JP7384755B2 - 芯材、及び、上側芯材撤去方法 - Google Patents

芯材、及び、上側芯材撤去方法 Download PDF

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本発明は、上側芯材及び下側芯材により構成される芯材、及び、この芯材の上側芯材を下側芯材から分離して撤去する方法に関する。
トンネル構造物等の地下構造物を施工する際には、施工場所に土留め壁を構築して、この土留め壁を用いて、施工場所に対する土留め及び止水を行いながら内部の掘削を行うことが多い。
土留め壁を用いる地下構造物の施工では、例えば、まず、SMW工法やTRD工法を用いて、地表面から不透水層に達するソイルモルタル製の土留め壁を構築する。この土留め壁の構築では、硬化前のソイルモルタル内に、H形鋼材からなる複数本の芯材(応力部材)を、互いに間隔を空けて並列に建て込む。ソイルモルタルの硬化後には、腹起し・切梁を掛けながら、施工場所の掘削を進める。次に、掘削された施工場所にて地下構造物の構築を行う。そして、地下構造物の構築後に、埋戻しを行いながら、腹起し・切梁の撤去を行う。
ここで、都市部等においては、地下構造物の施工場所付近で、将来、通信ケーブルや水道管、ガス管等の埋設工事が行われる可能性があるため、芯材のうち地表面から1~4m程度の深さまでの範囲の部分(上側部分)を撤去することが求められる場合が多い。
この点、特許文献1には、芯材の上側部分を撤去するための技術の一例が開示されている。
特許文献1では、ソイルモルタル製の土留め壁内に設置される芯材を、その上部をなす上側芯材と、下部をなす下側芯材と、上側芯材と下側芯材とを連結する連結手段とによって構成している。連結手段は、上側芯材の第1フランジと下側芯材の第2フランジとを互いに面一にして挟み込む。連結手段の上端部は、第1フランジの下端部に接合されている。連結手段の下端部は、第2フランジの上端部に接合されている。特許文献1では、上側芯材の上端部に所定値以上の力が上側芯材の第1ウェブのウェブ面と直交する一方向に加えられることにより、上側芯材が倒されて、連結手段による第1フランジと第2フランジとの連結が解除されるように、連結手段の上端部における第1フランジへの接合強度と連結手段の下端部における第2フランジへの接合強度とを異ならせている。
特開2015-63812号公報
しかしながら、特許文献1に開示の連結手段は、その構造が複雑であり、製作にコストが掛かるという問題があった。
本発明は、このような実状に鑑み、撤去される上側芯材と、残置される下側芯材との連結構造を簡素化することを目的とする。
そのため本発明の第1態様では、芯材は、地表面側から下方に向かって延在する。芯材は、上下方向に延在して芯材の上部をなす上側芯材と、上下方向に延在し、芯材の下部をなして、上端面が上側芯材の下端面に対接する下側芯材と、上側芯材と下側芯材とに跨る形で、上側芯材の外面と下側芯材の外面とにそれぞれ当接する添接板と、添接板の上部と上側芯材の外面とを固定する上部固定手段と、添接板の下部と下側芯材の外面とを固定する下部固定手段と、を含んで構成される。添接板は、添接板の下部の水平方向一側に形成されて添接板の縁部から延びる第1切欠き部と、添接板の下部の水平方向他側に形成された第1貫通孔と、を有する。下側芯材は、下側芯材の外面の前記水平方向一側に形成された第2貫通孔と、下側芯材の外面の前記水平方向他側に形成されて下側芯材の外面の縁部から延びる第2切欠き部と、を有する。下部固定手段は、第1切欠き部及び第2貫通孔を貫通する第1ボルトと、第1貫通孔及び第2切欠き部を貫通する第2ボルトと、を含む。
本発明の第2態様では、芯材は、地表面側から下方に向かって延在する。芯材は、上下方向に延在して芯材の上部をなす上側芯材と、上下方向に延在し、芯材の下部をなして、上端面が上側芯材の下端面に対接する下側芯材と、上側芯材と下側芯材とに跨る形で、上側芯材の外面と下側芯材の外面とにそれぞれ当接する添接板と、添接板の上部と上側芯材の外面とを固定する上部固定手段と、添接板の下部と下側芯材の外面とを固定する下部固定手段と、を含んで構成される。添接板は、添接板の上部の水平方向一側に形成されて添接板の縁部から延びる第1切欠き部と、添接板の上部の水平方向他側に形成された第1貫通孔と、を有する。上側芯材は、上側芯材の外面の前記水平方向一側に形成された第2貫通孔と、上側芯材の外面の前記水平方向他側に形成されて上側芯材の外面の縁部から延びる第2切欠き部と、を有する。上部固定手段は、第1切欠き部及び第2貫通孔を貫通する第1ボルトと、第1貫通孔及び第2切欠き部を貫通する第2ボルトと、を含む。
本発明の第3態様では、土留め壁内に建て込まれた、前記第1態様又は前記第2態様の芯材の上側芯材を土留め壁から撤去する方法として、土留め壁のうち、上側芯材の前記水平方向一側に隣接する部分を掘削して空間又は緩んだ地盤を形成すること、上側芯材の上端部に所定値以上の力を前記水平方向他側から前記水平方向一側に向かう方向に加えることによって、上側芯材を前記空間又は緩んだ地盤側へ倒すことにより、上側芯材を下側芯材から分離すること、及び、分離された上側芯材を引き上げること、を含む。
本発明によれば、添接板と第1ボルト及び第2ボルトとを用いて、上側芯材と下側芯材とを解除可能に連結することができるので、当該連結構造を簡素なものとすることができる。
本発明の第1実施形態における土留め壁の概略構成を示す図 前記第1実施形態における芯材の連結手段の概略構成を示す図 前記第1実施形態における上側芯材の下端部と、下側芯材の上端部と、添接板とを示す図 前記第1実施形態における上側芯材の撤去方法を示す図 前記第1実施形態における上側芯材の撤去方法を示す図 前記第1実施形態における上側芯材の撤去方法を示す図 前記第1実施形態における上側芯材の撤去方法を示す図 前記第1実施形態における上側芯材を下側芯材から分離する方法を示す図 前記第1実施形態における上側芯材を下側芯材から分離する方法を示す図 本発明の第2実施形態における芯材の連結手段の概略構成を示す図 前記第2実施形態における上側芯材の下端部と、下側芯材の上端部と、添接板とを示す図 前記第2実施形態における上側芯材を下側芯材から分離する方法を示す図 前記第2実施形態における上側芯材を下側芯材から分離する方法を示す図 前記第1実施形態の変形例における上側芯材の下端部と、下側芯材の上端部と、添接板とを示す図 前記第2実施形態の変形例における上側芯材の下端部と、下側芯材の上端部と、添接板とを示す図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1(ア)は本発明の第1実施形態における土留め壁の概略構成を示しており、図1(イ)のA-A断面に対応している。図1(イ)は、土留め壁の平面図である。
尚、本実施形態ではソイルモルタル製の土留め壁を例にとって本発明に係る土留め壁の説明を行うが、土留め壁はこれに限らない。
また、図1(ア)及び(イ)に示す土留め壁の高さ方向hと水平延在方向wと厚さ方向tとは、互いに直交しているとして、以下説明する。
土留め壁1は、地下構造物2の構築施工時に、施工場所G1に対する土留め及び止水を行うことを目的として、地下構造物2の構築に先立って構築されるものであり、本実施形態ではソイルモルタル製である。本実施形態では、一対の土留め壁1が、施工場所G1をその両側から挟むように対向して設けられている。すなわち、施工場所G1は、土留め壁1によって区画されている。
尚、図1(イ)は、TRD工法により構築された土留め壁1を示しているが、土留め壁1の構築方法はこれに限らない。例えば、土留め壁1の構築方法として、SMW工法を用いる場合には、土留め壁1は、例えば、オーガ(土中掘削機)で地盤を掘削しながら掘削土と固化材(セメントミルク等)とを混合・撹拌して形成される。
土留め壁1は、地表面G2から不透水層G3まで到達するように構築されている。
土留め壁1の構築時において、ソイルモルタルの硬化前には、芯材4の建て込みが行われる。すなわち、芯材4は土留め壁1内に設置される。
芯材4は、地表面G2側から下方に向かって延在している。この延在方向は、土留め壁1の高さ方向hと平行である。
芯材4は、その上部をなす上側芯材11、下部をなす下側芯材12、及び、上側芯材11と下側芯材12とを解除可能に連結する連結手段13を含んで構成される。
上側芯材11はH形鋼材からなり、ウェブ11aの両端部にフランジ11bを有する。換言すれば、上側芯材11は、互いに間隔を空けて対向する一対のフランジ11bと、これらフランジ間に位置してこれらフランジ同士をつなぐウェブ11aとを備える。
上側芯材11の上端面は地表面G2付近に位置する。本実施形態では上側芯材11の上端面は地表面G2より上方に位置しているが、この他、上側芯材11の上端面は地表面G2と同等の又はそれ以下の高さ位置に位置してもよい。上側芯材11の下端面は、下側芯材12の上端面に対接する(換言すれば接触する)。
下側芯材12はH形鋼材からなり、ウェブ12aの両端部にフランジ12bを有する。換言すれば、下側芯材12は、互いに間隔を空けて対向する一対のフランジ12bと、これらフランジ間に位置してこれらフランジ同士をつなぐウェブ12aとを備える。
連結手段13の構成の詳細については後述する。
土留め壁1内には、複数の芯材4が土留め壁1の水平延在方向wに沿って互いに間隔を空けて並んで配置されている。換言すれば、複数の芯材4は、土留め壁1内でその水平延在方向wに互いに離間して配置されている。ここで、土留め壁1の水平延在方向wとは、土留め壁1の延在方向のうち、水平方向に対応する方向を意味する。
芯材4の長手方向の長さ(すなわち土留め壁1の高さ方向hでの長さ)は、芯材4の下端が施工場所G1の床付け面(掘削最下面)より下側まで達するように、応力計算及び不透水層G3の位置に基づいて設定される。
上側芯材11の長手方向の長さ(すなわち土留め壁1の高さ方向hでの長さ)については、芯材4のうち、地下構造物2の構築後、埋戻しが完了した後に撤去が要求される深さに基づいて設定される。本実施形態では、上側芯材11の長手方向の長さが、例えば1~5m程度の範囲内である。
上側芯材11については、その一対のフランジ11b同士が、土留め壁1の厚さ方向tにて互いに対向するように、土留め壁1内に設置されている。また、隣り合う2つの上側芯材11については、一方の上側芯材11のウェブ11aの表面と、他方の上側芯材11のウェブ11aの表面とが、土留め壁1の水平延在方向wにて互いに対向するように、土留め壁1内に設置されている。
同様に、下側芯材12については、その一対のフランジ12b同士が、土留め壁1の厚さ方向tにて互いに対向するように、土留め壁1内に設置されている。また、隣り合う2つの下側芯材12については、一方の下側芯材12のウェブ12aの表面と、他方の下側芯材12のウェブ12aの表面とが、土留め壁1の水平延在方向wにて互いに対向するように、土留め壁1内に設置されている。
次に、芯材4の連結手段13について図2及び図3を用いて説明する。
図2(ア)は、添接板15に垂直な方向から見た連結手段13を示す。図2(イ)は、図2(ア)のB-B断面図である。図3(ア)は上側芯材11の下端部を示す。図3(イ)は下側芯材12の上端部を示す。図3(ウ)は添接板15を示す。
ここで、図2(ア)及び図3の図示と、後述する図4~図9の図示とに関して、「右側」が本発明の「水平方向一側」に対応し、「左側」が本発明の「水平方向他側」に対応するとして以下説明する。しかしながら、本発明の「水平方向一側」及び「水平方向他側」が「右側」及び「左側」に限らないことは言うまでもない。
連結手段13は、複数枚(本実施形態では2枚)の添接板15と、複数本(本実施形態では1枚の添接板15に対して3本)の第1ボルト16と、複数本(本実施形態では1枚の添接板15に対して3本)の第2ボルト17と、複数本(本実施形態では1枚の添接板15に対して6本)の第3ボルト18と、第1ボルト16、第2ボルト17、及び第3ボルト18の各々の雄ネジ部に螺合するナット19とを含んで構成される。
ここで、第1ボルト16、第2ボルト17、及び、これらの雄ネジ部に螺合するナット19によって下部固定手段14aが構成される。下部固定手段14aは、添接板15の下部と下側芯材12のフランジ12bとを固定するものである。下側芯材12のフランジ12bは、本発明の「下側芯材の外面」を構成し得るものである。
また、第3ボルト18、及び、この雄ネジ部に螺合するナット19によって上部固定手段14bが構成される。上部固定手段14bは、添接板15の上部と上側芯材11のフランジ11bとを固定するものである。上側芯材11のフランジ11bは、本発明の「上側芯材の外面」を構成し得るものである。
添接板15は金属製であり、上下方向に延びる矩形板状である。添接板15は、上側芯材11と下側芯材12とに跨る形で、上側芯材11のフランジ11bの外面と下側芯材12のフランジ12bの外面とにそれぞれ当接する。添接板15は、上側芯材11のフランジ11b及び下側芯材12のフランジ12bと略同等の幅を有している。添接板15は、その内面の上部が、上側芯材11のフランジ11bの外面の下端部に面接触している。添接板15は、その内面の下部が、下側芯材12のフランジ12bの外面の上端部に面接触している。
添接板15の下部の右側には、複数(本実施形態では3つ)の第1切欠き部21が形成されている。第1切欠き部21は、添接板15の下部の右側半分の縁部15aから延びている。第1切欠き部21は、第1ボルト16の雄ネジ部の外径と略同等の幅(溝幅)を有している。第1切欠き部21は、傾倒中心Cを中心とする円弧状に延びている。本実施形態では、複数の第1切欠き部21が、上下方向に互いに間隔を空けて並んでいる。第1切欠き部21の最奥部21aは、下側芯材12のフランジ12bに形成された第2貫通孔23に相対し得る。
添接板15の下部の左側には、複数(本実施形態では3つ)の第1貫通孔22が形成されている。本実施形態では、複数の第1貫通孔22が、上下方向に互いに間隔を空けて並んでいる。第1貫通孔22は、下側芯材12のフランジ12bに形成された第2切欠き部24の最奥部24aに相対し得る。
添接板15の上部の左右両側には、それぞれ、複数(本実施形態では3つ)の第3貫通孔25が形成されている。本実施形態では、添接板15の上部の左右両側に、それぞれ、複数の第3貫通孔25が、上下方向に互いに間隔を空けて並んでいる。第3貫通孔25は、上側芯材11のフランジ11bに形成された第4貫通孔26に相対し得る。
尚、複数の添接板15の各々に複数の第1切欠き部21、複数の第1貫通孔22、及び、複数の第3貫通孔25が形成されることは言うまでもない。
上側芯材11のフランジ11bの下端部の左右両側には、それぞれ、複数(本実施形態では3つ)の第4貫通孔26が形成されている。本実施形態では、上側芯材11のフランジ11bの下端部の左右両側に、それぞれ、複数の第4貫通孔26が、上下方向に互いに間隔を空けて並んでいる。
尚、上側芯材11の一対のフランジ11bの各々に複数の第4貫通孔26が形成されることは言うまでもない。
下側芯材12のフランジ12bの上端部の右側には、複数(本実施形態では3つ)の第2貫通孔23が形成されている。本実施形態では、複数の第2貫通孔23が、上下方向に互いに間隔を空けて並んでいる。
下側芯材12のフランジ12bの上端部の左側には、複数(本実施形態では3つ)の第2切欠き部24が形成されている。第2切欠き部24は、下側芯材12のフランジ12bの上端部の左側半分の縁部12baから延びている。第2切欠き部24は、第2ボルト17の雄ネジ部の外径と略同等の幅(溝幅)を有している。第2切欠き部24は、傾倒中心Cを中心とする円弧状に延びている。本実施形態では、複数の第2切欠き部24が、上下方向に互いに間隔を空けて並んでいる。
尚、下側芯材12の一対のフランジ12bの各々に複数の第2貫通孔23及び複数の第2切欠き部24が形成されることは言うまでもない。
第1ボルト16は、その雄ネジ部が添接板15の外面側から第1切欠き部21の最奥部21a、及び、第2貫通孔23に挿入されて、ナット19により締付固定される。第2ボルト17は、その雄ネジ部が添接板15の外面側から第1貫通孔22、及び、第2切欠き部24の最奥部24aに挿入されて、ナット19により締付固定される。第3ボルト18は、その雄ネジ部が添接板15の外面側から第3貫通孔25及び第4貫通孔26に挿入されて、ナット19により締付固定される。従って、第1ボルト16、第2ボルト17、第3ボルト18と、これらの雄ネジ部に螺合するナット19と、添接板15とにより、上側芯材11のフランジ11bの下端部と、下側芯材12のフランジ12bの上端部とが連結される。
ここで、図2(ア)及び図3(イ)に示すように、傾倒中心Cは、下側芯材12の右上端(右上の角部)に予め設定されている。また、図2(ア)、図3(イ)及び(ウ)に示すように、添接板15に垂直な方向から見て、第1切欠き部21及び第2切欠き部24は、傾倒中心Cを中心とする円弧状に延びている。図2(ア)及び図3(ア)~(ウ)に示すように、傾倒中心Cは、上側芯材11の右下端(右下の角部)に対応し、また、添接板15の上下方向中央部の右側縁に対応し得る。
次に、芯材4の上側芯材11を土留め壁1から撤去する方法について図4~図7を用いて説明する。図4(ア)~図7(ク)は上側芯材11の撤去方法を示す図である。ここにおいて、図4(ア)~図7(ク)では、図示簡略化のため、前述の添接板15、第1ボルト16、第2ボルト17、第3ボルト18、ナット19、第1切欠き部21、第1貫通孔22、第2貫通孔23、第2切欠き部24、第3貫通孔25、及び、第4貫通孔26の図示を省略している。
尚、図4(ア)~図7(ク)では、上側芯材11を図中の一番右側から左側に向かって順次撤去する場合について説明する。
まず、図4(ア)及び(イ)に示すように、土留め壁1のうち一番右側に建て込まれている芯材4の右側(つまり、芯材4の水平方向一側)に隣接する部分を、地表面G2上に配置された掘削機等によって掘削する。このように、上側芯材11の右側を上側芯材11が倒される側とし、土留め壁1のうち、上側芯材11が倒される側に隣接する部分(図4(ア)中に斜線で示した部分)を掘削して空間Sを形成する。尚、図4(ア)及び(イ)では、上側芯材11のウェブ11aと両フランジ11b,11bとで画成された溝内のソイルモルタルも掘削して除去するものとしたが、これに限らず、この溝内のソイルモルタルを単に壊して、残したままでもよい。この場合、後述するように上側芯材11が倒されると、溝内のソイルモルタルは、溝から剥がれ落ちるか、又は、倒伏した上側芯材11の溝内にそのまま残る。また、図4(ア)及び(イ)では、土留め壁1の設置範囲内のみ掘削するものとして示したが、これに限らず、土留め壁1の設置範囲から周辺地山にはみ出るように掘削してもよい。
次に、図4(イ)に示すように、上側芯材11の上端部に所定値以上の力Dを右方向(水平方向他側から水平方向一側に向かう方向)に加える。ここでは、上側芯材11のウェブ11aのウェブ面と直交する方向に所定値以上の力Dを加える。これにより、上側芯材11は、傾倒中心Cを中心(換言すれば支点)として右側に(空間Sに向かって)傾倒して、上側芯材11が下側芯材12から分離される(図5(ウ)及び(エ)参照)。ここで、前述の所定値とは、後述する図8及び図9に示す上側芯材11の傾倒が開始されるのに必要な力の最小値であり、予め設定され得る。また、前述の力Dの付与には、地表面G2上に位置するバックホー等の油圧ショベル(重機の一例)が用いられ得る。
図8及び図9は上側芯材11を下側芯材12から分離する方法を示している。下側芯材12からの上側芯材11の分離は、図8(ア)、(イ)、及び図9の順に進む。
上側芯材11の上端部に所定値以上の力Dが右方向に加えられることによって、上側芯材11及び添接板15が、傾倒中心Cを中心(換言すれば支点)として右側(空間S側)に倒されることにより、第1ボルト16が第1切欠き部21を介して添接板15から離脱すると共に、第2ボルト17が第2切欠き部24を介して下側芯材12から離脱する。ここで、上側芯材11及び添接板15が、傾倒中心Cを中心として右側(空間S側)に傾倒している途中で、第1ボルト16の雄ネジ部が第1切欠き部21内を、その円弧状に沿って最奥部21aから縁部15aに向かって相対移動すると共に、第2ボルト17の雄ネジ部が第2切欠き部24内を、その円弧状に沿って最奥部24aから縁部12baに向かって相対移動する。
次に、図6(オ)に示すように、下側芯材12から分離された上側芯材11を、地表面G2上に配置されたクレーン等の揚重手段により、図中矢印Lで示すように上方に引き上げて、上側芯材11を土留め壁1から撤去する。
次に、図6(カ)に示すように、図6(オ)にて上側芯材11が撤去された芯材4の隣の芯材4’の上側芯材11’を倒すために、土留め壁1のうち、上側芯材11’が倒される側に隣接する部分を掘削することで、空間Sを拡張する。
そして、図6(カ)~図7(ク)に示すように、上側芯材11’を上側芯材11と同様に倒して、上側芯材11’を下側芯材12’から分離し、上側芯材11’を土留め壁1から撤去する。
このような手順を繰り返し行って、残りの上側芯材11を撤去する。尚、上側芯材11の撤去に不要となった空間Sは順次埋め戻される。このことで、上側芯材11の撤去に用いられる油圧ショベル等の重機を土留め壁1の直上に配置することが可能となり、より効率的な撤去作業を行うことができる。
本実施形態によれば、芯材4は、地表面G2側から下方に向かって延在する。芯材4は、上下方向に延在して芯材4の上部をなす上側芯材11と、上下方向に延在し、芯材4の下部をなして、上端面が上側芯材11の下端面に対接する下側芯材12と、上側芯材11と下側芯材12とに跨る形で、上側芯材11の外面と下側芯材12の外面とにそれぞれ当接する添接板15と、添接板15の上部と上側芯材11の外面とを固定する上部固定手段14bと、添接板15の下部と下側芯材12の外面とを固定する下部固定手段14aと、を含んで構成される。添接板15は、添接板15の下部の水平方向一側(右側)に形成されて添接板15の縁部15aから延びる第1切欠き部21と、添接板15の下部の水平方向他側(左側)に形成された第1貫通孔22と、を有する。下側芯材12は、下側芯材12の外面の水平方向一側(右側)に形成された第2貫通孔23と、下側芯材12の外面の水平方向他側(左側)に形成されて下側芯材12の外面の縁部12baから延びる第2切欠き部24と、を有する。下部固定手段14aは、第1切欠き部21及び第2貫通孔23を貫通する第1ボルト16と、第1貫通孔22及び第2切欠き部24を貫通する第2ボルト17と、を含む。芯材4は、上側芯材11の上端部に所定値以上の力Dが水平方向他側(左側)から水平方向一側(右側)に向かう方向に加えられることによって、上側芯材11及び添接板15が倒されることにより、第1ボルト16が第1切欠き部21を介して添接板15から離脱すると共に、第2ボルト17が第2切欠き部24を介して下側芯材12から離脱するように構成されている。ゆえに、添接板15と第1ボルト16及び第2ボルト17とを用いて、上側芯材11と下側芯材12とを解除可能に連結することができるので、当該連結構造を簡素なものとすることができる。また、上側芯材11を横倒しすることで簡単に撤去することができる。
また本実施形態によれば、上側芯材11と下側芯材12とは、各々が、互いに間隔を空けて対向する一対のフランジとこれらフランジ同士をつなぐウェブとからなる形鋼材によって構成され、上側芯材11の外面は、上側芯材11のフランジ11bにより構成され、下側芯材12の外面は、下側芯材12のフランジ12bにより構成される。これにより、H形鋼材などの形鋼材からなる上側芯材11と下側芯材12とを連結手段13によって容易に連結することができる。
また本実施形態によれば、添接板15に垂直な方向から見て、第1切欠き部21及び第2切欠き部24は、下側芯材12における水平方向一側(右側)の上端(傾倒中心C)を中心とする円弧状に延びる。これにより、傾倒中心Cを中心(換言すれば支点)として上側芯材11をスムーズに傾倒させることができる。
また本実施形態によれば、芯材4は土留め壁1内に建て込まれる。これにより、土留め壁1の剛性等を向上させることができる。
また本実施形態によれば、土留め壁1内に建て込まれた芯材4の上側芯材11を土留め壁1から撤去する方法として、土留め壁1のうち、上側芯材11の水平方向一側(右側)に隣接する部分を掘削して空間S又は緩んだ地盤を形成すること(図4(ア)及び(イ)参照)、上側芯材11の上端部に所定値以上の力Dを水平方向他側(左側)から水平方向一側(右側)に向かう方向に加えることによって、上側芯材11を空間S又は緩んだ地盤側へ倒すことにより、上側芯材11を下側芯材12から分離すること(図4(イ)~図5(エ)参照)、及び、分離された上側芯材11を引き上げること(図6(オ)参照)、を含む。これにより、上側芯材11を地表面G2側からの作業だけで容易に撤去することができる。
次に、本発明の第2実施形態について、図10及び図11を用いて説明する。
図10は、本実施形態における、添接板15に垂直な方向から見た連結手段13を示す。図11(ア)は上側芯材11の下端部を示す。図11(イ)は下側芯材12の上端部を示す。図11(ウ)は添接板15を示す。尚、図10及び図11の図示と、後述する図12及び図13の図示とに関して、前述の第1実施形態と同様に「右側」が本発明の「水平方向一側」に対応し、「左側」が本発明の「水平方向他側」に対応する。
前述の第1実施形態と異なる点について説明する。
本実施形態では、第1ボルト16、第2ボルト17、及び、これらの雄ネジ部に螺合するナット19によって上部固定手段14bが構成される。上部固定手段14bは、添接板15の上部と上側芯材11のフランジ11bとを固定するものである。上側芯材11のフランジ11bは、本発明の「上側芯材の外面」を構成し得るものである。
また、本実施形態では、第3ボルト18、及び、この雄ネジ部に螺合するナット19によって下部固定手段14aが構成される。下部固定手段14aは、添接板15の下部と下側芯材12のフランジ12bとを固定するものである。下側芯材12のフランジ12bは、本発明の「下側芯材の外面」を構成し得るものである。
添接板15の上部の右側には、複数(本実施形態では3つ)の第1切欠き部21が形成されている。第1切欠き部21は、添接板15の上部の右側半分の縁部15bから延びている。第1切欠き部21は、第1ボルト16の雄ネジ部の外径と略同等の幅(溝幅)を有している。第1切欠き部21は、傾倒中心Cを中心とする円弧状に延びている。本実施形態では、複数の第1切欠き部21が、上下方向に互いに間隔を空けて並んでいる。第1切欠き部21の最奥部21aは、上側芯材11のフランジ11bに形成された第2貫通孔23に相対し得る。
添接板15の上部の左側には、複数(本実施形態では3つ)の第1貫通孔22が形成されている。本実施形態では、複数の第1貫通孔22が、上下方向に互いに間隔を空けて並んでいる。第1貫通孔22は、上側芯材11のフランジ11bに形成された第2切欠き部24の最奥部24aに相対し得る。
添接板15の下部の左右両側には、それぞれ、複数(本実施形態では3つ)の第3貫通孔25が形成されている。本実施形態では、添接板15の下部の左右両側に、それぞれ、複数の第3貫通孔25が、上下方向に互いに間隔を空けて並んでいる。第3貫通孔25は、下側芯材12のフランジ12bに形成された第4貫通孔26に相対し得る。
尚、複数の添接板15の各々に複数の第1切欠き部21、複数の第1貫通孔22、及び、複数の第3貫通孔25が形成されることは言うまでもない。
下側芯材12のフランジ12bの上端部の左右両側には、それぞれ、複数(本実施形態では3つ)の第4貫通孔26が形成されている。本実施形態では、下側芯材12のフランジ12bの上端部の左右両側に、それぞれ、複数の第4貫通孔26が、上下方向に互いに間隔を空けて並んでいる。
尚、下側芯材12の一対のフランジ12bの各々に複数の第4貫通孔26が形成されることは言うまでもない。
上側芯材11のフランジ11bの下端部の右側には、複数(本実施形態では3つ)の第2貫通孔23が形成されている。本実施形態では、複数の第2貫通孔23が、上下方向に互いに間隔を空けて並んでいる。
上側芯材11のフランジ11bの下端部の左側には、複数(本実施形態では3つ)の第2切欠き部24が形成されている。第2切欠き部24は、上側芯材11のフランジ11bの下端部の左側半分の縁部11baから延びている。第2切欠き部24は、第2ボルト17の雄ネジ部の外径と略同等の幅(溝幅)を有している。第2切欠き部24は、傾倒中心Cを中心とする円弧状に延びている。本実施形態では、複数の第2切欠き部24が、上下方向に互いに間隔を空けて並んでいる。
尚、上側芯材11の一対のフランジ11bの各々に複数の第2貫通孔23及び複数の第2切欠き部24が形成されることは言うまでもない。
第1ボルト16は、その雄ネジ部が添接板15の外面側から第1切欠き部21の最奥部21a、及び、第2貫通孔23に挿入されて、ナット19により締付固定される。第2ボルト17は、その雄ネジ部が添接板15の外面側から第1貫通孔22、及び、第2切欠き部24の最奥部24aに挿入されて、ナット19により締付固定される。第3ボルト18は、その雄ネジ部が添接板15の外面側から第3貫通孔25及び第4貫通孔26に挿入されて、ナット19により締付固定される。従って、第1ボルト16、第2ボルト17、第3ボルト18と、これらの雄ネジ部に螺合するナット19と、添接板15とにより、上側芯材11のフランジ11bの下端部と、下側芯材12のフランジ12bの上端部とが連結される。
ここで、図10及び図11(イ)に示すように、傾倒中心Cは、下側芯材12の右上端(右上の角部)に予め設定されている。また、図10、図11(ア)及び(ウ)に示すように、添接板15に垂直な方向から見て、第1切欠き部21及び第2切欠き部24は、傾倒中心Cを中心とする円弧状に延びている。図10及び図11(ア)~(ウ)に示すように、傾倒中心Cは、上側芯材11の右下端(右下の角部)に対応し、また、添接板15の上下方向中央部の右側縁に対応し得る。
図12及び図13は上側芯材11を下側芯材12から分離する方法を示している。下側芯材12からの上側芯材11の分離は、図12(ア)、(イ)、及び図13の順に進む。
前述の図4(イ)及び図5(ウ)に示したように上側芯材11の上端部に所定値以上の力Dが右方向に加えられることによって、上側芯材11が、傾倒中心Cを中心(換言すれば支点)として右側(空間S側)に倒されることにより、第1ボルト16が第1切欠き部21を介して添接板15から離脱すると共に、第2ボルト17が第2切欠き部24を介して上側芯材11から離脱する。ここで、上側芯材11が傾倒中心Cを中心として右側(空間S側)に傾倒している途中で、第1ボルト16の雄ネジ部が第1切欠き部21内を、その円弧状に沿って最奥部21aから縁部15bに向かって相対移動すると共に、第2ボルト17の雄ネジ部が第2切欠き部24内を、その円弧状に沿って最奥部24aから縁部11baに向かって相対移動する。
特に本実施形態によれば、芯材4は、地表面G2側から下方に向かって延在する。芯材4は、上下方向に延在して芯材4の上部をなす上側芯材11と、上下方向に延在し、芯材4の下部をなして、上端面が上側芯材11の下端面に対接する下側芯材12と、上側芯材11と下側芯材12とに跨る形で、上側芯材11の外面と下側芯材12の外面とにそれぞれ当接する添接板15と、添接板15の上部と上側芯材11の外面とを固定する上部固定手段14bと、添接板15の下部と下側芯材12の外面とを固定する下部固定手段14aと、を含んで構成される。添接板15は、添接板15の上部の水平方向一側(右側)に形成されて添接板15の縁部15bから延びる第1切欠き部21と、添接板15の上部の水平方向他側(左側)に形成された第1貫通孔22と、を有する。上側芯材11は、上側芯材11の外面の水平方向一側(右側)に形成された第2貫通孔23と、上側芯材11の外面の水平方向他側(左側)に形成されて上側芯材11の外面の縁部11baから延びる第2切欠き部24と、を有する。上部固定手段14bは、第1切欠き部21及び第2貫通孔23を貫通する第1ボルト16と、第1貫通孔22及び第2切欠き部24を貫通する第2ボルト17と、を含む。芯材4は、上側芯材11の上端部に所定値以上の力Dが水平方向他側(左側)から水平方向一側(右側)に向かう方向に加えられることによって、上側芯材11が倒されることにより、第1ボルト16が第1切欠き部21を介して添接板15から離脱すると共に、第2ボルト17が第2切欠き部24を介して上側芯材11から離脱するように構成されている。ゆえに、添接板15と第1ボルト16及び第2ボルト17とを用いて、上側芯材11と下側芯材12とを解除可能に連結することができるので、当該連結構造を簡素なものとすることができる。また、上側芯材11を横倒しすることで簡単に撤去することができる。
前述の第1,第2実施形態では、第1切欠き部21及び第2切欠き部24とが、傾倒中心Cを中心とする円弧状であるが、第1切欠き部21及び第2切欠き部24の形状は円弧状に限らない。上側芯材11の傾倒時に、第1ボルト16が第1切欠き部21を介して添接板15から離脱でき、かつ、第2ボルト17が第2切欠き部24を介して下側芯材12又は上側芯材11から離脱できる範囲内であれば、第1切欠き部21及び第2切欠き部24の形状は任意である。例えば、図3(ウ)に示す3つの第1切欠き部21については、各々の円弧状の曲率が異なっているが、これら3つの第1切欠き部21の円弧状を重ね合わせたような形状で、これら3つの第1切欠き部21の形状を統一してもよい。この点は、第2切欠き部24についても同様である。
前述の第1,第2実施形態では、上側芯材11を右側に倒しながら除去することとしたが、左右どちらに倒すかを事前に決定できない場合には、芯材4のウェブ線(上側芯材11のウェブ線、及び、下側芯材12のウェブ線)を基準軸とする線対称に第1切欠き部21及び第2切欠き部24を形成すればよい。このように第1切欠き部21及び第2切欠き部24を線対称に形成した変形例を図14及び図15に示す。図14(ア)~(ウ)は、前述の第1実施形態の変形例における上側芯材11の下端部、下側芯材12の上端部、及び、添接板15を示す。図15(ア)~(ウ)は、前述の第2実施形態の変形例における上側芯材11の下端部、下側芯材12の上端部、及び、添接板15を示す。図14及び図15に示す傾倒中心C’は、上側芯材11を左側に倒す際に中心(換言すれば支点)となるところである。上側芯材11を左側に倒す場合には、上側芯材11の上端部に所定値以上の力Dが左方向(右側から左側に向かう方向)に加えられることは言うまでもない。また、図14及び図15に示す変形例において、第1切欠き部21の最奥部21aは、第2ボルト17が挿通される第1貫通孔22として機能可能であり、また、第2切欠き部24の最奥部24aは、第1ボルト16が挿通される第2貫通孔23として機能可能であることは明らかである。
前述の第1,第2実施形態及び変形例では、芯材4を構成する形鋼材としてH形鋼材を例に挙げて説明したが、芯材4を構成する形鋼材はこれに限らず、例えば、フランジ及びウェブを有するI形鋼材やC形鋼材であってもよい。
前述の第1,第2実施形態及び変形例では、芯材4を、硬化前のソイルモルタル製の土留め壁1内に設置して土留め壁1を構築しているが、土留め壁1の構築方法は、これに限らない。例えば、土留め壁1を構築する方法として、まず、土留め壁1の構築予定場所に対応する掘削孔を地盤に形成する。この掘削孔については、地表面G2側から地下に向けて地盤を掘削することにより形成される。次に、芯材4を掘削孔内に設置する。次に、掘削孔内に、ソイルモルタルを充填して土留め壁1を構築する。
前述の第1,第2実施形態及び変形例では、土留め壁1として、ソイルモルタル製の土留め壁を挙げて説明したが、芯材4を設置可能な土留め壁1であれば、土留め壁1の構成はこれに限らず、例えば、モルタル製、又は、コンクリート製の土留め壁1であってもよい。
前述の第1,第2実施形態及び変形例では、土留め壁1内に設置される芯材4(すなわち土留め壁1用の芯材4)を例に挙げたが、芯材4の用途はこれに限らない。例えば、芯材4は、支持杭として地中に打設されるH形鋼材であってもよい。
図示の実施形態はあくまで本発明を例示するものであり、本発明は、説明した実施形態により直接的に示されるものに加え、特許請求の範囲内で当業者によりなされる各種の改良・変更を包含するものであることは言うまでもない。
1…土留め壁、2…地下構造物、4,4’…芯材、11,11’…上側芯材、11a,11a’…ウェブ、11b…フランジ、11ba…縁部、12,12’…下側芯材、12a…ウェブ、12b…フランジ、12ba…縁部、13…連結手段、14a…下部固定手段、14b…上部固定手段、15…添接板、15a,15b…縁部、16…第1ボルト、17…第2ボルト、18…第3ボルト、19…ナット、21…第1切欠き部、21a…最奥部、22…第1貫通孔、23…第2貫通孔、24…第2切欠き部、24a…最奥部、25…第3貫通孔、26…第4貫通孔、C,C’…傾倒中心、D…力、G1…施工場所、G2…地表面、G3…不透水層、S…空間

Claims (8)

  1. 地表面側から下方に向かって延在する芯材であって、
    上下方向に延在して前記芯材の上部をなす上側芯材と、
    上下方向に延在し、前記芯材の下部をなして、上端面が前記上側芯材の下端面に対接する下側芯材と、
    前記上側芯材と前記下側芯材とに跨る形で、前記上側芯材の外面と前記下側芯材の外面とにそれぞれ当接する添接板と、
    前記添接板の上部と前記上側芯材の外面とを固定する上部固定手段と、
    前記添接板の下部と前記下側芯材の外面とを固定する下部固定手段と、
    を含んで構成され、
    前記添接板は、前記添接板の下部の水平方向一側に形成されて前記添接板の縁部から延びる第1切欠き部と、前記添接板の下部の水平方向他側に形成された第1貫通孔と、を有し、
    前記下側芯材は、前記下側芯材の外面の前記水平方向一側に形成された第2貫通孔と、前記下側芯材の外面の前記水平方向他側に形成されて前記下側芯材の外面の縁部から延びる第2切欠き部と、を有し、
    前記下部固定手段は、
    前記第1切欠き部及び前記第2貫通孔を貫通する第1ボルトと、
    前記第1貫通孔及び前記第2切欠き部を貫通する第2ボルトと、
    を含む、芯材。
  2. 前記上側芯材の上端部に所定値以上の力が前記水平方向他側から前記水平方向一側に向かう方向に加えられることによって、前記上側芯材及び前記添接板が倒されることにより、前記第1ボルトが前記第1切欠き部を介して前記添接板から離脱すると共に、前記第2ボルトが前記第2切欠き部を介して前記下側芯材から離脱するように構成された、請求項1に記載の芯材。
  3. 地表面側から下方に向かって延在する芯材であって、
    上下方向に延在して前記芯材の上部をなす上側芯材と、
    上下方向に延在し、前記芯材の下部をなして、上端面が前記上側芯材の下端面に対接する下側芯材と、
    前記上側芯材と前記下側芯材とに跨る形で、前記上側芯材の外面と前記下側芯材の外面とにそれぞれ当接する添接板と、
    前記添接板の上部と前記上側芯材の外面とを固定する上部固定手段と、
    前記添接板の下部と前記下側芯材の外面とを固定する下部固定手段と、
    を含んで構成され、
    前記添接板は、前記添接板の上部の水平方向一側に形成されて前記添接板の縁部から延びる第1切欠き部と、前記添接板の上部の水平方向他側に形成された第1貫通孔と、を有し、
    前記上側芯材は、前記上側芯材の外面の前記水平方向一側に形成された第2貫通孔と、前記上側芯材の外面の前記水平方向他側に形成されて前記上側芯材の外面の縁部から延びる第2切欠き部と、を有し、
    前記上部固定手段は、
    前記第1切欠き部及び前記第2貫通孔を貫通する第1ボルトと、
    前記第1貫通孔及び前記第2切欠き部を貫通する第2ボルトと、
    を含む、芯材。
  4. 前記上側芯材の上端部に所定値以上の力が前記水平方向他側から前記水平方向一側に向かう方向に加えられることによって、前記上側芯材が倒されることにより、前記第1ボルトが前記第1切欠き部を介して前記添接板から離脱すると共に、前記第2ボルトが前記第2切欠き部を介して前記上側芯材から離脱するように構成された、請求項3に記載の芯材。
  5. 前記上側芯材と前記下側芯材とは、各々が、互いに間隔を空けて対向する一対のフランジとこれらフランジ同士をつなぐウェブとからなる形鋼材によって構成され、
    前記上側芯材の外面は、前記上側芯材のフランジにより構成され、
    前記下側芯材の外面は、前記下側芯材のフランジにより構成される、請求項1~請求項4のいずれか1つに記載の芯材。
  6. 前記添接板に垂直な方向から見て、前記第1切欠き部及び前記第2切欠き部は、前記下側芯材における前記水平方向一側の上端を中心とする円弧状に延びる、請求項1~請求項5のいずれか1つに記載の芯材。
  7. 前記芯材は土留め壁内に建て込まれる、請求項1~請求項6のいずれか1つに記載の芯材。
  8. 土留め壁内に建て込まれた、請求項1~請求項7のいずれか1つに記載の芯材の前記上側芯材を前記土留め壁から撤去する方法であって、
    前記土留め壁のうち、前記上側芯材の前記水平方向一側に隣接する部分を掘削して空間又は緩んだ地盤を形成すること、
    前記上側芯材の上端部に所定値以上の力を前記水平方向他側から前記水平方向一側に向かう方向に加えることによって、前記上側芯材を前記空間又は緩んだ地盤側へ倒すことにより、前記上側芯材を前記下側芯材から分離すること、及び、
    分離された前記上側芯材を引き上げること、
    を含む、上側芯材撤去方法。
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