JP6085240B2 - 芯材、及び、上側芯材撤去方法 - Google Patents

芯材、及び、上側芯材撤去方法 Download PDF

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本発明は、上側芯材及び下側芯材により構成される芯材、及び、この芯材の上側芯材と下側芯材とを分離して上側芯材を撤去する方法に関する。
トンネル構造物等の地下構造物を施工する際には、施工場所に土留め壁を構築して、この土留め壁を用いて、施工場所に対する土留め及び止水を行いながら内部の掘削を行うことが多い。
土留め壁を用いる地下構造物の施工では、例えば、まず、SMW工法やTRD工法を用いて、地表面から不透水層に達するソイルモルタル製の土留め壁を構築する。この土留め壁の構築では、硬化前のソイルモルタル内に、H形鋼材からなる複数本の芯材(応力部材)を、互いに間隔を空けて並列に建て込む。ソイルモルタルの硬化後には、腹起し・切梁を掛けながら、施工場所の掘削を進める。次に、掘削された施工場所にて地下構造物の構築を行う。そして、地下構造物の構築後に、埋戻しを行いながら、腹起し・切梁の撤去を行う。
ここで、都市部等においては、地下構造物の施工場所付近で、将来、通信ケーブルや水道管、ガス管等の埋設工事が行われる可能性があるため、前記芯材のうち、地表面から1〜4m程度の深さまでの範囲の部分(上側部分)を撤去することが求められる場合が多い。
この点、特許文献1には、芯材の上側部分を撤去するための技術の一例が開示されている。
特許文献1では、ソイルモルタル製の地中連続壁内に設置される芯材を、複数のH形鋼材を上下段に連結して形成している。芯材の上段をなすH形鋼材(上側芯材)と、芯材の下段をなすH形鋼材(下側芯材)とは、各々のフランジ外面に跨るように設けられた接合板を介して連結されている。ここで、上側芯材のフランジには接合板の上部がボルトで固定されている。一方、下側芯材への接合板の固定では、下側芯材の両フランジと、その外側に位置する接合板の下部とを貫通する長ボルトが用いられている。
特許文献1では、埋設駆体の構築が完了し、埋戻しの最終段階(上側芯材と下側芯材との連結位置付近まで埋戻しが完了した段階)に達した時点で、前記長ボルトを緩めて、この長ボルトを下側芯材のフランジ及び接合板から掘削側(埋戻し側)に引き抜くことで、上側芯材及び接合板と下側芯材との連結を解除している。そして、下側芯材との連結が解除された上側芯材及び接合板を地表面上に引き上げることで、上側芯材及び接合板がソイルモルタル製の地中連続壁内から撤去される。
特開2000−248548号公報
しかしながら、特許文献1では、埋戻しを前述の最終段階で中断して、下側芯材のフランジ及び接合板から長ボルトを掘削側に引き抜く。この長ボルトの引き抜き作業の直後には、上側芯材に固定された一対の接合板が下側芯材を挟み込んでいるだけの状態になる。このときに、上側芯材の地山側(掘削側とは反対の側)に土圧や水圧等の外力が作用すると、上側芯材の掘削側には土砂がない(換言すれば反力受けがない)ので、上側芯材が不安定な状態になりかねない。
本発明は、このような実状に鑑み、埋戻しを中断することなく、埋戻しの完了後に、上側芯材と下側芯材との連結を解除して、上側芯材を下側芯材から撤去することを目的とする。
そのため本発明では、芯材は、地表面側から下方に向かって延在する。芯材は、上下方向に延在して芯材の上部をなす上側芯材と、上下方向に延在し、芯材の下部をなして、上端面が上側芯材の下端面に対接する下側芯材と、上側芯材と下側芯材とを連結する連結手段と、を含んで構成される。連結手段は、上側芯材の側面の下端部に内面が接触して固定される一方、上側芯材の側面に垂直な方向で見て、水平面に対して傾斜するように延びる第1溝部が外面に形成された第1固定板と、下側芯材の側面の上端部に固定されて、第1固定板の外面に内面が接触し、かつ、この内面のうち第1溝部に対向する部分に第2溝部が形成された第2固定板と、第1溝部及び第2溝部からなる溝部に挿入されるワイヤーと、を備える。ワイヤーは、地表面側から下方に向かい、溝部にその上端部から挿入されて、溝部の下端部に至るように延在する。
また、本発明では、芯材の上側芯材を下側芯材から撤去する方法として、地表面側からワイヤーを引き上げて溝部内のワイヤーを除去することにより、第1固定板と第2固定板との連結を解除する工程と、地表面側から上側芯材を引き上げる工程と、を含む。
本発明によれば、第1溝部を有する第1固定板が上側芯材に固定されており、また、第2溝部を有する第2固定板が下側芯材に固定されている。第1溝部及び第2溝部からなる溝部には、ワイヤーが挿入されている。このワイヤーは、地表面側から下方に向かい、溝部にその上端部から挿入されて、溝部の下端部に至るように延在する。これにより、地表面側からワイヤーを引き上げて溝部内のワイヤーを除去することで、第1固定板と第2固定板との連結を解除することができるので、地下構造物の構築後の埋戻しを中断することなく、埋戻しの完了後に、上側芯材と下側芯材との連結を解除して、上側芯材を下側芯材から撤去することができる。
本発明の第1実施形態における土留め壁の概略構成を示す図 同上実施形態における芯材の連結手段の概略構成を示す図 同上実施形態における上側芯材の撤去方法を示す図 第1参考例における芯材の連結手段の概略構成を示す図 同上参考例における第1及び第2定着具の概略構成を示す図 第2参考例における芯材の連結手段の概略構成を示す図 同上参考例における芯材の連結手段の連結解除状態を示す図 同上参考例の変形例における芯材の連結手段の概略構成を示す図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1(A)は本発明の第1実施形態における土留め壁の概略構成を示しており、図1(B)のI−I断面に対応している。図1(B)は、土留め壁の平面図である。
尚、本実施形態では、後述するソイルモルタル製の土留め壁を例にとって本発明に係る土留め壁の説明を行うが、土留め壁はこれに限らない。
また、図1(A)及び(B)に示す土留め壁の高さ方向hと水平延在方向wと厚さ方向tとは、互いに直交しているとして、以下説明する。
土留め壁1は、地下構造物2の構築施工時に、施工場所G1に対する土留め及び止水を行うことを目的として、地下構造物2の構築に先立って構築されるものであり、本実施形態ではソイルモルタル製である。本実施形態では、一対の土留め壁1が、施工場所をその両側から挟むように対向して設けられている。すなわち、施工場所は、土留め壁1によって区画されている。
尚、図1(B)は、TRD工法により構築された土留め壁1を示しているが、土留め壁1の構築方法はこれに限らない。例えば、土留め壁1の構築方法として、SMW工法を用いる場合には、土留め壁1は、例えば、オーガ(土中掘削機)で地盤を掘削しながら掘削土と固化材(セメントミルク等)とを混合・撹拌して形成される。
土留め壁1は、地表面G2から不透水層G3まで到達するように構築されている。
土留め壁1の構築時において、ソイルモルタルの硬化前には、芯材4の建て込みが行われる。すなわち、芯材4は土留め壁1内に設置される。
芯材4は、地表面G2側から下方に向かって延在している。この延在方向は、土留め壁1の高さ方向hと平行である。
芯材4は、その上部をなす上側芯材11、下部をなす下側芯材12、及び、上側芯材11と下側芯材12とを連結する連結手段13を含んで構成される。
上側芯材11はH形鋼材からなり、ウェブ11aの両端部にフランジ11bを有する。換言すれば、上側芯材11は、互いに間隔を空けて対向する一対のフランジ11bと、これらフランジ間に位置してこれらフランジ同士をつなぐウェブ11aとを備える。
上側芯材11の上端面は地表面G2上に位置する。上側芯材11の下端面は、下側芯材12の上端面に対接する(換言すれば接触する)。
下側芯材12はH形鋼材からなり、ウェブ12aの両端部にフランジ12bを有する。換言すれば、下側芯材12は、互いに間隔を空けて対向する一対のフランジ12bと、これらフランジ間に位置してこれらフランジ同士をつなぐウェブ12aとを備える。
ここで、上側芯材11及び下側芯材12に用いられるH形鋼材の寸法としては、例えば、H−400×200、H−500×200、H−600×200を挙げることができるが、H形鋼材の寸法はこれらに限らない。
連結手段13の構成の詳細については後述する。
土留め壁1内には、複数の芯材4が土留め壁1の水平延在方向wに沿って互いに間隔を空けて並んで配置されている。換言すれば、複数の芯材4は、土留め壁1内でその水平延在方向wに互いに離間して配置されている。ここで、土留め壁1の水平延在方向wとは、土留め壁1の延在方向のうち、水平方向に対応する方向を意味する。
芯材4の長手方向の長さ(すなわち土留め壁1の高さ方向hでの長さ)は、芯材4の下端が施工場所G1の床付け面(掘削最下面)より若干下側まで達するように、応力計算に基づいて設定される。
上側芯材11の長手方向の長さ(すなわち土留め壁1の高さ方向hでの長さ)については、芯材4のうち、地下構造物2の構築後、埋戻しが完了した後に撤去が要求される深さに基づいて設定される。本実施形態では、上側芯材11の長手方向の長さが、例えば1〜5m程度の範囲内である。
上側芯材11については、その一対のフランジ11b同士が、土留め壁1の厚さ方向tにて互いに対向するように、土留め壁1内に設置されている。また、隣り合う2つの上側芯材11については、一方の芯材11のウェブ11aの表面と、他方の芯材11のウェブ11aの表面とが、土留め壁1の水平延在方向wにて互いに対向するように、土留め壁1内に設置されている。
同様に、下側芯材12については、その一対のフランジ12b同士が、土留め壁1の厚さ方向tにて互いに対向するように、土留め壁1内に設置されている。また、隣り合う2つの下側芯材12については、一方の芯材12のウェブ12aの表面と、他方の芯材12のウェブ12aの表面とが、土留め壁1の水平延在方向wにて互いに対向するように、土留め壁1内に設置されている。
次に、芯材4の連結手段13について図2を用いて説明する。
図2(A)は、連結手段13の側面図である。図2(B)は、連結手段13の正面図であり、図1(A)の部分P1に対応している。尚、図2(A)及び(B)では、図示簡略化のため、土留め壁1の図示を省略している。
連結手段13は、一対の金属製の第1固定板15、15と、一対の金属製の第2固定板16、16と、2本の金属製のワイヤー17、17とを含んで構成される。
第1固定板15、15は、上側芯材11の各フランジ11bの外面の下端部にそれぞれ配置されて固定されている。ここで、上側芯材11のフランジ11bの外面が、本発明の「上側芯材の側面」に対応する。第1固定板15は矩形板状であり、上側芯材11のフランジ11bと略同等の幅を有している。第1固定板15は、その内面15aが、上側芯材11のフランジ11bの外面の下端部に面接触している。第1固定板15は、その上端縁及び下端縁にて、上側芯材11のフランジ11bの外面の下端部に溶接固定されている。
第1固定板15の外面15bには、上側芯材11のフランジ11bの外面に垂直な方向で見て、換言すれば、土留め壁1の厚さ方向tで見て、水平面αに対して傾斜するように延びる第1溝部21が形成されている。第1溝部21は、その断面形状が半円状である(図3(B)参照)。尚、本実施形態では、第1溝部21と水平面αとがなす角の角度θが20°以上45°以下の範囲内である。これは、角度θが20°未満であると、後述する連結解除時(図3(A)参照)にワイヤー17の引き抜きをスムーズに行うことが難しいからであり、また、角度θが45°を上回ると、芯材4の建て込み時等に、ワイヤー17の効きが悪くなり、上側芯材11が下側芯材12から抜けやすくなるおそれがあるからである。
第2固定板16、16は、下側芯材12の各フランジ12bの外面の上端部にそれぞれ配置されて固定されている。ここで、下側芯材12のフランジ12bの外面が、本発明の「下側芯材の側面」に対応する。第2固定板16は、下側芯材12のフランジ12bの外面の上端部と第1固定板15の外面15bとに跨るような矩形板状である。第2固定板16の下部は、その内面16aが、下側芯材12のフランジ12bの外面の上端部に面接触している。第2固定板16の下部は、その上部に比べて、第1固定板15の厚さ分、肉厚である。第2固定板16の上部は第1固定板15をその外側から覆う。
第2固定板16は、上側芯材11のフランジ11b及び下側芯材12のフランジ12bの略同等の幅を有している。第2固定板16は、その下端縁にて、下側芯材12のフランジ12bの外面の上端部に溶接固定されている。
第2固定板16の上部の内面16bは、第1固定板15の外面15bに面接触している。第2固定板16の上部の内面16bのうち第1溝部21に対向する部分には、第2溝部22が形成されている。第2溝部22は、その断面形状が半円状である(図3(B)参照)。第2溝部22は、第1溝部21と同様に、上側芯材11のフランジ11bの外面に垂直な方向で見て、換言すれば、土留め壁1の厚さ方向tで見て、水平面αに対して傾斜するように延びている。
第1固定板15の第1溝部21と第2固定板16の第2溝部22とからなる溝部20には、ワイヤー17が挿入されている。溝部20の断面形状は円形状であり、その内径がワイヤー17の外径よりも若干大きい。例えば、溝部20の内径は10mm程度であり、ワイヤーの外径は9mm程度である。
ワイヤー17は、地表面G2側から下方に向かい、溝部20にその上端部23から挿入されて、溝部20の下端部24に至るように延在している。ここで、ワイヤー17にはグリス等が予め塗布され得る。
尚、本実施形態では、図2(A)に示すように、溝部20が、上側芯材11のフランジ11bの外面に垂直な方向で見て、水平面αに対して傾斜するように直線状に延びているが、これに加えて、溝部20の上端部23に、若干の曲線部(図示せず)を設けることにより、溝部20の上端部23におけるワイヤー17の屈曲度合いを緩和することができる。
連結手段13は、一対の金属製の板状部材26を更に含んで構成される。
板状部材26は、土留め壁1の厚さ方向tに延在し、その両端が、第2固定板16、16の上部の側部に溶接固定されている。従って、板状部材26は、下側芯材12の一対のフランジ12b、12bにそれぞれ固定された第2固定板16、16の上部同士を接続するように延在している。一対の板状部材26により、第2固定板16、16間の開きが抑制される。
本実施形態では、第1溝部21を有する第1固定板15と、第2溝部22を有する第2固定板16とに跨るようにワイヤー17を通すことにより、仮に、第1固定板15と第2固定板16とが互いにずれようとしても、ワイヤー17によって拘束されるので、当該ずれの発生を抑制することができる。それゆえ、上側芯材11と下側芯材12とを連結手段13を介して良好に一体化することができる。従って、芯材4は、土圧や水圧の水平力による曲げモーメントや、芯材4の長手方向での引張力に対して、連結手段13で良好に抵抗することができる。また、上側芯材11と下側芯材12とが連結手段13を介して良好に一体化されているので、芯材4は、作業荷重等の圧縮荷重による軸力に対しても良好に抵抗することができる。
次に、本実施形態における土留め壁1内からの上側芯材11の撤去方法を図1及び図3を用いて説明する。
図3は、上側芯材11の撤去方法を示す図である。尚、図3(A)及び(B)では、図示簡略化のため、土留め壁1の図示を省略している。
図1(A)及び(B)に示すように、地下構造物2の構築後、埋戻しが完了すると、まず、各芯材4の連結手段13を構成する各ワイヤー17を地表面G2側から引き上げて、連結手段13の溝部20内のワイヤー17を除去することにより(図3(A)参照)、連結手段13の第1固定板15と第2固定板16との連結を解除する。これにより、上側芯材11と下側芯材12との連結も解除される。
次に、上側芯材11を鉛直方向に引き抜いて、下側芯材12から上側芯材11を除去する(図3(B)参照)。この上側芯材11の引き抜き時には、上側芯材11のフランジ11bの外面に沿って第1固定板15が配置されているのみであるので、比較的簡易に、上側芯材11の引き抜きを行うことができる。また、上側芯材11の引き抜き時には、上側芯材11及び第1固定板15によって、ソイルモルタルにひびを入れながら、上側芯材11を土留め壁1内から引き上げることができる。
本実施形態によれば、地表面G2側から下方に向かって延在する芯材4は、上下方向に延在して芯材4の上部をなす上側芯材11と、上下方向に延在し、芯材4の下部をなして、上端面が上側芯材11の下端面に対接する下側芯材12と、上側芯材11と下側芯材12とを連結する連結手段13と、を含んで構成される。連結手段13は、上側芯材11の側面(フランジ11bの外面)の下端部に内面15aが接触して固定される一方、上側芯材11の側面(フランジ11bの外面)に垂直な方向で見て、水平面αに対して傾斜するように延びる第1溝部21が外面15bに形成された第1固定板15と、下側芯材12の側面(フランジ12bの外面)の上端部に固定されて、第1固定板15の外面15bに内面16bが接触し、かつ、この内面16bのうち第1溝部21に対向する部分に第2溝部22が形成された第2固定板16と、第1溝部21及び第2溝部22からなる溝部20に挿入されるワイヤー17と、を備える。ワイヤー17は、地表面G2側から下方に向かい、溝部20にその上端部23から挿入されて、溝部20の下端部24に至るように延在する。これにより、地表面G2側からワイヤー17を引き上げて溝部20内のワイヤー17を除去することで、第1固定板15と第2固定板16との連結を解除することができるので、地下構造物2の構築後の埋戻しを中断することなく、埋戻しの完了後に、上側芯材11と下側芯材12との連結を解除して、上側芯材11を下側芯材12から撤去することができる。
また本実施形態によれば、上側芯材11と下側芯材12とは、各々が、互いに間隔を空けて対向する一対のフランジとこれらフランジ同士をつなぐウェブとからなる形鋼材(H形鋼材)によって構成される。第1固定板15が固定される上側芯材11の側面は、上側芯材11のフランジ11bの外面であり、第2固定板16が固定される下側芯材12の側面は、下側芯材12のフランジ12bの外面である。第1溝部21は、上側芯材11のフランジ11bの外面に垂直な方向で見て、水平面αに対して傾斜するように延びる。これにより、H形鋼材などの形鋼材からなる上側芯材11と下側芯材12とを連結手段13によって容易に連結することができる。
また本実施形態によれば、連結手段13は、下側芯材12の一対のフランジ12bにそれぞれ固定された第2固定板16の上部同士を接続するように延在する板状部材26を更に備える。これにより、第2固定板16、16間の開きを抑制することができるので、第1固定板15と第2固定板16との間のずれ止めとして機能するワイヤー17の能力を十分に発揮させることができる。
また本実施形態によれば、第1溝部21及び第2溝部22は、各々の断面形状が半円状である。これにより、円形断面のワイヤー17を良好に受け入れることができる。
また本実施形態によれば、溝部20(第1溝部21及び第2溝部22)と水平面αとがなす角の角度は20°以上45°以下の範囲内である。これにより、芯材4の建て込み時にはワイヤー17の脱離を抑制することができ、また、上側芯材11の撤去時にはワイヤー17を地表面G2側から比較的容易に引き上げることができる。
また本実施形態によれば、芯材4は土留め壁1内に設置される。これにより、土留め壁1の剛性等を向上させることができる。
また本実施形態によれば、芯材4の上側芯材11を下側芯材12から撤去する方法として、地表面G2側からワイヤー17を引き上げて溝部20内のワイヤー17を除去することにより、第1固定板15と第2固定板16との連結を解除する工程(図3(A)参照)と、地表面G2側から上側芯材11を引き上げる工程(図3(B)参照)とを含む。これにより、地下構造物2の構築後の埋戻しを中断することなく、埋戻しの完了後に、上側芯材11と下側芯材12との連結を解除することができるので、当該連結の解除直後であっても、上側芯材11は、その周囲の土砂によって支持され得る。
尚、本実施形態の図2(A)及び(B)は、上側芯材11の各フランジ11bに対応する溝部20同士が、上側芯材11のフランジ11bの外面に垂直な方向で見て、水平面αに対して同一方向に傾斜する例を示しているが、この他、溝部20同士が、上側芯材11のフランジ11bの外面に垂直な方向で見て、水平面αに対して対称に、互いに交差するように傾斜してもよい。
また、本実施形態では、芯材4を構成する形鋼材としてH形鋼材を例に挙げて説明したが、芯材4を構成する形鋼材はこれに限らず、例えば、フランジ及びウェブを有するI形鋼材やC形鋼材であってもよい。また、芯材4を構成する部材は形鋼材に限らず、例えば、箱型配管、鋼管矢板、配管用鋼管であってもよい。
次に、第1参考例について図4及び図5を用いて説明する。
図4(A)は、本参考例における芯材4の連結手段30の概略構成を示す正面図である。図4(B)は、連結手段30の上面図である。図5(A)は、第1定着具35の断面図であり、図4(A)の部分P2に対応している。図5(B)は、第2定着具36の断面図であり、図4(A)の部分P3に対応している。
図1〜図3に示した第1実施形態と異なる点について説明する。
芯材4は、連結手段13に代えて、連結手段30を含んで構成されている。
連結手段30は、上側芯材11の上端に設けられた水平矩形板状の金属製の第1エンドプレート31と、上側芯材11の下端に設けられた水平矩形板状の金属製の第2エンドプレート32と、下側芯材12の上端に設けられた水平矩形板状の金属製の第3エンドプレート33と、複数本(本参考例では10本)のPC鋼線(シングルストランド)34と、PC鋼線34用の複数個(本参考例では10個)の第1定着具35と、PC鋼線34用の複数個(本参考例では10個)の第2定着具36と、を含んで構成される。尚、連結手段30を構成する第1エンドプレート31、第2エンドプレート32、第3エンドプレート33、PC鋼線34、第1定着具35、及び第2定着具36の個数は、芯材4を構成するH形鋼材の寸法や、必要とされる強度に応じて、適宜設定される。
第1エンドプレート31は、その下面が上側芯材11の上端面に接触した状態で上側芯材11に溶接固定されている。
第1エンドプレート31には、上下方向に貫通する複数個(本参考例では10個)の第1貫通孔37が形成されている(図5(A)参照)。第1貫通孔37は、その内径が、PC鋼線34の外径よりも若干大きい。本実施形態では、第1エンドプレート31のうち、その周縁部と上側芯材11のウェブ11aの各表面との間の部分に、それぞれ、2個の第1貫通孔37が、上側芯材11のウェブ11aの表面に沿うように、互いに間隔を空けて形成されている。また、第1エンドプレート31のうち、その周縁部と上側芯材11の各フランジ11bの外面との間の部分に、それぞれ、3個の第1貫通孔37が、上側芯材11のフランジ11bの外面に沿うように、互いに間隔を空けて形成されている。
第1エンドプレート31の上面のうち第1貫通孔37に対応する部分には、第1定着具35が載置される。
第2エンドプレート32は、2枚の水平矩形状の金属板にからなり、各々の下面が上側芯材11の下端面と面一になるように、上側芯材11のウェブ11a及びフランジ11bにより区画形成される空間内にそれぞれ配置されて、上側芯材11に溶接固定されている。
第2エンドプレート32には、上下方向に貫通する複数個(本参考例では4個)の第2貫通孔38が形成されている(図5(B)参照)。第2貫通孔38は、その内径が、PC鋼線34の外径よりも若干大きい。本実施形態では、第2エンドプレート32のうち、その周縁部と上側芯材11のウェブ11aの各表面との間の部分に、それぞれ、2個の第2貫通孔38が、上側芯材11のウェブ11aの表面に沿うように、互いに間隔を空けて形成されている。これら第2貫通孔38の上方には、第1貫通孔37が位置している。すなわち、第2貫通孔38は、第2エンドプレート32のうち第1貫通孔37に対応する部分に形成されている。
第3エンドプレート33の上面には、上側芯材11の下端面及び第2エンドプレート32の下面が面接触する。
第3エンドプレート33は、その下面が下側芯材12の上端面に接触した状態で下側芯材12に溶接固定されている。
第3エンドプレート33には、上下方向に貫通する複数個(本参考例では10個)の第3貫通孔39が形成されている(図5(B)参照)。第3貫通孔39は、その内径が、PC鋼線34の外径よりも若干大きい。本実施形態では、第3エンドプレート33のうち、その周縁部と下側芯材12のウェブ12aの各表面との間の部分に、それぞれ、2個の第3貫通孔39が、下側芯材12のウェブ12aの表面に沿うように、互いに間隔を空けて形成されている。また、第3エンドプレート33のうち、その周縁部と下側芯材12の各フランジ12bの外面との間の部分に、それぞれ、3個の第3貫通孔39が、下側芯材12のフランジ12bの外面に沿うように、互いに間隔を空けて形成されている。これら第3貫通孔39の上方には、第1貫通孔37が位置している。すなわち、第3貫通孔39は、第3エンドプレート33のうち第1貫通孔37に対応する部分に形成されている。
第3エンドプレート33の下面のうち第3貫通孔39に対応する部分には、第2定着具36の、後述する第2アンカーヘッド43が、その上端部の単数又は複数箇所(例えば2ヶ所)にて点付溶接で固定されている。
PC鋼線34は、地表面G2側から第1貫通孔37、第2貫通孔38、及び第3貫通孔39を通るように下方に向かって延在して、第1定着具35、第2定着具36及び後述する緊張力の導入により第1エンドプレート31及び第3エンドプレート33に固定される。PC鋼線34の周りには、ソイルモルタルの付着抑制用のテープを予め巻いておくことが好ましい。尚、本実施形態ではPC鋼線34を用いているが、これに代えて、PC鋼より線又はPC鋼棒を用いてもよい。
第1定着具35は、PC鋼線34を貫通させる孔を有する第1アンカーヘッド41と、この第1アンカーヘッド41の孔内に挿入されてPC鋼線34を周囲から把持する第1くさび42と、を備える。
同様に、第2定着具36は、PC鋼線34を貫通させる孔を有する第2アンカーヘッド43と、この第2アンカーヘッド43の孔内に挿入されてPC鋼線34を周囲から把持する第2くさび44と、を備える。
PC鋼線34は、ジャッキ等により緊張力が予め導入された状態で、第1定着具35及び第2定着具36を介して、第1エンドプレート31及び第3エンドプレート33に固定されている。ここで、PC鋼線34に予め導入される緊張力については、設計上必要とされる鉛直力(芯材4の軸力)が、上側芯材11と下側芯材12との連結部分(第2エンドプレート32と第3エンドプレート33との接触部分)に導入されるように、予め設定され得る。このようにして、設計上必要な鉛直力をPC鋼線34の緊張によって導入することにより、芯材4は、土圧・水圧による曲げモーメントや、鉛直荷重による軸力に対して抵抗することができる。
次に、本参考例における土留め壁1内からの上側芯材11の撤去方法を説明する。
地下構造物2の構築後、埋戻しが完了すると、まず、各芯材4の連結手段30を構成する各PC鋼線34をジャッキ等で地表面G2側から引き上げて、第1くさび42を第1アンカーヘッド41の孔内から除去して、PC鋼線34の緊張力を解除する。これにより、第1定着具35によるPC鋼線34の第1エンドプレート31への固定が解除される。このときには第1アンカーヘッド41も撤去され得る。
次に、地表面G2側から各PC鋼線34に下向きの荷重を加えることにより、第2くさび44を第2アンカーヘッド43の孔内から脱落させる。これにより、第2定着具36によるPC鋼線34の第3エンドプレート33への固定が解除される。ここで、地表面G2側からPC鋼線34に下向きの荷重を加える手法としては、PC鋼線34の上端部をハンマーで叩く手法や、PC鋼線34の上端部からジャッキで押し込む手法等を挙げることができる。
次に、地表面G2側から各PC鋼線34を引き上げて、各PC鋼線34を第1エンドプレート31及び第3エンドプレート33から分離する。
次に、地表面G2側から上側芯材11を引き上げる。この上側芯材11の引き上げ時には、上側芯材11の上端部に油圧ショベル等により水平力を加えることで、ソイルモルタルにひびが入り付着が切れるので、土留め壁1内から上側芯材11を簡単に引き抜くことができる。
本参考例によれば、地表面G2側から下方に向かって延在する芯材4は、上下方向に延在して芯材4の上部をなす上側芯材11と、上下方向に延在し、芯材4の下部をなして、上端面が上側芯材11の下端面に対接する下側芯材12と、上側芯材11と下側芯材12とを連結する連結手段30と、を含んで構成される。連結手段30は、上側芯材11の上端面に下面が接触して固定され、上下方向に貫通する複数の第1貫通孔37が形成されて、上面のうち第1貫通孔37に対応する部分に第1定着具35が設置される第1エンドプレート31と、下側芯材12の上端面に下面が接触して固定され、上下方向に貫通する複数の第3貫通孔39が第1貫通孔37に対応する位置に形成され、上面に上側芯材11の下端面が接触し、下面のうち第3貫通孔39に対応する部分に第2定着具36が設置される第3エンドプレート33と、地表面G2側から第1貫通孔37及び第3貫通孔39を通るように下方に向かって延在して、第1定着具35及び第2定着具36により第1エンドプレート31及び第3エンドプレート33に固定されるPC鋼線34と、を含んで構成される。第1定着具35は、PC鋼線34を貫通させる孔を有する第1アンカーヘッド41と、この第1アンカーヘッド41の孔内に挿入されてPC鋼線34を周囲から把持する第1くさび42と、を備える。第2定着具36は、PC鋼線34を貫通させる孔を有する第2アンカーヘッド43と、この第2アンカーヘッド43の孔内に挿入されてPC鋼線34を周囲から把持する第2くさび44と、を備える。これにより、第1定着具35によるPC鋼線34の第1エンドプレート31への定着と、第2定着具36によるPC鋼線34の第3エンドプレート33への定着とを解除した後に、地表面G2側からPC鋼線34を引き上げて、PC鋼線34を第1エンドプレート31及び第3エンドプレート33から分離することができるので、地下構造物2の構築後の埋戻しを中断することなく、埋戻しの完了後に、上側芯材11と下側芯材12との連結を解除して、上側芯材11を下側芯材12から撤去することができる。
また本参考例によれば、PC鋼線34に緊張力が予め導入された状態で、PC鋼線34が第1エンドプレート31及び第3エンドプレート33に固定されている。これにより、芯材4は、土圧・水圧による曲げモーメントや、鉛直荷重による軸力に対して十分に抵抗することができる。
また本参考例によれば、連結手段30は、上側芯材11の下端に固定され、上下方向に貫通する複数の第2貫通孔38が、第1貫通孔37に対応する位置に形成されて、下面に第3エンドプレート39の上面が接触する第2エンドプレート32を更に備える。これにより、上側芯材11と下側芯材12との接触面積が実質的に拡張されるので、上側芯材11と下側芯材12とを良好に面接触させて連結することができる。
また本参考例によれば、第2アンカーヘッド43は、その上端部が、第3エンドプレート33の下面に溶接固定されている。これにより、前述の土留め壁1内からの上側芯材11の撤去方法において、地表面G2側からPC鋼線34に下向きの荷重が加えられたときに、第3エンドプレート33への第2アンカーヘッド43の固定が維持された状態で、第2くさび44を第2アンカーヘッド43の孔内から確実に脱落させることができる。
また本参考例によれば、上側芯材11及び下側芯材12は、各々が、上下方向に延在する形鋼材(H形鋼材)からなる。これにより、汎用性のある形鋼材で上側芯材11及び下側芯材12を構成することができる。
また本参考例によれば、芯材4は土留め壁1内に設置される。これにより、土留め壁1の剛性等を向上させることができる。
また本参考例によれば、芯材4の上側芯材11を下側芯材12から撤去する方法として、地表面G2側からPC鋼線34を引き上げて第1くさび42を第1アンカーヘッド41の孔内から除去して、PC鋼線34の緊張力を解除する工程と、地表面G2側からPC鋼線34に下向きの荷重を加えることにより、第2くさび44を第2アンカーヘッド43の孔内から脱落させる工程と、地表面G2側からPC鋼線34を引き上げて、PC鋼線34を第1エンドプレート31及び第3エンドプレート33から分離する工程と、地表面G2側から上側芯材11を引き上げる工程と、を含む。これにより、地下構造物2の構築後の埋戻しを中断することなく、埋戻しの完了後に、上側芯材11と下側芯材12との連結を解除することができるので、当該連結の解除直後であっても、上側芯材11は、その周囲の土砂によって支持され得る。
尚、本参考例では、芯材4を構成する形鋼材としてH形鋼材を例に挙げて説明したが、芯材4を構成する形鋼材はこれに限らず、例えば、フランジ及びウェブを有するI形鋼材、C形鋼材、CT形鋼材であってもよい。また、芯材4を構成する部材は形鋼材に限らず、例えば、箱型配管、鋼管矢板、配管用鋼管であってもよい。
次に、第2参考例について図6を用いて説明する。
図6(A)は、本参考例における芯材4の連結手段50の概略構成を示す側面図である。図6(B)は、連結手段50を構成する連結板51の概略構成を示す図である。図6(C)は、図6(A)のII−II断面の一部を示す図である。尚、図6(A)及び(C)では、図示簡略化のため、土留め壁1の図示を省略している。
図1〜図3に示した第1実施形態と異なる点について説明する。
下側芯材12は、その上端面が上側芯材11の下端面に空隙S1を隔てて対向している。ここで、下側芯材12の上端面と上側芯材11の下端面との間の距離(空隙S1の高さ)は例えば5cm程度である。
本参考例において、芯材4は、連結手段13に代えて、連結手段50を含んで構成されている。
連結手段50は、複数枚(本参考例では6枚)の金属製の連結板51と、複数個(本参考例では6個)のボルト52と、複数個(本参考例では6個)のナット53とを含んで構成される。尚、連結手段50を構成する連結板51、ボルト52、及びナット53の個数は、芯材4を構成するH形鋼材の寸法や、必要される強度に応じて、適宜設定される。
連結板51は、長辺51a及び短辺51bからなる矩形状であり、長辺51aが、鉛直方向(土留め壁1の高さ方向h)に沿うように配置されている。
連結板51には、その下側の短辺51bの中央部から上方に延びて連結板51の上部に至るようにスリット部55が形成されている。
スリット部55は、貫通孔56と、第1スリット部57と、第2スリット部58とからなる。
貫通孔56は、連結板51の下部に形成されており、その内径が、ボルト52の雄ねじ部52aの外径よりも若干大きい。
第1スリット部57はスリット部55の上部をなす。第1スリット部57は、その下端が貫通孔56の上端部に連続して上方に延びている。第1スリット部57は、その幅が、ボルト52の雄ねじ部52aの外径よりも小さい。第1スリット部57は、上方に向かうほど狭幅となるような逆Y字状をなしている。従って、第1スリット部57と貫通孔56とにより形成される貫通部は、ティアドロップ状をなしている。
第2スリット部58はスリット部55の下部をなす。第2スリット部58は、その上端が貫通孔56の下端部に連続して下端が連結板51の下端(下側の短辺51bの中央部)に達するように延びている。第2スリット部58は、その幅が、ボルト52の雄ねじ部52aの外径よりも小さい。
本参考例では、上側芯材11のウェブ11aの下端部に、2枚の連結板51が、その上部にて溶接固定されている。これら連結板51は、上側芯材11のウェブ11aの下端部と下側芯材12のウェブ12aの上端部とに跨るように配置されている。
また、上側芯材11の各フランジ11bの外面の下端部に、それぞれ、2枚の連結板51が、その上部にて溶接固定されている。これら連結板51は、上側芯材11のフランジ11bの外面の下端部と下側芯材12のフランジ12bの外面の上端部とに跨るように配置されている。
尚、図6(A)は、2枚の連結板51を上側芯材11のウェブ11aの一方の表面の下端部に溶接固定している例を示しているが、この他、2枚の連結板51の一方を上側芯材11のウェブ11aの一方の表面の下端部に溶接固定し、他方の連結板51を上側芯材11のウェブ11aの他方の表面の下端部に溶接固定してもよい。
下側芯材12のウェブ12a及びフランジ12bのうち、前記6枚の連結板51の各貫通孔56に対応する部分には、それぞれ、貫通孔60が形成されている。
連結板51の貫通孔56及び前記貫通孔60にボルト52を挿入してナット53で止めることで、連結板51が下側芯材12の上端部にボルト固定される。
尚、本実施形態ではナット53を用いているが、これに代えて、前記貫通孔60の内面に雌ネジ部を形成して、この雌ネジ部にボルト52の雄ねじ部52aが螺合するようにしてもよい。
ここで、ボルト52が、本参考例における「下側芯材12の上端部に設けられて外方に突出する突出部」に対応する。
次に、本参考例における土留め壁1内からの上側芯材11の撤去方法を説明する。
地下構造物2の構築後、埋戻しが完了すると、まず、地表面G2側から上側芯材11の上端部に下向きの荷重を加えて上側芯材11を3〜4cm程度押し下げることにより、ボルト52を介して、スリット部55(貫通孔56、第1スリット部57、及び第2スリット部58)を押し広げる。ここで、図7は、スリット部55が押し広げられた状態(連結板51が塑性変形した状態)を示している。このように連結板51が塑性変形してスリット部55が押し広げられることにより、幅狭な第2スリット部58の上端部にて係止されていたボルト52の雄ねじ部52aの係止状態が解除されるので、連結手段50による上側芯材11と下側芯材12との連結が解除される。
尚、地表面G2側から上側芯材11の上端部に下向きの荷重を加える手法としては、上側芯材11の上端部をハンマーで叩く手法や、上側芯材11の上端部からジャッキで押し込む手法等を挙げることができる。
次に、地表面G2側から上側芯材11を引き上げる。本参考例では、地表面G2側から上側芯材11の上端部に下向きの荷重を加えて上側芯材11を押し下げるときに、ソイルモルタルにひびが入り付着が切れるので、土留め壁1内から上側芯材11を簡単に引き抜くことができる。
本参考例によれば、地表面G2側から下方に向かって延在する芯材4は、芯材4の上部をなす上側芯材11と、芯材4の下部をなして、上端面が上側芯材11の下端面に空隙S1を隔てて対向する下側芯材12と、上側芯材11と下側芯材12とを連結する連結手段50と、を含んで構成される。連結手段50は、下側芯材12の上端部に設けられて外方に突出する突出部(ボルト52)と、上側芯材11の下端部に上部が固定される一方、下部に突出部(ボルト52)を貫通させる貫通孔56が形成されて、上側芯材11の下端部と下側芯材12の上端部とに跨るように配置される連結板51と、を含んで構成される。連結板51には、下端が貫通孔56の上端部に連続して上方に延びる第1スリット部57と、上端が貫通孔56の下端部に連続して下端が連結板51の下端に達するように延びる第2スリット部58とが更に形成されている。これにより、地表面G2側から上側芯材11の上端部に下向きの荷重を加えて上側芯材11を押し下げることで、ボルト52を介して、スリット部55(貫通孔56、第1スリット部57、及び第2スリット部58)を押し広げることができるので、地下構造物2の構築後の埋戻しを中断することなく、埋戻しの完了後に、上側芯材11と下側芯材12との連結を解除して、上側芯材11を下側芯材12から撤去することができる。
また本参考例によれば、上側芯材11及び下側芯材12は、各々が、上下方向に延在する形鋼材(H形鋼材)からなる。これにより、汎用性のある形鋼材で上側芯材11及び下側芯材12を構成することができる。
また本参考例によれば、突出部(ボルト52)は、下側芯材12のウェブ12aの上端部に設けられ、連結板51は、その上部が上側芯材11のウェブ11aの下端部に固定される。これにより、上側芯材11のウェブ11aが、突出部(ボルト52)及び連結板51を介して、下側芯材12のウェブ12aに簡易に連結され得る。
また本参考例によれば、突出部(ボルト52)は、下側芯材12のフランジ12bの外面の上端部に設けられ、連結板51は、その上部が上側芯材11のフランジ11bの外面の下端部に固定される。これにより、上側芯材11のフランジ11bが、突出部(ボルト52)及び連結板51を介して、下側芯材12のフランジ12bに簡易に連結され得る。
また本参考例によれば、突出部はボルト52により構成される。これにより、下側芯材12の上端部に突出部を容易に設けることができる。
また本参考例によれば、第1スリット部57は、上方に向かうほど狭幅となる。これにより、前述の上側芯材11の撤去方法において、地表面G2側から上側芯材11の上端部に下向きの荷重を加えて上側芯材11を押し下げるときに、第1スリット部57がボルト52の雄ねじ部52をスムーズに案内することができる。
また本参考例によれば、第1スリット部57及び第2スリット部58は、各々の幅が、突出部の幅(ボルト52の外径)よりも小さい。これにより、ボルト52の雄ねじ部52aが、第1スリット部57の下端部及び第2スリット部58の上端部にて係止されるので、ボルト52の雄ねじ部52aが不意に第1スリット部57及び第2スリット部58を通過することを抑制することができる。
また本参考例によれば、芯材4は土留め壁1内に設置される。これにより、土留め壁1の剛性等を向上させることができる。
また本参考例によれば、芯材4の上側芯材11を下側芯材12から撤去する方法として、地表面G2側から上側芯材11に下向きの荷重を加えて上側芯材11を押し下げることにより、突出部(ボルト52)を介して、第1スリット部57及び第2スリット部58を押し広げる工程と(図7参照)、地表面G2側から上側芯材11を引き上げる工程と、を含む。これにより、地下構造物2の構築後の埋戻しを中断することなく、埋戻しの完了後に、上側芯材11と下側芯材12との連結を解除することができるので、当該連結の解除直後であっても、上側芯材11は、その周囲の土砂によって支持され得る。
図8は、本参考例の変形例における連結手段50の概略構成を示す図である。尚、図8では、図示簡略化のため、土留め壁1の図示を省略している。
本変形例では、下側芯材12の上端面と上側芯材11の下端面との間(空隙S1)に、圧縮変形可能なスペーサー部材70が介装されている。スペーサー部材70は、発泡スチロール等の樹脂によって形成され得る。
本変形例によれば、空隙S1には圧縮変形可能なスペーサー部材70が挿入される。これにより、下側芯材12の上端面と上側芯材11の下端面との間に硬い異物が入り込むことを抑制することができるので、前述の上側芯材11の撤去方法において、地表面G2側から上側芯材11の上端部に下向きの荷重を加えて上側芯材11をスムーズに押し下げることができる。
尚、本参考例及びその変形例では、芯材4を構成する形鋼材としてH形鋼材を例に挙げて説明したが、芯材4を構成する形鋼材はこれに限らず、例えば、フランジ及びウェブを有するI形鋼材、C形鋼材、CT形鋼材であってもよい。また、芯材4を構成する部材は形鋼材に限らず、例えば、箱型配管、鋼管矢板、配管用鋼管であってもよい。
また、前述の第1実施形態、第1参考例、及び第2参考例では、芯材4を、硬化前のソイルモルタル製の土留め壁1内に設置して土留め壁1を構築しているが、土留め壁1の構築方法は、これに限らない。
例えば、土留め壁1を構築する方法として、まず、土留め壁1の構築予定場所に対応する掘削孔を地盤に形成する。この掘削孔については、地表面G2側から地下に向けて地盤を掘削することにより形成される。次に、芯材4を掘削孔内に設置する。次に、掘削孔内に、ソイルモルタルを充填して土留め壁1を構築する。
また、前述の第1実施形態、第1参考例、及び第2参考例では、土留め壁1として、ソイルモルタル製の土留め壁を挙げて説明したが、芯材4を設置可能な土留め壁1であれば、土留め壁1の構成はこれに限らず、例えば、モルタル製、又は、コンクリート製の土留め壁1であってもよい。
また、前述の第1実施形態、第1参考例、及び第2参考例では、土留め壁1内に設置される芯材4(すなわち土留め壁1用の芯材4)を例に挙げたが、芯材4の用途はこれに限らない。例えば、芯材4は、支持杭として地中に打設される芯材であってもよい。
1 土留め壁
2 地下構造物
4 芯材
11 上側芯材
11a ウェブ
11b フランジ
12 下側芯材
12a ウェブ
12b フランジ
13 連結手段
15 第1固定板
15a 内面
15b 外面
16 第2固定板
16a、16b 内面
17 ワイヤー
20 溝部
21 第1溝部
22 第2溝部
23 上端部
24 下端部
26 板状部材
30 連結手段
31 第1エンドプレート
32 第2エンドプレート
33 第3エンドプレート
34 PC鋼線
35 第1定着具
36 第2定着具
37 第1貫通孔
38 第2貫通孔
39 第3貫通孔
41 第1アンカーヘッド
42 第1くさび
43 第2アンカーヘッド
44 第2くさび
50 連結手段
51 連結板
51a 長辺
51b 短辺
52 ボルト
52a 雄ねじ部
53 ナット
55 スリット部
56 貫通孔
57 第1スリット部
58 第2スリット部
60 貫通孔
70 スペーサー部材

Claims (7)

  1. 地表面側から下方に向かって延在する芯材であって、
    上下方向に延在して前記芯材の上部をなす上側芯材と、
    上下方向に延在し、前記芯材の下部をなして、上端面が前記上側芯材の下端面に対接する下側芯材と、
    前記上側芯材と前記下側芯材とを連結する連結手段と、
    を含んで構成され、
    前記連結手段は、
    前記上側芯材の側面の下端部に内面が接触して固定される一方、前記上側芯材の側面に垂直な方向で見て、水平面に対して傾斜するように延びる第1溝部が外面に形成された第1固定板と、
    前記下側芯材の側面の上端部に固定されて、前記第1固定板の外面に内面が接触し、かつ、この内面のうち前記第1溝部に対向する部分に第2溝部が形成された第2固定板と、
    前記第1溝部及び前記第2溝部からなる溝部に挿入されるワイヤーと、
    を備え、
    前記ワイヤーは、地表面側から下方に向かい、前記溝部にその上端部から挿入されて、前記溝部の下端部に至るように延在する、芯材。
  2. 前記上側芯材と前記下側芯材とは、各々が、互いに間隔を空けて対向する一対のフランジとこれらフランジ同士をつなぐウェブとからなる形鋼材によって構成され、
    前記第1固定板が固定される前記上側芯材の側面は、前記上側芯材のフランジ外面であり、
    前記第2固定板が固定される前記下側芯材の側面は、前記下側芯材のフランジ外面であり、
    前記第1溝部は、前記上側芯材のフランジ外面に垂直な方向で見て、水平面に対して傾斜するように延びる、請求項1に記載の芯材。
  3. 前記連結手段は、前記下側芯材の一対のフランジにそれぞれ固定された前記第2固定板の上部同士を接続するように延在する板状部材を更に備える、請求項2に記載の芯材。
  4. 前記第1溝部及び前記第2溝部は、各々の断面形状が半円状である、請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の芯材。
  5. 前記溝部と前記水平面とがなす角の角度は20°以上45°以下の範囲内である、請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の芯材。
  6. 前記芯材は土留め壁内に設置される、請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の芯材。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載の芯材の前記上側芯材を前記下側芯材から撤去する方法であって、
    地表面側から前記ワイヤーを引き上げて前記溝部内のワイヤーを除去することにより、前記第1固定板と前記第2固定板との連結を解除する工程と、
    地表面側から前記上側芯材を引き上げる工程と、
    を含む、上側芯材撤去方法。
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