JP6905813B2 - 合成セグメント及びリング体 - Google Patents

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本発明は、沈設構造物を構成し、鋼材と中詰材とを備える合成セグメント、及び当該合成セグメントを複数連結して形成したリング体に関する。
立坑や橋脚補強等の沈設構造物を地中に構築するために、複数のセグメントを連結してリング体を構築し、リング体をその軸線方向に重ねて複数連結した、地中に沈設される沈設体が知られている。
沈設体を地中に沈設する際には、施工場所の地表面上に刃口リングを設け、刃口リングの内側の地盤を掘削した後、刃口リングの上端を沈設装置によって地盤に向けて押圧し、刃口リングを地中に沈設していく。ある程度の深さまで刃口リングを沈設させた後、刃口リングの上端に別のリング体を連結し、リング体の内側を掘削し、リング体の上端を沈設装置によって地盤に向けて押圧し、リング体を地中に沈設していく。このように、複数のリング体の連結による沈設体の組み立てと、地盤の掘削及び沈設体の押圧とを順に繰り返すことで、沈設体を地中に沈設することができる。
リング体を構成するセグメントとしては、沈設構造物の壁面となる湾曲形成されたプレートと、プレートの上端部及び下端部に設けられた主桁と、プレートの左端部及び右端部に設けられた継手とを備えるリング体を構築するセグメントが公知になっている。プレート、主桁及び継手は、全て板状に形成されている(例えば、特許文献1参照)。
また、リング体として、内側から内枠として圧入型枠、鉄筋、外枠としてスチール構造体が配置されたリング体が公知になっている。圧入型枠、スチール構造体の二重枠の間の鉄筋が配置されている空間には、コンクリートが打ち込まれている。スチール構造体が、鉄筋及びコンクリートと一体になっている(例えば、特許文献2参照)。
特許第3967494号公報 特許第4313871号公報
近年、大断面での沈設構造物の施工の需要が増加している。大断面の施工になると、沈設構造物を構成するセグメントも必要な断面性能を確保するために大きくする必要がある。また、沈設構造物として長く使用するため将来の劣化を考慮した維持管理性に適した仕様が望まれる。
しかし、トラックやトレーラー等の輸送機器には、積載可能な大きさに制限があるため、従来の構造のセグメントを単に大きくするだけでは、セグメントを作成した後に施工現場まで運搬することが困難である。また、施工現場で一から沈設構造物を作成することは施工効率の低下を招き好ましくない。さらに、空気や湿気に曝露される面が鋼材である場合、塗装等の防食措置が必要となることも考慮しなければならない。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、大断面での沈設構造物の施工に対応することができ、施工効率の低下を抑制することができ、かつ維持管理性に優れた合成セグメント及び複数の合成セグメントを連結したリング体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、地中に埋設される沈設構造物を構成する合成セグメントであって、前記沈設構造物の外壁を形成する外側ピースと、前記沈設構造物の内壁を形成する内側ピースと、前記外側ピース及び前記内側ピースそれぞれの長手方向における両端部間において、前記外側ピース及び前記内側ピースを互いに連結する中間連結部材と、前記外側ピースと前記内側ピースとの間に設けられた中詰材と、を備え、前記外側ピース及び前記内側ピースのうち少なくとも一方がコンクリートにより形成されていることを特徴とする。
また、前記外側ピースの長手方向における少なくとも一方の端部と、前記内側ピースの長手方向における少なくとも一方の端部とを互いに連結する端部連結部材を有することが好ましい。
また、前記端部連結部材は、少なくとも厚さ16mmのプレートであり、前記端部連結部材は、互いに最大18mの間隔をおいて設けられていることが好ましい。
また、前記外側ピースには、周方向に隣接する他の外側ピースと連結する外側連結部材が設けられており、前記内側ピースには、周方向に隣接する他の内側ピースと連結する内側連結部材が設けられており、前記外側連結部材及び前記内側連結部材の連結端は、嵌合機構を有することが好ましい。
また、前記外側連結部材は、前記外側ピースの周方向における両端部に設けられており、前記内側連結部材は、前記内側ピースの周方向における両端部に設けられていることが好ましい。
また、前記中間連結部材は、断面積が少なくとも19.05mmの棒材であり、前記中間連結部材は複数設けられており、隣接する中間連結部材に対して、前記外側ピース及び前記内側ピースの長手方向及び短手方向に、最大0.6mの間隔をおいて設けられていることが好ましい。
また、前記外側ピース及び前記内側ピースの少なくとも一方は、前記中詰材と接触する面に、前記中詰材に係止する係止部材を有することが好ましい。
また、前記外側ピースが鋼製であり、壁面を形成するプレートと、該プレートの上端部及び下端部に立設された主桁と、これらの主桁間に設けられた補剛材とを備えており、
前記内側ピースがコンクリート製であり、長手方向に配置した複数の主鉄筋と、該主鉄筋を束ねる複数の帯鉄筋と、を備えていることが好ましい。
また、前記鋼製の外側ピース及び前記コンクリート製の内側ピースそれぞれの長手方向における両端部間において、前記鋼製の外側ピースと前記コンクリート製の内側ピースとを連結する中間連結部材は、一端が前記鋼製の外側ピースの補剛材に固定されており、もう一端が前記コンクリート製の内側ピースのコンクリート部分に定着されていることが好ましい。
また、前記中間連結部材は、一端が前記外側ピースに固定されている棒材と、一端が前記内側ピースに固定されている棒材とを備え、前記両棒材の他端同士を繋ぐ連結具を備えていることが好ましい。
また、前記中詰材はコンクリート、ソイルセメント、モルタル又はスラグであることが好ましい。
さらに、本発明は、地中に沈設される沈設構造物の外壁を形成する鋼製の外側ピースと、前記沈設構造物の内壁を形成するコンクリート製の内側ピースと、前記外側ピース及び前記内側ピースそれぞれの長手方向における両端部間において、前記鋼製の外側ピースと前記コンクリート製の内側ピースとを互いに連結する複数の中間連結部材と、前記鋼製の外側ピースと前記コンクリート製の内側ピースの間に設けられている中詰材と、を備え、外側ピース及び内側ピースのうち少なくとも一方がコンクリートにより形成されている合成セグメントを複数連結して構成することを特徴とする。
また、前記外側ピースの長手方向における少なくとも一方の端部と、前記内側ピースの長手方向における少なくとも一方の端部とを互いに連結する端部連結部材を有し、前記端部連結部材は、隣接する前記端部連結部材と、前記沈設構造物の周方向において互いに最大18mの間隔をおいて設けられていることが好ましい。
本発明によれば、大断面での沈設構造物の施工に対応することができ、施工効率の低下を抑制することができ、かつ優れた維持管理性を達成することができる。
地中に沈設された沈設構造物の一部を断面視した概略正面図である。 セグメントの斜視図である。 中詰材がないセグメントの平面図である。 図2に示すセグメントから中詰材を部分的に除去して示す斜視図である。 図2のV−V線上におけるセグメントの断面図である。 セグメントの曲げモーメントと曲率の関係を示すグラフである。
本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す実施の形態は一つの例示であり、本発明の範囲において、種々の形態をとりうる。
図1は、地中に沈設された沈設構造物100の一部を断面視した概略正面図であり、沈設構造物100を立坑に適用した例を示している。図2は、セグメント5の斜視図である。図3は、二重リング44を形成する互いに連結されたセグメント5の平面図であり、中詰材54を充填する前の状態を示す。図4は、図2に示すセグメント5から中詰材54を部分的に除去して示す斜視図であり、一部を透視可能に描いた。図5は、図2に示すセグメント5のV−V線上における断面図であり、一部を透視可能に描いた。
[沈設構造物の構成]
図1に示すように、沈設構造物100は、シールド工法等によって地中に構築されるトンネルTの掘削開始地点や中間地点等に設けられ、沈設構造物100の内側の空間Sがシールドマシンの搬送路や換気口となる。
沈設構造物100は、地中に沈設された沈設体1と、沈設体1の内側の底部に設けられた底盤部2と、を備えている。
<沈設体>
図1に示すように、沈設体1は、円筒状に構築されており、その軸線が鉛直方向に沿うように地中に沈設される。沈設体1は、平面視円環状のリング体4をその軸線方向に複数連結して組み立てたものである。沈設体1を構成するリング体4は、刃口リング41と、ガイドリング42と、作業台リング43と、二重リング44とが上下方向に積み上げられて構成されている。
刃口リング41は、沈設体1の最下端に設けられるリング体であり、その下端に刃口を有している。刃口リング41は、その歯先(先端)を外側に有している。ガイドリング42は、刃口リング41の上端に複数連結されて、沈設体1の沈設をガイドする。作業台リング43は、ガイドリング42の上端に連結されている。作業台リング43は、上端面が下端面よりも大きくなるように形成されており、上端面が作業台リング43の内側に張り出すように形成されている。作業台リング43の上端面は、少なくとも二重リング44が載置できる程度の大きさに形成されている。二重リング44は、作業台リング43の上端に連結されている。作業台リング43の上方には、二重リング44が複数段に亘って設けられている。
なお、刃口リング41と作業台リング43との間に設けられているガイドリング42は、刃口リング41から作業台リング43に向かうにつれて徐々に軸線方向の端面の幅が広がるように形成されているとより好ましい。すなわち、上方のガイドリング42になるほどその上端面の幅が作業台リング43の幅に近づくように形成されていることが好ましい。
上下に隣接するリング41,42において、上方のリング42の各セグメントと下方のリング41の各セグメントとは、互いにリング41,42の周方向にずれて千鳥状に配置されている。なお、この配置は、リング42とリング43、リング43とリング44、及びリング44,44においても同様である。リング体4は、セグメント5をその壁面方向に沿って連結して組み立てることにより形成される。
<二重リングのセグメント>
リング体4のうち二重リング44は、複数のセグメント5を連結して、最終的に環状に形成したものである。各セグメント5は、連結して二重リング44を形成した場合に、二重リング44の外径が、例えば30mになるような曲率半径をもって周方向に湾曲して構成されていることが好ましい。また、セグメント5の、二重リング44の径方向に見た幅は、例えば0.9m〜3.0mであることが好ましく、特に2.5mであるとよい。
図2から図5に示すように、二重リング44のセグメント5は、沈設構造物100の外壁を形成する鋼製の外側ピース51と、沈設構造物100の内壁を形成するコンクリート製の内側ピース52と、外側ピース51及び内側ピース52を連結する連結部材53と、鋼製の外側ピース51とコンクリート製の内側ピース52との間の空間を埋める中詰材54とを備える、合成セグメントである。
また、鋼製の外側ピース51及びコンクリート製の内側ピース52の、セグメント5の厚さ方向での高さは、例えば0.5m〜2.5m、より具体的には、0.9m〜1.5mであることが好ましく、特に1.0mであるとよく、両ピース51,52の間隔は、例えば0.4m〜2.5m、より具体的には、1.0m〜2.0mであることが好ましく、特に1.9mであるとよい。
(外側ピース)
外側ピース51は、二重リング44の外壁面をなす円弧状に湾曲形成された矩形状のプレート61と、プレート61の湾曲に沿った外縁に立設された2つの主桁62と、2つの主桁62の両端部間を結ぶように主桁62の長手方向(長さ又は延在方向)における両端に立設された継手板63と、2つの主桁62間を結ぶように継手板63に略平行にプレート61の内面側に設けられた補剛材64と、プレート61の周方向における両端に設けられた外側連結部材65と、中詰材54と外側ピース51との固定を図るための係止部材66とを備えている。
図1に示すように、外側ピース51は、刃口リング41の上方に設置されている。具体的には、刃口リング41及び外側ピース51の外周面は、沈設体1の同一径上にある。これにより、リング体4を地中に沈設する際に、外側ピース51の上方に力を加えるので、リング体4を沈設させようとする押圧力を、外側ピース51を介して刃口リング41に効率よく伝達することができる。
外側ピース51の材質は、地中への埋設時の荷重に対する耐性を備えていればよく、特に鋼製であることが好ましい。
プレート61は鋼板であって、例えばスキンプレートとも呼ばれ、二重リング44の外壁面をなし、2つの主桁62の間を結ぶように、かつ二重リング44の径方向外側の、主桁62の端面に接合されている。プレート61の、板厚は、例えば3mm〜26mmであることが好ましく、特に9mmであるとよく、また、プレート61の、セグメント5の厚さ方向で見た幅は、例えば0.5m〜2.5mであることが好ましく、特に1.0mであるとよい。
主桁62は、鋼製の板材として形成されており、プレート61の上端部及び下端部に立設されている。主桁62の、板厚は、例えば6mm〜25mmであることが好ましく、特に17.4mmであるとよく、また、主桁62の、セグメント5の幅方向で見た幅は、例えば0.1m〜0.5mであるとよく、特に0.3mであるとよい。
各主桁62には、その長手(延在)方向に沿って所定の間隔をあけて、ボルトを挿通する複数の貫通孔62aが形成されている。ここで、両主桁62の貫通孔62aは、互いに貫通孔62aが二重リング44の軸線に平行な同一軸線上に沿って貫通するように形成されており、二重リング44を上下に積み重ねた際に、各主桁62の各貫通孔62a同士が対向するように形成されている。二重リング44同士を連結する際には、上下に隣接する二重リング44の主桁62同士を突き合わせ、双方の貫通孔62aにボルトを挿通してナットで締め付けることにより、隣接する二重リング44同士を連結し、沈設体1を構築することができる。
また、沈設体の施工をより速く行うためには、上記の上下に隣接する二重リング44の主桁62同士を突き合わせ、双方の貫通孔62aにボルトを挿通してナットで締め付ける方法に替えて、一方の主桁62の貫通孔62aに外面に向けた雄継手と、他方の主桁62の貫通孔62aの内面に雌継手を設置し、上下に隣接する二重リング44の主桁62同士を、一方のセグメント5の雄継手が他方のセグメント5の雌継手に挿入されて係止する機構とすることが望ましい。両継手は相対して互いに同心に位置している。雄継手は、例えば、くさび状に形成されており、くさび状に形成された部分が弾性変形した状態で雌継手に挿入され、雄継手の復元力によって雌継手内に保持される。
なお、雄継手及び雌継手には公知のものを使用することができ、上記の構成には限定されない。
継手板63は、鋼製の板材として形成されており、2つの主桁62の両端部の間において主桁62の左右の両端に立設されている。継手板63の板厚は、例えば4mm〜25mmであることが好ましく、特に9.5mmであるとよく、また、継手板63のセグメント5の幅方向で見た幅は、例えば0.1m〜0.5mであることが好ましく、特に0.3mであるとよい。さらに、継手板63のセグメント5の厚さ方向で見た長さは、0.5m〜2.5mであることが好ましく、特に1.0mであるとよい。
補剛材64は、横断面形状がL字形の鋼製の板材として形成されている。補剛材64の板厚は、例えば3mm〜25mmであることが好ましく、特に16mmであるとよく、また、補剛材64のセグメント5の幅方向で見た幅は、例えば0.1m〜0.5mであることが好ましく、特に0.3mであるとよい。さらに、補剛材64のセグメント5の厚さ方向で見た長さは、例えば0.5m〜2.5mであることが好ましく、特に1.0mであるとよい。
補剛材64は、外側ピース51の剛性を高める機能、及び後述する連結部材53を取り付ける機能の2つの機能を兼ね備えている。補剛材64は、プレート61の湾曲方向(長手方向)に沿って所定の間隔をあけて、継手板63に対して略平行にプレート61の内周面に立設されている。補剛材64は、プレート61の内周面に溶接等により連結されている。
なお、補剛材64の横断面形状は、セグメント5の剛性を高め、連結部材53との連結を可能にするのであれば、例えば矩形であってもよく、その形状については限定されない。
補剛材64は、連結部材53の後述する中間連結部材53bと連結する。補剛材64には、中間連結部材53bとの連結を可能にする締結具用の貫通孔が形成されている。補剛材64側の貫通孔と、中間連結部材53b側の締結具用の貫通孔とにボルトが挿通されて、挿通されたボルトにナットを締め付けることにより、中間連結部材53bと補剛材64とが相対的に不動に締結される。
なお、主桁62及び補剛材64は、いずれもプレート61に溶接によって接合されていてもよいし、一部がプレート61と一体に形成されていてもよい。また、継手板63は、主桁62に溶接によって接合されていてもよいし、一部が主桁62と一体に形成されていてもよい。
外側ピース51の外側連結部材65は、周方向に隣接するセグメント5同士を嵌合により連結するためのものであり、プレート61の周方向における両端部に設けられていて、プレート61の幅方向に亘って延在している。外側ピース51の外側連結部材65の一端はプレート61に溶接等によって接合されており、他端は鉤状に形成されている。セグメント5同士の連結は、隣接するセグメント5のプレート61における外側連結部材65と先端部同士を噛み合わせて行う。つまりセグメント5は、外側ピース51の外側連結部材65を鉤状の他端において、周方向に隣接するセグメント5の外側ピース51の外側連結部材65の鉤状の他端と連結させることで、周方向に隣接するセグメント5に連結することができる。
なお、外側ピース51の外側連結部材65は別部材としてプレート61に溶接によって接合されていてもよいし、プレート61に一体に形成されていてもよい。
図4及び図5に示す係止部材66は鋼製の部材として形成されており、中詰材54と鋼製の外側ピース51との一体化ずれ止め効果(ジベル効果)を奏するものである。係止部材66は、例えばスタッドジベルであり、軸部と、軸部よりも軸方向投影面積が大きい抜け出し防止用の頭部を有する。
係止部材66は、鋼製の外側ピース51の中詰材54と接触する面に取り付けられている。具体的には、係止部材66は、プレート61の内周面、主桁62の内面、継手板63の内面及び補剛材64の主面の少なくとも一つに、溶接等により接合されていればよい。例えば図4及び図5においては、係止部材66は、隣接する補剛材64の間においてプレート61の内周面に取り付けられている。
(内側ピース)
図2から図4に示すように、内側ピース52は、二重リング44の内壁面をなす円弧状に湾曲形成された平面視矩形状のセグメント本体71と、セグメント本体71に設けられている内側ピース52の内側連結部材76と、を備えている。
セグメント本体71はコンクリートにより形成されている。セグメント本体71は、セグメント5を連結して二重リング44にした際の環の中心を通る軸線方向に沿った周方向側の両端面に、後述する内側ピース52の内側連結部材76を収容するための凹部71aを備えている。
また、セグメント本体71は、二重リング44の軸線方向に貫通するとともに互いに平行に等間隔に配置された複数の貫通孔71bを有する。ここで、「軸線方向に貫通する」とは、貫通孔71bが、セグメント5の軸線に平行な同一軸線上に沿って、セグメント本体71の上端面からセグメント本体71の下端面にまで貫通していることを意味する。
セグメント本体71の内部には、円弧状に湾曲形成された複数の主筋73と該主筋73を束ねる複数の配力筋75を備えている。湾曲形成されたコンクリート製の内側ピース52の長手方向(延在方向)における両端には、二重リング44の内壁面を繋ぐための内側ピース52の内側連結部材76を備えている。コンクリート製の内側ピース52、鋼製の外側ピース51、及び中詰材54との一体化を図るために、中間連結部材53bの一方の端部が外側ピース51の補剛材64に固定されており、他方の端部がセグメント本体71に定着されている。
内側ピース52は、セグメント5の幅方向で見た幅は、例えば0.1m〜0.5mであるとよく、特に0.3mであるとよい。
図5に示すセグメント5において、主筋73は、セグメント5の短手(高さ)方向に5本、幅方向に3段配置されているが、少なくともセグメント5の短手方向に3本、幅方向に2段配置されていればよく、例えば鉄筋を用いる場合、直径が13mm〜51mmであることが好ましく、特に直径が38mmであるとよく、各段で異なる直径であってもよい。例えば最内空側の主筋73の直径を38mmとし、その他の主筋73の直径を29mmとするとよい。
図5に示すように、主筋73は、主筋73の延在方向に対して直角を成すように配置した配力筋75によって取り囲まれている。より具体的には、配力筋75は、セグメント本体71の内部に配置した主筋73を取り囲むように配置した部分と、セグメント本体71の鋼製の外側ピース51側に露出して中詰材54中に配置する主筋73をも取り囲むように配置した部分とを備えている。セグメント本体71と中詰材54とは、セグメント本体71中に配置する主筋73と中詰材54中に配置する主筋73とを取り囲むように配置した配力筋75により一体化され、より高い補強機能を果たすようになっている。
図4に示すように、セグメント本体71の周方向における両端部には、セグメント5の軸線方向に所定の長さに沿って内側ピース52の内側連結部材76が設けられている。より具体的には、内側ピース52の内側連結部材76は、主筋73に発生する軸力を伝達するように配置されており、例えば、主筋73に溶接する、あるいは、主筋73群と配力筋75群とで囲まれるコンクリート中に定着する。すなわち、周方向に隣り合うコンクリート製の内側ピース52を連結するため、内側ピース52の内側連結部材76の一端は、隣のコンクリート製の内側ピース52の内側連結部材76の一端と互いに噛み合って嵌合する鉤形状となっており、他端はセグメント本体71内に埋め込まれている。内側ピース52の内側連結部材76は、主筋73に発生する軸力を伝達すればよいため、軸力の大きさに応じて、セグメント5の短手方向全長に亘る長さであってもよく、内側ピース52の短い内側連結部材76を複数併設してもよい。
(連結部材)
連結部材53は、図3及び図4に示すように、外側ピース51と内側ピース52との間に複数設けられて、セグメント5のせん断強度を高めるものである。さらに、連結部材53は、中詰材54と接合することで、外側ピース51及び内側ピース52と、中詰材54との一体性を高める。
連結部材53は、外側ピース51及び内側ピース52の長手方向における少なくとも一方の端部同士を連結する端部連結部材53aと、外側及び内側ピース51,52の両端部の間で両ピース51,52を連結する中間連結部材53bとを有する。
端部連結部材53aは、鋼製の板材として形成されており、例えば直線鋼矢板である。端部連結部材53aは、外側及び内側ピース51,52の両端部に、セグメント5の高さ方向に亘って設けられている。端部連結部材53aは、外側ピース51の継手板63と内側ピース52のセグメント本体71との間に設けられていて、継手板63に、例えば溶接により接合され、セグメント本体71に当接しているか、又は埋設されている。端部連結部材53aの板厚は、例えば16mm〜50mmであることが好ましく、特に40mmであるとよく、また、端部連結部材53aの、セグメント5の厚さ方向で見た幅は、例えば0.5m〜2.5mであることが好ましく、特に1.0mであるとよい。さらに、隣接する端部連結部材53a間の間隔は、例えば3m〜18mであることが好ましく、特に4mであるとよい。
ここで「隣接する端部連結部材53aとの間隔」とは、1つのセグメント5において2つの端部連結部材53aが設けられている場合の端部連結部材53a同士の間隔である。端部連結部材53a同士の間隔は、外側ピース51と内側ピース52との間の中間位置においてセグメント5の延在方向に沿って測定する間隔であり、つまり、セグメント5の長手方向両端部間における中立線(面)の長さから測定した間隔である。
なお、互いに隣接する一方のセグメント5に1つの端部連結部材53aが設けられ、他方のセグメント5に1つの端部連結部材53aが設けられてもよい。
中間連結部材53bは、図4及び図5に示すように、鋼製の外側ピース51とコンクリート製の内側ピース52との間に複数設けられて、セグメント5のせん断強度を高めるものである。さらに、中間連結部材53bは、中詰材54と接合することで、鋼製の外側ピース51及びコンクリート製の内側ピース52と、中詰材54との一体性を高める。
隣接する中間連結部材53bは、外側及び内側ピース51,52の湾曲方向(長手方向)及びセグメント5の厚さ方向(短手方向)沿って、互いに所定の間隔をあけて設けられている。具体的には、隣接する中間連結部材53bは互いに、上記の各方向に、例えば0.1m〜0.6mの間隔をあけて設けられていることが好ましく、特に0.6mの間隔をあけて設けられているとよい。
中間連結部材53bは、運搬性を高めるため、セグメント本体71近傍で分割されていることが望ましく、図5に示すように、鋼製の棒材53cと、この棒材53cの鋼製の外側ピース51側に設けられた鋼製の矩形状の板材53dと、ねじ式の連結具74と、コンクリート製の内側ピース52に埋設し一体化された鋼製の棒材53eと、を備えている。
板材53dが設けられている側とは反対側の棒材53cの端部、及び、コンクリート製の内側ピース52内に埋設されていない棒材53eの端部には、ねじ山(図示せず)が形成されている。
棒材53eは、コンクリート製の内側ピース52内への定着性を考慮して、内側ピース52内に埋設されている端部同士が互いに連結されたU字状の一体の構成物として形成されている。具体的には、棒材53eは、セグメント5の厚さ方向において上下位置に配置された2つの腕部53f,53fと、これらの腕部53f,53fを連結する連結部53gとを備える。厚さ方向に所定の間隔をあけて設けられた棒材53c同士は、連結具74、U字状の棒材53eの腕部53f及び連結部53gを介して厚さ方向に連結されている。
板材53dには、連結時に補剛材64に形成された貫通孔と同心となる貫通孔が形成されている。セグメント5の組立て時に、板材53d及び補剛材64は、同心に整合した貫通孔にボルトが挿入されて、挿入側とは反対側に突き出たボルトにナットを締め付けることによって互いに連結されている。つまり、中間連結部材53bは、その板材53dをボルト及びナットを介して鋼製の外側ピース51の補剛材64に連結される。
また、ねじ式の連結具74は、例えば長ナットであり、鋼製の外側ピース51の補剛材64に固定された棒材53cのねじ山が形成された端部と、コンクリート製の内側ピース52のセグメント本体71から露出した鋼製の棒材53eのねじ山が形成された端部とを、軸線を中心に回すことにより互いの距離を伸縮させて連結する。
中間連結部材53bの棒材53c及び53eは、例えば鋼製の棒状の鉄筋(棒材)として形成されている。中間連結部材53bの棒材53c及び棒材53eの断面積は、例えば19.05mm〜50.8mmであることが好ましく、特に31.8mmであってよい。
(中詰材)
中詰材54は、セグメント5の外側ピース51と内側ピース52との間に充填されるものであり、例えば、コンクリートが用いられる。
中詰材54は、外側ピース51と内側ピース52との間に設けられており、より具体的には、鋼製の外側ピース51及びコンクリート製の内側ピース52と、端部連結部材53aとにより画成された空間内に充填されている。したがって、中詰材54内に中間連結部材53b、補剛材64,連結具74、外側ピース51の端部連結部材53a、ならびにコンクリート製の内側ピース52の外に配置される部分の主筋73及び配力筋75は埋没していることになり、中詰材54の固化後には、中間連結部材53b、補剛材64,連結具74、外側ピース51の端部連結部材53a、ならびにコンクリート製の内側ピース52の外に配置される部分の主筋73及び配力筋75は中詰材54と接合する。これにより、鋼製の外側ピース51及びコンクリート製の内側ピース52と中詰材54とは一体に結合されて、外側及び内側ピース51,52と中詰材54との相対的なずれが抑制される。
なお、図5において、中間連結部材53b、補剛材64、係止部材66、連結具74、外側ピース51の端部連結部材53a、ならびにコンクリート製の内側ピース52の外に配置される部分の主筋73及び配力筋75はこれらを見やすくするために、中詰材54に埋もれていないように描いた。
<底盤部>
図1に示すように、底盤部2は、沈設構造物100の基礎になるとともに、地中の地下水が沈設体1の内側に湧き出すことを防止する。
底盤部2は、例えば、水中コンクリートによって構築されている。底盤部2は、その上面がほぼ水平面に沿うように構築されている。
<沈設アンカー>
沈設アンカー3は、沈設体1を地中に沈設する工程において、最上端のリング体4の上方からそのリング体4に力を加えて地中に押し込む際に、地盤に反力をとるものである。図1に示すように、沈設アンカー3は、沈設体1の沈設位置の外側かつ下方に掘削された地盤に埋設、固定される定着部31と、定着部31に連結され、沈設体1の外壁面に沿って地表まで延び、リング体4を押し込む沈設装置(図示せず)の不動部分(基礎部等)に連結される連結部32とを有している。
[本発明に係るセグメントの曲げ性能試算]
次に、図6は、セグメント5の曲げ性能を評価するため、実物大の立坑を想定して、外側ピースと内側ピースの両方が鋼製の場合(比較例1)、及び、片方がコンクリート製の場合(実施例1〜4)におけるセグメントの立坑軸方向周りの曲げモーメントと曲率との関係を示すグラフであり、外側ピース及び内側ピースのうち片方がコンクリート製のピースの場合は、コンクリート製のピースが圧縮側となる方向に曲げた場合と引張側となる方向に曲げた場合、鉄筋量が異なる合計4つの実施例1〜4を示している。つまり、片方がコンクリート製のピースの場合は、コンクリート製のピースが圧縮側となる場合と、コンクリート製のピースが引張側となる場合とで曲げ性能が異なるため、双方の試算結果を示している。
比較例1は両側ピースが鋼製の場合の試算結果を示している。また、実施例1と実施例2とは片側ピースがコンクリート製でもう一方のピースが鋼製の同じ構造であり、実施例1がコンクリート製のピースが引張となる曲げ力を受けた場合、実施例2がコンクリート製のピースが圧縮となる曲げ力を受けた場合をそれぞれ示している。また、実施例3と実施例4とは片側ピースがコンクリート製でもう一方のピースが鋼製の同じ構造であり、実施例3がコンクリート製のピースが引張となる曲げ力を受けた場合、ケース実施例4がコンクリート製のピースが圧縮となる曲げ力を受けた場合をそれぞれ示している。
なお、セグメント5の各構成要素の寸法は、以下に示すように、実際の寸法を想定して構成したものである。
試算に用いたセグメント5の具体的な構成は以下の通りである。
(比較例1:両側ピースが鋼製)
作用軸力:4531kN
セグメントの幅:2500mm
セグメントの高さ:1000mm
ピースのプレートの板厚:9mm
両ピースの間隔:1900mm
主桁の幅:300mm
主桁の板厚:25mm
中間連結部材の断面積:642.4mm
中間連結部材の、セグメント5の長さ方向での設置間隔:600mm
中間連結部材の、セグメント5の高さ方向での設置間隔:700mm
中詰材の圧縮強度:27N/mm
主桁の降伏強度:315N/mm
(実施例1:引張側ピースのみコンクリート製、及び、実施例2:圧縮側ピースのみコンクリート製)
作用軸力:4531kN
セグメントの幅:2500mm
セグメントの高さ:1000mm
ピースのプレートの板厚:9mm
両ピースの間隔:1900mm
主桁の幅:300mm
主桁の板厚:25mm
中間連結部材の断面積:642.4mm
中間連結部材の、セグメント5の長さ方向での設置間隔:600mm
中間連結部材の、セグメント5の高さ方向での設置間隔:700mm
中詰材の圧縮強度:27N/mm
主桁の降伏強度:315N/mm
主筋のセグメント幅方向の段数:3段
主筋のセグメント高さ方向の本数:6本
最外縁の主筋の直径:51mm
その他の主筋の直径:38mm
最外縁の主筋のセグメント外面からの距離:100mm
最外縁から2段目の主筋のセグメント外面からの距離:220mm
最外縁から3段目の主筋のセグメント外面からの距離:380mm
(実施例3:引張側ピースのみコンクリート製、及び実施例4:圧縮側ピースのみコンクリート製)
作用軸力:4531kN
セグメントの幅:2500mm
セグメントの高さ:1000mm
ピースのプレートの板厚:9mm
両ピースの間隔:1900mm
主桁の幅:300mm
主桁の板厚:25mm
中間連結部材の断面積:642.4mm
中間連結部材の、セグメント5の長さ方向での設置間隔:600mm
中間連結部材の、セグメント5の高さ方向での設置間隔:700mm
中詰材の圧縮強度:27N/mm
主桁の降伏強度:315N/mm
主筋のセグメント幅方向の段数:3段
主筋のセグメント高さ方向の本数:5本
最外縁の主筋の直径:38mm
その他の主筋の直径:29mm
最外縁の主筋のセグメント外面からの距離:100mm
最外縁から2段目の主筋のセグメント外面からの距離:220mm
最外縁から3段目の主筋のセグメント外面からの距離:380mm
図5に示したように、実施例1のM−φ曲線が比較例1のM−φ曲線を超えていること、実施例2のM−φ曲線が比較例1のM−φ曲線とほぼ同じであること、及び、実施例4のM−φ曲線が比較例1のM−φ曲線を僅かに下回っているだけでほぼ同じであることから、片側のピースがコンクリート製であっても、両側ピースが鋼製である場合と同等あるいはそれ以上の曲げモーメントと曲率との関係が得られることが分かった。すなわち、片側のピースがコンクリート製であっても、両側ピースが鋼製である場合と同等の曲げ性能を実現できると言える。
また、実施例3のM−φ曲線は、同様に引張側ピースのみをコンクリート製とする実施例1のM−φ曲線とは大きく異なり、比較例1のM−φ曲線を大きく下回った。実施例1と実施例3との構成上の相違は、セグメント高さ方向での主筋の本数、及び最外縁に設けられた主筋の直径である。かくして、両側が鋼製のピースの断面形状が製作上の理由等、曲げ性能以外の理由により決定されている場合、コンクリート製の引張側ピースに求められる曲げ性能を鋼製の引張側ピースに求められる曲げ性能に近似させるために、鉄筋量、具体的には主筋の本数及び直径等により調整することが可能であることが分かった。
以上のような、地中に埋設される沈設構造物100を構成するセグメント5によれば、鋼製の外側ピース51とコンクリート製の内側ピース52とを中間連結部材53bで連結する構成となっているので、大断面の施工に際しても、鋼製の外側ピース51とコンクリート製の内側ピース52とを別個に作成して施工現場に搬送し、施工現場で中間連結部材53bによって連結して大きなセグメント5を形成することができる。
また、中間連結部材53bは、セグメント5のせん断補強材として用いることができるほか、鋼製の外側ピース51及びコンクリート製の内側ピース52の相互のずれや傾きを防止することができる。
また、沈設構造物100の内側の空間Sを臨むコンクリート製の内側ピース52は、コンクリート製であれば必要となる防錆用の塗装を空間S方向の面に施す必要がないので、セグメント5を作製する際の作業負担を大幅に軽減することができるとともに、将来の塗装劣化の際の塗膜塗替えが不要となり、維持管理性を向上させることができる。
また、所定の厚さの端部連結部材53aが、外側ピース51及び内側ピース52それぞれの両端部に設けられていて、互いに所定の間隔をおいて設けられていることにより、中詰材54と外側ピース51との分離、及び中詰材54と内側ピース52との分離を防ぐとともに、中詰材54のひび割れ分散性を向上させることができる。
また、中間連結部材53bを、セグメント5の、その軸線方向における両端部に、つまり上側及び下側にそれぞれ設けることにより、外側ピース51とコンクリート製の内側ピース52との間の空間にコンクリートを打設する場合であっても、外側ピース51とコンクリート製の内側ピース52の相対的な移動を抑制することができ、外側ピース51及びコンクリート製の内側ピース52を常に初期の位置関係に維持することができる。また、中間連結部材53bは、棒材53cと一端の板材53dと、他端の連結具74と、コンクリート製の内側ピース52に埋設し一体化された鋼製の棒材53eとを備えているので、外側ピース51とコンクリート製の内側ピース52との間の空間が完全に仕切られることがなく、コンクリート打設時に一箇所からコンクリートを打設するだけで外側ピース51とコンクリート製の内側ピース52との間の空間全域にコンクリートを行き渡らせることができるとともに、セグメント5の軽量化を図ることもできる。
また、外側ピース51の、中詰材54と接触する面に、中詰材54に係止する係止部材66を設けることにより、外側ピース51と中詰材54との強固な結合が得られるので、セグメント5の一体性を向上させることができる。特に、係止部材66をプレート61の内周面に設けることにより、プレート61と中詰材54との、セグメント5の周方向に沿った結合が得られる。
また、主筋73を取り囲む配力筋75を有することにより、セグメント本体71の剛性をさらに高めることができる。
外側ピース51と内側ピース52とを連結する中間連結部材53bが、2つの棒材53c,53eを備え、当該棒材53c,53eを連結具74により互いに連結することで外側ピース51と内側ピース52とを簡単に連結することができる。かくして、外側ピース51と内側ピース52とは互いに分解された状態で施工現場まで運搬することができセグメント5の運搬性が向上するとともに、施工現場において簡単に連結することができる施工性も向上する。
<その他>
なお、本発明は、上記の実施の形態に限られるものではない。例えば、二重リング44は、平面視円形状に限らず、平面視長円形状(小判形状)、平面視多角形状に形成してもよい。
また、空気や水に触れる面が外側ピース51の外面であれば、外側ピース51をコンクリート製にしてもよく、空気や水に触れる面が外側ピース51の外面と内側ピース52の内面の両方であれば、外側ピースの51外面と内側ピース52の内面の両方を、コンクリート製にしてもよい。
また、棒材53eとしては、内側ピース52内の端部が互いに連結されておらず、厚さ方向に所定の間隔をあけて別体の2本の直線形の棒材53eが設けられていてもよい。
また、連結具74は、ねじ式の長ナットに限られることはなく、ワンタッチ式の機械式継手であっても、ボルト接合であっても、現場溶接であってもよい。
また、中間連結部材53bと補剛材64との連結は、互いに連結されていればよく、ボルト及びナットによる連結方法には限られない。
5 セグメント
44 二重リング
51 鋼製の外側ピース
52 コンクリート製の内側ピース
53 連結部材
53a 端部連結部材
53b 中間連結部材
54 中詰材
61 プレート
62 主桁
63 継手板
64 補剛材
65 外側ピースの外側連結部材
66 係止部材
71 セグメント本体
73 主筋
74 連結具
75 配力筋
76 内側ピースの内側連結部材
100 沈設構造物

Claims (13)

  1. 地中に埋設される沈設構造物を構成する合成セグメントであって、
    前記沈設構造物の外壁を形成する外側ピースと、
    前記外側ピースとは別部材であって前記沈設構造物の内壁を形成する内側ピースと、
    前記外側ピース及び前記内側ピースとは別部材であって、前記外側ピース及び前記内側ピースそれぞれの長手方向における両端部間において、前記外側ピース及び前記内側ピースを互いに連結する中間連結部材と、
    前記外側ピースと前記内側ピースとの間に設けられた中詰材と、
    を備え、前記外側ピース及び前記内側ピースのうち少なくとも一方がコンクリートにより形成されていることを特徴とする合成セグメント。
  2. 前記外側ピースの長手方向における少なくとも一方の端部と、前記内側ピースの長手方向における少なくとも一方の端部とを互いに連結する端部連結部材を有することを特徴とする請求項1に記載の合成セグメント。
  3. 前記端部連結部材は、少なくとも厚さ16mmのプレートであり、
    前記端部連結部材は、互いに最大18mの間隔をおいて設けられていることを特徴とする請求項2に記載の合成セグメント。
  4. 前記外側ピースには、周方向に隣接する他の外側ピースと連結する外側連結部材が設けられており、前記内側ピースには、周方向に隣接する他の内側ピースと連結する内側連結部材が設けられており、前記外側連結部材及び前記内側連結部材の連結端は、嵌合機構を有すること
    を特徴とする請求項1から3までのいずれか一項に記載の合成セグメント。
  5. 前記外側連結部材は、前記外側ピースの周方向における両端部に設けられており、前記内側連結部材は、前記内側ピースの周方向における両端部に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の合成セグメント。
  6. 前記中間連結部材は、断面積が少なくとも19.05mm2の棒材であり、
    前記中間連結部材は複数設けられており、隣接する中間連結部材に対して、前記外側ピース及び前記内側ピースの長手方向及び短手方向に、最大0.6mの間隔をおいて設けられていることを特徴とする請求項5に記載の合成セグメント。
  7. 前記外側ピース及び前記内側ピースの少なくとも一方は、前記中詰材と接触する面に、前記中詰材に係止する係止部材を有することを特徴とする請求項1から6までのいずれか一項に記載の合成セグメント。
  8. 前記外側ピースが鋼製であり、壁面を形成するプレートと、該プレートの上端部及び下端部に立設された主桁と、これらの主桁間に設けられた補剛材とを備えており、
    前記内側ピースがコンクリート製であり、長手方向に配置した複数の主鉄筋と、該主鉄筋を束ねる複数の帯鉄筋と、を備えていることを特徴とする請求項1から7までのいずれか一項に記載の合成セグメント。
  9. 前記鋼製の外側ピース及び前記コンクリート製の内側ピースそれぞれの長手方向における両端部間において、前記鋼製の外側ピースと前記コンクリート製の内側ピースとを連結する中間連結部材は、一端が前記鋼製の外側ピースの補剛材に固定されており、もう一端が前記コンクリート製の内側ピースのコンクリート部分に定着されていることを特徴とする請求項8に記載の合成セグメント。
  10. 前記中間連結部材は、一端が前記外側ピースに固定されている棒材と、一端が前記内側ピースに固定されている棒材とを備え、前記両棒材の他端同士を繋ぐ連結具を備えていることを特徴とする請求項1から9までのいずれか一項に記載の合成セグメント。
  11. 前記中詰材はコンクリート、ソイルセメント、モルタル又はスラグであることを特徴とする請求項1から10までのいずれか一項に記載の合成セグメント。
  12. 地中に沈設される沈設構造物の外壁を形成する鋼製の外側ピースと、前記沈設構造物の内壁を形成するコンクリート製の内側ピースと、前記外側ピース及び前記内側ピースそれぞれの長手方向における両端部間において、前記鋼製の外側ピースと前記コンクリート製の内側ピースとを互いに連結する複数の中間連結部材と、前記鋼製の外側ピースと前記コンクリート製の内側ピースの間に設けられている中詰材と、を備え、外側ピース及び内側ピースのうち少なくとも一方がコンクリートにより形成されている合成セグメントを複数連結して構成することを特徴とするリング体。
  13. 前記外側ピースの長手方向における少なくとも一方の端部と、前記内側ピースの長手方向における少なくとも一方の端部とを互いに連結する端部連結部材を有し、
    前記端部連結部材は、隣接する前記端部連結部材と、前記沈設構造物の周方向において互いに最大18mの間隔をおいて設けられていることを特徴とする請求項12に記載のリング体。
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