JP5169924B2 - 床版橋および床版ユニット並びに床版橋の構築方法 - Google Patents

床版橋および床版ユニット並びに床版橋の構築方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5169924B2
JP5169924B2 JP2009058743A JP2009058743A JP5169924B2 JP 5169924 B2 JP5169924 B2 JP 5169924B2 JP 2009058743 A JP2009058743 A JP 2009058743A JP 2009058743 A JP2009058743 A JP 2009058743A JP 5169924 B2 JP5169924 B2 JP 5169924B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
long
bridge axis
steel pipe
floor slab
bridge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009058743A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010209622A (ja
Inventor
正和 武野
宏二 本間
直樹 岩尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2009058743A priority Critical patent/JP5169924B2/ja
Publication of JP2010209622A publication Critical patent/JP2010209622A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5169924B2 publication Critical patent/JP5169924B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Bridges Or Land Bridges (AREA)

Description

本発明は、土木建築分野における橋梁に関し、特に、角形鋼管を用いた床版橋および床版ユニット並びに床版橋の構築方法に関する。
従来、角形鋼管を並列して配置すると共に各角形鋼管に渡って棒状部材を挿通配置すると共に、前記棒状部材を埋め込むように経時硬化性充填材を充填して一体化する、角形鋼管を用いた床版橋が知られている(例えば、特許文献1参照)。
床版橋を橋台間または橋脚間あるいは橋台と橋脚間など、下部構造物間に渡って床版橋を設ける場合、スパンが長い床版橋に対応可能であれば、設置場所が多くなるが、角形鋼管を製造する場合、最大でも十数mであるため、現状では、短スパンの床版橋に限定されている。したがって、前記の最大スパンを超えるスパンに対応可能な床版橋も望まれている。
なお、直列に隣り合う鋼管相互に渡って添接板を配置して高力ボルトを用いて接続することは知られている。
特開2004−285823号公報 特開平04−34151号公報
スパンが長くなると死荷重によるたわみが増大することが問題となるため、角形鋼管の長手方向においてキャンバーを設けることが必要となるが、角形鋼管をその長手方向全体にわたって曲げ加工を施して、正面視で円弧状にキャンバーを付与することは、角形鋼管の曲げ加工設備および高度な曲げ加工技術を必要となり、製造コストが格段に高くなるという問題がある。
角形鋼管またはこれを並列した床版ユニットを陸上輸送する場合、長さ制限および幅制限(長さ16m以上または幅2.5m以上の物を運搬する際には走行する全ての県または自治体に特車申請を行わねばならない)があることから、前記の長さおよび巾の範囲内の短尺の角形鋼管を運搬して、工場または現場付近で組み立てた方が、経済的である。
本発明は、角形鋼管を用いた床版橋について、前記の問題を有利に解決した床版橋および床版ユニット並びに床版橋の構築方法を提供することを目的とする。
前記の課題を有利に解決するために、第1発明の床版橋では、端部に継手部を有する直線状の短尺角形鋼管を少なくとも2本、継手部で直列に接合して、橋軸方向に伸長する長尺角形鋼管が構成され、その長尺角形鋼管を橋軸直角方向に複数本並列して配設し、橋軸直角方向に隣り合う長尺角形鋼管を一体化し、橋軸直角方向に隣り合う長尺角形鋼管には、平面視で橋軸直角方向に交互に橋軸方向の長さの異なる短尺角形鋼管が配置されて、継手接合部が橋軸直角方向に千鳥状配置とされ、橋軸直角方向に隣り合う一方の長尺角形鋼管における短尺角形鋼管の継手部におけるウェブは、橋軸直角方向に隣り合う他方の長尺角形鋼管における直列に隣り合う2つの短尺角形鋼管の継手部におけるウェブに渡って配置されて、直接または添接板を用いてボルト・ナットにより摩擦接合されていることを特徴とする。
第2発明の床版橋では、端部に継手部を有する直線状の短尺角形鋼管を少なくとも2本、継手部で直列に接合して、橋軸方向に伸長する長尺角形鋼管が構成され、少なくとも2つの長尺角形鋼管を並列して平行に配置して一体化して、橋軸方向に伸長する長尺床版ユニットが構成され、その長尺床版ユニットを橋軸直角方向に複数ユニット並列して配設し、橋軸直角方向に隣り合う長尺床版ユニットを一体化し、橋軸直角方向に隣り合う長尺角形鋼管には、平面視で橋軸直角方向に交互に橋軸方向の長さの異なる短尺角形鋼管が配置されて、継手接合部が橋軸直角方向に千鳥状配置とされ、橋軸直角方向に隣り合う一方の長尺角形鋼管における短尺角形鋼管の継手部におけるウェブは、橋軸直角方向に隣り合う他方の長尺角形鋼管における直列に隣り合う2つの短尺角形鋼管の継手部におけるウェブに渡って配置されて、直接または添接板を用いてボルト・ナットにより摩擦接合されていることを特徴とする。
第3発明では、第1発明または第2発明の床版橋において、前記長尺角形鋼管は、少なくとも一箇所の継手接合部で短尺角形鋼管を屈折配置して、キャンバーが付与された橋軸方向に伸長する長尺角形鋼管であることを特徴とする。
第4発明では、第1発明〜第3発明のうちいずれか1の床版橋において、 短尺角形鋼管の端部の継手部には、上フランジの幅方向中央よりに部材軸方向の端部側に開口するハンドホールと、幅方向両側に複数のボルト挿通孔を備えた上フランジと、複数のボルト挿通孔を備えた少なくとも一方のウェブ、複数のボルト挿通孔を備えた下フランジとを備え、橋軸方向に隣り合う角形鋼管の各上フランジおよびウェブに渡って添接板が配設されてボルト・ナットにより摩擦接合されていることを特徴とする。
発明では、第1発明〜第発明のうちいずれか1の床版橋において、橋軸直角方向に隣り合う角形鋼管の接触面および角形鋼管と添接板との接触面は、粗面とされていることを特徴とする。
発明では、第1発明〜第発明のうちいずれか1の床版橋において、各長尺角形鋼管の継手部内側に渡って、経時硬化性充填材が充填硬化されていることを特徴とする。
第7発明の床版橋では、端部に継手部を有する直線状の短尺角形鋼管を少なくとも2本、継手部で直列に接合して、橋軸方向に伸長する長尺角形鋼管が構成され、その長尺角形鋼管を橋軸直角方向に複数本並列して配設し、橋軸直角方向に隣り合う長尺角形鋼管を一体化し、各長尺角形鋼管の継手部内側に渡って、経時硬化性充填材が充填硬化されていることを特徴とする。
発明の床版橋では、端部に継手部を有する直線状の短尺角形鋼管を少なくとも2本、継手部で直列に接合して、橋軸方向に伸長する長尺角形鋼管が構成され、少なくとも2つの長尺角形鋼管を並列して平行に配置して一体化して、橋軸方向に伸長する長尺床版ユニットが構成され、その長尺床版ユニットを橋軸直角方向に複数ユニット並列して配設し、橋軸直角方向に隣り合う長尺床版ユニットを一体化し、各長尺角形鋼管の継手部内側に渡って、経時硬化性充填材が充填硬化されていることを特徴とする。
発明では、第1発明〜第発明のうちいずれか1の床版橋において、各長尺角形鋼管の側面に開口部が設けられ、橋軸直角方向に隣り合う角形鋼管に渡って、せん断キーとしての棒状部材が挿通配置されていると共に、棒状部材を埋め込むように経時硬化性充填材が充填硬化されていることを特徴とする。
10発明の長尺床版ユニットにおいては、端部に継手部を有する直線状の短尺角形鋼管を少なくとも2本、継手部で直列に接合して、橋軸方向に伸長する長尺角形鋼管が構成され、その長尺角形鋼管を橋軸直角方向に複数本並列して配設し、橋軸直角方向に隣り合う長尺角形鋼管を一体化し、橋軸直角方向に隣り合う長尺角形鋼管には、平面視で橋軸直角方向に交互に橋軸方向の長さの異なる短尺角形鋼管が配置されて、継手接合部が橋軸直角方向に千鳥状配置とされ、橋軸直角方向に隣り合う一方の長尺角形鋼管における短尺角形鋼管の継手部におけるウェブは、橋軸直角方向に隣り合う他方の長尺角形鋼管における直列に隣り合う2つの短尺角形鋼管の継手部におけるウェブに渡って配置されて、重合されたウェブ相互が直接または添接板を用いてボルト・ナットにより摩擦接合されていることを特徴とする。
11発明では、第10発明の長尺床版ユニットにおいて、少なくとも一箇所の継手接合部で短尺角形鋼管を屈折配置して、キャンバーが付与された橋軸方向に伸長する長尺角形鋼管であることを特徴とする。
第12発明の床版橋では、第10発明または第11発明の長尺床版ユニットを橋軸直角方向に複数本並列して配設し、橋軸直角方向に隣り合う長尺床版ユニットを一体化したことを特徴とする。
第13発明の床版橋の構築方法においては、端部に継手部を有する直線状の短尺角形鋼管を少なくとも2本、継手部で直列に接合して、橋軸方向に伸長する長尺角形鋼管を地組みし、次いで、その長尺角形鋼管を橋軸直角方向に複数本並列して橋台または橋脚に渡って架設し、その後、橋軸直角方向に隣り合う長尺角形鋼管を一体化し、架設された橋軸直角方向に隣り合う長尺角形鋼管には、平面視で橋軸直角方向に交互に橋軸方向の長さの異なる短尺角形鋼管が配置され、橋軸直角方向に隣り合う一方の長尺角形鋼管における短尺角形鋼管の継手部におけるウェブを、橋軸直角方向に隣り合う他方の長尺角形鋼管における直列に隣り合う2つの短尺角形鋼管の継手部におけるウェブに渡って配置し、継手部における重合されたウェブ相互が直接または添接板を用いてボルト・ナットにより摩擦接合することを特徴とする。
第14発明では、第13発明の床版橋の構築方法において、前記長尺角形鋼管は、少なくとも一箇所の継手接合部で短尺角形鋼管を屈折配置して、キャンバーが付与された橋軸方向に伸長する長尺角形鋼管であり、これを地組みすることを特徴とする。
15発明では、第10発明または第11発明の長尺床版ユニットを地組みし、次いで、その長尺床版ユニットを橋軸直角方向に複数ユニット並列して橋台または橋脚に渡って架設し、その後、橋軸直角方向に隣り合う長尺床版ユニットを一体化することを特徴とする。
16発明では、第13発明または第14発明の床版橋の構築方法において、直列に隣り合う角形鋼管は継手部における上フランジ相互と下フランジ相互が、添接板およびボルト・ナットにより接合された状態で橋台または橋脚に渡って架設され、架設後、並列して隣り合う角形鋼管の継手部におけるウェブ相互をボルト・ナットにより接合することを特徴とする。
第1発明によると、端部に継手部を有する直線状の短尺角形鋼管を少なくとも2本、継手部で直列に接合して、橋軸方向に伸長する長尺角形鋼管が構成され、その長尺角形鋼管を橋軸直角方向に複数本並列して配設し、橋軸直角方向に隣り合う長尺角形鋼管を一体化するので、端部に継手部を有する直線状の短尺角形鋼管を用いて床版橋を構築することができる。
また、端部に継手部を有する直線状の短尺角形鋼管を直列に連結して、長尺角形鋼管とするので、下部構造物間のスパンが長い場合でも、容易に対応することができる短尺角形鋼管を用いた床版橋とすることができる。
また、橋軸直角方向に隣り合う長尺角形鋼管には、平面視で橋軸直角方向に交互に橋軸方向の長さの異なる短尺角形鋼管が配置されて、継手接合部が橋軸直角方向に千鳥状配置とされ、橋軸直角方向に隣り合う一方の長尺角形鋼管における短尺角形鋼管の継手部におけるウェブは、橋軸直角方向に隣り合う他方の長尺角形鋼管における直列に隣り合う2つの短尺角形鋼管の継手部におけるウェブに渡って配置されて、直接または添接板を用いてボルト・ナットにより摩擦接合されているので、橋軸直角方向に隣り合う長尺角形鋼管における当接されるウェブ相互間では、橋軸直角方向で一方のウェブを、橋軸直角方向の他方の2つのウェブに渡って配置するだけで、橋軸直角方向の中間部におけるウェブ相互の重合部では、添接板を配置しなくても、ウェブを利用して、橋軸直角方向に隣り合う短尺角形鋼管(または長尺角形鋼管)を、ボルト・ナットを用いて接合することができる。このような場合には、橋軸直角方向中間部においては添接板を用いなくても、接合可能であるため、部品点数が少なくなると共に、ボルト挿通孔の孔明け加工箇所を少なくすることができ、安価な床版橋とすることができる。また、添接板を用いた場合には、継手接合部の摩擦接合強度を高めることができる。
第2発明によると、端部に継手部を有する直線状の短尺角形鋼管を少なくとも2本、継手部で直列に接合して、橋軸方向に伸長する長尺角形鋼管が構成され、少なくとも2つの長尺角形鋼管を並列して平行に配置して一体化して、橋軸方向に伸長する長尺床版ユニットが構成され、その長尺床版ユニットを橋軸直角方向に複数ユニット並列して配設し、橋軸直角方向に隣り合う長尺床版ユニットを一体化するので、面状の長尺床版ユニットを用いて、床版橋とすることができる。
また、継手部を有する面状の長尺床版ユニットを並列して連結することで、広幅の床版橋とすることができ、また、下部構造物間のスパンが長い場合でも、長尺床版ユニットにより容易に対応することができる角形鋼管を用いた床版橋とすることができる。
また、橋軸直角方向に隣り合う長尺角形鋼管には、平面視で橋軸直角方向に交互に橋軸方向の長さの異なる短尺角形鋼管が配置されて、継手接合部が橋軸直角方向に千鳥状配置とされ、橋軸直角方向に隣り合う一方の長尺角形鋼管における短尺角形鋼管の継手部におけるウェブは、橋軸直角方向に隣り合う他方の長尺角形鋼管における直列に隣り合う2つの短尺角形鋼管の継手部におけるウェブに渡って配置されて、直接または添接板を用いてボルト・ナットにより摩擦接合されているので、橋軸直角方向に隣り合う長尺角形鋼管における当接されるウェブ相互間では、橋軸直角方向で一方のウェブを、橋軸直角方向の他方の2つのウェブに渡って配置するだけで、橋軸直角方向の中間部におけるウェブ相互の重合部では、添接板を配置しなくても、ウェブを利用して、橋軸直角方向に隣り合う短尺角形鋼管(または長尺角形鋼管)を、ボルト・ナットを用いて接合することができる。このような場合には、橋軸直角方向中間部においては添接板を用いなくても、接合可能であるため、部品点数が少なくなると共に、ボルト挿通孔の孔明け加工箇所を少なくすることができ、安価な床版橋とすることができる。また、添接板を用いた場合には、継手接合部の摩擦接合強度を高めることができる。
第3発明によると、前記長尺角形鋼管は、少なくとも一箇所の継手接合部で短尺角形鋼管を屈折配置して、キャンバーが付与された橋軸方向に伸長する長尺角形鋼管であるので、キャンバーが付与された橋軸方向に伸長する長尺角形鋼管を橋軸直角方向に複数本並列して配設し、橋軸直角方向に隣り合う長尺角形鋼管を一体化して床版橋とすることができる。また、キャンバーが付与された橋軸方向に伸長する長尺角形鋼管を一体化したキャンバーが付与された長尺床版ユニットを用いて容易に床版橋を構築することができる。また、キャンバーを付与するために、短尺角形鋼管に曲げ加工を施すことなく、端部に継手部を有する直線状の短尺角形鋼管を用いて、キャンバーが付与された長尺角形鋼管あるいは長尺床版ユニットを組み立てることができ、これらを用いて床版橋とすることができる。
また、端部に継手部を有する直線状の短尺角形鋼管を直列に連結して、長尺角形鋼管としたり、長尺角形鋼管を一体化して長尺床版ユニットとするので、下部構造物間のスパンが長い場合でも、容易に対応することができる角形鋼管を用いた床版橋とすることができる。
第4発明によると、短尺角形鋼管の端部の継手部には、上フランジの幅方向中央よりに部材軸方向の端部側に開口するハンドホールと、幅方向両側に複数のボルト挿通孔を備えた上フランジと、複数のボルト挿通孔を備えた少なくとも一方のウェブ、複数のボルト挿通孔を備えた下フランジとを備え、橋軸方向に隣り合う角形鋼管の各上フランジおよびウェブに渡って添接板が配設されてボルト・ナットにより摩擦接合されているので、直列に隣り合う角形鋼管の継手部を連結する場合に、角形鋼管の内側に添接板を配置して、直列に隣り合う角形鋼管の継手部を連結することができ、また、並列に隣り合う角形鋼管の継手部を連結する場合に、角形鋼管の内側に添接板を配置して、直列に隣り合う角形鋼管の継手部を連結することができる。
発明によると、橋軸直角方向に隣り合う角形鋼管の外側面は、粗面とされているので、高い摩擦接合とすることができる。
発明によると、各長尺角形鋼管の継手部内側に渡って、経時硬化性充填材が充填硬化されているので、継手内部に雨水等の水が浸入するのを防止して継手内部の防錆を図ることができると共に、ボルト・ナット等の緩み止めを図ることができ、確実に接合されて継手接合部とすることができる。
第7発明によると、端部に継手部を有する直線状の短尺角形鋼管を少なくとも2本、継手部で直列に接合して、橋軸方向に伸長する長尺角形鋼管が構成され、その長尺角形鋼管を橋軸直角方向に複数本並列して配設し、橋軸直角方向に隣り合う長尺角形鋼管を一体化するので、端部に継手部を有する直線状の短尺角形鋼管を用いて床版橋を構築することができる。
また、端部に継手部を有する直線状の短尺角形鋼管を直列に連結して、長尺角形鋼管とするので、下部構造物間のスパンが長い場合でも、容易に対応することができる短尺角形鋼管を用いた床版橋とすることができる。
また、各長尺角形鋼管の継手部内側に渡って、経時硬化性充填材が充填硬化されているので、継手内部に雨水等の水が浸入するのを防止して継手内部の防錆を図ることができると共に、ボルト・ナット等の緩み止めを図ることができ、確実に接合されて継手接合部とすることができる。
発明によると、端部に継手部を有する直線状の短尺角形鋼管を少なくとも2本、継手部で直列に接合して、橋軸方向に伸長する長尺角形鋼管が構成され、少なくとも2つの長尺角形鋼管を並列して平行に配置して一体化して、橋軸方向に伸長する長尺床版ユニットが構成され、その長尺床版ユニットを橋軸直角方向に複数ユニット並列して配設し、橋軸直角方向に隣り合う長尺床版ユニットを一体化するので、面状の長尺床版ユニットを用いて、床版橋とすることができる。
また、継手部を有する面状の長尺床版ユニットを並列して連結することで、広幅の床版橋とすることができ、また、下部構造物間のスパンが長い場合でも、長尺床版ユニットにより容易に対応することができる角形鋼管を用いた床版橋とすることができる。
また、各長尺角形鋼管の継手部内側に渡って、経時硬化性充填材が充填硬化されているので、継手内部に雨水等の水が浸入するのを防止して継手内部の防錆を図ることができると共に、ボルト・ナット等の緩み止めを図ることができ、確実に接合されて継手接合部とすることができる。
発明によると、各長尺角形鋼管の側面に開口部が設けられ、橋軸直角方向に隣り合う角形鋼管に渡って、せん断キーとしての棒状部材が挿通配置されていると共に、棒状部材を埋め込むように経時硬化性充填材が充填硬化されているので、橋軸直角方向に隣り合う角形鋼管の一体化を図りながら、輪荷重が一つの角形鋼管に作用した場合に、並列して隣り合う角形鋼管に荷重を伝達して負担する荷重を分散することができる。
10発明によると、端部に継手部を有する直線状の短尺角形鋼管を少なくとも2本、継手部で直列に接合して、橋軸方向に伸長する長尺角形鋼管が構成され、その長尺角形鋼管を橋軸直角方向に複数本並列して配設し、橋軸直角方向に隣り合う長尺角形鋼管を一体化するので、長尺角形鋼管を用いて長尺床版ユニットを容易に構成することができ、また、そのような長尺床版ユニットを用いて容易に床版橋を構成することができる。
また、橋軸直角方向に隣り合う長尺角形鋼管には、平面視で橋軸直角方向に交互に橋軸方向の長さの異なる短尺角形鋼管が配置されて、継手接合部が橋軸直角方向に千鳥状配置とされ、橋軸直角方向に隣り合う一方の長尺角形鋼管における短尺角形鋼管の継手部におけるウェブは、橋軸直角方向に隣り合う他方の長尺角形鋼管における直列に隣り合う2つの短尺角形鋼管の継手部におけるウェブに渡って配置されて、重合されたウェブ相互が直接または添接板を用いてボルト・ナットにより摩擦接合されているので、橋軸直角方向に隣り合う長尺角形鋼管における当接されるウェブ相互間では、橋軸直角方向で一方のウェブを、橋軸直角方向の他方の2つのウェブに渡って配置するだけで、橋軸直角方向の中間部におけるウェブ相互の重合部では、添接板を配置しなくても、ウェブを利用して、橋軸直角方向に隣り合う短尺角形鋼管(または長尺角形鋼管)を、ボルト・ナットを用いて接合することができる。このような場合には、橋軸直角方向中間部においては添接板を用いなくても、接合可能であるため、部品点数が少なくなると共に、ボルト挿通孔の孔明け加工箇所を少なくすることができ、安価な長尺床版ユニットとすることができる。また、添接板を用いた場合には、継手接合部の摩擦接合強度を高めた長尺床版ユニットとすることができる。
11発明によると、前記長尺角形鋼管は、少なくとも一箇所の継手接合部で短尺角形鋼管を屈折配置して、キャンバーが付与された橋軸方向に伸長する長尺角形鋼管であるので、キャンバーが付与された長尺角形鋼管を用いて、その長尺角形鋼管を橋軸直角方向に複数本並列して配設し、橋軸直角方向に隣り合う長尺角形鋼管を一体化した長尺床版ユニットを容易に構成することができ、また、そのような長尺床版ユニットを用いて容易に床版橋を構成することができる。
第12発明によると、長尺床版ユニットを橋軸直角方向に複数本並列して配設し、橋軸直角方向に隣り合う長尺床版ユニットを一体化したので、橋軸方向に長尺で橋軸直角方向に広幅の床版橋でも、長尺床版ユニットを橋軸直角方向に並列して配設した床版橋とすることができる。
第13発明によると、端部に継手部を有する直線状の短尺角形鋼管を少なくとも2本、継手部で直列に接合して、橋軸方向に伸長する長尺角形鋼管を地組みし、次いで、その長尺角形鋼管を橋軸直角方向に複数本並列して橋台または橋脚に渡って架設し、その後、橋軸直角方向に隣り合う長尺角形鋼管を一体化するので、端部に継手部を有する直線状の短尺角形鋼管を用いて、床版橋を容易に構築することができ、施工も容易であるなどの効果が得られる。
また、架設された橋軸直角方向に隣り合う長尺角形鋼管には、平面視で橋軸直角方向に交互に橋軸方向の長さの異なる短尺角形鋼管が配置され、橋軸直角方向に隣り合う一方の長尺角形鋼管における短尺角形鋼管の継手部におけるウェブを、橋軸直角方向に隣り合う他方の長尺角形鋼管における直列に隣り合う2つの短尺角形鋼管の継手部におけるウェブに渡って配置し、継手部における重合されたウェブ相互が直接または添接板を用いてボルト・ナットにより摩擦接合するので、橋軸直角方向に隣り合う長尺角形鋼管における当接されるウェブ相互間では、橋軸直角方向で一方のウェブを、橋軸直角方向の他方の2つのウェブに渡って配置するだけで、橋軸直角方向の中間部におけるウェブ相互の重合部では、添接板を配置しなくても、ウェブを利用して、橋軸直角方向に隣り合う短尺角形鋼管(または長尺角形鋼管)を、ボルト・ナットを用いて接合することができる。このような場合には、橋軸直角方向中間部においては添接板を用いなくても、接合可能であるため、部品点数が少なくなると共に、ボルト挿通孔の孔明け加工箇所を少なくすることができ、安価な床版橋を容易に構築することができる。また、添接板を用いた場合には、継手接合部の摩擦接合強度を高めた床版橋を構築することができる。
第14発明によると、前記長尺角形鋼管は、少なくとも一箇所の継手接合部で短尺角形鋼管を屈折配置して、キャンバーが付与された橋軸方向に伸長する長尺角形鋼管であり、これを地組みするので、キャンバーが付与された長尺角形鋼管を用いて、その長尺角形鋼管を橋軸直角方向に複数本並列して配設し、橋軸直角方向に隣り合う長尺角形鋼管を一体化した長尺床版ユニットを用いて容易に床版橋を構成することができる。
15発明によると、橋軸方向に伸長する長尺床版ユニットまたはキャンバーが付与された橋軸方向に伸長する長尺床版ユニットを地組みし、次いで、その長尺床版ユニットを橋軸直角方向に複数ユニット並列して橋台または橋脚に渡って架設し、その後、橋軸直角方向に隣り合う長尺床版ユニットを一体化するので、短尺角形鋼管から橋軸方向に伸長する長尺角形鋼管、またはキャンバーが付与された長尺角形鋼管を容易に構成することができると共に、橋軸方向に伸長する長尺角形鋼管から平坦面状の長尺床版ユニット、またはキャンバーが付与された長尺角形鋼管からキャンバーが付与された長尺床版ユニットを容易に形成することができ、また、長尺床版ユニットから平坦面状の床版橋の本体部分、またはキャンバーが付与された長尺床版ユニットからキャンバーが付与された床版橋の本体
部分を容易に短工期で構築することができ、長スパンの床版橋でも、施工コストを低減できる効果が得られる。
16発明によると、直列に隣り合う角形鋼管は継手部における上フランジ相互と下フランジ相互が、添接板およびボルト・ナットにより接合された状態で橋台または橋脚に渡って架設され、架設後、並列して隣り合う角形鋼管の継手部におけるウェブ相互をボルト・ナットにより接合するので、長尺角形鋼管または長尺床版ユニットにおける継手部のウェブ相互を添接板およびボルト・ナットにより接合することなく、また、継手部内に経時硬化性充填材を充填することなく、長尺角形鋼管または長尺床版ユニットを、下部構造物間に架設することができ、角形鋼管を用いた床版橋を効率よく施工することができる。
本発明の一実施形態の床版橋を示す側面図である。 図1に示す床版橋の平面図である。 複数の角形鋼管にわたって棒状部材を挿通配置した状態を示す縦断正面図である。 棒状部材を埋め込むようにコンクリート等の経時硬化性充填材を充填した状態を示す縦断正面図である。 並列して平行に配置された隣り合う角形鋼管相互の継手部の接合状態を示す縦断正面図である。 図5の状態から継手接合部に間詰めコンクリートからなる経時硬化性充填材を充填した状態を示す縦断正面図である。 継手接合部の縦断側面図である。 図7の継手接合部に間詰めコンクリートからなる経時硬化性充填材を充填した状態を示す縦断側面図である。 本発明の床版橋を構成するための角形鋼管の端部を示すものであて、(a)は平面図、(b)は(a)のa−a断面図、(c)は底面図、(d)は(c)のb−b断面図である。 短尺角形鋼管を示すものであって、(a)は側面図、(b)は平面図である。 長尺角形鋼管を示すものであって、(a)は縦断側面図、(b)は側面図である。 図11に示す長尺角形鋼管における短尺角形鋼管相互の継手部の接合部を示すものであって、(a)は平面図、(b)は縦断側面図、(c)は底面図、(d)は縦断正面図である。 長尺床版ユニットの一例を示す平面図である。 図13の一部を拡大して示す平面図である。 図14のd−d断面図である。 3本の短尺角形鋼管を直列にキャンバーを付与して連結した床版橋に死荷重が作用して直線状とされる場合の縦断側面図である。 3本の短尺角形鋼管1を直列に台形山形に屈折配置して、キャンバーを付与すべく屈折して連結した状態の長尺角形鋼管またはこれを平行して配置して一体化した長尺床版ユニットあるいは床版橋を示す縦断側面図である。 3本の短尺角形鋼管を直列に山形に屈折配置してキャンバーを付与して連結した状態の長尺角形鋼管またはこれを並列して平行に配置して一体化した長尺床版ユニットあるいは床版橋を示す縦断側面図である。 3本以上の短尺角形鋼管を連結して長尺角形鋼管あるいは長尺床版ユニットを構成する場合において、端部側に配置される短尺角形鋼管を示すものであって、(a)は側面図、(b)は平面図である。 3本以上の短尺角形鋼管を連結して長尺角形鋼管あるいは長尺床版ユニットを構成する場合において、中間部に配置される短尺角形鋼管を示すものであって、(a)は側面図、(b)は平面図である。 本発明の他の形態の床版橋を示す平面図である。 並列して平行に配置された隣り合う角形鋼管相互の継手部の接合状態を示す縦断正面図である。 図21の状態から継手接合部に間詰めコンクリートからなる経時硬化性充填材を充填した状態を示す縦断正面図である。 本発明の他の形態の長尺床版ユニットを示す平面図である。 図24に示す長尺床版ユニットの継手部接合部付近を拡大して示す平面図である。 図24に示す長尺床版ユニットにおける底面側の継手接合部付近を拡大して示す平面図である。 (a)は、図21または図24の場合における橋軸および橋軸直角方向に隣り合う短尺角形鋼管のウェブ相互の接合構造を示す縦断側面図、(b)は、図24の場合における橋軸直角方向の端部のウェブにおけるボルト孔の配置状態を示す縦断側面図である。である。 図24に示す長尺床版ユニットにおける継手接合部付近を示す横断平面図である。 図24に示す長尺床版ユニットにおける継手接合部付近を示す縦断正面図である。 (a)は、図21の床版橋または図24の長尺床版ユニットの場合に用いられる長尺角形鋼管の継手接合部を示す平面図、(b)は(a)の縦断側面図、(c)は(a)の底面図である。 (a)は、図21または図24の場合における橋軸および橋軸直角方向に隣り合う短尺角形鋼管のウェブ相互を、添接板を用いて接合する場合の接合構造を示す縦断側面図、(b)は、図24の場合における橋軸直角方向の端部のウェブにおけるボルト孔の配置状態を示す縦断側面図である。である。 図31に示す長尺床版ユニットにおける継手接合部付近を示す横断平面図である。
次に、本発明を図示の実施形態に基づいて詳細に説明する。
先ず、本発明の一実施形態の床版橋において使用される継手部を有する短尺角形鋼管について、図9〜図10または図19〜図20を参照して説明する。前記の短尺角形鋼管1は、これを少なくとも2本または3本以上の複数本、継手部で直列に連結して、長尺角形鋼管2を構成するため、または、後記の実施形態のように、長尺角形鋼管2を並列して平行に配置すると共に連結して長尺床版ユニット3(図13〜図5参照)を構成するための基本となる部材である。
前記の継手部を有する短尺角形鋼管1は、部材軸方向の一端部または両端部に継手部4を備えている。すなわち、橋軸方向の端部に配置される短尺角形鋼管1の場合は、橋軸方向の中央部よりの端部に継手部4を備え、橋軸方向の中間部に配置される短尺角形鋼管1の場合は、両端部に継手部4を備えた短尺角形鋼管1とされる。短尺角形鋼管1は、その部材長手方向の長さは、適宜設定され、床版橋を構築する場合に、曲げモーメントが最大となる中央部から変位した位置に継手接合部が位置するように設定される。
前記の継手部4は、短尺角形鋼管1の端部の上フランジ5の巾方向の両側の平坦部20に、部材軸方向に間隔を設けられたボルト挿通孔6を備え、また、短尺角形鋼管1の端部の一方または両方の側板をウェブ7として、そのウェブ7の部分に、上下方向および部材軸方向に間隔をおいて複数のボルト挿通孔6を備え、さらに、短尺角形鋼管1の端部の下フランジ8に、巾方向および部材軸方向に間隔をおいて複数のボルト挿通孔6を備えている。
ほぼ隅部が断面円弧状とされた断面正4角形の短尺角形鋼管1の巾寸法は、450mm〜550mmで、短尺角形鋼管1の端部の上フランジ5の巾方向の両側の平坦部を挟んで、幅方向中央部に、端部側に開口する半長円状のハンドホール9を備え、その半長円状のハンドホール9は、幅方法寸法が80mm〜300mmに形成され、複数の短尺角形鋼管1を直列に配置して継手部相互を、添接板10(図12参照)およびボルト・ナット14により接合した場合に長円状のハンドホール9とされ、回動工具あるいはボルト・ナット14を挿入配置可能にされ、半長円状のハンドホール9の両側の平坦部は、少なくとも100mm巾寸法に形成され、各平坦部長手方向にボルト挿通孔を少なくとも1列形成可能な寸法にされている。短尺角形鋼管の板厚寸法としては、9mm〜22mm程度に設定されている。継手部4は、摩擦接合部であるため、上フランジ5の上面または上下両面、ウェブ7の内側面および外側面、下フランジ8の上面および下面、添接板10の接合面は、赤錆あるいは粗面等の摩擦面処理がされている。
短尺角形鋼管1の上フランジ5には、部材長手方向に間隔をおいて長円状のハンドホール9を、等間隔に備え、位相を同じくしてウェブ7には、せん断キーとしての棒状部材を挿通配置するための開口部11を備えている。
短尺角形鋼管1の継手部の半長円形のハンドホール9から部材長手方向中央よりに離れた位置に、および各長円形のハンドホール9および開口部11から離れてこれらを挟む位置に、それぞれ型枠としての仕切り板12が短尺角形鋼管1の内側に固定されて、仕切り板12間に、コンクリート等の経時硬化性充填材13をハンドホール9から充填可能にさ
れている。前記の仕切り板12は、短尺角形鋼管1を工場において加工時に所定の位置に配置されてコーキング材等により固定される。
図11および図12には、地組みされた長尺角形鋼管2が示されている。前記のような直線状の短尺角形鋼管1を2本直列に、屈折して配置すると共に、継手部4における上フランジ5および下フランジ8で添接板10および高力ボルト・ナット14により接合されて長尺角形鋼管2とされ、死荷重を見込んだ分キャンバーが付与された状態で接合されている。長尺角形鋼管2を吊り上げ架設する場合、橋軸直角方向の中間部に位置する継手部4におけるウェブ7の部分のボルト挿通孔6は、架設後に隣接する長尺角形鋼管2と添接板10およびボルト・ナットを用いて接合するようになるため、ボルト挿通孔6は、孔の状態である。橋軸直角方向の最端部に位置するウェブ7にボルト挿通孔6がある場合には、適宜添接板をボルト・ナット14によりウェブ7に固定することで閉塞することができる。
1本の長尺角形鋼管2の継手部4に配置されるボルト挿通孔6を有する添接板10は、設計により適宜設定され、上下のフランジ5、8の片面または図示のように両面に添接板10が配置されて、高力ボルト・ナット14により接合される。
キャンバーが付与された長尺角形鋼管2を並列して平行に配置して継手部4のウェブ7で接合して、少なくとも2本の長尺角形鋼管2による長尺床版ユニットとする場合には、図13〜図15に示すように、長尺角形鋼管2の継手部4における当接されたウェブ7相互を添接板10および高力ボルト・ナット14により結合一体化して、長尺床版ユニット3とし、これを下部構造物18の支承19に渡って、並列して平行に架設し、架設された橋軸直角方向に隣り合う長尺床版ユニット3相互を結合一体化するようにされる。
長尺床版ユニット3を地組みする場合に、架設される場合に、橋軸直角方向に隣接して長尺床版ユニット3が設置されない側では、長尺角形鋼管2を構成する直列に隣り合う短尺角形鋼管1における継手部4は、それらのウェブ7相互を添接板10および高力ボルト・ナット14により連結一体化しておくこともできる。
橋軸直角方向に隣り合う長尺床版ユニット3相互の継手部4は、図5に示すように、長尺角形鋼管2の継手部4における当接されたウェブ7相互を添接板10および高力ボルト・ナット14により一体化して、床版橋17の本体部分が構築される。
なお、キャンバーが付与された長尺床版ユニット3とキャンバーが付与された長尺角形鋼管2を並列して平行に架設し、橋軸直角方向に隣り合う長尺床版ユニット3と長尺角形鋼管2との継手部4におけるウェブ7相互を、添接板10および高力ボルト・ナット14により一体化して、床版橋17の本体部分を構築してもよいが、それぞれ、長尺角形鋼管2のみ、あるいは長尺床版ユニット3のみの組み合わせとするほうが、施工が単純化できる。なお、架設においては、継手箇所数を減らすことが簡略化となるため、長尺床版ユニットのみが最も単純になる。
橋軸直角方向に隣り合う長尺角形鋼管2の継手部4を除く中間部分の一体化を高めるために、図3に示すように、せん断キー(あるいは横桁)として、鋼管等の棒状部材15が角形鋼管数本おきに間隔をおいて直列に開口部6から挿通配置される。棒状部材15としては鋼管以外にも、鋼棒等の鋼材でもよい。棒状部材15の端部には、張り出しフランジ21等の係止部を設けることで、図4に示すように、コンクリート等の経時硬化性充填材13に埋め込むことで、引き抜き抵抗が増大し、長尺角形鋼管2相互の一体化が高まるようにされている。
コンクリート等の経時硬化性充填材13を、棒状部材15を挟むように間隔をおいて短尺角形鋼管1内に予め配置固定された仕切り板12間にハンドホール9から充填または打設されて硬化される。橋幅方向端部側の開口部11は、適宜閉塞される。
図6および図8に示すように、継手部4相互の接合部、すなわち、継手接合部16は、図5および図7に示す高力ボルト・ナット14による接合状態から、キャンバーを付与するために短尺角形鋼管1を屈折配置することで生じる隙間Gを適宜シール材(図示を省略)によりシールした状態で、ハンドホール9から充填または打設されて硬化される。継手接合部16は、経時硬化性充填材13の有無にかかわらず、剛結合部である。経時硬化性充填材13が充填・打設されることで、止水材としての作用があり、継手部角形鋼管内への雨水の浸入が防止されると共に、防錆効果もある。なお、継手接合部16には、別途、防錆塗料等の塗布による防錆処理を施してもよい。
次に、床版橋の構築方法について、説明する。
床版橋を効率よく構築する方法として、前記のような短尺角形鋼管1を、地組みにより、少なくとも2本以上の複数本直列に連結して、図11および図12に示すように、1本の長尺角形鋼管2を形成して、長尺角形鋼管2を順次並列して架設して、図1および図2に示すような床版橋17を構築していく場合と、図13〜図15に示すように、地組みにより、複数本の長尺角形鋼管2を並列配置して結合してユニット化して長尺床版ユニット3とし、そのような長尺床版ユニット3を架設する方法があるので、次にこのような構築方法により構築される床版橋について説明する。なお、短尺角形鋼管1および長尺角形鋼管2には、適宜吊金具(図示を省略)が溶接等により固定されている場合がある。
本発明では、短尺角形鋼管1の継手部相互を直列に連結する場合、あるいは並列する長尺角形鋼管2または長尺床版ユニット3における隣り合う短尺角形鋼管1の継手部接合する場合に、高力ボルト摩擦接合継手構造とし、短尺角形鋼管1の上フランジ5および下フランジ8および隣り合う短尺角形鋼管1のウェブ7に添接板10を配置して高力ボルトを締付ける構造としている。
床版橋を構築する場合の施工手順について、後記に施工手順の詳細を記すが、概略の施工手順は以下の通りである。
床版橋の架設現場へは、例えば、連結前の短尺角形鋼管1を搬入し、地組みヤードにて継手施工の一部を行い複数本の短尺角形鋼管1を継手部4で直列に連結して、屈折配置された短尺角形鋼管1相互の継手接合部16により、少なくとも死荷重を見込んだキャンバーが付与された1本の長尺角形鋼管2を順次製作する。連結した1本のみの長尺角形鋼管2であると、架設時の長尺角形鋼管2の重量を軽減して小型重機の使用を可能できるが、大型重機が使用できる場合は、地組みで長尺角形鋼管2を2本組みあるいはそれ以上の本数をパネル化して長尺床版ユニット3としてもよい。1本の長尺角形鋼管2を架設する場合、あるいは長尺床版ユニット3を架設する場合、架設後に隣り合う短尺角形鋼管1(または長尺角形鋼管2)と接するウェブ7相互は、地組み時に継手部の接合を施工することができないため、上フランジ5および下フランジ8のみ連結した長尺角形鋼管については、吊り上げ時に自重によって生じるせん断力に抵抗できる耐力を有する添接板10を用いて接合される。
各長尺角形鋼管2または各長尺床版ユニット3を吊り上げて架設する場合、橋軸直角方向に隣り合う長尺角形鋼管2または長尺床版ユニット3のウェブ7のボルト挿通孔6の位置合わせを適宜行いながら順次各下部構造物18上の支承19に渡って架設し、各開口部11から並列する複数本の長尺角形鋼管2に渡って横桁鋼管等の棒状部材15を挿入配置し、継手部ウェブの高力ボルト・ナット14を全て締付ける。最後に継手部4の防食を行い(コンクリートを打設する等)、施工を完了することになる。このように端部に継手部を有する短尺角形鋼管1を用いることで、コンクリート橋よりも低桁高で、少なくとも20m程度の床版橋を構築することができる。
また、20m〜30m程度の橋梁工事における、工場や運搬時の吊り上げ重量を低減す
ることができ、短尺角形鋼管1を用いるため、その運搬時の振り回しスペースを小さくすることができる。
次に、長尺角形鋼管2を順次並列して架設して、床版橋を構築していく場合には、次の(1)〜(9)の手順により施工すればよい(以下では、キャンバーを付与する場合について、説明するが、キャンバーを省略して、直線状の長尺角形鋼管2を架設するようにしてもよい。)。
(1)架設現場へ連結前の短尺角形鋼管1を搬入する。
(2)地組みヤードにて、短尺角形鋼管1を短尺角形鋼管1の上フランジ5および下フランジ8に添接板10を設置すると共に孔の芯合わせのためボルト数本を仮設置する。ただし、ボルト挿入方向については、下フランジ8および橋幅方向で端部側の短尺角形鋼管1の地覆側ウェブについては外部(外側)から内部(内側)へ向けて挿入し、ボルト頭部が外部に位置するようにする。上フランジ5については逆に、ボルト頭部が内部に位置し、ナット側が外部(上面)に出るようにすることが望ましい。
(3)キャンバーを設置し、短尺角形鋼管1を複数本直列に配置し、前記添接板10を直列に隣り合う短尺角形鋼管1の継手部に重合させる。複数の短尺角形鋼管1の橋軸方向の平面視での曲がり等を矯正して直線状とした後、上フランジ5と下フランジ8の全てのボルト挿通孔に高力ボルト14を挿入して1次締付けを行い、長尺角形鋼管2とする。
(4)長尺角形鋼管2のキャンバーおよび長尺角形鋼管2の通りを再確認し、隣り合う長尺角形鋼管2のウェブ7のボルト挿通孔6が一致することを確認した後、上フランジ5と下フランジ8の全てのボルトを本締めする。
(5)1本の長尺角形鋼管2を、隣り合う長尺角形鋼管2のウェブ7の添接板10および孔合わせのボルトを仮設置しながら順次各下部構造物18上の支承19に渡って架設し、長尺角形鋼管数本おきに横桁鋼管等のせん断キーとしての棒状部材15を挿入する(図3参照)。前記の工程を繰り返して全ての長尺角形鋼管2を架設する。なお、図4に示す状態において、棒状部材15の両端部には、部材軸方向に直角に突出する張り出しフランジ21または凹部等の係止部が設けられて、コンクリート等の経時硬化性充填材13により埋め込まれることで、引き抜きに対して抵抗するので、高い引き抜き抵抗性能を有する接合部となり、並列して隣り合う長尺角形鋼管2または長尺床版ユニット3を確実に一体化している。
(6)継手部のウェブ7および添接板10の全てのボルト挿通孔6にボルトを挿入し、1次締付け後、本締めする(図5、図7参照)。
(7)継手接合部にコンクリート等の止水材あるいは防錆材としての経時硬化性充填材13を打設するために、直列に隣り合う短尺角形鋼管1間の隙間を適宜シール材(図示を省略した)によりシールする。また、端部に位置する開口部11に鋼板などの蓋材(図示を省略)を設置して開口部11を閉塞する。
(8)継手接合部16および横桁鋼管等のせん断キーとしての棒状部材15と長尺角形鋼管2との格点部に間詰めコンクリート等の経時硬化性充填材13をハンドホール9から打設する(図4、図6、図8参照)。継手接合部のコンクリート打設範囲については、前記の仕切り板12が設置されているので、部材軸方向の仕切り板12間に打設される。また、棒状部材15は幅方向に開口部11を貫通して配置されているため、ハンドホールから打設された経時硬化性充填材13は、ウェブの開口部11間に確実に経時硬化性充填材13が打設される。必要に応じ、ハンドホール9を鋼板などの蓋材(図示を省略)を設置してハンドホール9を閉塞する。
(9)橋面工、地覆等(図示を省略)を施工して、図1および図2に示すように、床版橋17の構築が完了する。
長尺角形鋼管2から長尺床版ユニット3を形成して、長尺床版ユニット3を順次並列して架設して、床版橋を構築していく場合には、次のような手順により施工すればよい。(
以下では、キャンバーを付与する場合について、説明するが、キャンバー省略して、平坦面状の長尺床版ユニット3を架設するようにしてもよい。)
(1)架設現場へ連結前の短尺角形鋼管1を搬入する。
(2)地組みヤードにて、短尺角形鋼管1を短尺角形鋼管1の上フランジ5および下フランジ8に添接板10を設置すると共に孔の芯合わせのためボルト数本を仮設置する。ただし、ボルト挿入方向については、下フランジ8および橋幅方向で端部側の短尺角形鋼管1の地覆側ウェブについては外部(外側)から内部(内側)へ向けて挿入し、ボルト頭部が外部に位置するようにする。上フランジ5については逆に、ボルト頭部が内部に位置し、ナット側が外部(上面)に出るようにすることが望ましい。
(3)キャンバーを設置し、短尺角形鋼管1を複数本直列に配置し、前記添接板10を直列に隣り合う短尺角形鋼管1の継手部に重合させる。複数の短尺角形鋼管1の橋軸方向の平面視での曲がり等を矯正して直線状とした後、上フランジ5と下フランジ8の全てのボルト挿通孔に高力ボルト14を挿入して1次締付けを行い長尺角形鋼管2とする。長尺角形鋼管2を並列して平行にウェブ7相互が当接するように複数配置し、また、ウェブ7に添接板10を配置し、一端部の長尺角形鋼管2の地覆側ウェブ7の全てのボルト挿通孔に高力ボルト14を挿入して1次締付けを行い、1次締付け状態の長尺床版ユニット3とする(図11〜図12の長尺角形鋼管2、または図13〜図15参照)。
(4)長尺床版ユニット3のキャンバーおよび長尺角形鋼管2の通りを再確認し、隣り合う長尺角形鋼管2のウェブ7のボルト挿通孔6が一致することを確認した後、上フランジ5と下フランジ8の全てのボルトを本締めすると共に、当接して隣り合うウェブ7に挿通されている全てのボルトおよび地覆側ウェブ7に配置のボルトを本締めして、長尺床版ユニット3とする。
(5)1ユニットの長尺床版ユニット3を、隣り合う長尺床版ユニット3のウェブ7が当接するように配置し、当接されたウェブ7の内側に添接板10および孔合わせのボルトを仮設置しながら順次各下部構造物18上の支承19に渡って架設し、長尺床版ユニット3内に、角形鋼管数本おきにとなるように横桁鋼管等のせん断キーとしての棒状部材15を直列に挿入する。前記の工程を繰り返して全ての長尺角形鋼管2を架設する。
(6)継手部のウェブ7および添接板の全てのボルト挿通孔にボルトを挿入し、1次締付け後、本締めする。
(7)継手接合部にコンクリート等の止水材あるいは防錆材としての経時硬化性充填材13を打設するために、直列に隣り合う短尺角形鋼管1間の隙間を適宜シール材(図示を省略した)によりシールする。また、端部に位置する開口部11に鋼板などの蓋材(図示を省略)を設置して開口部11を閉塞する。
(8)継手接合部16および横桁鋼管等のせん断キーとしての棒状部材15と長尺角形鋼管2との格点部に間詰めコンクリート等の経時硬化性充填材13をハンドホール9から打設する。継手接合部のコンクリート打設範囲については、前記の仕切り板12が設置されているので、部材軸方向の仕切り板12間に打設される。また、棒状部材15は幅方向に開口部11を貫通して配置されているため、ハンドホールから打設された経時硬化性充填材13は、ウェブの開口部11間に確実に経時硬化性充填材13が打設される。必要に応じ、ハンドホール9を鋼板などの蓋材(図示を省略)を設置してハンドホール9を閉塞する。
(9)橋面工、地覆等(図示を省略)を施工して、図1および図2に示すように、床版橋17の構築が完了する。
本発明を実施する場合、図17に示すように、3本の短尺角形鋼管1を直列に台形山形に屈折配置して、キャンバーを付与すべく屈折して連結した状態の長尺角形鋼管2またはこれを平行して配置して一体化した長尺床版ユニット3としたり、これらを並列配置して一体化し、床版橋17としてもよい。
また、本発明を実施する場合、図18に示すように、3本の短尺角形鋼管1を直列に山形に屈折配置してキャンバーを付与して連結した状態の長尺角形鋼管またはこれを並列して平行に配置して一体化した長尺床版ユニット3としたり、または3本の短尺角形鋼管1を直列に連結して直線状の長尺角形鋼管またはこれを並列して平行に配置して結合一体化した長尺床版ユニット3とし、これらを並列配置するように架設して結合一体化した床版橋17としてもよい。死荷重が付与された状態で図16に示すように、長尺角形鋼管2あるいは長尺床版ユニット3が平坦となるように設計するようにしてもよい。
前記実施形態以外にも、本発明を実施する場合、図示を省略するが、4本以上複数本の短尺角形鋼管1を山形あるいは台形山形に屈折配置して、キャンバーを付与すべく屈折して連結状態の長尺角形鋼管またはこれを並列して平行に配置して一体化した長尺床版ユニット3としたり、これらを並列配置して結合一体化した床版橋17としてもよい。また、前記と同様に、4本以上複数本の短尺角形鋼管1を直列に連結して直線状の長尺角形鋼管またはこれを並列して平行に配置して結合一体化した長尺床版ユニット3とし、これらを並列配置するように架設して結合一体化した床版橋17としてもよい。
本発明を実施する場合、長尺角形鋼管2を並列して配置して継手部分のウェブ7に添接板10を配置してボルト接合することで長尺床版ユニット3としているが、長尺角形鋼管2を少なくとも2本並列した場合、当接されたウェブ部分の1箇所で添接板10とボルト・ナット14により接合することができる。好ましくは、3本〜4本(n本)の長尺角形鋼管2を継手接合部16で接合すると、2〜3箇所(n−1箇所)で添接板10とボルト・ナット14により接合することができ、確実に接合され安定性のよい長尺床版ユニット3とすることができる。
前記の実施形態では、橋軸直角方向に隣り合う長尺角形鋼管2を構成する短尺角形鋼管1は、橋軸直角方向では、長さの同じ短尺角形鋼管1を配置している形態の長尺角形鋼管2を用いた形態の床版橋17を示したが、橋軸直角方向に隣り合う短尺角形鋼管1は、橋軸方向の長さが、ほぼ継手部分、長さの異なる短尺角形鋼管1を用いた2種類の長尺角形鋼管2(2A,2B)を、橋軸直角方向に交互に配置することで、橋軸直角方向に隣り合い対角方向に並列している短尺角形鋼管1の片側のウェブ7を、橋軸方向にウェブ7相互を重合させて接合してもよいので、次にこのような形態について、図21〜図30を参照して説明する。
この形態においては、直列に配置された短尺角形鋼管2の橋軸方向の継手部4の形態が相違しているが、その他の部分の構造は、前記実施形態と同じである。そのため、相違する部分を主に説明する。また、前記実施形態と同様な部分については、同様な符号を付している。
先ず、図21には床版橋17が示され、図22にはコンクリートを充填する直前の状態の継手接合部の断面が示され、図23にはコンクリートからなる経時硬化性充填材13を充填した状態の断面図が示され、図24には、図21の床版橋17を、長尺床版ユニットを用いて築造する場合の長尺床版ユニット3の一例の平面図が示され、図25および図26には図24の継手接合部16の平面図および底面図が示されている。また、図27には、図21(または図24)における継手接合部の縦断側面図が示され、図28には、長尺角形鋼管2の継手接合部16が示され、29には、長尺床版ユニットの縦断正面図が示され、図30には、床版橋17または長尺床版ユニット3に用いられる長尺角形鋼管2の継手部4が示されている。
図21あるいは図24〜図26に示すように、床版橋17に使用される長尺角形鋼管2は、橋軸直角方向に隣り合う長尺角形鋼管2の橋軸方向の長さ寸法が同じ寸法、またはほぼ同じ寸法で、これらを構成する短尺角形鋼管2の橋軸方向の長さ寸法が、橋軸直角方向
に一本おきに同じ寸法の短尺角形鋼管2が配置され、橋軸直角方向に隣り合う長尺角形鋼管2相互間では、橋軸方向の長さがほぼ継手部分の長さ、異なる短尺角形鋼管2の組み合わせ形態とされている。
図30(a)(b)(c)に長尺角形鋼管2の継手部4を示すように、長尺角形鋼管2を構成する直列に隣り合う短尺角形鋼管における一方の短尺角形鋼管2は、その継手部4のウェブ7部分に設ける複数のボルト挿通孔6によるボルト挿通孔群が橋軸方向に2群設けられ、具体的には、ウェブ7部分に、橋軸方向に2つの短尺角形鋼管の継手部4のウェブ7に接合可能な2つのボルト挿通孔群6A,6Bが橋軸方向に間隔をおいて形成されている。
ウェブ7部分に設けた2群のボルト挿通孔群6A,6Bは、上フランジ5あるいは下フランジ8に設けられているボルト挿通孔群よりも、橋軸方向のほぼ継手部分、変位して設けられている。
前記のような橋軸方向に2つの短尺角形鋼管の継手部4に接合可能な2つのボルト挿通孔群6A,6Bが形成されている短尺角形鋼管2の継手部4におけるウェブ7部分を備えた長尺角形鋼管2を橋軸直角方向に1本置きに並列して配置され、これに橋軸直角方向に隣接する長尺角形鋼管2は、橋軸方向で反対側の短尺角形鋼管2のウェブ7に、橋軸方向に2群のボルト挿通孔郡6A,6Bを備えた長尺角形鋼管2を、橋軸直角方向に、1本置きに並列して配置されている。図21では、これらの2種類の長尺角形鋼管2を地組みして交互に架設したり、図24のように、これらの2種類の長尺角形鋼管2を交互に配置して地組みした長尺床版ユニット3と、図24に示す巾方向中央に位置する長尺角形鋼管2を2本外側に、図24に示す巾方向端部に位置する長尺角形鋼管2を中央に位置するように交互に配置して地組みし一体化した長尺床版ユニット3とを、交互に架設することで、図21に示す床版橋17とすることができる。
さらに説明すると、橋軸直角方向に隣り合う長尺角形鋼管2には、平面視で橋軸直角方向に交互に橋軸方向のほぼ継手部分の長さ、長さの異なる短尺角形鋼管2が配置されて、継手接合部16が橋軸直角方向に千鳥状配置とされ、橋軸直角方向に隣り合う一方の長尺角形鋼管2における短尺角形鋼管2の継手部4におけるウェブ7は、橋軸直角方向に隣り合う他方の長尺角形鋼管2における直列に隣り合う2つの短尺角形鋼管2の継手部4におけるウェブ7に渡って配置されて、図27および図28に示すように直接ボルト・ナット14により摩擦接合されるか、または、図31および図32に示すように、橋軸方向に長く橋軸方向に3つのボルト挿通孔群を備えた添接板10を用いる場合には、長尺床版ユニット3の地組み時あるいは長尺角形鋼管2または長尺床版ユニット3の架設後、橋軸直角方向に当接して隣り合う各ウェブ7の内側に、ハンドホールから挿入されたウェブに重合するように配置される添接板10を介して、ボルト・ナット14により摩擦接合される。
前記のように、継手接合部16において、橋軸直角方向に隣り合う一方の短尺角形鋼管2におけるウェブ7を、橋軸直角方向に隣り合う他方の直列に配置された2つの短尺角形鋼管2の継手部4のウェブ7に渡って配置されていると、橋軸直角方向に隣り合って当接されているウェブ7相互を、直接、ボルト・ナットにより接合することができ、橋軸直角方向の中間部においては、添接板を省略することも可能になる。
前記のように、橋軸直角方向に隣り合って当接されているウェブ7相互を、直接ボルト・ナットにより接合することができると、ボルト挿通孔6を加工する数が少なくなり、経済的な床版橋17あるいは長尺床版ユニット3とすることができる。
なお、橋軸直角方向の端部側の橋軸方向に直列に隣り合う短尺角形鋼管2のウェブ相互は、各短尺角形鋼管2の外側に渡って、または各短尺角形鋼管の内側に渡って、あるいは外側および内側に渡って、ボルト挿通孔を有する添接板10が配置されて、ボルト・ナッ
トにより摩擦接合されている。
図24には、図21に示す床版橋17において使用される長尺床版ユニット3が示されている。この長尺床版ユニット3では、橋軸直角方向に隣り合う長尺角形鋼管2には、平面視で橋軸直角方向に交互に橋軸方向の長さが、ほぼ継手部分の長さ、異なる短尺角形鋼管2が配置されて、継手接合部16が橋軸直角方向に千鳥状配置とされ、橋軸直角方向に隣り合う一方の長尺角形鋼管2における短尺角形鋼管2の継手部4におけるウェブ7は、橋軸直角方向に隣り合う他方の長尺角形鋼管2における直列に隣り合う2つの短尺角形鋼管2の継手部4におけるウェブ7に渡って配置されて、直接ボルト・ナットにより摩擦接合されて、長尺床版ユニット3が構成されている。
この形態では、3本の長尺角形鋼管2が橋軸直角方向に並列して配置され、橋軸直角方向の両端側の長尺角形鋼管2は同じ長尺角形鋼管2が配置されている。中間部の長尺角形鋼管2を構成する短尺角形鋼管2は、橋軸方向の一方が、橋軸直角方向両端側の短尺角形鋼管2よりも短い短尺角形鋼管2が用いられ、また、橋軸方向の他方が長い短尺角形鋼管2が用いられている。
なお、上フランジ側と下フランジ側の橋軸方向あるいは橋軸直角方向のボルト挿通孔および添接板の長さおよび厚さ寸法は、設計により適宜設定される。
橋軸直角方向に隣り合う一方の長尺角形鋼管2を構成する複数の短尺角形鋼管2の橋軸方向の長さ寸法と、橋軸直角方向に隣り合う他方の長尺角形鋼管2を構成する複数の短尺角形鋼管2の橋軸方向の長さ寸法とは、橋軸方向の長さがほぼ継手部、橋軸方向に長さの異なる短尺角形鋼管2が使用されて組み込まれている。従って、長尺角形鋼管2は2種類の長尺角形鋼管2が橋軸直角方向に交互に配置されている。
前記ようなウェブ6部分に2群のボルト挿通孔群6A,6Bを備えた長尺角形鋼管2あるいは長尺床版ユニット3を用いる形態でも、施工手順は前記実施形態の場合と同様である。
前記のように本第1発明によると、端部に継手部4を有する直線状の短尺角形鋼管1を少なくとも2本、継手部4で直列に接合して、橋軸方向に伸長する長尺角形鋼管2が構成され、その長尺角形鋼管2を橋軸直角方向に複数本並列して配設し、橋軸直角方向に隣り合う長尺角形鋼管2を一体化するので、端部に継手部4を有する直線状の短尺角形鋼管1を用いて床版橋17を構築することができる。
また、端部に継手部4を有する直線状の短尺角形鋼管1を直列に連結して、長尺角形鋼管2とするので、下部構造物18間のスパンが長い場合でも、容易に対応することができる短尺角形鋼管1を用いた床版橋17とすることができる。
また、橋軸直角方向に隣り合う長尺角形鋼管2には、平面視で橋軸直角方向に交互に橋軸方向の長さの異なる短尺角形鋼管1が配置されて、継手接合部16が橋軸直角方向に千鳥状配置とされ、橋軸直角方向に隣り合う一方の長尺角形鋼管2における短尺角形鋼管1の継手部4におけるウェブ7は、橋軸直角方向に隣り合う他方の長尺角形鋼管2における直列に隣り合う2つの短尺角形鋼管1の継手部4におけるウェブ7に渡って配置されて、直接または添接板10を用いてボルト・ナット14により摩擦接合されているので、橋軸直角方向に隣り合う長尺角形鋼管2における当接されるウェブ7相互間では、橋軸直角方向で一方のウェブ7を、橋軸直角方向の他方の2つのウェブ7に渡って配置するだけで、橋軸直角方向の中間部におけるウェブ7相互の重合部では、添接板10を配置しなくても、ウェブ7を利用して、橋軸直角方向に隣り合う短尺角形鋼管1(または長尺角形鋼管2)を、ボルト・ナット14を用いて接合することができる。このような場合には、橋軸直角方向中間部においては添接板10を用いなくても、接合可能であるため、部品点数が少なくなると共に、ボルト挿通孔6の孔明け加工箇所を少なくすることができ、安価な床版橋17とすることができる。また、添接板10を用いた場合には、継手接合部16の摩擦接合強度を高めることができる。
また、本第2発明によると、端部に継手部4を有する直線状の短尺角形鋼管1を少なくとも2本、継手部4で直列に接合して、橋軸方向に伸長する長尺角形鋼管2が構成され、少なくとも2つの長尺角形鋼管2を並列して平行に配置して一体化して、橋軸方向に伸長する長尺床版ユニット3が構成され、その長尺床版ユニット3を橋軸直角方向に複数ユニット並列して配設し、橋軸直角方向に隣り合う長尺床版ユニット3を一体化するので、面状の長尺床版ユニット3を用いて、床版橋17とすることができる。
また、継手部4を有する面状の長尺床版ユニット3を並列して連結することで、広幅の床版橋17とすることができ、また、下部構造物18間のスパンが長い場合でも、長尺床版ユニット3により容易に対応することができる角形鋼管を用いた床版橋17とすることができる。
また、橋軸直角方向に隣り合う長尺角形鋼管2には、平面視で橋軸直角方向に交互に橋軸方向の長さの異なる短尺角形鋼管1が配置されて、継手接合部16が橋軸直角方向に千鳥状配置とされ、橋軸直角方向に隣り合う一方の長尺角形鋼管2における短尺角形鋼管1の継手部4におけるウェブ7は、橋軸直角方向に隣り合う他方の長尺角形鋼管2における直列に隣り合う2つの短尺角形鋼管1の継手部4におけるウェブ7に渡って配置されて、直接または添接板10を用いてボルト・ナット14により摩擦接合されているので、橋軸直角方向に隣り合う長尺角形鋼管2における当接されるウェブ7相互間では、橋軸直角方向で一方のウェブ7を、橋軸直角方向の他方の2つのウェブ7に渡って配置するだけで、橋軸直角方向の中間部におけるウェブ7相互の重合部では、添接板10を配置しなくても、ウェブ7を利用して、橋軸直角方向に隣り合う短尺角形鋼管1(または長尺角形鋼管2)を、ボルト・ナット14を用いて接合することができる。このような場合には、橋軸直角方向中間部においては添接板10を用いなくても、接合可能であるため、部品点数が少なくなると共に、ボルト挿通孔6の孔明け加工箇所を少なくすることができ、安価な床版橋17とすることができる。また、添接板10を用いた場合には、継手接合部16の摩擦接合強度を高めることができる。
また、本第3発明によると、前記長尺角形鋼管2は、少なくとも一箇所の継手接合部16で短尺角形鋼管1を屈折配置して、キャンバーが付与された橋軸方向に伸長する長尺角形鋼管2であるので、キャンバーが付与された橋軸方向に伸長する長尺角形鋼管2を橋軸直角方向に複数本並列して配設し、橋軸直角方向に隣り合う長尺角形鋼管2を一体化して床版橋17とすることができる。また、キャンバーが付与された橋軸方向に伸長する長尺角形鋼管2を一体化したキャンバーが付与された長尺床版ユニット3を用いて容易に床版橋17を構築することができる。また、キャンバーを付与するために、短尺角形鋼管1に曲げ加工を施すことなく、端部に継手部4を有する直線状の短尺角形鋼管1を用いて、キャンバーが付与された長尺角形鋼管2あるいは長尺床版ユニット3を組み立てることができ、これらを用いて床版橋17とすることができる。
また、端部に継手部4を有する直線状の短尺角形鋼管1を直列に連結して、長尺角形鋼管2としたり、長尺角形鋼管2を一体化して長尺床版ユニット3とするので、下部構造物18間のスパンが長い場合でも、容易に対応することができる角形鋼管を用いた床版橋17とすることができる。
また、本第4発明によると、短尺角形鋼管1の端部の継手部4には、上フランジ5の幅方向中央よりに部材軸方向の端部側に開口するハンドホール9と、幅方向両側に複数のボルト挿通孔6を備えた上フランジ5と、複数のボルト挿通孔6を備えた少なくとも一方のウェブ7、複数のボルト挿通孔6を備えた下フランジ8とを備え、橋軸方向に隣り合う角形鋼管の各上フランジ5およびウェブ7に渡って添接板10が配設されてボルト・ナット14により摩擦接合されているので、直列に隣り合う角形鋼管の継手部を連結する場合に、角形鋼管の内側に添接板10を配置して、直列に隣り合う角形鋼管の継手部4を連結することができ、また、並列に隣り合う角形鋼管の継手部4を連結する場合に、角形鋼管の内側に添接板10を配置して、直列に隣り合う角形鋼管の継手部10を連結することができる。
また、本第発明によると、橋軸直角方向に隣り合う角形鋼管の外側面は、粗面とされているので、高い摩擦接合とすることができる。
また、本第発明によると、各長尺角形鋼管2の継手部内側に渡って、経時硬化性充填材13が充填硬化されているので、継手内部に雨水等の水が浸入するのを防止して継手内部の防錆を図ることができると共に、ボルト・ナット14等の緩み止めを図ることができ、確実に接合されて継手接合部16とすることができる。
また、本第7発明によると、端部に継手部4を有する直線状の短尺角形鋼管1を少なくとも2本、継手部4で直列に接合して、橋軸方向に伸長する長尺角形鋼管2が構成され、その長尺角形鋼管2を橋軸直角方向に複数本並列して配設し、橋軸直角方向に隣り合う長尺角形鋼管2を一体化するので、端部に継手部4を有する直線状の短尺角形鋼管1を用いて床版橋17を構築することができる。
また、端部に継手部4を有する直線状の短尺角形鋼管1を直列に連結して、長尺角形鋼管2とするので、下部構造物18間のスパンが長い場合でも、容易に対応することができる短尺角形鋼管1を用いた床版橋17とすることができる。
また、各長尺角形鋼管2の継手部内側に渡って、経時硬化性充填材13が充填硬化されているので、継手内部に雨水等の水が浸入するのを防止して継手内部の防錆を図ることができると共に、ボルト・ナット14等の緩み止めを図ることができ、確実に接合されて継手接合部16とすることができる。
また、本第8発明によると、端部に継手部4を有する直線状の短尺角形鋼管1を少なくとも2本、継手部4で直列に接合して、橋軸方向に伸長する長尺角形鋼管2が構成され、少なくとも2つの長尺角形鋼管2を並列して平行に配置して一体化して、橋軸方向に伸長する長尺床版ユニット3が構成され、その長尺床版ユニット3を橋軸直角方向に複数ユニット並列して配設し、橋軸直角方向に隣り合う長尺床版ユニット3を一体化するので、面状の長尺床版ユニット3を用いて、床版橋17とすることができる。
また、継手部4を有する面状の長尺床版ユニット3を並列して連結することで、広幅の床版橋17とすることができ、また、下部構造物18間のスパンが長い場合でも、長尺床版ユニット3により容易に対応することができる角形鋼管を用いた床版橋17とすることができる。
また、各長尺角形鋼管2の継手部内側に渡って、経時硬化性充填材13が充填硬化されているので、継手内部に雨水等の水が浸入するのを防止して継手内部の防錆を図ることができると共に、ボルト・ナット14等の緩み止めを図ることができ、確実に接合されて継手接合部16とすることができる。
また、本第発明によると、各長尺角形鋼管2の側面に開口部が設けられ、橋軸直角方向に隣り合う角形鋼管に渡って、せん断キーとしての棒状部材15が挿通配置されていると共に、棒状部材15を埋め込むように経時硬化性充填材13が充填硬化されているので、橋軸直角方向に隣り合う角形鋼管の一体化を図りながら、輪荷重が一つの角形鋼管に作用した場合に、並列して隣り合う角形鋼管に荷重を伝達して負担する荷重を分散することができる。
また、本第10発明によると、端部に継手部4を有する直線状の短尺角形鋼管1を少なくとも2本、継手部4で直列に接合して、橋軸方向に伸長する長尺角形鋼管2が構成され、その長尺角形鋼管2を橋軸直角方向に複数本並列して配設し、橋軸直角方向に隣り合う長尺角形鋼管2を一体化するので、長尺角形鋼管2を用いて長尺床版ユニット3を容易に構成することができ、また、そのような長尺床版ユニット3を用いて容易に床版橋17を構成することができる。
また、橋軸直角方向に隣り合う長尺角形鋼管2には、平面視で橋軸直角方向に交互に橋軸方向の長さの異なる短尺角形鋼管1が配置されて、継手接合部16が橋軸直角方向に千鳥状配置とされ、橋軸直角方向に隣り合う一方の長尺角形鋼管2における短尺角形鋼管1の継手部におけるウェブ7は、橋軸直角方向に隣り合う他方の長尺角形鋼管2における直列に隣り合う2つの短尺角形鋼管1の継手部4におけるウェブ7に渡って配置されて、重合されたウェブ7相互が直接または添接板10を用いてボルト・ナット14により摩擦接合されているので、橋軸直角方向に隣り合う長尺角形鋼管2における当接されるウェブ7相互間では、橋軸直角方向で一方のウェブ7を、橋軸直角方向の他方の2つのウェブ7に渡って配置するだけで、橋軸直角方向の中間部におけるウェブ7相互の重合部では、添接板10を配置しなくても、ウェブ7を利用して、橋軸直角方向に隣り合う短尺角形鋼管1(または長尺角形鋼管2)を、ボルト・ナット14を用いて接合することができる。このような場合には、橋軸直角方向中間部においては添接板10を用いなくても、接合可能であるため、部品点数が少なくなると共に、ボルト挿通孔6の孔明け加工箇所を少なくすることができ、安価な長尺床版ユニット3とすることができる。また、添接板10を用いた場合には、継手接合部16の摩擦接合強度を高めた長尺床版ユニット3とすることができる。
また、本第11発明によると、前記長尺角形鋼管2は、少なくとも一箇所の継手接合部16で短尺角形鋼管1を屈折配置して、キャンバーが付与された橋軸方向に伸長する長尺角形鋼管2であるので、キャンバーが付与された長尺角形鋼管2を用いて、その長尺角形鋼管2を橋軸直角方向に複数本並列して配設し、橋軸直角方向に隣り合う長尺角形鋼管2を一体化した長尺床版ユニット3を容易に構成することができ、また、そのような長尺床版ユニット3を用いて容易に床版橋17を構成することができる。
また、本第12発明によると、長尺床版ユニット3を橋軸直角方向に複数本並列して配設し、橋軸直角方向に隣り合う長尺床版ユニット3を一体化したので、橋軸方向に長尺で橋軸直角方向に広幅の床版橋17でも、長尺床版ユニット3を橋軸直角方向に並列して配設した床版橋17とすることができる。
また、本第13発明によると、端部に継手部を有する直線状の短尺角形鋼管1を少なくとも2本、継手部4で直列に接合して、橋軸方向に伸長する長尺角形鋼管2を地組みし、次いで、その長尺角形鋼管2を橋軸直角方向に複数本並列して橋台または橋脚の下部構造物18に渡って架設し、その後、橋軸直角方向に隣り合う長尺角形鋼管2を一体化するので、端部に継手部4を有する直線状の短尺角形鋼管1を用いて、床版橋17を容易に構築することができ、施工も容易であるなどの効果が得られる。
また、架設された橋軸直角方向に隣り合う長尺角形鋼管2には、平面視で橋軸直角方向に交互に橋軸方向の長さの異なる短尺角形鋼管1が配置され、橋軸直角方向に隣り合う一方の長尺角形鋼管2における短尺角形鋼管1の継手部4におけるウェブ7を、橋軸直角方向に隣り合う他方の長尺角形鋼管2における直列に隣り合う2つの短尺角形鋼管1の継手部4におけるウェブ7に渡って配置し、継手部4における重合されたウェブ7相互が直接または添接板10を用いてボルト・ナット14により摩擦接合するので、橋軸直角方向に隣り合う長尺角形鋼管2における当接されるウェブ7相互間では、橋軸直角方向で一方のウェブ7を、橋軸直角方向の他方の2つのウェブ7に渡って配置するだけで、橋軸直角方向の中間部におけるウェブ7相互の重合部では、添接板10を配置しなくても、ウェブ7を利用して、橋軸直角方向に隣り合う短尺角形鋼管1(または長尺角形鋼管2)を、ボルト・ナット14を用いて接合することができる。このような場合には、橋軸直角方向中間部においては添接板10を用いなくても、接合可能であるため、部品点数が少なくなると共に、ボルト挿通孔6の孔明け加工箇所を少なくすることができ、安価な床版橋17を容易に構築することができる。また、添接板10を用いた場合には、継手接合部16の摩擦接合強度を高めた床版橋を構築することができる。
また、本第14発明によると、前記長尺角形鋼管2は、少なくとも一箇所の継手接合部16で短尺角形鋼管1を屈折配置して、キャンバーが付与された橋軸方向に伸長する長尺角形鋼管2であり、これを地組みするので、キャンバーが付与された長尺角形鋼管2を用いて、その長尺角形鋼管2を橋軸直角方向に複数本並列して配設し、橋軸直角方向に隣り合う長尺角形鋼管2を一体化した長尺床版ユニット3を用いて容易に床版橋17を構成することができる。
また、本第15発明によると、橋軸方向に伸長する長尺床版ユニット3またはキャンバーが付与された橋軸方向に伸長する長尺床版ユニット3を地組みし、次いで、その長尺床版ユニットを橋軸直角方向に複数ユニット並列して橋台または橋脚に渡って架設し、その後、橋軸直角方向に隣り合う長尺床版ユニット3を一体化するので、短尺角形鋼管から橋軸方向に伸長する長尺角形鋼管2、またはキャンバーが付与された長尺角形鋼管2を容易に構成することができると共に、橋軸方向に伸長する長尺角形鋼管2から平坦面状の長尺床版ユニット3、またはキャンバーが付与された長尺角形鋼管2からキャンバーが付与された長尺床版ユニット3を容易に形成することができ、また、長尺床版ユニット3から平坦面状の床版橋17の本体部分、またはキャンバーが付与された長尺床版ユニット3からキャンバーが付与された床版橋17の本体部分を容易に短工期で構築することができ、長スパンの床版橋でも、施工コストを低減できる効果が得られる。
また、本第16発明によると、直列に隣り合う角形鋼管は継手部4における上フランジ7相互と下フランジ8相互が、添接板10およびボルト・ナット14により接合された状態で橋台または橋脚(下部構造物18)に渡って架設され、架設後、並列して隣り合う角形鋼管の継手部4におけるウェブ7相互をボルト・ナット14により接合するので、長尺角形鋼管2または長尺床版ユニット3における継手部4のウェブ7相互を添接板10およびボルト・ナット14により接合することなく、また、継手部内に経時硬化性充填材13を充填することなく、長尺角形鋼管2または長尺床版ユニット3を、下部構造物18間に架設することができ、角形鋼管を用いた床版橋17を効率よく施工することができる。
本発明を実施する場合、長尺角形鋼管2または長尺床版ユニット3に付与するキャンバーとしては、死荷重分を見込んだキャンバーを付与する屈折配置としておくと、図1に示すような平坦な床版橋18とすることができるが、死荷重分を見込んだ状態で、上に凸となるように、キャンバーを付与する屈折配置としておいてもよい。
本発明を実施する場合、継手接合部内に、コンクリート等の経時硬化性充填材を充填した後、防錆塗料を継手接合部に塗布してもよい。また、継手接合部の防錆性能が期待できる場合には、継手接合部内に、コンクリート等の経時硬化性充填材を充填しなくてもよい。
1 短尺角形鋼管
2 長尺角形鋼管
2A 長尺角形鋼管
2B 長尺角形鋼管
3 長尺床版ユニット
4 継手部
5 上フランジ
6 ボルト挿通孔
6A ボルト挿通孔群
6B ボルト挿通孔群
7 ウェブ
8 下フランジ
9 ハンドホール
10 添接板
11 開口部
12 仕切り板
13 経時硬化性充填材
14 ボルト・ナット(または高力ボルト)
15 棒状部材
16 継手接合部
17 床版橋
18 下部構造物
19 支承
20 平坦部
21 張り出しフランジ

Claims (16)

  1. 端部に継手部を有する直線状の短尺角形鋼管を少なくとも2本、継手部で直列に接合して、橋軸方向に伸長する長尺角形鋼管が構成され、その長尺角形鋼管を橋軸直角方向に複数本並列して配設し、橋軸直角方向に隣り合う長尺角形鋼管を一体化し、橋軸直角方向に隣り合う長尺角形鋼管には、平面視で橋軸直角方向に交互に橋軸方向の長さの異なる短尺角形鋼管が配置されて、継手接合部が橋軸直角方向に千鳥状配置とされ、橋軸直角方向に隣り合う一方の長尺角形鋼管における短尺角形鋼管の継手部におけるウェブは、橋軸直角方向に隣り合う他方の長尺角形鋼管における直列に隣り合う2つの短尺角形鋼管の継手部におけるウェブに渡って配置されて、直接または添接板を用いてボルト・ナットにより摩擦接合されていることを特徴とする床版橋。
  2. 端部に継手部を有する直線状の短尺角形鋼管を少なくとも2本、継手部で直列に接合して、橋軸方向に伸長する長尺角形鋼管が構成され、少なくとも2つの長尺角形鋼管を並列して平行に配置して一体化して、橋軸方向に伸長する長尺床版ユニットが構成され、その長尺床版ユニットを橋軸直角方向に複数ユニット並列して配設し、橋軸直角方向に隣り合う長尺床版ユニットを一体化し、橋軸直角方向に隣り合う長尺角形鋼管には、平面視で橋軸直角方向に交互に橋軸方向の長さの異なる短尺角形鋼管が配置されて、継手接合部が橋軸直角方向に千鳥状配置とされ、橋軸直角方向に隣り合う一方の長尺角形鋼管における短尺角形鋼管の継手部におけるウェブは、橋軸直角方向に隣り合う他方の長尺角形鋼管における直列に隣り合う2つの短尺角形鋼管の継手部におけるウェブに渡って配置されて、直接または添接板を用いてボルト・ナットにより摩擦接合されていることを特徴とする床版橋。
  3. 前記長尺角形鋼管は、少なくとも一箇所の継手接合部で短尺角形鋼管を屈折配置して、キャンバーが付与された橋軸方向に伸長する長尺角形鋼管であることを特徴とする請求項1または2に記載の床版橋。
  4. 短尺角形鋼管の端部の継手部には、上フランジの幅方向中央よりに部材軸方向の端部側に開口するハンドホールと、幅方向両側に複数のボルト挿通孔を備えた上フランジと、複数のボルト挿通孔を備えた少なくとも一方のウェブ、複数のボルト挿通孔を備えた下フランジとを備え、橋軸方向に隣り合う角形鋼管の各上フランジおよびウェブに渡って添接板が配設されてボルト・ナットにより摩擦接合されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の床版橋。
  5. 橋軸直角方向に隣り合う角形鋼管の接触面および角形鋼管と添接板との接触面は、粗面とされていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の床版橋。
  6. 各長尺角形鋼管の継手部内側に渡って、経時硬化性充填材が充填硬化されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の床版橋。
  7. 端部に継手部を有する直線状の短尺角形鋼管を少なくとも2本、継手部で直列に接合して、橋軸方向に伸長する長尺角形鋼管が構成され、その長尺角形鋼管を橋軸直角方向に複数本並列して配設し、橋軸直角方向に隣り合う長尺角形鋼管を一体化し、各長尺角形鋼管の継手部内側に渡って、経時硬化性充填材が充填硬化されていることを特徴とする床版橋。
  8. 端部に継手部を有する直線状の短尺角形鋼管を少なくとも2本、継手部で直列に接合して、橋軸方向に伸長する長尺角形鋼管が構成され、少なくとも2つの長尺角形鋼管を並列して平行に配置して一体化して、橋軸方向に伸長する長尺床版ユニットが構成され、その長尺床版ユニットを橋軸直角方向に複数ユニット並列して配設し、橋軸直角方向に隣り合う長尺床版ユニットを一体化し、各長尺角形鋼管の継手部内側に渡って、経時硬化性充填材が充填硬化されていることを特徴とする床版橋。
  9. 各長尺角形鋼管の側面に開口部が設けられ、橋軸直角方向に隣り合う角形鋼管に渡って、せん断キーとしての棒状部材が挿通配置されていると共に、棒状部材を埋め込むように経時硬化性充填材が充填硬化されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の床版橋。
  10. 端部に継手部を有する直線状の短尺角形鋼管を少なくとも2本、継手部で直列に接合して、橋軸方向に伸長する長尺角形鋼管が構成され、その長尺角形鋼管を橋軸直角方向に複数本並列して配設し、橋軸直角方向に隣り合う長尺角形鋼管を一体化し、橋軸直角方向に隣り合う長尺角形鋼管には、平面視で橋軸直角方向に交互に橋軸方向の長さの異なる短尺角形鋼管が配置されて、継手接合部が橋軸直角方向に千鳥状配置とされ、橋軸直角方向に隣り合う一方の長尺角形鋼管における短尺角形鋼管の継手部におけるウェブは、橋軸直角方向に隣り合う他方の長尺角形鋼管における直列に隣り合う2つの短尺角形鋼管の継手部におけるウェブに渡って配置されて、重合されたウェブ相互が直接または添接板を用いてボルト・ナットにより摩擦接合されていることを特徴とする長尺床版ユニット。
  11. 前記長尺角形鋼管は、少なくとも一箇所の継手接合部で短尺角形鋼管を屈折配置して、キャンバーが付与された橋軸方向に伸長する長尺角形鋼管であることを特徴とする請求項10に記載の長尺床版ユニット。
  12. 請求項10又は11に記載の長尺床版ユニットを橋軸直角方向に複数本並列して配設し、橋軸直角方向に隣り合う長尺床版ユニットを一体化したことを特徴とする床版橋。
  13. 端部に継手部を有する直線状の短尺角形鋼管を少なくとも2本、継手部で直列に接合して、橋軸方向に伸長する長尺角形鋼管を地組みし、次いで、その長尺角形鋼管を橋軸直角方向に複数本並列して橋台または橋脚に渡って架設し、その後、橋軸直角方向に隣り合う長尺角形鋼管を一体化し、架設された橋軸直角方向に隣り合う長尺角形鋼管には、平面視で橋軸直角方向に交互に橋軸方向の長さの異なる短尺角形鋼管が配置され、橋軸直角方向に隣り合う一方の長尺角形鋼管における短尺角形鋼管の継手部におけるウェブを、橋軸直角方向に隣り合う他方の長尺角形鋼管における直列に隣り合う2つの短尺角形鋼管の継手部におけるウェブに渡って配置し、継手部における重合されたウェブ相互が直接または添接板を用いてボルト・ナットにより摩擦接合することを特徴とする床版橋の構築方法。
  14. 前記長尺角形鋼管は、少なくとも一箇所の継手接合部で短尺角形鋼管を屈折配置して、キャンバーが付与された橋軸方向に伸長する長尺角形鋼管であり、これを地組みすることを特徴とする請求項13に記載の床版橋の構築方法。
  15. 請求項10または請求項11に記載の長尺床版ユニットを地組みし、次いで、その長尺床版ユニットを橋軸直角方向に複数ユニット並列して橋台または橋脚に渡って架設し、その後、橋軸直角方向に隣り合う長尺床版ユニットを一体化することを特徴とする床版橋の構築方法。
  16. 直列に隣り合う角形鋼管は継手部における上フランジ相互と下フランジ相互が、添接板およびボルト・ナットにより接合された状態で橋台または橋脚に渡って架設され、架設後、並列して隣り合う角形鋼管の継手部におけるウェブ相互をボルト・ナットにより接合することを特徴とする請求項13または14に記載の床版橋の構築方法。
JP2009058743A 2009-03-11 2009-03-11 床版橋および床版ユニット並びに床版橋の構築方法 Active JP5169924B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009058743A JP5169924B2 (ja) 2009-03-11 2009-03-11 床版橋および床版ユニット並びに床版橋の構築方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009058743A JP5169924B2 (ja) 2009-03-11 2009-03-11 床版橋および床版ユニット並びに床版橋の構築方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010209622A JP2010209622A (ja) 2010-09-24
JP5169924B2 true JP5169924B2 (ja) 2013-03-27

Family

ID=42970058

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009058743A Active JP5169924B2 (ja) 2009-03-11 2009-03-11 床版橋および床版ユニット並びに床版橋の構築方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5169924B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6310823B2 (ja) * 2014-09-01 2018-04-11 新日鉄住金エンジニアリング株式会社 鋼管の継手構造、橋床版ユニット、床版橋、鋼管の継手方法、および橋床版ユニットの製造方法
CN115070925B (zh) * 2022-07-25 2022-12-27 中铁三局集团有限公司 节段拼装连续梁长短线结合预制方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3465216B2 (ja) * 1997-05-21 2003-11-10 大和ハウス工業株式会社 鋼管柱の無溶接柱・柱接合構造
JP2002129658A (ja) * 2000-10-23 2002-05-09 Nippon Steel Corp 高力ボルトによる鋼管の継手構造及びその継手施工法
JP3903430B2 (ja) * 2002-11-06 2007-04-11 新日本製鐵株式会社 橋桁構造及び橋桁の架設方法
JP4989910B2 (ja) * 2006-03-28 2012-08-01 川田工業株式会社 桁を構成する部材の製作方法、桁の製作方法、及びこの製作方法にて製作された桁、並びにこの製作方法にて製作された桁を備えた構造物の構築方法
JP4740029B2 (ja) * 2006-04-28 2011-08-03 新日本製鐵株式会社 床版または覆工板の製造方法
JP2008127906A (ja) * 2006-11-22 2008-06-05 Hanshin Expressway Co Ltd 鋼床板補強方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010209622A (ja) 2010-09-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100766661B1 (ko) 콘크리트 충전 강관 거더
JP4685686B2 (ja) 角形鋼管を用いた覆工板
KR20070020826A (ko) 내부구속 중공 콘크리트 충전유닛을 사용한 프리스트레스연결형 조립식교각 및 그 시공방법
KR101187168B1 (ko) 소하천용 피씨 교량 및 그 시공 방법
KR102077960B1 (ko) 꺽쇠 조인트로 결합되는 pc 암거 박스 및 이의 시공 방법
JP4743062B2 (ja) 鋼板パネル、その集積体、これを用いたトンネルの補強構造及び補強工法
KR200381589Y1 (ko) 강관파일의 두부 보강 구조
KR20110061060A (ko) 강합성 교량 시공방법
KR20110005430A (ko) 아치형 프리캐스트 콘크리트 세그멘트 구조체 및 이를 이용한 터널 시공방법
KR101222524B1 (ko) 파형강판을 이용한 프리캐스트 터널구조물
JP4970060B2 (ja) 形鋼を用いた床版または覆工板用の版状パネルおよびその製造方法
JP4740029B2 (ja) 床版または覆工板の製造方法
KR101222522B1 (ko) 파형강판을 이용한 프리캐스트 터널구조물
JP5169924B2 (ja) 床版橋および床版ユニット並びに床版橋の構築方法
JP4392379B2 (ja) 角形鋼管を用いた床版橋および床版ユニットの製造方法
KR101426155B1 (ko) 수평재의 강재거더와 수직재의 연결부 접합면 간극차이를 이용하여 수평재의 강재거더에 프리스트레스를 도입할 수 있는 하이브리드 라멘구조물
KR101187174B1 (ko) 접합부에서의 전단결합 증진 구조를 가지는 그라우트-재킷을 이용한 기둥의 접합구조 및 이를 위한 받침장치
KR101222523B1 (ko) 파형강판을 이용한 프리캐스트 터널구조물
JP4954226B2 (ja) プレストレストコンクリート構造体
KR101213680B1 (ko) 파형강판을 이용한 조립식 터널구조체
JP7409849B2 (ja) 既設トンネルの補強構造
JP5316116B2 (ja) 床版橋およびその構築方法
JP5860723B2 (ja) 角形鋼管を用いた床版橋とその施工方法
KR101238640B1 (ko) 지압전단띠에 의한 증진된 전단결합의 접합부를 가지는 기둥
JP2009127316A (ja) 鋼管による橋梁用床版と橋梁用床版構造および鋼管

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110215

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120530

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120605

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120712

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20120828

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121204

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121217

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5169924

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160111

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350