F線断面図である。 図4〜図6におけるG−G線断面図である。 図1におけるD−D線断面図である。 建物内における高天井居室付近の構成を示す概略断面図である。 高天井居室及びその付近の斜視図である。 高天井居室及びその付近の斜視図である。 高天井居室及びその付近の斜視図である。 高天井居室及びその付近の斜視図である。 三階居室から二階のリビングにおける吹き抜け部を見た状態を示す斜視図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の技術的範囲を以下の実施形態および図示例に限定するものではない。
本実施形態における建物1は、図1、図2に示すように、3階建ての二世帯型住宅であり、建物本体2の上方に、棟3aのある勾配屋根3が設けられている。
建物1は、壁や床、屋根といった建物1の構成要素を予め工場にてパネル化しておき、施工現場でこれらのパネルを組み立てて構築する木質系のパネル工法で構築される。ただし、これに限られるものではなく、従来の軸組工法や壁式工法の木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造等の建物にも適用することができる。
図4は、このような建物1の2階部分(特定階200)を示し、図3は、建物1の1階部分(特定階の下方向に隣接する直下階100)を示し、図5は、建物1の3階部分(特定階の上方向に隣接する直上階300)を示している。また、本実施形態において建物1正面は、西向きとされている。
なお、本実施形態における建物1は、上述のように3階建てとされているが、これに限られるものではなく、2階建てであってもよいし、4階建て以上であってもよい。
なお、建物1は、上述のように二世帯型住宅であるため、第一世帯(例えば親世帯)が使用する領域と、第二世帯(例えば子世帯)が使用する領域と、第一世帯と第二世帯が共用する領域(以下、共用スペース)と、がある。
建物本体2は、図3〜図5に示すように、東西方向に寸法が長くなるように形成された中央エリア2aと、その北側に位置する北側エリア2bと、南側に位置する南側エリア2cと、にエリア分けされている。北側エリア2b及び南側エリア2cは、中央エリア2aよりも東西方向の寸法が短く設定されている。そして、北側エリア2b及び南側エリア2cの少なくとも西側端部は、中央エリア2aの西側端部よりも東側に後退した状態となっている。
勾配屋根3における棟3aは、建物本体2における中央エリア2aと北側エリア2bとの境界付近に位置し、かつ東西方向に沿って設けられている。このような棟3aのある勾配屋根3は、図1、図2に示すように、中央エリア2aの上方に設けられた第一屋根30と、北側エリア2bの上方に設けられた第二屋根31と、を備える。
第一屋根30と第二屋根31は、互いに角度が異なるように設定されている。つまり、勾配屋根3は、異種勾配屋根とされている。
第一屋根30は、第二屋根31に比して角度の緩い緩勾配の屋根とされている。第二屋根31は、第一屋根30に比して角度の急な急勾配とされている。また、第二屋根31における勾配(角度)は、北側斜線制限や道路斜線制限、隣地斜線制限に対応している。また、東京都や神奈川県横浜市のような狭小地の多い地域では、「高度地区」と呼ばれる建築物の高さに関する規定があり、本実施形態における建物1は、当該規定を満たすように建築されている。より具体的には、本実施形態における建物1は、「東京2種高度」、「横浜3種高度」の規定を満たしている。
本実施形態における第二屋根31は、1分の1傾斜、すなわち、45度の角度で傾斜している(10寸勾配、矩勾配ともいう。)。
本実施形態における第一屋根30は、上述のように緩勾配であり、雨仕舞いを向上させるために、金属製の屋根(板金屋根)が採用されている。一方、第二屋根31は急勾配であるため、必ずしも板金屋根が採用されなくてもよいが、本実施形態においては、勾配屋根3全体の施工性を考慮して、第一屋根30と第二屋根31の双方に板金屋根が採用されている。
なお、本実施形態における勾配屋根3は、互いに角度が異なる第一屋根30と第二屋根31とを備えた異種勾配屋根とされているが、これに限られるものではない。例えば切妻屋根や寄棟屋根、招き屋根等のような複数の屋根面を備えた勾配屋根であってもよいし、片流れ屋根であってもよい。
勾配屋根3の一部である第二屋根31は、最も高い位置にある棟3aから2階200(特定階200)の天井レベル(後述するダイニングキッチン210の天井210bにおける天井レベル)まで傾斜している。
第二屋根31には、図2に示すように開口部31aが形成されており、建物本体2における北側エリア2bに設けられた第五ルーフバルコニー306(後述する)が見える状態となっている。
建物1の1階100には、図3、図6〜図8に示すように、複数の部屋が設けられている。
1階100における南側エリア2cの西側(正面側)には、屋外空間に位置する玄関ポーチ101が設けられ、その東側には、屋内空間に位置する玄関102と、シューズクローク103が南北に並んで設けられている。
玄関102の北側には、キッチン付きの多目的室104が設けられており、例えば子供同士の遊び場としたり、ホームパーティーの会場としたり、来客の応対を行ったりすることができる。
玄関ポーチ101、玄関102、シューズクローク103、多目的室104は、床レベルが等しく設定されており、行き来がしやすい。特に、多目的室104の南側及び西側に設けられた窓104a,104bは、人の出入りが可能な掃き出し窓とされており、屋外空間との間における行き来がしやすい。
玄関102、シューズクローク103、多目的室104の東側には、中央エリア2a及び南側エリア2cを南北に貫くようにして廊下105が設けられている。廊下105は、玄関102等よりも床レベルが一段高く設定されており、玄関ホールとしても機能する。廊下105の、玄関102側の縁には上がり框105aが設けられている。
廊下105の東側には、南側に位置する応接室106と、北側に位置する水廻り室107が並んで設けられている。応接室106の出入口は幅広に形成された引戸106aによって開閉される。水廻り室107は、階段室400(後述する)との間に出入口を有している。なお、水廻り室107は、浴室107aと洗面脱衣所107bとトイレ107cとを有している。洗面脱衣所107bには、洗濯機置き場のパンが設けられている。この水廻り室107は、第一世帯(親世帯)が主に使用する。
なお、水廻り室107の北側には、後述するウォークインクローゼット110が配置されている。このウォークインクローゼット110のある位置及びその東側の出入口付近は、図8に示すように、水廻り室107よりも床レベルが一段低く設定されている。その分、ウォークインクローゼット110のある位置及びその東側の出入口付近は、天井の高さレベルも下げることができるので、その上方にスペース(後述する第二低天井収納室214)を取ることができるようになっている。
階段室400は、廊下105の北側に位置しており、1階100から3階300まで上下方向に沿って設けられている。この階段室400は、防火区画である竪穴区画として、階段401,402が設けられ、階段401,402は、階段室400を構成する壁403,404,405,406によって囲まれている。また、階段室400、すなわち階段401,402は、第二屋根31の下方に設けられている。
なお、竪穴とは、複数階に亘って垂直方向に連続する空間を指しており、火災時においては炎や煙の伝播経路となる場合がある。そのため、竪穴を、建築基準法施行令第112条第9項に則した防火区画(竪穴区画)として、他の部屋から区画するとともに竪穴を区画する壁や床を準耐火構造とする。すなわち、階段室400は、以上のような防火区画(竪穴区画)として形成されており、階段室400を構成する壁403,404,405,406は、準耐火構造となっている。さらに、階段室400と、隣接する部屋等との間には、常時閉鎖式防火戸又は随時閉鎖式防火戸などの防火戸407a〜407c、408a〜408c、409が設けられている。
より詳細に説明すると、建物1の1階100においては、階段室400と廊下105との間に防火戸407aが設けられ、階段室400と主寝室108との間に防火戸407bが設けられ、階段室400と水廻り室107との間に防火戸407cが設けられている。建物1の2階200においては、階段室400とダイニングキッチン210(後述する。)との間に防火戸408aが設けられ、階段室400と廊下201(後述する。)との間に防火戸408bが設けられ、階段室400と主寝室208(後述する。)との間に防火戸408cが設けられている。建物1の3階300においては、三階居室301(後述する。)の通行を妨げないよう、階段402の降り口(最上段)に防火戸409が設けられている。
なお、2階200における防火戸408bは、スペースの都合上、廊下201内に設けられており、この状態で階段室400における防火機能を発揮する。また、3階300における防火戸409も、スペースの都合上、階段402の降り口に設けられており、この状態で階段室400における防火機能を発揮する。
階段401は、1階100と2階200とを接続する折り返し階段であり、階段401が折り返す部分に踊り場401aが設けられている。踊り場401aの下方には、後述する階段下収納401cが設けられている。階段401を上りきった位置には、2階200に位置し、かつ階段402との間に位置する踊り場401bが設けられている。
階段402は、2階200と3階300とを接続する折り返し階段であり、階段402が折り返す部分に踊り場402aが設けられている。階段402を上りきった位置には、3階300に設けられた三階居室301がある。
1階100における階段室400の西側には、第一世帯が使用する主寝室108が設けられている。主寝室108内には、1階100と2階200とを接続するエレベーターが備えられたエレベーター室500が設けられている。なお、このエレベーター室500も、階段室400と同様に防火区画としてもよい。
主寝室108の東側であって、かつ階段室400の北側には、書斎109が設けられている。また、階段室400の階段401の下方には階段下収納401cがあり、書斎109から使用できるようになっている。
書斎109の東側であって、かつ水廻り室107の北側には、ウォークインクローゼット110が設けられている。
主寝室108、書斎109、ウォークインクローゼット110は、第一世帯が使用する領域とされている。なお、1階100におけるその他の部屋等は、第一世帯と第二世帯の双方が共用する共用スペースとされている。
また、書斎109及びウォークインクローゼット110は、図7、図8に示すように、その床レベルが、主寝室108の床レベルよりも一段低くなるように設定されている。ウォークインクローゼット110は、床レベルを低くした分、天井の高さレベルも下げることができるので、その上方にスペース(後述する第二低天井収納室214)を取ることができるようになっている。
なお、1階100における階段室400の周囲は、各出入口を通じて周回可能になっている。すなわち、利便性の高い生活動線を考慮した所謂サーキュレーションプランが採用されている。
建物1の2階200には、図4、図6〜図8に示すように、複数の部屋が設けられている。
1階100と2階200とを接続する階段401を上りきった位置には、上述のように踊り場401bがあり、踊り場401bと連続して、2階200における廊下201が設けられている。廊下201は、1階100における廊下105の上方に位置しており、2階200において中央エリア2a及び南側エリア2cを南北に貫くようにして設けられている。より詳細には、廊下201は、踊り場401bから建物本体2の南端にかけて設けられている。また、この廊下201は、踊り場401bと略等しい高さ位置に設定されている。
廊下201における南側端部の東側にはトイレ202が設けられ、西側には洗面脱衣所203が設けられている。洗面脱衣所203の西側には浴室204が設けられている。これらトイレ202、洗面脱衣所203、浴室204を含む水廻り室は、第二世帯(子世帯)が主に使用する。
浴室204の北側には、第一ルーフバルコニー205が設けられ、第一ルーフバルコニー205の東側には、和室206が設けられている。第一ルーフバルコニー205は、南側の出入口205aを通じて浴室204からも、東側の出入口205bを通じて和室206からも、北側の出入口205cを通じて後述するダイニングキッチン210からも行き来ができるようになっている。なお、第一ルーフバルコニー205の天井と和室206の天井は、その高さ位置が略等しく設定され、かつ、同様の天井材が用いられており、あたかも、屋外側と屋内側に仕切られた一つの部屋として認識されるような印象を与えることができる。廊下201を挟んで和室206の東側には、ウォークインクローゼット207が設けられている。
トイレ202、洗面脱衣所203、浴室204は、第一ルーフバルコニー205、和室206、ウォークインクローゼット207は、共用スペースとなっている。
さらに、和室206は、2階200の床レベルよりも一段高い、いわゆる小上がりとされており、廊下201と隔てなく隣接した状態となっている。また、小上がりである和室206は、風呂上りに滞在するための涼みスペース(休憩スペース)としても機能する。そのため、和室206にいる住人と、廊下201を通行する住人との目線が合いやすく、多世帯住宅における住人同士のコミュニケーションの機会を増やすことができる。
また、第一ルーフバルコニー205も、2階200の床レベルよりも一段高く、和室206の床レベルと略等しく設定されている。そのため、例えば第一ルーフバルコニー205で干された洗濯物を、和室206に取り込んで、和室206でたたむなどの作業に支障が出にくく、作業性を向上させることができる。なお、第一ルーフバルコニー205の床は、デッキ床とされている。
また、和室206は、出入口206aを通じて、後述するダイニングキッチン210との間を行き来することができるため、第1世帯の住人は、和室206を使用しやすい。
しかも、和室206の周囲は、各出入口を通じて周回可能になっている。すなわち、利便性の高い生活動線を考慮した所謂サーキュレーションプランが採用されている。
ウォークインクローゼット207の北側には、第二世帯が使用する主寝室208が設けられている。主寝室208の北側には、専用階段208aを上った先にウォークインクローゼット209が設けられている。当該ウォークインクローゼット209も、第二世帯が使用するものとなっている。
ウォークインクローゼット209は、専用階段208aを上った先に設けられているため、主寝室208よりも床レベルが高くなっている。その分、ウォークインクローゼット209の下方にスペース(後述する第二低天井収納室214)を取ることができるようになっている。
廊下201を挟んで主寝室208の西側には、第一世帯が使用するダイニングキッチン210が設けられている。ダイニングキッチン210内には、1階100から設けられたエレベーター室500が設けられている。
また、ダイニングキッチン210には、シンクやコンロを有する調理台210c(キッチン設備)や、ダイニングテーブル210dが設置されている。ダイニングテーブル210dの西側には、ソファ210eが設置されており、このソファ210eの背もたれの高さは、西側に位置する外壁に設けられた腰窓210fの下端部付近までの高さに設定されている。
ダイニングキッチン210と、廊下201との間には、出入口210aが形成されている。ダイニングキッチン210と廊下201は、この出入口210aを介して隣接している。
ダイニングキッチン210の北側であって、かつ階段室400の西側には、ダイニングキッチン210よりも床レベルが一段高い位置に、第一世帯が使用するリビング211が設けられている。このリビング211とダイニングキッチン210は、第一世帯が使用する一つの部屋(居室)として設けられている。すなわち、リビングとダイニングとキッチンの機能を一室に併存させた部屋となっている。したがって、リビング211とダイニングキッチン210を含む当該部屋は、上記の出入口210aを介して廊下201と隣接している。
また、リビング211は、図6、図10〜図14に示すように、床211dから第二屋根31までの高さに設定された高天井居室とされている。すなわち、リビング211の上方は、第二屋根31まで吹き抜ける吹き抜け部211aとされている。リビング211の天井は、ダイニングキッチン210の天井210bよりも上方に位置している。そして、リビング211の天井は、第二屋根31の角度に対応した勾配天井部211bと、上端部の水平天井部211cと、を有しており、吹き抜け部211aも、これら勾配天井部211b及び水平天井部211cの形状に対応したものとなっている。
さらに、リビング211の西側には、第二ルーフバルコニー212が設けられている。
リビング211の東側であって、かつ階段室400の北側には、図4、図7に示すように、天井高が例えば0.8m〜1.4m程度に設定された第一低天井収納室213が設けられている。第一低天井収納室213の出入口は、スライド可能に構成された収納棚213aによって開閉される。
また、主寝室208よりも数段高い床レベルに設定されたウォークインクローゼット209の下方には、図8に示すように、第二低天井収納室214が設けられている。この第二低天井収納室214は、階段401の踊り場401aから出入りすることができる。より詳細に説明すると、階段室400を構成する東側の壁405に出入口214aが形成されており、この出入口214aを通じて踊り場401aと第二低天井収納室214とを行き来することができる。
ダイニングキッチン210内には、上述のようにエレベーター室500が設けられており、エレベーター室500を構成する壁のうちリビング211側の壁501は、図11〜図14に示すように、下端部に暖炉装置502が一体形成された状態となっている。
暖炉装置502は、実際に火を焚くものであってもよいし、実際には火を焚かない装飾又は暖房器具であってもよい。実際に火を焚くものである場合は、リビング211側の壁501を空洞状にして煙突を形成し、勾配屋根3にも排煙口を形成する。また、暖炉装置502の上方の壁には、テレビが設置されている。
建物1の3階300には、図5〜図8に示すように、複数の部屋が設けられている。また、建物1の3階300は、第二世帯が使用する階層とされている。
2階200と3階300とを接続する階段402を上りきった位置には、上述のように三階居室301が設けられている。この三階居室301は、リビングとダイニングとキッチンの機能を一室に併存させた部屋である。キッチンの領域には、シンクやコンロを有する調理台308(キッチン設備)が設置されている。調理台308には、キッチンカウンター309が設けられている。このキッチンカウンター309の下側は、テレビ309aを設置するためのスペースや、雑誌等を収納できるスペース(図示せず)が設けられており、これらのスペースは、キッチンカウンター309の下側に設けられた引き戸によって開放したり閉塞したりすることができる。なお、キッチンカウンター309は、調理台308の西側端部から東側端部に向かって延びるような平面視略L字状に形成されており、その東側端部は、調理台308の東側端部よりも東側に延びている。これにより、キッチンカウンター309下側の上記した各スペースを幅広に確保することができるようになっている。
三階居室301は、建物本体2の中央エリア2aに位置しており、建物1の2階200におけるリビング211の吹き抜け部211aに面している。すなわち、高天井居室であるリビング211と、三階居室301は、吹き抜け部211aを介して隣接している。
三階居室301の北側であって、かつ階段室400の西側は、2階200におけるリビング211の吹き抜け部211aとなっている。
三階居室301における吹き抜け部211a側の壁307は、2階200の暖炉装置502が一体形成された壁501から第二屋根31まで延びるようにして設けられた透光性を有しない壁部307aと、三階居室301側に採光を採るための採光壁部307bと、を備えている。暖炉装置502が一体形成された壁501と、透光性を有しない壁部307aは一体形成されている。採光壁部307bは、例えば図14等に示すように、ガラスや透明樹脂等のような透光性を有する面材によって構成された部分と、そのような面材がない開放された部分と、を有している。このような開放された部分を通じて、採光だけでなく、上下階間で声が通るようになっており、第一世帯の住人と第二世帯の住人とでコミュニケーションをとることが可能となっている。
壁307の壁際には、カウンター310が設置されている。当該カウンター310は、例えば図15に示すように、採光壁部307bを上下に分けるようにして設けられている。また、このカウンター310を使用する際は、採光壁部310側を向くことになる。
三階居室310における天井部301dの高さ位置は、図7等に示すように、リビング211における水平天井部211cと略等しく設定されている。すなわち、これらの水平天井部211cと天井部301dは、採光壁部307bを介して連続するようにして設けられた状態となっている。
また、三階居室301の西側の壁には開口部301aが形成されており、西側からの光を、三階居室301内や、採光壁部307bを通じて2階200のリビング211に差し込ませることができるようになっている。
三階居室301の東側には、子供部屋302が設けられている。子供部屋302の北側には、子供部屋302よりも床レベルが一段高い位置に、第三低天井収納室303が設けられている。この第三低天井収納室303は、第二屋根31の下方に位置しており、図8に示すように、天井が、第二屋根31の角度に対応した勾配天井部と、上端部の水平天井部と、を有した状態に形成されている。
三階居室301の西側には、第三ルーフバルコニー304が設けられている。
三階居室301の南側縁部には壁があり、その壁際には、収納空間を有するベンチ301bが設けられている。ベンチ301bは、三階居室301の南側縁部の壁及び東側の壁に沿って、平面視略L字状に形成に形成されている。
また、三階居室301の南側には、第四ルーフバルコニー305が設けられており、三階居室301の南側縁部の壁に形成された開口部301cを通じて出入りできるようになっている。すなわち、三階居室301から第四ルーフバルコニー305へと移動する場合は、ベンチ301bを乗り越え、開口部301cを通過する。ベンチ301bの上には、複数のクッション311aが並べて載せられており、人が座りやすい状態となっている。ただし、南側縁部の壁に形成された開口部301cを通じた出入りを考慮し、一部、クッション311aが載せられていない箇所があり、ベンチ301b上の通路領域311bとされている。なお、この通路領域311bは、ベンチ301b上を大雑把にダイニング側とリビング側に分ける箇所としても機能する。
なお、第四ルーフバルコニー305は、2階200における廊下201の南側端部、トイレ202、洗面脱衣所203、和室206、ウォークインクローゼット207の上方に位置しており、建物1の3階300全体に占める割合が高く(広く)なっている。
階段室400の北側であって、かつ吹き抜け部211aの東側には、第五ルーフバルコニー306が設けられている。つまり、第五ルーフバルコニー306は、階段室400を構成する壁403,404を介して、階段402及びリビング211(吹き抜け部211a)に隣接して配置されている。
第五ルーフバルコニー306は、階段402の踊り場402aから出入りすることが可能となっている。すなわち、階段室400を構成する北側の壁404には、窓サッシが設けられた出入口としての開口部404aが形成されており、当該開口部404aを通じて、階段402の踊り場402aと第五ルーフバルコニー306との間を行き来することができる。また、第五ルーフバルコニー306の床306aと、階段402の踊り場402aは、略等しい高さ位置に設定されている。
また、第五ルーフバルコニー306は、図7,図9に示すように、第二屋根31を貫通するようにして設けられており、上空に向かって開口している。
ここで、高天井居室であるリビング211付近の構成について、図面を参照して詳細に説明する。
図6、図10〜図12に示すように、リビング211の吹き抜け部211aと第五ルーフバルコニー306とは、採光可能に連通している。
より詳細に説明すると、高天井居室であるリビング211と、階段室400及び当該階段室400に隣接する第五ルーフバルコニー306との間には、上記した階段室400を構成する壁403が設けられている。すなわち、当該壁403は、階段室400を構成するだけでなく、階段室400よりも南北方向に幅広に形成されて、リビング211を構成しており、南側に位置して階段室400に面する第一壁403aと、北側に位置して第五ルーフバルコニー306に面する第二壁403bと、を備える。
そして、リビング211を構成する壁403のうち第五ルーフバルコニー306側の第二壁403bには、リビング211の吹き抜け部211aと第五ルーフバルコニー306とを採光可能に連通する第一採光窓410が形成されている。第一採光窓410は、収納棚213aによって開閉される第一低天井収納室213の出入口の上方に位置している。
第一採光窓410は、いわゆる嵌め殺し窓であり、ガラスや透明樹脂のような透光性を有する面材とサッシを備える。
第五ルーフバルコニー306へと注がれた光は、第一採光窓410を通じてリビング211へと差し込む。その光は更にリビング211から、リビング211と連続するダイニングキッチン210側や、透光性を有する面材を備えた構成の採光壁部307bを通じて三階居室301側へと差し込むことになる。一方、リビング211から第一採光窓410を見上げると、上述のように第五ルーフバルコニー306は上空に向かって開口しているため、見通しがよく、空が見える状態となっており、開放感が高まる。
また、第五ルーフバルコニー306へと注がれた光は、階段室400を構成する北側の壁404に形成された開口部404aから階段室400内に差し込む。その光は、階段402を通じて、建物1の2階200側と3階300側の双方に差し込むことになる。
なお、第一壁403aは、防火区画である階段室400を構成する壁として機能するため、第二壁403bの第一採光窓410のような開口部は形成されない。
また、リビング211には、図1、図4、図13、図14に示すように、第一採光窓410が形成された壁403と対向する壁220が設けられている。換言すれば、リビング211を構成する壁には、第一採光窓410が形成された壁403と対向する壁220が含まれている。
当該壁220は、第一採光窓410が形成された壁403と対称に形成されており、その上部は壁403と同様に、リビング211における天井(勾配天井部211b、水平天井部211c)の形状に対応したものとなっている。
また、当該壁220は、図1、図4に示すように、建物1の正面に設けられる外壁となっており、吹き抜け部211aのある高さに、第二採光窓220aが形成されている。第二採光窓220aも、第一採光窓410と同様に嵌め殺し窓であり、ガラスや透明樹脂のような透光性を有する面材とサッシを備える。
建物1の正面に注がれた光は、第二採光窓220aを通じてリビング211へと差し込む。その光は更にリビング211から、リビング211と連続するダイニングキッチン210側や、透光性を有する面材を備えた構成の採光壁部307bを通じて三階居室301側へと差し込むことになる。
なお、第二採光窓220aの下方には、リビング211と第二ルーフバルコニー212とを行き来するための出入口となる開口部220bが形成されている。
また、壁403と、壁220との間には、北側に位置する壁221が設けられている。本実施形態においては、この壁221に開口部が形成されていないため、北側からの寒気や冷気に影響を受けにくい。
第一採光窓410と、第二採光窓220aは、互いに高さ位置が異なるように設けられており、さらに南北方向の位置も異なるように設けられている。そのため、リビング211には、様々な方向から光が差し込みやすくなり、リビング211における採光性が向上することになる。また、北側斜線制限によって建物1の北側に、第五ルーフバルコニー306よりも大きなバルコニーを確保できない場合であっても、リビング211に対する日差しを様々な方向から取り込むことができるので、リビング211における採光に係る環境を快適なものにすることができる。
さらに、リビング211の吹き抜け部211aは、勾配天井部211bが第二屋根31の角度に対応して45度の角度で傾斜しているため、水平天井部211cに向かって徐々に3階300の壁307に近づくような形状をしている。そのため、リビング211内から吹き抜け部211aを見上げると、水平天井部211cまでの高さが高く感じられることになる。また、勾配天井部211bは、図11〜図15に示すように、複数の縦目地が形成されたフローリング調に仕上げられているため、リビング211内から吹き抜け部211aを見上げた際の、水平天井部211cまでの高さが強調されることになる。
また、勾配天井部211bは急勾配の第二屋根31の角度に対応するものであるため、勾配天井部211bを、三階居室301の壁307における採光壁部307bから見ても急角度であり、図15に示すように、あたかも壁であるかのような印象を持たせることができるようになっている。また、三階居室301からは、採光壁部307bのその先に視線を向けることで、あたかも壁であるかのような印象の勾配天井部211bが目に入ることになるので、三階居室301の南北方向の長さを広く感じさせることも可能となる。
さらに、上記したように、三階居室301のカウンター310を使用する際は、採光壁部307b側を向くので、勾配天井部211bは、目に入りやすいものとなり、下階側(リビング211側)に意識が向きやすくなるので、第一世帯の住人とのコミュニケーションを確保するうえで好ましい。
さらに、勾配天井部211bのフローリング調の仕上げの色は、リビング211における壁221と異なる色に設定されている。そのため、勾配天井部211bと壁221との境界部分において上下階方向に区切りがついているような状態に見せることができるようになっている。
また、上記したように、三階居室310における天井部301dと、リビング211における水平天井部211cは、採光壁部307bを介して連続するようにして設けられた状態となっているため、採光壁部307bのその先に視線を向けることで、三階居室301の南北方向の長さを広く感じさせることができる。しかも、上記のように勾配天井部211bを、あたかも壁であるかのような印象を持たせることができれば、相乗的に、三階居室301の南北方向の長さを広く感じさせることができるので好ましい。
以上のように、本実施の形態によれば、勾配屋根3における第二屋根31の下方に、2階200の床211dから第二屋根31までの高さに設定されたリビング211が設けられているので、2階200から3階300にかけて縦方向に拡がる空間を確保することができる。また、このような高天井居室であるリビング211に隣接し、かつ第二屋根31の下方にある空間を利用した形で階段401,402が設けられているので、2階200と3階300とを接続する階段401,402の設置場所として都合が良い。
さらに、階段401,402における踊り場には、第五ルーフバルコニー306の床306aと略等しい高さ位置に設定された踊り場402aが含まれ、当該踊り場402aと第五ルーフバルコニー306との間の壁404に出入口404aが形成されているので、2階200の床211dよりも高い位置に第五ルーフバルコニー306が配置されることになる。そして、このような第五ルーフバルコニー306とリビング211とが、採光可能に連通しているので、リビング211の採光性を向上させることができる。
これにより、例えば都市部等の狭小地であっても、斜線制限に対応した屋根である第二屋根31を備えた建物1を建築しやすくなる。
また、リビング211を構成する壁のうち第五ルーフバルコニー306側の壁403における第二壁403bには、リビング211と第五ルーフバルコニー306とを採光可能に連通する第一採光窓410が形成されているので、第一採光窓410を通じて、第五ルーフバルコニー306から差し込む光をリビング211に導入することができる。
また、階段室400は、防火区画である竪穴区画として設けられているため、階段室400を構成する壁403,404,405,406によって、リビング211とは隔てられた状態となっている。そのため、第五ルーフバルコニー306からリビング211への採光を確保しながらリビング211の防火性の向上を図ることができる。
また、階段401における踊り場には、第一世帯が使用する部屋(ダイニングキッチン210及びリビング211)と隣接する廊下201と略等しい高さ位置に設定された踊り場401bが含まれ、当該踊り場401bと廊下201とが連続して設けられているので、階段401,402を使用して第二世帯が使用する直上階300に移動する場合、第一世帯が使用する部屋(ダイニングキッチン210、リビング211)を通過する必要がない。これにより、第一世帯と第二世帯との動線を分けることができので、二世帯型住宅であってもプライバシーの確保を図ることができる。
また、リビング211と、3階300のうちリビング211側に設けられた三階居室301とが、吹き抜け部211aを介して隣接しているので、リビング211と、三階居室301に空間的な繋がりを持たせることが可能となる。そのため、第五ルーフバルコニー306からリビング211に導入した光を、三階居室301に導入させることが可能となる。
1 建物
2 建物本体
2a 中央エリア
2b 北側エリア
2c 南側エリア
3 勾配屋根
3a 棟
31 第二屋根
31a 開口部
100 1階
200 2階
201 廊下
210 ダイニングキッチン
210a 出入口
210b 天井
211 リビング
211a 吹き抜け部
211d 床
220 壁
220a 第二採光窓
220b 開口部
300 3階
301 三階居室
400 階段室
401 階段
401b 踊り場
402 階段
402a 踊り場
403 壁
403a 第一壁
403b 第二壁
404 壁
404a 開口部
410 第一採光窓
500 エレベーター室

Claims (5)

  1. 特定階とその直上階とを有し、棟のある勾配屋根が前記直上階の上方に設けられた複数階建ての建物において、
    前記勾配屋根のうち北側に位置する一部は、前記棟から前記特定階の天井レベルまで傾斜して北側斜線制限に対応する勾配となっており、
    前記勾配屋根の前記一部の下方には、
    前記特定階と前記直上階とを接続する踊り場付きの階段と、
    前記階段に隣接して配置され、前記特定階の床から前記勾配屋根の一部までの高さに設定された高天井居室と、
    前記階段及び前記高天井居室に隣接して配置されたルーフバルコニーと、が設けられており、
    前記勾配屋根のうち南側に位置する他の一部の下方には、前記直上階のうち前記高天井居室側に設けられた直上階部屋が設けられており、
    前記高天井居室の天井は、前記勾配屋根の前記一部の角度に対応した勾配天井部と、当該勾配天井部の上端部に連続する水平天井部と、を有し、
    前記高天井居室の上方は、前記勾配天井部及び前記水平天井部の形状に対応して、前記勾配屋根の前記一部まで吹き抜ける吹き抜け部とされ、
    前記高天井居室と前記直上階部屋とが、前記吹き抜け部を介して隣接し、
    前記直上階部屋のうち前記吹き抜け部側に位置する壁は、前記直上階部屋側に採光を採るための採光壁部とされ、
    前記高天井居室の前記水平天井部と前記直上階部屋の天井部は、前記採光壁部を介して連続するようにして設けられた状態となっており、
    前記階段における前記踊り場には、前記ルーフバルコニーの床と略等しい高さ位置に設定された踊り場が含まれ、当該踊り場と前記ルーフバルコニーとの間の壁に出入口が形成されており、
    前記踊り場付きの階段は前記ルーフバルコニーの南側に位置するとともに昇降方向が南北方向となっており、前記高天井居室は前記ルーフバルコニーの西側に位置し、前記踊り場付きの階段と前記高天井居室の配置は、平面視において、前記ルーフバルコニーを中心とした直交方向の位置関係となっており、
    前記高天井居室を構成する壁のうち前記ルーフバルコニー側の壁には、前記高天井居室と前記ルーフバルコニーとを採光可能に連通する採光窓が形成されていることを特徴とする建物。
  2. 請求項1に記載の建物において、
    当該建物は、3階建て以上に設定された複数階建ての建物とされ、防火区画である竪穴区画として、前記階段が設けられた階段室を有し、前記階段は、前記階段室を構成する壁によって囲まれていることを特徴とする建物。
  3. 請求項1又は2に記載の建物において、
    当該建物は、第一世帯と第二世帯が使用する二世帯型住宅とされ、
    前記特定階のうち少なくとも前記高天井居室は、第一世帯が使用する部屋とされ、前記直上階は、第二世帯が使用する階層とされており、
    前記特定階には、出入口を介して前記高天井居室と隣接する廊下が配置されており、
    前記階段における前記踊り場には、前記廊下と略等しい高さ位置に設定された踊り場が含まれ、当該踊り場と前記廊下とが連続して設けられていることを特徴とする建物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の建物において、
    前記勾配屋根の前記一部には、当該勾配屋根の前記一部を貫通する開口部が形成されており、
    前記ルーフバルコニーは、建物の外壁のうち外周に位置する外周壁に沿って配置されるとともに、前記開口部を通じて上空に向かって開放された状態に設けられており、
    前記踊り場と前記ルーフバルコニーとの間の壁に形成された前記出入口の上端部は、前記勾配屋根の前記一部を正面視した場合に、前記開口部の下縁部よりも上方に位置していることを特徴とする建物。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載の建物において、
    前記採光窓は、前記高天井居室における前記ルーフバルコニー側の壁のうち、前記高天井居室における前記勾配天井部に沿って、かつ、前記直上階における床付近の高さ位置に配置されていることを特徴とする建物。
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