JP2015063812A - 土留め壁用の芯材、及び、該芯材の上部芯材撤去方法 - Google Patents
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Abstract
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このように、連結手段の第1フランジ(上部芯材)への接合強度と第2フランジ(下部芯材)への接合強度とを適宜異ならせると共に、上部芯材の第1フランジと下部芯材の第2フランジとを面一にして挟み込む簡素な連結手段を設けるだけでよいため、上部芯材及び下部芯材に複雑な加工を施す必要がない。このようにして、簡素な構造で上部芯材を撤去可能な土留め壁用の芯材を提供することができる。
このように、簡素な構造の芯材を用いて上部芯材を撤去可能であると共に、上部芯材を地表面側からの作業だけで容易に撤去することが可能な上部芯材撤去方法を提供することできる。
図1は、本発明の一実施形態による土留め壁用の芯材1の概略構成を示す図であり、芯材1が土留め壁10内に建て込まれている状態を示している。図2は、図1に示す芯材1の建込状態を掘削予定領域G0側から視た図である。
そして、この土留め壁10内には、図2に示すように、地表面から下方に向かって芯材1が、所定間隔で複数本(図2では6本)並設して建て込まれている。なお、以下において、土留め壁10が地表面と水平方向に延在する方向を、水平延在方向(後述する図4、図5、図8及び図9参照)と言う。
このように、本実施形態の上部芯材2及び下部芯材3は、単に、適宜規格のH形鋼を適宜長さに切断してなる簡素な構造のものである。
以下において、これら各連結手段4a,4b,4c,4dを、上部芯材2が倒される側の一対の連結手段4a,4bと、一対の連結手段4a,4bとは反対側の別の一対の連結手段4c,4dとに分けて説明する。なお、図6では、図の簡略化のため後述する連結手段4a側のみ示したが、連結手段4aと連結手段4bとは同じ形状をしている。また、同様に、図7では、図の簡略化のため後述する連結手段4c側のみ示したが、連結手段4cと連結手段4dとは同じ形状をしている。
また、一対の連結手段4a,4bは、具体的には、図3〜図6に示すように、それぞれ、上端部が隅肉溶接W1により第1フランジ2a,2bに接合され、下端部が点付け溶接W2により第2フランジ3a,3bに仮接合されている。このようにして、一対の連結手段4a,4bの上端部における第1フランジ2a,2bへの接合強度と一対の連結手段4a,4bの下端部における第2フランジ3a,3bへの接合強度とを異ならせている。なお、上部芯材2の上端部にウェブ2c面と直交する一方向からを外力が加えられたとき、一対の連結手段4a,4bの下端部における点付け溶接W2部分には、この外力に応じた引張力が作用し、この外力の大きさが所定値以上になると点付け溶接W2部分が破断して、この点付け溶接W2部分による接合が解除される。したがって、本実施形態においては、前述した上部芯材2の上端部に加えられる所定値以上の力とは、接合強度の弱い点付け溶接W2部分が破断して、この点付け溶接W2部分による接合が解除可能な大きさの外力である。
また、別の一対の連結手段4c,4dは、具体的には、図3〜図5及び図7に示すように、それぞれ、下端部が隅肉溶接W1により第2フランジ3a,3bに接合されている。一方、連結手段4c,4dの上端部は、押しボルト4eの締め付けによる締め付け力を介して上部芯材2に仮止め(仮接合)されている。このようにして、連結手段4c,4dの上端部は、連結手段4c,4dの両側壁に螺合された押しボルト4e,4eにより第1フランジ2a,2bに仮接合されている。なお、図1及び図2、後述する図8〜図13では、図の簡略化のためこの押しボルト4eは図示省略されている。
なお、本実施形態における芯材1は、図2、及び、図2のF矢視方向から見た土留め壁10の平面図である図8に示すように、地表面から下方に向かって、所定間隔で複数本並設して建て込まれており、上部芯材2を図中の一番右側から左側に向かって順次撤去する場合について説明する。
このように、連結手段の第1フランジ2a,2b(上部芯材2)への接合強度と第2フランジ3a,3b(下部芯材3)への接合強度とを適宜異ならせると共に、上部芯材2の第1フランジ2a,2bと下部芯材3の第2フランジ3a,3bとを跨いで、それぞれを面一にして挟み込む簡素な連結手段を設けるだけでよいため、上部芯材及び下部芯材に複雑な加工を施す必要がない。このようにして、簡素な構造で上部芯材を撤去可能な土留め壁用の芯材を提供することができる。
このように、簡素な構造の芯材を用いて上部芯材を撤去可能であると共に、上部芯材を地表面側からの作業だけで容易に撤去することが可能な上部芯材撤去方法を提供することできる。
また、別の一対の連結手段4c,4dは、それぞれ、上端部が連結手段4c,4dの両側壁に螺合された押しボルト4e,4eにより上部芯材2に仮接合されるものとしたが、これに限らず、上端部が点付け溶接W2により仮接合されてもよい。そして、一対の連結手段4c,4dは、それぞれ、下端部が隅肉溶接W1により下部芯材3に接合されるものとしたが、これに限らず、下端部がボルトとナットにより第2フランジ3a,3bに完全に固定するようにしてもよい。
つまり、一対の連結手段4a,4bの第1フランジ2a,2bへの接合強度は、この一対の連結手段4a,4bの第2フランジ3a,3bへの接合強度より大きく、別の一対の連結手段4c,4dの第1フランジ2a,2bへの接合強度は、この別の一対の連結手段4c,4dの第2フランジ3a,3bへの接合強度より小さくなるように設定されていればよい。
このように、土留め壁10のうち、上部芯材2が倒される側に隣接する部分を掘削して空間S又は緩んだ地盤を形成し、上部芯材2の上端部に所定値以上の力を第1ウェブ2cのウェブ面と直交する一方向に加えることにより、上部芯材2を空間S又は緩んだ地盤側へ倒して、連結手段4による上部芯材と下部芯材との連結を解除すればよい。
2・・・・・・・上部芯材
2a,2b・・・一対の第1フランジ
2c・・・・・・第1ウェブ
3・・・・・・・下部芯材
3a,3b・・・一対の第2フランジ
3c・・・・・・第2ウェブ
4・・・・・・・連結手段
4a,4b・・・一対の連結手段
4c,4d・・・別の一対の連結手段
4f・・・・・・押しボルト
10・・・・・・土留め壁
G0・・・・・・掘削予定領域
G1・・・・・・地山
S・・・・・・・空間
W1・・・・・・隅肉溶接
W2・・・・・・点付け溶接
Claims (10)
- 地盤の掘削予定領域と非掘削領域とを仕切る土留め壁内に建て込まれて地表面側から下方に向かって延設する鋼製の芯材であって、
一対の第1フランジと第1ウェブとを有する形鋼材からなり、前記芯材の上部をなす上部芯材と、
一対の第2フランジと第2ウェブとを有する形鋼材からなり、前記芯材の下部をなす下部芯材と、
前記第1フランジの下端部を前記第2フランジの上端部に解除可能に連結する連結手段と、
を含んで構成され、
前記連結手段は、前記第1フランジと前記第2フランジとを互いに面一にして挟み込み、かつ、該連結手段の上端部が前記第1フランジの下端部に接合され、該連結手段の下端部が前記第2フランジの上端部に接合されるように構成され、
前記上部芯材の上端部に所定値以上の力が前記第1ウェブのウェブ面と直交する一方向に加えられることにより、該上部芯材が倒されて、前記連結手段による前記第1フランジと前記第2フランジとの連結が解除されるように、前記連結手段の上端部における前記第1フランジへの接合強度と前記連結手段の下端部における前記第2フランジへの接合強度とを異ならせた、土留め壁用の芯材。 - 前記連結手段は、前記第1フランジの下端部及び前記第2フランジの上端部の四隅に対応してそれぞれ設けられ、
前記各連結手段のうち前記上部芯材が倒される側の一対の連結手段の前記第1フランジへの接合強度は、該一対の連結手段の前記第2フランジへの接合強度より大きく、
前記各連結手段のうち前記一対の連結手段とは反対側の別の一対の連結手段の前記第1フランジへの接合強度は、該別の一対の連結手段の前記第2フランジへの接合強度より小さい、請求項1に記載の土留め壁用の芯材。 - 前記各連結手段は、それぞれ断面コ字状に形成され、
前記一対の連結手段は、それぞれ、上端部が隅肉溶接により前記第1フランジに接合される、請求項2に記載の土留め壁用の芯材。 - 前記一対の連結手段は、それぞれ、下端部が点付け溶接により前記第2フランジに仮接合される、請求項3に記載の土留め壁用の芯材。
- 前記一対の連結手段は、それぞれ、下端部が該連結手段の両側壁に螺合された押しボルトにより前記第2フランジに仮接合される、請求項3に記載の土留め壁用の芯材。
- 前記別の一対の連結手段は、それぞれ、下端部が隅肉溶接により前記第2フランジに接合される、請求項3〜5のいずれか1つに記載の土留め壁用の芯材。
- 前記別の一対の連結手段は、それぞれ、上端部が点付け溶接により前記第1フランジに仮接合される、請求項3〜6のいずれか1つに記載の土留め壁用の芯材。
- 前記別の一対の連結手段は、それぞれ、上端部が該連結手段の両側壁に螺合された押しボルトにより前記第1フランジに仮接合される、請求項3〜6のいずれか1つに記載の土留め壁用の芯材。
- 前記一対の第1フランジの一方の外面及び前記一対の第2フランジの一方の外面を前記掘削予定領域側に向けて前記土留め壁内に建て込まれる、請求項1〜8のいずれか1つに記載の土留め壁用の芯材。
- 請求項9に記載の前記芯材の前記上部芯材を前記土留め壁内から撤去する上部芯材撤去方法であって、
前記土留め壁のうち、前記上部芯材が倒される側に隣接する部分を掘削して空間又は緩んだ地盤を形成し、
前記上部芯材の上端部に所定値以上の力を前記第1ウェブのウェブ面と直交する一方向に加えることにより、該上部芯材を前記空間又は緩んだ地盤側へ倒して、前記連結手段による前記上部芯材と前記下部芯材との連結を解除し、
前記上部芯材を前記土留め壁内から撤去する、上部芯材撤去方法。
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